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図面 (20)

課題

多能性幹細胞を培養するための新規な方法および培養培地の提供。

解決手段

ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞の間葉系幹細胞への分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記間葉系幹細胞を前記懸濁培養で作製することを含み、前記ヒト多能性幹細胞が、OCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の内因性発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含み、前記ヒト多能性幹細胞が、内胚葉外胚葉及び中胚葉の、の各胚葉に分化することができる、間葉系幹細胞を懸濁培養で作製する方法。

概要

背景

ヒト胚性幹細胞(hESC)の特異的分化能は、それらを、初期ヒト発生、系譜関与分化プロセスを研究するための、かつ工業目的および細胞に基づく治療として使用するための最適モデルの1つの基礎とする。

誘導多能性(iPS)細胞は、インビトロおよびインビボの双方で3つの胚性胚葉の代表的組織に分化する能力を有するESC様細胞再プログラム化される体細胞である。マウスまたはヒトiPS細胞は、体細胞における4つの転写因子、c−Myc、Oct4、Klf4およびSox2の過剰発現によって生成された。iPS細胞は、ESCと同じコロニー形態を形成し、かつ、Dnmt3a、Dnmt3b、Utf1、Tcl1およびLIF受容体遺伝子などのあまり重要でないマーカー以外の、Myb、Kit、GDf3およびZic3などの数種の典型的なESCマーカーを発現することが示され、それにより、iPS細胞がES細胞に類似するが同一でないことが確認された[TakahashiおよびYamanaka、2006年;Takahashiら、2007年;Meissnerら、2007年;Okitaら、2007年]。Yu Junyingら(Science 318:1917−1920頁、2007年)は、線維芽細胞由来iPS細胞およびhESCに共通の遺伝子発現パターンを見出した。

さらなる試験によれば、iPS細胞が、体細胞をOct4、Sox2、NanogおよびLin28で形質転換する一方、腫瘍遺伝子C−Mycの使用を省くことによって取得可能であることが示された[Yu J.ら、2007年、Science,318:1917−1920頁;Nakagawaら、2008年]。iPS細胞導出方法の改善には、ウイルスベクターの代わりとしてのプラスミドの使用またはゲノムへの組込みを全く伴わない導出が含まれ、その場合、臨床用途におけるiPS細胞の将来の使用が簡素化されうる[Yu J.ら、Science.2009年、324:797−801頁]。

現在利用可能なiPS細胞は、胚性線維芽細胞[TakahashiおよびYamanaka、2006年;Meissnerら、2007年]、hESCから形成される線維芽細胞[Parkら、2008年]、胎児線維芽細胞[Yuら、2007年;Parkら、2008年]、包皮線維芽細胞[Yuら、2007年;Parkら、2008年]、成体皮膚および皮膚組織[Hannaら、2007年;Lowryら、2008年]、b−リンパ球[Hannaら、2007年]、ならびに成体肝および細胞[Aoiら、2008年]、に由来するものである。

iPS細胞は、hESCと同様、従来から二次元培養下で支持層を用いて培養され、それは未分化状態でのその連続的成長を可能にする。例えば、iPS細胞は、ウシ胎仔血清(FBS)が補充された培地の存在下で、不活性化マウス胚性線維芽細胞(MEF)または包皮線維芽細胞からなるフィーダー層上で培養された[TakahashiおよびYamanaka、2006年、Meisnnerら、2007年]。培養方法のさらなる改善には、iPS細胞を、血清代替物および10ng/mlの塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を含有するより限定された培地の存在下、MEFフィーダー層上で培養することが含まれる(Parkら、2008年)。しかし、臨床用途(例えば細胞に基づく治療)または工業目的としては、iPS細胞は、制御プロセスを伴う、限定された異種成分不含(例えば動物フリー)およびスケーラブル培養システム下で培養される必要がある。

PCT公開国際公開第2007/026353号パンフレットでは、ヒト胚性幹細胞を二次元培養システム下、未分化状態で維持することを目的とした、TGFβアイソフォーム、またはIL6と可溶性IL6受容体の間で形成されるキメラ体(以下IL6RIL6と称する)を含む、十分に限定された異種成分不含培地が開示されている。

米国特許出願公開第2005/0233446号明細書では、hESCを、Matrigel(商標)上で培養される場合に未分化状態で維持するため、bFGF、インスリンおよびアスコルビン酸を含む限定培地が開示されている。

Ludwig T.E.ら、2006年(Nature Biotechnology,24:185−7頁)では、hESCを、コラーゲンIV、フィブロネクチンラミニンおよびビトロネクチンからなるマトリックス上で培養するためのTeSR1限定培地が開示されている。

米国特許出願公開第2009/0029462号明細書では、多能性幹細胞を、微小担体または細胞カプセル化を用いて懸濁液中で拡大する方法が開示されている。

PCT公開の国際公開第2008/015682号パンフレットでは、ヒト胚性幹細胞を、基質接着を有しない培養条件下の懸濁培養下で拡大・維持する方法が開示されている。

米国特許出願公開第2007/0155013号明細書では、多能性幹細胞を、多能性幹細胞に接着する担体を使用し、懸濁液中で増殖させる方法が開示されている。

米国特許出願公開第2008/0241919号明細書(Parsonsら)では、多能性幹細胞を、無細胞マトリックスを含む細胞培養容器内の、bFGF、インスリンおよびアスコルビン酸を含む培地中で、懸濁培養下で培養する方法が開示されている。

米国特許出願公開第2008/0159994号明細書(Mantalarisら)では、アルギン酸ビーズ内部にカプセル化された多能性ES細胞を、血清代替物およびbFGFを含む培地中の三次元培養下で培養する方法が開示されている。

米国特許出願公開第2007/0264713号明細書では、未分化幹細胞を、ならし培地を使用する容器内、微小担体上で懸濁培養する方法が開示されている。

PCT公開の国際公開第2006/040763号パンフレットでは、拡大した胚盤胞(例えば、受精後少なくとも9日後)に由来する単離された霊長類胚細胞、ならびに、当該細胞の作製方法および使用方法が開示されている。

追加の背景技術は、米国特許出願公開第2009/0130759号明細書;Stankoff B.ら,J.Neuroscience 22:9221−9227頁,2002年;Ernst M.ら,Journal of Biological Chemistry,271:30136−30143頁,1996年;Roeb Eら,Hepatology,1993年,18:1437−42頁;米国特許出願公開第2004/0235160号明細書;Pera M.F.ら、2000年.Journal of Cell Science 113,5−10頁.Human embryonic stem cells.Commentaryを含む。

概要

多能性幹細胞を培養するための新規な方法および培養培地の提供。ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞の間葉系幹細胞への分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記間葉系幹細胞を前記懸濁培養で作製することを含み、前記ヒト多能性幹細胞が、OCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の内因性発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含み、前記ヒト多能性幹細胞が、内胚葉外胚葉及び中胚葉の、の各胚葉に分化することができる、間葉系幹細胞を懸濁培養で作製する方法。なし

目的

PCT公開の国際公開第2007/026353号パンフレットでは、ヒト胚性幹細胞を二次元培養システム下、未分化状態で維持することを目的とした

効果

実績

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請求項1

間葉系幹細胞懸濁培養で作製する方法であって、ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞の間葉系幹細胞への分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記間葉系幹細胞を前記懸濁培養で作製することを含み、前記ヒト多能性幹細胞は、内因性OCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含み、前記ヒト多能性幹細胞は、内胚葉外胚葉および中胚葉の、の各胚葉に分化することができる、方法。

請求項2

前記条件は、ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞の間葉系幹細胞への分化に好適な分化培養培地の存在下で懸濁培養で培養することを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記培養することは、未分化状態で前記ヒト多能性幹細胞の拡大を支持する培養培地から前記分化培養培地へヒト多能性幹細胞を徐々に移すことを含む、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記分化培養培地は、血清および/または血清代替物を含む、請求項2または3に記載の方法。

請求項5

前記分化培養培地は、血清および血清代替物を含む、請求項2または3に記載の方法。

請求項6

前記間葉系幹細胞は、CD73陽性およびSSEA−4陰性の発現シグナチャーによって特徴づけられる、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

請求項7

前記間葉系幹細胞は、CD73+/CD31−/CD105+の発現シグナチャーによって特徴づけられる細胞の少なくとも30%を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。

請求項8

前記間葉系幹細胞は、脂肪形成系譜骨芽細胞系譜および軟骨形成系譜からなる群から選択される細胞系譜への懸濁培養での分化が可能である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。

請求項9

前記未分化状態で前記ヒト多能性幹細胞の拡大を支持する培養培地は、インターロイキン11(IL11)および毛様体神経栄養因子(CNTF)を含む培養培地を含む、請求項3〜8のいずれかに記載の方法。

請求項10

前記未分化状態で前記ヒト多能性幹細胞の拡大を支持する培養培地は、血清非含有の培養培地を含み、前記培養培地は、可溶性インターロイキン6受容体(sIL6R)およびインターロイキン6(IL6)を含む細胞培養物であって、前記sIL6Rの濃度が少なくとも5ng/mlであり、かつ前記IL6の濃度が少なくとも3ng/mlである、請求項3〜8のいずれかに記載の方法。

請求項11

前記未分化状態で前記ヒト多能性幹細胞の拡大を支持する培養培地は、インターロイキン11(IL11)およびオンコスタチンを含む培養培地を含む、請求項3〜8のいずれかに記載の方法。

請求項12

前記分化培養培地は、L−グルタミン、β−メルカプトエタノール、および非必須アミノ酸をさらに含む、請求項4または5に記載の方法。

請求項13

請求項1〜12のいずれかに記載の方法によって作製される懸濁培養物における間葉系幹細胞(MSC)の単離された集団

請求項14

前記細胞の少なくとも40%がCD73+/CD31−/CD105+の発現シグナチャーによって特徴づけられる、請求項13に記載の間葉系幹細胞の単離された集団。

請求項15

前記MSCは、脂肪形成系譜、骨芽細胞系譜および軟骨形成系譜からなる群から選択される細胞系譜への懸濁培養での分化が可能である、請求項13または14に記載の間葉系幹細胞の単離された集団。

請求項16

ニューロン始原体細胞を懸濁培養で作製する方法であって、ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞のニューロン始原体細胞への分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記ニューロン始原体細胞を前記懸濁培養で作製することを含み、前記ヒト多能性幹細胞は、内因性のOCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含み、前記ヒト多能性幹細胞は、内胚葉、外胚葉および中胚葉の、胚の各胚葉に分化することができる、方法。

請求項17

前記条件は、ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞のニューロン始原体細胞への分化に好適な分化培養培地の存在下で懸濁培養で培養することを含む、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記ヒト多能性幹細胞のニューロン始原体細胞への分化に好適な分化培養培地は、レチノイン酸を含む、請求項17に記載の方法。

請求項19

前記ヒト多能性幹細胞のニューロン始原体細胞への分化に好適な分化培養培地は、Nogginを含む、請求項17に記載の方法。

請求項20

請求項16〜19のいずれかに記載の方法によって作製される懸濁培養物におけるニューロン始原体細胞の単離された集団。

請求項21

前記ニューロン始原体細胞は、グリア繊維酸性タンパク質(GFAP)、O4、β−チューブリンおよび/またはネスチンを発現する、請求項16〜19のいずれかに記載の方法または請求項20に記載のニューロン始原体細胞の単離された集団。

請求項22

内胚葉細胞を懸濁培養で作製する方法であって、ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞の内胚葉細胞への分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記内胚葉細胞を前記懸濁培養で作製することを含み、前記ヒト多能性幹細胞は、内因性のOCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含み、前記ヒト多能性幹細胞は、内胚葉、外胚葉および中胚葉の、胚の各胚葉に分化することができる、方法。

請求項23

前記条件は、ヒト多能性幹細胞を前記ヒト多能性幹細胞の内胚葉細胞への分化に好適な分化培養培地の存在下で懸濁培養で培養することを含む、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記ヒト多能性幹細胞の内胚葉細胞への分化に好適な分化培養培地は、アクチビンを含む、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記内胚葉細胞は、PDX1を発現する、請求項22〜24のいずれかに記載の方法。

請求項26

前記内胚葉細胞は、SOX17を発現する、請求項22〜24のいずれかに記載の方法。

請求項27

系譜特異的細胞をヒト多能性幹細胞から作製する方法であって、(a)前記ヒト多能性幹細胞を懸濁培養で培養し、それにより凝集塊を含まない拡大された未分化多能性幹細胞を得ること、ただし、前記ヒト多能性幹細胞は、内因性のOCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含み、前記ヒト多能性幹細胞は、内胚葉、外胚葉および中胚葉の、胚の各胚葉に分化することができる;(b)前記凝集塊を含まない拡大された未分化の多能性幹細胞を系譜特異的細胞の分化および/または拡大に好適な培養条件に供し、それにより前記系譜特異的細胞を前記ヒト多能性幹細胞から作製すること、を含む方法。

請求項28

血清および血清代替物を含む培養培地。

請求項29

培養培地は、内因性のOCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞の間葉系細胞への懸濁状態での分化のために好適であり、前記間葉系細胞の少なくとも40%がCD73+/CD31−/CD105+の発現シグナチャーによって特徴づけられる、請求項28に記載の培養培地。

請求項30

前記分化培養培地は、L−グルタミン、β−メルカプトエタノール、および非必須アミノ酸をさらに含む、請求項28または29に記載の培養培地。

請求項31

前記内因性のOCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャーを特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含むヒト多能性幹細胞は、懸濁培養において、少なくとも2回、最大10回の継代にわたって多能性幹細胞(PSC)凝集塊の単一細胞へのまたは最大50個のPSCを含むクラスターへの機械解離によって得られることができる、請求項1,16,22または27に記載の方法。

請求項32

前記培養することの前に前記ヒト多能性幹細胞を作製することをさらに含み、前記作製することは、(a)前記PSCを、少なくとも2回、最大10回の継代にわたってPSC凝集塊の単一細胞へのまたは最大50個のPSCを含むクラスターへの機械的解離による三次元懸濁培養で継代し、それにより凝集塊を含まないPSCの懸濁培養物を得ること;および(b)前記凝集塊を含まないPSCの前記三次元懸濁培養物を継代し、それにより前記未分化状態の前記PSCを拡大し、かつ維持すること、ただし、前記凝集塊を含まないPSCの前記懸濁培養物は、単一細胞又は小さなクラスターを含み、前記小さなクラスターの各々は、最大50個のPSCを含み、合計で少なくとも15回の継代が工程(a)および(b)において血清非含有培地を使用することによって行なわれ、前記血清非含有培地が、DMEM/F12、NUTRISTEM(登録商標)、MTESR(登録商標)およびTESR2(登録商標)からなる群から選択される合成塩基培地を含み、かつKNOCKOUT(登録商標)血清代替物(GIBCO)、KnockoutSRxeno−free(Invitrogencorporation)、およびSR3(SIGMA)からなる群から選択される血清代替物を補充されており、前記培養培地は、(i)塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、インターロイキン11(IL11)および毛様体神経栄養因子(CNTF)、または(ii)bFGFおよびIL6RIL6キメラ、または(iii)bFGF、可溶性インターロイキン6(IL6)受容体、およびgp130アゴニストをさらに含み、前記gp130アゴニストが、IL6、オンコスタチン、およびIL11からなる群から選択される、を含む、請求項1,16,22または27に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、その一部の実施形態において、多能性幹細胞を、凝集塊を含まない単一細胞としての懸濁培養で培養する方法、および該方法によって作製される多能性幹細胞の単離された集団に関連し、より具体的には、これに限定はされないが、未分化状態の多能性幹細胞を維持することができる新規培養培地、および多能性幹細胞を増殖性かつ多能性の未分化状態で維持しながら二次元培養ステムまたは三次元培養システムで培養する方法に関連する。

