図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
従来、炊飯釜を加熱する炊飯加熱器と、炊飯加熱器を制御する制御部とを備え、米粒に水分を含浸させる予備炊き工程と、炊飯釜内の水分を蒸発させる本炊き工程と、炊飯釜内が所定の炊き上がり温度になるまで加熱する炊き上げ工程と、炊き上がった米飯を蒸らす蒸らし工程とが行われる炊飯器が知られている。この種の炊飯器で米飯に焦げ目を付ける場合、一般に、炊き上げ工程における炊き上がり温度が、焦げ目を付けない場合よりも高くなるように設定している。
しかしながら、米の種類や品質などによって本炊き工程における水分が蒸発する水分蒸発温度が相違するため、同一レベルの焦げ目に対して単一の炊き上がり温度が設定されている場合、本炊き工程における水分蒸発温度と炊き上げ工程における炊き上がり温度との温度差が異なってくる。その結果、炊き上げ工程で米飯の加熱に過不足が生じ、所望の焦げ具合が得られない場合がある。上記観点から、炊き上げ工程において、焦げ目レベルに応じて設定されている所定の補正温度△Tを水分蒸発温度に加えた温度を炊き上がり温度として設定することを本出願人は先に提案した(例えば、特許文献1)。
概要
焦げ目レベル指定部で指定された所望の焦げ具合で米飯を炊き上げることが可能な炊飯器を提供する。焦げ目レベル指定部5で標準焦げ目レベルよりも弱めの焦げ目レベルが指定された場合、標準焦げ目レベルに対応して設定されている所定の標準炊き上がり時間から、指定された焦げ目レベルに応じて設定されている所定の補正時間△tを減算した時間を炊き上がり時間として設定する。
目的
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、焦げ目レベル指定部で指定された所望の焦げ具合で米飯を炊き上げ可能な炊飯器を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
炊飯釜を加熱する炊飯加熱器と、炊飯釜内または炊飯釜底の温度を検知する温度検知部と、所定の標準焦げ目レベル、及び少なくとも標準焦げ目レベルよりも弱めの焦げ目レベルを指定可能な焦げ目レベル指定部と、炊飯加熱器を作動制御する制御部と、を備え、焦げ目レベル指定部で指定された焦げ目が米飯に付くように加熱する炊き上げ工程を行う炊飯器において、制御部は、焦げ目レベル指定部で標準焦げ目レベルよりも弱めの焦げ目レベルが指定された場合、標準焦げ目レベルに対応して設定されている所定の標準炊き上がり時間から、指定された焦げ目レベルに応じて設定されている所定の補正時間△tを減算した時間を炊き上がり条件として設定する炊飯器。
請求項2
技術分野
背景技術
0002
従来、炊飯釜を加熱する炊飯加熱器と、炊飯加熱器を制御する制御部とを備え、米粒に水分を含浸させる予備炊き工程と、炊飯釜内の水分を蒸発させる本炊き工程と、炊飯釜内が所定の炊き上がり温度になるまで加熱する炊き上げ工程と、炊き上がった米飯を蒸らす蒸らし工程とが行われる炊飯器が知られている。この種の炊飯器で米飯に焦げ目を付ける場合、一般に、炊き上げ工程における炊き上がり温度が、焦げ目を付けない場合よりも高くなるように設定している。
0003
しかしながら、米の種類や品質などによって本炊き工程における水分が蒸発する水分蒸発温度が相違するため、同一レベルの焦げ目に対して単一の炊き上がり温度が設定されている場合、本炊き工程における水分蒸発温度と炊き上げ工程における炊き上がり温度との温度差が異なってくる。その結果、炊き上げ工程で米飯の加熱に過不足が生じ、所望の焦げ具合が得られない場合がある。上記観点から、炊き上げ工程において、焦げ目レベルに応じて設定されている所定の補正温度△Tを水分蒸発温度に加えた温度を炊き上がり温度として設定することを本出願人は先に提案した(例えば、特許文献1)。
先行技術
0004
特開2001−61649号公報
