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技術 オートテンショナ

出願人 NTN株式会社
発明者 本多直人田中唯久
出願日 2016年5月13日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-097070
公開日 2017年11月16日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-203537
状態 特許登録済
技術分野 特殊用途機関の応用、補機、細部 巻き掛け伝動装置 クランプ・クリップ
主要キーワード 環状固定具 使用制約 内スカート 押し縮めた 上下片 外スカート 周方向範囲 部分縦断正面図
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月16日)のものです。
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図面 (15)

課題

オートテンショナに備わる固定具係合片ばね座及びシリンダを軸方向両側から挟持する際、シリンダ又はばね座のテーパ面に接触する係合片の拡径変形を抑えて、固定具が外れることを防止する。

解決手段

テーパ面16、31と対面する係合片45、46が、内側へ傾いた傾斜状に形成されている。その係合片45、46が、対応のテーパ面16、31と周方向に幅をもって接触する凹面47、48を採用する。また、傾斜状の係合片45、45同士と、係合片46、46同士を繋ぐ補強部51を採用する。

概要

背景

自動車補機、たとえばオルタネータカーエアコンウォータポンプなどは、その回転軸エンジンクランクシャフト補機ベルトで連結され、その補機ベルトを介して駆動される。この補機ベルトの張力を適正範囲に保つために、一般に、支軸を中心として揺動可能に設けたプーリアームと、そのプーリアームに回転可能に取り付けたテンションプーリと、そのテンションプーリを補機ベルトに押さえ付ける方向にプーリアームを付勢するオートテンショナとからなる張力調整装置が使用される。

この張力調整装置に採用されるオートテンショナとして、一端部が閉塞したシリンダと、そのシリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されたロッドと、そのロッドに付与される押し込み力緩衝する油圧ダンパ機構と、そのロッドのシリンダからの突出端に固定されたばね座と、そのばね座を介してロッドをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングとを備え、ばね座は、リターンスプリングを支持するフランジ部と、当該フランジ部から前記ロッドの軸方向へ突出する連結片を有し、シリンダは、閉塞した一端部から軸方向へ突出する連結片を有する油圧式のものがある(例えば、特許文献1、2)。

この油圧式のオートテンショナは、シリンダに設けられた連結片をプーリアームに連結し、ばね座に設けられた連結片をエンジンに連結して使用される。そして、補機ベルトの張力が変動すると、その補機ベルトの張力とリターンスプリングの付勢力つりあう位置までロッドが移動して補機ベルトの張力変動を吸収するとともに、補機ベルトからロッドに付与される押し込み力を油圧ダンパ機構で緩衝して、補機ベルトの張力を安定させる。

ところで、エンジンを組み立てるにあたっては、補機やオートテンショナを予めエンジンに取り付けた後、各補機を駆動するプーリクランクプーリやテンションプーリに補機ベルトを巻き掛ける。ここで、補機ベルトを巻き掛けるときに、オートテンショナがリターンスプリングの付勢力で伸張状態となっていると、補機ベルトが突っ張ってしまい、補機ベルトを取り付けることができない。

そのため、補機ベルトを巻き掛けるにあたっては、リターンスプリングに抗してオートテンショナを押し縮め、シリンダとロッドとを相対的に押し込み状態に保持しながら補機ベルトを巻き掛ける必要がある。この押し込み状態を保持しながら補機ベルトを巻き掛ける作業は煩雑である。その作業性を向上させるため、ロッドがシリンダから突出する方向に移動するのを規制することが好ましい。

その規制手段として、特許文献1、2のオートテンショナは、当該シリンダ及び当該ばね座の外側に装着され、当該装着状態で当該シリンダと当該ロッドとを相対的に押し込み状態に保持する固定具を採用している。

特許文献1の固定具は、周方向の一部に開口を形成しかつ前記シリンダ及び前記ばね座を径方向に挟むように配置された対の側部と、これら対の側部間を周方向に前記開口と反対側で繋ぐ接続部とを有し、前記対の側部が、それぞれ前記開口から挿入された前記シリンダ及び前記ばね座を軸方向両側から挟持する対の係合片を有する一体の金属部品からなる。その係合片は、接続部よりも軸方向に突出する位置で径方向に折り曲げられている。ばね座のフランジ部と、シリンダの一端部は、それぞれ自己の連結片の周囲に、径方向に沿った平坦面を有する。そのフランジ部の平坦面と、シリンダの平坦面は、軸方向に対向する位置関係にある。各係合片は、径方向に折り曲げられた平坦な板面において、フランジ部又はシリンダの平坦面と接触する。このため、固定具は、押し込み状態のばね座及びシリンダを強固に保持することができる。

一方、特許文献2の固定具は、ばね座とシリンダに巻き掛けられる環状になっている。その固定具は、ばね座に設けられた連結片と、シリンダに設けられた連結片に外接するように巻き掛けられている。その固定具と連結片との間には、切断工具挿入空間が形成されている。環状固定具を切断して取り外すと、固定具を取り外すためにオートテンショナをさらに収縮させる作業が不要になる。

概要

オートテンショナに備わる固定具の係合片がばね座及びシリンダを軸方向両側から挟持する際、シリンダ又はばね座のテーパ面に接触する係合片の拡径変形を抑えて、固定具が外れることを防止する。テーパ面16、31と対面する係合片45、46が、内側へ傾いた傾斜状に形成されている。その係合片45、46が、対応のテーパ面16、31と周方向に幅をもって接触する凹面47、48を採用する。また、傾斜状の係合片45、45同士と、係合片46、46同士を繋ぐ補強部51を採用する。

