図面 (/)

技術 補酵素Q10含有組成物、その製造方法、及び該組成物を用いた補酵素Q10配合製剤

出願人 三生医薬株式会社
発明者 清俊介平澤亙森淳深澤孝之
出願日 2016年4月27日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-089287
公開日 2017年11月2日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-197469
状態 特許登録済
技術分野 非環式または炭素環式化合物含有医薬 食品の着色及び栄養改善 医薬品製剤 化合物または医薬の治療活性 化粧料
主要キーワード 紛粒体 導水経路 低融点粉末 厳格な管理 難水溶性成分 チアミンセチル硫酸塩 粒度分布図 本発明組成
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年11月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

乳化ないし可溶化を行なう工程による煩雑な操作や極めて厳格な調製、管理等を要することなく、容易かつ簡便に粉粒体状補酵素Q10含有組成物を得、更に補酵素Q10の生体吸収性を効果的に向上させる。

解決手段

(A)補酵素Q10、(B)ヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子物質、(C)水溶性賦形剤、及び(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩を含有してなることを特徴とする補酵素Q10含有組成物を提供する。

概要

背景

補酵素Q10は生体内では細胞中ミトコンドリアに存在しており、生命活動に必要なエネルギーを作り出している補酵素であり、ミトコンドリアの電子伝達関与している。また、補酵素Q10は生体内で抗酸化物質として作用することから、医薬品、食品化粧品として注目されているが、その一方で、水への溶解度が低い難水溶性成分であり、経口摂取では吸収性に劣る成分として知られている。

補酵素Q10は低融点粉末であることから一般に取り扱い性に劣り、そのため従来は、主に軟カプセル剤とされる場合がほとんどであり、錠剤やその他の剤形加工食品などにするのは困難であった。この問題に対しては、従来より種々の提案がなされており、例えば乳化工程を有する下記特許文献1〜8を例示することができる。

特許第5256041号公報(特許文献1)や特許第5140585号公報(特許文献2)には、水溶性高分子と補酵素Q10とを含むO/W/O乳化物を乾燥させることにより、高球形度粉末粒子が得られ、高い含量安定性水分散性を示すと共に、打錠障害を避けられることが記載されている。

また、国際公開第2007/125915号(特許文献3)には、アルギン酸塩水溶液に乳化させた補酵素Q10の微細液滴カルシウム塩水溶液の微細液滴と衝突させることで、微細な非晶質の補酵素Q10を含包するアルギン酸カルシウムゲルを形成させ、これを乾燥して補酵素Q10粉末として回収することが開示されている。そして、この補酵素Q10粉末が経口投与後腸管内で速やかな崩壊を示し、優れた体内吸収性を示す旨が記載されている。

特許第5343002号公報(特許文献4)には、グリセリン脂肪酸エステル類ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類レシチン類サポニン類界面活性剤と、アラビアガムエリスリトールを用いて補酵素Q10の乳化組成物を得ることが記載されているが、界面活性剤を必須成分としているため、近年消費者の中に高まりを見せている自然志向に沿ったものとは言い難い。

特許第5292105号公報(特許文献5)や特許第5159117号公報(特許文献6)には、HLB6以上の界面活性剤と水溶性高分子を含むアルコール水溶液中で補酵素Q10を晶析させることにより、高い流動性取扱い性を持つ補酵素Q10顆粒が得られる旨が開示されている。

特開2013−32301号公報(特許文献7)には、HLB12以上の界面活性剤と、水易溶性賦形剤を含む水溶液に、油脂に溶融させた補酵素Q10を乳化分散させたのち乾燥粉末化する補酵素Q10粉末の製造方法が開示されている。

特許第5690809号公報(特許文献8)には、タンパク質またはアミノ酸の水溶液に有機溶媒に溶解した補酵素Q10を滴下分散することで、高圧乳化機ホモミキサーのような高い剪断力を必要としない製造工程によって補酵素Q10の乳化液が得られることを開示している。

上記特許文献に記載された技術のほとんどは、その実施例を見れば明らかなように、アラビアガム等の水溶性高分子又は界面活性剤の水溶液に加熱溶融させた補酵素Q10を乳化させる工程を要する。これには、一般に高圧乳化機やホモミキサー等による乳化操作が必要となるが、周知のようにホモミキサー等の混合機は水溶性高分子を切断するほどに剪断力が高いため、ホモミキサー等による乳化工程では、水溶性高分子が切断されてそのコロイド保護作用が損なわれる前に、補酵素Q10を十分に微細な乳化液滴に調製しなければならない。これは製造工程の頑健性を欠いており、十分な産業利用性を有するとは言い難い。また、上記特許文献8では、乳化に高い剪断力を用いない方法が提案されているが、残留溶媒において非常に厳格な管理が必要となり、品質管理コストの上昇を避けることが困難である。

また、特開2005−328839号公報(特許文献9)には、補酵素Q10を含む難水溶性機能性成分アルコールに溶解したのち界面活性剤またはシクロデキストリンの水溶液中に投入することにより、透明な可溶化液を得ることが開示されている。しかしながら、この方法では得られる補酵素Q10含有製剤の形態が液体に限定されている。

