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技術 液体用流量計校正装置

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 チョン・カー・ウィー土井原良次嶋田隆司寺尾吉哉
出願日 2016年4月5日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-075821
公開日 2017年10月12日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-187366
状態 特許登録済
技術分野 体積、体積流量、液位の試験、較正
主要キーワード ストップトリガ スタートトリガー 傾斜円板 流路要素 位置決め段差 秤量システム オーバーフロー検知 バルブ対
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

微小流量域での高精度な校正を可能にする液体用流量校正装置を提供する。

解決手段

試験液を取り込む秤量容器と、秤量容器の重量を測定する量計と、試験液を秤量容器に導く取込流路と、秤量容器に試験液を注入する注入ノズルと、試験液を秤量容器に取り込まない時に試験液を排液槽に導くバイパス流路と、試験液を取込流路に導くかバイパス流路に導くかを切り換える流路切換機構と、秤量容器を囲む秤量容器チャンバーボックスと、秤量容器から試験液を排出するための吸引ノズルと、秤量容器と排液槽との間で注入ノズルと吸引ノズルを移動させるための手段と、を備え、流路切換機構を2個の開閉バルブもしくは1個の3方バルブで構成し、さらに取込流路と注入ノズルを通して試験液を秤量容器まで導くことによって、閉じた流路内で試験液の流れを切り換え、空気に触れることなく試験液を秤量容器まで到達させる。

概要

背景

液体用流量計の校正に際して、校正装置で発生した標準流量とその標準流量に対する流量計指示値が比較される。校正装置における標準流量の発生方法の一つとして、不確かさを小さくできる通液式静的量法がある。
図1に示す従来の校正装置では、秤量タンク20aとダイバータ転流器)10aを用いて、通液式静的秤量法を校正方法として実施するものである。図1では、揚水ポンプ2a、オーバーフローヘッドタンク3と流量調節バルブ7aから発生した安定流量を、被試験流量計6aを接続した試験管路5に供給する。被試験流量計6aを通過した試験液は、試験管路5の末端にあるノズル8aまで導かれ、ノズル8aからダイバータ10aに流入する。ダイバータ10aは、校正時に試験液を秤量タンク流路12aへ、校正時以外に試験液をバイパス流路11aへ転流する流路切換機構を持っている。校正開始時、ダイバータ10aはバイパス流路11aから秤量タンク流路12aへ切り換えて、試験液を秤量タンク20aに流入させる。校正開始と同時に、秤量タンク20aへの試験液流入時間の測定を開始させるスタートトリガー信号をダイバータ10aからタイマーへ送信される。所定の流入量に達したら、ダイバータ10aは再び秤量タンク流路12aからバイパス流路11aへ切り換えて、秤量タンク20aへの試験液流入を停止させる。校正終了と同時に、流入時間の測定を停止させるストップトリガー信号をダイバータ10aからタイマーへ送信される。秤量タンク20aへ取り込まれた試験液の質量もしくは体積を流入時間で除することで単位時間当たりの流入量、すなわち標準質量流量または標準体積流量が求められる。