目的

この発明が解決しようとする課題は、オートテンショナに備わる固定具の係合片がばね座及びシリンダを軸方向両側から挟持する際、シリンダ又はばね座のテーパ面に接触する係合片の拡径変形を抑えて、固定具が外れることを防止することにある

効果

実績

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請求項1

一端部が閉塞したシリンダと、前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されたロッドと、前記ロッドに付与される押し込み力緩衝する油圧ダンパ機構と、前記ロッドの前記シリンダからの突出端に固定されたばね座と、前記ばね座を介して前記ロッドを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、前記シリンダ及び前記ばね座の外側に装着され当該装着状態で当該シリンダと当該ロッドとを相対的に押し込み状態に保持する固定具とを備え、前記ばね座が、前記リターンスプリングを支持するフランジ部と、当該フランジ部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記シリンダが、前記一端部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記ばね座と前記シリンダの少なくとも一方が、軸方向に自己の前記連結片側へ向かって縮径するテーパ面を有するオートテンショナにおいて、前記固定具が、周方向の一部に開口を形成しかつ前記シリンダ及び前記ばね座を径方向に挟むように配置された対の側部と、これら対の側部間を周方向に前記開口と反対側で繋ぐ接続部とを有し、前記対の側部が、それぞれ前記シリンダ及び前記ばね座を軸方向両側から挟持する対の係合片を有し、前記テーパ面と対面する前記係合片が、内側へ傾いた傾斜状に形成されており、前記傾斜状の係合片が、前記テーパ面と周方向に幅をもって接触する凹面を有することを特徴とするオートテンショナ。

請求項2

前記固定具が、前記対の側部にそれぞれ設けられた前記傾斜状の係合片同士を繋ぐ補強部をさらに有する請求項1に記載のオートテンショナ。

請求項3

前記シリンダ及び前記ばね座が、それぞれ前記テーパ面を有し、全ての前記係合片が、それぞれ前記凹面を有する請求項1又は2に記載のオートテンショナ。

請求項4

前記補強部が、ばね座側の前記係合片同士を繋ぐ部分と、シリンダ側の前記係合片同士を繋ぐ部分とを有する請求項3に記載のオートテンショナ。

請求項5

一端部が閉塞したシリンダと、前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されたロッドと、前記ロッドに付与される押し込み力を緩衝する油圧ダンパ機構と、前記ロッドの前記シリンダからの突出端に固定されたばね座と、前記ばね座を介して前記ロッドを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、前記シリンダ及び前記ばね座の外側に装着され当該装着状態で当該シリンダと当該ロッドとを相対的に押し込み状態に保持する固定具とを備え、前記ばね座が、前記リターンスプリングを支持するフランジ部と、当該フランジ部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記シリンダが、前記一端部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記ばね座と前記シリンダの少なくとも一方が、軸方向に自己の前記連結片側へ向かって縮径するテーパ面を有するオートテンショナにおいて、前記固定具が、周方向の一部に開口を形成しかつ前記シリンダ及び前記ばね座を径方向に挟むように配置された対の側部と、これら対の側部間を周方向に前記開口と反対側で繋ぐ接続部とを有し、前記対の側部が、それぞれ前記シリンダ及び前記ばね座を軸方向両側から挟持する対の係合片を有し、前記テーパ面と対面する前記係合片が、内側へ傾いた傾斜状に形成されており、前記固定具が、前記対の側部にそれぞれ設けられた前記傾斜状の係合片同士を繋ぐ補強部をさらに有することを特徴とするオートテンショナ。

請求項6

前記傾斜状の係合片が、前記開口側の端部で内側へ曲がっており、当該端部で前記テーパ面と接触する請求項5に記載のオートテンショナ。

請求項7

前記シリンダ及び前記ばね座が、それぞれ前記テーパ面を有し、前記補強部が、ばね座側の前記係合片同士を繋ぐ部分と、シリンダ側の前記係合片同士を繋ぐ部分とを有し、前記ばね座と前記シリンダのうち、外径の小さい方の前記テーパ面と対面する前記係合片が、前記端部を有する請求項6に記載のオートテンショナ。

請求項8

前記固定具の材料が、鋼材アルミ又は強化樹脂からなる請求項1から7のいずれか1項に記載のオートテンショナ。

技術分野

0001

この発明は、オルタネータ等の自動車補機を駆動する補機ベルト張力保持に用いられるオートテンショナに関する。

背景技術

0002

自動車補機、たとえばオルタネータやカーエアコンウォータポンプなどは、その回転軸エンジンクランクシャフトに補機ベルトで連結され、その補機ベルトを介して駆動される。この補機ベルトの張力を適正範囲に保つために、一般に、支軸を中心として揺動可能に設けたプーリアームと、そのプーリアームに回転可能に取り付けたテンションプーリと、そのテンションプーリを補機ベルトに押さえ付ける方向にプーリアームを付勢するオートテンショナとからなる張力調整装置が使用される。

0003

この張力調整装置に採用されるオートテンショナとして、一端部が閉塞したシリンダと、そのシリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されたロッドと、そのロッドに付与される押し込み力緩衝する油圧ダンパ機構と、そのロッドのシリンダからの突出端に固定されたばね座と、そのばね座を介してロッドをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングとを備え、ばね座は、リターンスプリングを支持するフランジ部と、当該フランジ部から前記ロッドの軸方向へ突出する連結片を有し、シリンダは、閉塞した一端部から軸方向へ突出する連結片を有する油圧式のものがある(例えば、特許文献1、2)。

