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図面 (17)

課題

前方衝突時での燃料電池への損傷を抑制する空冷式燃料電池車を提供することを課題とする。

解決手段

車両の走行用モータと、前記モータに電力を供給する空冷式の燃料電池と、前記燃料電池よりも前記車両の前方側に配置され、空気を前記燃料電池に案内する吸気ダクトと、前記吸気ダクト開閉する吸気シャッタ機構と、前記燃料電池、前記吸気ダクト、及び前記吸気シャッタ機構を収納し、前記車両の乗員室よりも前記車両の前方側に設けられた収納室と、前記吸気シャッタ機構を制御する制御部と、前記車両の前方衝突を検出する衝突検出部と、を備え、前記制御部は、前記車両の前方衝突が検出された場合に、前記吸気シャッタ機構を閉じ側に制御し、前記吸気ダクトは、筒状の金属板部、又はエラストマー成分を含む樹脂部を有する、空冷式燃料電池車。

概要

背景

乗員室よりも前方側収納室空冷式燃料電池収納した空冷式燃料電池車が知られている。空冷式燃料電池車では、外部の空気を燃料電池に案内する吸気ダクトと、燃料電池を通過した空気を外部に排出する排気ダクトとを備えている(例えば特許文献1参照)。

概要

前方衝突時での燃料電池への損傷を抑制する空冷式燃料電池車を提供することを課題とする。車両の走行用モータと、前記モータに電力を供給する空冷式の燃料電池と、前記燃料電池よりも前記車両の前方側に配置され、空気を前記燃料電池に案内する吸気ダクトと、前記吸気ダクト開閉する吸気シャッタ機構と、前記燃料電池、前記吸気ダクト、及び前記吸気シャッタ機構を収納し、前記車両の乗員室よりも前記車両の前方側に設けられた収納室と、前記吸気シャッタ機構を制御する制御部と、前記車両の前方衝突を検出する衝突検出部と、を備え、前記制御部は、前記車両の前方衝突が検出された場合に、前記吸気シャッタ機構を閉じ側に制御し、前記吸気ダクトは、筒状の金属板部、又はエラストマー成分を含む樹脂部を有する、空冷式燃料電池車。

目的

本発明は、前方衝突時での燃料電池への損傷を抑制する空冷式燃料電池車を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

車両の走行用モータと、前記モータに電力を供給する空冷式燃料電池と、前記燃料電池よりも前記車両の前方側に配置され、空気を前記燃料電池に案内する吸気ダクトと、前記吸気ダクトを開閉する吸気シャッタ機構と、前記燃料電池、前記吸気ダクト、及び前記吸気シャッタ機構を収納し、前記車両の乗員室よりも前記車両の前方側に設けられた収納室と、前記吸気シャッタ機構を制御する制御部と、前記車両の前方衝突を検出する衝突検出部と、を備え、前記制御部は、前記車両の前方衝突が検出された場合に、前記吸気シャッタ機構を閉じ側に制御し、前記吸気ダクトは、筒状の金属板部、又はエラストマー成分を含む樹脂部を有する、空冷式燃料電池車。

請求項2

前記燃料電池を通過した空気を前記燃料電池よりも上方側に排出する排気ダクトと、前記排気ダクトを開閉する排気シャッタ機構と、を備え、前記収納室は、前記排気ダクト及び排気シャッタ機構を収納し、前記制御部は、前記排気シャッタ機構を制御し、前記車両の前方衝突が検出された場合に、前記排気シャッタ機構を閉じ側に制御する、請求項1の空冷式燃料電池車。

請求項3

前記モータの動力を前記車両の車輪に伝達するトランスアクスルを備え、前記収納室は、前記モータ及びトランスアクスルを収納し、前記モータ及びトランスアクスルの少なくとも一方の前記車両の前方側の端部は、前記燃料電池の前記車両の前方側の端部よりも、前記車両の前方側に位置している、請求項1又は2の空冷式燃料電池車。

請求項4

前記排気ダクトは、筒状の金属板部、又はエラストマー成分を含む樹脂部を有する、請求項2の空冷式燃料電池車。

請求項5

前記車両の骨格を構成する車両骨格部材と、前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した上方側マウント機構と、前記上方側マウント機構よりも下方で前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した下方側マウント機構と、を備え、前記上方側マウント機構及び下方側マウント機構は、前記燃料電池の上部が下部よりも前記車両の前方側に位置するように前記燃料電池を傾斜した姿勢で固定し、前記下方側マウント機構は、前記上方側マウント機構よりも破断を容易にする脆弱部を有している、請求項1乃至4の何れかの空冷式燃料電池車。

請求項6

前記車両の骨格を構成する車両骨格部材と、前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した上方側マウント機構と、前記上方側マウント機構よりも下方で前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した下方側マウント機構と、を備え、前記上方側マウント機構及び下方側マウント機構は、前記燃料電池の上部が下部よりも前記車両の前方側に位置するように前記燃料電池を傾斜した姿勢で固定し、前記上方側マウント機構及び下方側マウント機構のそれぞれは、前記燃料電池側に固定されたブラケットと前記車両骨格部材側に固定されたブラケットとを締結する締結ボルトを有し、前記車両の鉛直方向から見た場合に、前記下方側マウント機構の前記締結ボルトの軸方向は、前記上方側マウント機構の前記締結ボルトの軸方向よりも、前記車両の車幅方向に対して平行に近い、請求項1乃至4の何れかの空冷式燃料電池車。

請求項7

前記吸気ダクトの前記金属板部又は前記吸気ダクトの前記樹脂部は、前記車両が前方衝突した場合での変形を促進する変形促進部を有している、請求項1乃至6の何れかの空冷式燃料電池車。

請求項8

前記収納室に収納され、エアコン冷媒放熱するエアコンコンデンサを備え、前記吸気ダクトは、前記エアコンコンデンサよりも上方側に配置されている、請求項1乃至7の何れかの空冷式燃料電池車。

請求項9

前記吸気シャッタ機構は、枠体と、互いに沿うように延び、前記枠体に回転可能に支持され、前記枠体の開口部を開閉する複数のフィンと、を備え、前記複数のフィンは、金属製である、請求項1乃至8の何れかの空冷式燃料電池車。