背景技術

0002

ヒト胚性幹細胞(hESC)の特異的分化能は、それらを、初期ヒト発生、系譜関与分化プロセスを研究するための、かつ工業目的および細胞に基づく治療として使用するための最適モデルの1つの基礎とする。

0003

誘導多能性(iPS)細胞は、インビトロおよびインビボの双方で3つの胚性胚葉の代表的組織に分化する能力を有するESC様細胞再プログラム化される体細胞である。マウスまたはヒトiPS細胞は、体細胞における4つの転写因子、c−Myc、Oct4、Klf4およびSox2の過剰発現によって生成された。iPS細胞は、ESCと同じコロニー形態を形成し、かつ、Dnmt3a、Dnmt3b、Utf1、Tcl1およびLIF受容体遺伝子などのあまり重要でないマーカー以外の、Myb、Kit、GDf3およびZic3などの数種の典型的なESCマーカーを発現することが示され、それにより、iPS細胞がES細胞に類似するが同一でないことが確認された[TakahashiおよびYamanaka、2006年;Takahashiら、2007年;Meissnerら、2007年;Okitaら、2007年]。Yu Junyingら(Science 318:1917−1920頁、2007年)は、線維芽細胞由来iPS細胞およびhESCに共通の遺伝子発現パターンを見出した。

0004

さらなる試験によれば、iPS細胞が、体細胞をOct4、Sox2、NanogおよびLin28で形質転換する一方、腫瘍遺伝子C−Mycの使用を省くことによって取得可能であることが示された[Yu J.ら、2007年、Science,318:1917−1920頁;Nakagawaら、2008年]。iPS細胞導出方法の改善には、ウイルスベクターの代わりとしてのプラスミドの使用またはゲノムへの組込みを全く伴わない導出が含まれ、その場合、臨床用途におけるiPS細胞の将来の使用が簡素化されうる[Yu J.ら、Science.2009年、324:797−801頁]。

0005

現在利用可能なiPS細胞は、胚性線維芽細胞[TakahashiおよびYamanaka、2006年;Meissnerら、2007年]、hESCから形成される線維芽細胞[Parkら、2008年]、胎児線維芽細胞[Yuら、2007年;Parkら、2008年]、包皮線維芽細胞[Yuら、2007年;Parkら、2008年]、成体皮膚および皮膚組織[Hannaら、2007年;Lowryら、2008年]、b−リンパ球[Hannaら、2007年]、ならびに成体肝および細胞[Aoiら、2008年]、に由来するものである。

0006

iPS細胞は、hESCと同様、従来から二次元培養下で支持層を用いて培養され、それは未分化状態でのその連続的成長を可能にする。例えば、iPS細胞は、ウシ胎仔血清(FBS)が補充された培地の存在下で、不活性化マウス胚性線維芽細胞(MEF)または包皮線維芽細胞からなるフィーダー層上で培養された[TakahashiおよびYamanaka、2006年、Meisnnerら、2007年]。培養方法のさらなる改善には、iPS細胞を、血清代替物および10ng/mlの塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を含有するより限定された培地の存在下、MEFフィーダー層上で培養することが含まれる(Parkら、2008年)。しかし、臨床用途(例えば細胞に基づく治療)または工業目的としては、iPS細胞は、制御プロセスを伴う、限定された異種成分不含(例えば動物フリー)およびスケーラブル培養システム下で培養される必要がある。

0007

PCT公開国際公開第2007/026353号パンフレットでは、ヒト胚性幹細胞を二次元培養システム下、未分化状態で維持することを目的とした、TGFβアイソフォーム、またはIL6と可溶性IL6受容体の間で形成されるキメラ体(以下IL6RIL6と称する)を含む、十分に限定された異種成分不含培地が開示されている。

0008

米国特許出願公開第2005/0233446号明細書では、hESCを、Matrigel(商標)上で培養される場合に未分化状態で維持するため、bFGF、インスリンおよびアスコルビン酸を含む限定培地が開示されている。

0009

Ludwig T.E.ら、2006年(Nature Biotechnology,24:185−7頁)では、hESCを、コラーゲンIV、フィブロネクチンラミニンおよびビトロネクチンからなるマトリックス上で培養するためのTeSR1限定培地が開示されている。

0010

米国特許出願公開第2009/0029462号明細書では、多能性幹細胞を、微小担体または細胞カプセル化を用いて懸濁液中で拡大する方法が開示されている。

0011

PCT公開の国際公開第2008/015682号パンフレットでは、ヒト胚性幹細胞を、基質接着を有しない培養条件下の懸濁培養下で拡大・維持する方法が開示されている。

0012

米国特許出願公開第2007/0155013号明細書では、多能性幹細胞を、多能性幹細胞に接着する担体を使用し、懸濁液中で増殖させる方法が開示されている。

0013

米国特許出願公開第2008/0241919号明細書(Parsonsら)では、多能性幹細胞を、無細胞マトリックスを含む細胞培養容器内の、bFGF、インスリンおよびアスコルビン酸を含む培地中で、懸濁培養下で培養する方法が開示されている。

0014

米国特許出願公開第2008/0159994号明細書(Mantalarisら)では、アルギン酸ビーズ内部にカプセル化された多能性ES細胞を、血清代替物およびbFGFを含む培地中の三次元培養下で培養する方法が開示されている。

0015

米国特許出願公開第2007/0264713号明細書では、未分化幹細胞を、ならし培地を使用する容器内、微小担体上で懸濁培養する方法が開示されている。

0016

PCT公開の国際公開第2006/040763号パンフレットでは、拡大した胚盤胞(例えば、受精後少なくとも9日後)に由来する単離された霊長類胚細胞、ならびに、当該細胞の作製方法および使用方法が開示されている。

0017

追加の背景技術は、米国特許出願公開第2009/0130759号明細書;Stankoff B.ら,J.Neuroscience 22:9221−9227頁,2002年;Ernst M.ら,Journal of Biological Chemistry,271:30136−30143頁,1996年;Roeb Eら,Hepatology,1993年,18:1437−42頁;米国特許出願公開第2004/0235160号明細書;Pera M.F.ら、2000年.Journal of Cell Science 113,5−10頁.Human embryonic stem cells.Commentaryを含む。

0018

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、OCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャー(signature)を特徴とするヒト多能性幹細胞を少なくとも50%含み、前記ヒト多能性幹細胞が、内胚葉外胚葉および中胚葉の、の各胚葉に分化することができる、ヒト多能性幹細胞の単離された集団が提供される。

0019

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、未分化状態の多能性幹細胞(PSC)を拡大し、かつ維持する方法であって、(a)前記PSCを、少なくとも2回、最大10回の継代にわたってPSC凝集塊の単一細胞への機械解離による懸濁培養で継代し、それにより凝集塊を含まないPSCの懸濁培養物を得ること;および(b)前記凝集塊を含まないPSCの前記懸濁培養物を、前記凝集塊の解離を伴うことなく継代し、それにより前記未分化状態の前記PSCを拡大し、かつ維持することを含む方法が提供される。

0020

本発明の一部の実施形態によれば、上記方法はさらに、上記PSCを、上記未分化状態の上記多能性幹細胞の拡大を可能にする条件下で培養することを含む。

0021

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、胚性幹細胞株を導出する方法であって、(a)胚性幹細胞(ESC)を、着床前段階の胚盤胞、着床後段階の胚盤胞および/または胎児生殖組織から得ること;および(b)前記ESCを、少なくとも2回、最大10回の継代にわたってESC凝集塊の単一細胞への機械的解離による懸濁培養で継代し、それにより凝集塊を含まないESCの懸濁培養物を得ること;および(c)前記凝集塊を含まないESCの前記懸濁培養物を、前記凝集塊の解離を伴うことなく継代し、それにより前記胚性幹細胞株を導出することを含む方法が提供される。

0022

本発明の一部の実施形態によれば、上記方法はさらに、上記ESCを、上記未分化状態の上記胚性単一幹細胞の拡大を可能にする条件下で培養することを含む。

0023

本発明の一部の実施形態によれば、上記継代は酵素的解離がない条件下で行われる。

0024

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、多能性幹細胞をクローニングする方法であって、本発明の一部の実施形態の方法に従って得られる単一多能性幹細胞、または本発明の一部の実施形態の方法に従って得られる単一胚性幹細胞を、前記単一多能性幹細胞の拡大または前記単一胚性幹細胞の拡大をそれぞれ未分化状態で可能にする条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記単一多能性幹細胞または前記単一胚性幹細胞をそれぞれクローン培養物に拡大し、それにより前記多能性幹細胞をクローニングすることを含む方法が提供される。

0025

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養は、細胞凝集塊を解離させることなく行われる。

0026

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、系譜特異的細胞を多能性幹細胞から作製する方法であって、(a)前記多能性幹細胞を本発明の一部の実施形態の方法に従って懸濁培養で培養し、それにより凝集塊を含まない拡大された未分化多能性幹細胞を得ること;および(b)凝集塊を含まない前記拡大された未分化多能性幹細胞を系譜特異的細胞の分化および/または拡大に好適な培養条件に供し、それにより前記系譜特異的細胞を前記多能性幹細胞から作製することを含む方法が提供される。

0027

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、胚様体を多能性幹細胞から作製する方法であって、(a)前記多能性幹細胞を本発明の一部の実施形態の方法に従って懸濁培養で培養し、それにより凝集塊を含まない拡大された未分化多能性幹細胞を得ること;および(b)凝集塊を含まない前記拡大された未分化多能性幹細胞を、前記多能性幹細胞を胚様体に分化させるために好適な培養条件に供し、それにより前記胚様体を前記多能性幹細胞から作製することを含む方法が提供される。

0028

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、系譜特異的細胞を多能性幹細胞から作製する方法であって、(a)前記多能性幹細胞を本発明の一部の実施形態の方法に従って懸濁培養で培養し、それにより凝集塊を含まない拡大された未分化多能性幹細胞を得ること;(b)凝集塊を含まない前記拡大された未分化多能性幹細胞を、前記多能性幹細胞を胚様体に分化させるために好適な培養条件に供すること;および(c)前記胚様体の細胞を系譜特異的細胞の分化および/または拡大に好適な培養条件に供し、それにより前記系譜特異的細胞を前記多能性幹細胞から作製することを含む方法が提供される。

0029

本発明の一部の実施形態によれば、凝集塊を含まない上記懸濁培養物は、単一細胞または小さいクラスターを含み、各クラスターは最大約200個の多能性幹細胞を含む。

0030

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養は基体接着がない培養条件下で行われる。

0031

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養条件は、Rho会合キナーゼ(ROCK阻害剤を含まない。

0032

本発明の一部の実施形態によれば、上記多能性幹細胞はヒト多能性幹細胞である。

0033

本発明の一部の実施形態によれば、上記ヒト多能性幹細胞は胚性幹細胞である。

0034

本発明の一部の実施形態によれば、上記ヒト多能性幹細胞は誘導多能性幹細胞である。

0035

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、本発明の一部の実施形態の方法に従って得られ、かつ内胚葉、外胚葉および中胚葉の、胚の各胚葉に分化することができる、細胞凝集塊を含まない多能性幹細胞の単離された集団が提供される。

0036

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、間葉系幹細胞を懸濁培養で作製する方法であって、本発明の一部の実施形態の多能性幹細胞を多能性幹細胞の間葉系幹細胞への分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記間葉系幹細胞を前記懸濁培養で作製することを含む方法が提供される。

0037

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、本発明の一部の実施形態の方法によって作製される懸濁培養物における間葉系幹細胞(MSC)の単離された集団が提供される。

0038

本発明の一部の実施形態によれば、上記細胞の少なくとも40%がCD73+/CD31−/CD105+の発現シグナチャーによって特徴づけられる。

0039

本発明の一部の実施形態によれば、上記MSCは、脂肪形成系譜、骨芽細胞系譜および軟骨形成系譜からなる群から選択される細胞系譜への懸濁培養での分化が可能である。

0040

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、ニューロン始原体細胞を懸濁培養で作製する方法であって、本発明の一部の実施形態の多能性幹細胞をニューロン始原体細胞の分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記ニューロン始原体細胞を前記懸濁培養で作製することを含む方法が提供される。

0041

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、本発明の一部の実施形態の方法によって作製される懸濁培養物におけるニューロン始原体細胞の単離された集団が提供される。

0042

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、内胚葉細胞を懸濁培養で作製する方法であって、本発明の一部の実施形態の多能性幹細胞を前記多能性幹細胞の内胚葉細胞への分化に好適な条件下の懸濁培養で培養し、それにより前記内胚葉細胞を前記懸濁培養で作製することを含む方法が提供される。

0043

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、本発明の一部の実施形態の方法によって作製される懸濁培養物における内胚葉細胞の単離された集団が提供される。

0044

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、インターロイキン11(IL11)および毛様体神経栄養因子(CNTF)を含む培養培地が提供される。

0045

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、少なくとも50ng/mlの濃度の塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と、IL6RIL6キメラ体とを含む培養培地が提供される。

0046

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、動物由来混入物非含有の血清代替物と、IL6RIL6キメラ体とを含む培養培地が提供される。

0047

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、多能性幹細胞と、本発明の一部の実施形態の培養培地とを含む細胞培養物が提供される。

0048

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、マトリックスと、本発明の一部の実施形態の培養培地とを含む培養システムが提供される。

0049

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、多能性幹細胞と、血清非含有の培養培地とを含み、前記培養培地が可溶性インターロイキン6受容体(sIL6R)およびインターロイキン6(IL6)を含む細胞培養物であって、前記sIL6Rの濃度が少なくとも5ng/mlであり、かつ前記IL6の濃度が少なくとも3ng/mlである細胞培養物が提供される。

0050

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、多能性幹細胞と、インターロイキン11(IL11)およびオンコスタチンを含む培養培地とを含む細胞培養物が提供される。

0051

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、未分化状態の多能性幹細胞を拡大し、かつ維持する方法であって、前記多能性幹細胞を本発明の一部の実施形態の培養培地で培養し、それにより前記未分化状態の前記多能性幹細胞を拡大し、かつ維持することを含む方法が提供される。

0052

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、系譜特異的細胞を多能性幹細胞から作製する方法であって、(a)前記多能性幹細胞を本発明の一部の実施形態の方法に従って培養し、それにより拡大された未分化幹細胞を得ること;(b)前記拡大された未分化幹細胞を系譜特異的細胞の分化および/または拡大に好適な培養条件に供し、それにより前記系譜特異的細胞を前記多能性幹細胞から作製することを含む方法が提供される。

0053

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、本発明の一部の実施形態の方法に従って作製される多能性幹細胞の集団を含み、前記集団が1ミリリットルの培地あたり少なくとも1000個の多能性幹細胞を含む細胞培養物が提供される。

0054

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、細胞由来の治療を目的とする本発明の一部の実施形態の細胞培養物の使用が提供される。

0055

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、医薬スクリーニングを目的とする本発明の一部の実施形態の細胞培養物の使用が提供される。

0056

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、ワクチンの製造を目的とする本発明の一部の実施形態の細胞培養物の使用が提供される。

0057

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、タンパク質の製造を目的とする本発明の一部の実施形態の細胞培養物の使用が提供される。

0058

本発明の一部の実施形態によれば、IL11が、少なくとも0.1ng/mlの濃度で用いられる。

0059

本発明の一部の実施形態によれば、CNTFが、少なくとも0.1ng/mlの濃度で用いられる。

0060

本発明の一部の実施形態によれば、IL11が、少なくとも1ng/mlの濃度で用いられる。

0061

本発明の一部の実施形態によれば、CNTFが、少なくとも1ng/mlの濃度で用いられる。

0062

本発明の一部の実施形態によれば、bFGFの濃度が、50ng/ml〜150ng/mlの間の範囲から選択される。

0063

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体が、少なくとも50ng/mlの濃度で用いられる。

0064

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体が、少なくとも50ng/mlの濃度で用いられる。

0065

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養培地はさらに、血清代替物を含む。

0066

本発明の一部の実施形態によれば、血清代替物が、少なくとも10%の濃度で用いられる。

0067

本発明の一部の実施形態によれば、血清代替物は動物由来混入物を含まない。

0068

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体が50ng/ml〜150ng/mlの濃度で用いられる。

