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技術 機械装置、および機械装置の製造方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 細川義浩堀内弥猿田祐輔
出願日 2016年4月22日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-085773
公開日 2017年10月26日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-194880
状態 特許登録済
技術分野 防振装置 機械的変量の制御(その他)
主要キーワード 駆動機構制御装置 方向群 非駆動軸 駆動制御器 応答帯域 直線駆動装置 振動周波数成分 駆動軸方向
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この項目の情報は公開日時点(2017年10月26日)のものです。
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図面 (18)

課題

振動を抑制しつつワインドアップを抑えることができる機械装置を提供すること。

解決手段

機械装置の振動と当該振動の方向を検出する振動検出器と、複数の駆動機構をそれぞれ制御する複数の駆動機構制御装置とを備え、複数の駆動機構制御装置はそれぞれ、駆動パターン生成部と、この駆動パターン生成部で生成された駆動パターンの信号をフィルタリングする周波数フィルタとを有し、周波数フィルタを、振動検出器で検出された振動のうち、複数の駆動機構の駆動軸の方向のいずれの方向とも異なる非駆動軸の方向の振動の周波数の信号を抑制する周波数フィルタとした。

概要

背景

一般に、空間を2次元走査する機能を有する機械装置は、複数の駆動軸で構成される。この駆動軸は通常、アクチュエータで駆動される。また、アクチュエータの制御方式として、検出器(例えばエンコーダー)の値を利用しないフィードフォワード方式と検出器の値を利用するフィードバック方式がある。

このような機械装置において、機械装置を駆動すると、(駆動部質量)×(駆動部加速度)により決まる反力の作用により、該機械装置の筐体等の構造体機械要素)が振動する。これらの構造体の振動は機械装置における駆動部の位置決精度に悪影響を及ぼすので、このような振動の発生を抑制することが要求される。

そこで上述のような振動の発生を抑制するために、従来は、振動が減衰するまで待って作業する、構造体が振動しないように機械装置の駆動部を低速で駆動させる、動吸振器を取り付ける、いわゆるアクティブ制振を行なう、等によって必要精度を出すようにしていた。また機械装置の駆動パターン周波数成分に分解し、構造体の固有振動周波数に該当する周波数成分を減衰させ、代わりに機械装置の駆動パターンが有する周波数成分を増加させることにより、機械装置自体の振動を抑制する方法(例えば、特許文献1)が提案されている。

概要

振動を抑制しつつワインドアップを抑えることができる機械装置を提供すること。機械装置の振動と当該振動の方向を検出する振動検出器と、複数の駆動機構をそれぞれ制御する複数の駆動機構制御装置とを備え、複数の駆動機構制御装置はそれぞれ、駆動パターン生成部と、この駆動パターン生成部で生成された駆動パターンの信号をフィルタリングする周波数フィルタとを有し、周波数フィルタを、振動検出器で検出された振動のうち、複数の駆動機構の駆動軸の方向のいずれの方向とも異なる非駆動軸の方向の振動の周波数の信号を抑制する周波数フィルタとした。

目的

本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、振動を抑制しつつワインドアップを抑えることができる機械装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の駆動機構を備えた機械装置において、前記機械装置の振動と当該振動の方向を検出する振動検出器と、前記複数の駆動機構をそれぞれ制御する複数の駆動機構制御器とを備え、前記複数の駆動機構制御器はそれぞれ、駆動機構駆動パターン生成部と、この駆動機構駆動パターン生成部で生成された駆動パターンの信号をフィルタリングする周波数フィルタとを有し、前記周波数フィルタは、前記振動検出器で検出された振動のうち、前記複数の駆動機構の駆動軸の方向のいずれの方向とも異なる非駆動軸の方向の振動の周波数の信号を抑制する周波数フィルタであることを特徴とする機械装置。

請求項2

前記複数の駆動機構制御器はそれぞれの駆動機構の駆動方向を検出する駆動機構駆動方向検出器を備え、前記周波数フィルタから出力されるそれぞれのフィルタリングされた信号と前記駆動機構駆動方向検出器により検出される信号の誤差増幅してフィードバック制御を行う駆動機構制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の機械装置。