発明が解決しようとする課題
0005
図4は、家庭用炊飯器を用い、標準焦げ目レベル「0」を指定したときの検知温度の温度変化である。家庭用炊飯器は炊飯釜が小さく、炊き上げる炊飯量も少ない。そのため、米飯に焦げが付き始めると、炊飯量全体に対する焦げ部分の割合が多くなり、炊き上げ工程における米飯の温度変化が炊飯釜の温度に大きく現れる。それゆえ、特許文献1のように、炊き上がり温度を設定するための補正温度△Tを増減させることによって、米飯の焦げ具合を強め及び弱めのいずれのレベルでも細かく制御できる。
0006
しかしながら、業務用炊飯器では大きな炊飯釜が用いられ、炊き上げる炊飯量も多くなる。そのため、部分的に焦げが生じていても全体の温度変化が小さく、温度変化が現れる程度まで加熱すると、炊き上げ工程において米飯が焦げ付きやすくなる。強めの焦げ目レベルが指定される場合、水分蒸発温度と炊き上がり温度との温度差が大きくなるため、補正温度△Tを設定して焦げ具合を制御することも可能と考えられるが、弱めの焦げ目レベルが指定される場合、同一の焦げ目レベルでも、上記のように大きな炊飯釜では小さな炊飯釜よりも水分蒸発温度と炊き上がり温度との温度差が小さくなるため、補正温度△Tによる焦げ目レベルの制御が難しい。特に、大型の炊飯器で少量の米飯を焦げ目が付かない程度の焦げ具合で炊き上げる場合、炊き上げ工程で温度変化が現れる前に加熱を終了させる必要がある。それゆえ、このような炊飯器では、特許文献1のような補正温度△Tを設定できないため、焦げ具合を制御できないという問題がある。
0007
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、焦げ目レベル指定部で指定された所望の焦げ具合で米飯を炊き上げ可能な炊飯器を提供することにある。
課題を解決するための手段
0008
本発明は、
炊飯釜を加熱する炊飯加熱器と、
炊飯釜内または炊飯釜底の温度を検知する温度検知部と、
所定の標準焦げ目レベル、及び少なくとも標準焦げ目レベルよりも弱めの焦げ目レベルを指定可能な焦げ目レベル指定部と、
炊飯加熱器を作動制御する制御部と、を備え、
焦げ目レベル指定部で指定された焦げ目が米飯に付くように加熱する炊き上げ工程を行う炊飯器において、
制御部は、焦げ目レベル指定部で標準焦げ目レベルよりも弱めの焦げ目レベルが指定された場合、標準焦げ目レベルに対応して設定されている所定の標準炊き上がり時間から、指定された焦げ目レベルに応じて設定されている所定の補正時間△tを減算した時間を炊き上がり条件として設定する炊飯器である。
0009
上記炊飯器によれば、焦げ目レベル指定部で標準焦げ目レベルよりも弱めの焦げ目レベルが指定された場合、標準焦げ目レベルでの炊き上げに対応して設定されている標準炊き上がり時間から、焦げ目レベルに応じて設定された所定の補正時間△tを減算した時間が炊き上がり条件として設定されて、炊き上げ工程の終了が判定される。これにより、焦げ目レベルによる温度差が小さい場合や、炊き上げ工程で温度上昇が生ずる前に加熱を終了させる必要がある場合でも、炊き上げ工程における温度上昇の程度によらず、焦げ具合を制御できる。
0010
上記炊飯器において、好ましくは、
焦げ目レベル設定部は、標準焦げ目レベルよりも強めの焦げ目レベルを指定可能であり、
制御部は、焦げ目レベル指定部で標準焦げ目レベルまたは強めの焦げ目レベルが指定された場合、炊き上げ工程において温度検知部で検知される検知温度が所定の炊き上げ判定基準温度になると、炊き上げ判定基準温度に指定された焦げ目レベルに応じて設定されている所定の補正温度△Tを加算した温度を炊き上がり条件として設定する。
0011
強めの焦げ目レベルでは、高い炊き上がり温度が必要なため、焦げ目レベルに応じて所定の炊き上げ判定基準温度と炊き上がり温度との温度差が大きくなる。従って、炊き上げ判定基準温度に所定の補正温度△Tを加算した温度を炊き上がり条件として設定することにより、焦げ具合を制御できる。
