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技術 炭素繊維束の開繊装置

出願人 ジャパンコンポジット株式会社
発明者 箱谷昌宏藤田啓邦
出願日 2016年5月12日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-096417
公開日 2017年11月16日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-203235
状態 特許登録済
技術分野 糸;糸またはロープの機械的な仕上げ 強化プラスチック材料
主要キーワード 縦方向ピッチ 横方向ピッチ 各含有成分 蒸気圧力調節弁 固定バー 圧力配管 一般炭 蒸気回路
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この項目の情報は公開日時点(2017年11月16日)のものです。
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図面 (4)

課題

安全に、しかも容易かつ効率的に、安定して炭素繊維束開繊することができる開繊装置を提供する。また、この開繊装置を用いた開繊炭素繊維の製造方法及び繊維強化成形材料の製造方法を提供する。

解決手段

炭素繊維束1を幅方向に開繊させる装置であって、該開繊装置は、炭素繊維束1が屈曲しながら通過するように配置された複数の繊維束触手段3a、3b、3cを有し、繊維束接触手段3aの少なくとも1以上は、その内部に蒸気又は液状の熱媒を通過又は保持させることによって加熱される炭素繊維束1の開繊装置。

概要

背景

炭素繊維は、低密度高弾性率であるため、強化繊維の中でも有用な材料であり、例えば樹脂マトリックス)を含浸させることで得た繊維強化成形材料として、電気電子用途、住宅用途、土木建築用途自動車用途航空機用途船舶用途等の様々な用途に広く利用されている。炭素繊維は通常、束(繊維束)の状態で存在するが、樹脂含浸性を高めるべく、炭素繊維束幅方向に薄く広く開繊させることが一般に行われている。

炭素繊維束の開繊技術としては、従来、流送される繊維束に気流を通過させる手法(特許文献1参照)や、繊維束を円柱体上で振動させる手法(特許文献2参照)、繊維束を突起間割り込ませて隣接する突起間の間隙を広げる手法(特許文献3参照)、セラミックヒーター等で予熱した繊維束を、適度な接触圧の下で複数のバーに接触させる手法(特許文献4参照)等が開発されている。

概要

安全に、しかも容易かつ効率的に、安定して炭素繊維束を開繊することができる開繊装置を提供する。また、この開繊装置を用いた開繊炭素繊維の製造方法及び繊維強化成形材料の製造方法を提供する。炭素繊維束1を幅方向に開繊させる装置であって、該開繊装置は、炭素繊維束1が屈曲しながら通過するように配置された複数の繊維束接触手段3a、3b、3cを有し、繊維束接触手段3aの少なくとも1以上は、その内部に蒸気又は液状の熱媒を通過又は保持させることによって加熱される炭素繊維束1の開繊装置。

目的

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、安全に、しかも容易かつ効率的に、安定して炭素繊維束を開繊することができる開繊装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

炭素繊維束幅方向開繊させる装置であって、該開繊装置は、炭素繊維束が屈曲しながら通過するように配置された複数の繊維束触手段を有し、該繊維束接触手段の少なくとも1以上は、その内部に蒸気又は液状の熱媒を通過又は保持させることによって加熱されることを特徴とする炭素繊維束の開繊装置。

請求項2

前記繊維束接触手段の加熱媒体は、絶対圧力で0.1〜2.0MPaに圧力制御された蒸気であることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維束の開繊装置。

請求項3

前記繊維束接触手段は、固定バー又は回転ロールであることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維束の開繊装置。

請求項4

前記加熱温度は、80〜200℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維束の開繊装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の開繊装置を用いることを特徴とする開繊炭素繊維の製造方法。

請求項6

熱硬化性樹脂組成物と炭素繊維とを含む繊維強化成形材料を製造する方法であって、該製造方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の開繊装置を用いて炭素繊維束を開繊する工程と、該開繊された炭素繊維を熱硬化性樹脂組成物に含浸させる工程とを含むことを特徴とする繊維強化成形材料の製造方法。

請求項7

前記熱硬化性樹脂組成物は、揮発性重合性単量体を含むことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、炭素繊維束開繊装置に関する。また、この開繊装置を用いる開繊炭素繊維の製造方法及び繊維強化成形材料の製造方法にも関する。

