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技術 自動車

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 小柳博之林龍彦
出願日 2016年5月13日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2016-096682
公開日 2017年11月16日 (1年8ヶ月経過) 公開番号 2017-204969
状態 特許登録済
技術分野 DC‐DCコンバータ インバータ装置 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 低圧側コンデンサ 高圧側コンデンサ コンバータ損失 駆動点 シフトレバ 実行下 所定変化量 昇圧制御ルーチン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

昇圧コンバータ間欠的に作動可能なものにおいて、さらなる損失低減を図る。

解決手段

昇圧間欠非実行時(通常昇圧時)におけるモータ損失L1,L2とコンバータ損失LCとに基づく全体損失Lと昇圧間欠実行時におけるモータ損失L1,L2とコンバータ損失LCとに基づく全体損失Lとを算出して最小損失Ltmpとなる最小時昇圧電圧Vtmpを設定し(S300〜S350)、最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定して(S410)、最小時昇圧電圧Vtmpに対応する制御状態で昇圧コンバータを制御する。

概要

背景

従来、この種の自動車としては、走行用モータと、バッテリ電圧を昇圧してモータに供給する昇圧コンバータとを備え、昇圧コンバータを連続的に作動させる制御モードと、昇圧コンバータを間欠的に作動させる制御モードとのいずれかで昇圧コンバータを制御することで、電力損失の低減を図るものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

昇圧コンバータを間欠的に作動可能なものにおいて、さらなる損失低減をる。昇圧間欠非実行時(通常昇圧時)におけるモータ損失L1,L2とコンバータ損失LCとに基づく全体損失Lと昇圧間欠実行時におけるモータ損失L1,L2とコンバータ損失LCとに基づく全体損失Lとを算出して最小損失Ltmpとなる最小時昇圧電圧Vtmpを設定し(S300〜S350)、最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定して(S410)、最小時昇圧電圧Vtmpに対応する制御状態で昇圧コンバータを制御する。

目的

本発明の自動車は、昇圧コンバータを間欠的に作動可能なものにおいて、さらなる損失低減を図ることを主目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

走行用の少なくとも1つのモータと、バッテリと、前記バッテリの電圧を昇圧して前記モータに供給可能な昇圧コンバータと、前記昇圧コンバータを間欠的に作動させる昇圧間欠を実行する制御状態と、前記昇圧コンバータを継続的に作動させて前記昇圧間欠を実行しない制御状態とのいずれかで、昇圧電圧目標電圧となるよう前記昇圧コンバータを制御する制御装置と、を備える自動車であって、前記制御装置は、前記昇圧間欠の非実行時における目標駆動点での前記モータの損失と前記昇圧コンバータの損失とを含む全体損失と、前記昇圧間欠の実行時における前記全体損失とに基づいて、前記全体損失が最小となる最小時昇圧電圧を前記目標電圧に設定すると共に前記最小時昇圧電圧に対応する制御状態で前記昇圧コンバータを制御する自動車。

請求項2

請求項1に記載の自動車であって、前記制御装置は、前記昇圧間欠を実行中または前記昇圧間欠を実行する可能性がある場合にのみ、前記昇圧間欠の非実行時における前記全体損失と、前記昇圧間欠の実行時における前記全体損失とに基づいて、前記最小時昇圧電圧を前記目標電圧に設定すると共に前記最小時昇圧電圧に対応する制御状態で前記昇圧コンバータを制御する自動車。

請求項3

請求項1または2に記載の自動車であって、前記制御装置は、最小となる前記全体損失が前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失に比して所定値以上小さくなる場合には、前記最小時昇圧電圧を前記目標電圧に設定すると共に前記最小時昇圧電圧に対応する制御状態で前記昇圧コンバータを制御し、最小となる前記全体損失が前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失に比して所定値以上小さくならない場合には、前回の前記目標電圧および制御状態を維持して前記昇圧コンバータを制御する自動車。

請求項4

請求項3に記載の自動車であって、前記制御装置は、前記昇圧間欠の実行を許可する昇圧電圧と目標駆動点での前記モータの駆動に必要な昇圧電圧とのうち大きい方を前記昇圧間欠の実行下限電圧に設定し、前回の前記目標電圧が前記実行下限電圧未満の場合には、前記昇圧間欠の非実行時における前記全体損失から前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失を導出し、前回の前記目標電圧が前記実行下限電圧以上の場合には、前記昇圧間欠の実行時における前記全体損失から前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失を導出する自動車。

技術分野

0001

本発明は、自動車に関する。

背景技術

0002

従来、この種の自動車としては、走行用モータと、バッテリ電圧を昇圧してモータに供給する昇圧コンバータとを備え、昇圧コンバータを連続的に作動させる制御モードと、昇圧コンバータを間欠的に作動させる制御モードとのいずれかで昇圧コンバータを制御することで、電力損失の低減を図るものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2015−122874号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述の自動車では、昇圧コンバータの間欠的な作動の可否や昇圧コンバータの目標電圧を、昇圧コンバータ以外の損失を含めて判断することは記載されていない。このため、昇圧コンバータだけでなくシステム全体の損失でみると、損失が最小とならない場合が生じることが考えられ、損失低減を図るためになお改善の余地がある。

