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技術 誘導加熱ヘッド、誘導加熱装置及び金属体の検出装置

出願人 宇部興産株式会社国立大学法人山口大学
発明者 田中俊彦山田洋明山田幸治野田勇二郎藤井昌浩古屋敷啓一郎三宅泰弘長尾達也
出願日 2016年4月21日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-084940
公開日 2017年10月26日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-195101
状態 特許登録済
技術分野 熱的手段による材料の調査、分析 誘導加熱一般
主要キーワード 連結端面 微小金属 シート状金属 サーモグラフィ画像 字状コア コアギャップ ステンレス球 連続加熱
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月26日)のものです。
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図面 (11)

課題

微小金属体を効率よく加熱することを可能とする誘導加熱ヘッド誘導加熱装置、及び微小金属体を効率よく検出することを可能とする検査装置を提供すること。

解決手段

一対の脚部4a、4b及びこれら脚部を接続する接続部を有するコアと、一対の脚部のそれぞれに巻回されたコイル3a、3bとを具備し、脚部の先端部は幅方向に突出し、突出部の下面は曲面状に湾曲しており、先端部間にはギャップ6が設けられ、コイルに高周波電流を流すことによりギャップ近傍湾曲磁界が発生し、ギャップ近傍に配置された金属体を加熱することを特徴とする誘導加熱ヘッドが提供される。また、この誘導加熱ヘッドを用いた誘導加熱装置及びこの誘導加熱装置を用いた検査装置が提供される。

概要

背景

従来、誘導加熱を用いた金属体加熱方法としては、電磁コイル中に金属体を配置し、コイル高周波電流を流すことにより磁力線を発生させ、この磁力線の影響により金属体に渦電流が流れることにより加熱する方法がある。しかし、この方法では、微小金属体を加熱することは困難であった。その理由は、電磁コイルと不確定金属材料の距離が大きくなり、金属材料に働く起磁力が小さく発熱が小さい、また金属材料の熱容量が小さいため、エネルギーの吸収(蓄熱)と放熱バランスし、温度の上昇が停止してしまうからである。

微小金属体を誘導加熱する方法として、C型コアギャップの間に金属体を配置し、コアに巻回されたコイルに高周波電流を流すことにより金属体を加熱する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、金属体を磁極間に挟むように配置する方式のため、金属体の形状や大きさに制限があるという問題があった。即ち、電極間に入らない形状やサイズの金属体(例えば、シート状等の広い面積の金属体)を加熱することはできなかった。

シート状の金属体を誘導加熱する方法として、パンケーキコイルからなる誘導加熱ヘッドを用い、その上に金属体を配置して加熱する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法では、コイルから出る磁束がコイル間をまたがる金属を介して磁束が戻る方式のため、金属材料がコイルをまたがない大きさの場合、磁束密度集束せず、効率よくシート状金属体を加熱することは困難であった。特に、微小金属片が分散して含有する樹脂シートなどにおいて、樹脂シート中の微小金属片を加熱し、微小金属片の存在を温度上昇によって検知する場合、磁束密度が微小金属片に集中しないため、投入するエネルギーが大きくなり、効率よく検知することは困難であった。

概要

微小金属体を効率よく加熱することを可能とする誘導加熱ヘッド、誘導加熱装置、及び微小金属体を効率よく検出することを可能とする検査装置を提供すること。一対の脚部4a、4b及びこれら脚部を接続する接続部を有するコアと、一対の脚部のそれぞれに巻回されたコイル3a、3bとを具備し、脚部の先端部は幅方向に突出し、突出部の下面は曲面状に湾曲しており、先端部間にはギャップ6が設けられ、コイルに高周波電流を流すことによりギャップ近傍湾曲磁界が発生し、ギャップ近傍に配置された金属体を加熱することを特徴とする誘導加熱ヘッドが提供される。また、この誘導加熱ヘッドを用いた誘導加熱装置及びこの誘導加熱装置を用いた検査装置が提供される。

目的

本発明の目的は、微小金属体及びシート状体に含まれる金属体を効率よく加熱することを可能とする誘導加熱ヘッドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