背景技術

0002

炭素繊維は、低密度高弾性率であるため、強化繊維の中でも有用な材料であり、例えば樹脂マトリックス)を含浸させることで得た繊維強化成形材料として、電気電子用途、住宅用途、土木建築用途自動車用途航空機用途船舶用途等の様々な用途に広く利用されている。炭素繊維は通常、束(繊維束)の状態で存在するが、樹脂含浸性を高めるべく、炭素繊維束を幅方向に薄く広く開繊させることが一般に行われている。

0003

炭素繊維束の開繊技術としては、従来、流送される繊維束に気流を通過させる手法(特許文献1参照)や、繊維束を円柱体上で振動させる手法(特許文献2参照)、繊維束を突起間割り込ませて隣接する突起間の間隙を広げる手法(特許文献3参照)、セラミックヒーター等で予熱した繊維束を、適度な接触圧の下で複数のバーに接触させる手法(特許文献4参照)等が開発されている。

先行技術

0004

特開平11−172562号公報
特開昭56−43435号公報
特開平10−121344号公報
特開2015−227019号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述したとおり、従来、炭素繊維束の開繊技術が種々開発されている。だが、特許文献1〜3の手法では設備費用が膨大となる他、特許文献1では気流や繊維のオーバーフィード量の制御も煩雑であり、いずれの手法でも容易かつ効率的に炭素繊維束を開繊することは困難である。また本発明者が検討を進めたところ、特許文献4のようにセラミックヒーター等の電気ヒーター電熱ヒーターとも称す)により加熱制御する場合、温度制御が煩雑で開繊品質が安定しないうえ、同設備内に揮発性物質が存在した場合に、電気ヒーターの火花や異常発熱により引火するリスクもあり、安全面にも課題がある。

0006

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、安全に、しかも容易かつ効率的に、安定して炭素繊維束を開繊することができる開繊装置を提供することを目的とする。また、この開繊装置を用いた開繊炭素繊維の製造方法及び繊維強化成形材料の製造方法を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、炭素繊維束を幅方向に開繊させる装置について種々検討するうち、炭素繊維束が屈曲しながら通過するように配置された複数の繊維束接触手段を有させ、その繊維束接触手段の少なくとも1以上を加熱制御する構成とすると、繊維束の開繊が容易になるとともに、設備費用が比較的安価になることを見いだした。だが一方で、繊維束接触手段と炭素繊維束との接触部で摩擦による発熱が生じやすいため、電気ヒーターによる加熱制御では、接触部と非接触部との温度ムラが生じやすく、開繊の品質が安定しないことを見いだした。しかも同設備内で樹脂組成物(マトリックス)の含浸工程を行う際に、電気ヒーターの火花や異常発熱により樹脂組成物の含有成分(特に揮発性物質)等に引火するリスクもあり、安全面にも課題がある。そこで更に検討を進めるうち、加熱制御を、繊維束接触手段の内部に蒸気又は熱媒を通過又は保持させることにより行うことにすると、連続開繊(連続加工)を行う場合でも、温度ムラや引火リスクが充分に抑制され、しかも装置内の温度が過剰に向上することも抑制されるため、安全で、かつ高効率で安定した開繊が実現されることを見いだした。このようにして上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち本発明は、炭素繊維束を幅方向に開繊させる装置であって、該開繊装置は、炭素繊維束が屈曲しながら通過するように配置された複数の繊維束接触手段を有し、該繊維束接触手段の少なくとも1以上は、その内部に蒸気又は液状の熱媒を通過又は保持させることによって加熱される炭素繊維束の開繊装置である。

0009

上記繊維束接触手段の加熱媒体は、絶対圧力で0.1〜2.0MPaに圧力制御された蒸気であることが好ましい。

0010

上記繊維束接触手段は、固定バー又は回転ロールであることが好ましい。

0011

上記加熱温度は、80〜200℃であることが好ましい。

0012

本発明はまた、上記開繊装置を用いる開繊炭素繊維の製造方法でもある。

0013

本発明は更に、熱硬化性樹脂組成物と炭素繊維とを含む繊維強化成形材料を製造する方法であって、該製造方法は、上記開繊装置を用いて炭素繊維束を開繊する工程と、該開繊された炭素繊維を熱硬化性樹脂組成物に含浸させる工程とを含む繊維強化成形材料の製造方法でもある。

