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技術 アンテナ、RFIDリーダ装置、RFIDリーダライタ装置及びアンテナ装置

出願人 富士通フロンテック株式会社
発明者 小野隆杉村吉康
出願日 2016年4月1日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-074409
公開日 2017年10月12日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-188723
状態 特許登録済
技術分野 記録担体の読み取り アンテナの細部 導波管型アンテナ
主要キーワード シュミュレーション プリント板間 スリットバリ 中央地点 給電軸 分断部分 分離スリット 導電性薄板
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重要な関連分野

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図面 (20)

課題

パッチアンテナ表面近傍付近における局所的に電界強度不足している箇所の電界強度を向上させ、アンテナ近傍においても安定した通信を可能とさせるアンテナを提供する。

解決手段

接地電極と、接地電極と電気的に絶縁された絶縁層を挟んで対向する、所定の無線周波数に対して共振する放射電極とを具備し、所定のインピーダンスを持つ位置で放射電極へ給電を行うアンテナにおいて、面状の導電性部材で構成される放射電極に、少なくとも放射電極の一部を切り抜いてスリット110を配置した。

概要

背景

従来から、いわゆるパッチアンテナと呼ばれる、誘電体の一方の面の導電性の箔膜(例えば、銅箔)を接地電極とし、誘電体を挟み、対向する面の導電性の箔膜を放射電極とする図11Aから図11Cに示すパッチアンテナ(下記の非特許文献1、2を参照)が知られている。また、誘電体の片面又は両面に導電性の箔膜をもつプリント板等を複数使用し、プリント板間絶縁層を挟んで対向させ、一方のプリント板を接地電極、他方のプリント板を矩形円形の放射電極として使用する図12Aから図12Cに示すパッチアンテナが知られている。このようなパッチアンテナは構造が簡単で、薄型化が可能で、かつ高利得であるため様々な用途に利用されている。

また、近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグをRFIDリーダライタで認識、識別するような通信技術がある。パッシブ型RFID技術は、RFIDリーダライタに内蔵もしくは外付けされたアンテナから放射される電波によってRFIDタグ給電し、RFIDリーダライタがRFIDタグと通信を行い、通信に応答したRFIDタグを認識、識別する技術である。

概要

パッチアンテナの表面近傍付近における局所的に電界強度不足している箇所の電界強度を向上させ、アンテナ近傍においても安定した通信を可能とさせるアンテナを提供する。接地電極と、接地電極と電気的に絶縁された絶縁層を挟んで対向する、所定の無線周波数に対して共振する放射電極とを具備し、所定のインピーダンスを持つ位置で放射電極へ給電を行うアンテナにおいて、面状の導電性部材で構成される放射電極に、少なくとも放射電極の一部を切り抜いてスリット110を配置した。B

目的

本発明は、上記課題を鑑み、RFIDリーダライタ装置などに利用されるパッチアンテナであって、送信電力を大きくすることなく、パッチアンテナの表面近傍付近における局所的に電界強度が不足している箇所の電界強度を向上させ、アンテナ近傍においても安定した通信を可能とさせるアンテナを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

接地電極と、前記接地電極と電気的に絶縁された絶縁層を挟んで対向する、所定の無線周波数に対して共振する放射電極とを具備し、所定のインピーダンスを持つ位置で前記放射電極へ給電を行うアンテナにおいて、面状の導電性部材で構成される前記放射電極に、少なくとも前記放射電極の一部を切り抜いてスリットを配置したことを特徴とするアンテナ。

請求項2

前記スリットの長辺が、前記放射電極の中心部を通る直線と平行となる又は鋭角に交差するよう、前記スリットが配置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。

請求項3

前記スリットは複数形成され、前記複数のスリットは、前記放射電極の中心部に対して対称に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ。

請求項4

前記スリットは複数形成され、前記複数のスリットは、前記給電が行われる給電点と前記放射電極の中心部とを結ぶ直線に対して、線対称に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のアンテナ。