0005

本発明の自動車は、昇圧コンバータを間欠的に作動可能なものにおいて、さらなる損失低減を図ることを主目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。

0007

本発明の自動車は、
走行用の少なくとも1つのモータと、
バッテリと、
前記バッテリの電圧を昇圧して前記モータに供給可能な昇圧コンバータと、
前記昇圧コンバータを間欠的に作動させる昇圧間欠を実行する制御状態と、前記昇圧コンバータを継続的に作動させて前記昇圧間欠を実行しない制御状態とのいずれかで、昇圧電圧が目標電圧となるよう前記昇圧コンバータを制御する制御装置と、
を備える自動車であって、
前記制御装置は、前記昇圧間欠の非実行時における目標駆動点での前記モータの損失と前記昇圧コンバータの損失とを含む全体損失と、前記昇圧間欠の実行時における前記全体損失とに基づいて、前記全体損失が最小となる最小時昇圧電圧を前記目標電圧に設定すると共に前記最小時昇圧電圧に対応する制御状態で前記昇圧コンバータを制御する
ことを要旨とする。

0008

本発明の自動車では、昇圧間欠の非実行時における目標駆動点でのモータの損失と昇圧コンバータの損失とを含む全体損失と、昇圧間欠の実行時における全体損失とに基づいて、全体損失が最小となる最小時昇圧電圧を目標電圧に設定すると共に最小時昇圧電圧に対応する制御状態で昇圧コンバータを制御する。これにより、昇圧コンバータの損失だけでなくモータの損失を含む全体損失が最小となる目標電圧を設定して昇圧コンバータを制御することができるから、昇圧コンバータの昇圧間欠を実行可能なものにおいて、さらなる損失低減を図ることができる。ここで、例えば、モータの損失は、モータの駆動点毎に予め定められた昇圧電圧と損失との関係に基づいて求めることができ、昇圧間欠の非実行時における昇圧コンバータの損失は、昇圧コンバータが備えるリアクトルを流れる電流毎に予め定められた昇圧電圧と損失との関係に基づいて求めることができ、昇圧間欠の実行時における昇圧コンバータの損失は、昇圧間欠の実行時の昇圧電圧と損失との関係に基づいて求めることができる。なお、「目標駆動点」は、モータの回転数目標トルクとによって示される駆動点である。

0009

こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記昇圧間欠を実行中または前記昇圧間欠を実行する可能性がある場合にのみ、前記昇圧間欠の非実行時における前記全体損失と、前記昇圧間欠の実行時における前記全体損失とに基づいて、前記最小時昇圧電圧を前記目標電圧に設定すると共に前記最小時昇圧電圧に対応する制御状態で前記昇圧コンバータを制御するものとしてもよい。こうすれば、昇圧間欠を実行中でなく昇圧間欠を実行する可能性がない場合に、昇圧間欠の実行を前提とする最小時昇圧電圧を目標電圧に設定することにより却って損失が悪化する場合が生じるのを防止することができる。なお、例えば、モータから入出力されるパワー所定パワー未満である場合などに、昇圧間欠を実行する可能性があるものとすることができる。また、制御装置は、昇圧間欠を実行中でなく昇圧間欠を実行する可能性がない場合には、昇圧間欠の非実行時における全体損失に基づいて、最小時昇圧電圧を目標電圧に設定すると共に最小時昇圧電圧に対応する制御状態で昇圧コンバータを制御するものとすることができる。

0010

本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、最小となる前記全体損失が前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失に比して所定値以上小さくなる場合には、前記最小時昇圧電圧を前記目標電圧に設定すると共に前記最小時昇圧電圧に対応する制御状態で前記昇圧コンバータを制御し、最小となる前記全体損失が前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失に比して所定値以上小さくならない場合には、前回の前記目標電圧および制御状態を維持して前記昇圧コンバータを制御するものとしてもよい。こうすれば、所定値以上の損失低減が見込める場合のみ目標電圧を変更して、より確実に損失低減を図ることができる。また、目標電圧や昇圧間欠の実行有無が頻繁に切り替わることによる不都合、例えば、運転フィーリングが損なわれることなどを抑制することができる。

0011

本発明のハイブリッド自動車において、前記制御装置は、前記昇圧間欠の実行を許可する昇圧電圧と目標駆動点での前記モータの駆動に必要な昇圧電圧とのうち大きい方を前記昇圧間欠の実行下限電圧に設定し、前回の前記目標電圧が前記実行下限電圧未満の場合には、前記昇圧間欠の非実行時における前記全体損失から前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失を導出し、前回の前記目標電圧が前記実行下限電圧以上の場合には、前記昇圧間欠の実行時における前記全体損失から前回の前記目標電圧に対応する前記全体損失を導出するものとしてもよい。こうすれば、前回の目標電圧に応じて、前回の全体損失を適切に導出することができるから、目標電圧を前回の目標電圧から今回の最小時昇圧電圧に切り替えるか否かをより適切に判断して損失低減を図ることができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
モータMG1,MG2を含む電気系の構成の概略を示す構成図である。
HVECU70により実行される昇圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
通常昇圧時の目標電圧設定処理の一例を示すフローチャートである。
電圧VHとモータMG1の損失L1との関係の一例を示す説明図である。
電圧VHとモータMG2の損失L2との関係の一例を示す説明図である。
通常昇圧での電圧VHと昇圧コンバータ55の損失LCとの関係の一例を示す説明図である。
通常昇圧での電圧VHと全体損失Lとの関係の一例を示す説明図である。
損失低下分ΔLの一例を示す説明図である。
昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理の一例を示すフローチャートである。
昇圧間欠での電圧VHと昇圧コンバータ55の損失LCとの関係の一例を示す説明図である。
昇圧間欠での電圧VHと全体損失Lとの関係の一例を示す説明図である。
通常昇圧での全体損失Lと昇圧間欠での全体損失Lとを比較する様子を示す説明図である。
損失低下分ΔLの一例を示す説明図である。

