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技術 細胞培養装置および細胞培養方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 安藤健柴田徳啓
出願日 2016年5月12日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-096113
公開日 2017年11月16日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-201946
状態 特許登録済
技術分野 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 揺動角度θ 保管位置情報 揺動台 揺動回数 揺動周波数 実施予定 継代作業 プラスティック製
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

複数種類細胞共培養時における継代作業時においても1種類ずつ細胞を回収することが可能な細胞培養装置および細胞培養方法を提供する。

解決手段

細胞培養装置は、培養する細胞の種類および剥離剤薬液種類を設定する培養方法設定部と、培養方法設定部で設定された細胞種類および薬液種類に応じて、培養容器の中で培養された細胞を剥離するまでに必要となる剥離時間を決定する剥離時間決定部と、剥離時間決定部により決定された剥離時間に基づいて、異なる種類の細胞を分離する分離部と、を備える。

概要

背景

細胞培養装置は、再生医療分野創薬分野において、細胞を大量に作成するため、また自動化により培養する細胞の品質を一定化するために用いられる。細胞は、培養容器の中で培養される。細胞の増殖に伴って、細胞数は培養容器の体積いっぱいまで増加する(以下、コンフルエント状態と呼ぶ)。

培養容器の底面に張り付いて増殖する接着性細胞の場合に、コンフルエント状態になると、剥離剤を加えることで培養容器底面から細胞を剥がし、回収した後で、回収した細胞を含んだ培養液(以下、細胞懸濁液と呼ぶ)を分割し、新しい培養容器に播種するという継代という作業が行われる。

例えば、特許文献1には、培養容器を傾斜させ、培養容器の傾斜面の高い位置から低い位置に薬液吸引吐出するためのピペットチップを動かしながら、薬液を吐出することで、培養容器から細胞を剥離する細胞培養装置が開示されている。

図6Aから図6Dは、特許文献1に開示された従来の細胞培養装置における細胞剥離の方法を説明する図である。従来の細胞剥離方法は、剥離液の吐出を2回行うと共に、図6Aおよび図6Bに示す1回目の吐出時と図6Cおよび図6Dに示す2回目の吐出時で培養容器10を互いに逆方向に傾けて、ピペット2は、培養容器10の傾斜面の高い位置から低い位置に向かつて動きながら、剥離液を吐出することで、培養容器の底面に接着した細胞を満遍なく剥離、回収する方法である。

概要

複数種類の細胞の共培養時における継代作業時においても1種類ずつ細胞を回収することが可能な細胞培養装置および細胞培養方法を提供する。細胞培養装置は、培養する細胞の種類および剥離剤の薬液種類を設定する培養方法設定部と、培養方法設定部で設定された細胞種類および薬液種類に応じて、培養容器の中で培養された細胞を剥離するまでに必要となる剥離時間を決定する剥離時間決定部と、剥離時間決定部により決定された剥離時間に基づいて、異なる種類の細胞を分離する分離部と、を備える。

目的

本発明の目的は、複数種類の細胞の共培養時における継代作業時においても1種類ずつ細胞を回収することが可能な細胞培養装置および細胞培養方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

培養する細胞の種類および剥離剤薬液種類を設定する培養方法設定部と、前記培養方法設定部で設定された細胞種類および薬液種類に応じて、培養容器の中で培養された細胞を剥離することに要する剥離時間を決定する剥離時間決定部と、前記剥離時間決定部により決定された剥離時間に基づいて、異なる種類の細胞を分離する分離部と、を備える、細胞培養装置

請求項2

前記剥離時間決定部により決定された剥離時間に基づいて、前記培養容器を揺動することにより、当該培養容器の中で培養された2種類以上の細胞をそれぞれ異なるタイミングで剥離させるように構成された揺動部をさらに備える、請求項1に記載の細胞培養装置。

請求項3

前記培養容器を保管するインキュベータ部と、前記培養容器を、前記インキュベータ部と前記揺動部との間で搬送する搬送部と、をさらに備える、請求項2に記載の細胞培養装置。

