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技術 スパークプラグの製造方法

出願人 日本特殊陶業株式会社
発明者 天雲祐輔五十嵐智行
出願日 2016年4月22日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2016-085696
公開日 2017年10月26日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2017-195127
状態 特許登録済
技術分野 スパークプラグ
主要キーワード 導電性シール 電波ノイズ 火花ギャップ 電極母材 予備圧縮 相対回転数 回転鏡 高圧ケーブル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月26日)のものです。
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図面 (7)

課題

耐久性に優れる電極を安定に製造できるスパークプラグの製造方法を提供すること。

解決手段

電極母材チップとを重ね合わせた組立体を形成し、中心軸回転軸として組立体を回転する。中心軸上に配置された連続発振レーザ加工ヘッド出射口から組立体へ向けてレーザ光出射し、加工ヘッドと組立体との間に配置される回転鏡によってレーザ光の反射光反射する。中心軸の回りに組立体と逆回転となるように回転鏡を回転させ、反射鏡によって反射光を反射して組立体の加工点照射する。組立体に対する回転鏡の相対回転数が毎分1000回転以上なので、スパッタ等の発生を抑制しつつ、連続する溶融部を組立体の周囲に形成できる。溶融部の大きさが不均一になることを防ぎ、軸方向における溶融部の大きさを小さくできる。

概要

背景

電極母材貴金属を含有するチップとがレーザ溶接により接合された中心電極および接地電極を備えるスパークプラグが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1では、電極母材とチップとの溶接は、電極母材とチップとを重ね合せた組立体を形成した後、組立体の全周に多点から同時にレーザ光照射して行われる。

概要

耐久性に優れる電極を安定に製造できるスパークプラグの製造方法を提供すること。電極母材とチップとを重ね合わせた組立体を形成し、中心軸回転軸として組立体を回転する。中心軸上に配置された連続発振レーザ加工ヘッド出射口から組立体へ向けてレーザ光を出射し、加工ヘッドと組立体との間に配置される回転鏡によってレーザ光の反射光反射する。中心軸の回りに組立体と逆回転となるように回転鏡を回転させ、反射鏡によって反射光を反射して組立体の加工点へ照射する。組立体に対する回転鏡の相対回転数が毎分1000回転以上なので、スパッタ等の発生を抑制しつつ、連続する溶融部を組立体の周囲に形成できる。溶融部の大きさが不均一になることを防ぎ、軸方向における溶融部の大きさを小さくできる。

目的

本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、耐久性に優れる電極を安定に製造できるスパークプラグの製造方法を提供する

効果

実績

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牽制数
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請求項1

中心電極および接地電極の少なくとも一方が、電極母材貴金属を含有するチップとがレーザ溶接により接合されるスパークプラグの製造方法であって、前記電極母材と前記チップとを重ね合わせた組立体を形成する組立工程と、前記チップの中心軸回転軸として前記組立体を回転させる回転工程と、前記中心軸上に配置された連続発振レーザ加工ヘッド出射口から前記組立体へ向けてレーザ光出射し、前記加工ヘッドと前記組立体との間に配置される回転鏡によって前記レーザ光の反射光反射し、その反射光を1枚以上の反射鏡によって反射して前記組立体の加工点照射する照射工程とを備え、前記照射工程は、前記中心軸を回転軸として前記組立体の回転方向とは逆方向に前記回転鏡を回転させ、前記組立体に対する前記回転鏡の相対回転数は毎分1000回転以上であることを特徴とするスパークプラグの製造方法。

請求項2

前記反射鏡は、前記回転鏡と一体に回転することを特徴とする請求項1記載のスパークプラグの製造方法。

請求項3

前記出射口から前記回転鏡までのビーム軸の長さは、前記出射口から前記加工点までのビーム軸の長さの1/2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグの製造方法。

技術分野

0001

本発明はスパークプラグの製造方法に関し、特に耐久性に優れる電極を安定に製造できるスパークプラグの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

