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※この項目の情報は公開日時点(2017年10月26日)のものです。
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課題
解決手段
概要
背景
鉱山廃水は、硫化鉱が酸化し地下水に溶解することにより硫酸酸性を示すことが多い。従来、鉱山廃水は石灰石や消石灰を水に溶いたカルシウム系アルカリを中和剤として用い、中和処理することで河川等へ放水されてきた。鉱山廃水中には大量の鉄が溶解していることが多く、中和反応によりpHが上昇すると溶解度積の影響で水酸化鉄の沈殿が生じる。加えて、石灰石や消石灰を用いて中和処理を行った場合、鉱山廃水に大量に含まれる硫酸イオンとカルシウム成分が反応し、中和沈殿物として石膏が生じる。そのため、石灰石や消石灰などのカルシウム系化合物を用いた鉱山廃水の中和処理においては水酸化鉄や石膏など大量の中和沈殿物が発生し、中和沈殿物処理のために莫大な費用が必要となることが問題となっている(例えば特許文献1参照)。
この問題を解決するために、中和剤として水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムなどのマグネシウム化合物を使用し、中和沈殿物の生成を抑える方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。マグネシウム化合物を中和剤として使用する場合、硫酸イオンと反応して生じる硫酸マグネシウムは水への溶解度が石膏と比較して非常に高く処理水中に固形分として残留しないため、中和沈殿物の量を削減することができる。
概要
マグネシウム化合物を含む酸性水中和剤であって、中和速度に優れ、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる中和剤を提供する。本発明に係る酸性水用中和剤は、マグネシウム化合物と、アンモニウム塩とを含む。マグネシウム化合物に含まれるマグネシウムのモル数Aに対するアンモニウム塩に含まれるアンモニウムのモル数Bの比B/Aが0を超えて0.5以下であることが好ましく、比B/Aの値がこの範囲となるように、マグネシウム化合物と、アンモニウム塩とを混合することによって本発明に係る酸性水用中和剤を得ることが好ましい。なし
目的
本発明は、マグネシウム化合物を含む酸性水中和剤であって、中和速度に優れ、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる酸性水中和剤を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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この技術が所属する分野
請求項1
請求項2
請求項3
請求項4
前記酸化マグネシウムは、平均粒子径が1〜10μmであり、ブレーン比表面積が1000〜30000cm2/gである、請求項2又は3に記載の酸性水用中和剤。
請求項5
前記アンモニウム塩は、リン酸水素二アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムからなる群より選ばれる一種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸性水用中和剤。
請求項6
前記マグネシウム化合物に含まれるマグネシウムのモル数Aに対する前記アンモニウム塩に含まれるアンモニウムのモル数Bの比B/Aが0を超えて0.5以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸性水用中和剤。
請求項7
請求項8
技術分野
背景技術
0002
鉱山廃水は、硫化鉱が酸化し地下水に溶解することにより硫酸酸性を示すことが多い。従来、鉱山廃水は石灰石や消石灰を水に溶いたカルシウム系アルカリを中和剤として用い、中和処理することで河川等へ放水されてきた。鉱山廃水中には大量の鉄が溶解していることが多く、中和反応によりpHが上昇すると溶解度積の影響で水酸化鉄の沈殿が生じる。加えて、石灰石や消石灰を用いて中和処理を行った場合、鉱山廃水に大量に含まれる硫酸イオンとカルシウム成分が反応し、中和沈殿物として石膏が生じる。そのため、石灰石や消石灰などのカルシウム系化合物を用いた鉱山廃水の中和処理においては水酸化鉄や石膏など大量の中和沈殿物が発生し、中和沈殿物処理のために莫大な費用が必要となることが問題となっている(例えば特許文献1参照)。
0003
この問題を解決するために、中和剤として水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムなどのマグネシウム化合物を使用し、中和沈殿物の生成を抑える方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。マグネシウム化合物を中和剤として使用する場合、硫酸イオンと反応して生じる硫酸マグネシウムは水への溶解度が石膏と比較して非常に高く処理水中に固形分として残留しないため、中和沈殿物の量を削減することができる。
先行技術
0004
特公昭61−156号公報
特開2003−190969号公報
発明が解決しようとする課題
0006
本発明は、マグネシウム化合物を含む酸性水中和剤であって、中和速度に優れ、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる酸性水中和剤を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0007