請求項4

培養する細胞の種類および剥離剤の薬液種類を設定する設定ステップと、前記設定ステップで設定された細胞種類および薬液種類に応じて、培養容器の中で培養された細胞を剥離することに要する剥離時間を決定する剥離時間決定ステップと、前記剥離時間決定ステップにより決定された剥離時間に基づいて、異なる種類の細胞を分離する分離ステップと、を備える、細胞培養方法

請求項5

前記培養容器を揺動させることにより細胞を剥離させる剥離ステップをさらに有する、請求項4に記載の細胞培養方法。

請求項6

前記剥離ステップにおいては、前記培養容器を所定時刻に揺動させるときの揺動の周波数が当該所定時刻より後に揺動させるときの揺動の周波数よりも高い、請求項5に記載の細胞培養方法。

請求項7

前記剥離ステップにおいては、前記培養容器を所定時刻に揺動させるときの振幅が当該所定時刻より後に揺動させるときの振幅よりも大きい、請求項5に記載された細胞培養方法。

請求項8

前記剥離ステップにおいては、前記培養容器を所定時刻に揺動させるときの揺動の回数が当該所定時刻より後に揺動させるときの揺動の回数よりも多い、請求項5に記載された細胞培養方法。

技術分野

0001

本発明は、細胞培養装置および細胞培養方法に関するものである。

背景技術

0002

細胞培養装置は、再生医療分野創薬分野において、細胞を大量に作成するため、また自動化により培養する細胞の品質を一定化するために用いられる。細胞は、培養容器の中で培養される。細胞の増殖に伴って、細胞数は培養容器の体積いっぱいまで増加する(以下、コンフルエント状態と呼ぶ)。

0003

培養容器の底面に張り付いて増殖する接着性細胞の場合に、コンフルエント状態になると、剥離剤を加えることで培養容器底面から細胞を剥がし、回収した後で、回収した細胞を含んだ培養液(以下、細胞懸濁液と呼ぶ)を分割し、新しい培養容器に播種するという継代という作業が行われる。

0004

例えば、特許文献1には、培養容器を傾斜させ、培養容器の傾斜面の高い位置から低い位置に薬液吸引吐出するためのピペットチップを動かしながら、薬液を吐出することで、培養容器から細胞を剥離する細胞培養装置が開示されている。

0005

図6Aから図6Dは、特許文献1に開示された従来の細胞培養装置における細胞剥離の方法を説明する図である。従来の細胞剥離方法は、剥離液の吐出を2回行うと共に、図6Aおよび図6Bに示す1回目の吐出時と図6Cおよび図6Dに示す2回目の吐出時で培養容器10を互いに逆方向に傾けて、ピペット2は、培養容器10の傾斜面の高い位置から低い位置に向かつて動きながら、剥離液を吐出することで、培養容器の底面に接着した細胞を満遍なく剥離、回収する方法である。

先行技術

0006

国際公開第2015/098081号

発明が解決しようとする課題

0007

近年、培養技術培養方法発展に伴い、1つの培養容器の中で1種類の細胞を単独で培養するだけではなく、1つの培養容器の中で2種類以上の細胞を培養する共培養と呼ばれる培養方法が注目をされている。例えば、人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem cell:iPS細胞)の培養において、iPS細胞をマウス繊維芽細胞(SNL細胞など)の上で培養することで、安定したiPS細胞の培養が実現できることが知られている。このような共培養において継代作業を実施するときには、1種類ずつ細胞を分けて回収することが望ましい。

0008

しかし、従来の細胞培養装置における細胞剥離の方法を共培養時に用いると、ピペットチップから吐出される剥離剤や培地水流の勢いで、複数種類の細胞をまとめて剥離、回収してしまうという問題が生じる。

0009

本発明の目的は、複数種類の細胞の共培養時における継代作業時においても1種類ずつ細胞を回収することが可能な細胞培養装置および細胞培養方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

上記目的を達成するために、本発明における細胞培養装置は、
培養する細胞の種類および剥離剤の薬液種類を設定する培養方法設定部と、
前記培養方法設定部で設定された細胞種類および薬液種類に応じて、培養容器の中で培養された細胞を剥離することに要する剥離時間を決定する剥離時間決定部と、
前記剥離時間決定部により決定された剥離時間に基づいて、異なる種類の細胞を分離する分離部と、
を備える。

