図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2017年10月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

ポリアリーレンスルフィド樹脂および炭素繊維からなる樹脂組成物であって、優れた機械的強度剛性熱伝導率を併せ持ち、かつアウトガス性に優れる樹脂組成物を提供する。

解決手段

(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)引張弾性率が350〜500GPa、サイズ剤付着量が1.0〜2.0重量%であるPAN系炭素繊維(B成分)10〜150重量部を含有する樹脂組成物。

概要

背景

ポリアリーレンスルフィド樹脂は、耐薬品性耐熱性機械的特性などに優れるエンジニアリングプラスチックである。このため、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、優れた特性を生かし金属代替材料として、電気電子車両関連航空機、住設などの用途に広く利用されている。特に最近では、軽量化要求の高まりから、機械的強度剛性放熱性が高度に要求される部材への適用が検討されている。

しかしながら、ポリアリーレンスルフィド樹脂は熱伝導率金属材料と比較して大幅に小さいために、放熱しにくく蓄熱しやすいため、温度上昇に起因した機能低下を引き起こす問題がある。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂は成形温度が高いため、アウトガス量が多くなり作業性が低下する問題がある。
ポリアリーレンスルフィド樹脂の熱伝導率を改良する試みとしては、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の引張弾性率を有する炭素繊維および黒鉛金属粉アルミナマグネシアチタニアドロマイト窒化ホウ素窒化アルミニウムから選択される1種以上からなる樹脂組成物(特許文献1)が提案されている。しかしながら該樹脂組成物は、熱伝導率が不十分であり、また機械的強度と剛性については記載されていない。

また、ポリアリーレンスルフィド樹脂の熱伝導率と機械的強度の両方を高める試みとしては、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の熱伝導率を有する炭素繊維、特定の低融点合金、特定の金属粉末被覆酸化マグネシウム粉末カルナバワックスおよび黒鉛からなる樹脂組成物(特許文献2)、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の金属粉末および繊維状充填剤からなる樹脂組成物(特許文献3)、特定のポリフェニレンサルフィ樹脂、特定のポリフェニレンエーテル樹脂、特定の熱伝導率を有するカーボン繊維および特定の黒鉛からなる樹脂組成物(特許文献4)、熱可塑性樹脂および特定比率のピッチ系炭素繊維PAN系炭素繊維からなる樹脂組成物(特許文献5)、ポリアリーレンスルフィド収束剤添着炭素繊維金属ケイ素粉末、被覆酸化マグネシウム粉末、高純度マグネサイト粉末から選択される1種以上の熱伝導性フィラーおよびシラン化合物からなる樹脂組成物(特許文献6)、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の混合炭素繊維および被覆酸化マグネシウム粉末、高純度マグネサイト粉末から選択される1種以上の熱伝導性フィラーからなる樹脂組成物(特許文献7)が提案されている。しかしながら、特許文献2〜7に記載された樹脂組成物は、熱伝導率は十分なものの引張強さや曲げ強度の機械的強度は十分ではなく、機械的剛性については記載されていない。

また、アウトガス性を改善する試みとしては、例えば、不活性雰囲気中400℃での重量減少が0.5%以下の炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物(特許文献8)、250〜330℃で加熱処理した炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物(特許文献9)が提案されている。しかしながら、アウトガス性、機械的強度は十分なものの、熱伝導率については記載されていない。

概要

ポリアリーレンスルフィド樹脂および炭素繊維からなる樹脂組成物であって、優れた機械的強度と剛性、熱伝導率を併せ持ち、かつアウトガス性に優れる樹脂組成物を提供する。(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)引張弾性率が350〜500GPa、サイズ剤付着量が1.0〜2.0重量%であるPAN系炭素繊維(B成分)10〜150重量部を含有する樹脂組成物。なし

目的

本発明の課題は、ポリアリーレンスルフィド樹脂および炭素繊維からなる樹脂組成物であって、優れた機械的強度と剛性、熱伝導率を併せ持ち、かつアウトガス性に優れる樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)引張弾性率が350〜500GPa、サイズ剤付着量が1.0〜2.0重量%であるPAN系炭素繊維(B成分)10〜150重量部を含有する樹脂組成物

請求項2

B成分が、レーザーフラッシュ法で測定された繊維軸方向熱伝導率が15〜120W/mKであるPAN系炭素繊維であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。

請求項3

請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形された成形体

請求項4

(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)引張弾性率が350〜500GPaであるPAN系炭素繊維(B成分)10〜150重量部を含有する樹脂組成物の製造方法。

請求項5

B成分が、2000〜3000℃で黒鉛化処理したPAN系炭素繊維であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物の製造方法。

請求項6

A成分が、ジヨードアリール化合物固体硫黄、並びに重合停止剤および/または重合反応触媒を、極性溶媒を使用せずに直接加熱して重合させる方法よって得られるポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする請求項4または5に記載の樹脂組成物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂および炭素繊維からなる樹脂組成物であって、優れた機械的強度剛性熱伝導率を併せ持ち、かつアウトガス性に優れる樹脂組成物に関する。