0014

上記熱硬化性樹脂組成物は、揮発性重合性単量体を含むことが好ましい。

発明の効果

0015

本発明の炭素繊維束の開繊装置は、上述のような構成であるので、安全に、しかも容易かつ効率的に炭素繊維束を開繊することを可能にする。それゆえ、電気・電子用途、住宅用途、土木・建築用途、自動車用途、航空機用途、船舶用途等の様々な用途で多大な貢献をなすものである。

図面の簡単な説明

0016

本発明の開繊装置の好適な形態を概念的に示した図である。
本発明の開繊装置を用いてシート状成形材料SMC)を製造する方法(装置)を概念的に示した図である。図2中の開繊装置7の好適な形態が、図1に示す形態である。
実施例で用いた開繊装置における繊維束接触手段3a、3b、3cの配置を概念的に示した図である。

0017

1炭素繊維束
2開繊された炭素繊維(開繊炭素繊維)
3a、3b、3c繊維束接触手段
蒸気ドレイントラップ
蒸気圧力調節弁
クリール部(ボビン
7開繊装置
ロータリーカッター
9 切断された炭素繊維
10a、10bフィルムシート
11熱硬化性樹脂組成物(マトリックス)
12圧縮ロール
13巻取

0018

以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。

0019

〔開繊装置〕
以下では、本発明の開繊装置の好ましい形態を、図1を参照して説明する。図1中、1は、開繊対象の炭素繊維束である。この炭素繊維束1は、例えば図2で示されるクリール部から連続的に供給されるが、断続的に供給してもよい。開繊効率向上の観点では、連続供給することが好ましい。使用される炭素繊維束のフィラメント収束本数は特に限定されず、例えば1000本(1K)〜60000本(60K)であることが好ましく、炭素繊維束のコストや繊維強化成形材料の生産性を考慮すれば12000本(12K)〜60000本(60K)であることがさらに好ましい。

0020

炭素繊維束1は、複数の繊維束接触手段3(3a、3b、3c)に供給される。繊維束接触手段3は、炭素繊維束1が屈曲しながら通過するように配置されている。その際、繊維束接触手段3は、自在にその位置を変えられるような構造とすることが好ましく、繊維束にかかる張力と開繊効率を考慮して配置することが好ましい。炭素繊維束1は、繊維束接触手段3の表面に接しつつ連続して走行する。なお、繊維束接触手段3は、振動させてもよい。

0021

繊維束接触手段3の本数は、図1では3a、3b、3cの合計3本存在するが、複数本(2本以上)であれば特に限定されない。開繊効率向上の観点では3本以上であることが好ましく、開繊効率と設備費用とのバランスを考慮すると、10本以下であることが好ましい。

0022

繊維束接触手段3として具体的には、断面が、角にある程度の丸みを持つ多角形形状の固定バー、又は、軸を中心として回転可能な回転ロールであることが好ましく、これらを併用してもよい。回転ロールを使用する場合、駆動力が伝達して回転する駆動式ロールであってもよいし、駆動力の伝達のないフリー回転ロールであってもよい。回転ロールは、その断面が非対称な形状であってもよいし、偏芯回転体であってもよい。

0023

繊維束接触手段3の素材は特に限定されないが、加熱温度に耐えられ、かつ耐磨耗性を有するものが好ましい。例えば、ステンレス鋼セラミックス一般炭素鋼等が好適であり、繊維束接触手段3は、摩擦係数の調節等のために表面処理されていてもよい。

0024

繊維束接触手段3は、その少なくとも1以上が加熱されている。炭素繊維束には、通常、繊維束の集束性向上や樹脂組成物(マトリックス)との接着性等の観点から、油剤サイジング剤が付与されているが、加熱された繊維束接触手段3を通過することで、油剤やサイジング剤が軟化し、炭素繊維束1が開繊しやすくなる。

