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技術 締結構造

出願人 いすゞ自動車株式会社
発明者 岩下奨石原信吾
出願日 2016年4月28日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-090521
公開日 2017年11月2日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-198299
状態 特許登録済
技術分野 板の接続 ボルト・ナット・座金
主要キーワード 規制ネジ 規制ボルト ヘリコイル 縮径面 工具係合穴 拡径面 イモネジ ネジ部品
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月2日)のものです。
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図面 (6)

課題

ネジ部品を用いた締結構造において、ネジ部品の取り付けと取り外しを繰り返す場合に、被締結部品における雌ネジ部のネジ山の損傷を抑制することを可能にする。

解決手段

締結構造100に関し、ネジ部品30と、締結対象部品10に設けられた挿通穴12と、被締結部品20に設けられた貫通穴21と、貫通穴21に形成された前端雌ネジ部22と、前端雌ネジ部22に螺合される雄ネジ部42を外周部に有し、ネジ部品30の雄ネジ部31が螺合される雌ネジ部42を内周部に有する埋込ナット40と、を備え、埋込ナット40の雄ネジ部41は、ネジ部品30の雄ネジ部31とは螺旋方向が逆であり、ネジ部品30の埋込ナット40への締め付け時に被締結部品20に対する埋込ナット40の前進移動規制するストッパ部S1が設けられる。

概要

背景

一般に、ネジ部品を用いた締結構造では、締結する対象となる部品(以下、締結対象部品と称する)の挿通穴にネジ部品が挿通され、締結対象部品が締結される部品(以下、被締結部品と称する)の雌ネジ部にネジ部品の雄ネジ部が締め付けられる。

ここで、雌ネジ部のネジ山摩耗した場合には、ヘリコイルを用いることでネジ山を修復することが一般的に行われている。

概要

ネジ部品を用いた締結構造において、ネジ部品の取り付けと取り外しを繰り返す場合に、被締結部品における雌ネジ部のネジ山の損傷を抑制することを可能にする。締結構造100に関し、ネジ部品30と、締結対象部品10に設けられた挿通穴12と、被締結部品20に設けられた貫通穴21と、貫通穴21に形成された前端雌ネジ部22と、前端雌ネジ部22に螺合される雄ネジ部42を外周部に有し、ネジ部品30の雄ネジ部31が螺合される雌ネジ部42を内周部に有する埋込ナット40と、を備え、埋込ナット40の雄ネジ部41は、ネジ部品30の雄ネジ部31とは螺旋方向が逆であり、ネジ部品30の埋込ナット40への締め付け時に被締結部品20に対する埋込ナット40の前進移動規制するストッパ部S1が設けられる。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ネジ部品の取り付けと取り外しを繰り返す場合に、被締結部品における雌ネジ部のネジ山の損傷を抑制することができる締結構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

締結対象部品被締結部品の前面部に締結するための締結構造であって、雄ネジ部を有するネジ部品と、前記締結対象部品に設けられ、前記ネジ部品が前方から後方に向かって挿通される挿通穴と、前記被締結部品の前面部から後面部までを貫通して前記被締結部品に設けられた貫通穴と、前記貫通穴の前端部の内周面に形成された前端雌ネジ部と、前記前端雌ネジ部に後方から螺合して着脱可能に取り付けられる円筒状埋込ナットであって、前記前端雌ネジ部に螺合される雄ネジ部を外周部に有し、前記ネジ部品の雄ネジ部が螺合される雌ネジ部を内周部に有する埋込ナットと、を備え、前記埋込ナットの雄ネジ部は、前記ネジ部品の雄ネジ部とは螺旋方向が逆であり、前記埋込ナットの後端部と、前記貫通穴の前端部とのいずれか一方には、前記ネジ部品の前記埋込ナットへの締め付け時に前記被締結部品に対する前記埋込ナットの前進移動規制するストッパ部が設けられることを特徴とする締結構造。

請求項2

前記貫通穴の内周面であって、前記前端雌ネジ部より後方の部分には、前記ネジ部品の雄ネジ部と螺旋方向が同一の後部雌ネジ部が形成され、前記締結構造は、前記後部雌ネジ部に後方から螺合して着脱可能に取り付けられ前記埋込ナットの後端面に押し付けられる規制ネジ部品をさらに備え、前記規制ネジ部品は、前記ネジ部品の前記埋込ナットからの緩め時に前記被締結部品に対する前記埋込ナットの後退移動を規制すると共に、前記後部雌ネジ部に螺合される雄ネジ部を外周部に有し、前記後部雌ネジ部は、前記前端雌ネジ部の谷径より大きな谷径を有することを特徴とする請求項1に記載の締結構造。

