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技術 運転支援方法及び運転支援装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 武田裕也谷口弘樹
出願日 2016年5月12日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-096273
公開日 2017年11月16日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-202772
状態 特許登録済
技術分野 駆動装置の関連制御、車両の運動制御 パワーステアリング機構 走行状態に応じる操向制御
主要キーワード 機械的摩擦抵抗 基本指令 遊び範囲 特性速度 検出可否 ゲイン増加 基本ゲイン 後輪軸重
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月16日)のものです。
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図面 (14)

課題

目標走行軌道から離れるほど車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイールに付与する操舵反力を増加させる車両において、車両が目標走行軌道上を走行している間の運転者が意図しない操舵による操舵角の変動を抑制する。

解決手段

運転支援方法では、機械的に切り離された操向輪FL、5FRとステアリングホイール1aとを有する車両が目標走行軌道から外れ逸脱量が増加するほど、車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイール1aに付与する第1操舵反力を増加させる(S6、S10)。そして、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作の有無を判断する。運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断した場合(S20、S21)、その後の運転者による操舵操作を戻す方向へステアリングホイール1aに付与する第2操舵反力を増大させる(S6、S10、S23)。

概要

背景

ステアリングホイール転舵輪とが機械的に切り離されたステアバイワイヤ(SBW:Steer-By-Wire)を採用した車両を目標走行軌道上で走行させる技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の車両用操舵制御装置は、車両が目標走行軌道から離れるほど、目標走行軌道から離れる方向へ付与される運転者操舵操作に対する操舵反力を大きくする。

概要

目標走行軌道から離れるほど車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイールに付与する操舵反力を増加させる車両において、車両が目標走行軌道上を走行している間の運転者が意しない操舵による操舵角の変動を抑制する。運転支援方法では、機械的に切り離された操向輪FL、5FRとステアリングホイール1aとを有する車両が目標走行軌道から外れ逸脱量が増加するほど、車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイール1aに付与する第1操舵反力を増加させる(S6、S10)。そして、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作の有無を判断する。運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断した場合(S20、S21)、その後の運転者による操舵操作を戻す方向へステアリングホイール1aに付与する第2操舵反力を増大させる(S6、S10、S23)。

目的

本発明は、目標走行軌道から離れるほど車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイールに付与する操舵反力を増加させる車両において、車両が目標走行軌道上を走行している間の運転者が意図しない操舵による操舵角の変動を抑制することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ステアバイワイヤ式転舵機構を備える車両の運転支援方法であって、ステアリングホイール操舵操作に応じて操向輪転舵し、前記車両が目標走行軌道から外れ逸脱量を検出し、前記逸脱量が増加するほど、前記車両を前記目標走行軌道に戻す方向へ前記ステアリングホイールに付与する第1操舵反力を増加させ、前記ステアリングホイールの操舵操作の有無を判断し、前記ステアリングホイールの操舵操作が無いと判断した場合、前記ステアリングホイールへのその後の操舵操作に対して発生させる第2操舵反力を増加させる、ことを特徴とする運転支援方法。

請求項2

前記ステアリングホイールの操舵操作が無い期間が短い場合よりも、前記ステアリングホイールの操舵操作が無い期間が長い場合の前記第2操舵反力をより大きくすることを特徴とする請求項1に記載の運転支援方法。

請求項3

前記ステアリングホイールに加わる操舵トルク及び前記ステアリングホイールに生じる操舵角速度のいずれか一方に可変ゲインを乗じて前記第2操舵反力を決定し、前記ステアリングホイールの操舵操作が無い期間が短い場合より、前記ステアリングホイールの操舵操作が無い期間が長い場合の前記可変ゲインをより大きくする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援方法。

請求項4

前記ステアリングホイールの操舵操作が無いと判断し且つ前記第2操舵反力を増加させた後、前記ステアリングホイールの操舵操作が有る期間が短い場合よりも、前記ステアリングホイールの操舵操作が有る期間が長い場合の前記第2操舵反力をより小さくする、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転支援方法。

請求項5

前記ステアリングホイールに加わる操舵トルク及び前記ステアリングホイールに生じる操舵角速度のいずれか一方に可変ゲインを乗じて前記第2操舵反力を決定し、前記ステアリングホイールの操舵操作が有る期間が短い場合よりも、前記ステアリングホイールの操舵操作が有る期間が長い場合の前記可変ゲインをより小さくする、ことを特徴とする請求項4に記載の運転支援方法。

請求項6

前記ステアリングホイールの操舵操作が無いと判断した後に、前記ステアリングホイールに加わる操舵トルク及び前記ステアリングホイールに生じる操舵角速度のいずれか一方を検出した場合に、前記第2操舵反力を付与することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の運転支援方法。

請求項7

前記ステアリングホイールに付与する操舵反力を発生させる反力モータが生じる操舵トルクの方向と前記ステアリングホイールの操舵角の方向とが同じ場合に、前記ステアリングホイールの操舵操作が有ると判断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の運転支援方法。

請求項8

ステアバイワイヤ式の転舵機構を備える車両の運転支援装置であって、ステアリングホイールに対する操舵操作の有無を検出する操舵センサと、前記車両が目標走行軌道から外れる逸脱量を検出する走行状態センサと、ステアリングホイールの操舵操作に応じて操向輪を転舵し、前記逸脱量が増加するほど、前記車両を前記目標走行軌道に戻す方向へ前記ステアリングホイールに付与する第1操舵反力を増加させ、前記ステアリングホイールの操舵操作の有無を判断し、前記ステアリングホイールの操舵操作が無いと判断した場合、前記ステアリングホイールへのその後の操舵操作に対して発生させる第2操舵反力を増加させる、コントローラと、を備えることを特徴とする運転支援装置。

技術分野

0001

本発明は、運転支援方法及び運転支援装置に関する。

背景技術

0002

ステアリングホイール転舵輪とが機械的に切り離されたステアバイワイヤ(SBW:Steer-By-Wire)を採用した車両を目標走行軌道上で走行させる技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の車両用操舵制御装置は、車両が目標走行軌道から離れるほど、目標走行軌道から離れる方向へ付与される運転者操舵操作に対する操舵反力を大きくする。

先行技術

0003

特開2010−030504号公報

発明が解決しようとする課題

0004

車両が目標走行軌道から離れるほど操舵反力を大きくすると、車両が目標走行軌道上を走行している間の操舵反力が相対的に小さくなる。このため、車両が目標走行軌道上を走行しており運転者が操舵操作をしていないときに運転者が意図しない操舵がステアリングホイールに入力されると、目標走行軌道から離れて走行している場合に比べて操舵角が変動しやすくなる可能性がある。
本発明は、目標走行軌道から離れるほど車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイールに付与する操舵反力を増加させる車両において、車両が目標走行軌道上を走行している間の運転者が意図しない操舵による操舵角の変動を抑制することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明の一態様に係る運転支援方法では、ステアバイワイヤ式転舵機構を備える車両が目標走行軌道から外れ逸脱量が増加するほど、車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイールに付与する第1操舵反力を増加させる。そして、車両の運転者によるステアリングホイールの操舵操作の有無を判断する。運転者によるステアリングホイールの操舵操作が無いと判断した場合、ステアリングホイールへのその後の操舵操作に対して発生させる第2操舵反力を増加させる。

発明の効果

0006

本発明によれば、目標走行軌道から離れるほど車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイールに付与する操舵反力を増加させる車両において、車両が目標走行軌道上を走行している間の運転者が意図しない操舵による操舵角の変動を抑制できる。

図面の簡単な説明

0007

運転支援装置を搭載した車両の操舵系の構成例を表すブロック図である。
操舵感ゲイン設定部の構成例を表すブロック図である。
転舵制御部の構成例を表すブロック図である。
レーンキープ(LK)指令転舵角演算部の構成例を表すブロック図である。
第1反発力演算部の構成例を表すブロック図である。
第2反発力演算部の構成例を表すブロック図である。
反力制御部の構成例を表すブロック図である。
オフセット量演算部の構成例を表すブロック図である。
反力トルク補正値演算部の構成例を表すブロック図である。
横位置に応じた反力N_THWの演算に用いる横位置−反力マップの一例の説明図である。
車線到達時間に応じた反力N_TLCの演算に用いる車線到達時間−反力マップの一例の説明図である。
運転支援方法の一例の全体を表すフローチャートである。
操舵感応ゲインの設定処理の一例を表すフローチャートである。