0013

次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。

0014

図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。図2は、モータMG1,MG2を含む電機駆動系の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図1に示すように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、バッテリ50と、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、昇圧コンバータ55と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。

0015

エンジン22は、ガソリン軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により運転制御されている。

0016

エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートから入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。
・エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcr
スロットルバルブポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットル開度TH

0017

エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号出力ポートを介して出力されている。種々の制御信号としては、以下のものを挙げることができる。
燃料噴射弁への駆動信号
・スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号
イグナイタ一体化されたイグニッションコイルへの制御信号

0018

エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このエンジンECU24は、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御する。また、エンジンECU24は、必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23により検出されたクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。

0019

プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤリングギヤキャリアには、モータMG1の回転子駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36,エンジン22のクランクシャフト26がそれぞれ接続されている。

0020

モータMG1は、永久磁石が埋め込まれた回転子と三相コイル巻回された固定子とを有する同期発電電動機として構成されている。このモータMG1は、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、モータMG1と同様に、永久磁石が埋め込まれた回転子と三相コイルが巻回された固定子とを有する同期発電電動機として構成されている。このモータMG2は、回転子が駆動軸36に接続されている。

0021

インバータ41は、高圧側電力ライン54aに接続されている。このインバータ41は、6つのトランジスタスイッチング素子)T11〜T16と、6つのダイオードD11〜D16と、を有する。トランジスタT11〜T16は、それぞれ、高圧側電力ライン54aの正極母線負極母線とに対してソース側とシンク側になるように、2個ずつペアで配置されている。6つのダイオードD11〜D16は、それぞれ、トランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続されている。トランジスタT11〜T16の対となるトランジスタ同士の接続点の各々には、モータMG1の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ41に電圧が作用しているときに、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40によって、対となるトランジスタT11〜T16のオン時間の割合が調節されることにより、三相コイルに回転磁界が形成され、モータMG1が回転駆動される。

0022

インバータ42は、インバータ41と同様に、高圧側電力ライン54aに接続されている。また、インバータ42は、インバータ41と同様に、6つのトランジスタ(スイッチング素子)T21〜T26と、6つのダイオードD21〜D26と、を有する。そして、インバータ42に電圧が作用しているときに、モータECU40によって、対となるトランジスタT21〜T26のオン時間の割合が調節されることにより、三相コイルに回転磁界が形成され、モータMG2が回転駆動される。

0023

昇圧コンバータ55は、高圧側電力ライン54aと、バッテリ50が接続された低圧側電力ライン54bと、に接続されている。この昇圧コンバータ55は、2つのトランジスタ(スイッチング素子)T31,T32と、2つのダイオードD31,D32と、リアクトルLと、を有する。トランジスタT31は、高圧側電力ライン54aの正極母線に接続されている。トランジスタT32は、トランジスタT31と、高圧側電力ライン54aおよび低圧側電力ライン54bの負極母線と、に接続されている。2つのダイオードD31,D32は、それぞれ、トランジスタT31,T32に逆方向に並列接続されている。リアクトルLは、トランジスタT31,T32同士の接続点Cnと、低圧側電力ライン54bの正極母線と、に接続されている。昇圧コンバータ55は、モータECU40によって、トランジスタT31,T32のオン時間の割合が調節されることにより、低圧側電力ライン54bの電力を昇圧して高圧側電力ライン54aに供給したり、高圧側電力ライン54aの電力を降圧して低圧側電力ライン54bに供給したりする。

0024

高圧側電力ライン54aの正極母線と負極母線とには、高圧側コンデンサ57が接続されている。低圧側電力ライン54bの正極母線と負極母線とには、低圧側コンデンサ58が接続されている。

0025

モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2や昇圧コンバータ55を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。
・モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2
・図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流
・高圧側コンデンサ57の端子間に取り付けられた電圧センサ57aからの高圧側コンデンサ57(高圧側電力ライン54a)の電圧VH
・低圧側コンデンサ58の端子間に取り付けられた電圧センサ58aからの低圧側コンデンサ58(低圧側電力ライン54b)の電圧VL
・昇圧コンバータ55の接続点CnとリアクトルLとの間に取り付けられた電流センサ55aからのリアクトルLの電流IL(リアクトルL側から接続点側に流れるときが正の値)

0026

モータECU40からは、モータMG1,MG2や昇圧コンバータ55を駆動制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。種々の制御信号としては、以下のものを挙げることができる。
・インバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26へのスイッチング制御信号
・昇圧コンバータ55のトランジスタT31,T32へのスイッチング制御信号