0025

加熱は、繊維束接触手段3の内部に蒸気又は熱媒を通過又は保持させることによって行う。その際、例えば蒸気を用いる場合(蒸気加熱)には、加熱した蒸気を、例えば減圧弁図1の蒸気圧力調節弁5等)を用いて適当な飽和蒸気まで減圧し、好ましくは後述の温度の飽和蒸気として、繊維束接触手段の内部に通過又は保持させることが好適である。これにより、繊維束接触手段を飽和蒸気の温度まで加熱することができる。また、外部で圧力調整を行った飽和蒸気を、蒸気配管(例えば、図1の蒸気ドレイントラップ4)を介して装置内に導入することが好ましい。

0026

本発明の開繊装置では、上記のとおり繊維束接触手段の内部に蒸気や熱媒を通過又は保持させることで加熱制御を行うことで、電気ヒーターによる加熱制御の場合に懸念される火花等を生じる危険が抑制され、また設備としても、蒸気や熱媒以上の温度となることもなく、安全な開繊を実現している。また、本発明による加熱制御では、加熱温度が安定する(蒸気や熱媒の温度に収束する)ため、連続加工を行ったり炭素繊維束の流速を高めたりした場合にも、繊維束接触手段の温度が安定し、よって開繊品質を高めることができる。これに対して電気ヒーターによる加熱制御を行う場合、ヒーターより供給される熱量を各部位の温度をセンサーで取得し個別に制御、調整することになると考えられるが、この場合は設備が煩雑になり、また摩擦による熱量が充分に大きい場合には、温度を下げることが困難になる。特に繊維束接触手段と炭素繊維束との摩擦によって所望の温度以上に接触部の温度が上昇した場合には、ヒーターへの通電調整により加熱を停止することしかできないため、安定した開繊品質が得られない。

0027

図1では、繊維束接触手段3の加熱媒体として蒸気を使用しているが、加熱媒体としては、蒸気の他、液状の熱媒を使用することもできる。液状の熱媒としては特に限定されず、例えば、水系(例えば温水不凍液)、油系(例えば、鉱物系または合成系熱媒油)や化成品系(例えばエチレングリコール)の熱媒が好適に使用される。

0028

加熱媒体として特に好ましくは蒸気であり、好ましくは絶対圧力で0.1〜2.0MPa、最も好ましくは0.1〜1.5MPaに圧力制御された蒸気である。圧力制御は、例えば図1に示すように蒸気圧力調節弁5を用いて行うことが好ましい。ここで、蒸気は、気体から液体に姿を変えることで対象物に熱を与える(凝集伝熱)ため、その温度は下がりにくい。中でも飽和蒸気は、圧力が決まれば温度が決まり、圧力は空間内で瞬時に変化するため、系内は同じ圧力になるとともに凝集した飽和水の温度も同じであるため、系内のどの伝熱面でも同温度で加熱することができる。それゆえ、加熱媒体として蒸気を用いると、各繊維束接触手段内又は蒸気回路が連続する複数の繊維束接触手段間での温度ムラが生じにくい。また、連続加工時に繊維束接触手段と炭素繊維束との接触部が摩擦により加熱されたとしても、蒸気圧が一定であれば接触部の伝熱面も一定温度を保とうとすることから、繊維束接触手段の温度が一定に保たれることになる。これらの観点から、加熱媒体として蒸気を用いることが特に好適である。

0029

加熱媒体の温度は、例えば、80〜200℃であることが好ましい。より好ましくは80〜160℃である。

0030

図1では、繊維束接触手段3a、3b、3cに蒸気圧力調節弁5及び蒸気ドレイントラップ4が連結されることで、全ての繊維束接触手段3が加熱されているが、繊維束接触手段は、そのうち少なくとも1つが加熱されていればよい。だが、開繊効率向上の観点では、全ての繊維束接触手段が加熱されていることが特に好ましい。なお、繊維束接触手段の表面温度(炭素繊維束が接触する面の温度)は、80〜200℃であることが好ましい。より好ましくは80〜160℃である。

