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技術 超音波探傷装置及び超音波探傷方法

出願人 三菱日立パワーシステムズ株式会社
発明者 浦田幹康増田拓郎浦田直矢坂上和彦
出願日 2016年4月15日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-082186
公開日 2017年10月19日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-191076
状態 特許登録済
技術分野 超音波による材料の調査、分析
主要キーワード ウェッジ部材 幾何学的形 付帯作業 抜き取り作業 固定ノブ エンコーダユニット センサ部材 サイドエントリー型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月19日)のものです。
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図面 (20)

課題

動翼抜き取り作業を伴わずに翼溝低コストで高精度に非破壊検査できるタービンロータ超音波探傷装置を提供する。

解決手段

超音波探傷装置は、翼溝を有するタービンロータのロータディスクを非破壊検査する。ロータディスクは、タービンロータの回転軸と平行な軸方向を向き翼溝の開口が設けられるディスク面と、ディスク面よりも回転軸の径方向内側に配置され、ディスク面よりも軸方向に凹む曲面を含む設置面と、を有する。超音波探傷装置は、ロータディスクに超音波ビーム発信して、ロータディスクで反射したエコーを受信するフェイズドアレイ探触子と、フェイズドアレイ探触子が設置面に設けられるようにフェイズドアレイ探触子を支持する支持装置と、を備える。支持装置は、フェイズドアレイ探触子から発信される超音波ビームが翼溝に照射されるようにフェイズドアレイ探触子を支持して回転軸の周方向に移動する。

概要

背景

蒸気タービンは、タービンロータと、タービンロータのロータディスクに接続される動翼とを有する。動翼として、所謂クリスマスツリー形状の翼根部を有するサイドエントリー型動翼、アルファベットのT字形状の翼根部を有するTルート型動翼、及びカーチス型動翼等が知られている。ロータディスクは、動翼の翼根部が配置される翼溝を有する。動翼の翼根部がロータディスクの翼溝に配置され、ロータディスクと動翼とが固定されることによって、タービンロータと動翼とは一体で回転することができる。

タービンロータは、高い温度条件運転される。そのため、長期間の使用により、ロータディスクのうち繰り返し応力が作用する部位に応力腐食割れ(Stress Corrosion Crack:SCC)が発生する可能性がある。サイドエントリー型動翼が固定されるロータディスクの場合、翼溝の最深部において亀裂が発生する可能性が高い。サイドエントリー型のロータディスクの亀裂状態を検査する場合、従来の検査方法においては、翼溝から翼根部を抜き取った後にロータディスクの亀裂状態が検査される。しかし、従来の検査方法は、翼溝から翼根部を抜き取る作業、及び抜き取った動翼を翼溝に再び挿入する作業等、多大な付帯作業を要する。そのため、翼溝から翼根部を抜き取ることなくロータディスクの亀裂状態を検査できる技術の開発が要望される。

翼溝から翼根部を抜き取ることなくロータディスクの亀裂状態を検査する非破壊検査技術として、超音波探傷検査技術が知られている。特許文献1には、複数の超音波振動子を含む探触子を用いるフェイズドアレイ傷法によりタービンロータを検査する超音波探傷装置が開示されている。特許文献2には、2つの探触子を用いるピッチキャッチ探傷法によりタービンロータを検査する超音波探傷装置が開示されている。

概要

動翼の抜き取り作業を伴わずに翼溝を低コストで高精度に非破壊検査できるタービンロータの超音波探傷装置を提供する。超音波探傷装置は、翼溝を有するタービンロータのロータディスクを非破壊検査する。ロータディスクは、タービンロータの回転軸と平行な軸方向を向き翼溝の開口が設けられるディスク面と、ディスク面よりも回転軸の径方向内側に配置され、ディスク面よりも軸方向に凹む曲面を含む設置面と、を有する。超音波探傷装置は、ロータディスクに超音波ビーム発信して、ロータディスクで反射したエコーを受信するフェイズドアレイ探触子と、フェイズドアレイ探触子が設置面に設けられるようにフェイズドアレイ探触子を支持する支持装置と、を備える。支持装置は、フェイズドアレイ探触子から発信される超音波ビームが翼溝に照射されるようにフェイズドアレイ探触子を支持して回転軸の周方向に移動する。

目的

本発明は、動翼の抜き取り作業を伴わずに翼溝を低コストで高精度に非破壊検査できるタービンロータの超音波探傷装置及び超音波探傷方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

翼溝を有するタービンロータロータディスク非破壊検査する超音波探傷装置であって、前記ロータディスクは、前記タービンロータの回転軸と平行な軸方向を向き前記翼溝の開口が設けられるディスク面と、前記ディスク面よりも前記回転軸の径方向内側に配置され、前記ディスク面よりも前記軸方向に凹む曲面を含む設置面と、を有し、前記ロータディスクに超音波ビーム発信して、前記ロータディスクで反射したエコーを受信するフェイズドアレイ探触子と、フェイズドアレイ探触子が前記設置面に設けられるように前記フェイズドアレイ探触子を支持する支持装置と、を備え、前記支持装置は、前記フェイズドアレイ探触子から発信される前記超音波ビームが前記翼溝に照射されるように前記フェイズドアレイ探触子を支持して前記回転軸の周方向に移動する、超音波探傷装置。

請求項2

前記フェイズドアレイ探触子と接続されるウェッジ部材を備え、前記支持装置は、前記ウェッジ部材の表面と前記設置面とが対向するように前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材を支持し、前記ウェッジ部材の表面は、前記設置面に向かって突出する曲面を含む、請求項1に記載の超音波探傷装置。

請求項3

前記支持装置は、前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材を移動可能に支持するジンバル機構を有する、請求項2に記載の超音波探傷装置。

請求項4

前記支持装置は、前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材を保持する保持部材と、前記保持部材に設けられ前記設置面と接触した状態で回転可能なベアリングと、を有する、請求項2又は請求項3に記載の超音波探傷装置。

請求項5

前記保持部材に設けられたマグネットを有する、請求項4に記載の超音波探傷装置。

請求項6

前記支持装置は、前記回転軸の径方向における前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材の位置を調整可能な位置調整機構を有する、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の超音波探傷装置。