0004

この油圧式のオートテンショナは、シリンダに設けられた連結片をプーリアームに連結し、ばね座に設けられた連結片をエンジンに連結して使用される。そして、補機ベルトの張力が変動すると、その補機ベルトの張力とリターンスプリングの付勢力つりあう位置までロッドが移動して補機ベルトの張力変動を吸収するとともに、補機ベルトからロッドに付与される押し込み力を油圧ダンパ機構で緩衝して、補機ベルトの張力を安定させる。

0005

ところで、エンジンを組み立てるにあたっては、補機やオートテンショナを予めエンジンに取り付けた後、各補機を駆動するプーリクランクプーリやテンションプーリに補機ベルトを巻き掛ける。ここで、補機ベルトを巻き掛けるときに、オートテンショナがリターンスプリングの付勢力で伸張状態となっていると、補機ベルトが突っ張ってしまい、補機ベルトを取り付けることができない。

0006

そのため、補機ベルトを巻き掛けるにあたっては、リターンスプリングに抗してオートテンショナを押し縮め、シリンダとロッドとを相対的に押し込み状態に保持しながら補機ベルトを巻き掛ける必要がある。この押し込み状態を保持しながら補機ベルトを巻き掛ける作業は煩雑である。その作業性を向上させるため、ロッドがシリンダから突出する方向に移動するのを規制することが好ましい。

0007

その規制手段として、特許文献1、2のオートテンショナは、当該シリンダ及び当該ばね座の外側に装着され、当該装着状態で当該シリンダと当該ロッドとを相対的に押し込み状態に保持する固定具を採用している。

0008

特許文献1の固定具は、周方向の一部に開口を形成しかつ前記シリンダ及び前記ばね座を径方向に挟むように配置された対の側部と、これら対の側部間を周方向に前記開口と反対側で繋ぐ接続部とを有し、前記対の側部が、それぞれ前記開口から挿入された前記シリンダ及び前記ばね座を軸方向両側から挟持する対の係合片を有する一体の金属部品からなる。その係合片は、接続部よりも軸方向に突出する位置で径方向に折り曲げられている。ばね座のフランジ部と、シリンダの一端部は、それぞれ自己の連結片の周囲に、径方向に沿った平坦面を有する。そのフランジ部の平坦面と、シリンダの平坦面は、軸方向に対向する位置関係にある。各係合片は、径方向に折り曲げられた平坦な板面において、フランジ部又はシリンダの平坦面と接触する。このため、固定具は、押し込み状態のばね座及びシリンダを強固に保持することができる。

0009

一方、特許文献2の固定具は、ばね座とシリンダに巻き掛けられる環状になっている。その固定具は、ばね座に設けられた連結片と、シリンダに設けられた連結片に外接するように巻き掛けられている。その固定具と連結片との間には、切断工具挿入空間が形成されている。環状固定具を切断して取り外すと、固定具を取り外すためにオートテンショナをさらに収縮させる作業が不要になる。

先行技術

0010

特開平10−306859号公報
特開2012−225447号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1の固定具は、特許文献2のオートテンショナのようなばね座やシリンダを採用する場合に不安がある。すなわち、特許文献2のオートテンショナでは、ばね座が軸方向に自己の連結片側へ向かって縮径するテーパ面を有する。また、シリンダも、軸方向に自己の連結片側へ向かって縮径するテーパ面を有する。これらテーパ面は、コスト低減や軽量化を目的に形成されており、連結片の傍らまで及んでいる。このようなテーパ面を有するばね座又はシリンダを具備するオートテンショナに特許文献1の固定具を適用しようとすると、その係合片をテーパ面に接触させてばね座とシリンダを軸方向両側から挟持することになる。そのためには、その係合片を対面するテーパ面に倣うように内側へ傾ける必要がある。そうすると、テーパ面を径方向に挟む両側の係合片は、それぞれ平坦な板面においてテーパ面の直径上に線状に接触することになる。ばね座のフランジ部とシリンダの一端部間に介在するスプリング荷重が大きい場合、ばね座とシリンダのそれぞれの連結片側に軸方向のスプリング荷重が作用したとき、テーパ面と係合片の接触部における径方向の分力が当該係合片を外側へ押すくさび効果により、テーパ面の直径上の両端に接触する係合片間が拡径させられ、固定具が外れる恐れがある。

0012

一方、特許文献2のような固定具の場合、ばね座に設けられた連結片と、シリンダに設けられた連結片とに固定具を巻き掛けることが可能なため、それらばね座やシリンダに前述のようなテーパ面があっても固定具の保持性に影響しないが、固定具を切断する工具使用制約があるときに採用することができない。

0013

上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、オートテンショナに備わる固定具の係合片がばね座及びシリンダを軸方向両側から挟持する際、シリンダ又はばね座のテーパ面に接触する係合片の拡径変形を抑えて、固定具が外れることを防止することにある。

