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技術 電子写真感光体、その製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 森春樹高木進司野中正樹中田浩一
出願日 2016年4月14日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-081295
公開日 2017年10月19日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-191242
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 樹脂製支持体 加圧システム フィルタタイプ カゼイン樹脂 画像連結 重合制御剤 シリコーン含有樹脂 含有質量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

多官能アクリレートモノマー表面層に含有する電子写真感光体は、多官能アクリレートモノマーを表面層に含有していない電子写真感光体と比較すると、耐摩耗性が向上する一方で、電気特性は悪化した。耐摩耗性に優れ、かつ良好な電気特性を有する電子写真感光体を提供する。

解決手段

概要

背景

電子写真装置に搭載される電子写真感光体には、有機光導電性物質電荷発生物質)を含有する有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」という)があり、これまで幅広い検討がなされてきた。近年、電子写真感光体の長寿命化や繰り返し使用時の高画質化を目的として、電子写真感光体の機械的耐久性耐摩耗性)の向上が求められており、現在までに多くの試みがなされている。

例えば、特許文献1および2には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物と、多官能アクリレートモノマーとの共重合物表面層に含有する電子写真感光体が記載されている。これらの電子写真感光体は、多官能アクリレートモノマーを表面層に含有することで、優れた耐摩耗性を発現している。

概要

多官能アクリレートモノマーを表面層に含有する電子写真感光体は、多官能アクリレートモノマーを表面層に含有していない電子写真感光体と比較すると、耐摩耗性が向上する一方で、電気特性は悪化した。耐摩耗性に優れ、かつ良好な電気特性を有する電子写真感光体を提供する。電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、カルボン酸ビニルエステル化合物との共重合物を含有する。なし

目的

本発明の目的は、耐摩耗性に優れ、かつ良好な電気特性を有する電子写真感光体、ならびに、その製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、下記式(1)または下記式(2)で示される化合物と、の共重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。(式(1)中、m1は2以上4以下の整数であり、X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。ただし、X1中の炭素数は2以上18以下である。)(式(2)中、m2およびm3は1以上2以下の整数であり、Y1は酸素原子または硫黄原子である。X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基である。X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。)

請求項2

前記式(1)で示される化合物のX1が、炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基であり、前記式(2)で示される化合物のX2が、炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基であり、前記式(2)で示される化合物のX3が、炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である、請求項1に記載の電子写真感光体。ただし、X1中の炭素数は2以上18以下であり、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。

請求項3

前記式(1)で示される化合物のX1が、炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm1個の水素原子を除いたm1価の基であり、前記式(2)で示される化合物のX2が、炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基であり、前記式(2)で示される化合物のX3が、炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である、請求項1または2に記載の電子写真感光体。ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。

請求項4

前記式(1)で示される化合物のX1が、炭素数2以上6以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm1個の水素原子を除いたm1価の基であり、前記式(2)で示される化合物のX2が、炭素数1以上3以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基であり、前記式(2)で示される化合物のX3が、炭素数1以上3以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である、請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上4以下である。

請求項5

前記式(1)で示される化合物のm1が2であり、前記式(2)で示される化合物のm2およびm3が1である、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

請求項6

前記トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物が、下記式(3)で示される化合物である、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。(式(3)中、P1は下記式(4)または下記式(5)で示される基である。aは、2以上4以下の整数であり、a個のP1は同一であっても異なっていてもよい。Zは正孔輸送性基を示し、該ZのP1との結合部位を水素原子に置き換え水素付加物は、下記式(6)、または下記式(7)で示される化合物である。(式(6)中、R4、R5およびR6は置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。また、R4、R5およびR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)(式(7)中、R7、R8、R9およびR10は置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。また、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。))

請求項7

前記表面層中に含有される正孔輸送性化合物の含有質量をMa、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物の含有質量をMbとしたとき、0.05≦Mb/(Ma+Mb)≦0.50である、請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。

請求項8

支持体および該支持体上に設けられた表面層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、該製造方法が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、下記式(1)または下記式(2)で示される化合物と、を含有する表面層用塗布液を調製する工程、および該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。(式(1)中、m1は2以上4以下の整数であり、X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。ただし、X1中の炭素数は2以上18以下である。)(式(2)中、m2およびm3は1以上2以下の整数であり、Y1は酸素原子または硫黄原子である。X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基である。X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。)

請求項9

請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電する帯電手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像トナーによって現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段、該トナー像を該電子写真感光体の表面から転写材転写する転写手段、および該電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ

請求項10

請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を帯電する帯電手段、該電子写真感光体の表面に露光光照射して該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーによって現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段、および該トナー像を該電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写手段を有する電子写真装置

技術分野

0001

本発明は電子写真感光体、その製造方法、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。

背景技術

0002

電子写真装置に搭載される電子写真感光体には、有機光導電性物質電荷発生物質)を含有する有機電子写真感光体(以下、「電子写真感光体」という)があり、これまで幅広い検討がなされてきた。近年、電子写真感光体の長寿命化や繰り返し使用時の高画質化を目的として、電子写真感光体の機械的耐久性耐摩耗性)の向上が求められており、現在までに多くの試みがなされている。

0003

例えば、特許文献1および2には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物と、多官能アクリレートモノマーとの共重合物表面層に含有する電子写真感光体が記載されている。これらの電子写真感光体は、多官能アクリレートモノマーを表面層に含有することで、優れた耐摩耗性を発現している。

先行技術

0004

特開2004−302450号公報
特開2012−14150号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、本発明者らの検討の結果、多官能アクリレートモノマーを表面層に含有する電子写真感光体は、多官能アクリレートモノマーを表面層に含有していない電子写真感光体と比較すると、耐摩耗性が向上する一方で、電気特性は悪化した。

0006

本発明の目的は、耐摩耗性に優れ、かつ良好な電気特性を有する電子写真感光体、ならびに、その製造方法を提供することにある。さらに本発明の目的は、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、支持体および該支持体上に設けられた感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、下記式(1)または下記式(2)で示される化合物と、の共重合物を含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。



(式(1)中、m1は2以上4以下の整数であり、X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。ただし、X1中の炭素数は2以上18以下である。)



(式(2)中、m2およびm3は1以上2以下の整数であり、Y1は酸素原子または硫黄原子である。
X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基である。
X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。
ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。)

0008

また、本発明は、支持体および該支持体上に設けられた表面層を有する電子写真感光体を製造する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、
アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、下記式(1)または下記式(2)で示される化合物と、を含有する表面層用塗布液を調製する工程、および
該表面層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を硬化させることによって表面層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。



(式(1)中、m1は2以上4以下の整数であり、X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。ただし、X1中の炭素数は2以上18以下である。)



(式(2)中、m2およびm3は1以上2以下の整数であり、Y1は酸素原子または硫黄原子である。
X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基である。
X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。
ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。)

0009

また、本発明は、上記電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電する帯電手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像トナーによって現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段、該トナー像を該電子写真感光体の表面から転写材転写する転写手段、および該電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。

0010

また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を帯電する帯電手段、該電子写真感光体の表面に露光光照射して該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーによって現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段、および該トナー像を該電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写手段を有する電子写真装置に関する。

発明の効果

0011

本発明によれば、耐摩耗性に優れ、かつ良好な電気特性を有する電子写真感光体、ならびに、その製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
電子写真感光体の層構成の一例を説明するための図である。
電子写真感光体の表面に凹形状部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す図である。
実施例および比較例で用いたモールドを示す上面図および断面図である。((a)上面図、(b)S−S’断面図、(c)T−T’断面図)

0013

本発明の電子写真感光体は、支持体、および支持体上に設けられた感光層を有する。
この電子写真感光体が、
(A)アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、
(B)下記式(1)または下記式(2)で示される化合物と、
の共重合物を含有する表面層を有することを特徴とする。



式(1)中、m1は2以上4以下の整数であり、X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。ただし、X1中の炭素数は2以上18以下である。



式(2)中、m2およびm3は1以上2以下の整数であり、Y1は酸素原子または硫黄原子である。
X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基である。
X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。
ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。

0014

本発明者らは、上記特徴を有することにより、本発明の効果が発現する理由を、以下のように推測している。
アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、多官能の連鎖重合性官能基を有する化合物と、の共重合物は緻密な3次元架橋構造を形成する。そのため、このような共重合物を含有する表面層を有する電子写真感光体は、優れた耐摩耗性を発現する。本発明において連鎖重合性官能基とは、連鎖重合が可能な官能基を意味し、連鎖重合とは、高分子化合物生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合とに分けた場合の、前者の重合反応形態を指す。ビニル基を有する構造などが連鎖重合性官能基であり、具体的には、ビニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、カルボン酸ビニル基、スチリル基などが挙げられる。前記式(1)または前記式(2)で示される化合物は2以上4以下のカルボン酸ビニル基を有しているため、本発明の電子写真感光体は優れた耐摩耗性を発現する。