請求項3

それぞれの前記駆動機構制御部の少なくとも一つの前記駆動機構制御部に制御部周波数フィルタを備え、前記非駆動軸の方向の振動の周波数のうち、予め設定された周波数以上の周波数の信号を、前記制御部周波数フィルタにより抑制するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の機械装置。

請求項4

複数の駆動機構を備えた機械装置であって、前記機械装置の振動と当該振動の方向を検出する振動検出器と、前記複数の駆動機構をそれぞれ制御する複数の駆動機構制御器とを備え、前記複数の駆動機構制御器はそれぞれ、駆動機構駆動パターン生成部と、この駆動機構駆動パターン生成部で生成された駆動パターンの信号をフィルタリングする周波数フィルタとを有する機械装置において、前記複数の駆動機構を同時に駆動して、前記振動検出器により検出される振動の周波数のうち、前記複数の駆動機構の駆動軸の方向のいずれの方向とも異なる非駆動軸の方向の振動の周波数である抽出振動周波数を抽出するステップと、前記複数の駆動機構制御器のそれぞれの前記周波数フィルタを、それぞれの駆動機構を順次単独で駆動して、前記振動検出器により検出される振動の周波数のうち、前記抽出振動周波数と同一の周波数の信号を抑制する周波数フィルタとするステップとを実行する周波数フィルタ設定部を備えたことを特徴とする機械装置。

請求項5

前記駆動機構の数が2であり、前記非駆動軸が前記駆動機構のそれぞれの駆動軸に垂直な面となす角度をそれぞれαA、αBとし、βを0より大きく1以下の実数としたとき、(sin(αA)+sin(αB))/2<βを満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の機械装置。

請求項6

複数の駆動機構を備えた機械装置であって、前記機械装置の振動と当該振動の方向を検出する振動検出器と、前記複数の駆動機構をそれぞれ制御する複数の駆動機構制御器とを備え、前記複数の駆動機構制御器はそれぞれ、駆動機構駆動パターン生成部と、この駆動機構駆動パターン生成部で生成された駆動パターンの信号をフィルタリングする周波数フィルタとを有する機械装置の製造方法において、前記複数の駆動機構を同時に駆動して、前記振動検出器により検出される振動の周波数のうち、前記複数の駆動機構の駆動軸の方向のいずれの方向とも異なる非駆動軸の方向の振動の周波数である抽出振動周波数を抽出するステップと、前記複数の駆動機構制御器のそれぞれの前記周波数フィルタを、それぞれの駆動機構を順次単独で駆動して、前記振動検出器により検出される振動の周波数のうち、前記抽出振動周波数と同一の周波数の信号を抑制する周波数フィルタとするステップとを含むことを特徴とする機械装置の製造方法。

請求項7

前記駆動機構の数が2であり、前記非駆動軸が前記駆動機構のそれぞれの駆動軸に垂直な面となす角度をそれぞれαA、αBとし、βを0より大きく1以下の実数としたとき、(sin(αA)+sin(αB))/2<βを満足することを特徴とする請求項6に記載の機械装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、機械装置の駆動に伴って振動する機械要素を有する機械装置の制振方法に関するものである。

背景技術

0002

一般に、空間を2次元走査する機能を有する機械装置は、複数の駆動軸で構成される。この駆動軸は通常、アクチュエータで駆動される。また、アクチュエータの制御方式として、検出器(例えばエンコーダー)の値を利用しないフィードフォワード方式と検出器の値を利用するフィードバック方式がある。

0003

このような機械装置において、機械装置を駆動すると、(駆動部質量)×(駆動部加速度)により決まる反力の作用により、該機械装置の筐体等の構造体(機械要素)が振動する。これらの構造体の振動は機械装置における駆動部の位置決精度に悪影響を及ぼすので、このような振動の発生を抑制することが要求される。

0004

そこで上述のような振動の発生を抑制するために、従来は、振動が減衰するまで待って作業する、構造体が振動しないように機械装置の駆動部を低速で駆動させる、動吸振器を取り付ける、いわゆるアクティブ制振を行なう、等によって必要精度を出すようにしていた。また機械装置の駆動パターン周波数成分に分解し、構造体の固有振動周波数に該当する周波数成分を減衰させ、代わりに機械装置の駆動パターンが有する周波数成分を増加させることにより、機械装置自体の振動を抑制する方法(例えば、特許文献1)が提案されている。