実施例

0008

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を参照する。本実施形態に係る運転支援装置を搭載した車両は、操舵部1と、転舵部2と、バックアップクラッチ3と、SBWコントローラ4とを備える。車両は、運転者の操舵入力受け付ける操舵部1と、転舵輪である左右前輪FL、5FRを転舵する転舵部2とが機械的に切り離されたSBW式の転舵機構を備える。

0009

操舵部1は、ステアリングホイール1aと、コラムシャフト1bと、操舵トルクセンサ1cと、反力モータ1dと、反力モータ駆動回路1eと、操舵角センサ1f、電流センサ1gを備える。
ステアリングホイール1aは、運転者の操舵入力を受けて回転する。
コラムシャフト1bは、ステアリングホイール1aと一体に回転する。
操舵トルクセンサ1cは、ステアリングホイール1aからコラムシャフト1bに伝達する操舵トルクを検出する。この操舵トルクセンサ1cは、例えばトーションバー捩れ角変位ポテンショメータで検出することで操舵トルクを検出する。操舵トルクセンサ1cは、検出した操舵トルクをSBWコントローラ4に出力する。

0010

反力モータ1dは、コラムシャフト1bと同軸上に配置された出力軸を有する。反力モータ1dは、反力モータ駆動回路1eから出力される指令電流に応じて、ステアリングホイール1aに付与する操舵反力トルクをコラムシャフト1bに出力する。
反力モータ駆動回路1eは、電流センサ1gが検出した反力モータ1dの電流値から推定される実際の操舵反力トルクと、SBWコントローラ4から出力される指令操舵反力トルクとを一致させるトルクフィードバックにより、反力モータ1dへ出力する指令電流を制御する。
操舵角センサ1fは、コラムシャフト1bの回転角、すなわち、ステアリングホイール1aの操舵角(ハンドル角度)を検出する。そして、操舵角センサ1fは、検出した操舵角をSBWコントローラ4に出力する。

0011

転舵部2は、ピニオンシャフト2aと、ステアリングギア2bと、転舵モータ2cと、転舵モータ駆動回路2dと、転舵角センサ2eと、ラックギア2fと、ラック2gを備える。
ステアリングギア2bは、ピニオンシャフト2aの回転に応じて、左右前輪5FL、5FRを転舵する。ステアリングギア2bとして、例えば、ラック・アンドピニオン式のステアリングギア等を採用してよい。

0012

転舵モータ2cは、減速機を介してラックギア2fと接続される出力軸を有する。転舵モータ2cは、転舵モータ駆動回路2dから出力される指令電流に応じて、左右前輪5FL、5FRを転舵するための転舵トルクをラック2gに出力する。例えば、転舵モータ2cは、ブラシレスモータ等でよい。
転舵角センサ2eは、転舵モータ2cの回転角を検出し、検出した回転角に基づいて左右前輪5FL、5FRの転舵角を検出する。
転舵モータ駆動回路2dは、転舵角センサ2eにより検出される実際の転舵角とSBWコントローラ4からの指令転舵角とを一致させる角度フィードバックにより、転舵モータ2cへの指令電流を制御する。

0013

バックアップクラッチ3は、コラムシャフト1bとピニオンシャフト2aとの間に設けられる。そして、バックアップクラッチ3は、解放状態になると操舵部1と転舵部2とを機械的に切り離し、締結状態になると操舵部1と転舵部2とを機械的に接続する。
さらに車両は、カメラ6と、車速センサ7を備える。
カメラ6は、車両前方走行路の画像を検出する。カメラ6は、検出した画像をSBWコントローラ4に出力する。
車速センサ7は、車両の車速を検出する。車速センサ7は、検出した車速をSBWコントローラ4に出力する。

0014

SBWコントローラ4は、操舵角センサ1f、操舵トルクセンサ1c、電流センサ1g、カメラ6、車速センサ7からそれぞれ出力された操舵角、操舵トルク、反力モータ1dの電流値、車両前方の走行路の画像、車速を受信する。例えば、SBWコントローラ4は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のCPU周辺部品とを含む電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)等であってよい。
SBWコントローラ4は、コントローラエリアネットワーク(CAN:Controller Area Network)バスを介して、操舵角、操舵トルク、反力モータ1dの電流値、走行路の画像、車速を受信してもよい。

0015

SBWコントローラ4は、画像処理部11と、車両状態設定部12と、制御状態設定部13と、転舵制御部14と、反力制御部15を備える。SBWコントローラ4が備えるCPUは、記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、画像処理部11、車両状態設定部12、制御状態設定部13、転舵制御部14、及び反力制御部15により行われる下記の処理を実行する。
なお、画像処理部11、車両状態設定部12、制御状態設定部13、転舵制御部14、及び反力制御部15は、はそれぞれ独立した回路又は装置であってもよい。

0016

画像処理部11は、カメラ6から取得した車両前方の走行路の映像に対してエッジ抽出等の画像処理を行うことにより、車両が走行する走行車線の左右の走行路区分線、すなわち道路白線を検出する。なお、実際には、走行路区分線は、黄線や破線でもよい。
また、道路白線が存在しない又は検出し難い場合には、道路白線の代わりに、路肩縁石側溝ガードレール防護柵防音壁擁壁中央分離帯等を、走行路区分線として検出するようにしてもよい。
画像処理部11は、走行車線の左右の走行路区分線の検出結果を車両状態設定部12及び反力制御部15に出力する。以下、走行車線の左右の走行路区分線の検出結果を「白線情報」と表記することがある。
また、画像処理部11は、走行路区分線の検出可否の判定結果を制御状態設定部13へ出力する。

0017

車両状態設定部12は、CANバスを経由して操舵トルク、反力モータ1dの電流値、車速、ウインカ作動信号を受信する。また、車両状態設定部12は、画像処理部11から白線情報を受信する。
車両状態設定部12は、操舵トルク、反力モータ1dの電流値、車速、ウインカ作動信号、白線情報に基づき、転舵制御部14による転舵制御、反力制御部15による操舵反力制御車線維持(レーンキープ(LK:Lane Keep))支援制御に用いる下記変数を算出する。

0018

転舵制御では、運転者により操舵操作されるステアリングホイール1aの操舵角及び操舵角速度に応じて転舵角が制御される。
操舵反力制御では、操舵角又は転舵角に応じてステアリングホイール1aへ付与する操舵反力が制御される。
LK支援制御では、転舵制御部14が、運転者により操舵操作されるステアリングホイール1aの操舵角及び操舵角速度に加えて、車両の横位置及びヨー角に応じて転舵角を制御し、車両を目標走行軌道に戻す方向へ操向輪を転舵させる。目標走行軌道は、例えば車両が走行する走行車線の中央であってもよく、中央から所定距離だけ離れた軌道であってもよい。

0019

ここで車両の横位置として、車両が現在位置から所定の遅延時間(例えば0.5秒)だけ前方へ走行した場合に到達する予定位置と目標走行軌道との間の横方向の距離を用いてよい。またヨー角として、所定の遅延時間経過時における道路白線と車両の進行方向とのなすヨー角を用いる。
以下の説明において、車両が所定の遅延時間だけ前方に走行した場合の移動距離を「予定走行距離」と表記することがある。また、車両が現在位置から所定の遅延時間だけ前方へ走行した場合、すなわち現在位置から予定走行距離だけ走行した場合に到達する予定位置を「予定到達位置」と表記することがある。また、予定到達位置との目標走行軌道との間の横方向距離を単に「横位置」と表記する。