請求項10

前記収納室の上面を開閉するフロントフードと、前記フロントフードの開閉を検出する開閉検出部と、を備え、前記制御部は、前記フロントフードが開いたことが検出された場合に、前記排気シャッタ機構を閉じ側に制御する、請求項2の空冷式燃料電池車。

請求項11

前記吸気ダクト及び燃料電池は、前記モータ及びトランスアクスルよりも上方側に配置されている、請求項3の空冷式燃料電池車。

技術分野

0001

本発明は、空冷式燃料電池車に関する。

背景技術

0002

乗員室よりも前方側収納室空冷式燃料電池収納した空冷式燃料電池車が知られている。空冷式燃料電池車では、外部の空気を燃料電池に案内する吸気ダクトと、燃料電池を通過した空気を外部に排出する排気ダクトとを備えている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2012−218554号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このような空冷式燃料電池車が前方衝突した場合、車両側部品や外部から収納室に侵入した異物が燃料電池に衝突して燃料電池が損傷する可能性がある。特に、このような部品や異物が吸気ダクト又は排気ダクトを通じて燃料電池に衝突して、燃料電池が損傷する可能性がある。

0005

本発明は、前方衝突時での燃料電池への損傷を抑制する空冷式燃料電池車を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的は、車両の走行用モータと、前記モータに電力を供給する空冷式の燃料電池と、前記燃料電池よりも前記車両の前方側に配置され、空気を前記燃料電池に案内する吸気ダクトと、前記吸気ダクトを開閉する吸気シャッタ機構と、前記燃料電池、前記吸気ダクト、及び前記吸気シャッタ機構を収納し、前記車両の乗員室よりも前記車両の前方側に設けられた収納室と、前記吸気シャッタ機構を制御する制御部と、前記車両の前方衝突を検出する衝突検出部と、を備え、前記制御部は、前記車両の前方衝突が検出された場合に、前記吸気シャッタ機構を閉じ側に制御し、前記吸気ダクトは、筒状の金属板部、又はエラストマー成分を含む樹脂部を含む、空冷式燃料電池車によって達成できる。

0007

車両が前方衝突した場合には吸気シャッタ機構は閉じ側に制御されるため、前方衝突時に車両前方から部品や異物が吸気ダクト内へ侵入して燃料電池に衝突することを抑制でき、燃料電池の損傷を抑制できる。

0008

また、吸気ダクトは、筒状の金属板部、又はエラストマー成分を含む樹脂部を有するため、前方衝突した場合に吸気ダクトは変形するが、吸気ダクトがエラストマー成分を含まない樹脂のみによって形成されている場合と比較して、破断粉砕されることが抑制される。このため、吸気ダクトが破断して部品や異物が燃料電池に衝突することが抑制される。また、前方衝突時に筒状の金属板部またはエラストマー成分を含む樹脂部が変形することにより、燃料電池に伝達される衝撃を抑制できる。

0009

前記燃料電池を通過した空気を前記燃料電池よりも上方側に排出する排気ダクトと、前記排気ダクトを開閉する排気シャッタ機構と、を備え、前記収納室は、前記排気ダクト及び排気シャッタ機構を収納し、前記制御部は、前記排気シャッタ機構を制御し、前記車両の前方衝突が検出された場合に、前記排気シャッタ機構を閉じ側に制御してもよい。

0010

前記モータの動力を前記車両の車輪に伝達するトランスアクスルを備え、前記収納室は、前記モータ及びトランスアクスルを収納し、前記モータ及びトランスアクスルの少なくとも一方の前記車両の前方側の端部は、前記燃料電池の前記車両の前方側の端部よりも、前記車両の前方側に位置してもよい。

0011

前記排気ダクトは、筒状の金属板部、又はエラストマー成分を含む樹脂部を有してもよい。

0012

前記車両の骨格を構成する車両骨格部材と、前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した上方側マウント機構と、前記上方側マウント機構よりも下方で前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した下方側マウント機構と、を備え、前記上方側マウント機構及び下方側マウント機構は、前記燃料電池の上部が下部よりも前記車両の前方側に位置するように前記燃料電池を傾斜した姿勢で固定し、前記下方側マウント機構は、前記上方側マウント機構よりも破断を容易にする脆弱部を有していてもよい。

0013

前記車両の骨格を構成する車両骨格部材と、前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した上方側マウント機構と、前記上方側マウント機構よりも下方で前記燃料電池を前記車両骨格部材に固定した下方側マウント機構と、を備え、前記上方側マウント機構及び下方側マウント機構は、前記燃料電池の上部が下部よりも前記車両の前方側に位置するように前記燃料電池を傾斜した姿勢で固定し、前記上方側マウント機構及び下方側マウント機構のそれぞれは、前記燃料電池側に固定されたブラケットと前記車両骨格部材側に固定されたブラケットとを締結する締結ボルトを有し、前記車両の鉛直方向から見た場合に、前記下方側マウント機構の前記締結ボルトの軸方向は、前記上方側マウント機構の前記締結ボルトの軸方向よりも、前記車両の車幅方向に対して平行に近くてもよい。

0014

前記吸気ダクトの前記金属板部又は前記吸気ダクトの前記樹脂部は、前記車両が前方衝突した場合での変形を促進する変形促進部を有していてもよい。

0015

前記収納室に収納され、エアコン冷媒放熱するエアコンコンデンサを備え、前記吸気ダクトは、前記エアコンコンデンサよりも上方側に配置されていてもよい。

0016

前記吸気シャッタ機構は、枠体と、互いに沿うように延び、前記枠体に回転可能に支持され、前記枠体の開口部を開閉する複数のフィンと、を備え、前記複数のフィンは、金属製であってもよい。

0017

前記収納室の上面を開閉するフロントフードと、前記フロントフードの開閉を検出する開閉検出部と、を備え、前記制御部は、前記フロントフードが開いたことが検出された場合に、前記排気シャッタ機構を閉じ側に制御してもよい。