課題を解決するための手段

0014

この発明は、上記の課題を解決する第一の手段として、一端部が閉塞したシリンダと、前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されたロッドと、前記ロッドに付与される押し込み力を緩衝する油圧ダンパ機構と、前記ロッドの前記シリンダからの突出端に固定されたばね座と、前記ばね座を介して前記ロッドを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、前記シリンダ及び前記ばね座の外側に装着され当該装着状態で当該シリンダと当該ロッドとを相対的に押し込み状態に保持する固定具とを備え、前記ばね座が、前記リターンスプリングを支持するフランジ部と、当該フランジ部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記シリンダが、前記一端部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記ばね座と前記シリンダの少なくとも一方が、軸方向に自己の前記連結片側へ向かって縮径するテーパ面を有するオートテンショナにおいて、前記固定具が、周方向の一部に開口を形成しかつ前記シリンダ及び前記ばね座を径方向に挟むように配置された対の側部と、これら対の側部間を周方向に前記開口と反対側で繋ぐ接続部とを有し、前記対の側部が、それぞれ前記シリンダ及び前記ばね座を軸方向両側から挟持する対の係合片を有し、前記テーパ面と対面する前記係合片が、内側へ傾いた傾斜状に形成されており、前記傾斜状の係合片が、前記テーパ面と周方向に幅をもって接触する凹面を有する構成を採用したものである。

0015

上記第一の手段に係る構成によれば、テーパ面と対面する傾斜状の係合片が、その凹面においてテーパ面と周方向に幅をもって接触するため、くさび効果が緩和される。このため、傾斜状の係合片の拡径変形が抑えられ、固定具が外れにくくなる。また、固定具が動こうとしても、その凹面がテーパ面の端部に引っ掛かるので、このことからも固定具が外れにくくなる。したがって、第一の手段は、シリンダ又はばね座のテーパ面に接触する係合片の拡径変形を抑えて、固定具が外れることを防止することができる。

0016

第一の手段においては、前記固定具が、前記対の側部にそれぞれ設けられた前記傾斜状の係合片同士を繋ぐ補強部をさらに有することが好ましい。
このようにすると、くさび効果が作用する際、傾斜状の係合片の拡径変形が、傾斜状の係合片間を繋ぐ補強部の抵抗によって防止される。したがって、テーパ面に接触する係合片の拡径変形をより抑えることができる。

0017

また、第一の手段においては、例えば、前記シリンダ及び前記ばね座が、それぞれ前記テーパ面を有し、全ての前記係合片が、それぞれ前記凹面を有してもよい。

0018

ここで、前記補強部が、ばね座側の前記係合片同士を繋ぐ部分と、シリンダ側の前記係合片同士を繋ぐ部分とを有してもよい。

0019

また、この発明は、上記の課題を解決する第二の手段として、一端部が閉塞したシリンダと、前記シリンダ内に軸方向に移動可能に挿入されたロッドと、前記ロッドに付与される押し込み力を緩衝する油圧ダンパ機構と、前記ロッドの前記シリンダからの突出端に固定されたばね座と、前記ばね座を介して前記ロッドを前記シリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングと、前記シリンダ及び前記ばね座の外側に装着され当該装着状態で当該シリンダと当該ロッドとを相対的に押し込み状態に保持する固定具とを備え、前記ばね座が、前記リターンスプリングを支持するフランジ部と、当該フランジ部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記シリンダが、前記一端部から軸方向へ突出する連結片を有し、前記ばね座と前記シリンダの少なくとも一方が、軸方向に自己の前記連結片側へ向かって縮径するテーパ面を有するオートテンショナにおいて、前記固定具が、周方向の一部に開口を形成しかつ前記シリンダ及び前記ばね座を径方向に挟むように配置された対の側部と、これら対の側部間を周方向に前記開口と反対側で繋ぐ接続部とを有し、前記対の側部が、それぞれ前記シリンダ及び前記ばね座を軸方向両側から挟持する対の係合片を有し、前記テーパ面と対面する前記係合片が、内側へ傾いた傾斜状に形成されており、前記固定具が、前記対の側部にそれぞれ設けられた前記傾斜状の係合片同士を繋ぐ補強部をさらに有する構成を採用した。

0020

上記第二の手段に係る構成によれば、くさび効果が作用する際、傾斜部の拡径変形が、傾斜部間を繋ぐ補強部の抵抗によって防止されるので、その拡径変形が抑えられる。したがって、第二の手段は、シリンダ又はばね座のテーパ面に接触する係合片の拡径変形を抑えて、固定具が外れることを防止することができる。

0021

第二の手段においては、前記傾斜状の係合片が、前記開口側の端部で内側へ曲がっており、当該端部で前記テーパ面と接触することが好ましい。
このようにすると、傾斜状の係合片とテーパ面との接触は、テーパ面の直径上の端部から開口側の部分において周方向に複数箇所又は連続的に生じさせることが可能となる。このため、くさび効果が緩和される。また、固定具が動こうとしても、係合片の端部がテーパ面に引っ掛かるので、このことからも固定具が外れにくくなる。したがって、テーパ面に接触する係合片の拡径変形をより抑えると共に固定具が外れることをより防止することができる。

0022

また、第二の手段においては、例えば、前記シリンダ及び前記ばね座が、それぞれ前記テーパ面を有し、前記補強部が、ばね座側の前記係合片同士を繋ぐ部分と、シリンダ側の前記係合片同士を繋ぐ部分とを有し、前記ばね座と前記シリンダのうち、外径の小さい方の前記テーパ面と対面する前記係合片が前記端部を有してもよい。
シリンダとばね座間に外径差がある場合、固定具の対の側部間に形成する開口の大きさは、外径の大きい方を基準として決めることになる。そうすると、外径の小さい方と対の側部との間は、外径の大きい方と対の側部との間よりも余裕がある。その外径の小さい方のテーパ面に対面する係合片が拡径変形を起こすと、固定具が動き易い。このため、外径の大きい方のテーパ面に対面する係合片の拡径変形は補強部で抑えつつ、外径の小さい方のテーパ面と対面する係合片の拡径変形を補強部と、内側へ曲がった端部とで二重に抑えることが好ましい。