請求項7

前記ウェッジ部材の表面と前記設置面との間隙接触媒質を供給する供給装置を備える、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の超音波探傷装置。

請求項8

翼溝を有するタービンロータのロータディスクを非破壊検査する超音波探傷方法であって、前記ロータディスクは、前記タービンロータの回転軸と平行な軸方向を向き前記翼溝の開口が設けられるディスク面と、前記ディスク面よりも前記回転軸の径方向内側に配置され、前記ディスク面よりも前記軸方向に凹む曲面を含む設置面と、を有し、前記ロータディスクに超音波ビームを発信して、前記ロータディスクで反射したエコーを受信するフェイズドアレイ探触子を前記設置面に設けるステップと、前記フェイズドアレイ探触子から発信された前記超音波ビームを前記翼溝に照射するステップと、前記フェイズドアレイ探触子を前記回転軸の周方向に移動するステップと、を含む超音波探傷方法。

技術分野

0001

本発明は、タービンロータ超音波探傷装置及び超音波探傷方法に関する。

背景技術

0002

蒸気タービンは、タービンロータと、タービンロータのロータディスクに接続される動翼とを有する。動翼として、所謂クリスマスツリー形状の翼根部を有するサイドエントリー型動翼、アルファベットのT字形状の翼根部を有するTルート型動翼、及びカーチス型動翼等が知られている。ロータディスクは、動翼の翼根部が配置される翼溝を有する。動翼の翼根部がロータディスクの翼溝に配置され、ロータディスクと動翼とが固定されることによって、タービンロータと動翼とは一体で回転することができる。

0003

タービンロータは、高い温度条件運転される。そのため、長期間の使用により、ロータディスクのうち繰り返し応力が作用する部位に応力腐食割れ(Stress Corrosion Crack:SCC)が発生する可能性がある。サイドエントリー型動翼が固定されるロータディスクの場合、翼溝の最深部において亀裂が発生する可能性が高い。サイドエントリー型のロータディスクの亀裂状態を検査する場合、従来の検査方法においては、翼溝から翼根部を抜き取った後にロータディスクの亀裂状態が検査される。しかし、従来の検査方法は、翼溝から翼根部を抜き取る作業、及び抜き取った動翼を翼溝に再び挿入する作業等、多大な付帯作業を要する。そのため、翼溝から翼根部を抜き取ることなくロータディスクの亀裂状態を検査できる技術の開発が要望される。

0004

翼溝から翼根部を抜き取ることなくロータディスクの亀裂状態を検査する非破壊検査技術として、超音波探傷検査技術が知られている。特許文献1には、複数の超音波振動子を含む探触子を用いるフェイズドアレイ傷法によりタービンロータを検査する超音波探傷装置が開示されている。特許文献2には、2つの探触子を用いるピッチキャッチ探傷法によりタービンロータを検査する超音波探傷装置が開示されている。

先行技術

0005

特開2009−244079号公報
特開2013−057681号公報

発明が解決しようとする課題

0006

翼溝の幾何学的形状又はロータディスクに発生した亀裂の位置によっては、翼溝の全体を高精度に検査することが困難な可能性がある。例えば大型のタービンロータの場合、そのタービンロータの翼溝の寸法は大きい。翼溝の寸法が大きく検査部位の範囲が広いと、探触子から発信された超音波ビーム減衰して、超音波ビームが照射されない不感帯領域が生成され、検査精度が低下する可能性が高い。

0007

本発明は、動翼の抜き取り作業を伴わずに翼溝を低コストで高精度に非破壊検査できるタービンロータの超音波探傷装置及び超音波探傷方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、翼溝を有するタービンロータのロータディスクを非破壊検査する超音波探傷装置であって、前記ロータディスクは、前記タービンロータの回転軸と平行な軸方向を向き前記翼溝の開口が設けられるディスク面と、前記ディスク面よりも前記回転軸の径方向内側に配置され、前記ディスク面よりも前記軸方向に凹む曲面を含む設置面と、を有し、
前記ロータディスクに超音波ビームを発信して、前記ロータディスクで反射したエコーを受信するフェイズドアレイ探触子と、フェイズドアレイ探触子が前記設置面に設けられるように前記フェイズドアレイ探触子を支持する支持装置と、を備え、前記支持装置は、前記フェイズドアレイ探触子から発信される前記超音波ビームが前記翼溝に照射されるように前記フェイズドアレイ探触子を支持して前記回転軸の周方向に移動する、超音波探傷装置を提供する。

0009

本発明によれば、ディスク面に翼溝の開口が設けられるサイドエントリー型のロータディスクにおいて、ディスク面よりも径方向内側に配置される設置面がディスク面よりも凹む曲面を含む場合、その設置面にフェイズドアレイ探触子が設けられた状態でフェイズドアレイ探触子から発信された超音波ビームを翼溝に照射するとともに、そのフェイズドアレイ探触子を周方向に移動することにより、翼溝のうち超音波ビームが照射されない不感帯領域を低減することができる。したがって、翼溝を広範囲に亘って高精度に検査することができる。

0010

本発明において、前記フェイズドアレイ探触子と接続されるウェッジ部材を備え、前記支持装置は、前記ウェッジ部材の表面と前記設置面とが対向するように前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材を支持し、前記ウェッジ部材の表面は、前記設置面に向かって突出する曲面を含むことが好ましい。

0011

フェイズドアレイ探触子と接続されるウェッジ部材が設けられる場合において、設置面に向かって突出する曲面を含むウェッジ部材の表面と設置面とを対向させた状態でフェイズドアレイ探触子から超音波ビームを発信することにより、翼溝のうち超音波ビームが照射されない不感帯領域を低減することができる。

0012

本発明において、前記支持装置は、前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材を移動可能に支持するジンバル機構を有することが好ましい。

0013

フェイズドアレイ探触子及びウェッジ部材がジンバル機構により移動可能に支持されることにより、ウェッジ部材が設置面を移動するとき、ウェッジ部材を設置面の形状に追従させることができる。

0014

本発明において、前記支持装置は、前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材を保持する保持部材と、前記保持部材に設けられ前記設置面と接触した状態で回転可能なベアリングと、を有することが好ましい。

