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技術 溶接装置及び溶接方法

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 辻村吉寛青山和夫
出願日 2016年5月18日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-099807
公開日 2017年11月24日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-205789
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による測長装置 アーク溶接の制御
主要キーワード Y座標 アーク光 開先側 位置推測 投影座標 各撮影装置 溶接狙い位置 レーザスリット光
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月24日)のものです。
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図面 (16)

課題

溶接狙い位置を適切に補正できる溶接装置の提供。

解決手段

実施の形態の溶接装置は、複数の撮影装置画像処理部、算出部及び狙い位置補正部を備えている。複数の撮影装置は、溶接中開先溶接トーチ電極とを含む領域をそれぞれ異なる位置から撮影する。画像処理部は、前記複数の撮影装置で撮影された前記領域の各画像を画像処理することによって、前記各画像上の前記電極の先端位置と溶融池に対する前記開先の境界位置とを検出する。算出部は、前記画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、前記各画像上の前記先端位置及び前記境界位置にそれぞれ対応した3次元座標位置を算出する。狙い位置補正部は、前記算出部による算出結果に基づいて、溶接の狙い位置を補正する。

概要

背景

溶接対象物開先溶接トーチ電極との相対位置を計測して溶接狙い位置を制御する自動溶接装置が知られている。自動溶接装置は、溶接対象物の加工精度組立精度によっては、溶接狙い位置にずれが生じ、この場合、欠陥の発生が懸念される。このため、溶接狙い位置は、溶接中補正される必要がある。

例えば、一対の溶接対象物における各開先の周辺部分の画像を画像処理することで、溶接池に対する両側の開先境界を検出し、この検出結果に基づいて溶接狙い位置を補正する方法がある。また、溶融池の3次元形状の計測結果に基づいて溶接狙い位置を補正する方法なども提案されている。

概要

溶接の狙い位置を適切に補正できる溶接装置の提供。実施の形態の溶接装置は、複数の撮影装置、画像処理部、算出部及び狙い位置補正部を備えている。複数の撮影装置は、溶接中の開先と溶接トーチの電極とを含む領域をそれぞれ異なる位置から撮影する。画像処理部は、前記複数の撮影装置で撮影された前記領域の各画像を画像処理することによって、前記各画像上の前記電極の先端位置と溶融池に対する前記開先の境界位置とを検出する。算出部は、前記画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、前記各画像上の前記先端位置及び前記境界位置にそれぞれ対応した3次元の座標位置を算出する。狙い位置補正部は、前記算出部による算出結果に基づいて、溶接の狙い位置を補正する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、溶接の狙い位置を適切に補正することができる溶接装置及び溶接方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

溶接中開先溶接トーチ電極とを含む領域をそれぞれ異なる位置から撮影する複数の撮影装置と、前記複数の撮影装置で撮影された前記領域の各画像を画像処理することによって、前記各画像上の前記電極の先端位置と溶融池に対する前記開先の境界位置とを検出する画像処理部と、前記画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、前記各画像上の前記先端位置及び前記境界位置にそれぞれ対応した3次元座標位置を算出する算出部と、前記算出部による算出結果に基づいて、溶接狙い位置補正する狙い位置補正部と、を備える溶接装置

請求項2

アーク長を設定する設定部をさらに備え、前記算出部は、3次元座標上の開先の境界位置から前記各撮影装置までの当該各撮影装置の光軸方向に沿った第1の距離と、3次元座標上の電極の先端位置から前記各撮影装置までの前記光軸方向に沿った距離と前記設定されたアーク長とを加算した第2の距離と、を算出し、前記狙い位置補正部は、前記算出された第1の距離と前記第2の距離との差が閾値を超える場合に、前記画像処理によって各画像上に検出された開先の境界位置を誤検出であると判定する判定部を備える、請求項1に記載の溶接装置。