0023

第一の手段又は第二の手段に係る固定具の材料は、例えば、鋼材アルミ又は強化樹脂からなる。

発明の効果

0024

上述のように、この発明は、第一の手段及び第二の手段の少なくとも一方に係る構成の採用により、オートテンショナに備わる固定具の係合片がばね座及びシリンダを軸方向両側から挟持する際、シリンダ又はばね座のテーパ面に接触する係合片の拡径変形を抑えて、固定具が外れることを防止することができる。

図面の簡単な説明

0025

(a)はこの発明の第一実施形態に係るオートテンショナを図4(b)中のIa—Ia線の断面を示す部分縦断正面図、(b)は図4(a)中のIb−Ib線の断面を示す部分横断面図
第一実施形態に係るオートテンショナを採用した張力調整装置を示す正面図
図2に示すオートテンショナの縦断側面図
(a)は図3に示すオートテンショナの正面図、(b)は図3に示すオートテンショナの側面図
第一実施形態に係るオートテンショナの固定具の外観を示す斜視図
(a)は図4に示すオートテンショナの平面図、(b)は図4に示すオートテンショナの底面図
図5中のVII—VII線の断面を示す縦断正面図
この発明の第二実施形態に係る固定具の外観を示す斜視図
(a)はこの発明の第三実施形態に係るオートテンショナの平面図、(b)は第三実施形態に係るオートテンショナの底面図
この発明の第三実施形態に係る固定具の外観を示す斜視図
この発明の第四実施形態に係る固定具の外観を示す斜視図
(a)は第四実施形態に係るオートテンショナの正面図、(b)は第四実施形態に係るオートテンショナの側面図
図12(b)中のXIII—XIII線の断面を示す部分縦断正面図
図12(a)中のXIV−XIV線の断面を示す部分横断面図

実施例

0026

この発明の第一実施形態に係るオートテンショナを添付図面の図1図7に基づいて説明する。図2に、自動車補機を駆動する補機ベルト1の張力調整装置を示す。この張力調整装置は、エンジン2に固定された支軸3を中心として揺動可能に支持されたプーリアーム4と、プーリアーム4に回転可能に取り付けたテンションプーリ5とを有する。プーリアーム4には、第一実施形態に係るオートテンショナ6の一端が支軸7を介して回転可能に連結され、オートテンショナ6の他端が、エンジン2に固定された支軸8で支持されている。

0027

前述の張力調整装置の組み立てに際し、プーリアーム4及びオートテンショナ6をエンジン2に取り付けた後、補機ベルト1をテンションプーリ5等に巻き掛ける前の時点におけるオートテンショナ6の様子を図3図4(a)、(b)に示す。図示のように、オートテンショナ6は、シリンダ9と、シリンダ9内に軸方向に移動可能に挿入されたロッド10と、ロッド10に付与される押し込み力を緩衝する油圧ダンパ機構11と、ロッド10のシリンダ9からの突出端に固定されたばね座12と、ばね座12を介してロッド10をシリンダ9から突出する方向に付勢するリターンスプリング13とを備える。

0028

ここで、軸方向とは、シリンダ9とばね座12とロッド10において同軸に設定された中心軸線に沿った方向のことをいう。その軸方向は、図3図4(a)、(b)中において上下方向に相当する。以下、軸方向に図中上方へ進む方向を上方向とし、これと反対の方向を下方向とする。また、軸方向を規定する中心軸線に直角な方向を径方向という。また、その中心軸線周り円周方向のことを周方向という。

0029

シリンダ9は、下部側の一端部14が閉塞し、他端が開放した筒状に形成されている。シリンダ9は、一端部14から下方へ突出する連結片15と、下方向に連結片15側へ向かって縮径するテーパ面16とを有する。連結片15は、支軸7を挿通する貫通孔17を有する。

0030

以下、貫通孔17に挿通された支軸7の軸線に沿った方向のことを前後方向という。また、その前後方向のうち、図2のエンジン2から遠ざかる方向のことを前方向という。また、径方向のうち、前後方向に直角な方向のことを左右方向という。その左右方向は、図4(a)中において左右方向に相当する。

0031

図3に示すように、シリンダ9は、その全体が一体に設けられている。例えば、シリンダ9は、アルミの冷間鍛造で形成することができる。シリンダ9内には、空気と作動油上下二層に収容されている。

0032

油圧ダンパ機構11は、ロッド10の外周に摺接するようにシリンダ9内に固定されたスリーブ18と、スリーブ18の内側に形成された圧力室19と、スリーブ18とシリンダ9の間に形成されたリザーバ室20と、圧力室19の下部とリザーバ室20の下部を連通する油通路21と、油通路21のリザーバ室20側から圧力室19側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ22と、スリーブ18とロッド10の摺動面間に形成されたリーク隙間23とからなる。

0033

スリーブ18はシリンダ9内に同軸に挿入され、そのスリーブ18の下部外周が、シリンダ9の一端部14の内面に形成されたスリーブ嵌合凹部24に嵌め合わされている。油通路21は、スリーブ嵌合凹部24とスリーブ18の嵌合面間に形成されている。チェックバルブ22は、油通路21の圧力室19側の端部に設けられている。