0015

保持部材にベアリングが設けられることにより、ウェッジ部材は設置面を円滑に移動することができる。

0016

本発明において、前記保持部材に設けられたマグネットを有することが好ましい。

0017

マグネットの磁力により、保持部材に保持されたウェッジ部材は、設置面から離れることなく設置面を移動することができる。これにより、フェイズドアレイ探触子から発信された超音波ビームはロータディスクに安定して照射される。

0018

本発明において、前記支持装置は、前記回転軸の径方向における前記フェイズドアレイ探触子及び前記ウェッジ部材の位置を調整可能な位置調整機構を有することが好ましい。

0019

位置調整機構が設けられることにより、超音波ビームの照射領域と翼溝との相対位置と調整することができ、超音波ビームが照射されない不感帯領域の生成を抑制することができる。

0020

本発明において、前記ウェッジ部材の表面と前記設置面との間隙接触媒質を供給する供給装置を備えることが好ましい。

0021

ウェッジ部材の表面とそのウェッジ部材の表面と間隙を介して対向する設置面との間に水又は油のような接触媒質が供給されることにより、ウェッジ部材の表面から射出された超音波ビームは、ロータディスクに効率良く伝達される。

0022

本発明は、翼溝を有するタービンロータのロータディスクを非破壊検査する超音波探傷方法であって、前記ロータディスクは、前記タービンロータの回転軸と平行な軸方向を向き前記翼溝の開口が設けられるディスク面と、前記ディスク面よりも前記回転軸の径方向内側に配置され、前記ディスク面よりも前記軸方向に凹む曲面を含む設置面と、を有し、前記ロータディスクに超音波ビームを発信して、前記ロータディスクで反射したエコーを受信するフェイズドアレイ探触子を前記設置面に設けるステップと、前記フェイズドアレイ探触子から発信された前記超音波ビームを前記翼溝に照射するステップと、前記フェイズドアレイ探触子を前記回転軸の周方向に移動するステップと、を含む超音波探傷方法が提供される。

0023

本発明によれば、ディスク面に翼溝の開口が設けられるサイドエントリー型のロータディスクにおいて、ディスク面よりも径方向内側に配置される設置面がディスク面よりも凹む曲面を含む場合、その設置面にフェイズドアレイ探触子が設けられた状態でフェイズドアレイ探触子から発信された超音波ビームを翼溝に照射するとともに、そのフェイズドアレイ探触子を周方向に移動することにより、翼溝のうち超音波ビームが照射されない不感帯領域を低減することができる。したがって、翼溝を広範囲に亘って高精度に検査することができる。

発明の効果

0024

本発明によれば、動翼の抜き取り作業を伴わずに翼溝を低コストで高精度に非破壊検査できるタービンロータの超音波探傷装置及び超音波探傷方法が提供される。

図面の簡単な説明

0025

図1は、本実施形態に係る回転機械の一例を模式的に示す図である。
図2は、本実施形態に係る動翼の一例を示す斜視図である。
図3は、本実施形態に係る動翼及びロータディスクの一部を示す図である。
図4は、本実施形態に係る動翼及びロータディスクの一部を示す図である。
図5は、本実施形態に係る翼根部及び翼溝を示す図である。
図6は、本実施形態に係る超音波探傷装置一例を示す模式図である。
図7は、超音波探傷装置一例を示す模式図である。
図8は、本実施形態に係る超音波探傷装置一例を示す図である。
図9は、本実施形態に係る超音波探傷装置一例を示す図である。
図10は、本実施形態に係る支持装置を示す斜視図である。
図11は、本実施形態に係る支持装置を示す正面図である。
図12は、本実施形態に係る支持装置を示す側面図である。
図13は、本実施形態に係るセンサ部材及びセンサ部材を保持する保持部材を示す斜視図である。
図14は、本実施形態に係るセンサ部材及びセンサ部材を保持する保持部材を示す側面図である。
図15は、本実施形態に係るセンサ部材及びセンサ部材を保持する保持部材を示す背面図である。
図16は、本実施形態に係るセンサ部材のウェッジ部材を示す側面図である。
図17は、本実施形態に係るセンサ部材及びセンサ部材を保持する保持部材を示す斜視図である。
図18は、本実施形態に係るセンサ部材及びセンサ部材を保持する保持部材を示す側面図である。
図19は、本実施形態に係るセンサ部材のウェッジ部材を示す側面図である。

実施例

0026

以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。また、以下で説明する実施形態における構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。

0027

[回転機械]
図1は、本実施形態に係る回転機械1の一例を模式的に示す図である。本実施形態においては、回転機械1が蒸気タービンである例について説明する。なお、回転機械1はガスタービンでもよいし圧縮機でもよい。

0028

図1に示すように、蒸気タービン1は、回転軸AXを中心に回転可能なタービンロータ2と、タービンロータ2に固定される動翼5と、タービンロータ2の周囲に配置されるステータ3とを備える。タービンロータ2は、回転軸AXを中心に回転可能な軸部材4と、軸部材4に固定されるロータディスク9とを有する。ステータ3は、ケーシング6と、ケーシング6に設けられた静翼7とを有する。

0029

以下の説明においては、タービンロータ2の回転軸AXと平行な方向を適宜、幅方向、と称し、タービンロータ2の回転軸AXに対する放射方向を適宜、径方向、と称し、タービンロータ2の回転軸AXを中心とする回転方向を適宜、周方向、と称する。また、径方向において回転軸AXから遠い位置又は離れる方向を適宜、径方向外側、と称し、径方向において回転軸AXに近い位置又は近付く方向を適宜、径方向内側、と称する。

0030

タービンロータ2は、軸受8を介してケーシング6に回転可能に支持される。タービンロータ2の少なくとも一部は、ケーシング6の内側に配置される。動翼5は、タービンロータ2のロータディスク9に固定される。動翼5は、周方向に複数配置される。また、動翼5は、軸方向に複数段配置される。

0031

静翼7は、周方向に複数配置される。また、静翼7は、軸方向に複数段配置される。動翼5は、軸方向において所定間隔で複数段配置される。静翼7は、軸方向において動翼5の間に配置されるように複数段配置される。