電極母材貴金属を含有するチップとがレーザ溶接により接合された中心電極および接地電極を備えるスパークプラグが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1では、電極母材とチップとの溶接は、電極母材とチップとを重ね合せた組立体を形成した後、組立体の全周に多点から同時にレーザ光照射して行われる。

先行技術

0003

特開2003−68421号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら上述した従来の技術では、組立体の全周に多点からレーザ光が照射されるので、レーザ光が照射された部分に、チップ及び電極母材が溶融した溶融部が点状に形成される。組立体の周方向で溶融部の大きさが不均一になるので、溶融部が大きい部分ではチップの先端から溶融部までの寸法が減少する。溶融部はチップに比べて耐火花消耗性が劣るので、チップの先端から溶融部までの寸法が減少すると、耐久性が低下する(チップが火花消耗して溶融部に達すると耐火花消耗性が著しく低下する)という問題点がある。

0005

本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、耐久性に優れる電極を安定に製造できるスパークプラグの製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段および発明の効果

0006

この目的を達成するために請求項1記載のスパークプラグの製造方法によれば、中心電極および接地電極の少なくとも一方を、電極母材と貴金属を含有するチップとをレーザ溶接により接合する。組立工程により、電極母材とチップとを重ね合わせた組立体を形成し、回転工程により、チップの中心軸回転軸として組立体を回転する。

0007

照射工程により、中心軸上に配置された連続発振レーザ加工ヘッド出射口から組立体へ向けてレーザ光を出射し、加工ヘッドと組立体との間に配置される回転鏡によってレーザ光の反射光反射する。中心軸の回りに組立体と逆回転となるように回転鏡を回転させ、1枚以上の反射鏡によって反射光を反射して組立体の加工点へ照射する。組立体に対する回転鏡の相対回転数が毎分1000回転以上なので、スパッタ等の発生を抑制しつつ、連続する溶融部を組立体の周囲に形成できる。溶融部の大きさが不均一になることを防止できると共に、軸方向における溶融部の大きさを小さくできるので、耐久性に優れる電極を安定に製造できる効果がある。

0008

請求項2記載のスパークプラグの製造方法によれば、反射鏡は回転鏡と一体に回転する。従って、中心軸に対する回転鏡および反射鏡の角度を中心軸の周りの各点において逐一調整してレーザ光の焦点の位置を合せなくても、回転鏡の回転を止めた状態で中心軸に対する回転鏡および反射鏡の角度を調整すれば、組立体の全周においてレーザ光の焦点の位置を合せることができる。よって、請求項1の効果に加え、レーザ光の焦点の位置を合せる作業を簡素化できる効果がある。

0009

請求項3記載のスパークプラグの製造方法によれば、出射口から回転鏡までのビーム軸の長さは、出射口から加工点までのビーム軸の長さの1/2以下なので、回転鏡から組立体の加工点までのビーム軸の長さを確保できる。反射鏡を配置する位置等の制約を受けて組立体の形状や大きさ等を制限され難くできるので、請求項1又は2の効果に加え、組立体の形状や大きさ等に関わらず様々な組立体を溶接できる効果がある。

図面の簡単な説明

0010

本発明の一実施の形態におけるスパークプラグの断面図である。
第1実施の形態における溶接装置の斜視図である。
溶接装置の断面図である。
(a)はチップが溶接された中心電極の側面図であり、(b)は従来の中心電極の側面図であり、(c)は従来の中心電極の側面図である。
第2実施の形態における溶接装置の断面図である。
第3実施の形態における溶接装置の断面図である。

実施例

0011

以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態におけるスパークプラグ10の中心軸Oを含む面で切断した断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という。図1に示すようにスパークプラグ10は、主体金具20、接地電極30、絶縁体40、中心電極50、端子金具60及び抵抗体70を備えている。

0012

主体金具20は、内燃機関ねじ穴(図示せず)に固定される略円筒状の部材であり、中心軸Oに沿って貫通する貫通孔21が形成されている。主体金具20は導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。主体金具20は、径方向の外側へ鍔状に張り出す座部22と、座部22より先端側の外周面に形成されたねじ部23とを備えている。