請求項5

前記スリットは複数形成され、前記複数のスリットは、前記放射電極の中心部を中心にして放射状に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のアンテナ。

請求項6

前記放射状に配置されたスリットは、前記放射電極の中心部側のスリットの幅が、前記放射電極の外縁部側のスリットの幅より狭いことを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。

請求項7

前記放射状に配置されたスリットの幅は、前記放射電極の中心部側から前記外縁部側に向かって段階的に広くなっていくことを特徴とする請求項6に記載のアンテナ。

請求項8

前記放射状に配置されたスリットは、前記放射電極の中心部を中心にして同心円状に配置されることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。

請求項9

前記同心円状に配置されたスリットは、内側に配置されたスリット幅の方が、外側に配置されたスリット幅より狭いことを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。

請求項10

前記同心円状に配置されたスリットは、外側に配置されたスリット数の方が、内側に配置されたスリット数より少ないことを特徴とする請求項8又は9に記載のアンテナ。

請求項11

前記同心円状に配置されたスリットは、複数に分離して配置される同心円状の分離スリットと、前記分離スリットに隣接して配置される同心円状のスリットとから構成されることを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。

請求項12

前記スリットは、複数のスリットから構成されるスリット群を備え、前記スリット群を構成するスリットは、互いに任意の角度及び形状をもって配置されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。

請求項13

前記スリット群は複数形成され、前記複数のスリット群は、前記放射電極の中心部に対して対称に配置されることを特徴とする請求項12に記載のアンテナ。

請求項14

前記スリット群は複数形成され、前記複数のスリット群は、前記給電が行われる給電点と前記放射電極の中心部とを結ぶ直線に対して、線対称に配置されることを特徴とする請求項12又は13に記載のアンテナ。

請求項15

前記スリット群は複数形成され、前記複数のスリット群は、前記放射電極の中心部を中心にして放射状に配置されることを特徴とする請求項12から14のいずれか1つに記載のアンテナ。

請求項16

前記スリットの長辺は、前記放射電極の共振周波数波長λに対してλ/8〜λ/4であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載のアンテナ。

請求項17

請求項1から16のいずれか1つに記載のアンテナを具備又は接続可能とするRFIDリーダ装置

請求項18

請求項1から16のいずれか1つに記載のアンテナを具備又は接続可能とするRFIDリーダライタ装置

請求項19

請求項1から16のいずれか1つに記載のアンテナを具備し、RFIDリーダ装置又はRFIDリーダライタ装置に接続するアンテナ装置

技術分野

0001

本発明は、パッチアンテナに関する。

背景技術

0002

従来から、いわゆるパッチアンテナと呼ばれる、誘電体の一方の面の導電性の箔膜(例えば、銅箔)を接地電極とし、誘電体を挟み、対向する面の導電性の箔膜を放射電極とする図11Aから図11Cに示すパッチアンテナ(下記の非特許文献1、2を参照)が知られている。また、誘電体の片面又は両面に導電性の箔膜をもつプリント板等を複数使用し、プリント板間絶縁層を挟んで対向させ、一方のプリント板を接地電極、他方のプリント板を矩形円形の放射電極として使用する図12Aから図12Cに示すパッチアンテナが知られている。このようなパッチアンテナは構造が簡単で、薄型化が可能で、かつ高利得であるため様々な用途に利用されている。

0003

また、近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグをRFIDリーダライタで認識、識別するような通信技術がある。パッシブ型RFID技術は、RFIDリーダライタに内蔵もしくは外付けされたアンテナから放射される電波によってRFIDタグ給電し、RFIDリーダライタがRFIDタグと通信を行い、通信に応答したRFIDタグを認識、識別する技術である。

先行技術

0004

尚久著、「図説・アンテナ」、電子情報通信学会、1995年
後藤尚久他、「アンテナ・無線ハンドブック」、オーム社、2006年

発明が解決しようとする課題

0005

上記パッチアンテナでは、放射電極の外縁の端部から電波が放射されるため、電界強度は、放射電極の端部近傍において最も強くなり、放射電極の中心に向うに従って著しく減少する。このことから、使用する無線周波数によっては、放射電極として共振させるためにアンテナサイズが大きくなり、それに伴って放射電極の端部から中心までの距離も長くなり、放射電極の中心の直上近傍の電界強度は極めて弱くなる。