0015

また、電子写真感光体が良好な電気特性を有するためには、共重合物内のトリフェニルアミン骨格間で正孔輸送が円滑におこることが求められる。
上述の多官能の連鎖重合性官能基を有する化合物が多官能アクリレートモノマーである場合、多官能アクリレートモノマー同士でも重合反応が進行し、多官能アクリレートモノマー同士の重合物が生成する。この重合物がトリフェニルアミン骨格間での正孔輸送を阻害してしまうため、電気特性が悪化すると考えられる。

0016

一方で、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物は、上述のようにカルボン酸ビニル基を有している。一般的に、カルボン酸ビニル基を有する化合物と、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物と、を共重合させる場合、カルボン酸ビニル基を有する化合物同士での重合反応は進行しにくいことが知られている。
したがって、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物同士の重合物がほとんど生成せず、トリフェニルアミン骨格間での正孔輸送が阻害されないため、本発明の電子写真感光体は良好な電気特性を発現すると考えられる。

0017

式(1)で示される化合物のm1は2以上4以下の整数である。m1が1であると、共重合物が緻密な3次元架橋構造を形成することができず、耐摩耗性が低下する。m1が5以上であると、急激な硬化収縮などによる電子写真感光体表面シワが発生し、正常な画像が得られなくなる。好ましくは、m1は2であり、より良好な電気特性が得られる。

0018

X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。ただし、X1中の炭素数は2以上18以下である。X1中の炭素数が19以上であると、化合物自体がかさ高くなり、トリフェニルアミン骨格間での正孔輸送を阻害するため、電気特性が悪化する。

0019

好ましくは、X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上12以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカンのいずれかからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。また、より好ましくは、X1は炭素数2以上18以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm1個の水素原子を除いたm1価の基であり、さらに好ましくは、X1は炭素数2以上6以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm1個の水素原子を除いたm1価の基である。X1が上記構造をとることで、より良好な電気特性が得られる。

0020

式(2)で示される化合物のm2およびm3は1以上2以下の整数である。m2およびm3が3以上であると、急激な硬化収縮などによる電子写真感光体表面のシワが発生し、正常な画像が得られなくなる。好ましくは、m2およびm3は1であり、より良好な電気特性が得られる。

0021

X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基であり、X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下のアレーンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。ただし、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上16以下である。X2およびX3中の炭素数の合計が17以上であると、化合物自体がかさ高くなり、トリフェニルアミン骨格間での正孔輸送を阻害するため、電気特性が悪化する。

0022

好ましくは、X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカンのいずれかからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基であり、X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカン、および無置換もしくは炭素数1以上9以下の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有する炭素数6以上12以下の環状あるいは多環状のアルカンのいずれかからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。より好ましくは、X2は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基であり、X3は炭素数1以上15以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基である。さらに好ましくは、X2は炭素数1以上3以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm2+1個の水素原子を除いたm2+1価の基であり、X3は炭素数1以上3以下の直鎖状あるいは分岐状のアルカンからm3+1個の水素原子を除いたm3+1価の基であり、X2およびX3中の炭素数の合計は2以上4以下である。X2およびX3が上記構造をとることで、より良好な電気特性が得られる。

0023

前記式(1)または前記式(2)で示される化合物は、例えば、下記文献に記載されている合成方法を用いて合成することができる。
・特開2002−322125号公報
・特開平6−135892号公報

0024

以下に、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物の具体例(例示化合物)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。

0025

0026

0027

前記アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物は、下記式(3)で示される化合物であることが好ましい。



(式(3)中、P1は下記式(4)または下記式(5)で示される基である。aは、2以上4以下の整数であり、a個のP1は同一であっても異なっていてもよい。Zは正孔輸送性基を示し、該ZのP1との結合部位を水素原子に置き換え水素付加物は、下記式(6)、または下記式(7)で示される化合物である。









(式(6)中、R4、R5およびR6は置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。また、R4、R5およびR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)



(式(7)中、R7、R8、R9およびR10は置換基として炭素数1以上6以下のアルキル基を有してもよいフェニル基を示す。また、R7、R8、R9およびR10はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。))

0028

前記式(3)で示される化合物を用いた場合、表面層が良好な硬化状態となるため、より良好な耐摩耗性および電気特性が得られる。具体的には、式(3)中のaが1である場合、緻密な3次元架橋構造が形成されにくい硬化状態となり、aが5以上である場合、硬化収縮などによる表面層内部の歪みが発生しやすい硬化状態となる。

