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技術 導電性フィルム並びにそれを用いたタッチパネル、ディスプレイ、タッチセンサ及び太陽電池

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 澤田知昭阿部孝寿吉岡愼悟
出願日 2017年3月6日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2017-041773
公開日 2017年11月2日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-199654
状態 特許登録済
技術分野 導電材料 非絶縁導体 積層体(2) 位置入力装置
主要キーワード 包接率 真空プラズマ装置 導電性変化 伸張変形 串刺し状 熱カチオン硬化剤 残留歪み率 ソフトマテリアル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

伸縮時の抵抗変化が小さい導電性フィルムを提供すること。

解決手段

フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成された導電層とを有する導電性フィルムであって、フィルム基材及び導電性フィルムが10%以上の引張伸び性を有し、フィルム基材の少なくとも導電層側の表面の十点平均粗さRzが0.05〜0.5μmであり、凹凸平均間隔Smが0.1〜1μmである、導電性フィルム。導電層の厚みが5nm〜1μmであり、繊維状導電ナノフィラーによる網目構造を有する導電層であり、導電ナノフィラーがカーボンナノチューブである、導電性フィルム。

概要

背景

エレクトロニクス分野、特にセンサディスプレイロボット用人工皮膚などの様々なインターフェースに用いられるデバイス導電材料に対し、装着性形状追従性の要求が高まっている。用途に応じて、曲面凹凸面などに配置したり自由に変形させたりすることが可能な柔軟なデバイスが要求されつつある。

そのような導電材料の一つとして、これまでは、ITO(Indium−Tin Oxide)を用いたフィルムガラスがディスプレイ用の透明導電材料として広く用いられてきた。しかし、このITOフィルムは、フレキシブル性に乏しく、屈曲や伸張といった変形を伴うと電気抵抗の変化が大きくなったり、断線してしまうといった問題がある。そこで、フレキシブル性を有する導電性フィルムとして、カーボンナノチューブを高度に分散させた形状を維持して成膜した透明導電性フィルムが研究開発されている(特許文献1、2)。

このようなカーボンナノチューブを用いた導電性フィルムは、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルムなどのプラスチック基材を用いているため、屈曲性に優れており、凹凸面へのモールド成型が可能である。しかしながら、モールド成型時の伸張により導電層抵抗が大きくなり導電性が損なわれてしまうため、伸張時の抵抗増大が課題となっている。

一方で、導電性フィルムに反射防止性を持たせるために導電性フィルムの表面に微細凹凸形状を形成する技術(特許文献3)等が知られている。しかし、伸張性を有するフレキシブルな導電性フィルムにおいて、伸張時の抵抗増大を抑制するための手段はいまだ報告がない。

概要

伸縮時の抵抗変化が小さい導電性フィルムを提供すること。フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成された導電層とを有する導電性フィルムであって、フィルム基材及び導電性フィルムが10%以上の引張伸び性を有し、フィルム基材の少なくとも導電層側の表面の十点平均粗さRzが0.05〜0.5μmであり、凹凸の平均間隔Smが0.1〜1μmである、導電性フィルム。導電層の厚みが5nm〜1μmであり、繊維状導電ナノフィラーによる網目構造を有する導電層であり、導電ナノフィラーがカーボンナノチューブである、導電性フィルム。なし

目的

国際公開公報WO2009/057637号
特開2009−163959号公報
特開2014−92581号公報






本開示は、上述したような実情に鑑みてなされたものであり、装着性と形状追従性に加えて、伸縮時の電気抵抗変化が小さい導電性フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

フィルム基材と、前記フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成された導電層とを有する導電性フィルムであって、前記フィルム基材及び前記導電性フィルムが10%以上の引張伸び性を有し、前記フィルム基材の少なくとも前記導電層側の表面の十点平均粗さRzが0.05〜0.5μmであり、凹凸平均間隔Smが0.1〜1μmである、導電性フィルム。

請求項2

前記導電層の厚みが5nm〜1μmである、請求項1に記載の導電性フィルム。

請求項3

前記導電層が繊維状導電ナノフィラーによる網目構造を有する導電層であり、前記繊維状導電ナノフィラーがカーボンナノチューブである、請求項1または2に記載の導電性フィルム。

請求項4

前記導電性フィルム又は前記フィルム基材が伸張及び復元可能であり、以下の試験方法にて測定される、前記導電性フィルム又は前記フィルム基材の残留歪み率αが0%≦α≦3%を満たす、請求項1から3のいずれか1項に記載の導電性フィルム。〔伸張−復元試験フィルム片(厚み:50μm、サンプル形状ダンベル6号(JISK6251およびISO37、測定部位幅:4mm、平行部分長さ:25mm))を用いて、ISO3384に準拠した引張−圧縮試験機で、下記条件で伸張行程、伸張保持工程を行った後に復元行程を行い、下記算出方法によって残留歪み率αを計算する。伸張行程条件:試験片つかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するために、たわみ補正を0.05N以下の力で行う。試験速度:25mm/min、0〜25%伸張まで温度条件:23℃伸張・保持行程条件:25%伸張で、保持時間5分温度条件:23℃復元行程条件:試験速度:0.1mm/min、引張力が0±0.05Nになるまで温度条件:23℃残留歪み率算出方法:前記復元行程において、引張力が0±0.05Nとなった時点において、歪量の測定を行い、これを残留歪み率α%とする。

請求項5

前記導電性フィルム又は前記フィルム基材が応力緩和性を有し、以下の試験方法にて測定される、前記導電性フィルム又は前記フィルム基材の応力緩和率Rが30%≦R≦90%を満たす、請求項1から4のいずれか1項に記載の導電性フィルム。〔伸張−復元試験〕フィルム片(厚み:50μm、サンプル形状:ダンベル6号(JISK6251およびISO37、測定部位幅:4mm、平行部分長さ:25mm))を用いて、ISO3384に準拠した引張−圧縮試験機で、下記条件で伸張行程、伸張保持工程を行った後に復元行程を行い、下記算出方法によって応力緩和率Rを計算する。伸張行程条件:試験片をつかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するために、たわみ補正を0.05N以下の力で行う。試験速度:25mm/min、0〜25%伸張まで温度条件:23℃伸張・保持行程条件:25%伸張で、保持時間5分温度条件:23℃復元行程条件:試験速度:0.1mm/min、引張力が0±0.05Nになるまで温度条件:23℃応力緩和率算出方法:伸張行程終了時の引張力の測定を行い、これを初期引張力FA0とする。その後、上述の伸張・保持行程終了時の引張力の測定を行い、これをFA(t5)とする。応力緩和率Rは下記式によって計算する。