0018

前記吸気ダクト及び燃料電池は、前記モータ及びトランスアクスルよりも上方側に配置されていてもよい。

発明の効果

0019

本発明によれば、前方衝突時での燃料電池への損傷を抑制する空冷式燃料電池車を提供できる。

図面の簡単な説明

0020

図1は、車両の前方側の内部構造の概略図である。
図2は、車両の前方側の内部構造の概略図である。
図3A及び図3Bは、燃料電池及び保持部材の説明図である。
図4A及び図4Bは、マウント機構の説明図である。
図5は、車両を鉛直上方から見た場合での締結ボルトの向きを示した簡略図である。
図6は、吸気シャッタ機構の正面図である。
図7A〜図7Cは、吸気シャッタ機構の模式的な側面図である。
図8は、車両のシステム構成図である。
図9は、制御装置が実行する吸気シャッタ機構及び排気シャッタ機構の全閉制御の一例を示したフローチャートである。
図10は、前方衝突した場合の車両の前方側の内部構造の概略図である。
図11は、図10の場合よりも大きい衝突荷重で前方衝突した場合の車両の前方側の内部構造の概略図である。
図12は、第1変形例である車両の前方側の内部構造の概略図である。
図13は、前方衝突した場合の第1変形例である車両の前方側の内部構造の概略図である。
図14は、第2変形例である車両の前方側の内部構造の概略図である。
図15は、第3変形例である車両の前方側の内部構造の概略図である。
図16は、第4変形例である車両の前方側の内部構造の概略図である。

実施例

0021

本実施例の空冷式燃料電池車1(以下、車両と称する)について説明する。図1は、車両1の前方側の内部構造を、側面から見た場合の概略図である。図2は、車両1の前方側の内部構造を、正面から見た場合の概略図である。尚、本明細書で、「前方側」及び「後方側」は、車両1の車幅方向と直交する前後方向での前方側及び後方側を意味する。

0022

車両1のボディ2内には、乗員室3を画定するダッシュパネルPよりも前方側に収納室Rが設けられている。また、ボディ2の前方側には、収納室Rの上面を開閉するフロントフード4が設けられている。収納室R内には、モータMG、トランスアクスルTA、空冷式の燃料電池スタック(以下、燃料電池と称する)80、保持部材90、吸気ダクト40、排気ダクト50、吸気シャッタ機構60、排気シャッタ機構70が収納されている。尚、車両1には収納室R以外の空間に、燃料電池80に供給される水素貯蔵したタンクや、モータMGに電力を供給可能な二次電池等が収容される。燃料電池80は保持部材90が取り付けられている。保持部材90については詳しくは後述する。

0023

モータMGは、車両1の走行用のモータであり、燃料電池80から供給される電力により駆動する。モータMGは、三相交流式であるがこれに限定されない。トランスアクスルTAは、モータMGと一体に形成され、モータMGの動力を車幅方向に延びたドライブシャフトDSに伝達して、ドライブシャフトDSに連結された前方側の車輪Wを駆動する。トランスアクスルTAは、減速機構及び差動機構を含む動力伝達機構である。モータMG及びトランスアクスルTAは、車幅方向に並んで配置されている。モータMGの前方側の端部である前端部Mfは、トランスアクスルTAの前方側の端部よりも前方側に位置し、更に燃料電池80の前方側の端部である前端部80fよりも前方側に位置しているが、詳しくは後述する。尚、ドライブシャフトDSが車両1の後方側に延びるようにモータMG及びトランスアクスルTAを収納室Rに配置して、ドライブシャフトDSにより後輪が駆動されるものであってもよい。

0024

モータMG及びトランスアクスルTAは、フロントサスペンションメンバ(以下、サスペンションメンバと称する)12とフロントクロスメンバ(以下、クロスメンバと称する)14との間でマウント機構mを介して支持されている。サスペンションメンバ12は、不図示の一対のフロントサイドメンバに不図示のインシュレータを介して吊り下げられ、モータMG、トランスアクスルTA、ステアリングギアSGを下方側から支持している。フロントサイドメンバは、収納室Rの下部における車幅方向での左右に一対設けられている。

0025

クロスメンバ14は、一対のフロントサイドメンバを繋ぐように車幅方向に延びて連結しており、モータMG及びトランスアクスルTAよりも上方側に位置し、吸気ダクト40よりも下方側に位置している。サスペンションメンバ12やクロスメンバ14、及び不図示のフロントサイドメンバは、車両1の骨格を構成する車両骨格部材の一例である。

0026

燃料電池80は、反応ガスである水素及び酸素の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池であり、液体ではなく空気によって冷却される空冷式の燃料電池である。

0027

燃料電池80の前方側には、吸気ダクト40が配置されている。吸気ダクト40は、筒状の金属板部42から構成される。金属板部42は、例えば成形されたステンレス板であるが、ステンレス以外の金属板、例えばアルミニウム板鉄板チタン板であってもよい。金属板部42は、鋳造により筒状に形成したもの、一枚の板金塑性加工により筒状に形成したもの、複数枚の板金を溶接して筒状に形成したもの、の何れでもよい。吸気ダクト40は、前方側に位置した吸気口41を有し、吸気口41から後方側に燃料電池80に向けて延びている。また、ボディ2には、フロントバンパリインフォース18よりも上方側であって吸気口41と対向する位置に通気口6aが形成されている。吸気ダクト40は、通気口6aを介して外部から収納室R内に流入した空気を、燃料電池80に案内する。

0028

吸気口41には、外部からの異物の侵入を抑制する金網が設けられている。また、吸気口41は、フロントバンパリインフォース18よりも上方に位置している。このため、例えば車両1の走行中に路面から水や石が吸気ダクト40内に侵入して、燃料電池80が損傷することが抑制される。

0029

燃料電池80の後方側には、排気ダクト50が配置されている。排気ダクト50は、筒状の金属板部52から構成される。金属板部52は、例えば成形されたステンレス板であるが、ステンレス以外の金属板、例えばアルミニウム板、鉄板やチタン板であってもよい。金属板部52は、鋳造により筒状に形成したもの、一枚の板金を塑性加工により筒状に形成したもの、複数枚の板金を溶接して筒状に形成したもの、の何れでもよい。排気ダクト50は、燃料電池80から上方に延び、フロントフード4に対向した位置に排気口51を有している。また、フロントフード4には、排気口51と対向する位置に通気口4aが形成されている。排気ダクト50は、燃料電池80を通過した空気を、燃料電池80よりも上方側の収納室Rの外部に排気口51及び通気口4aを介して排出する。

