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技術 三相データ分析方法および分析プログラム

出願人 学校法人関西学院
発明者 橋本翔長田典子
出願日 2017年4月14日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2017-080915
公開日 2017年11月2日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-199364
状態 特許登録済
技術分野 複合演算 知識ベースシステム 検索装置
主要キーワード 推奨案 属性層 形容語 バイアス情報 負荷行列 相対スケール 誤差条件 直交回転
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この項目の情報は公開日時点(2017年11月2日)のものです。
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図面 (9)

課題

刺激と独立な個体の傾向を考慮し、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つか推定できる三相データ分析方法を提供する。

解決手段

複数の個体に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目によって評価させる方法で得られた三相データの多変量解析方法であって、三相データの各評価項目得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報仮定して、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づく解析モデル式を設定する。そして、各個体の評価バイアス情報、各刺激の成分得点情報および各評価項目への重みをパラメータとして、設定した解析モデル式で表される目的関数収束させるパラメータを推定する。

概要

背景

近年、心理学経済学感性工学マーケティングおよび社会学などの分野において、複数の相を持つデータが観測されており、その代表的な手法として、SD法(Semantic Differential method)が知られている。SD法とは、複数の個人に、複数の刺激を、形容語の対義語の複数の評価項目(例えば、熱い−冷たいなど)で評価させるという三相データを用いる手法であり、様々な分野における評価構造や印象構造の分析に用いられている。本明細書では、表記統一性のためにこの三相データに対して、「個人×刺激×評価項目」という表現を用いることにする。

従来、三相データを分析する際には、三相のうちの一相を消去することで二相のデータに変換して、一般的な分析手法を適用する方法がある。「個人×刺激×評価項目」の三相データを、個人に関して平均することにより、「刺激×評価項目」の二相データに基づく行列に変換した分析(以下“消去法”という)や、各個人の「刺激×反応」のデータ行列行方向に結合することにより、「(刺激×個人)×評価項目」に基づく行列に変換した分析(以下“統合法”という)や、「刺激×(評価項目×個人)」と各個人のデータを列方向に結合することで二相データに変換した分析(以下“パーソナルコンストラクト型統合法”という)を行っている。

しかしながら、消去法では、個人を平均化することで刺激の特徴として得られるデータを分析するため個人差の影響を見ることができない。つまり、消去法では個人差の情報は消えてしまうという問題がある。また、統合法では、「個人×刺激」の反応のすべてが独立であることを仮定しているため、個人間の差や刺激間の差を直接的に探索することが困難である。つまり、統合法では個人間や刺激間の統合性がないという問題がある。また、パーソナル・コンストラクト型統合法では、列数が膨大になるためその結果の表現や解釈が難しいといった問題がある。

一方、刺激間の違いと個人間の違いを明確に表現できるモデルとして、三相主成分分析モデルが知られている(非特許文献を参照)。三相主成分分析モデルでは、個人間の違いを因子得点の分散の違いや共分散構造の違い、あるいは刺激の因子と評価項目の因子の連結の違いとしてみなしているモデルであると言える。三相主成分分析モデルを用いることにより、三相データからある一相(例えば評価項目など)を縮約する解釈可能な低次元空間推定しつつ、個人や刺激などの残りの相の特徴を算出したいという要求を満足できる。しかしながら、一部の刺激に対して、他の多くの人と逆の印象を持つ個人がいた場合、分散の違いでは符号の違いを説明することが難しいといった問題がある。また、マーケティング分野では、複数の製品を低次元空間にプロットしつつ消費者属性ごとの傾向も同一次元上にプロットするといったニーズがあるが、三相主成分分析モデルでは対応することが困難である。

ここで、例えば、個人の嗜好を表す複数のキーワードに対する重要度要素値とする嗜好ベクトルで表現し、個人の嗜好を踏まえ文書検索方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1に開示された文書検索方法は、嗜好の個人差に対応した検索方法であるが、刺激(文書)に対する感じ方の個人差に着目したものではない。

概要

刺激と独立な個体の傾向を考慮し、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つか推定できる三相データ分析方法を提供する。複数の個体に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目によって評価させる方法で得られた三相データの多変量解析方法であって、三相データの各評価項目得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報を仮定して、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づく解析モデル式を設定する。そして、各個体の評価バイアス情報、各刺激の成分得点情報および各評価項目への重みをパラメータとして、設定した解析モデル式で表される目的関数収束させるパラメータを推定する。

目的

本発明は、刺激と独立な個体の傾向を考慮し、個体と刺激を同一の空間に付置することができ、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つか推定できる三相データ分析方法および分析プログラムの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の個体に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目によって評価させる方法で得られた三相データの多変量解析方法であって、三相データの各評価項目得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報仮定して、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づく解析モデル式を設定し、各個体の評価バイアス情報、各刺激の成分得点情報および各評価項目への重みをパラメータとして、上記解析モデル式で表される目的関数収束させる前記パラメータを推定することを特徴とする三相データ分析方法

請求項2

各刺激の成分数が2になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、2つの成分を二軸する二次元グラフ原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の前記二次元グラフにマッピングし表示することを特徴とする請求項1に記載の三相データ分析方法。

請求項3

各刺激の成分数が3になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、3つの成分を三軸する三次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の前記三次元グラフにマッピングし表示することを特徴とする請求項1に記載の三相データ分析方法。

請求項4

上記の得点行列における各刺激の成分数は、データの説明率の変化率所定値以上になる成分数であることを特徴とする請求項1に記載の三相データ分析方法。

請求項5

前記評価項目は、形容語の対義語であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の三相データ分析方法。

請求項6

上記の評価バイアス行列と得点行列との和の各評価項目への重み付けにおいて、各成分に対して、評価バイアス行列と得点行列のどちらの変動がより主体的に影響を与えているかを示す重み付けを行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の三相データ分析方法。

請求項7

上記の解析モデル式は、下記式で表させることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の三相データ分析方法:(式中、Xiは個体iの“刺激×評価項目”のデータ行列、Aは“評価項目×成分”の負荷行列、Fは“刺激×成分”の得点行列、Hiは個体iの評価傾向を表す評価バイアス行列を示す。)。

請求項8

上記の解析モデル式は、下記式で表させることを特徴とする請求項6に記載の三相データ分析方法:(式中、Xは“(刺激×個人)×評価項目”のデータ行列、Aは“評価項目×成分”の負荷行列、Fは“刺激×成分”の得点行列、Hは評価傾向を表す評価バイアス行列、Dは各成分に対してFとHのどちらの変動がより主体的に影響を与えているかを表す重み(m×m)行列、1n,1sは全要素が1の列ベクトル、Imはm次の単位行列を示す。)。

