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技術 超音波トランスデューサー、超音波アレイ、超音波モジュール、超音波プローブ、及び超音波装置

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 松田洋史
出願日 2016年4月6日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-076475
公開日 2017年10月12日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-188785
状態 特許登録済
技術分野 超音波変換器 圧電、電歪、磁歪装置 超音波診断装置
主要キーワード グラウンド回路 センサー窓 超音波モジュール 略鏡面 分極制御 中央領 アッテネーター 鏡像対称
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

解決手段

超音波トランスデューサーは、可撓膜と、可撓膜に設けられる圧電素子と、を備え、圧電素子は、圧電体と、圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、第一電極と第二電極とは、第一電極と第二電極との間に圧電体を挟んで離間し、かつ、圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、第三電極と第四電極とは、第三電極と第四電極との間に圧電体を挟んで離間し、かつ、平面視において重なり、第一電極と第三電極とは、平面視において離間し、第二電極と第四電極とは、平面視において離間する。

概要

背景

従来、圧電層圧電効果に基づいて超音波送受信可能に構成される超音波変換器が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載の超音波変換器は、基板と、当該基板上に設けられた圧電層と、圧電層の同じ面上に配置された第1の電極及び第2の電極と、を備える。このように構成された超音波変換器では、例えば、超音波を受信した際の圧電層の歪みに応じて生じた第1の電極と第2の電極との間の電位差を電気信号として出力可能である。

概要

高い送信出力及び受信感度を有する超音波トランスデューサー超音波アレイ超音波モジュール超音波プローブ、及び超音波装置を提供する。超音波トランスデューサーは、可撓膜と、可撓膜に設けられる圧電素子と、を備え、圧電素子は、圧電体と、圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、第一電極と第二電極とは、第一電極と第二電極との間に圧電体を挟んで離間し、かつ、圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、第三電極と第四電極とは、第三電極と第四電極との間に圧電体を挟んで離間し、かつ、平面視において重なり、第一電極と第三電極とは、平面視において離間し、第二電極と第四電極とは、平面視において離間する。

目的

本発明は、以下の形態又は適用例として、高い送信出力及び受信感度を有する超音波トランスデューサー、超音波アレイ、超音波モジュール、超音波プローブ、及び超音波装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

可撓膜と、前記可撓膜に設けられる圧電素子と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする超音波トランスデューサー

請求項2

請求項1に記載の超音波トランスデューサーにおいて、前記圧電素子は、さらに、前記圧電体に接する第五電極及び第六電極を有し、前記第五電極と前記第六電極とは、前記第五電極と前記第六電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第五電極は、前記第一電極と前記第三電極との間に位置し、前記第六電極は、前記第二電極と前記第四電極との間に位置することを特徴とする超音波トランスデューサー。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の超音波トランスデューサーにおいて、前記第一電極と前記第四電極との距離は、前記第一電極と前記第三電極との距離より大きいことを特徴とする超音波トランスデューサー。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の超音波トランスデューサーにおいて、前記第一電極の前記第三電極と対向する端面は、前記第二電極の前記第四電極と対向する端面と前記平面視において重なることを特徴とする超音波トランスデューサー。

請求項5

可撓膜と、前記可撓膜に設けられる圧電素子と、を備える複数の超音波トランスデューサーを具備する超音波アレイであって、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする超音波アレイ。

請求項6

可撓膜、及び前記可撓膜に設けられる圧電素子を備える超音波トランスデューサーと、前記圧電素子に接続される回路基板と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする超音波モジュール

請求項7

請求項6に記載の超音波モジュールにおいて、前記回路基板は、前記第一電極及び前記第三電極を接続し、かつ、前記第二電極及び前記第四電極を接続する第一接続状態と、前記第一電極及び前記第二電極を接続し、かつ、前記第三電極及び前記第四電極を接続する第二接続状態と、を切り替え切替部を有することを特徴とする超音波モジュール。

請求項8

可撓膜、及び前記可撓膜に設けられる圧電素子を備える超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーを収容する筐体と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする超音波プローブ

請求項9

可撓膜、及び前記可撓膜に設けられる圧電素子を備える超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーを制御する制御部と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする超音波装置

請求項10

請求項9に記載の超音波装置において、前記第一電極及び前記第三電極を接続し、かつ、前記第二電極及び前記第四電極を接続する第一接続状態と、前記第一電極及び前記第二電極を接続し、かつ、前記第三電極及び前記第四電極を接続する第二接続状態と、を切り替える切替部を備えることを特徴とする超音波装置。

請求項11

請求項10に記載の超音波装置において、前記制御部は、前記切替部を制御し、超音波の送信時に前記第一接続状態に切り替え、超音波の受信時に前記第二接続状態に切り替える切替制御部を有することを特徴とする超音波装置。

請求項12

請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の超音波装置において、前記制御部は、前記第一電極と前記第二電極との間、及び、前記第三電極と前記第四電極との間に第一分極電圧印加する第一分極処理を実施する分極制御部を有することを特徴とする超音波装置。

請求項13

請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の超音波装置において、前記制御部は、前記第一電極と前記第三電極との間、及び、前記第二電極と前記第四電極との間に第二分極電圧を印加する第二分極処理を実施する分極制御部を有することを特徴とする超音波装置。

技術分野

背景技術

0002

従来、圧電層圧電効果に基づいて超音波送受信可能に構成される超音波変換器が知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載の超音波変換器は、基板と、当該基板上に設けられた圧電層と、圧電層の同じ面上に配置された第1の電極及び第2の電極と、を備える。このように構成された超音波変換器では、例えば、超音波を受信した際の圧電層の歪みに応じて生じた第1の電極と第2の電極との間の電位差を電気信号として出力可能である。

先行技術

0003

特開2002−271897号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、超音波を受信した際、圧電層の歪みに応じて圧電層の表面に生じる電荷Qに対して、電極間の電位差Vは、電極間の距離dに比例する(V∝Q×d)。上記特許文献1に記載の超音波変換器(すなわち超音波トランスデューサー)では、圧電層の厚みによらず電極間の距離寸法を大きくすることができるため、受信感度の向上を図ることができる。

0005

しかしながら、電極間の電位差Vに対して、圧電層の表面に生じる電荷Q(つまり圧電層の歪み量)は、電極間の距離dに反比例する(Q∝V/d)。したがって、上記従来の超音波トランスデューサーを用いて超音波を送受信する場合、超音波の送信出力送信感度)と受信感度とをともに向上させることができないという課題があった。

0006

本発明は、以下の形態又は適用例として、高い送信出力及び受信感度を有する超音波トランスデューサー、超音波アレイ、超音波モジュール、超音波プローブ、及び超音波装置を提供することを一つの目的とする。

課題を解決するための手段

0007

一適用例に係る超音波トランスデューサーは、可撓膜と、前記可撓膜に設けられる圧電素子と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする。

0008

本適用例では、圧電素子は、圧電体と、圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有している。これらのうち第一電極と第二電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なっている。また、第三電極と第四電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、平面視にて重なっている。また、平面視にて、第一電極及び第三電極は離間し、第二電極及び第四電極は離間している。
このように構成された超音波トランスデューサーでは、第一電極及び第二電極の間の距離と、第三電極及び第四電極の間の距離とを小さくしつつ、第一電極及び第三電極の間の距離と、第二電極及び第四電極の間の距離とを大きくすることができる。これにより、超音波トランスデューサーの送信出力及び受信感度を同時に向上させることができる。
つまり、超音波トランスデューサーを用いて超音波を送信する際に、第一電極と第二電極との間に電圧印加し、第三電極と第四電極との間に電圧を印加することにより、上述のように電極間距離を小さくすることにより、超音波トランスデューサーの送信出力を向上させることができる。
一方、圧電体の歪に応じて第一電極及び第三電極の間に生じた電位差(第二電極及び第四電極の間に生じた電位差)を検出して、超音波を受信することができる。この場合、第一電極及び第三電極(第二電極及び第四電極)の間の距離を大きくすることにより、上述のように受信感度を向上させることができる。
以上から、本適用例によれば、高い送信出力及び受信感度を有する超音波トランスデューサーを提供することができる。

0009

また、本適用例によれば、超音波を受信する際に、第一電極と第二電極とを短絡し、第三電極と第四電極とを短絡することにより、超音波トランスデューサーと、当該超音波トランスデューサーに接続される外部回路との間でのインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。つまり、上述のように電極を短絡することにより、第一電極と第三電極とによって形成されたキャパシターと、第二電極と第四電極とによって形成されたキャパシターとが並列に接続された構成となる。したがって、上述の圧電体の一面に互いに離間して配置された二つの電極を備える従来の超音波トランスデューサーと比べて、本適用例の超音波トランスデューサーの静電容量を大きくすることができる。これにより、外部回路が有する浮遊容量の影響を抑制でき、外部回路とのインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。

0010

本適用例の超音波トランスデューサーにおいて、前記圧電素子は、さらに、前記圧電体に接する第五電極及び第六電極を有し、前記第五電極と前記第六電極とは、前記第五電極と前記第六電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第五電極は、前記第一電極と前記第三電極との間に位置し、前記第六電極は、前記第二電極と前記第四電極との間に位置することが好ましい。
本適用例では、圧電素子は、平面視において、互いに重なる第五電極及び第六電極を有し、第五電極は、第一電極と第三電極との間に位置し、第六電極は、第二電極と第四電極との間に位置する。
このような構成では、超音波を受信する際に、第一電極と第二電極と第三電極と第四電極とを短絡し、さらに、第五電極と第六電極とを短絡することにより、第一電極及び第五電極によるキャパシターと、第三電極及び第五電極によるキャパシターと、第二電極及び第六電極によるキャパシターと、第四電極及び第六電極によるキャパシターと、が並列に接続された構成とすることができる。これにより、超音波トランスデューサーの静電容量をより増大させることができ、外部回路とのインピーダンスマッチングをより容易に行うことができる。