0020

LK支援制御では、車両が目標走行軌道から外れると、車両を目標走行軌道に戻す方向の第1操舵反力がステアリングホイール1aへ付与される。反力制御部15は、車両の横位置及び車線到達時間の少なくとも一方に応じて、車両が目標走行軌道から外れる逸脱量が増加するほど第1操舵反力を増大させる。ここで車線到達時間とは、車両が道路白線まで到達するのに要する時間である。
車両が目標走行軌道上を走行しており運転者による操舵操作がない場合には、第1操舵反力が小さくなる。このため、例えば車両が路面の凹凸小石などの上を走行する等により車体が揺れ、運転者の姿勢の変化により運転者が意図しない操舵がステアリングホイール1aに入力されると操舵角が変動しやすくなる可能性がある。

0021

そこで、LK支援制御において反力制御部15は、運転者による操舵操作がなくなり車両が定常走行した場合に、その後の運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作に対して、この操舵操作を戻す方向の第2操舵反力をステアリングホイール1aに発生させる。
第2操舵反力を発生させることにより、運転者による操舵操作がなく第1操舵反力が小さい状態で運転者が意図しない操舵操作が行われても、この操舵操作を戻す方向に操舵反力が付与されるので操舵角の変動を抑制できる。
反力制御部15は、運転者による操舵操作がない期間が短い場合よりも操舵操作がない期間が長い場合の第2操舵反力が大きくなるように、第2操舵反力を増大させてもよい。

0022

車両状態設定部12は、ゲイン算出部12aと、ヨー角演算部12bと、横位置演算部12cと、車線到達時間演算部12dと、操舵意図判定部12eと、操舵操作判定部12fと、操舵感応ゲイン設定部12gを備える。
ゲイン算出部12aは、第1車速感応ゲイン、第2車速感応ゲイン、第3車速感応ゲイン、第4車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲイン、第1車速感応レートリミッタ及び第2車速感応レートリミッタを算出する。
第1車速感応ゲインは、LK支援制御において車両の横位置に応じて変化させる転舵角の変化量を、車速に応じて増減させるゲインである。

0023

第2車速感応ゲインは、LK支援制御において所定の遅延時間経過時におけるヨー角に応じて変化させる転舵角の変化量を、車速に応じて増減させるゲインである。
第3車速感応ゲインは、ステアリングホイール1aの操舵角速度に応じて変化させる転舵角の変化量を、車速に応じて増減させるゲインである。
第4車速感応ゲインは、LK支援制御において車両の横位置及び車線到達時間の少なくとも一方に応じてステアリングホイール1aに与える第1操舵反力を、車速に応じて増減させるゲインである。
ゲイン算出部12aは、予め定めた車速と第1〜4車速感応ゲインとの間の関係をそれぞれ定める車速感応ゲインマップに基づいて、第1〜4車速感応ゲインをそれぞれ算出する。例えば、車速感応ゲインマップは、車速がゼロから第1車速閾値の間でゲインが最大値となり、第1車速閾値から第2車速閾値まで車速が大きくなるほど減少し、車速が第2車速閾値で最小値(例えば0)となるマップであってよい。

0024

ウインカ作動に応じたゲインは、LK支援制御において車両の横位置及び所定の遅延時間経過時のヨー角に応じて転舵角に与える変化量と、車両の横位置及び車線到達時間に応じて与える第1操舵反力と、をウインカ作動時に抑制するゲインである。
ウインカ作動に応じたゲインは、例えばウインカが作動を開始してから一定時間(例えば3秒)経過後に0になる。

0025

第1車速感応レートリミッタは、LK支援制御において変化させる転舵角の変化速度を制限する上限値であり、第2車速感応レートリミッタは、LK支援制御において変化させる操舵反力の変化速度を制限する上限値である。車両状態設定部12は、車速が低い場合よりも車速が高い場合のこれらの上限値を小さく設定する。
ゲイン算出部12aは、第1〜3車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲイン、及び第1車速感応レートリミッタを転舵制御部14へ出力する。
ゲイン算出部12aは、第4車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲイン、及び第2車速感応レートリミッタを反力制御部15へ出力する。

0026

ヨー角演算部12bは、画像処理部11が出力した白線情報に基づいて道路白線と車両の進行方向とがなすヨー角を演算する。また、ヨー角演算部12bは、白線情報と車両に発生するヨーレートに基づいて、所定の遅延時間経過時のヨー角を演算する。ヨー角演算部12bは、演算したヨー角を横位置演算部12c及び車線到達時間演算部12dへ出力する。またヨー角演算部12bは、所定の遅延時間経過時のヨー角を転舵制御部14へ出力する。
横位置演算部12cは、車両の横位置を演算する。横位置演算部12cは、所定の遅延時間に車速を乗じて予定走行距離を算出する。横位置演算部12cは、予定走行距離にヨー角を乗じて、目標走行軌道からの距離に加算することにより横位置を算出する。横位置演算部12cは、演算した横位置を転舵制御部14及び反力制御部15へ出力する。

0027

車線到達時間演算部12dは、車線到達時間を演算する。車線到達時間演算部12dは、車速にヨー角を乗じて横方向速度を算出する。車線到達時間演算部12dは、道路白線までの距離を横方向速度で除算することにより車線到達時間を算出する。横位置演算部12cは、演算した車線到達時間を、反力制御部15へ出力する。
操舵意図判定部12eは、操舵トルクセンサ1cが検出した操舵トルクに応じて運転者の操舵意図の有無を判定する。例えば操舵意図判定部12eは、操舵トルクが閾値以上である場合に操舵意図があると判定し、操舵トルクが閾値未満である場合に操舵意図がないと判定する。操舵意図判定部12eは、操舵意図の判定結果を制御状態設定部13に出力する。

0028

操舵操作判定部12fは、運転者による操舵操作が有るか否か、すなわち車両が定常走行していないか定常走行しているかを判定する。
例えば、操舵操作判定部12fは、CANバスを経由して、電流センサ1gが検出した反力モータ1dの電流値を受信し、受信した電流値に基づき反力モータ1dが発生させる操舵トルクの方向を判断してよい。
操舵操作判定部12fは、反力モータ1dが発生させる操舵トルクの方向とステアリングホイール1aの操舵角の方向とが同じである場合に、運転者による操舵操作が有ると判定してよい。操舵操作判定部12fは、反力モータ1dによる操舵トルクの方向との操舵角の方向とが同じでない場合に、運転者による操舵操作が無いと判定してよい。

0029

また操舵操作判定部12fは、反力モータ1dによる操舵トルクの方向と操舵角の方向が同じであり、かつ操舵トルクが所定値以上である場合に、運転者による操舵操作が有ると判定してよい。この所定値は、例えばステアリングホイール1aの回転に対して抵抗する操舵部1の機械的摩擦抵抗トルクであってよい。操舵操作判定部12fは、反力モータ1dによる操舵トルクの方向と操舵角の方向が反対であるか、操舵トルクが所定値未満である場合に、運転者による操舵操作が無いと判定してよい。
操舵操作判定部12fは、運転者による操舵操作の判定結果を操舵感応ゲイン設定部12gに出力する。

0030

操舵感応ゲイン設定部12gは、運転者による操舵操作の判定結果を操舵操作判定部12fから受信する。操舵感応ゲイン設定部12gは、運転者による操舵操作の有無に応じて操舵感応ゲインを設定する。操舵感応ゲインは、LK支援制御において運転者による操舵操作がなくなり車両が定常走行した場合に、その後に行われる運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作を戻す方向に付与する第2操舵反力を増減するゲインである。

0031

図2を参照する。操舵感応ゲイン設定部12gは、ゲイン低減部80及びゲイン増加部81を備える。ゲイン増加部81は、操舵操作判定部12fから運転者による操舵操作の判定結果を受信する。ゲイン増加部81は、運転者による操舵操作が無い場合に、操舵感応ゲインを現在の値から漸増させる。ゲイン増加部81は、操舵感応ゲイン設定部12gが前回設定した操舵感応ゲインを、所定周期毎に所定増加幅Δ2ずつ増加させる加算器84と、操舵感応ゲインの上限を制限する上限リミッタ85を備える。