図2〜図6は、従来のダイバータの流路切換機構を示したものである。
図2は、1枚羽根式ダイバータであり、このような転流方式のダイバータ機構を採り入れる校正装置として、特許文献1の発明が知られている。しかし、ノズル8bからの流速分布の非対称やノズル8bと転流羽根14aの位置関係の変化により、流れを切り換える時に大きな流入時間の測定誤差ダイバータタイミングエラー)が生じ、流量計の校正不確かさの大きな要因になっていた。
この流入開始、流入停止の過渡的な流入状態非対称性の影響(誤差)を理論的に無くすことができるのは、特許文献2の発明である2枚羽根式直進型ダイバータであり、図3に示す。詳細について、特許文献2の中で詳述されているが、図3において、相対位置が固定された2枚の転流羽根(14b,14c)が一方向に直線的な動作をしてノズルからの流れを等速で横切る2枚羽根転流方式の例である。この方式のダイバータは、ISO4185に基づくダイバータタイミングエラー評価試験の結果により、ダイバータタイミングエラーを小さく調整することができ、高精度な流量計校正を実現できるが、ダイバータの駆動方式の特徴により、ISO4185評価試験を実施する際の非効率性が生じる。
ダイバータ評価に関連するこの運用上の効率性を改善し、コンパクトで簡単な構造設計も可能にするのは、特許文献3の発明である2枚羽根式回転型ダイバータであり、図4に示す。改善点の詳細について、特許文献3の中で詳述されているが、図4に示すように、この方式のダイバータは、ノズル8cからの流れと平行な回転軸15aを持ち、この回転軸に連結した2枚の転流羽根(14d,14e)の一側にバイパス流路11e、他側に秤量タンクへの流路12dが位置し、回転軸15aを中心に2枚の転流羽根(14d,14e)が同じ方向に回転することで、流路の切り換えを行う転流方式である。
上述した図2〜図4のダイバータ構造は、一般的に大流量や中流量域液体流量計校正装置に導入されている。
図5に示す特許文献4の傾斜円板式回転型ダイバータ構造によると、小流量域の流量計校正時、ダイバータの切り換えによる試験液のサンプル量(秤量容器への取込量)の再現性が向上できる。詳細については、特許文献4の中で詳述されている。
図6に示す円錐状回転体のダイバータ26(本出願人による出願中の特許文献6参照)は、取込流路の構造として円錐面に小さい開口部27とその開口部の両縁に表面積の小さい転流羽根(14f,14g)を備えるとともに、バイパス側流路として円錐面28の構造をとることにより、2枚羽根式ダイバータの高精度と回転式ダイバータの効率性を活かしたまま、小流量域での校正において顕著化した蒸発量や液付着量、飛び散り量による誤差を低減し、小流量域での高精度な校正を可能にする。詳細については、特許文献6の中で詳述されている。
上述した図5と図6のダイバータ構造は、一般的に小流量域の液体流量計校正装置に用いられている。

また、秤量法を用いた校正装置には、秤量タンクと秤量計との組み合わせが必要不可欠な要素であり、その設計や実施形態は流量計校正の不確かさに影響する大きな要因である。特許文献3では、秤量タンクからの試験液蒸発量を抑制するために、試験液を取り込む時に、昇降機構により秤量タンクを持ち上げてダイバータボックス下面押し付けて、秤量タンクを気密状態に保つ。試験液の取込が終了したら、秤量タンクを計量するために、秤量タンクを秤量計の上に降ろし、昇降機構が離脱するという仕組みである。
図6に示す特許文献6の秤量容器20bは、取込口22や排液口23を小さくするとともに、取込口22にはダイバータの開口部近傍まで立ち上がる筒を設け、排液口23には蓋を備える等の形状設計であり、小流量域での校正において顕著化した蒸発量による誤差を低減させるものである。
図7に示す特許文献5の液体サンプル容器は、断面が円弧状に窪んだ形状または角状に曲がった形状の当て板34を容器の筒状部33の中に斜めに固定するような構造であり、試験液をサンプル容器の中に採集する際に、落下した試験液が連続流の状態で当て板34に到達し、さらに当て板34の先から容器部35の底まで滴下させることによって、落下した試験液の揮発量を抑制するものである。なお、36は底とのすきまである。

概要

微小流量域での高精度な校正を可能にする液体用流量計校正装置を提供する。試験液を取り込む秤量容器と、秤量容器の重量を測定する秤量計と、試験液を秤量容器に導く取込流路と、秤量容器に試験液を注入する注入ノズルと、試験液を秤量容器に取り込まない時に試験液を排液槽に導くバイパス流路と、試験液を取込流路に導くかバイパス流路に導くかを切り換える流路切換機構と、秤量容器を囲む秤量容器チャンバーボックスと、秤量容器から試験液を排出するための吸引ノズルと、秤量容器と排液槽との間で注入ノズルと吸引ノズルを移動させるための手段と、を備え、流路切換機構を2個の開閉バルブもしくは1個の3方バルブで構成し、さらに取込流路と注入ノズルを通して試験液を秤量容器まで導くことによって、閉じた流路内で試験液の流れを切り換え、空気に触れることなく試験液を秤量容器まで到達させる。

目的

本発明は、上記問題点を解決する手段を備えた液体用流量計校正装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