更に、補酵素Q10を製剤化する技術として、有機酸の配合に配慮した技術も提案されている。例えば、特許第3549197号公報(特許文献10)には、水溶性高分子の水溶液中に乳化させ噴霧乾燥して得られた補酵素Q10の乾燥粉末が、有機酸の存在下で含量安定性を確保し得ることが記載されており、また特許第3754625号公報(特許文献11)には、ゼラチンビタミンB1誘導体の存在下で補酵素Q10の含量安定性が低下することを有機酸の配合によって防止し得ることが記載されている。

概要

乳化ないし可溶化を行なう工程による煩雑な操作や極めて厳格な調製、管理等を要することなく、容易かつ簡便に粉粒体状の補酵素Q10含有組成物を得、更に補酵素Q10の生体吸収性を効果的に向上させる。(A)補酵素Q10、(B)ヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子物質、(C)水溶性賦形剤、及び(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩を含有してなることを特徴とする補酵素Q10含有組成物を提供する。なし

目的

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、乳化ないし可溶化を行なう工程による煩雑な操作や極めて厳格な調製、管理等を要することなく、容易かつ簡便に安定性に優れる粉粒体状の補酵素Q10含有組成物を得ることができ、しかも補酵素Q10の生体吸収性を効果的に向上させることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(A)補酵素Q10、(B)ヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子物質、(C)水溶性賦形剤、及び(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩を含有してなることを特徴とする補酵素Q10含有組成物

請求項2

100質量部の(A)補酵素Q10に対し、(B)水溶性高分子物質を100〜500質量部、(C)水溶性賦形剤を100〜500質量部、(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩を1〜100質量部含有する請求項1記載の補酵素Q10含有組成物。

請求項3

上記(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩が、チアミンラウリル硫酸塩又はチアミンセチル硫酸塩である請求項1又は2記載の補酵素Q10含有組成物。

請求項4

請求項5

(A)補酵素Q10の少なくとも一部が非晶質の状態で含有されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の補酵素Q10含有組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の補酵素Q10含有組成物を粉末状組成物として製造する方法であり、上記(A)の補酵素Q10、(B)の水溶性高分子物質、(C)の水溶性賦形剤、(D)のビタミンB1のアルキル硫酸塩、及びエタノールを含む水性分散液噴霧乾燥することにより、粉末状に製することを特徴とする補酵素Q10含有組成物の製造方法。

請求項7

上記(A)の補酵素Q10を(D)のビタミンB1のアルキル硫酸塩と共にエタノールに分散、溶解させて補酵素Q10分散エタノール溶液を調製すると共に、上記(C)の水溶性賦形剤を水に溶解させて賦形剤水溶液を調製し、そのときこれらエタノール溶液又は水溶液のいずれか一方に上記(B)の水溶性高分子物質を配合溶解し、次いで上記補酵素Q10エタノール溶液と上記賦形剤水溶液とを混合し、これを噴霧乾燥させて造粒することにより、粉粒体状組成物を得る請求項6記載の酵素Q10含有組成物の製造方法。

請求項8

請求項1〜5のいずれか1項に記載の補酵素Q10含有組成物が配合され、医薬品、健康食品又は化粧品として調剤又は製剤されていることを特徴とする補酵素Q10配合製剤

請求項9

軟カプセル剤硬カプセル剤錠剤顆粒散剤から選ばれるいずれかの形態に調剤又は製剤された請求項8記載の補酵素Q10配合製剤。

請求項10

上記補酵素Q10含有組成物が基剤又は溶剤に溶解又は分散し、ゼリー剤液剤ローション剤クリーム剤又は軟膏剤に調剤又は製剤された請求項8記載の補酵素Q10配合製剤。

技術分野

0001

本発明は、水への溶解度が高く補酵素Q10の生体吸収率を向上させると共に、製剤化の容易性も向上させることができ、医薬品、食品化粧品などとして好適に用いられる補酵素Q10粉末状組成物、その製造方法、及び該粉末組成物を用いた補酵素Q10配合製剤に関する。

背景技術

0002

補酵素Q10は生体内では細胞中ミトコンドリアに存在しており、生命活動に必要なエネルギーを作り出している補酵素であり、ミトコンドリアの電子伝達関与している。また、補酵素Q10は生体内で抗酸化物質として作用することから、医薬品、食品、化粧品として注目されているが、その一方で、水への溶解度が低い難水溶性成分であり、経口摂取では吸収性に劣る成分として知られている。

0003

補酵素Q10は低融点粉末であることから一般に取り扱い性に劣り、そのため従来は、主に軟カプセル剤とされる場合がほとんどであり、錠剤やその他の剤形加工食品などにするのは困難であった。この問題に対しては、従来より種々の提案がなされており、例えば乳化工程を有する下記特許文献1〜8を例示することができる。

0004

特許第5256041号公報(特許文献1)や特許第5140585号公報(特許文献2)には、水溶性高分子と補酵素Q10とを含むO/W/O乳化物を乾燥させることにより、高球形度粉末粒子が得られ、高い含量安定性水分散性を示すと共に、打錠障害を避けられることが記載されている。

0005

また、国際公開第2007/125915号(特許文献3)には、アルギン酸塩水溶液に乳化させた補酵素Q10の微細液滴カルシウム塩水溶液の微細液滴と衝突させることで、微細な非晶質の補酵素Q10を含包するアルギン酸カルシウムゲルを形成させ、これを乾燥して補酵素Q10粉末として回収することが開示されている。そして、この補酵素Q10粉末が経口投与後腸管内で速やかな崩壊を示し、優れた体内吸収性を示す旨が記載されている。