先行技術

0005

特開2003−208230号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上述の振動が減衰するまで待つ、あるいは低速で移動させる等の方法では、作業時間が長くなり効率が低下する。また動吸振器を設けたり、アクティブ制振を行ったりする方法では、高価な装置と高度な専門知識が必要となり、コストアップ要因となる。

0007

特許文献1の方式では、複数の駆動軸を有しかつ機械装置の共振周波数が複数存在するような複雑な機械装置に対して、多数の周波数を減衰するためのフィルタを導入することとなる。この場合、フィルタの位相特性により、機械装置の駆動時に駆動部が一時的に予定移動量を上回る量を移動する現象ワインドアップ)を生じる可能性が高くなる。これは、多数のフィルタ導入による位相遅れが生じるためである。このワインドアップを生じさせないためには、フィルタで減衰すべき周波数を限定する必要があるが、従来手法ではこの周波数を特定し、フィルタを設計するのが困難であった。

0008

本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、振動を抑制しつつワインドアップを抑えることができる機械装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、複数の駆動機構を備えた機械装置において、機械装置の振動と当該振動の方向を検出する振動検出器と、複数の駆動機構をそれぞれ制御する複数の駆動機構制御装置とを備え、複数の駆動機構制御装置はそれぞれ、駆動パターン生成部と、この駆動パターン生成部で生成された駆動パターンの信号をフィルタリングする周波数フィルタとを有し、周波数フィルタを、振動検出器で検出された振動のうち、複数の駆動機構の駆動軸の方向のいずれの方向とも異なる非駆動軸の方向の振動の周波数の信号を抑制する周波数フィルタとしたものである。

0010

また、本発明は、複数の駆動機構を備えた機械装置であって、機械装置の振動と当該振動の方向を検出する振動検出器と、複数の駆動機構をそれぞれ制御する複数の駆動機構制御器とを備え、複数の駆動機構制御器はそれぞれ、駆動機構駆動パターン生成部と、この駆動機構駆動パターン生成部で生成された駆動パターンの信号をフィルタリングする周波数フィルタとを有する機械装置の製造方法において、複数の駆動機構を同時に駆動して、振動検出器により検出される振動の周波数のうち、複数の駆動機構の駆動軸の方向のいずれの方向とも異なる非駆動軸の方向の振動の周波数である抽出振動周波数を抽出するステップと、複数の駆動機構制御器のそれぞれの周波数フィルタを、それぞれの駆動機構を順次単独で駆動して、振動検出器により検出される振動の周波数のうち、抽出振動周波数と同一の周波数の信号を抑制する周波数フィルタとするステップとを含むものである。

発明の効果

0011

この発明によれば、複数の駆動軸を有しかつ機械装置の共振周波数が複数存在する機械装置に対して、フィルタで減衰すべき周波数を限定し、かつ、機械装置の振動を抑制することが可能となる。すなわち、駆動軸により制御が困難な機械共振を抑制しつつ駆動することが可能となる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施の形態1による機械装置の駆動機構制御器の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1による機械装置の動作の概念を説明するための斜視図である。
本発明の実施の形態1による機械装置の動作の概念を説明するための上面図である。
本発明の実施の形態1による機械装置の駆動パターンの一例を示す線図である。
本発明の実施の形態1による機械装置の周波数フィルタの特性の一例を示すボード線図である。
本発明の実施の形態1による機械装置の製造方法の手順を示すフロー図である。
本発明の実施の形態2による機械装置の動作の概念を説明するための斜視図である。
本発明の実施の形態2による機械装置の動作の概念を説明するための要素図である。
従来の機械装置による比較例としての第一駆動機構のエラー値を示す線図である。
本発明の実施の形態2による機械装置の実施例としての第一駆動機構のエラー値を示す線図である。
従来の機械装置による比較例としての第二駆動機構のエラー値を示す線図である。
本発明の実施の形態2による機械装置の実施例としての第二駆動機構のエラー値を示す線図である。
本発明の実施の形態2による機械装置の第一周波数フィルタの特性の一例を示す線図である。
本発明の実施の形態2による機械装置の第二周波数フィルタの特性の一例を示す線図である。
本発明の実施の形態3による機械装置の駆動機構制御器の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態5による機械装置の動作の概念を説明するための斜視図である。
本発明の実施の形態5による機械装置の駆動機構制御器の構成を示すブロック図である。