背景技術

0002

ポリアリーレンスルフィド樹脂は、耐薬品性耐熱性機械的特性などに優れるエンジニアリングプラスチックである。このため、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、優れた特性を生かし金属代替材料として、電気電子車両関連航空機、住設などの用途に広く利用されている。特に最近では、軽量化要求の高まりから、機械的強度と剛性、放熱性が高度に要求される部材への適用が検討されている。

0003

しかしながら、ポリアリーレンスルフィド樹脂は熱伝導率が金属材料と比較して大幅に小さいために、放熱しにくく蓄熱しやすいため、温度上昇に起因した機能低下を引き起こす問題がある。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂は成形温度が高いため、アウトガス量が多くなり作業性が低下する問題がある。
ポリアリーレンスルフィド樹脂の熱伝導率を改良する試みとしては、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の引張弾性率を有する炭素繊維および黒鉛金属粉アルミナマグネシアチタニアドロマイト窒化ホウ素窒化アルミニウムから選択される1種以上からなる樹脂組成物(特許文献1)が提案されている。しかしながら該樹脂組成物は、熱伝導率が不十分であり、また機械的強度と剛性については記載されていない。

0004

また、ポリアリーレンスルフィド樹脂の熱伝導率と機械的強度の両方を高める試みとしては、例えば、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の熱伝導率を有する炭素繊維、特定の低融点合金、特定の金属粉末被覆酸化マグネシウム粉末カルナバワックスおよび黒鉛からなる樹脂組成物(特許文献2)、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の金属粉末および繊維状充填剤からなる樹脂組成物(特許文献3)、特定のポリフェニレンサルフィ樹脂、特定のポリフェニレンエーテル樹脂、特定の熱伝導率を有するカーボン繊維および特定の黒鉛からなる樹脂組成物(特許文献4)、熱可塑性樹脂および特定比率のピッチ系炭素繊維PAN系炭素繊維からなる樹脂組成物(特許文献5)、ポリアリーレンスルフィド収束剤添着炭素繊維金属ケイ素粉末、被覆酸化マグネシウム粉末、高純度マグネサイト粉末から選択される1種以上の熱伝導性フィラーおよびシラン化合物からなる樹脂組成物(特許文献6)、ポリアリーレンスルフィド樹脂、特定の混合炭素繊維および被覆酸化マグネシウム粉末、高純度マグネサイト粉末から選択される1種以上の熱伝導性フィラーからなる樹脂組成物(特許文献7)が提案されている。しかしながら、特許文献2〜7に記載された樹脂組成物は、熱伝導率は十分なものの引張強さや曲げ強度の機械的強度は十分ではなく、機械的剛性については記載されていない。

0005

また、アウトガス性を改善する試みとしては、例えば、不活性雰囲気中400℃での重量減少が0.5%以下の炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物(特許文献8)、250〜330℃で加熱処理した炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物(特許文献9)が提案されている。しかしながら、アウトガス性、機械的強度は十分なものの、熱伝導率については記載されていない。

先行技術

0006

特開2002−129015号公報
特開2007−45988号公報
特開2007−146105号公報
特開2004−137401号公報
特開2014−51587号公報
特開2007−291300号公報
特開2007−291220号公報
特開平5−229869号公報
特開平10−1877号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の課題は、ポリアリーレンスルフィド樹脂および炭素繊維からなる樹脂組成物であって、優れた機械的強度と剛性、熱伝導率を併せ持ち、かつアウトガス性に優れる樹脂組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は鋭意検討を重ねた結果、ポリアリーレンスルフィド樹脂および特定の炭素繊維からなる樹脂組成物が、優れた機械的強度と剛性、熱伝導率を両立でき、かつアウトガス性に優れることを見出し本発明に至った。

0009

具体的には、上記課題は、(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)引張弾性率が350〜500GPa、サイズ剤付着量が1.0〜2.0重量%であるPAN系炭素繊維(B成分)10〜150重量部を含有する樹脂組成物により達成される。
本発明の好適な態様の1つは、(2)B成分が、レーザーフラッシュ法で測定された繊維軸方向の熱伝導率が15〜120W/mKであるPAN系炭素繊維であることを特徴とする上記構成1の樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(3)上記構成1または2のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物成形された成形体である。
本発明の好適な態様の1つは、(4)(A)ポリアリーレンスルフィド樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)引張弾性率が350〜500GPa、サイズ剤付着量が1.0〜2.0重量%であるPAN系炭素繊維(B成分)10〜150重量部を含有する樹脂組成物の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(5)B成分が、2000〜3000℃で黒鉛化処理したPAN系炭素繊維であることを特徴とする上記構成4の樹脂組成物の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(6)A成分が、ジヨードアリール化合物固体硫黄、並びに重合停止剤および/または重合反応触媒を、極性溶媒を使用せずに直接加熱して重合させる方法よって得られるポリアリーレンスルフィド樹脂であることを特徴とする上記構成4または5の樹脂組成物の製造方法である。

