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技術 産生宿主における抗体/タンパク質パフォーマンス及び発現の同時で統合された選択及び進化

出願人 バイオアトラ、エルエルシー
発明者 ショート、ジェイ、ミルトン
出願日 2017年6月2日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2017-109593
公開日 2017年11月24日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-205110
状態 特許登録済
技術分野 ペプチド又は蛋白質 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 同定コンビナトリアル技術 微生物、その培養処理
主要キーワード 分離窓 製造組織 製造問題 分離セット 通常スペーサ ランダム過程 変動度 マイクロ球
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課題

単一システムにおいて製造することを目的とした、真核生物宿主における治療用タンパク質及び抗体産生及び/若しくは選択、進化及び発現統合する方法の提供。

解決手段

真核細胞産生宿主である製造宿主においてヒトタンパク質を進化させる方法であって、前記真核細胞産生宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を産生するために鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程と、少なくとも1つの既定性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、前記進化させる工程と同じ真核細胞産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程と、を有する、アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する、方法。

概要

背景

候補タンパク質治療用分子を産生する様々な抗体及び他のタンパク質ステムは、設計、開発及び実行されてきた。より最近では、多くの進化システムは、そのタンパク質の機能を増強するように開発されてきた。それとは別に、哺乳類発現システムは、治療適用に対する抗体及び他のタンパク質の高収量生成のために開発されてきた。今まで、抗体或いはタンパク質の産生、進化、及び単一で有効な哺乳類発現システムにおけるタンパク質産生/製造を可能にするシステムを開発したグループはいなかった。

多くの抗体は、細菌における細菌ファージディスプレイシステムを用いて開発されている一方、完全長抗体の発現は、第一に哺乳類細胞において実行されている。この類似性欠如によって、発現に対するクローンの進化或いは選択が不可能となっている。付加的な障壁としては、今までの技術で多数の変異体スクリーニングしなくてはいけないという従来の必要条件が含まれ、高度な哺乳類発現システムは、多数の変異体のクローニングではなく発現のために最適化されていた。抗体/タンパク質選択、進化及び哺乳類発現システムを統合することは、以前は設計されていなかった。最適化された哺乳類宿主細胞の内部における抗体/タンパク質の非確率的な進化と組み合わせて、多数の変異体を扱うための哺乳類細胞における表層ディスプレイを使用することは、成功の可能性を増加し、製造工程において望まれている哺乳類細胞において十分に高いレベルで発現するであろう最適化された抗体/タンパク質の産生の工程を大いに早めるものである。

概要

単一システムにおいて製造することを目的とした、真核生物宿主における治療用タンパク質及び抗体産生及び/若しくは選択、進化及び発現を統合する方法の提供。真核細胞産生宿主である製造宿主においてヒトタンパク質を進化させる方法であって、前記真核細胞産生宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を産生するために鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程と、少なくとも1つの既定性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、前記進化させる工程と同じ真核細胞産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程と、を有する、アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する、方法。なし

目的

本明細書は、単一システムにおいて製造するための、哺乳類細胞宿主或いは酵母細胞宿主などの真核生物宿主における治療用タンパク質(抗体を含む)産生及び/若しくは選択、進化及び発現を統合する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

真核細胞産生宿主における抗体或いは抗体断片の選択、進化及び発現の方法であって、前記方法は、a.抗体細胞表層ディスプレイを用いて真核細胞産生宿主において抗−抗原抗体ライブラリを作成する工程と、b.少なくとも1つの既定性質、特徴或いは活性に対して前記ライブラリをスクリーニングする工程と、c.前記ライブラリから鋳型抗体を選択する工程と、d.抗体細胞表層ディスプレイを用いて前記真核細胞産生宿主において1セットの変異抗体を生成するために前記鋳型抗体を進化させる工程と、e.前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記変異抗体をスクリーニングする工程と、f.前記鋳型抗体と比較した場合、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化に基づいて前記1セットの変異抗体からアップ突然変異抗体を選択する工程と、g.前記作成する工程と同じ真核細胞産生宿主において前記アップ突然変異抗体を発現させる工程とを有する、方法。

請求項2

請求項1記載の方法において、前記真核細胞産生宿主は、3T3マウス線維芽細胞;BHK21シリアンハムスター線維芽細胞;MDCKイヌ上皮細胞;Helaヒト上皮細胞;PtK1ラットカンガルー上皮細胞;SP2/0マウス形質細胞;及びNS0マウス形質細胞;HEK293ヒト胚性腎細胞;COSサル腎細胞;CHO、CHO−Sチャイニーズハムスター卵巣細胞;R1マウス胚細胞;E14.1マウス胚細胞;H1ヒト胚細胞;H9ヒト胚細胞;PERC.6ヒト胚細胞;出芽酵母(S.cerevisiae)酵母細胞;及びピキア酵母細胞から成る群のメンバーから選択されるものである、方法。

請求項3

請求項2記載の方法において、哺乳類システムは、CHO−S或いはHEK293である、方法。

請求項4

請求項1記載の方法において、前記スクリーニングする工程は、蛍光標示式細胞分取器FACS)を有するものである、方法。

請求項5

請求項1記載の方法において、前記進化させる工程は、m個相補性決定領域(CDR)を持つ前記鋳型抗体から形成された1セットの変異抗体を生成する工程であって、ここにおいて、mは1〜6の整数であり、各前記CDRはn個のアミノ酸残基を有するものである、前記生成する工程を有するものであって、前記方法は、a.m×nの別々のセットの抗体を産生する工程であって、各セットはCDRの単一の既定の位置にX個の異なる既定のアミノ酸残基を持つメンバー抗体を有するものであり、ここにおいて各セットの抗体は、単一の既定の位置が異なり;産生された異なるメンバー抗体の数はm×n×Xに等しいものである、前記抗体を産生する工程を有するものである、方法。

請求項6

請求項5記載の方法において、mは6である、方法。

請求項7

請求項1記載の方法において、前記抗体断片は、重鎖軽鎖可変ドメイン定常ドメイン超可変領域、相補性決定領域1(CDR1)、相補性決定領域2(CDR2)及び相補性決定領域3(CDR3)から選択されるものである、方法。

請求項8

請求項1記載の方法において、前記進化させる工程(d)は、h.前記鋳型抗体からn−1の別々のセットの変異ポリペプチドを産生する工程であって、各セットは前記ポリペプチドの単一の既定の位置でX個の異なる既定のアミノ酸残基を持つメンバーポリペプチドを有するものであり;ここにおいて各セットのポリペプチドは前記単一の既定の位置が異なるものであり;産生された前記異なるメンバーポリペプチドの数は、[n−1]×Xと等しいものである;前記産生する工程を有するものであり、前記スクリーニングする工程(e)は、i.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して各メンバーポリペプチドをアッセイする工程と、j.前記鋳型ポリペプチドと比較して前記メンバーポリペプチドの性質、特徴或いは活性におけるあらゆる変化を同定する工程と、k.機能マップを作成する工程であって、ここにおいて前記機能マップは、前記鋳型ポリペプチドと比較して、アップ突然変異及び/若しくはサイレント変異を生じる、前記変異ポリペプチドにおける位置及び変異を同定するために使用されるものである、前記機能マップを作る工程とを有する、前記スクリーニングする工程を有するものである、方法。

請求項9

請求項8記載の方法において、前記Xは19の天然由来のアミノ酸残基を示すものであり、前記鋳型ポリペプチドの所定の位置を表したものではない、方法。

請求項10

請求項9記載の方法において、前記産生する工程は、i.変異誘発された各コドンに対する64重縮オリゴヌクレオチドを用いて、ポリメラーゼベース複製へ、前記鋳型ポリペプチドをコード化しているコドン−含有ポリヌクレオチド暴露する工程であって、ここにおいて、1セットの子孫ポリヌクレオチドを産生するために、前記各64重縮重オリゴヌクレオチドは、第一の相同配列及び変性N,N,Nトリプレット配列を有するものである、前記暴露する工程と、ii.前記子孫ポリヌクレオチドによってコード化されたポリペプチドを発現させるように、クローン複製へ前記1セットの子孫ポリヌクレオチドを暴露する工程とを有するものである、方法。

請求項11

請求項8記載の方法において、前記機能マップは、(a)前記鋳型ポリペプチドと比較して、前記変異ポリペプチドの活性に影響を与えない位置及び変異;(b)前記鋳型ポリペプチドと比較して、完全に変異可能な部位;及び(c)前記鋳型ポリペプチドと比較して、アップ突然変異を生じる位置及び変異、から成る群の1若しくはそれ以上を同定するために使用されるものである、方法。

請求項12

請求項1記載の方法において、前記既定の性質、特徴或いは活性は、タンパク質タンパク質凝集の軽減、タンパク質安定性の増強、タンパク質可溶性の増加、グリコシル化部位の導入、共役部位の導入、免疫原性の軽減、タンパク質発現の増強、抗原親和性における増加、抗原親和性の減少、結合親和性における変化、免疫原性における変化、或いは特異性の増強から選択されるものである、方法。

請求項13

哺乳類細胞産生宿主における抗体を進化及び発現させる方法であって、前記方法は、a.鋳型抗体を選択する工程と、b.抗体細胞表層ディスプレイを用いて、哺乳類細胞産生宿主において1セットの変異抗体を生成するために前記鋳型抗体を進化させる工程と、c.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記変異抗体をスクリーニングする工程と、d.前記鋳型抗体と比較して、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化に基づいて前記1セットの変異抗体からアップ突然変異抗体を選択する工程と、e.前記工程b.と同じ哺乳類細胞産生宿主において前記アップ突然変異抗体を発現させる工程とを有するものである、方法。

請求項14

請求項13記載の方法において、前記哺乳類細胞産生宿主は、3T3マウス線維芽細胞;BHK21シリアンハムスター線維芽細胞;MDCKイヌ上皮細胞;Helaヒト上皮細胞;PtK1ラットカンガルー上皮細胞;SP2/0マウス形質細胞;及びNS0マウス形質細胞;HEK293ヒト胚性腎細胞;COSサル腎細胞;CHO、CHO−Sチャイニーズハムスター卵巣細胞;R1マウス胚細胞;E14.1マウス胚細胞;H1ヒト胚細胞;H9ヒト胚細胞;及びPERC.6ヒト胚細胞から成る群のメンバーから選択されるものである、方法。

請求項15

請求項14記載の方法において、哺乳類システムは、CHO−S或いはHEK293である、方法。

請求項16

請求項1記載の方法において、前記スクリーニングする工程は、蛍光標示式細胞分取器(FACS)を有するものである、方法。

請求項17

請求項1記載の方法において、前記工程(a)は、抗原を選択する工程を有する工程が先行するものである、方法。

請求項18

請求項1記載の方法において、前記抗−抗原抗体ライブラリは、ヒト化抗−抗原抗体ライブラリである、方法。

請求項19

真核細胞産生宿主においてタンパク質を進化及び発現させる方法であって、前記方法は、a.鋳型抗体を選択する工程と、b.真核細胞産生宿主において1セットの変異抗体を産生するために前記鋳型抗体を進化させる工程と、c.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記変異抗体をスクリーニングする工程と、d.前記鋳型抗体と比較して、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化に基づいて前記1セットの変異抗体からアップ突然変異抗体を選択する工程と、e.あらゆる工業規模に対しても、工程bと同じ真核細胞産生宿主において前記アップ突然変異抗体を発現させる工程とを有するものである、方法。

請求項20

請求項1記載の方法において、前記哺乳類細胞産生宿主は、CHOK1SV或いはNSO宿主細胞株から選択されるものである、方法。

請求項21

請求項13記載の方法において、前記スクリーニングする工程は、機能マップを作成する工程であって、ここにおいて前記機能マップは、前記鋳型ポリペプチドと比較して、アップ突然変異及び/若しくはサイレント変異を生じる、前記変異ポリペプチドにおける位置及び変異を同定するために使用されるものである、前記機能マップを作成する工程を有するものである、方法。

請求項22

細胞産生宿主においてヒトタンパク質を進化及び製造させる方法であって、前記方法は、a.細菌或いは真核生物産生宿主から成る群の1つから選択された細胞産生宿主において、ヒトタンパク質ライブラリを作成する工程と、b.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記ライブラリをスクリーニングする工程と、c.前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて前記ライブラリから鋳型ヒトタンパク質を選択する工程と、d.前記細胞産生宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を産生するために前記鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程と、e.前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程、及び修飾された発現に対してスクリーニングする工程と、f.(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、修飾された発現に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程と、g.前記作成する工程(a)と同じ産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程を有するヒトタンパク質を製造する工程とを有するものである、方法。

請求項23

請求項22記載の方法において、前記修飾された発現は、改善された発現である、方法。

請求項24

請求項23記載の方法において、前記進化させる工程は、包括的位置進化(CPE);包括的位置挿入進化(CPI);包括的位置欠失進化(CPD);コンビナトリアルタンパク質合成CPS)に続く包括的位置進化(CPE);或いはコンビナトリアルタンパク質合成(CPS)に続く包括的位置欠失進化(CPD)の1つを有するものである、方法。

請求項25

請求項23記載の方法において、前記ヒトタンパク質は、抗体である、方法。

請求項26

請求項25記載の方法において、前記抗体は、完全長抗体である、方法。

請求項27

請求項26記載の方法において、前記スクリーニングする工程(e)における前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性は、前記鋳型抗体と比較して、1若しくはそれ以上の(1)サイレント変異に対してスクリーニングする工程、及び(2)ミスセンス変異に対してスクリーニングする工程を有するものである、方法。

請求項28

請求項26記載の方法において、Fc及びFvから選択される1若しくはそれ以上の群;及び1若しくはそれ以上のCDRsは、前記鋳型ヒト抗体と比較して、前記アップ突然変異ヒト抗体において修飾されているものである、方法。

請求項29

請求項22記載の方法において、前記スクリーニングする工程(e)は、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、修飾された発現に対してスクリーニングする工程とを同時に有するものである、方法。

請求項30

請求項22記載の方法において、前記ヒトタンパク質は、酵素サイトカイン受容体DNA結合タンパク質キレート剤或いはホルモンから選択されるものである、方法。

請求項31

請求項22記載の方法において、前記細胞産生宿主は、真核生物産生宿主であり、前記進化させる工程は、細胞表層ディスプレイを用いて前記真核細胞産生宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を生成するために前記鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程を有するものである、方法。

請求項32

請求項26記載の方法において、前記細胞産生宿主は、真核生物産生宿主であり、前記進化させる工程は、細胞表層ディスプレイを用いて前記真核細胞産生宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を生成するために前記鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程を有するものである、方法。

請求項33

真核細胞産生宿主においてヒトタンパク質の増強した発現及び製造のために進化させる方法であって、前記方法は、a.進化のために鋳型ヒトタンパク質を選択する工程と、b.前記産生宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を産生するために、前記鋳型ヒトタンパク質をコード化する変異コドンの産生を有する前記鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程と、c.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングし、前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強した発現に対してスクリーニングする工程と、d.(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の保持或いは最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強した発現に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程と、e.前記進化させる工程と同じ産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程を有する、前記アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する工程とを有する、方法。

請求項34

請求項33記載の方法において、前記アップ突然変異ヒトタンパク質の変異コドンは、少なくとも1つのサイレント変異及び/若しくはミスセンス変異を生じるものである、方法。

請求項35

請求項34記載の方法において、前記アップ突然変異ヒトタンパク質の変異コドンは、少なくとも1つのサイレント変異及び/若しくはミスセンス変異を生じるものである、方法。

請求項36

請求項35記載の方法において、前記鋳型ヒトタンパク質は、倫理的承認されたタンパク質治療薬であり、前記アップ突然変異ヒトタンパク質は、バイオ後続品である、方法。

請求項37

請求項33記載の方法において、前記選択する工程(d)は、(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強した発現に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程を有するものである、方法。

