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技術 航空機用タイヤの管理方法及び航空機用タイヤの管理装置

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 庄山宜伸
出願日 2016年4月19日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-083811
公開日 2017年10月26日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-193225
状態 特許登録済
技術分野 タイヤ一般 洗車、保守、修理、アウトリガー 飛行船・気球・飛行機 タイヤの膨張・タイヤ交換・タイヤチェーン
主要キーワード 目標内圧 海面気圧 RF応答 管理目標 内圧情報 内圧調整 センター溝 緊急着陸
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月26日)のものです。
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図面 (4)

課題

着陸時におけるタイヤ内圧を適正な内圧に調整する。

解決手段

飛行中の航空機内に格納されたタイヤの内圧と前記タイヤの温度と、前記航空機の周囲の温度と気圧と、前記航空機の離着陸地点の標高気温とを取得するとともに、離陸する空港の標高と気温の情報から離陸時における目標内圧を算出した後、前記航空機のタイヤの周囲の温度と気圧、着陸する空港の気温と気圧、及び、着陸時に予想されるタイヤにかかる荷重の情報から、タイヤ内圧が着陸時における目標内圧となるような飛行中のタイヤの内圧を算出し、しかる後に、前記取得された航空機内に格納されたタイヤの内圧が、前記算出された飛行中のタイヤの内圧となるように、飛行中のタイヤの内圧を調整するようにした。

概要

背景

従来、航空機用タイヤ内圧は、機体に装着する際や離陸前にチェックされ、離陸時の荷重を考慮した内圧に調整される。
一方、航空機用タイヤにおいて、タイヤの状態を監視するシステムとして、タイヤ内にタイヤの圧力や温度を検知するセンサーを備えたRF応答機を設けるとともに、応答機からアンテナを介して、タイヤの内圧や温度のデータを、機体に取付けられたリーダで読み取る構成の航空機用タイヤの監視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これにより、動作中のタイヤの状態を監視できるので、必要に応じてタイヤを補修もしくは修理するための適切な処理を講じることができる。

概要

着陸時におけるタイヤの内圧を適正な内圧に調整する。飛行中の航空機内に格納されたタイヤの内圧と前記タイヤの温度と、前記航空機の周囲の温度と気圧と、前記航空機の離着陸地点の標高気温とを取得するとともに、離陸する空港の標高と気温の情報から離陸時における目標内圧を算出した後、前記航空機のタイヤの周囲の温度と気圧、着陸する空港の気温と気圧、及び、着陸時に予想されるタイヤにかかる荷重の情報から、タイヤ内圧が着陸時における目標内圧となるような飛行中のタイヤの内圧を算出し、しかる後に、前記取得された航空機内に格納されたタイヤの内圧が、前記算出された飛行中のタイヤの内圧となるように、飛行中のタイヤの内圧を調整するようにした。

目的

本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、着陸時におけるタイヤの内圧を適正な内圧に調整することのできる航空機用タイヤの管理方法とその装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

飛行中の航空機内に格納されたタイヤ内圧と前記タイヤの温度とを取得するステップと、前記航空機の周囲の温度と気圧とを取得するステップと、前記航空機の離着陸地点の標高気温とを取得するステップと、離陸する空港の標高と気温の情報から離陸時における目標内圧を算出するステップと、前記航空機のタイヤの周囲の温度と気圧、着陸する空港の気温と気圧、及び、着陸時に予想されるタイヤにかかる荷重の情報から、タイヤ内圧が着陸時における目標内圧となるような飛行中のタイヤの内圧を算出するステップと、前記取得された航空機内に格納されたタイヤの内圧が、前記算出された飛行中のタイヤの内圧となるように、飛行中のタイヤの内圧を調整するステップとを備えることを特徴とする航空機用タイヤ管理方法

請求項2

飛行中の航空機内に格納されたタイヤの内圧情報と前記タイヤの温度情報とを取得するタイヤ情報得手段と、前記航空機の周囲の温度と気圧の情報を取得する機体情報取得手段と、着陸地点の標高と気温とから、着陸時における前記タイヤの目標内圧である着陸時内圧を設定する着陸時内圧設定手段と、前記飛行中のタイヤの内圧情報と温度情報と、前記航空機のタイヤの周囲の温度と気圧の情報とから、飛行中のタイヤの内圧を算出する飛行中内圧算出手段と、前記算出された着陸前のタイヤの内圧が前記着陸時内圧になるように、着陸前のタイヤの内圧を調整するタイヤ内圧調整手段とを備える航空機用タイヤの管理装置