0010

以下、本発明の詳細について説明する。
(A成分:ポリアリーレンスルフィド樹脂)
本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂としては、ポリアリーレンスルフィド樹脂と称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いてもよい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂としては、その構成単位として、例えばp−フェニレンスルフィド単位、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位ジフニレスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位、等よりなるものを挙げることができ、その中でも、p−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましく、さらに、ポリ(p−フェニレンスルフィド)がより好ましい。

0011

本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂の総塩素含有量は、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。総塩素含有量が500ppmを超える場合には、発生ガス量が増加しウエルド強度を低下させる場合がある。
本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂の総ナトリウム含有量は、好ましくは39ppm以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは8ppm以下である。39ppmを超える場合には、発生ガスの増加によるウエルド強度を低下させるだけではなく、高温高湿環境下において、ナトリウム金属水分子配位結合による樹脂の吸水量の増加によって耐湿熱性を低下させる場合がある。

0012

本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)で表される分散度(Mw/Mn)は好ましくは2.7以上、より好ましくは2.8以上、さらに好ましくは2.9以上である。分散度が2.7未満の場合は、成形時のバリ発生が多くなる場合がある。なお、分散度(Mw/Mn)の上限は特に規定されないが、10以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で算出された値である。なお、溶媒には1−クロロナフタレンを使用し、カラム温度は210℃とした。

0013

ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法としては、特に限定されるものではなく、既知の方法で重合されるが、特に好適な重合方法としては、米国登録特許第4,746,758号、第4,786,713号、特表2013−522385、特開2012−233210および特許5167276等に記載された製造方法が挙げられる。これらの製造方法は、ジヨードアリール化合物と固体硫黄を、極性溶媒なしに直接加熱して重合させる方法である。

0014

前記製造方法はヨウ化工程および重合工程を含む。該ヨウ化工程ではアリール化合物をヨードと反応させて、ジヨードアリール化合物を得る。続く重合工程で、重合停止剤を用いてジヨードアリール化合物を固体硫黄と重合反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する。ヨードはこの工程で気体状で発生し、これを回収して再びヨウ化工程に用いられる。実質的にヨードは触媒である。
前記製造方法で用いられる代表的な固体硫黄としては、室温で8個の原子が連結されたシクロオクタ硫黄形態(S8)が挙げられる。しかしながら重合反応に用いられる硫黄化合物は限定されるものではなく、常温固体または液体であればいずれの形態でも使用し得る。

0015

前記製造方法で用いられる代表的なジヨードアリール化合物としては、ジヨードベンゼン、ジヨードナフタレン、ジヨードビフェニル、ジヨードビスフェノールおよびジヨードベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられ、またアルキル基スルホン基が結合していたり、酸素窒素が導入されたりしているヨードアリール化合物誘導体も使用される。ヨードアリール化合物はそのヨード原子の結合位置によって異なる異性体に分類され、これらの異性体のうち好ましい例は、p−ジヨードベンゼン、2,6−ジヨードナフタレン、及びp,p’−ジヨードビフェニルのようにヨードがアリール化合物の分子両端対称的に位置する化合物である。該ヨードアリール化合物の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し500〜10,000重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。

0016

前記製造方法で用いられる代表的な重合停止剤としては、モノヨードアリール化合物、ベンゾチアゾール類ベンゾチアゾールスルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバメート類芳香族スルフィド化合物などが挙げられる。モノヨードアリール化合物のうち好ましい例としては、ヨードビフェニル、ヨードフェノールヨードアニリン、ヨードベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ベンゾチアゾール類のうち好ましい例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ベンゾチアゾールスルフェンアミド類のうち好ましい例としては、N−シクロヘキシルベンゾチアゾール2−スルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−モルホリノチオベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジベンゾチアゾールスルファイド、N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール2−スルフェンアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。チウラム類のうち好ましい例としては、テトラメチルチウラムモノスルフィドテトラメチルチウラムジスルフィドからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ジチオカルバメート類のうち好ましい例としては、ジメチルジチオカルバメート酸亜鉛ジエチルジチオカルバメート酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。芳香族スルフィド化合物のうち好ましい例としては、ジフェニルスルフィドジフェニルジスルフィドジフェニルエーテル、ビフェニル、ベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。重合停止剤の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し1〜30重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。

0017

前記製造方法においては必要に応じて重合反応触媒を重合工程で配合することができ、その代表的な重合反応触媒としては、各種ニトロベンゼン誘導体が挙げられ、これらの重合反応触媒のうち好ましい例としては、1,3−ジヨード−4−ニトロベンゼン、1−ヨード−4−ニトロベンゼン、2,6−ジヨード−4−ニトロフェノール、ヨードニトロベンゼン、2,6−ジヨード−4−ニトロアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。重合反応触媒の含有量は前記固体硫黄100重量部に対し0.01〜20重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。