請求項3

アーク長を設定する設定部をさらに備え、前記算出部は、3次元座標上の電極の先端位置から3次元座標系の開先の境界位置までの前記各撮影装置の光軸方向に沿った第3の距離を算出し、前記狙い位置補正部は、前記算出された第3の距離と前記設定されたアーク長との差が閾値を超える場合に、前記画像処理によって各画像上に検出された電極の先端位置及び/又は開先の境界位置を誤検出であると判定する判定部を備える、請求項1に記載の溶接装置。

請求項4

アーク長を設定する設定部をさらに備え、前記算出部は、3次元座標上の電極の先端位置から3次元座標上の前記開先の境界位置までの前記各撮影装置の光軸方向に沿った第3の距離を算出し、前記狙い位置補正部は、前記算出された第3の距離が前記設定されたアーク長と等しくなるように、前記光軸方向における前記電極の位置を移動制御する、請求項1に記載の溶接装置。

請求項5

前記複数の撮影装置は、溶接ワイヤをさらに含む領域をそれぞれ異なる位置から撮影し、前記画像処理部は、前記複数の撮影装置により撮影された各画像を画像処理することによって前記各画像上の溶接池に対する溶接ワイヤの挿入位置を検出し、前記算出部は、前記画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、前記各画像上の前記挿入位置に対応した3次元の座標位置を算出し、前記狙い位置補正部は、算出された3次元座標上における、前記溶接ワイヤの挿入位置、前記電極の先端位置及び前記開先の境界位置に基づいて、前記溶接ワイヤを移動制御する、請求項1に記載の溶接装置。

請求項6

前層の溶接の狙い位置を記憶する記憶部をさらに備え、前記狙い位置補正部は、前記記憶された前層の溶接の狙い位置に基づいて、次層の溶接の狙い位置を補正する、請求項1に記載の溶接装置。

請求項7

前記画像処理部によって検出された前層の開先の境界位置を記憶する記憶部をさらに備え、前記狙い位置補正部は、前記記憶された前層の開先の境界位置に基づいて、次層の溶接の狙い位置を補正する、請求項1に記載の溶接装置。

請求項8

前記算出部は、溶融池に対する一方の開先の前層の境界位置から前記各撮影装置までの当該各撮影装置の光軸方向に沿った距離と、溶融池に対する他方の開先の前層の境界位置から前記各撮影装置までの前記光軸方向に沿った距離と、の差を算出し、前記算出された前層の互いの距離の差と、前記互いの距離の差に応じた溶接の狙い位置の制御パターンと、を記憶する記憶部をさらに備え、前記狙い位置補正部は、前記記憶された前層の互いの距離の差と前記制御パターンとに基づいて、次層の溶接の狙い位置を補正する、請求項1に記載の溶接装置。

請求項9

前記画像処理部は、前記画像処理によって各画像上の開先の上端縁の位置をさらに検出し、前記開先の形状の設計値を含む設計情報を記憶する記憶部と、前記画像処理によって各画像上に検出された前記開先の境界位置及び前記開先の上端縁の位置と前記記憶された設計情報とに基づいて、3次元座標上の開先の境界位置を推測する推測部と、をさらに備え、前記狙い位置補正部は、前記算出部によって算出された3次元座標上の開先の境界位置と前記推測された3次元座標上の開先の境界位置との間の離間距離が閾値を超える場合に、前記画像処理によって各画像上に検出された前記開先の境界位置を誤検出であると判定する判定部を備える、請求項1に記載の溶接装置。

請求項10

溶接条件を設定する設定部をさらに備え、前記複数の撮影装置は、それぞれの前面に、特定の波長の光を透過させる光学フィルタを備え、さらに、前記複数の撮影装置は、前記設定された溶接条件に応じて、しぼりゲイン、及びシャッタ速度の少なくともひとつを調整する、請求項1に記載の溶接装置。

請求項11

溶接中の開先と溶接トーチの電極とを含む領域をそれぞれ異なる位置から複数の撮影装置で撮影するステップと、前記複数の撮影装置で撮影された前記領域の各画像を画像処理することによって、前記各画像上の前記電極の先端位置と前記開先の溶融池に対する境界位置とを検出するステップと、前記画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、前記先端位置及び前記境界位置にそれぞれ対応した3次元の座標位置を算出するステップと、前記算出された3次元の各座標位置に基づいて、溶接の狙い位置を補正するステップと、を有する溶接方法