0006

上記パッチアンテナを、例えば上記RFID技術に使用した場合、電界強度が概ね一律の遠方界ではRFIDタグを良好に認識することが可能である。しかし、放射電極の中心の電界強度は極めて弱いため、パッチアンテナの放射電極の中心の直上近傍付近に入ってきたRFIDタグについては、通信に必要とさせる電界強度が得られず十分な給電が確保できないため、通信(認識)ができないおそれがあった。この場合、RFIDタグを放射電極の中心から少し離すことで電界強度が向上し、RFIDタグを認識することができるようになる。しかしながら、多くのユーザは、そのようなパッチアンテナの特性について理解していない。

0007

放射電極の中心の直上近傍付近に置かれたRFIDタグの認識率を向上させるため、RFIDリーダライタからのパッチアンテナへの送信電力を上げることで、認識率の向上は可能である。しかしながら、送信電力を上げることは通信範囲を無駄に広げることになり、広くなった通信範囲内に本来認識する必要のないRFIDタグが多く含まれてしまう。また、送信電力を上げることで、他のRFIDリーダライタ、他のRFIDタグ、他の無線機器等への与干渉も大きくなってしまう。

0008

本発明は、上記課題を鑑み、RFIDリーダライタ装置などに利用されるパッチアンテナであって、送信電力を大きくすることなく、パッチアンテナの表面近傍付近における局所的に電界強度が不足している箇所の電界強度を向上させ、アンテナ近傍においても安定した通信を可能とさせるアンテナを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明は、接地電極と、前記接地電極と電気的に絶縁された絶縁層を挟んで対向する、所定の無線周波数に対して共振する放射電極とを具備し、所定のインピーダンスを持つ位置で前記放射電極へ給電を行うアンテナにおいて、面状の導電性部材で構成される前記放射電極に、少なくとも前記放射電極の一部を切り抜いてスリットを配置したことを特徴とする。これにより、放射電極面の直上の近傍における電界強度を向上させることが可能となる。

0010

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリットの長辺が、前記放射電極の中心部を通る直線と平行となる又は鋭角に交差するよう、前記スリットが配置されることは、好ましい態様である。

0011

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリットが複数形成され、前記複数のスリットが、前記放射電極の中心部に対して対称に配置されることは、好ましい態様である。

0012

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリットが複数形成され、前記複数のスリットが、前記給電が行われる給電点と前記放射電極の中心部とを結ぶ直線に対して、線対称に配置されることは、好ましい態様である。

0013

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリットが複数形成され、前記複数のスリットが、前記放射電極の中心部を中心にして放射状に配置されることは、好ましい態様である。

0014

また、本発明のアンテナにおいて、前記放射状に配置されたスリットに関し、前記放射電極の中心部側のスリットの幅が、前記放射電極の外縁部側のスリットの幅より狭いことは、好ましい態様である。

0015

また、本発明のアンテナにおいて、前記放射状に配置されたスリットの幅が、前記放射電極の中心部側から前記外縁部側に向かって段階的に広くなっていくことは、好ましい態様である。

0016

また、本発明のアンテナにおいて、前記放射状に配置されたスリットが、前記放射電極の中心部を中心にして同心円状に配置されることは、好ましい態様である。

0017

また、本発明のアンテナにおいて、前記同心円状に配置されたスリットに関し、内側に配置されたスリット幅の方が、外側に配置されたスリット幅より狭いことは、好ましい態様である。

0018

また、本発明のアンテナにおいて、前記同心円状に配置されたスリットに関し、外側に配置されたスリット数の方が、内側に配置されたスリット数より少ないことは、好ましい態様である。

0019

また、本発明のアンテナにおいて、前記同心円状に配置されたスリットが、複数に分離して配置される同心円状の分離スリットと、前記分離スリットに隣接して配置される同心円状のスリットとから構成されることは、好ましい態様である。