0030

排気口51にも、外部からの異物の侵入を抑制する金網が設けられている。このため、比較的大きな異物が排気ダクト50内に侵入して、燃料電池80が損傷することが抑制される。尚、フロントフード4の内面側には、通気口4a周りと排気口51周りとの隙間からの空気の漏れを防止するシール部材sが設けられている。シール部材sは例えばゴム製やスポンジ製である。

0031

排気ダクト50内には、燃料電池80を通過する空気の流れを促進するファンFが配置されている。ファンFは、燃料電池80よりも下流側に配置され、吸気ダクト40側から吸気を吸引し、排気ダクト50側に排出する。このようにして、空気が燃料電池80を通過することにより、燃料電池80に発電に供される酸素が供給されると共に、燃料電池80が冷却される。

0032

図1には、吸気ダクト40内で燃料電池80に向かう空気の方向と、排気ダクト50から排出される空気の方向とを矢印で示している。燃料電池80を通過する空気は、吸気ダクト40及び排気ダクト50により、車両1の側面からみて略円弧状に流れる。このため、空気の圧力損失が低減されており、燃料電池80に十分な量の空気を供給できる。

0033

吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70は、それぞれ吸気ダクト40及び排気ダクト50を開閉する。車両1の走行中では、吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70は原則的に開いた状態に維持される。詳しくは後述する。

0034

収納室R内には、吸気ダクト40よりも下方にエアコンコンデンサACが収納されている。ボディ2には、フロントバンパリインフォース18よりも下方側であってエアコンコンデンサACの前方側に通気口6bが形成されている。エアコンコンデンサACは、エアコン用の冷媒と、通気口6bを介して収納室R内を流れる空気と熱交換することにより、エアコン用の冷媒を放熱する。

0035

エアコンコンデンサACは、吸気ダクト40の下方側に配置されている。具体的には、サポートロアメンバ21はエアコンコンデンサACの下方側を支持し、サポートメンバ23はエアコンコンデンサACの上方側及び吸気ダクト40の下方側を支持し、サポートアッパメンバ25は吸気ダクト40の上方側を支持している。また、サポートメンバ23及びサポートアッパメンバ25は、サポートロアメンバ21に固定された、図2に示す柱部材27により支持されている。

0036

燃料電池80は、マウント機構M1及びM2により、車両骨格部材に固定されている。具体的には、図2に示すように、マウント機構M1は、燃料電池80を保持した保持部材90と、左右のエプロンアッパメンバ16とを固定している。左右のエプロンアッパメンバ16は、上述した左右のサイドメンバの上方側かつ車幅方向外側で車両前後方向に延びており、車両骨格部材の一例である。

0037

マウント機構M2は、図1に示すように、クロスメンバ14の後方側に固定され、マウント機構M1よりも下方側であって後方側に配置されている。従って、マウント機構M1は燃料電池80を車両骨格部材に固定した上方側マウント機構の一例であり、マウント機構M2は、マウント機構M1よりも下方で燃料電池80を車両骨格部材に固定した下方側マウント機構の一例である。尚、マウント機構M2は、2つ設けられているが、一つであってもよい。マウント機構M1及びM2の構造の詳細については後述する。

0038

燃料電池80は、マウント機構M1及びM2により、モータMG及びトランスアクスルTAの上方側の限られた空間内で、上部が下部よりも前方側に位置するように傾斜した姿勢で保持されている。例えば、燃料電池80をモータMG及びトランスアクスルTAの上方側で垂直な姿勢で保持させた場合、収納室Rの高さの制限により、大型の燃料電池80を採用できない可能性がある。また、燃料電池80をモータMG及びトランスアクスルTAの上方側で水平な姿勢で保持させた場合、燃料電池80を通過する空気の流れが複雑になり、空気の圧力損失が増大し、十分な量の空気を燃料電池80に供給できない可能性もある。従って、本実施例のように燃料電池80を傾斜した姿勢で保持することにより、モータMG及びトランスアクスルTAの上方側の限られた空間内で大型の燃料電池80の採用を可能にしつつ、燃料電池80へ供給される空気の量を確保できる。

0039

また、収納室Rの前方側から上方側へ流れる空気の流路上に燃料電池80を配置する場合に、燃料電池80を斜めに配置することによって、燃料電池80の各セルに対して空気を均等に流すことができる。

0040

次に、燃料電池80及び保持部材90の形状について説明する。図3A及び図3Bは、燃料電池80及び保持部材90の説明図である。図3Aは、燃料電池80及び保持部材90を下方側から見た図である。図3Bは、図3Aの部分断面図であり、燃料電池80の内部構造の図示は省略してある。

0041

燃料電池80は、空気が流入する側の下面81と、空気が排出される側の上面83と、下面81と上面83を除く面である外周面85とを有している。燃料電池80は、下面81側又は上面83側から見て略矩形状である。燃料電池80を構成する複数の積層されたセルのそれぞれには、積層方向と直交する方向への空気の通過を許容するカソード流路89が複数形成されている。本実施例では、燃料電池80の複数のセルは略車幅方向に積層され、燃料電池80の長手方向が車両1の略車幅方向となるように配置されているが、これに限定されない。

0042

保持部材90は、金属製であり、燃料電池80の外周面85と下面81及び上面83の外周縁側とを覆う略枠状である。詳細には保持部材90は、周壁部95と下方側周縁部91と上方側周縁部93とを有している。周壁部95は、燃料電池80の外周面85と対向し、燃料電池80の下面81側又は上面83側から見て略矩形状である。下方側周縁部91は、周壁部95から燃料電池80の下面81と略平行になるように内側に曲げられている。上方側周縁部93は、周壁部95から燃料電池80の上面83と略平行になるように内側に曲げられている。下方側周縁部91及び上方側周縁部93は、それぞれ燃料電池80の下面81及び上面83側から見て略枠状であり、燃料電池80への空気の通過を許容する開口92及び94を画定する。

0043

図3Bには、開口92及び94を介して燃料電池80を通過する空気の方向を矢印により示している。保持部材90の内面と燃料電池80の外面との間には、ゴム製の緩衝部材gが複数配置されている。このようにして、燃料電池80は保持部材90に保持されている。