0011

また、本発明における細胞培養方法は、
培養する細胞の種類および剥離剤の薬液種類を設定する設定ステップと、
前記培養方法設定部で設定された細胞種類および薬液種類に応じて、培養容器の中で培養された細胞を剥離することに要する剥離時間を決定する剥離時間決定ステップと、
前記剥離時間決定部により決定された剥離時間に基づいて、異なる種類の細胞を分離する分離ステップと、
を備える。

発明の効果

0012

本発明によれば、複数種類の細胞の共培養時における継代作業時においても1種類ずつ細胞を回収することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の実施の形態に係る細胞培養装置の概要
本実施の形態に係る細胞培養装置においてインキュベータ部の中で培養容器の位置が管理されていることを示す図
揺動部を水平方向から見たときの図
図3Aを見たときの位置から水平面上で直交する位置から揺動部を見たときの図
共培養において細胞を1種類ずつ剥離・回収するプロセスを説明するフロー
細胞を剥離するときの時刻条件を説明する図
先行技術文献に示された細胞剥離の様子を上方から見たときの図
細胞剥離の様子を水平方向から見たときの図
逆方向に傾けられた培養容器から細胞を剥離する様子を上方から見たときの図
逆方向に傾けられた培養容器から細胞を剥離する様子を水平方向から見たときの図

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、それぞれの構成要素を主体として、模式的に示している。

0015

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る細胞培養装置100の概要図である。

0016

本実施の形態に係る細胞培養装置100は、図1に示すように、インキュベータ部111と、揺動部112と、搬送部113と、薬液吸引吐出部114と、培養方法設定部115と、剥離時間決定部116と、データベース部117と、を備える。

0017

インキュベータ部111は、培養容器110を保管する。

0018

培養容器110は、ディッシュウェルプレートなど細胞を培養するプラスティック製などの容器である。

0019

インキュベータ部111は、培養容器110を所定の環境(例えば、CO2濃度5%、温度37度)で保存する。なお、細胞培養装置100は、インキュベータ部111中での培養容器110の保存場所を管理する。

0020

図2にインキュベータ部111の中で培養容器110の保存場所が管理されている様子の一例を示す。

0021

培養容器110はインキュベータ部111内に格子状に区切られた保存場所に1枚ずつ保存されている。例えば、図2に示す培養容器Aは、3列目2段目に置かれているといった情報がデータベース部117に記録されている。

0022

細胞培養装置100の中にあるデータベース部117においては、培養容器110の保存されている場所情報だけでなく、入庫された培養容器110毎に入庫された日時、インキュベータ部111における保存場所などの細胞培養装置100の機械的動作に関する情報と、実施したタスク実施予定と設定されたタスク、培養中の細胞の増殖状態撮像した写真培養細胞の種類などの培養容器110で培養されている細胞や培養方法に関する情報が記録・保存されている。

0023

インキュベータ部111から培養容器110が搬送部113により搬出されたり、インキュベータ部111に培養容器110が搬入されたりするときには、タスク設定時に選択された培養容器110に対して、データベース部117で関連付けて管理されているインキュベータ部111における保存場所に関する情報を使うことで、同じインキュベータ部111の保存場所に保存されるようにすることができる。

0024

揺動部112は、培養容器110を揺動することができる。

0025

揺動部112は、培養容器110を任意の姿勢傾けることができる。揺動部112の機構例を図3A図3Bに示す。図3Aは揺動部112を水平方向から見たときの図を示し、図3Bは、図3Aにおける視線の方向と水平面上で直交する方向から揺動部112を見たときの図を示す。

0026

図3Aにおいて、モータ131を正転反転させる動きは、ギア133、ギア134により伝達されて、培養容器110が置かれている揺動台137を図3A紙面と直交する方向に揺動させる。

0027

一方、図3Bにおいて、モータ132が正転・反転する動きは、ギア135、ギア136により伝達されて、培養容器110が置かれている揺動台137を図3Bの紙面と直交する方向に揺動させる。

0028

このような2つのモータの動きを組み合わせることで培養容器110を上面から見たときに円弧を描くような動きを実現することができる。モータ131、132の正転・反転時の周波数振幅を変化させることで、培養容器110の揺動の強さを変化させることができる。例えば、周波数を高く、振幅を大きくすることで揺動の強さを強くすることができる。