実施例

0013

実施の形態1.
図2および図3は、本発明を適用する、複数の駆動軸を有する機械装置の一例を示す図である。図2が斜視図、図3図1の上面図である。図2で示す機械装置3では、第一駆動機構1および第二駆動機構2の2つの駆動機構と機械装置3の振動を検出する振動検出器8を備えている。第一駆動機構1および第二駆動機構2は図1及び図2に示すようなタイヤによる駆動方式でも、また、ダイレクトドライブモータコイル磁石が分離しているモータ)でも、ボールネジ機構による駆動方式でも、またこれらの組み合わせでもよい。また、駆動機構は2以上であれば良い。また、それぞれの駆動機構は駆動方向が同一で無くても良い。すなわち、第一駆動機構1の駆動方向5と第二駆動機構2の駆動方向6が空間上において異なる方向を向いていても良い。

0014

非駆動軸方向7は、いずれの駆動機構の駆動方向とも異なる方向である。非駆動軸方向7は複数の軸で構成される非駆動軸群の方向群としてもよい。非駆動軸方向7を構成する非駆動軸もしくは非駆動軸群の選定は、次の方法による。ここでは、図2図3を例に、駆動機構が2個の場合を想定する。まず、第一駆動機構1の駆動軸の方向5に垂直な面と、非駆動軸方向7との空間上における角度をαA、第二駆動機構2の駆動軸の方向6に垂直な面と、非駆動軸方向7との空間上における角度をαBとする。次に、軸構成パラメータとしてβを決める。βは、0より大きく1以下の実数である。このとき、非駆動軸もしくは非駆動軸群は
(sin(αA)+sin(αB))/2<β (1)
を満たすように選定する。ここで、βの選定方法は構造体の規模や駆動軸の数によって異なるが、大きな数字とすると本発明の効果が十分に発揮出来なくなる。本発明の効果を発揮するためには、αA及びαBが30度以下の角度を持つことが望ましく、すなわちβは0.5以下が望ましい。この条件は、各駆動軸に垂直な方向に近く、各駆動方向から大きくずれた方向となる条件である。よって、この方向を非駆動軸方向と称する。図2図3では、典型的な例として、非駆動軸方向が各駆動方向に垂直な方向、すなわちαA=0度、αB=0度、式(1)の左辺が0となる方向である例を示している。実際の機械装置では、当該機械装置3に対応して、各駆動方向と異なる方向で、機械装置の性能に影響が大きい振動が生じ易く、式(1)を満足する方向に非駆動軸方向を設定する。上記のように、非駆動軸方向は複数の方向、すなわち非駆動軸方向群として設定することもできる。

0015

ここで、非駆動軸方向7の振動は、第一駆動機構1および第二駆動機構2とこれらに付随する制御装置、あるいは第一駆動機構1や第二駆動機構2を利用したアクティブ除振装置を利用して振動を抑制することが困難な振動である。逆に、第一駆動機構1の駆動軸の方向5の振動、および第二駆動機構2の駆動軸の方向6の振動は、第一駆動機構1および第二駆動機構2とこれらに付随する制御装置、あるいは第一駆動機構1や第二駆動機構2を利用したアクティブ除振装置を利用して振動を抑制することが可能な振動である。

0016

振動検出器8は、機械装置3の振動の大きさ(振動振幅)と振動方向を検出可能な検出器である。振動検出器8は1つの軸方向の振動を検出可能な検出器を複数設置しても、複数の振動軸を同時に検出可能な検出器を1つ設置しても、またこれらの組み合わせでも良い。振動検出器8の代表的な検出器として、加速度センサがある。また、振動検出器8は機械装置3の振動が大きい点もしくは当該振動が機械装置3の性能に影響を及ぼす点、すなわち振動を抑制したい点に設置するのが良い。ここで述べる機械装置3の性能とは、機械装置3の駆動性能のみでは無く、機械装置3の本質的な目的の性能を含む。例えば、機械装置3が物体射出することを目的としていれば、物体を射出する性能に影響する振動が発生する点に、振動検出器8を設置するのが良い。