そして、上記炊飯器では、標準焦げ目レベルが指定された場合も、炊き上げ判定基準温度に補正温度△Tを加算した温度を炊き上がり条件として設定して焦げ具合を制御するから、炊き上げ判定基準温度から明確な温度差が生じる焦げ目レベルが標準焦げ目レベルに設定される。従って、標準焦げ目レベルに対応した標準炊き上がり時間をより正確に設定できる。
発明の効果
0012
以上のように、本発明によれば、標準焦げ目レベルよりも弱めの焦げ目レベルが指定される場合、炊き上げ工程における温度変化によらず、標準焦げ目レベルに対応して設定されている標準炊き上がり時間から焦げ目レベルに応じて設定されている補正時間△tを減算した時間を炊き上がり条件として設定するから、炊き上げ工程で焦げ目レベルの相違による温度差が小さい炊飯器や、弱めの焦げ目レベルを指定した場合に、炊き上げ工程で温度変化が現れない炊飯器においても、所望の焦げ具合で米飯を炊き上げることができる。
図面の簡単な説明
0013
図1は、本発明の実施の形態に係る炊飯器の一例を示す概略構成図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る炊飯器の炊飯動作時の検知温度の変化を示すグラフである。
図3は、本発明の実施の形態1に係る炊飯器における炊飯動作の一例を示す制御フロー図である。
図4は、従来の家庭用炊飯器の炊飯動作時の検知温度の変化を示すグラフである。
実施例
0014
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係る炊飯器を具体的に説明する。
図1は、本実施の形態における炊飯器を業務用のガス炊飯器(例えば、5升炊き)に適用した概略構成図である。図1に示すように、この炊飯器は、上蓋11が配置された炊飯釜1と、炊飯釜1の釜底に配置されて炊飯釜1を加熱するガスバーナ2(炊飯加熱器)とを具備する。ガスバーナ2へのガス回路は、上流側から順に、第1ガス弁22、第2ガス弁23、比例弁24が配設されており、また、第1ガス弁22と第2ガス弁23との間からは、パイロットバーナ26へのガス回路が分岐している。
0015
炊飯器には、炊飯釜1の上蓋11の裏面に当接する釜内センサ12と、炊飯釜1の釜底の外面に当接する釜底センサ13とが取付けられている。これらの釜内センサ12及び釜底センサ13はそれぞれ、炊飯釜1の釜内及び釜底温度を検知する温度検知部として機能し、検知された検知信号は、後述する制御装置30に出力される。
0016
炊飯器は、使用者が炊こうとする米飯の焦げ具合を指定する焦げ目レベル指定部5を具備する。この焦げ目レベル指定部5は、UP/DOWNカウンタ50と、そのUP入力端子に接続された焦げ目レベル上昇ボタン51と、DOWN入力端子に接続された焦げ目レベル降下ボタン52とから構成されている。また、UP/DOWNカウンタ50の出力部は、焦げ目レベル表示ランプ54を備えた焦げ目レベル表示器55と接続されている。そして、この焦げ目レベル指定部5の出力によって米飯の焦げ具合を、例えば、標準焦げ目レベルを「0」として「−5」から「+5」まで11段階の焦げ目レベルで調節できるように構成されている。
0017
さらに、この炊飯器は、炊飯加熱器として機能するガスバーナ2の作動制御を行う制御装置30を具備する。制御装置30は、CPUや、ROM、RAM、タイマを具備し、制御プログラムが格納されたマイクロコンピュータが組み込まれており、第1ガス弁22、第2ガス弁23、比例弁24、釜内センサ12、釜底センサ13、焦げ目レベル指定部5、焦げ目レベル表示器55と接続されている。