0044

保持部材90の下方側周縁部91は、吸気ダクト40の端部にボルトbにより固定されている。保持部材90の上方側周縁部93は、排気ダクト50の端部にボルトbにより固定されている。このようにして、保持部材90が吸気ダクト40及び排気ダクト50に固定されることにより、燃料電池80は吸気ダクト40と排気ダクト50との間で支持されている。

0045

次に、マウント機構M1及びM2の構造ついて説明する。最初にマウント機構M2について説明する。図4Aは、マウント機構M2の説明図であり、図1の矢印Aの方向から見たマウント機構M2を示している。マウント機構M2は、燃料電池80側に固定されているブラケットBR1と、車両骨格部材側に固定されているブラケットBR2と、ブラケットBR2に保持されたインシュレータMI2とを有している。具体的には、ブラケットBR1は、燃料電池80を保持する保持部材90の下方側周縁部91にボルトbにより固定されている。ブラケットBR2は、クロスメンバ14の上面側にボルトbにより固定されている。尚、図4Aでは、インシュレータMI2についてのみ断面で示している。

0046

ブラケットBR1は、保持部材90の下方側周縁部91に固定される基部111と、基部111から略直交方向に互いに略平行に延び略車幅方向に並んだ2つの支持片113と、を含む。ブラケットBR2は、クロスメンバ14に固定される基部211と、基部211から略直交方向に互いに略平行に延び略車幅方向に並んだ2つの支持片223と、を含む。2つの支持片223は、ブラケットBR1の2つの支持片113の間に位置する。2つの支持片223の間には、インシュレータMI2が挟まれて保持されている。

0047

インシュレータMI2は、互いに同心状に配置され金属製である外筒311及び内筒315と、外筒311及び内筒315間に配置されゴム製であり筒状の弾性体313と、を含む。外筒311は2つの支持片223に固定されているが、弾性体313及び内筒315は支持片223に対して固定されておらず支持片223に対して移動可能である。

0048

また、締結ボルトB2とナットN2とにより、ブラケットBR1及びBR2は締結されている。詳細には、締結ボルトB2が支持片113及び223に形成された孔を貫通しつつ内筒315に挿入された状態で、先端側にナットN2に締結されている。

0049

ここで、締結ボルトB2の軸部が貫通する支持片113の孔の径は、締結ボルトB2の軸部と略同じである。これに対して、締結ボルトB2の軸部が貫通する支持片223の孔の径は、支持片113よりも大きく形成されている。ここで、弾性体313が弾性変形する分だけ、締結ボルトB2に対して支持片223の移動が許容される。即ち、インシュレータMI2は、ブラケットBR2を弾性的に支持する。このようにして、マウント機構M2により保持部材90は弾性的に支持され、例えばモータMGやトランスアクスルTAからの振動が燃料電池80に伝わることが抑制されている。

0050

尚、締結ボルトB2は、略車幅方向に延びており、ブラケットBR1及びBR2は、締結ボルトB2周りにある程度回転可能に連結されている。

0051

図4Bは、図2の矢印Bの方向から見たマウント機構M1を示している。マウント機構M1は、燃料電池80側に固定されたブラケットBR1と、車両骨格部材側に固定されたブラケットBR3と、ブラケットBR3に保持されたインシュレータMI1とを有している。具体的には、マウント機構M1のブラケットBR1は、保持部材90の周壁部95にボルトbにより固定されている。ブラケットBR3は、エプロンアッパメンバ16にボルトbにより固定されている。図4Bにおいても、インシュレータMI1のみを断面で示している。ブラケットBR1については、マウント機構M2のブラケットBR1と同じであるため説明を省略する。

0052

ブラケットBR3は、エプロンアッパメンバ16に固定される基部211と、基部211から略直交方向に立ち上がって互いに略平行に延び略車両前後方向に並んだ2つの支持片225と、を含む。支持片225の間には、インシュレータMI1が挟まれて保持されている。

0053

インシュレータMI1は、外筒311と弾性体313と内筒316とを含む。内筒316は、インシュレータMI2の内筒315と異なり、内径が内筒315よりも大きく形成されている。また、ブラケットBR1及びBR3は締結ボルトB1及びナットN1により締結されているが、内筒316に挿入される締結ボルトB1の外径は、インシュレータMI2の締結ボルトB2の外径よりも大きく形成されている。このため、締結ボルトB1よりも締結ボルトB2は強度が低く脆弱である。従って、締結ボルトB2の方が締結ボルトB1よりも破断しやすいため、例えば車両1の前方衝突時には、マウント機構M2の方がマウント機構M1よりも破断しやすい。従って、締結ボルトB2は、マウント機構M2をマウント機構M1よりも破断を容易にする脆弱部の一例である。このように構成されている理由については、詳しくは後述する。

0054

尚、マウント機構M2の方がマウント機構M1よりも破断が容易であれば、脆弱部は締結ボルトB2に限定されない。例えば、マウント機構M2の支持片113及び223の少なくとも一方の厚みが、マウント機構M1の支持片113及び225よりも薄く脆弱であってもよい。また、マウント機構M2に用いられているボルトbの方が、マウント機構M1に用いられているボルトbよりも径が小さく脆弱であってもよい。また、マウント機構M2のブラケットBR1及びBR2の少なくとも一方の材質剛性の方が、マウント機構M1のブラケットBR1及びBR3よりも剛性が低く脆弱であってもよい。

0055

また、本実施例では、前述のようにマウント機構M1とマウント機構M2の車両1に対する取り付け方向が異なっている。具体的には、図5に示すように、車両1の鉛直上方から見た場合に、マウント機構M2の締結ボルトB2の軸方向は車幅方向と一致しているのに対し、マウント機構M1の締結ボルトB1の軸方向は車幅方向と直交している。図5は、車両1を鉛直上方から見た場合での締結ボルトB1及びB2の向きを示した簡略図である。この構成により、前方衝突時に燃料電池80が後方側に移動しようとすると、マウント機構M1の締結ボルトB1には圧縮方向の荷重が加わるのに対して、マウント機構M2の締結ボルトB2にはせん断方向の荷重が加わる。ここで、ボルトはせん断荷重を受けたときのほうが圧縮荷重を受けたときよりも破断しやすい。このため、仮に締結ボルトB1及びB2の外径が同一であってその他のマウント機構M1及びM2の構造や材質が同一であっても、マウント機構M2のほうが破断しやすい。