0069

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体が50pg/ml〜150pg/mlの濃度で用いられる。

0070

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養培地はさらに、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を含む。

0071

本発明の一部の実施形態によれば、bFGFが、少なくとも4ng/mlの濃度で用いられる。

0072

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養培地はさらに、アスコルビン酸を含む。

0073

本発明の一部の実施形態によれば、アスコルビン酸が25μg/ml〜100μg/mlの濃度で用いられる。

0074

本発明の一部の実施形態によれば、bFGFが100ng/mlの濃度で用いられ、かつIL6RIL6が100ng/mlの濃度で用いられる。

0075

本発明の一部の実施形態によれば、bFGFが100ng/mlの濃度で用いられ、かつIL6RIL6が100pg/mlの濃度で用いられる。

0076

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養培地はさらに、TGFβを含む。

0077

本発明の一部の実施形態によれば、TGFβはTGFβ1を含む。

0078

本発明の一部の実施形態によれば、TGFβはTGFβ3を含む。

0079

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養培地は血清非含有である。

0080

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養培地は動物由来混入物を含まない。

0081

本発明の一部の実施形態によれば、上記未分化状態の上記多能性幹細胞の拡大、および維持は懸濁培養で行われる。

0082

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養は静的な懸濁培養を含む条件下で行われる。

0083

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養は動的な懸濁培養を含む条件下で行われる。

0084

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養は上記多能性幹細胞を単一細胞として拡大することを可能にする条件下で行われる。

0085

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養は細胞クラスターの酵素的解離を含まない条件下で行われる。

0086

本発明の一部の実施形態によれば、上記未分化状態の上記多能性幹細胞の拡大、および維持が二次元培養システムで行われる。

0087

本発明の一部の実施形態によれば、二次元培養システムは、マトリックスと上記培養培地とを含む。

0088

本発明の一部の実施形態によれば、上記多能性幹細胞は胚性幹細胞を含む。

0089

本発明の一部の実施形態によれば、上記多能性幹細胞は誘導多能性(iPS)細胞を含む。

0090

本発明の一部の実施形態によれば、胚性幹細胞はヒト胚性幹細胞である。

0091

本発明の一部の実施形態によれば、誘導多能性幹細胞はヒト誘導多能性幹細胞である。

0092

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養培地は未分化状態の上記多能性幹細胞を拡大することができる。

0093

本発明の一部の実施形態によれば、上記多能性幹細胞の少なくとも85%が未分化状態にある。

0094

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養条件は、インターロイキン11(IL11)および毛様体神経栄養因子(CNTF)を含む培養培地を含む。

0095

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養条件は、少なくとも50ng/mlの濃度の塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と、IL6RIL6キメラ体とを含む培養培地を含む。

0096

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養条件は、動物由来混入物非含有の血清代替物と、IL6RIL6キメラ体とを含む培養培地を含む。

0097

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養条件は、可溶性インターロイキン6受容体(sIL6R)およびインターロイキン6(IL6)を含み、sIL6Rの濃度が少なくとも5ng/mlであり、かつIL6の濃度が少なくとも3ng/mlである血清非含有の培養培地を含む。

0098

本発明の一部の実施形態によれば、上記培養条件は、インターロイキン11(IL11)およびオンコスタチンを含む培養培地を含む。

0099

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、血清および血清代替物を含む培養培地が提供される。

0100

本発明の一部の実施形態によれば、血清代替物が約10%の濃度で用いられる。

0101

本発明の一部の実施形態によれば、血清が10%の濃度で用いられる。

0102

本発明の一部の実施形態によれば、血清および血清代替物を含む上記培養培地はbFGFを含まない。

0103

本発明の一部の実施形態によれば、血清および血清代替物を含む上記培養培地はIL6RIL6キメラ体を含まない。

0104

本発明の一部の実施形態によれば、血清および血清代替物を含む上記培養培地はさらに、L−グルタミン、β−メルカプトエタノールおよび非必須アミノ酸ストック液を含む。

0105

本発明の一部の実施形態によれば、血清および血清代替物を含む上記培養培地は、80%のDMEM/F12、10%のノックアウト血清代替物(SR)、10%のFBS、2mMのL−グルタミン、0.1mMのβ−メルカプトエタノール、1%の非必須アミノ酸ストック液からなる。

0106

本発明の一部の実施形態によれば、血清および血清代替物を含む上記培養培地は、多能性幹細胞の間葉系幹細胞への懸濁状態での分化に好適である。

0107

本発明の一部の実施形態によれば、多能性幹細胞の間葉系幹細胞への分化に好適な条件は、血清および血清代替物を含む培養培地を含む。

0108

本発明の一部の実施形態によれば、上記方法はさらに、本発明の一部の実施形態の多能性幹細胞を非凍結生細胞として輸送することを含む。

0109

本発明の一部の実施形態によれば、上記多能性幹細胞は、当該細胞を非凍結の生細胞として輸送した後において依然として生存可能で、増殖性で、かつ未分化状態である。

0110

別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。

0111

本発明の実施形態の方法および/またはシステムを実行することは、選択されたタスクを、手動操作で、自動的にまたはそれらを組み合わせて実行または完了することを含んでいる。さらに、本発明の装置、方法および/またはシステムの実施形態の実際の機器や装置によって、いくつもの選択されたステップを、ハードウェアソフトウェア、またはファームウェア、あるいはオペレーティングシステムを用いるそれらの組合せによって実行できる。

0112

例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施されることができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態により選択されたタスクは、コンピュータが適切なオペレーティングシステムを使って実行する複数のソフトウェアの命令のようなソフトウェアとして実施されることができる。本発明の例示的な実施形態において、本明細書に記載される方法および/またはシステムの例示的な実施形態による1つ以上のタスクは、データプロセッサ、例えば複数の命令を実行する計算プラットフォームで実行される。任意選択的に、データプロセッサは、命令および/またはデータを格納するための揮発性メモリ、および/または、命令および/またはデータを格納するための不揮発性記憶装置(例えば、磁気ハードディスク、および/または取り外し可能な記録媒体)を含む。任意選択的に、ネットワーク接続もさらに提供される。ディスプレイおよび/またはユーザ入力装置(例えば、キーボードまたはマウス)も、任意選択的にさらに提供される。

図面の簡単な説明

0113

本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。

0114

図1A−1Cは、4日間続いた大西洋をまたぐ(イスラエルからボルチモア(米国)まで)生細胞の輸送後、本発明の一部の実施形態に従って懸濁培養で成長させたI3ESCの写真である。I3細胞を輸送前に少なくとも20回の継代にわたって懸濁状態で培養した。図1Aおよび図1B−到着し、CM100Fp培養培地を使用して懸濁状態で再置床された3日後(図1A)および1日後(図1B)におけるI3の形態学。細胞は、未分化細胞からなる典型的な球形態学を明示する。図1C−到着し、MEFとともに再置床された3日後におけるI3の形態学。細胞はESCの典型的なコロニー形態学を明示する。

0115

図2A−2Dは、多能性の各種マーカーに対する抗体により染色されるI3.2 hESCの蛍光像である(免疫蛍光染色)。本発明の一部の実施形態の新規な培地(例えば、この場合にはCMTeSR2培地)で培養された細胞を、典型的なマーカーであるOct4(図2A)、SSEA4(図2B)、Tra−160(図2C)およびTRA−1−81(図2D)を使用してそれらの多能性について調べた。この例では、p19+83の継代でのI3.2(すなわち、このI3.2クローン細胞株は19回目の継代におけるI3細胞株に由来し、分析用の細胞はクローン単離後83回目の継代におけるものであった)を懸濁状態で5回の継代にわたってCMTESR2培地により培養し、その後、MEF上で再培養した。細胞は、すべての試験されたマーカーについて陽性であることが見出された。

0116

図3Aは、本発明の一部の実施形態の新規な培養培地を使用して懸濁状態で培養された細胞の形態学を示す、I3.2ESC系統の写真である。図3A−p19+87の継代(すなわち、クローン単離後87回の継代)でのI3.2を、cmTeSR2を使用して26回の継代にわたって懸濁状態で培養し、その後、MEFとともに再置床した。典型的なESCコロニー形態学を明示する。
図3Bは、本発明の一部の実施形態の新規な培養培地を使用して懸濁状態で培養された細胞の形態学を示す、I3.2ESC系統の写真である。図3B−80回目の継代(p80)でのJ3細胞[遅れた(伸長した)胚盤胞細胞株]を、NCM100培地を使用して懸濁状態で2回の継代にわたって培養したもの。未分化細胞の典型的な球形態学を明示する。
図3Cは、本発明の一部の実施形態の新規な培養培地を使用して懸濁状態で培養された細胞の形態学を示す、I3.2ESC系統の写真である。図3C−p29+48でのH9.2細胞(すなわち、29回目の継代でのH9細胞株を単一細胞クローニングに供し、単離後48回目の継代における得られたクローンhESC系統を使用した)を、ILCNTF培地を使用して懸濁状態で5回の継代にわたって培養した。未分化細胞の典型的な球形態学を明示する。

0117

図4Aは、懸濁培養において単一細胞を示すH9 hESC系統の写真である。図4A−p53(53回目の継代)でのH9を、CMrb100Fp培地を使用して、静的培養での単一細胞としての懸濁状態で9回の継代にわたって培養したもの。これらの結果により、本発明の一部の実施形態に従って懸濁培養で培養された多能性幹細胞が単一細胞成長パターンを取ることが明らかになる。
図4Bは、懸濁培養において単一細胞を示すヒトC2iPS細胞株の写真である。図4B−C2 iPS細胞を、CM100Fp培地を使用して単一細胞としてスピナーフラスコ(動的培養)で1.5ヶ月間にわたって培養したもの。細胞をトリパンブルーにより染色した。死細胞が青く染色される。これらの結果により、本発明の一部の実施形態に従って懸濁培養で培養された多能性幹細胞が単一細胞成長パターンを取ることが明らかになる。

0118

図5A−5Cは、Controlled Waveバイオリアクター(Biostat(登録商標)Cultibag RM、Sartorius North America、Edgewood、New York、米国)を使用して動的条件下での懸濁状態で培養された多能性幹細胞を示す顕微鏡観察写真である。誘導多能性幹細胞株C2を、波抑制型バイオリアクターにおいて5日間、単一細胞として培養し(図5A)、または200μm以下の小球として培養した(図5B)。図5C−単一細胞としての懸濁状態で成長させた細胞をMEF上で再培養した(Oct4染色)。生細胞の数が、iPS細胞の特徴(例えば、Oct4発現(図5C)など)を維持しながら64倍増大した。

0119

図6A−6Cは、懸濁状態で培養された単一細胞の凍結/解凍および剪断後の多能性幹細胞を示す顕微鏡観察写真である。C2細胞株(導出後89回目の継代での包皮線維芽細胞由来iPSであって、その細胞をcmrb100p培養培地の存在下、懸濁培養で48回の継代にわたって培養した)を、下記の凍結用溶液を使用して凍結した:90%の血清代替物(SR)および10%のDMSO(図6A);20%のSR、20%のウシ胎児血清(FBS)および10%のDMSO(図6B);ならびにBiological Industries(Beit HaEmek、イスラエル)製の血清非含有凍結用溶液(図6C)。液体窒素中に5日間凍結した後細胞を解凍し、懸濁培養において再培養した。凍結/解凍および懸濁培養での再培養後の細胞が示される。細胞の70%超がこの手順に耐え、懸濁培養に直接に回復したことに留意すること。

0120

図7A−7Cは、神経系譜由来の細胞への多能性幹細胞の導かれた分化を明示する免疫蛍光染色像である。40回を超える継代にわたって懸濁状態で培養されたI6をレチノイン酸の添加によって分化誘導し、下記の典型的な神経マーカーについて染色した:ネスチン(図7A)、β−チューブリン(図7B)およびポリシアリ酸化(PSA)神経細胞接着分子(NCAM)(図7C)。これらの特異的マーカーが赤く染色され、青色染色はDAPI染色を表す。

0121

図8A−8Bは、多能性幹細胞の神経系譜への分化を明示するFACS分析である。図8A−細胞の68%がNCAMについて陽性であることを示す、NCMFITC抗体を使用するFACS分析。図8B−NCAMIgGを使用するFACS分析(イソタイプコントロール)。

0122

図9Aは、神経特異的マーカーに関する半定量化RTPCR分析の結果を示すヒストグラムである。RT−PCR分析を、懸濁状態で培養され、レチノイン酸によって神経細胞系譜に誘導された細胞、および未分化として懸濁状態で培養された細胞に対して行った。
図9B−9Gは、神経特異的マーカーに関する半定量化RT−PCR分析の結果を示すゲル像である。RT−PCR分析を、懸濁状態で培養され、レチノイン酸によって神経細胞系譜に誘導された細胞、および未分化として懸濁状態で培養された細胞に対して行った。OCT−4遺伝子(図9B)、PAX6遺伝子(図9C)、重鎖神経フィラメント(HNF)遺伝子(図9D)、ネスチン遺伝子(図9E)およびLIMホメオボックス2(LHX2)遺伝子(図9F)およびGAPDH遺伝子(コントロール遺伝子、図9G)のRT−PCRプライマーが下記の実施例の節において表1に記載される。結果は3回の独立した実験の平均を表す。レーン1〜レーン3は3つの異なる生物学的反復に由来し、レーン4は、40回の継代にわたって懸濁状態で培養されたI6の未分化細胞である。

0123

図10A−10Bは、内胚葉系譜の細胞への多能性幹細胞の誘導を示す免疫蛍光像である。内胚葉系譜に分化誘導されたC2細胞株由来の細胞。分化誘導後10日において、細胞をPDX1マーカー(β−細胞に関連づけられる転写因子)について染色し(図10A、緑色)、またDAPI(核染色)についても染色した(図10B、青色)。

0124

図11A−11Bは、MEF上に再置床された後のhESCコロニーの形態学を示す2つの代表的な像である。単一細胞としての懸濁状態で17回の継代にわたって培養されたCL1(13E1)細胞をMEF上に再置床し、位相差を使用して写真撮影した。フィーダー細胞(MEF)上に再置床されたとき、細胞が様々な細胞間間隔、透明な辺縁部および大きい核対細胞質比を有する多能性細胞の典型的な形態学によって特徴づけられるコロニーを形成することに留意すること。