請求項38

標的ヒトタンパク質を同定し生成する方法であって、前記方法は、a.タンパク質細胞表層ディスプレイを用いて真核細胞産生宿主においてヒトタンパク質ライブラリを作成する工程と、b.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記ライブラリをスクリーニングする工程と、c.前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて前記ライブラリから標的ヒトタンパク質を同定する工程と、d.標的ヒトタンパク質を生成するために、前記作成する工程と同じ真核細胞産生宿主において前記標的ヒトタンパク質を発現させる工程とを有するものである、方法。

請求項39

請求項38記載の方法において、前記標的ヒトタンパク質は、抗体である、方法。

請求項40

請求項39記載の方法において、前記抗体は、完全長抗体である、方法。

請求項41

製造宿主におけるヒトタンパク質を進化させる方法であって、前記方法は、a.製造宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を製造するために鋳型ヒトタンパク質を変異させる工程と、b.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して1セットの変異子孫タンパク質をスクリーニングする工程とを有するものである、方法。

請求項42

請求項41記載の方法であってさらに、c.前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程とを有するものである、方法。

請求項43

請求項42記載の方法であって、前記方法はさらに、d.前記変異させる工程(a)と同じ産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程を有する、前記アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する工程を有するものである、方法。

請求項44

請求項42記載の方法において、前記選択する工程(c)はさらに、(1)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、修飾された発現に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程を有するものである、方法。

請求項45

請求項44記載の方法において、前記修飾された発現は、増強された発現である、方法。

請求項46

細胞製造宿主におけるヒトタンパク質を進化及び製造する方法であって、前記方法は、a.製造宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を生成するために鋳型ヒトタンパク質を変異させる工程と、b.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程、及び修飾された発現に対してスクリーニングする工程と、c.(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、修飾された発現に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程と、d.工程a.と同じ製造宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程を有する、前記ヒトタンパク質を製造する工程とを有するものである、方法。

請求項47

真核細胞産生宿主においてヒトタンパク質の増強された発現及び製造のために進化させる方法であって、前記方法は、a.製造宿主において1セットの変異ヒトタンパク質を生成するために、鋳型ヒトタンパク質をコード化している変異コドンの産生を有する、前記鋳型ヒトタンパク質を変異させる工程と、b.少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングし、前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強された発現に対してスクリーニングする工程と、c.(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の保持或いは最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強された発現に基づいて、前記1セットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程と、d.前記工程(a)と同じ製造宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する工程とを有するものである、方法。

請求項48

請求項47記載の方法において、前記スクリーニングする工程(b)は、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1セットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、増強された発現に対してスクリーニングする工程とを同時に有するものである、方法。

技術分野

0001

本明細書は、米国以外の全ての国の指定に対する出願者であり米国国内企業であるBioAtla,LLC、及び米国のみの指定に対する出願者であり米国国民であるJay Milton Shortの名前で、PCT国際特許出願として2010年7月16日に出願されたものであり、2009年7月17日に出願された米国仮出願第61/271,168号に対して優先権を主張するものであり、その全ての内容はこの参照によって本明細書に組込まれるものである。

0002

特定の観点において、本発明は、タンパク質及びタンパク質進化によるそれらの最適化に関連するものである。タンパク質治療は、同じ遺伝システムを用いて同じ宿主において発見、進化及び製造されるものである。

背景技術

0003

候補タンパク質治療用分子を産生する様々な抗体及び他のタンパク質システムは、設計、開発及び実行されてきた。より最近では、多くの進化システムは、そのタンパク質の機能を増強するように開発されてきた。それとは別に、哺乳類発現システムは、治療適用に対する抗体及び他のタンパク質の高収量生成のために開発されてきた。今まで、抗体或いはタンパク質の産生、進化、及び単一で有効な哺乳類発現システムにおけるタンパク質産生/製造を可能にするシステムを開発したグループはいなかった。

0004

多くの抗体は、細菌における細菌ファージディスプレイシステムを用いて開発されている一方、完全長抗体の発現は、第一に哺乳類細胞において実行されている。この類似性欠如によって、発現に対するクローンの進化或いは選択が不可能となっている。付加的な障壁としては、今までの技術で多数の変異体スクリーニングしなくてはいけないという従来の必要条件が含まれ、高度な哺乳類発現システムは、多数の変異体のクローニングではなく発現のために最適化されていた。抗体/タンパク質選択、進化及び哺乳類発現システムを統合することは、以前は設計されていなかった。最適化された哺乳類宿主細胞の内部における抗体/タンパク質の非確率的な進化と組み合わせて、多数の変異体を扱うための哺乳類細胞における表層ディスプレイを使用することは、成功の可能性を増加し、製造工程において望まれている哺乳類細胞において十分に高いレベルで発現するであろう最適化された抗体/タンパク質の産生の工程を大いに早めるものである。

課題を解決するための手段

0005

本明細書は、単一システムにおいて製造するための、哺乳類細胞宿主或いは酵母細胞宿主などの真核生物宿主における治療用タンパク質(抗体を含む)産生及び/若しくは選択、進化及び発現を統合する方法を提供するものである。抗体を含む治療用タンパク質は、同じ真核生物宿主システムにおいて産生、最適化及び製造される。開示された包括的統合抗体最適化(CIAO(商標))のシステムによって、タンパク質パフォーマンス及び発現最適化の同時進化が可能となる。

0006

1つの実施形態において、本開示は、哺乳類細胞産生宿主における抗体の選択、進化及び発現の方法を提供するものであり;この方法は、抗体細胞表層ディスプレイを用いて哺乳類細胞産生宿主において抗−抗原抗体を産生する工程と;少なくとも1つの既定性質、特徴或いは活性に対してライブラリをスクリーニングする工程と;前記ライブラリから鋳型抗体を選択する工程と;抗体細胞表層ディスプレイを用いて哺乳類細胞産生宿主において1つのセットの変異抗体を産生するために前記鋳型抗体を進化させる工程と;前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記変異抗体をスクリーニングする工程と;前記鋳型抗体と比較した場合、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化に基づいて前記1つのセットの変異抗体からアップ突然変異抗体を選択する工程と;産生する工程で用いられたのと同じ哺乳類細胞産生宿主において前記アップ突然変異抗体を発現させる工程とを有するものである。

0007

1つの観点において、前記哺乳類細胞産生宿主は、3T3マウス線維芽細胞;BHK21シリアンハムスター線維芽細胞;MDCKイヌ上皮細胞;Helaヒト上皮細胞;PtK1ラットカンガルー上皮細胞;SP2/0マウス形質細胞;及びNS0マウス形質細胞;HEK 293ヒト胚性腎細胞;COSサル腎細胞;CHO、CHO−Sチャイニーズハムスター卵巣細胞;R1マウス胚細胞;E14.1マウス胚細胞;H1ヒト胚細胞;H9ヒト胚細胞;PERC.6ヒト胚細胞;出芽酵母(S.cerevisiae)酵母細胞;或いはピキア酵母細胞から選択されるものである。特定の観点において、前記哺乳類システムは、CHO−S或いはHEK293である。1つの観点において、前記スクリーニングする工程は、蛍光標示式細胞分取器FACS)を利用するものである。

0008

別の観点において、前記進化させる工程は、m個相補性決定領域(CDR)を有する前記鋳型抗体から形成される1つのセットの変異抗体を産生する工程を有するものであり、ここにおいて、mは1、2、3、4、5或いは6から選択された整数であり、前記CDRのそれぞれはn個のアミノ酸残基を有しているものであり、前記方法は、m×n個の別々のセットの抗体を産生する工程を有しており、各セットはCDRの単一の既定された位置にX個の異なる既定のアミノ酸残基を有するメンバー抗体を有するものであり;ここにおいて、各セットの抗体は、単一の既定の位置が異なっており;産生される異なるメンバー抗体の数は、m×n×Xと等しいものである。特定の観点において、mは6である。

0009

1つの観点において、前記進化させる工程は、前記鋳型抗体からn−1個の別々のセットの変異ポリペプチドを産生する工程を有するものであり、各セットは、前記ポリペプチドの単一の既定の位置でX個の異なる既定のアミノ酸残基を有するメンバーポリペプチドを有するものであり;ここにおいて各セットのポリペプチドは、単一の既定の位置が異なっており;産生される異なるメンバーポリペプチドの数は、[n−1]×Xに等しいものである。1つの観点において、Xは19個の天然由来のアミノ酸残基を示すものであり、前記鋳型ポリペプチドの所定の位置を表すものではない。

0010

別の観点において、前記スクリーニングする工程は、少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して各メンバーポリペプチドをアッセイする工程と;前記鋳型ポリペプチドと比較して前記メンバーポリペプチドの前記性質、特徴或いは活性におけるあらゆる変化を同定する工程と;機能マップを作成する工程であって、ここにおいて、前記機能マップは、前記鋳型ポリペプチドと比較してアップ突然変異及び/若しくはサイレント変異を生じる変異ポリペプチドにおける位置及び変異を同定するために使用されるものである、機能マップを作成する工程とを有するものである。

0011

別の観点において、前記機能マップは、(a)前記鋳型ポリペプチドと比較して前記変異ポリペプチドの活性に影響を与えない位置及び変異;(b)前記鋳型ポリペプチドと比較して完全に変異できる部位;及び(c)前記鋳型ポリペプチドと比較してアップ突然変異を生じる位置及び変異、から成る1若しくはそれ以上の群を同定するために使用されるものである。

0012

別の観点において、前記抗体断片は、重鎖軽鎖可変ドメイン超可変領域、相補性決定領域1(CDR1)、相補性決定領域2(CDR2)、及び相補性決定領域3(CDR3)から選択されるものである。

0013

別の観点において、前記産生する工程は、変異誘発された各コドンに対する64重縮オリゴヌクレオチドを用いて、ポリメラーゼベース複製へ前記鋳型ポリペプチドをコード化したコドン−含有ポリヌクレオチド暴露させる工程であって、ここにおいて、前記64重縮重オリゴヌクレオチドのそれぞれは、1つのセットの子孫ポリヌクレオチドを産生するように第一の相同配列及び変性N,N,Nトリプレット配列を有するものである、前記コドン−含有ポリヌクレオチドを暴露させる工程と;子孫ポリヌクレオチドによってコード化されたポリペプチドが発現されるように、クローン複製へ子孫ポリヌクレオチドを暴露する工程とを有するものである。

0014

請求項1の方法において、前記既定の性質、特徴或いは活性は、タンパク質−タンパク質凝集の軽減、タンパク質安定性の増強、タンパク質可溶性の増加、グリコシル化部位の導入、共役部位の導入、免疫原性の軽減、タンパク質発現の増強、抗原親和性における増加、抗原親和性の減少、結合親和性における変化、免疫原性における変化、或いは特異性の増強から選択されるものである。

0015

別の実施形態において、本開示は、哺乳類細胞産生宿主における抗体を進化及び発現させる方法を提供するものであり;前記方法は、鋳型抗体を選択する工程と;抗体細胞表層ディスプレイを用いて哺乳類細胞産生宿主において1つのセットの変異抗体を産生するために前記鋳型抗体を進化させる工程と;前記鋳型抗体と比較して少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化に基づいて前記1つのセットの変異抗体からアップ突然変異抗体を選択する工程と;前記進化させる工程において使用された同じ哺乳類細胞産生宿主において前記アップ突然変異抗体を発現させる工程とを有するものである。

0016

1つの観点において、前記スクリーニングする工程は、機能マップを作成する工程を有しており、ここにおいて、前記機能マップは、前記鋳型ポリペプチドと比較してアップ突然変異及び/或いはサイレント変異を生じる前記変異ポリペプチドにおける位置及び変異を同定するために使用されるものである。別の観点において、前記スクリーニングする工程は、蛍光標示式細胞分取器(FACS)を有するものである。

0017

1つの観点において、前記哺乳類細胞産生宿主は、3T3マウス線維芽細胞;BHK21シリアンハムスター線維芽細胞;MDCKイヌ上皮細胞;Helaヒト上皮細胞;PtK1ラットカンガルー上皮細胞;SP2/0マウス形質細胞;及びNS0マウス形質細胞;HEK293ヒト胚性腎細胞;COSサル腎細胞;CHO、CHO−Sチャイニーズハムスター卵巣細胞;R1マウス胚細胞;E14.1マウス胚細胞;H1ヒト胚細胞;H9ヒト胚細胞;及びPERC.6ヒト胚細胞から選択される。特定の観点において、前記哺乳類システムは、CHO−S或いはHEK293である。別の観点において、前記細胞産生宿主は、CHOK1SV或いはNSO宿主細胞株から選択される。

0018

別の実施形態において、本開示は、真核細胞産生宿主におけるタンパク質の進化及び発現の方法を提供するものであり;この方法は、鋳型抗体を選択する工程と;真核細胞産生宿主において1つのセットの変異抗体を産生するために前記鋳型抗体を進化させる工程と;少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記変異抗体をスクリーニングする工程と;前記鋳型抗体と比較して前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化に基づいて前記1つのセットの変異抗体からアップ突然変異抗体を選択する工程と;あらゆる工業規模向けで前記進化される工程と同じ真核生物産生宿主において前記アップ突然変異抗体を発現させる工程とを有するものである。

0019

1実施形態において、本開示は、細胞産生宿主においてヒトタンパク質を進化及び製造する工程を提供するものであり;この方法は、細菌或いは真核生物産生宿主から成る群の1つから選択された細胞産生宿主においてヒトタンパク質ライブラリを産生する工程と;少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記ライブラリをスクリーニングする工程と;前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて前記ライブラリから鋳型ヒトタンパク質を選択する工程と;前記細胞産生宿主において1つのセットの変異ヒトタンパク質を産生するために前記鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程と;前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1つのセットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程、及び修飾された発現に対してスクリーニングする工程と;(1)少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、修飾された発現に基づいて、前記1つのセットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程と;前記産生する工程と同じ産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程とを有するものである。1つの観点において、前記選択する工程における前記修飾された発現は、改善された発現である。

0020

別の観点において、前記進化させる工程は、包括的位置進化(CPE);包括的位置挿入進化(CPI);包括的位置欠失進化(CPD);コンビナトリアルタンパク質合成CPS)に続く包括的位置進化(CPE);或いはコンビナトリアルタンパク質合成(CPS)に続く包括的位置欠失進化(CPD)の1つから選択される進化技術を有するものである。

0021

1つの観点において、前記ヒトタンパク質は抗体である。別の観点において、前記抗体は、完全長抗体である。

0022

別の観点において、スクリーニングする工程(e)における前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性は、前記鋳型抗体と比較して、(1)サイレント変異に対するスクリーニング及び(2)ミスセンス変異に対するスクリーニングの1若しくはそれ以上を有するものである。

0023

別の観点において、Fc及びFvから選択された前記抗体の1若しくはそれ以上の部位;フレームワーク;及び1若しくはそれ以上のCDRsは、進化させる前記鋳型ヒト抗体と比較して、前記アップ突然変異ヒト抗体において修飾されるものである。

0024

別の観点において、前記スクリーニングする工程は、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1つのセットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、修飾された発現に対してスクリーニングする工程とを同時に有するものである。

0025

さらなる観点において、進化及び製造に対する前記ヒトタンパク質は、酵素サイトカイン受容体DNA結合タンパク質キレート剤或いはホルモンから選択されるものである。

0026

別の観点において、前記細胞産生宿主は、真核生物産生宿主であり、前記進化させる工程は、細胞表層ディスプレイを用いて前記真核細胞産生宿主において1つのセットの変異ヒトタンパク質を産生するために前記鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程を有するものである。

0027

別の実施形態において、本開示は、発現が増強するように進化させ、真核細胞産生宿主においてヒトタンパク質を製造する方法を提供するものであり;この方法は、進化に対して鋳型ヒトタンパク質を選択する工程と;前記産生宿主において1つのセットの変異ヒトタンパク質を産生するために、前記鋳型ヒトタンパク質をコード化する変異コドンの産生を有する前記鋳型ヒトタンパク質を進化させる工程と;少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1つのセットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程、及び前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合に増強された発現に対してスクリーニングする工程と;(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の保持或いは最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強された発現に基づいて、前記1つのセットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程;及び前記進化させる工程と同じ産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現する工程を有する前記アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する工程を有するものである。