0017

本発明において、このような複数の駆動軸を有する機械装置を制御するための駆動機構制御器のブロック図を図1に示す。図1は2つの駆動機構を駆動する制御器を示している。図1において、実線で示した信号線は、機械装置3の制御中に随時データのやりとりが発生するフローを、破線で示した信号線は、ある決められた時点でデータのやりとりが発生するフローを示す。ある決められた時点とは、連続でない1回以上の時点を示し、例として、初期設定時点や機械装置3の駆動パラメータが変更となった時点などがある。

0018

図1において、まず、第一駆動機構駆動パターン生成部20及び第二駆動機構駆動パターン生成部21にて駆動パターンを生成する。生成する駆動パターンは、第一駆動機構駆動パターン生成部20においては第一駆動機構1の、第二駆動機構駆動パターン生成部21においては第二駆動機構2の、それぞれ物理的な性能限界を超えないような駆動パターンであれば良い。ここで、一例として一定加速度加速し、一定加速度で減速する駆動パターンについて説明する。この駆動パターンは、本発明の効果がよく発揮できる駆動パターンの生成方法である。

0019

駆動パターン生成には、所定移動時間Tm、移動量D、設定加速度Aがパラメータとなる。ここで、Tm≧0、D≧0、A≧0とする。加速度パターンa(t)、速度パターンv(t)、位置パターンp(t)及び移動量Dはそれぞれ次の式で表せる。ここで、積分範囲のTsは軌道生成開始時間を、Teは軌道生成の終了時間を示し、Ts≦0≦Tm≦Teの関係が成り立つ。

0020

図4に駆動パターンの一例を示す。図4では設定加速度Aを1[m/s^2]、Dを25[m]として設定値として与え、所定移動時間Tmが自動的に決定される例を示している。まず、加速度Aを利用して、図4(a)のように加速度の駆動パターン生成を行う。加速度は、図4(a)に示すように設定加速度Aで加速し(0秒から5秒)、次に設定加速度-Aで減速(5秒から10秒)するような、加速度パターンとする。次に、図4(b)のような速度パターン生成を行う。図4(b)は図4(a)を時間軸において1回積分した値である。続いて、図4(c)のような位置パターン生成を行う。図4(c)は図4(a)を時間軸において2回積分した値である。

0021

本駆動パターン生成方法では、所定移動時間Tm、移動量D、設定加速度Aのうち2つを設定値として与えれば、残りの1つが自動的に決定する。すなわち、所定移動時間Tmと移動量Dが決まっている場合、本駆動パターンによれば、設定加速度Aを決定することが可能である。

0022

第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23は、それぞれ第一駆動機構駆動パターン生成部20および第二駆動機構駆動パターン生成部21で生成した駆動パターンに対して適用するフィルタを示す。第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23の一例として、ノッチフィルタがある。図5(a)に中心周波数を4Hzとした2次ノッチフィルタの周波数特性図5(b)に伝達関数を示す。第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23は複数段のフィルタで構成しても良い。また、第一駆動機構駆動パターン生成部20および第二駆動機構駆動パターン生成部21において、先に述べた一定加速度による駆動パターン生成を実施している場合、第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23にn段(nは自然数)から構成されるローパスフィルタを併せて導入することが効果的である。ここで、nはローパスフィルタの段数を示し、n=5もしくは6が適切である。