0029

搬送部113は、培養容器110を第1位置と当該第1位置とは別の第2位置との間で搬送する。

0030

搬送部113は、培養容器110をインキュベータ部111から揺動部112まで搬送し、また、培養容器110を揺動部112からインキュベータ部111に搬送する。また、図1に図示しないが、搬送部113は、細胞培養装置100内の任意の位置に培養容器110を搬送することができる。

0031

薬液吸引吐出部114は、薬液を吸引・吐出する。

0032

薬液吸引吐出部114は、先端にピペットチップを有しており、細胞培養装置100内に設置された薬液保管部から所定の量を吸引し、揺動部112に設置された培養容器110に薬液を吐出する。また、薬液吸引吐出部114は、揺動部112に設置された培養容器110の中に入っている薬液を所定の量だけ吸引し、細胞培養装置100内にある廃液部に吐出する。

0033

薬液吸引吐出部114による培養容器110の底面上でのピペッティングにより細胞が回収される。薬液吸引吐出部114が本発明の「分離部」に対応する。なお、分離部の一例として薬液吸引吐出部114を示したが、分離部としては、共培養された細胞を分離するものであればよく、薬液吸引吐出部114に限定されない。例えば、細胞を吸引する装置を備え分離してもよいし、細胞を押し出す装置を備え分離してもよく、培養容器110を傾ける装置を備え分離してもよく、培養容器110を回転させる装置を備え遠心力により分離してもよい。

0034

培養方法設定部115は、培養する細胞の種類や用いる剥離剤などの薬液種類を設定する。具体的には、培養方法設定部115は、培養容器110毎に培養する細胞種類、コーティング剤種類、培地種類、剥離剤種類を設定する。

0035

剥離時間決定部116は、インキュベータ部111で培養容器110が保管されるという前提で、次に説明するデータベース部117に記憶された剥離時間を参照して、培養方法設定部115で設定された細胞種類や剥離剤種類などの組合せに応じて剥離時間を決定する。

0036

データベース部117は、培養容器110で培養される細胞種類などの情報、インキュベータ部111内での培養容器110の保管位置情報、搬送部113により搬送された培養容器110の位置情報、薬液吸引吐出部114で吸引・吐出された薬液種類・量などの情報、培養方法設定部115で決定された培養容器110の培養方法に関する情報などを記憶し管理する。
なお、接着性の細胞が剥離剤を培養容器110に入れてから剥離するまでに要する時間(剥離時間)は、培養方法設定部115で設定する細胞種類、コーティング剤種類、培地種類、剥離剤の種類・濃度・量や雰囲気温度などに依存することが知られている。また、細胞種類や剥離剤種類などの組合せに応じた剥離時間は、実験結果により求めることが可能である。

0037

データベース部117は、剥離時間決定部116で決定された培養容器110の剥離時間に関する情報、細胞種類、コーティング剤種類、培地種類、剥離剤種類・濃度・量の組合せごとに細胞が剥離するまでに必要な時間(剥離時間)を記録している。

0038

つまり、剥離時間決定部116が剥離時間を決定する際には、細胞種類、コーティング剤種類、培地種類、剥離剤種類・濃度・量の組合せごとに細胞が剥離するまでに必要な時間が記録されているデータベース部117を参照する。

0039

ここで細胞が剥離するとは、タンパク質分解酵素により細胞と培養容器110の表面に吸着しているタンパク質の結合を切断すること、コラーゲン分解酵素により培養容器110の表面に吸着しているコラーゲンを分解し、細胞と培養容器110の結合を切断すること、を指す。タンパク質分解酵素の代表例としてトリプシン、コラーゲン分解酵素の代表例としてコラゲナーゼがあり、iPS細胞を剥離する代表的な剥離剤であるCTKはトリプシンとコラゲナーゼを含んでいる。