0028

1つの観点において、前記アップ突然変異ヒトタンパク質の変異コドンは、少なくとも1つのサイレント変異及び/若しくはミスセンス変異を生じるものである。別の観点において、前記アップ突然変異ヒトタンパク質の変異コドンは、少なくとも1つのサイレント変異を生じるものである。

0029

さらなる観点において、前記鋳型ヒトタンパク質は、倫理的承認されたタンパク質治療薬であり、前記アップ突然変異ヒトタンパク質は、バイオ後続品である。

0030

別の観点において、前記選択する工程は、(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強された発現に基づいて、前記1つのセットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程を有するものである。

0031

別の実施形態において、本開示は、標的ヒトタンパク質を同定し産生する方法を提供するものであり、この方法は、タンパク質細胞表層ディスプレイを用いて真核細胞産生宿主においてヒトタンパク質ライブラリを産生する工程と;少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記ライブラリをスクリーニングする工程と;前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて、前記ライブラリから標的ヒトタンパク質を同定する工程と;標的ヒトタンパク質を生成するために、前記産生する工程と同じ真核細胞産生宿主において前記標的ヒトタンパク質を発現させる工程とを有するものである。1つの観点において、前記標的ヒトタンパク質は抗体である。別の観点において、前記抗体は完全長抗体である。

0032

別の実施形態において、本開示は、製造宿主においてヒトタンパク質を進化させる方法を提供し、この方法は、製造宿主において1つのセットの変異ヒトタンパク質を生成するために鋳型ヒトタンパク質を変異させる工程と;少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して1つのセットの変異子孫タンパク質をスクリーニングする工程とを有するものである。1つの観点において、前記方法はさらに、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に基づいて、前記1つのセットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程を有するものである。別の観点において、前記方法はさらに、前記変異させる工程と同じ産生宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程を有する前記アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する工程を有するものである。別の観点において、前記選択する工程はさらに、(1)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、修飾された発現に基づいて、前記1つのセットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程を有するものである。1つの観点において、前記修飾された発現は、増強された発現である。

0033

別の実施形態において、本開示は、細胞製造宿主においてヒトタンパク質を進化及び製造する方法を提供するものであり;この方法は、製造宿主において1つのセットの変異ヒトタンパク質を生成するために鋳型ヒトタンパク質を変異させる工程と;少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1つのセットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程、及び修飾された発現に対してスクリーニングする工程と;(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、修飾された発現に基づいて、前記1つのセットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程と;前記変異させる工程と同じ製造宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を発現させる工程を有する前記ヒトタンパク質を製造する工程を有するものである。

0034

さらなる実施形態において、本開示は、発現が増強するように進化させ、真核細胞産生宿主においてヒトタンパク質を製造する方法を提供するものであり、この方法は、製造宿主において1つのセットの変異ヒトタンパク質を生成するために、前記鋳型ヒトタンパク質をコード化する変異コドンの産生を有する鋳型ヒトタンパク質を変異させる工程と;少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1つのセットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程、及び前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強された発現に対してスクリーニングする工程と;(1)前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性の保持或いは最適化、及び(2)前記鋳型ヒトタンパク質と比較した場合、増強された発現に基づいて、前記1つのセットの変異ヒトタンパク質からアップ突然変異ヒトタンパク質を選択する工程と;前記変異させる工程と同じ製造宿主において前記アップ突然変異ヒトタンパク質を製造する工程とを有するものである。

0035

1つの観点において、前記スクリーニングする工程は、前記少なくとも1つの既定の性質、特徴或いは活性に対して前記1つのセットの変異ヒトタンパク質をスクリーニングする工程と、増強された発現に対してスクリーニングする工程とを同時に有するものである。

図面の簡単な説明

0036

図1は、単一システムにおいて製造するための、哺乳類細胞宿主或いは酵母細胞宿主などの真核生物宿主における治療用タンパク質(例えば抗体)産生及び/若しくは選択、進化及び発現を統合するCIAO(商標)法の模式図である。
図2は、分子特異的データベース(EvoMap(商標))を作成するために包括的位置進化(CPE(商標))がどのように使用されるかを図示したものである。
図3は、CPE(商標)からのアップ突然変異体を組み合わせるために使用され得る包括的位置合成(CPS(商標))の模式図である。
図4は、包括的位置挿入(CPI(商標))進化の模式図を示したものである。
図5は、CPI(商標)進化からの延長核酸を包括的位置進化(CPE(商標))へ暴露し、分子特異的データベース(EvoMap(商標))を作成するために使用したものである;進化の方法の1つの組み合わせを図示したものである。
図6は、包括的位置欠失(CPD(商標))進化の模式図を示したものである。
図7は、進化の方法の別の組み合わせを図示したものであり、CPD(商標)進化からの短縮核酸を包括的位置進化(CPE(商標))に暴露し、分子特異的データベース(EvoMap(商標))を作成するために使用したものである。

実施例

0037

用語の定義
本明細書に提供された実施例の理解を容易にするために、特定の頻繁に使用される方法及び/用語を説明するものである。

0038

薬剤」という用語は、ポリペプチド、ポリペプチドの混合物、空間的に局在化させた化合物アレイ(例えばVLSIPSペプチドアレイポリヌクレオチドアレイ及び/若しくはコンビナトリアル小分子アレイ)、生物学的高分子バクテリオファージペプチドディスプレイライブラリ、バクテリオファージ抗体(例えばscFv)ディスプレイライブラリ、ポリソームペプチドディスプレイライブラリ、若しくは細菌、植物、真菌或いは動物(特定の哺乳類)細胞或いは組織などの生物学的物質から作られた抽出物を意味するために本明細書で使用されている。薬剤は、本明細書で後に記載されるスクリーニングアッセイにおける試験対象によって、抗悪性腫瘍抗炎症作用或いはアポトーシス修飾因子としての潜在的な活性を評価される。薬剤は、本明細書で後に記載されるスクリーニングアッセイにおける試験対象によって、特定のタンパク質相互作用阻害剤(すなわち2つの既定のポリペプチド間の結合相互作用を選択的に阻害するが、細胞生存率は実質的には妨害しない薬剤)としての潜在的な活性を評価される。

0039

本明細書で用いられたように「アミノ酸」という用語は、アミノ基(——NH2)及びカルボキシル基(——COOH);好ましくは遊離基或いはペプチド結合の一部として縮合した後の代替基を含有するあらゆる有機化合物を意味するものである。「20個の天然にコード化されたポリペプチド−形成アルファ−アミノ酸」は、本分野では理解されており、アラニン(ala或いはA)、アルギニン(arg或いはR)、アスパラギン(asn或いはN)、アルパラギン酸(asp或いはD)、システイン(cys或いはC)、グルタミン酸(glu或いはE)、グルタミン(gln或いはQ)、グリシン(gly或いはG)、ヒスチジン(his或いはH)、イソロイシン(ile或いはI)、ロイシン(leu或いはL)、リシン(lys或いはK)、メチオニン(met或いはM)、フェニルアラニン(phe或いはF)、プロリン(pro或いはP)、セリン(ser或いはS)、スレオニン(thr或いはT)、トリプトファン(trp或いはW)、チロシン(tyr或いはY)及びバリン(val或いはV)を意味している。

0040

「複製」という用語は、ポリヌクレオチドのコピー数を増加させることを意味するものである。

0041

本明細書で用いられたように、「抗体」という用語は、無傷免疫グロブリン分子、さらには抗原のエピトープに結合できるFab、Fab'(Fab')2、Fv及びSCA断片などの免疫グロブリン分子の断片を意味するものである。これらの抗体断片は、それらが由来する前記抗体の抗原(例えばポリペプチド抗原)へ選択的に結合するいくらか能力を保持しており、その抗体断片は本分野ではよく知られた方法を用いて作られ(例えばHarlow and Lane,supraを参照のこと)、以下でさらに記載する。抗体は、免疫親和性クロマトグラフィによって調製量の抗原を単離するために使用され得る。そのような抗体の様々な他の使用法としては、疾患(例えば腫瘍)の診断及び/若しくはステージング、及び例えば腫瘍、自己免疫疾患AIDS、心血管疾患感染症及びそれらと同等物などの疾患を治療するための治療適応などがある。キメラ、ヒト様(human−like)、ヒト化或いは完全なヒト抗体は、ヒト患者への投与に対して特に有用である。

0042

Fab断片は、抗体分子一価抗原−結合断片から成り、無傷軽鎖から成る断片及び重鎖の一部を得るために、酵素パパインによる完全抗体分子の消化によって産生され得る。

0043

抗体分子のFab'断片は、無傷軽鎖から成る断片及び重鎖の一部を得るために、ペプシンで完全抗体分子を処理し、その後還元するによって得られる。2つのFab'断片は、このやり方で処理された抗体分子を通じて得られる。

0044

抗体の(Fab')2断片は、その後の還元なしに酵素ペプシンで完全抗体分子を処理することによって得られる。(Fab')2断片は、2つのジスルフィド結合で結合している、2つのFab'断片の二量体である。

0045

Fv断片は、2本鎖として発現された軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域を含有する一般的に設計された断片として定義される。

0046

一本鎖抗体(「SCA」)は、適切で可動性のあるポリペプチドライナーによって連結された、軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域を含有する、一般的に設計された一本鎖分子である。

0047

「バイオ後続品」という用語、及び「後続の生物製剤」という用語は、特許或いは独占権終了後の、革新的な生物製剤の正式に承認された新しいバージョンを意味する。

0048

「細胞産生宿主」或いは「製造宿主」という用語は、タンパク質を産生或いは製造するために使用される細胞株を意味するものである。これに限定されるものではないが、ヒト、マウス、ハムスター、ラット、サル細胞株、さらには酵母昆虫及び植物細胞株を含む哺乳類細胞などの真核細胞である。原核生物細胞は、代替として利用され得る。1つの観点において、哺乳類細胞産生宿主は、3T3マウス線維芽細胞;BHK21シリアンハムスター線維芽細胞;MDCKイヌ上皮細胞;Helaヒト上皮細胞;PtK1ラットカンガルー上皮細胞;SP2/0マウス形質細胞;及びNS0マウス形質細胞;HEK293ヒト胚性腎細胞;COSサル腎細胞;CHO、CHO−Sチャイニーズハムスター卵巣細胞;R1マウス胚細胞;E14.1マウス胚細胞;H1ヒト胚細胞;H9ヒト胚細胞;PERC.6ヒト胚細胞から成る群のメンバーから選択される。別の観点において、前記細胞産生宿主は、GS−NS0或いはGS−CHOK1細胞株である。別の観点において、前記細胞産生宿主は、出芽酵母(S.cerevisiae)細胞:及びピキア酵母細胞から選択されるものである。別の観点において、前記細胞産生宿主は、細菌細胞株である。

0049

「キメラ性質」を有する分子は:1)第一の参照分子に対して一部分は相同であり一部分は異種である;一方2)同時に第二の参照分子に対して一部分は相同であり一部分は異種であるが;3)同時に1若しくはそれ以上の付加的な参照分子に対しても一部分は相同であり一部分は異種である可能性を妨げることがない分子である。制限されない実施形態において、キメラ分子は、部分的な分子配列再集合構築することによって調合される。制限されない観点において、キメラポリヌクレオチド分子は、結果生じるキメラポリヌクレオチドが大多数の鋳型の特性を有するように、大多数の分子鋳型を用いてキメラポリヌクレオチドを合成することによって調合される。

0050

本明細書で用いられたように「同族」という用語は、種間で進化的に及び機能的に関連した遺伝子配列を意味するものである。例えば、これに限定されるものではないが、ヒトゲノムにおいて、ヒトCD4遺伝子はマウス3d4遺伝子と同族遺伝子であると言え、なぜなら、これら2つの遺伝子の配列及び構造は高度に相同であり、両遺伝子は、MHCクラスII−制限抗原認識を通じたT細胞活性化のシグナル伝達において機能しているタンパク質をコード化しているということを意味するからである。

0051

「工業規模」という用語は、再販売に適切な規模でタンパク質或いは抗体を産生することを意味するものである。

0052

本明細書で用いられたように「比較ウィンドウ」は、少なくとも20の近接するヌクレオチド位置概念的なセグメントを意味しており、ここにおいて、ポリヌクレオチド配列は、少なくとも20の近接するヌクレオチド参照配列と比較されるものであり、さらに、比較ウィンドウにおける前記ポリヌクレオチド配列の一部は、この2つの配列の最適アライメントに対して参照配列(付加或いは欠失を有さない)と比較した場合、20%或いはそれ以下の付加或いは欠失(すなわちギャップ)を有するものである。比較ウィンドウを整列させるための配列の最適アライメントは、Smith and Waterman((1981)Adv.Appl.Math.2:482)の局所相同性アルゴリズムによって、Needlemen and Wuncsch(J.Mol.Biol.48:443(1979))の相同性アライメントアルゴリズムによって、Pearson and Lipman(Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.)85;2444(1988))の類似法の検索によって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0、Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTA及びTFASTA)のコンピュータ化実行によって若しくは検査によって実行され、様々な方法によって作成されたベストアライメント(すなわち比較ウィンドウに対して最も高いパーセンテージの相同性を生じるもの)が選択される。

0053

本明細書で用いられたように「相補性決定領域」及び「CDR」という用語は、Kabat及びChothiaによって例示されたような、本分野で認識されている用語を意味するものである。CDRの定義はさらに、高可変(supervariable)領域、或いは超可変(hypervariable)ループとしても一般的に知られている(Chothia and Leks,1987;Clothia et al.,1989;Kabat et al.,1987;及びTramontano et al.,1990)。多少短い或いは長い可変領域ドメインは一本鎖抗体を形成するのにも適してはいるが、可変領域ドメインは典型的に、天然由来の免疫グロブリン鎖の約105〜110アミノ酸のアミノ末端(例えばアミノ酸1〜110)を有している。CDRは、前記分子の特異性を決定し、特異的なリガンドと結合する免疫グロブリンの一部である。CDRは、分子の最も可変的な部位であり、これら分子の多様性に寄与している。各Vドメインには3つのCDR、すなわちCDR1、CDR2及びCDR3が存在する。CDR−Hは可変重鎖CDR領域を表し、CDR−Lは可変軽鎖のCDR領域に関連するものである。Hは可変重鎖を意味し、Lは可変軽鎖を意味する。Ig由来領域のCDR領域は、Kabat(1991)、Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th edit.,NIH Publication no.91−3242 U.S.Department of Health and Human Services、Chothia(1987)J.Mol.Biol.196,901−917及びChothia(1989)Nature,341,877−883に記載されたように決定されるものである。

0054

「包括的」という用語は、進化の技術を意味するために本明細書で用いられており、ここにおいて、全ての可能な変化が鋳型ポリヌクレオチド或いは鋳型ポリペプチドの各位置でなされ、前記ポリヌクレオチド或いはポリペプチドは意図した変化が生じたか確認するためにテストされるものである。

0055

保存的アミノ酸置換」とは、同様な側鎖を持つ残基の互換性を意味するものである。例えば、脂肪族側鎖を持つアミノ酸の一群は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンであり;脂肪族−ヒドロキシル側鎖を持つアミノ酸の一群は、セリン及びスレオニンであり;アミド−含有側鎖を持つアミノ酸の一群は、アスパラギン及びグルタミンであり;芳香族側鎖を持つアミノ酸の一群は、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファンであり;塩基性側鎖を持つアミノ酸の一群は、リシン、アルギニン及びヒスチジンであり;硫黄−含有側鎖を持つアミノ酸の一群は、システイン及びメチオニンである。好ましい保存的アミノ酸置換基は:バリン−ロイシン−イソロイシン、フェニルアラニン−チロシン、リシン−アルギニン、アラニン−バリン、及びアスパラギン−グルタミンである。