0023

第一駆動機構制御部16および第二駆動機構制御部17は、それぞれ第一駆動機構1および第二駆動機構2を駆動し、第一駆動機構駆動方向検出器18および第二駆動機構駆動方向検出器19によって検出された移動量をフィードバック制御する制御装置を示す。第一駆動機構制御部16および第二駆動機構制御部17の一例として、比例ゲイン積分ゲイン微分ゲインの全てまたは一部を利用した制御方式がある。ここで、第一駆動機構1を制御するためのブロック、すなわち第一駆動機構駆動パターン生成部20、第一周波数フィルタ15、第一駆動機構制御部16、および第一駆動機構駆動方向検出器18からなるブロックを第一駆動機構制御器100と称し、第二駆動機構2を制御するためのブロック、すなわち第二駆動機構駆動パターン生成部21、第二周波数フィルタ23、第二駆動機構制御部17、および第二駆動機構駆動方向検出器19からなるブロックを第二駆動機構制御器200と称することにする。

0024

この構成において、第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23の決定方法のフローチャート図6に示す。まず、第一駆動機構1および第二駆動機構2を同時に駆動する(ステップST1)。このとき、振動検出器8を利用し、機械装置3の振動周波数を検出する(ステップST2)。次に、非駆動軸方向7に振動する振動周波数群を抽出する(ステップST3)。抽出した振動周波数を抽出振動周波数と称することにする。

0025

この後、第一駆動機構1のみを駆動する(ステップST4)。このとき、振動検出器8を利用し、機械装置3の振動周波数を検出する(ステップST5)。この検出した振動周波数のうちステップST3で抽出した抽出振動周波数と同一の振動数を有する振動周波数を抽出する(ステップST6)。この周波数は複数の周波数群でも良い。この周波数を除去するように第一周波数フィルタ15を設計する(ステップST7)。次に、第二駆動機構2のみを駆動する(ステップST8)。このとき、振動検出器8を利用し、機械装置3の振動周波数を検出する(ステップST9)。この検出した振動周波数のうちステップST3で抽出した抽出振動周波数と同一の振動周波数を抽出する(ステップST10)。この周波数は複数の周波数群でも良い。この周波数を除去するように第二周波数フィルタ23を設計する(ステップST11)。以上のステップは、機械装置の設計時に設計者が実行する。あるいは、以上のステップを実行するように第一駆動機構1、第二駆動機構2を制御し、振動検出器8の信号を解析して振動周波数を抽出する機能を有する周波数フィルタ設定部50により行うこともできる。この場合、第一周波数フィルタ15、第二周波数フィルタ23は、周波数フィルタ設定部50からの信号にしたがって周波数特性を設定できるよう構成されていなければならない。周波数フィルタ設定部50を有する場合、機械装置3の駆動パラメータが変更される都度、あるいは機械装置3の経年変化による特性変化に追随させるため例えば機械装置の補修時に、周波数フィルタの再設定を行うことができる。

0026

以上のようなフローにより第一周波数フィルタ15と第二周波数フィルタ23を決定することで、第一駆動機構1および第二駆動機構2で抑制が困難な非駆動軸方向の振動周波数成分に対して、第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23で抑制するようにフィルタ設計、すなわちフィルタの周波数特性の設定が可能となる。このことで機械装置の振動周波数の全てを除去するようなフィルタを設計する場合のように、過剰なフィルタ設計による悪影響を排除しつつ、機械装置3の振動を抑制することが可能となる。さらに、複数の駆動軸を有しかつ機械装置の共振周波数が複数存在するような複雑な機械装置に対しても、フィルタを容易に設定することが可能となり、振動を抑制することが可能となる。

0027

実施の形態2.
本発明は、図7及び図8に示すような2つの回転軸を有する駆動機構に適用することも可能である。図7は斜視図、図8は概念図を示す。図7においてこの駆動機構は、面9を天空上の任意の点に対するよう移動することが可能となるよう、第一駆動機構1を方位軸、第二駆動機構2を仰角軸に設置している。図7及び図8で示すような回転駆動機構において、第一駆動機構1の軸である第一駆動機構駆動軸10に垂直な面と非駆動軸方向7との空間上における角度をαA、第二駆動機構2の軸である第二駆動機構駆動軸11に垂直な面と非駆動軸方向7との空間上における角度をαBとする。次に、軸構成パラメータとしてβを決める。βは、0より大きく1以下の実数である。このとき、非駆動軸12は、実施の形態1と同様、
(sin(αA)+sin(αB))/2<β (1)
を満たすように選定する。ここで、βの選定方法は構造体の規模や駆動軸の数によって異なるが、小さな数字とすると本発明の効果が十分に発揮出来なくなる。また非駆動軸12は、非駆動軸群として複数設定することもできる。本発明の効果を発揮するためには、αA及びαBが60度以上の角度を持つことが望ましく、すなわちβは0.5以上が望ましい。
この条件は、非駆動軸方向が、各駆動軸と平行な方向から大きくずれた方向となる条件である。よって、この方向を非駆動軸方向と称する。図7図8では、典型的な例として、非駆動軸方向が各駆動軸にほぼ垂直な方向、すなわちαA〜0度、αB〜0度、式(1)の左辺がほぼ0となる方向である例を示している。駆動機構が回転駆動機構である場合、非駆動軸方向7の振動とは、設定された非駆動軸の周りを回る回転方向の振動である。