0032

ケーシング6は、動翼5及び静翼7が配置される蒸気通路10と、蒸気通路10に蒸気を供給する蒸気供給口11と、蒸気通路10の蒸気を排出する蒸気排出口12とを有する。蒸気供給口11から供給された蒸気は、動翼5及び静翼7と接触しながら、蒸気通路10を流れる。蒸気が動翼5と接触すると、タービンロータ2が中心軸AXを中心に回転する。タービンロータ2が回転すると、軸部材4と接続された発電機が駆動される。蒸気通路10を流れた蒸気は、蒸気排出口12から排出される。

0033

[動翼及びロータディスク]
図2は、本実施形態に係る動翼5の一例を示す斜視図である。図2に示すように、動翼5は、ロータディスク9に固定される翼根部13と、翼根部13よりも径方向外側に設けられるプラットフォーム14と、プラットフォーム14よりも径方向外側に設けられる翼部15とを有する。

0034

本実施形態において、動翼5は、所謂クリスマスツリー形状の翼根部13を有するサイドエントリー型動翼である。翼根部13は、径方向に配置される複数の歯部16を有する。本実施形態において、歯部16は、複数の歯部16のうち最も径方向内側に配置される第1歯部16Aと、第1歯部16Aに次いで径方向内側に配置される第2歯部16Bと、最も径方向外側に配置される第3歯部16Cとを含む。第1歯部16A、第2歯部16B、及び第3歯部16Cはそれぞれ、翼根部13から周方向の両側に突出するように2つずつ設けられる。

0035

図3及び図4は、本実施形態に係る動翼5及びロータディスク9の一部を示す図である。図3は、回転軸AXと直交する動翼5及びロータディスク9の一部を示す図である。図4は、動翼5及びロータディスク9の一部を模式的に示す側面図である。

0036

図3及び図4に示すように、ロータディスク9は、翼根部13が配置される翼溝17を有する。翼溝17は、径方向に配置される複数の凹部18を有する。翼根部13の歯部16は、翼溝17の凹部18に配置される。凹部18は、第1歯部16Aが配置される第1凹部18Aと、第2歯部16Bが配置される第2凹部18Bと、第3歯部16Cが配置される第3凹部18Cとを有する。動翼5の翼根部13がロータディスク9の翼溝17に配置され、ロータディスク9と動翼5とが固定されることによって、タービンロータ2と動翼5とは一体で回転することができる。

0037

本実施形態において、ロータディスク9は、サイドエントリー型動翼を支持する。ロータディスク9は、軸方向の一方側を向くディスク面9Aと、軸方向の他方側を向くディスク面9Bとを有する。翼溝17は、ディスク面9Aとディスク面9Bとを貫くように軸方向に形成される。翼溝17の一方の開口17Aがディスク面9Aに設けられ、翼溝17の他方の開口17Bがディスク面9Bに設けられる。本実施形態において、ディスク面9A及びディスク面9Bはそれぞれ、実質的に回転軸AXと直交する平坦面である。歯部16と凹部18とが位置合わせされた状態で、翼根部13は、翼溝17の開口17A又は開口17Bから翼溝17に挿入される。

0038

図5は、本実施形態に係る翼根部13及び翼溝17を示す図である。翼溝17は、径方向に配置される第1凹部18Aと第2凹部18Bと第3凹部18Cとを有する。第1凹部18A、第2凹部18B、及び第3凹部18Cのうち、第1凹部18Aが最も径方向内側に配置され、第1凹部18Aに次いで第2凹部18Bが径方向内側に配置され、第3凹部18Cが最も径方向外側に配置される。第1凹部18A、第2凹部18B、及び第3凹部18Cはそれぞれ、翼溝17から周方向の両側に凹むように2つずつ設けられる。

0039

周方向において、一方の第1凹部18Aの最深部と他方の第1凹部18Aの最深部とは、距離W1だけ離れている。周方向において、一方の第2凹部18Bの最深部と他方の第2凹部18Bの最深部とは、距離W2だけ離れている。周方向において、一方の第3凹部18Cの最深部と他方の第3凹部18Cの最深部とは、距離W3だけ離れている。距離W1、距離W2、及び距離W3のうち、距離W3が最も長く、距離W3に次いで距離W2が長く、距離W1が最も短い。

0040

ロータディスク9に応力腐食割れ(Stress Corrosion Crack:SCC)が発生する可能性がある。例えば、図5に示すように、凹部18の最深部を起点として、ロータディスク9に亀裂19が発生する可能性がある。亀裂19は、凹部18の最深部から径方向外側に成長する可能性が高い。

0041

本実施形態においては、超音波探傷装置100を用いて、ロータディスク9に生成された亀裂19の状態を非破壊検査する。本実施形態において、超音波探傷装置100は、フェイズドアレイ探傷法によりロータディスク9の亀裂19の状態を検査する。

0042

[超音波探傷装置の概要:第1実施例]
次に、本実施形態に係る超音波探傷装置100の概要の第1実施例について説明する。図6は、第1実施例に係る超音波探傷装置100の一例を示す模式図である。図6に示すように、超音波探傷装置100は、ロータディスク9の探傷部位に超音波ビームを発信して、ロータディスク9の探傷部位で反射したエコーを受信するフェイズドアレイ探触子21と、フェイズドアレイ探触子21を制御する制御装置26とを備える。

0043

本実施形態において、超音波探傷装置100は、フェイズドアレイ探触子21と接続されるウェッジ部材22を備える。以下の説明においては、フェイズドアレイ探触子21、及びフェイズドアレイ探触子21と接続されるウェッジ部材22を合わせて適宜、センサ部材20、と称する。

0044

フェイズドアレイ探触子21は、複数の超音波振動子を含む。制御装置26は、フェイズドアレイ探触子21の複数の超音波振動子のそれぞれに励磁電圧印加して、1つのフェイズドアレイ探触子21で、垂直探傷斜角探傷、及びフォーカス探傷等、複数の探傷モードで探傷可能である。