0020

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリットが、複数のスリットから構成されるスリット群を備え、前記スリット群を構成するスリットが、互いに任意の角度及び形状をもって配置されることは、好ましい態様である。

0021

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリット群が複数形成され、前記複数のスリット群が、前記放射電極の中心部に対して対称に配置されることは、好ましい態様である。

0022

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリット群が複数形成され、前記複数のスリット群が、前記給電が行われる給電点と前記放射電極の中心部とを結ぶ直線に対して、線対称に配置されることは、好ましい態様である。

0023

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリット群が複数形成され、前記複数のスリット群が、前記放射電極の中心部を中心にして放射状に配置されることは、好ましい態様である。

0024

また、本発明のアンテナにおいて、前記スリットの長辺が、前記放射電極の共振周波数波長λに対してλ/8〜λ/4であることは、好ましい態様である。

0025

また、本発明は、上記アンテナを具備又は接続可能とするRFIDリーダ装置である。

0026

また、本発明は、上記アンテナを具備又は接続可能とするRFIDリーダライタ装置である。

0027

また、本発明は、上記アンテナを具備し、RFIDリーダ装置又はRFIDリーダライタ装置に接続可能とするアンテナ装置である。

発明の効果

0028

本発明によれば、パッチアンテナの表面近傍付近における局所的に電界強度が不足している箇所の電界強度を向上させ、アンテナ近傍においても安定した通信を可能とさせる。

図面の簡単な説明

0029

実施の形態に係る近傍アンテナの概略斜視図である。
実施の形態に係る近傍アンテナの平面図である。
実施の形態に係る近傍アンテナの側面図である。
円形パッチアンテナの概略斜視図である。
円形パッチアンテナの平面図である。
円形パッチアンテナの側面図である。
実施の形態に係る近傍アンテナと従来型の円形パッチアンテナの電界強度を比較した図である。
実施の形態に係る近傍アンテナの放射電極面から垂直方向へ5mm離れた放射電極面と平行なXY平面上の200mm×200mmの範囲における電界強度の分布シミュレーション結果を示す図である。
実施の形態に係る近傍アンテナの放射電極に垂直なYZ平面の電界強度の分布のシミュレーション結果を示す図である。
従来型の円形パッチアンテナの放射電極面から垂直方向へ5mm離れた放射電極面と平行なXY平面上の200mm×200mmの範囲における電界強度の分布のシミュレーション結果を示す図である。
従来型の円形パッチアンテナの放射電極に垂直なYZ平面の電界強度の分布のシミュレーション結果を示す図である。
実施の形態に係る近傍アンテナの放射電極の中心部より放射状に設けたスリットの効果について確認するための放射電極の簡易モデルを示す図である。
実施の形態に係る近傍アンテナのスリットの長さを変化させた場合におけるスリットの長辺上の中点の電界強度のシュミュレーション結果を示す図である。
実施の形態に係る近傍アンテナの放射電極のスリットの幅を広くした場合の放射電極の形状の一例を示す図である。
実施の形態に係る近傍アンテナのスリットの幅を変化させた場合におけるスリットの長辺上の中点の電界強度のシュミュレーション結果を示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(1つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(2つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(3つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(4つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(5つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(6つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(7つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(8つ目)のバリエーションを示す図である。
実施の形態に係るアンテナのスリット(9つ目)のバリエーションを示す図である。
従来のパッチアンテナの概略斜視図である。
従来のパッチアンテナの平面図である。
従来のパッチアンテナの断面図である。
従来の他のパッチアンテナの概略斜視図である。
従来の他のパッチアンテナの平面図である。
従来の他のパッチアンテナの断面図である。