技術分野

0001

本発明の実施形態は、溶接装置及び溶接方法に関する。

背景技術

0002

溶接対象物開先溶接トーチ電極との相対位置を計測して溶接狙い位置を制御する自動溶接装置が知られている。自動溶接装置は、溶接対象物の加工精度組立精度によっては、溶接狙い位置にずれが生じ、この場合、欠陥の発生が懸念される。このため、溶接狙い位置は、溶接中補正される必要がある。

0003

例えば、一対の溶接対象物における各開先の周辺部分の画像を画像処理することで、溶接池に対する両側の開先境界を検出し、この検出結果に基づいて溶接狙い位置を補正する方法がある。また、溶融池の3次元形状の計測結果に基づいて溶接狙い位置を補正する方法なども提案されている。

先行技術

0004

特開2014−79774
特開2012−254477

発明が解決しようとする課題

0005

さらに、レーザスリット光を利用して開先の2次元形状を計測し、この計測結果に基づいて溶接狙い位置を補正する方法も知られている。ただし、この方法では、レーザスリット光の干渉により、溶接の品質評価にとって重要なプール形状、前層のビード形状開先面などの検出が困難となる。

0006

そこで、前述した画像処理を利用する溶接狙い位置の補正方法の適用が考えられる。しかしながら、この方法は、光源となるアーク溶接条件シールドガスなどの影響で変化し、このアークの変化が画像処理の結果に与える影響が非常に大きく、このため、開先面を誤検出してしまう場合がある。

0007

一方、溶融池の3次元形状の計測結果を利用した溶接狙い位置の補正方法では、例えば、アーク周辺の輝度が高い領域を除外し、輝度が比較的低い溶融池の例えば後方部分などの計測結果が利用される。このため、溶接中において最も重要であるアーク周辺の状況をリアルタイムには取得できず、溶接狙い位置における補正の精度が懸念される。

0008

そこで、本発明が解決しようとする課題は、溶接の狙い位置を適切に補正することができる溶接装置及び溶接方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

実施の形態の溶接装置は、複数の撮影装置、画像処理部、算出部及び狙い位置補正部を備えている。複数の撮影装置は、溶接中の開先と溶接トーチの電極とを含む領域をそれぞれ異なる位置から撮影する。画像処理部は、前記複数の撮影装置で撮影された前記領域の各画像を画像処理することによって、前記各画像上の前記電極の先端位置と溶融池に対する前記開先の境界位置とを検出する。算出部は、前記画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、前記各画像上の前記先端位置及び前記境界位置にそれぞれ対応した3次元の座標位置を算出する。狙い位置補正部は、前記算出部による算出結果に基づいて、溶接の狙い位置を補正する。

図面の簡単な説明

0010

第1の実施形態に係る溶接装置の構成を機能的に示すブロック図。
図1の溶接装置により溶接される被溶接部分の断面図。
図2Aとは異なる方向からみた被溶接部分の断面図。
図1の溶接装置が備えた撮影装置で撮影される画像の一例を示す図。
図1の溶接装置が備えた撮影装置により、輝度の設定を高めに調整して被溶接部分を撮影した画像。
図1の溶接装置が備えた撮影装置により、輝度の設定を適切に調整して被溶接部分を撮影した画像。
図1の溶接装置による開先及び電極の検出範囲を例示した平面図。
図1の溶接装置によるステレオ視を用いた3次元座標上における開先の境界位置の算出方法を説明するための図。
図5Aの算出方法により算出された境界位置が誤判定であった場合の処理を説明するための図。
図1の溶接装置による溶接方法を示すフローチャート
第2の実施形態に係る自動溶接装置の構成を機能的に示すブロック図。
第3の実施形態に係る自動溶接装置の構成を機能的に示すブロック図。
第4の実施形態に係る自動溶接装置の構成を機能的に示すブロック図。
図9の溶接装置による開先の境界位置の推測方法を説明するための平面図。
図10Aの推測方法を説明するための断面図。