0029

表面層中に含有される正孔輸送性化合物の含有質量をMa、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物の含有質量をMbとしたとき、0.05≦Mb/(Ma+Mb)≦0.50であることが好ましい。この範囲内であると、より耐久性に優れ、かつ良好な電気特性を有する電子写真感光体が得られる。

0030

表面層は、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物との共重合物を含有する表面層用塗布液の塗膜を形成して、この塗膜を硬化させることによって形成することができる。

0031

また、表面層には、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤紫外線吸収剤などの劣化防止剤ポリテトラフルオロエチレンPTFE)粒子やフッ化カーボンなどの潤滑剤が用いることができる。また、重合反応開始剤重合反応停止剤などの重合制御剤シロキサン変性アクリル化合物やシリコーンオイルなどのレベリング剤界面活性剤なども用いることができる。シロキサン変性アクリル化合物とは、アクリル重合体に側鎖としてシロキサンが導入された化合物であり、例えばアクリル系単量体アクリル基を有するシロキサンとを共重合させることにより得られる。

0032

表面層の膜厚は0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。さらには0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。

0033

表面層用塗布液の調製に用いる溶剤としては、表面層の下に設けられる層を溶解しない溶剤を使用することが好ましい。より好ましくは、メタノールエタノールプロパノールイソプロパノール、1−ブタノール2−ブタノール、1−メトキシ2−プロパノールなどのアルコール系溶剤である。

0034

表面層用塗布液の塗膜を硬化させる方法としては、熱、紫外線、または電子線によって硬化させる方法が挙げられる。表面層の強度、電子写真感光体の耐久性を維持するためには、紫外線または電子線を用いて硬化させることが好ましい。

0035

電子線を用いて重合させると、非常に緻密(高密度)な硬化物(3次元架橋構造)が得られ、より高い耐久性を有する表面層が得られるため、好ましい。電子線を照射する場合、加速器としては、例えば、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型ラミナー型などが挙げられる。

0036

電子線を用いる場合、電子線の加速電圧は、重合効率を損なわずに電子線による材料特性劣化を抑制できる観点から、120kV以下であることが好ましい。また、表面層用塗布液の塗膜の表面での電子線吸収線量は、1kGy以上50kGy以下であることが好ましく、5kGy以上10kGy以下であることがより好ましい。

0037

また、電子線を用いて上記塗膜を硬化(重合)させる場合、酸素による重合阻害作用を抑制する目的で、不活性ガス雰囲気で電子線を照射した後、不活性ガス雰囲気で加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素アルゴンヘリウムが挙げられる。

0038

また、紫外線または電子線の照射後に、電子写真感光体を100℃以上170℃以下に加熱することが好ましい。こうすることで、更に高い耐久性を有し、画像不良を抑制する表面層が得られる。

0039

次に、本発明の電子写真感光体の全体的な構成について説明する。また、該電子写真感光体の各構成を説明すると共に、その製造方法についても説明する。

0040

[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、支持体、および支持体上に設けられた感光層を有する。感光層としては、電荷発生物質および電荷輸送物質をともに含有する単層型感光層、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層が挙げられる。本発明においては、積層型感光層が好ましい。

0041

図2は、電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2中、電子写真感光体は、支持体21、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、および、保護層25を有する。この場合、電荷発生層23および電荷輸送層24が感光層を構成し、保護層25が表面層である。また、保護層を設けない場合は、電荷輸送層24が表面層である。本発明においては、電荷輸送層上に設けられた保護層を表面層とすることが好ましい。

0042

そして、表面層は、上述したように、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物と、の共重合物を含有する。以下、保護層を有し、該保護層が表面層である電子写真感光体を例に、本発明の電子写真感光体をさらに説明する。

0043

〔支持体〕
電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム亜鉛チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモンインジウムクロムアルミニウム合金ステンレス鋼などの金属または合金製の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム酸化スズ合金などを真空蒸着によって形成した被膜を有する金属製支持体樹脂製支持体を用いることもできる。また、例えば、カーボンブラック酸化スズ粒子酸化チタン粒子銀粒子などの導電性粒子樹脂含浸させて形成された支持体、導電性樹脂を含有する支持体を用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状または板状などが挙げられるが、本発明においては円筒状が好ましい。
支持体の表面には、レーザー光散乱による干渉縞の抑制を目的として、切削処理粗面化処理アルマイト処理などを施してもよい。

0044

導電層
支持体と、感光層(電荷発生層)または下引き層との間には、レーザーなどの散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、導電性粒子を結着樹脂および溶剤とともに分散処理して得られる導電層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成することができる。