0056

「一致する」という用語は、ポリヌクレオチド配列が参照ポリヌクレオチド配列の全て或いは一部と相同(すなわち同一であるが厳格に進化的には関連しない)であること、若しくはポリペプチド配列が参照ポリペプチド配列と同一であることを意味するために本明細書で使用されるものである。対照的に、「相補的である」という用語は、相補的配列が参照ポリヌクレオチド配列の全て或いは一部と相同であることを意味するために本明細書で使用される。例示的には、前記ヌクレオチド配列TATAC」は、参照配列「TATAC」と一致し、参照配列「GTATA」と相補的である。

0057

「分解有効」量という用語は、酵素と接触していない基質と比較して、基質の少なくとも50%が処理されるのに必要とされる酵素の量を意味するものである。好ましくは、基質の少なくとも80%が消化されるものである。

0058

本明細書で用いられたように「定義された配列フレームワーク」という用語は、ランダムではない方式で、通常実験データ或いは構造データに基づいて選択される1セットの定義された配列を意味するものであり、例えば、定義された配列フレームワークは、β−シート構造を形成すると予想される1セットのアミノ酸配列を有する、若しくは他のバリエーションの中でロイシンジッパー7アミノ酸繰り返しモチーフ亜鉛フィンガードメインを有するものである。「定義された配列カーネル(kernal)」とは、限定された範囲の可変性を含む1セットの配列である。その一方で、(1)20の従来のアミノ酸の相補的ランダム10−mer配列は(20)10配列のいずれかである、(2)20の従来のアミノ酸の疑似ランダム10−mer配列は(20)10配列のいずれかであるが、特定の位置及び/或いは全体での特定の残基に対する偏りを示す、(3)各残基位置許容可能な20の従来のアミノ酸(及び/若しくは許容可能な非通常性のアミノ/イミノ酸)のいずれかであることが可能であれば、定義された配列カーネルはサブセットの配列である。定義された配列カーネルは一般的に、変異及び不変異残基を有している、及び/若しくは、断片的に或いは完全長の個別に選択されたライブラリメンバー配列の、定義されたサブセットのアミノ酸残基から選択される残基及びそれらと同等物を有する変異残基位置を有しているものである。定義された配列カーネルは、アミノ酸配列或いはポリヌクレオチド配列を参照することができる。例示するためであり限定するためではないが、配列(NNK)10及び(NNM)10は定義された配列カーネルであり、ここにおいて、NはA、T、G或いはCを示し、KはG或いはTを示し、MはA或いはCを示すものである。

0059

本明細書で用いられたように「脱免疫化(deimmunization)」という用語は、前記変異体をヒトにおいて非免疫原性或いは少ない免疫原性にすることによってオリジナル野生型分子と比較して修飾されている、鋳型結合分子の変異体の産生を意味するものである。本発明に従って脱免疫化された分子は、非ヒト起源の抗体或いはその一部(フレームワーク及び/若しくはCDRのような)に関連するものである。一致する実施例としては、米国特許第4,361,549号に記載されたような抗体或いはその断片がある。さらに「脱免疫化」という用語は、T細胞エピトープを産生するための傾向(propensity)が減少した分子にも関連するものである。本発明に従うと、「T細胞エピトープを産生するための傾向が減少した」という用語は、特異的T細胞活性化を導くT細胞エピトープの除去に関連するものである。

0060

さらに、T細胞エピトープを産生するための傾向の減少は、T細胞エピトープの形成に寄与するアミノ酸の置換、すなわちT細胞エピトープの形成に重要なアミノ酸の置換を意味する。言い換えると、T細胞エピトープを産生するための傾向の減少は、抗原非依存性細胞増殖誘導する免疫原性の減少或いは能力の減少に関連するものである。加えて、T細胞エピトープを産生するための傾向の減少は、抗原非依存性T細胞増殖を含むアミノ酸配列の潜在的T細胞エピトープの欠失或いは減少を意味する、抗原脱免疫化と関連するものである。

0061

本明細書で用いられたように「T細胞エピトープ」という用語は、ペプチド、ポリペプチド或いはタンパク質の分解の間細胞内に放出され、その後T細胞活性化の引き金を引くために主要組織適合複合体MHC)の分子によって提示される、短いペプチド配列に関連するものである;とりわけ国際特許第WO02/066514号を参照のこと。MHCクラスIIによって提示されたペプチドに対して、そのようなT細胞の活性化は次に、B細胞直接刺激によって抗体反応を誘導し、前記抗体を産生するものである。

0062

DNAの「消化」とは、DNAの特定の配列にのみ作用する制限酵素でのDNAの触媒切断を意味するものである。本明細書で使用される様々な制限酵素は、商業的に利用可能であり、それらの反応条件補因子及び他の必要条件は、本分野の当業者に知られているように使用するものである。解析目的としては、一般的に1μgのプラスミド或いはDNA断片に対して、約20μlの緩衝液中で約2ユニットの酵素が使用される。プラスミド作成のためにDNA断片を単離する目的においては、一般的に5〜50μgのDNAが、大量の緩衝液中で20〜250ユニットの酵素で消化される。特定の制限酵素に対する適切な緩衝液及び基質量は、製造者によって特定されている。37℃で約1時間のインキュベーション時間が通常使用されるが、供給元使用説明書に従って変えられる。消化後、その反応物ゲル上で直接電気泳動され、望ましい断片が単離されるものである。

0063

「DNAシャッフリング」という用語は、実質的に相同であるが同一ではない配列間の組換えを示すために本明細書において使用され、いくつかの実施形態において、DNAシャッフリングは、cer/lox及び/或いはflp/frtシステム及びそれらと同等物を介するなどの非相同的組換えを介したクロスオーバーに関連するものである。DNAシャッフリングは、ランダム或いは非ランダムである。

0064

本発明で用いられたように「エピトープ」という用語は、フィターゼ特異的抗体などの抗体のパラトープが結合する、フィターゼポリペプチドなどの抗原上の抗原決定基を意味するものである。抗原決定基は通常、アミノ酸或いは糖側鎖などの分子の化学的活性表面基から成り、特異的な3次元構造特徴、さらには特異的電荷特徴を持つことができる。本明細書で用いられたように「エピトープ」とは、抗体の可変領域結合体相互作用する結合相互作用を形成することができる抗原或いは他の高分子の一部を意味するものである。一般的に、そのような結合相互作用は、CDRの1若しくはそれ以上のアミノ酸残基との分子間接触として顕在化されるものである。

0065

「進化」という用語は、鋳型タンパク質或いは抗体と比較した場合、遺伝的に或いは合成的に修飾されたタンパク質或いは抗体の少なくとも1つの性質、特徴或いは活性における変化を意味するものである。

0066

参照ポリペプチドを参照する場合の「断片」、「誘導体」及び「類似体」という用語は、参照ポリペプチドのそれと少なくとも本質的に同じである、少なくとも1つの生物学的機能或いは活性を保持するポリペプチドを意味するものである。さらに、「断片」、「誘導体」及び「類似体」という用語は、切断によって修飾され有意に高い活性を有する成熟酵素を産生する低活性プロタンパク質などの「代用形(pro−form)」分子によって例示されるものである。

0067

全範囲単一アミノ酸置換基」が各アミノ酸位置で表される、鋳型ポリペプチドから1セットの子孫ポリペプチドを産生するための方法が本明細書において提供される。本明細書で用いられたように「全範囲の単一アミノ酸置換基」とは、本明細書で記載されたように、天然でコード化された20のポリペプチド−形成アルファ−アミノ酸を言及するものである。

0068

「遺伝子」という用語は、ポリペプチド鎖を生成する際に関連するDNAの断片を意味するものであり;それには先行する及びその後続くコード化領域リーダー及びトレーラー)、さらには個々のコード化断片(エクソン)間の介在配列イントロン)が含まれる。

0069

本明細書で用いられたように「遺伝的不安定性」とは、反復配列欠損を通じた配列単純化に一般的に関連する還元的イベント過程において失われる高度反復配列の自然な傾向を意味するものである。欠失は、反復配列の1コピー、及び反復配列間の全ての欠損に関連する傾向がある。

0070

「異種」という用語は、1つの一本鎖核酸配列は、別の一本鎖核酸配列或いはその相補鎖ハイブリダイズできないことを意味するものである。従って、異種の領域とは、ポリヌクレオチドの領域或いはポリヌクレオチドは、それらの配列内に別の核酸或いはポリヌクレオチドとハイブリダイズできない領域或いは区域を持っていることを意味するものである。そのような区域或いは領域は、例えば変異の領域である。

0071

「相同」或いは「同祖(homeologous)」という用語は、1つの一本鎖核酸配列が相補的な一本鎖核酸配列にハイブリダイズすることを意味するものである。ハイブリダイゼーションの程度は、配列間の同一性の量、及び以下で説明されるような温度や塩濃度などのハイブリダイゼーション条件を含む多数の因子に依存している。好ましくは、同一の領域は約5bp以上であり、より好ましくは前記同一の領域は10bp以上である。

0072

「ヒト化」という用語は、例えばマウスなどの哺乳動物からの相補性決定領域(CDR)がヒトフレームワーク領域と連結されたような抗体を記載するために使用される。しばしば単離CDRをコード化するポリヌクレオチドは、適切な可変領域フレームワーク(及び任意には定常領域)をコード化するポリヌクレオチドへ接合され、完全な抗体(例えばヒト化或いは完全なヒト抗体)、抗体断片及びそれらと同等物をコード化するポリペプチドを形成する。別の観点において、マウス以外に、例えば他のげっ歯類ラクダウサギネコ、イヌ、ブタウマウシ、サカナラマ及びサメなどの他の種がヒト化され得る。広い観点において、抗体を産生するあらゆる種はヒト化抗体の産生において利用され得る。加えて、本発明の抗体は、それらの標的に対する親和性を減らすことなしにそれらの潜在的な抗原性を減らすために、キメラ、ヒト様、ヒト化或いは完全なヒト抗体である。キメラ、ヒト様及びヒト化抗体は一般的に本分野に記載されていた。ほんの少しの外来配列ハイブリッド抗体組み入れることによって、その抗原性は軽減される。これらのハイブリッド抗体の調合は、本分野でよく知られた方法によって実行される。

0073

代わりの観点において、負の免疫反応からそれらを保護する一方でそのレシピエント種に対する治療を提供するために、ヒト或いはマウス抗体は、絶滅危惧種などの異なるレシピエント種へ適応されるものである。この観点において、レシピエント種からのフレームワークは、既知の抗体或いは第二の種の抗体からのCDRとの組み合わせで利用されるものである。

0074

免疫グロブリン軽鎖或いは重鎖可変領域は、3つの超可変領域によって中断される「フレームワーク」領域から成るものであり、CDRとも呼ばれている。フレームワーク領域及びCDRの程度は、正確に定義されている(「Sequences of Proteins of Immunological Interest」Kabat et al.,1987を参照のこと)。異なる軽鎖或いは重鎖のフレームワーク領域の配列は、種の中で比較的保存されている。本明細書で用いられるように「ヒトフレームワーク領域」とは、天然由来のヒト免疫グロブリンのフレームワークに対して実質的に同一(約85或いはそれ以上、通常90〜95若しくはそれ以上)であるフレームワーク領域である。構成要素である軽鎖及び重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である、抗体のフレームワーク領域は、CDRを配置し整列させるように働く。CDRは、抗原のエピトープへの結合に主として関与する。本発明に従うと、フレームワーク領域は、抗原と結合する超可変相補性決定領域(CDR)に対するタンパク質足場を提供する免疫グロブリンのVドメイン(VH或いはVLドメイン)における領域と関連するものである。各Vドメインにおいて、FR1、FR2、FR3及びFR4と命名された4つのフレームワーク領域が存在する。フレームワーク1は、VドメインのN末端からCDR1の開始までの領域を含み、フレームワーク2は、CDR1及びCDR2の間の領域に関連しており、フレームワーク3は、CDR2及びCDR3の間の領域を含み、フレームワーク4は、CDR3の末端からVドメインのC末端までの領域を意味する;とりわけJanewat、Immunobiology、Garland Publishing,2001、5th edを参照のこと。従って、前記フレームワーク領域は、VH或いはVLドメインにおけるCDR領域の外の全ての領域を含むものである。

0075

本分野の当業者は、所定の配列からフレームワーク領域、及びCDRを容易に推定することができる:Kabat(1991)Sequences of Protein of Immunological Interest,5th edit.,NIH Publication no.90−3242、U.S.Department of Health and Human Services,Chothia(1987)J.Mol.Biol.196,901−917、及びChothia(1989)Nature,342,877−883を参照のこと。

0076

本発明の利益は、「工業的応用」(或いは工業的過程)へと広がり、この用語は、民間産業プロパー(或いは単純に産業)における適用、さらには公共産業適用(例えば非営利施設での生物医学研究)を含めるために使用されるものである。関連のある適用には、診断、医薬農業製造業及び学術研究機関の領域における適用が含まれるものである。

0077

「同一の」或いは「同一性」という用語は、2つの核酸配列は、同じ配列或いは相補的な配列を持っていることを意味するものである。従って、「区域の同一性」とは、ポリヌクレオチド若しくは全体のポリヌクレオチドの領域或いは区域は、別のポリヌクレオチド或いは前記ポリヌクレオチドの区域と同一或いは相補的であることを意味するものである。

0078

「単離された」という用語は、そのオリジナル環境(例えばもしそれが天然由来であれば自然環境)からその物質を除去することを意味するものである。例えば、生きている動物に存在する天然由来のポリヌクレオチド或いは酵素は単離されないが、天然システムに共存する物質のいくらか或いは全部から分離された、同じポリヌクレオチド或いは酵素は単離されていると言える。そのようなポリヌクレオチドはベクターの一部となる、及び/若しくはそのようなポリヌクレオチド或いは酵素は組成物の一部となるものであり、そのようなベクター或いは組成物はその天然環境の一部ではないという点で単離されていると言える。

0079

「単離された核酸」とは、例えば、由来する生物の天然由来ゲノムにおいて存在する場合は通常すぐに近接するのであるが、5'及び3'隣接配列とすぐに近接しない、DNA或いはRNA分子などの核酸を意味するものである。従ってこの用語は、例えば、プラスミド或いはウイルスベクターなどのベクター内に取り込まれた核酸;異種細胞のゲノム(或いは同種細胞のゲノムであるが、天然由来の場合とは異なる部位)内へ取り込まれた核酸;及び別の分子として存在する核酸、例えばPCR複製或いは制限酵素消化によって産生されたDNA断片などを意味するものである。この用語はさらに、例えば融合タンパク質の産生において使用され得る付加的なポリペプチド配列をコード化しているハイブリッド遺伝子の一部を形成する組換え核酸も意味するものである。

0080

本明細書で用いられたように「リガンド」とは、特定の受容体によって認識される、ランダムペプチド或いは可変セグメント配列などの分子を意味するものである。本分野の当業者には、分子(或いは高分子複合体)とは、受容体及びリガンドの両者であることが理解されるであろう。一般的に、小さい分子量をもつ結合パートナーとはリガンドとして言及され、大きい分子量をもつ結合パートナーを受容体として言及している。

0081

ライゲーション核酸連結)」とは、2つの二本鎖核酸断片間のリン酸ジエステル結合を形成する過程を意味するものである(Maniatis et al.,1982,p.146)。他に特に指定がない限り、ライゲーションは、0.5μgのほぼ等モル量の連結されるDNA断片当たり10ユニットのT4DNAリガーゼ(「リガーゼ」)既知緩衝液及び条件を用いて達成される。

0082

本明細書で用いられたように「リンカー」或いは「スペーサー」とは、DNA結合タンパク質及びランダムペプチドなどの2つの分子を連結する分子或いは分子群を意味し、例えば、前記ランダムペプチドが前記DNA結合タンパク質から最小立体障害で受容体へ結合できるように、前記2つの分子を好ましい配置に置くように働くものである。

