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技術 回転電機の固定子

出願人 三菱電機株式会社
発明者 前田秀行
出願日 2016年4月28日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2016-090355
公開日 2017年11月2日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2017-200350
状態 特許登録済
技術分野 電動機、発電機の巻線の絶縁、固着
主要キーワード 分割枚数 シート板 スロット形 絶縁端板 電磁鋼帯 巻線体 複層シート 固定子片
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

スロット内の巻線占積率を向上させることができる回転電機固定子を得る。

解決手段

ヨーク片11とティース部12にて形成されるスロット形成部13に、2枚の絶縁板211,212とが重ねられて形成された絶縁シート21が装着され、図9(a)における紙面に垂直な方向からスロット形成部13へ絶縁端部材22が装着され保持部22aにて絶縁シート21の端部が挟持されて構成された絶縁体2に、図示しない巻線体3が巻回される。絶縁シート21が絶縁板211,212の2枚にて構成されているので、図9(b)のように絶縁シート21をスロット形成部13に沿うように曲げ加工するとき角部の曲げ半径を1枚の絶縁板で構成したときよりも小さくでき、その分、スロット形成部13内の巻線占積率が向上する。

概要

背景

近年、電動機の小型化及び高出力を実現するために、固定子鉄心を分割した積層鉄心片極歯部(ティース部)に集中巻をして巻線体を形成したり、連結部で連結された積層鉄心片を開いて積層鉄心片の極歯部に集中巻をして巻線体を形成した後、円環状に連なるように積層鉄心を配置することでスロット内の巻線占積率(スロットの面積に対して巻線体の面積が占める割合)を向上させた回転電機固定子が用いられている。このような従来の回転電機の固定子において、積層鉄心(積層鉄心片)の積層方向の両端部に絶縁端板を、積層鉄心の極歯部の両側の凹状のスロット部に絶縁シートを装着することにより積層鉄心を絶縁処理しているものがある(例えば、特許文献1参照)。

概要

スロット内の巻線占積率を向上させることができる回転電機の固定子を得る。ヨーク片11とティース部12にて形成されるスロット形成部13に、2枚の絶縁板211,212とが重ねられて形成された絶縁シート21が装着され、(a)における紙面に垂直な方向からスロット形成部13へ絶縁端部材22が装着され保持部22aにて絶縁シート21の端部が挟持されて構成された絶縁体2に、示しない巻線体3が巻回される。絶縁シート21が絶縁板211,212の2枚にて構成されているので、(b)のように絶縁シート21をスロット形成部13に沿うように曲げ加工するとき角部の曲げ半径を1枚の絶縁板で構成したときよりも小さくでき、その分、スロット形成部13内の巻線占積率が向上する。

目的

この発明は前記のような問題点を解決するためになされたものであり、スロット内の巻線占積率を向上させることのできる回転電機の固定子を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

鉄心片絶縁シート巻線体とを有する固定子片が鉄心片連結部にて連結された連結体が環状に配置されて形成される回転電機固定子であって、前記鉄心片は、板材が積層されたものであって、ヨーク片ティース部とスロット形成部とを有し、前記ティース部は、前記ヨーク片から突設されるとともに前記突設方向の端部が前記突設方向と直交する方向に拡大されたものであり、前記スロット形成部は、前記ヨーク片と前記ティース部とにより形成されたものであって、前記ティース部の両側においてスロットを形成するものであり、前記絶縁シートは、複数の絶縁板が重ねられたものであって、前記スロット形成部の形状に合わせて設けられた角部を有し、前記絶縁シートが前記スロット形成部に装着され、前記巻線体は、導体が前記スロット形成部に装着された前記絶縁シートを介在させて前記ティース部に巻回されたものである回転電機の固定子。

請求項2

前記絶縁シートは、複数の前記絶縁板を連結する連結部を有するものである請求項1に記載の回転電機の固定子。

請求項3

前記絶縁シートは、複数の前記絶縁板の厚さが全て同じものである請求項1または請求項2に記載の回転電機の固定子。

請求項4

前記絶縁シートは、複数の前記絶縁板のうち、少なくとも2枚がその厚さが異なるものである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。

請求項5

前記絶縁シートは、側方絶縁部材を有し、前記側方部絶縁部材は複数の前記絶縁板のうちの少なくとも1つと一体に形成されたものであって前記巻線体の側方部を覆うものである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。

請求項6

前記側方部絶縁部材は、前記巻線体の前記側方部を前記側方部の全長に亘って覆うものである請求項5に記載の回転電機の固定子。

請求項7

前記絶縁シートは、前記側方部絶縁部材が隣接する別の固定子片の絶縁シートの側方部絶縁部材と一体化されたものである請求項5または請求項6に記載の回転電機の固定子。

請求項8

絶縁端部材を有するものであって、前記絶縁端部材は、前記スロット形成部に前記板材の積層方向から装着され前記絶縁シートを前記スロット形成部に押圧して前記絶縁シートを挟持するとともに前記絶縁シートと組み合わされて前記導体が巻回される絶縁体を形成し、前記スロット形成部と前記巻線体とを絶縁するものである請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の回転電機の固定子。

技術分野

0001

本発明は、回転電機固定子に関するものである。

背景技術

0002

近年、電動機の小型化及び高出力を実現するために、固定子鉄心を分割した積層鉄心片極歯部(ティース部)に集中巻をして巻線体を形成したり、連結部で連結された積層鉄心片を開いて積層鉄心片の極歯部に集中巻をして巻線体を形成した後、円環状に連なるように積層鉄心を配置することでスロット内の巻線占積率(スロットの面積に対して巻線体の面積が占める割合)を向上させた回転電機の固定子が用いられている。このような従来の回転電機の固定子において、積層鉄心(積層鉄心片)の積層方向の両端部に絶縁端板を、積層鉄心の極歯部の両側の凹状のスロット部に絶縁シートを装着することにより積層鉄心を絶縁処理しているものがある(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2003−61286号公報(段落番号0005、0015、0016、図1および図2

発明が解決しようとする課題

0004

従来の固定子は以上のように構成されているので、凹状のスロット部に絶縁シートを装着するためには絶縁シートを折り曲げ加工をする必要があり絶縁シートの折り曲げられた角部には絶縁シートの厚さに応じて曲げ半径部ができ、この曲げ半径部のスペース分だけ巻線可能領域が減少しスロット内の巻線占積率が低下するという問題点があった。