請求項9

請求項1〜8の何れかに記載の三相データ分析方法を用いて作成されたマップであって、各刺激の成分数が2になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、2つの成分を二軸する二次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の前記二次元グラフにマッピングし表示された三相データ分析マップ。

請求項10

請求項1〜8の何れかに記載の三相データ分析方法を用いて作成されたマップであって、各刺激の成分数が3になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、3つの成分を三軸する三次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の前記三次元グラフにマッピングし表示された三相データ分析マップ。

請求項11

複数の個体に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目によって評価させる方法で得られた三相データの多変量解析を行うプログラムであって、コンピュータに、三相データの各評価項目の得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報を仮定して、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づく解析モデル式を設定するステップ、各個体の評価バイアス情報、各刺激の成分得点情報および各評価項目への重みをパラメータとして、上記解析モデル式で表される目的関数を収束させるパラメータを推定するステップ、を実行させる三相データ分析プログラム

請求項12

各刺激の成分数が2になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、2つの成分を二軸する二次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の前記二次元グラフにマッピングし表示するステップ、を更にコンピュータに実行させる請求項11の三相データ分析プログラム。

請求項13

各刺激の成分数が3になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、3つの成分を三軸する三次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の前記三次元グラフにマッピングし表示するステップ、を更にコンピュータに実行させる請求項11の三相データ分析プログラム。

請求項14

前記評価項目は、形容語の対義語であることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の三相データ分析プログラム。

技術分野

0001

本発明は、三相データの多変量解析方法に関し、特に対象評価における個体毎の評価傾向分析可能な三相データ分析方法および分析プログラムに関するものである。

背景技術

0002

近年、心理学経済学感性工学マーケティングおよび社会学などの分野において、複数の相を持つデータが観測されており、その代表的な手法として、SD法(Semantic Differential method)が知られている。SD法とは、複数の個人に、複数の刺激を、形容語の対義語の複数の評価項目(例えば、熱い−冷たいなど)で評価させるという三相データを用いる手法であり、様々な分野における評価構造や印象構造の分析に用いられている。本明細書では、表記統一性のためにこの三相データに対して、「個人×刺激×評価項目」という表現を用いることにする。

0003

従来、三相データを分析する際には、三相のうちの一相を消去することで二相のデータに変換して、一般的な分析手法を適用する方法がある。「個人×刺激×評価項目」の三相データを、個人に関して平均することにより、「刺激×評価項目」の二相データに基づく行列に変換した分析(以下“消去法”という)や、各個人の「刺激×反応」のデータ行列行方向に結合することにより、「(刺激×個人)×評価項目」に基づく行列に変換した分析(以下“統合法”という)や、「刺激×(評価項目×個人)」と各個人のデータを列方向に結合することで二相データに変換した分析(以下“パーソナルコンストラクト型統合法”という)を行っている。

0004

しかしながら、消去法では、個人を平均化することで刺激の特徴として得られるデータを分析するため個人差の影響を見ることができない。つまり、消去法では個人差の情報は消えてしまうという問題がある。また、統合法では、「個人×刺激」の反応のすべてが独立であることを仮定しているため、個人間の差や刺激間の差を直接的に探索することが困難である。つまり、統合法では個人間や刺激間の統合性がないという問題がある。また、パーソナル・コンストラクト型統合法では、列数が膨大になるためその結果の表現や解釈が難しいといった問題がある。

0005

一方、刺激間の違いと個人間の違いを明確に表現できるモデルとして、三相主成分分析モデルが知られている(非特許文献を参照)。三相主成分分析モデルでは、個人間の違いを因子得点の分散の違いや共分散構造の違い、あるいは刺激の因子と評価項目の因子の連結の違いとしてみなしているモデルであると言える。三相主成分分析モデルを用いることにより、三相データからある一相(例えば評価項目など)を縮約する解釈可能な低次元空間推定しつつ、個人や刺激などの残りの相の特徴を算出したいという要求を満足できる。しかしながら、一部の刺激に対して、他の多くの人と逆の印象を持つ個人がいた場合、分散の違いでは符号の違いを説明することが難しいといった問題がある。また、マーケティング分野では、複数の製品を低次元空間にプロットしつつ消費者属性ごとの傾向も同一次元上にプロットするといったニーズがあるが、三相主成分分析モデルでは対応することが困難である。

0006

ここで、例えば、個人の嗜好を表す複数のキーワードに対する重要度要素値とする嗜好ベクトルで表現し、個人の嗜好を踏まえ文書検索方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1に開示された文書検索方法は、嗜好の個人差に対応した検索方法であるが、刺激(文書)に対する感じ方の個人差に着目したものではない。

0007

特開平11−53394号公報

先行技術

0008

Kroonenberg, 2008;井・前川・繁・市川, 1990

発明が解決しようとする課題

0009

従来、例えば、刺激毎に個人に関して平均化する消去法を用いて、「刺激×評価項目」の二相データにして分析するか、あるいは、「刺激×個人」を1つの相として取り扱う統合法により「(刺激×個人)×評価項目」の二相データして分析する方法が用いられてきた。上述の如く、消去法では個人差の情報は消えてしまい、一方、統合法では個人間や刺激間の統合性がなくなるという問題がある。

0010

かかる状況に鑑みて、本発明では、感じ方の個体差に着目し、各個体の評価の傾向を定量的に推定して、ある個体がある刺激に対して如何なる印象を持つかということや、ある個体がある印象を持つ刺激は何かということを分析結果から推測可能にする。
すなわち、本発明は、刺激と独立な個体の傾向を考慮し、個体と刺激を同一の空間に付置することができ、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つか推定できる三相データ分析方法および分析プログラムの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決すべく、本発明の三相データ分析方法は、複数の個体に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目によって評価させる方法で得られた三相データの多変量解析方法であって、下記1),2)のステップを備える。
1)三相データの各評価項目得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報を仮定して、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づく解析モデル式を設定する。
2)各個体の評価バイアス情報、各刺激の成分得点情報および各評価項目への重みをパラメータとして、上記解析モデル式で表される目的関数収束させるパラメータを推定する。