0083

「哺乳類細胞表層ディスプレイ」という用語は、その技術によってタンパク質或いは抗体、若しくは抗体の一部が発現され、例えば電磁ビーズ及び蛍光標識細胞分取による特異的な抗原結合に対するスクリーニングなどによる、スクリーニング目的で哺乳類宿主細胞表面上に提示されるような技術を意味する。1つの観点において、哺乳類発現ベクターは、分泌及び細胞表面結合形態の両者としての免疫グロブリンの同時発現に対して使用され、これはDuBridge et al.,米国出願第2009/0136950号に記載されており、この参照によって本明細書に組込まれるものである。別の観点において、Gaoらの技術は、抗体のライブラリをコード化しているウイルスベクターに対して使用される、若しくはGao et al.,米国出願第2007/0111260号(この参照によって本明細書に組込まれる)にあるように、細胞内で発現される場合抗体断片は細胞表面上に提示されるものである。哺乳類細胞上の全IgG表層ディスプレイは既知である。例えば、Akamatsuuらは、それらの抗原−結合親和性及び生物活性に基づいて直接IgG分子を単離するのに適している、哺乳類細胞表層ディスプレイベクターを開発した。エプスタイン−バーウイルス−由来エピソームベクターを用いて、抗体ライブラリは、全IgG分子として細胞表面上に提示され、電磁ビーズ及び蛍光標識細胞分取の組み合わせを用いて特異的抗原結合に対してスクリーニングされた。望ましい結合特徴を有する抗体をコード化するプラスミドは、選別された細胞から回収され、可溶性IgGを産生するための形態へ変換された。Akamatsuu et al.J.Immunol.Methods2007 327(1−2):40−52、これはこの参照によって本明細書に組込まれるものである。Hoらは、親和性成熟のために一本鎖Fv抗体の細胞表層ディスプレイにおける一過性のタンパク質発現に対して広く用いられているヒト胚性腎臓293T細胞を用いた。より高い親和性を有するまれな変異抗体を発現している細胞は、わずかに低い親和性を有するWT抗体を発現している過剰の細胞からの1回通過(single−pass)細胞選別によって240倍に濃縮された。さらに、高度に濃縮された変異体は、内因性抗体ホットスポットランダム化している結合ライブラリの単一選択後のCD22に対する増加した結合親和性を用いて得られた。Ho et al.Isolation of anti−CD22 Fv with high affinity by Fv display on human cells,Proc Natl Acad Sci USA2006 June 20;103(25):9637−9642、これはこの参照によって本明細書に組込まれるものである。

0084

Beerliらは、ヒトドナーの末梢血単核球(PBMC)から直接単離された、目的の抗原に特異的なB細胞を用いた。組換え、抗原−特異的一本鎖Fv(ScFv)ライブラリは、B細胞のこのプールから産生され、シンドビスウイルス発現システムを用いることによる哺乳類細胞表層ディスプレイによってスクリーニングされた。この方法によって、一回のFACSによる抗原−特異的抗体の単離が可能になった。重鎖(HCs)及び軽鎖(LCs)の可変領域(VRs)は、ポジティブクローン及び全IgG或いはFab断片として産生された組換え完全ヒト抗体から単離された。このやり方において、QBウイルス粒子(VLP)に結合しているいくつかの高度に変異された(hypermutated)高−親和性抗体、モデルウイルス抗原、さらにはニコチンに特異的な抗体が単離された。全ての抗体は、細胞培養において高度の発現レベルを示した。ヒトニコチン−特異的mAbsは、マウスモデルにおいて前臨床的に検証された。Beerli et al.,Isolation of human monoclonal antibodies by mammalian cell display,Proc Natl Acad Sci USA.2008 September 23;105(38):14336−14341;これはこの参照によって本明細書に組込まれるものである。

0085

酵母細胞表面ディスプレイも知られており、例えば、Kondo and Ueda 2004,Yeast cell−surface display−applications of molecular display,Appl.Microbiol.Biotechnol.,64(1):28−40では、酵母Saccharomyces cerevisiaeを用いた細胞表面エンジニアリング・システムなどについて説明している。酵母S.cerevisiaeの発現については、Lee et al,2003,Microbial cell−surface display, TRENDS in Bitechnol.21(1):45−52でいくつか代表的なディスプレイ系報告されている。また、Boder and Wittrup 1997,Yeast surface display for screening combinatorial polypeptide libraries, Nature Biotechnol.,15(6):553にも報告がある。

0086

「製造」という用語は、治療用タンパク質の少なくとも第I相臨床試験が可能となる十分な量、または診断用タンパク質規制認可を受けるために十分な量でタンパク質を生産することを指す。

0087

「ミスセンス変異」という用語は、単一のヌクレオチドが変化し、異なるアミノ酸をコードするコドンが生じる点突然変異を指す。アミノ酸が終止コドンに変化する変異はナンセンス変異と呼ばれる。

0088

本明細書に用いるとおり、「進化する分子の特性」には、ポリヌクレオチド配列を有する分子、ポリペプチド配列を有する分子、および一部ポリヌクレオチド配列、一部ポリペプチド配列を有する分子の言及が含まれる。進化する分子の特性について、特に関連するが制限する意図のない例には、温度、塩分、圧力、pH、グリセロールDMSO、界面活性剤、および/または反応環境中で接触する他の分子種に関連するような特定条件での酵素活性が含まれる。進化する分子の特性について、さらに特に関連するが制限する意図のない例には、安定性、例えば、保存中に生じるような特定環境で特定曝露時間後に残った分子の特性の量などが含まれる。

0089

「変異する」という用語は、核酸配列に変異が生じることを指し、前記変異がタンパク質のコード領域で発生した場合は、コドンが変化し、これによってアミノ酸が変化することもあれば、変化しないこともある。

0090

「変異」という用語は、野生型核酸配列配列変化またはペプチドまたはポリペプチドの配列変化を意味する。そのような変異は遷移またはトランスバージョンなどの点突然変異であることもある。前記突然変異は欠失、挿入、または複製であることもある。

0091

本明細書で使用するとおり、変性した「N,N,G/T」のヌクレオチド配列は、考えられる32種類の3ヌクレオチド配列を表しており、「N」はA、C、GまたはTを取ることができる。

0092

本明細書で使用するとおり、変性した「N,N,N」のヌクレオチド配列は、考えられる64種類の3ヌクレオチド配列を表しており、「N」はA、C、GまたはTを取ることができる。

0093

天然型」という用語は本明細書で使用するとおり、物体に使用する場合、物体が天然に認められるという事実を指す。例えば、自然の発生源から単離することができ、実験室で人によって意図的に修飾されていない(ウイルスを含む)生命体に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然型である。天然型という用語は、当該種に典型的であるなど、病的ではない(疾患に罹患していない)個体に存在する物体を指す。

0094

本明細書に用いるとおり、「核酸分子」はそれぞれ一本鎖または二本鎖であるか否かにより、少なくとも1つの塩基または1つの塩基対を有する。さらに、核酸分子は、これに限定されるものではないが、以下の核酸分子群などのヌクレオチドを含む分子のいずれかの群に排他的または化学的に属することがあり、その核酸分子群は、RNA、DNA、ゲノム核酸、非ゲノム核酸、天然型および非天然型核酸、および合成核酸である。これには、これに限定されるものではないが、1若しくはそれ以上の天然型成分に加えて非天然型要素を有するミトコンドリアリボソームRNA、核酸分子など、いずれかの細胞小器官と関連した核酸が含まれる。

0095

さらに、「核酸分子」は、一部に、これに限定されるものではないが、アミノ酸および糖などの非ヌクレオチドベースの成分を1若しくはそれ以上含むことがある。従って、これに限定されるものではないが、例として、一部ヌクレオチドを基本とし、一部タンパク質を基本としたリボザイムは「核酸分子」と考えられる。

0096

さらに、これに限定されるものではないが、例として、放射性または代わりに非放射性標識などの検出可能な成分で標識された核酸分子は、同様に「核酸分子」と考えられる。

0097

特定タンパク質の「核酸配列コード」または「DNAコード配列」または「ヌクレオチド配列コード」という用語、および他の同意語は、適切な調節配列の制御下に置いた場合、酵素に転写および翻訳されるDNA配列を指す。「プロモーター配列」は、細胞のRNAポリメラーゼに結合することができ、下流の(3'方向)コード配列の転写を開始することのできるDNA調節領域である。前記プロモーターはDNA配列の一部である。この配列領域は3'末端に開始コドンを有する。前記プロモーター配列には最小数の塩基が含まれ、その元素バックグラウンド以上の検出可能なレベルで転写を開始するために必要である。しかし、前記RNAポリメラーゼが前記配列に結合し、(3'末端にプロモーターが結合し)開始コドンで転写が開始された後、転写は3'方向で下流に進む。前記プロモーター配列内には、転写開始部位ヌクレアーゼS1でマッピングすることにより便宜上定義される)、およびRNAポリメラーゼの結合に関与するタンパク質結合ドメインコンセンサス配列)が認められる。

0098

「タンパク質をコードする核酸」または「タンパク質をコードするDNA」という用語および他の同意語は、タンパク質のコード配列のみを含むポリヌクレオチドおよび追加のコード配列および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを含む。

0099

1つの好適な実施形態では、「特異的核酸分子種」は、これに限定されるものではないが、その一次配列など、その化学構造によって定義される。別の好適な実施形態では、特異的な「核酸分子種」が核酸種の機能または核酸種に由来する生成物の機能によって定義される。従って、これに限定されるものではないが、例として「特異的核酸分子種」は、その発現された生成物に起因する活性または性質を含め、1若しくはそれ以上のそれに起因する活性または特性によって定義される。

0100

「作業中の核酸サンプルを核酸ライブラリにアセンブルする」の簡単な定義には、ベクターへの連結および宿主の形質転換などにより、核酸サンプルをベクターを基本とした一群に組み込むプロセスを含む。関連するベクター、宿主、および他の試薬、および特定の制限されない例の説明については、以下に提供される。「作業中の核酸サンプルを核酸ライブラリにアセンブルする」の簡単な定義には、アダプターへの連結などにより、核酸サンプルをベクター以外を基本とした一群に組み込むプロセスも含む。好ましくは、前記アダプターはPCRによる増幅を促すPCRプライマーアニールすることができる。

0101

従って、制限されない実施形態では、「核酸ライブラリ」がベクターを基本とした、1若しくはそれ以上の核酸分子の一群を有する。別の好適な実施形態では、「核酸ライブラリ」がベクター以外を基本とした、核酸分子の一群を有する。さらに別の実施形態では、「核酸ライブラリ」が、一部ベクターを基本とし、一部ベクター以外を基本とした核酸分子の複合群を有する。好ましくは、ライブラリを有する分子の一群が個々の核酸分子種に照らして、検索可能および分離可能である。

0102

本発明では、「核酸構成成分」または代わりに「ヌクレオチド構成成分」または代わりに「DNA構成成分」を提供する。「構成成分」という用語は、本明細書ではポリヌクレオチド(例えば、フィチン酸ポリヌクレオチド)などの分子を説明するために使用され、ベクター、またはベクターの一部など、選択的に、1若しくはそれ以上の追加分子部分に化学的に結合していることがある。これに限定されるものではないが、特定の態様では、ヌクレオチド構成成分は宿主細胞の形質転換に適したDNA発現によるDNA発現構成成分で例示される。

0103

「オリゴヌクレオチド」(または同意語として「オリゴ」)は、化学的に合成可能な1本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2つの相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖を指す。そのような合成オリゴヌクレオチドは5'リン酸塩を有していることもあれば、有していないこともある。リン酸塩を有していない合成オリゴヌクレオチドは、キナーゼ存在下ATPを用いてリン酸塩を付加しないと、別のオリゴヌクレオチドとは結合しない。合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていないフラグメントに結合する。(PCRを用いるなどして)ポリメラーゼにより増幅するため、「少なくとも第一相同配列、変性N,N,G/T配列、第二相同配列を順番に有する32回折り畳まれた変性オリゴヌクレオチド」について言及される。このような文脈で使用されるとおり、「相同」はポリメラーゼによる増幅を受けるオリゴポリヌクレオチドと親ポリヌクレオチドとの相同性を言及する用語である。

0104

本明細書で用いるとおり、「操作可能な結合を持つ」という用語は、機能的関連性において、ポリヌクレオチド要素の結合を指す。核酸は、別の核酸配列と機能的に関連するように配置された場合、「操作可能な結合を持つ」。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、コード配列の転写に影響する場合、コード配列に操作可能な結合を持つ。「操作可能な結合を持つとは、結合されるDNA配列が典型的には隣接し、2つのタンパク質コード領域を結合する必要がある場合は、連続し、リーディングフレーム内にあることを意味する。

0105

コード配列はRNAポリメラーゼが2つのコード配列を単一のmRNAに転写する場合、別のコード配列に「操作可能な結合を持ち」、次にmRNAは両方のコード配列に由来するアミノ酸を有する単一のポリペプチドに翻訳される。発現された配列が最終的にプロセシングされ、望みのタンパク質を産生する限りは、前記コード配列は互いに隣接している必要はない。

0106

本明細書に用いるとおり、「生理的条件」とは、生存能力のある生命体に適合する、および/または典型的には、生存能力のある培養酵母細胞または哺乳類細胞の細胞内に存在する温度、pH、イオン強度、粘度などの生化学的パラメーターを指す。例えば、典型的な実験室の培養条件で増殖した酵母細胞の細胞内条件は生理的条件である。in vitro転写混合物用の適切なin vitro反応条件は、生理的条件である。一般に、in vitroの生理的条件は、50〜200mM NaClまたはKCl、pH 6.5〜8.5、20〜45℃、および0.001〜10mMの二価陽イオン(例えば、Mg++、Ca++)を含み、好ましくは約150mM NaClまたはKCl、pH 7.2〜7.6、5mMの二価陽イオンであり、0.01〜1.0%の非特異的タンパク質を含むことも多い(例えば、BSA)。非イオン洗剤(Tween、NP−40、Triton X−100)が存在することも多く、通常は約0.001〜2%、典型的には0.05〜0.2%(v/v)とすることができる。特定の水性条件は、従来の方法に従い、実行者が選択することができる。一般的な指針として、以下の緩衝水性条件を適用可能であり、その条件とは、10〜250mM NaCl、5〜50mM Tris HCl、pH 5〜8であり、二価陽イオンおよび/または金属キレート剤および/または非イオン洗剤および/または膜画分および/または消泡剤および/または火花を発する物質(scintillants)を選択的に追加することができる。

0107

本明細書で用いる「集団」という用語は、ポリヌクレオチド、一部またはポリヌクレオチドまたはタンパク質などの成分の一群を意味する。「混合集団」は、同じ核酸またはタンパク質ファミリーに属し(つまり、関連し)、配列が異なるため(つまり、同一ではない)、生物活性も異なる成分の一群を意味する。

0108

「プロフォーム」を有する分子は、途中で共有結合および非共有結合による化学的修飾(例えば、グリコシル化タンパク質分解的切断二量化またはオリゴマー化、温度またはpHで誘導される構造変化、補因子との結合など)1種類若しくはそれ以上の組み合わせを受け、参照プロフォーム分子と比較して特性に違いを有する(活性が上昇するなど)、より成熟した分子を実現する分子を指す。2若しくはそれ以上の化学的修飾(例えば、タンパク質分解的切断2箇所、またはタンパク質分解的切断1箇所と脱グリコシル化1箇所)を成熟分子を生成する途中で区別できる場合、参照前駆体分子は「プレプロフォーム」分子と呼ぶことができる。