0005

この発明は前記のような問題点を解決するためになされたものであり、スロット内の巻線占積率を向上させることのできる回転電機の固定子を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

この発明における回転電機の固定子は、
鉄心片と絶縁シートと巻線体とを有する固定子片が鉄心片連結部にて連結された連結体が環状に配置されて形成される回転電機の固定子であって、
前記鉄心片は、板材が積層されたものであって、ヨーク片とティース部とスロット形成部とを有し、
前記ティース部は、前記ヨーク片から突設されるとともに前記突設方向の端部が前記突設方向と直交する方向に拡大されたものであり、
前記スロット形成部は、前記ヨーク片と前記ティース部とにより形成されたものであって、前記ティース部の両側においてスロットを形成するものであり、
前記絶縁シートは、複数の絶縁板が重ねられたものであって、前記スロット形成部の形状に合わせて設けられた角部を有し、
前記絶縁シートが前記スロット形成部に装着され、
前記巻線体は、導体が前記スロット形成部に装着された前記絶縁シートを介在させて前記ティース部に巻回されたものである。

発明の効果

0007

この発明における回転電機の固定子においては、スロット形成部の形状に合わせて設けられた角部を有しスロット形成部に装着される絶縁シートを、複数の絶縁板が重ねられたもので構成したので、1枚当たりの絶縁板の厚さが薄くなり、絶縁シートを1枚の絶縁板で構成したときよりも絶縁シートの角部の曲げ半径を小さくでき、その分、スロット内における導体の巻回可能領域を大きくすることができ、スロット内の巻線占積率を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0008

実施の形態1による回転電機の固定子の斜視図である。
実施の形態1による固定子片の斜視図である。
実施の形態1による鉄心片および絶縁体を示すものであり、図3(a)は斜視図、図3(b)は端部の拡大図、図3(c)は分解斜視図である。
実施の形態1による鉄心片および絶縁体を示すものであり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図、図4(c)は正面断面図、図4(d)は側面断面図である。
実施の形態1による鉄心片および絶縁体を示すものであり、図5(a)は平面断面図、図5(b)は図5(a)の正面断面図である。
実施の形態1による鉄心片および絶縁体を示す分解斜視図である。
実施の形態1による絶縁シートの平面断面図である。
従来の鉄心片および絶縁体を示すものであり、図8(a)は平面断面図、図8(b)は図8(a)のA部の拡大図である。
実施の形態1の作用効果を説明するための説明図であり、図9(a)は鉄心片および絶縁体を示す平面断面図、図9(b)は図9(a)のB部の拡大図である。
実施の形態1を示すものであり、図10(a)は変形例である複層シートの平面断面図、図10(b)は変形例である絶縁シートの平面断面図である。
図10の複層シートおよび絶縁シートの作用効果を説明するための説明図であり、図11(a)は複層シートの平面断面図、図11(b)は絶縁シートの平面断面図である。
実施の形態1を示すものであり、図12(a)は複層シートの正面図、図12(b)は複層シートの側面図である。
実施の形態1を示すものであり、図13(a)はシート板の正面図、図13(b)は側面図である。
実施の形態1における変形例であるシート板の正面図である。
実施の形態2による固定子片を示す平面図である。
実施の形態2による固定子片を示す斜視図である。
実施の形態2による絶縁シートの断面図である。
実施の形態2を示すものであり、図18(a)は複層シートの正面図、図18(b)は側面図である。
実施の形態2を示すものであり、図19(a)はシート板の正面図、図19(b)は側面図である。
実施の形態2を示すものであり、図20(a)は変形例である複層シートの正面図、図20(b)は側面図である。
実施の形態2を示すものであり、図21(a)は変形例であるシート板の正面図、図21(b)は側面図である。
実施の形態3による固定子片のティース部を示す平面断面図である。
実施の形態3による固定子片を示す平面図である。
実施の形態3を示すものであり、図24(a)は複層シートの正面図、図24(b)は側面図である。
実施の形態3を示すものであり、図25(a)はシート板の正面図、図25(b)は側面図である。
実施の形態3による絶縁シートの平面断面図である。
実施の形態3を示すものであり、変形例である絶縁シートの平面断面図である。
実施の形態4による固定子片のティース部を示す平面断面図である。
実施の形態5による連結された固定子片を開いた状態にした際の固定子片のティース部を示す平面断面図である。
実施の形態5による固定子片を環状に配置した際のティース部を示す平面断面図である。

実施例

0009

実施の形態1.
図1図14は、この発明を実施するための実施の形態1を示すものであり、図1は回転電機の固定子の斜視図、図2は固定子片の斜視図である。図3は鉄心片および絶縁体を示すものであり、図3(a)は斜視図、図3(b)は端部の拡大図、図3(c)は分解斜視図である。図4は鉄心片および絶縁体を示すものであり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図、図4(c)は図4(a)における断面C−Cにおける正面断面図、図4(d)は図4(a)における断面D−Dにおける側面断面図である。図5(a)は鉄心片および絶縁体の平面断面図、図5(b)は図5(a)の縦断面図、図6は鉄心片および絶縁体を示す分解斜視図、図7は絶縁シートの平面断面図である。

0010

図8は従来の鉄心片および絶縁体を示すものであり図8(a)は平面断面図、図8(b)は図8(a)のA部の拡大図である。図9は実施の形態1の作用効果を説明するための説明図であり、図9(a)は鉄心片および絶縁体の平面断面図、図9(b)は図9(a)のB部の拡大図である。図10(a)は変形例である複層シートの平面断面図、図10(b)は変形例である絶縁シートの平面断面図、図11図10の複層シートおよび絶縁シートの作用効果を説明するための説明図であり、図11(a)は複層シートの平面断面図、図11(b)は絶縁シートの平面断面図である。図12(a)は複層シートの正面図、図12(b)は複層シートの側面図、図13(a)はシート板の正面図、図13(b)は側面図である。図14は、変形例であるシート板の正面図である。