0013

座部22とねじ部23との間に環状のガスケット24が嵌め込まれている。ガスケット24は、内燃機関のねじ穴にねじ部23が嵌められたときに、主体金具20と内燃機関(エンジンヘッド)との隙間を封止する。

0014

接地電極30は、主体金具20の先端に接合される金属製(例えばニッケル基合金製)の電極母材31と、電極母材31の先端に接合されるチップ32とを備えている。電極母材31は、中心軸Oと交わるように中心軸Oへ向かって屈曲する棒状の部材である。チップ32は、白金イリジウムルテニウムロジウム等の貴金属またはこれらを主成分とする合金によって形成される板状の部材であり、レーザ溶接によって中心軸Oと交わる位置に接合されている。

0015

絶縁体40は、機械的特性高温下の絶縁性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材であり、中心軸Oに沿って貫通する軸孔41が形成されている。絶縁体40は、主体金具20の貫通孔21に挿入され、外周に主体金具20が固定されている。絶縁体40は、先端および後端が、主体金具20の貫通孔21からそれぞれ露出している。

0016

軸孔41は、絶縁体40の先端側に位置する第1孔部42と、第1孔部42の後端に連なり後端側へ向かうにつれて拡径する段部43と、段部43の後端側に位置する第2孔部44とを備えている。第2孔部44は、内径が、第1孔部42の内径より大きく設定されている。

0017

中心電極50は、有底筒状に形成された電極母材52の内部に、電極母材52よりも熱伝導性に優れる芯材53を埋設した棒状の電極である。芯材53は銅または銅を主成分とする合金で形成されている。電極母材52は大部分が第1孔部42内に位置する。電極母材52は先端が第1孔部42から露出し、先端にチップ54がレーザ溶接によって接合されている。チップ54は、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム等の貴金属またはこれらを主成分とする合金によって形成される柱状の部材であり、火花ギャップを介して接地電極30のチップ32と対向する。

0018

端子金具60は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の部材であり、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成されている。端子金具60の先端側は絶縁体40の軸孔41内に配置される。

0019

抵抗体70は、スパーク時に発生する電波ノイズを抑えるための部材であり、端子金具60と中心電極50との間の第2孔部44内に配置されている。抵抗体70と中心電極50との間、抵抗体70と端子金具60との間に、導電性を有する導電性シール80,90がそれぞれ配置される。導電性シール80は抵抗体70と中心電極50とにそれぞれ接触し、導電性シール90は抵抗体70と端子金具60とにそれぞれ接触する。この結果、中心電極50と端子金具60とは、抵抗体70と導電性シール80,90とを介して電気的に接続される。

0020

スパークプラグ10は、例えば、以下のような方法によって製造される。まず、絶縁体40の第2孔部44から中心電極50を挿入する。中心電極50は、電極母材52の先端にチップ54が溶接されている。中心電極50は段部43に後端部51が支持され、先端部が軸孔41の先端から外部に露出するように配置される。

0021

次に、導電性シール80の原料粉末を第2孔部44から入れて、後端部51の周囲および後端側に充填する。圧縮用棒材(図示せず)を用いて、第2孔部44に充填した導電性シール80の原料粉末を予備圧縮する。成形された導電性シール80の原料粉末の成形体の上に、抵抗体70の原料粉末を充填する。圧縮用棒材(図示せず)を用いて、第2孔部44に充填した抵抗体70の原料粉末を予備圧縮する。次いで、抵抗体70の原料粉末の上に、導電性シール90の原料粉末を充填する。圧縮用棒材(図示せず)を用いて、第2孔部44に充填した導電性シール90の原料粉末を予備圧縮する。

0022

その後、軸孔41の後端側から端子金具60の先端部61を挿入して、先端部61が導電性シール90の原料粉末に接触するように端子金具60を配置する。次いで、例えば各原料粉末に含まれるガラス成分の軟化点より高い温度まで加熱しつつ、端子金具60の後端側に設けられた鍔部62の先端面が絶縁体40の後端面に当接するまで端子金具60を圧入して、端子金具60の先端部61によって導電性シール80、抵抗体70及び導電性シール90の原料粉末に軸方向の荷重を加える。この結果、各原料粉末が圧縮焼結され、絶縁体40の内部に導電性シール80、抵抗体70及び導電性シール90が形成される。