0125

図12A−12Bは、多能性マーカーのFACS分析を示すヒストグラムである。ヒトESCを二次元(2−D)のMEF上で成長させ、TRA1−60、TRA1−81、SSEA1およびSSEA4の各マーカーの発現をFACSによってアッセイした。図12A−2Dで培養され、TRA1−60抗体によって分けられたH14細胞(青色曲線)。細胞の74.9%がTRA1−60陽性であることに留意すること。図12B−2Dで培養され、TRA1−81抗体によって分けられたH14細胞(青色曲線)。細胞の71.2%がTRA1−81陽性であることに留意すること。図12A〜図12Bのそれぞれにおける赤色曲線は陰性対照を表す。
図12C−12Dは、多能性マーカーのFACS分析を示すヒストグラムである。ヒトESCを、細胞凝集塊としての懸濁培養で成長させ、TRA1−60、TRA1−81、SSEA1およびSSEA4の各マーカーの発現をFACSによってアッセイした。図12C−10回を超える継代にわたって細胞凝集塊としての懸濁状態で培養され、TRA1−60抗体によって分けられたI3細胞(青色曲線)。細胞の94.6%がTRA1−60陽性であることに留意すること。図12D−10回を超える継代にわたって細胞凝集塊としての懸濁状態で培養され、TRA1−81抗体によって分けられたI3細胞(青色曲線)。細胞の93%がTRA1−81陽性であることに留意すること。図12C〜図12Dのそれぞれにおける赤色曲線は陰性対照を表す。
図12E−12Fは、多能性マーカーのFACS分析を示すヒストグラムである。ヒトESCを、細胞凝集塊を含まない単一細胞としての懸濁培養で成長させ、TRA1−60、TRA1−81、SSEA1およびSSEA4の各マーカーの発現をFACSによってアッセイした。図12E−10回を超える継代にわたって単一細胞としての懸濁状態で培養され、TRA1−60抗体によって分けられたH14細胞(青色曲線)。細胞の0.65%のみがTRA1−60陽性であることに留意すること。図12F−10回を超える継代にわたって単一細胞としての懸濁状態で培養され、TRA1−81抗体によって分けられたH14細胞(青色曲線)。細胞の0.7%のみがTRA1−81陽性であることに留意すること。図12E〜図12Fのそれぞれにおける赤色曲線は陰性対照を表す。
図12G−12Hは、多能性マーカーのFACS分析を示すヒストグラムである。ヒトESCを、細胞凝集塊としての懸濁培養で成長させ、TRA1−60、TRA1−81、SSEA1およびSSEA4の各マーカーの発現をFACSによってアッセイした。図12G−10回を超える継代にわたって細胞凝集塊としての懸濁状態で培養され、SSEA1抗体によって分けられたI3細胞(青色曲線)。細胞の11.1%がSSEA1陽性であることに留意すること。図12H−10回を超える継代にわたって細胞凝集塊としての懸濁状態で培養され、SSEA4抗体によって分けられたI3細胞(灰色曲線)。細胞の98.4%がSSEA4陽性であることに留意すること。図12G〜図12Hのそれぞれにおける赤色曲線は陰性対照を表す。
図12I〜図12Jは、多能性マーカーのFACS分析を示すヒストグラムである。ヒトESCを、細胞凝集塊を含まない単一細胞としての懸濁培養で成長させ、TRA1−60、TRA1−81、SSEA1およびSSEA4の各マーカーの発現をFACSによってアッセイした。図12I−10回を超える継代にわたって単一細胞としての懸濁状態で培養され、SSEA1抗体によって分けられたH7細胞(青色曲線)。細胞の78.5%がSSEA1陽性であることに留意すること。図12J−10回を超える継代にわたって単一細胞としての懸濁状態で培養され、SSEA4抗体によって分けられたH7細胞(青色曲線)。細胞の5.43%のみがSSEA4陽性であることに留意すること。図12I〜図12Jのそれぞれにおける赤色曲線は陰性対照を表す。

0126

図13Aは、RT−PCR分析を示すヒストグラムである。H7多能性幹細胞およびCL1多能性幹細胞についてのリアルタイムPCRによる遺伝子発現における平均倍数変化(それぞれから3回の反復)が示される。平均倍数変化が、MEF上で培養されたときのH7多能性幹細胞およびCL1多能性幹細胞における示された遺伝子の発現レベル(「1」として示される)に対する比較で計算された。図13A−Sox2、Rex1、NanogおよびOct4の各多能性遺伝子についての結果が示される。図13B−FBLN5、CTNNB1、PLXNA2、EGFR、ITGA7、IGTA6、ITGA2、CLDN18、CLDN6、CDH2、CDH1およびFN1の各接着分子遺伝子についての結果が示される。青色棒=10回を超える継代にわたって懸濁状態で培養された単一細胞(SC);赤色棒=10回を超える継代にわたって懸濁状態で培養された細胞凝集塊(Cl);緑色棒=標準的な2D培養で、マウス胚性線維芽細胞(MEF)上で培養された多能性幹細胞。MEF上で培養された多能性幹細胞と比較した場合に、多能性の単一幹細胞でのNanog発現がわずかに低下したことや、一方で、MEF上で培養されたか、または懸濁培養で細胞凝集塊として培養された細胞と比較した場合、単一細胞として培養された同じ細胞ではOct4の発現が増大したことに留意すること。
図13Bは、RT−PCR分析を示すヒストグラムである。H7多能性幹細胞およびCL1多能性幹細胞についてのリアルタイムPCRによる遺伝子発現における平均倍数変化(それぞれから3回の反復)が示される。平均倍数変化が、MEF上で培養されたときのH7多能性幹細胞およびCL1多能性幹細胞における示された遺伝子の発現レベル(「1」として示される)に対する比較で計算された。図13A−Sox2、Rex1、NanogおよびOct4の各多能性遺伝子についての結果が示される。図13B−FBLN5、CTNNB1、PLXNA2、EGFR、ITGA7、IGTA6、ITGA2、CLDN18、CLDN6、CDH2、CDH1およびFN1の各接着分子遺伝子についての結果が示される。青色棒=10回を超える継代にわたって懸濁状態で培養された単一細胞(SC);赤色棒=10回を超える継代にわたって懸濁状態で培養された細胞凝集塊(Cl);緑色棒=標準的な2D培養で、マウス胚性線維芽細胞(MEF)上で培養された多能性幹細胞。MEF上で培養された多能性幹細胞と比較した場合に、多能性の単一幹細胞でのNanog発現がわずかに低下したことや、一方で、MEF上で培養されたか、または懸濁培養で細胞凝集塊として培養された細胞と比較した場合、単一細胞として培養された同じ細胞ではOct4の発現が増大したことに留意すること。

0127

図14は、単一細胞としての懸濁培養で培養されたhESCのクローニング効率を示す画像である。単一細胞クローンが、細胞凝集塊を含まない単一細胞としての懸濁培養で培養されたH7 hESC系統の単一細胞を置床することによって形成された。それぞれの細胞を低接着性96ウエルプレートウエルに1個ずつ置床し、懸濁状態で培養した。単一細胞としての懸濁培養で培養されたhESCのクローニング効率が95%であることに留意すること。

0128

図15は、単一細胞としての懸濁培養で培養されたhESCの解凍効率を示す画像である。懸濁培養で単一細胞として培養されたヒトESCを、標準的な凍結用溶液を使用して凍結し、その後懸濁培養で解凍した。細胞が十分に回復し、少なくとも80%の細胞が生存していた。

0129

図16A−16Bは、単一細胞としての懸濁培養で培養されたhESCの遺伝子操作を示す画像である。単一細胞としての懸濁培養で培養されたヒトhESCを、GFP遺伝子をCMVプロモーター下に含む核酸構築物による電気穿孔法に供した。図16A−遺伝子操作後の細胞の位相差像。細胞のほとんど(少なくとも90%)が電気穿孔法の手順に耐えたことに留意すること。図16B−遺伝子操作後の細胞の蛍光顕微鏡観察像。緑色のシグナルが、組換え構築物(CMVプロモーターの転写制御下にあるGFP)を発現する細胞に対応する。

0130

図17A−17Cは、単一細胞としての懸濁培養で培養されたヒトESCの神経始原体(NP)への分化を示す顕微鏡像である。単一細胞としての懸濁培養で培養されたヒトESCをニューロン細胞系譜に分化誘導した。図17A−星状膠細胞、GFAP(赤色);図17B−乏突起膠細胞、O4(緑色);図17C−ニューロン、β−チューブリン(緑色)およびネスチン(赤色)。

0131

図18A−18Cは、単一細胞としての懸濁培養で成長させたhESCを分化させることによって単離されたMSCのFACS分析を示すヒストグラムである。図18A−動物由来非含有培地において成長させ、CD73抗体によって分けられたJ3 hESC系統に由来するMSC(青色曲線)。82.5%がCD73陽性であることに留意すること。図18B−動物由来非含有培地において成長させ、CD31抗体によって分けられたJ3 hESC系統に由来するMSC(青色曲線)。4.83%のみがCD31陽性であることに留意すること。図18C−血清含有培地において成長させ、CD105抗体によって分けられたJ3 hESC系統に由来するMSC(青色曲線)。99.3%がCD105陽性であることに留意すること。

0132

図19A−19Dは、単一細胞としての懸濁状態で培養されるhESCのMSCへの分化を示す画像である。単一細胞としての懸濁状態で培養される単一細胞は、懸濁状態および2Dの両方で、分化能を有する(potent)MSCに分化することができる。図19A〜図19B−単一細胞としての懸濁状態で培養されたヒトESCから分化したMSCの位相差像。hESCを懸濁培養において再置床し、典型的なMSC形態学を有するMSCに分化させた。図19A−CL1細胞をFy富化培地において分化させた。図19B−CL1細胞をMeSusII培地において分化させた。図19C−骨系譜への、(単一細胞としての懸濁状態で成長させたhESCの分化によって形成された)分化したMSCのアリザリンレッド染色。図19D−脂肪細胞への、(単一細胞としての懸濁状態で成長させたhESCの分化によって形成された)分化したMSCのオイルレッド染色。

0133

図20A−20Bは、単一細胞としての懸濁状態で培養されるhESCの、内胚葉の胚葉への分化を示す画像である。C2細胞を、10回を超える継代にわたって懸濁状態で単一細胞として培養した。内胚葉分化のために、bFGFおよびIL6RIL6キメラ体を培養培地から除き、10ng/mlの濃度のアクチビンAを懸濁培養において48時間加えた。アクチビンA暴露後10日において、細胞をMatrigelマトリックスまたはHFFマトリックスに置床し、抗PDX1抗体(R&D Biosystems)を使用してPDX1発現について染色した。図20A−DAPI染色(核染色)(青色);図20B−PDX1(赤色)。DAPI(核染色)によって染色されるすべての細胞がまた、PDX1に関しても染色されることに留意すること。

0134

本発明は、その一部の実施形態において、多能性幹細胞を未分化の状態で維持することができる新規の方法および培養培地、並びに細胞凝集塊を含まない単一幹細胞として懸濁培養で培養された新規の多能性幹細胞に関連し、より具体的には、これに限定はされないが、多能性幹細胞を増殖性かつ多能性の未分化状態で維持しながら二次元培養システムまたは三次元培養システムで培養する方法に関連する。

0135

本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示される細部、または、実施例によって例示される細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、あるいは、様々な方法で実施、または、実行される。また、本明細書中において用いられる表現法および用語法は説明のためであって、限定として見なされるべきでないことを理解しなければならない。

0136

本発明者らは、骨の折れる(laborious)実験の後に、限定される培地を発見しており、それは、血清非含有および動物由来混入物非含有であり、かつ、ヒトiPSおよびESCなどの多能性幹細胞を、フィーダー細胞支持の不在下、未分化状態で維持する一方、全部で3つの胚性胚葉に分化させるその多能性能を保持することが可能である。

0137

したがって、以下の実施例セクションで示されるように、(例えば成体または包皮繊維芽細胞由来の)hESCおよびiPS細胞は、血清非含有の限定培養培地(例えば、yFIL25,CMrb100F,CMrb100Fp,ILCNTF)の存在下で、並びに動物由来混入物非含有の血清代替物を含む十分に限定された培養培地(例えば、NCM100F,NCM100Fp、NCMrb100F,NCMrb100Fp,NILCNTF,CmHA13,CmHA13p)の存在下で二次元または三次元培養システム上で、未分化状態で培養された(上記培地は、臨床/治療用途に好適である。なぜなら、そこで培養されるヒト多能性幹細胞は、動物由来混入物を完全に欠いているからである)。さらに、以下の実施例の節の実施例4に示されるように、懸濁状態で培養された多能性幹細胞は、国を渡って移送される間も生きた細胞として生存しており、増殖性及び多能性を有したままであることができる。培養下で、多能性幹細胞は、未分化形態を示すとともに、iPSまたはhESCに典型的な分子特性、例えば正常な核型、多能性のマーカー(例えば、Oct4、SSEA4、TRA−1−81、TRA−1−60)の発現、および3つ胚性胚葉全部への分化能(インビトロ(少なくとも10継代後の胚様体の形成による)およびインビボ(少なくとも20継代後の奇形腫の形成による)の双方で)を示す。また、図7〜10に示され、以下の実施例の節の実施例7に記載されるように、多能性幹細胞は、ニューロン、内胚葉、および中胚葉細胞系譜の系譜特異的な細胞を生成させるために使用された。

0138

加えて、本発明者らは、未分化の多能性幹細胞を、細胞凝集塊を含まない単一細胞としての懸濁培養で維持するための好適な培養条件を発見しており、また単一細胞としての懸濁培養で培養されるヒト多能性幹細胞の新規な集団を単離している。

0139

したがって、下記の実施例の節の実施例3において明らかにされるように、本発明者らは多能性幹細胞(例えば、hESCおよびヒトiPS細胞)を、トリプシンまたはROCK阻害剤を使用することなく、(例えば、ピペットを使用して)当該細胞を機械的に継代することによって懸濁培養で培養した。細胞凝集塊を単一細胞に機械的に分離する約3回〜7回の継代後、多能性幹細胞は単一細胞様式の拡大を取り、この拡大は培養継代のための機械的分離を何ら必要とせず、したがってこれらの細胞の大量生産を可能にした。単一細胞として培養された懸濁培養物がMEF上に再置床されたとき、細胞は多能性幹細胞の典型的な形態学を有するコロニーを形成した(図11A〜図11B)。下記の実施例の節の実施例8においてさらに記載されるように、単一細胞としての懸濁培養で培養されたヒト多能性幹細胞は、MEF上で培養されるヒトESCと比較した場合、または細胞凝集塊としての懸濁培養で培養されるhESCと比較した場合、遺伝子発現のよりナイーブパターンを示す。したがって、細胞凝集塊を含まない単一細胞としての懸濁状態で培養される多能性幹細胞の単離された集団はSSEA4−/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+の発現シグナチャーを示し(図12E、図12F、図12Iおよび図12J;表3)、これは、MEF上で培養されるか、または細胞凝集塊としての懸濁培養で培養されるヒトESCの典型的なSSEA4+/TRA1−60+/TRA1−81+/SSEA1−の発現シグナチャー(図12A、図12B、図12C、図12D、図12G、図12H;表3)とは異なっている。対照的に、単一細胞としての懸濁培養で培養された場合、多能性幹細胞は、MEF上(2−D)培養されるhESCと比較した場合、または細胞凝集塊としての懸濁培養で培養されるhESCと比較した場合、増大したレベルのOCT−4(多能性のマーカー)を示す(実施例8、図13A)。加えて、単一細胞としての懸濁状態で培養された多能性幹細胞は、2−Dで培養される多能性幹細胞(例えば、ROCK阻害剤の使用に依存して、4%〜18%の間)と比較した場合に、増大したクローニング効率(例えば、hESCについては約95%の効率)を示すこと(実施例9、表4)、凍結・解凍サイクルに対する増大した生存を示すこと(実施例9、図15)、ならびに遺伝子操作に対するより大きい生存および遺伝子操作のより高い効率を示すこと(実施例9、図16A〜図16B)が見出された。単一細胞としての懸濁状態で培養された多能性幹細胞は、胚の3つすべての胚葉への分化が可能であることが示された:すなわち、外胚葉の胚葉には、GFAP(グリア線維酸性タンパク質)(星状膠細胞のマーカー)、O4(乏突起膠細胞のマーカー)、ならびに、β−チューブリンおよびネスチン(ニューロンのマーカー)を発現するニューロン始原体細胞を形成することによって(実施例10、図17A〜図17C);中胚葉の胚葉には、CD73およびCD105の発現(実施例11、図18Aおよび図18C)、ならびに、CD31の非発現(実施例11、図18B)を有する間葉系幹細胞を形成することによって;内胚葉の胚葉には、PDX1を発現する内胚葉細胞を形成することによって(実施例12、図20A〜図20B)。加えて、本発明者らは、間葉系幹細胞への多能性幹細胞の懸濁培養でのインビトロ分化を初めて明示している(実施例11)。これらのMSCは、脂肪生成細胞系譜への分化(実施例11、図19D)、骨形成細胞系譜への分化(実施例11、図19C)および軟骨形成細胞系譜への分化(実施例11、データは示されず)が可能であった。まとめると、本明細書中において特定される新規な多能性幹細胞は、細胞由来の様々な治療、薬物スクリーニング、ワクチンの製造および/またはタンパク質の製造のための多能性の未分化幹細胞の無限供給源として使用することができる。