0006

特許第5343002号公報(特許文献4)には、グリセリン脂肪酸エステル類ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類レシチン類サポニン類界面活性剤と、アラビアガムエリスリトールを用いて補酵素Q10の乳化組成物を得ることが記載されているが、界面活性剤を必須成分としているため、近年消費者の中に高まりを見せている自然志向に沿ったものとは言い難い。

0007

特許第5292105号公報(特許文献5)や特許第5159117号公報(特許文献6)には、HLB6以上の界面活性剤と水溶性高分子を含むアルコール水溶液中で補酵素Q10を晶析させることにより、高い流動性取扱い性を持つ補酵素Q10顆粒が得られる旨が開示されている。

0008

特開2013−32301号公報(特許文献7)には、HLB12以上の界面活性剤と、水易溶性賦形剤を含む水溶液に、油脂に溶融させた補酵素Q10を乳化分散させたのち乾燥粉末化する補酵素Q10粉末の製造方法が開示されている。

0009

特許第5690809号公報(特許文献8)には、タンパク質またはアミノ酸の水溶液に有機溶媒に溶解した補酵素Q10を滴下分散することで、高圧乳化機ホモミキサーのような高い剪断力を必要としない製造工程によって補酵素Q10の乳化液が得られることを開示している。

0010

上記特許文献に記載された技術のほとんどは、その実施例を見れば明らかなように、アラビアガム等の水溶性高分子又は界面活性剤の水溶液に加熱溶融させた補酵素Q10を乳化させる工程を要する。これには、一般に高圧乳化機やホモミキサー等による乳化操作が必要となるが、周知のようにホモミキサー等の混合機は水溶性高分子を切断するほどに剪断力が高いため、ホモミキサー等による乳化工程では、水溶性高分子が切断されてそのコロイド保護作用が損なわれる前に、補酵素Q10を十分に微細な乳化液滴に調製しなければならない。これは製造工程の頑健性を欠いており、十分な産業利用性を有するとは言い難い。また、上記特許文献8では、乳化に高い剪断力を用いない方法が提案されているが、残留溶媒において非常に厳格な管理が必要となり、品質管理コストの上昇を避けることが困難である。

0011

また、特開2005−328839号公報(特許文献9)には、補酵素Q10を含む難水溶性機能性成分アルコールに溶解したのち界面活性剤またはシクロデキストリンの水溶液中に投入することにより、透明な可溶化液を得ることが開示されている。しかしながら、この方法では得られる補酵素Q10含有製剤の形態が液体に限定されている。

0012

更に、補酵素Q10を製剤化する技術として、有機酸の配合に配慮した技術も提案されている。例えば、特許第3549197号公報(特許文献10)には、水溶性高分子の水溶液中に乳化させ噴霧乾燥して得られた補酵素Q10の乾燥粉末が、有機酸の存在下で含量安定性を確保し得ることが記載されており、また特許第3754625号公報(特許文献11)には、ゼラチンビタミンB1誘導体の存在下で補酵素Q10の含量安定性が低下することを有機酸の配合によって防止し得ることが記載されている。

先行技術

0013

特許第5256041号公報
特許第5140585号公報
国際公開第2007/125915号
特許第5343002号公報
特許第5292105号公報
特許第5159117号公報
特開2013−32301号公報
特許第5690809号公報
特開2005−328839号公報
特許第3549197号公報
特許第3754625号公報

発明が解決しようとする課題

0014

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、乳化ないし可溶化を行なう工程による煩雑な操作や極めて厳格な調製、管理等を要することなく、容易かつ簡便に安定性に優れる粉粒体状の補酵素Q10含有組成物を得ることができ、しかも補酵素Q10の生体吸収性を効果的に向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行なった結果、水溶性高分子物質及び水溶性賦形剤と共に補酵素Q10を分散させた溶液から噴霧乾燥により粉粒体状の組成物を製する際に、特定の水溶性高分子物質を用いると共に、ビタミンB1のアルキル硫酸塩を配合することを見出した。即ち、乳化ないし可溶化の工程を経る上記従来の技術とは根本的に異なり、本発明では乳化ないし可溶化の現象を実質的に利用せず、水溶性高分子物質、水溶性賦形剤及び上記ビタミンB1のアルキル硫酸塩と共に補酵素Q10を分散させた溶液から良好に粉粒体状の組成物を得ることができ、得られた組成物には非晶質の補酵素Q10が確認され、それによってその水溶解性が大幅に向上して優れた生体吸収性を有することを見い出し、本発明を完成したものである。

