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技術 音響レンズ、その製造方法、超音波探触子および超音波撮像装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 森田聖和
出願日 2016年5月20日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2016-101450
公開日 2017年11月24日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2017-205416
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード 有機複合物 有機物フィラー 平行板可塑度計 プラストメータ 三酸化タングステン粉末 材ブロック 音速測定装置 ダブルロール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月24日)のものです。
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図面 (2)

課題

音波減衰を抑制しつつ、化学的定性および物理的強度に優れる音響レンズを提供すること。

解決手段

音響レンズは、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物を含むゴム組成物加硫成形体で構成されている。第1のシリコーンゴム組成物の可塑度は100以下である。第2のシリコーンゴム組成物の可塑度は150以上300以下である。

概要

背景

音波を用いて検査を行うための超音波撮像装置は、被検体(例えば、生体)の内部に超音波を送信し、被検体内反射した超音波を受信して、被検体内の情報を含む超音波画像を形成する。このようにして、超音波撮像装置によれば被検体の内部を可視化して検査することができる。

超音波撮像装置では、超音波探触子用の音響レンズが被検体と密着した状態で使用される。被検体による超音波の反射を少なくして超音波の減衰を抑制する観点から、音響レンズの音響インピーダンスは、被検体の音響インピーダンスに近いことが好ましい。

上記音響レンズの例として、シリコーン系ゴムおよびブタジエン系ゴムの混合物からなる音響レンズが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、上記音響レンズの他の例として、酸化チタン粒子が混合されたシリコーンゴムからなる音響レンズが知られている(例えば、特許文献2参照)。

概要

超音波の減衰を抑制しつつ、化学的定性および物理的強度に優れる音響レンズを提供すること。音響レンズは、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物を含むゴム組成物加硫成形体で構成されている。第1のシリコーンゴム組成物の可塑度は100以下である。第2のシリコーンゴム組成物の可塑度は150以上300以下である。なし

目的

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、超音波の減衰を抑制しつつ、化学的安定性および物理的強度に優れる音響レンズを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

音波探触子用の音響レンズであって、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを含むゴム組成物加硫成形体で構成されている、音響レンズ。

請求項2

その比重は、1.2以上1.6以下である、請求項1に記載の音響レンズ。

請求項3

その比重が3以上7未満である無機粒子をさらに含む、請求項1または2に記載の音響レンズ。

請求項4

前記無機粒子の個数平均粒径は、0.05μm以上0.5μm以下である、請求項3に記載の音響レンズ。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の音響レンズを有する、超音波探触子。

請求項6

請求項5に記載の超音波探触子を有する、超音波撮像装置

請求項7

超音波探触子用の音響レンズの製造方法であって、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを混練することでゴム組成物を作製する工程と、前記ゴム組成物を加硫成形する工程と、を含む、音響レンズの製造方法。

請求項8

前記ゴム組成物を作製する工程は、前記第1のシリコーンゴム組成物と、前記第2のシリコーンゴム組成物と、その比重が3以上7未満である無機粒子と、を混練する工程である、請求項7に記載の音響レンズの製造方法。

請求項9

前記無機粒子として、個数平均粒径が0.05μm以上0.5μm以下である無機粒子を用いる、請求項8に記載の音響レンズの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、音響レンズ、その製造方法、ならびにその音響レンズを有する超音波探触子および超音波撮像装置に関する。

背景技術

0002

超音波を用いて検査を行うための超音波撮像装置は、被検体(例えば、生体)の内部に超音波を送信し、被検体内反射した超音波を受信して、被検体内の情報を含む超音波画像を形成する。このようにして、超音波撮像装置によれば被検体の内部を可視化して検査することができる。

0003

超音波撮像装置では、超音波探触子用の音響レンズが被検体と密着した状態で使用される。被検体による超音波の反射を少なくして超音波の減衰を抑制する観点から、音響レンズの音響インピーダンスは、被検体の音響インピーダンスに近いことが好ましい。

0004

上記音響レンズの例として、シリコーン系ゴムおよびブタジエン系ゴムの混合物からなる音響レンズが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、上記音響レンズの他の例として、酸化チタン粒子が混合されたシリコーンゴムからなる音響レンズが知られている(例えば、特許文献2参照)。

先行技術

0005

特開平8−000615号公報
特公平1−034396号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記特許文献に記載の音響レンズでは、物理的な強度が低下し、使用による裂けや磨耗などが生じてしまうことがある。音響レンズは、通常、消毒液ゼリーなどの薬品とともに使用されるが、上記特許文献に記載の音響レンズでは、薬品に対する化学的定性が低く、長期的使用によって、超音波の減衰による感度の低下と変色とが生じてしまうこともある。

0007

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、超音波の減衰を抑制しつつ、化学的安定性および物理的強度に優れる音響レンズを提供することを第1の課題とする。また、本発明は、超音波に対する感度が長期間に亘って高い超音波探触子および超音波撮像装置を提供することを第2の課題とする。

課題を解決するための手段

0008

上記第1の課題を解決するための第1の手段として、超音波探触子用の音響レンズであって、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを含むゴム組成物加硫成形体で構成されている音響レンズを提供する。

0009

上記第2の課題を解決するための第1の手段として、本発明に係る音響レンズを有する超音波探触子を提供する。

0010

上記第2の課題を解決するための第2の手段として、本発明に係る超音波探触子を有する超音波撮像装置を提供する。

0011

上記第1の課題を解決するための第2の手段として、超音波探触子用の音響レンズの製造方法であって、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを混練することでゴム組成物を作製する工程と、前記ゴム組成物を加硫成形する工程と、を含む、音響レンズの製造方法を提供する。

発明の効果

0012

本発明に係る音響レンズは、超音波の減衰が抑制されるとともに、化学的安定性および物理的強度に優れる。また、本発明に係る超音波探触子および超音波撮像装置は、超音波に対する感度が長期間に亘って高い。

図面の簡単な説明

0013

図1Aは、本発明の実施の形態に係る超音波撮像装置の構成の一例を示す模式図であり、図1Bは、超音波撮像装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る超音波探触子の構成の一例を示す断面模式図である。

0014

[超音波撮像装置]
本発明の一実施の形態に係る超音波撮像装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1Aは、本実施の形態に係る超音波撮像装置200の構成の一例を示す模式図であり、図1Bは、超音波撮像装置200の電気的な構成の一例を示すブロック図である。

0015

超音波撮像装置200は、図1Aに示されるように、装置本体210と、装置本体210にケーブル220を介して接続されている超音波探触子100と、装置本体210上に配置されている入力部230および表示部280とを有する。超音波探触子100の詳細については後述する。

0016

装置本体210は、図1Bに示されるように、入力部230に接続されている制御部240と、制御部240およびケーブル220に接続されている送信部250および受信部260と、受信部260および制御部240のそれぞれと接続されている画像処理部270とを有する。なお、制御部240および画像処理部270は、それぞれ表示部280と接続されている。

0017

ケーブル220は、超音波探触子100および送信部250と、超音波探触子100および受信部260とをそれぞれ接続し、信号を伝達する。

0018

入力部230は、例えば、診断開始などを指示するコマンドや被検体の個人情報などのデータを入力するための装置であり、例えば、複数の入力スイッチを備えた操作パネルキーボードなどである。