技術分野

0001

本発明は、航空機用タイヤ管理方法とその装置に関するもので、特に、機体着陸時におけるタイヤ内圧の調整に関する。

背景技術

0002

従来、航空機用タイヤの内圧は、機体に装着する際や離陸前にチェックされ、離陸時の荷重を考慮した内圧に調整される。
一方、航空機用タイヤにおいて、タイヤの状態を監視するシステムとして、タイヤ内にタイヤの圧力や温度を検知するセンサーを備えたRF応答機を設けるとともに、応答機からアンテナを介して、タイヤの内圧や温度のデータを、機体に取付けられたリーダで読み取る構成の航空機用タイヤの監視装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
これにより、動作中のタイヤの状態を監視できるので、必要に応じてタイヤを補修もしくは修理するための適切な処理を講じることができる。

先行技術

0003

特開2008−49999号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、航空機用タイヤの内圧は、離陸時においては適正な内圧に調整されるが、着陸時には必ずしも適正な内圧にはなっていないので、着陸時にタイヤの内圧を適正な内圧に調整する必要がある。
しかしながら、前記の特許文献1では、タイヤの内圧や温度を検知しているだけで、機体の着陸時においてタイヤ内圧を適正な内圧に調整する必要があることについては、開示も示唆もされていなかった。

0005

本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、着陸時におけるタイヤの内圧を適正な内圧に調整することのできる航空機用タイヤの管理方法とその装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、航空機用タイヤを管理する方法であって、飛行中の航空機内に格納されたタイヤの内圧と前記タイヤの温度とを取得するステップと、前記航空機の周囲の温度と気圧とを取得するステップと、前記航空機の離着陸地点の標高気温とを取得するステップと、離陸する空港の標高と気温の情報から離陸時における目標内圧を算出するステップと、前記航空機のタイヤの周囲の温度と気圧、着陸する空港の気温と気圧、及び、着陸時に予想されるタイヤにかかる荷重の情報から、タイヤ内圧が着陸時における目標内圧となるような飛行中のタイヤの内圧を算出するステップと、前記取得された航空機内に格納されたタイヤの内圧が、前記算出された飛行中のタイヤの内圧となるように、飛行中のタイヤの内圧を調整するステップとを備えることを特徴とする。
このように、飛行中に、着陸時におけるタイヤ内圧が目標内圧となるようにタイヤ内圧を調整したので、離陸時のみならず、着陸時においても、タイヤ内圧を、タイヤの撓みが適正となるような値にすることができる。したがって、タイヤの耐久性を損なうことなく、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。

0007

また、本願発明は、航空機用タイヤを管理する装置であって、飛行中の航空機内に格納されたタイヤの内圧情報と前記タイヤの温度情報とを取得するタイヤ情報得手段と、前記航空機の周囲の温度と気圧の情報を取得する機体情報取得手段と、着陸地点の標高と気温とから、着陸時における前記タイヤの目標内圧である着陸時内圧を設定する着陸時内圧設定手段と、前記飛行中のタイヤの内圧情報と温度情報と、前記航空機のタイヤの周囲の温度と気圧の情報とから、飛行中のタイヤの内圧を算出する飛行中内圧算出手段と、前記算出された着陸前のタイヤの内圧が前記着陸時内圧になるように、着陸前のタイヤの内圧を調整するタイヤ内圧調整手段とを備えることを特徴とする。
このような構成を採ることにより、タイヤの耐久性を損なうことなく、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる航空機用タイヤ管理装置を実現できる。

0008

なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群サブコンビネーションもまた、発明となり得る。

図面の簡単な説明

0009

本実施の形態に係る航空機用タイヤの管理装置の構成を示す図である。
センサーの取付け例を示す図である。
本実施の形態に係る航空機用タイヤの管理方法のフローチャートである。