0027

モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このモータECU40は、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2や昇圧コンバータ55を駆動制御する。モータECU40は、必要に応じてモータMG1,MG2や昇圧コンバータ55の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、モータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいて、モータMG1,MG2の回転子の電気角θe1,θe2や、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。

0028

バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池ニッケル水素二次電池として構成されており、低圧側電力ライン54bに接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52により管理されている。

0029

バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。
・バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vb
・バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib
・バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tb

0030

バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このバッテリECU52は、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bにより検出された電池電流Ibの積算値に基づいてバッテリ50の蓄電割合SOCを演算している。バッテリ50の蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと、温度センサにより検出された電池温度Tbと、に基づいてバッテリ50の入出力制限Win,Woutを演算している。バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である。

0031

システムメインリレー56は、低圧側電力ライン54bの正極母線および負極母線における低圧側コンデンサ58よりもバッテリ50側に設けられている。このシステムメインリレー56は、オンのときには、バッテリ50と昇圧コンバータ55とを接続し、オフのときには、バッテリ50と昇圧コンバータ55との接続を解除する。

0032

HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、以下のものを挙げることができる。
イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号
シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP
アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc
ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP
車速センサ88からの車速

0033

HVECU70からは、システムメインリレー56への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。このHVECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。

0034

こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、ハイブリッド走行モード(HV走行モード),電動走行モードEV走行モード)などの走行モードで走行する。HV走行モードは、エンジン22の運転とモータMG1,MG2の駆動とを伴って走行する走行モードである。EV走行モードは、エンジン22を運転停止すると共にモータMG2を駆動して走行する走行モードである。

0035

HV走行モードでは、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて、駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定する。続いて、要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Npを乗じて、走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。ここで、駆動軸36の回転数Npとしては、モータMG2の回転数Nm2,車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数などを用いることができる。そして、走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて、車両に要求される要求パワーPe*を計算する。次に、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し、モータMG1,MG2を回転数Nm1,Nm2およびトルク指令Tm1*,Tm2*からなる目標駆動点で駆動できるように高圧側電力ライン54aの目標電圧(電圧指令)VH*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する。具体的には、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*,駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VH*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、受信した目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22が運転されるように、エンジン22の吸入空気量制御燃料噴射制御点火制御などを行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*および駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VH*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なうと共に高圧側電力ライン54aの電圧VHが目標電圧VH*となるよう昇圧コンバータ55のトランジスタT31,T32のスイッチング制御を行なう。このHV走行モードでは、要求パワーPe*が停止用閾値Pstop以下に至ったときなどに、エンジン22の停止条件成立したと判断し、エンジン22の運転を停止して、EV走行モードに移行する。

0036

EV走行モードでは、HVECU70は、まず、HV走行モードと同様に、要求トルクTr*を設定する。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する。そして、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるように、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、HV走行モードでの走行時と同様に高圧側電力ライン54aの目標電圧VH*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*および駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VH*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のトランジスタT11〜T16,T21〜T26のスイッチング制御を行なうと共に高圧側電力ライン54aの電圧VHが目標電圧VH*となるよう昇圧コンバータ55のトランジスタT31,T32のスイッチング制御を行なう。このEV走行モードでの走行時には、HV走行モードでの走行時と同様に計算した要求パワーPe*が始動用閾値Pstart以上に至ったときなどエンジン22の始動条件が成立したときに、エンジン22を始動してHV走行モードでの走行に移行する。

0037

ここで、本実施例では、昇圧コンバータ55のスイッチング制御として、トランジスタT31,T32のスイッチング制御を継続的に行なう通常昇圧(継続昇圧ともいう)だけでなく、昇圧間欠による制御が可能となっている。昇圧間欠は、トランジスタT31,T32のスイッチング制御の一時的な停止(例えば、数十mmsec〜百数十mmsec)を伴って昇圧コンバータ55の昇圧動作を間欠的に行なうものである。この昇圧間欠では、高電圧系電力ライン54aの電圧VHが目標電圧VH*となるとスイッチング制御を停止し、その後に電圧VHと目標電圧VH*との差が所定値以上となるとスイッチング制御を再開する。このため、昇圧間欠では、昇圧動作中と停止中とを含む所定期間でみたときに、通常昇圧に比してスイッチング制御に伴う損失を低減させることができる場合がある。また、昇圧間欠は、電圧VHが所定の間欠許可電圧Vperよりも高い場合に許可される。間欠許可電圧Vperは、固定値であり、例えば低圧側電力ライン54bの電圧VLに対し1.5〜2倍程度の電圧に定められている。