0011

本適用例の超音波トランスデューサーにおいて、前記第一電極と前記第四電極との距離は、前記第一電極と前記第三電極との距離より大きいことが好ましい。
本適用例では、第一電極と第四電極との距離は、第一電極と第三電極との距離より大きいため、第一電極と第四電極とが短絡することを抑制することができる。例えば、超音波の受信時に、第一電極と第三電極との間、及び、第二電極と第四電極との間に電位差が生じた場合でも、第一電極と第四電極とが短絡することを抑制でき、超音波を受信することができる。

0012

本適用例の超音波トランスデューサーにおいて、前記第一電極の前記第三電極と対向する端面は、前記第二電極の前記第四電極と対向する端面と前記平面視において重なることが好ましい。
本適用例では、第一電極の第三電極と対向する端面は、第二電極の第四電極と対向する端面と、上記平面視において重なる。このような構成では、例えば、第一電極と第二電極との間に電圧を印加する際に、第一電極及び第二電極の各端面が、上記平面視において重なっていない場合と比べて、より効果的に電圧を印加させることができる。

0013

一適用例に係る超音波アレイは、可撓膜と、前記可撓膜に設けられる圧電素子と、を備える複数の超音波トランスデューサーを具備する超音波アレイであって、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする。
本適用例では、圧電素子は、圧電体と、圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有している。これらのうち第一電極と第二電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なっている。また、第三電極と第四電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、平面視において重なっている。また、平面視において、第一電極と第三電極とは離間し、第二電極と第四電極とは、平面視において離間している。
このように構成された超音波アレイでは、上記適用例の超音波トランスデューサーと同様に、第一電極及び第二電極の間の距離と、第三電極及び第四電極の間の距離とを小さくしつつ、第一電極及び第三電極の間の距離と、第二電極及び第四電極の間の距離とを大きくすることができる。これにより、超音波トランスデューサーの送信出力及び受信感度を向上させることができる。
また、各超音波トランスデューサーを用いて超音波の送受信を行うことができる。このため、送信専用の超音波トランスデューサーと、受信専用の超音波トランスデューサーとを備える超音波アレイと比べて、単位面積当たり送信用及び受信用のそれぞれの超音波トランスデューサーの数を増大させることができ、超音波の送信出力及び受信感度を向上させることができる。

0014

一適用例に係る超音波モジュールは、可撓膜、及び前記可撓膜に設けられる圧電素子を備える超音波トランスデューサーと、前記圧電素子に接続される回路基板と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする。
本適用例の超音波モジュールは、圧電素子を備える超音波トランスデューサーと、圧電素子が接続された回路基板と、を備えている。これらのうち圧電素子は、圧電体と、圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有している。これらのうち第一電極と第二電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なっている。また、第三電極と第四電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、平面視において重なっている。また、平面視において、第一電極と第三電極とは離間し、第二電極と第四電極とは、平面視において離間している。
このように構成された超音波モジュールでは、上記適用例の超音波トランスデューサーと同様に、第一電極及び第二電極の間の距離と、第三電極及び第四電極の間の距離とを小さくしつつ、第一電極及び第三電極の間の距離と、第二電極及び第四電極の間の距離とを大きくすることができる。これにより、超音波トランスデューサーの送信出力及び受信感度を向上させることができる。

0015

本適用例の超音波モジュールにおいて、前記回路基板は、前記第一電極及び前記第三電極を接続し、かつ、前記第二電極及び前記第四電極を接続する第一接続状態と、前記第一電極及び前記第二電極を接続し、かつ、前記第三電極及び前記第四電極を接続する第二接続状態と、を切り替え切替部を有することが好ましい。
本適用例では、切替部は、第一電極及び第三電極を接続し、第二電極及び第四電極を接続する第一接続状態と、第一電極及び第二電極を接続し、かつ、第三電極及び第四電極を接続する第二接続状態と、を切り替える。
第一接続状態では、第一電極及び第三電極が接続つまり短絡され、第二電極及び第四電極が短絡されている。この第一接続状態では、超音波を送信する際に、例えば、短絡された第一電極及び第三電極に電圧を印加することにより、第一電極及び第二電極の間と、第三電極及び第四電極の間とに電位差を生じさせることができ、上述のように送信出力を向上させることができる。
また、第二接続状態では、第一電極及び第二電極が短絡され、第三電極及び第四電極が短絡されている。この第二接続状態では、超音波を受信する際に、圧電体の歪に応じて第一電極と第三電極との間に生じた電位差(第二電極と第四電極との間に生じた電位差)が電気信号として出力される。このため、当該電気信号を検出することにより、上述のように超音波の受信感度を向上させることができる。
以上から、本適用例によれば、高い送信出力及び受信感度を有する超音波モジュールを提供することができる。

0016

一適用例に係る超音波プローブは、可撓膜、及び前記可撓膜に設けられる圧電素子を備える超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーを収容する筐体と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする。
本適用例の超音波プローブは、超音波トランスデューサーと、超音波トランスデューサーを収容する筐体と、を備えている。これらのうち超音波トランスデューサーは、圧電素子を備え、この圧電素子は、圧電体と、圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有している。これらのうち第一電極と第二電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なっている。また、第三電極と第四電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、平面視において重なっている。また、平面視において、第一電極と第三電極とは離間し、第二電極と第四電極とは、平面視において離間している。
このように構成された超音波プローブでは、上記適用例の超音波トランスデューサーと同様に、第一電極及び第二電極の間の距離と、第三電極及び第四電極の間の距離とを小さくしつつ、第一電極及び第三電極の間の距離と、第二電極及び第四電極の間の距離とを大きくすることができる。これにより、超音波トランスデューサーの送信出力及び受信感度を向上させることができる。

0017

一適用例に係る超音波装置は、可撓膜、及び前記可撓膜に設けられる圧電素子を備える超音波トランスデューサーと、前記超音波トランスデューサーを制御する制御部と、を備え、前記圧電素子は、圧電体と、前記圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有し、前記第一電極と前記第二電極とは、前記第一電極と前記第二電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なり、前記第三電極と前記第四電極とは、前記第三電極と前記第四電極との間に前記圧電体を挟んで離間し、かつ、前記平面視において重なり、前記第一電極と前記第三電極とは、前記平面視において離間し、前記第二電極と前記第四電極とは、前記平面視において離間することを特徴とする。
本適用例の超音波装置は、超音波トランスデューサーと、超音波トランスデューサーを制御する制御部と、を備えている。これらのうち超音波トランスデューサーは、圧電素子を備え、この圧電素子は、圧電体と、圧電体に接する第一電極、第二電極、第三電極、及び第四電極と、を有している。これらのうち第一電極と第二電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、圧電体の厚さ方向から見た平面視において重なっている。また、第三電極と第四電極とは、圧電体を挟んで離間し、かつ、平面視において重なっている。また、平面視において、第一電極と第三電極とは離間し、第二電極と第四電極とは、平面視において離間している。
このように構成された超音波装置では、上記適用例の超音波トランスデューサーと同様に、第一電極及び第二電極の間の距離と、第三電極及び第四電極の間の距離とを小さくしつつ、第一電極及び第三電極の間の距離と、第二電極及び第四電極の間の距離とを大きくすることができる。これにより、超音波トランスデューサーの送信出力及び受信感度を向上させることができる。

0018

本適用例の超音波装置において、前記第一電極及び前記第三電極を接続し、かつ、前記第二電極及び前記第四電極を接続する第一接続状態と、前記第一電極及び前記第二電極を接続し、かつ、前記第三電極及び前記第四電極を接続する第二接続状態と、を切り替える切替部を備えることが好ましい。
本適用例では、切替部は、第一電極及び第三電極を接続し、第二電極及び第四電極を接続する第一接続状態と、第一電極及び第二電極を接続し、かつ、第三電極及び第四電極を接続する第二接続状態と、を切り替える。
この第一接続状態では、第一電極及び第三電極が短絡され、第二電極及び第四電極が短絡されている。この第一接続状態では、超音波を送信する際に、例えば、短絡された第一電極及び第三電極に電圧を印加することにより、第一電極及び第二電極の間と、第三電極及び第四電極の間とに電位差を生じさせることができ、上述のように送信出力を向上させることができる。
また、第二接続状態では、第一電極及び第二電極が短絡され、第三電極及び第四電極が短絡されている。この第二接続状態では、超音波を受信する際に、圧電体の歪に応じて第一電極と第三電極との間に生じた電位差(第二電極と第四電極との間に生じた電位差)が電気信号として出力される。このため、当該電気信号を検出することにより、上述のように超音波の受信感度の向上させることができる。
以上から、本適用例によれば、高い送信出力及び受信感度を有する超音波装置を提供することができる。

0019

本適用例の超音波装置において、前記制御部は、前記切替部を制御し、超音波の送信時に前記第一接続状態に切り替え、超音波の受信時に前記第二接続状態に切り替える切替制御部を有することが好ましい。
本適用例では、制御部は、超音波の送信時に切替部を第一接続状態に切り替え、超音波の受信時に切替部を第二接続状態に切り替える切替制御部を有する。このような構成では、超音波の送信時と受信時とで、切替部による各電極の接続状態を適切に設定することができる。

0020

本適用例の超音波装置において、前記制御部は、前記第一電極と前記第二電極との間、及び、前記第三電極と前記第四電極との間に第一分極電圧を印加する第一分極処理を実施する分極制御部を有することが好ましい。
本適用例では、分極制御部は、第一電極と第二電極との間、及び、第三電極と第四電極との間に第一分極電圧を印加する第一分極処理を実施する。
上述のように、超音波の送信時に、第一電極と第二電極との間、及び、第三電極と第四電極との間に電圧を印加することにより、超音波トランスデューサーの送信出力を向上させることができる。本適用例では、第一分極処理を実施して圧電体に対して厚み方向の電場を印加することにより、圧電体の分極状態を、超音波の送信に適した状態とすることができる。したがって、第一分極処理を実施することにより、超音波トランスデューサーの送信出力を一層向上させることができ、ひいては超音波装置における超音波測定測定精度を一層向上させることができる。