0016

従って、本発明は、下記補酵素Q10含有組成物、該組成物の製造方法、及び該組成物を配合した各種製剤を提供する。
[1] (A)補酵素Q10、(B)ヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子物質、(C)水溶性賦形剤、及び(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩を含有してなることを特徴とする補酵素Q10含有組成物。
[2] 100質量部の(A)補酵素Q10に対し、(B)水溶性高分子物質を100〜500質量部、(C)水溶性賦形剤を100〜500質量部、(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩を1〜100質量部含有する[1]の補酵素Q10含有組成物。
[3] 上記(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩が、チアミンラウリル硫酸塩又はチアミンセチル硫酸塩である[1]又は[2]の補酵素Q10含有組成物。
[4] 上記(C)水溶性賦形剤が、デキストリングルコースマンノースガラクトースフルクトースプシコースキシロースアラビノーストレハロースマルトースイソマルトースイソマルツロースイソトレハロース、セロビオースラクトーススクロースフルクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖乳果オリゴ糖イヌリンN−アセチルグルコサミンラフィノース、エリスリトール、イソマルトラクチトールマルチトールマンニトールソルビトールキシリトール還元パラチノース還元水アメアラニンプロリングリシントレオニンリシンアルギニンアスパラギン酸グルタミン酸システインオルニチンから選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[3]のいずれかの補酵素Q10含有組成物。
[5] (A)補酵素Q10の少なくとも一部が非晶質の状態で含有されている[1]〜[4]のいずれかの補酵素Q10含有組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれかの補酵素Q10含有組成物を粉末状組成物として製造する方法であり、上記(A)の補酵素Q10、(B)の水溶性高分子物質、(C)の水溶性賦形剤、(D)のビタミンB1のアルキル硫酸塩、及びエタノールを含む水性分散液を噴霧乾燥することにより、粉末状に製することを特徴とする補酵素Q10含有組成物の製造方法。
[7] 上記(A)の補酵素Q10を(D)のビタミンB1のアルキル硫酸塩と共にエタノールに分散、溶解させて補酵素Q10分散エタノール溶液を調製すると共に、上記(C)の水溶性賦形剤を水に溶解させて賦形剤水溶液を調製し、そのときこれらエタノール溶液又は水溶液のいずれか一方に上記(B)の水溶性高分子物質を配合溶解し、次いで上記補酵素Q10エタノール溶液と上記賦形剤水溶液とを混合し、これを噴霧乾燥させて造粒することにより、粉粒体状の組成物を得る[6]の酵素Q10含有組成物の製造方法。
[8] [1]〜[5]のいずれかの補酵素Q10含有組成物が配合され、医薬品、健康食品又は化粧品として製剤されていることを特徴とする補酵素Q10配合製剤。
[9]軟カプセル剤、硬カプセル剤、錠剤、顆粒、散剤から選ばれるいずれかの形態に調剤又は製剤された[8]の補酵素Q10配合製剤。
[10] 上記補酵素Q10含有組成物が基剤又は溶剤に溶解又は分散し、ゼリー剤液剤ローション剤クリーム剤又は軟膏剤に調剤又は製剤された[8]の補酵素Q10配合製剤。

0017

ここで、上記従来法で用いられる乳化や可溶化とは、一般に水と油という異なる2相を不連続だが均一ないし微細な状態にする操作を指し、この操作における均一さないし微細さの度合いによって組成物に求められる特質達成度が変わり、均一ないし微細であればあるほど当該特質の強度が増すとされている。例えば、乳化液中における補酵素Q10を含む油滴平均粒径が均一で微細であるほど、この乳化液を粉末化した後の補酵素Q10の溶解性は高くなるとされる。よって、従来法では乳化や可溶化の操作において極めて厳格な調整や管理が必要となり、これが製造工程の頑健性を損なう要因となっていることは上述のとおりである。これに対し、本発明では、2相が不均一はもとより粗大でさえあっても、組成物の特質である過飽和溶解度、溶解速度、及びこれらによって達成される体内吸収性はいささかも減ずることがなく、安定的に補酵素Q10含有組成物を得ることができる頑健なものであり、生産性の工業的要求に十分に応えるものである。

0018

また、本発明は、良好な取り扱い性、安定性、及び経口吸収性を有する補酵素Q10の粉粒体を、上記特許文献1,2のように長い日数を要する高コストな製造工程(O/W/O乳化、脱水、粉液分離、粉末洗浄)によらず、簡便かつ低コストで、環境負荷も小さく提供することができるものである。

0019

更に、本発明では、上記特許文献10,11のように、有機酸の配合に特別な配慮を要することなく良好な含量安定性が得られ、例えば40℃以上の温度下でも滲出色斑の発生なく保管することが可能である。また更に、本発明の製造方法では、補酵素Q10を、ビタミンB1のアルキル硫酸塩の存在下で含水エタノール溶液に分散するが、上記特許文献9とは異なり、ビタミンB1のアルキル硫酸塩は水溶解度が低く乳化性が低いため、補酵素Q10を透明に溶解させるものではく、乳化させるものですらない。つまり、本発明では、ビタミンB1のアルキル硫酸塩を用いたことにより、均一な溶解溶液という単一相状態又は均一で微細な乳化状態を経ることなく、水溶解性と体内吸収性の高い非晶質の補酵素Q10を含む粉末を得るものであり、特許文献9に記載の技術とは全く別異の現象による発明である。

発明の効果

0020

本発明によれば、水への溶解度が高く生体吸収率に優れ、製剤化の容易性にも優れる補酵素Q10の粉粒体を乳化工程のような厳格かつ煩雑な工程を要することなく得ることができ、酵素Q10を医薬品、食品、化粧品へ容易かつ良好に適用することができるものである。