実施例

0011

以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
<第1の実施の形態>
図1及び図2A図2Cに示すように、本実施形態の溶接装置10は、溶接対象物2a、2bにおける開先の溶融池23に対する境界位置1a、1bと、溶接トーチの電極22の先端位置と、の相対的な位置関係に基づいて、溶接の狙い位置を自動制御(補正)する例えば非消耗電極式の自動溶接装置である。

0012

すなわち、溶接装置10は、複数(例えば2台)の撮影装置11a、11b、画像入力部12a、12b、画像処理部18、3次元情報算出部(算出部)15、設定部7及び狙い位置補正部19を備えている。上記した設定部7は、溶接電流溶接電圧溶接速度アーク長などを含む溶接条件を設定する。

0013

本実施形態の溶接対象物2a、2bは、ステンレス鋼などの合金鋼炭素鋼といった鋼材が、溶接対象母材となる。この溶接対象物2a、2bには、図2A図2Cに示すように、開先面3a、3bを有する例えばV型の開先(V型狭開先)が形成されている。なお、開先の形状は、このような狭開先に限定されるものではない。また、本実施形態では、図2Aに示すように、複数回の溶接パスを経て、これらの溶接対象物2a、2bを溶接する多層盛溶接が適用される。

0014

図2Aに示すように、複数の撮影装置11a、11bは、溶接中の開先、溶接トーチの電極22(電極の先端部分)、溶接ワイヤ21の先端部、アーク24及び溶融池23を含むアーク周辺の領域(被溶接部分)を、それぞれ異なる位置から撮影する複数のカメラである。また、個々の撮影装置11a、11bは、上記したアーク周辺の領域を、それぞれ同じ画角内に収めるようにして撮影する。

0015

複数の撮影装置11a、11bは、それぞれの前面に、特定の波長の光を透過させる光学フィルタ9a、9bを備えている。この光学フィルタ9a、9bは、アーク光が撮影装置11a、11bに直接的に受光されることを抑制することで、電極22や開先面3a、3bなどとアーク光との光量差を小さくし、視覚的な認識性を向上させている。

0016

アーク光の強さは、設定部7が設定する溶接電流などの溶接条件によって異なり、図3Aに示すように、撮影された画像の輝度が高い場合、画像処理部18による画像処理が困難になる可能性がある。そこで、複数の撮影装置11a、11bは、設定された溶接条件に応じて、しぼりゲイン、及びシャッタ速度の少なくともひとつを自動調整する。これにより、図3Bに示すように、輝度が適切に調整された、画像処理しやすい画像を得ることが可能となる。

0017

画像入力部12a、12bは、複数の撮影装置11a、11bによって各々撮影されたアーク周辺の領域の各画像をそれぞれ入力する(入力を受け付ける)。一方、画像処理部18は、複数の撮影装置11a、11bで撮影されたアーク周辺の領域の各画像を画像処理することによって、各画像上(2次元座標上)の電極の先端位置と溶融池23に対する開先の境界位置1a、1b(一方の開先の境界位置1a及び他方の開先の境界位置1b)とを検出する。

0018

具体的には、画像処理部18は、電極先端検出部13a、13b及び開先検出部14a、14bを有する。図4に示すように、開先検出部14a、14bは、画像入力部12a、12bで入力を受け付けた各画像から、一方(図4中の左側)の開先の境界位置1aに対応した左側開先境界検出範囲5aと、他方(図4中の右側)の開先の境界位置1bに対応した右側開先境界検出範囲5bと、を切り出し、この切り出した画像を取り込む。また、電極先端検出部13a、13bは、画像入力部12a、12bで入力を受け付けた各画像から、電極22の先端位置に対応した電極先端検出範囲6を切り出し、この切り出した画像を取り込む。