請求項6

前記フィルム基材が熱硬化性樹脂を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の導電性フィルム。

請求項7

前記フィルム基材が無機フィラーを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の導電性フィルム。

請求項8

前記フィルム基材が組成成分として珪素を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の導電性フィルム。

請求項9

全光線透過率が80〜99%である、請求項1から8のいずれか1項に記載の導電性フィルム。

請求項10

表面抵抗が1000Ω/□以下である、請求項1から9のいずれか1項に記載の導電性フィルム。

請求項11

請求項1から10のいずれか1項に記載の導電性フィルムを備えるタッチパネル

請求項12

請求項1から10のいずれか1項に記載の導電性フィルムを備えるディスプレイ

請求項13

請求項1から10のいずれか1項に記載の導電性フィルムを備えるタッチセンサ

請求項14

請求項1から10のいずれか1項に記載の導電性フィルムを備える太陽電池

技術分野

0001

本開示は、フレキシブル性を有し、伸張時の導電性変化が抑制された導電性フィルム並びにそれを用いたタッチパネルディスプレイタッチセンサ及び太陽電池に関する。

背景技術

0002

エレクトロニクス分野、特にセンサ、ディスプレイ、ロボット用人工皮膚などの様々なインターフェースに用いられるデバイス導電材料に対し、装着性形状追従性の要求が高まっている。用途に応じて、曲面凹凸面などに配置したり自由に変形させたりすることが可能な柔軟なデバイスが要求されつつある。

0003

そのような導電材料の一つとして、これまでは、ITO(Indium−Tin Oxide)を用いたフィルムガラスがディスプレイ用の透明導電材料として広く用いられてきた。しかし、このITOフィルムは、フレキシブル性に乏しく、屈曲や伸張といった変形を伴うと電気抵抗の変化が大きくなったり、断線してしまうといった問題がある。そこで、フレキシブル性を有する導電性フィルムとして、カーボンナノチューブを高度に分散させた形状を維持して成膜した透明導電性フィルムが研究開発されている(特許文献1、2)。

0004

このようなカーボンナノチューブを用いた導電性フィルムは、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルムなどのプラスチック基材を用いているため、屈曲性に優れており、凹凸面へのモールド成型が可能である。しかしながら、モールド成型時の伸張により導電層抵抗が大きくなり導電性が損なわれてしまうため、伸張時の抵抗増大が課題となっている。

0005

一方で、導電性フィルムに反射防止性を持たせるために導電性フィルムの表面に微細凹凸形状を形成する技術(特許文献3)等が知られている。しかし、伸張性を有するフレキシブルな導電性フィルムにおいて、伸張時の抵抗増大を抑制するための手段はいまだ報告がない。

先行技術

0006

国際公開公報WO2009/057637号
特開2009−163959号公報
特開2014−92581号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本開示は、上述したような実情に鑑みてなされたものであり、装着性と形状追従性に加えて、伸縮時の電気抵抗変化が小さい導電性フィルムを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本開示の一つの局面に関する導電性フィルムは、フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成された導電層とを有する導電性フィルムであって、フィルム基材及び導電性フィルムが10%以上の引張伸び性を有し、フィルム基材の少なくとも導電層側の表面の十点平均粗さRzが0.05〜0.5μmであり、凹凸の平均間隔Smが0.1〜1μmである。

0009

また、本開示のその他の局面は、前記導電性フィルムを備える各種デバイス(ディスプレイ、タッチパネル、タッチセンサ、太陽電池等)である。

発明の効果

0010

本開示によれば、伸張時に導電性を失わないだけでなく、電気抵抗の変化が小さい導電性フィルムを提供することが可能となる。またこのような特徴を有する導電性フィルムを用いることで、装着性や形状追従性が要求されるセンサやディスプレイなどの様々なインターフェースデバイスを実現できると考えられる。また、太陽電池を始めとするフレキシブルバッテリー医療分野車載分野など、装着性や形状追従性が要求される用途にも適用できると考えられる。

図面の簡単な説明

0011

図1Aは、実施例1−2のフィルム基材におけるプラズマ処理前のTEM像を示す図である。
図1Bは、実施例1−2のフィルム基材におけるプラズマ処理による凹凸形成後のTEM像を示す図である。
図2は、実施例2−2のフィルム基材におけるプラズマ処理による凹凸形成後のTEM像を示す図である。

0012

本発明者等は、鋭意検討した結果、フィルム基材表面に所定の微細な凹凸形状を施したフィルム基材上にカーボンナノチューブ等の導電層を形成することにより、伸張時の電気抵抗の変化を抑えることができることを見出し、当該知見に基づいてさらに研究を重ね、本開示に至った。

0013

以下、実施形態について具体的に説明するが、本開示に係る導電性フィルムは、これらに限定されるものではない。

0014

本実施形態の導電性フィルムは、フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成された導電層とを有する導電性フィルムであり、フィルム基材及び導電性フィルムが10%以上の引張伸び性を有し、フィルム基材の少なくとも導電層側の表面の十点平均粗さRzが0.05〜0.5μmであり、凹凸の平均間隔Smが0.1〜1μmである。

0015

本実施形態において、10%以上の引張伸び性を有するとは、ISO527−3に規定される試験方法で測定される室温(23℃)での破断伸びが10%を超えることを意味する。より好ましくは、フィルム基材及び導電性フィルムが30%以上の引張伸び性を有する(すなわち、破断伸びが30%を超える)ことが望ましい。なお、フィルム基材及び導電性フィルムの引張伸び性の上限については特に限定はない。

0016

また、本実施形態において、フィルム基材の少なくとも導電層側の表面に存在する凹凸形状は、フィルム基材を任意の箇所における厚み方向に平行な断面から見た場合のRz(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)で規定される。

0017

ここで、Rz(十点平均粗さ)は、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(最も高いものから順にYp1,Yp2,Yp3,Yp4,Yp5とする)の絶対値の平均値と、この抜き取り部分の平均線から最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(最も低いものから順にYv1,Yv2,Yv3,Yv4,Yv5とする)の絶対値の平均値との和である。すなわち、Rzは、下記式によって算出される。

0018

0019

また、Sm(凹凸の平均間隔)は、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、1つの山及びそれに隣り合う1つの谷に対応するn本の平均線の長さ(Sm1,Sm2,・・・,Smi,・・・,Smn)の平均値を求めたものである。すなわち、Smは、下記式によって算出される。

0020

0021

なお、波形形状は波形の山または谷に沿って切り取った厚み方向に平行な断面では凹凸形状にはならないため、本実施形態における凹凸形状の範囲外となる。すなわち、本実施形態のフィルム基材は、任意の箇所における厚み方向に平行な断面において、上記範囲のRz(十点平均粗さ)とSm(凹凸の平均間隔)値を有しており、異方性を有していない。