0023

次に、予め接地電極30が接合された主体金具20を絶縁体40の外周に組み付ける。その後、接地電極30の電極母材31にチップ32を溶接し、接地電極30のチップ32が中心電極50のチップ54と軸方向に対向するように電極母材31を屈曲して、スパークプラグ10を得る。

0024

図2及び図3を参照して、接地電極30や中心電極50を構成する電極母材31,52にチップ32,54を接合する溶接装置100について説明する。図2は第1実施の形態における溶接装置100の斜視図であり、図3は中心軸Oを含む溶接装置100の断面図である。本実施の形態では、溶接装置100を用いて、中心電極50を構成する電極母材52にチップ54をレーザ溶接する場合について説明する。図3では電極母材52の軸方向の一部(後端部51側)の図示が省略されている(図5及び図6において同じ)。

0025

図2に示すように溶接装置100は、円筒状に形成される第1筒部101と、第1筒部101の端部に連接される角筒状の第2筒部102とを備えている。第1筒部101は、第1端が開口する第1開口部103を備え、アーム108により支持されている。第1筒部101は、第1端の周囲にギヤ109が固着されている。ギヤ109は第1モータ(図示せず)が駆動するギヤ(図示せず)に噛み合い、第1モータ(図示せず)の駆動によって第1筒部101及び第2筒部102を回転させる。

0026

図3に示すように溶接装置100は、加工ヘッド110の出射口111から出射するレーザ光112を組立体55の加工点56に照射する装置である。組立体55は、電極母材52とチップ54とを重ね合せたものであり、溶接時にチップ54が電極母材52から離れたりチップ54の位置がずれたりしないように、チャック等の保持装置(図示せず)によってチップ54と電極母材52とが中心軸O方向へ押し付けられる。加工点56は、電極母材52とチップ54との境界付近に設定される。なお、保持装置(図示せず)を使用しなくても良い。その場合には、抵抗溶接等によって予め電極母材52にチップ54を仮止めしておく。

0027

加工ヘッド110は、加工点56にレーザ光112を集光する装置であり、レンズミラー等の集光系(図示せず)が内蔵されており、中心軸O上に配置されている。加工ヘッド110はレーザ発振器(図示せず)から連続発振レーザが伝送され、連続発振レーザのレーザ光112を出射口111から中心軸O上に出射する。

0028

第1筒部101は、加工ヘッド110の出射口111に第1開口部103が対向し、中心軸O上に軸が配置される。第1筒部101は、軸受107を介してアーム108に回転可能に支持されている。第1筒部101は軸受107により支持されるので、アーム108に対してスムーズに回転できる。第2筒部102は、第1端の反対側の第1筒部101の第2端に連接されており、第1筒部101に対して鈍角に交わる。第2筒部102は、中心軸Oを臨む側面に開口する第2開口部104が端部に形成されている。第2筒部102は、第1筒部101との境界に回転鏡105が配置されており、第2開口部104を挟んで中心軸Oの反対側に反射鏡106が配置されている。

0029

回転鏡105は、加工ヘッド110の出射口111から中心軸O上に出射されるレーザ光112を中心軸Oとは異なる方向へ反射する板状の鏡であり、鏡面が中心軸Oに斜めに交わるように加工ヘッド110と組立体55との間に配置される。回転鏡105は、反射鏡106へ向けてレーザ光112の反射光113を反射する。反射鏡106は、反射光113を反射して組立体55の加工点56へ向けて反射光113を照射する板状の鏡であり、鏡面が中心軸Oと平行な直線に斜めに交わるように組立体55の軸直角方向に配置されている。本実施の形態では、第1筒部101と第2筒部102とが一体的に回転し、反射鏡106は回転鏡105と一体に回転する。反射光113は加工点56において中心軸Oに直交する。