0140

したがって、本発明の一部の実施形態の一態様によれば、未分化状態の多能性幹細胞(PSC)を拡大し、かつ維持する方法であって、(a)前記PSCを、少なくとも2回、最大10回の継代にわたってPSC凝集塊の単一細胞への機械的解離による懸濁培養で継代し、それにより凝集塊を含まないPSCの懸濁培養物を得ること;および(b)前記凝集塊を含まないPSCの前記懸濁培養物を、前記凝集塊の解離を伴うことなく継代し、それにより前記未分化状態の前記PSCを拡大し、かつ維持することを含む方法が提供される。

0141

本発明の一部の実施形態によれば、PSCを、PSC凝集塊の単一細胞への機械的解離によって懸濁培養で継代することが、少なくとも2回、最大9回の継代にわたって;少なくとも2回、最大8回の継代にわたって;少なくとも2回、最大7回の継代にわたって;少なくとも2回、最大6回の継代にわたって;少なくとも2回、最大5回の継代にわたって;少なくとも2回、最大4回の継代にわたって;少なくとも3回、最大9回の継代にわたって;少なくとも3回、最大8回の継代にわたって;少なくとも3回、最大7回の継代にわたって;少なくとも3回、最大6回の継代にわたって;少なくとも3回、最大5回の継代にわたって行われる。

0142

本発明の一部の実施形態によれば、上記方法はさらに、上記PSCを、上記未分化状態の上記多能性幹細胞の拡大を可能にする条件下で培養することを含む。

0143

本明細書で使用される表現「多能性幹細胞」は、細胞を3つの胚性胚葉(すなわち、内胚葉、外胚葉および中胚葉)全部に分化する能力を有する細胞を示す。表現「多能性幹細胞」は、胚性幹細胞(ESC)および/または誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を意味することができる。

0144

本明細書で使用される表現「胚性幹細胞」は、妊娠後に形成される胚性組織から得られる細胞(例えば胚盤胞)(着床前(すなわち着床前胚盤胞))、着床後期原腸形成前期の胚盤胞から得られる拡張胚盤胞細胞(EBC)(国際公開第2006/040763号パンフレットを参照)、および妊娠期間中の任意の時期、好ましくは妊娠の10週以前に胎児の生殖器組織から得られる胚性生殖(EG)細胞を示す。

0145

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の多能性幹細胞は、例えばヒトまたは長動物(例えばサル)由来の胚性幹細胞である。

0146

本発明の胚性幹細胞は、周知の細胞培養方法を用いて入手可能である。例えば、ヒト胚性幹細胞は、ヒト胚盤胞から単離しうる。ヒト胚盤胞は、典型的には、ヒト体内着前胚または体外受精(IVF)胚から得られる。あるいは、単細胞ヒト胚は、胚盤胞期まで増殖しうる。ヒトES細胞の単離においては、透明帯が胚盤胞から除去され、内部細胞塊(ICM)が免疫手術によって単離され、ここでは栄養外胚葉細胞が溶解され、穏やかなピペッティングによって無傷ICMから除去される。次いで、ICMは、その増殖(outgrowth)を可能にする適切な培地を有する組織培養フラスコ内にプレーティングされる。9〜15日後、ICMから誘導された増殖物は、機械的解離または酵素的分解のいずれかによって塊に解離され、次いで細胞は、新しい組織培地上に再プレーティングされる。未分化形態を示すコロニーは、マイクロピペットによって個別に選択され、塊に機械的に解離され、再プレーティングされる。次いで、得られたES細胞は、4〜7日ごとに定期的に分割される。ヒトES細胞の調製方法に関するさらなる詳細については、Thomsonら、[米国特許第5,843,780号明細書;Science 282:1145頁、1998年;Curr.Top.Dev.Biol.38:133頁、1998年;Proc.Natl.Acad.Sci.USA92:7844頁、1995年];Bongsoら[Hum Reprod 4:706頁、1989年];およびGardnerら[Fertil.Steril.69:84頁、1998年]を参照のこと。

0147

市販の幹細胞が本発明のこの態様でも使用可能であることは理解されるであろう。ヒトES細胞は、NIHヒト胚性幹細胞レジストリー(NIH human embryonic stem cells registry)(www://escr.nih.gov)から購入することができる。市販の胚性幹細胞系の非限定例として、BG01、BG02、BG03、BG04、CY12、CY30、CY92、CY10、TE03、TE04およびTE06が挙げられる。

0148

拡張胚盤胞細胞(EBC)は、受精の少なくとも9日後の原腸形成前期の胚盤胞から入手可能である。胚盤胞を培養する前、内部細胞塊を露出させるため、透明帯は[例えばタイロード酸性溶液(Sigma Aldrich(St Louis,MO,USA))により]消化される。次いで、胚盤胞は、標準の胚性幹細胞培養方法を用い、受精後少なくとも9日から14日以下にわたり(すなわち原腸形成事象前)、インビトロで全胚として培養される。

0149

胚性生殖(EG)細胞は、当業者に既知実験技術を用い、(ヒト胎児の場合)妊娠から約8〜11週目の胎児から得られる始原生殖細胞から調製される。生殖隆起は、解離され、小塊に切断され、その後、機械的解離により、細胞に分離される。次いで、EG細胞は、適切な培地を有する組織培養フラスコ内で増殖される。細胞は、EG細胞に一致した細胞形態が認められるまで、典型的には7〜30日または1〜4継代にわたり、毎日交換される培地で培養される。ヒトEG細胞の調製方法に関するさらなる詳細については、Shamblottら、[Proc.Natl.Acad.Sci.USA95:13726頁、1998年]および米国特許第6,090,622号明細書を参照のこと。

0150

本明細書で使用される表現「誘導多能性幹(iPS)細胞」(または胚性様幹細胞)は、体細胞(例えば成体体細胞)の脱分化によって得られる増殖性および多能性幹細胞を示す。

0151

本発明の一部の実施形態によれば、iPS細胞は、ESCの場合と同様の増殖能によって特徴づけられ、それ故、ほぼ無限の時間、培養下で維持・拡大されうる。

0152

IPS細胞は、細胞を再プログラム化し、胚性幹細胞特性を得る遺伝子操作により、多能性を与えられることが可能である。例えば、本発明のiPS細胞は、TakahashiおよびYamanaka、2006年、Takahashiら、2007年、Meissnerら、2007年、およびOkita K.ら、2007年、Nature 448:313−318頁)において本質的に記載のように、体細胞内でのOct−4、Sox2、Kfl4およびc−Mycの発現の誘発により、体細胞から生成しうる。それに加え、またはそれに代わり、本発明のiPS細胞は、Yuら、2007年およびNakagawaら、2008年において本質的に記載のように、Oct4、Sox2、NanogおよびLin28の発現の誘発により、体細胞から生成しうる。体細胞の遺伝子操作(再プログラミング)は、プラスミドまたはウイルスベクターの使用などの任意の既知の方法を用いるか、またはゲノムへの組込みを全く伴わない誘導により、実施可能であることは注目されるべきである[Yu J.ら、Science.2009年、324:797−801頁]。

0153

本発明のiPS細胞は、胚性線維芽細胞[TakahashiおよびYamanaka、2006年;Meissnerら、2007年]、hESCから形成される線維芽細胞[Parkら、2008年]、胎児線維芽細胞[Yuら、2007年;Parkら、2008年]、包皮線維芽細胞[Yuら、2007年;Parkら、2008年]、成体皮膚および皮膚組織[Hannaら、2007年;Lowryら、2008年]、b−リンパ球[Hannaら、2007年]、ならびに成体肝および胃細胞[Aoiら、2008年]の脱分化を誘発することによって入手可能である。

0154

IPS細胞系はまた、WiCellバンクなどの細胞バンクを介して入手可能である。市販のiPS細胞系の非限定例として、iPS包皮クローン1[WiCellカタログ番号:iPS(包皮)−1−DL−1]、iPSIMR90クローン1[WiCellカタログ番号:iPS(IMR90)−1−DL−1]、およびiPSIMR90クローン4[WiCellカタログ番号:iPS(IMR90)−4−DL−1]が挙げられる。

0155

本発明の一部の実施形態によれば、誘導多能性幹細胞は、ヒト誘導多能性幹細胞である。

0156

本明細書中で使用される場合、用語「拡大する」は、多能性幹細胞の数を培養期間にわたって(少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、50%、100%、200%、500%、1000%以上)増大させることを示す。多能性幹細胞の数は、ただ1個の多能性幹細胞から得ることができるので、多能性幹細胞の増殖能に依存することが理解されるであろう。多能性幹細胞の増殖能は、当該細胞の倍加時間(すなわち、細胞が培養において有糸分裂を受けるために必要とされる時間)と、多能性幹細胞培養が未分化状態で維持され得る期間(これは、それぞれの継代の間の日数が乗じられる継代数に等しい)とによって計算することができる。

0157

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態の方法は、ただ1個の多能性幹細胞(例えば、hESCまたはヒトiPS細胞)を5日で少なくとも8倍拡大すること(例えば、5日で少なくとも16倍、例えば、5日で少なくとも32倍、例えば、5日で少なくとも64倍)を可能にする。

0158

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の一部の実施形態の方法は、ただ1個の多能性幹細胞(例えば、hESCまたはヒトiPS細胞)、または2個〜100個の細胞の小さいクラスターを約1ヶ月のうちに少なくとも28倍拡大すること(例えば、210倍、例えば、214倍、例えば、216倍、例えば、218倍、例えば、220倍)を可能にする。

0159

本明細書中で使用される場合、用語「凝集塊」は、懸濁状態において互いに接着する細胞のクラスターを示す。

0160

本発明の一部の実施形態によれば、細胞凝集塊は、懸濁培養の培地が凝集塊の機械的解離または酵素的解離を何ら用いることなく変えられるとき(例えば、増大されるとき、減少されるとき、または取り替えられるとき)無傷のままである。

0161

本発明の一部の実施形態によれば、多能性幹細胞凝集塊のそれぞれが、少なくとも約200個の細胞(例えば、約200個)を含み、例えば、少なくとも約500個の細胞(例えば、約500個)、少なくとも約600個の細胞(例えば、約600個)、少なくとも約700個の細胞(例えば、約700個)、少なくとも約800個の細胞(例えば、約800個)、少なくとも約900個の細胞(例えば、約900個)、少なくとも約1000個の細胞(例えば、約1000個)、少なくとも約1100個の細胞(例えば、約1100個)、少なくとも約1200個の細胞(例えば、約1200個)、少なくとも約1300個の細胞(例えば、約1300個)、少なくとも約1400個の細胞(例えば、約1400個)、少なくとも約1500個の細胞(例えば、約1500個)、少なくとも約5×103個の細胞(例えば、約5×103個)、少なくとも約1×104個の細胞(例えば、約1×104個)、少なくとも約5×104個の細胞(例えば、約5×104個)、少なくとも約1×105個の細胞(例えば、約1×105個)またはそれ以上を含む。

0162

本明細書中で使用される場合、用語「継代する」は、培養容器における細胞を2つ以上の培養容器に分けることを示し、これには典型的には、新鮮な培地を加えることが含まれる。継代は典型的には、細胞が培養においてある密度に達したときに行われる。

0163

本発明の一部の実施形態によれば、約1×106細胞/ミリリットルの濃度で播種される細胞培養物を静的な三次元培養システムのもとで継代することが、細胞の濃度が約2倍または3倍に増大したとき(例えば、約2×106細胞/ml〜3×106細胞/mlの濃度で)であって、最大約4倍まで増大したとき(例えば、約4×106細胞/mlの濃度で)に行われる。

0164

本発明の一部の実施形態によれば、約1×106細胞/ミリリットルの濃度で播種される細胞培養物を動的な三次元培養システムのもとで継代することが、細胞の濃度が約20倍〜40倍に増大したとき(例えば、約20×106細胞/ml〜40×106細胞/mlの濃度で)であって、最大約50倍まで増大したとき(例えば、約50×106細胞/mlの濃度で)に行われる。

0165

本発明の一部の実施形態によれば、継代には細胞培養における細胞凝集塊の解離を必ずしも必要としない。

0166

本明細書中で使用される場合、表現「機械的解離」は、多能性幹細胞凝集塊を酵素活性ではなく、むしろ物理的な力を用いることによって単一細胞に分離することを示す。

0167

本明細書中で使用される場合、表現「単一細胞」は、多能性幹細胞が、それぞれのクラスターが約200個超の多能性幹細胞を含む細胞クラスターを懸濁培養において形成しない状態を示す。

0168

本発明の一部の実施形態によれば、多能性幹細胞は、それぞれのクラスターが、約150個超、約100個超、約90個超、約80個超、約70個超、約60個超、約50個超、約40個超、約30個超、約20個超、約19個超、約18個超、約17個超、約16個超、約15個超、約14個超、約13個超、約12個超、約11個超、約10個超、約9個超、約8個超、約7個超、約6個超、約5個超、約3個超、約2個超または約1個超の多能性幹細胞を含む細胞クラスターを懸濁培養において形成しない。

0169

本発明の一部の実施形態によれば、複数の多能性幹細胞のそれぞれは、懸濁培養されている間は別の多能性幹細胞に接着しない。

0170

機械的解離のために、多能性幹細胞のペレット(これは細胞の遠心分離によって達成され得る)、または単離された多能性幹細胞凝集塊を、細胞を少量の培地(例えば、0.2ml〜1ml)において上下にピペッティングすることによって解離させることができる。例えば、ピペッティングを、200μlまたは1000μlのピペットのチップを使用して数回(例えば、3回〜20回の間)行うことができる。

0171

加えて、または代わりに、大きい多能性幹細胞凝集塊の機械的解離を、凝集塊を所定のサイズに壊すために設計されたデバイスを使用して行うことができる。そのようなデバイスを、CellArtis(Goteborg、スウェーデン)から得ることができる。加えて、または代わりに、機械的解離を、凝集塊を倒立型顕微鏡で見ながら、ニードル(例えば、27gのニードル(BD Microlance、Drogheda、アイルランド)など)を使用して手作業で行うことができる。

0172

本発明の一部の実施形態によれば、継代は酵素的解離がない条件下で行われる。

0173

本発明の一部の実施形態によれば、懸濁状態での培養は細胞クラスター/凝集塊の酵素的解離がない条件下で行われる。

0174

本発明の一部の実施形態によれば、培養条件は抗アポトーシス剤を使用することを含まない。

0175

本発明の一部の実施形態によれば、培養条件はRho会合キナーゼ(ROCK)阻害剤を使用することを含まない。

0176

本発明の一部の実施形態によれば、培養は少なくとも1回の継代にわたって、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回の継代にわたって、未分化の多能性状態において行われる。

0177

本発明者らは、懸濁培養における多能性幹細胞が、少なくとも約2回、最大約10回の継代にわたって、細胞クラスターの酵素的解離を伴うことなく機械的に継代されるとき、多能性幹細胞が単一細胞様式の細胞成長を取ること(すなわち、多能性幹細胞が、細胞凝集塊としてではなく、単一細胞として拡大されること)を発見している。したがって、下記の実施例の節の実施例3において記載されるように、細胞凝集塊の機械的解離のみによって最初の2回〜10回の継代にわたって継代されながら懸濁状態で培養された細胞は、少なくとも約15回、20回または25回のさらなる継代にわたって、単一細胞様式の拡大を取り、かつ細胞クラスターのさらなる解離を必要とすることなく成長した。

0178

細胞が単一細胞として培養される間、細胞は依然として、細胞の濃度が約1×106細胞/ミリリットル(例えば、5mlのペトリディッシュあたり5×106細胞)を超えるときには希釈されることが必要であることに留意しなければならない。