0012

ここで、個体には個人を含み、更にヒト以外の動物人工知能を搭載したロボットを含む意味で用いている。各個体の評価の傾向を定量的に推定して、ある個体がある刺激に対して如何なる印象を持つかということや、ある個体がある印象を持つ刺激は何かということを分析結果から推測可能にする。
また、刺激とは、個体の認知機構に作用しなんらかの主観的な体験を生じさせるもの、あるいは個体に作用してなんらかの現象や反応および変化を引き起こすものの意味で用いている。前者の例としては商品音楽映画など、後者の例としては時間や場面などがあげられる。
また、定量的な評価項目とは、刺激の特徴を主観的かつ数量的に評価することができる指標あるいは刺激が引き起こす変化を数量的に記述することのできる指標のことである。前者の例としては印象の評価などの心理的評価が、後者の例としては身長などの物理的指標があげられる。また例えば、SD法では、複数の被験者(個人)に対し、複数の商品(刺激)に対する印象を、形容語の対義語で示される複数の評価項目に対して、例えば5段階評価で定量的に回答させることによって、回答データとして「個人×刺激×評価項目」の三相データとなる。
SD法で得られるデータのような三相データに基づいて、対象評価における個人毎の評価の偏りの違い、すなわち、各個体の評価傾向を表す評価バイアスをパラメータとして導入することで、個人の評価傾向の違い(個人間の差)と、刺激の評価のされ方の違い(刺激間の差)を同時に観測する。

0013

本発明において、提案する解析モデルは、三相データの各評価項目の得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報を仮定し、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づくモデルとして表される。解析モデルが和の各評価項目への重み付け合成により表されることにより、個体間の差と刺激間の差を同時に説明することができ、また低次元空間の推定を行える。具体的には、各個体の評価バイアス情報、各刺激の成分得点情報および各評価項目への重みをパラメータとして、解析モデル式で表される目的関数を収束させるパラメータを推定する。提案する解析モデルの利点としては、刺激の分布する低次元空間上における各個人の評価傾向の差異を明らかにすることが可能な点である。

0014

本発明の三相データ分析方法において、各刺激の成分数が2になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、2つの成分を二軸する二次元グラフ原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の二次元グラフにマッピングし表示するのが好ましい。
これにより、個体と刺激を同一の二次元グラフに表示することができ、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つかということや、ある個体がある印象を持つ刺激は何かということを二次元グラフのマップから推定できる。

0015

本発明の三相データ分析方法において、各刺激の成分数が3になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、3つの成分を三軸する三次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の三次元グラフにマッピングし表示するのが好ましい。
これにより、個体と刺激を同一の三次元グラフに表示することができ、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つかということや、ある個体がある印象を持つ刺激は何かということを三次元グラフのマップから推定できる。

0016

本発明の三相データ分析方法において、得点行列における各刺激の成分数は、データの説明率の変化率所定値以上になる成分数であることでもよい。

0017

本発明の三相データ分析方法において、評価バイアス行列と得点行列との和の各評価項目への重み付けにおいて、各成分に対して、評価バイアス行列と得点行列のどちらの変動がより主体的に影響を与えているかを示す重み付けを行うことが好ましい。
重み付けを行うことにより、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つかということや、ある個体がある印象を持つ刺激は何かということの推定精度を高めることができる。

0018

本発明の三相データ分析方法における解析モデル式は、下記数式で表すことができる。ここで、Xiは個体iの“刺激×評価項目”のデータ行列、Aは“評価項目×成分”の負荷行列、Fは“刺激×成分”の得点行列、Hiは個体iの評価傾向を表す評価バイアス行列を示す。

0019

0020

本発明の三相データ分析方法における解析モデル式は、重み付けを行う場合、下記数式で表すことができる。ここで、Xは“(刺激×個人)×評価項目”のデータ行列、Aは“評価項目×成分”の負荷行列、Fは“刺激×成分”の得点行列、Hは評価傾向を表す評価バイアス行列、Dは各成分に対してFとHのどちらの変動がより主体的に影響を与えているかを表す重み(m×m)行列、1n,1sは全要素が1の列ベクトル、Imはm次の単位行列を示す。

0021

0022

次に、本発明の三相データ分析マップについて説明する。
本発明の三相データ分析マップは、上述の三相データ分析方法を用いて作成されたマップであって、各刺激の成分数が2になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、2つの成分を二軸する二次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の二次元グラフにマッピングし表示されたマップである。
また、本発明の三相データ分析マップは、上述の三相データ分析方法を用いて作成されたマップであって、各刺激の成分数が3になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、3つの成分を三軸する三次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の前記三次元グラフにマッピングし表示されたマップである。

0023

次に、本発明の三相データ分析プログラムについて説明する。
本発明の三相データ分析プログラムは、複数の個体に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目によって評価させる方法で得られた三相データの多変量解析を行うプログラムであって、コンピュータに、以下の1),2)のステップを実行させるプログラムである。
1)三相データの各評価項目の得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報を仮定として、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づく解析モデル式を設定するステップ
2)各個体の評価バイアス情報、各刺激の成分得点情報および各評価項目への重みをパラメータとして、上記解析モデル式で表される目的関数を収束させるパラメータを推定するステップ

0024

本発明の三相データ分析プログラムは、各刺激の成分数が2になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、2つの成分を二軸する二次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の二次元グラフにマッピングし表示するステップを更にコンピュータに実行させることでもよい。
あるいは、本発明の三相データ分析プログラムは、各刺激の成分数が3になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、3つの成分を三軸する三次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の三次元グラフにマッピングし表示するステップを更にコンピュータに実行させることでもよい。
なお、上記の評価項目は、形容語の対義語であってもよい。すなわち、本発明の三相データ分析プログラムは、SD法で得られるデータのような三相データの分析プログラムに活用できる。

発明の効果

0025

本発明の三相データ分析方法および分析プログラムによれば、刺激と独立な個体の傾向を考慮し、個体と刺激を同一の空間に付置することができ、ある個体がある刺激に対してどのような印象を持つか推定できるといった効果がある。
また、本発明の三相データ分析方法および分析プログラムによれば、刺激に対する個人の評価傾向を精度良く推定することができ、個人毎に適切な刺激のリコメンドが行えるようになる。

図面の簡単な説明

0026

実施例1の成分数によるデータの説明率の変化を示すグラフ
実施例1の解析モデルを用いて三相データを主成分分析した結果を示すグラフ
個体差と各刺激の成分得点を同一の二次元グラフにマッピングしたマップ
個体差と各刺激の成分得点を同一の三次元グラフにマッピングしたマップ
実施例1の解析モデルのパラメータ推定フロー
実施例2の成分数によるデータの説明率の変化を示すグラフ
実施例2の解析モデルを用いて三相データを主成分分析した結果を示すグラフ
実施例2の解析モデルのパラメータ推定フロー図

発明を実施するための最良の形態

0027

以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。
なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。