0109

「特性」は、最適化されるタンパク質または抗体の物理的、化学的、または活性上の特有の性質を含む特徴を表す可能性がある。例えば、特定の態様では、最適化される所定の特性、特徴または活性は、タンパク質−タンパク質凝集の抑制、タンパク質安定性の向上、タンパク質溶解性の向上、タンパク質pH安定性の向上、タンパク質温度安定性の向上、タンパク質溶媒安定性の向上、選択性の向上、選択性の低下、グリコシル化部位の導入、抱合部位の導入、免疫原性の低下、タンパク質発現の亢進、抗原親和性の上昇、抗原親和性の低下、結合親和性の変化、免疫原性の変化、触媒活性の変化、pHの最適化、または特異性の向上から選択することができる。「最適化された」特性とは、それぞれテンプレートタンパク質、抗体または細胞と比較し、変異タンパク質、抗体または細胞の特定の性質における望ましい変化を指す。

0110

本明細書で用いるとおり、「疑似ランダム」は、例えば別の位置での残基の変動度など、変動が限られた一連の配列を指すが、すべての疑似ランダム位置では、ある程度の残基の変動が可能であるが、その変動は限局している。

0111

本明細書で用いるとおり、「疑似反復単位(Quasi−repeated unit)」は再集合した反復単位を指し、定義上は同一ではない。実際、前記方法は、同一の開始配列突然変異誘発により生成した実質上同一のコード単位だけではなく、一部の領域では大きく異なる、同様または関連配列の再集合について提案されている。それでも、前記配列にこのアプローチで再集合される十分な相同性が含まれている場合、「疑似反復」単位と呼ぶことができる。

0112

本明細書で用いるとおり、「ランダムペプチドライブラリ」は、一連のランダムペプチドをコードするポリヌクレオチド配列、およびこれらのポリヌクレオチド配列でコードされる一連のランダムペプチド、またこれらのランダムペプチドを含む融合タンパク質を指す。

0113

本明細書で用いるとおり、「ランダムペプチド配列」は、2若しくはそれ以上のアミノ酸モノマーから成り、確率的過程またはランダム過程によって作成されるアミノ酸配列を指す。ランダムペプチドには、不変配列を含むフレームワークまたは足場モチーフが含まれる可能性がある。

0114

本明細書で用いるとおり、「受容体」は特定のリガンドに親和性を有する分子を指す。受容体は自然に発生するか、合成分子である可能性がある。受容体は不変の状態で、または他の種との凝集体として利用される可能性がある。受容体は、直接または特異的結合物質を介して、結合膜に共有結合的または非共有結合的に結合することができる。受容体の例には、これに限定されるものではないが、(ウイルス、細胞、または他の物質など)特定の抗原決定基と反応するモノクローナル抗体および抗血清を含む抗体、細胞膜受容体、複雑な炭水化物および糖タンパク質、酵素、およびホルモン受容体を含む。

0115

組み換え」タンパク質は、組み換えDNA技術により生成した、つまり、望みの酵素をコードする外因性DNA構成成分により変換された細胞から生成したタンパク質を指す。「合成」タンパク質は、化学的合成により調整されたタンパク質である。

0116

関連ポリヌクレオチド」という用語は、ポリヌクレオチドの領域または部分が同一であり、ポリヌクレオチドの領域または部分が非相同的であることを意味する。

0117

「還元的再集合(reductive reassortment)」は本明細書で用いるとおり、反復配列が介在した欠失(および/または挿入)事象を発生させる分子多様性の増加を指す。

0118

以下の用語は、2若しくはそれ以上のポリヌクレオチド間の配列の関連性を説明するために使用され、その用語とは、「参照配列」、「比較枠」、「配列同一性」、「配列同一性の割合」、および「実質的同一性」である。

0119

「参照配列」は、配列比較の基準として使用される確定した配列であり、参照配列は例えば全長cDNAまたは配列表に記載された遺伝子配列の一部分として、より大きな配列のサブセットであることもあり、完全なcDNAまたは遺伝子配列を有することもある。参照配列は少なくとも20ヌクレオチド長であり、少なくとも25ヌクレオチド長であることが多く、少なくとも50ヌクレオチド長であることが多い。2つのポリヌクレオチドはそれぞれが(1)2つのポリヌクレオチド間で同一の配列(つまり、完全なポリヌクレオチド配列の一部)を有し、(2)さらに、2つのポリヌクレオチド間で相違する配列を有していることもあるため、2つ(若しくはそれ以上)のポリヌクレオチドの配列比較は、典型的には、「比較枠」で2つのポリヌクレオチド配列を比較し、局所領域の配列相同性を同定、比較することにより行う。

0120

本明細書で用いる「反復指数RI)」は、クローニングベクターに含まれる疑似反復単位の平均コピー数である。

0121

飽和」という用語は、可能なすべての変化がテンプレートポリヌクレオチドまたはテンプレートポリペプチドの各位置で起こる、進化(evolution)の技術を指すが、各位置の変化は試験により確認されないが、可能な変化の大部分または可能なほぼすべての変化が、テンプレートの各位置で発生すると推定される場合に統計的に仮定されるにすぎない。

0122

「配列同一性」という用語は、2つのポリヌクレオチド配列が比較枠全体で(すなわち、ヌクレオチド1つずつで)同一であることを意味する。「配列同一性の割合」という用語は、比較枠全体で2つの選択的に整列された配列を比較し、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、U、またはI)が両方の配列で発生した位置の数を決定し、マッチした位置の数を求め、マッチした位置の数を比較枠内の位置の合計数(すなわち枠の大きさ)で割り、その結果に100をかけ、配列同一性の割合を求めることにより、計算する。本明細書で用いるこの「実質的同一性」は、ポリヌクレオチド配列の特徴を示し、前記ポリヌクレオチドは、少なくとも25〜50ヌクレオチドの比較枠の参照配列と比較し、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の同一性、しばしば90〜95%の同一性、最も一般的には少なくとも99%の同一性を有する配列を含み、配列同一性の割合は、欠失または付加を含み、比較枠全体で参照配列が合計20%以下となるポリヌクレオチド配列と参照配列を比較することにより計算される。

0123

「サイレント変異」という用語は、発現したポリペプチドのアミノ酸が変化しないコドンの変化を指し、アミノ酸挿入にコドンを使用する冗長性に基づいている。

0124

当該分野で既知のとおり、2つの酵素の「類似性」は、1つのタンパク質のアミノ酸配列およびその保存アミノ酸の置換を第2のタンパク質の配列と比較することで決定される。類似性は、例えばBLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)など、当該分野で既知の手順により決定することができる。

0125

本明細書で用いるとおり、「一本鎖抗体」という用語は、スペーサーペプチド(例えば、[Gly−Gly−Gly−Gly−Ser]x)で結合されたポリペプチド結合中のVHドメインおよびVLドメインを有するポリペプチドを指し、アミノ−および/またはカルボキシ−末端に追加アミノ酸配列を有する。例えば、一本鎖抗体はコードポリヌクレオチドに結合する連結セグメントを有することがある。例として、scFvは一本鎖抗体である。一本鎖抗体は、免疫グロブリンスーパーファミリーの遺伝子によって実質的にコードされる少なくとも10個の隣接アミノを含む1若しくはそれ以上のポリペプチドセグメントから成るタンパク質であり(例えば、この参照により本明細書に組み込まれるWilliams and Barclay,1989,pp.361−368を参照)、齧歯類非ヒト霊長類鳥類、ブタ、ウシ、ヒツジヤギ、またはヒト重鎖または軽鎖配列でコードされていることが最も多い。機能的一本鎖抗体には、特異的標的分子、典型的には受容体または抗原(エピトープ)に結合する性質を保持するため、十分な量で免疫グロブリンスーパーファミリー遺伝子産物の一部が含まれる。

0126

分子ペアの構成要素(例えば、抗体−抗原ペアまたは核酸ペア)は、互いに結合し、他の非特異的分子よりも親和性が大きい場合、互いに「特異的に結合している」と言われる。例えば、非特異的タンパク質よりも効率的に結合する抗原に対して産生された抗体は、前記抗原に特異的に結合するとして説明することができる。(同様に、核酸プローブは塩基ペアの相互作用により標的と特異的二本鎖を形成する場合、核酸プローブは核酸に対して特異的に結合していると説明することができる(上記参照)。)
特異的ハイブリダイゼーション」は、本明細書において第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチド(例えば、第1のポリヌクレオチドとは明らかに異なるが、実質的に同一の配列)とのハイブリッド形成として定義され、前記混合物中では実質的に関連性のないポリヌクレオチド配列はハイブリッドを形成しない。

0127

「特異的ポリヌクレオチド」とは、特定のエンドポイントを有し、特定の核酸配列を有するポリヌクレオチドを意味する。1つのポリヌクレオチドが第2のポリヌクレオチドの一部として同一の配列を有するが、末端が異なる2つのポリヌクレオチドは、2つの異なる特異的ポリヌクレオチドを含む。

0128

「厳密なハイブリダイゼーション条件」とは、配列間で少なくとも90%の同一性、好ましくは95%の同一性、最も好ましくは少なくとも97%の同一性がある場合にのみ、ハイブリダイゼーションが起こることを意味する。この参照により全体が本明細書に組み込まれるSambrookらの文献(1989)を参照のこと。

0129

本明細書で開示された配列ID番号の1つなど、ポリペプチド配列に「実質的に同一」の配列を有するポリペプチドも本発明に含まれる。「実質的に同一の」アミノ酸配列は、保存的なアミノ酸置換、例えば、1つのアミノ酸と同一クラスの別のアミノ酸との置換(例えば、イソロイシン、バリン、ロイシン、またはメチオニンなど、1つの疎水性アミノ酸と別のアミノ酸との置換、またはアルギニンとリジン、グルタミン酸とアスパラギン酸、またはグルタミンとアスパラギンとの置換など、1つの極性アミノ酸と別のアミノ酸との置換)のみが参照配列と異なる配列である。

0130

さらに、「実質的に同一」のアミノ酸配列は、参照配列とは、すなわち1若しくはそれ以上の非保存的置換、欠失、または挿入が異なる配列であり、特にそのような置換が分子の活性部位ではない部位で起こる場合、および前記ポリペプチドが本質的にその行動特性を保持しているという条件で異なる配列である。例えば、1若しくはそれ以上のアミノ酸がフィターゼポリペプチドから削除され、その生物活性に重要な変更を生じずに、ポリペプチドの構造が変化する可能性がある。例えば、フィターゼの生物活性に必要のないアミノ−またはカルボキシ−末端のアミノ酸は、削除される可能性がある。そのような変化により、より小さな活性フィターゼポリペプチドが生じる可能性がある。

0131

本発明では、「実質的に純粋な酵素」を提供する。「実質的に純粋な酵素」という用語が本明細書で使用されており、実質的に他のタンパク質、脂質、炭水化物、核酸、および天然で関連性のある他の生物学的物質が含まれない、ポリペプチド(例えばフィターゼポリペプチド、またはそのフラグメント)などの分子を説明する。例えば、ポリペプチドなどの実質的に純粋な分子は、乾燥重量で対象分子の少なくとも60%である可能性がある。ポリペプチドの純度は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(例えば、SDS−PAGE)、カラムクロマトグラフィー(例えば、高速液体クロマトグラフィーHPLC))、アミノ末端アミノ酸配列解析を含む標準的な方法により決定することができる。

0132

本明細書で用いるとおり、「実質的に純粋」は、対象種が存在している主な種である(つまり、モル基準組成中の他の個別高分子種よりも多量に含まれている)、および好ましくは実質的に純粋な画分が、前記対象種が存在する全高分子種の(モル基準で)少なくとも約50%を有する組成であることを意味する。実質的に純粋な組成は、前記組成中に存在する全高分子種の約80〜90%以上を有する。最も好ましくは、前記対象種が本質的に均一となるように(従来の検出方法では前記組成中の汚染種を検出できない)精製され、前記組成は本質的に単一の高分子種から成る。溶媒種、小分子(<500ダルトン)、および元素イオン種は高分子種と考えない。

0133

本明細書に用いるとおり、「テンプレートオリゴペプチド」は第2ライブラリの変異体が望ましいタンパク質を意味する。当業者が理解するとおり、いかなる数のテンプレートも本発明におけて使用できることに気付く。特に「タンパク質」または「オリゴペプチド」の定義内に含まれるものは、酵素ドメイン結合ドメインなどの機能的ドメイン、およびターン、ループなどのそれよりも小さなフラグメントを含む既知タンパク質のフラグメントおよびドメインである。つまり、タンパク質の一部も使用することができる。さらに、本明細書で使用した「タンパク質」には、タンパク質、オリゴペプチド、ペプチドを含む。さらに、タンパク質変異体、つまり、非天然タンパク質の類似体構造を利用することもできる。

0134

適切なタンパク質には、これに限定されるものではないが、リガンド、細胞表面受容体、抗原、抗体、サイトカイン、ホルモン、転写因子シグナル伝達モジュール細胞骨格タンパク質、および酵素を含む産業用および医薬用タンパク質を含む。適切な酵素クラスには、これに限定されるものではないが、プロテアーゼカルボヒドラーゼリパーゼなどの加水分解酵素ラセマーゼエピメラーゼ互変異性化酵素、またはムターゼなどの異性化酵素トランスフェラーゼ、キナーゼ、酸化還元酵素、およびホスファターゼを含む。適切な酵素は、Swiss−Prot酵素データベースに掲載されている。適切なタンパク質の骨格には、これに限定されるものではないが、Research Collaboratory for Structural Bioinformatics(RCSB、かつてのBrookhaven National Lab)が編集、提供しているタンパク質データベースに見られるすべての骨格を含む。

0135

本明細書で用いるとおり、「可変部」という用語は、ランダム、疑似ランダム、または既定のカーネル配列を有する新生ペプチドの一部を指す。「可変部」は、ランダム、疑似ランダム、または既定のカーネル配列を有する新生ペプチドの一部を指す。可変部は、変異および不変異の残基位置をいずれも有する可能性があり、変異残基位置の残基の変化度が制限されることもあり、実行者の判断でいずれの選択肢も選択される。典型的には、可変部は約5〜20アミノ酸残基長(例えば、8〜10)であるが、可変部はさらに長くてもよく、抗体フラグメント核酸結合タンパク質受容体タンパク質などの抗体の一部または受容体タンパク質を有することもある。

0136

「野生型」という用語は、前記ポリヌクレオチドが変異を有することを意味する。「野生型」タンパク質は、前記タンパク質が自然界に認められる活性レベルで活性であることを意味し、自然界に認められるアミノ酸配列を有する。

0137

本開示では、単一系での製造用哺乳類宿主において、(抗体を含む)治療用タンパク質の作成および/または選択、進化および発現を統合する方法について提供する。CIAO法の1つの実施形態では、同じ哺乳類宿主系において、抗体を含む治療用タンパク質を作成、最適化、製造する。別の実施形態では、タンパク質の治療学が発見され、同じ宿主で製造される。このため、非常に初期から製造が最適化され、コスト(時間および資源)が節約される。

0138

歴史的には、抗体の発見は真核生物(euk)および原核生物(prok)宿主で行われてきた。典型的には、細菌(大腸菌)において、部分的な長さの抗体が発見されている。例えば、ファージディスプレイ技術では、Fabsが回復され、下流で全長に変換されることもある。これらのアプローチにはいくつか潜在的に不都合な点がある。

0139

一例では、FcおよびFv領域が情報をやりとりし、結合および発現などの抗体特性を生じさせるという根拠がある。そのため、抗体フラグメントの発現などの特性が最適化されている場合、その改善は必ずしも全長を集合させた抗体の発現改善に翻訳できない。例えば、Fcライブラリは、あらゆるFvに結合し、あらゆる宿主の発現を向上させることのできるFcの「聖」を見つける試みとして作成された。

0140

1つの態様では、哺乳類の細胞発現を最適化させるため、コドンの突然変異誘発が定常領域で行われた。具体的には、定常領域で326種類の変異体が作成され、HEK 293およびCHO−S細胞で発現された。ELISAによりスクリーニングが行われた。いくつかのFcが発現改善の基準を満たし、特定の最適化されたFcは、複数の細胞株間でプラスの作用を伝達することも同定されたが、異なるFvがFcに結合すると、発現の改善は翻訳されなかった。このことは、FcおよびFvが情報をやりとりしていることを証明している。

