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技術 コンクリートの強度推定方法

出願人 太平洋セメント株式会社
発明者 吉光涼扇嘉史早川隆之高田修平谷村充
出願日 2016年4月28日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2016-090489
公開日 2017年11月2日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2017-198580
状態 特許登録済
技術分野 機械的応力負荷による材料の強さの調査 特有な方法による材料の調査、分析
主要キーワード アレニウスの式 ダムコンクリート フレッシュコンクリート中 推測値 セメント水比 終結時間 上水道水 封緘養生
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図面 (7)

課題

コンクリートの強度を、簡易にかつ高い精度で推定できる方法を提供する。

解決手段

(A)強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の特定の3つ以上の材齢圧縮強度を測定する工程と、(B)強度を推定する対象である上記コンクリートと同じ配合の上記コンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の特定の3つ以上の材齢の圧縮強度を測定する工程と、(C)工程(A)及び工程(B)の、特定の3つ以上の材齢と、測定したコンクリートの圧縮強度を用いて、係数が定まった強度推定式を得る工程と、(D)特定の式を用いて、等価材齢を算出するための係数を求め、該係数を用いて等価材齢を得る工程と、(E)工程(C)で得た係数が定まった強度推定式と、工程(D)で得た等価材齢を用いて、コンクリートの圧縮強度を推定する工程と、を含むコンクリートの強度推定方法

概要

背景

コンクリート品質(強度)を判定する方法として、一般に、現場でコンクリートの供試体を作製し、該供試体の材齢28日における圧縮強度を測定することで、所定の品質(強度)が得られているか否かを判定する方法が採用されている。また、一部のコンクリート(例えば、ダムコンクリートマスコンクリート)では、コンクリートの供試体の材齢91日における圧縮強度を測定することで、コンクリートの品質(強度)を判定している。
しかしながら、これらの方法では、コンクリートを打設した後、28日(一部のコンクリートでは91日)経過しないと、品質を判定することができない。また、判定の対象であるコンクリートの養生温度が変わった場合は、再度供試体を作製して、同じ養生温度で養生して該供試体の圧縮強度を測定する必要があるため手間がかかる。このため、従来、コンクリートの強度を推定する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、練り混ぜ直後のフレッシュコンクリートから試料採取したのち、該試料を直ちに乾燥し、フレッシュコンクリート中の推定単位水量を算出し、ついで、配合上の単位セメント量又は計算値から推定セメント水比を算出し、ついで、予め算定した、種々の配合のコンクリートのセメント水比とコンクリート強度との相関関係を示す回帰式により強度を推定することを特徴とするコンクリート強度の早期推定方法が記載されている。

概要

コンクリートの強度を、簡易にかつ高い精度で推定できる方法を提供する。(A)強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の特定の3つ以上の材齢の圧縮強度を測定する工程と、(B)強度を推定する対象である上記コンクリートと同じ配合の上記コンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の特定の3つ以上の材齢の圧縮強度を測定する工程と、(C)工程(A)及び工程(B)の、特定の3つ以上の材齢と、測定したコンクリートの圧縮強度を用いて、係数が定まった強度推定式を得る工程と、(D)特定の式を用いて、等価材齢を算出するための係数を求め、該係数を用いて等価材齢を得る工程と、(E)工程(C)で得た係数が定まった強度推定式と、工程(D)で得た等価材齢を用いて、コンクリートの圧縮強度を推定する工程と、を含むコンクリートの強度推定方法