図面の簡単な説明

0021

実施例1で得た粉末状の補酵素Q10含有組成物の粒度分布を示すグラフである。
実施例1で得た粉末状の補酵素Q10含有組成物の偏光顕微鏡写真である。
補酵素Q10原末の偏光顕微鏡写真である。
比較例8で得た混合粉末の偏光顕微鏡写真である。
水への溶出試験の結果を示すグラフである。
補酵素Q10原末のX線回折測定の結果を示すグラフである。
実施例1で得られた粉末状の補酵素Q10含有組成物のX線回折測定の結果を示すグラフである。
薬物動態試験の結果を示すグラフである。

0022

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の補酵素Q10含有組成物は、上記のとおり、(A)補酵素Q10、(B)水溶性高分子物質、(C)水溶性賦形剤、及び(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩を含有するものである。

0023

上記(A)補酵素Q10は市販品を用いることができ、その配合量は、特に制限されるものではないが、組成物の8〜33質量%とすることが好ましく、より好ましくは13〜28質量%、更に好ましくは18〜23質量%である。補酵素Q10の配合量が8質量%未満であると、適量投与のために補酵素Q10組成物の摂取量が増大し、製剤の飲みやすさや投与しやすさを損なう虞があり、医薬品、食品、化粧品等への適用は難しくなる場合がある。一方、33質量%を超えると、必然的に上記他の成分の含有量が少なくなって粉粒体等の形態に製することが困難となり、また十分な水溶解性や生体吸収性を得ることが難しくなる場合がある。更には温度に対する安定性が損なわれる虞があり、補酵素Q10組成物の保管条件冷所に限定されたり、使用期限短期間になるなどの不都合が生じることにもなる場合もある。

0024

上記(B)水溶性高分子物質としては、医薬品、食品、化粧品等に適用可能なものであり、本発明では、含水エタノール溶液に対する溶解性や耐熱性ならびに熱依存的な粘度変化の観点から、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)の1種又は2種以上が用いられる。

0025

(B)水溶性高分子物質の配合量は、特に制限されるものではないが、100質量部の上記(A)補酵素Q10に対し、100〜500質量部とすることが好ましく、より好ましくは130〜300質量部、更に好ましくは175〜225質量部である。当該水溶性高分子物質の配合量が100質量部未満であると、噴霧乾燥して粉末化した際に補酵素Q10に由来する結着性が原因で紛粒体の収量が少なくなり生産性が低くなる場合がある。一方、500質量部を超えると噴霧乾燥して得られた粉粒体の再溶解時に凝集塊(ママコ)が形成されやすくなり、速やかな過飽和溶解が得られなくなる等の不都合を生じる可能性が高くなる。

0026

上記(C)水溶性賦形剤としては、20℃において流動性のない固体状であり、かつ20℃における水100gへの溶解度が10〜300gであるものが用いられ、例えば糖類やアミノ酸が好適に用いられる。具体的には、糖類としてはデキストリン、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、プシコース、キシロース、アラビノース、トレハロース、マルトース、イソマルトース、イソマルツロース、イソトレハロース、セロビオース、ラクトース、スクロース、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、イヌリン、N−アセチルグルコサミン、ラフィノース、エリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、還元パラチノース、還元水アメなどが例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。

0027

また、アミノ酸としては、アラニン、プロリン、グリシン、トレオニン、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、オルニチンなどが例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。勿論もこのアミノ酸の1種又は2種以上と、上記糖類の1種又は2種以上とを組み合わせて用いることもできる。

0028

ここで、(C)水溶性賦形剤における上記「20℃において流動性のない固体状であり、かつ20℃における水100gへの溶解度が10gから300gであるもの」とは、例えば粉末化して得られた補酵素Q10組成物中において、粉粒体として製するため、又は水溶性賦形剤が導水経路となり水または消化管内で速やかに溶解するために必要な性質である。水溶性賦形剤として20℃において流動性のある液体を用いた場合、補酵素Q10組成物を取り扱いの容易な粉粒体として製することが困難になる場合がある。なお、より好ましい溶解度は、20℃における水100gに対して15〜260gであり、更に好ましくは20〜220gである。この水溶性賦形剤の溶解度が10g未満であると、再溶解時に凝集塊(ママコ)が形成されやすくなり、速やかな過飽和溶解が得られなくなってしまう場合がある。一方、300gを超えると、噴霧乾燥して紛粒体を得る際に、紛粒体に残存する水分で紛粒体が溶解してしまい、取り扱いの容易な紛粒体として製することが困難となる場合がある。

0029

この(C)水溶性賦形剤の配合量は、特に制限されるものではないが、100質量部の上記(A)補酵素Q10に対し、100〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは130〜300質量部、更に好ましくは175〜225質量部である。水溶性賦形剤の配合量が100質量部未満であると、粉末化して得られた補酵素Q10組成物中に十分な導水経路がないため、再溶解時に凝集塊(ママコ)が形成されやすくなり、速やかな過飽和溶解が得られなくなる場合がある。一方、500質量部を超えると適量投与のために補酵素Q10組成物の摂取量が増大し、製剤の飲みやすさや投与しやすさを損なう等の不都合を生じる場合がある。

0030

次に、(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩としては、特に制限されるものではないが、チアミンラウリル硫酸塩、チアミンセチル硫酸塩が入手の容易性から好ましく用いられる。