0045

導電層に用いられる導電性粒子としては、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属の粒子や、酸化亜鉛酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、ITO(Indium Tin Oxide)などの金属酸化物の粒子などが挙げられる。また、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズを用いてもよい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン酢酸ビニル塩化ビニルアクリル酸エステルメタクリル酸エステル、フッ化ビニリデントリフルオロエチレンなどのビニル化合物重合体および共重合体ポリビニルアルコール樹脂ポリビニルアセタール樹脂ポリカーボネート樹脂ポリエステル樹脂ポリスルホン樹脂ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂セルロース樹脂フェノール樹脂メラミン樹脂ケイ素樹脂エポキシ樹脂イソシアネート樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。

0046

導電層の膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには0.5μm以上40μm以下であることがより好ましく、さらには1μm以上30μm以下であることがより好ましい。

0047

〔下引き層〕
支持体または導電層と、感光層(電荷発生層)との間には、下引き層(中間層)を設けてもよい。
下引き層は、結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる下引き層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。

0048

下引き層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ−N−ビニルイミダゾール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、エチルセルロース樹脂エチレンアクリル酸共重合体カゼイン樹脂ポリアミド樹脂、N−メトキシメチル化6ナイロン樹脂共重合ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。
下引き層には、さらに、金属酸化物粒子を含有させてもよい。金属酸化物粒子としては例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム酸化アルミニウムを含有する粒子が挙げられる。また、金属酸化物粒子は、金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤などの表面処理剤で処理されている金属酸化物粒子であってもよい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。

0049

下引き層の膜厚は、0.05μm以上30μm以下であることが好ましく、1μm以上25μm以下であることがより好ましい。下引き層には、さらに、有機樹脂微粒子、レベリング剤を含有させてもよい。

0050

〔感光層〕
支持体、導電層または下引き層上には、感光層が設けられる。
積層型感光層である場合、電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂を溶剤と混合し、分散処理して得られた電荷発生層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。

0051

電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、例えば、アゾ顔料フタロシアニン顔料インジゴ顔料ペリレン顔料多環キノン顔料スクワリリウム色素ピリリウム塩チアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素キナクリドン顔料アズレニウム塩顔料、シアニン染料アンアントロン顔料、ピラントロン顔料、キサンテン色素キノンイミン色素スチリル色素などが挙げられる。電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。電荷発生物質の中でも、感度の観点から、フタロシアニン顔料やアゾ顔料が好ましく、特にはフタロシアニン顔料がより好ましい。

0052

フタロシアニン顔料の中でも、特にオキシチタニウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニンヒドロキシガリウムフタロシアニンが優れた電荷発生効率を示す。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニンの中でも、感度の観点から、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θの7.4°±0.3°および28.2°±0.3°に強いピークを有する結晶形ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶がより好ましい。

0053

電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂との質量比(電荷発生物質:結着樹脂)は、1:0.3〜1:4の範囲であることが好ましい。

0054

分散処理方法としては、例えば、ホモジナイザー超音波分散ボールミル振動ボールミルサンドミルアトライター、ロールミルを用いる方法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、例えば、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素系溶剤、芳香族化合物が挙げられる。

0055

電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上1μm以下であることがより好ましい。また、電荷発生層には、必要に応じて、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を添加することもできる。

0056

次に、電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は、電荷発生層上に形成される。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。

0057

電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂である。
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物ヒドラゾン化合物スチルベン化合物ピラゾリン化合物オキサゾール化合物トリアリールメタン化合物チアゾール化合物が挙げられる。電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
電荷輸送層における電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、結着樹脂1質量部に対して電荷輸送物質が0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましい。

0058

電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール溶剤、スルホキシド溶剤、ケトン溶剤エーテル溶剤エステル溶剤、脂肪族ハロゲン化炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
また、電荷輸送層のクラックを抑制する観点から、乾燥温度は60℃以上150℃以下が好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。また、乾燥時間は10分以上60分以下が好ましい。

0059

電荷輸送層の膜厚は5μm〜40μmであることが好ましく、特には10μm〜35μmであることがより好ましい。また、電荷輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、金属酸化物粒子、無機粒子を必要に応じて添加することもできる。また、フッ素原子含有樹脂粒子シリコーン含有樹脂粒子などを含有させてもよい。

0060

〔保護層〕
そして、表面層である保護層は、上述した表面層であって、つぎの工程を経て形成することができる。
工程(A):アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有し、トリフェニルアミン骨格を有する正孔輸送性化合物と、前記式(1)または前記式(2)で示される化合物と、を含有する表面層用塗布液を調製する工程。
工程(B):電荷輸送層上に表面層用塗布液の塗膜を形成して、この塗膜を硬化させることによって表面層を形成する工程。