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムなどのマグネシウム系アルカリにアンモニウム塩を適量添加することで、中和速度が速くなり、中和に必要な使用量を抑えられることを見出し、本発明をなすに至った。
0008
すなわち、本発明に係る酸性水中和剤は、マグネシウム化合物と、アンモニウム塩とを含む。マグネシウム化合物として、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム及びこれらの混合物が挙げられる。アンモニウム塩として、リン酸水素二アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、炭酸水素アンモニウム及びこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
0009
本発明に係る酸性水中和剤によれば、マグネシウム化合物とアンモニウム塩とを併用したことで、優れた中和速度を達成でき、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる。これに対し、酸性水中和剤として、マグネシウム化合物(例えば水酸化マグネシウム)を単独で使用した場合、所定時間(例えば20分)内に被処理水を所定pH(例えばpH7)以上にまで中和するには、本発明と比較して大量の中和剤(マグネシウム化合物)を酸性水に添加する必要がある。なお、マグネシウム化合物を大量に添加しなくても、時間をかければ酸性水のpHが所定pHに到達するものの、所定時間内において中和処理を完了させることができない。
0010
マグネシウム化合物とアンモニウム塩とを併用することによって、中和速度が向上する理由は定かではないが、これについて本発明者らは以下のように推察する。すなわち、水中でアンモニウムイオンがルイス酸として作用し、マグネシウム化合物の溶解度が向上することが中和速度向上の主因であると推察される。
0011
マグネシウム化合物として、水酸化マグネシウムを使用する場合、酸性水中和剤に含まれる水酸化マグネシウムは、より高い中和速度を達成する観点から平均粒子径が1〜10μmであり、ブレーン比表面積が1000〜30000cm2/gであることが好ましい。マグネシウム化合物として、酸化マグネシウムを使用する場合、酸性水中和剤に含まれる酸化マグネシウムは、より高い中和速度を達成する観点から平均粒子径が1〜10μmであり、ブレーン比表面積が1000〜30000cm2/gであることが好ましい。
0012
本発明に係る酸性水中和剤において、マグネシウム化合物に含まれるマグネシウムのモル数Aに対するアンモニウム塩に含まれるアンモニウムのモル数Bの比B/Aが0を超えて0.5以下であることが好ましい。モル比B/Aの値がこの範囲となるように、マグネシウム化合物と、アンモニウム塩とを混合することによって本発明に係る酸性水用中和剤を得ることができる。
0013
本発明は、中和処理をすべき酸性水に対して上記酸性水用中和剤を加える工程を含む酸性水中和処理方法を提供する。本発明に係る上記酸性水用中和剤を使用することで、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる。中和処理すべき酸性水としては、pH5以下の水であって、鉱山廃水、河川水、地下水及びこれらの二種以上の混合水が挙げられる。
発明の効果
0014
本発明によれば、マグネシウム化合物を含む酸性水中和剤であって、中和速度に優れ、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる中和剤及びこれを使用した酸性水中和処理方法が提供される。
0015
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
0016
<酸性水中和剤>
本実施形態に係る酸性水中和剤は、酸性水を中和処理するためのものであり、マグネシウム化合物と、アンモニウム塩とを含む。この酸性水中和剤によれば、マグネシウム化合物とアンモニウム塩とを併用したことで、優れた中和速度を達成でき、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる。処理対象の酸性水としては、例えばpH5以下の水であって、鉱山廃水、河川水、地下水及びこれらの二種以上の混合水が挙げられる。この酸性水中和剤の効果が顕著に奏される観点から、処理対象の酸性水のpHは4以下であってもよく、4〜6の範囲であってもよい。
0017
酸性水中和剤に調製に使用するマグネシウム化合物として、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ハイドロケーキ等の各種マグネシウム化合物が挙げられる。これらのうち、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。優れた中和速度の酸性水中和剤を得る観点から、マグネシウム化合物として、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム又はこれらの混合物を使用することが好ましい。
0018
マグネシウム化合物として、水酸化マグネシウムを使用する場合、酸性水中和剤に含まれる水酸化マグネシウム(調製後)又は酸性水中和剤に調製に使用する水酸化マグネシウム(調整前)は、平均粒子径が好ましくは1〜10μm(より好ましくは1〜5μm)であり、ブレーン比表面積が好ましくは1000〜30000cm2/g(より好ましくは3000〜20000cm2/g)である。マグネシウム化合物として、酸化マグネシウムを使用する場合、酸性水中和剤に含まれる酸化マグネシウム(調製後)又は酸性水中和剤に調製に使用する酸化マグネシウム(調整前)は、平均粒子径が好ましくは1〜10μm(より好ましくは1〜5μm)であり、ブレーン比表面積が好ましくは1000〜30000cm2/g(より好ましくは3000〜20000cm2/g)である。