実施例

0010

実施の形態
図1は、本実施の形態に係る航空機用タイヤの管理装置10の構成を示す機能ブロック図で、同図において、11はセンサーユニット、12は離陸地点情報取得手段、13はタイヤ情報取得手段、14は機体情報取得手段、15は着陸地点情報取得手段、16は着陸前内圧設定手段、17は飛行中内圧算出手段、18はタイヤ内圧調整手段である。
センサーユニット11は、図2に示すように、圧力センサー11aと温度センサー11bとを備え、航空機用タイヤ(以下、タイヤ1という)のタイヤバルブ2と一体となって、ホイールリム3のタイヤ気室4内に取付けられて、タイヤ1の内部の気体の温度を計測する。なお、符号11cは、計測されたタイヤ1の内部の気体の温度をタイヤ情報取得手段13に送信する送信機である。
離陸地点情報取得手段12は、離陸する空港から、離陸前の空港の気温(外気温)と標高(気圧)のデータを取得する。なお、外気温については、機体情報取得手段14の外気温センサー14aで取得した温度を用いてもよい。
タイヤ情報取得手段13は、タイヤ1の内部の気体の温度を取得する。具体的には、送信機11cから送られてきたタイヤ1の内部の気体の温度とを記憶する。
機体情報取得手段14は、図示しない航空機の機体に取付けられる外気温センサー14aと高度計14bとから構成され、航空機の周囲の温度と気圧とを計測する。
着陸地点情報取得手段15は、着陸する空港から、着陸する空港の気温(外気温)と標高(気圧)のデータを取得する。
着陸前内圧設定手段16は、着陸する空港の標高と、外気温及び航空機の重量とから、着陸におけるタイヤの撓みが予め設定された撓み(ラジアルタイヤの場合:35%、バイアスタイヤの場合:33%)となるタイヤ内圧IPAを算出する。なお、航空機の重量は、離陸前のタイヤ1に作用する荷重から飛行中に消費される燃料分の重さを減算して得られる。
飛行中内圧算出手段17は、前記航空機の飛行中の高度におけるタイヤ内圧IPを、以下の計算式(1),(2)で、補正係数Yが予め設定された値となるように、タイヤ内圧IPを算出し、タイヤ内圧調整手段18でIPを調整する。
ここで、TAは飛行中のタイヤ内部の気体温度で、TIは着陸時に予想されるタイヤ内部の気体温度(外気温度)である。
IP1={IP−(a4・TI4+a3・TI3+a2・TI2+a1・TI+Y)}・(273+TA)/(273+TI)
+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y ……(1)
IP2=IPA+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y……(2)
但し、a1=33×10-4、a2=4×10-5、a3=2×10-6、a4=4×10-8
なお、補正係数Yは、−0.943773<Y<1.0563の範囲にある。
着陸時には、タイヤに作用する荷重が離陸時よりも小さくなるので、IPは飛行中に測定した内圧よりも低くなる。したがって、タイヤ内圧調整手段18は、タイヤ内の空気を抜くことで、タイヤ内圧を調整する。

0011

次に、本発明による航空機用タイヤの管理方法について、図3のフローチャートを参照して説明する。
本例のフローチャートは、離陸前におけるタイヤの内圧調整ステップ(ステップS10〜S14)と、着陸前におけるタイヤの内圧調整ステップ(ステップS21〜S24)とから構成される。
離陸前のタイヤ内圧IPは、例えば、タイヤの装着時など、航空機が離陸する前に、離陸時におけるタイヤの撓みを、ラジアルタイヤの場合:35%、バイアスタイヤの場合:33%となるように設定される。
離陸前のタイヤの温度は、着陸後、長時間駐機していれば、空港の外気温と同じであるが、着陸後からの駐機時間が短ければ、タイヤの温度は、着陸やTAXIINGによるタイヤの発熱の影響を受け、外気温よりも高くなる。
したがって、まず、離陸前のタイヤ内圧の設定に対しては、タイヤに作用する荷重を、乗客数や搭載燃料から算出するか計測し(ステップS10)、この荷重から離陸時における目標内圧(以下、管理目標内圧IPAという)を設定する(ステップS11)。
次に、外気温TAとタイヤ内部の気体温度TIとを測定し(ステップS12)、以下の換算式(1),(2)で、補正係数Yが予め設定された値になるようにタイヤ内圧IPを調整する(ステップS13)。
IP1={IP−(a4・TI4+a3・TI3+a2・TI2+a1・TI+Y)}・(273+TA)/(273+TI)
+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y ……(1)
IP2=IPA+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y……(2)
但し、a1=33×10-4、a2=4×10-5、a3=2×10-6、a4=4×10-8
なお、補正係数Yは、−0.943773<Y<1.0563の範囲にある。
IP1は、外気温がTA、タイヤ内部の気体温度がTIの場合の相対的な内圧を示すもので、IP2は、外気温がTAである場合の内圧の目標値である。
ステップS14では、IP1とIP2との差が5psi以内であるか否か判定する。
IP1とIP2との差が5psiを超えた場合には、IP1とIP2との差が5psi以内となるようにタイヤ内圧IPを調整した後、ステップS13に戻って、IP1を再度求める。
ステップS14において、IP1とIP2との差が5psi以内であった場合には、ステップS13で調整したIPがタイヤ内圧となる。
これにより、離陸時におけるタイヤの撓みを、ラジアルタイヤの場合:35%、バイアスタイヤの場合:33%とすることができる。