0032

すなわち、ゲイン増加部81は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無い期間が短い場合より、操舵操作が無い期間が長い場合の操舵感応ゲインをより大きくする。これによりゲイン増加部81は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無い期間が短い場合よりも、操舵操作が無い期間が長い場合の第2操舵反力をより大きくする。

0033

ゲイン低減部80は、操舵操作判定部12fから運転者による操舵操作の判定結果を受信する。ゲイン低減部80は、運転者による操舵操作がある場合に、操舵感応ゲインを現在の値から漸減させる。ゲイン低減部80は、操舵感応ゲイン設定部12gが前回設定した操舵感応ゲインを、所定周期毎に所定低減幅Δ1ずつ低減する減算器82と、操舵感応ゲインの下限を制限する下限リミッタ83を備える。

0034

すなわち、ゲイン低減部80は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断し且つ第2操舵反力を増加させた後、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が有る期間が短い場合よりも、操舵操作が有る期間が長い場合の操舵感応ゲインをより小さくする。これによりゲイン低減部80は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が有る期間が短い場合よりも、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が有る期間が長い場合の第2操舵反力をより小さくする。

0035

なお、例えば操舵感応ゲインの上限は1024であってく下限は0であってよい。ただし、操舵感応ゲインの範囲はこれに制限されない。
また、所定低減幅Δ1と所定増加幅Δ2は同じであっても異なっていてもよい。所定低減幅Δ1は所定増加幅Δ2よりも大きくてもよい。運転者による操舵操作が有る場合における操舵感応ゲインの減少速度、すなわち単位時間当たりの低減量は、運転者による操舵操作が無い場合における操舵感応ゲインの増加速度、すなわち単位時間当たりの増加量よりも大きくてよい。例えば、所定低減幅Δ1と所定増加幅Δ2はそれぞれ「5」及び「2」であってよい。

0036

所定低減幅Δ1を所定増加幅Δ2より大きくすることによって、運転者の意図しない突発的な操舵操作があった瞬間には第2操舵反力を発生させる一方で、運転者が意図して連続する操舵操作を行えば速やかに第2操舵反力を低減させることができる。これにより、第2操舵反力による操舵フィーリングの低下を防止できる。
また、所定増加幅Δ2を所定低減幅Δ1より小さくすることによって、運転者による操舵操作が短期間なくても第2操舵反力が大きくならず、第2操舵反力による操舵フィーリングの低下を防止できる。
操舵感応ゲイン設定部12gは、操舵感応ゲインを反力制御部15へ出力する。

0037

図1を参照する。制御状態設定部13は、CANバスを経由して車速、ウインカ作動信号、横加速度の検出信号SBWシステム異常検知信号、ブレーキランプ点灯信号、レーンキープスイッチのオンオフ信号を受信する。また、制御状態設定部13は、CANバスを経由してビークルダイナミクスコントロール(VDC:Vehicle Dynamics Control)作動信号、及びアンチロックブレーキシステム(ABS:Antilock Brake System)作動信号を受信する。また、制御状態設定部13は、白線情報及び走行路区分線の検出可否の判定結果を画像処理部11から受信する。さらに、制御状態設定部13は、運転者の操舵意図の判定結果を操舵意図判定部12eから受信する。

0038

制御状態設定部13は、下記のLK支援制御許可条件(A1)〜(A10)が全て満たされる場合にLK支援制御フラグをオンに設定する。制御状態設定部13は、下記のLK支援制御許可条件(A1)〜(A10)のいずれかが満たされない場合にLK支援制御フラグをオフに設定する。
(A1)レーンキープスイッチがオンである。
(A2)走行車線の左右の走行路区分線が検出されている。
(A3)車速が閾値以上である。
(A4)ウインカが作動していない。
(A5)SBWシステムの異常が検知されていない。
(A6)道路曲率が閾値よりも小さい。
(A7)横加速度が閾値より小さい。
(A8)VDC及びABSのいずれも動作していない。
(A9)ブレーキランプが点灯していない。
(A10)運転者の操舵意図がある。
制御状態設定部13は、LK支援制御フラグを転舵制御部14及び反力制御部15へ出力する。

0039

転舵制御部14は、CANバスを経由して操舵角及び車速を受信する。また、転舵制御部14は、ゲイン算出部12aから、第1〜第3車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲイン、並びに第1車速感応レートリミッタを受信する。さらに転舵制御部14は、横位置演算部12c及びヨー角演算部12bからそれぞれ車両の横位置及び所定の遅延時間経過時のヨー角を受信する。

0040

転舵制御部14は、受信したこれらの情報に基づいて、左右前輪5FL、5FRの転舵角を制御する指令を算出する。
LK支援制御フラグがオフである場合、転舵制御部14は、操舵角と操舵角速度に基づき算出した基本指令転舵角を指令転舵角として転舵モータ駆動回路2dへ出力する。すなわち、転舵制御部14は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作に応じて操向輪である左右前輪5FL、5FRを転舵する。

0041

LK支援制御フラグがオンである場合、転舵制御部14は、車両の横位置及び所定の遅延時間経過時のヨー角に応じて、車両を目標走行軌道に戻す方向へ転舵させるLK指令転舵角を演算する。転舵制御部14は、LK指令転舵角を基本指令転舵角に加えて得られる指令転舵角を転舵モータ駆動回路2dへ出力する。
すなわち、転舵制御部14は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作に応じて左右前輪5FL、5FRを転舵するとともに、車両を目標走行軌道に戻す方向へ左右前輪5FL、5FRを転舵する。転舵制御部14の詳細は後述する。

0042

反力制御部15は、CANバスを経由して操舵角、車速、操舵トルクを受信する。また、反力制御部15は、ゲイン算出部12aから、第4車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲイン、並びに第2車速感応レートリミッタを受信する。さらに転舵制御部14は、画像処理部11、横位置演算部12c、車線到達時間演算部12d、及び操舵感応ゲイン設定部12gから、それぞれ白線情報、横位置、車線到達時間、及び操舵感応ゲインを受信する。

0043

反力制御部15は、受信したこれらの情報に基づいて、コラムシャフト1bに付与する操舵反力トルクを制御する指令操舵反力トルクを算出する。
LK支援制御フラグがオフである場合、反力制御部15は、操舵角又は転舵角に応じてラック軸力を演算し、ラック軸力に基づいて演算した目標反力トルクを指令操舵反力トルクとして反力モータ駆動回路1eに出力する。
LK支援制御フラグがオンである場合、反力制御部15は、操舵角又は転舵角に応じて演算したラック軸力を、車速と道路曲率とに応じてオフセットすることにより、道路曲率に応じて操舵角を保持するための反力を発生させる。反力制御部15は、オフセット後のラック軸力に基づき目標反力トルクを演算する。

0044

また、反力制御部15は、横位置、車線到達時間に応じて目標反力トルクを補正することにより、車両を目標走行軌道に戻す方向の第1操舵反力を発生させる。反力制御部15は、運転者による操舵操作が無くなった場合に、操舵トルク及び操舵感応ゲインに応じて目標反力トルクを補正することによりその後の操舵操作を戻す方向に付与する第2操舵反力を発生させる。
反力制御部15は、補正後の目標反力トルクを指令操舵反力トルクとして反力モータ駆動回路1eに出力する。反力制御部15の詳細は後述する。

0045

図3を参照する。転舵制御部14は、ゲイン乗算部20と、操舵角速度演算部21と、微分ステアゲイン乗算部22と、LK指令転舵角演算部23と、乗算器24と、加算器25を備える。
ゲイン乗算部20は、操舵角センサ1fが検出した操舵角にゲインを乗じて加算器25へ出力する。
操舵角速度演算部21は、操舵角センサ1fが検出した操舵角に基づきステアリングホイール1aの操舵角速度を演算し、微分ステアゲイン乗算部22へ出力する。微分ステアゲイン乗算部22は、操舵角速度に微分ステアゲインを乗じて乗算器24へ出力する。乗算器24は、微分ステアゲイン乗算部22の演算結果に第3車速感応ゲインを乗じて加算器25へ出力する。