0030

組立体55は、第2モータ(図示せず)により中心軸Oの回りに回転する。第2モータ(図示せず)による組立体55の回転方向は、第1モータ(図示せず)による第1筒部101及び第2筒部102の回転方向の反対である。第1筒部101及び第2筒部102と組立体55とを逆方向に回転させることで、組立体55に対する第1筒部101及び第2筒部102(回転鏡105)の相対回転数は毎分1000回転以上に設定されている。

0031

溶接装置100は、加工ヘッド110の出射口111から回転鏡105までのレーザ光112のビーム軸の長さが、出射口111から回転鏡105及び反射鏡106を経て加工点56までのレーザ光112及び反射光113のビーム軸の長さの1/2以下に設定されている。その結果、回転鏡105から組立体55の加工点56までの反射光113のビーム軸の長さを確保できる。組立体55を設置するスペースを確保できるので、反射鏡106を配置する位置等の制約を受けて組立体55の形状や大きさ等を制限され難くできる。よって、組立体55の形状や大きさ等に関わらず様々な組立体55を溶接できる。

0032

次に図3及び図4を参照して、溶接装置100を用いたチップ54の溶接方法について説明する。図4(a)はチップ54が溶接された中心電極50(図1参照)の側面図であり、図4(b)及び図4(c)は従来の中心電極の側面図である。まず、チャック等の保持装置(図示せず)によってチップ54(図3参照)と電極母材52とを中心軸O方向へ押し付け(組立工程)、その状態で組立体55を中心軸O回りに回転する(回転工程)。同様に、組立体55の回転方向とは反対方向に、中心軸Oを回転軸として第1筒部101及び第2筒部102を回転する。

0033

組立体55に対する第1筒部101及び第2筒部102(回転鏡105)の相対回転数が毎分1000回転以上に到達したときに、加工ヘッド110の出射口111からレーザ光112を出射し、組立体55の加工点56に反射光113を照射する(照射工程)。出射口111からレーザ光112を出射する時間は、チップ54の周りを加工点56が少なくとも1周するだけの時間があれば良い。

0034

これにより、図4(a)に示すように、チップ54及び電極母材52が溶融した溶融部57がチップ54の周りに形成される。溶接装置100は、組立体55の加工点56へ連続発振レーザのレーザ光を照射するので、パルス発振レーザを用いる場合に生じ易いスパッタ等を抑制しつつ、連続する溶融部57を組立体55の周囲に形成できる。

0035

さらに、組立体55に対する回転鏡105の相対回転数が毎分1000回転以上なので、組立体55に対するレーザ光の照射時間を著しく短くできる。その結果、組立体55の周方向で溶融部57の大きさ(幅)が不均一になることを防止できると共に、軸方向における溶融部57の大きさを小さく(細く)できる。溶融部57の幅を細くできれば、相対的にチップ54の軸方向の長さL1(チップ54の端面から溶融部57までの距離)を長くできる。チップ54は溶融部57よりも耐火花消耗性が高いので、チップ54の長さL1を確保しつつ溶接不完全部の発生を抑制して、耐久性に優れる中心電極50を安定に製造できる。

0036

これに対し、組立体55に対する第1筒部101及び第2筒部102(回転鏡105)の相対回転数が毎分1000回転未満のときに加工ヘッド110の出射口111からレーザ光112(連続発振レーザ)を出射した場合には、組立体55に対するレーザ光の照射時間が長くなるので、パワーが、相対回転数が毎分1000回転以上のときのレーザ光112のパワーと同じであれば、加工点56におけるエネルギ密度が高くなる。

0037

その結果、図4(b)に示すように、チップ54及び電極母材52が溶融した溶融部58の幅が、溶融部57(図4(a)参照)の幅より広くなる。溶融部58の幅が広くなると、相対的にチップ54の軸方向の長さL2(チップ54の端面から溶融部58までの距離)が短くなる。その結果、第1実施の形態に比べて、火花消耗可能なチップ54の体積が小さくなるので耐火花消耗性が悪化する。