0034

テーパ面16は、スリーブ嵌合凹部24からリザーバ室20までの間で内周を拡大させる部分の外周に円錐面状で形成されている。

0035

ばね座12は、例えばフェノール樹脂等の合成樹脂で形成されている。ロッド10のシリンダ9からの突出端は、ばね座12の成形金型内にセットした状態でばね座12の成形インサート成形)を行なうことによって、ばね座12に固定されている。

0036

ばね座12は、リターンスプリング13の上端を支持するフランジ部25と、フランジ部25から上方へ突出する連結片26と、フランジ部25から下方に延びる筒状の内スカート27および外スカート28とからなる。

0037

連結片26は、支軸8を挿通する前後方向の貫通孔29を有する。内スカート27は、シリンダ9の上部内周に対向して配置され、シリンダ9の上部内周に取り付けた環状のオイルシール30に摺接している。オイルシール30はシリンダ9内の作動油を密封している。外スカート28は、シリンダ9の上部外周に対向して配置され、オイルシール30が外部にさらされるのを防止している。

0038

ばね座12は、上方向に連結片26側へ向かって縮径するテーパ面31を有する。テーパ面31は、外スカート28と、フランジ部25とを繋ぐ部分の外周に円錐面状で形成されている。

0039

リターンスプリング13は、螺旋状に延びる線材からなるコイルばねである。リターンスプリング13は、シリンダ9の内周とスリーブ18の外周との間に組み込まれている。リターンスプリング13の下端は、シリンダ9の一端部14で支持されている。リターンスプリング13の上端は、ばね座12のフランジ部25を上方に押圧している。その押圧によって、ロッド10はシリンダ9から突出する方向(上方)に付勢されている。なお、リターンスプリング13の下端は、座金を介してシリンダ9の一端部14で支持するようにしてもよい。

0040

図3図4(a)、(b)に示すように、オートテンショナ6は、固定具40をさらに備える。固定具40は、シリンダ9及びばね座12の外側に装着され、その装着状態でシリンダ9とロッド10とを相対的に押し込み状態に保持する。ここでの保持は、外力が作用していない自然状態でのオートテンショナ6の軸方向長さに比してオートテンショナ6の軸方向長さをリターンスプリング13に抗して押し縮めた状態で、ロッド10がシリンダ9から突出する方向に移動するのを固定具40が規制していることを意味する。なお、その押し縮めた状態でのリターンスプリング13の付勢力は500〜1500N程度である。

0041

図5に固定具40を右斜め上方から眺めた外観を示す。図6(a)に固定具40の下面を示す。図6(b)に固定具40の上面を示す。これらに図示するように、固定具40は、周方向の一部に開口41を形成しかつシリンダ9及びばね座12を左右方向に挟むように配置された対の側部42、43と、これら対の側部42、43間を周方向に開口41と反対側で繋ぐ接続部44とからなる。固定具40の全体は、左右対称な形状になっている。

0042

対の側部42、43は、前後方向に延びる板状になっている。対の側部42、43は、接続部44よりも上下両側へ突出する軸方向長さをもった板状になっている。接続部44は、シリンダ9のテーパ面16よりも上方かつばね座12のテーパ面31よりも下方の高さでシリンダ9及びばね座12を迂回している。対の側部42、43の前縁は、シリンダ9及びばね座12の左右方向の直径上よりも前方に位置する。開口41の左右方向幅は、対の側部42、43の前縁間で規定されている。開口41の左右方向幅は、ばね座12よりも大きく設定されている。シリンダ9及びばね座12は、開口41から対の側部42、43及び接続部44の内側の空間へ挿入される。

0043

左右一対の側部42、43は、それぞれシリンダ9及びばね座12を上下両側から挟持する対の係合片45、46を有する。上側の係合片45は、側部42、43のうち、接続部44よりも上方へ突出する位置において全体としてばね座12のテーパ面31に対面するように内側へ傾いた傾斜状に形成されている。下側の係合片46は、側部42、43のうち、接続部44よりも下方へ突出する位置において全体としてシリンダ9のテーパ面16と対面するように内側へ傾いた傾斜状に形成されている。

0044

図5中のVII−VII線の断面を図7に示す。図5図7に示すように、上側の係合片45は、ばね座12のテーパ面31と周方向に幅をもって接触する凹面47を有する。下側の係合片46は、シリンダ9のテーパ面16と周方向に幅をもって接触する凹面48を有する。

0045

図4(b)中のIa—Ia線の断面を図1(a)に示し、図4(a)のIb−Ib線の断面を図1(b)に示す。図1(a)、(b)、図5図6(a)に示すように、上側の係合片45は、その内側に前後方向に沿った平坦面を有する。凹面47は、その平坦面から凹んだ曲面になっている。その曲面は、ばね座12のテーパ面31の円錐面状に沿う形状となっている。凹面47の周方向幅及び径方向深さは、上側の係合片45の上端から下方向に向かって小さくなっている。係合片45の傾斜状は、凹面47のみで係合片45とテーパ面31とを接触させるように設定されている。凹面47の周方向中央部は、テーパ面31の左右方向の直径上の端部と左右方向に接触している。凹面47とテーパ面31が径方向に接触する周方向範囲は、係合片45の上端において最大であり、下方向に向かって次第に小さくなる。凹面47とテーパ面31が線状に接触する箇所は、略存在しない。