0141

抗体フラグメントの組み換え時の予期しない結果を回避するため、1つの好適な態様では、前記CIAO法を利用し、全長抗体分子が発見された。別の好適な態様では、前記CIAO法でeuk宿主を利用している。

0142

1つの実施形態では、前記真核細胞系が哺乳類系であり、CHO、HEK293、IM9、DS−1、THP−1、Hep G2、COS、NIH 3T3、C33a、A549、A375、SKMEL−28、DU 145、PC−3、HCT 116、Mia PACA−2、ACHN、Jurkat、MM1、Ovcar 3、HT1080、Panc−1、U266、769P、BT−474、Caco−2、HCC 1954、MDA−MB−468、LnCAP、NRK−49F、およびSP2/0細胞株、およびマウス脾細胞およびウサギPBMCから成る群の1つから選択される。1つの態様では、前記哺乳類系がCHOまたはHEK293細胞株から選択される。1つの具体的な態様では、前記哺乳類系がCHO−S細胞株である。別の具体的な態様では、前記哺乳類系がHEK293細胞株である。別の実施形態では、前記真核細胞系が酵母細胞系である。1つの態様では、前記真核細胞系がS. cerevisiae酵母細胞またはpicchia酵母細胞から選択される。

0143

別の実施形態では、哺乳類細胞株の作成を委託研究またはカスタム製造組織が商業的に行うことができる。例えば、組み換え抗体または他のタンパク質については、Lonza(Lonza Group Ltd、スイス、バーゼル)がベクターを作成し、GS Gene Expression System(商標)技術を利用し、CHOK1SVまたはNSO宿主細胞株を用いて産物を発現させることができる。

0144

別の実施形態では、(大腸菌などの)prok宿主で進化が行われ、製造用宿主と同じ宿主でスクリーニングが行われる限り、euk宿主(例えばCHO)でスクリーニングを行うことができる。

0145

リード候補タンパク質の選択
様々な方法を利用して、1若しくはそれ以上の進化される治療用タンパク質候補を発見、作成、および/または選択することができる。選択された分子は、既存の組み換えタンパク質である可能性があり、または酵素、ホルモン、および抗体を含む組み換えタンパク質の一群に由来する可能性もある。治療用タンパク質には、クローンヒト酵素およびホルモンを含む可能性がある。組み換え抗体は、いかなる数の利用できる発生およびスクリーニング基盤を用いても発見することができる。抗体は一本鎖、完全ヒト、Fab、Fv、Fc、二官能性、キメラ、ヒト化、または完全ヒト抗体またはそのフラグメントを含むいずれの形態であってもよい。1つの好適な態様では、全長抗体分子を発見するために前記CIAO法が利用される。組み換え抗体ライブラリは、最適化または非最適化哺乳類宿主の選択またはスクリーニング系により作成およびスクリーニングし、進化の候補を生み出すことができる。例えば、哺乳類または酵母細胞系など、いくつかの真核生物発現系が発表されている。

0146

本発明の方法において、そのような哺乳類発現系、特にスクリーニングおよび選択に細胞表面分子ディスプレイを利用した特定の系を利用し、製造または製造後の進化の候補を選択する。好ましくは、そのような哺乳類宿主とは、線維芽細胞(マウス3T3、シリアンハムスターBHK21)、上皮細胞(イヌMDCK、ヒトHela、ネズミカンガルーPtK1)、形質細胞(マウスSP2/0およびNS0)、腎臓細胞(ヒト293、サルCOS)、卵巣細胞チャイニーズハムスターCHO)、胚細胞(マウスR1およびE14.1、ヒトH1およびH9、ヒトPERC.6)である。細胞表面ディスプレイ技術を利用し、スクリーニング用に哺乳類細胞の表面にタンパク質を表示させる。タンパク質は、例えば、急速ハイスループット・スクリーニング用に細胞表面タンパク質を発現してディスプレイした場合、膜分子との融合体としてクローニングされる。

0147

特定の実施形態では、その開示が最適化された抗体を提供する方法を提供する。1つの実施形態では、抗原が選択され、ヒト抗体ライブラリが哺乳類系、例えばCHO−S細胞で作成および発現される。前記ライブラリは、例えば蛍光活性化細胞分類(FACS)など、完全ヒト抗体のヒットを同定するためにスクリーニングされる。前記完全ヒト抗体のヒットは、次に、少なくとも1つの所定の特性、特徴、または活性に関する何らかの関連アッセイによってさらにスクリーニング/特徴解析が行われる。1つの態様では、例えば改善された機能および発現など、進化した分子が同時に複数の特徴についてスクリーニングされる。前記関連アッセイは、例えばELISAまたは配列技術を有する可能性がある。テンプレート抗体は前記ヒト抗体のヒットから選択される。あらゆる進化の方法は、前記テンプレート抗体、またはそのフラグメントポリペプチドについて行われ、一連の変異抗体を作成する。1つの態様では、前記進化が、一連の変異抗体を作成するために設計された包括的なタンパク質工学の方法により行われる。包括的なタンパク質工学の方法は、例えば、Comprehensive Positional Evolution(CPE(商標))、Comprehensive Protein Synthesis(CPS(商標))、フレックス進化、相乗的進化、Comprehensive Positional Insertion evolution(CPI(商標))、またはComprehensive Positional Deletion evolution(CPD(商標))の1つまたは複数から選択することができる。別の態様では、前記変異抗体が、前記ヒト抗体ライブラリを作成するために使用される同一の哺乳類系で発現される。

0148

変異抗体のセットは、少なくとも1つの所定の特性、特徴、または活性について特徴解析/スクリーニングが行われる。1つの態様では、変異抗体のセットが、例えば改善された機能および発現について、同時にスクリーニングされる。1つの態様では、当該分野で既知の1若しくはそれ以上のタンパク質進化技術により、さらに最適化するため、機能的位置マップ(EvoMap(商標))の形態で分子特異的データベースが使用され、その後上位変異体(up−mutant)の同定と特徴解析が行われる。最適化抗体は、少なくとも1つの所定の特性、特徴、または活性に関して、テンプレート抗体と比較することにより選択される。

0149

1つの態様では、選択された最適化抗体がグラムスケールで発現され、続いて非GLP毒性学的検査が行われる。安定細胞株のトランスフェクションプロセス開発マスターセルバンクの作成が行われる。例えばCHO−S細胞など、ヒト抗体ライブラリの作成に使用される同じ哺乳類細胞系においてGMP製造が行われ、最適化された治療用組み換えmABsが得られる。

0150

別の実施形態においては、テンプレートのハイブリドーマまたは組み換え抗体の選択、哺乳類細胞系において抗体細胞表面ディスプレイを利用することによりスクリーニングされる変異抗体のセットを提供するための前記抗体の進化、およびスクリーニングに使用されたものと同じ哺乳類細胞系で行われる製造からの選択から、前記CIAO法を開始する。

0151

別の実施形態では、前記選択されたテンプレートハイブリドーマ/組み換え抗体がヒト化され、製造用宿主においてスクリーニングされた後、製造用宿主で生産されるが、この場合、最適化(進化)段階が完全に省略される。

0152

本発明の他の観点では、前記抗体のFc領域、前記抗体のサイレントコドン、および/またはタンパク質の発現に利用されるベクターおよび/または宿主遺伝子を進化させることにより、製造用宿主の下流発現の最適化が行われる。1つの態様では、Fcライブラリが進化的手法により作成される。発現の最適化に関する1つの具体的な態様では、抗体のFcドメインでCPEが行われ、あらゆるFvの最適なパートナーを選択するために利用可能なFc変異体ライブラリを作成する。最適化は、すべてのFc CPE変異体を各新規Fv領域に迅速に結合するためにデザインされる。代わりに、これらのFcsサブセットを利用し、異なるFvsに結合させることができる。これらのFc CPE変異体/Fvの各組み合わせは、最適な発現を求めるための哺乳類細胞(例えば、CHO、費用効率の高い培地)で発現された全長抗体としてスクリーニングされる。さらに、発現改善用の哺乳類細胞において、これらのCPEヒット12種類までまたはそれ以上のすべての理論的置換をスクリーニングするため、CPSを行うことができる。発現が向上したクローンを同定するため、特定の望みのコドン変化も選択することができる。サイレントコドンが同定され、これらの位置でCPEが行われる。このCPEライブラリをスクリーニングし、最適な発現ヒットを同定する。さらに、12種類までまたはそれ以上のCPEヒットすべての理論的置換をCPSプロセスに使用し、発現改善用に哺乳類細胞で新しいライブラリを作成することができる。上位のCPSサイレント変異ヒットを利用し、特殊細胞株および培地において最適な発現をしたタンパク質をカスタマイズする。これにより、バイオシミラーな微細構造を管理する機会が提供される。

0153

発現を強化する他の領域には、プロモーター、スプライス部位、5'および3'末端、フランキング配列遺伝子欠失および再配列の減少、宿主細胞遺伝子活性の改善、宿主糖鎖付加酵素の最適化、および染色体の広域宿主細胞突然変異誘発および選択を含むベクターの最適化などがある。5'アミノ酸配列は発現強化に重要であることが証明された。

0154

リード候補の進化
タンパク質進化のすべての方法は、タンパク質の性能および発現を最適化する同時進化を目的として採用することができる。タンパク質性能の最適化には、親和性、薬物動態学的特徴、組織ターゲッティング、タンパク質−タンパク質凝集など、様々な特徴の改善、アッセイのばらつきが大きいことへの対処、および他のin vivo特徴の修正を含む可能性がある。

0155

本発明の選択された候補を含む、分子を進化させる方法には、確率論的および非確率論的方法を含む。既発表の方法には、ランダムおよび非ランダム突然変異誘発アプローチを含む。これらのアプローチのいずれかを採用し、異なる温度またはpH環境での安定性の改善、または宿主細胞での発現改善など、望ましい特徴を得るため、本発明の治療用タンパク質の特性を進化させることができる。進化の実験では、触媒活性の改善、様々な条件でのタンパク質安定性の改善、選択性および/または溶解性の改善、凝集抑制などの特徴改善による発現結果の改善など、考えられる他の望みの特性を選択することができる。

0156

進化は、哺乳類細胞宿主または酵母細胞宿主などの真核生物宿主で直接行われ、この宿主は前記治療用タンパク質の下流での産生に使用される。候補は、スクリーニングおよび/または進化および製造に用いるものと同一の宿主において、最適な発現となるように進化させることができる。発現の最適化は、使用するベクターの最適化(プロモーター、スプライスサイト、5'および3'末端、およびフランキング配列などのベクター構成要素)、宿主細胞の遺伝子組み換えによる遺伝子欠失および再配列の減少、関連遺伝子を進化させるin vivoまたはin vitroでの方法による宿主細胞遺伝子活性の進化、関連遺伝子の進化による宿主糖鎖付加酵素の最適化、および/または染色体広域宿主細胞の突然変異誘発および発現能力が向上した細胞の選択戦略により達成することができる。宿主細胞については、本明細書でさらに詳述する。

0157

細胞表面ディスプレイの発現およびスクリーニング技術(例えば、上記に定義したものなど)を採用し、製造される候補の進化タンパク質ライブラリをスクリーニングすることができる。

0158

出発分子から代替タンパク質を作成するため現在広く利用されている方法は、オリゴヌクレオチドに対する突然変異誘発技術、変異性ポリメラーゼ連鎖反応およびカセット式変異誘発であり、これらの方法では、最適化される特定領域が合成突然変異オリゴヌクレオチドと置換される。このような場合、多数の変異部位が、元の配列の特定部位周辺で生成する。

0159

オリゴヌクレオチドに対する突然変異誘発では、短い配列が合成突然変異オリゴヌクレオチドと置換される。変異性PCRでは、忠実度の低い重合条件を利用し、長い配列にわたり低レベルの点突然変異をランダムに誘導する。未知配列のフラグメント混合物では、変異性PCRを利用し、前記混合物を突然変異誘発することができる。カセット式変異誘発では、単一テンプレートの配列ブロックが典型的には(部分的に)ランダムな配列で置換されることが多い。

0160

キメラ遺伝子は、制限酵素により作成した適合する付着末端を用い、2ポリヌクレオチドフラグメントを結合させることにより作成し、各フラグメントは別の前駆(または親)分子に由来する。別の例は、親ポリヌクレオチドにおける単一コドン位置の突然変異誘発(すなわち、コドンの置換、付加、または欠失を達成させるため)であり、単一部位を突然変異させたポリヌクレオチドに対して単一の子孫ポリヌクレオチドのコードを作成する。

0161

さらに、in vivoの部位特異的組み換え系を利用し、遺伝子ハイブリッド、またin vivo組み換えのランダム法、およびプラスミドにおける相同的であるが、切断された遺伝子間の組み換えが作成された。突然変異誘発についても、重複伸長およびPCRにより報告されてきた。

0162

非ランダム法は、さらに多数の点突然変異および/またはキメラ化を達成するために利用されてきたが、例えば、変異体の特定グループ内ですべての分子種を作成するために、包括的または徹底的アプローチが利用され、機能性がテンプレート分子中の特定構造群(例えば、2若しくはそれ以上のアミノ酸位置から成る、特定の単一アミノ酸の位置または配列)に起因し、特定の突然変異群を分類および比較する。表題「Whole cell engineering my mutagenizing a substantial portion of a starting genome, combining mutations, and optionally repeating」の米国特許第7033781号明細書では、生命体を望みの特徴を持つように進化させる方法について説明している。表題「Saturation mutagenesis in directed evolution」の米国特許第6764835号明細書および表題「Synthetic ligation reassembly in directed evolution」の米国特許第6562594号明細書では、分子に望みの特徴を徹底的に進化させ、それをスクリーニングする方法について説明している。そのような方法は、いずれも本発明の方法で利用されてもよい。

0163

これまで知られてきた「飽和突然変異誘発」法と本明細書で好適な「包括的」進化法との間には差がある。飽和突然変異誘発は、テンプレートポリヌクレオチドまたはテンプレートポリペプチドの各位置であらゆる可能な変化が起こる進化の技法を指すが、各位置での変化は検査で確認されず、統計的に推測されるにすぎない。包括的進化は、テンプレートポリヌクレオチドまたはテンプレートポリペプチドの各位置であらゆる可能な変化が起こる進化の技術を指し、前記ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、意図された変化が起こったことを確認するために検査される。

0164

飽和法は本質的に統計的な非包括的方法であり、すべての段階で(例えば、変異誘発、変異の同定、変異タンパク質の発現、変異タンパク質のスクリーニング、再結合上位変異体の作成、同定、発現、およびスクリーニングにわたり)真に包括的なものではなかった。包括的な進化技術では、最初の突然変異誘発段階、さらには上位変異体またはヒットを再結合する第2段階で各分子をスクリーニングし、確認する。

0165

飽和突然変異誘発がシークエンシングまたは他の何らかの方法により確認されていない限り、その技術は、いくつか考えられる理由により包括的であるとは考えられない。例えば、1)クローニングまたは合成の誤り、または分子をクローニングすることが困難なため、クローニングシステムは100%効率的ではない、または2)一部のタンパク質は発現されたときに毒性があるため、効率的に発現させることができない、という理由がある。従って、各段階でシークエンシングまたは他の何らかの技術により確認することが重要である。発現のスクリーニングを行うため、すべての段階をスコア化することは有用であるため、これまでの研究では、非発現クローンは「陰性」に指定されず、単に発現不可能とスコア化されている。従って、包括的な技術は「確認」段階で確認されるとおり、飽和化技術よりも純粋で非確率論的系であると考えられる。