0031

上記(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩の配合量は、特に制限されるものではないが、100質量部の上記(A)補酵素Q10に対し、1〜100質量部とすることが好ましく、より好ましくは2〜25質量部、更に好ましくは4〜10質量部である。本発明では、上述したように、上記(B)水溶性高分子物質及び(C)水溶性賦形剤と共に、このビタミンB1のアルキル硫酸塩を使用することにより、乳化ないし可溶化の現象を実質的に利用せず、良好に粉粒体等の形態の組成物を得ることができ、しかも良好な水溶解性と生体吸収性が得られるものである。この場合、ビタミンB1のアルキル硫酸塩の配合量が1質量部未満であると、良好な水溶解性や生体吸収性を得ることが困難となる場合がある。一方100質量部を超えると、噴霧乾燥して粉末化した際にビタミンB1の脂肪族アルコール硫酸エステルの塩の結晶物のみが分離して均一な組成物が得られない場合や、噴霧乾燥に供する含水エタノール溶液の量が増え生産性が損なわれる等の不都合を生じる場合がある。

0032

ここで、上記(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩は、界面活性剤として作用しないが、本発明組成物には油脂類及び界面活性剤を含まないことが好ましい。組成物中にビタミンB1のアルキル硫酸塩と共に、油脂類(例えば中鎖脂肪酸トリグリセリドサフラワー油アマニ油魚油豚脂食用油脂など)、陰イオン性界面活性剤(例えばドデシル硫酸ナトリウムなど)及び非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート類、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリドプロピレングリコール脂肪酸エステル水添ヒマシ油、レシチン類など)が存在した場合、粉末状に製する際に噴霧乾燥に供する含水エタノール溶液において補酵素Q10がこれら油脂類及び界面活性剤に優先的に取り込まれ、その後噴霧乾燥して粉末化した際に補酵素Q10の結晶物のみが分離して均一な組成物が得られない等の不都合が生じる可能性がある。

0033

本発明の補酵素Q10含有組成物は、上記(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩の使用により、粉末状に製する際の噴霧乾燥に供する含水エタノール溶液において乳化や可溶化の工程を経ずに、過飽和溶解する非晶質の補酵素Q10を含む粉粒体状等の形態の組成物を得ることができるものであり、本発明においては噴霧乾燥に供する含水エタノール溶液では、上記補酵素Q10が一切乳化されていない状態で含有されていることが好ましい。

0034

本発明の補酵素Q10含有組成物には、医薬品、健康食品、化粧品等の最終商品とする際の剤形等に応じて、上記成分の他に公知の添加剤を、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜配合することができる。例えば、甘味料着色料保存料滑沢剤増粘剤、安定剤、酸化防止剤漂白剤香料酸味料調味料pH調整剤、その他の各種製造用剤などを適量配合することができる。

0035

本発明の補酵素Q10含有組成物の形態は、特に制限されるものではないが、粉粒体の形態であることが好ましい。この場合、特に制限されるものではないが、上記(A)補酵素Q10の少なくとも一部が非晶質の状態で含有されていることが好ましく、これにより水溶解性をより向上させることができる。この場合、非晶質の割合は多いいほど好ましく、具体的には(A)補酵素Q10の10%以上であることが好ましく、より好ましくは20%以上である。また、上限に制限はないが現実的には99%以下とすることができる。なお、(A)補酵素Q10と共に上記(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩の一部又は全部が非晶質の状態となっていてもよく、通常本発明では、特に制限されないが(A)補酵素Q10と(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩の両方の少なくとも一部が非晶質の状態となる。

0036

本発明の補酵素Q10含有組成物の製造方法は、例えば粉粒体状の組成物とする場合には、上記(A)の補酵素Q10、(B)の水溶性高分子物質、(C)の水溶性賦形剤、(D)のビタミンB1のアルキル硫酸塩、及びエタノールを含む水性分散液を噴霧乾燥する方法が好適に採用される。この場合、上記(A)補酵素Q10を上記(D)ビタミンB1のアルキル硫酸塩と共にエタノールに分散ないし溶解させて補酵素Q10分散エタノール溶液を調製し、一方上記(C)水溶性賦形剤を水に溶解させて賦形剤水溶液を調製し、更にこれらを調製する際に、上記(B)水溶性高分子物質をその種類(溶解性)に応じてエタノール溶液又は水溶液のいずれか一方に配合して溶解し、次いでこれら補酵素Q10エタノール溶液と賦形剤水溶液とを混合してエタノールを含む水性分散液とし、これを噴霧乾燥させることにより造粒する方法が好適に採用される。

0037

本発明の補酵素Q10含有組成物は、医薬品、健康食品又は化粧品などの補酵素Q10製剤とすることができる。例えば、粉末状に製した本発明の補酵素Q10含有組成物を充填した硬カプセル剤や軟カプセル剤、該粉末状補酵素Q10含有組成物から製された散剤、顆粒剤や錠剤、該粉末状補酵素Q10含有組成物を溶解又は分散させた液剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤などの補酵素Q10製剤とすることができる。この場合、本発明組成物から製された各種製剤は、補酵素Q10が経口的又は経皮的な摂取で良好に生体へと吸収され良好なバイオアベイラビリティーを達成することができ、また基剤や液体に溶解された状態に製剤される場合には、水に良好に溶解するため補酵素Q10を高濃度に含有する製剤を容易に製造することができる。