0028

先ず、本発明の三相データ分析方法の解析モデルについて、既存の消去法および統合法と本発明の三相データ分析方法との差異を説明する。次に、解析モデルのパラメータ推定のアルゴリズムを説明する。そして、本発明の三相データ分析方法の解析モデルを用いて、人工データによるシミュレーションを行った結果と、実データを用いた解析結果の例を示し、本発明の三相データ分析方法の有用性を示す。
被験者数(個人数)がn、刺激数がs、評価項目数がp個の三相のデータセットが得られた際に用いられる分析手法として、一つの相を消去して主成分分析(Principal Component Analysis;PCA)を行う消去法が通常用いられる。消去法では、「個人×刺激×評価項目」の三相データを、個人に関して平均することにより、「刺激×評価項目」の二相データに変換して、主成分分析(PCA)を行う。消去法でPCAを行う場合、下記数式で表される解析モデルを最小化するパラメータの推定を目的としているとみなすことができる。
ここで、Xiは個人iの「刺激×評価項目」のデータ行列、Aは「評価項目×成分」の負荷行列、Fは「刺激×成分」の得点行列である。

0029

0030

また、一つの相を消去するのではなく、他の一つの相と結合する統合法がある。統合法では、各個人の「刺激×反応」のデータ行列を行方向に結合することにより、「(刺激×個人)×評価項目」に基づく行列に変換して、主成分分析(PCA)を行う。統合法でPCAを行う場合、下記数式で表される解析モデルを最小化するパラメータの推定を目的としているとみなすことができる。
ここで、Fiは個人iにおける各刺激に対する成分得点を表している。

0031

0032

(解析モデルの説明)
次に、本発明の三相データ分析方法の解析モデルについて説明する。
本発明の三相データ分析方法では、感じ方の個人差に着目し、各個人の評価の傾向を定量的に推定して、ある個人がある刺激に対して如何なる印象を持つかということを分析結果から推測すべく、刺激と独立な個人の傾向を考慮し、各個人の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づく解析モデルを用いる。本実施例1では、解析モデルにおける評価バイアス行列と得点行列との和の各評価項目への重み付けが1:1の場合について説明する。具体的には、下記数式で表される解析モデルである。この解析モデルを目的関数として最小化するパラメータを推定する。
ここで、Hiは、個人iの評価傾向を表現する評価バイアス行列であり、Hi=1shiである。また、1sは全要素が1の(s×1)の列ベクトルであり、hiは個人iの評価傾向を表す(1×m)の行ベクトルである。

0033

0034

上記数式に示すように、本発明の三相データ分析方法における成分得点は、統合法の解析モデルにおける成分得点に対して、Fi=F+Hiという仮定を置いたもの、あるいは、消去法の解析モデルに新たな個人差を表現するパラメータHiを加えたものとして捉えることも可能である。ただし、(F+Hi)とA´(A´は行列Aの転置行列である)の間には、任意の正方行列とその逆行列挿入可能であるため、一意な解を求めることができないことから、刺激の成分得点と個人の評価傾向の評価バイアスに関して、以下の制約を設けてパラメータを推定する。
ここで、Hは全個人の評価傾向をまとめた評価バイアス行列であり、H=(h´1,・・・,h´n)である。

0035

0036

なお、上記の制約は、統合法において用いられている下記の制約において、Fi=F+Hiと定めたときの十分条件となっている。

0037

0038

ただし、依然として、任意の直交回転行列とその転置行列が挿入可能であるので、回転の不定性が存在しており一意の解を求めることができない。それゆえ、初期解を推定したのちにVarimax 回転などの任意の回転を用いて解釈のしやすい解を探索する。

0039

また、本発明の三相データ分析方法は、刺激の成分得点と個人の評価バイアスについて、下記数式に書き換え可能である。
ここで、Xiは刺激jについてのデータ行列である「個人×評価項目」の行列であり、またfjは、行列Fの第j行ベクトルであり刺激jの成分得点である。

0040

0041

(解析モデルのパラメータ推定のアルゴリズム)
本発明の三相データ分析方法の解析モデルの各パラメータ(A,F,H)の推定アルゴリズムについて説明する。
解析モデルの各パラメータ(A,F,H)の推定は、反復最小二乗法を用いることができる。
解析モデルのパラメータ推定フローを図5に示す。

0042

まず、複数の個人に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目、ここでは形容語の対義語の評価項目によって評価させる方法で得られた三相データを取得する(S01)。
次に、解析モデルを設定する(S02)。解析モデルは、三相データの各評価項目の得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報を仮定して、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づいて設定される。
ここで、各個人の評価バイアスとは、個人毎の評価傾向を表すものであり、被験者全体の評価結果と、個々の個人の評価結果の差異、すなわち、評価に対する個人間の差異を数値化して表したものである。

0043

解析モデルを目的関数として収束させるパラメータを推定すべく、まず、FとHに対して、制約条件下で、ランダム初期値を設定する(S03)。
そして、FとHを固定した状態で、Aを最適化する(S04)。HとAを固定した状態で、Fを最適化する(S05)。FとAを固定した状態で、Hを最適化する(S06)。
そして、目的関数が収束しているか否かを判定し(S07)、目的関数が収束していたら反復を停止し、推定パラメータ算定する(S08)。目的関数が収束していなければ、ステップS04〜S06を繰り返す。
ここで、目的関数が収束したか否かの判定基準としては、例えば、下記数式の値が、10−10を下回った時とすることができる。

0044

0045

これは、パラメータの最適化による最小二乗基準の減少の度合いが、最適化前の最小二乗基準の値の0.00000001%を下回った時点で、パラメータの最適化による基準の変化が十分に小さくなったとみなして、収束していると判断するものである。
以下では、ステップS04〜S06における各パラメータF,H,Aの最適化アルゴリズムについて説明する。

0046

(ステップS05のパラメータFの最適化)
まず、刺激の成分得点Fの最適化について説明を行う。他のパラメータを固定したもとでの目的関数は次のように書き換えることができる。

0047

0048

上記数式10を最小にし、前述の数式4のパラメータFに関する制約を満たすFは、下記数式によって取得することが可能である(詳細については、文献“ten Berge (1993)”を参照)。
ここで、SVDは、右辺左辺特異値分解であることを示している。また、constは最適化に関わらない定数であり、Jsは、s×sの中心化行列を示す。

0049

0050

(ステップS06のパラメータHの最適化)
他のパラメータを定めた条件下で、個人の評価バイアスHは、前述の数式8より、Fの最適化アルゴリズムと同様のアルゴリズムを用いることで最適化することができる。すなわち、数式8は下記数式に書き換えることができ、前述の数式6のパラメータHに関する制約を満たす。

0051

0052

上記数式12を最小にするHは、下記数式から求めることができる。
ここで、SVDは、右辺は左辺の特異値分解であることを示し、また、constは最適化に関わらない定数であり、Jnは、n×nの中心化行列を示す。