0040

ここで、上述した剥離時間決定部116が決定する剥離時間は三種類ある。

0041

一つ目は、剥離剤を入れた培養容器110をインキュベータ部111で保存した後に揺動部112で行いうる揺動のうち最も激しい揺動を行った際に培養容器110内の全ての細胞が剥離される最短時間t1である。ここで、「最も激しい揺動」とは、揺動の程度が最も高い揺動をいう。揺動の程度は、揺動回数揺動周波数および揺動角度(振幅)の少なくとも一つで表される。したがって、最も激しい揺動とは、揺動回数が最も多い揺動、揺動周波数が最も高い揺動、または、揺動角度が最も大きい揺動の少なくとも一つをいう。

0042

二つ目は、剥離剤を入れた培養容器110をインキュベータ部111で保存した後に揺動部112で何の揺動動作を行わなくても培養容器110内の全ての細胞が剥離される最短時間t2である。ここで、「最短時間t2」とは、剥離が完了する時間をいう。

0043

三つ目は、剥離剤を入れた培養容器110をインキュベータ部111で保存した後に揺動部112による揺動、薬液吸引吐出部114によるピペッティングにより細胞を剥離・回収する時間tである。

0044

また、剥離時間決定部116は、データベース部117に記録された細胞種類等の組合せごとの剥離時間を参照し、細胞種類A、細胞種類B、剥離剤の薬液種類などに応じた剥離時間t1(A)、t1(B)、t2(A)、t2(B)、t(A)、t(B)を決定し、さらに、剥離時間t(A)およびt(B)に基づいて、揺動回数N(A)、N(B)、揺動周波数f(A)、f(B)、揺動角度θ(A)、θ(B)を決定する。

0045

ここで、細胞Xに対して剥離時間決定部116が決定するt1、t2、tをt1(X)、t2(X)、t(X)と表記する。また、剥離時間決定部116が決定する揺動回数N、揺動周波数f、揺動角度θを、N(X)、f(X)、θ(X)と表記する。

0046

図4は、2種類の細胞(細胞種類Aと細胞種類B)を共培養しているときに、細胞種類毎に細胞を剥離・回収するための工程を示すフロー図である。

0047

以下の説明で、揺動部112は、剥離時間決定部116により決定された揺動回数、揺動周波数、揺動角度に基づいて、図示しない制御部により制御されて、培養容器110を揺動する。また、搬送部113は、制御部により制御されて、培養容器110を搬送する。

0048

インキュベータ部111内の同一の培養容器110で、細胞種類Aと細胞種類Bが培養される(ステップS1)。

0049

継代もしくは細胞回収の必要が生じた場合、搬送部113は、培養容器110をインキュベータ部111から揺動部112へ搬送する。薬液吸引吐出部114は、培養容器110内の培地を全て吸引し、廃液部(図示略)に廃液する。

0050

その後、薬液吸引吐出部114は、剥離剤を培養容器110に注液する(ステップS2)。

0051

搬送部113は、培養容器110を揺動部112からインキュベータ部111に搬送する。インキュベータ部111は、培養容器110を保管する(ステップS3)。

0052

搬送部113は、時刻t(A)に再びインキュベータ部111から揺動部112に培養容器110を搬送させる(ステップS4)。

0053

揺動部112は、培養容器110を激しく揺動する(培養容器110の揺動周波数f(A)Hz、揺動角度θ(A)、揺動回数N(A))。これにより、培養容器110内にある培養液、剥離剤などの液体により水流が生じ、細胞種類Aのみを剥離する。薬液吸引吐出部114は、剥離された細胞を回収する(ステップS5)。

0054

その後、搬送部113は、再度、培養容器110を揺動部112からインキュベータ部111に搬送する。インキュベータ部111は培養容器110を保管する(ステップS6)。

0055

時刻t(B)に、搬送部113は、再び培養容器110をインキュベータ部111から揺動部112に搬送する(ステップS7)。

0056

揺動部112は、培養容器110を穏やかに揺動する(培養容器110の揺動周波数f(B)Hz、揺動角度θ(B)、揺動回数N(B))。これにより、培養容器110内にある培養液、剥離剤などの液体により水流が生じ、細胞種類Bを剥離する。薬液吸引吐出部114は、剥離された細胞を回収する(ステップS8)。具体的に、培養容器110を揺動する際の揺動の程度は、細胞種類Bを剥離するときの方が、細胞種類Aを剥離するときの方より低い。ここでは、揺動周波数f(B)はf(A)より低く、揺動角度θ(B)はθ(A)より小さく、揺動回数N(B)はN(A)より少ない。