0018

該製造方法の反応条件の代表的な例は、温度180〜250℃および圧力50〜450Torr(6.7〜60kPa)の初期反応条件から、温度270〜350℃および圧力0.001〜20Torr(0.00013〜2.7kPa)の最終反応条件まで、温度を上昇させると共に圧力を降下させながら、1〜30時間進行させる。好ましくは前記初期反応条件は反応速度を考慮して、温度180℃以上、圧力450Torr(60kPa)以下とし、最終反応条件は高分子熱分解を考慮して温度350℃以下、圧力20Torr(2.7kPa)以下が挙げられる。
但し、重合反応の条件は、反応器の構造設計および生産速度に依存し、当業者に知られているため、特に制限されない。反応条件は、当業者がプロセス条件を考慮して適宜設定することができる。

0019

また本発明のA成分として使用されるポリアリーレンスルフィド樹脂として、より高い機械的強度を得ることを目的に、カルボキシ基やカルボキシ基誘導体基チオール基、スルホン基、ヒドロキシ基アミノ基、エポキシ基メルカプト基シアノ基ニトロ基等の反応性官能基末端に有するポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることもできる。該反応性官能基を末端に有するポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることで、他の高分子素材や、炭素繊維などとの優れた相溶性を示し、より高い機械的強度を有する樹脂組成物を得ることができる。該反応性官能基を末端に有するポリアリーレンスルフィド樹脂のうちより好ましい例としては、カルボキシル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂が挙げられる。前記カルボキシル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂とは、FT−IR分光法のFT−IRスペクトルにて、カルボキシル基由来の約1600〜1800cm−1またはアミノ基由来の約3300〜3500cm−1のピークを示し、かつ1400〜1600cm−1で現れる芳香環伸縮ピークの高さ強度を100%としたとき、前記約1600〜1800cm−1または約3300〜3500cm−1のピークの相対的高さ強度が0.001〜10%であるポリアリーレンスルフィド樹脂である。

0020

前記カルボキシル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂のうち特に好ましい例としては、カルボキシル基の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂であり、下記一般式(1)で表される構造単位で示される。

0021

(式中、Ar基はアリーレン基である。)

0022

ここで、前記アリーレン基は、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、および、置換されたフェニレン基などを使用することができる。具体的に、置換されたフェニレン基は、一つ以上のF、Cl、Br、C1〜C3のアルキルトリフルオロメチル、C1〜C3のアルコキシトリフルオロメトキシトリフルオロメチルチオジメチルアミノシアノ、(C1〜C3アルキル)SO2−、(C1〜C3アルキル)NHSO2−、(C1〜C3アルキル)2NSO2−、NH2SO2−により任意に置換されたフェニレン基である。

0023

ポリアリーレンスルフィド樹脂に前記反応性官能基を導入する方法としては特に限定されるものではなく、既知の方法で重合されるが、共役芳香環骨格上に一つまたは複数の一般式(2)で表される基を有する重合停止剤を使用する方法が挙げられる。前記重合停止剤で用いられる共役芳香環骨格としては、例えば、ジフェニルジスルフィド、モノヨードベンゼンチオフェノール、2,2’−ジベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、2−(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、N,N’−ジシクロヘキシル−1,3−ベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドなどが挙げられる。

0024

(式中、Rは水素原子またはアルカリ金属原子である)

0025

カルボキシル基の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法の好適な重合方法としては、ジヨード芳香族化合物硫黄元素を含む反応物を重合反応させる段階、前記重合反応段階を進行しながら、カルボキシル基を有する化合物を添加してポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基中をカルボキシル基で置換する製造方法が挙げられる。前記カルボキシル基を有する化合物で用いられる代表的な例は、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、4−ヨード安息香酸、および2,2’−ジチオ安息香酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。前記カルボキシル基を有する化合物は、ジヨード芳香族化合物100重量部を基準に約0.0001〜5重量部添加することができる。

0026

(B成分:炭素繊維)
本発明のB成分として使用される炭素繊維は、引張弾性率が350〜500GPaであるPAN系炭素繊維である。B成分の引張弾性率は、好ましくは360〜490GPa、より好ましくは370〜480GPaである。B成分の引張弾性率が350GPa未満では、熱伝導率が劣り、500GPaを超えると機械的強度が低下する。なお、引張弾性率は、JIS R 7608に準拠して測定した。また、B成分はPAN系炭素繊維であることが必要であり、PAN系炭素繊維でない場合には機械的強度が著しく低下する。
B成分のサイズ剤付着量は、1.0〜2.0重量%であり、好ましくは1.1〜1.9重量%、より好ましくは1.2〜1.8重量%である。B成分のサイズ剤付着量が1.0重量%未満では、生産または成形加工性が低下し、2.0重量%を超えるとアウトガス量が増える。

0027

B成分の熱伝導率は、15〜120W/mKであることが好ましく、より好ましくは20〜110W/mK、さらに好ましくは25〜100W/mKである。B成分の熱伝導率が15W/mK未満では、機械的剛性および熱伝導率が劣る場合があり、120W/mKを超えると機械的強度が低下する場合がある。なお、熱伝導率は以下の方法で測定した。すなわち、炭素繊維ストランドカット束ねて、直径8mm×厚み3mmの円筒状にサンプルを作製し、NETZSCH社製LFA−447を用いてレーザーフラッシュ法にて炭素繊維の繊維軸方向の熱伝導率を求めた。
B成分であるPAN系炭素繊維は、例えば以下の方法により製造することができる。