請求項3

前記規制ネジ部品は、止めネジにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の締結構造。

請求項4

前記埋込ナットの後端部に前記ストッパ部が設けられ、前記ストッパ部は、前記埋込ナットの雄ネジ部の外径より大きな外径を有し、前記貫通穴には、前記前端雌ネジ部の後端に連なって拡径方向に延びる拡径面が形成され、前記ストッパ部が前記拡径面に係合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の締結構造。

請求項5

前記貫通穴の前端部に前記ストッパ部が設けられ、前記ストッパ部は、前記前端雌ネジ部と前記被締結部品の前面部との間の軸方向領域において前記貫通穴の内周部に設けられた縮径部により形成され、前記縮径部は、前記ネジ部品の雄ネジ部の外径より大きな内径を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の締結構造。

技術分野

0001

本発明は、ネジ部品を用いた締結構造に関する。

背景技術

0002

一般に、ネジ部品を用いた締結構造では、締結する対象となる部品(以下、締結対象部品と称する)の挿通穴にネジ部品が挿通され、締結対象部品が締結される部品(以下、被締結部品と称する)の雌ネジ部にネジ部品の雄ネジ部が締め付けられる。

0003

ここで、雌ネジ部のネジ山摩耗した場合には、ヘリコイルを用いることでネジ山を修復することが一般的に行われている。

先行技術

0004

特開2001−182170号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、ヘリコイルを用いた場合でも、例えば、ネジ部品の取り付けと取り外しを繰り返す場合や、大きなトルクでネジ部品を取り付ける場合には、ヘリコイル自体が変形してしまい、元の雌ネジ部のネジ山が損傷してしまう。この場合には、もはやヘリコイルの使用も不可能になってしまう。また、ヘリコイルは、そもそも繰り返しネジ部品を着脱するのに不向きである。

0006

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ネジ部品の取り付けと取り外しを繰り返す場合に、被締結部品における雌ネジ部のネジ山の損傷を抑制することができる締結構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る締結構造は、締結対象部品を被締結部品の前面部に締結するための締結構造であって、雄ネジ部を有するネジ部品と、前記締結対象部品に設けられ、前記ネジ部品が前方から後方に向かって挿通される挿通穴と、前記被締結部品の前面部から後面部までを貫通して前記被締結部品に設けられた貫通穴と、前記貫通穴の前端部の内周面に形成された前端雌ネジ部と、前記前端雌ネジ部に後方から螺合して着脱可能に取り付けられる円筒状埋込ナットであって、前記前端雌ネジ部に螺合される雄ネジ部を外周部に有し、前記ネジ部品の雄ネジ部が螺合される雌ネジ部を内周部に有する埋込ナットと、を備え、前記埋込ナットの雄ネジ部は、前記ネジ部品の雄ネジ部とは螺旋方向が逆であり、前記埋込ナットの後端部と、前記貫通穴の前端部とのいずれか一方には、前記ネジ部品の前記埋込ナットへの締め付け時に前記被締結部品に対する前記埋込ナットの前進移動規制するストッパ部が設けられることを特徴とする。

0008

また、前記貫通穴の内周面であって、前記前端雌ネジ部より後方の部分には、前記ネジ部品の雄ネジ部と螺旋方向が同一の後部雌ネジ部が形成され、前記締結構造は、前記後部雌ネジ部に後方から螺合して着脱可能に取り付けられ前記埋込ナットの後端面に押し付けられる規制ネジ部品をさらに備え、前記規制ネジ部品は、前記ネジ部品の前記埋込ナットからの緩め時に前記被締結部品に対する前記埋込ナットの後退移動を規制すると共に、前記後部雌ネジ部に螺合される雄ネジ部を外周部に有し、前記後部雌ネジ部は、前記前端雌ネジ部の谷径より大きな谷径を有する。

0009

また、前記規制ネジ部品は、止めネジにより形成される。

0010

また、前記埋込ナットの後端部に前記ストッパ部が設けられ、前記ストッパ部は、前記埋込ナットの雄ネジ部の外径より大きな外径を有し、前記貫通穴には、前記前端雌ネジ部の後端に連なって拡径方向に延びる拡径面が形成され、前記ストッパ部が前記拡径面に係合される。