一対の脚部及びこれら脚部を接続する接続部を有するコアと、前記一対の脚部のそれぞれに巻回されたコイルとを具備し、前記脚部の先端部は幅方向に突出し、突出部の下面は曲面状に湾曲しており、先端部間にはギャップが設けられ、前記コイルに高周波電流を流すことにより前記ギャップ近傍湾曲磁界を発生させ、前記ギャップ近傍に配置された金属体を加熱することを特徴とする誘導加熱ヘッド

請求項2

前記コアは、一対の脚部の後端が湾曲した接続部により接続されたU字状コアであることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱ヘッド。

請求項3

前記コアは、一対の脚部の後端が他の誘導加熱ヘッドとの連結端面を有する接続部により接続された逆π字状コアであることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱ヘッド。

請求項4

3つの脚部及びこれら脚部を接続する接続部を有するコアと、前記3つの脚部のうち中央の脚部に巻回されたコイルとを具備し、前記中央の脚部の先端部は幅方向に突出し、突出部の下面は曲面状に湾曲しており、前記3つの脚部の先端部間にギャップが設けられ、前記コイルに高周波電流を流すことにより前記ギャップ近傍に湾曲磁界を発生させ、前記ギャップ近傍に配置された金属体を加熱することを特徴とする誘導加熱ヘッド。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の誘導加熱ヘッド、この誘導加熱ヘッドを複数個連結した誘導加熱ヘッド連結体、又はこの誘導加熱ヘッド連結体を複数列平行に配置した誘導加熱ヘッド配列体、及び前記コイルに高周波電流を供給する手段を具備することを特徴とする誘導加熱装置

請求項6

請求項5に記載の誘導加熱装置、及び前記誘導加熱装置により加熱された被検査体に含まれる金属体を検出する手段を具備することを特徴とする金属体検出装置

技術分野

0001

本発明は、誘導加熱ヘッド誘導加熱装置及び金属体検出装置係り、特に金属体を加熱するための誘導加熱ヘッド、この誘導加熱ヘッドを備える誘導加熱装置、及びこの誘導加熱装置を備える金属体の検出装置に関する。

背景技術

0002

従来、誘導加熱を用いた金属体の加熱方法としては、電磁コイル中に金属体を配置し、コイル高周波電流を流すことにより磁力線を発生させ、この磁力線の影響により金属体に渦電流が流れることにより加熱する方法がある。しかし、この方法では、微小金属体を加熱することは困難であった。その理由は、電磁コイルと不確定金属材料の距離が大きくなり、金属材料に働く起磁力が小さく発熱が小さい、また金属材料の熱容量が小さいため、エネルギーの吸収(蓄熱)と放熱バランスし、温度の上昇が停止してしまうからである。

0003

微小金属体を誘導加熱する方法として、C型コアギャップの間に金属体を配置し、コアに巻回されたコイルに高周波電流を流すことにより金属体を加熱する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、金属体を磁極間に挟むように配置する方式のため、金属体の形状や大きさに制限があるという問題があった。即ち、電極間に入らない形状やサイズの金属体(例えば、シート状等の広い面積の金属体)を加熱することはできなかった。

0004

シート状の金属体を誘導加熱する方法として、パンケーキコイルからなる誘導加熱ヘッドを用い、その上に金属体を配置して加熱する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法では、コイルから出る磁束がコイル間をまたがる金属を介して磁束が戻る方式のため、金属材料がコイルをまたがない大きさの場合、磁束密度集束せず、効率よくシート状金属体を加熱することは困難であった。特に、微小金属片が分散して含有する樹脂シートなどにおいて、樹脂シート中の微小金属片を加熱し、微小金属片の存在を温度上昇によって検知する場合、磁束密度が微小金属片に集中しないため、投入するエネルギーが大きくなり、効率よく検知することは困難であった。