0028

前駆体繊維
前駆体繊維は、アクリロニトリルを90重量%以上、好ましくは95重量%以上含有し、その他の単量体を10重量%以下含有する単量体を単独又は共重合した紡糸溶液紡糸して製造される、アクリル系前駆体繊維が好ましい。その他の単量体としてはイタコン酸、(メタアクリル酸エステル等が例示される。紡糸後原料繊維を、水洗、乾燥、延伸オイリング処理することにより、前駆体繊維が得られる。このとき、トータル延伸倍率が5〜15倍になるようスチーム延伸する。前駆体繊維のフィラメント数は、製造効率の面では1000フィラメント以上が好ましく、12000フィラメント以上がより好ましい。

0029

耐炎化処理
得られた前駆体繊維は、200〜260℃、延伸比0.90〜1.00で耐炎化処理前予備熱処理され、引き続き加熱空気中、200〜260℃で10〜100分間耐炎化処理される。この時の処理は、一般的に、延伸倍率0.85〜1.15の範囲で処理されるが、高強度・高弾性率の炭素繊維を得るためには、0.95以上がより好ましい。この耐炎化処理は、前駆体繊維を繊維密度1.34〜1.38g/cm3の酸化された繊維とするものであり、耐炎化時の張力(延伸配分)は特に限定されるものでは無い。

0030

第一炭素化処理>
耐炎化処理された繊維は、従来の公知の方法を採用して炭素化する。例えば、窒素雰囲気下300〜800℃で第一炭素化炉で徐々に温度を高めると共に、耐炎化繊維の張力を制御して緊張下で1段目の第一炭素化を行う。

0031

第二炭素化処理>
より炭素化を進め且つグラファイト化(炭素の高結晶化)を進める為に、窒素等の不活性ガス雰囲気下800〜2000℃で第二炭素化炉で徐々に温度を高めると共に、第一炭素化繊維の張力を制御して焼成する。
なお、各炭素化炉において、炉の入り口付近からに急激な温度変化、例えば最高温度に急激に繊維を導入することは、表面欠陥内部欠陥を多く発生させるため好ましくない。また、炉内の高温部で必要以上に滞留時間が長くなると、グラファイト化が進み過ぎ、脆性化した炭素繊維が得られることになるので好ましくない。上記第一炭素化処理〜第二炭素化処理工程は、張力をコントロールすると共に、必要に応じて、複数の炉で所定の物性となるように処理を行っても良い。

0032

<黒鉛化処理>
より高い弾性率を得るために、さらに2000〜3000℃の高温で黒鉛化処理を行う。炭素化処理および黒鉛化処理の温度は、目的とする炭素繊維の弾性率に応じて適宜調整すればよく、処理温度が高くなるほど、また、処理時間が長くなるほど、炭素繊維の弾性率が高くなる傾向がある。

0033

表面酸化処理
上記炭素繊維ストランドは、電解液中で表面酸化処理を施す。表面処理で炭素繊維にかかる電気量は、目的の表面官能基量になるよう適時調節すればよいが、炭素繊維1gに対して50〜500クーロンになる範囲とすることが好ましい。炭素繊維1gにかかる電気量をこの範囲で調節すると、繊維としての力学的特性に優れ、かつ、樹脂との接着性の向上した炭素繊維を得やすい。一方、炭素繊維1gにかかる電気量が50クーロン未満では、樹脂との接着性が低下しやすい傾向にあり、500クーロンを越えると、過剰な処理により、繊維強度が低下しやすい傾向にある。

0034

電解液としては、無機酸または無機塩基及び無機塩類水溶液を用いることが好ましい。電解質として、例えば、硫酸硝酸などの強酸を用いると表面処理の効率がよく好ましい。また、電解質として、例えば、硫酸アンモニウム炭酸水素ナトリウムなどの無機塩類を用いると、無機酸を用いる場合と比較して、電解液の危険性が低いため好ましい。
電解液の電解質濃度は0.1規定以上が好ましく、0.1〜1規定がより好ましい。電解質濃度が0.1規定未満であると、電気伝導度が低いために、電解に適さない傾向があり、一方で、電解質濃度が高すぎる場合は、電解質が析出し、濃度の安定性が低くなる傾向がある。
電解液の温度は、高いほど電気伝導性を向上させるため、処理を促進させることができる。一方で、電解液の温度が40℃を超えると、水分の蒸発による濃度の変動等により、時間変動なく均一な条件を提供するのが難しくなるため、15〜40℃の間が好ましい。