0031

炭素繊維束1は、複数の繊維束接触手段3を通過することで開繊される。繊維束接触手段3を通過する炭素繊維束1の流速(線速)は、開繊効率等を考慮して適宜設定すればよく特に限定されないが、例えば、1〜100m/分とすることが好ましい。本発明では、電気ヒーター等による加熱制御とは異なり、繊維束接触手段3の内部に蒸気又は熱媒を通過又は保持させることによる加熱制御であるため、流速を高めた場合でも、繊維束接触手段と炭素繊維束との接触部と非接触部とで温度ムラが生じにくいうえ、火花や異常発熱が生じるおそれが充分に抑制されている。それゆえ、安全で安定した開繊を実現できる。流速は、より好ましくは5〜60m/分である。

0032

〔開繊炭素繊維の製造方法〕
上述した本発明の開繊装置を用いることで、開繊品質が安定した開繊炭素繊維2を容易かつ高効率で、しかも安全に得ることができる。このように上記開繊装置を用いる開繊炭素繊維の製造方法もまた、本発明の1つである。

0033

〔繊維強化成形材料の製造方法〕
上述した本発明の開繊装置を用いれば、熱硬化性樹脂組成物と炭素繊維とを含む繊維強化成形材料を容易かつ高効率で、しかも安全に得ることができる。また本発明の開繊装置を用いれば、開繊工程と、該開繊された炭素繊維を熱硬化性樹脂組成物に含浸させる含浸工程とを連続して行うことができるため、工業上有利である。このように、熱硬化性樹脂と炭素繊維とを含む繊維強化成形材料を製造する方法であって、上記開繊装置を用いて炭素繊維束を開繊する工程(開繊工程とも称す)と、該開繊された炭素繊維を熱硬化性樹脂組成物に含浸させる工程(含浸工程とも称す)とを含む製造方法もまた、本発明の1つである。必要に応じて更に他の工程を含んでいてもよい。なお、本発明の開繊装置を含む繊維強化成形材料の製造装置は、本発明の好ましい実施形態である。以下に、各工程について説明する。

0034

上記製造方法では、まず開繊工程を行う。開繊工程は、本発明の開繊装置を用いて炭素繊維束1を開繊する工程である。詳細は上述したとおりである。

0035

次に樹脂への含浸工程を行うが、必要に応じて開繊工程と含浸工程との間にその他の工程を含んでもよい。例えば、開繊された炭素繊維(開繊炭素繊維とも称す)を切断する工程を行うことが好ましい。これにより、炭素繊維が短繊維化されることにより含浸工程を経て得られる繊維強化成形材料に成形時の優れた流動性を付与することができる。この切断工程は、例えば図2に示すように、ロータリーカッター8を介して行うことができる。切断された繊維長切断長)は特に限定されず、例えば、5〜50mmとすればよい。

0036

含浸工程は、開繊炭素繊維を熱硬化性樹脂組成物に含浸させる工程である。すなわち開繊炭素繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸させる工程であり、ここでいう開繊炭素繊維には、ロータリーカッター等で切断された炭素繊維も包含される。

0037

含浸工程において、開繊炭素繊維の使用量は、例えば、開繊炭素繊維と熱硬化性樹脂組成物との総量100体積%に対し、5〜50体積%であることが好適である。これにより、充分な含浸状態を得ることができるとともに、繊維強化成形材料から形成される成形品において充分な機械的強度を発揮することができる。より好ましくは10〜45体積%である。

0038

マトリックスとして使用される熱硬化性樹脂組成物は、その粘度が100〜20000mPa・sであることが好ましい。これにより、作業性が向上する他、開繊炭素繊維への含浸性がより良好になり、開繊炭素繊維が樹脂組成物中でより安定して分散されるため、成形材料中の各成分に由来する効果がより充分に発揮される。より好ましくは150mPa・s以上、更に好ましくは200mPa・s以上であり、また、より好ましくは15000mPa・s以下、更に好ましくは10000mPa・s以下、特に好ましくは5000mPa・s以下である。
上記粘度は、25℃における粘度を意味し、ブルックフィールド粘度計を用いて測定することができる。