目的

本発明の目的は、コンクリートの強度を、簡易にかつ高い精度で推定できる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(A)強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、下記条件1を満たす3つ以上の材齢において、圧縮強度を測定する工程と、条件1:材齢が10日未満であり、少なくとも1つの材齢が0.5〜1日であり、かつ、各材齢の間隔が1日以上である3つ以上の材齢(B)強度を推定する対象である上記コンクリートと同じ配合の上記コンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、下記条件2を満たす3つ以上の材齢において、圧縮強度を測定する工程と、条件2:材齢が10日以上であり、各材齢の間隔が7日以上であり、かつ、最も小さい材齢と工程(A)の3つ以上の材齢のうち最も大きな材齢の間隔が、7日以上である3つ以上の材齢(C)工程(A)の3つ以上の材齢と、該材齢において測定した上記コンクリートの圧縮強度、および、工程(B)の3つ以上の材齢と、該材齢において測定した上記コンクリートの圧縮強度を用いて、下記式(1)の係数a1〜f1または下記式(2)の係数a2〜f2を求めて、強度推定式である、係数が定まった下記式(1)または下記式(2)を得る工程と、F=c1×exp{−b1×(1/t)a1}+f1×exp{−e1×(1/t)d1}・・・(1)F=c2/{1+exp(−a2×logt+b2)}+f2/{1+exp(−d2×logt+e2)}・・・(2)(式(1)及び(2)中、Fはコンクリートの推定圧縮強度(だたし、係数を求める場合、工程(A)または工程(B)で得たコンクリートの圧縮強度の測定値)であり、a1〜f1及びa2〜f2は係数であり、tは等価材齢(ただし、係数を求める場合は材齢)である。)(D)下記式(3)を用いて、等価材齢tを算出するための係数gを求め、強度を推定する対象であるコンクリートの材齢と、係数gを乗じて、等価材齢tを得る工程と、g=exp[−(E/8.314)×{(1/T)−(1/Ts)}]・・・(3)(式(3)中、gは等価材齢tを算出するための係数であり、Tは強度を推定する対象であるコンクリートの養生温度(℃)であり、Tsは基準温度(℃)である。Tが20℃未満である場合、E=33.3+1.47×(20−T)であり、Tが20℃以上である場合、E=33.5である。)(E)工程(C)で得た強度推定式である、係数が定まった上記式(1)または上記式(2)と、工程(D)で得た等価材齢tを用いて、強度を推定する対象であるコンクリートの圧縮強度を推定する工程と、を含むことを特徴とするコンクリートの強度推定方法

請求項2

上記基準温度Ts℃が、5〜40℃である、請求項1に記載のコンクリートの強度推定方法。

請求項3

工程(A)における、3つ以上の材齢が、0.5〜1日の材齢、2〜4日の材齢及び6〜8日の材齢であり、かつ、各材齢の間隔が2日以上である、請求項1または2に記載のコンクリートの強度推定方法。

請求項4

工程(B)における、3つ以上の材齢が、20〜30日の材齢、50〜60日の材齢、及び85〜95日の材齢である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリートの強度推定方法。

技術分野

0001

本発明は、コンクリート強度推定方法に関する。

背景技術

0002

コンクリートの品質(強度)を判定する方法として、一般に、現場でコンクリートの供試体を作製し、該供試体の材齢28日における圧縮強度を測定することで、所定の品質(強度)が得られているか否かを判定する方法が採用されている。また、一部のコンクリート(例えば、ダムコンクリートマスコンクリート)では、コンクリートの供試体の材齢91日における圧縮強度を測定することで、コンクリートの品質(強度)を判定している。
しかしながら、これらの方法では、コンクリートを打設した後、28日(一部のコンクリートでは91日)経過しないと、品質を判定することができない。また、判定の対象であるコンクリートの養生温度が変わった場合は、再度供試体を作製して、同じ養生温度で養生して該供試体の圧縮強度を測定する必要があるため手間がかかる。このため、従来、コンクリートの強度を推定する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、練り混ぜ直後のフレッシュコンクリートから試料採取したのち、該試料を直ちに乾燥し、フレッシュコンクリート中の推定単位水量を算出し、ついで、配合上の単位セメント量又は計算値から推定セメント水比を算出し、ついで、予め算定した、種々の配合のコンクリートのセメント水比とコンクリート強度との相関関係を示す回帰式により強度を推定することを特徴とするコンクリート強度の早期推定方法が記載されている。