0012

次に、着陸前におけるタイヤの内圧調整ステップについて説明する。
まず、着陸する空港の着陸時に予測される外気温のデータを取得し(ステップS21)、外気温と荷重とから着陸時における目標内圧である管理目標内圧IPAを設定する(ステップS22)。
なお、タイヤに作用する荷重としては、離陸時の荷重から飛行中に消費される燃料を差し引いた荷重Wを用いればよい。
管理目標内圧IPAは、着陸時におけるタイヤの撓みがラジアルタイヤの場合:35%、バイアスタイヤの場合:33%ととなるような内圧である。
次に、着陸時のタイヤ内圧を管理目標内圧IPAとするための、上空におけるタイヤ内圧IPを、以下の換算式(1),(2)を用いて求める(ステップS23)。
なお、この場合、TAは、着陸時におけるタイヤ内部の気体温度で、TIは上空におけるタイヤ内部の気体温度である。着陸時におけるタイヤ内部の気体温度は、着陸する空港の外気温と等しい。
IP1={IP−(a4・TI4+a3・TI3+a2・TI2+a1・TI+Y)}・(273+TA)/(273+TI)
+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y ……(1)
IP2=IPA+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y……(2)
但し、a1=33×10-4、a2=4×10-5、a3=2×10-6、a4=4×10-8
IP1は使用時設定目標内圧で、管理目標内圧IPAを指標に測定した内圧IPと、上空のタイヤ温度TIと、着陸時のタイヤ温度TAとから算出される。
IP2は温換算離設定目標内圧で、管理目標内圧IPAと着陸時のタイヤ温度TAとから算出される。なお、IPとIPAは、それぞれの地点の高度も考慮する必要がある。これは、高度が高くなれば、気圧の低下に伴い、タイヤの内圧が上昇するからである。
ステップS24では、IP1とIP2との差が5psi以内であるか否か判定する。
IP1とIP2との差が5psiを超えた場合には、ステップS23に戻って、タイヤ内圧IPを調整する。

0013

[実施例]
実施例では、離陸する空港及び着陸する空港での環境及び使用条件を、室内での試験条件に置き換え試験実施し、その効果を検証した。
実施例及び比較例1,2で使用するタイヤは、A320用メインタイヤ46×17R20 30PR、正規荷重46000Lbs.、正規内圧222Psiである。
また、室内実験を実施する箇所の標高は82m、気温25℃で、気圧は、海面気圧P0=1013.25hPa(1気圧)を基準に、1003.78hPaとして検証する。
効果を検証する試験は、直径3mのドラム試験機を使用した。
また、ドラム表面を空港の滑走路凹凸に近づけるため、ドラムスチールの表面にサンドペーパー貼付けて、トレッド摩耗を促進するようにした。
以下、機体が離陸する空港は標高が高くかつ低温で、機体が着陸する空港は、標高が低くかつ高温である場合について説明する。
・離陸時のタイヤの使用条件と空港の環境は以下の通りである。
タイヤ荷重41400Lbs. タイヤ内部の気体温度−10℃
空港の標高 0m 気温 −30℃
(離陸時には、TAXIINGにより、タイヤ内部の気体温度は、空港の外気温よりも
20℃高い状態になる)
・着陸時のタイヤの使用条件と空港の環境は以下の通りである。
タイヤ荷重 32200Lbs. タイヤ内部の気体温度 30℃
空港の標高 1000m 気温 30℃
(離陸後、タイヤ内部の気体は冷却され、着陸時には、着陸時の空港の外気温
と同じ状態となる)