0022

このような微細な凹凸形状を有するフィルム基材の表面に導電層を形成した導電性フィルムは、伸張時の電気抵抗の変化を抑えることが可能となると考えられる。

0023

本実施形態の導電性フィルムの導電層は、厚みが5nm〜1μm程度であることがより好ましい。導電層の厚みがその範囲にあることにより、伸張時の電気抵抗の変化の抑制という効果がより効率的に得られると考えられる。

0024

なお、厚みが5nm〜1μmとは、5nm以上1μm以下を意味する。そして、5nm以上とは5nmを含み、1μm以下とは1μmを含む。以下、かかる記載形式を用いている箇所についても、同様である。

0025

また、導電層が繊維状導電ナノフィラーによる網目構造を有する導電層であり、繊維状導電ナノフィラーが、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーカーボンナノバット等であることが好ましい。これらの繊維状導電ナノフィラーからなる導電体を導電層として用いることで、伸張時の電気抵抗の変化をより抑えることができる。これらの中でも、アスペクト比が大きい(繊維径が細く繊維長が長い)点と導電性が高いという観点から、カーボンナノチューブを導電層に用いることが好ましい。

0026

これらの繊維状導電ナノフィラーを用いた導電層では、無数の繊維状導電ナノフィラーが不規則に絡みあい、繊維状導電ナノフィラー同士が無数の接点で接触した網目構造を形成していることが好ましい。このような網目構造を有した導電層を、後述するような弾性変形可能なフィルム基材の一方の表面に形成することにより、伸張時や復元時の変形にも導電性を失うことなく導電性フィルムの役割をより確実に維持することが可能となる。

0027

また、繊維状導電ナノフィラーとしては、繊維長さが長く、アスペクト比が大きいものがより好ましい。具体的には繊維長さ1μm以上で、繊維直径平均に対する繊維長さで示されるアスペクト比が50以上である繊維状導電ナノフィラーが好ましい。これらを用いることは、伸張時や復元時の変形に対して導電性を維持するために有効である。

0028

本実施形態に係るフィルム基材としては、10%以上の引張伸び性を有するフィルム基材であれば、特に限定はなく使用することができる。

0029

本実施形態に係るフィルム基材または導電性フィルムが、伸張及び復元可能であることが好ましい。

0030

本実施形態において伸張及び復元可能とは、力を受けて生じる変形(伸張)が、力を除くと元に戻る(復元)ことができることを意味している。より具体的には、少なくとも10%の伸張変形をさせても、伸張にかかる負荷解除した際の残留歪み率αが0%≦α≦3%を満たせば、伸張及び復元可能な導電性フィルム(またはフィルム基材)であると言える。伸張後の復元による変化においても、電気抵抗の変化を抑える効果があるため、伸張後の復元性に優れ、伸張及び復元を繰り返す用途に用いる際に特に有用な導電性フィルムを得ることができる。すなわち、本実施形態により、復元時の電気抵抗の変化、つまりは伸張及び復元を繰り返す時の電気抵抗の変化を抑えることができるようになったため、産業利用上にきわめて有用である。

0031

なお、本実施形態では、便宜上、フィルム基材または導電性フィルムの残留歪み率αを、後述する伸張−復元試験によって規定する。

0032

さらには、本実施形態に係るフィルム基材または導電性フィルムが、応力緩和性を有することが好ましい。ここで応力緩和性とは、フィルムに一定の応力を与えてそのまま保持するとき,フィルムにかかる応力が経過時間とともに次第に低下する性能のことを意味している。

0033

なお、本実施形態では、便宜上、フィルム基材または導電性フィルムの応力緩和性を、後述する伸張−復元試験により測定される応力緩和率Rによって規定する。

0034

好ましくは、本実施形態のフィルム基材または導電性フィルムは、前記応力緩和率Rが30%≦R≦90%である。

0035

このような範囲の応力緩和率Rを示す導電性フィルムであれば、引張時の応力緩和性が高いという特性を持つ。そして、装着性及び形状追従性に優れると考えられる。

0036

また、本実施形態における導電性フィルムの透明性が高ければ、透明導電性フィルムとして用いることもできる。透明性が高い(全光線透過率で70%以上、より好ましくは、80〜99%)導電性フィルムとなれば、例えば、ディスプレイなどの透明電極として好適に用いることができる。本実施形態において、フィルム基材に使用する樹脂やその硬化剤の選択によって、前記透明性を得ることができる。

0037

また、本実施形態における導電性フィルムの導電性は高ければより好適である。一般的に導電性フィルムは様々な用途に使用されているが、特に表面抵抗が1000Ω/□以下であれば、例えば、タッチセンサ用電極として好適に用いることができる。

0038

〔伸張−復元試験〕
本実施形態で用いられる伸張−復元試験では、フィルム片(厚み:50μm、サンプル形状ダンベル6号(JIS K6251およびISO37、測定部位幅:4mm、平行部分長さ:25mm))を用いる。そして、ISO3384に準拠した引張−圧縮試験機(例えば、株式会社島津製作所製のオートグラフ型式:AGS-X))を用いて、下記条件で伸張行程、伸張・保持工程を行った後に復元行程を行う。そして、下記算出方法によって応力緩和率R及び残留歪み率αを計算する。

0039

伸張行程条件:
フィルム片をつかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するために、たわ み補正を0.05N以下の力で行う。
試験速度:25mm/min、0〜25%伸張まで
温度条件:23℃
伸張・保持工程条件:25%伸張で、保持時間5分
温度条件:23℃
復元行程条件:
試験速度:0.1mm/min、引張力が0±0.05Nになるまで
温度条件:23℃
残留歪み率算出方法:
前記復元行程において、引張力が0±0.05Nとなった時点において、歪量の測定を行い、これを残留歪み率αとする。
応力緩和率算出方法:
前記伸張行程において、25%まで伸張した直後のフィルム片の伸張行程終了時の引張力の測定を行い、これを初期引張力FA0とする。
その後、上述の伸張・保持工程終了時の引張力の測定を行い、これをFA(t5)とする。応力緩和率Rは下記式によって計算する。

0040

0041

本実施形態のフィルム基材に使用する樹脂組成物は、上記特性を満たす導電性フィルムのフィルム基材となり得るものであれば、その組成について特に限定されるものではない。

0042

本実施形態のフィルム基材は、少なくとも熱硬化性樹脂およびその硬化剤を含むことが好ましい。それにより、より熱や化学的な影響に対して耐性のある導電性フィルムを得ることができると考えられる。使用可能な熱硬化性樹脂は特に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂メラミン樹脂エポキシ樹脂ポリイミド樹脂不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましく例示される。