0011

また、前記貫通穴の前端部に前記ストッパ部が設けられ、前記ストッパ部は、前記前端雌ネジ部と前記被締結部品の前面部との間の軸方向領域において前記貫通穴の内周部に設けられた縮径部により形成され、前記縮径部は、前記ネジ部品の雄ネジ部の外径より大きな内径を有する。

発明の効果

0012

本発明に係る締結構造によれば、ネジ部品の取り付けと取り外しを繰り返す場合に、被締結部品における雌ネジ部のネジ山の損傷を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明に係る締結構造を適用した一例の全体構成図である。
図1のII−II断面図であり、本発明に係る締結構造を示す右側面断面図である。
(a)は、埋込ナットの後面図であり、(b)は、埋込ナットの右側面断面図である。
本発明に係る締結構造の第1の変形実施例を示す右側面断面図である。
本発明に係る締結構造の第2の変形実施例を示す右側面断面図である。

実施例

0014

以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態に係る締結構造を説明する。なお、図中に示す前後左右方向は、説明の便宜上定められたものに過ぎないものとする。

0015

(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る締結構造100を適用した一例の全体構成を示している。ここでは、電動機Mを用いて車両の変速機(不図示)の性能試験を行う目的で、締結対象部品としての変速機ケース10が、試験装置の被締結部品としての面盤20の前面部20aに締結されている。符号30は、ネジ部品としてのボルトである。

0016

変速機ケース10は、前後方向に延びる筒状に形成され、内部に変速機等を収容する。また、変速機ケース10は、後端部にフランジ部11を有する。

0017

面盤20は、鉛直方向に起立する板状に形成され、中央部に開口部(不図示)を有する。面盤20の前面部20aはフランジ部11に接続され、本実施形態の締結構造100により互いに締結される。

0018

面盤20は、電動機Mの前面部Maにボルト止めされて固定される。また、電動機Mの出力軸は、面盤20の開口部を通じて、変速機等の入力軸同軸に接続される。本実施形態では、これら出力軸及び入力軸の軸方向において、変速機側を前、電動機M側を後としている。

0019

次に、図2及び図3に基づいて、締結構造100の構成を詳しく説明する。図2は、図1のII−II断面図であり、本実施形態に係る締結構造100の右側面断面を示している。また、図3(a)は、埋込ナット40の後面図であり、図3(b)は、埋込ナット40の右側面断面図である。

0020

締結構造100は、ボルト30と、変速機ケース10に設けられた挿通穴12と、面盤20に設けられた貫通穴21と、貫通穴21に形成された前端雌ネジ部22と、前端雌ネジ部22に取り付けられる埋込ナット40と、を備える。また、締結構造100は、貫通穴21に形成された後部雌ネジ部23と、後部雌ネジ部23に取り付けられる規制ネジ部品としての止めネジ50と、を備える。

0021

具体的には、本実施形態のボルト30は、雄ネジ部31を有する六角頭付ボルトである。雄ネジ部31は、正ネジ右ネジ)により形成される。

0022

挿通穴12は、変速機ケース10のフランジ部11に貫通して設けられ、ボルト30を前方から後方に向かって挿通させるように構成される。

0023

貫通穴21は、面盤20の前面部20aから後面部20bまでを軸方向ないし前後方向に向かって貫通している。貫通穴21の前端部の内周面には、前端雌ネジ部22が形成される。また、貫通穴21の内周面であって、前端雌ネジ部22より後方の部分には、後部雌ネジ部23が形成される。後部雌ネジ部23は、ボルト30の雄ネジ部31と螺旋方向が同一の正ネジ(右ネジ)により形成される。

0024

後部雌ネジ部23は、前端雌ネジ部22の谷径より大きな谷径を有する。また、本実施形態の後部雌ネジ部23は、前端雌ネジ部22の谷径より大きな内径を有する。

0025

また、貫通穴21には、前端雌ネジ部22の後端から後部雌ネジ部23の前端に連なって拡径方向に延びる拡径面24が形成される。拡径面24は、例えば、後部雌ネジ部23の下穴加工の際に生じるキリ穴の先端面により形成される。

0026

図2図3(a)及び(b)に示すように、埋込ナット40は、交換可能な円筒状埋込ナットであり、前端雌ネジ部22の後方から螺合して着脱可能に取り付けられる。より詳しくは、埋込ナット40は、前端雌ネジ部22に螺合される雄ネジ部41を外周部に有し、ボルト30の雄ネジ部31が螺合される雌ネジ部42を内周部に有する。埋込ナット40の雄ネジ部41は、ボルト30の雄ネジ部31とは螺旋方向が逆の逆ネジ(左ネジ)により形成される。