0057

この際、細胞種類Aを回収するときに薬液吸引吐出部114の先端に付けられたピペットチップと細胞種類Bを回収するときに薬液吸引吐出部114の先端に付けられたピペットチップは異なることが多い。

0058

ピペットチップを交換するタイミングは、ステップS5の後からステップS8の前であれば、どのタイミングでも良い。

0059

以上により、細胞種類Aと細胞種類Bを分離した状態で培養容器110から剥離し、回収することができる。

0060

上記のフローで細胞種類Aと細胞種類Bを分離した状態で培養容器110から剥離し、回収するためには、例えば、以下の条件を満たせばよい。ただし、インキュベータ部111から揺動部112への搬送時間をtd、細胞種類Aの回収時間をtaspとする。
t1(A)<t(A)≦t2(A) ・・・(1)
t1(B)<t(B)≦t2(B) ・・・(2)
t1(B)−t1(A)>N(A)/f(A)+2×td+tasp ・・・(3)
t(A)<t1(B) ・・・(4)

0061

式(1)および式(2)は同様の条件であり、実際に剥離する時間tは、揺動により剥離が可能になった時刻t1から、完全に剥離が完了する時刻t2までにしなければいけない。

0062

t1より前に剥離を行うことができず、t2より後に剥離をすると剥離剤により細胞が悪影響を受ける可能性が高くなる。

0063

式(3)は、細胞種類Aと細胞種類Bの細胞を分離して回収を行えるかを検討するための条件である。揺動により剥離可能となる時刻の差は、揺動時間(揺動回数/揺動周波数)にインキュベータ部111から揺動部112への往復の搬送時間および細胞種類Aを回収するための時間を加えたものよりも大きくなければいけない。この条件を満たさなければ、t(A)、t(B)をどのように設定しても分離して回収することはできない。

0064

式(4)は、実際に細胞種類Aの剥離を行う時刻t(A)が細胞種類Bが揺動により剥離が可能になった時刻t1(B)よりも早くなければいけないという条件である。仮に、t1(B)より遅い時刻にt(A)を設定してしまうと、時刻t(A)で揺動を行ったときに、細胞種類Aに加えて、細胞種類Bも培養容器110から剥離してしまい、細胞種類Aに混入してしまう可能性が高くなる。

0065

上記の条件を満たすものとして、発明者らは試行錯誤的に2種類の細胞の共培養から1種類ずつ細胞を回収する条件を見出した。

0066

例えば、ヒトiPS細胞細胞株名:253G1)とマウス繊維芽細胞(細胞株名:SNL)との共培養において、剥離剤CTKを用いて細胞を剥離、回収するときには、細胞種類Aをマウス繊維芽細胞(細胞株名:SNL)とし、また、細胞種類BをヒトiPS細胞(細胞株名:253G1)とした場合、
t1(A)=20秒、t2(A)=60秒、t(A)=30秒、f(A)=1Hz、θ(A):20deg、N(A)=4回
t2(B)=t(B)=240秒、t1(B)=180秒、f(B)=0.5Hz、θ(B)=10deg、N(B)=2回
という条件で細胞を個別に剥離することができた。

0067

なお、t(A)はできるだけ早い時刻の方が望ましい。早い時刻で剥離することで可能な限り細胞種類Bが剥がれ、混入することを避けることができる。

0068

また、t(B)はできるだけt2(B)に近い時刻の方が望ましい。これにより、培養容器110の揺動をほとんどすることがなく、水流により細胞に与える悪影響を低減することができる。

0069

また、t(A)をできるだけ早い時刻にし、かつ、t(B)をできるだけt2(B)に近い時刻にしつつ、剥離を実現するためには、f(A)>f(B)、θ(A)>θ(B)、N(A)>N(B)とすることが望ましい。これにより正確に細胞を剥離することができる。

0070

その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

0071

本発明は、再生医療や創薬など細胞を用いた治療検査が必要な細胞培養装置に好適に利用される。

0072

100細胞培養装置
110培養容器
111インキュベータ部
112揺動部
113 搬送部
114薬液吸引吐出部
115培養方法設定部
116剥離時間決定部
117データベース部

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