実施例

0030

以下、実施の形態について図面を参照して説明する。以下で説明するアンテナ(以下、近傍アンテナとも言う)は、2枚のプリント板で接地電極と放射電極を構成するものである。しかし、1枚のプリント板の誘電体(例えば、ガラスエポキシ樹脂フェノール系樹脂ポリテトラフルオロエチレンなど)を挟んで、一方の面を接地電極、もう一方の面を放射電極として構成してもよい。また、接地電極、放射電極の材料をプリント板ではなく、導電性の材料で構成してもよい。

0031

実施の形態に係る近傍アンテナの一例を図1Aから図1Cを用いて具体的に説明する。図1Aは、実施の形態に係る近傍アンテナの概略斜視図である。図1Bは、図1Aの近傍アンテナを矢印140の方向に見た場合の平面図である。図1Cは、図1Aの近傍アンテナの側面を矢印150の方向に見た場合の近傍アンテナの側面図である。

0032

プリント板100は、誘電体100bの両面に銅箔等の面状の導電性部材の金属層100a、100cを有するプリント板である。プリント板100の放射電極側の金属層100aは、接地電極として構成する。誘電体100bを挟んで反対面にある金属層100cは、放射電極として構成しても、また付属回路を搭載するための部品搭載層としてもよい。また、金属層100cを設けなくてもよい。

0033

プリント板101は、誘電体101bの一方の面に銅箔等の面状の導電性部材の金属層101aを有するプリント板である。誘電体101bのどちらかの面に金属層101aを設け、金属層101aは、プリント板100とプリント板101の間隔、誘電体101bの誘電率等、アンテナを構成する個々の条件に応じて、所定の周波数(ここでは、例えば920MHz)に共振する円形の放射電極として構成されているが、矩形等の任意形状の放射電極で構成してもよい。

0034

放射電極(金属層)101aには、放射電極101aの中心部130を中心にして放射電極101aの外縁部(外周部)に向かう放射状のスリット110が、放射電極101aの中心部130に対して点対称に設けられている。設けられるスリット110は、放射電極101aの一部を切り抜いたものである。なお、スリット110の長手方向の辺(長辺)は、放射電極101aの中心部130を通る直線と平行であってもよく、任意の角度をもって鋭角に交差するものであってもよい。

0035

スリットの形状、配置、個数は、運用において必要とされるアンテナ仕様により任意としてもよい。実施の形態に係る近傍アンテナにおいては、放射電極101aの中心部130付近の電界強度を向上させるため、近傍アンテナの中心(放射電極101aの中心部130)付近にスリットが密集するように形状、個数が調整されている。

0036

スリット110は、給電点101c、101dを避けるように配置されているが、電気的に給電が可能であれば、給電点101c、101dに接するようなスリットを設けてもよい。放射電極101aの中心部130に対して給電点101c、101dと点対称となる位置にもスリット110を設けていない。これは円偏波軸比が悪化することを考慮し、スリット110を対称配置としているためである。

0037

プリント板100とプリント板101は、空気層を挟んで接地電極100a面と放射電極101a面を平行(略平行、以下同様)に対向させるように配置する。給電軸120(120a、120b)は、放射電極101aへ給電するための給電線として機能しており、一般的な2点給電パッチアンテナへの給電方法と同様である。給電軸120aは、放射電極101aの給電点101cへ、給電軸120bは、放射電極101aの給電点101dへ給電を行う。給電点101c、101dは、給電点101c、101dと放射電極101aの中心部130を結ぶ(通る)線が互いに直交する直線上に配置されており、直線上で所定のインピーダンス(ここでは、例えば50オーム(Ω))となる位置に設けられている。

0038

給電点101c、101dに対して90度の位相差をもった給電を行うことにより、放射電極101a面から円偏波の電波が放射される。電気的には給電軸120は放射電極101aにのみ接続されており、接地電極100aには接続されていない。接地電極100aは、図示していない位置でアンテナ装置として基準電圧低インピーダンスで接続されている。

0039

ここで、実施の形態に係る近傍アンテナと比較するためにシミュレーションで使用した従来型の円形パッチアンテナの一例を図2Aから図2Cに示す。図2Aは、円形パッチアンテナの概略斜視図である。図2Bは、図2Aの円形パッチアンテナを矢印240の方向に見た場合の平面図である。図2Cは、図2Aの円形パッチアンテナの側面を矢印250の方向に見た場合の円形パッチアンテナの側面図である。