0027

また、埋込ナット40の雄ネジ部41は、後部雌ネジ部23の内径よりも小さい外径を有する。埋込ナット40の前端面には、面取部43が形成される。また、埋込ナット40の後面部には、工具、具体的には六角レンチ係合可能な工具係合穴としての六角穴44が設けられる。

0028

本実施形態において、埋込ナット40の後端部にはストッパ部S1が設けられる。ストッパ部S1は、ボルト30の埋込ナット40への締め付け時に面盤20に対する埋込ナット40の前進移動を規制するように構成される。より詳しくは、ストッパ部S1は、雄ネジ部41の外径及び前端雌ネジ部22の谷径より大きな外径を有し、貫通穴21の拡径面24に係合される。

0029

止めネジ50は、貫通穴21の後部雌ネジ部23に後方から螺合して取り付けられ、埋込ナット40の後端面に押し付けられる。より詳しくは、止めネジ50は、ボルト30の埋込ナット40からの緩め時に面盤20に対する埋込ナット40の後退移動を規制すると共に、後部雌ネジ部23に螺合される雄ネジ部51を外周部に有する。止めネジ50の前端面には、面取部52が形成される。また、本実施形態において、止めネジ50には、頭部(拡径部)のない止めネジ(所謂イモネジ)が用いられ、止めネジ50の後面部には、工具、具体的には六角レンチが係合可能な工具係合穴としての六角穴53が設けられる。

0030

次に、図2に基づいて、本実施形態に係る締結構造100の作用効果を説明する。

0031

先ず、上記の構成において、締結対象部品としての変速機ケース10を被締結部品としての面盤20の前面部20aに締結する際の締結方法を説明する。

0032

作業者は、変速機ケース10を面盤20に締結する際、変速機ケース10の挿通穴12と、面盤20の埋込ナット40の位置を同軸に合わせ、ネジ部品としてのボルト30を挿通穴12に挿通させる。そして、ボルト30を右回りに回転させることで、ボルト30の雄ネジ部31を埋込ナット40の雌ネジ部42に螺合させ、ボルト30を埋込ナット40に締め付ける。これにより、変速機ケース10が面盤20の前面部20aに締結される。

0033

一方、変速機ケース10を面盤20から取り外すべく、変速機ケース10と面盤20との締結状態解除するには、作業者は、ボルト30を左回りに回転させることで、埋込ナット40からボルト30を緩めて取り外す。

0034

複数の変速機に対して性能試験が行われることから、変速機の交換の度にボルト30の取り付け及び取り外し作業が発生する。すると、埋込ナット40の雌ネジ部42が次第に摩耗もしくは損傷する。しかし、埋込ナット40は着脱可能であるので、以下の方法により容易に交換することができる。埋込ナット40を交換することで、再度新品の雌ネジ部42に復帰することができ、その後のボルト30の取り付け及び取り外し作業を円滑に行うことができる。

0035

埋込ナット40の交換作業に関して、作業者は、面盤20の後方から作業を行う。先ず、作業者は、貫通穴21の軸方向の後方から前方に向かって六角レンチを挿入して止めネジ50の六角穴53に係合させる。この状態で六角レンチを左回りに回転させることで、貫通穴21の後部雌ネジ部23から止めネジ50を緩めて取り外す。次に、貫通穴21の軸方向の後方から前方に向かって六角レンチを埋込ナット40の六角穴44に係合させる。この状態で六角レンチを右回りに回転させることで、貫通穴21の前端雌ネジ部22から埋込ナット40を緩めて取り外す。止めネジ50の六角穴53と埋込ナット40の六角穴44とが同一サイズなので、六角レンチを持ち替える必要がなく、作業が容易である。埋込ナット40の雄ネジ部41は、後部雌ネジ部23の内径よりも小さい外径を有する。そのため、取り外した埋込ナット40を、後部雌ネジ部23内を通して容易に取り出すことができる。