0038

次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、昇圧コンバータ55を制御する動作について説明する。図3は、HVECU70により実行される昇圧制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。昇圧制御ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、昇圧間欠を実行中であるか否かを判定し(ステップS100)、昇圧間欠を実行中でなくても昇圧間欠の実行見込みがあるか否か、即ち昇圧間欠を実行する可能性があるか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110では、高圧側電力ライン54aの電圧VHとして比較的大きな電圧が必要とされている状態であるか否かや高圧側電力ライン54aの電圧VHと低圧側電力ライン54bの電圧VLとの差が比較的大きくなり易い状態であるか否かなどに基づいて判定することができる。例えば、モータMG1のトルク指令Tm1*と回転数Nm1とを乗じて得られるモータMG1のパワーPm1の絶対値とモータMG2のトルク指令Tm2*と回転数Nm2とを乗じて得られるモータMG2のパワーPm2の絶対値とが、いずれも所定パワー未満であれば昇圧間欠を実行見込みであると判定することができる。また、パワーPm1,Pm2の変化量ΔPm1,ΔPm2が、いずれも所定変化量未満であれば昇圧間欠を実行見込みであると判定してもよい。また、モータMG2のトルク指令Tm2*が所定トルク未満であれば昇圧間欠を実行見込みであると判定してもよい。また、リアクトルLの電流ILが所定電流値未満であれば昇圧間欠を実行見込みであると判定してもよい。なお、これらのうちいずれか1以上を判定するものであればよく、複数の判定を組み合わせてもよい。

0039

ステップS100で昇圧間欠を実行中でなく且つステップS110で昇圧間欠の実行見込みがないと判定すると、通常昇圧時の目標電圧設定処理を行なって駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VH*を設定する(ステップS120)。また、ステップS100で昇圧間欠を実行中であると判定したり、ステップS110で昇圧間欠の実行見込みがあると判定すると、昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理を行なって駆動電圧系電力ライン54aの目標電圧VH*を設定する(ステップS130)。そして、高圧側電力ライン54aの電圧VHが、各設定処理で設定した目標電圧VH*となるように、目標電圧VH*に対応する制御状態で昇圧コンバータ55の作動を制御して(ステップS140)、昇圧制御ルーチンを終了する。なお、ステップS140では、目標電圧VH*をモータECU40に送信し、モータECU40が高圧側電力ライン54aの電圧VHが目標電圧VH*となるように目標電圧VH*に対応する制御状態(昇圧間欠の有無)で昇圧コンバータ55のトランジスタT31,T32をスイッチング制御することにより行なわれる。以下、通常昇圧時の目標電圧設定処理と、昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理とについて順に説明する。

0040

まず、ステップS120の通常昇圧時の目標電圧設定処理について図4のフローチャートに基づいて説明する。この通常昇圧時の目標電圧設定処理では、HVECU70は、まず、モータMG1の損失L1と、モータMG2の損失L2と、通常昇圧での昇圧コンバータ55の損失LCとの和として全体損失Lを算出する(ステップS200)。なお、モータMG1の損失L1は、モータMG1を駆動するインバータ41の損失を含み、モータMG2の損失L2は、モータMG2を駆動するインバータ42の損失を含む。

0041

ここで、図5は、電圧VHとモータMG1の損失L1との関係の一例を示す説明図であり、図6は、電圧VHとモータMG2の損失L2との関係の一例を示す説明図であり、図7は、通常昇圧での電圧VHと昇圧コンバータ55の損失LCとの関係の一例を示す説明図であり、図8は、通常昇圧での電圧VHと全体損失Lとの関係の一例を示す説明図である。本実施例では、モータMG1の駆動点毎に実験などにより予め定めた電圧VHと損失L1のマップをHVECU70のROMなどに記憶しておき、モータMG1の現在の目標駆動点(トルク指令Tm1*および回転数Nm1)が得られると、記憶しているマップから各電圧VHに対する損失L1を演算して求めるものとした。同様に、モータMG2の駆動点毎に実験などにより予め定めた電圧VHと損失L2のマップをHVECU70のROMなどに記憶しておき、モータMG2の現在の目標駆動点(トルク指令Tm2*および回転数Nm2)が得られると、記憶しているマップから各電圧VHに対する損失L2を演算して求めるものとした。また、通常昇圧での昇圧コンバータ55のリアクトルLの電流IL毎に実験などにより予め定めた電圧VHと損失LCのマップをHVECU70のROMなどに記憶しておき、リアクトルLの現在の電流ILが得られると、記憶しているマップから各電圧VHに対する損失LCを演算して求めるものとした。各図中に示した駆動下限電圧Vminは、モータMG1,MG2を目標駆動点で駆動するのに必要な昇圧電圧であり、モータMG1,MG2の目標駆動点毎に予め定められた電圧に基づいて設定されるものとする。なお、モータMG1,MG2の損失L1,L2は、電圧VHに対して下側に湾曲した曲線状に変化する傾向にあり、昇圧コンバータ55の損失LCは、電圧VHが増加するほど直線状に増加する傾向にある。これらの損失L1と損失L2と損失LCとの和として、図8に示すような全体損失Lを求めることができる。

0042

続いて、通常昇圧での全体損失Lが最小となる最小損失Ltmpとそのときの昇圧電圧である最小時昇圧電圧(最適昇圧電圧)Vtmpとを設定する(ステップS210)。図8の例では、電圧VHが電圧V3のときに全体損失Lが最小となっているため、ステップS210では、最小時昇圧電圧Vtmpに電圧V3を設定すると共に電圧V3のときの全体損失Lを最小損失Ltmpに設定することになる。