0043

また、本実施形態のフィルム基材には、さらに組成成分として、珪素が含まれていることが好ましい。それにより、後述のように、例えば、フィルム基材表面の凹凸形状をプラズマ照射により形成する際において、より微細かつ高低差の明確な凹凸を形成することができるという利点がある。さらに、前記珪素を含む成分は、フィルム基材を構成する樹脂組成物中、0.1〜5質量%程度含まれていることが好ましい。

0044

本実施形態のフィルム基材を構成する樹脂組成物のより具体的な実施形態の一つとして、例えば、(A)ポリロタキサン、(B)熱硬化性樹脂及び(C)硬化剤を含む樹脂組成物が挙げられる。以下に、各成分についてより具体的に説明する。

0045

前記(A)成分のポリロタキサンは、環状分子を直鎖状軸分子が貫通し、環状分子が抜けないように末端封鎖した構造を持つ分子である。具体的には、例えば、特許第4482633号に記載されているようなポリロタキサンが挙げられる。

0046

本実施形態において使用できるポリロタキサン(A)としては、環状分子に軸分子となる末端官能基を有する分子が串刺し状包接されており、この末端官能基が、環状分子が脱離できなくするのに充分嵩高い封鎖基化学修飾されている化合物が挙げられる。このような構造を有するものであれば、それぞれを構成する分子の構造、種類、環状分子の包接率、製造方法等は限定されない。

0048

また、ポリロタキサンが含み得る環状分子としては、ポリマー分子を通すことが可能な輪状の分子であって、架橋剤と反応できるように、少なくとも一つの反応基を有する環状分子であれば特に限定はされない。具体的には、例えば、シクロデキストリン類クラウンエーテル類クリプタンド類大環状アミン類カリックスアレーン類シクロファン類が挙げられる。これらの中でも、シクロデキストリン置換されたシクロデキストリン、更に好適には、置換された構造にさらに反応基(官能基)を導入したものが用いられる。

0049

ポリロタキサンの環状分子に導入する官能基としては、例えば、水酸基カルボキシル基アクリル基メタクリル基エポキシ基ビニル基等が好ましく挙げられる。

0050

このように環状分子に導入された官能基によって、架橋剤を介して環状分子同士またはポリロタキサンと樹脂とを架橋させることができる。そして、このようにポリロタキサンと繋がった樹脂は、柔軟性を獲得することができる。

0051

本実施形態のポリロタキサンにおける末端を封鎖する構造(末端封鎖基)としては、環状分子が抜けない程度の嵩高さを有する構造であれば特に限定はされない。具体的には、例えば、シクロデキストリン基、ジニトロフェニル基トリチル基等、アダマンタン基等が好ましく用いられる。

0052

上記の環状分子として用いられるものとしては、その環の中に鎖状ポリマー分子を包接できるものであれば特に制限はない。好適に用いられる環状分子として、例えば、シクロデキストリンが挙げられる。また、この環状分子が官能基を持つことが好ましい。さらには前記官能基がOH基もしくはアクリル基、メタクリル基であることが好ましい。

0053

本実施形態で用いられ得るポリロタキサンは、公知の方法(例えば、国際公開公報WO01/83566号、特開2005−154675号公報、特許4482633号等に記載の方法)によって合成することもできるが、市販のものを使用してもよい。具体的には、例えば、アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社製のセルスーパーポリマーA1000等を使用することができる。

0054

次に、(B)熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステルウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が特に制限なく挙げられる。なかでもエポキシ樹脂を用いることが好ましい。

0055

前記エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、アラルキルエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が挙げられる。また、例えば、フェノール類フェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物エポキシ化物トリグリシジルイソシアヌレート及び脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、状況に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0056

前記エポキシ樹脂として、より好ましくは、例えば、1つの分子中に2つ以上のエポキシ基と3つのメチル基とを含み、かつ分子量が500以上であるエポキシ樹脂が好適に例示される。このようなエポキシ樹脂としては、市販のものを使用してもよく、例えば、JER1003(三菱化学株式会社製、メチル基が7〜8個、2官能、分子量1300)、EXA−4816(DIC株式会社製、分子量824、メチル基多数、2官能)、YP50(新日鉄住金化学株式会社製、分子量60000〜80000、メチル基多数、2官能)等が挙げられる。

0057

また、上述するようなエポキシ樹脂は1種類を単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。

0058

前記(C)硬化剤としては、(B)成分の熱硬化性樹脂の硬化剤として働くものであれば、特に制限はない。特に、エポキシ樹脂の硬化剤として好ましく使用できるとしては、例えば、フェノール樹脂、アミン系化合物酸無水物イミダゾール系化合物スルフィド樹脂、ジシアンジアミドなどが挙げられる。また、例えば、光、紫外線硬化剤熱カチオン硬化剤なども使用できる。これらは、状況に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0059

また、本実施形態のポリロタキサンを含む樹脂組成物には、さらに架橋剤を添加してもよい。そのような架橋剤としては、前記ポリロタキサンの環状分子の少なくとも一部(ポリロタキサンの環状分子が有する少なくとも一つの反応基)と架橋する構造を作ることができるものであれば特に限定なく用いることができる。

0061

本実施形態において、前記架橋剤が有する官能基の数は限定しないが、ポリロタキサンの環状分子同士または環状分子と後述するような樹脂を架橋させるためには、架橋剤の一分子中に2個以上の官能基を有することが望ましい。また、架橋剤が複数の官能基を有する場合、それらの官能基は同一であっても異なっていてもよい。

0062

さらにポリロタキサンと相溶する架橋剤がより好ましく、前記(A)成分のポリロタキサンとして水酸基を有する環状分子を含むものを用いた場合は、架橋剤として、例えば、イソシアネート類やその誘導体等が好適に用いられる。このイソシアネート樹脂としては、特に制限はない。またイソシアネート基ブロック化したブロック化イソシアネート樹脂も用いることができる。

0063

一方、前記(A)成分のポリロタキサンとして、アクリル基もしくはメタクリル基を有する環状分子を含むものを用いた場合は、反応性樹脂としてアクリル樹脂を添加することができる。このアクリル樹脂についても特に制限はない。

0064

前記樹脂組成物中の各成分の割合は、効果を発揮し得る限り特に制限はないが、前記(A)、(B)および(C)の合計を100質量部として、(A)ポリロタキサンは10〜80質量部、より好ましくは30〜50質量部、(B)熱硬化性樹脂は10〜89.9質量部、より好ましくは30〜50質量部、(C)硬化剤は0.1〜30質量部、より好ましくは0.1〜20質量部である。なお、本実施形態の樹脂組成物が架橋剤としてイソシアネート樹脂を含む場合、イソシアネート樹脂は(A)ポリロタキサンに対して、0〜50質量部を添加することができ、さらには、10〜40質量部添加することが好ましい。