0014

比較例1
比較例1では、実機体では、離着陸する空港の気温、標高及びタイヤ内部の気体温度によるタイヤ内圧の補正は実施されず、タイヤの内圧は、離陸時におけるタイヤの撓みが35%となるように設定される。
よって、離陸時のタイヤ荷重が41400Lbs.なら、内圧は200psiと設定される。
タイヤ装着時には、タイヤ内部の気体温度が空港の外気温と同じで、離陸時には、タイヤ内部の気体温度が気温よりも20℃高い状態とすると、TI=−10℃、TA=−30℃として、以下の換算式(1),(2)を用い、補正係数がY=0.0563となる内圧IPを求める。
IP1={IP−(a4・TI4+a3・TI3+a2・TI2+a1・TI+Y)}・(273+TA)/(273+TI)
+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y ……(1)
IP2=IPA+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y……(2)
但し、a1=33×10-4、a2=4×10-5、a3=2×10-6、a4=4×10-8
結果は、IP=184psi、IP1=184.74psi、IP2=184.03psiとなり、IP1とIP2との差は±5psi以内なので、内圧は184psiとなる。
室内離陸試験では、内圧を184psi、タイヤ荷重を46000Lbs.とし、速度40km/hで10分間TAXI走行した後停止し、50秒間に比例してスピードを上昇させ、225km/hまで加速してTake Offさせる。これをTake Off試験1回とする。
次に、着陸時の内圧を求める。
着陸時には、タイヤ内部の気体温度は空港の外気温と同じ30℃である。一方、離陸時には、タイヤ内部の気体温度は、空港の外気温よりも高いので、TA=−10℃である。したがって、TI=30℃、TA=−10℃として、上記の換算式(1),(2)を用い、補正係数がY=0.0563となる内圧IPを求める。
結果は、IP=231psi、IP1=200.29psi、IP2=200.28psiとなり、IP1とIP2との差は±5psi以内なので、内圧は231psiとなる。
すなわち、着陸する空港の気温、標高及びタイヤ内の気体温度による補正を行わなかった場合は、内圧は、タイヤ内の気体温度の変化(−10℃→30℃)の影響だけで、184psiから231psiとなる。
更に、離着陸する空港の標高違い(1000m)を考慮すると、内圧は1.5psi増加し、最終的には、232.5psiとなる。
したがって、内圧を232.5psi、タイヤ荷重を32200Lbs.として着陸試験を実施する。
本条件では、タイヤの撓みは23.4%となる。
着陸試験は、離陸試験後、タイヤを室内で冷却した後実施する。
着陸速度は180km/hで、30秒間に速度40km/hまで減速し、継続して、速度40km/hで10分間TAXI走行させた後停止させる。これをLanding試験1回とする。
着陸試験終了後は、タイヤを室内で冷却した後、再度離陸試験を実施する。
以降は、上記の条件で離着陸試験を交互に繰り返して実施する。
Take Off試験及びLanding試験をそれぞれ500回行った後では、タイヤのトレッドは摩耗し、センター溝がなくなった。
更に、タイヤのRetread、Take Off試験、Landing試験をそれぞれ2回繰り返し、合計1500回の試験を実施したが、タイヤにセパレーション等の異常は見られなかった。
このように、比較例1では、着陸時のタイヤの内圧は離陸時のタイヤ内圧に依存するため、着陸時のタイヤの撓みが23.4%と小さくなり、その結果、目標となる摩耗を発揮できる使用条件になっていなかったことがわかる。
すなわち、着陸時には、タイヤが滑走路に接地する瞬間に多量のトレッドゴムが路面に削り取られるが、タイヤの撓みが小さいとタイヤの接地面積も小さくなるため、タイヤの摩耗量が大きくなる。