0019
酸性水中和剤に調製に使用するアンモニウム塩として、リン酸水素二アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、フッ化アンモニウム等の各種アンモニウム塩が挙げられる。これらのうち、一種を単独で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。優れた中和速度の酸性水中和剤を得る観点から、塩化アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、炭酸水素アンモニウム又はこれらの二種以上の混合物を使用することが好ましい。なお、アンモニウム塩は、それ自体が酸性水を中和し得るものではなく、例えば、リン酸水素二アンモニウムは水溶液が中性を示す物質であり、塩化アンモニウム及びリン酸二水素アンモニウムは水溶液が酸性をそれぞれ示す物質である。
0020
本実施形態に係る酸性水中和剤において、マグネシウム化合物に含まれるマグネシウムのモル数Aに対するアンモニウム塩に含まれるアンモニウムのモル数Bの比B/Aが0を超えて0.5以下であることが好ましい。モル比B/Aの値がこの範囲となるように、マグネシウム化合物と、アンモニウム塩とを混合することによって酸性水用中和剤を得ることが好ましい。比B/Aが0.5以下であれば、酸性水の中和処理においてアンモニアガスが発生することを十分に抑制できる。比B/Aの値は、優れた中和速度の酸性水中和剤を得る観点から、より好ましくは0.01〜0.3であり、更に好ましくは0.03〜0.2である。
0021
本実施形態に係る酸性水中和剤は、マグネシウム化合物と、アンモニウム塩とからなるものであってもよく、他の成分(添加剤)を更に含んでもよい。酸性水中和剤におけるマグネシウム化合物及びアンモニウム塩の合量は、用途や使用条件によって適宜設定すればよく、酸性水中和剤100質量部に対して例えば50質量部以上であり、75質量部以上であってもよい。酸性水中和剤に配合する添加剤としては消石灰等が挙げられる。
0022
酸性水中和剤の調製方法は特に限定されず、秤量した各成分(マグネシウム化合物、アンモニウム塩及び必要に応じて配合される添加剤)を混合機に投入し、所定の時間にわたって混合させればよい。酸性水中和剤は粉状又は顆粒状であっても、スラリー状であってもよい。スラリー状の酸性水中和剤を得るには、粉状又は顆粒状の酸性水中和剤を分散媒(例えば水)に加え、得られた液を撹拌すればよい。なお、スラリー状の酸性水中和剤において固形分が沈殿しないように、分散剤を添加してもよい。
0023
<酸性水中和処理方法>
本実施形態に係る酸性水中和処理方法は、中和処理をすべき酸性水に対して上記酸性水用中和剤を加える工程を含むものである。本実施形態に係る酸性水用中和剤を使用することで、十分に少ない使用量で酸性水を中和処理できる。例えば、タンク内に収容された酸性水に対して酸性水用中和剤を加えた場合、タンク内の液体を撹拌することによって中和反応を進行させることができる。パイプ内を流れる酸性水に対して酸性水用中和剤を加えた場合、パイプ内を液体が流れることで両者が混合されて中和反応が進行する。
0024
酸性水の種類や中和処理のレベルにもよるが、酸性水1Lに対して加える中和剤の質量は、好ましくは0.01〜0.05mol/Lであり、より好ましくは0.02〜0.035mol/Lである。中和剤の添加量が0.01mol/L以上であれば十分に短い時間で中和処理を完了させることができ、他方、0.05mol/L以下であれば中和処理に伴って生じる沈殿物の量を十分に削減できる。同様の観点から、酸性水1Lに対して加えるマグネシウム量は、好ましくは10×10−3〜50×10−3mol/Lであり、より好ましくは20×10−3〜35×10−3mol/Lであり、酸性水1Lに対して加えるアンモニア塩の添加量は、好ましくは0.1×10−3〜25×10−3mol/Lgであり、より好ましくは0.2×10−3〜10×10−3mol/Lである。
0025
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
0026
<使用材料>
マグネシウム化合物として、水酸化マグネシウム(中国製天然ブルーサイト)及び酸化マグネシウム(宇部マテリアルズ株式会社製軽焼酸化マグネシウム)を使用した。これらの物性値及び化学成分を表1に示す。
0027
0028
ブレーン比表面積は、ブレーン空気透過粉末度測定器(筒井理化学器械株式会社製)を使用して測定した。ポロシティーは0.44として、試料が校正用試料と同程度に詰められる量になるように計量して測定を行った。測定結果から下記式(1)を用いてブレーン比表面積を算出した。
S=1392.51/ρ×(e3/2/(1−e))×t1/2・・・(1)
S:ブレーン比表面積(cm2/g)
ρ:密度(g/cm3)
e:試料のポロシティー
t:時間(s)
0029
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、SALD—2200)を使用して測定した。試料を分散させる溶媒にエタノールを用いた。測定前に1分間超音波を照射し試料を溶媒中へ分散させ測定した。
0031
0032
<模擬廃水の調製>
水1Lに以下の試薬を溶解して得た溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液を加えることによってpH2.5の模擬廃水を調製した。
・硫酸第一鉄(和光純薬工業株式会社製 特級)1.58g
・硫酸アルミニウム(和光純薬工業株式会社製 特級)1.75g