先行技術

0005

実開平6−7193号公報
特開2007−315922号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、微小金属体及びシート状体に含まれる金属体を効率よく加熱することを可能とする誘導加熱ヘッドを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記誘導加熱ヘッドを具備し、微小金属体及びシート状体に含まれる金属体を効率よく加熱することを可能とする誘導加熱装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、上記誘導加熱装置を具備し、微小金属体及びシート状体に含まれる金属体を効率よく検出することを可能とする金属体の検出装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明の第1の態様は、一対の脚部及びこれら脚部を接続する接続部を有するコアと、前記一対の脚部のそれぞれに巻回されたコイルとを具備し、前記脚部の先端部は幅方向に突出し、突出部の下面は曲面状に湾曲しており、先端部間にはギャップが設けられ、前記コイルに高周波電流を流すことにより前記ギャップ近傍湾曲磁界を発生させ、前記ギャップ近傍に配置された金属体を加熱することを特徴とする誘導加熱ヘッドを提供する。

0008

以上のように構成される本発明の第1の態様に係る誘導加熱ヘッドにおいて、前記コアを、一対の脚部の後端が湾曲した接続部により接続されたU字状コアとすることができる。
また、前記コアを、一対の脚部の後端が他の誘導加熱ヘッドとの連結端面を有する接続部により接続された逆π字状コアとすることができる。

0009

本発明の第2の態様は、3つの脚部及びこれら脚部を接続する接続部を有するコアと、前記3つの脚部のうち中央の脚部に巻回されたコイルとを具備し、前記中央の脚部の先端部は幅方向に突出し、突出部の下面は曲面状に湾曲しており、前記3つの脚部の先端部間にギャップが設けられ、前記コイルに高周波電流を流すことにより前記ギャップ近傍に湾曲磁界を発生させ、前記ギャップ近傍に配置された金属体を加熱することを特徴とする誘導加熱ヘッドを提供する。

0010

本発明の第3の態様は、上述の誘導加熱ヘッド、この誘導加熱ヘッドを複数個連結した誘導加熱ヘッド連結体、又はこの誘導加熱ヘッド連結体を複数列平行に配置した誘導加熱ヘッド配列体、及び前記コイルに高周波電流を供給する手段を具備することを特徴とする誘導加熱装置を提供する。

0011

本発明の第4の態様は、上述の誘導加熱装置、及び前記誘導加熱装置により加熱された被検査体に含まれる金属体を検出する手段を具備することを特徴とする金属体検出装置を提供する。

発明の効果

0012

本発明の第1〜第3の態様によれば、微小金属体及びシート状体に含まれる金属体を効率よく加熱することができる。
第1の態様は、単体で小さい面積の微小金属及びシート状体に含まれる金属を加熱することに有効である。また、第2の態様は、帯状体若しくはシート状体をギャップに対して直角に配列して加熱することに有効である。更に、第3の態様は、第2の態様の誘導加熱ヘッドを更にギャップに対して直角に配列したものを千鳥状に配列することで、面状に加熱することに有効である。
また、本発明の第4の態様によれば、金属体及びシート状体に含まれる金属体を効率よく検出するができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱ヘッドを示す模式図。
図1に示す誘導加熱ヘッドを2つ連結した誘導加熱装置の湾曲磁界分布を示す特性図。
本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱ヘッドを示す模式図。
図3に示す誘導加熱ヘッドを3つ連結した誘導加熱ヘッド連結体からなる誘導加熱装置を示す正面図。
図4に示す誘導加熱装置の湾曲磁界分布を示す特性図。
本発明の第3の実施形態に係る誘導加熱ヘッドを示す模式図。
図6に示す誘導加熱ヘッドを3つ連結した誘導加熱ヘッド連結体からなる誘導加熱装置を示す正面図。
図7に示す誘導加熱装置の湾曲磁界分布を示す特性図。
図6に示す誘導加熱ヘッド連結体を3つ平行に配列した誘導加熱ヘッドマトリクス状配列体からなる誘導加熱装置を示す平面図。
本発明の第4の実施形態に係る金属体の加熱装置を示す模式図。

実施例

0014

以下、本発明の種々の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱ヘッドを示す正面図である。図1に示す誘導加熱ヘッド1は、U字状コア2とコイル3a,3bとから構成される。この誘導加熱ヘッド1と、コイル3a,3bに高周波電流を供給する高周波電源(図示せず)により誘導加熱装置が構成される。U字状コア2は、一対の脚部4a,4bを有し、これらの脚部4a,4bの上部にコイル3a,3bが巻回されている。