0039

開繊炭素繊維の含浸方法は特に限定されないが、例えば、開繊炭素繊維に熱硬化性樹脂組成物を直接含浸させる方法;離型処理が施されている紙又は樹脂フィルム等のシートに熱硬化性樹脂組成物を塗布した一対のシートで開繊炭素繊維を狭持し、これを加圧する方法;等が好適である。図2では、このうち後者の手法の好ましい形態を概念的に示した。

0040

図2では、クリール部6から連続的に供給された炭素繊維束1が、開繊装置7を経ることで開繊処理がなされた後、開繊炭素繊維2がロータリーカッター8で切断される。この切断された炭素繊維9が、ポリエチレンフィルム等のフィルム10a上に塗布された樹脂組成物(マトリックス)11上に散布され、更に樹脂組成物11を塗布したフィルム10bを被せ、一対の圧縮ロール12間を通過させることにより含浸処理が行われた後、巻取部13でロール状に巻き取られる。

0041

上述した本発明の製造方法を採用することで、熱硬化性樹脂組成物と炭素繊維とを含む繊維強化成形材料を、煩雑な操作及び高コストを必要とせずとも容易に、かつ安定的に低不良率で、しかも安全に生産することができる。繊維強化成形材料の形状は特に限定されず、シート状、バルク状等が挙げられる。すなわち繊維強化成形材料は、シートモールディングコンパウンド(SMC)、シックモールディングコンパウンド(TMC)等のシート状の成形材料、又は、バルクモールディングコンパウンドBMC)等のバルク状の成形材料であることが好ましい。中でも、シート状成形材料であることがより好ましく、SMCであることが更に好ましい。

0042

上記繊維強化成形材料がシート状成形材料である場合、その厚みは0.1〜10mmであることが好ましい。特に生産性の観点から、0.5〜4.0mmであることが好ましい。

0043

以下、本発明で使用する熱硬化性樹脂組成物について、更に説明する。熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むが、必要に応じて他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。各含有成分はそれぞれ1種又は2種以上を使用することができる。

0044

<熱硬化性樹脂>

熱硬化性樹脂は、ラジカル重合性オリゴマーラジカル重合性単量体とからなるものが好ましい。これらの質量比(ラジカル重合性オリゴマー/ラジカル重合性単量体)は特に限定されないが、粘性機械的特性、強化繊維への含浸性等を考慮すると、10〜90/10〜90(質量%)であることが好適である。より好ましくは30〜70/30〜70、更に好ましくは40〜60/40〜60である。

0045

上記ラジカル重合性オリゴマーとしては特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエステルビニルエステルポリエステルメタアクリレートウレタン(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を使用することが好ましい。中でも、靱性や機械的強度、耐熱性耐熱水性表面平滑性等の観点から、不飽和ポリエステル及び/又はビニルエステルが好適である。すなわち熱硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル樹脂及び/又はビニルエステル樹脂である形態は、本発明の好適な形態の1つである。

なお、不飽和ポリエステル樹脂とは、不飽和ポリエステルとラジカル重合性単量体とからなるものであり、ビニルエステル樹脂とは、ビニルエステルとラジカル重合性単量体とからなるものである。

0046

−不飽和ポリエステル−

上記不飽和ポリエステルは、例えば、多塩基酸多価アルコールとの反応により得られる化合物が好適である。この反応で使用される各原料は、それぞれ1種又は2種以上使用してもよい。また、ジシクロペンタジエン(DCPD)により変性されていてもよい。

0047

上記多塩基酸と多価アルコールとの反応では、これらの使用量比は特に限定されないが、例えば、多塩基酸100モル%に対し、多価アルコールを80〜120モル%とすることが好ましい。より好ましくは95〜110モル%である。

0048

上記反応は特に限定されず、通常の合成手段で行えばよい。一般には、加熱下で実施され、副生する水を除去しながら反応を進めることが好適である。具体的には、例えば、不活性ガス雰囲気下、トルエンキシレン等の水共沸溶剤シュウ酸スズ等のエステル化触媒の存在下又は非存在下に、120〜250℃の温度範囲に加熱し、所望の酸価又は粘度(分子量)となるまで脱水縮合する方法が好ましい。温度範囲としてより好ましくは、150〜220℃である。