0053

0054

(ステップS04のパラメータAの最適化)
負荷行列Aの最適化について説明する。前述の数式5で表される解析モデルをAについてまとめると、下記数式となる。ここで、Fi=F+Hiである。

0055

0056

また、上記数式14は、下記数式15に書き換えることができる。下記数式15を最小にするAは、右辺の第一項を0とするものである。
である。

0057

0058

数値シミュレーション
本実施例の三相データ分析方法の解析モデルを用いて得られる解の妥当性を検証するために、人工のデータセットを複数作成し、解の再現度を測定した結果を以下に説明する。
データセットのサイズは、刺激数sが100個、個人数nが10人、評価項目pが9項目の三相データである。また、5つの誤差条件(ε=0,0.5,1,5,10)の下で、それぞれ100のデータセットを作成した。
具体的な手順としては、まず真の負荷行列Atrueを下記式のように定めた。

0059

0060

さらに、真の刺激の成分得点行列と、真の個人の評価バイアス行列とは、共に多変量正規分布N(0,I3)から発生させ、各誤差条件につき各データセットを下記式のように作成した。
下記式の誤差行列Eは、多変量正規分布N(0,Ip)から発生させた。ここで、I3およびIpは、それぞれ3次およびp次の単位行列である。

0061

0062

上記の手順によって得られた「10の個人×100の刺激×9の評価項目)」の三相を持つ600のデータセットに対して、本実施例の三相データ分析方法の解析モデルを用いて分析を行い、負荷行列Aの真値再現性を確認した。その際、データのサイズによる真値の再現性の違いを確認するために、刺激数Sは25,50,75,100の4条件、個人数nは5,8,10の3条件の計12条件の下で分析を行った。

0063

また、推定したパラメータを用いた解析モデルによる再現性の確認には、Congruence Coefficient(以下“CC”)を用いることができる。CCに関しては、文献“Tucker (1951)”に詳細に説明されている。CCは、−1〜1の値をとる指標であり、値が高いほど二つの負荷行列は一致しているとみなすことができる指標である。文献“Lorenzo-Seva and ten Berge (2006)”では、CCについて、0.85〜0.94の範囲であれば、2つの負荷行列は類似しているとみなせ、0.95以上では非常によく類似しているとみなせると述べられている。

0064

本発明の三相データ分析方法を用いて推定された負荷行列Aの初期解に対して、Varimax回転を適用し、それによって得られる回転後の解について真の負荷行列AtrueとのCCを測定して、100のデータセットの平均値をある条件における再現性とみなすことにした。
数値シミュレーションの結果を下記表1に示す。本実施例の三相データ分析方法(表中、“実施例1”と表記)との比較のために、同一のデータセットを、統合法によって三相を二相に変換したものを用いて主成分分析(PCA)した方法(表中、“従来法”と表記)の結果を示す。
なお、表1において、文献“Lorenzo-Seva and ten Berge (2006)”の基準に基づいて、本実施例の三相データ分析方法と従来法とで、負荷行列Aの再現度に差があるとみなせる場合は、再現度のより高い方をボールド体で表記する。

0065

0066

上記表1から、個体数が小さい場合や誤差が小さい場面では、PCAの方が本発明の三相データ分析方法よりも真値の再現性が高いところもあるが、誤差が大きい場合では、PCAは再現性が大きく低下するのに対し、本発明の三相データ分析方法では再現性の低下の度合いが比較的小さいことがわかる。また、個体数が大きくなるにつれて、本発明の三相データ分析方法の解析モデルの解の再現度は、明らかにPCAよりも大きく上昇していることがわかる。
表1の結果から、本発明の三相データ分析方法は、ある程度の個体数がいる場面で、特に有効に働き、また解析モデルが適切であれば、従来法よりも誤差の影響を受けにくい手法であると言える。

0067

次に、実データに対して、本実施例の三相データ分析方法の解析モデルを適用した結果について説明する。
分析に用いるデータは、“Lundy, Harshamn and Kruskal, 1989”に示す論文テレビ番組評価データである。このデータは、40名の大学生が15のテレビ番組に対して16の相対スケール尺度で評価したもののうち、欠損値のなかった30名のものを採用したデータである。分析を行うにあたり、各尺度に関して平均が0、分散が1になるように標準化を行った。ここで、16の相対スケール尺度とは、下記表2で示す尺度名(対義語項目)のことである。

0068

図1は、成分数によるデータの説明率の変化を示している。本実施例で用いる成分数については、図1に示すデータの説明率の変化を考慮し、説明率の変化量が小さくなる直前の3と定めた。なお、データの説明率は下記数式で求められる。

0069

0070

下記表2は、各尺度に与えられる成分負荷行列を示している。なお、絶対値が0.4よりも大きなものはボールド体で示している。

0071

0072

また、下記表3は、各テレビ番組に与えられる成分得点を示している。なお、絶対値が0.85よりも大きな値はボールド体で示している。

0073

0074

提示している解は、負荷量についてのVarimax回転を行った後の解である。また、負荷量及び得点の符号は解釈のために適宜反転させている。
まず、各成分の解釈について説明する。表2および表3から、成分1に高い負荷を持つ尺度としては、「知的刺激をあたえる」、「有益な」、「知的な」が挙げられる。また、成分1の得点が高いテレビ番組としては、「TV Program 4」や「TV Program 9」などのニュース番組が並んでおり、得点が低いテレビ番組としては、「TV Program 7」や「TV Program 14」などのファミリードラマや「TV Program 6」のようなゲーム番組が並んでいる。このことから、成分1は「情報」を表す成分であると解釈できる。

0075

次に、成分2に高い負荷を持つ尺度としては、「風刺的な」や「おかしい」や「性的な」があげられ、得点が高い番組としては、「TV Program 1」や「TV Program 11」のようなコメディーが挙げられる。これらのことから、成分2は「ユーモア」を表す成分であると解釈できる。
最後に、成分3に高い負荷を持つ尺度としては、「思いやりのある」や「感情的な」や「感動的な」が挙げられ、得点が高い番組としては「TV Program 7」、低い番組としては「TV Program 13」や「TV Program 2」や「TV Program 6」など娯楽性が高いものが挙げられる。これらのことから、成分3は「ハートフル」を表す成分だと解釈できる。
下記表4は、各個人に与えられる成分得点を示している。これは、各個人の評価バイアスを示す。