0011

固定子100は、図1に示されるように所定数(この実施の形態においては9個)の固定子片110が円環状に配置された円筒状の形状を有している。固定子片110は、図2に示されるように、鉄心片1、絶縁体2、巻線体3を有する。鉄心片1は、図5に示されるようにヨーク片11、ティース部12、スロット形成部13を有する。ティース部12は、一方の端部12aがヨーク片11と一体に形成され、ヨーク片11から図5(a)における下方(固定子100の径方向内方)に突設されている。ティース部12の他方の端部12bは、ティース部12のヨーク片11からの突設方向と直交する方向(固定子100の周方向)に拡大された拡大部12cを有する。ティース部12の図5(a)における左右方向(固定子100の周方向)両側であって、かつヨーク片11と拡大部12cとの間において、ヨーク片11とティース部12によってスロットを形成する凹状のスロット形成部13が形成されている。

0012

また、図6に示されるように隣接する固定子片110のヨーク片11同士が鉄心片連結部7により連結されている。鉄心片連結部7は、ヨーク片11の図3(a)における左右方向の端部の外径側に設けられた細い幅のものである(詳細後述)。ヨーク片11を構成する軟磁性材料であって板材としての電磁鋼板電磁鋼帯から打ち抜かれるときに3枚の電磁鋼板が連結された形で打ち抜かれ、このような電磁鋼板が所定枚数、固定子100の軸方向(z方向)に積層されて、図6(b)に示されるような3個のヨーク片11が鉄心片連結部7により連結された連結体が形成される。連結体は、鉄心片連結部7が塑性変形して、図2図3図6等に示されるように、連結されたヨーク片11が開かれた形に変化することが可能であり、すなわち中央のヨーク片11を中心にして左右のヨーク片11が家鴨がを広げたような形に左右へ開いたり、図1のように閉じて3個が扇形をなすようにしてこれを3組組み合わせて円環状に配置することが可能である。

0013

絶縁体2は、図3に示されるように絶縁シート21および絶縁端部材22を有する。絶縁シート21は、図6および図7に示されるように絶縁板211および絶縁板212を有する。絶縁シート21は、シート状の例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁物である樹脂製の母材から切り抜かれたシートS1(図示せず、図10参照)が2枚重ねられた後、スロット形成部13の形状に合わせるため、金型加圧して曲げ加工を行って角形チャンネル状成形され、2枚のシートS1がそれぞれ絶縁板211および絶縁板212とされたものである。なお、図6は分解斜視図であるので絶縁板211と絶縁板212とを分離して図示しているが、絶縁シート21がスロット形成部13に装着されるときは、この2枚は重ねられている。

0014

絶縁シート21は、図7に示されるように、部位として端部21a、角部21b、中央部21c、角部21d、端部21eを有している。また、絶縁端部材22は保持部22aを有する。絶縁シート21は、鉄心片1のスロット形成部13に装着され、鉄心片1の積層方向の両端部に絶縁端部材22が装着され、絶縁端部材22の保持部22aにより絶縁シート21の鉄心片1の積層方向の端部が鉄心片1に押圧されるとともに鉄心片1との間で挟持されることにより、ティース部12をその突出方向と直交する方向に周回して絶縁する絶縁体2が形成されている。

0015

絶縁シート21を鉄心片1のスロット形成部13に装着するときは、図3に示されるように鉄心片連結部7にて連結された鉄心片1を開く方向に動かし、隣接するティース部12同士の間隔が広げられる。しかる後、スロット形成部13に絶縁シート21が装着され、次に鉄心片1の電磁鋼板の積層方向(図3(a)における上下方向であって最終的には固定子100の軸方向となる)の両端部に絶縁端部材22が装着され、絶縁端部材22の保持部22aにより絶縁シート21の端部が鉄心片1に押圧され鉄心片1との間に挟持され、絶縁体2が形成される。さらに、連結された鉄心片1が開かれた状態で絶縁体2に導体を巻回して巻線体3を形成する。

0016

これにより、3個の固定子片110が鉄心片連結部7にて連結された連結体が完成する。この連結体が3組、環状に配置されて鉄心片1の端部12bにより円筒状の内周部が形成される。そして、鉄心片1同士を例えば溶接接着剤により固定して図1に示される9個の固定子片110を有する固定子100が得られる。なお、絶縁シート21を鉄心片1のスロット形成部13に装着後、後の工程である絶縁端部材22の保持部22aによる絶縁シート21の挟持作業を容易にするために、絶縁シート21を接着材両面テープにてスロット形成部13に固着してもよい。

0017

ここで、絶縁シート21を複数枚(この実施の形態では2枚)の絶縁板211および絶縁板212で構成することによる作用効果を説明する。図8(a)は従来の固定子片のティース部を示す平面断面図、図8(b)は図8(a)におけるA部拡大図である。図8において、絶縁シート921の折り曲げ加工時に、絶縁シート921に割れが生じないように、図8(b)に示されるように、絶縁シート921の角部921dには所定の曲げ半径を設ける必要がある。絶縁シート921が厚いほど割れが生じないように曲げ半径を大きくする必要がある。そのため角部921dが大きくなると、その分巻線できるスペースが減少するため、絶縁シート921が厚いほど巻線可能領域が減少し、巻線占積率(スロットの面積に対して巻線体3の面積が占める割合)が低下する。なお、絶縁端部材922の保持部922aは絶縁端部材22の保持部22a(図9)に相当するものである。

0018

これに対し、図9に示されるように絶縁シート21を絶縁板211および絶縁板212の2枚に分け1枚当たりの厚さを半分にすると、絶縁板211および絶縁板212の曲げ半径を小さくできるため、全体の曲げ半径を小さくでき、導体の巻回可能領域を大きくすることができ、巻線占積率を向上させることができる。なお、本実施の形態においては、隣接する鉄心片1のヨーク片11は変形可能な鉄心片連結部7にて連結されており、連結された鉄心片1同士を開いた状態で導体を巻回して巻線体3を形成することが可能であり、巻回作業が容易であるとともに、ティース部12(スロット形成部13)により多くの導体を巻回することができるため、巻線占積率が向上し、高効率の回転電機を実現できる。

0019

また、絶縁端部材22の保持部22aは絶縁シート21の反発力を受けても損傷しないように強度を持たせる必要がある。従って、絶縁シート21が厚くなり反発力が大きくなると、保持部22aも厚くして強度を上げる必要があり、巻線可能領域が減少してしまう。本実施の形態では絶縁シート21を絶縁板211および絶縁板212に分けて構成することにより、反発力の総和を従来の1枚の絶縁板で構成した絶縁シートの反発力よりも小さくすることができる。
ここで、絶縁板の反発力を簡易的に長方形断面の梁の折り曲げ問題と仮定して以下に計算する。
絶縁板の厚さをhとすると、反発力Pは梁の基礎式から、
P=Eδbh3/4L3 ∝ h3
である。ここに、E:ヤング率、δ:たわみ量、h:厚さ、b:幅、L:長さである。