また、この制御装置30のマイクロコンピュータは、機能的構成手段として、焦げ目レベル指定部5で標準焦げ目レベルまたは標準焦げ目レベルより高い「+」側の強めの焦げ目レベル(以下、「標準または強めの焦げ目レベル」という)が指定された場合に、炊き上がり条件として米飯の炊き上がり温度Eを設定する炊き上がり温度設定部31、標準または強めの焦げ目レベルに応じて補正温度△Tを変更する温度変更部32、焦げ目レベル指定部5で標準焦げ目レベルより低い「−」側の弱めの焦げ目レベル(以下、「弱めの焦げ目レベル」という)が指定された場合に、炊き上がり条件として米飯の炊き上がり時間eを設定する炊き上がり時間設定部33、弱めの焦げ目レベルに応じて補正時間△tを変更する時間変更部34、ガスバーナ2の火力(加熱能力)を変更する加熱能力変更部35などを具備する。また、制御装置30のメモリには、標準または強めの焦げ目レベルが指定されたときの焦げ目レベルに応じた補正温度△T、弱めの焦げ目レベルが指定されたときの焦げ目レベルに応じた補正時間△t、弱めの焦げ目レベルが指定されたときの炊き上がり時間eを設定するための標準炊き上がり時間などが記憶されている。これらは、実験により求めたものである。
0018
図2は、標準焦げ目レベル「0」を指定して最大炊飯量の米飯を炊き上げたときの釜底センサ13で検知される釜底温度の温度変化である。図2を参照して本実施の形態の炊飯器における炊飯動作を概略的に説明すると、炊き上がり温度設定部31は、炊き上げ工程において、釜底センサ13で検知される釜底温度の温度勾配が負から正に変わる変曲点(図2の(a))を炊き上げ判定基準温度T0として設定し、焦げ目レベル指定部5で標準または強めの焦げ目レベルが指定された場合、炊き上げ判定基準温度T0に補正温度△Tを加算した温度(T0+△T)を炊き上がり温度Eとして設定する。炊き上げ判定基準温度T0として、本炊き工程における水分蒸発温度を設定することもできるが、炊飯釜1内の水分を蒸発させる水分蒸発温度は安定しない場合があるのに対し、本炊き工程後の炊き上げ工程では水分が蒸発して炊飯釜1内で水分が少なくなってから釜底温度が上昇し始めるため、炊き上げ工程における釜底温度の温度勾配の変曲点に基づき炊き上げ判定基準温度T0を設定することによって、より正確に焦げ目が付き始める温度を判定基準とできる。
0019
温度変更部32は、焦げ目レベル指定部5で指定される焦げ目レベルが高くなるに従って、補正温度△Tを高く設定する。これにより、標準または強めの焦げ目レベルが指定される場合、同一の焦げ目レベルであれば、米の種類や品質などが相違して炊き上げ判定基準温度が異なっても、同一の補正温度△Tが設定される。表1は、本実施の形態の炊飯器で、標準または強めの焦げ目レベルが指定されたときに設定される補正温度△Tである。
0020
0021
表1に示すように、本実施の形態では、標準または強めの焦げ目レベルが指定された場合、補正温度△Tは、6〜36℃の範囲内で6℃刻みに6段階に設定されている。このように、標準または強めの焦げ目レベルが指定された場合、炊き上げ判定基準温度T0と炊き上がり条件として設定される炊き上がり温度Eとの温度差が大きくなる。従って、大型の炊飯器で標準または強めの焦げ目レベルが指定された場合、補正温度△Tによって焦げ具合を制御できる。
0022
一方、標準焦げ目レベルが指定されたときの補正温度△Tは、6℃であり、従って、これよりも弱めの焦げ目レベルが指定された場合に、6℃未満の補正温度△Tによって複数の焦げ具合を制御することは難しい。特に、大型の炊飯器で少量の米飯を焦げ目が付かない程度の弱めの焦げ目レベルで炊き上げるには、炊き上げ工程で温度変化が現れる前に加熱を終了させる必要がある。
0023