0046

LK指令転舵角演算部23は、車速、車両の横位置、所定の遅延時間経過時のヨー角、ウインカ作動に応じたゲイン、第1及び第2車速感応ゲイン、並びに第1車速感応レートリミッタを受信する。LK指令転舵角演算部23は、受信したこれらの情報に基づいて車両を目標走行軌道に戻す方向へ転舵させるLK指令転舵角を演算する。LK指令転舵角演算部23は、LK指令転舵角を加算器25へ出力する。

0047

LK支援制御フラグがオフである場合、加算器25は、ゲイン乗算部20の演算結果及び乗算器24の演算結果を加えて基本指令転舵角を算出し、算出した基本指令転舵角を指令転舵角として転舵モータ駆動回路2dへ出力する。
LK支援制御フラグがオンである場合、加算器25は、ゲイン乗算部20の演算結果、乗算器24の演算結果及びLK指令転舵角を加えて指令転舵角を算出し、転舵モータ駆動回路2dへ出力する。

0048

図4を参照する。LK指令転舵角演算部23は、第1反発力演算部40と、第2反発力演算部と、加算器42と、目標ヨーモーメント演算部43と、目標ヨー加速度演算部44と、目標ヨーレート演算部45と、指令転舵角演算部46と、リミッタ処理部47を備える。
第1反発力演算部40は、車両の横位置、第1車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲインを受信する。第1反発力演算部40は、受信したこれら情報に基づいて横位置フィードバック制御を行う。

0049

横位置フィードバック制御では、外乱により発生した車両の横位置の変化を低減するための車両の反発力を算出する。以下、この反発力を「横位置に応じた反発力」と表記することがある。これにより、横位置フィードバック制御では、車両の横位置に基づいて車両が走行車線の中央方向、つまり、横位置が低減する方向へ左右前輪5FL、5FRの転舵角を制御する。そして、第1反発力演算部40は、演算結果を加算器42に出力する。
図5を参照する。第1反発力演算部40は、ゲイン乗算部40aと乗算器40bを備える。ゲイン乗算部40aは、車両の横位置に基本ゲインを乗じて演算結果を乗算器40bへ出力する。
乗算器40bは、ゲイン乗算部40aの演算結果と、第1車速感応ゲインと、ウインカ作動に応じたゲインを乗じて、横位置に応じた反発力を演算する。

0050

図4を参照する。第2反発力演算部41は、所定の遅延時間経過時のヨー角、第2車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲインを受信する。第2反発力演算部41は、受信したこれら情報に基づいてヨー角フィードバック制御を行う。ヨー角フィードバック制御では、外乱により発生したヨー角を低減するための車両の反発力を算出する。以下、この反発力を「ヨー角に応じた反発力」と表記することがある。これにより、ヨー角フィードバック制御では、車両のヨー角に基づいてこのヨー角が低減する方向へ左右前輪5FL、5FRの転舵角を制御する。そして、第2反発力演算部41は、算出結果を加算器42に出力する。

0051

図6を参照する。第2反発力演算部41は、ゲイン乗算部41aと乗算器41bを備える。ゲイン乗算部41aは、所定の遅延時間経過時のヨー角に基本ゲインを乗じて演算結果を乗算器41bへ出力する。
乗算器41bは、ゲイン乗算部41aの演算結果と、第2車速感応ゲインと、ウインカ作動に応じたゲインを乗じて、ヨー角に応じた反発力を演算する。

0052

図4を参照する。加算器42は、横位置に応じた反発力とヨー角に応じた反発力との和である横方向反発力を演算する。加算器42は横方向反発力を目標ヨーモーメント演算部43に出力する。
目標ヨーモーメント演算部43は、加算器42が出力した横方向反発力に基づいて、目標ヨーモーメントを算出する。具体的には、目標ヨーモーメント演算部43は、横方向反発力、ホイールベースHEELBASE後輪軸重、及び前輪軸重に基づき、下記の式(1)式に従って目標ヨーモーメントM*を算出する。そして、目標ヨーモーメント演算部43は、算出結果を目標ヨー加速度演算部44に出力する。
M*=横方向反発力×(後輪軸重/(前輪軸重+後輪軸重))×WHEELBASE ……(1)

0053

目標ヨー加速度演算部44は、目標ヨーモーメント演算部43が出力した目標ヨーモーメントM*に基づいて、目標ヨー加速度を算出する。具体的には、目標ヨー加速度演算部44は、目標ヨーモーメントに予め定めたヨー慣性モーメント係数を乗算する。そして、目標ヨー加速度演算部44は、乗算結果を目標ヨー加速度として目標ヨーレート演算部45に出力する。
目標ヨーレート演算部45は、目標ヨー加速度演算部44が出力した目標ヨー加速度に基づいて、ヨー角の変化速度である目標ヨーレートを算出する。具体的には、目標ヨーレート演算部45は、目標ヨー加速度に所定の遅延時間を乗算する。そして、目標ヨーレート演算部45は、乗算結果を目標ヨーレートとして指令転舵角演算部46に出力する。

0054

指令転舵角演算部46は、目標ヨーレート演算部45が出力した目標ヨーレートと車速に基づいて、LK指令転舵角を算出する。具体的には、指令転舵角演算部46は、目標ヨーレートφ*、車速V、ホイールベースWHEELBASE、及び車両の特性速度Vchに基づき、下記の式(2)に従ってLK指令転舵角δst*を算出する。ここで、特性速度Vchは、例えば、既知アッカーマン方程式の中の車両のセルフステアリング特性を表すパラメータであってよい。そして、指令転舵角演算部46は、算出結果をリミッタ処理部47に出力する。
δst*=(φ*×WHEELBASE×(1+(V/Vch)2)×180)/(V×MPI) ……(2)
なお、MPIは、予め定めた係数である。

0055

リミッタ処理部47は、第1車速感応レートリミッタによりLK指令転舵角δst*の変化速度の上限を制限する。また、リミッタ処理部47は、LK指令転舵角δst*の最大値を制限する。LK指令転舵角δst*の最大値は、例えば操舵部と転舵部とが機械的に接続されたコンベンショナル操舵装置において、ステアリングホイール1aの操舵角が中立位置付近にあるときの遊び範囲に対応する左右前輪5FL、5FRの転舵角範囲であってよい。そして、リミッタ処理部47は、制限後のLK指令転舵角δst*を加算器25(図3参照)に出力する。

0056

図7を参照する。反力制御部15は、ラック軸力演算部60と、オフセット量演算部61と、減算器62と、目標反力トルク演算部63と、反力トルク補正値演算部64と、加算器65を備える。
ラック軸力演算部60は、操舵角と車速に基づき、操舵角−軸力変換マップMAP)を参照してラック軸力を推定する。すなわち、ラック軸力演算部60は、操舵角及び車速と、操舵角−軸力変換マップとに基づいてラック軸力を推定する。
例えば、操舵角−軸力変換マップは、予め実験等で算出したコンベンショナルな操舵装置における車速毎の操舵角とラック軸力との関係を表すマップである。ラック軸力演算部60は、演算結果を減算器62に出力する。

0057

オフセット量演算部61は、白線情報に基づいて道路曲率を算出し、車速及び道路曲率に基づいて軸力オフセット量を演算し、減算器62に出力する。
軸力オフセット量は、道路曲率に応じて操舵角を保持するための操舵反力が発生するように、ラック軸力演算部60により演算されたラック軸力をオフセットするためのオフセット量である。ラック軸力をオフセットすることにより、ステアリングホイール1aの操舵角と、この操舵角に応じてステアリングホイール1aに付与すべき操舵反力との関係を示す操舵反力特性曲線がオフセットされる。
オフセット量演算部61は、道路が曲がる方向へ転舵する転舵角の方向と同じ方向へ操舵反力特性曲線をオフセットし、道路白線の曲率が大きいほど軸力オフセット量の絶対値を大きくする。