0056

尚、車両1を鉛直方向から見た場合に、マウント機構M2の締結ボルトB2の軸方向と車幅方向との間の角度は0°であり、マウント機構M1の締結ボルトB1の軸方向と車幅方向との間の角度は90°であるが、これに限定されない。車両1を鉛直方向から見た場合に、マウント機構M2の締結ボルトB2の軸方向は、マウント機構M1の締結ボルトB1の軸方向よりも、車幅方向に対して平行に近ければよい。

0057

次に、吸気シャッタ機構60の構造について説明する。尚、排気シャッタ機構70は吸気シャッタ機構60の基本構造と同じであるため、排気シャッタ機構70の説明については省略する。図6は、吸気シャッタ機構60の正面図である。図7A〜図7Cは、吸気シャッタ機構60の模式的な側面図である。図6及び図7Aは全閉状態を示し、図7Bは半開状態を示し、図7Cは全開状態を示している。

0058

吸気シャッタ機構60は、枠体61、ハウジング62、モータ63、駆動ギア64、従動ギア65a〜65f、フィン66a〜66f、及びシール部材67a〜67gを有する。枠体61、ハウジング62、従動ギア65a〜65f、及びフィン66a〜66fは金属製である。シール部材67a〜67gはゴム製である。

0059

枠体61は、複数のフィン66a〜66fを回転可能に支持し、更にシール部材67a〜67gを支持している。フィン66a〜66fとシール部材67a〜67gとは、互いに略同一方向に延びて互いに略平行に配置されている。ハウジング62は、枠体61の外側でモータ63、駆動ギア64、従動ギア65a〜65fを収納している。

0060

枠体61は、吸気ダクト40に形成されたスリットに挿入されて、フィン66a〜66fは吸気ダクト40内に配置される。これに対してハウジング62は、吸気ダクト40の外側に配置される。モータ63は、後述するECU100により制御され、フィン66a〜66fを回転させる。駆動ギア64は、モータ63の出力軸に連結されている。また、モータ63は、例えばステッピングモータであり、ECU100によりその回転停止位置が制御される。これにより、図7A〜図7Cに示したように、フィン66a〜66fの停止位置も制御でき、吸気シャッタ機構60を所望の開口率に維持できる。

0061

従動ギア65a〜65fは、フィン66a〜66fの回転軸に連結されている。ここで駆動ギア64は従動ギア65aに、従動ギア65aは従動ギア65bに、従動ギア65bは従動ギア65cに、従動ギア65cは従動ギア65dに、従動ギア65dは従動ギア65eに、従動ギア65eは従動ギア65fに噛み合っている。このため、モータ63の回転動力が駆動ギア64から従動ギア65a〜65eに伝達され、従動ギア65a〜65eのうち隣接する2つは互いに逆方向に回転する。これにより、フィン66a〜66fのうち隣接する2つも互いに逆方向に回転する。

0062

シール部材67a〜67gは、全閉時でのフィン66a〜66fの隙間を塞ぐと共に、フィン66a〜66fの回転範囲規制している。シール部材67b〜67fは、それぞれ、全閉時でのフィン66aとフィン66bとの隙間、フィン66bとフィン66cとの隙間、フィン66cとフィン66dとの隙間、フィン66dとフィン66eとの隙間、フィン66eとフィン66fとの隙間を塞ぐ。また、シール部材67aは、全閉時でのフィン66aと枠体61の内縁との隙間を塞ぎ、シール部材67gは、全閉時でのフィン66fと枠体61の内縁との隙間を塞ぐ。また、フィン66a〜66fのそれぞれの回転方向を考慮して、シール部材67a、67c、67e、及び67gはフィン66a〜66fよりも前方側に配置され、シール部材67b、67d、及び67gはフィン66a〜66fよりも後方側に配置されている。

0063

次に、車両1の制御システムについて簡単に説明する。図8は、車両1のシステム構成図である。制御装置100は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータであり、アクセル開度センサからの入力を受けて、電力変換器PCを制御することによりモータMGの駆動を制御する。電力変換器PCは、燃料電池80から供給された電力を昇圧する燃料電池用コンバータと、二次電池SBから供給された年力を昇圧する二次電池用コンバータと、これら昇圧された電力を直流から交流に変換してモータMGやそのほかの補機に供給するインバータと、を備えている。電力変換器PCや二次電池SBは、例えば車両1のフロアパネルの下方側に配置される。

0064

フードスイッチFSは、フロントフード4の開閉を検出する開閉検出部の一例である。フードスイッチFSは、収納室R内のフロントフード4の近傍に配置され、フロントフード4の開閉により出力信号オン信号又はオフ信号切り替えられるスイッチである。フードスイッチFSの出力信号は制御装置100に入力される。

0065

衝突センサCSは、車両1へ加わった衝撃を検知して車両1の前方衝突を検出する衝突検出部の一例である。具体的には、衝突センサCSはエアバックセンサであり、主に車両1が衝突した際にエアバックを動作させるために利用される。

0066

尚、衝突センサCSはエアバックセンサに限定されず、例えばプリクラッシュセンサであってもよい。プリクラッシュセンサは、車両1が前方側の物体と衝突する蓋然性が高いことを検出するセンサである。車両1が衝突する蓋然性は、例えば、車両1に搭載されたカメラ車間距離を測るレーダ等からの情報と、車速等の走行状態の情報を基に総合的に判断される。

0067

制御装置100は、燃料電池80への要求発電量や車両1の走行速度等に応じて、吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70の開度を制御する。しかしながら、制御装置100は、衝突センサCS及びフードスイッチFSからの出力信号に基づいて吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70を全閉にする。制御装置100は、吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70を制御する制御部の一例である。以下、制御装置100が実行する吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70の全閉制御について説明する。図9は、制御装置100が実行する吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70の全閉制御の一例を示したフローチャートである。この制御は所定の期間毎に繰り替えし実行される。

0068

制御装置100は、フードスイッチFSからの出力信号に基づいて、フロントフード4が開いたか否かを判定する(ステップS1)。否定判定の場合には、制御装置100は、衝突センサCSからの出力信号に基づいて、車両1が衝突したか否かを判定する(ステップS2)。ステップS1及びS2の双方で否定判定の場合には本制御は終了する。