0035

サイジング処理
表面処理された炭素繊維ストランドは、サイジング液に通され、サイズ剤が付与される。サイジング液におけるサイズ剤の濃度は、10〜25重量%が好ましく、サイズ剤の付着量は、0.4〜1.7重量%が好ましい。炭素繊維ストランドに付与されるサイズ剤は、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂ウレタン樹脂ポリエステル樹脂ビニルエステル樹脂ポリアミド樹脂ポリエーテル樹脂アクリル樹脂ポリオレフィン樹脂ポリイミド樹脂やその変性物が挙げられる。なお、複合材料マトリックス樹脂に応じ、適したサイズ剤を適宜選択することができる。また、このサイズ剤は二種類以上を組み合わせて使用することも可能である。サイズ剤付与処理は、通常、乳化剤等を用いて得られる水系エマルジョン中に炭素繊維ストランドを浸漬するエマルジョン法が用いられる。また、炭素繊維の取扱性や、耐擦過性耐毛羽性含浸性を向上させるため、分散剤界面活性剤等の補助成分をサイズ剤に添加しても良い。

0036

乾燥処理
サイジング処理後の炭素繊維ストランドは、サイジング処理時の分散媒であった水等を蒸散させるため乾燥処理が施され、複合材料製造用炭素繊維ストランドが得られる。乾燥にはエアドライヤーを用いることが好ましい。乾燥温度は特に限定されるものではないが、汎用的な水系エマルジョンの場合は通常100〜180℃に設定される。また、本発明においては、乾燥工程の後、200℃以上の熱処理工程を経ることも可能である。

0037

チョップ工程>
炭素繊維チョップドストランドは、上記炭素繊維束を所定の長さに切断することにより製造される。炭素繊維チョップドストランドの長さは、3〜15mmが好ましく、5〜10mmがより好ましい。長さが3mm未満の炭素繊維チョップドストランドは、チョップドストランド嵩密度が小さくなるため、チョップドストランドの取扱い性が低下しやすい傾向がある。15mmを超える炭素繊維チョップドストランドは、射出成型機ペレット製造用押出機等にチョップドストランドを供給する際の供給安定性が低下しやすい傾向がある。切断方法としては、ロービングカッター等のロータリー式カッターや、ギロチンカッター等の通常用いられているカッターを適宜用いることが出来る。炭素繊維チョップドストランドの嵩密度は高い方が、複合材料を製造する際に成形機に安定して供給しやすいため好ましく、好ましくは500g/L以上である。

0038

<加熱工程>
加熱処理は空気中250〜330℃で行う。加熱処理温度が250℃未満では、炭素繊維チョップドストランドのサイズ付着量が多く残り樹脂組成物とした場合、アウトガス性が低下する。加熱処理温度が330℃を超えてしまうと開繊し易くなり定量供給性が悪化する。加熱処理時間は加熱処理温度に影響するので、その都度調整する必要があるが、加熱処理温度が250〜300℃の場合、加熱処理時間は10〜25時間、加熱処理温度が300〜330℃の場合、加熱処理時間は5〜15時間が好ましい。
B成分の含有量は、A成分100重量部に対し、10〜150重量部であり、好ましくは15〜120重量部、より好ましくは20〜100重量部である。B成分の含有量が10重量部未満では、機械的強度、剛性及び熱伝導率が劣り、150重量部を超えると生産または成形加工性が低下する。

0039

(その他の成分)
本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマー成分を含むことができる。好適なエラストマー成分としては、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン系共重合体ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)およびシリコーンアクリル複合ゴム系グラフト共重合体などのコアシェルグラフト共重合体樹脂、あるいはシリコーン系熱可塑性エラストマーオレフィン系熱可塑性エラストマーポリアミド系熱可塑性エラストマーポリエステル系熱可塑性エラストマーポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。

0040

本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含むことができる。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂芳香族ポリエステル樹脂液晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックスポリテトラフルオロエチレンポリエーテルエーテルケトンポリエーテルイミドポリサルフォンポリエーテルサルフォン、などのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものを挙げることができる。

0041

本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステルステアリルアルコールステアラミド、各種ビスアミドビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料硫化カドミウムフタロシアニンカーボンブラック等)、染料ニグロシン等)、結晶核剤タルクシリカカオリンクレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤アルキルサルフェートアニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩カチオン系帯電防止剤ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン両性帯電防止剤等)、難燃剤赤燐リン酸エステルメラミンシアヌレート水酸化マグネシウム水酸化アルミニウム等の水酸化物ポリリン酸アンモニウム臭素化ポリスチレン臭素化ポリフェニレンエーテル臭素化ポリカーボネート臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤三酸化アンチモンとの組み合わせ等)および他の重合体を添加することができる。

0042

(樹脂組成物の製造)
本発明の樹脂組成物は上記各成分を同時に、または任意の順序タンブラーV型ブレンダーナウターミキサーバンバリーミキサー混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。好ましくは二軸押出機による溶融混練が好ましく、必要に応じて、任意の成分をサイドフィーダー等を用いて第二供給口より、溶融混合された他の成分中に供給することが好ましい。押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガス脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーン押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網スクリーンチェンジャー焼結金属プレートディスクフィルターなど)などを挙げることができる。