0046

図5図6(b)に示す下側の係合片46及び凹面48は、上側の係合片45、凹面47と上下逆様の態様となるが、シリンダ9のテーパ面16に対応の形状となっている。このため、凹面48の断面図示を省略するが、シリンダ9のテーパ面16の円錐面状に沿う凹面48は、その周方向中央部において、テーパ面16の左右方向の直径上の端部と左右方向に接触している。また、係合片46の傾斜状は、凹面48のみで係合片46とテーパ面16とを接触させるように設定されている。凹面48とテーパ面16が径方向に接触する周方向範囲は、係合片46の下端において最大であり、上方向に向かって次第に小さくなる。凹面48とテーパ面16が線状に接触する箇所は、略存在しない。

0047

仮に、図5図6(a)、(b)に示す係合片45、46が凹面47、48をもたず、前後方向に沿った平坦面のみでテーパ面16、31に接触する場合、テーパ面16、31の左右方向の直径上の端部とのみ接触するので、線状の接触部のみが生じる。この場合、スプリング荷重が線状の接触部に集中し、左右方向に高い分力が生じる。すなわち、くさび効果の作用は、左右方向の分力のみで傾斜状の係合片が強く押される態様となるので、その係合片の傾斜が緩くなるような係合片の変形、すなわち、左右の係合片間を左右方向に拡げるような係合片の拡径変形が生じ易くなる。また、そのような拡径変形が少し生じるだけでも、係合片の前後方向に沿った平坦面に対してテーパ面16、31が滑って固定具の姿勢乱れ易くなる。これらのことから、凹面47、48がない場合、スプリング荷重が大きい程、固定具が外れ易く、シリンダ9とばね座12を軸方向両側から強固に挟持することが困難になる。

0048

これに対し、傾斜状の係合片45、46が対応のテーパ面16、31と周方向に幅をもって接触(図1(a)、(b)参照。)する凹面47、48を有する場合、図3に示すリターンスプリング13のスプリング荷重は、図4(a)に示す係合片45、46を左右方向のみに集中して押すように作用せず、径方向の複数方向に押すように作用する。このため、くさび効果が緩和されて、傾斜状の係合片45、46の拡径変形が抑えられ、固定具40が外れにくくなる。また、固定具40がシリンダ9及びばね座12に対して動こうとしても、その係合片45、46の凹面47、48と、凹面47、48の内側へ入り込んだテーパ面16、31の左右方向の端部とが前後方向に引っ掛かるので、このことからも固定具40が外れにくくなる。

0049

固定具40の材料は、例えば、鋼材、アルミ又は強化樹脂からなる。固定具40の材料として鋼材を採用する場合、プレス加工により、固定具40の全体を形成してもよい。固定具40の材料としてアルミ又は強化樹脂を採用する場合、成型により、固定具40の全体を形成してもよい。なお、鋼材とは、鋼でできた材料のことをいい、アルミとは、純アルミニウム又はアルミニウム合金のことをいい、強化樹脂とは、繊維強化プラスチックFRP)のことをいう。

0050

オートテンショナ6のエンジン2への組み付けは、例えば、次のようにして行なう。まず、図3図4(a)、(b)、図6(a)、(b)に示すように、固定具40によって収縮状態に保持されたオートテンショナ6と、図2に示すように、テンションプーリ5が取り付けられたプーリアーム4とを準備する。次に、図3図4(a)、図6(b)に示すオートテンショナ6の下側の連結片15を、支軸7を介してプーリアーム4に連結する。続いて、図3図4(a)、図6(a)に示すオートテンショナ6の上側の連結片26とプーリアーム4とをそれぞれ支軸8、3を介して、図2に示すようにエンジン2に取り付ける。その後、各補機を駆動するプーリ(図示せず)とテンションプーリ5に補機ベルト1を巻き掛ける。この段階ではオートテンショナ6が収縮状態に保持されているので、補機ベルト1には張力が付与されていない。その後、オートテンショナ6をさらに収縮させて固定具40を取り外す。これにより、ロッド10がシリンダ9から突出する方向に移動し、オートテンショナ6が伸張するので、補機ベルト1に張力が付与される。

0051

次に、このオートテンショナ6の動作例を説明する(図2図3参照)。
エンジン2の作動中、補機ベルト1の張力が小さくなると、補機ベルト1の張力とリターンスプリング13の付勢力がつり合う位置までロッド10がシリンダ9から突出し、補機ベルト1の弛みを吸収する。このとき、圧力室19内の圧力が低下してチェックバルブ22が開き、油通路21を通ってリザーバ室20から圧力室19に作動油が流れるので、ロッド10は速やかに移動する。

0052

一方、エンジン2の作動中に、補機ベルト1の張力が大きくなると、補機ベルト1の張力とリターンスプリング13の付勢力がつり合う位置までロッド10がシリンダ9内に押し込まれ、補機ベルト1の緊張を吸収する。このとき、圧力室19内の圧力が上昇してチェックバルブ22が閉じ、圧力室19内の作動油がリーク隙間23を通ってリザーバ室20に流出し、その作動油の粘性抵抗によってダンパ力が生じるので、ロッド10はゆっくりと移動する。