0069

ステップS1で肯定判定の場合、即ちフロントフード4が開かれた場合には、制御装置100は吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70を全閉にする。これにより、フロントフード4が開かれた場合に、例えば水やゴミなどが排気ダクト50内に侵入して燃料電池80が損傷することを抑制できる。尚、フロントフード4が開いたことが検出された場合には、吸気シャッタ機構60を開いた状態に維持しつつ排気シャッタ機構70のみを全閉にしてもよい。この場合であっても、排気ダクト50内に水やゴミが侵入することを抑制できるからである。

0070

ステップS2で肯定判定の場合、即ち車両1が衝突した場合には、制御装置100は吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70を全閉にする。図10は、前方衝突した場合の車両1の前方側の内部構造の概略図である。前方衝突により吸気ダクト40及び排気ダクト50は変形するが、上述したように衝突時に吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70を全閉にされる。これにより、例えば車両1が前方衝突した場合に、外部からの異物や車両1側の部品が吸気ダクト40又は排気ダクト50内に侵入して燃料電池80に衝突して、燃料電池80が損傷することを抑制できる。また、衝突後に外部から水などが吸気ダクト40又は排気ダクト50内に浸入して燃料電池80が損傷することも抑制できる。

0071

尚、衝突センサCSは、前方衝突のみならずそれ以外の衝突も検出し、前方衝突以外の衝突を検出された場合にも制御装置100は吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70の双方を全閉にするが、衝突センサCSは、少なくとも車両1が前方衝突したか否かを検出できればよい。

0072

尚、吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70を全閉に制御することに限定されない。例えばステップS1又はS2で肯定判定がされた場合には、判定直前での吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70の開口率よりも小さくなるように、吸気シャッタ機構60及び排気シャッタ機構70を閉じ側に制御すれば、全閉に制御しなくてもよい。この場合であっても、吸気ダクト40及び排気ダクト50内への異物の侵入を抑制できるからである。

0073

また、上述したように吸気シャッタ機構60のフィン66a〜66fは金属製であるため、前方衝突によりこれらが変形しても吸気ダクト40を全閉状態に維持しやすい。排気シャッタ機構70についても同様である。このため、吸気ダクト40又は排気ダクト50内への異物の侵入を防止できる。

0074

また、上述したように吸気ダクト40及び排気ダクト50は全体が筒状の金属板からなる金属板部42及び52から構成される。このため、図10に示すように、前方衝突した場合に吸気ダクト40及び排気ダクト50は変形するが、破断や粉砕されることは抑制される。このため、部品や異物が燃料電池80に衝突することが抑制される。また、前方衝突時に吸気ダクト40が変形することにより、衝突荷重のうちの一部が吸気ダクト40の変形に費やされ、燃料電池80に伝達される衝撃が緩和される。これによっても、燃料電池80への損傷が抑制される。

0075

また、図1では、モータMGの前端部Mfを通過する鉛直線Lを示しており、鉛直線Lは燃料電池80の前端部80fよりも前方側に位置している。即ち、モータMGの前端部Mfは、燃料電池80の前端部80fよりも前方側に位置している。このため、前方衝突時には、部品や異物が燃料電池80に接近する前に先にモータMGに衝突しやすい。このため、衝突荷重の一部をモータMGが受けるため、燃料電池80に加わる衝撃が抑制される。

0076

ここで、モータMGのハウジングは、内部に高速回転するロータを収納しているため、燃料電池80よりも比較的剛性が高く設計されている。このため、モータMGの前端部Mfを燃料電池80の前端部80fよりも前方側に配置することにより、モータMGよりも燃料電池80への衝撃を抑制することを優先させている。

0077

また、図1に示したように、燃料電池80は、上部が下部よりも前方側に位置するように傾斜した姿勢で保持されている。また、上述したようにマウント機構M2のブラケットBR1及びBR2は、略車幅方向に延びた締結ボルトB2周りにある程度回転可能に連結されている。このため、図10に示すように前方衝突により、燃料電池80の下部側を支点として回転することが許容される。これにより、クラッシュストロークが確保され、燃料電池80への損傷を抑制できる。

0078

また、図10に示すように、前方衝突により、エアコンコンデンサACやフロントバンパリインフォース18は後方側に押し潰されるが、吸気ダクト40はこれらの上方側に配置されている。このため、エアコンコンデンサACやフロントバンパリインフォース18が、吸気ダクト40に衝突することが抑制され、前方衝突により吸気ダクト40が大きく変形することを抑制できる。これにより、吸気ダクト40を吸気シャッタ機構60により全閉にした状態を維持できる。また、吸気ダクト40から燃料電池80に伝達される衝撃も抑制できる。

0079

また、エアコンコンデンサACやフロントバンパリインフォース18は、燃料電池80の下方側であってモータMG及びトランスアクスルTAの前方側に配置されている。このため前方衝突時には、エアコンコンデンサACやフロントバンパリインフォース18は、燃料電池80に衝突することなく、モータMG及びトランスアクスルTAに衝突する。このため、燃料電池80に加わる衝撃も抑制される。また、ファンFは、燃料電池80の後方側に配置されているため、ファンFが燃料電池80に衝突することも抑制されている。

0080

図11は、図10の場合よりも大きい衝突荷重で前方衝突した場合の車両1の前方側の内部構造の概略図である。上述したように、マウント機構M2の方がマウント機構M1よりも破断が容易である。このため、車両1の前方側に大きな衝突荷重が加わると、マウント機構M2が破断してブラケットBR1及びBR2が分離する。これにより、燃料電池80はクロスメンバ14から脱落し、燃料電池80は重力の作用により下方側に移動する。従って、燃料電池80は、ダッシュパネルPの下方側であって乗員室3の下方側に移動する。このため、燃料電池80がダッシュパネルPに衝突して大きな衝撃が加わることが抑制される。また、燃料電池80が乗員室3内に侵入することも抑制される。

0081

次に、燃料電池車の変形例について説明する。尚、上記実施例と同一の構成は、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。図12は、第1変形例である車両1aの前方側の内部構造の概略図である。吸気ダクト40aの金属板部42aには、複数の屈曲部43aが設けられている。屈曲部43aにおいて、吸気ダクト40aの壁部は折り曲げられている。尚、図12に示した屈曲部43aは、誇張して示している。