0020

従って、反発力Pは絶縁板の厚さhの3乗に比例することがわかる。絶縁シートをn枚の絶縁板に分けた場合、1枚当たりの厚さはh/nとなるため、1枚当たりの反発力P1は、
P1=P/n3
となる。
従って、絶縁板n枚の反発力の総和P2は、
P2=P1×n=P/n2
となる。つまり絶縁板をn枚(複数枚)重ね合わせることで、1枚の絶縁板を用いるよりも反発力を大幅に低下させることができる。従って、保持部22aが受ける反発力が小さくなり、保持部22aを薄くすることができるため、この点からも巻線占積率を向上させることができる。

0021

また、前記においては、絶縁シート21が2枚の絶縁板211、212にて形成されたものについて説明したが、絶縁板の枚数は何枚でもよく、分割枚数が多いほど前記効果は大きくなる。ただ、枚数が増加すると搬送や折り曲げ作業が繁雑になるため、通常は2枚か3枚とするのが望ましい。また、絶縁板の厚さは全て同じにする方が、絶縁シートの反発力の総和を小さくでき、さらに、絶縁板の厚さが同じものを用いれば、絶縁板ひいて母材の種類を削減できる効果があるため好ましいが、それぞれの絶縁板の厚みが異なる場合でも反発力を低下させる効果を有するため、厚みが異なってもよい。

0022

次に絶縁シート21の変形例である絶縁シート41について、図10により説明する。絶縁シート41は図10(b)に示されるように、絶縁板211、絶縁板212および絶縁板211と絶縁板212とを連結する連結部41aを有する。また、絶縁シート41は、部位として端部21a、角部21b、中央部21c、角部21d、端部21eを有する。連結部41aは、中央部21cのほぼ中央部に絶縁板211と絶縁板212とを固定し連結するために溶着により形成されたものである。この連結部41aは、図10(b)における紙面に垂直な方向(絶縁シート41の長さ方向)に3箇所設けられている(図示せず)。その他の構成については、図7に示した絶縁シート21と同様のものであるので、相当するものに同じ符号を付して説明を省略する。

0023

絶縁シート41は、次のようにして製造される。図10(a)に示されるようなシートS1(長方形である)を2枚、母材(例えば、PETフィルム)から切り抜き、2枚重ねて中央部よりやや下方を図10(a)の紙面に垂直な方向(シートS1の長さ方向)に3箇所溶着して固定部Fを設けて、複層シートPL41を形成する。複層シートPL41は、固定部Fにて連結された2枚のシートS1を有することになる。複層シートPL41を図7の絶縁シート21と同様にして曲げ加工して角形チャンネル状に成形して図10(b)に示されるような連結部41a(固定部F)にて連結された絶縁板211(シートS1)および絶縁板212(シートS1)を有する絶縁シート41が製造される。絶縁シート41に連結部41aを設けることにより、絶縁シート41の取り扱いが容易になる。また、スロット形成部13に装着するときもばらばらにならないので容易に装着でき、さらに絶縁端部材22による挟持作業も容易になる。

0024

なお、図10(b)における連結部41aについては、角部21bおよび角部21dより内側部分すなわち中央部21c部分であれば折り曲げによるずれの影響を受けないので幅方向(中央部21cの図10(b)における上下方向(ティース部12の突出方向)に間隔を置いて複数設けてもよい。もしくはスロット形成部13の形状に合うように成形した後に絶縁板211および絶縁板212を相互に溶着固定することにより、膨らみを防止することもできる。なお、絶縁板211と絶縁板212との連結は、接着材や両面テープその他の方法によってもよい。なお、絶縁シート21を鉄心片1のスロット形成部13に装着後、後の工程である絶縁端部材22の保持部22aによる絶縁シート21の挟持作業を容易にするために、絶縁シート21を接着材や両面テープにてスロット形成部13に固着してもよい。

0025

なお、重ねられた2枚のシートS1は、図7に示されるような形状に曲げ加工をされるときには角部21bにおける絶縁板211および絶縁板212の各曲げ半径の大きさが異なる。角部21dについても同様である。従って、例えば図11(a)に示されるように2枚のシートS1を図11(a)における上下方向(幅方向)の両端部を溶着して固定部Fを設けた複層シートPL42を曲げ加工して図11(b)に示されるような絶縁シート42を形成すると、絶縁板211が膨らんでしまう。よって、固定部Fは絶縁シート42の図11(b)における幅方向の両端部のいずれか一方に設けるか、あるいは先に説明した図10(b)のように絶縁シート21の長さ方向に間隔を置いて複数箇所図10(b)では3箇所)に設けるとよい。

0026

次に別の変形例について、図12図13により説明する。図12において、複層シートPL51は、折り曲げられた折曲部CR2にて連結された2枚のシートS1が重ねられたものである。このような複層シートPL51は、次のようにして製作される。まず、母材(PET等のフイルム)から図13に示されるようなシート板FL51を切り抜く。FL51は、2枚のシートS1が折曲部CR2で連結された形状のものである。このシート板FL51が折曲部CR2部にて折り曲げられ、図12に示されるようなシートS1が2枚重なった状態であって折曲部CR2にて連結された複層シートPL51が形成される。

0027

複層シートPL51は、スロット形成部13の形状に合うように曲げ加工部L51にて曲げる曲げ加工が行なわれ角形チャンネル状に成形され、重ねられたシートS1は絶縁板211および絶縁板212とされ、折曲部CR2が連結部とされた絶縁シート(図示せず)が製造される。その後、当該絶縁シートがスロット形成部13に装着される。以後の工程は前記絶縁シート21と同様である。なお、連結部は、図7における絶縁シート21の角部21d、あるいは角部21dより外側の端部21aまたは端部21eに設けることが適切であり、図12においては、端部21eに相当する箇所に折曲部CR2を設けている。