0038

また、加工ヘッド110の出射口111からレーザ光112(パルス発振レーザ)を出射した場合には、連続発振レーザを用いる場合に比べて、中心電極50にスパッタが生じ易くなる。さらに、チップ54の周囲にパルス状のレーザ光が照射されて形成された溶融部59が重ね合されるので、図4(c)に示すように、チップ54の周方向において溶融部59の幅が不均一になり易い。溶融部59の幅が不均一になると、溶融部59の幅の広い部分では、相対的にチップ54の軸方向の長さL3(チップ54の端面から溶融部59までの距離)が短くなる。その結果、第1実施の形態に比べて、火花消耗可能なチップ54の体積が小さくなるので耐火花消耗性が悪化する。

0039

これに対し本実施の形態によれば、連続発振レーザを用いるのでスパッタ等を生じ難くできると共に、組立体55に対するレーザ光の照射時間を短くできるので溶融部57の中心軸O方向の大きさを小さくできる。その結果、チップ54による耐火花消耗性を確保できるので、耐久性に優れる中心電極50を安定に製造できる。

0040

溶接装置100は、反射鏡106が回転鏡105と一体に回転する。従って、中心軸Oに対する回転鏡105及び反射鏡106の角度を中心軸Oの周りの各点において逐一調整してレーザ光112の焦点の位置を組立体55の加工点56の位置に合せなくても良い。回転鏡105の回転を止めた状態で中心軸Oに対する回転鏡105及び反射鏡106の角度を調整してレーザ光112の焦点の位置を組立体55の加工点56の位置に合せれば、チップ54の全周においてレーザ光112の焦点の位置を合せられるからである。よって、反射鏡106が回転鏡105と一体に回転しない場合に比べて、レーザ光112の焦点の位置を合せる作業を簡素化できる。

0041

また、反射鏡106が回転鏡105と一体に回転するので、反射鏡を回転させずに固定し、回転鏡105だけを回転させる場合に比べて、反射鏡の鏡面の面積を小さくできる。反射鏡を回転させずに固定する場合には、反射鏡は、中心軸Oを取り囲む環状の鏡面が必要だからである。よって、本実施の形態によれば、反射鏡を回転させずに固定する場合に比べて、反射鏡に係るコストを削減できる。

0042

ここで、組立体55及び回転鏡105の回転数は、組立体55に対する回転鏡105の相対回転数が毎分1000回転以上になるように、チップ54や電極母材52の材質や大きさ等に応じて適宜設定される。組立体55だけを回転させて組立体55の全周にレーザ光112を照射すると、組立体55の回転数が高くなるにつれて、レーザ光112の照射によって生じる溶融金属飛散したり溶融部57が変形したりし易くなる。しかし、本実施の形態によれば、組立体55及び回転鏡105の双方を回転するので、相対的に組立体55の回転数を低くできる。よって、溶融金属の飛散や溶融部57の変形を抑制できる。

0043

なお、回転鏡105の回転数を組立体55の回転数より高く設定するのが好ましい。組立体55の回転数が高くなると、レーザ光112の照射によって生じる溶融金属が飛散したり溶融部57が変形したりするおそれがあるからである。チップ54や電極母材52の材質や大きさ等にもよるが、組立体55の回転数は毎分150回転を上限とするのが好ましい。

0044

また、加工ヘッド110を固定し、加工ヘッド110の出射口111から出射されるレーザ光112を反射する回転鏡105を回転し、反射鏡106を使って組立体55の周囲に反射光113を照射するので、加工ヘッド110を回転させる場合に比べて、溶接装置100の構成を簡素化できる。加工ヘッド110は1点に固定されているので、加工ヘッドを複数用いて多点からレーザ光を照射する場合に比べて、加工ヘッドの数を削減できる。