0015

比較例2
比較例2の離陸時の使用条件は、内圧が200psi、タイヤ荷重が41400Lbs.であり、撓みは適正なタイヤ歪(35%)となるように設定される点は、比較例1と同じである。
一方、着陸時の使用条件は、タイヤの摩耗を少なくするため、タイヤの撓みが適正値である35%となるように設定した。
タイヤの撓みを35%とするためには、着陸時内圧をIPA=155psiにする必要がある。
タイヤ内の気体温度をTI=30℃、空港の外気温をTA=−10℃として、以下の式(1),(2)を用い、補正係数がY=0.0563となる内圧IPを求める。
IP1={IP−(a4・TI4+a3・TI3+a2・TI2+a1・TI+Y)}・(273+TA)/(273+TI)
+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y ……(1)
IP2=IPA+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y……(2)
但し、a1=33×10-4、a2=4×10-5、a3=2×10-6、a4=4×10-8
結果は、IP=179psi、IP1=155.15psi、IP2=155.28psiとなり、IP1とIP2との差は±5psi以内なので、内圧はIP=179psiとなる。
ここで、離着陸する空港の標高差(1000m)による内圧の低下1.5psiを考慮しても、離陸時の内圧は177.5psiとなる。
離陸時の内圧が177.5psi、タイヤ荷重が41400Lbs.なら、着陸時におけるタイヤの撓みは39%となる。
比較例1と同様に、Take Off試験及びLanding試験を繰り返したところ、それぞれ500を繰り返した後に、ビード部にセパレーションが発生したので試験を終了した。
なお、タイヤのセンター溝は、約7割程度しか摩耗していなかった。
これにより、着陸時のタイヤの撓みが適正値である35%となるように、離陸時のタイヤ内圧IPを低下させた場合には、タイヤの摩耗は改善されるが、タイヤの耐久性が低下してしまうことがわかった。

0016

実施例
比較例2では、耐摩耗性を向上させるため、離陸時におけるタイヤ内圧を低下させたが、本発明による実施例では、以下に示すように、離陸時の使用条件を比較例1と同一とし、着陸時におけるタイヤ内圧を適正な内圧に調整することで、タイヤの耐久性を損なうことなく、タイヤの摩耗を向上させるようにしている。
室内離陸試験では、内圧を184psi、タイヤ荷重を4600Lbs.とし、速度40km/hで10分間TAXI走行した後、50秒間に比例してスピードを上昇させ、225km/hまで加速してTake Offさせる。これをTake Off試験1回とする。
着陸時において、適正なタイヤの撓み(35%)を得るために、着陸時における内圧をIPA=155psiにする必要がある。以下に、その手順を示す。
まず、着陸前の高度10000mにおける内圧を求める。
高度10000mの上空では、外気温もタイヤ内部の気体温度もともに−40℃である。したがって、離陸時において、タイヤ内部の気体温度TI=−10℃、標高0mで内圧200psiに設定されたタイヤの内圧は、高度10000m、外気温TA=−40℃の条件下では、IP=177psiとなる。IPは、TI=−40℃、TA=−10℃として、下記の換算式(1),(2)において、補正係数がY=0.0563となるように求める。
IP1={IP−(a4・TI4+a3・TI3+a2・TI2+a1・TI+Y)}・(273+TA)/(273+TI)
+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y ……(1)
IP2=IPA+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y……(2)
但し、a1=33×10-4、a2=4×10-5、a3=2×10-6、a4=4×10-8
結果は、IP1=199.86psi、IP2=199.96psiとなり、IP1とIP2との差は±5psi以内なので、内圧は177psiとなる。
ここで、離陸する空港との高度差による増加14.5psiを考慮すると、高度10000mでの内圧は191.5psiとなる。
したがって、着陸する空港の標高1000m、気温30℃(タイヤ内部の気体温度も30℃)で、着陸時の内圧を、着陸時におけるタイヤの撓みを適正値である35%を実現するための内圧である155psiにするためには、高度10000m、外気温TA=−40℃の条件下における内圧を低くするようにタイヤ内圧を調整(減圧)する必要がある。
着陸時の内圧を155psiにするための、高度10000m、外気温TA=−40℃の条件下における内圧IPは、上空でのタイヤ内部の気体温度をTI=−40℃、着陸する空港におけるタイヤ内部の気体温度をTA=30℃とし、以下の換算式(1),(2)を用い、補正係数がY=0.0563となるように求める。
IP1={IP−(a4・TI4+a3・TI3+a2・TI2+a1・TI+Y)}・(273+TA)/(273+TI)
+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y ……(1)
IP2=IPA+a4・TA4+a3・TA3+a2・TA2+a1・TA+Y……(2)
但し、a1=33×10-4、a2=4×10-5、a3=2×10-6、a4=4×10-8
結果は、IP=119psi、IP1=155.08psi、IP2=154.96psiとなり、IP1とIP2との差は±5psi以内なので、内圧は119psiとなる。
着陸する空港の高度差(9000m)による増加13.1psiを考慮すると、高度10000mでの内圧は132psiとなる。
したがって、高度10000mの上空で、タイヤの空気の一部を抜くことで、離陸した状態の内圧191.5psiiを、132psiまで低下させれば、着陸空港の使用条件で、適正な内圧である155psi(タイヤの撓み35%)で着陸させることができる。
室内試験では、内圧155psi、タイヤ荷重32200Lbs.で着陸試験を実施する。
離陸試験については比較例1と同じなので、説明を省略する。
なお、着陸試験は、離陸試験後、タイヤを室内で冷却した後実施する。
着陸速度は180km/hで、30秒間に速度40km/hまで減速し、継続して、速度40km/hで10分間TAXI走行させた後停止させる。これをLanding試験1回とする。
着陸試験終了後は、タイヤを室内で冷却した後、再度離陸試験を実施する。
以降は、上記の条件で離着陸試験を交互に繰り返して実施する。
タイヤのトレッドが摩耗し、センター溝がなくなったのは、Take Off試験及びLanding試験をそれぞれ700回行った後であった。
更に、タイヤのRetread、Take Off試験、Landing試験をそれぞれ2回繰り返し、合計2100回の試験を実施したが、タイヤにセパレーション等の異常は見られなかった。
このように、高度10000mの上空で、タイヤの空気の一部を抜いて内圧を低下させれば、着陸空港の使用条件で、適正な内圧である155psi(タイヤの撓み35%)で着陸させることができるので、耐久性を損なうことなく、タイヤの耐摩耗性を向上させることができることが確認された。