0065

さらに、本実施形態に係る前記樹脂組成物は、効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えば、硬化触媒硬化促進剤)、難燃剤難燃助剤レベリング剤着色剤等を必要に応じて含有してもよい。

0066

本実施形態のポリロタキサンを含む樹脂組成物の調製方法については、特に限定はなく、例えば、ポリロタキサン、硬化剤、架橋剤、熱硬化性樹脂及び溶媒を均一になるように混合させて本実施形態の樹脂組成物を得ることができる。使用する溶媒に特に限定はなく、例えば、トルエンキシレンメチルエチルケトンアセトン等を使用することができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて、粘度を調整するための有機溶剤や、各種添加剤を配合してもよい。

0067

上述のようにして得られた樹脂組成物を加熱乾燥することによって、溶媒を蒸発させながら、硬化させ、本実施形態のフィルム基材を得ることができる。

0068

樹脂組成物を加熱乾燥するための方法、装置、それらの条件については、従来と同様の各種手段、あるいはその改良された手段であってよい。具体的な加熱温度と時間は、使用する架橋剤や溶媒等によって適宜設定することができるが、例えば、50〜200℃で60〜120分間程度加熱乾燥することによって、前記樹脂組成物を硬化させることができる。

0069

次に、本実施形態のフィルム基材に用いられる樹脂組成物のその他の具体的な例示として、例えば、(D)炭素数が2〜3のアルキレンオキサイド変性された変性基を有し且つその変性基がエポキシ1mol分子中に4mol以上含まれること、2mol以上のエポキシ基を有すること、及びエポキシ当量が450eq/mol以上であることを特徴とするエポキシ樹脂と、(E)硬化剤とを含む樹脂組成物が挙げられる。

0070

前記(D)エポキシ樹脂としては、具体的には、プロピレンオキサイド付加型ビスフェノールA型エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製 EP4003S)、エチレンオキサイド付加型ヒドロキシフェニルフルオレン型エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル株式会社製 EG−280)等が挙げられる。

0071

また、本実施形態の前記エポキシ樹脂を含む樹脂組成物には、効果を妨げない範囲で、上述したような(D)エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、アラルキルエポキシ、脂肪族エポキシ脂環式エポキシ等がさらに含まれていてもよい。

0072

その場合、全エポキシ樹脂成分中の(D)エポキシ樹脂の配合割合は、60〜99質量%程度、好ましくは、80〜95質量%程度である。

0073

前記(E)硬化剤としては、エポキシ樹脂用の硬化促進剤として一般的に公知のものが使用できる。具体的には、例えば、フェノール樹脂、酸無水物、スルホニウム塩から選ばれるものが硬化性の点から好ましく、必要に応じて硬化促進剤たとえばイミダゾール系化合物やこれらの硬化剤を2種類以上組み合わせてもよい。

0074

フェノール硬化剤としては、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマーオリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量、分子構造を特に限定するものではない。例えば、フェノール類及びナフトール類のうち少なくとも一方とホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下縮合又は共縮合させて得られる樹脂、フェノール類及びナフトール類のうち少なくとも一方とジメトキシパラキシレン又はビスメトキシメチルビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。そして、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0075

ここで、フェノール類としては、例えば、フェノールノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂をはじめとするフェノールクレゾールレゾルシンカテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノールアミノフェノール等が挙げられる。また、ナフトール類としては、例えば、α−ナフトールβ−ナフトールジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。

0076

酸無水物硬化剤としては、例えば、無水マレイン酸無水コハク酸無水イタコン酸無水シトラコン酸無水フタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。

0077

スルホニウム塩の硬化剤としては、例えばアルキルスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、ジベンジルスルホニウム塩、置換ベンジルスルホニウム塩等を挙げることができる。アルキルスルホニウム塩の具体例としては、例えば4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。ベンジルスルホニウム塩の具体例としては、例えばベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等を挙げることができる。ジベンジルスルホニウム塩の具体例としては、例えばジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等を挙げることができる。置換ベンジルスルホニウム塩の具体例としては、例えばp−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。

0078

前記樹脂組成物中の各成分の割合は、効果を発揮し得る限り特に制限はないが、樹脂組成物全量を100質量部として、(D)エポキシ樹脂は50〜99質量部、より好ましくは60〜80質量部程度、(E)硬化剤は1〜50質量部、より好ましくは1〜40質量部程度である。

0079

さらに、本実施形態に係る前記樹脂組成物は、効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えば、硬化触媒(硬化促進剤)、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、着色剤等を必要に応じて含有してもよい。

0080

本実施形態の前記エポキシ樹脂を含む樹脂組成物の調製方法については、特に限定はなく、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤及び溶媒を均一になるように混合する。使用する溶媒に特に限定はなく、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等を使用することができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらにここで、必要に応じて、粘度を調整するための有機溶剤や、各種添加剤を配合してもよい。

0081

上述のようにして得られた樹脂組成物を加熱乾燥することによって、溶媒を蒸発させながら、硬化させ、本実施形態のフィルム基材を得ることができる。

0082

樹脂組成物を加熱乾燥するための方法、装置、それらの条件については、従来と同様の各種手段、あるいはその改良された手段であってよい。具体的な加熱温度と時間は、使用する架橋剤や溶媒等によって適宜設定することができるが、例えば、130〜200℃で60〜180分間程度加熱乾燥することによって、前記樹脂組成物を硬化させることができる。

0083

上記のようにして得られる本実施形態のフィルム基材の厚みは、特に限定はされないが、10μm〜200μmの厚みであれば、ハンドリング性光学特性、装着性の観点で好ましい。

0084

本実施形態のフィルム基材の少なくとも導電層側表面に十点平均粗さRzが0.05〜0.5μm、凹凸の平均間隔Smが0.1〜1μmの範囲となる凹凸を形成する方法としては、公知の方法、または改善された方法を用いることができ、特に限定されない。具体的には、例えば、コロナ照射やプラズマ照射、微細凹凸形状を施した金型による熱転写ナノインプリント法による凹凸層の形成、微粒子を用いたサンドブラスト処理などが挙げられる。

0085

凹凸形成手法を用いる場合には、フィルム基材の伸縮性を損なわない範囲で熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂または熱可塑樹脂を凹凸形成の目的として使用することもできる。また、その他の凹凸形成手法としては、例えば、珪素や金属といった粒子マスクパターンとして用い、プラズマ処理やコロナ処理光照射を利用したアッシングドライエッチングによる表面凹凸形成手法を用いることもできる他、リソグラフィー法を応用した手法も用いることができる。