0043

こうして最小時昇圧電圧Vtmpと最小損失Ltmpとを設定すると、今回の全体損失Lから前回の目標電圧VH*に対応する全体損失Lである前回損失Lpreを導出する(ステップS220)。そして、前回損失Lpreから今回の最小損失Ltmpを減じることにより損失低下分ΔLを算出する(ステップS230)。図9は、損失低下分ΔLの一例を示す説明図である。図示するように、今回の全体損失Lにおいて前回の目標電圧VH*に対応する損失を前回損失Lpreとして、今回の最小損失Ltmpとの差分を損失低下分ΔLとする。次に、算出した損失低下分ΔLが所定値Lref以上であるか否かを判定する(ステップS240)。損失低下分ΔLが所定値Lref以上であると判定すると、目標電圧VH*に今回の最小時昇圧電圧Vtmpを設定して(ステップS250)、本処理を終了する。一方、損失低下分ΔLが所定値Lref未満であると判定すると、目標電圧VH*に前回の目標電圧VH*を設定、即ち前回の目標電圧VH*を維持して(ステップS260)、本処理を終了する。このように、今回の最小時昇圧電圧Vtmpで昇圧コンバータ55を制御した場合の全体損失(最小損失)Ltmpが、前回の目標電圧VH*のままで昇圧コンバータ55を制御した場合の全体損失(前回損失)Lpreに対して所定値Lref以上小さくなる場合にのみ、目標電圧VH*に今回の最小時昇圧電圧Vtmpを設定するのである。このため、損失低減効果が確実に見込める場合のみ、目標電圧VH*を変更することになる。

0044

次に、図3の昇圧制御ルーチンのステップS130の昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理について図10のフローチャートに基づいて説明する。この昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理では、HVECU70は、図4の通常昇圧時の目標電圧設定処理のステップS200,S210と同様に、モータMG1の損失L1と、モータMG2の損失L2と、通常昇圧での昇圧コンバータ55の損失LCとの和として通常昇圧での全体損失Lを算出し(ステップS300)、通常昇圧での全体損失Lにおける最小損失Lconとそのときの昇圧電圧Vconとを設定する(ステップS310)。

0045

次に、上述した間欠許可電圧VperとモータMG1,MG2を目標駆動点で駆動するのに必要な駆動下限電圧Vminとのうち大きい方を間欠実行下限電圧Vintminに設定する(ステップS320)。そして、モータMG1の損失L1と、モータMG2の損失L2と、昇圧間欠での昇圧コンバータ55の損失LCとの和として昇圧間欠での全体損失Lを算出し(ステップS330)、昇圧間欠での全体損失Lにおける最小損失Lintとそのときの昇圧電圧Vintとを設定する(ステップS340)。なお、モータMG1,MG2の損失L1,L2は、ステップS200,S300と同様に求めることができるであるため、説明は省略する。

0046

ここで、図11は、昇圧間欠での電圧VHと昇圧コンバータ55の損失LCとの関係の一例を示す説明図であり、図12は、昇圧間欠での電圧VHと全体損失Lとの関係の一例を示す説明図である。図11図12では、間欠実行下限電圧Vintmin以上での損失を示す。上述したように、昇圧間欠では昇圧動作中と停止中とを含む所定期間において通常昇圧に比べて損失を低減することができる場合があるため、同じ電圧VHで比較したときに図11の損失LCは図7の損失LCに比べて小さくなっている。このため、図12の全体損失Lも図8の通常昇圧での全体損失Lに比べて小さい傾向となる。なお、昇圧間欠での昇圧コンバータ55の損失LCは、実験などにより予め定めた昇圧間欠時の電圧と損失LCとを対応付けたマップをHVECU70のROMなどに記憶しておくものとした。また、図12の例では、電圧VHが電圧V4のときに全体損失Lが最小となっているため、ステップS340では、最小時昇圧電圧Vtmpに電圧V4を設定すると共に電圧V4のときの全体損失Lを最小損失Ltmpに設定することになる。

0047

そして、ステップS310で設定した通常昇圧での最小損失Lconおよび昇圧電圧Vconと、ステップS340で設定した昇圧間欠での最小損失Lintおよび昇圧電圧Vintとのうち、損失がより小さな組合せを最小時昇圧電圧Vtmpと最小損失Ltmpに設定する(ステップS350)。ここで、図13は、通常昇圧での全体損失Lと昇圧間欠での全体損失Lとを比較する様子を示す説明図である。図13の例では、昇圧間欠での最小損失Lintの方が、通常昇圧での最小損失Lconよりも小さくなっている。このため、ステップS350では、昇圧電圧Vint(ここでは電圧V4)を最小時昇圧電圧Vtmpに設定すると共に昇圧間欠での最小損失Lintを最小損失Ltmpに設定することになる。