0061

上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法スプレー塗布法リング塗布法スピン塗布法ローラー塗布法、マイヤーバー塗布法、ブレード塗布法といった塗布方法を用いることができる。

0062

〔電子写真感光体の表面に凹形状部を形成する方法〕
電子写真感光体に接触させるクリーニングブレードの、電子写真感光体のクリーニング中における挙動をより安定化させる目的で、電子写真感光体の表面層に凹形状部または凸形状部を設けることがより好ましい。
上記凹形状部または凸形状部は、電子写真感光体の表面の全域に形成されていてもよいし、電子写真感光体の表面の一部分に形成されていてもよい。凹形状部または凸形状部が電子写真感光体の表面の一部分に形成されている場合は、少なくともクリーニングブレードとの接触領域の全域には凹形状部または凸形状部が形成されていることが好ましい。
凹形状部を形成する場合は、形成するべき凹形状部に対応した凸部を有するモールドを圧接し、形状転写を行うことにより、凹形状部を形成することができる。

0063

図3に、電子写真感光体の表面に凹形状部を形成するための圧接形状転写加工装置の例を示す。
図3に示す圧接形状転写加工装置によれば、被加工物である電子写真感光体51を回転させながら、その表面(周面)に連続的にモールド52を接触させ、加圧することにより、電子写真感光体51の表面に凹形状部や平坦部を形成することができる。

0064

加圧部材53の材質としては、例えば、金属、金属酸化物、プラスチックガラスなどが挙げられる。これらの中でも、機械的強度、寸法精度、耐久性の観点から、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。加圧部材53は、その上面にモールド52が設置される。また、下面側に設置される支持部材(不図示)および加圧システム(不図示)により、支持部材54に支持された電子写真感光体51の表面に、モールド52を所定の圧力で接触させることができる。また、支持部材54を加圧部材53に対して所定の圧力で押し付けてもよいし、支持部材54および加圧部材53を互いに押し付けてもよい。

0065

図3に示す例は、加圧部材53を電子写真感光体51の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、電子写真感光体51が従動または駆動回転しながら、その表面を連続的に加工する例である。さらに、加圧部材53を固定し、支持部材54を電子写真感光体51の軸方向と垂直な方向に移動させることにより、または、支持部材54および加圧部材53の両者を移動させることにより、電子写真感光体51の表面を連続的に加工することもできる。
なお、形状転写を効率的に行う観点から、モールド52や電子写真感光体51を加熱することが好ましい。

0066

モールド52としては、例えば、微細表面加工がされた金属や樹脂フィルムシリコンウエハーなどの表面にレジストによりパターニングをしたもの、微粒子が分散された樹脂フィルムや、微細な表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングを施したものなどが挙げられる。

0067

また、電子写真感光体51に押し付けられる圧力を均一にする観点から、モールド52と加圧部材53との間に弾性体を設置することが好ましい。

0068

〔プロセスカートリッジおよび電子写真装置の構成〕
本発明のプロセスカートリッジは、上記した電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電する帯電手段、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーによって現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段、該トナー像を該電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写手段、および該電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である。
また、本発明の電子写真装置は、上記した電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を帯電する帯電手段、該電子写真感光体の表面に露光光を照射して該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーによって現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段、および該トナー像を該電子写真感光体の表面から転写材に転写する転写手段を有する。

0069

次に、図1に電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心として矢印方向に所定の周速度をもって回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段(一次帯電手段)3により、その表面(周面)が正または負に帯電される。次いで、電子写真感光体1の表面には、露光手段(像露光手段)(不図示)から出力される露光光(像露光光)4が照射される。露光光4は、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調される。露光手段としては、スリット露光レーザービーム走査露光などが挙げられる。こうして電子写真感光体1の表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。

0070

電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、トナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により転写材7に転写される。ここで、転写材7が紙である場合、給紙部(不図示)から電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に給送される。また、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性バイアス電圧印加される。また、転写手段は、一次転写部材中間転写体および二次転写部材を有する中間転写方式の転写手段であってもよい。

0071

トナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離され、定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物プリントコピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。

0072

トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によってクリーニングされ、転写残トナーなどの付着物が除去される。転写残トナーは、現像手段などで回収することもできる。さらに、必要に応じて、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10の照射により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。