0021

本適用例の超音波装置において、前記制御部は、前記第一電極と前記第三電極との間、及び、前記第二電極と前記第四電極との間に第二分極電圧を印加する第二分極処理を実施する分極制御部を有することが好ましい。
本適用例では、分極制御部は、第一電極と第三電極との間、及び、第二電極と第四電極との間に第二分極電圧を印加する第二分極処理を実施する。
上述のように、超音波の受信時に、第一電極と第三電極との間、及び、第二電極と第四電極との間の電圧を検出することにより、超音波トランスデューサーの受信感度を向上させることができる。本適用例では、第二分極処理を実施して圧電体に対して厚み方向と交差する方向に電場を印加することにより、圧電体の分極状態を、超音波の受信に適した状態とすることができる。したがって、第二分極処理を実施することにより、超音波トランスデューサーの受信感度を一層向上させることができ、ひいては超音波装置における超音波測定の測定精度を一層向上させることができる。

0022

本適用例の超音波装置において、前記制御部は、前記超音波トランスデューサーを制御して超音波の送信及び受信を行う送受信制御部と、前記切替部を制御し、超音波の送信時に前記第一接続状態に切り替え、超音波の受信時に前記第二接続状態に切り替える切替制御部と、前記第一電極と前記第二電極との間、及び、前記第三電極と前記第四電極との間に第一分極電圧を印加する第一分極処理と、前記第一電極と前記第三電極との間、及び、前記第二電極と前記第四電極との間に第二分極電圧を印加する第二分極処理と、を実施する分極制御部と、を有し、前記切替制御部によって前記第一接続状態に切り替え、前記分極制御部によって前記第一分極処理を実施し、前記送受信制御部によって前記超音波トランスデューサーから超音波を送信し、前記切替制御部によって前記第二接続状態に切り替え、前記分極制御部によって前記第二分極処理を実施し、前記送受信制御部によって前記超音波トランスデューサーを用いて超音波を受信することが好ましい。
本適用例では、超音波装置は、第一接続状態に切り替え、第一分極処理を実施した後に、超音波を送信することができるため、超音波の送信出力を向上させることができる。また、超音波装置は、第二接続状態に切り替え、第二分極処理を実施した後に、超音波を受信することができるため、超音波の受信感度を向上させることができる。したがって、本適用例の超音波装置では、高精度の超音波測定を実施することができる。

図面の簡単な説明

0023

第一実施形態の超音波装置の概略構成を示す斜視図。
第一実施形態の超音波装置の概略構成を示すブロック図。
第一実施形態の超音波デバイスにおける素子基板の概略構成を示す平面図。
図3におけるA−A線で切断した超音波センサーの断面図。
第一実施形態の超音波トランスデューサーの概略構成を示す平面図。
第一実施形態の超音波トランスデューサーの概略構成を示す断面図。
第一実施形態における第一接続状態を模式的に示す図。
第一実施形態における第二接続状態を模式的に示す図。
第一実施形態における超音波測定処理の一例を示すフローチャート
第二実施形態の超音波トランスデューサーの概略構成を示す平面図。
第二実施形態の超音波トランスデューサーの概略構成を示す断面図。
第二実施形態における超音波トランスデューサーと電極パッドとの関係を模式的に示す図。
超音波トランスデューサーの一変形例の概略構成を示す平面図。

実施例

0024

[第一実施形態]
以下、第一実施形態の超音波装置について、図面に基づいて説明する。
[超音波装置の構成]
図1は、本実施形態の超音波装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、超音波装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の超音波装置1は、図1に示すように、超音波プローブ2と、超音波プローブ2にケーブル3を介して電気的に接続された制御装置10と、を備えている。
この超音波装置1は、超音波プローブ2を生体(例えば人体)の表面に当接させ、超音波プローブ2から生体内に超音波を送出する。また、生体内の器官にて反射された超音波を超音波プローブ2にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。

0025

[超音波プローブの構成]
超音波プローブ2は、筐体21(図1参照)と、超音波デバイス22(図2参照)と、超音波デバイス22を制御するためのドライバ回路等が設けられた回路基板23(図2参照)と、を備えている。なお、超音波デバイス22と、回路基板23とにより超音波モジュールに相当する超音波センサー24が構成され、筐体21に収容されている。

0026

[筐体の構成]
筐体21は、図1示すように、例えば平面視矩形状の箱状に形成され、厚み方向に直交する一面(センサー面21A)には、センサー窓21Bが設けられており、超音波デバイス22の一部が露出している。また、筐体21の一部(図1に示す例では側面)には、ケーブル3の通過孔21Cが設けられ、ケーブル3は、通過孔21Cから筐体21の内部の回路基板23に接続されている。また、ケーブル3と通過孔21Cとの隙間は、例えば樹脂材等が充填されることで、防水性が確保されている。
なお、本実施形態では、ケーブル3を用いて、超音波プローブ2と制御装置10とが接続される構成例を示すが、これに限定されず、例えば超音波プローブ2と制御装置10とが無線通信により接続されていてもよく、超音波プローブ2内に制御装置10の各種構成が設けられていてもよい。

0027

[超音波デバイスの構成]
図3は、超音波デバイス22における素子基板41を、音響レンズ44側から見た平面図である。図4は、図3におけるA−A線で切断した超音波センサー24の断面図である。図5は、音響レンズ44側から見た超音波トランスデューサー45を模式的に示す平面図である。
超音波センサー24を構成する超音波デバイス22は、図4に示すように、素子基板41と、封止板42と、音響整合層43と、音響レンズ44と、により構成されている。この素子基板41には、図3に示すように、超音波を送受信する超音波トランスデューサー45の複数がマトリクス状に配置されている。これら複数の超音波トランスデューサー45により超音波アレイALが構成されている。

0028

(素子基板の構成)
素子基板41は、基板本体部411と、基板本体部411に積層された振動膜412と、を備えている。この素子基板41の中央領域は、超音波アレイALが形成されたアレイ領域Ar1である。
基板本体部411は、例えばSi等の半導体基板である。基板本体部411におけるアレイ領域Ar1内には、各々の超音波トランスデューサー45に対応した開口部411Aが設けられている。また、各開口部411Aは、基板本体部411の音響レンズ44側(+Z側)に設けられた振動膜412により閉塞されている。

0029

振動膜412は、例えばSiO2や、SiO2及びZrO2の積層体等より構成され、基板本体部411の+Z側全体を覆って設けられている。この振動膜412の厚み寸法は、基板本体部411に対して十分小さい厚み寸法となる。基板本体部411をSiにより構成し、振動膜412をSiO2により構成する場合、例えば基板本体部411を酸化処理することで、所望の厚み寸法の振動膜412を容易に形成することが可能となる。また、この場合、SiO2の振動膜412をエッチングストッパとして基板本体部411をエッチング処理することで、容易に前記開口部411Aを形成することが可能となる。

0030

また、各開口部411Aを閉塞する振動膜412上には、それぞれ第一下部電極414、第二下部電極415、圧電膜416、第一上部電極417、及び第二上部電極418を含み構成される圧電素子413が設けられている(図4及び図5参照)。ここで、振動膜412の開口部411Aを閉塞する部分が、超音波の送受信時に変形する可撓膜412Aとなる。この可撓膜412A及び圧電素子413により、1つの超音波トランスデューサー45が構成される。この超音波トランスデューサー45については後に詳述する。

0031

また、本実施形態では、図3に示すように、上記のような超音波トランスデューサー45が、素子基板41の所定のアレイ領域Ar1内に、Y方向(スライス方向)、及びY方向に交差(本実施形態では直交)するX方向(スキャン方向)に沿って複数配置されることで超音波アレイALを構成する。
また、Y方向に並ぶ超音波トランスデューサー45により、1つの送受信チャンネルを構成する超音波トランスデューサー群45Aが構成され、当該超音波トランスデューサー群45AがX方向に沿って複数並ぶ1次元アレイ構造を構成する。つまり、超音波アレイALは、X方向に沿って複数の送受信チャンネルが配置され構成される一次元アレイである。

0032

ここで、図3に示すように、超音波トランスデューサー群45Aを構成する複数の超音波トランスデューサー45の第一下部電極414は、連結されている。つまり、Y方向に沿って隣りあう超音波トランスデューサー45の第一下部電極414は、第一下部電極線414Aによって互いに連結されている。また、Y方向における両端に配置された超音波トランスデューサー45の第一下部電極414は、第一下部引出線414Bによって、アレイ領域Ar1外の端子領域Ar2に形成された第一下部電極パッド414Pに連結されている。この第一下部電極パッド414Pは、回路基板23の後述するスイッチ回路231に接続されている。

0033

同様に、超音波トランスデューサー群45Aを構成する複数の超音波トランスデューサー45のうち、隣りあう超音波トランスデューサー45の第二下部電極415は、第二下部電極線415Aによって互いに連結されている。また、Y方向における両端に配置された超音波トランスデューサー45の第二下部電極415は、第二下部引出線415Bによって、端子領域Ar2に形成された第二下部電極パッド415Pに連結されている。この第二下部電極パッド415Pは、回路基板23に接続されている。

0034

一方、超音波トランスデューサー群45Aを構成する複数の超音波トランスデューサー45の第一上部電極417は、第一上部連結電極417A及び第一上部引出線417Bによって、端子領域Ar2に形成された第一上部電極パッド417Pに連結されている。すなわち、第一上部連結電極417Aは、第一上部電極417から−X方向に引き出され、第一上部引出線417Bに連結している。第一上部引出線417Bは、Y方向に沿って、端子領域Ar2まで引き出され、第一上部電極パッド417Pに連結する。