先行技術

0003

特開平8−304384号公報

発明が解決しようとする課題

0004

コンクリートの強度(例えば、圧縮強度)を、簡易にかつ高い精度で推定できる方法があれば好都合である。
そこで、本発明の目的は、コンクリートの強度を、簡易にかつ高い精度で推定できる方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、特定の3つ以上の材齢において圧縮強度を測定する工程と、(B)強度を推定する対象である上記コンクリートと同じ配合の上記コンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、特定の3つ以上の材齢において圧縮強度を測定する工程と、(C)工程(A)の特定の3つ以上の材齢と、測定したコンクリートの圧縮強度、および、工程(B)の特定の3つ以上の材齢と、測定したコンクリートの圧縮強度を用いて、係数が定まった強度推定式を得る工程と、(D)特定の式を用いて、等価材齢を算出するための係数を求め、該係数を用いて強度を推定する対象であるコンクリートの等価材齢を得る工程と、(E)工程(C)で得た係数が定まった強度推定式と、工程(D)で得た等価材齢を用いて、コンクリートの圧縮強度を推定する工程と、を含むコンクリートの強度推定方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。

0006

[1] (A)強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、下記条件1を満たす3つ以上の材齢において、圧縮強度を測定する工程と、
条件1:材齢が10日未満であり、少なくとも1つの材齢が0.5〜1日であり、かつ、各材齢の間隔が1日以上である3つ以上の材齢
(B)強度を推定する対象である上記コンクリートと同じ配合の上記コンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、下記条件2を満たす3つ以上の材齢において、圧縮強度を測定する工程と、
条件2:材齢が10日以上であり、各材齢の間隔が7日以上であり、かつ、最も小さい材齢と工程(A)の3つ以上の材齢のうち最も大きな材齢の間隔が、7日以上である3つ以上の材齢
(C)工程(A)の3つ以上の材齢と、該材齢において測定した上記コンクリートの圧縮強度、および、工程(B)の3つ以上の材齢と、該材齢において測定した上記コンクリートの圧縮強度を用いて、下記式(1)の係数a1〜f1または下記式(2)の係数a2〜f2を求めて、強度推定式である、係数が定まった下記式(1)または下記式(2)を得る工程と、
F=c1×exp{−b1×(1/t)a1}+f1×exp{−e1×(1/t)d1}・・・(1)
F=c2/{1+exp(−a2×logt+b2)}+f2/{1+exp(−d2×logt+e2)}・・・(2)
(式(1)及び(2)中、Fはコンクリートの推定圧縮強度(だたし、係数を求める場合、工程(A)または工程(B)で得たコンクリートの圧縮強度の測定値)であり、a1〜f1及びa2〜f2は係数であり、tは等価材齢(ただし、係数を求める場合は材齢)である。)
(D)下記式(3)を用いて、等価材齢tを算出するための係数gを求め、強度を推定する対象であるコンクリートの材齢と、係数gを乗じて、等価材齢tを得る工程と、
g=exp[−(E/8.314)×{(1/T)−(1/Ts)}]・・・(3)
(式(3)中、gは等価材齢tを算出するための係数であり、Tは強度を推定する対象であるコンクリートの養生温度(℃)であり、Tsは基準温度(℃)である。Tが20℃未満である場合、E=33.3+1.47×(20−T)であり、Tが20℃以上である場合、E=33.5である。)
(E)工程(C)で得た強度推定式である、係数が定まった上記式(1)または上記式(2)と、工程(D)で得た等価材齢tを用いて、強度を推定する対象であるコンクリートの圧縮強度を推定する工程と、を含むことを特徴とするコンクリートの強度推定方法。
[2] 上記基準温度Ts℃が、5〜40℃である、前記[1]に記載のコンクリートの強度推定方法。
[3] 工程(A)における、3つ以上の材齢が、0.5〜1日の材齢、2〜4日の材齢及び6〜8日の材齢であり、かつ、各材齢の間隔が2日以上である、前記[1]または[2]に記載のコンクリートの強度推定方法。
[4] 工程(B)における、3つ以上の材齢が、20〜30日の材齢、50〜60日の材齢、及び85〜95日の材齢である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のコンクリートの強度推定方法。