0028

その他の要素や制御方法及び第一周波数フィルタ15及び第二周波数フィルタ23の設計方法は実施の形態1と同一である。このような構成とすることで、2以上の回転軸を有する機械装置においても、本発明の効果を発揮することが可能となる。

0029

この場合の実施例を図9図12に示す。本実施例は、機械装置として、図7で示すような、方位軸と仰角軸を有するアンテナを用いた実施例である。図7において軸10で示している軸が方位軸、軸11で示している軸が仰角軸となる。また、面9で示している面がアンテナ面であり、面9を所望の方向に制御する。非駆動軸12は方位軸と仰角軸に互いに直交する軸で、一般にクロス仰角軸と呼ばれている軸に設定した。すなわち、本実施例は、図7に示す方位軸と仰角軸を有するアンテナにおいて、非駆動軸方向7として、クロス仰角軸である非駆動軸12の周りを回る振動を検出して、図6のフローチャートにしたがって第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23を決定して駆動実験を行った実施例である。

0030

図9図10は本発明を適用前のエラー値を、図11図12が本発明を適用後のエラー値を示している。図9図11が第一駆動機構駆動方向検出器18の値と目標値の差である第一駆動機構エラー値25と時間の関係を、図10図12が第二駆動機構駆動方向検出器19の値と目標値の差である第二駆動機構エラー値26と時間の関係を示す。また、図13に、図6のフローチャートに従い算出した第一周波数フィルタ15、図14図6のフローチャートに従い算出した第二周波数フィルタ23の特性例を示す。例えば、図9では20秒時点残留振動が約0.12[asec](1[asec]は1/3600[度])程度なのに対し、図11では駆動後20秒時点の残留振動が約0.001[asec]と、約1/100に減少している。図10図12の比較においても、本発明を適用後に残留振動が減少していることが示されている。このように、本発明を適用する事で、振動を抑制することが可能となる。

0031

実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3による機械装置の駆動制御器の構成を示すブロック図である。図15の周波数フィルタ設定部50の信号線が実線で示されているように、周波数フィルタ設定部50は第一駆動機構1および第二駆動機構2を常に監視し、機械装置3の運転を利用して、第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23の両方またはどちらか一方のみの設定を変化させる構成としても良い。この場合においても、図6で示したフローチャートの手順を踏む。すなわち、機械装置3の運転中に第一駆動機構1および第二駆動機構2を同時に駆動する場合と第一駆動機構1または第二駆動機構2を個別に駆動する場合のそれぞれにおいて、振動検出器8を利用して機械装置3の振動を検出し、図6におけるフローチャートの最後まで行ったタイミングで、第一周波数フィルタ15および第二周波数フィルタ23の両方またはどちらか一方のみを更新する。このような構成とすることで、機械装置3の共振周波数が変化する場合でも、本発明の効果を発揮することが可能となる。