0035

同様に、超音波トランスデューサー群45Aを構成する複数の超音波トランスデューサー45の第二上部電極418は、第二上部連結電極418A及び第二上部引出線418Bによって、端子領域Ar2に形成された第二上部電極パッド418Pに連結されている。すなわち、第二上部連結電極418Aは、第二上部電極418から+X方向に引き出され、第二上部引出線418Bに連結している。第二上部引出線418Bは、Y方向に沿って端子領域Ar2まで引き出され、第二上部電極パッド418Pに連結する。

0036

(封止板、音響整合層、及び音響レンズの構成)
封止板42は、素子基板41の強度を補強するために設けられ、例えば42アロイ等の金属板や、半導体基板等により構成され、素子基板41に接合されている。封止板42の材質や厚みは、超音波トランスデューサー45の周波数特性に影響を及ぼすため、送受信する超音波の中心周波数に基づいて設定することが好ましい。

0037

音響整合層43は、図4に示すように、素子基板41の封止板42とは反対側の面に設けられている。具体的には、音響整合層43は、素子基板41と音響レンズ44との間に充填され、かつ、基板本体部411の表面から所定の厚み寸法で形成される。
音響レンズ44は、音響整合層43上に設けられ、図1に示すように、筐体21のセンサー窓21Bから外部に露出する。この音響レンズ44は、+Z側の面がY方向(スライス方向)に沿って湾曲するシリンドリカル形状を有する。

0038

これらの音響整合層43や音響レンズ44は、超音波トランスデューサー45から送信された超音波を測定対象である生体に効率良く伝搬させ、また、生体内で反射した超音波を効率良く超音波トランスデューサー45に伝搬させる。このため、音響整合層43及び音響レンズ44は、素子基板41の超音波トランスデューサー45の音響インピーダンスと、生体の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスに設定されている。このような音響インピーダンスの素材としては、例えばシリコーン等を挙げることができる。

0039

[超音波トランスデューサーの構成]
図6は、超音波トランスデューサーの断面を模式的に示す断面図である。
超音波トランスデューサー45は、可撓膜412Aと、可撓膜412Aに設けられた圧電素子413と、を含み構成される。
可撓膜412Aは、振動膜412における、基板本体部411の開口部411Aを閉塞する部分である。可撓膜412Aは、Z方向から見た平面視において、開口部411Aの開口形状に応じた平面形状を有する。つまり、可撓膜412Aの固有振動数は、上記開口形状に応じた値となる。つまり、開口部411Aの形状によって、超音波トランスデューサー45によって送受信する超音波の周波数を調整することができる。

0040

圧電素子413は、第一下部電極414と、第二下部電極415と、圧電膜416と、第一上部電極417と、第二上部電極418と、を含み構成される。これら各電極414,415,417,418は、圧電膜416に接し、かつ、互いに離間している。

0041

第一下部電極414は、第一電極に相当し、Z方向(圧電膜416の厚さ方向)に沿って見た平面視(以下、単に平面視とも称する)において、可撓膜412Aの+Z側の面における圧電膜416と重なる位置に設けられる(図5参照)。本実施形態では、第一下部電極414は、図5に示すように略矩形状の平面形状を有し、+X側の端面414Cは、第二下部電極415とX方向に所定寸法のギャップG1だけ離間している。なお、第一下部電極414は、第一下部電極線414Aによって、Y方向に沿って隣りあう他の超音波トランスデューサー45の第一下部電極414と連結されている。
このような第一下部電極414は、例えば、Ir,Pt,IrOx,Ti,TiOx等の導電性電極材料により形成される。この際、振動膜412の+Z側の表面を遷移金属酸化物であるZrO2により構成することにより、電極材料を振動膜412上に好適に密着させることができる。

0042

第二下部電極415は、第三電極に相当し、平面視において、可撓膜412Aの+Z側の面における圧電膜416と重なる位置に設けられる(図5参照)。この第二下部電極415は、第一下部電極414と同様の材料で形成され、圧電膜416の中心を通りY方向に平行な仮想線Lに対して、第一下部電極414と略鏡像対称な関係を有する。第二下部電極415の−X側の端面415Cは、第一下部電極414の端面414CとX方向に所定寸法のギャップG1だけ離間している。なお、第二下部電極415は、第二下部電極線415Aによって、Y方向に沿って隣りあう他の超音波トランスデューサー45の第二下部電極415と連結されている。
また、上記第一下部電極414と第二下部電極415とは、平面視において、圧電膜416を介して離間し、互いに絶縁されている。換言すると、上記第一下部電極414と第二下部電極415とは、平面視において、上記第一下部電極414と第二下部電極415との間に圧電膜416を挟んで離間し、互いに絶縁されている。

0043

圧電膜416は、圧電体に相当し、平面視において開口部411A内に位置し、第一下部電極414、第二下部電極415、及び可撓膜412Aのいずれかの上に積層されている。圧電膜416は、例えば、ペロブスカイト構造を有する遷移金属酸化物、より具体的には、鉛(Pb)、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)を含むチタン酸ジルコン酸鉛PZT)を用いて形成される。この圧電膜416は、ZrとTiとの組成比が52:48となるように形成される。上記組成比となるように、PZTを成膜することにより、良好な圧電特性、すなわち特に高い圧電定数(e定数)を有する圧電膜416を形成することができる。

0044

第一上部電極417は、第二電極に相当し、圧電膜416の+Z側に設けられている。また、第一上部電極417は、平面視において、第一下部電極414と重なる位置に設けられている。すなわち、第一下部電極414と第一上部電極417とは、圧電膜416を介して所定寸法のギャップG2だけ離間し、平面視において重なっている。換言すると、第一下部電極414と第一上部電極417とは、第一下部電極414と第一上部電極417との間に圧電膜416を挟んで所定寸法のギャップG2だけ離間し、平面視において重なっている。本実施形態では、第一上部電極417は、図5に示すように略矩形状の平面形状を有し、+X側の端面417Cは、第二上部電極418とX方向に所定寸法のギャップG1だけ離間している。この第一上部電極417は、第一下部電極414と同様の電極材料により形成されている。
なお、第一上部電極417は、第一上部連結電極417A及び第一上部引出線417Bによって、Y方向に沿って隣りあう他の超音波トランスデューサー45の第一上部電極417及び第一上部電極パッド417Pと連結されている。

0045

第二上部電極418は、第四電極に相当し、圧電膜416の+Z側に設けられている。また、第二上部電極418は、平面視において、第二下部電極415の少なくとも一部と重なる位置に設けられている。すなわち、第二下部電極415と第二上部電極418とは、圧電膜416を介して所定寸法のギャップG2だけ離間し、平面視において重なっている。換言すると、第二下部電極415と第二上部電極418とは、第二下部電極415と第二上部電極418との間に圧電膜416を挟んで所定寸法のギャップG2だけ離間し、平面視において重なっている。本実施形態では、第二上部電極418は、図5に示すように略矩形状の平面形状を有し、−X側の端面418Cは、第一上部電極417の端面417CとX方向に所定寸法のギャップG1だけ離間している。この第二上部電極418は、第一下部電極414と同様の電極材料により形成されている。
なお、第二上部電極418は、第二上部連結電極418A及び第二上部引出線418Bによって、Y方向に沿って隣りあう他の超音波トランスデューサー45の第二上部電極418及び第二上部電極パッド418Pと連結されている。
また、上記第一上部電極417と第二上部電極418とは、平面視において、離間し、互いに絶縁されている。

0046

本実施形態において、第一下部電極414と第二上部電極418との距離は、第二下部電極415の−X側の端面415Cと第一下部電極414の端面414CとのギャップG1の寸法(距離)より大きい。また、第一下部電極414と第二上部電極418との距離は、第一下部電極414と第一上部電極417とのギャップG2の寸法(距離)より大きい。
より好適には、上記条件を満たすとともに、第一下部電極414の端面414Cは、第一上部電極417の端面417Cと平面視において重なっている。なお、端面414Cと端面417Cとが重なるとは、上記条件を満たす構成であれば製造上の誤差許容するものである。
このような構成とすることで、意図しない電極同士の短絡(例えば、第一下部電極414と第二上部電極418との短絡)が生じる恐れを低減できる。

0047

また、本実施形態において、第二下部電極415と第一上部電極417との距離は、第二下部電極415の−X側の端面415Cと第一下部電極414の端面414CとのギャップG1の寸法(距離)より大きい。また、第二下部電極415と第一上部電極417との距離は、第二下部電極415と第二上部電極418とのギャップG2の寸法(距離)より大きい。
より好適には、上記条件を満たすとともに、第二下部電極415の端面415Cは、第二上部電極418の端面418Cと平面視において重なっている。なお、端面415Cと端面418Cとが重なるとは、上記条件を満たす構成であれば製造上の誤差を許容するものである。
このような構成とすることで、意図しない電極同士の短絡(例えば、第二下部電極415と第一上部電極417との短絡)が生じる恐れを低減できる。

0048

上述の超音波トランスデューサー45は、超音波を送信する場合、第一下部電極414と第二下部電極415と、及び、第一上部電極417と第二上部電極418とが短絡された状態で、第一下部電極414と第一上部電極417との間、及び第二下部電極415と第二上部電極418との間に電圧が印加される。
また、超音波トランスデューサー45は、超音波を受信する場合、第一下部電極414と第一上部電極417と、及び、第二下部電極415と第二上部電極418とが短絡された状態で、第一下部電極414と第二下部電極415との間、及び、第一上部電極417と第二上部電極418との間に発生する電位差に応じた電気信号を出力する。

0049

[回路基板の構成]
回路基板23は、各超音波トランスデューサー45を制御するためのドライバ回路等が設けられ、例えばFPC(Flexible PrintedCircuits)等の配線部材(図示省略)を介して超音波デバイス22が接合される。この回路基板23は、図2に示すように、スイッチ回路231、選択回路232、送信回路233、受信回路234、及び分極回路235を備えている。