発明の効果

0007

本発明のコンクリートの強度推定方法によれば、コンクリートの強度を、強度推定式を用いるという簡易な方法で、かつ、高い精度で推定することができる。

図面の簡単な説明

0008

実施例1において、圧縮強度の実測値と、推定値の関係を示す図である。
実施例2において、圧縮強度の実測値と、係数が定まった式(2)を用いて推定した圧縮強度の推定値の関係を示す図である。
実施例2において、圧縮強度の実測値と、係数が定まった式(1)を用いて推定した圧縮強度の推定値の関係を示す図である。
実施例4において、圧縮強度の実測値と、圧縮強度の推定値の関係を示す図である。
比較例2において、圧縮強度の実測値と、圧縮強度の推定値の関係を示す図である。
比較例3において、圧縮強度の実測値と、圧縮強度の推定値の関係を示す図である。

0009

以下、本発明のコンクリートの強度推定方法について、工程ごとに詳しく説明する。
[工程(A)]
本工程は、強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、下記条件1を満たす3つ以上の材齢において、圧縮強度を測定する工程である。
条件1:材齢が10日未満であり、少なくとも1つの材齢が0.5〜1日であり、かつ、各材齢の間隔が1日以上である3つ以上の材齢
本発明のコンクリートの強度推定方法の、強度を推定する対象であるコンクリートは、特に限定されるものではないが、より高い精度で強度を推定できる観点から、好ましくは「JIS R 5201(セメント物理試験方法)」に規定する終結時間が60分以内である速硬性セメント以外のセメントを使用したコンクリートである。

0010

強度を推定する対象であるコンクリートの、水とセメントの質量比(水/セメント)は、より高い精度で強度を推定できる観点から、好ましくは0.30〜0.60、より好ましくは0.33〜0.58である。
基準温度Ts℃は、特に限定されるものではなく、コンクリートの製造における一般的な養生温度であればよいが、より高い精度で強度を推定できる観点から、好ましくは5〜40℃、より好ましくは15〜25℃、特に好ましくは19〜21℃である。

0011

本工程では、上記条件1を満たす材齢であって、任意に選択した3つ以上の材齢の各々において、強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートの圧縮強度を測定する。
任意に選択した3つ以上の材齢は、各々、10日未満であり、少なくとも1つの材齢が0.5〜1日であり、かつ、各材齢の間隔が1日以上、好ましくは2日以上である材齢である。任意に選択した3つ以上の材齢の具体例としては、材齢1日、2日、3日や、材齢1日、3日、7日や、材齢1日、4日、6日、8日等が挙げられる。
中でも、簡易にかつ基準温度Tsと養生温度(強度を推定する対象であるコンクリートの実際の養生温度)が異なる場合であっても、より高い精度で強度を推定できる観点から、任意に選択した3つ以上の材齢は、0.5〜1日、2〜4日、及び6〜8日の範囲内から選択した材齢であり、かつ、各材齢の間隔が2日以上のもの(例えば、材齢1日、3日、7日)であることが好ましい。
条件1を満たす材齢と該材齢におけるコンクリートの圧縮強度を用いることで、工程(C)において、高い精度で強度を推定できる強度推定式を得ることができる。

0012

[工程(B)]
本工程は、強度を推定する対象である上記コンクリートと同じ配合の上記コンクリートについて、基準温度Ts℃で養生した場合の、下記条件2を満たす3つ以上の材齢において、圧縮強度を測定する工程である。
条件2:材齢が10日以上であり、各材齢の間隔が7日以上であり、かつ、最も小さい材齢と工程(A)の3つ以上の材齢のうち最も大きな材齢の間隔が、7日以上である3つ以上の材齢

0013

本工程では、上記条件2を満たす材齢であって、任意に選択した3つ以上の材齢の各々において、強度を推定する対象であるコンクリートと同じ配合のコンクリートの圧縮強度を測定する。
本工程において、圧縮強度を測定する対象であるコンクリートとしては、通常、工程(A)における圧縮強度を測定する対象であるコンクリートが、材齢のみを変えてそのまま用いられる。ただし、配合が同じである限りにおいて、工程(A)と工程(B)の各々で、コンクリートを調整してもよい。
具体例としては、工程(A)において任意に選択した3つ以上の材齢が、1日、3日、7日である場合における、材齢14日、28日、56日や、材齢28日、42日、56日、91日等が挙げられる。
中でも、簡易にかつ基準温度Tsと養生温度(強度を推定する対象であるコンクリートの実際の養生温度)が異なる場合であっても、より高い精度で強度を推定できる観点から、任意に選択した3つ以上の材齢は、20〜30日、50〜60日、及び85〜95日の範囲内から選択した材齢(例えば、材齢28日、56日、91日)であることが好ましい。
条件2を満たす材齢と該材齢におけるコンクリートの圧縮強度を用いることで、工程(C)において、高い精度で強度を推定できる強度推定式を得ることができる。