0076

0077

これらの得点は、ある個人がテレビ番組に関して一般的に感じている傾向を示していると言える。例えば、No.2の個人はテレビ番組一般に対して「やや情報があり、ややユーモアがあり、ハートフルだ」と感じやすいといえ、No.8の個人は「情報が少なく、ハートフルでない」と感じやすいと言える。
また、個人iの刺激jに対する印象は、個人iの得点と刺激jの得点の和で表されることから、上述した個人得点の違いを用いることによって、同一のテレビ番組から受けている印象の個人差を説明することができる。例えば、No.2の個人は「TV Program 10」に対する印象の得点が「0.466,0.199,0.181」となることから「やや情報がある」と感じていることがわかり、No.8の個人は「−1.044,−0.178,−1.676」となることから「情報が少なく、ハートフルでない」と感じていることを示唆している。その裏付けとして、No.2とNo.8のそれぞれの個人の「TV Program 10」に対する印象の得点と各成分に対応する尺度の得点の平均(下記表5)を見ると、同様の傾向を示していることがわかる。

0078

0079

図2は、30名の大学生が15のテレビ番組に対して16の相対スケール尺度で評価した結果を主成分分析した結果を図示したものである。実線の軸は、学生全員を総合した結果であり、破線はある特定の個人(No.2)の特長を示す軸である。図2では、黒塗りつぶしのダイヤ記号によって各テレビ番組が示されている。個人の点は各個人にとっての原点の位置を表しており、それを用いることで各個人が各刺激に対してどのような印象を抱いているかを視覚的に推測することができる。例えば、No.2の個人の場合、「TV Program 10」に対して「やや情報がある」番組として評価していることが、図2のグラフから推測する可能である。
無論すべてのデータがこのような法則に従うわけではないが、刺激の特性と個人の評価傾向の関係を全体的に傍観することができ、また印象の個人差を説明可能であるという点において、本発明の三相データ分析方法は意義のあるものだと言える。

0080

本発明の三相データ分析方法では、個人iの刺激jに対する印象は、各刺激の特徴と個人iの評価バイアスの和で定まると仮定し、それらと負荷行列からなる最小二乗基準を示し、その最適化によりパラメータの推定を行った。人工データを用いたシミュレーションでは、誤差の強さ、刺激の数、個人の数を変化させたデータセットの分析を行い、負荷行列の再現性を確認し、本発明の三相データ分析方法の妥当性と、誤差が大きいデータに対する有用性を示した。
また、実データであるテレビ番組の評価データの分析では、本発明の三相データ分析方法を用いることで解釈可能な解が得られることが示され、また個人の評価バイアスを推定することで、刺激の特徴と個人の評価傾向を利用することによって、ある評価傾向を持つ個人がある特徴を持つ刺激に感じる印象を推測することができることが示された。

0081

本発明の三相データ分析方法の応用として、個人の評価バイアスを知ることにより、各個人に狙った印象を与える刺激が判明することを利用し、適切なリコメンドが行えるようになるということがあげられる。例えばテレビ番組ならば、ハートフルな番組が良いがハートフルすぎても気持ち悪いと感じる人には、その人の評価バイアスを知ることで適切なハートフルさを感じる番組を推薦することが可能である。さらに、より大規模なデータの収集を行うことにより、特定の属性層の評価バイアスを知ることで、製品マーケティングなどへも応用可能である。

0082

上述の実施例1では、解析モデルにおける評価バイアス行列と得点行列との和の各評価項目への重み付けが1:1の場合について説明した。
実施例2では、解析モデルにおける評価バイアス行列と得点行列との和の各評価項目への重み付けにおいて、各成分に対して、評価バイアス行列と得点行列のどちらの変動がより主体的に影響を与えているかを示す重み付けを行った解析モデルを用いて、三相データ分析を行った結果について説明する。本実施例の解析モデル式は、下記数式で表される。
ここで、Xは“(刺激×個人)×評価項目”のデータ行列、Aは“評価項目×成分”の負荷行列、Fは“刺激×成分”の得点行列、Hは評価傾向を表す評価バイアス行列、Dは各成分に対してFとHのどちらの変動がより主体的に影響を与えているかを表す重み(m×m)行列、1n,1sは全要素が1の列ベクトル、Imはm次の単位行列を示している。

0083

0084

(解析モデルの説明)
本実施例の解析モデルは、評価傾向を表現する評価バイアス行列Hを導入し、評価バイアス行列と得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づくモデルであり、この最小二乗基準を最小化する。

0085

0086

ここで、Hは、個人の評価傾向を示す評価バイアス行列であり、各行は個人の評価傾向を示している。例えばHの(i,j)要素が正の数であったなら、個人iは成分jに対して高く評価する傾向があることを示す。また、1sは全要素が1の(s×1)の列ベクトルである。さらに、行列Dは、各成分に対してFとHのどちらの変動がより主体的に影響を与えているかを示す重みを示す(m×m)のパラメータ行列である。上記数式20における括弧{ }の成分得点は、統合法において成分得点Gに個人の得点と刺激の得点の和で構成されるという仮定を置いたもの、あるいは、消去法において新たな個人差を表現するパラメータを加えたものに、さらに各軸における個人変動と刺激変動の比率の違いを考慮したものであると考えることができる。
しかしながら、解析モデルには解の不定性が存在するために、一意な解を求めることができないため、本実施例においても上述の数式4を満たし、一意な解を得るために、下記数式21に示すような制約を設けて初期解を推定する。

0087

0088

なお、上記数式における“1´sF=0,1´nH=0”の制約は、データ行列Xの中心化によって自動的に達成される。各制約のもとで、上記数式20で示される最小二乗基準は、展開することで以下のように書き換えることができる。

0089

0090

上記数式22から、上記数式20で示される最小二乗基準の最小化は、目的関数である下記数式23のパラメータF,H,A,Dに関する最大化でなされることがわかる。

0091

0092

データの前処理は、三相データの関係の記述を明確にするために必要となるものである。本実施例において、データの前処理は、中心化とスケールの調整によって構成されている。本実施例では、個人iの刺激jに対する評価項目kの生データをzijkと置いたときに、次のような前処理を行う。中心化については、刺激の平均的な評価と個人の平均的な評価の両方が分析対象であるため、単純に各評価項目の基準点を同一にすることを目的に以下のように行う。

0093

0094

これは、データ行列Xと同様に並べた生データ行列Zの列ごとに平均が0になるように調整しているものと同一である。スケールの調整について、個人毎の評価のばらつきの大きさと刺激毎の評価のばらつきの大きさの両方の情報を保存するために、下記数式25のように定める。

0095

0096

上記数式25は、データ行列Xと同様に並べた中心化されたデータ行列Yの列ごとに分散が1になるよう調整しているものと同一である。

0097

(解析モデルのパラメータ推定のアルゴリズム)
本発明の三相データ分析方法の解析モデルの各パラメータ(A,D,F,H)の推定アルゴリズムについて説明する。
解析モデルの各パラメータ(A,D,F,H)の推定は、反復最小二乗法を用いることができる。
解析モデルのパラメータ推定フローを図8に示す。