0019

制御部240は、例えば、マイクロプロセッサ記憶素子、その周辺回路などを含む。制御部240は、超音波探触子100、入力部230、送信部250、受信部260、画像処理部270および表示部280を、それぞれの機能に応じて制御することによって超音波撮像装置200の全体の制御を行う回路である。

0020

送信部250は、例えば、制御部240からの信号を、ケーブル220を介して超音波探触子100に送信する。

0021

受信部260は、例えば、超音波探触子100からの信号を、ケーブル220を介して受信して制御部240または画像処理部270へ出力する。

0022

画像処理部270は、例えば、制御部240の制御に従い、受信部260で受信した信号に基づいて被検体の内部状態を表す画像(超音波画像)を生成する回路である。たとえば、画像処理部270は、被検体の超音波画像を生成するDigital Signal Processor(DSP)、および、当該DSPで処理された信号をディジタル信号からアナログ信号へ変換するディジタルアナログ変換回路DAC回路)などを有する。

0023

表示部280は、例えば、制御部240の制御に従って、画像処理部270で生成された被検体の超音波画像を表示するための装置である。表示部280は、例えば、CRTディスプレイ液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイプラズマディスプレイなどの表示装置、またはプリンタなどの印刷装置である。

0024

[超音波探触子]
次に、本実施の形態に係る超音波探触子100について説明する。図2は、本実施の形態に係る超音波探触子100の構成の一例を示す断面模式図である。

0025

本実施の形態に係る超音波探触子100は、バッキング層110と、バッキング層110上に配置されている圧電素子120と、圧電素子120上に配置されている音響整合層130と、音響整合層130上に配置されている本実施の形態に係る音響レンズ140とを有する。超音波探触子100は、音響レンズ140以外は、公知の超音波探触子と同様に構成することが可能である。

0026

圧電素子120は、バッキング層110上に配置されている送信用圧電体121と、送信用圧電体121上に配置されている中間層122と、中間層122上に配置されている受信用圧電体123とを有する。また、送信用圧電体121および受信用圧電体123の両面には、電極150がそれぞれ配置されている。また、圧電素子120には、不図示のフレキシブルプリント基板FPC)にて電極が取り付けられていてもよい。これにより、超音波探触子100が接続された超音波撮像装置で制御される超音波の送受信駆動により、任意のビームフォーミングが可能となる。

0027

(バッキング層)
バッキング層110は、圧電素子120を支持し、不要な超音波を吸収するための超音波吸収体である。

0028

バッキング層110の材料の例には、天然ゴムフェライトゴムエポキシ樹脂熱可塑性樹脂、およびこれらの材料の少なくともいずれかと酸化タングステン酸化チタン、フェライトなどの粉末との混合物をプレス成形した樹脂複合材が含まれる。

0029

熱可塑性樹脂の種類の例には、塩化ビニルポリビニルブチラールABS樹脂ポリウレタンポリビニルアルコールポリエチレンポリプロピレンポリアセタールポリエチレンテレフタレートフッ素樹脂ポリエチレングリコール、およびポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体が含まれる。バッキング層110の材料としては、樹脂系複合材が好ましく、ゴム系複合材またはエポキシ樹脂系複合材がより好ましい。バッキング層110の形状は、圧電素子120の形状または超音波探触子100の形状に応じて、適宜設計されうる。

0030

ゴム系複合材は、後述するゴム成分および充填剤を含有することが好ましい。また、必要に応じて、ゴム系複合材には他の配合剤が添加されてもよい。

0031

ゴム成分の例には、エチレンプロピレンゴム水素化ニトリルゴムクロロプレンゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムと水素化ニトリルゴムとのブレンドゴム、エチレンプロピレンゴムとニトリルゴムとのブレンドゴム、ニトリルゴムおよび/または水素化ニトリルゴムと高スチレンゴムとのブレンドゴム、およびエチレンプロピレンゴムと高スチレンゴムとのブレンドゴムが含まれる。ゴム成分の種類は、1種であってもよいし、それ以上であってもよい。

0032

また、JIS K6253(ISO 7619−1)に準拠したスプリング硬さ(デュロメータ硬さ)試験機でゴム成分の硬さを測定した場合、ゴム成分の硬さは、タイプAデュロメータを使用したときにA70以上であり、かつタイプDデュロメータを使用したときにD70以下であることが好ましい。

0033

ゴム系複合材に添加される充填剤の種類および配合量は、特に限定されない。充填剤の種類の例には、亜鉛華チタン白ベンガラ、フェライト、アルミナ三酸化タングステン酸化イッテルビウムなどの金属酸化物炭酸カルシウムハードクレイケイソウ土などのクレイ類;炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの金属塩類タングステンモリブデンなどの金属系微粉末類;ガラスバルーンポリマーバルーンなどのバルーン類;およびガラス粉末が含まれる。これらの充填剤は、種々の比率で添加されうるが、ゴム成分100質量部に対して50質量部以上3000質量部以下であることが好ましく、100質量部以上2000質量部以下であることがより好ましく、300質量部以上1500質量部以下であることがさらに好ましい。また、充填剤の種類は、1種であってもよいし、それ以上であってもよい。

0034

他の配合剤の種類の例には、加硫剤架橋剤、硬化剤、これらの助剤類劣化防止剤酸化防止剤および着色剤が含まれる。加硫剤の種類の例には、カーボンブラック二酸化ケイ素プロセスオイルおよびイオウが含まれる。架橋剤の種類の例には、ジクミルパーオキサイド(DI−CUP;Hercules社製、「DI−CUP」は同社登録商標)が含まれる。酸化防止剤の種類の例には、ステアリン酸が含まれる。配合剤の添加量は、音響レンズ140の特性に応じて適宜設定されうる。各配合剤の添加量は、例えば、ゴム成分100質量部に対して1質量部以上100質量部以下である。

0035

エポキシ樹脂系複合材は、後述するエポキシ樹脂成分および充填剤を含有することが好ましい。また、必要に応じて、エポキシ樹脂系複合材には他の配合剤が添加されてもよい。

0036

エポキシ樹脂成分の例には、ビスフェノールAタイプやビスフェノールFタイプ、レゾールノボラックタイプフェノール変性ノボラックタイプなどのノボラック型エポキシ樹脂ナフタレン構造含有タイプやアントラセン構造含有タイプ、フルオレン構造含有タイプなどの多環芳香族型エポキシ樹脂;水添脂環型エポキシ樹脂;および液晶性エポキシ樹脂が含まれる。エポキシ樹脂成分の種類は、1種であってもよいし、それ以上であってもよい。

0037

エポキシ樹脂系複合材に添加される充填剤の種類の例は、前述したゴム系複合材に添加される充填剤の種類と同様である。また、エポキシ樹脂成分には、ゴム系複合材を粉砕して作製した複合粒子(例えば、粒径200μm程度)が含まれていてもよい。たとえば、複合粒子は、シリコーンゴム中に添加剤(例えば、フェライト、酸化タングステン)を添加したものを、粉砕機により粉砕することで作製される粒子である。