0073

本発明のプロセスカートリッジは、上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、該電子写真感光体1を含む複数の要素を選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持する。このプロセスカートリッジを複写機レーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9とを一体に支持してカートリッジ化する。そして、電子写真装置本体のレールのなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11としている。

0074

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。

0075

(実施例1)
直径30mm、長さ357.5mm、肉厚1mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状の導電性支持体)とした。
次に、酸化亜鉛粒子比表面積:19m2/g、粉体抵抗:4.7×106Ω・cm)100部をトルエン500部と撹拌混合し、これにシランカップリング剤0.8部を添加し、6時間攪拌した。その後、トルエンを減圧留去して、130℃で6時間加熱乾燥し、表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。シランカップリング剤としては、信越化学工業(株)製のKBM−602(化合物名:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)を用いた。

0076

次に、ポリオール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(重量平均分子量:40000、商品名:BM−1、積水化学工業(株)製)15部およびブロック化イソシアネート(商品名:スミジュール3175、住化コベストロウタン(株)(旧:住化バイエルウレタン(株))製)15部をメチルエチルケトン73.5部と1−ブタノール73.5部の混合溶液に溶解させた。この溶液に上記表面処理された酸化亜鉛粒子80.8部、および2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)0.8部を加え、これを直径0.8mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で23±3℃雰囲気下で3時間分散した。分散後、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レダウコーニング(株)製)0.01部、および架橋ポリメタクリル酸メチルPMMA)粒子(商品名:TECHPOLYMERSSX−103、積水化成品工業(株)製、平均一次粒径3μm)を5.6部加えて攪拌し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を上記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間160℃で乾燥させて、膜厚が18μmの下引き層を形成した。

0077

次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶20部、下記式(A)で示される化合物0.2部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)10部およびシクロヘキサノン600部を、直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した。その後、酢酸エチル700部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を温度80℃のオーブンで15分間加熱乾燥することにより、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。

0078

次に、下記式(B)で示される化合物(電荷輸送物質)30部、下記式(C)で示される化合物(電荷輸送物質)60部、下記式(D)で示される化合物10部、ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ビスフェノールZ型)100部、下記式(E)で示される構造単位を有するポリカーボネート(粘度平均分子量Mv:20000)0.02部を、混合キシレン600部およびジメトキシメタン200部の溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間100℃で乾燥させることによって、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。



(式(E)中、0.95および0.05は2つの構造単位のモル比共重合比)である。)

0079

次に、上記例示化合物(No.2)21部、下記式(F)で示される正孔輸送性化合物49部、ポリテトラフルオロエチレン粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部、フッ素含有樹脂(商品名:GF300、東亜合成(株)製)0.9部、1−プロパノール100部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)100部を混合した後、超高速分散機でこの溶液を分散処理した。その後ポリフロンフィルター(商品名:PF−060、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、表面層用塗布液を調製した。

0080

この表面層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。その後、窒素雰囲気下にて、加速電圧70kV、ビーム電流5.0mAの条件で支持体(被照射体)を200rpmの速度で回転させながら、1.6秒間電子線を塗膜に照射した。なお、このときの電子線の吸収線量を測定したところ、15kGyであった。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が25℃から140℃になるまで15秒かけて昇温させ、塗膜の加熱を行った。電子線照射から、その後の加熱処理までの酸素濃度は16ppm以下であった。次に、大気中において、塗膜の温度が25℃になるまで自然冷却した後、15分間105℃で加熱処理を行い、膜厚5μmの表面層(保護層)を形成した。
このようにして、保護層を有する凹部形成前の電子写真感光体を作製した。

0081

次に、圧接形状転写加工装置に型部材(モールド)を設置し、作製した凹部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。
具体的には、概ね図3に示す構成の圧接形状転写加工装置に、図4に示すモールドを設置し、作製した凹形状部形成前の電子写真感光体に対して表面加工を行った。図4は、実施例および比較例で用いたモールドを示す図であり、図4(a)はモールドの概略を示す上面図、図4(b)はモールドの凸部の電子写真感光体の軸方向の概略断面図(図4(a)のS−S’断面の断面図)、図4(c)はモールドの凸部の電子写真感光体の周方向の断面図(図4(a)のT−T’断面の断面図)である。図4に示されるモールドは、最大幅(モールド上の凸部を上から見たときの電子写真感光体の軸方向の最大幅のこと)X:50μm、最大長さ(モールド上の凸部を上から見たときの電子写真感光体の周方向の最大長さのこと)Y:75μm、面積率56%、高さH:4μmの凸形状である。なお、面積率とは、モールドを上から見たときに表面全体に占める凸部の面積比率である。加工時には、電子写真感光体の表面の温度が120℃になるように電子写真感光体およびモールドの温度を制御し、7.0MPaの圧力で電子写真感光体と加圧部材をモールドに押し付けながら、電子写真感光体を周方向に回転させて、電子写真感光体の表面層(周面)の全面に凹形状部を形成した。このようにして、電子写真感光体を製造した。