0082

図13は、前方衝突した場合の第1変形例である車両1aの前方側の内部構造の概略図である。車両1aが前方衝突した場合、吸気ダクト40aは複数の屈曲部43aで更に折れ曲がるように変形する。これにより、衝突荷重の一部は、複数の屈曲部43aが折れ曲がることに費やされる。これにより、吸気ダクト40aから燃料電池80に伝達される衝撃が緩和される。

0083

図14は、第2変形例である車両1bの前方側の内部構造の概略図である。吸気ダクト40bの金属板部42bには、複数の薄肉部43bが設けられている。薄肉部43bでは、吸気ダクト40bのそれ以外の壁部よりも薄く形成されている。このため、車両1bが前方衝突した場合には、吸気ダクト40bは複数の薄肉部43bで折れ曲がるように変形する。このような構成によっても、燃料電池80に伝達される衝撃が緩和される。尚、薄肉部43bでの厚さは、前方衝突時に破断しない程度の薄さである。

0084

図15は、第3変形例である車両1cの前方側の内部構造の概略図である。吸気ダクト40cの金属板部42cには、複数の蛇腹部43cが設けられている。蛇腹部43cは、蛇腹状になっている。車両1cが前方衝突した場合には、吸気ダクト40cは複数の蛇腹部43cが収縮するように変形する。このような構成によっても、燃料電池80に伝達される衝撃が緩和される。以上のように第1〜3変形例において、屈曲部43a、薄肉部43b、蛇腹部43cは、前方衝突した場合での当該吸気ダクトの変形を促進する変形促進部の一例である。

0085

なお、上記実施例及び変形例では吸気ダクト40〜40cのそれぞれの金属板部42a〜42cに変形促進部を有する構成を説明したが、更に排気ダクト50の金属板部52に変形促進部を有していてもよい。この場合、図11のように衝撃荷重が大きい場合にもより好適に衝撃を吸収できる。

0086

上記実施例及び変形例では、吸気ダクト40〜40c及び排気ダクト50は、全体が金属板部で構成されているがこれに限定されない。例えば、吸気ダクト及び排気ダクトの少なくとも一方が、金属鋳物部と金属板部と備えた構成であってもよい。金属鋳物部は、例えば他部品と締結するための締結フランジ部であり、その他の筒状の部分が金属板部となる構成である。この場合、金属鋳物部は剛性を確保する必要があるため、金属板部よりも肉厚であり変形しにくい。しかしながらこの場合であっても、金属板部は金属鋳物部よりも変形しやすいため、衝突荷重のうちの一部が金属板部の変形に費やされて、燃料電池80への衝撃を緩和できる。

0087

また、吸気ダクト40〜40c及び排気ダクト50の少なくとも一つが樹脂製であって、かつエラストマー成分を有する樹脂部を少なくとも一部に有していてもよい。一般に樹脂は前方衝突時に衝撃荷重を受けた際に変形せずに破断または粉砕し易い。しかしながら、エラストマー成分を有する樹脂部は変形が容易であり、樹脂部が変形して衝撃荷重を吸収することで、吸気ダクト40〜40c及び排気ダクト50の少なくとも一方の破断を抑制できる。エラストマー成分を含む樹脂の例としては、オレフィン系、スチレン系、ブタジエン系、イソプレン系等の各熱可塑性エラストマーや、ポリエステル系、ポリエーテル系等の各熱硬化性エラストマーフッ素系、シリコーン系等のゴムなどが挙げられる。

0088

例えば、吸気ダクト40a〜40cを樹脂製である場合、少なくとも、エラストマー成分を有する樹脂からなる樹脂部に、屈曲部43a、薄肉部43b、蛇腹部43cが形成されていることが望ましい。前方衝突時での樹脂部の変形が更に促進されるからである。

0089

図16は、第4変形例である車両1dの前方側の内部構造の概略図である。上記実施例及び変形例では、モータMGの前端部Mfが燃料電池80の前端部80fよりも前方側に位置しているが、第4変形例では、トランスアクスルTAの前端部Tfは、モータMG´の前方側の端部よりも前方側に位置し、燃料電池80の前端部80fよりも前方側に位置している。トランスアクスルTAのハウジングは、モータMG´からの動力やドライブシャフトDSからの反力を受けるため、燃料電池80よりも比較的剛性が高く設計されているからである。従って、この場合も、前方衝突時に部品や異物が先にトランスアクスルTAに衝突することにより、燃料電池80に加わる衝撃を抑制できる。

0090

以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

0091

上記実施例及び変形例では、モータMG及びMG´とトランスアクスルTAとは、収納室Rに収納されているがこれに限定されない。例えば、モータMG及びMG´とトランスアクスルTAとは、乗員室3より後方側に配置されて、後輪を駆動するものであってもよい。

0092

上記実施例及び変形例では、排気ダクト50及び排気シャッタ機構70が設けられているが、これらは設けられていなくてもよい。これらが設けられていなくても、燃料電池80を通過した空気は、フロントフード4の通気口4aを介して収納室Rの外部に排出できるからである。

0093

上記実施例及び変形例では、吸気ダクト40はエアコンコンデンサACの上方側に配置されているが、これに限定されない。例えば、エアコンコンデンサACが吸気ダクト40の上方側に配置され、エアコンコンデンサACは通気口6aと対向し、吸気ダクト40の吸気口41が通気口6bと対向するように配置されていてもよいし、エアコンコンデンサACと吸気ダクト40の吸気口41が車幅方向に並んで配置されてもよい。

0094

1、1a、1b、1c、1d燃料電池車
2 ボディ
4フロントフード
4a、6a、6b通気口
18フロントバンパリインフォース
40吸気ダクト
41吸気口
42、42a、42b、42c、52金属板部
43a屈曲部(変形促進部)
43b薄肉部(変形促進部)
43c蛇腹部(変形促進部)
50排気ダクト
51排気口
60吸気シャッタ機構
70排気シャッタ機構
80燃料電池
90保持部材
100制御装置(制御部)
ACエアコンコンデンサ
MGモータ
TAトランスアクスル
M1マウント機構(上方側マウント機構)
M2 マウント機構(下方側マウント機構)
FSフードスイッチ(開閉検出部)
CS衝突センサ(衝突検出部)

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