0049

上記多塩基酸としては、不飽和多塩基酸飽和多塩基酸が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記不飽和多塩基酸としては、例えば、無水マレイン酸マレイン酸フマル酸アコニット酸イタコン酸等のα,β−不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ−不飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル;等が挙げられる。

0050

上記飽和多塩基酸としては、例えば、マロン酸コハク酸メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸;フタル酸イソフタル酸テレフタル酸トリメリット酸ピロメリット酸等の芳香族飽和多塩基酸;ヘット酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ダイマー酸等の脂環式飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル;等が挙げられる。

0051

上記多価アルコールとしては、例えば、グリコールジオールとも称す)や、エポキシ化合物が挙げられる。

グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルキル置換アルキレングリコール類ジエチレングリコールジプロピレングリコールトリエチレングリコール等のアルキレングリコール類の縮合物ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等のビスフェノール類等;トリメチロールプロパンモノアリルエーテルペンタエリスリトールジアリルエーテル等のアリル基含有アルコール類グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上のアルコール類;等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブチレンオキサイドアリルグリシジルエーテルグリシジル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのグリシジルエーテル類が挙げられる。

0052

−ビニルエステル−
上記ビニルエステルは、例えば、エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応により得られる化合物が好適である。この反応で使用される各原料は、それぞれ1種又は2種以上使用してもよい。上記反応は特に限定されず、通常の合成手段で行えばよい。

0053

上記エポキシ化合物と不飽和一塩基酸との反応では、これらの使用量比は特に限定されないが、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基100モル%に対し、不飽和一塩基酸のカルボキシル基当量が80〜150モル%となるような比率とすることが好ましい。より好ましくは、上記不飽和一塩基酸のカルボキシル基の当量が90〜110モル%となるような比率である。

0054

上記反応では、エステル化触媒を1種又は2種以上用いてもよい。エステル化触媒としては特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミントリブチルアミン等の三級アミントリメチルベンジルアンモニウム等の四級アンモニウム塩塩化リチウム塩化クロム等の無機塩;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物テトラフェニルホスフォニウムブロマイドテトラメチルホスフォニウムクライドジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド等のホスフォニウム塩トリフェニルホスフィントリトリルホスフィン等のホスフィン類テトラブチル尿素トリフェニルスチビン等が挙げられる。

0055

上記反応ではまた、必要に応じ、少量の重合禁止剤共存下で行ってもよい。これにより、反応工程の初期において生成した反応生成物や不飽和一塩基酸自体の重合反応が進行することが抑制されて、反応生成物のゲル化を抑制することが可能となる。重合禁止剤としては特に限定されず、例えば、4−メトキシフェノールハイドロキノンメチルハイドロキノンメトキシハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノンベンゾキノンカテコールナフテン酸銅銅粉等が挙げられる。

0056

上記反応は、必要に応じ、通常の溶媒希釈して行ってもよいし、必要に応じて酸素の存在下で行ってもよい。反応温度は特に限定されないが、80℃〜120℃であることが好適である。

0057

上記エポキシ化合物としては、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を含むものが好適である。例えば、ビスフェノール型エポキシ化合物ノボラック型エポキシ化合物、脂肪族型、脂環式、単環式エポキシ化合物、アミン型エポキシ化合物等が挙げられる。中でも、機械的強度、耐蝕性、耐熱性等の観点から、ビスフェノール型エポキシ化合物が好ましい。

0058

上記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールAD型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられる。ノボラック型エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、臭素化ノボラック型エポキシ化合物等が挙げられる。脂肪族型エポキシ化合物としては、水素添加ビスフェノールA型エポキシ化合物、プロピレングリコールポリグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。脂環式エポキシ化合物としては、アリサイクリックジエポキシアセタールジシクロペンタジエンジオキシドビニルヘキセンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。また、ビスフェノールA等のフェノール化合物や、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、液状ニトリルゴム等の二塩基酸により変性したエポキシ化合物を使用することもできる。