0166

包括的位置進化
図1を参照し、単純な例として直鎖ペプチドを利用すると、第1段階において、位置1からn(nはポリペプチド鎖の残基数に相当する)の各コドンにおける一連の天然型アミノ酸変異体(またはそのサブセット、またはアミノ酸誘導体)は、本明細書で包括的位置進化(CPE(商標))と呼ばれるプロセスにより作成される。この方法は、標的分子の各ポリペプチド鎖に繰り返される。最小のアミノ酸変異体セットには、天然アミノ酸19種類それぞれのコドン1つのみが含まれる。しかし、各発現系はコドンのバイアスを受けている可能性があることが認められており、この場合、不十分なtRNAプールにより、翻訳の行き詰まり、早まった翻訳終結、翻訳フレームシフト、およびアミノ酸の誤った取り込みが行われる可能性がある。従って、発現を最適化するため、各セットが停止コドンを含め、最高63種類のコドンを含む。次の段階では、新しい各分子のシークエンシングにより、突然変異を確認する。他の確認方法を採用することもできる。

0167

次に、各アミノ酸セットを以下の少なくとも一点についてスクリーニングする。

0168

− 機能の改善
中立変異
− 抑制変異
−発現
−宿主系とクローンとの適合性
好ましくは、例えば、機能および発現の改善など、複数の特徴を同時にスクリーニングする。

0169

各セットのデータは、ポリペプチド鎖全体に組み合わせ、標的分子の詳細な機能マップ(本明細書ではEvoMap(商標)と呼ぶ)を作成する。このマップには、各変異が標的分子の性能/発現および/またはクローニング能力にどのように影響するかについて、詳細な情報が含まれる。
この方法では、タンパク質の機能(例えば、抗体の場合は抗原/受容体の結合)を失わずに、変化が起こる可能性のないすべての部位を同定することが可能である。また、機能に影響せずに変化が起こる場所も示す。さらに、宿主系で発現しない分子が生じる変化を同定するため、変異の影響を評価しない。

0170

仮想EvoMap(商標)の図を図1に示す。テンプレートの各位置は、制限部位(突然変異しない)、完全に突然変異する部位、部分的に突然変異する部位、または特定アミノ酸置換の上位変異体として同定される。部分的に突然変異する各部位は、さらに、置換の影響を受けやすいもの、例えば、荷電残基、または非極性残基の置換、および宿主系ではクローニングすることができない非発現クローンおよび/または分子として指定することができる。

0171

有益な単一アミノ酸置換を認識、再結合し、標的分子の望みの特徴をさらに最適化することを目的としてスクリーニングするため、EvoMap(商標)を利用することが可能である。しかし、特定の特徴の進化では、観察できるようになるまで、2若しくはそれ以上の同時変異が必要な場合もある。前記EvoMap(商標)は、効率的、また費用対効果よく、非ランダム的に一連の複数部位の変異ポリペプチドを産生するために利用することができる。前記一連の複数部位の変異ポリペプチドは、次に複数部位の上位変異体をスクリーニングすることができる。

0172

CPEでは、完全にin vivoで確認されたタンパク質変異マップが可能である。上位変異体セット全体を同定すると、さらにコンビナトリアルな進化段階が可能となる。CPEは、非表面変異の選択、T細胞エピトープの削除、および体細胞変異模倣により、進化したタンパク質の免疫原性リスクを低下させるために利用可能である。

0173

1つの態様では、CPEは5、10、または15アミノ酸のライブラリ、または、最高19アミノ酸すべてを作成するために使用することができる。前記タンパク質では各部位で変化が起こり、結合親和性または発現など、望みの特徴についてこの変化をスクリーニングし、前記EvoMap(商標)を作成する。19アミノ酸すべてのデータを作成するため、後半の変異およびスクリーニングを利用することができる。前記マップから、完全に変異する部位が同定される。これらの部位は、新しい特徴を作成および検討することのできる、新しい分子一群を作成するため、修飾可能な位置を同定するために有用である。例えば、情報科学を利用し、配列中のHLAハプロタイプを同定することができ、望みの変化を起こし、前記マップで同定された「中立」(「完全に突然変異する」)部位で特定の標的とする変化を作成することにより、これらのハプロタイプを回避することができるが、この場合、主要な特徴は影響を受けない。これにより、免疫原性リスクを低下させることができる可能性がある(非表面変異を選択し、T細胞エピトープを削除し、体細胞超変異(hypersomatic mutations)を模倣することができる)。さらに、前記マップは、様々な特徴を改善する部位特異的変異(糖鎖付加および化学的結合)の部位を示している可能性がある。また、サイレント変異の最適化は様々な宿主でタンパク質発現を改善する可能性がある。

0174

相乗的進化
本発明の1つの実施形態では、図2に示すとおり、相乗的進化のEvoMap(商標)が作成され、利用される。相乗的進化では、2〜20箇所の選択された部位で同時変異を組み合わせ、コンビナトリアルな効果を生み出すことができる。前記テンプレートポリペプチドのEvoMap(商標)を利用し、特定の単一アミノ酸点突然変異を選択し、複数部位のポリペプチド変異に集合させる。

0175

相乗的進化では、EvoMap(商標)で突然変異しない部位付近にある、部分的に突然変異する部位内から、非不活性化アミノ酸点突然変異を選択する。1つの態様では、選択された前記非不活性化アミノ酸点突然変異が突然変異しない部位に隣接する。相乗的進化では、2〜20箇所の前記選択された部位におけるアミノ酸の同時変異が行われ、コンビナトリアルな効果が生じる。1つの態様では、2〜20箇所の選択された突然変異を再結合することにより、複数部位の変異ポリペプチドの集合をコードするコドン変異ライブラリを作成する。クローニングおよび発現後、作成した前記複数部位の変異ポリペプチドを、少なくとも1つの所定の特性、特徴、または活性について、テンプレートポリペプチドと比較し、スクリーニングする。こうして、複数部位の上位変異体ポリペプチドを同定することができる。1つの態様では、複数部位の変異ポリペプチドをコンビナトリアルなタンパク質合成により作成する。相乗的進化の1つの利点は、前記テンプレートポリペプチドの進化誘導にタンパク質X線結晶構造が必要ないことである。この技術は、アッセイ間のばらつきが大きいタンパク質および他の複数部位の効果に特に有用である。

0176

本発明によれば、相乗的進化の応用には、これに限定されるものではないが、複雑な分子機構的変化の進化、アッセイ間のばらつきが大きいタンパク質の進化、タンパク質特異性の進化、様々な発現宿主の発現の改善、タンパク質の触媒活性、安定性、およびpH最適化の改善を含む。相乗的進化は、これに限定されるものではないが、ホルモン、酵素、サイトカイン、および抗体を含むすべてのタンパク質の治療タイプに適用される。

0177

本発明の1つの態様では、相乗的進化を利用し、タンパク質分子の一部であるポリペプチドの1若しくはそれ以上の態様を最適化することができる。前記タンパク質分子は、ゼロでポリペプチドをコードする1若しくはそれ以上の変異核酸、つまり、当該分野で既知のクローニング、翻訳、および発現技術により変異タンパク質を作成するためのフレームワークポリペプチドをコードする1若しくはそれ以上の核酸を連結することにより、集合させることができる。1つの態様では、フレームワークポリペプチドが野生型タンパク質分子に由来する。この態様では、相乗的進化を抗体のヒト型化技術と同時に利用することができる。例えば、進化およびヒト型化を行うため、マウスモノクローナル抗体を選択することができる。前記抗体のCDR領域をクローニングおよびシークエンシングし、個々のCDR領域(CDR1、CDR2、CDR3)を合成し、ヒト抗体フレームワークペプチドをコードする他のヌクレオチドに連結し、その後、ヒト変異型IgGライブラリを作成してもよい。次に、前記ヒト変異型IgGライブラリは、マウスmAbと比較し、例えば、機能および発現の改善を含む2若しくはそれ以上の特性など、少なくとも1つの特性についてスクリーニングする。別の態様では、フレームワークポリペプチドが人工骨格ポリペプチドである。dsDNAフラグメントの作成、核酸の連結および集合、クローニング、トランスフェクション、発現、ライブラリの固相合成、ライブラリの液相合成、包括的位置進化、ELISA定量化およびβ−ガラクトシダーゼアッセイによる発現の定量化、および機能的ELISAといった特殊な技術が例のセクション紹介されている。

0178

本発明の別の実施形態では、相乗的進化を利用し、抗体の結合親和性を高めることができる。この実施形態では、前記抗体の可変領域が最適化される。例えば、抗体変異体の作成では、選択した抗体の軽鎖および重鎖可変領域についてCPEを行い、EvoMap(商標)を作成する。変異体は再集合させるために選択し、例えば、前記軽鎖の変異体および前記重鎖の変異体を選択して集合させる。非不活性化アミノ酸点突然変異は、突然変異しない部位付近にある、部分的に突然変異する部位の中から選択する。CPSを利用した再集合化技術を利用し、重鎖のライブラリを作成することができる。前記軽鎖変異体を前記重鎖変異体と組み合わせ、クローニング、発現させることができ、前記変異体は真核細胞株の上清から完全なIgGとしてスクリーニングする。例えば、ELISA、BIAコア、および/またはSapidyne器具使用アッセイ、または当該分野で既知の他の技術を利用することにより、特定の変異体の結合親和性を評価する。

0179

フレックス進化
別の実施形態では、前記CPE/EvoMapを利用し、完全に突然変異する部位を同定、開発する。1つの態様では、複数の完全に突然変異する部位の開発がフレックス進化と呼ばれ、糖鎖付加(例えば、N−またはO−結合型糖鎖付加をするアミノ酸のコドン、コンセンサス配列Asn−Aa−Ser−ThrまたはSer/Thr内のAsn)および化学的結合の導入など、標的とする変化を起こすために利用する。プロテアーゼ開裂部位のデザイン、精製および/または検出用のタグ導入、部位特異的ラベリングなどに利用することもできる。さらに、サイレント変異のコドン最適化は、タンパク質発現の改善に利用することができる。この実施形態では、タンパク質発現後のフレックス進化と呼ばれる進化、作成された変異ポリペプチドライブラリを、テンプレートポリペプチドと比較し、少なくとも1つの所定の特性、特徴、または活性について、再スクリーニングする。1つの態様では、前記所定の特性に、タンパク質−タンパク質凝集の抑制、タンパク質安定性の向上、またはタンパク質溶解性の向上が含まれる。1つの態様では、前記変異ポリペプチドライブラリを、1若しくはそれ以上の特性について同時にスクリーニングする。別の態様では、真核生物発現系において、例えば、哺乳類、植物、酵母、および昆虫細胞株など、糖鎖付加部位の導入にグリコシル化を利用できる。

0180

フレックス進化において、関連タンパク質、またはテンプレートタンパク質またはポリペプチドのバイオインフォマテクスおよびタンパク質X線結晶構造を評価することは、テンプレートを最適化するために有用である。1つの態様では、選択された部位が接触残基にはない。別の態様では、非表面タンパク質の変異を選択することで、免疫原性リスクを低下させることができる。

0181

フレックス進化の応用には、これに限定されるものではないが、タンパク質−タンパク質凝集の抑制、タンパク質安定性の改善、糖鎖付加ライブラリによる薬物動態の最適化、タンパク質の二次および三次構造の最適化、および直接変異セットを介するか、間接的に糖鎖付加のマスキングによる抗原部位の脱免疫化(deimmunization)を含む。

0182

フレックス進化の1つの態様では、EvoMap(商標)を利用して完全に突然変異する部位を同定し、完全に突然変異する部位(または翻訳作用のサイレント変異)に糖鎖付加残基を挿入することでCPSを作成し、解析分析(例えば、マススペクトロスコピー解析、動的光散乱)、(バイオインフォマティクスまたはアッセイによる)免疫原性の抑制、および/または(例えば、Foxn1nuマウスにおける)薬物動態解析により、コンビナトリアルグリコシル化ライブラリのスクリーニングを行う。

0183

1つの態様では、フレックス進化を脱免疫化に利用し、機能を維持しながら免疫原性を除去する。フレックス進化による脱免疫化は、糖鎖付加により免疫原性をマスキングし、機能を維持しながら免疫原性を除去しうるヒト超体細胞変異スペクトル(hypersomatic mutation spectra)アミノ酸置換を同定し、免疫原性の可能性を回避するために用量を減量し、非表面アミノ酸残基の変化を最小化することにより行うことができる。さらに、免疫原性データベースおよびアルゴリズムを用い、考えられるMHC結合エピトープを同定、置換することができる。1つの態様では、コンピュータによる修飾予測をCPE/CPSデータと合わせ変異体を作成する。

0184

T細胞エピトープおよび/または脱免疫化を発生させる傾向の低下は、当該分野で既知の技術により測定することができる。好ましくは、タンパク質の脱免疫化はT細胞増殖分析によりin vitroで検討する。この分析では、野生型または脱免疫化ペプチドのいずれかに反応した増殖について、世界中で80%を超えるHLA−DR対立遺伝子を示すドナーのPBMCをスクリーニングする。理想的には、細胞増殖は、野生型ペプチドを用いて抗原提示細胞負荷したときに検出されるにすぎない。脱免疫化のさらなるアッセイには、ヒトin vitro PBMC再刺激アッセイ(例えば、インターフェロンγ(TH1)またはIL4(TH2)ELISA)を含む。代わりに、すべてのハプロタイプを示すHLA−DR四量体を発現させることで、脱免疫化を検討することもできる。脱免疫化ペプチドがHLA−DRハプロタイプに提示されているか否かを検討するため、例えば蛍光標識ペプチドのPBMCへの結合を測定することができる。HLAクラスIおよびクラスIIトランスジェニックマウス標的抗原(例えば、インターフェロンγまたはIL4)に対する反応を測定する。代わりに、感作T細胞(MHCI 9mer;MHCII 20mer)を用い、PBMCおよび/またはトランスジェニックマウスアッセイよりエピトープライブラリをスクリーニングする。さらに、脱免疫化は、患者への投与後に脱免疫化分子に対する抗体が生成したか否かを判断することにより証明できる。

0185

別の実施形態では、本発明のフレックス進化技術を発現の最適化に利用できる。1つの態様では、本発明において、真核細胞の発現を改善し、サイレント突然変異コドンを最適化したFc変異体を作成するタンパク質工学の方法の利用について開示する。サイレント突然変異は、DNA配列の変化がタンパク質のアミノ酸配列の変化につながらない突然変異である。1つの態様では、真核細胞の発現を最適化させるため、コドンの突然変異誘発が定常領域で行われる。エフェクター機能を調整する能力を維持しながら、コドンを最適化し、発現特性が改善したFc変異体は、治療用抗体の産生を改善する。この態様では、例えば、CHO、HEK293、およびCOS−7を利用した哺乳類細胞株発現スクリーニングなど、異なる発現宿主をスクリーニングするため、抗体分子の定常領域を進化させることができる。哺乳類細胞の発現に関する定常領域のコドン突然変異誘発により発現を最適化する1つの例は、図3に示し、例19で説明している。示される発現レベルはそれぞれ4データポイントの平均であり、複数の実験により確認されている。複数の細胞株の能力については、HEK293およびCHO細胞株発現系で検討した最初の変異株で証明された。

0186

さらに、前記EvoMap(商標)を利用し、オリゴペプチド、またはその特定領域の3次元コンピューター分子モデルを作成し、例えば、抗体−エピトープ特異性および安定性などに関与する構造機構調査することができる。仮想的な3次元EvoMap(商標)を図13に示す。

0187

EvoMapの情報を(利用できる場合は)構造情報と組み合わせ、例えば、安定性を向上させる/凝集を抑制する変異を起こす表面残基のみを選択することもできる。

0188

包括的位置挿入進化
1つの実施形態では、当該開示により、テンプレートポリペプチドから、またはこれに基づき形成した変異ポリペプチドを同定、マッピングする方法を提供する。図8を参照し、単純な例として直鎖ペプチドを利用すると、第1段階では、位置2からn(nはポリペプチド鎖の残基数に対応する)の各コドンにおける一連の天然型アミノ酸変異体(またはそのサブセット、またはアミノ酸誘導体)は、本明細書で包括的位置挿入(CPI(商標))進化と呼ばれるプロセスにより作成される。

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