0048

こうして最小時昇圧電圧Vtmpと最小損失Ltmpとを設定すると、前回の目標電圧VH*がステップS320で設定した間欠実行下限電圧Vintmin未満であるか否かを判定する(ステップS360)。前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin未満であると判定すると、ステップS300で算出した今回の通常昇圧での全体損失Lから前回の目標電圧VH*に対応する全体損失Lである前回損失Lpreを導出する(ステップS370)。一方、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin以上であると判定すると、ステップS330で算出した今回の昇圧間欠での全体損失Lから前回の目標電圧VH*に対応する全体損失Lである前回損失Lpreを導出する(ステップS380)。そして、前回損失Lpreから今回の最小損失Ltmpを減じることにより損失低下分ΔLを算出する(ステップS390)。図14は、損失低下分ΔLの一例を示す説明図である。図14(a)は、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin未満であるために、今回の通常昇圧での全体損失Lにおいて前回の目標電圧VH*に対応する損失を前回損失Lpreとして、今回の最小損失Ltmpとの差分を損失低下分ΔLとする様子を示す。また、図14(b)は、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin以上であるために、今回の昇圧間欠での全体損失Lにおいて前回の目標電圧VH*に対応する損失を前回損失Lpreとして、今回の最小損失Ltmpとの差分を損失低下分ΔLとする様子を示す。このように、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin未満であるか否かによって、前回の目標電圧VH*に対応する前回損失Lpreを、通常昇圧での全体損失Lから導出するか昇圧間欠での全体損失Lから導出するかを選択するのである。このため、今回算出した全体損失Lの状態に応じて、前回の目標電圧VH*のままで制御した場合の全体損失Lを精度よく導出することができるから、損失低下分ΔLをより適切に算出することができる。

0049

続いて、算出した損失低下分ΔLが所定値Lref以上であるか否かを判定する(ステップS400)。損失低下分ΔLが所定値Lref以上であると判定すると、目標電圧VH*に今回の最小時昇圧電圧Vtmpを設定して(ステップS410)、本処理を終了する。一方、損失低下分ΔLが所定値Lref未満であると判定すると、目標電圧VH*に前回の目標電圧VH*を設定、即ち前回の目標電圧VH*を維持して(ステップS420)、本処理を終了する。このように、今回の最小時昇圧電圧Vtmpで昇圧コンバータ55を制御した場合の全体損失(最小損失)Ltmpが、前回の目標電圧VH*のままで昇圧コンバータ55を制御した場合の全体損失(前回損失)Lpreに対して所定値Lref以上小さくなる場合にのみ、目標電圧VH*に今回の最小時昇圧電圧Vtmpを設定するのである。このため、損失低減効果が確実に見込める場合のみ、目標電圧VH*を変更することになる。また、目標電圧VH*に設定した今回の最小時昇圧電圧Vtmpが昇圧間欠での昇圧電圧Vintである場合や前回の目標電圧VH*が昇圧間欠での電圧である場合には、昇圧間欠で昇圧コンバータ55の制御が行なわれる。一方、目標電圧VH*に設定した今回の最小時昇圧電圧Vtmpが通常昇圧での昇圧電圧Vconである場合や前回の目標電圧VH*が通常昇圧での電圧である場合には、通常昇圧で昇圧コンバータ55の制御が行なわれる。即ち、目標電圧VH*に今回の最小時昇圧電圧Vtmpを設定した場合には、最小時昇圧電圧Vtmpに対応する制御状態で昇圧コンバータ55を制御することになる。また、損失低下分ΔLが所定値Lref以上である場合のみ(損失低減効果が確実に見込める場合のみ)目標電圧VH*を変更し、損失低下分ΔLが所定値Lref未満である場合には前回の目標電圧VH*を維持するから制御状態(間欠有無)も維持することになる。このため、損失低減効果が確実に見込めない場合に、制御状態(間欠有無)が頻繁に切り替わるのを防止することができる。

0050

以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、昇圧間欠非実行時(通常昇圧,継続昇圧)におけるモータMG1の損失L1,L2と昇圧コンバータ55の損失LCとから全体損失Lを算出し、昇圧間欠実行時におけるモータMG1の損失L1,L2と昇圧コンバータ55の損失LCとから全体損失Lを算出し、算出した全体損失Lが最小損失Ltmpとなる最小時昇圧電圧Vtmpを設定し、その最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定して最小時昇圧電圧Vtmp(目標電圧VH*)に対応する制御状態で昇圧コンバータ55を制御することができる。このため、昇圧コンバータ55の損失LCだけでなくモータMG1,MG2の損失L1,L2を含む全体損失Lが最小となるように目標電圧VH*を設定して昇圧コンバータ55を制御することができるから、さらなる損失低減を図ることができる。

0051

また、実施例では、昇圧間欠の実行中または昇圧間欠の実行見込みがある(実行する可能性がある)場合にのみ、昇圧間欠非実行時の全体損失Lと昇圧間欠実行時の全体損失Lのいずれかから最小時昇圧電圧Vtmpを設定するから、昇圧間欠の実行中でなく昇圧間欠の実行見込みもない場合に、昇圧間欠の実行を前提とする最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定することで却って損失が悪化するのを防止することができる。

0052

また、実施例では、最小損失Ltmpが前回損失Lpreよりも所定値Lref以上小さくなる場合に最小時昇圧電圧Vtmpを新たに目標電圧VH*に設定し、最小損失Ltmpが前回損失Lpreよりも所定値Lref以上小さくならない場合に前回の目標電圧VH*を維持するから、損失低減が確実に見込める場合のみ目標電圧VH*を変更して、より確実に損失低減を図ることができる。また、目標電圧VH*や昇圧間欠の実行有無が頻繁に切り替わることにより、運転フィーリングが損なわれることなどを抑制することができる。