0086

上述以外の手法についても、本実施形態の導電フィルムの凹凸形成目的であれば特に限定なく使用することができる。

0087

また、前記凹凸形状を有するフィルム基材上に、上述したような導電層を形成する方法についても、何ら限定されるものではない。例えば、公知の分散方法によって調整された繊維状導電ナノフィラー分散液をフィルム基材上に塗布して、溶媒を蒸発させることにより形成することができる。あるいは、ドライプロセスでフィルム基材上に堆積させるなど公知の技術により導電層形成が可能である。さらに別の形態としては、一旦別の基材上にこの導電層を公知の技術で形成したものを、当該フィルム基材へ転写する方法でも作製が可能である。

0088

これらの方法で作製される導電層には、分散液に用いる分散剤バインダー成分、その他の添加成分については、特性を損なわない範囲で使用できる。

0089

なお、本実施形態の導電性フィルムを形成する際は、適宜、PETフィルム等の支持体を使用することができる。そのような支持体上に、上記フィルム基材を形成し、その上に、上述したような方法で導電層を形成することによって、本実施形態の導電性フィルムを得ることができる。

0090

また、本実施形態の導電性フィルムの導電層を部分的に除去することによりパターニングをすることもできる。除去方法は特に限定されず、例えば、レーザーエッチングケミカルエッチングなど一般的な手段や装置によって加工ができる。

0091

本実施形態の導電性フィルムは、伸張や復元といった変形時にも導電性が失われないだけではなく、変形による電気抵抗の変化が小さい。そのため、例えば、電極配線回路としてディスプレイ、タッチパネル、タッチセンサ、太陽電池等に好適に用いることができる。

0092

本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。

0093

本開示の一つの局面に関する導電性フィルムは、フィルム基材と、フィルム基材の少なくとも一方の表面に形成された導電層とを有する導電性フィルムであって、前記フィルム基材及び導電性フィルムが10%以上の引張伸び性を有し、前記フィルム基材の少なくとも導電層側の表面に十点平均粗さRzが0.05〜0.5μmであり、凹凸の平均間隔Smが0.1〜1μmである。

0094

このような構成により、伸張時に導電性を失わないだけでなく、変形による電気抵抗の変化が従来よりも小さい導電性フィルムを提供することが可能となる。

0095

前記導電性フィルムにおいて、前記導電層の厚みが5nm〜1μmであることが好ましい。それにより、上記効果をより効率よく得ることができる。さらに、透明性、装着性の観点において有利であると考えられる。

0096

また、前記導電層が繊維状導電ナノフィラーによる網目構造を有する導電層であり、前記繊維状導電ナノフィラーがカーボンナノチューブであることがより好ましい。それにより、伸張時や復元時の変形にも導電性を失うことなく導電性フィルムの役割をより確実に維持することが可能となる。

0097

さらに、前記導電性フィルムにおいて、前記導電性フィルム又は前記フィルム基材が伸張及び復元可能であり、以下の試験方法にて測定される、前記導電性フィルム又は前記フィルム基材の残留歪み率αが0%≦α≦3%を満たすことが好ましい。

0098

〔伸張−復元試験〕
フィルム片(厚み:50μm、サンプル形状:ダンベル6号(JIS K6251およびISO37、測定部位幅:4mm、平行部分長さ:25mm))を用いて、ISO3384に準拠した引張−圧縮試験機で、下記条件で伸張行程、伸張・保持工程を行った後に復元行程を行い、下記算出方法によって残留歪み率αを計算する。

0099

伸張行程条件:
フィルム片をつかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するために、たわみ補正を0.05N以下の力で行う。
試験速度:25mm/min、0〜25%伸張まで
温度条件:23℃
伸張・保持行程条件:25%伸張で、保持時間5分
温度条件:23℃
復元行程条件:
試験速度:0.1mm/min、引張力が0±0.05Nになるまで
温度条件:23℃
残留歪み率算出方法:前記復元行程において、引張力が0±0.05Nとなった時点において、歪量の測定を行い、これを残留歪み率αとする。

0100

また、前記導電性フィルムにおいて、前記導電性フィルム又は前記フィルム基材が応力緩和性を有し、以下の試験方法にて測定される、前記導電性フィルム又は前記フィルム基材の応力緩和率Rが30%≦R≦90%を満たすことが好ましい。

0101

〔伸張−復元試験〕
フィルム片(厚み:50μm、サンプル形状:ダンベル6号(JIS K6251およびISO37、測定部位幅:4mm、平行部分長さ:25mm))を用いて、ISO3384に準拠した引張−圧縮試験機で、下記条件で伸張行程を行った後に復元行程を行い、下記算出方法によって残留歪み率αを計算する。

0102

伸張行程条件:
フィルム片をつかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するために、たわみ補正を0.05N以下の力で行う。
試験速度:25mm/min、0〜25%伸張まで
温度条件:23℃
伸張・保持行程条件:25%伸張で、保持時間5分
温度条件:23℃
復元行程条件:
試験速度:0.1mm/min、引張力が0±0.05Nになるまで
温度条件:23℃
応力緩和率算出方法:前記伸張行程において、25%まで伸張した直後のフィルム片の伸張行程終了時の引張力の測定を行い、これを初期引張力FA0とする。
その後、上述の伸張・保持行程終了時の引張力の測定を行い、これをFA(t5)とする。応力緩和率Rは下記式によって計算する。

0103

0104

このような構成により、伸張後の復元性と応力緩和性に優れ、かつ、伸張や復元といった変形時にも導電性が失われない導電性フィルムを提供することができる。

0105

また、前記導電性フィルムにおいて、前記フィルム基材が熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。それにより、さらに耐熱性や強靭性を付加させることができる。

0106

さらに、前記フィルム基材が無機フィラーを含むことが好ましい。それにより、耐熱性、熱膨張耐湿性などを向上させることができ、特に導電性フィルムの回路パターン形成時などの熱時寸法変化を抑えることで回路寸法精度の高い導電性フィルムを得ることができる。

0107

また、前記導電性フィルムにおいて、前記フィルム基材が組成成分として珪素を含むことが好ましい。それにより、フィルム基材表面の凹凸形状を形成する際に、より微細かつ高低差の明確な凹凸を形成することができる。

0108

さらに、前記導電性フィルムにおいて、全光線透過率が80〜99%であることが好ましい。それにより、例えば、透明導電性フィルムとしての用途に適用が可能となる。

0109

さらに、前記導電性フィルムにおいて、表面抵抗が1000Ω/□以下であることが好ましい。それにより、例えば、タッチセンサしての用途に適用が可能となる。

0110

さらに、本開示は、前記導電性フィルムを備えるディスプレイ、タッチパネル、タッチセンサ、太陽電池が包含される。本発明の導電性フィルムは、自由曲面への追従や大きな変形に対応可能な様々な用途へ適用することができる。