0038

また、エポキシ樹脂系複合材を使用する場合、さらに架橋剤を添加する必要がある。架橋剤の種類の例には、ジエチレントリアミントリエチレンテトラミン、ジプロピレンジアミンジエチルアミノプロピルアミンなどの鎖状脂肪族ポリアミンN−アミノエチルピペラジンやメンセンジアミンイソフォロンジアミンなどの環状脂肪族ポリアミンm−キシレンジアミンメタフェニレンジアミンジアミノジフェニルメタンジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族アミンポリアミド樹脂ピペリジン、N,N−ジメチルピペラジントリエチレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの2級アミンおよび3級アミン;2−メチルイミダゾールや2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテートなどのイミダゾール類液状ポリメルカプタンポリスルフィド無水フタル酸無水トリメリット酸メチルテトラヒドロ無水フタル酸メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの酸無水物が含まれる。

0039

バッキング層110の厚みは、1mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。

0040

(圧電素子)
圧電素子120は、電気信号機械的な振動に変換することができ、機械的な振動を電気信号に変換することもできる。これにより、圧電素子120は、超音波を送信し、かつ受信することができる。なお、圧電素子120およびバッキング層110の接着性を高める観点から、圧電素子120は、少なくとも一部が接着層を介してバッキング層110上に積層されていることが好ましい。接着層の材料の例には、シリコーン系接着剤およびエポキシ系接着剤が含まれる。

0041

圧電素子120は、前述のとおり、送信用圧電体121、中間層122、受信用圧電体123および電極150を有する。電極150は、送信用圧電体121および受信用圧電体123の両面に配置されている。

0042

送信用圧電体121は超音波を被検体に向けて送信するための圧電体である。受信用圧電体123は、被検体からの超音波を受信するための圧電体である。送信用圧電体121を構成する材料および受信用圧電体123を構成する材料は、公知の材料から適宜選択され、無機物であってもよいし、有機物であってもよいし、無機有機複合物であってもよい。

0043

無機圧電体の材料の例には、水晶ニオブ酸リチウムチタン酸バリウムチタン酸鉛メタニオブ酸鉛酸化亜鉛、PbZrO3/PbTiO3固溶体PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3/PbTiO3固溶体(PMN−PT)およびPb(Zn1/3Nb2/3)O3/PbTiO3固溶体(PZN−PT)が含まれる。

0044

有機圧電体の材料の例には、ポリフッ化ビニリデン−三フッ化エチレン共重合体(P(VDF−3FE))、P(VDF−3FE)とポリウレタンとの混練物、P(VDF−3FE)とシリコーンとの混練物、ポリフッ化ビニリデンとナイロンとの混練物、フッ化ビニリデンクロロトリフルオロエチレンとの共重合によるPVDF系共重合体ポリブタジエン−N,N−メチレンビスアクリルアミドスチレン共重合体ポリ(γ−ベンジル−L−グルタメート)、メタンジイソシアネートジアミノフルオレンとの蒸着重付加によるポリ尿素樹脂キシリレンジイソシアネートとp−ジアミノベンゼンとの蒸着重付加によるポリ尿素樹脂、およびテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体エレクトレットが含まれる。

0045

さらに無機−有機複合の圧電体の材料の例には、PZT−シロキサン−ポリ(メタ)アクリレートコンポジット、およびポリ乳酸リン酸カルシウムまたはモンモリロナイトとのコンポジットが含まれる。

0046

送信用圧電体121および受信用圧電体123の厚みは、前述の機能を発揮できる範囲内で適宜調整され、例えば、100μm以上500μm以下である。

0047

中間層122は、インピーダンス整合の観点から、送信用圧電体121および受信用圧電体123の間に配置されている。中間層122は、例えば、100質量部のエポキシ樹脂に対して1200質量部のフェライトが混合された層である。

0048

電極150は、送信用圧電体121および受信用圧電体123の両面にそれぞれ形成されている。電極150の材料の例には、金、白金、銀、パラジウム、銅、アルミニウムニッケル、スズおよびこれらの合金が含まれる。送信用圧電体121および受信用圧電体123の両面に電極150を形成する方法は、公知の方法から適宜選択される。電極150を形成するための方法の例には、スパッタ法および真空蒸着法が含まれる。たとえば、チタンクロムなどからなる第1金属層を0.02μm以上1.0μm以下の厚みで形成した後に、上記の電極150の材料からなる第2金属層を上記第1金属層上に、1以上10μm以下の厚みで形成すればよい。また、電極150は、微粉末の金属粉末低融点ガラスとを混合した導電ペーストを使用した、スクリーン印刷ディッピング法溶射法などにより形成されてもよい。

0049

(音響整合層)
音響整合層130は、圧電素子120および被検体の間の音響インピーダンスを整合させる層である。このために、音響整合層130は、圧電素子120と被検体との中間の大きさの音響インピーダンスを有する。音響整合層130は、単層でも積層でもよいが、音響インピーダンスが異なる複数の層からなる積層体であることが好ましい。たとえば、音響整合層130は、2層以上であることが好ましく、4層以上であることがより好ましい。音響整合層130の厚みは、超音波の波長をλとすると、λ/4である。これを満たさない場合、所望の音響特性を得られないおそれがある。

0050

音響整合層130は、例えば、種々の材料で構成され得る。音響整合層130の音響インピーダンスは、音響レンズ140に向けて音響レンズ140の音響インピーダンスに、段階的または連続的に近づくように設定されていることが好ましい。たとえば、音響整合層130の音響インピーダンスは、材料に添加される添加剤の種類および含有量によって調整され得る。

0051

音響整合層130の材料の例には、アルミニウム、アルミニウム合金(例えばAl−Mg合金)、マグネシウム合金、マコールガラス、ガラス、溶融石英、コッパーグラファイトおよび樹脂が含まれる。この樹脂の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、AAS樹脂AES樹脂、ナイロン6ナイロン66などのナイロン、ポリフェニレンオキシドポリフェニレンスルフィドポリフェニレンエーテルポリエーテルエーテルケトンポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂が含まれる。上記添加剤の例には、亜鉛華、酸化チタン、シリカやアルミナ、ベンガラ、フェライト、酸化タングステン、酸化イッテルビウム、硫酸バリウム、タングステン、モリブデン、ガラス繊維およびシリコーン粒子が含まれる。

0052

音響整合層130のインピーダンス整合の観点から、例えば、音響整合層130の表面部分は、エポキシ樹脂で構成されているとともに、シリコーン粒子を含有していることが好ましい。音響レンズ140の材料であるシリコーンを音響整合層130の基材中に分散させることにより、音響整合層130の音響インピーダンスを音響レンズ140のそれに近づけることができる。

0053

音響整合層130の厚みは、上記の機能を発揮することができれば特に限定されず、例えば、30μm以上500μm以下である。

0054

なお、圧電素子120および音響整合層130の接着性を高める観点から、音響整合層130の少なくとも一部は、接着層を介して圧電素子120上に積層されていることが好ましい。接着層の材料の例には、シリコーン系接着剤およびエポキシ系接着剤が含まれる。