0040

円形パッチアンテナの構成は、上述した近傍アンテナと基本的に同じであるが、放射電極201にスリットが無い構成となっている。また、円形の放射電極201aの直径及び給電点の位置は、スリットが無い状態で共振の周波数を920MHzに再調整しているため、上述した近傍アンテナの寸法とは異なるが、それ以外の条件は同一である。なお、シミュレーションでは、有限要素法を利用して電界強度を求めている。

0041

図3は、図1Aから図1Cに示す近傍アンテナと図2Aから図2Cに示す円形パッチアンテナの電界強度を比較した図である。この電界強度は、アンテナの放射電極面から垂直方向へ5mm離れた、放射電極面と平行な直線A−A´上の電界強度である。グラフのX軸は直線A−A´上の位置を表し、A地点を0mm、A´地点を400mmで表し、200mmの位置が直線A−A´の中央地点で放射電極の中心部直上となる。グラフの実線は、実施の形態に係る近傍アンテナのシミュレーション結果を示し、グラフの破線は比較用の円形パッチアンテナのシミュレーション結果を示している。

0042

円形パッチアンテナは、放射電極201aの外縁部分の118mmと284mmの付近の電界強度が高く、放射電極201aの中心部の200mm付近で電界強度が著しく低下している。実施の形態に係る近傍アンテナは、放射電極101aの外縁部付近については、円形パッチアンテナと同等の電界強度を維持している。さらに、放射電極101aの中心部130においては電界強度の落ち込みも改善され、電界強度が大きく向上していることが示されている。

0043

図4Aは、図1Aから図1Cの近傍アンテナの放射電極101a面から垂直方向へ5mm離れた、放射電極101a面と平行なXY平面上の200mm×200mmの範囲における電界強度の分布のシミュレーション結果を示している。また、図4Bは放射電極101aに垂直なYZ平面の電界強度の分布のシミュレーション結果を示している。

0044

図5Aは、図2Aから図2Cの円形パッチアンテナの放射電極201a面から垂直方向へ5mm離れた、放射電極201a面と平行なXY平面上の200mm×200mmの範囲における電界強度の分布のシミュレーション結果を示している。また、図5Bは放射電極201aに垂直なYZ平面の電界強度の分布のシミュレーション結果を示している。

0045

上記シミュレーション結果によれば、放射電極201aの中心領域の電界強度は、おおよそ6.7464E+001以下である(図5A図5Bを参照)。一方、放射電極101aの中心領域の電界強度は、おおよそ1.2282E+002〜5.4928E+002の範囲である(図4A図4Bを参照)。スリットを設けることによって、円形パッチアンテナの放射電極201aの中心領域の弱い電界強度の分布が改善されている。すなわち、放射電極の中心に近い位置の電界強度に関し、実施の形態に係る近傍アンテナは比較用の円形パッチアンテナよりも高く、円形パッチアンテナより放射電極の中心付近の電界強度が向上していることがわかる。

0046

図6は、実施の形態に係る近傍アンテナの放射電極600の中心部を中心にして放射状に設けたスリットの効果について確認するための簡易モデルであり、シミュレーションに使用した放射電極600の形状を示す。図示していない接地電極、給電軸等の構成は、図1に示す実施の形態に係る近傍アンテナと基本的に同様であるため、説明を省略する。

0047

簡易モデルのスリット601は、長辺の長さ(スリット長)がL(mm)、短手方向の辺(短辺)の長さ(スリット幅)がW(mm)である。スリット601は、放射電極600の中心方向に向かい、長手方向の延長上に放射電極600の中心があるように配置される。さらに、スリット601は、スリット601の長手方向の中点602(L/2)が、放射電極600の中心からR/2の位置になるように配置される。ここで、Rは放射電極600の半径である。また、スリット601は、スリット601の長手方向の延長線が、隣り合うスリットの長手方向の延長線と垂直であり、給電点と放射電極600の中心を結ぶ(通る)直線とスリットの長手方向の延長線が、45度の角度を有するように配置される。