0043

二軸押出機に使用するスクリューは、輸送用フライトピースの間に多種多様な形状のスクリュピースを挿入して複雑に組合せ、一体化して一本のスクリューとして構成されており、順フライトピース、順ニーディングピース、逆ニーディングピース、逆フライトピースなどのスクリュピースを処理対象原材料の特性を考慮して、適宜の順序および位置に配置して組み合わせたものなどを挙げることができる。
溶融混練機としては二軸押出機の他にバンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。

0044

上記の如く押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気清浄化することが好ましい。得られたペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.5mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜4mmである。

0045

成形品について)
本発明の樹脂組成物を用いてなる成形品は、上記の如く製造されたペレットを成形して得ることができる。好適には、射出成形押出し成形により得られる。射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形射出プレス成形ガスアシスト射出成形発泡成形超臨界流体注入する方法を含む)、インサート成形インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形二色成形多色成形サンドイッチ成形、および超高速射出成形等を挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また押出成形では、各種異形押出成形品シートフィルム等が得られる。シート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法キャスティング法等も使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形ブロー成形等により成形品とすることも可能である。

発明の効果

0046

本発明の樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド樹脂および特定のPAN系炭素繊維よりなる樹脂組成物であって、優れた機械的強度と剛性、熱伝導率を併せ持つ樹脂組成物であることから、パソコンノートブックウルトラブック)、タブレット携帯電話用ハウジングハイブリッド自動車電気自動車用インバータハウジングディスプレイOA機器携帯電話携帯情報端末ファクシミリコンパクトディスクポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラデジタルスチルカメラ光学機器オーディオエアコン照明機器娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの電気、電子機器筐体およびトレイシャーシなどの内部部材やそのケース機構部品パネルなどの建材用途モーター部品オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクターICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベースサスペンション部品排気ガスバルブなどの各種バルブ燃料関係、排気系または吸気系各種パイプエアーインテークノズルスノーケルインテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受燃料ポンプガソリンタンクCNGタンクエンジン冷却水ジョイントキャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー排気ガスセンサー冷却水センサー油温センサーブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサークランクシャフトポジションセンサーエアーフローメーターブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブラジエーターモーターブラッシュホルダーウォーターポンプインペラータービンインワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレートランスミッションワイヤーハーネスウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイルヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケットヘッドランプサポートペダルハウジングハンドルドアビームプロテクター、シャーシ、フレームアームレストホーンターミナル、ステップモーターローターランプソケットランプリフレクターランプハウジングブレーキピストンノイズシールドラジエターサポートスペアタイヤカバーシートシェルソレノイドボビンエンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバースカッフプレートピラートリムプロペラシャフトホイールフェンダーフェイシャー、バンパーバンパービームボンネットエアロパーツプラットフォームカウルルーバールーフインストルメントパネルスポイラーおよび各種モジュールなどの自動車二輪車関連部品、部材および外板ランディングギアポッドウィングレット、スポイラー、エッジラダーエレベーター、フェイリング、リブなどの航空機関部品、部材および外板、風車羽根などにおいて幅広く有用であり、特に自動車や二輪車のエンジン周り部品や発熱性の高い半導体素子抵抗などの封止部品、または高い摩擦熱が発生する摺動部品に有用であり、その奏する産業上の効果は格別である。

0047

本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。

0048

[樹脂組成物の評価]
(1)引張破断強度
ISO527(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度140℃で成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物の機械的強度が優れていることを意味する。

0049

(2)曲げ強度
ISO178(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度140℃で成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物の機械的強度が優れていることを意味する。

0050

(3)曲げ弾性率
ISO178(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度140℃で成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物の機械的剛性が優れていることを意味する。

0051

(4)熱伝導率
前記(1)と同条件で成形した厚み4mmの試験片から3mm×10mmの短冊状にサンプルを切り出し、横に並べて一体化させ、NETZSCH社製LFA−447を用いてレーザーフラッシュ法にてサンプルの流動方向の熱伝導率を求めた。この数値が大きいほど樹脂組成物の熱伝導率が優れ、放熱性に優れていることを意味する。

0052

(5)アウトガス量
ペレットを熱重量解析装置(株式会社リガク製 Thermo plusEVO2差動型示差熱天秤TG8121)により、窒素ガス雰囲気中、室温から昇温し130℃で1時間保持した後、昇温速度20℃/minで320℃まで昇温した。320℃で30分加熱前後の重量減少率(重量%)をアウトガス量として算出した。この数値が小さいほど樹脂組成物のアウトガス性に優れ、低アウトガス性であることを意味する。

0053

[実施例1〜5、比較例1〜7]
ポリアリーレンスルフィド樹脂および炭素繊維を表1記載の各配合量で、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得た。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX−30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用した。押出条件吐出量16kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで320℃とした。なお、炭素繊維は上記押出機のサイドフィーダーを使用し第二供給口から供給し、ポリアリーレンスルフィド樹脂は第一供給口から押出機に供給した。ここでいう第一供給口とはダイスから最も離れた供給口であり、第二供給口とは押出機のダイスと第一供給口の間に位置する供給口である。得られたペレットを130℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度140℃の条件で評価用の試験片を成形した。表1中の記号表記の各成分は下記の通りである。