このため、本実施の形態では、焦げ目レベル指定部5で弱めの焦げ目レベルが指定された場合、炊き上がり時間設定部33は、既述した標準焦げ目レベルが指定された場合に、釜底温度が、炊き上げ判定基準温度に標準焦げ目レベルに応じた補正温度△Tを加算した温度になるまでに必要な時間を標準炊き上がり時間t0(例えば、2100秒)として設定し、標準炊き上がり時間t0から、焦げ目レベルに応じて設定された所定の補正時間△tを減算した時間(t0−△t)を炊き上がり時間eとして設定する。これにより、炊き上がり温度Eを設定することなく、炊き上がり時間eによって指定された焦げ目レベルに応じて米飯を炊き上げることができる。また、標準焦げ目レベルが指定された場合、炊き上がり時間により炊き上がり条件を設定することもできるが、本実施の形態では、標準焦げ目レベルが指定された場合、炊き上がり時間によらず釜底温度に基づく炊き上がり温度Eで炊き上がりを判定しているから、より正確に焦げ具合を制御できる。従って、温度制御によって標準焦げ目レベルの炊き上がりを判定するときの標準炊き上がり時間を弱めの焦げ目レベルが指定された場合の炊き上がり条件の基準時間として利用することにより、標準炊き上がり時間をより正確に設定できる。
0024
時間変更部34は、焦げ目レベル指定部5で指定される焦げ目レベルが低くなるに従って、補正時間△tを長く設定する。これにより、弱めの焦げ目レベルが指定される場合、焦げ目レベルが低くなるほど、より早期に炊き上がり時間eが到来する。従って、大型の炊飯器でも、焦げが付き始める前に燃焼量を低下させることができる。表2は、本実施の形態の炊飯器で、弱めの焦げ目レベルが指定されたときに設定される補正時間△tである。
0025
0026
表2に示すように、本実施の形態では、弱めの焦げ目レベルが指定された場合、補正時間△tは、50〜250秒間の範囲内で50秒間刻みに5段階に設定されている。このように、弱めの焦げ目レベルである程、標準炊き上がり時間t0と炊き上がり時間eとの時間差が大きくなる。従って、大型の炊飯器で弱めの焦げ目レベルを指定した場合でも、補正時間△tによって焦げ具合を制御できる。
0027
次に、本実施の形態の炊飯器における炊飯動作について図2の釜底温度の温度変化のグラフ及び図3の制御フロー図を参照して説明する。なお、本実施の形態の炊飯器では、焦げ目レベル指定部5で焦げ目レベルが指定されない場合、標準焦げ目レベルが設定されるように構成されている。
0029
焦げ目レベル指定部5で弱めの焦げ目レベルが指定されている場合、指定された焦げ目レベルに応じた補正時間△tが読み込まれ、標準炊き上がり時間t0から補正時間△tを減算した時間を炊き上がり時間eとして設定する(ステップST3〜ST4)。
0030
次いで、第1ガス弁22、第2ガス弁23、及び比例弁24を開弁してガスバーナ2を点火し、予備炊き工程を実行する(ステップST5〜ST6)。この予備炊き工程では、比例弁24の開度を調整してガスバーナ2の燃焼量をコントロールし、釜底温度が所定の予備炊き温度(例えば、約50℃)となるように炊飯釜1を加熱する。これにより、炊飯釜1内の米粒の含水率が増加する。
0032
昇温工程B1では、炊飯釜1内が沸騰状態になるまで炊飯釜1を加熱する。このとき、炊飯釜1内が沸騰状態になるようにガスバーナ2の燃焼量をコントロールする。例えば、釜底温度が所定の沸騰温度(例えば、120℃)近傍に達すると、炊飯釜1内の水分が略蒸発するまでその沸騰状態が維持されるため、温度勾配は昇温時におけるそれよりも緩やかとなる。このため、温度曲線から温度勾配の変化を検知し、温度勾配が所定以下になると、水分蒸発工程B2に移行する。
0033
水分蒸発工程B2では、炊飯釜1内の水分が略蒸発するまで炊飯釜1を加熱する。そして、水分蒸発工程で炊飯釜1内の水分がなくなると、水分蒸発温度よりも釜底温度が上昇して、温度勾配が負から正に変化する。このため、温度曲線から温度勾配の変化を検知し、温度勾配の変曲点が現れると、炊き上げ工程に移行する(ステップST8)。
0034