0111

以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。

0112

まず、本実施例で用いた各種材料は次の通りである。
(熱硬化性樹脂)
・ポリロタキサン:(アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社製「A1000」)
・エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「JER1009」)
(硬化剤)
イミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業株式会社製「2E4MZ」、2エチルメチルイミダゾール
・イソシアネート樹脂(三井化学株式会社製「D−165N」)
(レベリング剤)
シリコン系界面活性剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK−370」)
(珪素)
ナノシリカ(日産化学工業株式会社製「EC−2102」)
(カーボンナノチューブ(CNT含有水溶液
・SWCNT:IsoNanotubes−M(NanoIntegris Technologies,Inc.製、CNT直径1.7nm、長さ1μm)

0113

<実施例1−1及び実施例1−2>
[1.フィルム基材の製造]
下記表1に示す配合組成(質量部)で、固形分濃度が40質量%となるように、溶剤(メチルエチルケトン)に添加して、各成分を均一に混合し、フィルム基材1用の樹脂組成物を調製した。

0114

次に得られた樹脂組成物をそれぞれ、75μmのPETフィルム(支持体)上にバーコータで塗布し、100℃にて10分乾燥し溶媒を除去した後、170℃で60分間加熱硬化させ、PETフィルム上に厚み50μmとなる樹脂フィルムが形成されたフィルム基材1を得た。なお、下記表1に示すフィルム基材2については、後述する<実施例2−1及び実施例2−2>においてその詳細を説明する。

0115

0116

[2.フィルム基材表面の凹凸形状の形成]
得られたフィルム基材の表面(導電層形成側:支持体層(PETフィルム)と反対面)に対して、真空プラズマ装置(SEMCO株式会社製、PC−300)を用いたプラズマ処理を下記表2に示す条件で行い、表面に凹凸形状を有するフィルム基材を得た。得られた凹凸形状のRz値およびSm値は、Field−Emission Transmission Electron Microscope(以下、TEM略記する)(「JEM−2100F」日本電子株式会社製)により、フィルム基材の厚み方向に平行な断面を測長することによって測定した。結果を表2に示す。

0117

さらに、実施例1−2のフィルム基材におけるプラズマ処理前のTEM像を図1Aプラズマ処理後の凹凸形成後のTEM像を図1Bに、それぞれ示す。これらの画像において、フィルム基材の表面は四酸化ルテニウムにより黒く着色されており、視野の下側がフィルム基材となっている。図1A及び図1Bから、プラズマ処理により、100nm程度の深さのある凹凸が形成されていることがわかる。

0118

[3.導電層の形成]
カーボンナノチューブ(以下、CNTと略記する)(SWCNT:IsoNonotubes−M(NanoIntegris Technologies,Inc.製)を量し、5wt%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液に入れ、超音波で24時間分散させ濃度200ppmのCNT含有水溶液を得た。

0119

次に、それぞれ上記[1.フィルム基材の製造]で得たフィルム基材の一方の表面上にCNT含有水溶液をバーコータで塗布し、120℃で30分乾燥し溶媒を除去し、CNT層(導電層)の厚み10nmの導電性フィルムを得た。

0120

[4.応力緩和率R及び残留歪み率αの測定]
得られた導電性フィルムから、厚み50μmのダンベル6号形状(JIS K6251およびISO37、測定部位幅4mm、平行部長さ25mm)のフィルム片を切り出し、以下の評価におけるサンプルとして用いた。

0121

〔伸張−復元試験〕
本実施例で用いられる伸張−復元試験では、上記実施例および比較例のサンプルを用いて、下記条件で伸張行程を行った後に復元行程を行い、下記算出方法によって応力緩和率R及び残留歪み率αを計算した。

0122

伸張行程条件:
フィルム片をつかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するために、たわみ補正を0.05N以下の力で行った。
試験速度:25mm/min、0〜25%伸張まで
温度条件:23℃
伸張・保持行程条件:25%伸張で、保持時間5分
温度条件:23℃
復元行程条件:
試験速度:0.1mm/min、引張力が0±0.05Nになるまで
温度条件:23℃
応力緩和率算出方法:前記伸張行程において、25%まで伸張した直後のフィルム片の伸張行程終了時の引張力の測定を行い、これを初期引張力FA0とした。
その後、上述の伸張・保持行程終了時の引張力の測定を行い、これをFA(t5)とする。応力緩和率Rは下記式によって計算した。

0123

0124

残留歪み率算出方法:前記復元行程において、引張力が0±0.05Nとなった時点において、歪量の測定を行い、これを残留歪み率αとした。

0125

すなわち、厚みが50μmであり、サンプル形状が測定部位幅4mm、平行部分長さ25mmのJISK6251およびISO37に規定されているダンベル6号であるフィルム片を用いて、ISO3384に準拠した引張−圧縮試験機で、フィルム片をつかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するためのたわみ補正を0.05N以下の力で行い、0〜25%伸張まで試験速度を25mm/mm、温度条件を23℃として伸張工程を行い、25%伸張で保持時間5分、温度条件を23℃として伸張・保持工程を行い、伸張工程において25%まで伸張した直後のフィルム片の初期引張力FA0を測定し、伸張・保持工程において25%伸張で5分間保持後のフィルム片の引張力FA(t5)を測定し、下記式によって算出された応力緩和率をRとした。

0126

0127

そして、厚みが50μmであり、サンプル形状が測定部位幅4mm、平行部分長さ25mmのJISK6251およびISO37に規定されているダンベル6号であるフィルム片を用いて、ISO3384に準拠した引張−圧縮試験機で、フィルム片をつかみ具に取り付けたときに発生するたわみを除去するためのたわみ補正を0.05N以下の力で行い、0〜25%伸張までの試験速度を25mm/min、温度条件を23℃として伸張行程を行い、25%伸張で保持時間5分、温度条件を23℃として伸張・保持行程を行い、前記伸張・保持行程を行った後、引張力が0±0.05Nになるまでの試験速度を0.1mm/min、温度条件を23℃として復元行程を行い、復元行程において、引張力が0±0.05Nとなった時点において歪量の測定を行い算出された残留歪み率をαとした。