0058

図8を参照する。オフセット量演算部61は、上下限リミッタ61aと、セルフアライニングトルク(SAT:Self-Aligning Torque)ゲイン演算部61bと、曲率演算部61cと、乗算器61dと、リミッタ処理部61eを備える。
上下限リミッタ61aは、車速センサ7が出力した車速に上下限リミッタ処理を行う。上下限リミッタ処理では、例えば、車速が0〜V(>0)の範囲で車速が大きくなるほど増大し、車速がV以上の範囲で最大値とする。そして、上下限リミッタ61aは、上下限リミッタ処理後の車速をSATゲイン演算部61bに出力する。

0059

SATゲイン演算部61bは、上下限リミッタ61aが出力したリミッタ処理後の車速に基づいて、車速に応じたSATゲインを算出する。車速に応じたSATゲインは、例えば、車速が0〜70km/hの範囲で車速が大きくなるほど増大し、車速70km/h以上の範囲で最大値になる。また、車速が大きいときは車速が小さいときよりも、車速の変化量に対する当該SATゲインの変化量が大きい。そして、SATゲイン演算部61bは、算出結果を乗算器61dに出力する。
曲率演算部61cは、画像処理部11が出力した白線情報に基づいて、予定到達位置での道路白線の曲率(所定の遅延時間(0.5秒)経過後の車両の位置の道路白線の曲率)を算出する。そして、曲率演算部61cは、算出結果を乗算器61dに出力する。

0060

乗算器61dは、曲率演算部61cが出力した曲率にSATゲイン演算部61bが出力したSATゲインを乗算する。そして、乗算器61dは、乗算結果を軸力オフセット量としてリミッタ処理部61eに出力する。これにより、乗算器61dは、予定到達位置での道路白線の曲率が大きいほど、つまり、道路曲率が大きいほど軸力オフセット量を増大する。
リミッタ処理部61eは、乗算器61dが出力した軸力オフセット量の最大値及び変化率の上限を制限する。軸力オフセット量の最大値は、1000Nとする。また、軸力オフセット量の変化率の上限は、600N/sとする。そして、リミッタ処理部61eは、制限後の軸力オフセット量を減算器62に出力する。

0061

図7を参照する。減算器62は、ラック軸力演算部60が出力したラック軸力からオフセット量演算部61が出力した軸力オフセット量を減じた差を目標反力トルク演算部63へ出力する。
目標反力トルク演算部63は、減算器62が出力した算出結果に基づき、軸力−操舵反力変換マップを参照して、オフセット後のラック軸力によって発生する操舵反力トルクを算出する。すなわち、目標反力トルク演算部63は、オフセット後のラック軸力と、軸力−操舵反力変換マップとに基づいて、オフセット後のラック軸力によって発生する操舵反力トルクを算出する。

0062

例えば、軸力−操舵反力変換マップは、予め実験等で算出したコンベンショナルな操舵装置におけるラック軸力と操舵反力トルクとの関係を表すマップである。すなわち、軸力−操舵反力変換マップは、コンベンショナルな操舵装置において、ラック軸力によって発生するセルフアライニングトルクに応じた操舵反力トルクを表す操舵反力特性を模擬したマップでよい。軸力−操舵反力変換マップでは、ラック軸力が大きいほど操舵反力トルクを大きな値とする。また、軸力−操舵反力変換マップでは、ラック軸力の絶対値が小さいときは大きいときよりも、ラック軸力の変化量に対する操舵反力トルクの変化量を大きくする。更に、軸力−操舵反力変換マップでは、車速が高いほど操舵反力トルクを小さい。
目標反力トルク演算部63は、操舵反力トルクを加算器65に出力する。

0063

反力トルク補正値演算部64は、操舵トルク、横位置、車線到達時間、第4車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲイン、第2車速感応レートリミッタ、及び操舵感応ゲインに基づいて反力トルク補正値を算出し、加算器65に出力する。
反力トルク補正値は、車両を目標走行軌道に戻す方向へ付与する第1操舵反力と、運転者による操舵操作がなくなったときその後の運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作を戻す方向に付与する第2操舵反力と、を発生させる補正値である。

0064

図9を参照する。反力トルク補正値演算部64は、第1反力演算部64aと、第2反力演算部64bと、選択部64cと、乗算器64d及び64fと、リミッタ処理部64e及び64hと、加算器64gを備える。
第1反力演算部64aは、横位置演算部12cが出力した横位置に基づいて横位置−反力マップ64iを参照して、横位置に応じた反力N_THWを演算する。すなわち第1反力演算部64aは、横位置演算部12cが出力した横位置と横位置−反力マップ64iに基づいて横位置に応じた反力N_THWを演算する。

0065

図10に、横位置−反力マップ64iの一例を示す。ここでは、車両が目標走行軌道の右側に逸脱しているときプラスとなり、左側に逸脱しているときにマイナスとなるように横位置Δxの符号が定められている。また、左に転舵する方向に(すなわち反時計回り方向に)加える反力の符号がプラスに定められ、右に転舵する方向に(すなわち時計回り方向に)加える反力の符号がマイナスに定められている。
図示のとおり、横位置に応じた反力N_THWの符号は、横位置Δxの符号がプラスであるときにプラスになり、横位置Δxの符号がマイナスであるときにマイナスになる。
また、予定到達位置と目標走行軌道との差である横位置Δxの絶対値が小さい場合よりも大きい場合の横位置に応じた反力N_THWの絶対値がより大きい。

0066

また、横位置Δxの絶対値が大きいときは小さいときよりも横位置Δxの変化量に対する横位置に応じた反力N_THWの変化量を大きくする。
したがって、横位置に応じた反力N_THWは、目標走行軌道からの車両の逸脱量が増加するほど増加するとともに、車両を目標走行軌道に戻す方向へ付与される第1操舵反力の一例である。
図9を参照する。第1反力演算部64aは、横位置に応じた反力N_THWを選択部64cに出力する。

0067

第2反力演算部64bは、車線到達時間演算部12dが出力した車線到達時間に基づいて車線到達時間−反力マップ64jを参照して、車線到達時間に応じた反力N_TLCを演算する。すなわち第2反力演算部64bは、車線到達時間演算部12dが出力した車線到達時間と車線到達時間−反力マップ64jに基づいて、車線到達時間に応じた反力N_TLCを演算する。
図11に、車線到達時間−反力マップ64jの一例を示す。ここでは、車両が目標走行軌道の右側に逸脱しているときプラスとなり、左側に逸脱しているときにマイナスとなるように車線到達時間TLCの符号が定められている。また、左に転舵する方向に(すなわち反時計回り方向に)加える反力の符号がプラスに定められ、右に転舵する方向に(すなわち時計回り方向に)加える反力の符号がマイナスに定められている。
図示のとおり、横位置に応じた車線到達時間に応じた反力N_TLCは、車線到達時間TLCの符号がプラスであるときにプラスになり、車線到達時間TLCの符号がマイナスであるときにマイナスになる。

0068

また、目標走行軌道からの逸脱量がより少なく車線到達時間TLCの絶対値が大きい場合よりも、車線到達時間TLCの絶対値が小さい場合の車線到達時間に応じた反力N_TLCの絶対値がより大きい。
また、車線到達時間TLCの絶対値が小さいときは大きいときよりも車線到達時間TLCの変化量に対する車線到達時間に応じた反力N_TLCの変化量を大きくする。
したがって、車線到達時間に応じた反力N_TLCは、目標走行軌道からの車両の逸脱量が増加するほど増加するとともに、車両を目標走行軌道に戻す方向へ付与される第1操舵反力の一例である。
図9を参照する。第2反力演算部64bは、車線到達時間に応じた反力N_TLCを選択部64cに出力する。