0015

また、これら一対の脚部4a,4bのそれぞれの先端部5a,5bの間には、ギャップ6が形成されている。先端部5a,5bは、一対の脚部4a,4bよりも広い幅を有し、即ち、幅方向に突出してラッパ状に拡張し、それによってギャップ6は狭くされている。また、突出部の下面は曲面状に湾曲している。

0016

このような形状のU字状コア2では、ギャップ6とコア2の下部との距離が遠いため、コア2の下部の磁気抵抗が増加する。そのため、ギャップ6の上部に磁気の流れが集約され、ギャップ6の上部の角に磁束が集中する。その結果、図1に示すように、湾曲磁界7が発生する。
そのため、湾曲磁界7が作用するギャップ6のやや上方に微小な金属体8を配置すると、金属体8に渦電流が発生し、金属体8自体が有する抵抗により金属体8は発熱し、加熱される。この場合、磁束の集中により金属体8へのピンポイント加熱が可能である。これが本発明における誘導加熱の原理である。

0017

図2は、図1に示す誘導加熱ヘッド1を2つ(誘導加熱ヘッド1A、1B)連結した誘導加熱装置において、先端部から3mm上方における磁束密度の位置による変化を表す磁束密度分布を示す特性図である。位置は、下に記載されている2つの誘導加熱ヘッド1A,1Bに対応している。
図2において、曲線は、電磁界解析ソフトJMAGを用いてシミュレートされた湾曲磁界分布を示し、丸い黒点実験値を示す。図2から、誘導加熱ヘッド1A,1Bの連結により、2つの誘導加熱ヘッド1A,1Bの間においても漏れ磁束が増加し、湾曲磁界が拡大していることがわかる。

0018

本実施形態に係る誘導加熱装置によると、ギャップ6の上部に発生した交番磁束指向性を有するため、小さい金属体に対するピンポイント加熱が可能である。また、誘導加熱ヘッド1を複数個連結することにより、ギャップ6の外に発生した湾曲磁界を拡大することができるため、小さい金属体に限らず、大きな金属体の加熱にも適用可能である。
図1に示す誘導加熱ヘッド1において、U字状コア2の厚さを薄くし、銅板を挟んで複数のU字状コア2を積層することにより、コアの均熱及び放熱が促進され、長時間の連続加熱が可能となる。

0019

また、図1に示すように、コイル3a,3bを一対の脚部4a,4bの上部に均等に巻回することにより、下部の中央部で一括で巻いた場合に比べ、より強力な交番磁束を発生させることができ、それによってより効率のよい誘導加熱が可能である。また、コアの発熱においても、脚に分散され優位となる。
図1に示す誘導加熱ヘッド1を2つ(誘導加熱ヘッド1A,1B)連結した誘導加熱装置を用い、U字状コア2の先端部5a,5bの上方3mmの位置にポリイミドフィルム(40mm×165mm)を配置し、その上に直径1mmのステンレス(SUS304)球を1列9個ずつ、3列等間隔に配置し、5秒間加熱し、ポリイミドフィルムのサーモグラフィ画像撮影したところ、すべてのステンレス球の発熱を検出することが出来た。

0020

図3は、本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱ヘッドを示す正面図である。この誘導加熱ヘッド10は、逆π字状コア12及びコイル13a,13bから構成される。この誘導加熱ヘッド10と、コイル13a,13bに高周波電流を供給する高周波電源(図示せず)により誘導加熱装置が構成される。逆π字状コア12は、一対の脚部14a,14bと、これら脚部14a,14bを接続する接続部11とを有し、一対の脚部14a,14bの上部にコイル13a,13bが巻回されている。また、これら一対の脚部14a,14bのそれぞれの先端部15a,15bの間には、ギャップ16が形成されている。一対の脚部14a,14bのそれぞれの先端部15a,15bは、図1に示す先端部5a,5bと同様に、一対の脚部14a,14bよりも広い幅を有し、即ち、幅方向に突出してラッパ状に拡張し、それによってギャップ16は狭くされている。また、突出部の下面は曲面状に湾曲している。