0179

本明細書中で使用される場合、表現「懸濁培養」は、多能性幹細胞が表面に接着するのではなく、むしろ培地に懸濁される培養を示す。

0180

多能性幹細胞(例えば、hESCおよびiPS細胞など)を培養するいくつかのプロトコルは、半透過性ヒドロゲル膜の内側への細胞のマイクロカプセル化(この場合、半透過性ヒドロゲル膜により、栄養分、ガスおよび代謝産物の、カプセルを取り囲む培地全体との交換を行うことができる)を含むことに留意しなければならない(詳細については、例えば、米国特許出願公開第20090029462号(Beardsley他)を参照のこと)。

0181

本発明の一部の実施形態によれば、懸濁培養で培養される多能性幹細胞は、細胞のカプセル化が行われない。

0182

本発明の一部の実施形態によれば、多能性幹細胞を懸濁状態で培養するための条件は、基体接着がない(例えば、外部の基体(例えば、細胞外マトリックスの成分、ガラスマイクロキャリアまたはビーズなど)への接着がない)ことである。

0183

本発明の一部の実施形態によれば、多能性幹細胞を懸濁状態で培養するための培養培地および/または条件には、タンパク質キャリアが含まれない。

0184

本明細書中で使用される場合、表現「タンパク質キャリア」は、培養中の細胞へのタンパク質または栄養分(例えば、亜鉛などのミネラル)の輸送において作用するタンパク質を示す。そのようなタンパク質キャリアは、例えば、アルブミン(例えば、ウシ血清アルブミン)、Albumax(脂質富化アルブミン)またはプラスマネートヒト血漿単離タンパク質)が可能である。これらのキャリアはヒト供給源または動物供給源のどちらにも由来するので、ヒトiPS細胞培養物のhESCにおけるそれらの使用が、バッチ特異的な変動、および/または病原体への暴露によって制限される。したがって、タンパク質キャリア(例えば、アルブミン)を含まない培養培地が非常に好都合である。これは、そのような培養培地は、組換え材料または合成材料から製造することができる真に定義された培地を可能にするからである。

0185

本発明の一部の実施形態の方法に従って懸濁培養で培養することが、多能性幹細胞を、細胞の生存および増殖を促進させるが分化を制限する細胞密度で培養容器に置床することによって行われる。典型的には、約1×103細胞/ml〜約2×106細胞/mlの間の置床密度(または播種密度)が使用される。バイオリアクターが使用されるとき、バイオリアクターにおいて播種される細胞の濃度は約1×104細胞/mlから約106細胞/mlまでが可能である。幹細胞の単一細胞懸濁物が通常は播種されるが、小さいクラスター(例えば、10個〜200個の細胞など)もまた使用され得ることが理解されるであろう。

0186

多能性幹細胞に懸濁培養中における栄養分および増殖因子の十分かつ一定した供給をもたらすために、培養培地は毎日取り換えることができ、または所定のスケジュールで、例えば、2〜3日毎に取り換えることができる。例えば、培養培地の取り換えを、多能性幹細胞の懸濁培養物を80gでの約3分間の遠心分離に供し、形成された多能性幹細胞ペレットを新鮮な培地に再懸濁することによって行うことができる。加えて、または代わりに、培養培地を一定したろ過または透析に供し、その結果多能性幹細胞への栄養分または増殖因子の一定した供給をもたらす培養システムを用いることができる。

0187

多能性幹細胞を本発明の一部の実施形態の方法に従って懸濁状態で培養するために使用される培養容器は、その中で培養される多能性幹細胞が内部表面に接着または付着することができないように設計された表面(例えば、表面への付着または接着を防止するための非組織培養用の処理されたセル)を有する組織培養容器(例えば、多能性幹細胞を培養するために好適な純度規格を有するもの)のいずれも可能である。好ましくは、スケール変更可能な培養を得るために、本発明の一部の実施形態に従った培養は、様々な培養パラメーター(例えば、温度、撹拌、pHおよびpO2など)が好適なデバイスを使用して自動的に実施される制御された培養システム(好ましくは、コンピューター制御された培養システム)を使用して行われる。培養パラメーターが記録されると、システムは、多能性幹細胞の拡大のために必要とされる培養パラメーターの自動調節のために設定される。

0188

本発明の一部の実施形態によれば、培養は静的(すなわち、非動的)な懸濁培養を含む条件下で行われる。

0189

多能性幹細胞の非動的培養のために、多能性幹細胞は非被覆の58mmのペトリディッシュ(Greiner、Frickenhausen、ドイツ)で培養することができる。例えば、懸濁培養を58mmペトリディッシュで開始するために、多能性幹細胞が1×106細胞/ディッシュ〜5×106細胞/ディッシュの細胞密度で播種される。

0190

非動的な懸濁培養の間、多能性幹細胞は、細胞凝集塊を上記のように解離し、培養物を約1:2〜1:4の比率でさらなる培養容器に分けることによって5〜7日毎に継代することができる。

0191

本発明の一部の実施形態によれば、培養は(例えば、Waveリアクターまたは撹拌型リアクターを使用して)動的な懸濁培養を含む条件下で行われる。

0192

多能性幹細胞の動的培養のために、多能性幹細胞は、制御装置に接続することができ、したがって制御された培養システムをもたらすスピナーフラスコ[例えば、200ml〜1000mlのスピナーフラスコ、例えば、CellSpin(Integra Biosciences、Fernwald、ドイツ)から得ることができる250mlのスピナーフラスコ、Bellco(Vineland、NJ)から得ることができる100mlのスピナーフラスコ、または125mlの三角フラスコ(Corning Incorporated、Corning NY、米国)]において培養することができる。培養容器(例えば、スピナーフラスコ、三角フラスコ)は絶え間なく振とうされる。本発明の一部の実施形態によれば、培養容器は、磁石プレートを使用して40〜110回転/分(rpm)で振とうされ、インキュベーターの中に置かれる。加えて、または代わりに、培養容器は振とう機(S3.02.10L、ELMIltd(Riga、ラトビア))を使用して振とうすることができる。本発明の一部の実施形態によれば、培養培地は1〜3日毎に、例えば、毎日交換される。培地をインペラーによって撹拌し、かつ本発明の一部の実施形態による培養培地における多能性幹細胞の動的培養のために使用することができる他の好適な制御されたバイオリアクターには、Biostat(登録商標)Aplus細胞培養(Sartorius North America、Edgewood、New York、米国)、Cell Liftインペラー(InforsHT、Rittergasse、スイス)を備えるCell Optimizer制御型バイオリアクター(Wheaton Science Products、Millville、NJ、米国)、Informs HT Multifors撹拌型リアクター(Informs GA、CH−4103 Bottmingen、スイス)が含まれる。

0193

加えて、または代わりに、多能性幹細胞の動的培養を、細胞の動力学が波のような動きによって達成される制御されたバイオリアクター、例えば、Biostat(登録商標)Cultibag RM(Sartorius North America、Edgewood、New York、米国)(1リットルに関しては2リットルバッグ)などを使用して達成することができる。リアクターのパラメーターには、傾動速度:10〜16回/分(rpm)、角度:7°、温度:37℃、pH:7〜7.4、O2濃度:50%が含まれ得る。別の好適なバイオリアクターが、WavePodシステム20/50 EH5 Wave Bioreactor(GE Healthcare、米国)であり、これは同じパラメーターを使用する一方で、12日間で70倍の増大を可能にする。さらなる好適なバイオリアクターが、リアクター内における最小限の剪断力を可能にする55mlのRWV/STLVバイオリアクター(Synthecon Incorporated、Houston、TX、米国)である。

0194

例えば、懸濁培養を動的条件下で開始するために、多能性幹細胞が約104細胞/ml〜106細胞/mlの密度で播種される。

0195

動的な懸濁培養の間、多能性幹細胞は、細胞凝集塊を上記のように解離させることによって5〜7日毎に継代することができる。バイオリアクターは大きい容量を有するので、細胞培養はさらなる培養容器にさらに分けられることを必要とせず、培地の添加および/または新鮮な培地による培地の取り換えのみを3〜10日毎に行うことができる。

0196

本発明の教示は、多能性幹細胞株を導出するために使用することができる。

0197

用語「導出する」は、本明細書中で使用される場合、胚性幹細胞株または誘導多能性幹細胞株を少なくとも1個の胚性幹細胞または誘導多能性細胞から作製することを示す。

0198

本明細書中で使用される場合、表現「胚性幹細胞株」は、単一生物のただ1個の胚性幹細胞または一群の胚性幹細胞(例えば、ただ1個のヒト胚盤胞)に由来し、かつ未分化状態および多能性能力を維持しながら培養において増殖することができることによって特徴づけられる胚性幹細胞を示す。

0199

本明細書中で使用される場合、表現「誘導多能性幹細胞株」は、単一生物のただ1個の誘導多能性幹細胞または一群の多能性幹細胞に由来し、かつ未分化状態および多能性能力を維持しながら培養において増殖することができることによって特徴づけられる誘導多能性幹細胞を示す。

0200

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、胚性幹細胞株を導出する方法であって、(a)胚性幹細胞(ESC)を、着床前段階の胚盤胞、着床後段階の胚盤胞および/または胎児の生殖組織から得ること;および(b)前記ESCを、少なくとも2回、最大10回の継代にわたって、ESC凝集塊の単一細胞への機械的解離によって懸濁培養で継代し、それにより凝集塊を含まないESCの懸濁培養物を得ること;および(c)凝集塊を含まないESCの前記懸濁培養物を、凝集塊の解離を伴うことなく継代し、それにより前記胚性幹細胞株を導出することを含む方法が提供される。

0201

胚性幹細胞を、着床前段階の胚盤胞、着床後段階の胚盤胞および/または胎児の生殖組織から得ることは、この技術分野で公知の方法および本明細書中上記で記載されるような方法を使用して行うことができる。

0202

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、胚性幹細胞株を導出する上記方法はさらに、上記ESCを上記未分化状態の上記胚性単一幹細胞の拡大を可能にする条件下で培養することを含む。

0203

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、誘導多能性幹細胞(iPS細胞)株を導出する方法であって、体細胞を多能性幹細胞に誘導すること、および未分化状態の前記誘導多能性幹細胞を本発明の一部の実施形態の方法に従って(例えば、本明細書中上記および下記の実施例の節において記載されるように)拡大し、かつ維持し、それにより前記誘導多能性幹細胞(iPS細胞)株を導出することを含む方法が提供される。

0204

上述されるように、また、下記の実施例の節の表4および実施例9において記載されるように、単一細胞としての懸濁状態で培養される多能性幹細胞のクローニング効率が、抗アポトーシス剤(例えば、ROCK阻害剤など)を使用することなく2次元培養システムで培養されるとき(例えば、MEF上で培養されるとき)の同じ細胞のクローニング効率よりも著しく高い。

0205

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、多能性幹細胞をクローニングする方法が提供される。この方法は、本発明の一部の実施形態の方法に従って得られる単一多能性幹細胞(すなわち、1個の細胞)、または本発明の一部の実施形態の方法に従って得られる単一胚性幹細胞(すなわち、1個の細胞)を、未分化状態の前記単一多能性幹細胞の拡大または前記単一胚性幹細胞の拡大を可能にする条件下での懸濁培養で培養し、それにより前記単一多能性幹細胞または前記胚性幹細胞をクローン培養物に拡大し、それにより前記多能性幹細胞をクローニングすることを含む方法が提供される。

0206

本発明の一部の実施形態によれば、単一細胞懸濁培養物の培養が、細胞凝集塊を解離させることなく行われる。

0207

下記の実施例の節の実施例9において記載されるように、同一アッセイ条件下では、懸濁培養において単一細胞として培養される多能性幹細胞は、凍結−解凍サイクルに対するより大きい耐性(例えば、約80%の生存)を、同じ細胞が2−Dで培養されるとき(例えば、MEF上で培養されるとき、50%までの生存)と比較した場合に有する。

0208

本発明の一部の実施形態によれば、多能性幹細胞は、多能性幹細胞が懸濁培養において単一細胞として培養される場合、少なくとも1サイクル、少なくとも2サイクル、少なくとも3サイクル、少なくとも4サイクル、少なくとも5サイクル、少なくとも6サイクル、少なくとも7サイクル、少なくとも8サイクル、少なくとも9サイクル、少なくとも10サイクル(例えば、10サイクルまで)の凍結/解凍を、その多能性能力を保ちながら、未分化状態の細胞の増殖能を妨げることなく受けることができる。

0209

下記の実施例の節の実施例8において記載されるように、懸濁培養において単一細胞として本発明の一部の実施形態の方法に従って培養される多能性幹細胞は独特発現パターンを示し、この発現パターンはhESCの発現パターンとわずかに異なっているがマウスESCの発現パターンに類似している(TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−;Pera M.F.他、2000.Journal of Cell Science、113、5〜10(ヒト胚性幹細胞、解説)を参照のこと)。したがって、表3および図13Aに示されるように、(細胞凝集塊を含まない)単一細胞としての懸濁培養で培養される多能性幹細胞は、OCT4(多能性のマーカー)を、MEF上で培養される多能性幹細胞におけるOCT4 RNAのレベルと比較した場合、または(例えば、凝集塊あたり約200個〜1×105個を超える細胞を有する凝集塊を用いて)細胞凝集塊としての懸濁培養で培養される多能性幹細胞におけるOCT4 RNAのレベルと比較した場合、有意により大きいレベル(例えば、約8倍より大きいRNAレベル)で発現する。

0210

本発明の一部の実施形態の方法に従って培養される細胞はさらに単離することができる。

0211

したがって、本発明の一部の実施形態の一態様によれば、本発明の一部の実施形態の方法に従って作製され、かつ内胚葉、外胚葉および中胚葉の、胚の各胚葉に分化することができる多能性幹細胞の単離された集団が提供される。

0212

図12A〜図12Jに示されるように、また下記の実施例の節の実施例8において記載されるように、単一細胞としての懸濁状態で培養された多能性幹細胞は、TRA1−60、TRA1−81またはSSEA−4を発現しないが、SSEA1を発現する。

0213

したがって、本発明の一部の実施形態の一態様によれば、OCT4+/TRA1−60−/TRA1−81−/SSEA1+/SSEA4−の発現シグナチャーによって特徴づけられるヒト多能性幹細胞を少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%(例えば、70%)、少なくとも約75%(例えば、75%)、少なくとも約80%(例えば、80%)、少なくとも約81%(例えば、81%)、少なくとも約82%(例えば、82%)、少なくとも約83%(例えば、83%)、少なくとも約84%(例えば、84%)、少なくとも約85%(例えば、85%)、少なくとも約86%(例えば、86%)、少なくとも約87%(例えば、87%)、少なくとも約88%(例えば、88%)、少なくとも約89%(例えば、89%)、少なくとも約90%(例えば、90%)、少なくとも約91%(例えば、91%)、少なくとも約92%(例えば、92%)、少なくとも約93%(例えば、93%)、少なくとも約94%(例えば、94%)、少なくとも約95%(例えば、95%)、少なくとも約96%(例えば、96%)、少なくとも約97%(例えば、97%)、少なくとも約98%(例えば、98%)、少なくとも約99%(例えば、99%)、例えば、100%含む、ヒト多能性幹細胞の単離された集団が提供され、ここでヒト多能性幹細胞は、内胚葉、外胚葉および中胚葉の、胚の各胚葉に分化することができる。

0214

本発明の一部の実施形態によれば、単離された細胞集団は、同一アッセイ条件下では、Rex1、Sox2、EGFR、TGA7、TGA6、ITGA2、CTNNB1、CDH1を、MEF上で培養されるhESCと(同じ桁の範囲内での)匹敵し得るレベルで発現する細胞と、MEF上で培養されるhESCと比較した場合には有意により大きいレベルのFBLN5およびPLXNA2を発現する細胞とを含む。