0098

まず、複数の個人に、複数の刺激を、複数の定量的な評価項目、ここでは形容語の対義語の評価項目によって評価させる方法で得られた三相データを取得する(S11)。
次に、解析モデルを設定する(S12)。解析モデルは、三相データの各評価項目の得点をより少数の成分得点で表わす成分を探索するために、各刺激の成分得点情報と、各個体の評価傾向を表す評価バイアス情報を仮定して、各個体の評価バイアス情報を記述した評価バイアス行列と、各刺激の成分得点情報を記述した得点行列との和の各評価項目への重み付け合成に基づいて設定される。

0099

解析モデルを目的関数として収束させるパラメータを推定すべく、まず、FとHとDに対して、制約条件下で、ランダムな初期値を設定する(S13)。
まず、FとHとDを固定した状態で、Aを最適化する(S14)。次に、FとAとDを固定した状態で、Hを最適化する(S15)。そして、HとAとDを固定した状態で、Fを最適化する(S16)。そして、FとAとHを固定した状態で、Dを最適化する(S17)。
そして、目的関数が収束しているか否かを判定し(S18)、目的関数が収束していたら反復を停止し、推定パラメータを算定する(S19)。目的関数が収束していなければ、ステップS14〜S17を繰り返す。
ここで、目的関数が収束したか否かの判定基準としては、実施例1と同様に、上述の数式9の値が、10−10を下回った時とすることができる。
以下では、ステップS14〜S17における各パラメータF,H,A,Dの最適化アルゴリズムについて説明する。

0100

(ステップS16のパラメータFの最適化)
まず、刺激の成分得点Fの最適化について説明を行う。他のパラメータを固定したもとでの目的関数は次のように書き換えることができる。

0101

0102

上記数式を最大にするパラメータFは、文献“ten Berge (1993)”より、Kristofのトレース関数の上限(詳細については、文献“Kristof (1993)”を参照)を用いて、下記数式27によって得ることができる。

0103

0104

ここで、実施例1と同様、SVDは、右辺は左辺の特異値分解であることを示している。また、constは最適化に関わらない定数である。なお、データ行列Xがns次の中心化行列Jnsを用いて、X=JnsXと表せられる際に、Fの更新値がF=JsFを満たすことは、下記数式28のように変換できるので、下記数式29のようになることから明らかである。

0105

0106

0107

(ステップS15のパラメータHの最適化)
次に、個体の成分得点Hの最適化について説明を行う。他のパラメータを固定したもとでの目的関数は次のように書き換えることができる。

0108

0109

これを最大にし、かつ、制約を満たすHは、Fの更新と同様の文献を用いて、下記数式31によって得ることができる。Hの中心化も、Fの中心化と同様の操作を行うことによって、下記数式32のようになることがわかり、データ行列Xが中心化されていれば、自動的にHも中心化されることがわかる。

0110

0111

0112

(ステップS14のパラメータAの最適化)
負荷行列Aの最適化について説明する。前述の数式23で表される解析モデルをAについてまとめると、下記数式33となり、第1項が0となる場合に最大となる。

0113

0114

(ステップS17のパラメータDの最適化)
最後に、重みを表す行列Dの更新について説明する。前述の数式23で表される解析モデルをDについてまとめると、下記数式34のように表すことができる。

0115

0116

ここで、D1/2の各対角要素をal(l=1,・・・,m)とし、(I−D)1/2の各対角要素をbl(l=1,・・・,m)とし、下記数式35のように置き換えると、各alおよび各blはそれぞれ独立なので、上記数式34は、下記数式36のように表すことができる。これを各lについて、制約al2+bl2=1のもとで最大化すればよく、ラグランジュ未定乗数法を用いて求めると、下記数式37としたときに最大値をとる。

0117

0118

0119

0120

(数値シミュレーション)
実施例1と同様に、本実施例の三相データ分析方法の解析モデルを用いて得られる解の妥当性を検証するために、人工のデータセットを複数作成し、解の再現度を測定した。
データセットのサイズは、刺激数sが50個、個人数nが50人、評価項目pが9項目の三相データである。また、4つの誤差条件ε=(0.1,1,5,10)の下で、それぞれ100データセットを作成した。
具体的な手順としては、まず真の負荷行列Atrueおよび真の重み行列Dtrueを下記数38のように定めた。

0121

0122

さらに、真の成分得点行列Ftrueと真の個人の評価バイアス行列Htrueは、共に多変量正規分布N(0,I3)から発生させ、各誤差条件につき各データセットを下記数式39のように作成した。

0123

0124

ここで誤差行列Eは、ns×3の行列であり、多変量正規分布N(0,Ip)から発生させた。
この手続きによって得られた「50刺激×9評価項目×50個人」の三相を持つ400のデータセットに対し、本実施例の三相データ分析方法の解析モデルを用いて分析を行い負荷行列の真値の再現性を確認した。その際、データのサイズによる真値の再現性の違いを確認するために、刺激数は1番目の刺激からs番目までの刺激を用い、個人数は1番目の個人からn番目の個人までを用いることにし、それぞれs=(5,25,50)、n=(5,25,50)の計9条件のもとで分析を行った。
なお、各条件においては、それぞれ初めのs個の刺激およびn人の個人のデータを用いた。再現性の確認には、実施例1と同様にCCを用いた。

0125

実施例1と同様に、本実施例でも、推定された負荷行列Aの初期解に対してVarimax回転を適用し、それによって得られる回転後の解について真の負荷行列AtrueとのCCを測定して、100のデータセットの平均値をある条件における再現性とみなすことにした。
数値シミュレーションの結果を下記表6に示す。本実施例の三相データ分析方法(表中、“実施例2”と表記)との比較のために、同一のデータセットを、統合法によって三相を二相に変換したものを用いて主成分分析(PCA)した方法(表中、“従来法”と表記)の結果を示す。
なお、表6において、文献“Lorenzo-Seva and ten Berge (2006)”の基準に基づいて、本実施例の三相データ分析方法と従来法とで、負荷行列Aの再現度に差があるとみなせる場合は、再現度のより高い方をボールド体で表記する。

0126

0127

上記表6から、個体数が小さい場合や誤差が小さい場面では、PCAの方が本発明の三相データ分析方法よりも真値の再現性が高いところもあるが、誤差が大きい場面では、PCAは再現性が大きく低下するのに対し、本発明の三相データ分析方法では再現性の低下の度合いが比較的小さいことがわかる。また、個体数が大きくなるにつれて、本発明の三相データ分析方法の解析モデルの解の再現度は、明らかにPCAよりも大きく上昇していることがわかる。
表6の結果から、本発明の三相データ分析方法は、ある程度の個体数がいる場面で、特に有効に働き、また解析モデルが適切であれば、従来法よりも誤差の影響を受けにくい手法であると言える。