0036

次に、交換用の新しい埋込ナット40を取り付けるには、上記の取り外し動作と逆の動作を行う。すなわち作業者は、六角レンチを埋込ナット40の六角穴44に係合させ、この状態のまま埋込ナット40を貫通穴21に後方から挿入し、前端雌ネジ部22に左回りで螺合させ、締め付ける。このとき埋込ナット40のストッパ部S1が拡径面24に係合し、押し付けられるまで、埋込ナット40を締め付ける。次いで、六角レンチを止めネジ50の六角穴53に係合させ、この状態のまま止めネジ50を後部雌ネジ部23に右回りで螺合させ、締め付ける。このとき、止めネジ50の前端面が埋込ナット40の後端面に押し付けられるまで、止めネジ50を締め付ける。これにより交換作業が終了する。

0037

後段の埋込ナット40及び止めネジ50の取付方法は、最初の取付時においても同様である。これらの取付状態において、埋込ナット40の前端面は面盤20の前面部20aに対し突出することなく近接される。また、止めネジ50は貫通穴21及び後部雌ネジ部23の中に完全に挿入され、止めネジ50の後方の後部雌ネジ部23内には隙間ができる。

0038

このように、本実施形態の埋込ナット40は着脱可能かつ交換可能なので、ボルト30の取り付け及び取り外しを繰り返したり、大きなトルクでボルト30を締め付けたりして、埋込ナット40の雌ネジ部42が摩耗、損傷した場合でも、埋込ナット40を交換することで、その後のボルト30の取り付け及び取り外しを支障なく行うことができる。そして、被締結部品である面盤20の前端雌ネジ部22にはボルト30が直接的に締結されないため、前端雌ネジ部22のネジ山の摩耗、損傷を大幅に抑制し、例えばヘリコイルを用いた、前端雌ネジ部22の修復も不要とすることができる。そして、面盤20自体の損傷を確実に回避することができる。

0039

ところで、本実施形態は、次のような特徴も有する。

0040

仮に、本実施形態の締結構造100において、埋込ナット40の雄ネジ部41が正ネジであり、止めネジ50がない場合を考える。この場合、ボルト30を締め付ける際に埋込ナット40が共回りし、埋込ナット40が面盤20に対して後退移動する可能性がある。その結果、面盤20と埋込ナット40の螺合長(螺合部分の長さ)、及び埋込ナット40とボルト30の螺合長の一方または両方が、予定されていた所定の螺合長より短くなり、螺合部分のネジ山が早期に摩耗、損傷したり、ボルト30の締め付け時に十分なトルクをかけられなくなったりする可能性がある。また、ボルト30に押されて、埋込ナット40が前端雌ネジ部22から後方に抜け落ちてしまう虞もある。

0041

これに対して、本実施形態の締結構造100では、埋込ナット40の雄ネジ部41を逆ネジで形成しているため、ボルト30を締め付ける際に共回りしても後退移動することはなく、むしろ締め付け方向である前進側に移動しようとする。よって、ボルト30との共回りにより埋込ナット40が緩んでしまうことを確実に抑制できる。

0042

また、ボルト30の締付時に埋込ナット40がボルト30と共回りしたとき、仮にストッパ部S1が無いとすると、埋込ナット40は面盤20に対して前進移動してしまう。この前進移動を許容すると、埋込ナット40が前端雌ネジ部22内の正規の位置に保持されず、例えば、ボルト30と共に埋込ナット40が前端雌ネジ部22から前方に抜け落ちてしまう虞もある。本実施形態では、埋込ナット40にストッパ部S1を設けたことで、この前進移動を確実に規制することができる。

0043

よって、本実施形態の締結構造100であれば、貫通穴21の前端雌ネジ部22内の正規の位置に埋込ナット40を固定した状態で、十分にボルト30の締め付けることが可能となる。

0044

一方、本実施形態では、ボルト30を緩める際に、埋込ナット40に緩め方向のトルクが加わり、埋込ナット40が面盤20に対して後退移動しようとする。そのため、仮に止めネジ50がないとすると、その後退移動が許容されてしまい、埋込ナット40が前端雌ネジ部22から後方に抜け落ちてしまう虞もある。

0045

しかしながら、本実施形態の締結構造100では、後部雌ネジ部23に止めネジ50を取り付けているため、ボルト30を緩めることによる埋込ナット40の後退移動を確実に規制することができる。

0046

特に、止めネジ50の雄ネジ部51が正ネジにより形成されるため、止めネジ50が埋込ナット40から、埋込ナット40の緩め方向のトルクを受けても、それは止めネジ50にとっては締め付け方向となる。よって、ボルト30の緩め時に止めネジ50が緩むことをも確実に抑制できる。