試験液を取り込む秤量容器と、前記秤量容器の重量を測定する量計と、試験液を前記秤量容器に導く取込流路と、前記秤量容器に試験液を注入する注入ノズルと、試験液を前記秤量容器に取り込まない時に試験液を排液槽に導くバイパス流路と、試験液を前記取込流路に導くか前記バイパス流路に導くかを切り換える流路切換機構と、前記秤量容器を囲む秤量容器チャンバーボックスと、前記秤量容器から試験液を排出するための吸引ノズルと、前記秤量容器と前記排液槽との間で前記注入ノズルと前記吸引ノズルを移動させるための手段と、を備える液体用流量校正装置であって、前記流路切換機構は、前記取込流路への試験液流入を制御する取込バルブと前記バイパス流路への試験液流入を制御するバイパスバルブから構成されたバルブ対、もしくはバルブ部構造に1個の入口と2個の出口を有し、前記取込流路と前記バイパス流路への試験液流入を同時に制御する3方バルブから構成されており、前記取込バルブと前記バイパスバルブから構成された前記バルブ対の場合、前記取込バルブと前記バイパスバルブがそれぞれ「閉」と「開」の状態から、それぞれが「開」と「閉」の状態へ両方のバルブを同時に切り換え、前記取込流路を通して試験液を前記秤量容器の中へ取り込み、試験液の取込が終了したら、同時にそれぞれのバルブを逆方向に切り換え、前記バイパス流路を通して試験液を前記排液槽に排出することで、前記秤量容器への試験液の取込を制御するものであり、前記3方バルブから構成されている場合、前記取込流路への出口と前記バイパス流路への出口がそれぞれ「閉」と「開」の状態から、それぞれが「開」と「閉」の状態へ両方の出口を同時に切り換え、前記取込流路を通して試験液を前記秤量容器の中へ取り込み、試験液の取込が終了したら、同時にそれぞれの出口を逆方向に切り換え、前記バイパス流路を通して試験液を前記排液槽に排出することで、前記秤量容器への試験液の取込を制御するものであることを特徴とする液体用流量計校正装置。

請求項2

前記秤量容器の中に試験液を取り込むための注入穴と、前記秤量容器から試験液を排出するための吸引穴とを前記秤量容器に備え、さらに前記秤量容器の中に小容器を備え、前記小容器が前記秤量容器の注入穴の直下に位置し、前記秤量容器の天井壁から固定支持され、前記小容器の底辺が前記秤量容器の底まで届かずに前記秤量容器の天井壁からぶら下がる構造とし、さらに試験液を前記小容器から溢れさせて前記秤量容器の中へ流入させるために、前記小容器にオーバーフロー側壁を備えることを特徴とする請求項1記載の液体用流量計校正装置。

請求項3

前記小容器のオーバーフロー側壁を前記秤量容器の内壁に隙間を残して接近させる配置とし、さらに前記秤量容器の内壁と最も接近する位置において前記小容器のオーバーフロー側壁に切り欠きを備えるとともに、前記秤量容器の内壁に向かって下向くような勾配を前記小容器の外側底面に備えることを特徴とする請求項2記載の液体用流量計校正装置。

請求項4

前記秤量計の秤量皿の上に前記秤量容器を保持するための秤量容器ホルダーを備え、さらに前記秤量容器ホルダーに前記秤量容器の出し入れが可能な構造を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置。

請求項5

前記秤量容器と前記秤量容器ホルダーとの装着の際、前記秤量容器の注入穴の位置決めのための位置決め構造部を前記秤量容器と前記秤量容器ホルダーのそれぞれに備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置。

請求項6

前記秤量容器を囲むような秤量容器チャンバーボックスを備え、さらに前記注入ノズルと前記吸引ノズルの挿入に備えるための注入口シャッタ吸引口シャッタを前記秤量容器チャンバーボックスに備え、さらに前記秤量容器チャンバーボックスと前記秤量計とは非接触な構造とし、さらに前記秤量容器チャンバーボックスに液位センサーを備え、さらに前記秤量容器チャンバーボックスから前記秤量容器の出し入れが可能な構造を備え、さらに前記注入ノズルと前記吸引ノズルからの液垂れ受け皿を前記秤量容器チャンバーボックスに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置。

請求項7

前記秤量容器チャンバーボックスの中に試験液溜めプールを備え、さらに前記秤量容器チャンバーボックスから前記試験液溜めプールの出し入れが可能な構造を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置。

請求項8

前記流路切換機構から前記排液槽まで導かれた前記バイパス流路と、前記流路切換機構から前記秤量容器まで導かれた前記取込流路とは、対称的な流路構成になるように、同じ流路要素と同じ流路要素の配置で構成することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置。

請求項9

前記排液槽にエアブローノズルを備え、前記排液槽の中から前記注入ノズルと前記吸引ノズルを上昇させながら、エアブロー両ノズルの外周表面に吹き付けるような動作を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の液体用流量計校正装置。