0028

このように折曲部CR2にて連結されたシートS1を有するシート板FL51を、折曲部CR2部で折り曲げてシートS1を重ね合わせることによって、2枚(複数枚)のシートS1を連結する工程を省くことができる。なお、図12に示されるような複層シートPL51を図7に示されるような形状の絶縁シートに曲げ加工をするとき、図12(a)におけるシートS1の右上部の端部が折曲部CR2にて連結されているため、重ねられた2枚のシートS1同士はずれることができず、絶縁シートにおける絶縁板211および絶縁板212のずれ方は図7に示された2枚重ねの絶縁シート21の絶縁板211および絶縁板212のはずれ方とは異なる。本変形例では図12(a)の右上方の端部に設けられた折り曲げられた折曲部CR2側を基準にして順に折り曲げていくことにより折曲部CR2から離れて行くに従い、ずれが加算されていくようになる。

0029

また、スロット形成部13に装着された絶縁シート21を挟持するために絶縁端部材22の保持部22aをスロット形成部13に装着する際、絶縁シート21との干渉を避けるための保持部22aにおける逃がし部が折曲部CR2部のみで済むという利点がある。すなわち細幅の折曲部CR2ではなく、絶縁板211と同じ幅の広幅の折曲部を設けた場合は、広幅の折曲部の幅が絶縁板211と同じ寸法になってしまうので、保持部(保持部22a参照)において広幅の折曲部を逃がすための逃がし部が大きくなってしまい、細幅の折曲部のみで済む場合に比べると絶縁端部材(図6の絶縁端部材22参照)の構成が複雑となってしまうという問題点を避けることができる。

0030

なお、前記別の変形例であるシート板FL51は、2枚のシートS1が重ねられたものについて説明したが、3枚以上のシートを重ねるようにしてもよい。図14は折曲部CR3(折り曲げられて連結部とされる)が2箇所設けられて連結された3枚のシートS3を有するシート板FL52を用いて、3枚のシートS3を重ねた複層シートを形成する場合を示している。この場合は、3枚のシートS3の厚さを合計した厚さは、図12の複層シートPL51の厚さと同じにされる。

0031

図14のようなシート板FL52を用いて複層シートを製作し、この複層シートを曲げ加工して絶縁シートを形成する場合は、前記効果に加えて次のような効果を奏する。すなわち、重ねられた3枚のシートS3の折り曲げ加工に必要な力が図12の2枚のシートS1が重ねられた複層シートPL51を折り曲げ加工する場合よりも少なくて済むため、折り曲げ加工時の作業性が向上する。またこの場合も、シートS3を所要枚数重ねることで任意の絶縁性能を有する絶縁シートを容易に実現できるため、1種類のシートで絶縁性能の要求の低い固定子と絶縁性能の要求の高い固定子の両方に対応することができる。従って、異なる厚さの母材を用意する必要がないため、母材の種類を削減できる。

0032

なお、図2においては固定子片110が鉄心片連結部7にて3個連結されたものを示したが、3個に限られるものではなく、1台分の固定子片110(この実施の形態においては9個)が全て連結されたものであってもよい。但し、9個連結され場合の両端部は連結されていない。また、中央の鉄心片のヨーク片の図2の左右方向の端部に櫛歯状の係合部を形成するように電磁鋼板を積層し、左右の鉄心片のヨーク片の端部に中央のヨーク片の係合部と係合する櫛歯状の係合部を形成するように電磁鋼板を積層して、両係合部を係合させこの鉄心片連結部としての係合部において摺動して鉄心片が相互に回動可能にすれば、小さな力で固定子片を回動させて環状に配置することができる。すなわち、この実施の形態においては、連結体は複数の固定子片が鉄心片連結部にて相互に姿勢を変えうるように連結されて構成されている。

0033

実施の形態2.
図15図21は実施の形態2を示すものであり、図15は固定子片を示す平面図、図16は固定子片を示す斜視図である。図17は絶縁シートの断面図、図18(a)は複層シートの正面図、図18(b)は側面図、図19(a)はシート板の正面図、図19(b)は側面図である。図20(a)は変形例である複層シートの正面図、図20(b)は側面図、図21(a)は変形例であるシート板の正面図、図21(b)は側面図である。図15において、固定子片210は絶縁体202を有する。絶縁体202は、絶縁シート61と絶縁端部材22とを有する。絶縁シート61は、図17に示されるように絶縁板611、絶縁板612、および絶縁板611と絶縁板612とを連結する連結部(図示せず、図18の折曲部CR6参照)を有する。また、絶縁シート61は図17に示されるように、部位として端部61a、角部61b、中央部61c、角部61d、端部61e、側方絶縁部材61x、61yを有する。

0034

端部61a、角部61b、中央部61c、角部61d、端部61eは、図7の端部21a、角部21b、中央部21c、角部21d、端部21eと同様のものである。図17の側方部絶縁部材61xは、絶縁シート61の一方の端部61aである絶縁板611および絶縁板612の一方の端部を延長して、端部61aと一体にかつ端部61aと同じ厚さに形成されたものである。側方部絶縁部材61xは、絶縁シート61がスロット形成部13に装着され巻線体3が形成された後、巻線体3を覆うように折り曲げられて図17の状態にされる。

0035

図17の側方部絶縁部材61yは、絶縁シート61の他方の端部61eである絶縁板611および絶縁板612の他方の端部を延長して、端部61eと一体にかつ端部61eと同じ厚さに形成されたものである。側方部絶縁部材61yは、絶縁シート61がスロット形成部13に装着され巻線体3が形成された後、巻線体3を覆うように折り曲げられ図17の状態にされる。また、側方部絶縁部材61yは、図16に示されるように巻線体3の長さ(鉄心片1の積層方向の長さ)よりも若干長い長さを有し、巻線体3のコイルエンド部を含む側方部を全長に亘って覆うとともに隣接する固定子片1の巻線体3同士を絶縁しうるようにされている。

0036

絶縁シート61は、次のようにして形成される。まず、図19に示されるようなシート板FL61を母材から切り抜く。シート板FL61は、シートS6、シートS7、折曲部CR6を有し、2枚のシートS6が折曲部CR6にて連結されている。このシート板FL61を、折曲部CR6部にて折り曲げて図18に示される複層シートPL61が製作される。複層シートPL61は、重ねられたシートS6、同じく重ねられたシートS7および折り曲げられた折曲部CR6を有する。折り曲げられた折曲部CR6は、シートS7と同様の形状を有し、連結部を兼ねている。複層シートPL61をスロット形成部13に沿うように曲げ加工部L61(図18(a))にて曲げ加工が行なわれ図17に示される状態にされる前の状態、すなわち側方部絶縁部材61xおよび側方部絶縁部材61yが折り曲げられていない状態のものを製作する。