0032

実施の形態4.
また、図1あるいは図15の第一駆動機構制御部16および第二駆動機構制御部17の両方またはどちらか一方のみに、機械装置3の共振周波数の励振を抑制するための、周波数フィルタを有する構成としても良い。この周波数フィルタを制御部周波数フィルタと称することにする。ここでは、第一駆動機構制御部16にのみ制御部周波数フィルタを含む構成の場合を説明する。第一駆動機構制御部16を含むフィードバックループ制御帯域をCHz(但しCは0より大きい予め設定した実数)とする。ここで、第一駆動機構制御部16に導入する周波数フィルタが、CHz以下の場合、導入する周波数フィルタの影響で制御帯域の低下を招き、第一駆動機構制御部16を含むフィードバックループの応答性能の低下を招く。そのため、機械装置3の共振を抑制する周波数フィルタは少なくともCHzより高い周波数とする必要がある。一方、本発明における第一周波数フィルタ15は、CHzよりも低い周波数に入れても、第一駆動機構制御部16を含むフィードバックループの制御帯域の低下につながらない。一方、第一周波数フィルタ15で多くの周波数を減衰することは、制御ループへ入力するエネルギー量の減衰を意味する。そのため、第一周波数フィルタ15で多くの周波数を減衰しながら、同等の応答性能を確保するためには、第一駆動機構1が出力可能な加速度を大きくする必要がある。

0033

そこで、図6に示すフローにおいて、設計される周波数フィルタのうち、CHzより高い周波数のものを第一駆動機構制御部16の中の制御部周波数フィルタとし、C以下の周波数のものを第一周波数フィルタ15とする。この構成とすることで、全てを第一周波数フィルタ15とする場合と比較し、第一駆動機構制御部16へ入力するコマンド信号の応答性能が改善し、かつ、第一駆動機構制御部16を含むフィードバックループの応答帯域を確保することが可能となる。なお、第二駆動機構制御部17に制御部周波数フィルタを導入した場合でも、同様に実施することで、同じ効果を得ることができる。

0034

実施の形態5.
また、制御方式として、第一駆動機構駆動方向検出器18および第二駆動機構駆動方向検出器19の両方または一方を利用しない、フィードフォワード方式としてもよい。本実施の形態5による手法は、非駆動軸方向の振動のみを低減し、駆動軸方向の振動は低減する必要が無い場合に特に有効である。これは、例えば駆動軸方向の機械剛性が高く、非駆動軸方向の機械剛性が低いような装置である。この装置の一例として、図16に示すような、直線駆動装置上に回転駆動装置が搭載されているような装置がある。ここで、直線駆動装置を第一駆動機構1、回転駆動装置を第二駆動機構2とする。この場合、非駆動軸を直線駆動装置と直交する方向(図16における非駆動軸方向7)にとるとき、第二駆動機構2が駆動している、回転する構造体の機械剛性が十分強ければこの回転方向の振動は少なく、第二駆動機構2の駆動制御器の制御はフィードフォワード制御でよい。一方、第二駆動機構2が非駆動軸方向7の振動を励起するのを本発明の手法により低減することが可能となる。

0035

フィードフォワード方式で機械装置を制御するためのブロック図を図17に示す。図17では、第一駆動機構駆動方向検出器18および第二駆動機構駆動方向検出器19の両方を利用しない場合を示している。周波数フィルタ設定部50の動作は、例えば実施の形態1の周波数フィルタ設定部50と同様である。第一駆動機構制御部16あるいは第二駆動機構制御部17の制御をフィードフォワード方式とすることで制御の応答速度を早めることができる。これは、本発明の効果の一つである、応答速度の低下を最小限にとどめながら振動を抑制するという効果を、より高めるものである。さらに本発明にフォードフォワード方式を適用する事で、フィードバック制御が無い場合においても、振動を低減することが可能となる。これにより、第一駆動機構駆動方向検出器18および第二駆動機構駆動方向検出器19の両方あるいは一方を利用せずに、本発明の効果を発揮することが可能となり、構成がより単純で、コスト削減が可能となる。

0036

なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。

0037

1 第一駆動機構、2 第二駆動機構、3機械装置、5 第一駆動機構1の駆動方向、6 第二駆動機構2の駆動方向、7非駆動軸方向、8振動検出器、15 第一周波数フィルタ、16 第一駆動機構制御部、17 第二駆動機構制御部、18 第一駆動機構駆動方向検出器、19 第二駆動機構駆動方向検出器、20 第一駆動機構駆動パターン生成部、21 第二駆動機構駆動パターン生成部、23 第二周波数フィルタ、50 周波数フィルタ設定部、100 第一駆動機構制御器、200 第二駆動機構制御器

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