0045

フェイズドアレイ探触子21は、超音波ビームを発信する。フェイズドアレイ探触子21から発信された超音波ビームは、ウェッジ部材22を介して、ロータディスク9に照射される。制御装置26は、フェイズドアレイ探触子21の複数の超音波振動子に印加する励磁電圧を制御して、フェイズドアレイ探触子21から発信される超音波ビームを走査する。図6に示すように、フェイズドアレイ探触子21は、回転軸AXを通る平面に沿って超音波ビームを走査する。超音波探傷装置100は、超音波ビームを走査して、放射状(扇状)の検出領域SAを形成する。検出領域SAは、センサ部材20から発信された超音波ビームが通過する領域である。

0046

ロータディスク9は、ディスク面9Aよりも径方向内側に配置され、軸方向の一方側を向く設置面9Sと、ディスク面9Bよりも径方向内側に配置され、軸方向の他方側を向く設置面9Tとを有する。

0047

設置面9Sは、翼溝17及びディスク面9Aよりも径方向内側に配置される。設置面9Sは、ディスク面9Aよりも軸方向に凹む曲面を含む。図6に示すように、設置面9Sは、径方向外側に向かって中心線MLから離れるように傾斜する。

0048

設置面9Tは、翼溝17及びディスク面9Bよりも径方向内側に配置される。設置面9Tは、ディスク面9Bよりも軸方向に凹む曲面を含む。図6に示すように、設置面9Tは、径方向外側に向かって中心線MLから離れるように傾斜する。

0049

中心線MLは、回転軸AXの放射線のうち軸方向におけるロータディスク9の中心を通る仮想線である。

0050

センサ部材20は、径方向に移動可能である。図6に示す例において、センサ部材20は、ディスク面9A及び設置面9Sと対向するように配置される。センサ部材20は、翼溝17よりも径方向内側に配置される。センサ部材20のフェイズドアレイ探触子21は、径方向外側に向かって超音波ビームを発信する。

0051

ディスク面9Aに配置されるセンサ部材20Aは、翼溝17の第4範囲FD4を検査する。設置面9Sのうち径方向内側の内側領域SH3に配置されるセンサ部材20Cは、翼溝17の第3範囲FD3を検査する。設置面9Sのうち外側領域SH3よりも径方向外側の中間領域SH2に配置されるセンサ部材20Bは、翼溝17の第2範囲FD2を検査する。第4範囲FD4は、翼溝17の軸方向の一方側の端部に近い領域である。第3範囲FD3は、翼溝17の軸方向の中央部を含む領域である。第2範囲FD2は、翼溝17の軸方向の一方側の端部と中央部との間の領域である。

0052

センサ部材20が径方向に移動することにより、翼溝17と検出領域SAとの相対位置が変化する。軸方向における検出領域SAの寸法は、翼溝17の寸法よりも小さい。センサ部材20が径方向に移動することにより、小さい検出領域SAで、翼溝17の軸方向の広い範囲を検査することができる。

0053

また、センサ部材20がディスク面9A又は設置面9Sにおいて周方向に移動することにより、周方向に配置されている翼溝17のそれぞれについて検査することができる。

0054

本実施形態において、センサ部材20のうちウェッジ部材22の表面と、ロータディスク9のディスク面9A及び設置面9Sとが間隙を介して対向する。ウェッジ部材22の表面は、設置面9Sと対向し設置面9Sに向かって突出する曲面を含む。凹んでいる設置面9Sと突出するウェッジ部材22の表面とが対向することにより、設置面9Sとウェッジ部材22の表面との間隙の寸法は、実質的に一定となる。

0055

なお、図6は、センサ部材20がディスク面9A及び設置面9Sに設けられる例を示す。センサ部材20がディスク面9B又は設置面9Tに設けられ、そのセンサ部材20が径方向に移動することにより、翼溝17の軸方向の他方側の端部と中央部との間の領域に超音波ビームが照射される。また、センサ部材20がディスク面9B又は設置面9Tにおいて周方向に移動することにより、周方向に配置されている翼溝17のそれぞれについて検査することができる。

0056

一方、図6に示すように、径方向におけるセンサ部材20とロータディスク9との相対位置によっては、翼溝17のうち超音波ビームが照射されない不感帯領域NAが生成される可能性がある。

0057

[超音波探傷装置の概要:第2実施例]
次に、本実施形態に係る超音波探傷装置100の概要の第2実施例について説明する。図7は、第2実施例に係る超音波探傷装置100の一例を示す模式図である。図7に示すように、径方向におけるセンサ部材20とロータディスク9との相対位置が調整されることにより、翼溝17のうち超音波ビームが照射されない不感帯領域NAを低減することができる。

0058

図7に示す例では、センサ部材20は、設置面9Sと対向するように配置される。図7に示す例では、センサ部材20は、ディスク面9Aには配置されない。設置面9Sにおいて、センサ部材20は、翼溝17よりも径方向内側に配置される。センサ部材20のフェイズドアレイ探触子21は、径方向外側に向かって超音波ビームを発信する。

0059

センサ部材20は、径方向に移動可能である。設置面9Sのうち径方向外側の外側領域SH1に配置されるセンサ部材20Aは、翼溝17の第1範囲FD1を検査する。設置面9Sのうち径方向内側の内側領域SH3に配置されるセンサ部材20Cは、翼溝17の第3範囲FD3を検査する。設置面9Sのうち内側領域SH1と外側領域SH3との間の中間領域SH2に配置されるセンサ部材20Bは、翼溝17の第2範囲FD2を検査する。第1範囲FD1は、翼溝17の軸方向の一方の端部を含む領域である。第3範囲FD3は、翼溝17の軸方向の中央部を含む領域である。第2範囲FD2は、翼溝17の軸方向の一方の端部と中央部との間の領域である。

0060

設置面9Sにおいてセンサ部材20が径方向に移動することにより、翼溝17の軸方向の一方の端部と中央部との間の領域の全部に超音波ビームが照射される。軸方向における検出領域SAの寸法は、翼溝17の寸法よりも小さい。設置面9Sにおいてセンサ部材20が径方向に移動することにより、小さい検出領域SAで、翼溝17の軸方向の一方の端部と中央部との間の領域の全部を探傷することができる。