0045

回転鏡105及び反射鏡106が固定された第1筒部101及び第2筒部102の質量は、加工ヘッド110の質量に比べて小さくできるので、ギヤ109を介して第1筒部101及び第2筒部102を回転させるモータ(図示せず)は、出力の比較的小さいものを採用できる。中心軸O回りに回転する第1筒部101及び第2筒部102の質量を小さくできるので、第1筒部101及び第2筒部102を比較的短時間で最高回転数(相対回転数1000rpm以上)まで上昇させ、溶接後は比較的短時間のうちに停止させることができる。その結果、組立体55を溶接装置100にセットしてからチップ54を溶接し終えるまでの時間を短くできるので、生産性を向上できる。

0046

次に図5を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、回転鏡105と一体に反射鏡106を回転させる場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、反射鏡124を固定する場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図5は中心軸Oを含む第2実施の形態における溶接装置120の断面図である。

0047

図5に示すように溶接装置120は、加工ヘッド110の出射口111から出射するレーザ光112を組立体55の加工点56に照射する装置である。加工ヘッド110の出射口111に、第1筒部121の第1端に形成された第1開口部103が対向する。第1筒部121は、第1端の反対側の第2端に、回転鏡105を支持する支持部122が連接されている。第1筒部121は、支持部122を臨む側面に開口する第2開口部123が形成されている。第2開口部123は、反射光113を反射鏡124へ照射するための開口である。

0048

反射鏡124は、反射光113を反射して組立体55の加工点56へ向けて反射光113を照射する円環状の鏡であり、中心軸Oを取り囲むように中心軸Oの周囲に配置されている。反射鏡124は、鏡面が中心軸Oと平行な直線に斜めに交わるように組立体55の軸直角方向の外側に配置されている。反射鏡124は、鏡面の内径が、加工ヘッド110から中心軸O方向へ離れるにつれて次第に小さくなるように設定されている。本実施の形態では、反射鏡124は固定部材(図示せず)によって中心軸O回りに固定されている。

0049

組立体55は、第2モータ(図示せず)により中心軸Oを回転軸として回転する。第2モータ(図示せず)による組立体55の回転方向は、第1モータ(図示せず)による第1筒部121の回転方向の反対である。第1筒部121と組立体55とを逆方向に回転させることで、組立体55に対する第1筒部121(回転鏡105)の相対回転数は毎分1000回転以上に設定される。

0050

溶接装置120は、加工ヘッド110の出射口111から回転鏡105までのレーザ光112のビーム軸の長さが、出射口111から回転鏡105及び反射鏡124を経て加工点56までのレーザ光112及び反射光113のビーム軸の長さの1/2以下に設定されている。その結果、第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。

0051

溶接装置120を使ってチップ54を溶接するには、まず、組立体55を中心軸O回りに回転し、組立体55の回転方向とは反対方向に中心軸Oを回転軸として第1筒部121を回転する。組立体55に対する第1筒部121(回転鏡105)の相対回転数が毎分1000回転以上に到達したときに、加工ヘッド110の出射口111からレーザ光112を出射し、組立体55の加工点56に反射光113を照射する。

0052

これにより第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。また、溶接装置120は反射鏡124が固定されているので、中心軸O回りに回転する第1筒部121の質量をより小さくできる。その結果、第1筒部121をさらに短時間で最高回転数(相対回転数1000rpm以上)まで上昇させ、溶接後は短時間のうちに停止させることができる。

0053

次に図6を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施の形態および第2実施の形態では、1枚の鏡によって反射鏡106,124が形成されている場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、2枚の鏡によって反射鏡135が形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図6は中心軸Oを含む第3実施の形態における溶接装置130の断面図である。

0054

図6に示すように溶接装置130は、加工ヘッド110の出射口111から出射するレーザ光112を組立体55の加工点56に照射する装置である。加工ヘッド110の出射口111に、第1筒部131の第1端に形成された第1開口部103が対向する。第1筒部131は、第1端の反対側の第2端に、回転鏡134を支持する支持部132が連接されている。第1筒部131は、支持部132を臨む側面に開口する第2開口部133が形成されている。第2開口部133は、反射光138を反射鏡135へ照射するための開口である。