0014

[工程(C)]
本工程は、工程(A)の3つ以上の材齢と、該材齢において測定したコンクリートの圧縮強度、および、工程(B)の3つ以上の材齢と、該材齢において測定したコンクリートの圧縮強度を用いて、下記式(1)の係数a1〜f1または下記式(2)の係数a2〜f2を求めて、強度推定式である、係数が定まった下記式(1)または下記式(2)を得る工程である。
F=c1×exp{−b1×(1/t)a1}+f1×exp{−e1×(1/t)d1}・・・(1)
F=c2/{1+exp(−a2×logt+b2)}+f2/{1+exp(−d2×logt+e2)}・・・(2)
(式(1)及び(2)中、Fはコンクリートの推定圧縮強度(だたし、係数を求める場合、工程(A)または工程(B)で得たコンクリートの圧縮強度の測定値)であり、a1〜f1及びa2〜f2は係数であり、tは等価材齢(ただし、係数を求める場合は材齢)である。)
なお、上記式(1)は、ゴンペルツ曲線の式を修正したものであり、上記式(2)は、ロジステック曲線の式を修正したものである。

0015

本工程において、工程(A)において任意に選択した3つ以上の材齢と、該材齢におけるコンクリートの圧縮強度、および、工程(B)において任意に選択した3つ以上の材齢と、該材齢において測定したコンクリートの圧縮強度を、各々、上記式(1)または上記式(2)で回帰して、上記式(1)の係数であるa1〜f1または上記式(2)の係数であるa2〜f2を求めることができる。
係数が定まった上記式(1)または上記式(2)は、強度推定式として、工程(E)において用いられる。
なお、工程(A)において任意に選択した2つ以下の材齢と、該材齢におけるコンクリートの圧縮強度、および、工程(B)において任意に選択した4つ以上の材齢と、該材齢において測定したコンクリートの圧縮強度を用いて、上記式(1)の係数a1〜f1または上記式(2)の係数a2〜f2を求めて、強度推定式を得た後、該強度推定式を工程(E)において用いた場合、コンクリートの強度の推定精度は低くなる。工程(A)において任意に選択した4つ以上の材齢と、工程(B)において任意に選択した2つ以下の材齢の組み合わせにおいても、同様である。

0016

[工程(D)]
本工程は、下記式(3)を用いて、等価材齢tを算出するための係数gを求め、強度を推定する対象であるコンクリートの材齢と、係数gを乗じて、等価材齢tを得る工程である。
g=exp[−(E/8.314)×{(1/T)−(1/Ts)}]・・・(3)
(式(3)中、gは等価材齢tを算出するための係数であり、Tは強度を推定する対象であるコンクリートの養生温度(℃)であり、Tsは基準温度(℃)である。Tが20℃未満である場合、E=33.3+1.47×(20−T)であり、Tが20℃以上である場合、E=33.5である。)
なお、上記式(3)はアレニウスの式であり、上記式(3)中、8.314は気体定数である。
強度を推定する対象であるコンクリートの養生温度(実際の養生温度)は、特に限定されるものではなく、コンクリートの製造における一般的な養生温度であればよいが、より高い精度で強度を推定できる観点から、好ましくは5〜40℃、より好ましくは8〜35℃である。

0017

[工程(E)]
本工程は、工程(C)で得た強度推定式である、係数が定まった上記式(1)または上記式(2)と、工程(D)で得た等価材齢tを用いて、強度を推定する対象であるコンクリートの圧縮強度を推定する工程である。
本発明において、強度推定式として、係数が定まった上記式(1)または上記式(2)のいずれを用いても、高い精度で強度を推定できる。