技術分野

0001

本発明は、液体用流量校正装置に関し、特に、微小流量域液体流量計測する流量計を高精度で校正するための液体流量校正装置に関する。

背景技術

0002

液体用流量計の校正に際して、校正装置で発生した標準流量とその標準流量に対する流量計の指示値が比較される。校正装置における標準流量の発生方法の一つとして、不確かさを小さくできる通液式静的量法がある。
図1に示す従来の校正装置では、秤量タンク20aとダイバータ転流器)10aを用いて、通液式静的秤量法を校正方法として実施するものである。図1では、揚水ポンプ2a、オーバーフローヘッドタンク3と流量調節バルブ7aから発生した安定流量を、被試験流量計6aを接続した試験管路5に供給する。被試験流量計6aを通過した試験液は、試験管路5の末端にあるノズル8aまで導かれ、ノズル8aからダイバータ10aに流入する。ダイバータ10aは、校正時に試験液を秤量タンク流路12aへ、校正時以外に試験液をバイパス流路11aへ転流する流路切換機構を持っている。校正開始時、ダイバータ10aはバイパス流路11aから秤量タンク流路12aへ切り換えて、試験液を秤量タンク20aに流入させる。校正開始と同時に、秤量タンク20aへの試験液流入時間の測定を開始させるスタートトリガー信号をダイバータ10aからタイマーへ送信される。所定の流入量に達したら、ダイバータ10aは再び秤量タンク流路12aからバイパス流路11aへ切り換えて、秤量タンク20aへの試験液流入を停止させる。校正終了と同時に、流入時間の測定を停止させるストップトリガー信号をダイバータ10aからタイマーへ送信される。秤量タンク20aへ取り込まれた試験液の質量もしくは体積を流入時間で除することで単位時間当たりの流入量、すなわち標準質量流量または標準体積流量が求められる。

0003

図2図6は、従来のダイバータの流路切換機構を示したものである。
図2は、1枚羽根式ダイバータであり、このような転流方式のダイバータ機構を採り入れる校正装置として、特許文献1の発明が知られている。しかし、ノズル8bからの流速分布の非対称やノズル8bと転流羽根14aの位置関係の変化により、流れを切り換える時に大きな流入時間の測定誤差ダイバータタイミングエラー)が生じ、流量計の校正不確かさの大きな要因になっていた。
この流入開始、流入停止の過渡的な流入状態非対称性の影響(誤差)を理論的に無くすことができるのは、特許文献2の発明である2枚羽根式直進型ダイバータであり、図3に示す。詳細について、特許文献2の中で詳述されているが、図3において、相対位置が固定された2枚の転流羽根(14b,14c)が一方向に直線的な動作をしてノズルからの流れを等速で横切る2枚羽根転流方式の例である。この方式のダイバータは、ISO4185に基づくダイバータタイミングエラー評価試験の結果により、ダイバータタイミングエラーを小さく調整することができ、高精度な流量計校正を実現できるが、ダイバータの駆動方式の特徴により、ISO4185評価試験を実施する際の非効率性が生じる。
ダイバータ評価に関連するこの運用上の効率性を改善し、コンパクトで簡単な構造設計も可能にするのは、特許文献3の発明である2枚羽根式回転型ダイバータであり、図4に示す。改善点の詳細について、特許文献3の中で詳述されているが、図4に示すように、この方式のダイバータは、ノズル8cからの流れと平行な回転軸15aを持ち、この回転軸に連結した2枚の転流羽根(14d,14e)の一側にバイパス流路11e、他側に秤量タンクへの流路12dが位置し、回転軸15aを中心に2枚の転流羽根(14d,14e)が同じ方向に回転することで、流路の切り換えを行う転流方式である。
上述した図2図4ダイバータ構造は、一般的に大流量や中流量域液体流量計校正装置に導入されている。
図5に示す特許文献4の傾斜円板式回転型ダイバータ構造によると、小流量域の流量計校正時、ダイバータの切り換えによる試験液のサンプル量(秤量容器への取込量)の再現性が向上できる。詳細については、特許文献4の中で詳述されている。
図6に示す円錐状回転体のダイバータ26(本出願人による出願中の特許文献6参照)は、取込流路の構造として円錐面に小さい開口部27とその開口部の両縁に表面積の小さい転流羽根(14f,14g)を備えるとともに、バイパス側流路として円錐面28の構造をとることにより、2枚羽根式ダイバータの高精度と回転式ダイバータの効率性を活かしたまま、小流量域での校正において顕著化した蒸発量や液付着量、飛び散り量による誤差を低減し、小流量域での高精度な校正を可能にする。詳細については、特許文献6の中で詳述されている。
上述した図5図6のダイバータ構造は、一般的に小流量域の液体流量計校正装置に用いられている。