0128

次に、実データに対して、本実施例の三相データ分析方法の解析モデルを適用した結果について説明する。
分析に用いるデータは、実施例1と同様のテレビ番組評価データである。このデータに対し、本実施例の三相データ分析方法の解析モデルを用いて分析を行った。図6は、成分数によるデータの説明率の変化を示している。本実施例で用いる成分数については、図6に示すデータの説明率の変化を考慮し、説明率の変化量が小さくなる直前の3と定めた。なお、データの説明率は、下記数式で求められる。

0129

0130

提示している解は、負荷量についてのVarimax回転を行った後の解である。得られた負荷量ATとテレビ番組の得点FD1/2Tを、それぞれ表7および表8に示す。また、負荷量および得点の符号は解釈のために適宜反転させている。

0131

0132

0133

まず、各成分の解釈について考える。表7および表8から、成分1に高い負荷を持つ尺度としては、「思いやりのある」、「感情的な」、「感動的な」が挙げられる。また、成分1の得点が高い番組としては、「TV Program 7」や「TV Program 14」であり、得点が低い番組としては、「TV Program 13」や「TV Program 2」や「TV Program 6」など娯楽性が高いものが挙げられる。これらのことから、成分1は「ハートフル」を表す成分だと解釈できる。

0134

次に、成分2に高い負荷を持つ尺度としては、「風刺的な」や「おかしい」や「性的な」があげられ、得点が高い番組としては、「TV Program 1」や「TV Program 11」のようなコメディーが挙げられる。これらのことから、成分2は「ユーモア」を表す成分であると解釈できる。
最後に、成分3に高い負荷を持つ尺度としては、「有益な」や「知的刺激をあたえる」や「知的な」が挙げられる。また、成分1の得点が高いテレビ番組としては、「TV Program 4」や「TV Program 9」などのニュース番組が並んでおり、低いテレビ番組としては「TV Program 7」や「TV Program 14」などのファミリードラマや「TV Program 6」のようなゲーム番組が並んでいる。これらのことから、成分1は「情報」を表す成分であると言える。
下記表9は、各個人に与えられる成分得点を示している。これは、各個人の評価バイアスを示す。

0135

0136

これらの得点は、ある個人がテレビ番組に関して一般的に感じている傾向を示していると言える。例えば、No.24の個人はテレビ番組一般に対して「ハートフルだ」と評価しやすいと言える。一方、No.21の個人は「情報が少ない」と評価しやすいと言える。
また、個人iの刺激jに対する印象は、個人iの得点と刺激jの得点の和で表されることから、各個人の傾向の負の値をその個人にとっての原点であるとみなすことにより、同一の二次元グラフに個体差と各刺激の成分得点をマッピングできることになり、全ての個人と全ての刺激との関係を概観することができる。

0137

図7は、刺激と個人の同一の二次元グラフ上にプロットを示した図である。図7では、黒塗りつぶしのダイヤ記号によって各テレビ番組が示され、*がある個人にとっての原点が示されている。なお、図の簡便のために、図7では、No.2の個人を表す点のみを表示している。個人の点は、各個人にとっての原点の位置を表していることから、図7から各個人が各刺激に対してどのような印象を抱いているかを視覚的に推測することができる。例えば、全体的にはハートフルさに関してどちらとも言えない「TV Program 5」であるが、No.2の個人の場合、「ややハートフルだ」という印象を持つであろう、ということが推測可能である。

0138

最後に、各成分に対する回転前の重みDについて説明する。本実施例では、重みDの回転前の各対角成分について、diag(D)=(0.92,0.74,0.93)という大きな値が推定された。このことから、本データについては、一貫した個人差の影響はそれほど大きくはないとみることができる。しかしながら、データの説明率の大幅な上昇などの可能性や、刺激の特性と個人の評価傾向の関係を全体的に傍観することができ、また印象の個人差を説明可能であるという点において、本発明の三相データ分析方法は意義のあるものだと言える。

0139

本実施例では、上述の実施例2の解析モデルを用い、成長曲線データ(文献“Janssen, Marcotorchino and Proth, 1987”)について、個人差に関する知見が得られる例を示す。
解析対象としたデータは、Webサイト“http://www.leidenuniv.nl/fsw/three-mode/”からダウンロード可能である。このデータは、フランスの30人の子の成長を、4〜15までの間、体重、身長、頭殿長頭囲胸囲、左上腕の太さ、左ふくらはぎの太さ、骨盤最大幅という8つの指標で測定したものである。このデータに対し、年齢を刺激の相に定めて、分析を行った。下記表10は、分析の結果得られた負荷行列、およびDの値を表したものである。

0140

0141

表10より、まずどちらの軸がより個人差を表現しているかが見てとれる。表中のdは推定された対角行列Dの各対角要素であり、各軸のデータの変動における個人差の影響の割合を示している。この値によれば、第1軸が非常に小さく、第2軸が非常に大きいことから、第2軸が主に個人差を表しているものだとわかる。このことから、第1軸は成長、第2軸は個人差を表しているものだと考えることができる。また、個人差に関して、主に頭囲が一貫した個人差を表していることがわかる。
つまり、頭囲に関しては、年齢と個人との交互作用が無く、年齢や個人内の変動とは無関係に個人によって略固定している個人差の指標であることがわかる。このように、状況や刺激の違いによって変動することのない個人の特性を抽出するにあたっても、本発明の三相データ分析方法は有用である。

0142

上述の実施例では、図3に示すように、各個体の評価傾向の個体差は、2つの成分を二軸する二次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の二次元グラフにマッピングしたマップで表示し、個人間の差と刺激間の差を同一の平面上に表している。
この他、図4に示すように、各刺激の成分数が3になるまで統合され、各個体の評価傾向の個体差は、3つの成分を三軸する三次元グラフの原点からのバイアスとして表現され、個体差と各刺激の成分得点を同一の三次元グラフにマッピングしたマップで表示することも可能である。

0143

本発明の三相データ分析方法および分析プログラムは、個人の評価傾向を知ることにより、各個人に狙った印象を与える刺激が判明することを利用し、適切な推奨案を提示できるといった応用が可能である。例えばテレビ番組ならば、ハートフルな番組が良いがハートフルすぎても気持ち悪いと感じる人には、その人の評価傾向を知ることで適切なハートフルさを感じる番組を推薦することが可能である。さらに、より大規模なデータの収集を行うことにより、特定の属性層の評価傾向を知ることで、製品マーケティングなどへも応用可能である。

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