0059

上記不飽和一塩基酸としては、例えば、アクリル酸メタクリル酸クロトン酸桂皮酸ソルビン酸等のモノカルボン酸二塩基酸無水物と分子中に少なくとも一個不飽和基を有するアルコールとの反応物;等が挙げられる。二塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸無水フタル酸テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂肪族又は芳香族のジカルボン酸が挙げられる。不飽和基を有するアルコールとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら中でも、不飽和一塩基酸としては、熱性耐薬品性の観点から、炭素数が6以下のものが好ましい。より好ましくは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸である。

0060

−ラジカル重合性単量体−

ラジカル重合性単量体は、1分子中に1個以上の重合性基(好ましくは炭素炭素二重結合)を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、1分子中に1個の重合性基を有する化合物(「単官能化合物」とも称す)や、2個以上の重合性基を有する化合物(「多官能化合物」とも称す)のいずれも好適に使用できる。

0061

上記単官能化合物としては特に限定されず、例えば、スチレンα−メチルスチレンクロロスチレンジクロロスチレン、ブロモスチレンジブロモスチレン、ビニルトルエンジビニルベンゼンジアリルフタレートジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族系単量体;(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;等が挙げられる。これらは置換基を有していてもよく、置換基としては水酸基等が挙げられる。

0062

上記多官能化合物としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)クリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の炭素数2〜12を有するアルカンポリオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の炭素数3〜12を有するアルカンポリオールの、3価以上のポリ(メタ)アクリレート;ジアリルフタレート、ジアリルフタレートプレポリマートリアリルシアヌレート;等が挙げられる。これらは置換基を有していてもよく、置換基としては水酸基等が挙げられる。

0063

上記ラジカル重合性単量体の中でも、揮発性重合性単量体を用いると、本発明の開繊装置による効果をより確認できるため、好適である。すなわち上記熱硬化性樹脂組成物は、揮発性重合性単量体を含むことが好ましい。揮発性重合性単量体の中でも、特にスチレン系単量体が好ましく、スチレンモノマーが特に好ましい。

0064

<その他の成分>

上記熱硬化性樹脂組成物はまた、必要に応じて、熱可塑性樹脂充填材硬化剤硬化促進剤禁止剤離型剤内部離型剤とも称す)、顔料増粘剤等のその他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。

0065

〔成形品〕

本発明の製造方法で得られる繊維強化成形材料から形成される成形品は、例えば、電気・電子用途、住宅用途、土木・建築用途、自動車用途、航空機用途、船舶用途等の様々な用途に有用なものである。このように上記繊維強化成形材料から形成される成形品、及び、上記繊維強化成形材料を用いて成形品を形成する工程を含む成形品の製造方法は、本発明の好適な実施形態の1つである。

0066

以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を、それぞれ意味するものとする。

実施例

0067

実施例

図1の開繊装置を用いて、ZOLTEK社製の炭素繊維束1(商品名「PX35」、初期幅:15〜20mm)の開繊を行った。

その際、蒸気圧力調節弁5では、ゲージ圧を0.55MPa(絶対圧力:約0.45MPa)に調節した。繊維束接触手段3a、3b、3cとしては、外径34mm、厚さ3.4tの圧力配管炭素鋼鋼管外表面を表面粗さRmax=8μm程度に加工したものを使用した。この3本は、図3に示すように、3aと3cとの横方向ピッチが100mm、3aと3bとの間及び3cと3bとの間の縦方向ピッチが68mmとなるように調整して固定した。3a、3b、3cの表面温度は145±5℃であり、3a、3b、3cを通過する炭素繊維束の流速(線速)は20m/分であった。

得られた開繊炭素繊維2(開繊処理後の炭素繊維束)の幅は25〜30mmであった。

この開繊では、火花や異常発熱は生じず安全であり、容易かつ安定して開繊を行うことが可能であった。

なお、開繊に続いて、図2に示す装置を用い、スチレンモノマー等の揮発性重合性単量体を使用してSMCを製造したが、揮発性重合性単量体に引火することもなく、非常に安全で、しかも高効率で製造を行うことができた。

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