0050

(選択回路、送信回路、受信回路の構成)
選択回路232は、スイッチ回路231を介して超音波センサー24に接続され、制御装置10の制御に基づいて、超音波センサー24と送信回路233とを接続する送信接続、及び超音波センサー24と受信回路234とを接続する受信接続を切り替える。
送信回路233は、制御装置10の制御により送信接続に切り替えられた際に、選択回路232を介して超音波センサー24に超音波を発信させる旨の送信信号を出力する。
受信回路234は、制御装置10の制御により受信接続に切り替えられた際に、選択回路232を介して超音波センサー24から入力された受信信号を制御装置10に出力する。受信回路234は、例えば低雑音増幅回路電圧制御アッテネータープログラマブルゲインアンプローパスフィルター、A/Dコンバーター等を含んで構成されており、受信信号のデジタル信号への変換、ノイズ成分の除去、所望信号ベルへの増幅等の各信号処理を実施した後、処理後の受信信号を制御装置10に出力する。

0051

(スイッチ回路の構成)
スイッチ回路231は、切替部に相当し、複数の超音波トランスデューサー群45Aの各電極パッド414P,415P,417P,418Pのそれぞれに接続されている。このスイッチ回路231は、制御装置10の制御に基づいて、各超音波トランスデューサー群45Aについて、超音波の送信時に対応する第一接続状態と、超音波の受信時に対応する第二接続状態と、を切り替え可能に構成されている。
具体的には、スイッチ回路231は、第一接続状態において、第一下部電極パッド414P及び第二下部電極パッド415Pを接続し、かつ、第一上部電極パッド417P及び第二上部電極パッド418Pを接続する。また、スイッチ回路231は、第二接続状態において、第一下部電極パッド414P及び第一上部電極パッド417Pを接続し、かつ、第二下部電極パッド415P及び第二上部電極パッド418Pを接続する。

0052

超音波送信時の第一接続状態)
図7は、第一接続状態における超音波トランスデューサー45の各電極414,415,417,418の接続状態を模式的に示す図である。
スイッチ回路231は、超音波の送信時に、制御装置10の制御に基づいて、図7に示す第一接続状態に切り替える。この第一接続状態では、スイッチ回路231は、第一下部電極パッド414P及び第二下部電極パッド415Pを接続し、かつ、第一上部電極パッド417P及び第二上部電極パッド418Pを接続する。これにより、超音波トランスデューサー45の第一下部電極414及び第二下部電極415が短絡され、第一上部電極417及び第二上部電極418が短絡される。

0053

なお、本実施形態では、各超音波トランスデューサー群45Aの第二上部電極パッド418Pは、例えばグラウンド回路等に接続されており、所定の共通電位(例えば0電位)に設定される。つまり、第二上部電極418は、接続状態に関わらず共通電位に設定された共通電極COM電極)として機能する。
また、各超音波トランスデューサー群45Aの第一下部電極パッド414Pは、スイッチ回路231を介して選択回路232に接続され、超音波の送信時は、送信回路233から送信信号が入力され、超音波の受信時は、受信信号を受信回路234に出力する。つまり、第一下部電極414は、接続状態に関わらず送信信号の入力や、受信信号の出力を行うための信号電極(SIG電極)として機能する。

0054

図7に示す第一接続状態では、第一上部電極417及び第二上部電極418がCOM電極として機能し、第一下部電極414及び第二下部電極415がSIG電極として機能する。つまり、第一下部電極414及び第二下部電極415に所定周波数矩形波電圧が印加されることで、第一下部電極414と第一上部電極417との間、及び、第二下部電極415と第二上部電極418との間に電位差が生じ、圧電膜416が、面内方向に伸縮する。圧電膜416の可撓膜412A側と、反対側とでは伸縮量が異なり、この差によって圧電膜416が膜厚方向変位して振動する。この圧電膜416の振動により、可撓膜412Aが振動し、超音波が送出される。

0055

超音波受信時の第二接続状態)
図8は、第二接続状態における超音波トランスデューサー45の各電極414,415,417,418の接続状態を模式的に示す図である。
スイッチ回路231は、超音波の受信時に、制御装置10の制御に基づいて、図8に示す第二接続状態に切り替える。この第二接続状態では、スイッチ回路231は、第一下部電極パッド414P及び第一上部電極パッド417Pを接続し、かつ、第二下部電極パッド415P及び第二上部電極パッド418Pを接続する。これにより、超音波トランスデューサー45の第一下部電極414及び第一上部電極417が短絡され、第二下部電極415及び第二上部電極418が短絡される。

0056

図8に示す第二接続状態では、第二下部電極415及び第二上部電極418がCOM電極として機能し、第一下部電極414及び第一上部電極417がSIG電極として機能する。つまり、超音波により可撓膜412Aが振動されると、当該振動に応じた電位差が圧電膜416に発生し、第一下部電極414と第二下部電極415との間、及び、第一上部電極417と第二上部電極418との間に、電位差が生じる。この電位差に応じて第一下部電極414及び第一上部電極417から出力された電気信号が、受信回路234を介して制御装置10に入力されることにより、超音波が検出される。

0057

ここで、図8に示す第二接続状態では、第一下部電極414と第一上部電極417との間で構成されたキャパシターと、第二下部電極415と第二上部電極418との間で構成されたキャパシターとが、並列に接続されている。このため、超音波トランスデューサー45から、第一下部電極414及び第一上部電極417の間の電位差と、第二下部電極415及び第二上部電極418の間の電位差との和に相当する電気信号が出力され、超音波トランスデューサー45の超音波の検出感度が向上する。
なお、超音波トランスデューサー群45Aの各超音波トランスデューサー45も並列に接続されている。このため、超音波トランスデューサー群45Aから、各超音波トランスデューサー45の各キャパシターに生じた電位差の和に相当する電気信号が出力され、超音波トランスデューサー群45Aの検出感度が向上する。

0058

(分極回路の構成)
分極回路235は、後述する分極制御部142による制御に基づいて、COM電極とSIG電極との間に電圧を印加し、圧電素子413の圧電膜416の分極処理を行う。
具体的には、分極回路235は、超音波の送信前に、圧電膜416の分極状態を超音波の送信に適した状態とする第一分極処理を行う。この第一分極処理では、分極回路235は、図7に示す第一接続状態において、第一下部電極414と第一上部電極417との間、及び、第二下部電極415と第二上部電極418との間に第一分極電圧を印加し、圧電膜416の分極処理を行う。

0059

また、分極回路235は、超音波の受信前に、圧電膜416の分極状態を超音波の受信に適した状態とする第二分極処理を行う。この第二分極処理では、分極回路235は、図8に示す第二接続状態において、第一下部電極414と第二下部電極415との間、及び、第一上部電極417と第二上部電極418との間に、第二分極電圧を印加し、圧電膜416の分極処理を行う。

0060

[制御装置の構成]
制御装置10は、図2に示すように、例えば、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14と、を備えて構成されている。この制御装置10は、例えば、タブレット端末スマートフォンパーソナルコンピューター等の端末装置を用いてもよく、超音波プローブ2を操作するための専用端末装置であってもよい。
操作部11は、ユーザーが超音波装置1を操作するためのUI(user interface)であり、例えば表示部12上に設けられたタッチパネルや、操作ボタンキーボードマウス等により構成することができる。
表示部12は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、画像を表示させる。
記憶部13は、超音波装置1を制御するための各種プログラムや各種データを記憶する。
制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路や、メモリー等の記憶回路により構成されている。そして、制御部14は、記憶部13に記憶された各種プログラムを読み込み実行することで、切替制御部141、分極制御部142、及び送受信制御部143として機能し、超音波センサー24を制御する。

0061

切替制御部141は、スイッチ回路231を制御し、超音波の送信時には第一接続状態に切り替え、超音波の受信時には第二接続状態に切り替える。
分極制御部142は、選択回路232及び分極回路235を制御して、圧電膜416の分極処理を行う。すなわち、分極制御部142は、選択回路232を制御して、スイッチ回路231と分極回路235とを接続させる。また、分極制御部142は、分極回路235を制御し、超音波の送信前に第一分極処理を行い、超音波の受信前に第二分極処理を行う。
送受信制御部143は、超音波の送信及び受信を制御する。送受信制御部143は、例えば、選択回路232を制御して、超音波の送信時にスイッチ回路231と送信回路233とを接続させ、超音波の受信時にはスイッチ回路231と受信回路234と接続させる。また、送受信制御部143は、送信回路233に対して送信信号の生成及び出力処理の制御を行い、受信回路234に対して受信信号の周波数設定ゲイン設定などの制御を行う。

0062

[超音波装置における超音波測定処理]
図9は、超音波装置1における超音波測定処理の一例を示すフローチャートである。
制御部14は、例えば操作部11による入力操作等の測定開始指示受け付けると、超音波測定処理を開始する。
先ず、切替制御部141は、スイッチ回路231を制御して、接続状態を第一接続状態(図7参照)に切り替える(ステップS1)。
第一接続状態では、第一下部電極パッド414P及び第二下部電極パッド415Pが短絡され、第一上部電極パッド417P及び第二上部電極パッド418Pが短絡される。

0063

次に、分極制御部142は、選択回路232及び分極回路235を制御して、第一分極処理を行う(ステップS2)。
分極制御部142は、選択回路232を制御し、スイッチ回路231と分極回路235とを接続させる。また、分極制御部142は、分極回路235を制御し、第一下部電極414と第一上部電極417との間、及び、第二下部電極415と第二上部電極418との間に第一分極電圧を印加し、圧電膜416の分極処理を行う。

0064

次に、送受信制御部143は、超音波の送信処理を行う(ステップS3)。
送受信制御部143は、選択回路232を制御して、スイッチ回路231と送信回路233とを接続させる。そして、送受信制御部143は、送信回路233に対して送信信号の生成及び出力処理の制御を行う。送信信号が入力された超音波トランスデューサー45では、第一下部電極414と第一上部電極417との間、及び、第二下部電極415と第二上部電極418との間に生じた電位差により圧電膜416が振動し、この圧電膜416の振動により可撓膜412Aが振動して、超音波が送出される。