0069

選択部64cは、横位置に応じた反力N_THWと車線到達時間に応じた反力N_TLCが同符号である場合には、これらの反力のうち絶対値がより大きい方を選択して、第1反力指令値として乗算器64dへ出力する。横位置に応じた反力N_THWと車線到達時間に応じた反力N_TLCが異符号の場合には、これらの反力の和を第1反力指令値として乗算器64dへ出力する。
乗算器64dは、第1反力指令値に、第4車速感応ゲインとウインカ作動に応じたゲインを乗じて第1反力トルク指令値を演算し、リミッタ処理部64eへ出力する。
リミッタ処理部64eは、第1反力トルク指令値の変化速度の上限を第2車速感応レートリミッタにより制限する。またリミッタ処理部64eは、第1反力トルク指令値の最大値を制限する。リミッタ処理部64eは、制限後の第1反力トルク指令値を加算器64gへ出力する。

0070

乗算器64fは、操舵トルクセンサ1cから出力される操舵トルクに操舵感応ゲインを乗じ、その乗算結果に所定のゲインを乗じることにより、操舵トルクセンサ1cが検出した操舵トルクの向きと反対方向の操舵反力トルクを発生させる第2反力トルク指令値を算出する。
上述のとおり、操舵感応ゲインは、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無い場合に漸増する。

0071

このため、第2反力トルク指令値は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断された場合に、その後の運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作を戻す方向へ付与される第2操舵反力を増加させる。
第2反力トルク指令値は、操舵トルクに操舵感応ゲインを乗じて生成している。このため、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断されて操舵感応ゲインが増加し、その後にステアリングホイール1aに加わる操舵トルクが検出されたときに第2操舵反力が発生する。
乗算器64fは、第2反力トルク指令値を加算器64gへ出力する。

0072

加算器64gは、リミッタ処理部64eにより制限された第1反力トルク指令値に第2反力トルク指令値を加算して反力トルク補正値を算出する。リミッタ処理部64hは、反力トルク補正値の最大値及び最小値を制限する。リミッタ処理部64hは、制限後の反力トルク補正値を加算器65に出力する。
図7を参照する。加算器65は、目標反力トルク演算部63が演算した操舵反力トルクに、反力トルク補正値演算部64が演算した反力トルク補正値を加えて指令操舵反力トルクを算出し、反力モータ駆動回路1eへ出力する。

0073

電流センサ1g及び操舵トルクセンサ1cは、ステアリングホイール1aに対する運転者による操舵操作の有無を検出する操舵センサの一例である。カメラ6は、車両が目標走行軌道から外れる逸脱量を検出する走行状態センサの一例である。車両の横位置及び車線到達時間は、車両が目標走行軌道から外れる逸脱量の一例である。操舵感応ゲインは、ステアリングホイールに加わる操舵トルクに乗じて第2操舵反力を決定する可変ゲインの一例である。

0074

(動作)
次に、本実施形態に係る運転支援装置の動作を説明する。図12を参照する。
テップS1においてSBWコントローラ4は、CANバスを経由して、操舵角センサ1f、操舵トルクセンサ1c、電流センサ1g、カメラ6、車速センサ7からそれぞれ出力された操舵角、操舵トルク、反力モータ1dの電流値、車両前方の走行路の画像、車速を受信する。
ステップS2において車両状態設定部12は、SBWコントローラ4が有する記憶装置から、各種ゲイン定数やゲインを決定するためのマップを読み込む。

0075

ステップS3において車両状態設定部12は、ヨー角、所定の遅延時間経過時のヨー角、横位置、及び車線到達時間を算出する。
また、車両状態設定部12は、第1車速感応ゲイン、第2車速感応ゲイン、第3車速感応ゲイン、第4車速感応ゲイン、ウインカ作動に応じたゲイン、第1車速感応レートリミッタ及び第2車速感応レートリミッタを算出する。
ステップS4において制御状態設定部13は、上記のLK支援制御許可条件(A1)〜(A10)が全て満たされる場合にLK支援制御フラグをオンに設定する。制御状態設定部13は、LK支援制御許可条件(A1)〜(A10)のいずれかが満たされない場合にLK支援制御フラグをオフに設定する。

0076

ステップS5において転舵制御部14は、左右前輪5FL、5FRの転舵角を制御する指令転舵角を演算する。LK支援制御フラグがオフである場合、転舵制御部14は、操舵角と操舵角速度に基づき算出した基本指令転舵角を指令転舵角として演算する。LK支援制御フラグがオンである場合、転舵制御部14は、車両の横位置及び所定の遅延時間経過時のヨー角に応じて、車両を目標走行軌道に戻す方向へ転舵させるLK指令転舵角を演算する。転舵制御部14は、基本指令転舵角にLK指令転舵角を加えた指令転舵角を演算する。

0077

ステップS6において、LK支援制御フラグがオンである場合、反力トルク補正値演算部64は、反力トルク補正値を演算する。横位置に応じた反力N_THWと、車線到達時間に応じた反力N_TLCとを演算し、これらの反力に基づき第1反力トルク指令値を演算する。
また、LK支援制御フラグがオンである場合、操舵操作判定部12fは、運転者による操舵操作が有るか否かを判定する。操舵感応ゲイン設定部12gは、操舵操作判定部12fの判定結果に応じて操舵感応ゲインを設定する。反力トルク補正値演算部64は、操舵トルクセンサ1cから出力される操舵トルクに、操舵感応ゲインを乗じることにより第2反力トルク指令値を算出する。反力トルク補正値演算部64は、リミッタ処理部64eにより制限された第1反力トルク指令値に第2反力トルク指令値を加算して反力トルク補正値を算出する。
LK支援制御フラグがオフである場合、反力トルク補正値演算部64は、反力トルク補正値を演算しない。

0078

ステップS7において、LK支援制御フラグがオンである場合、オフセット量演算部61は、車速及び道路曲率に基づいて軸力オフセット量を演算する。LK支援制御フラグがオフである場合、オフセット量演算部61は、軸力オフセット量を演算しない。
ステップS8において反力制御部15は、コラムシャフト1bに付与する操舵反力トルクを制御する指令操舵反力トルクを算出する。LK支援制御フラグがオフである場合、反力制御部15は、操舵角又は転舵角に応じてラック軸力を演算し、ラック軸力に基づいて演算した目標反力トルクを指令操舵反力トルクとして演算する。

0079

LK支援制御フラグがオンである場合、反力制御部15は、軸力オフセット量によりラック軸力を補正して目標反力トルクを演算する。反力制御部15は、反力トルク補正値で目標反力トルクを補正して指令操舵反力トルクを演算する。
ステップS9において転舵制御部14は、指令転舵角を転舵モータ駆動回路2dへ出力して転舵制御を行う。また、反力制御部15は、指令操舵反力トルクを反力モータ駆動回路1eに出力して反力制御を行う。その後に処理は終了する。

0080

ステップS6における反力トルク補正値演算に使用される操舵感応ゲインの設定方法を説明する。図13を参照する。
ステップS20において操舵操作判定部12fは、反力モータ1dが発生させる操舵トルクの方向とステアリングホイール1aの操舵角の方向とが同じであるか否かを判断する。操舵トルクの方向と操舵角の方向が同じである場合(ステップS20:Y)に処理はステップS21へ進む。操舵トルクの方向と操舵角の方向が同じでない場合(ステップS20:N)に、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作がないと判断して、処理はステップS23へ進む。

0081

ステップS21において操舵操作判定部12fは、コラムシャフト1bに加わる操舵トルクが所定値以上であるか否かを判断する。操舵トルクが所定値以上である場合(ステップS21:Y)に、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作があると判断して処理はステップS22へ進む。操舵トルクが所定値未満である場合(ステップS21:N)に、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断して処理はステップS23へ進む。
ステップS22において操舵感応ゲイン設定部12gは、操舵感応ゲインを所定低減幅Δ1ずつ低減する。その後に処理は終了する。
ステップS23において操舵感応ゲイン設定部12gは、操舵感応ゲインを所定増加幅Δ2ずつ増加させる。その後に処理は終了する。