0021

図4は、図3に示す誘導加熱ヘッド10を3個(誘導加熱ヘッド10A,10B,10C)、一列に連結した誘導加熱装置を示す図である。このような誘導加熱装置において、誘導加熱ヘッド10A,10B,10Cの隣接する接続部11同士は、密着させる構造としている。この構造により、コアギャップ(16)とコア間(10Aと10Bの間)に形成されるギャップの距離も安定的に等しくでき、また、隣接のコアと下部で磁気結合が行えるため磁気抵抗も同等となり、発生する湾曲磁界17と18が等しくなる。
図4に示す誘導加熱装置において、コイル13a,13bに高周波電源から高周波電流を流すと、先端部15a,15bのギャップ16に湾曲磁界17が発生する。この場合、先端部15a,15bがラッパ状に拡張されているため、隣接するコア間にも漏れ磁界18が発生する。従って、一列に配列された誘導加熱ヘッド10の先端部15a,15bの上に細長い金属体を配置すると、広範囲にわたって細長い金属体に渦電流が流れ、それによって広範囲にわたって金属体が発熱し、加熱される。

0022

図4に示す誘導加熱装置のコイル13a,13bに1MHzの高周波電流を流し、各コイルに13a、3bに100ATの起磁力を生じさせた場合の、誘導加熱ヘッド10A,10B、10Cの上方3mmにおける磁束密度の位置による変化を表す磁束密度分布を図5に示す。図5に示す磁束密度分布は、電磁界解析ソフトANSYS HFSSを用いたシミュレーションの結果である。図5から、図2に示す結果と同様、誘導加熱ヘッド10A,10B,10Cの連結により、3つの誘導加熱ヘッド10A,10B,10Cのそれぞれの間においても漏れ磁束が増加し、湾曲磁界が拡大していることがわかる。さらに、接続部11同士を密着させたため、前述の理由により、図5のコア間(図4中18)の磁束密度が図2より大きくなっており、広範囲にわたって金属体を効率よく加熱することが可能である。

0023

図6は、本発明の第3の実施形態に係る誘導加熱ヘッドを示す。この誘導加熱ヘッドは、山形コア22及びコイル23から構成される。この誘導加熱ヘッド20と、コイル23に高周波電流を供給する高周波電源(図示せず)により誘導加熱装置が構成される。山形コア22は、3つの脚部24a,24b,24cと、これら3つの脚部24a,24b,24cを連結する接続部21を有している。コイル23は、中央の脚部24bにのみ巻回され、両側の脚部24a,24cには巻回されていない。また、これら3つの脚部24a,24bのそれぞれの先端部25a,25b,25cの間には、ギャップ26a,26bが形成されている。

0024

3つの脚部24a,24b,24cの先端部25a,25b,25cのうち中央の先端部25bの幅は、中央の脚部24bよりも広い幅を有し、即ち、幅方向に突出してラッパ状に拡張し、それによってギャップ26a,26bは狭くされている。また、突出部の下面は曲面状に湾曲している。
なお、両側の脚部24a,24cの幅は、複数の誘導加熱ヘッドを連結した場合に、隣接する誘導加熱ヘッドの脚部の幅との合計が中央の脚部24bの幅と同一となるように、中央の脚部24bの幅の2分の1としている。

0025

図7は、図6に示す誘導加熱ヘッド20を3個(誘導加熱ヘッド20A,20B,20C)、一列に連結した誘導加熱ヘッド連結体からなる誘導加熱装置を示す正面図である。このような誘導加熱装置において、誘導加熱ヘッド20A,20B,20Cの隣接する脚部24a,24c及び接続部21は、密着している。
図7に示す誘導加熱装置において、コイル23に高周波電流を流すと、先端部25a,25b,25c間のギャップ26a,26bに湾曲磁界27が発生する。この場合、中央の先端部25bがラッパ状に拡張されているため、隣接するコア間及び前後のコア間にも漏れ磁界が発生する。また、この誘導加熱ヘッドは、山形の中央にコイルを巻くことにより、中央部の25aの中心部の磁束の落ち込みが他と比べて小さくなっており、より広範囲での加熱に有効である。従って、誘導加熱ヘッド20A,20B,20Cの先端部25a,25b,25cの上に微小金属体を含むシート状体を配置すると、広範囲にわたって金属体に渦電流が流れ、それによって広範囲にわたって金属体が発熱し、加熱される。