0065

先ず、切替制御部141は、スイッチ回路231を制御して、接続状態を第二接続状態(図8参照)に切り替える(ステップS4)。第二接続状態では、超音波トランスデューサー45の第一下部電極414及び第一上部電極417が短絡され、第二下部電極415及び第二上部電極418が短絡される。

0066

次に、分極制御部142は、選択回路232及び分極回路235を制御して、第二分極処理を行う(ステップS5)。
分極制御部142は、選択回路232を制御し、スイッチ回路231と分極回路235とを接続させる。また、分極制御部142は、第一下部電極414と第二下部電極415との間、及び、第一上部電極417と第二上部電極418との間に、第二分極電圧を印加し、圧電膜416の分極処理を行う。

0067

ここで、本実施形態では、第一下部電極414及び第一上部電極417の間のギャップG2(図6参照)の寸法よりも、第一下部電極414及び第二下部電極415(第一上部電極417及び第二上部電極418)の間のギャップG1の寸法の方が大きく、圧電膜416の圧電特性を十分に高めるためには、第一分極電圧よりも大きい第二分極電圧が必要となる。この第二分極電圧は、各超音波トランスデューサー45の第一下部電極414及び第二下部電極415(第一上部電極417及び第二上部電極418)の間に、10kV/cm以上の電界が加わるように設定されている。
なお、本実施形態では、第一下部電極414及び第二下部電極415(第一上部電極417及び第二上部電極418)の間の距離は、例えば6μmであり、第二分極電圧として30Vが印加される。したがって、各超音波トランスデューサー45の圧電膜416に500kV/cmの電界が印加されることになる。

0068

次に、送受信制御部143は、超音波の受信処理を行う(ステップS6)。
送受信制御部143は、選択回路232を制御して、スイッチ回路231と受信回路234とを接続させる。上述のように、超音波による可撓膜412A及び圧電膜416の振動によって、第一下部電極414と第二下部電極415との間、及び、第一上部電極417と第二上部電極418との間に生じた電位差に応じた電気信号が、超音波トランスデューサー45(超音波トランスデューサー群45A)から受信回路234に出力される。受信回路234は、受信信号に各種処理を施したのち、制御装置10に出力する。このようにして、超音波トランスデューサー45を用いて超音波が検出される。

0069

制御装置10の制御部14は、超音波の検出結果に基づいて、内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。このように構成された超音波装置1は、測定処理終了指示を受けるまで、ステップS1からステップS6を繰り返し実施する。

0070

[第一実施形態の作用効果
本実施形態の超音波トランスデューサー45は、圧電素子413は、圧電膜416と、当該圧電膜416に接し、互いに離間する第一下部電極414、第二下部電極415、第一上部電極417、及び第二上部電極418と、を有している。これらのうち第一下部電極414と第一上部電極417とは、圧電膜416を介して(挟んで)離間し、かつ、圧電膜416の厚さ方向から見た平面視において重なっている。また、第二下部電極415と第二上部電極418とは、圧電膜416を介して(挟んで)離間し、かつ、平面視において重なっている。また、X方向に沿って、第一下部電極414と第二下部電極415とは離間し、第一上部電極417と第二上部電極418とは離間している。
このように構成された超音波トランスデューサー45では、第一下部電極414及び第一上部電極417(第二下部電極415及び第二上部電極418)との間の距離(つまりギャップG2)を小さくしつつ、第一下部電極414及び第二下部電極415(第一上部電極417及び第二上部電極418)との間の距離(つまりギャップG1)を大きくすることができる。これにより、超音波トランスデューサー45の送信出力及び受信感度を同時に向上させることができる。

0071

つまり、超音波トランスデューサー45を用いて超音波を送信する際に、回路基板23のスイッチ回路231により、各電極接続状態を送信時に対応する第一接続状態に切り替え、第一下部電極414と第一上部電極417との間、及び第二下部電極415と第二上部電極418との間に電圧を印加することにより、圧電膜416の厚み方向に沿った電界を圧電膜416に印加する。ここで、電極間の印加電圧に対して、圧電膜416の歪み量は、電極間の距離に反比例する。このため、第一下部電極414及び第一上部電極417(第二下部電極415及び第二上部電極418)の間の距離(ギャップG2)を小さくすることにより、超音波トランスデューサー45の送信出力を増大させることができる。

0072

一方、超音波を受信する際に、回路基板23のスイッチ回路231により、各電極接続状態を受信時に対応する第二接続状態に切り替え、圧電膜416の歪量に応じて第一下部電極414と第二下部電極415との間に生じた電位差(第一上部電極417と第二上部電極418との間に生じた電位差)が電気信号として出力される。ここで、圧電体の歪量に対して、電極間の電位差は、電極間の距離に比例する。このため、第一下部電極414及び第二下部電極415(第一上部電極417及び第二上部電極418)の間の距離(ギャップG1)を大きくすることにより、超音波トランスデューサー45の受信感度を増大させることができる。
このように、本実施形態の超音波トランスデューサー45では、ギャップG2を小さくして送信出力を増大させるとともに、ギャップG1を大きくして受信感度を増大させることができる。

0073

第一接続状態において、電圧が印加される第一下部電極414の端面414Cと、第一上部電極417の端面417Cは、圧電膜416の厚み方向(Z方向)から見た平面視において重なっている。このような構成では、第一下部電極414と第一上部電極417との重なり量を大きくすることができ、圧電膜416に効率良く電圧を印加させることができる。また、同様に、第二下部電極415の端面415Cと、第二上部電極418の端面418Cは、上記平面視において重なっているため、第二下部電極415と第二上部電極418との間に位置する圧電膜416に効率良く電圧を印加させることができる。したがって、超音波トランスデューサー45の送信出力を向上させることができる。

0074

また、第二接続状態では、超音波トランスデューサー45と、当該超音波トランスデューサー45に接続される外部回路(例えば回路基板23に構成された各回路)との間でのインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。つまり、上述の第二接続状態では、第一下部電極414と第二下部電極415とによって形成されたキャパシターと、第一上部電極417と第二上部電極418とによって形成されたキャパシターとが並列に接続されることとなる。このような構成では、超音波トランスデューサー45の静電容量を大きくすることができる。これにより、回路基板23等の外部回路が有する浮遊容量の影響を抑制でき、外部回路とのインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。したがって、超音波トランスデューサー45から出力される受信信号の損失を抑制でき、超音波の検出精度や受信感度を向上させることができる。

0075

また、第二接続状態においてキャパシターを構成する第一下部電極414と第二下部電極415との間の距離は、同様にキャパシターを構成する第一上部電極417と第二上部電極418との間の距離と同じである。このような構成では、超音波を受信する際に、電極間の距離寸法が小さい方のキャパシターに電荷が集中することを抑制でき、各キャパシターをより均等に機能させることができる。したがって、超音波トランスデューサー45の静電容量をより確実に増大させることができる。

0076

また、第二接続状態においてキャパシターを構成する第一下部電極414と第二下部電極415とは、X方向に沿って圧電膜416の中央部を挟んで離間している。ここで、超音波を受信する際に、圧電膜416の歪みが外周部よりも大きい中央部を挟むように、第一下部電極414と第二下部電極415とが配置されている。このため、超音波を受信した際に、第一下部電極414と第二下部電極415との間の電位差を大きくすることができ、超音波の受信感度を向上させることができる。また、第一上部電極417及び第二上部電極418についても同様である。

0077

第一下部電極414と第二上部電極418との距離は、第一下部電極414と第二下部電極415との間のギャップG1の寸法や、第一下部電極414と第一上部電極417との間のギャップG2の寸法よりも大きい。これにより、第一下部電極414と第二上部電極418との短絡を抑制できる。また、同様に、第二下部電極415と第一上部電極417との距離は、上記ギャップG1及びギャップG2の寸法よりも大きいため、第二下部電極415と第一上部電極417との短絡を抑制できる。

0078

また、本実施形態では、スイッチ回路231によって、超音波トランスデューサー45の各電極の接続状態を第一接続状態と第二接続状態との間で切り替え可能に構成されている。このような構成では、超音波トランスデューサー45を駆動する際に、切替制御部141によってスイッチ回路231を制御して、第一接続状態と第二接続状態とを切り替えることにより、超音波の送信時と受信時とで各電極の接続状態を適切に設定することができる。

0079

また、スイッチ回路231を備えることにより、制御部14の処理負荷を低減させることができる。例えば、本実施形態では、超音波を送信する際に、切替制御部141によって、スイッチ回路231を第一接続状態に切り替える。これにより、送受信制御部143は、SIG電極である各下部電極414,415に共通の駆動信号を出力させるように送信回路233を制御すればよく、各下部電極414,415を個別に駆動する必要がある場合と比べて、処理負荷が低減される。また、超音波を受信する際も同様に、SIG電極である第一下部電極414と第一上部電極417とから出力される信号を個別に検出する必要がなく、処理負荷が低減される。
さらに、スイッチ回路231によって入出力される信号数を低減させることができ、選択回路232、送信回路233及び受信回路234の構成を簡略化できる。

0080

本実施形態では、圧電膜416に分極電圧を印加する分極回路235を備える。そして、分極制御部142は、分極回路235を制御して、スイッチ回路231が第一接続状態に切り替えられた後で、かつ、超音波を送信する前に第一分極処理を実施する。第一分極処理では、第一下部電極414と第一上部電極417との間、及び、第二下部電極415と第二上部電極418との間に配置された圧電膜416に対して厚み方向の電場を印加する。これにより、圧電膜416の分極状態を、超音波の送信に適した状態とすることができる。この第一分極処理を超音波の送信前に実施することにより、超音波トランスデューサー45の送信出力を一層向上させることができ、ひいては超音波装置1における超音波測定の測定精度を一層向上させることができる。