0061

また、センサ部材20がディスク面9Sにおいて周方向に移動することにより、周方向に配置されている翼溝17のそれぞれについて検査することができる。

0062

センサ部材20のうちウェッジ部材22の表面と、ロータディスク9の設置面9Sとが間隙を介して対向する。ウェッジ部材22の表面は、設置面9Sと対向し設置面9Sに向かって突出する曲面を含む。凹んでいる設置面9Sと突出するウェッジ部材22の表面とが対向することにより、設置面9Sとウェッジ部材22の表面との間隙の寸法は、実質的に一定となる。

0063

なお、図7は、センサ部材20が設置面9Sに設けられている例を示す。センサ部材20が設置面9Tに設けられ、そのセンサ部材20が設置面9Tにおいて径方向に移動することにより、翼溝17の軸方向の他方の端部と中央部との間の領域の全部に超音波ビームが照射される。また、センサ部材20が設置面9Tにおいて周方向に移動することにより、周方向に配置されている翼溝17のそれぞれについて検査することができる。

0064

[超音波探傷装置の具体例]
次に、本実施形態に係る超音波探傷装置100の具体例について説明する。図8及び図9は、本実施形態に係る超音波探傷装置100の一例を示す図である。図8は、センサ部材20が設置面9Sの外側領域SH1及び設置面9Tの外側領域SH1のそれぞれに配置されている例を示す。図9は、センサ部材20が設置面9Sの内側領域SH3及び設置面9Tの内側領域SH3のそれぞれに配置されている例を示す。

0065

本実施形態において、外側領域SH1に配置されるセンサ部材20のウェッジ部材22の形状と、内側領域SH3及び中間領域SH2に配置されるセンサ部材20のウェッジ部材22の形状とは異なる。

0066

本実施形態において、ロータディスク9の外側領域SH1の形状(曲率)と、内側領域SH3の形状(曲率)とは異なる。本実施形態においては、外側領域SH1の形状に基づいて、第1範囲FD1が目標範囲になるように、外側領域SH1に配置されるウェッジ部材22の形状が定められている。また、内側領域SH3の形状に基づいて、第3範囲FD3が目標範囲になるように、内側領域SH3に配置されるウェッジ部材22の形状が定められている。

0067

図8及び図9に示すように、超音波探傷装置100は、フェイズドアレイ探触子21がロータディスク9の設置面9Sに設けられるようにフェイズドアレイ探触子21を支持する支持装置30を備えている。支持装置30は、センサ部材20のウェッジ部材22とロータディスク9の設置面9Sとが対向するように、センサ部材20を支持する。支持装置30は、フェイズドアレイ探触子21から発信される超音波ビームが翼溝17に照射されるように、フェイズドアレイ探触子21及びウェッジ部材22を含むセンサ部材20を支持して周方向に移動する。

0068

同様に、超音波探傷装置100は、センサ部材20のウェッジ部材22とロータディスク9の設置面9Tとが対向するように、センサ部材20を支持した状態で周方向に移動する支持装置30を備える。

0069

図10は、本実施形態に係る支持装置30を示す斜視図である。図11は、本実施形態に係る支持装置30を示す正面図である。図12は、本実施形態に係る支持装置30を示す側面図である。

0070

図8図9図10図11、及び図12に示すように、支持装置30は、タービンロータ2の軸部材4に支持される本体部材32と、径方向におけるセンサ部材20の位置を調整可能な位置調整機構34と、軸方向におけるセンサ部材20の位置を調整可能な位置調整機構36と、センサ部材20を保持する保持部材50を支持する支持部材38とを有する。図10から図12においては、センサ部材20及び保持部材50は図示されていない。

0071

本体部材32は、径方向に延在する一対のフレーム部材32A,32Bと、フレーム部材32Aとフレーム部材32Bとを連結する連結部材33とを有する。

0072

位置調整機構34は、フレーム部材32A,32Bに設けられているガイド部34Gと、ガイド部34Gにガイドされながら径方向に移動可能な可動部材40とを有する。径方向において可動部材40が任意の位置に配置された場合、固定ノブ42が操作され、可動部材40とフレーム部材32A,32Bとが固定される。これにより、径方向における可動部材40の位置が固定される。

0073

位置調整機構36は、可動部材40に設けられているガイド部36Gと、ガイド部36Gにガイドされながら軸方向に移動可能なシャフト部材44とを有する。図10に示すように、シャフト部材44は3本設けられる。軸方向においてシャフト部材44が任意の位置に配置された場合、固定ノブ46が操作され、シャフト部材44と可動部材40とが固定される。これにより、軸方向におけるシャフト部材44の位置が固定される。

0074

支持部材38は、シャフト部材44の先端部に接続される。センサ部材20を保持する保持部材50が支持部材38に接続される。位置調整機構36のシャフト部材44が軸方向に移動すると、支持部材38及びセンサ部材20が、シャフト部材44と一緒に軸方向に移動する。位置調整機構34の可動部材40が径方向に移動すると、シャフト部材44、支持部材38、及びセンサ部材20が、可動部材40と一緒に径方向に移動する。センサ部材20は、位置調整機構34の作動及び位置調整機構36の作動により、径方向及び軸方向に移動可能である。位置調整機構34及び位置調整機構36により、径方向及び軸方向におけるセンサ部材20とロータディスク9との相対位置が調整される。

0075

また、支持装置30は、本体部材32を移動可能に支持するローラ48と、ローラ48を駆動するアクチュエータユニット及びローラ48の回転量を検出するエンコーダユニットを含むドライブユニット70とを有する。図8及び図9に示すように、本体部材32は、ローラ48を介して軸部材4に支持される。ドライブユニット70の作動によりローラ48が回転することにより、本体部材32は、軸部材4の周囲において周方向に移動する。本体部材32が周方向に移動すると、センサ部材20が、本体部材32と一緒に周方向に移動する。ローラ48及びドライブユニット70により、周方向におけるセンサ部材20とロータディスク9との相対位置が調整される。

0076

次に、本実施形態に係るセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50について説明する。図13から図16は、本実施形態に係るセンサ部材20及び保持部材50のうち外側領域SH1に配置されるセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50を示す。図17から図19は、本実施形態に係るセンサ部材20及び保持部材50のうち内側領域SH3に配置されるセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50を示す。