0055

(音響レンズ)
本実施の形態に係る音響レンズ140は、可塑度が互いに異なる第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物を含むゴム組成物の加硫成形体で構成されている。第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物は、シリコーンゴムを含む。

0056

シリコーンゴムは、分子骨格としてシロキサン結合(Si−O結合)を有するゴム状シリコーン樹脂である。ゴム状シリコーン樹脂は、主成分として、ジメチルポリシロキサンを含むものが好ましい。ゴム状シリコーン樹脂は、ジフェニルシロキサンメチルフェニルシロキサンメチルビニルシロキサンまたはメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサンを含んでいてもよい。

0057

また、ゴム状シリコーン樹脂の重合度は、3000以上10000以下であることが好ましい。ゴム状シリコーン樹脂は、下記式(1)で表されるシリコーン化合物、下記式(2)で示されるシリコーン化合物、またはこれら両方を含んでいてもよい。

0058

R1(R12SiO)X(R1R2SiO)YSiR13 (1)
(R1は1価の炭化水素基または水素原子であり、R2はアルキル基またはポリエーテル基であり、Xは0以上の整数であり、Yは1以上の整数である。)

0059

なお、上記式(1)において、R12SiO部分とR1R2SiO部分との順番は、連続であってもよく、ランダムであってもよい。

0060

R3aSiO(4−a)/2 (2)
(R3は1価の炭化水素基であり、aは1.95〜2.05である。)

0061

上記式(2)において、上記R3の炭素数は1〜12である。上記R3の炭素数は1〜8であることが好ましい。具体的には、上記R3の例には、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基やシクロヘキシル基などのシクロアルキル基ビニル基プロペニル基などのアルケニル基シクロアルケニル基フェニル基トリル基などのアリール基ベンジル基や2−フェニルエチル基などのアラルキル基;これらの官能基の水素原子の一部もしくは全部をフッ素塩素などのハロゲン原子、またはシアノ基置換したクロロメチル基トリフルオロプロピル基およびシアノエチル基が含まれる。上記R3は、メチル基、ビニル基、フェニル基またはトリフルオロプロピル基であることが好ましい。

0062

ゴム状シリコーン樹脂は、アルケニル基やシクロアルケニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンを含むことが好ましい。脂肪族不飽和炭化水素基の数は2〜50個である。脂肪族不飽和炭化水素基の数は、2〜20個であることが好ましい。

0063

上記式(2)で表されるシリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であり、一部に分岐構造を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、上記式(2)で表されるシリコーン化合物の分子鎖の両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基ジメチルフェニルシロキシ基ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基などのトリオルガノシロキシ基(R33SiO1/2);またはヒドロキシジメチルシロキシ基のようなヒドロキシジオルガノシロキシ基(R32(HO)SiO1/2)で封鎖されていることが好ましい。

0064

第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物は、本実施形態の効果が得られる範囲において、シリコーンゴム以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分の例には、第1のシリコーンゴム組成物の可塑度と第2のシリコーンゴム組成物の可塑度とを調整するためのフィラーが含まれる。本実施の形態では、第1のシリコーンゴム組成物は、フィラーを含んでおらず、第2のシリコーンゴム組成物は、フィラーを含んでいる。フィラーの材料の例には、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、炭酸カルシウムおよび酸化亜鉛が含まれる。フィラーは、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物におけるシリコーンゴムと相互作用し、架橋構造を形成する。この結果として、第1のシリコーンゴム組成物の可塑度と第2のシリコーンゴム組成物の可塑度とは高められる。

0065

第1のシリコーンゴム組成物と、第2のシリコーンゴム組成物とは、本実施形態の効果を得られる範囲内であれば、わずかに相分離していてもよいし、相分離していなくてもよい。超音波の減衰を抑制し、かつ十分な物理的強度を得る観点からは、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物は、互いに相分離していないことが好ましい。第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物が互いに相分離しないように混合する観点からは、可塑度がより低い第1シリコーンゴム組成物の含有量が多く、可塑度がより高い第2シリコーンゴム組成物の含有量が少ないことが好ましい。また、当該相分離は、例えば、市販の示差走査熱量計DSC)により、ガラス転移温度を測定することで検出され得る。具体的には、相分離している場合と相分離していない場合とでは、ガラス転移温度が異なるため、ガラス転移温度の測定結果に基づいて層分離の有無を判断することができる。たとえば、2つのガラス転移温度が検出された場合には、完全に相分離していると判断することができる。なお、上記相分離は、原子間力顕微鏡AFM)や光散乱などを利用することにより、直接的に確認されてもよい。

0066

超音波の減衰を抑制しつつ、十分な化学的安定性および物理的強度を得る観点から、第1のシリコーンゴム組成物の可塑度は、100以下であり、第2のシリコーンゴム組成物の可塑度は、150以上300以下である。第1のシリコーンゴム組成物の可塑度が100超であるか、または第2のシリコーンゴム組成物の可塑度が150未満であると、超音波の減衰を抑制しつつ、十分な化学的安定性および物理的強度を得ることができなくなるおそれがある。また、第2のシリコーンゴム組成物の可塑度が300超であると、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物が互いに十分に混合されず、過度に相分離してしまい、結果として、超音波が減衰し、かつ十分な物理的強度を得られなくなるおそれがある。

0067

ここで、「可塑度」とは、未加硫のシリコーンゴム組成物の粘弾性を示す値である。たとえば、可塑度が小さいほど、シリコーンゴム組成物が変形し易いことを示す。可塑度は、超音波の減衰と、音響レンズ140の物理的強度とに相関がある。可塑度が小さいほど、超音波の減衰も小さくなるが、一方で音響レンズ140の物理的強度が低下する。音響レンズ140における、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物の可塑度は、電子顕微鏡により音響レンズ140の断面の元素分析を行うことで推定され得る。たとえば、本実施の形態に係る音響レンズ140では、第1のシリコーンゴム組成物と第2のシリコーンゴム組成物とがわずかに相分離している場合に、上記フィラーが分散していない部分を第1のシリコーンゴム組成物と推定し、上記フィラーが分散している部分を第2のシリコーンゴム組成物と推定することができる。これとともに、上記フィラーの含有量に基づいて、第1のシリコーンゴム組成物の可塑度と、第2のシリコーンゴム組成物の可塑度とを推定することができる。

0068

可塑度は、例えば、シリコーンゴムの分子量、分子量分布、分子構造、フィラーの添加により調整され得る。たとえば、可塑度は、シリコーンゴムの分子量が高いほど大きい。また、可塑度は、フィラーとシリコーンゴムとの相互作用が高いほど、大きい。また、可塑度は、フィラーの添加量が増えるほど、大きい。たとえば、フィラーが添加されていない第1シリコーンゴム組成物の可塑度は、100以下となる。

0069

超音波の減衰を抑制しつつ、十分な化学的安定性および物理的強度を得る観点から、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物の質量割合は、10質量部:90質量部〜90質量部:10質量部であることが好ましく、30質量部:70質量部〜70質量部:30質量部であることがより好ましい。