0053

第一実施形態に係るオートテンショナ6は、上述のようなものであり、テーパ面16、31と対面する傾斜状の係合片45、46の凹面47、48とテーパ面16、31とが周方向に幅をもって接触するため(図1(a)、(b)、図6(a)、(b)参照。)、くさび効果が緩和され、傾斜状の係合片45、46の拡径変形が抑えられ、固定具40が外れにくくなる。また、固定具40が前後方向に動こうとしても、その凹面47、48がテーパ面16、31に前後方向に引っ掛かるので、このことからも固定具40が外れにくくなる。したがって、オートテンショナ6は、シリンダ9のテーパ面16に接触する各係合片46、ばね座12のテーパ面31に接触する各係合片45について拡径変形を抑えて、固定具40が外れることを防止することができると共に、固定具40によって収縮状態のオートテンショナ6を強固に保持することができる。

0054

この発明の第二実施形態に係るオートテンショナを図8に基づいて説明する。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。図8に示すように、第二実施形態に係る固定具50は、対の側部42、43にそれぞれ設けられた傾斜状の係合片45、45同士、係合片46、46同士を繋ぐ補強部51をさらに有する。補強部51は、上側(ばね座側)の係合片45、45同士を繋ぐ部分52と、下側(シリンダ側)の係合片46、46同士を繋ぐ部分53とからなる。上側の部分52は、接続部44の上部に連続し、かつ上側の係合片45と同じ傾斜かつ高さで係合片45、45間に連続している。下側の部分53は、接続部44の下部に連続し、かつ下側の係合片46と同じ傾斜かつ高さで係合片46、46間に連続している。側部42、43は、凹面47、48の周方向中央部から前方に位置する範囲において前後方向に延びる板状になっている。この板状部分以外の側部42、43の残部と、接続部44と、補強部51とは、半円周状に連続している。

0055

くさび効果が作用する際、上側の各係合片45の拡径変形が係合片45、45同士を繋ぐ上側の部分52の抵抗によって防止され、下側の各係合片46の拡径変形が係合片46、46同士を繋ぐ下側の部分53の抵抗によって防止される。したがって、第二実施形態に係るオートテンショナは、テーパ面16、31(図4(a)参照。)に接触する係合片45、46の拡径変形を第一実施形態よりも抑えることができる。

0056

この発明の第三実施形態に係るオートテンショナを図9(a)〜図10に基づいて説明する。これら図示から明らかなように、第三実施形態に係る固定具60は、上下の係合片61、62から第二実施形態の凹面を省略した点でのみ相違するものである。第三実施形態に係るオートテンショナは、第二実施形態と同様、補強部の上下の部分52、53によって、テーパ面16、31に接触する各係合片61、62の拡径変形を抑えることができる。その変形防止性能は第二実施形態に比して劣ってしまうが、第三実施形態に係る固定具60は、凹面を加工する手間がない分、製造が容易となる。なお、上側の部分52や下側の部分53においてテーパ面16、31との接触部を設定し、前述のスプリング荷重を受けるように変更してもよい。

0057

この発明の第四実施形態に係るオートテンショナを図11図14に基づいて説明する。
図11図12(a)、(b)に示すように、第四実施形態に係る固定具70は、第三実施形態において、下側の係合片62の形状を変更した点でのみ相違するものである。すなわち、下側の係合片62は、前方側(開口側)の端部71で内側へ曲がっている。その係合片62の端部71は、テーパ面16の左右方向の直径上の端部から前方の部分において内側へ曲がっている。

0058

図12(b)中のXIII−XIII線の断面を図13に示し、図12(a)中のXIV−XIV線の断面を図14に示す。図11図13図14に示すように、下側の係合片62の端部71は、テーパ面16の左右方向の直径上の端部から前方側の部分に沿うように曲がっている。係合片62とテーパ面16との接触部は、テーパ面16の左右方向の直径上の端部から前方側の部分において、周方向に複数箇所又は連続的に存在する。このため、前述のスプリング荷重は、図12(a)に示す係合片62を左右方向のみに集中して押すように作用せず、径方向の複数方向に押すように作用する。したがって、係合片62において、くさび効果が緩和される。また、固定具70が前後方向に動こうとしても、係合片62の端部71がテーパ面16に引っ掛かるので、このことからも固定具70が外れにくくなる。したがって、第四実施形態に係るオートテンショナは、第三実施形態に比して、テーパ面16に接触する係合片62の拡径変形をより抑えると共に固定具70が外れることをより防止することができる。

0059

また、第四実施形態に係るオートテンショナは、シリンダ9とばね座12のうち、外径の小さい方であるシリンダ9のテーパ面16と対面する係合片62が端部71を有するので、外径の大きい方であるばね座12のテーパ面31に対面する係合片61の拡径変形を補強部の上側の部分52で抑えつつ、外径の小さい方のテーパ面16と対面する係合片62の拡径変形を補強部の下側の部分53と、内側へ曲がった端部71とにより、二重に抑えることができる。このため、固定具70が動き易くなる係合片62の拡径変形を特に防止することができる。

0060

今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、上述の凹面や、補強部や、内側へ曲がった端部は、左右両方の係合片にあってもよいし、左右片方の係合片のみにあってもよく、また、上下両方の係合片にあってもよいし、上下片方の係合片のみにあってもよい。また、シリンダの外径をばね座より大きくしてもよい。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0061

6オートテンショナ
9シリンダ
10ロッド
11油圧ダンパ機構
12ばね座
13リターンスプリング
14 一端部
15、26連結片
16、31テーパ面
25フランジ部
40、50、60、70固定具
41 開口
42、43 側部
44 接続部
45、46、61、62係合片
47、48 凹面
51補強部
52、53 部分
71 端部

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