0055

反射鏡135は、反射光138を反射して組立体55の加工点56へ向けて反射光138を照射する円環状の鏡であり、中心軸O方向に並んで配置される第1鏡136及び第2鏡137を備えている。第1鏡136及び第2鏡137は、中心軸Oを取り囲むように中心軸Oの周囲に配置されており、中心軸Oを臨む鏡面が、中心軸Oと平行な直線に斜めに交わる。第1鏡136は、鏡面の内径が、加工ヘッド110から中心軸O方向へ離れるにつれて次第に大きくなるように設定されている。第2鏡137は、鏡面の内径が、加工ヘッド110から中心軸O方向へ離れるにつれて次第に小さくなるように設定されている。本実施の形態では、反射鏡135は固定部材(図示せず)によって中心軸O回りに固定されている。

0056

組立体55は、第2モータ(図示せず)により中心軸Oの回りに回転する。第2モータ(図示せず)による組立体55の回転方向は、第1モータ(図示せず)による第1筒部131の回転方向の反対である。第1筒部131と組立体55とを逆方向に回転させることで、組立体55に対する第1筒部131(回転鏡134)の相対回転数は毎分1000回転以上に設定される。

0057

溶接装置130は、加工ヘッド110の出射口111から回転鏡134までのレーザ光112のビーム軸の長さが、出射口111から回転鏡134及び反射鏡135を経て加工点56までのレーザ光112及び反射光138のビーム軸の長さの1/2以下に設定されている。その結果、第1実施の形態と同様の作用効果を実現できる。

0058

溶接装置130を使ってチップ54を溶接するには、まず、組立体55を中心軸O回りに回転し、組立体55の回転方向とは反対方向に中心軸Oを回転軸として第1筒部131を回転する。組立体55に対する第1筒部131(回転鏡134)の相対回転数が毎分1000回転以上に到達したときに、加工ヘッド110の出射口111からレーザ光112を出射し、組立体55の加工点56に反射光113を照射する。これにより第2実施の形態と同様の作用効果を実現できる。

0059

以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、電極母材52及びチップ54の形状や寸法などは一例であり適宜設定できる。

0060

上記各実施の形態では、中心電極50を構成する電極母材52にチップ54を溶接する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。接地電極30を構成する電極母材31にチップ32を溶接する場合に、上記各実施の形態を適用することは当然可能である。

0061

上記実施の形態では、抵抗体70が絶縁体40に内蔵されるスパークプラグ10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。抵抗体70を内蔵しないスパークプラグの製造に上記各実施の形態を適用することは当然可能である。

0062

上記第1実施の形態では、1枚の鏡で反射鏡106が構成された溶接装置100について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。2枚以上の鏡で反射鏡を構成することは当然可能である。同様に、上記第2実施の形態では1枚の鏡で反射鏡124が構成された溶接装置120について説明し、上記第3実施の形態では2枚の鏡で反射鏡135が構成された溶接装置130について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。3枚以上の鏡で反射鏡を構成することは当然可能である。

0063

上記各実施の形態では、組立体55の加工点56において、中心軸Oに対して反射光113,138が直交する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。電極母材52及びチップ54の材質や形状、大きさ等に応じて、組立体55の加工点56において、中心軸Oに対して反射光113,138が斜めに交わるように反射光113,138を組立体55に照射することは当然可能である。なお、反射光113,138の焦点の位置は組立体55の表面に合せても良いし、組立体55の表面よりも深いところに合せても良い。

0064

上記各実施の形態では、溶接装置100,120,130の第1筒部101,121,131がギヤ109を含む歯車列によって回転する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。歯車列以外の伝達機構によって、モータ等のアクチュエータ動力を第1筒部101,121,131に伝達して第1筒部101,121,131を回転させることは当然可能である。他の伝達機構としては、ベルトチェーン等が挙げられる。

0065

10スパークプラグ
30接地電極
31電極母材
32チップ
50中心電極
52 電極母材
54 チップ
55組立体
56加工点
105,134回転鏡
106,124,135反射鏡
110加工ヘッド
111出射口
112レーザ光
113,138反射光
O 中心軸

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