0070

第1のシリコーンゴム組成物は、市販品であってもよい。たとえば、第1のシリコーンゴム組成物は、モメンティブ・パフォーマンスマテリアルズ社製のTSE201(可塑度91、密度1.0g/cm3)である。

0071

第2のシリコーンゴム組成物も、市販品であってもよい。たとえば、第2のシリコーンゴム組成物は、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のXE20−C0510(可塑度110、密度1.1g/cm3);信越化学工業株式会社製の信越シリコーンKE541U(可塑度150、密度1.1g/cm3、「信越シリコーン」は、同社の登録商標であり、以下省略する)、KE551U(可塑度200、密度1.1g/cm3)、KE555U(可塑度310、密度1.2g/cm3)、KE561U(可塑度250、密度1.2g/cm3)、KE571U(可塑度360、密度1.2g/cm3)、KE752U(可塑度200、密度1.3g/cm3)、KE772U(可塑度270、密度1.4g/cm3)およびKE782U(可塑度330、密度1.4g/cm3);である。

0072

また、音響レンズ140における音速の調整、比重の調整や密度の調整などの観点から、音響レンズ140は、無機粒子をさらに含んでいてもよい。無機粒子の比重は、3以上7未満であることが好ましい。無機粒子の比重が小さすぎると、音響レンズ140の比重を所望の大きさに調整できないことがある。また、無機粒子の比重が大きすぎると、音響レンズ140における音速が低下しすぎることがあり、結果として、超音波の減衰を抑制しつつ高い音速を実現することが困難となるおそれがある。

0073

音響レンズ140における無機粒子の含有量は、無機粒子の種類、無機粒子の大きさ、無機粒子の比重などに応じて適宜調整され得る。音響レンズ140における無機粒子の含有量は、例えば、10質量部以上150質量部以下である。

0074

無機粒子の例には、シリカやアルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化イッテルビウムなどの金属酸化物粒子;金や白金などの金属粒子;が含まれる。無機粒子の種類は、1種であってもよいし、それ以上であってもよい。

0075

無機粒子の個数平均粒径は、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。無機粒子の個数平均粒径が大きすぎると、無機粒子が超音波を散乱し、減衰させてしまうおそれがある。また、無機粒子の個数平均粒径が小さすぎると、無機粒子のシリコーンゴム組成物への混合性が低下してしまい、超音波を減衰させてしまうおそれがあり、さらに音響レンズ140の成形が困難となるおそれがある。無機粒子の個数平均粒径は、電子顕微鏡観察により粒子100個分の粒径を測定した値の個数平均値である。ここで、粒径とは、電子顕微鏡観察による画像から求めた粒子の長径と、短径との平均値である。

0076

音響レンズ140の比重は、1.2以上1.6以下であることが好ましい。音響レンズ140の比重が大きすぎたり小さすぎたりすると、音響レンズ140の音響インピーダンスを所望の大きさに調整できないおそれがある。音響レンズ140の比重は、例えば、公知の電子比重計(SD−200L;アルファーミラージュ株式会社製)を用いて測定され得る。

0077

[音響レンズの製造方法]
ここで、音響レンズ140の製造方法の一例について説明する。音響レンズ140の製造方法は、第1のシリコーンゴム組成物と第2のシリコーンゴム組成物とを混練することでゴム組成物を作製する工程と、当該ゴム組成物を加硫成形する工程と、を含む。

0078

まず、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを混練する。これにより、ゴム組成物を作製することができる。混練方法は、公知の方法から適宜選択され得る。たとえば、第1のシリコーンゴム組成物と、第2のシリコーンゴム組成物とを公知のロール混練機で混合すればよい。

0079

第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物の可塑度は、JIS K6249;2003(ISO 7323)に従って、公知の平行板可塑度計ウィリアムスプラストメータ;株式会社安田精機製作所製)を用いて測定され得る。

0080

また、第1のシリコーンゴム組成物と、第2のシリコーンゴム組成物とを混練するときに、さらに無機粒子をさらに混練してもよい。前述のとおり、無機粒子としては、個数平均粒径が0.05μm以上0.5μm以下である無機粒子を用いることが好ましい。また、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物が互いに相分離しないように混合する観点からは、第1シリコーンゴム組成物を少しずつ混合することが好ましい。

0081

ゴム組成物を作製する工程では、音響レンズ140の特性を損なわない範囲内で、その他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤の種類の例には、上記の無機粒子、補強剤、補強剤の分散剤が含まれる。その他の添加剤の材料の例には、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム酸化鉄、酸化亜鉛、酸化イッテルビウム、硫酸バリウム、有機物フィラーおよび着色顔料が含まれる。

0082

次いで、上記ゴム組成物を加硫成形する。具体的には、上記ゴム組成物に加硫剤をさらに混練し、プレス成形すればよい。このとき、加硫温度は、例えば、110℃以上190℃以下である。加硫時間は、例えば、5分以上30分以下である。

0083

加硫剤の種類の例には、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサンやp−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどの過酸化物系の加硫剤が含まれる。加硫剤の添加量は、例えば、シリコーンゴム100質量部に対して0.3質量部以上5質量部以下であることが好ましい。

0084

また、加硫を安定させ、低分子量の不純物を除去する観点からは、2次加硫処理を行うことが好ましい。2次加硫処理における加硫温度は、例えば、200℃以上240℃以下である。2次加硫処理における加硫時間は、例えば、2分以上10分以下である。この際、硫黄や酸化亜鉛などの加硫助剤などをさらに添加してもよい。加硫助剤として酸化亜鉛を使用することにより、音響レンズ140のレンズ特性を実質的に損なわずに加硫を促進し、加硫時間を短縮することができる。

0085

以上のとおり、本実施の形態に係る音響レンズ140は、第1のシリコーンゴム組成物と、第2のシリコーンゴム組成物とを含むゴム組成物の加硫成形体で構成されている。小さい可塑度を有する第1のシリコーンゴム組成物は、音響レンズ140の物理的強度を低くしてしまうものの、超音波の減衰を著しく抑制することができる。一方、大きい可塑度を有する第2のシリコーンゴム組成物は、超音波を減衰してしまうものの、音響レンズ140の物理的強度を高めることができる。すなわち、第1のシリコーンゴム組成物および第2のシリコーンゴム組成物が互いに混合されることにより、超音波の減衰を抑制するとともに、物理的強度にも優れる音響レンズ140を実現することができる。また、音響レンズ140は、シリコーンゴム組成物を含むゴム組成物の加硫成形体で構成されているため、ブタジエン系ゴムを含む従来の音響レンズと比較して、化学的安定性にも優れる。

0086

また、本実施の形態に係る超音波探触子100は、音響特性および耐久性に優れる、上記の音響レンズ140を有する。この結果として、超音波探触子100は、超音波に対する感度が長期に亘って高い。

0087

さらに、本実施の形態に係る超音波撮像装置200は、音響特性および耐久性に優れる、上記の超音波探触子100を有する。この結果として、超音波撮像装置200は、超音波に対する感度が長期間に亘って高く、かつ高い精度および信頼性で被検体を長期間に亘って検査することができる。

0088

超音波撮像装置200は、医療用超音波診断装置に適用されうる。また、超音波撮像装置200は、魚群探知機ソナー)や非破壊検査用探傷機などの超音波による探査結果を画像や数値などで表示する他の装置にも適用されうる。