0128

上記で得られた応力緩和率R及び残留歪み率αを表2に示す。

0129

[5.その他の評価試験
表面抵抗値の測定〕
得られた各導電性フィルムを、ISO3195に準拠した試験機で表面抵抗値を測定した。結果を表2に示す。

0130

〔全光線透過率の測定〕
得られた各導電性フィルムを、ISO2556に準拠した試験機で全光線透過率を測定した。結果を表2に示す。

0131

伸縮動作における電気抵抗増加率の測定〕
得られた各導電性フィルムを、長さ6cm、幅5mmの寸法で切り出し、フィルム延伸機につかみ具間距離が4cmとなるようにセットした。そして、フィルムの伸張前と伸張率25%の伸張時、さらにつかみ具を戻しフィルムが元の位置へ復元したところで、それぞれ抵抗計(日置電機株式会社製RM3548)を用いて端子間距離が3cmとなる位置で電気抵抗値を測定した。伸縮前の電気抵抗値からの電気抵抗増加量を100分率で示した結果をそれぞれ、フィルム伸張後抵抗増加率およびフィルム復元後抵抗増加率として表2に示す。

0132

さらに、この動作を5回繰り返した後の電気抵抗値と最初の伸縮前に測定した電気抵抗値からの電気抵抗増加量を100分率で示した結果を伸縮5回後抵抗増加率として表2に示す。

0133

<比較例1−1>
フィルム基材表面の凹凸形状の形成を行わなかった以外は、実施例1−1と同様にしてフィルム基材上に導電層を形成した。しかし、分散液(CNT含有水溶液)塗布時にハジキが発生してしまい、導電性フィルムを得ることができなかった。

0134

<比較例1−2>
実施例1−1と同様にして作製したフィルム基材を、フィルム基材表面の凹凸形状の形成を行うことなく、その代わりにこのフィルム基材の表面(導電層形成側:支持体層と反対面)に対して、ウレタン樹脂(株式会社ADEKA製「HUX−561」)を塗布し、100℃15分加熱乾燥することで、表面に厚み1μmのウレタン層を有するフィルム基材を得た。その後、実施例1−1と同様にして導電層を形成した。この場合は分散液を良好に塗布でき、導電性フィルムが得られた。得られた導電性フィルムについて、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。

0135

<比較例1−3>
実施例1−1と同様にして作製したフィルム基材の表面(導電層形成側:支持体層と反対面)に対して、コロナ処理を表2に示す条件で行い、表面に凹凸形状を有するフィルム基材を得た。このフィルム基材に対して実施例1−1と同様にして導電層を形成した。この場合も分散液を良好に塗布でき、導電性フィルムを得ることができた。得られた導電性フィルムについて実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。

0136

0137

(結果及び考察)
比較例1−1は、フィルム基材の表面が分散液をはじいたため、導電層を形成することができず、導電性フィルムが得られなかった。比較例1−2および比較例1−3は導電性フィルムが得られたものの、伸張、復元時の電気抵抗の変化が大きかった。この結果と比べて実施例1−1および1−2で得られた導電性フィルムは伸張、復元後も電気抵抗の変化が小さい結果となった。さらに、実施例1−2については、上述の通り、プラズマ処理により、100nm程度の深さのある凹凸がフィルム基材表面に形成されていることがTEM画像によっても確認された(図1A及び図1B)。

0138

以上の結果より、同様のフィルム基材を用いても、フィルム基材表面の凹凸形状の効果によって伸縮(伸張及び復元)時の電気抵抗の変化を小さく抑えることができることが示された。

0139

<実施例2−1及び実施例2−2>
[1.フィルム基材の製造]
上記表1に示す配合組成(質量部)で、固形分濃度が40質量%となるように、溶剤(メチルエチルケトン)に添加して、各成分を均一に混合し、フィルム基材2用の樹脂組成物を調製した。

0140

次に得られた樹脂組成物を、75μmのPETフィルム(支持体)上にバーコータで塗布し、100℃にて10分乾燥し溶媒を除去した後、170℃で60分間加熱硬化させ、PETフィルム上に厚み50μmとなるフィルム基材2を得た。

0141

[2.フィルム基材表面の凹凸形状の形成]
得られたフィルム基材の表面(導電層形成側:支持体層と反対面)に対して、大気圧プラズマ装置(エアウォータ株式会社製「ダイレクト型表面処理装置」)を用いた大気圧プラズマ処理を表3に示す条件で行い、表面に凹凸形状を有するフィルム基材を得た。

0142

[3.導電層の形成]
用いるフィルム基材がフィルム基材2であること以外は、実施例1−1と同様の方法で導電層を形成し、導電性フィルムを得た。

0143

[4.評価]
得られた導電性フィルムについて、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。

0144

<比較例2−1>
フィルム基材表面の凹凸形状の形成を行わなかった以外は、実施例2−1と同様にしてフィルム基材上に導電層を形成した。しかし、分散液(CNT含有水溶液)塗布時にハジキが発生してしまい、導電性フィルムを得ることができなかった。

0145

<比較例2−2>
実施例2−1と同様にして作製したフィルム基材の表面(導電層形成側:支持体層と反対面)に対して、真空プラズマ装置(SEMCO株式会社製、PC-300)を用いたプラズマ処理を表3に示す条件で行い、表面に凹凸形状を有するフィルム基材を得た。その後、実施例2−1と同様にして導電層を形成した。この場合は分散液を良好に塗布でき、導電性フィルムを得た。得られた導電性フィルムについて、実施例2−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。

0146

<比較例2−3>
実施例2−1と同様にして作製したフィルム基材を、処理条件を表3に示すように変えた以外は実施例2−1と同様の操作で表面凹凸形状を形成したフィルム基材を得た。その後、実施例2−1と同様にして導電層を形成した。しかし、分散液塗布時にハジキが発生してしまい導電性フィルムが得られなかった。

0147

0148

(結果及び考察)
比較例2−1と比較例2−3は、フィルム基材の表面が分散液をはじいたため、導電層を形成することができず、導電性フィルムが得られなかった。比較例2−2は導電性フィルムが得られたものの、伸縮時の電気抵抗の変化が大きく、また、伸張、復元時の電気抵抗の変化が大きかった。この結果と比べて実施例2−1および2−2で得られた導電性フィルムは伸張、復元後も電気抵抗の変化が小さい結果となった。さらに、実施例2−2のフィルム基材におけるプラズマ処理後の凹凸形成後のTEM像を図2に示す。上述の通り、プラズマ処理により、フィルム基材表面に凹凸が形成されていることがTEM画像によっても確認された。

0149

以上の結果より、同様のフィルム基材を用いても、表面凹凸形状の効果によって伸縮(伸張及び復元)時の電気抵抗の変化を小さく抑えることができることが示された。

実施例

0150

よって、本発明の導電性フィルムは、伸張後、復元後においても優れた導電性を示すだけではなく、伸張、復元後も電気抵抗の変化が小さいことが確かめられた。

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