0017

以上、本発明を実施の形態及び実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。

0018

例えば、前記実施例では、機体が離陸する空港の標高及び気温が低く、着陸する空港の標高及び気温が高い場合、すなわち、タイヤ圧の調整を行わない場合には、機体が離陸する前に設定された内圧よりも高い内圧で着陸する場合について説明したが、本発明は、離陸する空港の標高及び気温が高く、着陸する空港の標高及び気温が低い場合や、離着陸する空港の標高及び気温がほぼ同じ場合などにも適用できることはいうまでもない。
すなわち、離陸する空港の標高及び気温が高く、着陸する空港の標高及び気温が低い場合には、機体が離陸する前に設定された内圧よりも低い内圧で着陸することになるが、着陸時には、機体は消費した燃料分だけ軽くなり、その結果、タイヤに作用する荷重波減少する。したがって、通常は、タイヤの撓みは適正値である35%よりも小さくなるので、前記実施の形態と同様に、上空で、タイヤの空気の一部を抜いて内圧を更に低下させることが好ましい。
なお、上空で、タイヤの内部に気体を注入する必要があるのは、例えば、離陸後短時間で緊急着陸するなど消費した燃料が少ない場合に限られる。
また、前記実施の形態では、絶対目標内圧(管理目標内圧IPA)を一定としたが、IPAは、同じ環境・同じ使用条件であっても、求める性能により異なる場合がある。また、求める性能が同じでも、タイヤサイズ、スペック、使用されるタイヤの環境・使用条件によって異なる。

0019

1航空機用タイヤ、2タイヤバルブ、3ホイールリム、4タイヤ気室、
10 航空機用タイヤの管理装置、11センサーユニット、11a圧力センサー、
11b温度センサー、11c送信機、12離陸地点情報取得手段、
13タイヤ情報取得手段、14機体情報取得手段、14a外気温センサー、
14b高度計、15着陸地点情報取得手段、16着陸前内圧設定手段、
17飛行中内圧設定手段、18タイヤ内圧調整手段。

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