0081

また、分極制御部142は、分極回路235を制御して、スイッチ回路231が第二接続状態に切り替えられた後で、かつ、超音波を受信する前に第二分極処理を実施する。第二分極処理では、圧電膜416の厚み方向から見た平面視において、第一下部電極414と第二下部電極415との間、及び、第一上部電極417と第二上部電極418との間に配置された圧電膜416に対して厚み方向と交差する方向に(X方向)沿った電場を印加する。これにより、圧電膜416の分極状態を、超音波の受信に適した状態とすることができる。この第二分極処理を超音波の受信前に実施することにより、超音波トランスデューサー45の受信感度を一層向上させることができ、ひいては超音波装置1における超音波測定の測定精度を一層向上させることができる。

0082

本実施形態では、超音波アレイALは、複数の超音波トランスデューサー45を備え構成される。上述のように超音波トランスデューサー45は、超音波の送信感度及び受信感度を向上させることができるため、超音波の送信及び受信のいずれにも好適に用いることができる。したがって、送信専用の超音波トランスデューサーと、受信専用の超音波トランスデューサーとを備える超音波アレイと比べて、単位面積当たりの送信用及び受信用のそれぞれの超音波トランスデューサーの数を増大させることができ、超音波の送信出力及び受信感度を向上させることが容易である。

0083

また、超音波アレイALは、複数の超音波トランスデューサー45がY方向に沿って配置され互いに接続されて一つの送受信チャンネルを構成する超音波トランスデューサー群45Aを複数備える。超音波トランスデューサー群45Aでは、第二接続状態において、各超音波トランスデューサー45の第一下部電極414及び第二下部電極415によって形成されるキャパシターが並列に接続される。また、第一上部電極417及び第二上部電極418によって形成されるキャパシターも並列に接続される。したがって、一つの超音波トランスデューサー45によって一つの送受信チャンネルが構成される場合と比べて、第二接続状態における一つの送受信チャンネルの静電容量を増大させることができ、外部回路とのインピーダンスマッチングを容易に行うことができる。

0084

[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、超音波トランスデューサー45は、可撓膜412A上に第一下部電極414及び第二下部電極415が配置され、圧電膜416上に第一上部電極417及び第二上部電極418が対向して配置されていた。これに対して、第二実施形態では、第一下部電極414及び第二下部電極415の間に第三下部電極が配置され、第一上部電極417及び第二上部電極418の間に第三上部電極が配置される点で相違する。
以下、本実施形態に係る受信用トランスデューサーについて説明する。なお、以降の説明にあたり、第一実施形態と同様の構成については、同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。

0085

図10は、音響レンズ44側から見た超音波トランスデューサー46を模式的に示す平面図である。また、図11は、超音波トランスデューサー46の断面を模式的に示す断面図である。また、図12は、超音波トランスデューサー46に含まれる各電極と各電極に対応する電極パッドとの関係を模式的に示す図である。
超音波トランスデューサー46は、可撓膜412Aと、可撓膜412Aに設けられた圧電素子413Aと、を含み構成される。本実施形態においても、Y方向に沿って配置された複数の超音波トランスデューサー46によって、1つの送受信チャンネルを構成する超音波トランスデューサー群が構成される。また、複数の超音波トランスデューサー群がX方向に沿って配置され、超音波アレイALを構成する。

0086

本実施形態では、図10及び図11に示すように、圧電素子413Aは、第一下部電極414と、第二下部電極415と、圧電膜416と、第一上部電極417と、第二上部電極418と、に加え、第三下部電極461と、第三上部電極462と、を含み構成される。これら各電極414,415,417,418,461,462は、圧電膜416に接し、かつ、互いに離間している。

0087

第三下部電極461は、第五電極に相当し、図10に示すように、Z方向に沿って見た平面視において、可撓膜412Aの+Z側の面に圧電膜416と重なる位置に設けられている。また、第三下部電極461は、図10に示すように、略矩形状の平面形状を有し、圧電膜416の中央位置を通りY方向に平行な仮想線Lと重なる位置に配置されている。また、図11に示すように、第三下部電極461の−X側の端面461Bは、第一下部電極414の+X側の端面414CとX方向に所定寸法のギャップG3だけ離間している。また、第三下部電極461の+X側の端面461Cは、第二下部電極415の−X側の端面415CとX方向に所定寸法のギャップG3だけ離間している。

0088

また、第三下部電極461は、第一下部電極414等と同様に、第三下部電極線461Aによって、Y方向に沿って隣りあう他の超音波トランスデューサー46の第三下部電極461と連結されている。なお、図示を省略するが、超音波トランスデューサー群のY方向における両端に配置された超音波トランスデューサー46の第三下部電極461は、第三下部電極引出線(図示略)によって端子領域Ar2に形成された第三下部電極パッド461P(図12参照)に連結されている。

0089

第三上部電極462は、第六電極に相当し、図10に示すように、Z方向に沿って見た平面視において、圧電膜416の+Z側の面における、第三下部電極461と重なる位置に設けられている。すなわち、第三下部電極461と第三上部電極462とは、圧電膜416を介して(挟んで)離間し、平面視において重なっている。この第三上部電極462の−X側の端面462Bは、第一上部電極417の+X側の端面417CとX方向に所定寸法のギャップG3だけ離間している。また、第三上部電極462の+X側の端面462Cは、第二上部電極418の−X側の端面418CとX方向に所定寸法のギャップG3だけ離間している。

0090

また、第三上部電極462は、第三下部電極461と同様に、第三上部電極線462Aによって、Y方向に沿って隣りあう他の超音波トランスデューサー46の第三上部電極462と連結されている。なお、図示を省略するが、超音波トランスデューサー群のY方向における両端に配置された超音波トランスデューサー46の第三上部電極462は、第三下部電極引出線(図示略)によって端子領域Ar2に形成された第三上部電極パッド462P(図12参照)に連結されている。

0091

このように構成された超音波トランスデューサー46は、図12に示す各電極パッド414P,415P,417P,418P,461P,462Pを介して、回路基板23のスイッチ回路231に接続されている。本実施形態においても、スイッチ回路231は、各電極パッド414P,415P,417P,418Pの接続を、超音波の送信時に対応する第一接続状態と、超音波の受信時に対応する第二接続状態と、の間で切り替える。

0092

具体的には、超音波の送信時に対応する第一接続状態では、スイッチ回路231は、第一下部電極パッド414P、第二下部電極パッド415P、及び第三下部電極パッド461Pを接続する。これにより、各下部電極414,415,461が短絡される。ここで、本実施形態では、第三下部電極461は、接続状態に関わらずSIG電極として機能するように配線されている。つまり、第一接続状態では、互いに短絡された各下部電極414,415,461が、SIG電極として機能する。

0093

また、第一接続状態では、スイッチ回路231は、第一上部電極パッド417P、第二上部電極パッド418P、及び第三上部電極パッド462Pを接続する。これにより、上部電極417,418,462が短絡される。ここで、本実施形態では、第一上部電極417及び第二上部電極418は、接続状態に関わらずCOM電極として機能するように配線されている。つまり、互いに短絡された各上部電極417,418,462が、COM電極として機能する。
この第一接続状態において、第一下部電極414と第一上部電極417との間、第二下部電極415と第二上部電極418との間、及び、第三下部電極461と第三上部電極462との間に電圧を印加することにより、圧電素子413Aが駆動され、超音波が送出される。

0094

一方、超音波の受信時に対応する第二接続状態では、スイッチ回路231は、第一下部電極パッド414P、第二下部電極パッド415P、第一上部電極パッド417P、及び第二上部電極パッド418Pを接続する。つまり、第二接続状態では、第一下部電極414、第二下部電極415、第一上部電極417、及び第二上部電極418は、互いに短絡され、COM電極として機能する。
また、第二接続状態では、スイッチ回路231は、第三下部電極パッド461P及び第三上部電極パッド462Pを接続する。つまり、第二接続状態では、第三下部電極461及び第三上部電極462は、短絡され、SIG電極として機能する。
この第二接続状態において、第一下部電極414(第二下部電極415)と第三下部電極461との間の電位差(つまり、第一上部電極417(第二上部電極418)と第三上部電極462との間の電位差)に応じた信号が、受信回路234に出力される。

0095

なお、本実施形態では、第二接続状態において、第一下部電極414、第二下部電極415、第一上部電極417、及び第二上部電極418をCOM電極とし、第三下部電極461及び第三上部電極462をSIG電極として機能させるようにスイッチ回路231を構成したが、これに限定されない。例えば、第一下部電極414、第二下部電極415、第一上部電極417、及び第二上部電極418をSIG電極とし、第三下部電極461及び第三上部電極462をCOM電極として機能させるように、スイッチ回路231を構成してもよい。

0096

[第二実施形態の作用効果]
本実施形態では、圧電素子413Aは、平面視において、互いに重なる第三下部電極461及び第三上部電極462を有し、第三下部電極461は、第一下部電極414と第二下部電極415との間に位置し、第三上部電極462は、第一上部電極417と第二上部電極418との間に位置する。
また、スイッチ回路231は、超音波を受信する際に、第一下部電極414と第一上部電極417と第二下部電極415と第二上部電極418とを短絡し、さらに、第三下部電極461と第三上部電極462とを短絡する第二接続状態に切り替える。これにより、第一下部電極414及び第三下部電極461によるキャパシターと、第二下部電極415及び第三下部電極461によるキャパシターと、第一上部電極417及び第三上部電極462によるキャパシターと、第二上部電極418及び第三上部電極462によるキャパシターと、を並列に接続とすることができる。したがって、上記キャパシターが並列に接続されていない構成と比べて、超音波トランスデューサー46の静電容量を増大させることができ、外部回路とのインピーダンスマッチングをより容易に行うことができる。