・硫酸マンガン(和光純薬工業株式会社製 特級)0.012g
・硫酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製 特級)0.0057g
・95%硫酸(和光純薬工業株式会社製 特級)0.68g
0033
<中和剤の調製>
(比較例1)
水1Lに水酸化マグネシウム140gを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0034
(比較例2)
水1Lに酸化マグネシウム140gを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0035
(実施例1)
水1Lに水酸化マグネシウム140gと、リン酸水素二アンモニウム1.58gとを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0036
(実施例2)
リン酸水素二アンモニウムの添加量を1.58gとする代わりに、7.9gとしたことの他は実施例1と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0037
(実施例3)
リン酸水素二アンモニウムの添加量を1.58gとする代わりに、15.8gとしたことの他は実施例1と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0038
(実施例4)
リン酸水素二アンモニウムの添加量を1.58gとする代わりに、31.6gとしたことの他は実施例1と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0039
(実施例5)
リン酸水素二アンモニウムの添加量を1.58gとする代わりに、47.4gとしたことの他は実施例1と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0040
(実施例6)
水1Lに水酸化マグネシウム140gと、塩化アンモニウム1.32gとを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0041
(実施例7)
塩化アンモニウムの添加量を1.32gとする代わりに、6.6gとしたことの他は実施例6と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0042
(実施例8)
塩化アンモニウムの添加量を1.32gとする代わりに、13.2gとしたことの他は実施例6と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0043
(実施例9)
塩化アンモニウムの添加量を1.32gとする代わりに、26.4gとしたことの他は実施例6と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0044
(実施例10)
水1Lに水酸化マグネシウム140gと、炭酸アンモニウム1.14gとを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0045
(実施例11)
炭酸アンモニウムの添加量を1.14gとする代わりに、11.4gとしたことの他は実施例10と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0046
(実施例12)
水1Lに水酸化マグネシウム140gと、リン酸二水素アンモニウム2.81gとを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0047
(実施例13)
リン酸二水素アンモニウムの添加量を2.81gとする代わりに、28.2gとしたことの他は実施例12と同様にしてスラリー状の中和剤を調製した。
0048
(実施例14)
水1Lに水酸化マグネシウム140gと、炭酸水素アンモニウム1.94gとを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0049
(実施例15)
水1Lに酸化マグネシウム140gと、炭酸アンモニウム1.88gとを添加した後、24時間撹拌し、スラリー状の中和剤を調製した。
0050
(中和試験による中和剤評価)
比較例1,2及び実施例1〜15の中和剤をそれぞれ使用し、以下のようにして模擬鉱山廃水(酸性水)の中和試験を実施した。すなわち、模擬鉱山廃水500mLをビーカーに取り、マグネチックスターラーで撹拌しながら比較例1及び実施例1〜14においては6.5gのスラリー状の中和剤を、比較例2及び実施例15においては4.5gのスラリー状の中和剤をそれぞれ添加した。中和剤添加後、撹拌を続けながらpHメーターにて模擬廃水のpHを1分毎に計測した。計測は添加後1時間経過するまで続けた。pHが7に到達するまでの時間を読み取り、その時間を「中和時間」として中和速度の指標とした。中和剤添加1時間後のpHの値を読み取り、それを「中和終点」として中和性能の指標とした。
0051
(沈殿量の計測)
中和剤を添加して1時間後に撹拌を止め、凝集剤を添加して中和沈殿物を凝集させた。沈殿物とともに中和処理した廃水をメスシリンダーに移し、一晩静置した。静置後に、沈殿物が堆積した量を読み取り、これを廃水1L当りに換算し沈殿体積とした。その後、沈殿物をろ過により回収し、一晩乾燥機にて乾燥させた。沈殿物の質量を測定し、これを廃水1L当りに換算し沈殿質量とした。
0052
実施例
0053
表3に示すように,水酸化マグネシウムと各種アンモニウム塩からなる中和剤(実施例1〜14)では、水酸化マグネシウム単独(比較例1)に比べて中和時間が短くなった。酸化マグネシウムと炭酸アンモニウムからなる中和剤(実施例15)も酸化マグネシウム単独(比較例2)に比べて中和時間が短くなった。