0053

また、実施例では、間欠許可電圧Vperと駆動下限電圧Vminとのうち大きい方を間欠実行下限電圧Vintminに設定する。そして、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin未満の場合には、昇圧間欠非実行時(通常昇圧時)の全体損失Lから前回損失Lpreを導出し、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin以上の場合には、昇圧間欠実行時の全体損失Lから前回損失Lpreを導出するから、前回損失Lpreをより精度よく導出することができる。このため、目標電圧VH*を今回の最適昇圧電圧Vtmpに切り替えるか否かの判断をより適切に行なって損失低減を図ることができる。

0054

実施例のハイブリッド自動車20は、昇圧間欠の実行中でなく昇圧間欠の実行見込みもない場合に図3の通常昇圧時の目標電圧設定処理を行ない、昇圧間欠の実行中または昇圧間欠の実行見込みである場合に図10の昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理を行なうものとしたが、これに限られず、昇圧間欠の実行中または昇圧間欠の実行見込みである場合にのみ、図10の昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理を行なうものであれば如何なるものとしてもよい。あるいは、昇圧間欠の実行有無や昇圧間欠の実行見込みの有無に拘わらず、図10の昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理を行なって、全体損失Lが最小となる最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定するものなどとしてもよい。

0055

実施例のハイブリッド自動車20は、最小損失Ltmpが前回損失Lpreよりも所定値Lref以上小さくなる場合に、最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定したが、これに限られるものではない。例えば、最小損失Ltmpが前回損失Lpreよりも小さくなる場合には、最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定するものなどとしてもよい。あるいは、制御状態(昇圧間欠の実行有無)の切り替えを伴う場合には、最小損失Ltmpが前回損失Lpreよりも第1所定値Lref1以上小さくなる場合に最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定するものとする。そして、制御状態(昇圧間欠の実行有無)の切り替えを伴わない場合には、最小損失Ltmpが前回損失Lpreよりも小さくなる場合に最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定するものとしたり、最小損失Ltmpが前回損失Lpreよりも第2所定値Lref2以上小さくなる場合に最小時昇圧電圧Vtmpを目標電圧VH*に設定するものとしたりしてもよい。この第2所定値Lref2は、第1所定値Lref1よりも小さな値などとすることができる。これらのようにすれば、昇圧間欠の実行有無が頻繁に切り替わるのを防止しつつ、損失が小さくなる目標電圧VH*を設定し易くして損失低減を図ることができる。

0056

実施例のハイブリッド自動車20は、前回の目標電圧VH*と間欠実行下限電圧Vintminとの大小を比較して、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintminよりも小さい場合には昇圧間欠非実行時(通常昇圧)の全体損失Lから前回損失Lpreを導出し、前回の目標電圧VH*が間欠実行下限電圧Vintmin以上の場合には昇圧間欠実行時の全体損失Lから前回損失Lpreを導出するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、間欠実行下限電圧Vintminに代えて間欠許可電圧Vperと、前回の目標電圧VH*との大小を比較して、前回の目標電圧VH*が間欠許可電圧Vperよりも小さい場合には昇圧間欠非実行時(通常昇圧)の全体損失Lから前回損失Lpreを導出し、前回の目標電圧VH*が間欠許可電圧Vper以上の場合には昇圧間欠実行時の全体損失Lから前回損失Lpreを導出するものとしてもよい。あるいは、今回算出した全体損失Lから前回損失Lpreを導出するものに限られず、前回の目標電圧VH*を設定した際の全体損失Lを前回損失Lpreとして用いるものなどとしてもよい。

0057

実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22と、モータMG1,MG2と、バッテリ50と、昇圧コンバータ55とを備える構成としたが、本発明の適用対象はこれに限られるものではない。すなわち、本発明の自動車は、走行用の少なくとも1つのモータと、バッテリと、バッテリの電圧を昇圧してモータに供給する昇圧コンバータとを備えるものであればよく、ハイブリッド自動車であってもよいし、電気自動車であってもよい。

0058

実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG1とモータMG2が「モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、昇圧コンバータ55が「昇圧コンバータ」に相当し、図3の昇圧制御ルーチン(特に図10の昇圧間欠可能時の目標電圧設定処理)を実行するHVECU70とモータECU40とが「制御装置」に相当する。

0059

なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。

実施例

0060

以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。

0061

本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。

0062

20ハイブリッド自動車、22エンジン、23クランクポジションセンサ、24エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26クランクシャフト、30プラネタリギヤ、36駆動軸、37デファレンシャルギヤ、38a,38b駆動輪、40モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42インバータ、43,44回転位置検出センサ、50バッテリ、51a電圧センサ、51b電流センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54a高圧側電力ライン、54b低圧側電力ライン、55昇圧コンバータ、55a 電流センサ、56システムメインリレー、57高圧側コンデンサ、57a 電圧センサ、58低圧側コンデンサ、58a 電圧センサ、70ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80イグニッションスイッチ、81シフトレバー、82シフトポジションセンサ、83アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88車速センサ、Cn接続点、D11〜D16,D21〜D26,D31,D32ダイオード、Lリアクトル、MG1,MG2 モータ、T11〜T16,T21〜T26,T31,T32トランジスタ。

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