0019

電極先端検出部13a、13b及び開先検出部14a、14bは、このような画像処理によって、誤検出の防止及び画像処理に要する時間の短縮を図っている。具体的には、溶接トーチの電極22は、温度が高く、その周辺よりも輝度が高い。電極先端検出部13a、13bは、この輝度の違いに基づき、電極22の2次元座標上の先端位置を検出して出力する。一方、温度が高く輝度の高い溶融池23とアーク光が反射するため輝度の高い開先面3a、3bとの間に、開先の境界位置1a、1bは、存在し、輝度が低い。開先検出部14a、14bは、これらの輝度の違いを基に、一方及び他方の開先における2次元座標上の境界位置1a、1b(図4中の溶融池23の左側及び右側のきわ)をそれぞれ検出して出力する。

0020

3次元情報算出部15は、画像処理された各画像を用い、三角測量の原理に基づくステレオ視によって、当該各画像上の電極22の先端位置及び開先の境界位置1a、1bにそれぞれ対応した3次元(3次元座標系)の座標位置を算出する。この3次元情報算出部15は、対応付け演算処理部15a、15bを備えている。

0021

例えば、図5Aに示すように、互いに異なる位置に配置された複数の撮影装置11a、11bは、異なる座標系を有しているといえ、それぞれの投影座標中心(撮影装置11a、11bの前面の中心位置)25a、25b、検出点(例えば上記した開先の境界位置1a、1b、電極22の先端位置)の画素座標26a、26b、撮影装置11a、11bの互いの位置関係に基づいて、検出点27の3次元座標系の座標位置を算出することが可能となる。

0022

詳述すると、例えば2台の撮影装置11a、11bを用いたステレオ視(平行ステレオ視)では、3次元空間中の検出点27(X,Y,Z)における2台の撮影装置11a、11bの撮影画像上への投影点の画素座標を(xm,ym)、(xn,yn)とするとき以下の式1が成り立つ。

0023

0024

ここで、2台の撮影装置11a、11bは、同一仕様のカメラであり、図5Aに示すように、平行等位に設置されている。平行等位とは、2台の撮影装置11a、11bの光軸を平行にして、撮像面を一致させ、さらに撮像面の横軸(x軸)も一致させた配置である。なお、上記した投影座標中心25a、25bは、それぞれ、撮影装置11a、11b前面の中心位置である。また、式1中のfは、撮影装置11a、11bの焦点距離(撮影装置11a、11bの前面から画素座標上までの光軸方向に沿った距離)であり、式1中のBは、撮影装置11a、11bどうしの離間距離ベースライン)である。

0025

また、上記した式1は、分母をxm−xnでそろえるようにして書き換えると、下記の式2でも表現できる。

0026

0027

式2中のxm−xnは、2つの画像上における投影点の横方向のずれ量であり、いわゆる視差である。図5Aに示すように、検出点27の奥行きZ(深さZE)は、Bとfが一定であれば、視差(xm−xn)により一意に決まり、それと反比例の関係にある。すなわち、奥行きが小さい(対象が近い)とき、視差は大きな値となり、逆に奥行きが大きい(対象が遠い)と、視差は小さくなる。

0028

3次元情報算出部15は、このようなステレオ視を利用して、各画像上の電極22の先端位置及び開先の境界位置1a、1bにそれぞれ対応した3次元座標上(3次元座標系)の座標位置を算出する。

0029

さらに、狙い位置補正部19は、3次元情報算出部15による算出結果に基づいて、溶接の狙い位置を補正する。この狙い位置補正部19は、誤検出判定部16及び溶接狙い位置演算部17を有している。ここで、3次元情報算出部15は、3次元座標上の開先の境界位置1a、1bから各撮影装置11a、11bまでの当該各撮影装置の光軸方向に沿った第1の距離ZEと、3次元座標上の電極22の先端位置から各撮影装置11a、11bまでの光軸方向に沿った距離と設定部7に設定されたアーク長とを加算した第2の距離と、を算出する。

0030

誤検出判定部16は、画像処理部18の開先検出部14a、14bによって検出された2次元座標上の開先の境界位置が、誤検出であるか否かを、3次元情報算出部15の対応付け演算処理部15bによって算出された3次元の座標位置(開先の3次元の境界位置)に基づいて判定する。具体的には、誤検出判定部16は、算出された上記第1の距離と第2の距離との差が閾値を超える場合に、開先検出部14a、14bの画像処理によって各画像上に検出された開先の境界位置を誤検出であると判定する。一方、溶接狙い位置演算部17は、誤検出判定部16により誤検出ではないと判定された場合に、3次元座標上における開先の境界位置1a、1bと電極22の先端位置とに基づいて、溶接の狙い位置を演算により求める。