0048

図7は、図6のスリット601のスリット長Lを、10mm、20mm、30mm、40mm、50mmと変化させた場合におけるスリット601の長辺上の中点602の電界強度のシュミュレーション結果を示す。スリット幅Wは全て5mmとしている。なお、シミュレーションにあたり、放射電極の直径、給電点位置は、所定の周波数(例えば、920MHz)で共振するよう、スリット長L毎に寸法、位置を調整している。図7に示されるように、簡易モデルのスリット601においては、スリット長Lが30mm以下では、スリット長による電界強度への影響は少なく、30mmを超えるあたりからスリット長に従って電界強度が向上していることがわかる。

0049

一方、図9は、図6のスリット601のスリット幅Wを、2mm、10mm、20mm、30mmと変化させた場合におけるスリット601の長辺上の中点602の電界強度のシュミュレーション結果を示す。図8は、図6に示す放射電極600のスリット601のスリット幅Wを広くした場合の放射電極の形状の一例を示している。

0050

スリット長Lは全て30mmとしている。なお、シミュレーションにあたり、放射電極の直径、給電点位置は、所定の周波数(例えば、920MHz)で共振するよう、スリット幅W毎に寸法、位置を調整している。図9のシミュレーション結果によれば、簡易モデルのスリット601において、電界強度はスリット幅Wに大きく依存しないことがわかる。

0051

図7図9に示す結果より、簡易モデルのような放射電極の中心から放射状にスリットを設ける場合、スリット長Lを長く(例えば、スリット長Lは、放射電極の共振周波数の波長λに対してλ/8からλ/4の電気長)、また、スリット幅Wの依存性が少ないことから、放射電極の近傍付近の電界強度を向上させるためには、スリット幅Wを狭くしスリットの本数を増やすことが好ましい。ただし、スリットを追加するにつれ、放射電極上を流れる電流経路が長くなるため、放射電極の大きさが小型化し、またアンテナの帯域も減少し狭帯域化するためアンテナの使用用途に応じて、適切なスリットを配置していくことが好ましい。

0052

ここでは、スリットのいくつかのバリエーション(実施例)について説明する。図10Aから図10Iにスリットの配置、形状の一例を示す。

0053

1つ目のスリットのバリエーションが図10Aに示されている。このバリエーションは、放射電極1000aの中心部の直上の近傍の電界強度が低いため、放射電極1000aの中心部付近のスリット数を増やすものである。すなわち、矩形スリットの短辺のうち、放射電極1000aの中心部側の短辺を短く(鋭角形状に)し、放射電極1000aの中心部付近のスリット密集度を向上させたものである。なお、放射電極1000aの中心部付近のスリット密集度を向上させるため、放射電極1000aの中心部付近に不図示の複数のスリットを更に設けるなどしてもよい。

0054

2つ目のスリットのバリエーションが図10Bに示されている。このバリエーションは、1つ目のバリエーションと同様、放射電極1000bの中心付近のスリット数を増やすためのもので、放射電極1000bの中心部付近のスリット密集度を向上させたものである。なお、矩形スリットの場合、放射電極1000bの中心部から外縁部に向かうに従って、スリット間の間隔が広くなる。そのため、スリット間の間隔を一律とするように、中心部から外縁部に向かうに従って、スリットの短辺又は円弧を段階的に広くしてもよい。また、上記の場合、放射電極1000bの銅箔等の導電性薄板スリット開口部が大きくなるため、放射電極1000bの金属の比率が低下する。これにより、アンテナに対して近接状態にあるRFIDタグに対する放射電極1000bからの金属影響が軽減されることによりRFIDタグの特性変位量も少なくなり、安定した通信に寄与する。