0097

また、スイッチ回路231は、超音波を送信する際に、各下部電極414,415,461を短絡し、各上部電極417,418,462を短絡する第二接続状態に切り替える。ここで、第三下部電極461及び第三上部電極462は、Z方向から見て、圧電膜416の中央部に配置されている。したがって、超音波を送信する際に、圧電素子413Aの中央部を駆動させることができ、超音波の送信出力を向上させることができる。

0098

[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。

0099

上記第二実施形態において、超音波トランスデューサー46を用いて超音波を送信する場合、スイッチ回路231によって第一接続状態に切り替えた後、第一下部電極414及び第一上部電極417と、第二下部電極415及び第二上部電極418と、第三下部電極461及び第三上部電極462とのそれぞれの間に電圧を印加する構成を例示した。しかしながらこれに限定されない。例えば、超音波を送信する場合、第三下部電極461及び第三上部電極462との間のみに電圧を印加する構成としてもよい。
この場合、スイッチ回路231は、超音波の送信時に、第三下部電極461及び第三上部電極462が個別に選択回路232に接続する第一接続状態に切り替え、超音波の受信時に、第三下部電極461及び第三上部電極462が短絡する第二接続状態に切り替えるように構成してもよい。
また、この場合、第一下部電極414、第一上部電極417、第二下部電極415、及び第二上部電極418をCOM電極として用いることができる。つまり、スイッチ回路231が、第一下部電極414、第一上部電極417、第二下部電極415、及び第二上部電極418を、送信時も受信時も短絡する構成を採用することができる。これにより、超音波トランスデューサー46の駆動処理を簡略化でき、処理負荷の増大を抑制できる。
なお、超音波を送信する際に、第三下部電極461及び第三上部電極462のみに電圧を印加する上記変形例の構成と、各電極間に電圧を印加する第二実施形態の構成と、選択可能なようにスイッチ回路231を構成してもよい。

0100

上記第二実施形態では、第一下部電極414と第二下部電極415との間、及び、第一上部電極417と第二上部電極418との間に、それぞれ一つの電極を備える構成を例示したが、これに限定されず、二以上の複数の電極が配置する構成を採用してもよい。
図13は一変形例に係る超音波トランスデューサー47の平面図である。
図13に示す例では、超音波トランスデューサー47は、可撓膜412A上に圧電素子413Bが配置され構成されている。この圧電素子413Bでは、第一下部電極414及び第二下部電極415の間に、−X側から第三下部電極461と、第四下部電極463と、が順に配置されている。
各下部電極414,415,461,463は、平面視において、仮想線Lに対して略鏡面対称性を有するように配置されている。また、各下部電極414,415,461,463は、X方向に所定寸法のギャップG4を介して離間している。
第四下部電極463は、第三下部電極461と略同様に構成され、第四下部電極線463Aによって、Y方向に隣接する超音波トランスデューサー47の第四下部電極463と接続されている。また、Y方向に沿って配置された複数の超音波トランスデューサー47によって構成された超音波トランスデューサー群における、Y方向の両端に配置された超音波トランスデューサー47では、第四下部電極463は、第四下部電極パッド(図示略)に接続される。

0101

また、第一上部電極417と第二上部電極418との間に、−X側から第三上部電極462と、第四上部電極464と、が順に配置されている。各上部電極417,418,462,464は、平面視において、仮想線Lに対して略鏡面対称性を有するように配置されている。また、各上部電極417,418,462,464は、X方向に所定寸法のギャップG4を介して離間している。
第四上部電極464は、第三上部電極462と略同様に構成され、第四上部電極線464Aによって、Y方向に隣接する超音波トランスデューサー47の第四上部電極464と接続されている。また、超音波トランスデューサー群における、Y方向の両端に配置された超音波トランスデューサー47では、第四上部電極464は、第四上部電極パッド(図示略)に接続される。

0102

上述の超音波トランスデューサー47を用いて超音波を送信する場合、例えば、スイッチ回路231は、各下部電極414,415,461,463を短絡し、かつ、各上部電極417,418,462,464を短絡する第一接続状態に切り替えるように構成される。この第一接続状態において、各下部電極414,415,461,463をSIG電極とし、各上部電極417,418,462,464をCOM電極として、Z方向に重なるように配置された電極間に電圧を印加することにより、超音波トランスデューサー47から超音波が送信される。

0103

また、超音波トランスデューサー47を用いて超音波を受信する場合、例えば、スイッチ回路231は、第一下部電極414、第一上部電極417、第四下部電極463、及び第四上部電極464を短絡し、かつ、第二下部電極415、第二上部電極418、第三下部電極461、及び第三上部電極462を短絡する第二接続状態に切り替えるように構成される。この第二接続状態において、第一下部電極414、第一上部電極417、第四下部電極463、及び第四上部電極464をSIG電極とし、第二下部電極415、第二上部電極418、第三下部電極461、及び第三上部電極462をCOM電極として、圧電膜416の歪みに応じた電気信号を超音波トランスデューサー47から出力させる。

0104

上述のように構成された超音波トランスデューサー47では、第二接続状態において超音波トランスデューサー47の静電容量をより確実に増大させることができる。
また、第一実施形態と同様に、第二接続状態においてキャパシターを構成する第三下部電極461と第四下部電極463とは、X方向に沿って圧電膜416の中央部を挟んで離間している。また、第三上部電極462及び第四上部電極464についても同様である。したがって、超音波を受信した際に、キャパシターを構成する第三下部電極461及び第四下部電極463の間と、第三上部電極462及び第四上部電極464の間の電位差を大きくすることができ、超音波の受信感度を向上させることができる。

0105

上記各実施形態では、各下部電極が、圧電膜416の可撓膜412A側の面(−Z側の面)に設けられ、各上部電極が、圧電膜416の可撓膜412Aとは反対側の面(+Z側の面)に設けられる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、各上部電極が、可撓膜412Aの+Z側の面よりも−Z側に設けられてもよい。このような構成では、圧電膜416の一部で上部電極を覆うことにより、上部電極の劣化を抑制できる。また、同様に、各下部電極が、圧電膜416の−Z側の面よりも+Z側、つまり圧電膜416の内部に配置されてもよい。

0106

また、Z方向に重なる電極組である第一下部電極414と第一上部電極417との間にさらに電極を配置してもよく、第二下部電極415と第二上部電極418との間にさらに電極を配置してもよい。また、第二実施形態においては、第三下部電極461と第三上部電極462との間にさらに電極を配置してもよい。また、上記各実施形態では、Z方向に重なる電極により構成された電極組がX方向に沿って複数配置され、各電極を構成する電極の数が同数である構成を例示したが、電極組の数が異なっていてもよい。

0107

上記各実施形態では、各下部電極が、Z方向に直交する同一面内に配置されている構成を例示したが、これに限定されず、各下部電極のZ方向における位置が異なっていてもよい。また、各上部電極についても同様である。

0108

上記各実施形態では、超音波装置1は、第一接続状態に切り替えた後、超音波を送信する前に第一分極処理を行い、次に第二接続状態に切り替えた後、超音波を送信する前に第二分極処理を行う構成を例示したが、これに限定されない。例えば、超音波を送信する際に必ず第一分極処理を実施せずに、例えば所定のタイミング(例えば所定時間経過する度)にのみ第一分極処理を実施してもよい。また、第二分極処理も同様に、超音波を受信する際に必ず実施しなくてもよく、例えば所定のタイミングにのみ実施されてもよい。
また、第一分極処理のみを実施してもよいし、第二分極処理のみを実施してもよい。

0109

上記各実施形態では、超音波トランスデューサーの各電極の接続状態を第一接続状態と第二接続状態との間で切り替えるスイッチ回路231を備える構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スイッチ回路231を備えない構成を採用してもよい。例えば、第一実施形態の超音波トランスデューサー45において、超音波を送信する際は、Z方向に重なる一対の電極間に電圧が印加されるように、各電極パッド間(例えば、第一下部電極パッド414P及び第一上部電極パッド417Pの間)に電圧を印加することにより、超音波の送信出力を向上させることができる。また、超音波を受信する際は、各下部電極414,415間に発生した電位差と、各上部電極417,418間に発生した電位差と、をそれぞれ検出することにより、超音波を検出することができ、上述のように受信感度を向上させることもできる。

0110

上記各実施形態では、振動膜412(可撓膜412A)の基板本体部411とは反対側に、音響整合層43及び音響レンズ44が設けられる構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、音響整合層43及び音響レンズ44が振動膜412(可撓膜412A)の基板本体部411側に設けられ、開口部411A内に音響整合層43が充填される構成としてもよい。この場合、封止板42は、振動膜412の基板本体部411とは反対側に設けられ、平面視において、開口部411Aに対向する位置に凹溝を備える構成とする。このような構成では、超音波トランスデューサーの圧電素子や各配線が、音響整合層43側に露出せず、超音波デバイス22における防水性を高めることができる。

0111

上記各実施形態では、生体内の器官を測定対象とする超音波装置を例示したが、これに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化検査を行う測定機に、本発明を適用することができる。また、例えば、半導体パッケージウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する測定機にも本発明を適用することができる。

0112

その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。

0113

1…超音波装置、2…超音波プローブ、10…制御装置、14…制御部、21…筐体、22…超音波デバイス、23…回路基板、24…超音波センサー、41…素子基板、45…,46,47…超音波トランスデューサー、141…切替制御部、142…分極制御部、143…送受信制御部、231…スイッチ回路、235…分極回路、411…基板本体部、411A…開口部、412…振動膜、412A…可撓膜、413,413A,413B…圧電素子、414…第一下部電極、414C…端面、415…第二下部電極、415C…端面、416…圧電膜、417…第一上部電極、417A…第一上部連結電極、417B…第一上部引出線、417C…端面、418…第二上部電極、418A…第二上部連結電極、418B…第二上部引出線、418C…端面、461…第三下部電極、462…第三上部電極、AL…超音波アレイ、G1…ギャップ、G2…ギャップ。

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