そして、炊き上げ工程では、焦げ目レベル指定部5で指定した弱めの焦げ目レベルに応じた炊き上がり時間eが経過するまで、比例弁24を所定の開度(例えば、中)として加熱が継続される(ステップST9)。既述したように、本実施の形態では、弱めの焦げ目レベルが指定されている場合、補正温度△Tによることなく、焦げ目レベルに応じて設定されている補正時間△tを利用し、標準焦げ目レベルに対応して設定されている標準炊き上がり時間t0よりも補正時間△t短い時間(t0−△t)を炊き上がり時間eとして設定しているから、焦げ目レベルの相違による温度差が小さい場合でも、焦げ目レベルに応じて焦げ具合を制御できる。しかも、本実施の形態によれば、炊き上げ工程における炊き上がり温度によらず炊き上がり時間を炊き上がり条件とするから、炊き上がりの終了判定のために炊き上げ工程における温度上昇を必要としない。それゆえ、補正温度△Tによって焦げ具合を制御できない炊飯器でも、所望の焦げ具合で米飯を炊き上げることができる。
0035
上記のようにして炊き上がり時間eが到来すると、第1及び第2ガス弁22,23を閉弁してガスバーナ2を消火し、炊飯釜1内の米飯を所定時間、蒸らす蒸らし工程が実行され、この蒸らし工程の終了により全炊飯工程が終了する(ステップST10〜ST11)。
0036
一方、焦げ目レベル指定部5で焦げ目レベルが指定されていない場合や、標準または強めの焦げ目レベルが指定されている場合、焦げ目レベルに応じた補正温度△Tが読み込まれ、ガスバーナ2が点火される(ステップST12〜ST13)。次いで、既述した予備炊き工程及び本炊き工程が実行され、炊き上げ工程に移行した後(ステップST14〜ST16)、釜底温度の温度勾配が負から正に移行する変化する変曲点の温度(図2の(a))を炊き上げ判定基準温度T0として設定し、炊き上げ判定基準温度T0に焦げ目レベルに応じた補正温度△Tを加算した温度(T0+△T)を炊き上がり温度Eとして設定する(ステップST17〜ST18)。そして、釜底温度が設定された炊き上がり温度Eになると、ガスバーナ2が消火され、所定の蒸らし工程が実行されて、全炊飯工程が終了する(ステップST19、及びステップST10〜ST11)。
0037
このように、本実施の形態の炊飯器では、弱めの焦げ目レベルでは、標準焦げ目レベルに対応して設定されている標準炊き上がり時間t0から、指定された焦げ目レベルに応じて設定されている補正時間△tを減算した時間(t0−△t)を炊き上がり時間eとして設定し、標準焦げ目レベルまたは強めの焦げ目レベルでは、炊き上げ判定基準温度T0に指定された焦げ目レベルに応じて設定されている補正温度△Tを加算した温度(T0+△T)を炊き上がり温度Eとして設定するから、大型の炊飯器でいずれの焦げ目レベルが指定された場合でも、所望の焦げ具合の米飯を炊き上げることができる。
0038
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、標準焦げ目レベルとして、強めの焦げ目レベルと弱めの焦げ目レベルの中央値が設定されているが、中央値よりも強めあるいは弱めの焦げ目レベルを標準焦げ目レベルに設定してもよい。この場合、上記実施の形態と同様に、補正温度△Tにより炊き上がり温度が判定できる焦げ目レベルを標準焦げ目レベルに設定することが好ましい。
(2)上記実施の形態では、炊飯量に関わらず、一定の補正時間△tが設定されているが、炊飯量に応じて補正時間△tを変更してもよい。
(3)上記実施の形態では、炊き上げ工程に移行した後、焦げ目レベルに応じて設定される炊き上がり時間になったかどうかから炊き上がりが判定されているが、焦げ付きやすい炊飯器の場合、炊き上がり工程よりも前の本炊き工程中に炊き上がり時間が到来するように設定してもよい。
(4)上記実施の形態では、炊飯器としてガスバーナを用いたガス炊飯器を挙げたが、電気ヒータを用いた電気炊飯器に適用してもよい。
(5)上記実施の形態では、検知温度として、釜底センサで検知される釜底温度が用いられているが、釜内センサで検知される釜内温度を用いてもよい。
0039
1炊飯釜
2ガスバーナ
5焦げ目レベル指定部
13釜底センサ
30 制御装置