0089

なお、本実施の形態に係る超音波探触子100では、送信用圧電体121および受信用圧電体123を有する圧電素子120を使用する場合について説明したが、1つの圧電体が超音波の送受信の両方を行ってもよい。

0090

また、本実施の形態に係る超音波探触子100では、送信用圧電体121および受信用圧電体123を上下に配置する場合について説明したが、送信用圧電体121および受信用圧電体123は、並列して配置されていてもよい。また、複数の送受信用の圧電体が並列して配置されていてもよい。

0091

以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る音響レンズは、超音波探触子用の音響レンズであって、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを含むゴム組成物の加硫成形体で構成されている。したがって、上記音響レンズは、超音波の減衰を抑制しつつ、化学的安定性および物理的強度に優れる。また、上記音響レンズを有する超音波探触子および超音波撮像装置は、超音波に対する感度が高い。

0092

上記音響レンズの比重が1.2以上1.6以下であることは、上記音響レンズの音響インピーダンスを調整し、超音波の減衰を抑制する観点から、より一層効果的である。

0093

その比重が3以上7未満である無機粒子をさらに含むことは、音響レンズの比重を調整することで、音響インピーダンスを調整し、超音波の減衰を抑制する観点から、より一層効果的である。

0094

無機粒子の個数平均粒径は、0.05μm以上0.5μm以下であることは、超音波の減衰の抑制と、上記音響レンズの成形性との観点から、より一層効果的である。

0095

また、本実施の形態に係る音響レンズの製造方法は、超音波探触子用の音響レンズの製造方法であって、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを混練することでゴム組成物を作製する工程と、上記ゴム組成物を加硫成形する工程と、を含む。したがって、超音波の減衰を抑制しつつ、化学的安定性および物理的強度に優れる音響レンズを提供することができる。

0096

ゴム組成物を作製する工程が上記第1のシリコーンゴム組成物と、上記第2のシリコーンゴム組成物と、その比重が3以上7未満である無機粒子と、を混練する工程であることは、上記音響レンズの音響インピーダンスを調整し、超音波の減衰を抑制する観点から、より一層効果的である。

0097

無機粒子として、個数平均粒径が0.05μm以上0.5μm以下である無機粒子を用いることは、超音波の減衰の抑制と、上記音響レンズの成形性との観点から、より一層効果的である。

0098

以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。

0099

本実施例では、音響レンズの材料で評価用シートを作製し、作製したシートについて音響特性を調べた。

0100

1.シートの作製
(シート1の作製)
フィラーとして、表面に酸化アルミニウム担持され、かつ有機酸により表面処理されている酸化チタン粒子(TiO2、CR60−2;石原産業株式会社製)を準備した。酸化チタン粒子の個数平均粒径を電子顕微鏡観察により測定した。酸化チタン粒子の個数平均粒径は0.21μmである。

0101

酸化チタン粒子をステンレスパッド上に薄く敷き、このパッドを140℃の環境下で4時間静置した。これにより、酸化チタン粒子に付着した水分などを除去した。

0102

次いで、下記の成分を下記の量で混合し、6インチダブルロール混練機で練ることで、ゴム組成物を調製した。このとき、酸化チタン粒子の含有量は、シリコーンゴム組成物Aおよびシリコーンゴム組成物Bを基準(100質量部)としたときの含有量である。
シリコーンゴム組成物A 70質量部
シリコーンゴム組成物B 30質量部
酸化チタン75質量部

0103

シリコーンゴム組成物Aとしては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSE201(可塑度91、密度1.0g/cm3)を使用し、シリコーンゴム組成物Bとしては、信越化学工業株式会社製のKE541U(可塑度150、密度1.1g/cm3)を使用した。なお、シリコーンゴム組成物の可塑度は、JIS K6249(2003)に規定されている方法に従って、平行板可塑度計(ウィリアムスプラストメータ;株式会社安田精機製作所製)により測定した。

0104

次いで、100質量部の上記ゴム組成物に、加硫剤として0.5質量部の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを6インチのダブルロール混練機でさらに混合した。そして、この混合物を165℃で10分間プレス成形した後、さらに200℃で2時間、2次加硫を行うことで、厚み2mmのシート1を作製した。

0105

(シート2,3の作製)
シリコーンゴム組成物の混合比と、フィラーの含有量とを表1に示されるように変更したこと以外は、シート1と同様にしてシート2,3を作製した。

0106

(シート4の作製)
シリコーンゴム組成物Bの代わりにシリコーンゴム組成物Cを使用し、酸化チタン粒子の代わりに硫酸バリウム(BaSO4)粒子を使用したこと以外は、シート1と同様にしてシート4を作製した。シリコーンゴム組成物Cとしては、信越化学工業株式会社製のKE561U(可塑度250、密度1.2g/cm3)を使用した。硫酸バリウムとしては、堺化学工業株式会社製のB−30を使用した。

0107

(シート5の作製)
硫酸バリウムの代わりに酸化亜鉛(ZnO)を使用し、フィラーの含有量を表1に示されるように変更したこと以外は、シート4と同様にしてシート5を作製した。酸化亜鉛としては、テイカ株式会社製のMZ−506Xを使用した。

0108

(シート6の作製)
硫酸バリウムの代わりに酸化イッテルビウム(YbO)を使用し、フィラーの含有量を表1に示されるように変更したこと以外は、シート4と同様にしてシート6を作製した。酸化イッテルビウムとしては、信越化学工業株式会社製のナノ粒子タイプの酸化イッテルビウムを使用した。

0109

(シート7〜9の作製)
シリコーンゴム組成物Bの代わりにシリコーンゴム組成物Cを使用したこと以外は、シート1と同様にしてシート7を作製した。また、シリコーンゴム組成物の混合比と酸化チタン粒子の含有量とを表1に示されるように変更したこと以外は、シート1と同様にしてシート8,9を作製した。

0110

(シート10の作製)
シリコーンゴム組成物Bの代わりにシリコーンゴム組成物Dを使用し、シリコーンゴム組成物Aおよび酸化チタン粒子を添加しなかったこと以外は、シート1と同様にしてシート10を作製した。シリコーンゴム組成物Dとしては、信越化学工業株式会社製のKE752U(可塑度200、密度1.3g/cm3)を使用した。

0111

(シート11の作製)
シリコーンゴム組成物Bに加えてさらにブタジエンゴム組成物を使用し、シリコーンゴム組成物Aおよび酸化チタン粒子を添加しなかったこと以外は、シート2と同様にしてシート11を作製した。ブタジエンゴム組成物の可塑度は230である。

0112

(シート12の作製)
酸化チタン粒子の含有量を表1に示されるように変更し、シリコーンゴム組成物Bを添加しなかったこと以外は、シート1と同様にしてシート12を作製した。

0113

(シート13の作製)
シリコーンゴム組成物Aおよびシリコーンゴム組成物Bの代わりにシリコーンゴム組成物Cおよびシリコーンゴム組成物Eを使用したこと以外は、シート2と同様にしてシート13を作製した。シリコーンゴム組成物Eとしては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のXE20−C0510(可塑度110、密度1.1g/cm3)を使用した。