0018

本発明のコンクリートの強度推定方法は、コンクリートの圧縮強度が、好ましくは2N/mm2以上、より好ましくは10N/mm2以上、特に好ましくは15N/mm2以上であるコンクリートに好適である。該圧縮強度が2N/mm2以上であれば、より高い精度で強度を推定することができる。

0019

以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用材料
(1)普通ポルトランドセメント:太平洋セメント社製
(2)低熱ポルトランドセメント:太平洋セメント社製
(3)高炉セメントB種:太平洋セメント社製
(4)細骨材:掛川産
(5)粗骨材川産砕石2005
(6)AE減水剤リグニンスルホン酸系、BASFジャパン社製商品名「マスターポゾリスNo.70」
(7)AE剤アルキルエーテル陰イオン界面活性剤、BASFジャパン社製、商品名「マスターエア303A」
(8)水:上水道水

0020

[実施例1]
普通ポルトランドセメント、細骨材、粗骨材、水、AE減水剤及びAE剤を、容量が55リットルであるパン強制練りミキサを用いて混練して、コンクリートを得た。
コンクリートは、水とセメントの質量比(以下、「水/セメント」と略すことがある。)が0.55、単位水量が163kg/m3、細骨材率が46%、AE減水剤の添加量が、セメント100質量部に対して0.25質量部となるようにし、かつ、得られたコンクリートのスランプが12.5±2.0cm、空気量が4.5±0.5%となるように、単位水量及びAE剤の量で調整したものである。
得られたコンクリートを用いて、φ10×20cmの円柱供試体を作製した。該供試体について、材齢3日までは養生温度20℃(基準温度)の条件で封緘養生を行い、脱型した後、養生温度20℃の条件で水中養生を行った。
なお、材齢3日以下の供試体を用いて圧縮強度を測定する場合、所定の材齢の直前まで封緘養生を行った後、脱型して、圧縮強度を測定した。

0021

上記コンクリートの材齢1日、3日、7日、28日、56日、及び91日における圧縮強度を「JIS A 1108:2006 (コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準拠して測定した。
その結果、材齢1日、3日、7日、28日、56日、及び91日における圧縮強度は、各々、5.2N/mm2、17.1N/mm2、25.6N/mm2、38.4N/mm2、43.0N/mm2、45.4N/mm2であった。

0022

上記材齢(1日、3日、7日、28日、56日、及び91日)と、各材齢において測定した圧縮強度を、上記式(1)で回帰して、上記(1)の係数a1〜f1を求め、下記強度推定式を得た。
F=18.7×exp{−1.30×(1/t)1.52}+33.4×exp{−5.75×(1/t)0.72}
得られた強度推定式を用いて、養生温度10℃で養生した場合の、材齢3日、28日および91日における上記コンクリートの圧縮強度を推定した。
具体的には、上記式(3)から、10℃で養生した場合の、等価材齢を算出するための係数dを求めたところ、0.50であった。
次いで、強度を推定する対象である上記コンクリートの材齢(3日、28日、91日)と、係数d(0.50)を乗じて等価材齢(1.5日、14日、40.5日)を得た。
得られた強度推定式および等価材齢を用いて、10℃で養生した場合の、材齢3日、28日および91日におけるコンクリートの圧縮強度を推定した。
なお、同様にして、20℃で養生した場合の係数d(1.0)、及び、30℃で養生した場合の係数d(1.57)を求めた。これらの係数は、後述する実施例2〜4、比較例1〜3においても、等価材齢を算出する際に使用する。

0023

同様にして、20℃で養生した場合の材齢0.75日、1日、2日、7日、28日におけるコンクリートの圧縮強度を推定した。

0024

さらに、10℃、20℃及び30℃で養生した場合の、上記コンクリートの圧縮強度の実測値と、得られた強度推定式および等価材齢を用いた上記コンクリートの圧縮強度の推定値の関係を図1に示す。
図1中、実測値および推測値は、10℃で養生した場合の材齢0.75日、1日、1.25日、2日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度であり、20℃で養生した場合の材齢0.38日、0.5日、0.75日、1日、2日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度であり、30℃で養生した場合の材齢0.38日、0.5日、0.75日、1日、1.25日、2日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度である。