0077

図13は、外側領域SH1に配置されるセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50を示す斜視図である。図14は、外側領域SH1に配置されるセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50を示す側面図である。図15は、外側領域SH1に配置されるセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50を示す背面図である。図16は、外側領域SH1に配置されるセンサ部材20のウェッジ部材22を示す側面図である。

0078

図17は、内側領域SH3に配置されるセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50を示す斜視図である。図18は、内側領域SH3に配置されるセンサ部材20及びそのセンサ部材20を保持する保持部材50を示す側面図である。図19は、内側領域SH3に配置されるセンサ部材20のウェッジ部材22を示す側面図である。

0079

図13から図19に示すように、支持装置30は、センサ部材20を保持する保持部材50を有する。センサ部材20は、フェイズドアレイ探触子21と、フェイズドアレイ探触子21と接続されるウェッジ部材22とを有する。

0080

保持部材50は、支持部材38に支持される。保持部材50は、支持部材38と連結される第1部材56と、第1部材56と連結される第2部材58とを含む。

0081

支持装置30は、本体部材32とセンサ部材20との間に設けられ、センサ部材20を移動可能に支持するジンバル機構54を有する。本実施形態において、ジンバル機構54は、保持部材50に設けられる。

0082

第1部材56は、支持部材38に対して相対移動可能である。第2部材58は、第1部材56に対して相対移動可能である。ジンバル機構54は、支持部材38と第1部材56とを相対回転可能に連結する第1連結部54Aと、第1部材56と第2部材58とを相対回転可能に連結する第2連結部54Bとを含む。

0083

第1連結部54Aは、第1部材56が支持部材38に対してロール軸RX1を中心に回転するように、第1部材56と支持部材38とを連結する。第2連結部54Bは、第2部材58が第1部材56に対してピッチ軸RX2を中心に回転するように、第2部材58と第1部材56とを連結する。ロール軸RX1とピッチ軸RX2とは直交する。

0084

本実施形態において、保持部材50は、設置面9S(又は設置面9T)と接触した状態で回転可能なベアリング60を有する。ベアリング60は、第2部材58に回転可能に支持されたローラを含む。ベアリング60により、保持部材50は、設置面9S(又は設置面9T)を周方向に走行可能である。また、ベアリング60と設置面9S(又は設置面9T)とが接触することにより、ウェッジ部材22の表面22Sと設置面9S(又は設置面9T)とは間隙を介して対向する。

0085

また、保持部材50は、マグネット62を有する。マグネット62は、設置面9S(又は設置面9T)と対向するように、第2部材58に設けられる。

0086

また、保持部材50は、ウェッジ部材22の表面22Sと設置面9S(又は設置面9T)との間隙に接触媒質を供給する供給装置66を備える。供給装置66は、保持部材50に設けられた供給部64を介して、ウェッジ部材22の表面22Sと設置面9S(又は設置面9T)との間隙に接触媒質を供給する。供給部64は、パイプ部材を含む。供給部64の上端部は、接触媒質の供給装置66と接続される。供給部64の下端部から、ウェッジ部材22の表面22Sと設置面9S(又は設置面9T)との間隙に接触媒質が供給される。

0087

図16及び図19は、本実施形態に係るウェッジ部材22を示す模式図である。ウェッジ部材22の表面22Sと設置面9S(又は設置面9T)とは、例えば0.5[mm]程度の間隙を介して対向する。その間隙に接触媒質が供給される。表面22Sを含むウェッジ部材22の形状は、外側領域SH1又は内側領域SH3に基づいて定められる。

0088

次に、本実施形態に係るロータディスク9を非破壊検査する超音波探傷方法について説明する。まず、設置面9Sの外側領域SH1にセンサ部材20を配置して亀裂19の状態を検査する場合について説明する。

0089

図13から図16を参照して説明したようなフェイズドアレイ探触子21及びウェッジ部材22を含むセンサ部材20が支持装置30に支持される。位置調整機構34及び位置調整機構36の作動により、ベアリング60が設置面9Sと接触し、センサ部材20のウェッジ部材22の表面22Sと設置面9Sの外側領域SH1とが規定値(例えば0.5[mm])の間隙を介して対向するように、センサ部材20とロータディスク9との相対位置が調整される。センサ部材20は、ジンバル機構54を介して支持装置30に支持されているため、設置面9Sの形状に追従して移動可能である。

0090

供給装置66からウェッジ部材22の表面22Sと設置面9Sの外側領域SH1との間隙に接触媒質が供給される。制御装置26は、フェイズドアレイ探触子21を作動して、フェイズドアレイ探触子21から超音波ビームを発信する。フェイズドアレイ探触子21から発信された超音波ビームは、ウェッジ部材22及び接触媒質を介して、ロータディスク9の探傷部位である翼溝17に照射される。翼溝17で反射したエコーは、フェイズドアレイ探触子21に受信される。制御装置26は、フェイズドアレイ探触子21で受信した受信信号に基づいて、亀裂19の状態を検出する。

0091

ドライブユニット70の作動によりローラ48が作動し、支持装置30が周方向に移動する。制御装置26は、周方向における支持装置30の移動と並行して、フェイズドアレイ探触子21から超音波ビームを発信する。センサ部材20は、ジンバル機構54を介して支持装置30に支持されているため、設置面9Sの形状に追従して移動可能である。また、保持部材50にマグネット62が設けられている。マグネット62の磁力により、センサ部材20とロータディスク9とが離れてしまうことが抑制される。センサ部材20は、ロータディスク9との間隙を維持したまま、周方向に移動可能である。

0092

次に、設置面9Sの内側領域SH3にセンサ部材20を配置して亀裂19の状態を検査する場合について説明する。図17から図19を参照して説明したようなフェイズドアレイ探触子21及びウェッジ部材22を含むセンサ部材20が支持装置30に支持される。位置調整機構34及び位置調整機構36の作動により、ベアリング60が設置面9Sと接触し、センサ部材20のウェッジ部材22の表面22Sと設置面9Sの内側領域SH3とが規定値(例えば0.5[mm])の間隙を介して対向するように、センサ部材20とロータディスク9との相対位置が調整される。センサ部材20は、ジンバル機構54を介して支持装置30に支持されているため、設置面9Sの形状に追従して移動可能である。