0037

次に、鉄心片連結部7にて連結された鉄心片1を図15に示されるように開かれた状態にし、この状態で絶縁シート61をスロット形成部13に装着し、次に鉄心片1の積層方向の端部から絶縁端部材22を挿入して保持部22aにて絶縁シート61の端部を鉄心片1に押圧して鉄心片1との間で挟持し、ティース部12を周回して絶縁する絶縁体202を製作する。この絶縁体202に断面円形の導体を所定回数巻回して巻線体3を形成する。しかる後、側方部絶縁部材61yおよび側方部絶縁部材61xを図17に示されるように折り曲げて巻線体3の側方部を覆って固定子片210を製作する。なお、最終的には側方部絶縁部材61xと側方部絶縁部材61yとは重なることになる。また、図15に示される側方部絶縁部材61xおよび側方部絶縁部材61yは折り曲げられた後もスプリングバックにより若干開いた状態になっているが、図15では厳密に図示はしていない。その後、鉄心片連結部7にて連結された3個の固定子片210を閉じた状態にし、3組計9個の固定子片210を環状に配置して、固定子が得られる。

0038

以上のように構成することにより、巻線体3の外形にばらつきが生じても側方部絶縁部材61x、61yにより隣接する固定子片1の巻線体3同士の接触を防止できるため、巻線体3を形成するために巻回する導体の数を限度まで増やすことができ、巻線占積率を向上させることができる。また、絶縁シート61は搬送中や仕掛時のずれを防止するため、実施の形態1の図10(b)に示された絶縁シート41と同様に、絶縁板611および絶縁板612を溶着などの固定方法で固定して連結するとよい。また、図16に示されるように、側方部絶縁部材61yを巻線体3の長さよりも若干長くして巻線体3のコイルエンド部を含む側方部の全部を覆うようにしたので、絶縁シート61に膨らみが発生して絶縁シート61に巻回された巻線体3(特に、コイルエンド部)の外形が膨らんだ場合も、隣接する固定子片1の巻線体3同士を絶縁できるので、その影響を軽減することができる。もちろん、前記のように構成することにより、実施の形態1と同様の効果を奏する。

0039

さらに、実施の形態1でも述べた通り、絶縁シート61を複数枚(2枚)の絶縁板を重ねる構造とすることで、1枚の絶縁板にて形成するよりも、反発力を低下させることができるため、側方部絶縁部材61xおよび側方部絶縁部材61yを折り曲げるときの折り曲げ力を減少させる効果を奏する。また、図15に示される側方部絶縁部材61xおよび側方部絶縁部材61yは折り曲げられた後もスプリングバックにより若干開いた状態になっているが、連結された3個の固定子片210を閉じて扇形するときおよび扇形にしたもの3組を環状に配置する際に発生する隣接する側方部絶縁部材61xおよび側方部絶縁部材61y同士の反発力が低下するため、作業性が向上する効果を奏する。つまり、固定子片210を環状に配置して接合する際には、隣接する側方部絶縁部材61xおよび側方部絶縁部材61y同士の反発力を受けた状態で作業するが、この力が大きいと作業性が悪くなる。この実施の形態のように構成することで、絶縁シートを1枚の絶縁板で構成した場合に比べてこの反発力を低下させた状態で作業をすることができる。

0040

もちろん、このような絶縁シート61(図17)を用いることで、絶縁板611と絶縁板612とを連結する工程を省く効果を有する。なお、本実施の形態では2枚の絶縁板を重ねる場合について説明したが、3枚以上の絶縁板を重ねて絶縁シートを形成してもよい。

0041

図20は変形例による複層シートを示すものであり、図20(a)は正面図、図20(b)は側面図である。図20において、複層シートPL71は、シートS6および図20(a)における上方および下方のシートS8がそれぞれ重ねられるとともに、折り曲げられた折曲部CR7を有し、一方(図20(a)における上方)のシートS8同士が折り曲げられた折曲部CR7にて連結されている。このような複層シートPL71は、次のようにして形成される。

0042

図21(a)は変形例であるシート板の正面図、図21(b)は側面図であるが、まず、図21に示されるようなシート板FL71を母材から切り抜く。シート板FL71は、シートS6、シートS8、折曲部CR7を有し、中央部のシートS8が折曲部CR7にて連結されている。このシート板FL71を、折曲部CR7部にて折り曲げて図20に示される複層シートPL71を製作する。この複層シートPL71をスロット形成部13に沿うように曲げ加工部L71(図20(a))にて曲げ加工が行われ側方部絶縁部材61xおよび側方部絶縁部材61yが折り曲げられていない状態の絶縁シートを形成する。なお、図20における折り曲げられた折曲部CR7が、2枚の絶縁板を連結する連結部とされている。以後の工程は、図17に示された絶縁シート61と同様である。

0043

図20に示されるように、連結部とされる折曲部CR7の幅をシートS8の幅よりも狭くすることにより、シート板FL71を折曲部CR7部にて折り曲げる際に加える力を小さくすることができる。

0044

実施の形態3.
図22図27は実施の形態3を示すものであり、図22は固定子片のティース部を示す平面断面図、図23は固定子片を示す平面図である。図24(a)は複層シートの正面図、図24(b)は側面図、図25(a)はシート板の正面図、図25(b)は側面図である。図26は、絶縁シートの平面断面図である。図27は変形例である絶縁シートの平面断面図である。図23において、固定子片310は、絶縁体302を有する。絶縁体302(図23)は、絶縁端部材22および絶縁シート81を有する。

0045

絶縁シート81は、図26に示されるように絶縁板811、絶縁板812、および絶縁板811と絶縁板812とを連結する連結部(図示せず、図24の折曲部CR8参照)を有する。また、絶縁シート81は図26に示されるように、部位として端部81a、角部81b、中央部81c、角部81d、端部81e、側方部絶縁部材81x、81yを有する。端部81a、角部81b、中央部81c、角部81d、端部81eは、図7の端部21a、角部21b、中央部21c、角部21d、端部21eと同様のものである。