0054

<A成分>
PPS−1:以下の製造方法で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン300.00g及び硫黄27.00gに、重合停止剤としてジフェニルジスルフィド0.60g(最終的に重合されたPPSの重量に基づいて0.65重量%の含量)を投入して180℃に加熱して完全にそれらを溶融及び混合した後、温度を220℃に昇温し、且つ、圧力を200Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度及び圧力が夫々320℃及び1Torrとなるように温度及び圧力を段階的に変化させつつ、8時間重合反応させてポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した。総塩素含有量は20ppm以下(検出限界以下)、総ナトリウム含有量は7ppmであった。

0055

PPS−2:以下の製造方法で得られたカルボキシル基の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン5130g及び硫黄450gに、反応開始剤としてメルカプトベンゾチアゾール4gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、温度を220℃に昇温し、且つ、圧力を350Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度および圧力が各々300℃および1Torr以下となるように温度及び圧力を段階的に変化させつつ、重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行した時(重合反応の進行程度は粘度による相対比率((現在粘度/目標粘度)×100%)の方法で確認した。)、重合停止剤としてメルカプトベンゾチアゾールを25g添加して反応を行った。1時間後、4−ヨード安息香酸51g添加して窒素雰囲気下で10分間反応を行い、0.5Torr以下に徐々に真空度を上げてさらに1時間反応を行った後反応を終了し、カルボキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を製造した。総塩素含有量は20ppm以下(検出限界以下)、総ナトリウム含有量は7ppmであった。

0056

<B成分>
CF−1:以下の製造方法で得られたPAN系炭素繊維
[製造方法]
PAN系炭素繊維「テナックス」(製品名)UMS40(東邦テナックス(株)製、引張強度:4,700MPa、引張弾性率:390GPa、サイジング剤ポリウレタン系、サイズ剤付着量:1.3重量%)の炭素繊維ストランドを3個/mの撚り数となるよう加撚し、連続的にポリウレタン樹脂DIC(株)製クリスボン6216SL)のポリエーテルケトン溶液からなるサイズ剤浴に導入して集束処理を施し、150℃で2分間乾燥した。炭素繊維ストランドのサイズ剤付着量は2.5重量%であった。集束処理後の炭素繊維ストランドを6mmの長さにカットして、さらに270℃で24時間加熱処理を行い、PAN系炭素繊維(引張弾性率:390GPa、サイズ剤付着量:1.5重量%)を製造した。

0057

CF−2:PAN系炭素繊維「テナックス」(製品名)UMS40をPAN系炭素繊維「テナックス」(製品名)UMS45(東邦テナックス(株)製、引張強度:4,600MPa、引張弾性率:425GPa、サイジング剤:ポリウレタン系、サイズ剤付着量:1.1重量%)に変更した以外はCF−1と同じ製造方法で得られたPAN系炭素繊維(引張弾性率:425GPa、サイズ剤付着量:1.5重量%)
CF−3:PAN系炭素繊維「テナックス」(製品名)UMS40をPAN系炭素繊維「テナックス」製品名)UMS55(東邦テナックス(株)製、引張強度:4,000MPa、引張弾性率:550GPa、サイジング剤:ポリウレタン系、サイズ剤付着量:0.7重量%)に変更した以外はCF−1と同じ製造方法で得られたPAN系炭素繊維(引張弾性率:550GPa、サイズ剤付着量:1.5重量%)
CF−4:PAN系炭素繊維(東邦テナックス(株)製「テナックス」(製品名)HTC432 6mm、引張強度:4,200MPa、引張弾性率:240GPa、カット長:6mm、サイジング剤:ポリウレタン系、サイズ剤付着量:2.3重量%)

0058

CF−5:以下の製造方法で得られたピッチ系炭素繊維
[製造方法]
合成メソフェーズピッチプリカーサーとして溶融紡糸し、ピッチ繊維40000本で構成される炭素繊維ストランドを得た。この炭素繊維ストランドを空気雰囲気中で不融化、さらに窒素雰囲気中で炭素化、黒鉛化した後、表面処理、サイジング処理を施し、6mmの長さにカットし、ピッチ系炭素繊維(引張強度:2,600MPa、引張弾性率:450GPa、サイジング剤:エポキシ系、サイズ剤付着量:1.8重量%)を製造した。
CF−6:加熱処理をしなかったこと以外はCF−1と同じ製造方法で得られたPAN系炭素繊維(引張弾性率:425GPa、サイズ剤付着量:2.5重量%)
CF−7:加熱温度を350℃に変更した以外はCF−1と同じ製造方法で得られたPAN系炭素繊維(引張弾性率:425GPa、サイズ剤付着量:0.8重量%)
[炭素繊維の熱伝導率]
CF−1:29W/mK
CF−2:50W/mK
CF−3:132W/mK
CF−4:9W/mK
CF−5:100W/mK
CF−6:28W/mK
CF−7:30W/mK

実施例

0059

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