0025

[実施例2]
普通ポルトランドセメントの代わりに低熱ポルトランドセメントを用いてコンクリートを得る以外は、実施例1と同様にして供試体を作製し、コンクリートの材齢1日、3日、7日、28日、56日、及び91日におけるコンクリートの圧縮強度を測定した。なお、低熱ポルトランドセメントを用いたコンクリートの単位水量は160kg/m3であった。
その結果、材齢1日、3日、7日、28日、56日、及び91日における圧縮強度は、各々、2.19N/mm2、4.27N/mm2、6.22N/mm2、31.9N/mm2、49.8N/mm2、52.8N/mm2であった。

0026

上記材齢と、各材齢において測定した圧縮強度を、上記式(2)で回帰して、上記(2)の係数a2〜f2を求め、下記強度推定式を得た。
F=44.1/{1+exp(−11.3×logt+7.93)}+10.2/{1+exp(−1.27×logt+1.83)}
得られた強度推定式を用いて、30℃で養生した場合の、材齢2日、28日および91日における上記コンクリートの圧縮強度を推定した。
具体的には、上記式(3)から、30℃で養生した場合の、等価材齢を算出するための係数dを求めたところ、1.57であった。
次いで、強度を推定する対象である上記コンクリートの材齢(2日、28日、91日)と、係数d(1.57)を乗じて等価材齢(3.14日、44日、143日)を得た。
得られた強度推定式および等価材齢を用いて、30℃で養生した場合の、材齢2日、28日および91日におけるコンクリートの圧縮強度を推定した。

0027

また、10℃、20℃及び30℃で養生した場合の、上記コンクリートの圧縮強度の実測値と、得られた強度推定式および等価材齢を用いた上記コンクリートの圧縮強度の推定値の関係を図2に示す。

0028

また、上記式(2)の代わりに上記式(1)の係数a1〜f1を求める以外は同様にして、下記強度推定式を得た。
F=38.2×exp{−170028×(1/t)3.79}+17642×exp{−8.79×(1/t)0.05}
10℃、20℃及び30℃で養生した場合の、上記コンクリートの圧縮強度の実測値と、得られた強度推定式および等価材齢を用いた上記コンクリートの圧縮強度の推定値の関係を図3に示す。
図2、3中、実測値および推測値は、10℃で養生した場合の材齢0.75日、1日、1.25日、1.5日、2日、2.5日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度であり、20℃で養生した場合の材齢0.75日、1日、1.5日、2日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度であり、30℃で養生した場合の材齢0.38日、0.5日、0.75日、1日、1.25日、1.5日、2日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度である。

0029

[実施例3]
コンクリートの材齢1日、3日、7日、28日、56日、及び91日における圧縮強度の代わりに、材齢1日、2日、3日、28日、56日、及び91日における圧縮強度を用いる以外は実施例1と同様にして、上記(1)の係数a1〜f1を求め、下記強度推定式を得た。
F=52.4×exp{−2.31×(1/t)0.55}+2.41×exp{−747×(1/t)9.46}
得られた強度推定式および等価材齢を用いて、20℃で養生した場合の、材齢0.75日、1日、2日、7日、および28日における上記コンクリートの圧縮強度を推定した。

0030

[比較例1]
コンクリートの材齢1日、3日、7日、28日、56日、及び91日における圧縮強度の代わりに、材齢2日、3日、7日、28日、56日、及び91日における圧縮強度を用いる以外は実施例1と同様にして、上記(1)の係数a1〜f1を求め、下記強度推定式を得た。
F=45.1×exp{−3.21×(1/t)0.63}+8.14×exp{−747×(1/t)11.2}
得られた強度推定式および等価材齢を用いて、20℃で養生した場合の材齢0.75日、1日、2日、7日、および28日における上記コンクリートの圧縮強度を推定した。
結果を表1に示す。