0046

図26の絶縁シート81の側方部絶縁部材81xは、絶縁シート81の一方の端部81aである絶縁板811の一方の端部を延長して、端部81aと一体にかつ絶縁板811と同じ厚さに形成されたものである。側方部絶縁部材81xは、絶縁シート81がスロット形成部13に装着され巻線体3が巻回された後、折り曲げられて巻線体3の側方部を覆う。側方部絶縁部材81yは、絶縁シート81の他方の端部81eである絶縁板811の他方の端部を延長して、端部81eと一体にかつ絶縁板811と同じ厚さに形成されたものである。

0047

側方部絶縁部材81yは、絶縁シート81がスロット形成部13に装着され巻線体3が巻回された後、折り曲げられて巻線体3の側方部を覆う。なお、側方部絶縁部材81yは、図示していないが図16の側方部絶縁部材61yと同様に巻線体3の長さよりも若干長い長さを有し、巻線体3のコイルエンド部を含む側方部を覆うとともに隣接する固定子片1の巻線体3同士を絶縁しうるようにされている。最終的には側方部絶縁部材81xと側方部絶縁部材81yとは重なることになる。なお、側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yは折り曲げられた後もスプリングバックにより若干開いた状態になっている。

0048

図26の絶縁シート81は、次のようにして形成される。まず、図25に示されるようなシート板FL81を母材から切り抜く。シート板FL81は、シートS1、シートS6、シートS8、折曲部CR8を有し、シートS1とシートS6とが折曲部CR8にて連結されている。このシート板FL81を、折曲部CR8部にて折り曲げて図24に示される複層シートPL81を製作する。複層シートPL81は、シートS1、シートS6、シートS8および折り曲げられた折曲部CR8を有する。折り曲げられた折曲部CR8は、図7の折曲部CR7と同様のものである。複層シートPL81をスロット形成部13に沿うように曲げ加工部L81(図24(a))にて曲げ加工が行なわれ、側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yがまだ折り曲げられていない状態の絶縁シート81を製作する。

0049

鉄心片連結部7にて連結された鉄心片1を図22に示されるように中央の鉄心片1を中心に鉄心片1が左右に開かれた状態にし、この状態で側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yがまだ折り曲げられていない状態の絶縁シート81をスロット形成部13に装着し、次に鉄心片1の積層方向の端部から絶縁端部材22を挿入して保持部22aにより絶縁シート81の端部を鉄心片1に押圧して鉄心片1との間で挟持し、ティース部12を周回して絶縁する絶縁体302を製作する。この絶縁体302に断面円形の導体を所定回数巻回して巻線体3を形成する。しかる後、側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yを図26に示されるように折り曲げて巻線体3の側方部を覆って固定子片310を製作する。

0050

側方部絶縁部材81yは、巻線体3の長さ(鉄心片1の積層方向の長さ)よりも若干長い長さを有し、コイルエンド部を含む巻線体3の側方部を全長に亘って覆うとともに隣接する固定子片1の巻線体3同士を絶縁しうるようにされている。なお、図26に示される側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yは折り曲げられた後もスプリングバックにより若干開いた状態になっているが、図26では厳密に図示はしていない。その後、鉄心片連結部7にて連結された3個の固定子片310を閉じた状態(図)23)にし、3組計9個の固定子片310を環状に配置して、固定子が得られる。

0051

巻線体3を形成するために導体を巻回する位置に連結部(図24(a)の折曲部CR8参照)を設けた場合、導体を巻回するときに邪魔になるため絶縁シート81をスロット形成部13に装着した後、折曲部CR8を切断して除去することが必要である。これに対し、図26に示される中央部81cに設けると、巻線体3を形成するときの邪魔にならないようにできる。連結部を絶縁シート81の幅方向(図26の紙面に平行な方向)に複数箇所設けると、設ける位置によっては、スロット形成部13に合うように折り曲げ加工を行う際に、曲げの内側になる絶縁板がたるんでしまうため(図11参照)、1箇所にする方がよい。

0052

なお、図24に示される複層シートPL81をスロット形成部13の形状に合うように折り曲げ加工をするときに折り曲げる方向を変えることで、側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yを有する絶縁板811を絶縁板812の図24(b)における左右どちら側にも配置できる。図26の絶縁シート81は側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yを絶縁板811に設けた例であり、図27の絶縁シート91は側方部絶縁部材91xおよび側方部絶縁部材91yを絶縁板912に設けた例である。元の複層シートPL81の形状は図26の絶縁シート81と図27の絶縁シート91とは同じである。

0053

このような連結部(図24の折曲部CR8参照)を有する絶縁シート81や絶縁シート91を用いることで、絶縁板同士を固定する工程を省くことができる。また、ここでは絶縁板を2枚重ねる場合について説明したが、重ねる枚数は3枚以上でもよい。

0054

本実施の形態の効果を以下に説明する。なお、説明において、図15図17に示した絶縁シート61の側方部絶縁部材61x、61yの厚さをtとする。図23は固定子片を示す平面図であるが、図23に示されるように、隣接する巻線体3間では4枚の絶縁板(側方部絶縁部材81xと側方部絶縁部材81yとの和の2倍)が重なるが、側方部絶縁部材81x(図26)の厚さはt/2であるので、隣接する巻線体3間の絶縁板の厚さの和は2tとなり、図15図17に示した絶縁シート61(厚さtの側方部絶縁部材61xと側方部絶縁部材61yとの和の2倍で厚さ4tである)に対し、半分の2tにすることができる。なお、ヨーク片11およびティース部12と巻線体3との間における絶縁シート81や絶縁シート91の厚さは、t/2×2=tであるため、図17に示した絶縁シート61と同じ厚さを確保できる。

0055

以上のように構成することにより、隣接する巻線体3間の絶縁シートの厚さが薄くなり、巻線可能領域が増加するため、巻線の数を増やし、巻線占積率を向上させることができる。前記の説明では絶縁シートを2枚の絶縁板にて構成した場合について説明したが、3枚以上で構成してもよい。絶縁シートをn枚の絶縁板に分けて構成し、そのうちの1枚だけに側方部絶縁部材を設けて巻線体3の側方を覆うようにした場合、隣接する巻線体3間の絶縁シートの厚さの合計は、t/n×4=4t/nとなり、薄くすることができる。なお、鉄心片1と巻線体3との間における絶縁シートの厚さの総和は、t/n×n=tであるため、従来と同じ厚さを確保できる。