0038

以下、実施例,比較例を示し、本発明の効果をより具体的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0039

[実施例1]
補酵素Q10原末2gとチアミンラウリル硫酸塩0.08gをエタノール110gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。このとき補酵素Q10原末とチアミンラウリル硫酸塩は均一にエタノールに溶解していた。その一方、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)4gとマルトース3.92gを水240gに溶解し、HPC・マルトース水溶液(賦形剤水溶液)を得た。前記HPCマルトース水溶液を室温下にプロペラミキサーで毎分100回転で撹拌しながら、これに前記補酵素Q10分散エタノール溶液を加えて混合液を得た。この混合液中では補酵素Q10は析出し微細な結晶物として分散されていた。この混合液を噴霧乾燥機スプレードライヤー、東京理化器械株式会社製、SD−1000)を用いて温度140℃で噴霧乾燥し、メジアン径d50=15.41μmの粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。その粒度分布図図1に示す。

0040

[実施例2]
HPCに代えてヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いたこと以外は実施例1と同様にして混合液を調製した。この混合液中では補酵素Q10は析出し微細な結晶物として分散されていた。実施例1と同様にしてこの混合液を噴霧乾燥し、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。

0041

[実施例3]
補酵素Q10原末2gとチアミンラウリル硫酸塩0.08gをエタノール60gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。その一方、HPC4gとマルトース3.92gを水130gに溶解し、HPC・マルトース水溶液(賦形剤水溶液)を得た。以降は実施例1と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。各工程の様子を表1に示す。分散液の調製に関して、均一に懸濁された液:○、凝集物沈殿する:×とした。粉体の調製に関して、非晶質化した粉末:○、結晶が多い粉末:△、べたついた粉となり回収が困難:×とした。得られた粉末を水に添加した際の溶解の様子に関しては、容易に溶解する:○、溶解するが凝集物がみられる:△、溶解していかない:×とした。

0042

[実施例4]
チアミンラウリル硫酸塩を0.1g、HPCを2.5g、マルトースを5.4gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0043

[実施例5]
チアミンラウリル硫酸塩を0.1g、HPCを8g、マルトースを9.9gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0044

[実施例6]
チアミンラウリル硫酸塩を0.2g、エタノールを100g、HPCをHPMC、マルトースを3.8g、水を190gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0045

[実施例7]
チアミンラウリル硫酸塩を0.4g、エタノールを100g、HPCをポリビニルピロリドン(PVP)、マルトースを3.6g、水を190gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0046

[実施例8]
チアミンラウリル硫酸塩を0.02g、エタノールを90g、マルトースをグリシン3.98g、水を180gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0047

[実施例9]
チアミンラウリル硫酸塩を0.06g、エタノールを90g、マルトースをエリスリトール3.94g、水を160gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0048

[実施例10]
チアミンラウリル硫酸塩を2g、エタノールを120g、HPCをHPMC8g、マルトースを8g、水を240gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0049

[実施例11]
チアミンラウリル硫酸塩を0.1g、HPCを8g、マルトースをデキストリン9.9gに変更したこと以外は実施例3と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表1に示す。

0050

[比較例1]
チアミンラウリル硫酸塩を配合せず、エタノールを60g、マルトースを4g、水を130gに変更したこと以外は実施例1と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表2に示す。

0051

[比較例2]
補酵素Q10原末2gをエタノール60gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。その一方、HPC4gとマルトース3.92gを水130gに溶解し、HPC・マルトース水溶液(賦形剤水溶液)を得た。以降は実施例1と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表2に示す。
得られた粉末9.92gにチアミンラウリル硫酸塩0.08gを混合して、混合粉末を得た。

0052

[比較例3]
エタノールを60g、HPCをアラビアガム4g、水を130gに変更したこと以外は実施例1と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表2に示す。同表のとおり、分散液の調整において混合液中に凝集物の沈殿が観察された。

0053

[比較例4]
補酵素Q10原末2gとチアミンラウリル硫酸塩0.08gをエタノール60gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。その一方、カルボキシビニルポリマー0.4gとマルトース7.52gを水130gに溶解し、水酸化ナトリウムにてpHを調整し、カルボキシビニルポリマー・マルトース水溶液(賦形剤水溶液)を得た。以降は実施例1と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表2に示す。同表のとおり、分散液の調整において混合液中に凝集物の沈殿が観察された。

0054

[比較例5]
補酵素Q10原末2gと大豆レシチン乳化剤)2gをエタノール100gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。その一方、HPC4gとマルトース2gを水190gに溶解し、HPC・マルトース水溶液(賦形剤水溶液)を得た。以降は実施例1と同様に操作したが、べたつきにより粉末状の補酵素Q10含有組成物を回収するのは困難だった。

0055

[比較例6]
補酵素Q10原末2gをエタノール60gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。その一方、HPC4gとマルトース2gとポリソルベート80(乳化剤)2gを水130gに溶解し、HPC・マルトース・ポリソルベート水溶液(賦形剤水溶液)を得た。以降は実施例1と同様に操作したが、べたつきにより粉末状の補酵素Q10含有組成物を回収するのは困難だった。