0093

供給装置66からウェッジ部材22の表面22Sと設置面9Sの内側領域SH3との間隙に接触媒質が供給される。制御装置26は、フェイズドアレイ探触子21を作動して、フェイズドアレイ探触子21から超音波ビームを発信する。フェイズドアレイ探触子21から発信された超音波ビームは、ウェッジ部材22及び接触媒質を介して、ロータディスク9の探傷部位である翼溝17に照射される。翼溝17で反射したエコーは、フェイズドアレイ探触子21に受信される。制御装置26は、フェイズドアレイ探触子21で受信した受信信号に基づいて、亀裂19の状態を検出する。

0094

ドライブユニット70の作動によりローラ48が作動し、支持装置30が周方向に移動する。制御装置26は、周方向における支持装置30の移動と並行して、フェイズドアレイ探触子21から超音波ビームを発信する。センサ部材20は、ジンバル機構54を介して支持装置30に支持されているため、設置面9Sの形状に追従して移動可能である。また、保持部材50にマグネット62が設けられている。マグネット62の磁力により、センサ部材20とロータディスク9とが離れてしまうことが抑制される。センサ部材20は、ロータディスク9との間隙を維持したまま、周方向に移動可能である。

0095

以上、設置面9Sの外側領域SH1及び内側領域SH3にセンサ部材20を配置して亀裂19の状態を検査する例について説明した。設置面9Sの中間領域SH2にセンサ部材20を配置して亀裂19の状態を検査する手順と、設置面9Tの外側領域SH1、中間領域SH2、及び内側領域SH3のそれぞれにセンサ部材20を配置して亀裂19の状態を検査する手順とは、上述の手順と同様であるため、その説明を省略する。

0096

[作用及び効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、ディスク面9A,9Bに翼溝17の開口17A,17Bが設けられるサイドエントリー型のロータディスク9において、ディスク面9A,9Bよりも径方向内側に配置される設置面9S,9Tがディスク面9A,9Bよりも凹む曲面を含む場合、その設置面9S,9Tにフェイズドアレイ探触子21が設けられた状態でフェイズドアレイ探触子21から発信された超音波ビームを翼溝17に照射するとともに、そのフェイズドアレイ探触子21を周方向に移動することにより、翼溝17のうち超音波ビームが照射されない不感帯領域NAを低減することができる。したがって、翼溝17の亀裂19の状態を広範囲に亘って高精度に検査することができる。

0097

また、フェイズドアレイ探傷子21は、翼溝17よりも径方向内側に配置され、翼溝17に向けて、径方向外側に超音波ビームを発信する。したがって、距離W1,W2,W3が異なる第1,第2,第3凹部18A,18B,18Cが翼溝17に設けられる場合においても、フェイズドアレイ探傷子21から発信された超音波ビームは、第1,第2,第3凹部18A,18B,18Cのそれぞれに照射される。例えば、フェイズドアレイ探傷子21から発信された超音波ビームは、第1,第2凹部18A,18Bに遮られることなく、最も径方向外側に配置されている第3凹部18Cに円滑に照射される。これにより、検査精度の低下が抑制される。

0098

また、フェイズドアレイ探触子21と接続されるウェッジ部材22が設けられる場合において、設置面9S,9Tと対向するウェッジ部材22の表面22Sが、設置面9S,9Tに向かって突出する曲面を含むことにより、フェイズドアレイ探触子21から発信された超音波ビームは、翼溝17に十分に行き渡る。これにより、翼溝17のうち超音波ビームが照射されない不感帯領域NAを低減することができる。

0099

また、フェイズドアレイ探触子21及びウェッジ部材22を含むセンサ部材20がジンバル機構54により揺動可能に支持されることにより、ウェッジ部材22が設置面9S,9Tを移動するとき、ウェッジ部材22を設置面9S,9Tの形状に追従させることができる。

0100

また、保持部材50にベアリング60が設けられることにより、ウェッジ部材22は設置面9S,9Tと間隙を介して対向した状態で設置面9S,9Tを円滑に移動することができる。

0101

また、保持部材50にマグネット62が設けられることにより、そのマグネット62の磁力によって、保持部材50に保持されたセンサ部材20は、設置面9S,9Tから離れることなく、規定値の間隙を維持したまま設置面9S,9Tを移動することができる。これにより、フェイズドアレイ探触子21から発信された超音波ビームはロータディスク9に安定して照射される。

0102

また、位置調整機構34,36が設けられることにより、超音波ビームの照射領域である検出領域SAと翼溝17との相対位置と調整することができ、超音波ビームが照射されない不感帯領域NAの生成を抑制することができる。

0103

また、供給装置66からウェッジ部材22の表面22Sと設置面9S,9Tとの間隙に接触媒質が供給されることにより、ウェッジ部材22の表面22Sから射出された超音波ビームは、ロータディスク9に効率良く伝達される。

0104

1回転機械
2タービンロータ
3ステータ
4軸部材
5動翼
6ケーシング
7静翼
8軸受
9ロータディスク
9Aディスク面
9B ディスク面
9S 設置面
9T 設置面
10蒸気流路
11蒸気供給口
12蒸気排出口
13翼根部
14プラットフォーム
15翼部
16歯部
16A 第1歯部
16B 第2歯部
16C 第3歯部
17翼溝
17A 開口
17B 開口
18 凹部
18A 第1凹部
18B 第2凹部
18C 第3凹部
19 亀裂
20センサ部材
21フェイズドアレイ探触子
22ウェッジ部材
22S 表面
26制御装置
30支持装置
32 本体部材
32Aフレーム部材
32B フレーム部材
33連結部材
34位置調整機構
34Gガイド部
36 位置調整機構
36G ガイド部
38支持部材
40可動部材
42固定ノブ
44シャフト部材
46 固定ノブ
48ローラ
50保持部材
54ジンバル機構
54A 第1連結部
54B 第2連結部
56 第1部材
58 第2部材
60ベアリング
62マグネット
64 供給部
66供給装置
70ドライブユニット
100超音波探傷装置
AX回転軸
FD1 第1範囲
FD2 第2範囲
FD3 第3範囲
NA不感帯領域
RX1ロール軸
RX2ピッチ軸
SH1外側領域
SH2 中間領域
SH3 内側領域

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