0031

0032

[実施例4]
普通ポルトランドセメントの代わりに高炉セメントB種を用いてコンクリートを得る以外は、実施例1と同様にして、上記式(1)の係数a1〜f1を求めて、下記の強度推定式を得た。なお、高炉セメントB種を用いたコンクリートの単位水量は162kg/m3であった。
F=31.1×exp{−2.09×(1/t)0.83}+21.2×exp{−492×(1/t)1.88}
10℃、20℃及び30℃で養生した場合の、上記コンクリートの圧縮強度の実測値と、得られた強度推定式および等価材齢を用いた上記コンクリートの圧縮強度の推定値の関係を図4に示す。
図4中、実測値および推測値は、10℃で養生した場合の材齢1.25日、1.5日、2日、2.5日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度であり、20℃で養生した場合の材齢0.75日、1日、1.5日、2日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度であり、30℃で養生した場合の材齢0.38日、0.5日、0.75日、1日、1.25日、2日、3日、7日、28日、56日、91日における上記コンクリートの圧縮強度である。

0033

[比較例2]
実施例2と同様にして、供試体を作製し、コンクリートの材齢3日、7日、28日、56日及び91日におけるコンクリートの圧縮強度を測定した。
得られた圧縮強度の測定値を用いて、以下の式(4)の係数a3〜c3を求め、強度推定式を得た。
F=c3/{1+exp(−a3×logt+b3)} ・・・(4)
(式(4)中、Fはコンクリートの推定圧縮強度(だたし、係数を求める場合、コンクリートの圧縮強度の測定値)であり、a3〜c3は係数であり、tは等価材齢(ただし、係数を求める場合は材齢)である。)
なお、式(4)はロジステック曲線である。
10℃、20℃及び30℃で養生した場合の、上記コンクリートの圧縮強度の実測値と、得られた強度推定式(F=60.7/{1+exp(−5.28×logt+3.76)})および等価材齢を用いた上記コンクリートの圧縮強度の推定値の関係を図5に示す。
図5中、実測値および推測値は、図2と同様の養生温度および材齢における上記コンクリートの圧縮強度である。

0034

[比較例3]
実施例2と同様にして、供試体を作製し、コンクリートの材齢1日、1.5日、2日、3日、7日、及び28日における圧縮強度を測定した。
得られた圧縮強度の測定値を用いて、上記式(2)の係数a2〜f2を求め、強度推定式を得た。
F=45.4/{1+exp(−2.77×logt+1.12)}+22.0/{1+exp(−21.7×logt+17.1)}
10℃、20℃及び30℃で養生した場合の、上記コンクリートの圧縮強度の実測値と、得られた強度推定式および等価材齢を用いた上記コンクリートの圧縮強度の推定値の関係を図6に示す。
図6中、実測値および推測値は、図2と同様の養生温度および材齢における上記コンクリートの圧縮強度である。

実施例

0035

表1、図1〜4から、本発明の強度推定方法(実施例1〜4)によれば、普通ポルトランドセメント等の各種セメントを用いたコンクリートにおいて高い精度でコンクリートの圧縮強度を推定できることがわかる。
また、図2〜3(実施例2)から、本発明の強度推定方法において、係数が定まった式(1)または式(2)のいずれを用いても同程度に高い精度でコンクリートの圧縮強度を推定できることがわかる。
一方、条件1を満たす3つ以上の材齢における圧縮強度を使用せずに強度推定式を得た場合(比較例1)、早期材齢(材齢1日以下)におけるコンクリートの圧縮強度の推定精度が低いことがわかる。
また、図1〜6から、ロジステック曲線の強度推定式を用いた場合(図5:比較例2)、本発明の強度推定方法(図1〜4:実施例1〜2、4)と比較して、コンクリートの圧縮強度の推定精度が低いことがわかる。
また、材齢10日未満の材齢5つと、該材齢における圧縮強度、および、材齢10日以上の材齢1つと、該材齢における圧縮強度を用いて、係数が定まった上記式(2)を強度推定式として用いた場合(図6:比較例3)、本発明の強度推定方法(図1〜4:実施例1〜2、4)と比較して、コンクリートの圧縮強度の推定精度が低いことがわかる。

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