0082

得られた電子写真感光体の表面を、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、商品名:X−100)で50倍レンズにより拡大観察し、電子写真感光体の表面に設けられた凹形状部の観察を行った。観察時には、電子写真感光体の長手方向(軸方向)に傾きが無いように、また、周方向については、電子写真感光体の円弧頂点ピントが合うように、調整を行った。拡大観察を行った画像を画像連結アプリケーションによって連結して一辺500μmの正方形領域を得た。そして、得られた結果については、付属画像解析ソフトにより、画像処理高さデータを選択し、フィルタタイプメディアンフィルタ処理を行った。

0083

上記観察の結果、凹形状部の深さは2μm、開口部の軸方向の幅は50μm、開口部の周方向の長さは75μm、面積は140000μm2であった。なお、面積とは、電子写真感光体の表面を上から見たときの凹形状部の面積であり、凹形状部の開口部の面積を意味する。

0084

得られた電子写真感光体を、評価装置であるキヤノン(株)製の電子写真装置(複写機)(商品名:iR−ADV C5051)の改造機のシアンステーションに装着し、23℃50%RHの環境で、暗部電位−700V、明部電位−200Vに設定して、10万枚の通紙耐久試験を行い、通紙後の電子写真感光体表面の摩耗量(μm)を確認した。本発明において、摩耗量が30μm未満は電子写真感光体の耐摩耗性が向上したと判断した。

0085

別途、同条件で1000枚連続の画像形成を行ない、電子写真感光体の電位変動を調べた。像露光部VLの「1000枚後の電位初期の電位」の値をΔVLとして、算出した。本発明において、ΔVLが20V未満は電子写真感光体の電気特性に問題がないと判断した。

0086

(実施例2)
上記式(F)で示される正孔輸送性化合物を下記式(G)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0087

(実施例3)
上記式(F)で示される正孔輸送性化合物を下記式(H)で示される正孔輸送性化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0088

(実施例4〜11)
例示化合物(No.2)を、それぞれ順に例示化合物(No.35)、(No.3)、(No.5)、(No.15)、(No.21)、(No.24)、(No.45)、(No.13)に変更した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0089

(実施例12)
実施例1の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)21部を例示化合物(No.13)35部に変更し、上記式(F)で示される正孔輸送性化合物49部を下記式(I)で示される正孔輸送性化合物35部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0090

(実施例13)
実施例2の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)を3.5部に変更し、上記式(G)で示される正孔輸送性化合物を66.5部に変更した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0091

(実施例14)
実施例2の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)を2部に変更し、上記式(G)で示される正孔輸送性化合物を68部に変更した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0092

(実施例15)
実施例2の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)を42部に変更し、上記式(G)で示される正孔輸送性化合物を28部に変更した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0093

(比較例1)
実施例1の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)を使用せず、上記式(F)で示される正孔輸送性化合物を70部に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0094

(比較例2)
実施例1の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)を下記式(C−1)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0095

(比較例3)
実施例1の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)を下記式(C−2)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0096

(比較例4)
実施例12の表面層塗布液において、例示化合物(No.13)を下記式(C−3)で示される化合物に変更した以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0097

(比較例5)
実施例1の表面層塗布液において、例示化合物(No.2)を下記式(C−4)で示される化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、評価を行った。

0098

各実施例および各比較例の評価結果を表1に示す。

実施例

0099

評価の結果、各実施例においては10万枚通紙後における電子写真感光体表面の耐摩耗性が向上し、1000枚通紙後における電位変動も問題がなかった。
評価の結果、比較例1では特に10万枚通紙後の電子写真感光体表面の摩耗量が大きく、耐摩耗性が悪い。比較例2、3、4および5では特に1000枚通紙後の電位変動が増大し、電気特性の悪化が見られた。

0100

1電子写真感光体
2 軸
3帯電手段
4露光光
5現像手段
6転写手段
7転写材
8定着手段
9クリーニング手段
10前露光光
11プロセスカートリッジ
12 案内手段
21支持体
22下引き層
23電荷発生層
24電荷輸送層
25 表面層

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