0031

ここで、一般には、電極22の先端位置は、外乱の影響が比較的小さいものの、開先の境界位置を検出する際には、アーク光や外乱の影響が大きく、境界位置を誤検出してしまうことが懸念される。作業者視認して誤検出であるか否かを判断することは容易ではあるものの、溶接装置10が、誤検出であるか否かを自動で判断をするためには、画像処理により検出された開先の境界位置が妥当であるか否かの判断材料が必要である。この判断材料としては、開先の境界位置における深さの情報(撮影装置11a、11bの光軸に沿った奥行き情報)を適用することが考えられる。この深さの情報は、上記したようにステレオ視によって得ることが可能となる。

0032

一方、画像処理によって検出された開先の境界位置が誤検出であると誤検出判定部16が判定した場合、溶接狙い位置演算部17は、図5Bに示すように、検出点27と例えば誤検出点(誤検出であると判定さされた開先の境界位置)28、若しくは、複数の誤検出点(同様に誤検出であると判定された開先の複数の境界位置)28、に基づいて、疑似検出点29の深さZFを算出する。

0033

この場合、画像処理部18の開先検出部14a、14bは、上記の疑似検出点29の3次元の座標位置に基づいて、図4に示す左側開先境界検出範囲5a及び右側開先境界検出範囲5bを制限(前回切り出し範囲とは別の範囲に再設定)して、画像処理による開先の境界位置の再検出を行う。これにより、再度の誤検出を抑制することが可能になる。

0034

次に、このように構成された溶接装置10による溶接方法を図6に示すフローチャートに基づき説明する。まず、複数の撮影装置11a、11bは、溶接中の開先及び溶接トーチの電極22の先端部分を含むアーク周辺の領域を、それぞれ異なる位置から撮影する(S1)。次に、画像入力部12a、12bは、撮影されたアーク周辺の領域の各画像の入力を受け付ける(S2)。

0035

次いで、画像処理部18は、画像入力部12a、12bで入力を受け付けた各画像を画像処理することによって、各画像上の電極22の先端位置と溶融池23に対する開先の境界位置1a、1bを検出する(S3)。さらに、3次元情報算出部15は、画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、各画像上の電極22の先端位置及び開先の境界位置1a、1bにそれぞれ対応した3次元の座標位置を算出する(S4)。

0036

ここで、3次元情報算出部15は、3次元座標上の開先の境界位置1a、1bから各撮影装置11a、11bまでの当該各撮影装置の光軸方向に沿った第1の距離と、3次元座標上の電極22の先端位置から各撮影装置11a、11bまでの前記光軸方向に沿った距離と設定されたアーク長とを加算した第2の距離と、を算出する。

0037

続いて、誤検出判定部16は、前述した第1の距離と第2の距離との差が閾値を超えているか否かを判断する(S5)。閾値を超えている場合(S5のYES)、誤検出判定部16は、画像処理によって各画像上に検出された開先の境界位置を誤検出であると判定する(S6)。さらにこの際、画像処理部18は、左側開先境界検出範囲5a及び右側開先境界検出範囲5bを新たに設定して、画像処理による開先の境界位置を再検出する(S7)。

0038

一方、第1の距離と第2の距離との差が閾値を超えていない場合(S5のNO)、狙い位置補正部19は、3次元情報算出部15による算出結果(3次元座標上の開先の境界位置1a、1bと3次元座標上の電極22の先端位置と)に基づいて、溶接の狙い位置を補正する(S8)。

0039

既述したように、本実施形態の溶接装置10及び溶接方法をよれば、ステレオ視によって得られる3次元座標上の開先の境界位置1a、1b及び電極22の先端位置を適用することで、溶接の狙い位置を適切に補正することができる。なお、本実施形態では、複数の撮影装置11a、11bを備えることで、例えば溶接線が直線ではなく、円弧のような場合でも、開先の境界位置の検出を好適に行うことが可能となる。