0055

3つ目のスリットのバリエーションが図10Cに示されている。このバリエーションは、上記1つ目と2つ目のバリエーションと同様、放射電極1000cの中心部付近のスリット密集度の向上及び放射電極1000cの外縁部のスリット間隔の均一化のために、放射電極1000cの外縁部側のスリット幅を中心部側のスリット幅よりも広くしたものである。

0056

4つ目のスリットのバリエーションが図10Dに示されている。このバリエーションは、スリットを放射状にし、更にスリットを放射電極1000dの中心部側のスリット群と外縁部側のスリット群の2段に分割したものである。すなわち、放射電極1000dの中心部を中心にしてスリットを同心円状に配置したものである。ここでは、2段に分割されているが、2段に限られるものではなく、複数段階であってもよい。中心部側の放射状のスリット群は、スリット幅を細くしてスリットの密集度をあげ、外縁部側の放射状のスリット群は、中心部側のスリット群よりもスリット幅を広くしている。また、中心部側のスリット群のスリット数の方が、その外側の円に配置された外縁部側のスリット群のスリット数より少なくなるようにしてもよい。スリットを放射状に複数段に分割することで、スリットによる放射電極1000d上を流れる電流経路の阻害が軽減される。そのため、放射電極の必要以上の小径化を回避することが可能であり、また、帯域の狭帯域化についても軽減できる。

0057

5つ目のスリットのバリエーションが図10Eに示されている。このバリエーションは、給電点と放射電極1000eの中心部とを結ぶ直線に対して線対称にスリットが配置されたものである。互いに90°の角度をもって隣接するスリット同士は、接続しL字形状のスリットとして配置してもよい。

0058

6つ目のスリットのバリエーションが図10Fに示されている。このバリエーションは、放射電極1000fの中心部を通る直線に対して、一定(一率)の角度をもって放射状になるように矩形のスリットが配置されたものである。なお、放射電極1000fの中心部付近にスリットを更に設けるようにしてもよい。また、スリットの角度、スリット幅を調整し、放射電極1000f中心部付近のスリット密集度を上げるように配置してもよい。

0059

7つ目のスリットバリエーション図10Gに示されている。このバリエーションは、図10Dに示されるような、放射状のスリットを同心円上に複数段に分割配置したスリット(分離スリット)に加え、更に分割されないスリットを、例えば分離スリットと分離スリットの間(分離スリットの隣接)などに適宜配置するようにしてもよい。このバリエーションは、同心円状に配置された分離スリットの分断部分を、隣接する分割されない同心円状のスリットで塞ぐように配置されるところに特徴がある。

0060

8つ目のスリットバリエーションが図10Hに示されている。このバリエーションは、互いに任意の角度(図10Hでは120°)及び任意の形状(図10Hでは矩形)をもった任意数図10Hでは3本)のスリットでスリット群を構成し、スリット群として放射状に配置するようにしてもよい。スリット群は、図10Hにように互いに接続された形状でも、図10Iのように互いに分離された形状でもよい。

0061

9つ目のスリットバリエーションが図10Iに示されている。このバリエーションは、図10Hで示したスリット群を前述の図10A図10Iのようなスリットバリエーションと組み合わせたものである。

0062

以上、スリットバリエーションの一例を示したが、通信するRFIDタグ側のアンテナ形状や、大きさ、必要とされる通信距離等によって最良な形態のスリットを適宜設けることが好ましい。

0063

上述したような近傍アンテナによれば、RFIDリーダやRFIDリーダライタ装置などの装置にも利用可能であり、RFIDリーダライタ装置などの装置に内蔵もしくは、外部アンテナ装置として接続させることで、近傍アンテナの表面の局所的に低下した電界強度を、近傍アンテナへの送信電力を上げずに改善させることができる。

0064

また、上述した実施の形態は、上述したものに限定されるものではなく、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。

0065

100、101プリント板
100a、100c、101a金属層
100b、101b誘電体
101c、101d給電点
110、601スリット
120(120a、120b)給電軸
130放射電極の中心部
140、150、240、250 矢印
201a、600、1000a〜1000f 放射電極
602 中点

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