0114

(シート14の作製)
シリコーンゴム組成物Bの代わりにシリコーンゴム組成物Fを使用し、酸化チタン粒子の含有量を表1に示されるように変更したこと以外は、シート2と同様にしてシート14を作製した。シリコーンゴム組成物Fとしては、信越化学工業株式会社製のKE571U(可塑度360、密度1.2g/cm3)を使用した。

0115

(シート15の作製)
シリコーンゴム組成物Fの代わりにシリコーンゴム組成物Gを使用したこと以外は、シート14と同様にしてシート15を作製した。シリコーンゴム組成物Gとしては、信越化学工業株式会社製のKE555U(可塑度310、密度1.2g/cm3)を使用した。

0116

シート1〜15について、シートNo.、シリコーンゴム組成物の種類、シリコーンゴム組成物の混合比(表1では、単に「混合比」という)、フィラーの種類、フィラーの含有量および区分を表1に示す。なお、表1において、フィラーの含有量は、シリコーンゴム組成物100質量部に対する含有量である。

0117

0118

2.シートの評価
(1)音響インピーダンスの評価
シート1〜15のそれぞれの密度を、25℃において、JIS C2123に規定されている方法により求めた。次いで、シート1〜15のそれぞれについて、25℃における音速を、測定周波数10MHzで、音速測定装置シングアラウンド式音速測定装置UVM−2型;超音波工業株式会社製)により測定した。次いで、シートの密度および音速の積からシート1〜15の音響インピーダンスを算出した。一般的に、音響インピーダンスの単位としては、MRaylが用いられ、1MRaylは1×106kg/m2/s(1×106Pa・s/m)である。なお、実用に耐えうる観点から、音響インピーダンスが1.3(MRayl)以上である場合を合格と判断した。

0119

(2)減衰率の評価
25℃の水を満たした水槽中にシート1〜15をそれぞれ入れた状態で、超音波パルサーレシーバーJPR−10C(ジャパンプローブ株式会社製)により、水中に10MHzの超音波を発生させて、超音波がシートを透過する前の振幅と、超音波がシートを透過した後の振幅とを測定した。超音波がシートを透過する前後の振幅から減衰率を算出した。なお、実用に耐えうる観点から、減衰率が7dB/mm以下である場合を合格と判断した。

0120

(3)ゴム硬度の評価
シート1〜15について、JIS K6253(2012)に従い、デュロメータA(アスカーA型;高分子計器株式会社製)によりゴム硬度を測定した。なお、実用に耐えうる観点から、ゴム硬度が40超の場合を合格とした。

0121

(4)摩耗性の評価
シート1〜15について、JIS K7204に規定された方法により、ロータリーアブレーションテスター(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、摩耗輪CS−10による摩耗量を測定した。摩耗前後のシートの重量の変化分(摩耗量)を測定し、摩耗前のシートの重量に対する摩耗量の重量分率を算出した。なお、実用に耐えうる観点から、重量分率が2%以下である場合を合格と判断した。

0122

(5)変色の評価
シート1〜15について、試験液に浸漬した状態で、40℃の恒温槽に1ヶ月静置した。試験液としては、A.サイデックスプラス28(消毒液、ジョンソンアンド・ジョンソン株式会社製、「サイデックスプラス」は、同社の登録商標)と、B.ディスオーパ(消毒液、ジョンソン・アンド・ジョンソン株式会社製、「ディスオーパ」は、同社の登録商標)と、C.アクアソニック100ゲル(パーカーラボラトリーインコーポレテッド社製、「アクアソニック100」は、同社の登録商標)とを用いた。上記試験液A〜Cのいずれかにシート1〜15をそれぞれ浸漬し、試験液に浸漬したシートと、試験液に浸漬していないシートとを目視にて比較し、浸漬による変色について、下記基準により評価した。
A:試験液A〜Cにおいて、シートは、ほとんど変色しなかった。
B:試験液A、Bにおいて、シートは、一様にかつわずかに変色した。
C:試験液A、Bにおいて、シートは、まだらに変色するか、または一様にかつ強く変色した。
D:試験液A〜Cにおいて、シートは、まだらに変色するか、または一様にかつ強く変色した。

0123

シート1〜15について、シートNo.、音響インピーダンス(表2では、単に「Z」と表す)、減衰率、ゴム硬度、摩耗性、変色の評価結果および区分を表2に示す。

0124

0125

3.超音波探触子の作製
(超音波探触子1)
(1)バッキング層
下記の成分を下記の量で、真空混合機(ARV−310;株式会社シンキー製)により十分に混合した。次いで、9質量部のシリコーンゴムHをさらに混合して、混合物Aを得た。
シリコーンゴム組成物H 91質量部
酸化タングステン750質量部

0126

シリコーンゴム組成物Hとしては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSE3032(A)を使用した。酸化タングステンとしては、三酸化タングステン粉末(A2−WO3;株式会社アライドマテリアル製)を使用した。

0127

次いで、混合物Aを100mm×100mm×30mmの金型に入れ、真空電熱プレス機(OHV−H;王子機械株式会社製)により、4.9MPa(50kg/cm2)の圧力で加圧した状態で、真空かつ室温において3時間静置し、50℃において3時間加熱した。これにより、ブロック(密度7.3g/cm3)を作製した。当該ブロックを1cm角に切り出し、カッターミル(VM−20;槇野産業株式会社製)により粉砕し、ピンミル(M−4;株式会社奈良機械製作所製)によりスクリーン0.5mm、回転数2800rpmにてさらに粉砕した。次いで、粉砕した上記ブロックを円形振動機(KG−400;株式会社西機械製作所製)により目開き212μmのメッシュを通して複合粒子を作製した。

0128

次いで、下記の成分を下記の量で、真空混合機(ARV−310;株式会社シンキー製)により十分に混合した。次いで、9質量部の架橋剤(jERキュアST−12;三菱化学株式会社製、「jERキュア」は、同社の登録商標)をさらに混合して、混合物Bを得た。
エポキシ樹脂91質量部
上記複合粒子380質量部

0129

エポキシ樹脂としては、NANORESIN社製のAlbidur EP2240(「Albidur」は、同社の登録商標)を使用した。

0130

次いで、混合物Bを100mm×100mm×30mmの金型に入れ、真空電熱プレス機(OHV−H;王子機械株式会社製)により、9.9MPa(100kg/cm2)の圧力で加圧した状態で、室温において4時間静置し、60℃において3時間加熱した。これにより、バッキングブロック(密度2.65g/cm3、音響インピーダンス2.9MRayls、減衰定数30dB/cm/MHz)を作製した。バッキングブロックをワイヤーソー(CS−203;ムサシノ電子株式会社製)により厚み6mmに切断し、精密研磨装置(MA−200;ムサシノ電子株式会社製)により厚み5mmに研磨した。以上の工程により、バッキング層を作製した。

0131

(2)FPC(フレキシブルプリント基板)
上記のバッキング層上にFPCを配置し、接着剤により固定した。

0132

(3)圧電層
上記FPCの表面に、両面に電極が形成された厚み0.13mmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)ウエハ(3203HD;CTSElectrо Component Inc.製)を配置し、接着剤により固定した。