0026

図7に示す誘導加熱装置のコイル23に1MHzの高周波電流を流し、各コイルに200ATの起磁力を生じさせた場合の、誘導加熱ヘッド20A,20B,20Cの上方3mmにおける磁束密度の位置による変化を表す磁束密度分布を図8に示す。図8に示す磁束密度分布は、電磁界解析ソフトANSYS HFSSを用いたシミュレーションの結果である。図8から、図5に示す結果と同様、誘導加熱ヘッド20A,20B,20Cの連結により、3つの誘導加熱ヘッド20の間においても漏れ磁束が増加し、湾曲磁界が拡大していることがわかる。

0027

図9は、図7に示す誘導加熱ヘッド連結体を3列、平行に配列した、即ち、図6に示す誘導加熱ヘッド20をマトリクス状に配列した誘導加熱ヘッド配列体からなる誘導加熱装置を示す平面図である。このようなマトリクス状配列の誘導加熱装置は、面状の加熱が可能であり、広い面積の被加熱体に対して加熱処理を行うことができる。また、微小金属体を含む樹脂シート等において、微小金属体の加熱が可能である。さらに、図7中の25cにコイルを巻かない構造とすることにより、図4に示す誘導加熱ヘッド連結体よりもマトリクス状に配置した際に各列間の距離を短くすることが可能である。そのため、各列間にも湾曲磁界が発生し、広い面積の被加熱体を効率よく加熱することが可能となる。

0028

以上説明した第1〜第3の実施形態にかかる誘導加熱ヘッドを用いた誘導加熱装置において、コイルに流す高周波電流の周波数は、100kHz以上が好ましいが、更に有効な加熱を行う観点から、100kHz〜100MHzがより好ましく、100kHz〜10MHzがより更に好ましく、500kHz〜2MHzが最も好ましい。
加熱温度は、特に限定されず、加熱の用途に応じて、室温〜1500℃の加熱が可能である。

0029

図10は、本発明の第4の実施形態に係る金属の検査装置の概略を示す図である。図10において、参照符号30は、上述した第1〜第3の実施形態に係る誘導加熱ヘッドを用いた誘導加熱装置のいずれかを示す。誘導加熱装置30の上には樹脂フィルム31が水平に走行し、誘導加熱装置30を作動させると、樹脂フィルム31中に含まれる微小な金属体32が加熱される。

0030

樹脂フィルム31の走行方向下流には赤外線検出器33が配置されており、この赤外線検出器33により金属体32の発熱が検出される。本実施形態に係る検査装置によると、約1.0mmの径の微小な金属体の検出が可能である。
また、図10に示す検査装置によると、特に誘導加熱装置として図9に示すような誘導加熱ヘッドをマトリクス状に配列した誘導加熱装置を用いた場合に、樹脂シートのような広い面積の被検査体中の微小金属体を効率よく検出することが可能である。

0031

以上説明した誘導加熱装置及び検査装置の対象である金属体は、球形、円筒状、ウィスカー状等、その形態は問わない。金属体の材質の種類は特に限定されず、広範な用途に使用される、鉄、鋼、ステンレス、真鍮、銅、アルミニウム、及びこれらの1種以上を含む合金を用いることができる。

0032

1,10,20…誘導加熱ヘッド
2…U字状コア
3a,3b,13a,13b,23a,23b…コイル
4a,4b,14a,14b,24a,24b,24c…脚部
5a,5b,15a,15b,25a,25b,25c
6,16,26a,26b…ギャップ
7,17,18,27…湾曲磁界
8…金属体
11,21…接続部
12…逆π字状コア
22…山形コア
30…誘導加熱装置
31…樹脂フィルム
32…金属体
33…赤外線検出器

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