0056

[比較例7]
補酵素Q10原末2gをエタノール60gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。その一方、HPC4gとマルトース2gとショ糖ステアリン酸エステル(HLB=約16、乳化剤)2gを水130gに溶解し、HPC・マルトース・ショ糖ステアリン酸エステル水溶液(賦形剤水溶液)を得た。以降は実施例1と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表2に示す。

0057

[比較例8]
補酵素Q10原末2gとチアミンラウリル硫酸塩0.1gをエタノール60gに分散・溶解し、補酵素Q10分散エタノール溶液を得た。その一方、マルトース7.9gを水130gに溶解し、マルトース水溶液(賦形剤水溶液)を得た。以降は実施例1と同様に操作して、粉末状の補酵素Q10含有組成物を得た。実施例3と同様に各工程の様子を表2に示す。同表のとおり、分散液の調整において混合液中に凝集物の沈殿が観察された。

0058

結晶状態の確認]
補酵素Q10原末と、上記実施例1及び比較例8の粉末状補酵素Q10含有組成物を偏光顕微鏡にて観察し、結晶状態を調べた。偏光顕微鏡写真を図2(実施例1)、図3(原末)、図4(比較例8)に示す。図2に示されているように、実施例1の粉末では、結晶物を示す複屈折が見られない粒子が多数存在しており、補酵素Q10及びチアミンラウリル硫酸塩のおよそ99%程度が非晶質の状態で含有されていることが確認された。一方、図3及び図4に示されているように、補酵素Q10原末および比較例2の粉末状補酵素Q10含有組成物を含む混合粉末では、結晶物を示す複屈折が明確に現れており、そのほとんどが結晶物であることが確認された。

0059

[補酵素Q10の水溶解性試験]
上記実施例3〜11、比較例1〜4,7,8の粉末状補酵素Q10含有組成物につき、下記方法により水への溶解度を測定した。結果を表1及び表2に示す。
測定方法
補酵素Q10が水に対して100μg/mLとなるように被験対象の粉末および水を量し、水中に粉末を投入して撹拌を行った。その水を採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。初めのろ液1mLを除き、次のろ液を試料溶液として、以下の条件で液体クロマトグラフィーにより分析して、補酵素Q10の溶解度を求めた。
分析試験条件]
高速液体クロマトグラフ:Shimadzu Prominence
検出器紫外吸光光度計測定波長:270nm)
カラムODSカラムφ4.6×150mm粒子径5μm
カラム温度:40℃
移動相メタノールエタノール混液(25:75)
流速:保持時間6.4分になるように調整
注入量:10μL

0060

0061

0062

表1,2に示されているように、本発明にかかる実施例1〜11の補酵素Q10含有組成物は粉末に製する際の作業性に優れ、かつ得られた粉末は水への溶解性に優れるものであることが確認された。

0063

[製剤例](錠剤)
実施例2で得られた補酵素Q10含有組成物の粉末600g、粉末還元麦芽糖水アメ300g、結晶セルロース288gを混合・篩過した後、ステアリン酸カルシウム12gを加えて混合し、9mmφの臼杵を取り付けたロータリー式打錠機にて25rpmで約1時間打錠したところ、打錠障害や補酵素Q10の滲みのない錠剤を安定して得ることができた。得られた錠剤をアルミラミジップ包装して40℃,75%RHで1ヶ月保管したところ、補酵素Q10含量は製剤直後の99.6%であった。

0064

[補酵素Q10の水への溶出試験]
ハードカプセル(HPMCカプセルサイズ:2号)に実施例3および比較例1で得られた粉末250mgをそれぞれ充填し、下記条件及び方法で溶出試験を行った。結果を表3及び図5に示す。表3及び図5に示されているように、本発明にかかる実施例3の粉末状補酵素Q10含有組成物は、水への溶出性に優れることが確認された。
溶出条件
温度:37℃
溶出時間:90分
試験液精製水900mL
撹拌回転数:50rpm
試験方法
溶出試験機により上記条件で溶出を開始してから5、10、20、30、60、90分の各時点において試験液を採取し、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。初めのろ液1mLを除き、次のろ液を試料溶液とした。
[分析試験条件]
高速液体クロマトグラフ:Shimadzu Prominence
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)
カラム:ODSカラムφ4.6×150mm粒子径5μm
カラム温度:40℃
移動相:メタノール/エタノール混液(25:75)
流速:保持時間6.4分になるように調整
注入量:10μL

0065

0066

[X線回折試験]
X線回折装置にて補酵素Q10原末及び実施例1で得られた粉末のX線回折測定を行なった。結果をそれぞれ図6(原末)及び図7(実施例1)に示す。図6,7に示されているように、実施例1の粉末では原末で見られたピークが減少しており、非晶質化が起きていることが確認された。

0067

[薬物動態試験]
投与の14時間前から絶食した7週齢雄性SDラットに補酵素Q10原末もしくは上記実施例2で調製した粉末を分散した水溶液(0.5%のカルボキシメチルセルロースを含む)を75mg/kg b.w.となるように強制経口投与し、AUC0-24h(血中濃度時間曲線面積、area under the blood concentration-time curve)、Cmax、Tmaxを測定した。結果を表4及び図8に示す。表4及び図8に示されているように、Cmax、AUC共に補酵素Q10原末投与群と比較して実施例2で調製した粉末投与群では上昇した。

実施例

0068

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