0133

(4)音響整合層
下記の成分を下記の量で、真空混合機(ARV−310;株式会社シンキー製)により十分に混合した。次いで、32質量部の架橋剤(jERキュアST−12;三菱化学株式会社製、「jERキュア」は、同社の登録商標)をさらに混合して、混合物Cを得た。
エポキシ樹脂68質量部
添加剤25質量部

0134

エポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製のjER−828(「jER」は、同社の登録商標)を使用した。添加剤としては、信越化学工業株式会社製のKMP600を使用した。

0135

次いで、混合物Cを100mm×100mm×30mmの金型に入れ、真空電熱プレス機(OHV−H;王子機械株式会社製)により、9.8MPa(100kg/cm2)の圧力で加圧した状態で、室温において4時間静置し、60℃において3時間加熱した。これにより、整合材ブロック(密度1.12g/cm3、音響インピーダンス2.0MRayls、音速1750m/s)を作製した。整合材ブロックをワイヤーソー(CS−203;ムサシノ電子株式会社製)により厚み0.50mmに切断し、精密研磨装置(MA−200;ムサシノ電子株式会社製)により厚み0.050mmに研磨した。以上の工程により、整合材1を作製した。

0136

また、エポキシ樹脂として、68質量部のjER−828の代わりに50質量部のEP007K主剤(セメダイン株式会社製)を使用し、添加剤として、25質量部の信越シリコーンKMP600の代わりに105質量部のフェライト(KNS−415;戸田工業株式会社製)を使用し、架橋剤として、32質量部のjERキュアST−12の代わりに50質量部のEP0007K硬化剤(セメダイン株式会社製)を使用したこと以外は、整合材1と同様にして、整合材2を作製した。

0137

さらに、添加剤の含有量を105質量部から400質量部に変更したこと以外は、整合材2と同様にして整合材3を作製した。

0138

ダイシング
次いで、整合材1、整合材2および整合材3をこの順で積層し、二液性エポキシ系接着剤(EセットL;コニシ株式会社製)により固定した。このとき、整合材1〜3を、二液性エポキシ系接着剤を介して積層した状態で、常温(25℃)で5分間、49Nで加圧し、常温(25℃)で5時間、294Nで加圧し、さらに50℃で3時間、294Nで加圧することで整合材1〜3を接着剤により互いに固定した。以上の工程により、音響整合層を作製した。これにより、バッキング層、FPC、圧電層および音響整合層の積層体を作製した。

0139

次いで、厚み0.02mmのダイサーにより、ピッチ0.2mmで上記積層体を、バッキング層を完全に切断しないように音響整合層側から音響整合層、圧電層およびFPCをダイシングし、複数の積層体片に分割した。さらに、上記ダイサーにより、ダイシングされた各積層体を3等分するように、かつバッキング層、FPCおよび圧電層の下部電極を切断しないように音響整合層側から音響整合層および圧電層(上部電極および圧電体)をダイシングした。

0140

コーティング
次いで、ダイシングされた上記積層体の表面に、diX−C(KISCO株式会社製、「diX」は、第三化成株式会社の登録商標)を原料ダイマーとして、成膜装置(LabcoterPDS2010;)により、厚み3μmのポリクロロパラキシリレン膜を形成した。

0141

充填
次いで、真空中において、上記積層体の、ダイシングにより形成された溝に二液型RTVゴム(KE−1600;信越化学工業株式会社製)を充填し、硬化させた。これにより、各積層体片を互いに接着させた。

0142

(音響レンズ)
次いで、シート3の製造方法において、シート状に成型する代わりに手動式成型機(P500F−4141;株式会社ショージ製)により、165℃で10分間プレス成型し、さらに200℃で2時間2次加硫を行うことにより、音響レンズを作製した。

0143

最後に、各積層体片が互いに接着された上記積層体上に、作製した音響レンズを配置し、真空中において、二液型RTVゴム(KE−1600;信越化学工業株式会社製)により固定することで超音波探触子1を作製した。

0144

(超音波探触子2〜5)
シート3の代わりにシート8〜11のいずれかを使用すること以外は、超音波探触子1と同様の方法により、超音波探触子2〜5を作製した。

0145

4.超音波探触子の評価
(1)音響特性の評価
超音波探触子1〜5について、超音波プローブテスター(First Call2000;Sonora Medical Systems製)により、超音波に対する感度と、比帯域幅(−6dB)とをそれぞれ評価した。なお、感度は、超音波探触子4を基準(100%)としたときの相対感度を示しており、相対感度が100%超である場合を合格と判断した。また、比帯域幅については、80%超である場合を合格と判断した。

0146

(2)超音波画像の評価
超音波探触子1〜5について、超音波ファントムモデル(RMI404GS−LE;GAMMEX社製)を用いて、超音波画像をそれぞれ形成した。各超音波画像について、下記基準により評価した。
○:多重反射がほとんど認められず、境界が鮮明である。
×:多重反射が確認され、境界が不鮮明である。

0147

超音波探触子1〜5について、超音波探触子No.、シートNo.、音響特性の評価結果(相対感度および比帯域幅)、超音波画像の評価結果および区分を表3に示す。

0148

0149

表2に示されるように、実施例に係るシート1〜9は、減衰率、化学的安定性(変色)および物理的強度(ゴム硬度および摩耗性)に優れていた。この原因として、シート1〜9が、その可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを含むゴム組成物の加硫成形体で構成されているためと考えらえる。

0150

表3に示されるように、実施例に係る超音波探触子1〜3は、超音波に対する感度、比帯域幅および超音波画像に優れていた。この原因として、超音波探触子1〜3がその可塑度が100以下である第1のシリコーンゴム組成物と、その可塑度が150以上300以下である第2のシリコーンゴム組成物とを含むゴム組成物の加硫成形体で構成されている音響レンズを有するためと考えられる。

0151

一方、表2に示されるように、比較例に係るシート10〜15では、減衰率、化学的安定性および物理的強度の少なくともいずれかが劣っていた。この原因として、シート10〜15が上記加硫成形体で構成されていないためと考えられる。特に、シート11については、シリコーンゴム組成物の代わりにブタジエンゴムが使用されているため、化学的安定性が劣っていた。

実施例

0152

また、表3に示されるように、比較例に係る超音波探触子4、5は、超音波に対する感度、比帯域幅および超音波画像の少なくともいずれかが劣っていた。この原因として、超音波探触子4、5が上記加硫成形体で構成されている音響レンズを有さないためと考えられる。

0153

本発明によれば、超音波に対する減衰が低く、化学的安定性および物理強度のいずれにも優れる音響レンズを提供することができる。したがって、本発明によれば、超音波探触子および超音波撮像装置のさらなる普及が期待される。

0154

100 超音波探触子
110バッキング層
120圧電素子
121送信用圧電体
122 中間層
123受信用圧電体
130音響整合層
140音響レンズ
150電極
200超音波撮像装置
210 装置本体
220ケーブル
230 入力部
240 制御部
250 送信部
260 受信部
270画像処理部
280 表示部

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