0215

下記の実施例の節の実施例1および実施例2において記載されるように、本発明者らは、多能性幹細胞を増殖性の未分化状態で維持し、かつ拡大するために使用することができる新規な培養培地を発見している。

0216

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、多能性幹細胞を、二次元培養システムまたは三次元培養システムのもと、フィーダー細胞支持体非存在下、増殖性かつ多能性の未分化状態で維持し、かつ拡大するために好適な定義された培養培地が提供される。

0217

本明細書で使用される表現「培養培地」は、多能性幹細胞の増殖を支持し、それらを未分化状態で維持するのに使用される液体物質を示す。一部の実施形態に従う本発明によって使用される培養培地は、水に基づく培地であることができ、それは、塩、栄養素、ミネラル、ビタミンアミノ酸核酸、タンパク質、例えば、サイトカイン、増殖因子およびホルモンなどの物質の組み合わせを含み、それらのすべては、細胞増殖にとって必要であり、多能性幹細胞を未分化状態で維持する能力を有する。例えば、本発明の一部の実施形態の態様に従う培養培地は、合成組織培養培地、例えば、以下にさらに記載のように、必要な添加物が補充された、Ko−DMEM(Gibco−Invitrogen corporation製品(Grand Island,NY,USA))、DMEM/F12(Biological Industries(Biet Haemek,Israel))、MabADCB培地(HyClone(Utah,USA))、Nutristem(商標)(Biological Industries,Beit HaEmek,Israel;Stemedia(商標)NutriStem(商標)XF/FF培養培地,STEMGENT,USAとしても知られている),TeSR(商標)(StemCell Technologies)およびTeSR2(商標)(StemCell Technologies)でありうる。

0218

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地は、80〜90%の範囲、例えば約85%の濃度のDMEM/F12を含む。

0219

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地は血清を含有しない。

0220

本明細書で使用される表現「血清非含有」は、ヒトまたは動物血清を含まないことを示す。

0221

培養プロトコル上での血清の機能が、培養細胞を、インビボで存在する場合と同様の環境(すなわち、細胞が由来する生物の内部、例えば胚の胚盤胞)に提供することであることは注目されるべきである。しかし、動物源(例えばウシ血清)またはヒト源(ヒト血清)のいずれかに由来する血清の使用は、ドナー個体間(それらから血清が得られる)での血清成分中の有意な差異と異種成分由来混入物を有するリスク(動物血清が使用される場合)とによる制限を受ける。

0222

本発明の一部の実施形態によれば、血清非含有培養培地は、血清またはその一部を含まない。

0223

本発明の一部の実施形態によれば、本発明の血清非含有培養培地は、血清アルブミン(例えば、ヒト血清または動物血清から精製されたアルブミン)を含まない。

0224

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地は、血清代替物を含む。

0225

本明細書で使用される表現「血清代替物」は、血清の機能を、多能性幹細胞に増殖および生存にとって必要とされる成分を提供することによって代替する、限定された製剤を示す。

0226

様々な血清代替物製剤(serum replacement formulation)は、当該技術分野で既知であり、市販されている。

0227

例えば、GIBCO(商標)Knockout(商標)Serum Replacement(Gibco−Invitrogen Corporation(Grand Island,NY,USA)、カタログ番号10828028)は、培養下で未分化ES細胞を増殖および維持するように最適化された、限定された無血清製剤である。GIBCO(商標)Knockout(商標)Serum Replacementの製剤が、動物源に由来するAlbumax(脂質を豊富に含有するウシ血清アルブミン)を含むことは注目されるべきである(国際特許公開番号、国際公開第98/30679号パンフレット(Price P.J.らに付与))。しかし、Crookら、2007年による最近の出版物(Crook J.M.ら、2007年、Cell Stem Cell,1:490−494頁)は、cGMPに基づいて作製されたKnockout(商標)Serum Replacement(Invitrogen Corporation,USA、カタログ番号04−0095)中のFDA承認された臨床グレードの包皮線維芽細胞を使用して生成された6つの臨床グレードのhESC系について記載している。

0228

別の市販されている血清代替物は、Gibco−Invitrogen Corporation,Grand Island,NY USA、カタログ番号12587−010から入手可能である、ビタミンAを有しないB27補給物である。B27補給物は、d−ビオチン脂肪酸遊離画分Vウシ血清アルブミン(BSA)、カタラーゼ、L−カルニチンHCl、コルチコステロンエタノールアミンHC1、D−ガラクトース(Anhyd.)、グルタチオン還元)、組換えヒトインスリンリノール酸リノレン酸プロゲステロンプトレッシン−2−HCl、亜セレン酸ナトリウム超過酸化物不均化酵素、T−3/アルブミン複合体、DLα−トコフェロール、および酢酸DLαトコフェロールを含む血清非含有製剤である。しかし、B27補給物の使用は、それが動物源由来のアルブミンを含むことから、限定される。

0229

本発明の一部の実施形態によれば、血清代替物は動物由来混入物を含まない(全く含有しない)。そのような混入物は、ヒト細胞に感染し得る病原体、動物の細胞成分または無細胞成分(流体)であり得る。

0230

動物由来混入物非含有の血清代替物が、ヒト細胞を培養するために使用されるとき、そのような血清代替物は「異種非含有」であるとして示されることに留意しなければならない。

0231

用語「異種(xeno)」は、ギリシャ語「クセノス(Xenos)」、すなわちストレンジャー(stranger)に基づく接頭辞である。本明細書で使用される表現「異種成分不含(xeno−free)」は、クセノス(すなわち同一でない、外来)種に由来する一切の成分/混入物を含有しないことを示す。

0232

例えば、ヒト細胞と共に使用するための異種成分非含有血清代替物(即ち、動物由来混入物非含有血清代替物)は、インスリン、トランスフェリンおよびセレンの組み合わせを含みうる。それに加え、またはそれに代わり、異種成分非含有血清代替物は、ヒトまたは組換え生成アルブミン、トランスフェリンおよびインスリンを含みうる。

0233

市販の異種成分非含有血清代替物組成物の非限定例として、Invitrogen corporationから入手可能なITS(インスリン、トランスフェリンおよびセレン)の予混合物(ITS,Invitrogen、カタログ番号51500−056);ヒト血清アルブミンヒトトランスフェリンおよびヒト組換えインスリンを含み、かつ、増殖因子、ステロイドホルモングルココルチコイド細胞接着因子、検出可能なIgおよびマイトジェンを含有しないSerum replacement 3(Sigma、カタログ番号S2640)、ヒト由来のタンパク質またはヒト組換えタンパク質のみを含むKnockOut(商標) SR XenoFree(カタログ番号 A10992−01,A10992−02、パート番号12618−012または12618−013,InvitrogenGIBCO)が挙げられる。

0234

本発明の一部の実施形態によれば、ITS(Invitrogen corporation)またはSR3(Sigma)異種成分非含有血清代替製剤は、×1の作用濃度に達するように、1:100比に希釈される。

0235

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地における血清代替物[例えば、KnockOut(商標)SR XenoFree(Invitrogen)]の濃度が約1%[体積/体積(v/v)]から約50%(v/v)までの範囲であり、例えば、5%(v/v)〜約40%(v/v)の範囲、例えば、約5%(v/v)〜約30%(v/v)の範囲、例えば、約10%(v/v)〜約30%(v/v)の範囲、例えば、約10%(v/v)〜約25%(v/v)の範囲、例えば、10%(v/v)〜約20%(v/v)の範囲、例えば、約10%(v/v)、例えば、約15%(v/v)、例えば、約20%(v/v)、例えば、約30%(v/v)である。

0236

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地は、多能性幹細胞を、少なくとも5回の継代にわたって、少なくとも10回の継代にわたって、少なくとも15回の継代にわたって、少なくとも20回の継代にわたって、少なくとも25回の継代にわたって、少なくとも30回の継代にわたって、少なくとも35回の継代にわたって、少なくとも40回の継代にわたって、少なくとも45回の継代にわたって、少なくとも50回の継代にわたって(例えば、培養において少なくとも25日間、50日間、75日間、100日間または250日間)増殖性の多能性未分化状態で維持することができる。

0237

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地は、多能性幹細胞を未分化状態で拡大する能力を有する。

0238

例えば、以下の実施例の節の実施例1に記載のように、hESCまたはヒトiPS細胞は、懸濁培養される場合、二次元培養システムで少なくとも20回の継代にわたって、または三次元培養システムで少なくとも50回の継代にわたって未分化状態で維持されることができた。各継代が5〜7日(例えば144時間)毎に生じ、観察される倍加時間が約25〜36時間であると仮定すると、これらの条件下で培養された単一のhESCまたはヒトiPS細胞は、24〜25個の細胞に(6日以内で)拡大されることができた。制御されたバイオリアクター中で培養された場合、多能性幹細胞の拡大能力は、5日以内で約64倍に増大することに注意すべきである。従って、一ヶ月(即ち720時間)以内の培養で、単一の多能性幹細胞は、220(1×106)個のhESCまたはヒトiPS細胞に拡大されることができる。

0239

本発明者らは、増殖因子の組合せ、すなわち、インターロイキン11(IL11)および毛様体神経栄養因子(CNTF)の組合せ、またはインターロイキン11(IL11)およびオンコスタチンの組合せが、増殖性の未分化多能性状態での多能性幹細胞の成長および拡大を支援するために使用され得ることを発見している。

0240

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、インターロイキン11(IL11)および毛様体神経栄養因子(CNTF)を含む培養培地、またはインターロイキン11およびオンコスタチンを含む培養培地が提供される。

0241

本明細書中で使用される場合、用語「インターロイキン11」は、サイトカインのgp130ファミリータンパク質メンバーを示す(これはまた、AGIFおよびIL−11として知られている)。インターロイキン11[例えば、ヒトIL−11ポリペプチドGenBankアクセション番号NP_000632.1(配列番号32);ヒトIL−11ポリヌクレオチド、GenBankアクセション番号NM_000641.2(配列番号33)]を様々な市販供給元から得ることができ、例えば、R&D Systems、またはPeproTechなどから得ることができる。

0242

本明細書中で使用される場合、用語「毛様体神経栄養因子」(これはまた、HCNTFとして知られている;CNTF)は、その作用が、ある種のニューロン集団における神経伝達物質の合成および神経突起の成長がそれによって促進される神経系に限定されるポリペプチドホルモンを示す。このタンパク質はニューロンおよび乏突起膠細胞のための強力な生存因子であり、炎症性攻撃の期間中における組織破壊を軽減することに関連し得る。CNTF[例えば、ヒトCNTFポリペプチド、GenBankアクセション番号NP_000605.1(配列番号34);ヒトCNTFポリヌクレオチド、GenBankアクセション番号NM_000614(配列番号35)]を様々な市販供給元から得ることができ、例えば、R&D Systems、またはPeproTechなどから得ることができる。

0243

本明細書中で使用される場合、用語「オンコスタチン」(これはまた、OSMオンコスタチンM(OSM)として知られている)は、白血病阻害因子顆粒球コロニー刺激因子およびインターロイキン6を含むサイトカインファミリーのポリペプチドメンバーを示す。オンコスタチン[例えば、ヒトオンコスタチンポリペプチド、GenBankアクセション番号NP_065391.1(配列番号36)または同P13725(配列番号37);ヒトポヌクレオチド、GenBankアクセション番号NM_020530.3(配列番号38)]を様々な市販供給元から得ることができ、例えば、R&D Systemsから得ることができる(例えば、R&D Systemsカタログ番号295−OM−010)。

0244

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地はグリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)阻害剤を含まない。

0245

GSK3阻害剤の限定されない例には、GSK−アルファまたはGSK−ベータの阻害剤、例えば、CHIR 98014、CHIR 99021、AR−AO144−18、SB216763およびSB415286などが含まれる。GSK3阻害剤の例が、Bennett C他、J.Biological Chemistry、第277巻、第34号(2002年8月23日)、30998頁〜31004頁、および、Ring DB他、Diabetes、第52巻(2003年3月)、588頁〜595頁に記載されている(これらのそれぞれが参照によって本明細書中に全面的に組み込まれる)。

0246

本発明の一部の実施形態によれば、IL11が、少なくとも約0.1ng/ml、かつ最大約10ng/mlの濃度で用いられ、例えば、少なくとも約0.2ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.3ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.4ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.5ng/mlの濃度で、少なくとも約0.6ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.7ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.8ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.9ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約1ng/mlの濃度で、例えば、約1ng/mlの濃度で用いられる。

0247

本発明の一部の実施形態によれば、IL11が、約0.5ng/ml〜約5ng/mlの間の濃度で用いられる。

0248

本発明の一部の実施形態によれば、CNTFが、少なくとも約0.1ng/ml、かつ最大約10ng/mlの濃度で用いられ、例えば、少なくとも約0.2ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.3ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.4ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.5ng/mlの濃度で、少なくとも約0.6ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.7ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.8ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.9ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約1ng/mlの濃度で、例えば、約1ng/mlの濃度で用いられる。

0249

本発明の一部の実施形態によれば、CNTFが、約0.5ng/ml〜約5ng/mlの間の濃度で用いられる。

0250

本発明の一部の実施形態によれば、オンコスタチンが、少なくとも約0.1ng/ml、かつ最大約10ng/mlの濃度で用いられ、例えば、少なくとも約0.2ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.3ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.4ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.5ng/mlの濃度で、少なくとも約0.6ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.7ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.8ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約0.9ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約1ng/mlの濃度で、例えば、約1ng/mlの濃度で用いられる。

0251

本発明の一部の実施形態によれば、オンコスタチンが、約0.5ng/ml〜約5ng/mlの間の濃度で用いられる。

0252

本発明の一部の実施形態によれば、IL11およびCNTFを含む培地、またはIL11およびオンコスタチンを含む培地はさらに、血清代替物(例えば、動物由来混入物非含有の血清代替物)を約10%〜約20%の間の濃度で含み、例えば、約15%の濃度で含む。

0253

本発明の一部の実施形態によれば、IL11およびCNTFを含む培養培地、またはIL11およびオンコスタチンを含む培養培地はさらに、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を含む。

0254

塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF、FGF2またはFGF−βとしても既知)は、線維芽細胞増殖因子ファミリーのメンバーである。bFGF[(例えば、ヒトbFGFポリペプチドGenBank登録番号NP_001997.5(配列番号39);ヒトbFGFポリヌクレオチドGenBank登録番号NM_002006.4(配列番号40)は、Cell Sciences(登録商標)(Canton,MA,USA)(例えば、カタログ番号CRF001AおよびCRF001B)、Invitrogen Corporation製品(Grand Island NY,USA)(例えば、カタログ番号:PHG0261、PHG0263、PHG0266およびPHG0264)、ProSpec−Tany TechnoGene Ltd.(Rehovot,Israel)(例えば、カタログ番号:CYT−218)、およびSigma(St Louis,MO,USA)(例えば、カタログ番号:F0291)などの様々な市販源から入手しうる。

0255

IL11およびCNTFを含む培養培地、またはIL11およびオンコスタチンを含む培養培地におけるbFGFの濃度は、少なくとも約4ng/ml、かつ最大100ng/mlであることが可能であり、例えば、少なくとも約5ng/ml、例えば、少なくとも約6ng/ml、例えば、少なくとも約7ng/ml、例えば、少なくとも約8ng/ml、例えば、少なくとも約9ng/ml、例えば、少なくとも約10ng/mlであることが可能である。

0256

IL11およびCNTFを含む培養培地の限定されない例には、下記の実施例の節において記載されるILCNTF培地、NILCNTF培地が含まれ、これらは、増殖性の多能性未分化状態でのhESCおよびiPS細胞の成長を二次元培養システムでは少なくとも12回の継代にわたって、懸濁培養では少なくとも10回の継代にわたって支援することができることが示された。

0257

本発明者らは、IL6RIL6キメラ体が、ヒト多能性幹細胞の未分化状態での成長を支援するために、動物由来混入物を全く含まない培養培地において使用され得ることを発見している。