0082

(実施形態の効果)
(1)機械的に切り離された操向輪とステアリングホイール1aとを有する車両において、転舵制御部14は、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作に応じて操向輪を転舵する。横位置演算部12c及び車線到達時間演算部12dは、車両が目標走行軌道から外れる逸脱量を検出する。第1反力演算部64a、第2反力演算部64b、選択部64c、乗算器64d、リミッタ処理部64e及び加算器64gは、目標走行軌道からの車両の逸脱量が増加するほど、車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイールに付与する第1操舵反力を増加させる。操舵操作判定部12fは、運転者によるステアリングホイールの操舵操作の有無を判断する。操舵感応ゲイン設定部12g、乗算器64f及び加算器64gは、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断した場合、その後の運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作を戻す方向へステアリングホイール1aに付与する第2操舵反力を増大させる。
このように第2操舵反力が付与されることにより、運転者による操舵操作がなく第1操舵反力が小さい状態で運転者が意図しない操舵操作が行われても、この操舵操作を戻す方向に操舵反力が付与されるので操舵角の変動を抑制できる。

0083

例えば高速道路などにおいてレーンキープ支援制御によって車両が目標走行軌道上を走行しており、運転者がリラックスして操舵操作を行っていない状態を想定する。このような場合に車両が路面の凹凸や小石の上を走行する等により車体が揺れると、この揺れにより運転者の姿勢が変化して、運転者が意図しない操舵がステアリングホイール1aに入力される。
このとき、車両が目標走行軌道上を走行していると、車両を目標走行軌道に戻す方向へステアリングホイール1aに付与する第1操舵反力が小さいので、運転者が意図しない操舵によるステアリングホイール1aの操舵角が変動しやすくなり、直進性が低下する虞がある。
このため、運転者による操舵操作がないと判断された場合には、その後に行われる操舵操作は運転者が意図していない操作であることがあると想定して、この操舵操作に対してはステアリングホイール1aに発生させる第2操舵反力を増加する。これにより、運転者が意図しない操舵操作によるステアリングホイール1aの操舵角の変動を抑制できる。

0084

(2)操舵感応ゲイン設定部12gは、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無い期間が短い場合よりも、操舵操作が無い期間が長い場合の第2操舵反力をより大きくする。このように第2操舵反力を漸増することにより、運転者による操舵操作が短期間なくても第2操舵反力が大きくならず、第2操舵反力による操舵フィーリングの低下を防止できる。

0085

(3)乗算器64fは、ステアリングホイール1aに加わる操舵トルクに操舵感応ゲインを乗じて第2操舵反力に対応する第2反力トルク指令値を決定する。操舵感応ゲイン設定部12gは、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無い期間が短い場合より、操舵操作が無い期間が長い場合の操舵感応ゲインをより大きくする。
このように、操舵トルクに応じて第2反力トルク指令値を発生させることにより、この操舵トルクによるステアリングホイール1aの実際の操舵量が大きくなる前に第2反力トルク指令値を付与することができる。これにより、運転者が意図しない操舵操作による操舵角の変動を早期に抑制できる。
また、操向輪とステアリングホイールが機械的に切り離されているために、操向輪から入力された力がコラムシャフト1bやステアリングホイール1aに伝わず、運転者からステアリングホイール1aに伝わる操舵トルクを正確に検出できる。このため、操向輪から入力された力により第2反力トルク指令値が誤って発生するのを防止できる。

0086

(4)運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断し且つ第2操舵反力を増加させた後、操舵感応ゲイン設定部12gは、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が有る期間が短い場合よりも、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が有る期間が長い場合の第2操舵反力をより小さくする。例えば、操舵感応ゲイン設定部12gは、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が有る期間が短い場合よりも、操舵操作が有る期間が長い場合の操舵感応ゲインをより小さくする。
これにより、運転者の意図しない突発的な操舵操作があった瞬間には第2操舵反力を発生させる一方で、運転者が意図して連続する操舵操作を行えば第2操舵反力を低減させることができる。これにより、第2操舵反力による操舵フィーリングの低下を防止できる。

0087

(5)運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が無いと判断した後に、ステアリングホイール1aに加わる操舵トルクを検出した場合に、第2操舵反力を付与する。
操舵トルクに応じて第2反力トルク指令値を発生させることにより、この操舵トルクによるステアリングホイール1aの実際の操舵量が大きくなる前に第2反力トルク指令値を付与することができる。これにより、運転者が意図しない操舵操作による操舵角の変動を早期に抑制できる。
また、操向輪とステアリングホイールが機械的に切り離されているために、操向輪から入力された力がコラムシャフト1bやステアリングホイール1aに伝わず、運転者からステアリングホイール1aに伝わる操舵トルクを正確に検出できる。このため、操向輪から入力された力により第2反力トルク指令値が誤って発生するのを防止できる。

0088

(6)操舵操作判定部12fは、反力モータ1dによりステアリングホイール1aに与える操舵トルクの方向とステアリングホイール1aの操舵角の方向とが同じ場合に、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作が有ると判断する。
操向輪とステアリングホイールが機械的に切り離されているために、操向輪から入力された力がコラムシャフト1bやステアリングホイール1aに伝わらない。このため、反力モータ1dにより加えられる操舵トルクの方向を用いて判断することにより、運転者によるステアリングホイール1aの操舵操作の有無を正確に判断できる。

0089

(変形例)
(1)反力トルク補正値演算部64は、操舵トルクの代わりに、ステアリングホイール1aに生じる操舵角速度に操舵感応ゲインを乗じて第2操舵反力に対応する第2反力トルク指令値を決定してもよい。操舵角速度に応じて第2反力トルク指令値を発生させることにより、ステアリングホイール1aの実際の操舵量が大きくなる前に第2反力トルク指令値を付与することができる。これにより、運転者が意図しない操舵操作による操舵角の変動を早期に抑制できる。
また、操向輪とステアリングホイールが機械的に切り離されているために、操向輪から入力された力がコラムシャフト1bやステアリングホイール1aに伝わず、運転者の操舵操作により生じたステアリングホイール1aの角速度を正確に検出できる。このため、操向輪から入力された力により第2反力トルク指令値が誤って発生するのを防止できる。

0090

1…操舵部、1a…ステアリングホイール、1b…コラムシャフト、1c…操舵トルクセンサ、1d…反力モータ、1e…反力モータ駆動回路、1f…操舵角センサ、1g…電流センサ、2…転舵部、2a…ピニオンシャフト、2b…ステアリングギア、2c…転舵モータ、2d…転舵モータ駆動回路、2e…転舵角センサ、2f…ラックギア、2g…ラック、3…バックアップクラッチ、4…SBWコントローラ、5FL…左前輪、5FR…右前輪、6…カメラ、7…車速センサ、11…画像処理部、12…車両状態設定部、12a…ゲイン算出部、12b…ヨー角演算部、12c…横位置演算部、12d…車線到達時間演算部、12e…操舵意図判定部、12f…操舵操作判定部、12g…操舵感応ゲイン設定部、13…制御状態設定部、14…転舵制御部、15…反力制御部、20…ゲイン乗算部、21…操舵角速度演算部、22…微分ステアゲイン乗算部、23…LK指令転舵角演算部、24…乗算器、25…加算器、40…第1反発力演算部、40a…ゲイン乗算部、40b…乗算器、41…第2反発力演算部、41a…ゲイン乗算部、41b…乗算器、42…加算器、43…目標ヨーモーメント演算部、44…目標ヨー加速度演算部、45…目標ヨーレート演算部、46…指令転舵角演算部、47…リミッタ処理部、60…ラック軸力演算部、61…オフセット量演算部、61a…上下限リミッタ、61b…SATゲイン演算部、61c…曲率演算部、61d…乗算器、61e…リミッタ処理部、62…減算器、63…目標反力トルク演算部、64…反力トルク補正値演算部、64a…第1反力演算部、64b…第2反力演算部、64c…選択部、64d…乗算器、64e…リミッタ処理部、64f…乗算器、64g…加算器、64h…リミッタ処理部、64i…横位置−反力マップ、64j…車線到達時間−反力マップ64j、65…加算器、80…ゲイン低減部、81…ゲイン増加部、82…減算器、83…下限リミッタ、84…加算器、85…上限リミッタ

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