0047

(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る締結構造200について、図4に基づいて説明する。本実施形態は、第1実施形態とストッパ部の構造が異なるのみで他の部分は同じなので、同一の構成要素については同一の符号を用い、それらの詳細な説明は省略する。

0048

図4に示すように、締結構造200においては、第1実施形態のような埋込ナット40の後端部ではなく、貫通穴21の前端部にストッパ部S2が設けられる。

0049

ストッパ部S2は、貫通穴21の前端雌ネジ部22と面盤20の前面部20aとの間の軸方向領域において貫通穴21の内周部に設けられた縮径部25により形成される。

0050

縮径部25は、ボルト30の雄ネジ部31の外径より大きな内径を有する。また、縮径部25は、前端雌ネジ部22の前端から連なって縮径方向に延びる縮径面26を有する。縮径面26は、例えば、前端雌ネジ部22の下穴加工の際に生じるキリ穴の先端面により形成される。

0051

第2実施形態のストッパ部S2によれば、縮径面26に埋込ナット40’の前端面が係合されることで、ボルト30の埋込ナット40’への締め付け時に、面盤20に対する埋込ナット40’の前進移動を規制することができる。即ち、貫通穴21の前端部にストッパ部S2を設けた場合でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。

0052

また、締結構造200によれば、第1実施形態の埋込ナット40のように、後端部を拡径してストッパ部S1を形成する必要がなくなる。これにより、雄ネジ部41と雌ネジ部42を備えた単なる円筒状の埋込ナット40’を用いることが可能になるので、部品の簡素化を図ることができる。

0053

なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。例えば、締結対象部品は変速機ケース10に限定されず、被締結部品は面盤20には限定されない。また、ネジ部品も六角頭付ボルト30に限定されず、その種類は任意であり、例えば、六角穴付きボルトでもよいものとする。

0054

さらに、上述の実施形態では、埋込ナット40や止めネジ50の後面部に六角穴44,53が設けられているが、これらの穴は、例えば、ドライバ等の工具が係合可能な+穴や−穴であってもよいものとする。埋込ナット40や止めネジ50の種類も任意である。

0055

その他にも、上述の各実施形態は、例えば、以下のように変形することができる。

0056

(変形実施例1)
上記の各実施形態では、規制ネジ部品として、止めネジ50を用いているが、図5に示す締結構造300のように、六角頭付ボルト等の規制ボルト50’を用いてもよい。具体的には、規制ボルト50’は、貫通穴21の後部雌ネジ部23に後方から螺合して取り付けられ、埋込ナット40の後端面に押し付けられる。また、規制ボルト50’は、貫通穴21の後部雌ネジ部23の後方に突出され工具が係合される頭部54を有する。なお、図5は第1実施形態への適用例を示すが、第2実施形態への適用例も可能である。

0057

規制ボルト50’であれば、六角レンチよりも力の入れ易いスパナ等の工具を使用することができ、また、後部雌ネジ部23の後方に常時突出する頭部54に工具を係合させて作業を行える。よって、止めネジ50よりも取り付け及び取り外し作業を容易に行うことができる。

0058

また、規制ボルト50’により、埋込ナット40の後方に形成された貫通穴21内の隙間を塞ぐことができるので、後方から貫通穴21内へ埃等のゴミが入るのを防ぐことができる。その結果、ゴミの堆積により規制ネジ部品の着脱が阻害されることを抑制することができる。

0059

(変形実施例2)
図示しないが、可能であれば、止めネジ50または規制ボルト50’といった規制ネジ部品を省略した締結構造であってもよい。

0060

例えば、第1実施形態において、上述の通り、規制ネジ部品を設けない場合には、ボルト30を埋込ナット40から緩める時に、面盤20に対して埋込ナット40が後退移動してしまう可能性がある。しかし、埋込ナット40の後端部には六角穴44が設けられている。そのため、作業者は、貫通穴21の後方から六角レンチを六角穴44に係合させて、ボルト30の緩め時に埋込ナット40に締め付け方向のトルクを加えることで、埋込ナット40の後退移動を規制することができる。

0061

この場合には、規制ネジ部品や貫通穴21の後部雌ネジ部23を省略することができるので、部品点数及び生産コストを抑制することが可能になる。

0062

10締結対象部品(変速機ケース)
12挿通穴
20被締結部品(面盤)
20a 前面部
21貫通穴
22前端雌ネジ部
30ネジ部品(ボルト)
31雄ネジ部
40 埋込ナット
41 雄ネジ部
42 雌ネジ部
S1ストッパ部
100 締結構造

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