0258

したがって、本発明の一部の実施形態の一態様によれば、動物由来混入物非含有の血清代替物と、IL6RIL6キメラ体とを含む培養培地が提供される。

0259

本明細書で使用される表現「IL6RIL6キメラ体」は、インターロイキン−6受容体の可溶性部分[IL−6−R、例えば、GenBank登録番号AAH89410(配列番号41)によって示されるヒトIL−6−R;例えば、GenBank登録番号AAH89410のアミノ酸112〜355(配列番号42)によって示される可溶性IL6受容体の一部]およびインターロイキン−6(IL6;例えば、GenBank登録番号CAG29292(配列番号43)によって示されるヒトIL−6)またはその生物活性画分(例えば受容体結合ドメイン)を含むキメラ体ポリペプチドを示す。

0260

IL6RIL6キメラ体を構築するとき、その2つの機能的部分(すなわち、IL6およびその受容体)が互いに直接に融合され得ること(例えば、結合され得るか、または翻訳融合され得ること、すなわち、ただ1つのオープンリーディングフレームによってコードされ得ること)、または好適なリンカー(例えば、ポリペプチドリンカー)を介してコンジュゲートされ得ること(結合され得るか、または翻訳融合され得ること)に留意しなければならない。本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体ポリペプチドは、天然に存在するIL6およびIL6受容体と類似する量およびパターンのグリコシル化を示す。例えば、好適なIL6RIL6キメラ体が、配列番号19および国際公開WO99/02552(Revel M.他)(これは参照によって本明細書中に全面的に組み込まれる)の図11に示される通りである。

0261

血清代替物が動物由来混入物を全く含まないとすれば、さらなる培養培地成分もまた、動物由来混入物を含むことなく選択することができ(例えば、合成物、組換え物、またはヒト起源からの精製物が可能である)、その結果、培養培地全体が動物由来混入物を含まず、臨床/治療目的に好適な、ヒト多能性幹細胞を培養するための異種非含有培地として使用され得ることに留意しなければならない。

0262

本発明者らは、培地が未分化状態の多能性幹細胞の成長を支援し得ることを依然として維持しながら、IL6RIL6キメラ体が高濃度(すなわち、50ng/ml〜150ng/mlの間)または低濃度(すなわち、50pg/ml〜150pg/mlの間)のどちらにおいてでも用いられ得ることを発見している。

0263

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体の濃度は、少なくとも約50ng/ml、かつ最大約350ng/mlであり、例えば、約50ng/ml〜200ng/mlの間であり、例えば、約55ng/ml〜約195ng/mlの範囲、例えば、約60ng/ml〜約190ng/mlの範囲、例えば、約65ng/ml〜約185ng/mlの範囲、例えば、約70ng/ml〜約180ng/mlの範囲、例えば、約75ng/ml〜約175ng/mlの範囲、例えば、約80ng/ml〜約170ng/mlの範囲、例えば、約85ng/ml〜約165ng/mlの範囲、例えば、約90ng/ml〜約150ng/mlの範囲、例えば、約90ng/ml〜約140ng/mlの範囲、例えば、約90ng/ml〜約130ng/mlの範囲、例えば、約90ng/ml〜約120ng/mlの範囲、例えば、約90ng/ml〜約110ng/mlの範囲、例えば、約95ng/ml〜約105ng/mlの範囲、例えば、約98ng/ml〜約102ng/mlの範囲であり、例えば、約100ng/mlのIL6RIL6キメラ体である。

0264

約50ng/ml〜200ng/mlの間のIL6RIL6キメラ体を含む動物由来混入物非含有の培養培地の限定されない例には、cmTeSR2、NCMrb100F、NCM100F、cmV5bおよびcmHA13が含まれる。

0265

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体の濃度は、少なくとも約50pg/ml、かつ最大約150pg/mlであり、例えば、約50pg/ml〜200pg/mlの間であり、例えば、約55pg/ml〜約195pg/mlの範囲、例えば、約60pg/ml〜約190pg/mlの範囲、例えば、約65pg/ml〜約185pg/mlの範囲、例えば、約70pg/ml〜約180pg/mlの範囲、例えば、約75pg/ml〜約175pg/mlの範囲、例えば、約80pg/ml〜約170pg/mlの範囲、例えば、約85pg/ml〜約165pg/mlの範囲、例えば、約90pg/ml〜約150pg/mlの範囲、例えば、約90pg/ml〜約140pg/mlの範囲、例えば、約90pg/ml〜約130pg/mlの範囲、例えば、約90pg/ml〜約120pg/mlの範囲、例えば、約90pg/ml〜約110pg/mlの範囲、例えば、約95pg/ml〜約105pg/mlの範囲、例えば、約98pg/ml〜約102pg/mlの範囲であり、例えば、約100pg/mlのIL6RIL6キメラ体である。

0266

約50pg/ml〜200pg/mlの間のIL6RIL6キメラ体を含む異種非含有の培養培地の限定されない例には、cmTeSR2p、NCMrb100Fp、NCM100Fp、cmV5bpおよびcmHA13pが含まれる。

0267

例えば、IL6RIL6キメラ体を、TeSR(商標)2 Animal Protein−Free Medium(StemCell Technologies、カタログ#05860/05880)培養培地に加えることができる。TeSR(商標)2培地は、組換えヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(rhbFGF)および組換えヒト形質転換増殖因子β(rhTGFβ)を含有する、動物タンパク質非含有かつ血清非含有の定義された完全な配合物である。

0268

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体を含む動物由来混入物非含有の培養培地はさらに、bFGFを含む。

0269

bFGFを低濃度(例えば、約4ng/ml〜20ng/mlの間)または高濃度(例えば、50ng/ml〜150ng/mlの間)のどちらにおいてでも用いることができる。

0270

本発明の一部の実施形態によれば、動物由来混入物非含有の血清代替物と、IL6RIL6キメラ体とを含む培養培地はさらに、bFGFを少なくとも約4ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約5ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約6ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約7ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約8ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約9ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約10ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約15ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約20ng/mlの濃度で含む。そのような培養培地の限定されない例には、cmV5b、NCM100Fp、NCM100FおよびcmV5bpが含まれる。

0271

本発明の一部の実施形態によれば、動物由来混入物非含有の血清代替物と、IL6RIL6キメラ体とを含む培養培地はさらに、bFGFを少なくとも約50ng/ml〜約1μgの濃度で、例えば、約60ng/ml〜約1μg/mlの濃度で、例えば、約70ng/ml〜約500ng/mlの濃度で、例えば、約80ng/ml〜約500ng/mlの濃度で、例えば、約90ng/ml〜約250ng/mlの濃度で、例えば、約50ng/ml〜約200ng/mlの濃度で、例えば、約50ng/ml〜約150ng/mlの濃度で、例えば、約50ng/mlの濃度で、例えば、約60ng/mlの濃度で、例えば、約70ng/mlの濃度で、例えば、約80ng/mlの濃度で、例えば、約90ng/mlの濃度で、例えば、約100ng/mlの濃度で、例えば、約110ng/mlの濃度で、例えば、約120ng/mlの濃度で、例えば、約130ng/mlの濃度で、例えば、約140ng/mlの濃度で、例えば、約150ng/mlの濃度で含む。そのような培養培地の限定されない例には、NCMrb100F、NCMrb100Fp、cmTeSR2、およびcmTeSR2pが含まれる。

0272

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体を含む動物由来混入物非含有の培養培地はさらに、アスコルビン酸を含む。

0273

アスコルビン酸(これはまた、ビタミンCとして知られている)は、抗酸化性を有する糖酸(C6H8O6;分子量、176.12グラムモル)である。本発明の一部の実施形態の培養培地によって使用されるアスコルビン酸は、天然のアスコルビン酸、合成アスコルビン酸、アスコルビン酸塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウムアスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム)、アスコルビン酸のエステル形態(例えば、パルミチン酸アスコルビルステアリン酸アスコルビル)、その機能的誘導体(本発明の培養培地において使用されるとき、同じ活性/機能を示す、アスコルビン酸に由来する分子)、またはその類似体(例えば、本発明の培養培地において使用されるとき、アスコルビン酸について認められる活性と類似する活性を示す、アスコルビン酸の機能的等価体)が可能である。本発明の一部の実施形態の培養培地において使用することができるアスコルビン酸処方物の限定されない例には、L−アスコルビン酸およびアスコルビン酸3−リン酸が含まれる。

0274

アスコルビン酸を様々な製造者から得ることができ、例えば、Sigma(St.Louis、MO、米国)から得ることができる(例えば、カタログ番号:A2218、A5960、A7506、A0278、A4403、A4544、A2174、A2343、95209、33034、05878、95210、95212、47863、01−6730、01−6739、255564、A92902、W210901)。

0275

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体を含む動物由来混入物非含有の培養培地におけるアスコルビン酸の濃度が約25μg/ml〜200μg/mlの間であり、例えば、25μg/ml〜150μg/mlの間、例えば、30μg/ml〜150μg/mlの間、例えば、約40μg/ml〜120μg/mlの間、例えば、約40μg/ml〜100μg/mlの間、例えば、約40μg/ml〜80μg/mlの間、例えば、約40μg/ml〜60μg/mlの間であり、例えば、約50μg/mlである。そのような培養培地の限定されない例には、下記の実施例の節において記載されるcmHA13p培地およびcmHA13培地が含まれる。

0276

本発明の一部の実施形態によれば、IL6RIL6キメラ体を含む動物由来混入物非含有の培養培地はさらに、形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)のイソ型を含む。

0277

本明細書中で使用される場合、表現「形質転換増殖因子ベータ(TGFβ)」は、多くの細胞タイプにおける増殖、分化および他の機能の制御において同じ受容体シグナル伝達系を介して機能する形質転換増殖因子ベータ(β)のイソ型のいずれも示す。TGFβは、形質転換を誘導することにおいて作用し、また負のオートクリン増殖因子としても作用する。

0278

本発明の一部の実施形態によれば、TGFβの用語は、TGFβ1[ヒトTGFβ1のmRNA配列:GenBankアクセション番号NM_000660.4(配列番号44)、ポリペプチド配列:GenBankアクセション番号NP_000651.3(配列番号45)]、TGFβ2[ヒトTGFβ2のmRNA配列:GenBankアクセション番号NM_001135599.1イソ型1(配列番号46)またはGenBankアクセション番号NM_003238.2 イソ型2(配列番号47)、ポリペプチド配列:GenBankアクセション番号NP_001129071.1 イソ型2(配列番号48)またはGenBankアクセション番号NP_003229.1 イソ型2(配列番号49)]、またはTGFβ3[ヒトTGFβ3のmRNA配列:GenBankアクセション番号NM_003239.2(配列番号50)、ポリペプチド配列:GenBankアクセション番号NP_003230.1(配列番号51)]を示す。TGFβのイソ型を様々な市販供給元から得ることができ、例えば、R&D Systems(Minneapolis、MN、米国)およびSigma(St Louis、MO、米国)などから得ることができる。

0279

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地に含まれるTGFβはTGFβ1である。

0280

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地におけるTGFβ1の濃度は約0.05ng/ml〜約1μg/mlの範囲であり、例えば、0.1ng/ml〜約1μg/ml、例えば、約0.5ng/ml〜約100ng/mlである。

0281

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地におけるTGFβ1の濃度は少なくとも約0.5ng/mlであり、例えば、少なくとも約0.6ng/ml、例えば、少なくとも約0.8ng/ml、例えば、少なくとも約0.9ng/ml、例えば、少なくとも約1ng/ml、例えば、少なくとも約1.2ng/ml、例えば、少なくとも約1.4ng/ml、例えば、少なくとも約1.6ng/ml、例えば、少なくとも約1.8ng/ml、例えば、約2ng/mlである。

0282

IL6RIL6キメラ体、bFGFおよびTGFβ1を含む動物由来混入物非含有の培養培地の限定されない例は、下記の実施例の節において記載されるcmV5b、cmV5bp、cmTeSR2およびcmTeSR2pである。

0283

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地に含まれるTGFβはTGFβ1である。

0284

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地におけるTGFβ3の濃度は約0.05ng/ml〜約1μg/mlの範囲であり、例えば、0.1ng/ml〜約1μg/ml、例えば、約0.5ng/ml〜約100ng/mlである。

0285

本発明の一部の実施形態によれば、培養培地におけるTGFβ3の濃度は少なくとも約0.5ng/mlであり、例えば、少なくとも約0.6ng/ml、例えば、少なくとも約0.8ng/ml、例えば、少なくとも約0.9ng/ml、例えば、少なくとも約1ng/ml、例えば、少なくとも約1.2ng/ml、例えば、少なくとも約1.4ng/ml、例えば、少なくとも約1.6ng/ml、例えば、少なくとも約1.8ng/ml、例えば、約2ng/mlである。

0286

本発明の一部の実施形態の一態様によれば、少なくとも約50ng/mlの濃度(例えば、50ng/ml〜200ng/mlの間)のbFGFと、高濃度(例えば、50ng/ml〜200ng/mlの間)または低濃度(例えば、50pg/ml〜200pg/mlの間)のどちらかでのIL6RIL6キメラ体とを含む培養培地が提供される。そのような培養培地の限定されない例には、hESCおよびiPS細胞を二次元培養システムでは少なくとも5回の継代にわたって、三次元培養システムでは少なくとも15回の継代にわたって増殖性の多能性未分化状態で維持することができることが示されたCMrb100F、CMrb100Fp、NCMrb100FおよびNCMrb100Fpの培養培地が含まれる。

0287

本発明者らは、高濃度の可溶性インターロイキン6受容体(sIL6R)およびインターロイキン6(IL6)を含む培養培地が、増殖性の未分化多能性状態での多能性幹細胞の成長を支援するために使用され得ることを発見している。

0288

したがって、本発明の一部の実施形態の一態様によれば、sIL6RおよびIL6を含む培養培地であって、sIL6Rの濃度が少なくとも約5ng/mlであり、かつIL6の濃度が少なくとも約3ng/mlである培養培地が提供される。

0289

本発明の一部の実施形態によれば、sIL6Rの濃度は少なくとも約5ng/mlであり、例えば、少なくとも約6ng/ml、少なくとも約7ng/ml、少なくとも約8ng/ml、少なくとも約9ng/ml、少なくとも約10ng/ml、少なくとも約15ng/ml、少なくとも約20ng/ml、少なくとも約25ng/mlであり、例えば、10ng/ml〜50ng/mlの範囲であり、例えば、20ng/ml〜40ng/mlの間であり、例えば、約25ng/mlである。

0290

本発明の一部の実施形態によれば、IL6の濃度は少なくとも約3ng/mlであり、例えば、少なくとも約4ng/ml、少なくとも約5ng/ml、少なくとも約6ng/ml、少なくとも約7ng/ml、少なくとも約8ng/ml、少なくとも約9ng/ml、少なくとも約10ng/ml、少なくとも約15ng/ml、少なくとも約20ng/ml、少なくとも約25ng/mlであり、例えば、10ng/ml〜50ng/mlの範囲であり、例えば、20ng/ml〜40ng/mlの間であり、例えば、約25ng/mlである。

0291

本発明の一部の実施形態によれば、sIL6RおよびIL6を含む培地はさらに、bFGFを少なくとも約4ng/mlの濃度で、かつ最大100ng/mlの濃度で含み、例えば、少なくとも約5ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約6ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約7ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約8ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約9ng/mlの濃度で、例えば、少なくとも約10ng/mlの濃度で含む。

0292

本発明の一部の実施形態によれば、sIL6RおよびIL6を含む培地はさらに、血清代替物を10%〜30%の間の濃度で含み、例えば、約15%の濃度で含む。血清代替物の濃度は、使用される血清代替物のタイプに依存して変化し得ることに留意しなければならない。

0293

sIL6RおよびIL6を含む培養培地の限定されない例には、下記の実施例の節において記載されるyFIL25培地が含まれる。

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