0056

また、図26の絶縁シート81においては、絶縁板811に側方部絶縁部材81xおよび側方部絶縁部材81yを設けた場合について説明したが、図27の絶縁シート91のように絶縁板911と絶縁板912とのうちの絶縁板912に側方部絶縁部材91xおよび側方部絶縁部材91yを設けてもよい。さらに多くの絶縁板を重ねて絶縁シートを構成する場合には、どの位置の絶縁板に側方部絶縁部材を設けてもよい。要するに複数の絶縁板を用いる場合には複数の絶縁板のうち少なくとも1つの絶縁板に側方部絶縁部材を設ければよい。

0057

実施の形態4.
図28は実施の形態4による固定子片を示す平面断面図である。本実施の形態においては、2枚の絶縁板の厚さを変えたものである。図28に示されるように、例えば固定子片410の絶縁シート101は絶縁板1011を薄く形成するとともに、絶縁板1012を厚く形成したものであり、端部101aおよび端部101e、側方部絶縁部材101x、側方部絶縁部材102xを有する。側方部絶縁部材101xは、絶縁シート101の一方の端部101aである絶縁板1011の一方の端部を延長して、端部101aと一体にかつ絶縁板1011と同じ厚さに形成されたものである。側方部絶縁部材101xは、絶縁シート101がスロット形成部13に装着され巻線体3が巻回された後、折り曲げられて巻線体3の側方部を覆う。

0058

側方部絶縁部材101yは、絶縁シート101の他方の端部101eである絶縁板1011の他方の端部を延長して、端部101eと一体にかつ絶縁板1011と同じ厚さに形成されたものである。側方部絶縁部材101yは、絶縁シート101がスロット形成部13に装着され巻線体3が巻回された後、折り曲げられて巻線体3の側方部を覆う。なお、側方部絶縁部材101yは、図示していないが図16の側方部絶縁部材61yと同様に巻線体3の長さよりも若干長い長さを有し、巻線体3のコイルエンド部を含む側方部を覆うとともに隣接する固定子片1の巻線体3同士を絶縁しうるようにされている。最終的には側方部絶縁部材101xと側方部絶縁部材101yとは重なることになる。なお、側方部絶縁部材101xおよび側方部絶縁部材101yは折り曲げられた後もスプリングバックにより若干開いた状態になっている。

0059

以上のように構成することにより、隣接する巻線体3間の絶縁シート101の厚さは薄い方の絶縁板1011の4枚分となり、薄くすることができるため、スロット形成部13内の巻線領域を大きくすることができる。ただし同じ厚さの絶縁板を2枚用いる場合に比べて、絶縁板1012の厚さは厚くなるため、絶縁板1012の反発力の低減効果は小さくなる。なお、重ねられる2枚の絶縁板の厚さを異なるものにすることは、全ての実施の形態において適用可能である。

0060

実施の形態5.
図29および図30は実施の形態5を示すものであり、図29は連結された固定子片を開いた状態にした際の固定子片のティース部を示す平面断面図、図30は固定子片を環状に配置した際のティース部を示す平面断面図である。図29において、固定子片510における絶縁シート111は、絶縁板1111および絶縁板1112にて構成され、端部111a、端部111e、側方部絶縁部材111x、側方部絶縁部材111yを有する。側方部絶縁部材111xは、絶縁シート111の一方の端部111aである絶縁板1111の一方の端部を延長して、端部111aと一体にかつ絶縁板1111と同じ厚さに形成されたものである。側方部絶縁部材111xは、絶縁シート111がスロット形成部13に装着され巻線体3が巻回された後、折り曲げられて巻線体3の側方部を覆う。

0061

側方部絶縁部材111yは、絶縁シート111の他方の端部111eである絶縁板1111の他方の端部を延長して、端部111eと一体にかつ絶縁板1111と同じ厚さに形成されたものである。そして、隣接する固定子片510の絶縁シート111の側方部絶縁部材111y同士が連結されている。側方部絶縁部材111yは、絶縁シート111がスロット形成部13に装着され巻線体3が巻回された後、折り曲げられて巻線体3の側方部を覆う(後述、図30参照)。なお、側方部絶縁部材111yは、図示していないが図16の側方部絶縁部材61yと同様に巻線体3の長さよりも若干長い長さを有し、巻線体3のコイルエンド部を含む側方部を覆うとともに隣接する固定子片1の巻線体3同士を絶縁しうるようにされている。また、図29の鉄心片1同士が開いた状態にて絶縁シート111をスロット形成部13に装着した後、導体を巻回して巻線体3を形成する。しかる後、図30に示されるように固定子片510同士を閉じて扇形の状態にしたものを環状に配置して固定子が製造される。

0062

以上のように構成することにより、実施の形態1で述べた効果に加え、絶縁シート111(絶縁板1111)は側方部絶縁部材111yを介して2枚が連結されているので、固定子1台当たりで取り扱う絶縁シート111の枚数が実質的に半減するため、スロット形成部13に挿入するなどの組立時間が減少する効果がある。なお、導体を巻回するときに、本実施の形態では、図29のように鉄心片連結部7にて連結された鉄心片1の姿勢の変化に合わせて絶縁シート111((絶縁板1111)の隣と連結された側である側方部絶縁部材111yの方が開かれる。そして、固定子片510を製造後、扇状に姿勢を変化させる際にこの連結された側方部絶縁部材111yは、鉄心片1の姿勢の変化にともない、図30のように自動的に折りたたまれるので、導体の巻回を容易に行うことができる。

0063

なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。

0064

1鉄心片、2絶縁体、3巻線体、11ヨーク片、12ティース部、
13スロット形成部、21絶縁シート、21b,21d 角部、
211,212絶縁板、22絶縁端部材、22a 保持部、41 絶縁シート、
41a 連結部、61 絶縁シート、61b,61d 角部、
61x,61y側方部絶縁部材、611,612 絶縁板、81 絶縁シート、
81b,81d 角部、81x,81y 側方部絶縁部材、811,812 絶縁板、
91 絶縁シート、91b,91d 角部、91x,91y 側方部絶縁部材、
911,912 絶縁板、100固定子、101 絶縁シート、
101x,101y 側方部絶縁部材、1011,1012 絶縁板、
110固定子片、111 絶縁シート、111x,111y 側方部絶縁部材、
1111,1112 絶縁板、202 絶縁体、210 固定子片、302 絶縁体、
310 固定子片、410 固定子片、510 固定子片。

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