0040

<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態を図7に基づき説明する。本実施形態に係る溶接装置30は、第1の実施形態に係る溶接装置10の画像処理部18、3次元情報算出部15及び狙い位置補正部19に代えて、図7に示すように、画像処理部38、3次元情報算出部35、並びに誤検出判定部36及び溶接狙い位置演算部37を含む狙い位置補正部39を有すると共に、前層処理記憶部34をさらに備えている。

0041

前層処理記憶部34は、前層(1パス前)の溶接の狙い位置を含む以前の層の溶接の狙い位置を、時系列情報として記憶している。一方、狙い位置補正部39は、前層処理記憶部34に記憶された例えば前層の溶接の狙い位置に基づいて、次層の溶接の狙い位置を補正する。つまり、溶接装置30では、前層の溶接狙い位置の情報を次層の溶接狙い位置の制御に反映させることができる。

0042

また、前層処理記憶部34は、画像処理部38によって検出された前層の開先の境界位置1a、1bを記憶する。また、狙い位置補正部39は、前層処理記憶部34に記憶された前層の開先の境界位置に基づいて、次層の溶接の狙い位置を補正する。

0043

より具体的には、画像処理部38は、例えば、前層で検出された開先の境界位置が誤検出でなかった場合、前層の左側開先境界検出範囲5a及び前層の右側開先境界検出範囲5bを基に、次層の左側及び右側の開先境界検出範囲を設定することが可能となる。この結果、狙い位置補正部39では、誤検出の発生を抑制できることに加え、溶接の狙い位置の精度を高めることができる。

0044

また、本実施形態の3次元情報算出部35は、溶融池23に対する一方の開先の前層の境界位置1aから各撮影装置11a、11bまでの当該各撮影装置の光軸方向に沿った距離と、溶融池に対する他方の開先の前層の境界位置1bから各撮影装置11a、11bまでの前記光軸方向に沿った距離と、の差を算出する。

0045

一方、前層処理記憶部34は、このように算出された前層の互いの距離の差と、当該互いの距離の差に応じた溶接の狙い位置の制御パターン(狙い位置制御のデータベース)と、をさらに記憶している。また、前述した狙い位置補正部39は、前層処理記憶部34に記憶された前層の互いの距離の差と前記の制御パターンとに基づいて、次層の溶接の狙い位置を補正する。これにより、本実施形態の溶接装置30によれば、前層の溶接が一方又は他方の開先側に寄ってしまった場合などにおいても、次層の溶接でこれを修正することができる。

0046

さらに、本実施形態の画像処理部38は、複数の撮影装置11a、11bにより撮影された各画像を画像処理することによって各画像上の溶接池23に対する溶接ワイヤ21の挿入位置を検出する。また、3次元情報算出部35は、この画像処理された各画像を用いるステレオ視によって、各画像上の溶接ワイヤ21の挿入位置に対応した3次元の座標位置を算出する。さらに、狙い位置補正部39は、算出された3次元座標上における、溶接ワイヤの挿入位置、電極22の先端位置及び開先の境界位置1a、1bに基づいて、溶接ワイヤ21を移動制御する。

0047

これにより、本実施形態の溶接装置30では、より正確に溶接の狙い位置を補正できることに加え、補正したこの溶接の狙い位置に溶接ワイヤ21を正しく配置することが可能となる。

0048

<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態を図8に基づき説明する。本実施形態に係る溶接装置50は、第1の実施形態に係る溶接装置10の3次元情報算出部15並びに狙い位置補正部19に代えて、図8に示すように、3次元情報算出部55、並びに誤検出判定部56及び溶接狙い位置演算部57を含む狙い位置補正部59を備えている。

0049

すなわち、3次元情報算出部55は、3次元座標上の電極22の先端位置から3次元座標系の開先の境界位置1a、1bまでの各撮影装置11a、11bの光軸方向に沿った第3の距離を算出する。一方、誤検出判定部56は、算出されたこの第3の距離と設定部7に設定されたアーク長との差が閾値を超える場合に、画像処理部18での画像処理によって各画像上に検出された電極22の先端位置1a、1b及び/又は開先の境界位置を誤検出であると判定する。

0050

さらに、このような誤検出判定部56及び溶接狙い位置演算部57を有する狙い位置補正部59は、上記した第3の距離と設定されたアーク長との差が閾値を超えていない場合、算出された第3の距離が設定されたアーク長と等しくなるように、溶接の狙い位置を補正すると共に、補正した溶接の狙い位置に基づき、撮影装置11a、11bの光軸方向における電極22の位置を移動制御する。

0051

したがって、本実施形態の溶接装置50によれば、より適切に溶接の狙い位置を補正することが可能であると共に、アーク長に起因する欠陥の発生を抑えることができる。

0052

<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態を図9図10A及び図10Bに基づき説明する。本実施形態に係る溶接装置70は、第1の実施形態に係る溶接装置10の画像処理部18並びに狙い位置補正部19に代えて、図9に示すように、画像処理部78並びに誤検出判定部76及び溶接狙い位置演算部77を含む狙い位置補正部79を有すると共に、設計情報記憶部71及び開先境界位置推測部72をさらに備えている。

0053

画像処理部78は、第1の実施形態の画像処理部18の構成に加え、画像入力部12a、12bで入力を受け付けた各画像を画像処理することによって各画像上の開先の上端縁の位置(図10A中に示すように、開先の境界位置1a、1bとY座標が等しい開先の上端縁の位置)8a、8bをさらに検出する。また、設計情報記憶部71は、開先の形状の設計値を含む設計情報を記憶している。

0054

さらに、開先境界位置推測部72は、図9図10A及び図10Bに示すように、画像処理部78の画像処理によって各画像上に検出された開先の境界位置及び開先の上端縁の位置8a、8bと設計情報記憶部71に記憶された設計情報とに基づいて、3次元座標上の開先の境界位置を推測(算出)する。言い換えると、開先境界位置推測部72は、図10A図10Bに示すように、画像処理によってそれぞれ得られた2次元座標上における開先の上端縁の位置8a、8bから開先の境界位置1a、1aまでの距離XGと、2次元座標上の開先の当該上端縁の位置8a、8b及び開先の形状の設計情報から算出された、開先の上端面から溶融池23に対する開先の境界の深さ位置までの前記光軸方向に沿った距離ZGとに基づいて、3次元座標上の開先の境界位置を推測する。

0055

また、狙い位置補正部79の誤検出判定部76は、3次元情報算出部15によって算出された3次元座標上の開先の境界位置と開先境界位置推測部72によって推測された3次元座標上の開先の境界位置との間の離間距離が閾値を超える場合に、画像処理部78の画像処理によって各画像上に検出された2次元座標上の開先の境界位置を誤検出であると判定する。

0056

つまり、本実施形態の溶接装置70によれば、画像処理による2次元座標上の開先の境界位置についての誤検出をより的確に判定することができ、これにより、溶接の狙い位置を補正する精度を向上させることができる。

0057

以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、溶接の狙い位置を適切に補正することができる。

0058

以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0059

1a,1b…開先の境界位置、2a,2b…溶接対象物、3a,3b…開先面、5a…左側開先境界検出範囲、5b…右側開先境界検出範囲、6…電極先端検出範囲、7…設定部、8a,8b…開先の上端縁の位置、9a,9b…光学フィルタ、10,30,50,70…溶接装置、11a,11b…撮影装置、12a,12b…画像入力部、13a,13b…電極先端検出部、14a,14b…開先検出部、15,35,55…3次元情報算出部、15a,15b…対応付け演算処理部、16,36,56,76…誤検出判定部、17,37,57,77…溶接狙い位置演算部、18,38,78…画像処理部、19,39,59,79…狙い位置補正部、21…溶接ワイヤ、22…溶接トーチの電極、23…溶融池、24…アーク、34…前層処理記憶部、71…設計情報記憶部、72…開先境界位置推測部。

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