0004

また、秤量法を用いた校正装置には、秤量タンクと秤量計との組み合わせが必要不可欠な要素であり、その設計や実施形態は流量計校正の不確かさに影響する大きな要因である。特許文献3では、秤量タンクからの試験液蒸発量を抑制するために、試験液を取り込む時に、昇降機構により秤量タンクを持ち上げてダイバータボックス下面押し付けて、秤量タンクを気密状態に保つ。試験液の取込が終了したら、秤量タンクを計量するために、秤量タンクを秤量計の上に降ろし、昇降機構が離脱するという仕組みである。
図6に示す特許文献6の秤量容器20bは、取込口22や排液口23を小さくするとともに、取込口22にはダイバータの開口部近傍まで立ち上がる筒を設け、排液口23には蓋を備える等の形状設計であり、小流量域での校正において顕著化した蒸発量による誤差を低減させるものである。
図7に示す特許文献5の液体サンプル容器は、断面が円弧状に窪んだ形状または角状に曲がった形状の当て板34を容器の筒状部33の中に斜めに固定するような構造であり、試験液をサンプル容器の中に採集する際に、落下した試験液が連続流の状態で当て板34に到達し、さらに当て板34の先から容器部35の底まで滴下させることによって、落下した試験液の揮発量を抑制するものである。なお、36は底とのすきまである。

先行技術

0005

特開2001−165755号公報
特開2002−048622号公報
特開2006−105957号公報
特開2012−145337号公報
特開2012−145339号公報
特願2016−060303号明細書

発明が解決しようとする課題

0006

液体用流量計を秤量法で校正する際、校正効率を上げるために、流量の大小に合わせて試験液の取込量を設定する。流量が小さくなるにつれて、試験液の取込時間も長くなるので、校正時間の短縮を図るために、通常試験液の取込量を少なくする。微小流量域の場合、数g〜数100g程度の取込量が現実的な設定条件になっている。
ダイバータがノズルからの流れを切るときに、転流羽根や流路の壁面に付着する試験液が生じる。油類のように液粘度が高い場合、液の付着量が多く、壁面から垂れ落ちる時間もかかる。流量範囲の小流量化に伴って試験液の取込量も少量化するため、液の付着量による誤差が顕著化する。従来のダイバータは、液付着や液垂れによる誤差を低減させるために、流量の小流量化に合わせて、表面積を小さくするなど流路切換構造小規模化が図られている。
ところが、微小流量域になると、試験液の取込量が微量になるため、数滴の付着量でも大きな誤差となってしまう。このように、ダイバータの小型化には限界が生じ、ダイバータと試験液との接触方式の流れ切換によって、微小流量域における通液式静的秤量法の実施が困難である。
また、従来のダイバータ方式の試験液取込では、ノズルから流出した試験液が秤量容器に到達するまでの落下距離があり、落下中に試験液が周囲の空気との接触による揮発量は、微小流量域では、無視できなくなるほど大きな誤差をもたらすという問題がある。落下してくる試験液を漏れなく採集するために、秤量容器にはある程度の開口面積を有する取込口が必要になる。従って、取込口からの試験液蒸発量をある限界値以下に抑制できなくなり、この限界値は微小流量域では大きな誤差要因になるという問題がある。
また、流量が微小化するにつれ、細管ノズルであっても、落下した試験液が連続流の状態を保てなくなり、ノズル先端に液滴が形成され、滴下する状態になってしまう。その結果、ダイバータによる液滴の取込量の再現性が低下するとともに、液滴状態の試験液からの揮発量が増えるという問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解決する手段を備えた液体用流量計校正装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

すなわち、本発明は、試験液を取り込む秤量容器と、前記秤量容器の重量を測定する秤量計と、試験液を前記秤量容器に導く取込流路と、前記秤量容器に試験液を注入する注入ノズルと、試験液を前記秤量容器に取り込まない時に試験液を排液槽に導くバイパス流路と、試験液を前記取込流路に導くか前記バイパス流路に導くかを切り換える流路切換機構と、前記秤量容器を囲む秤量容器チャンバーボックスと、前記秤量容器から試験液を排出するための吸引ノズルと、前記秤量容器と前記排液槽との間で前記注入ノズルと前記吸引ノズルを移動させるための手段と、を備える液体用流量計校正装置であって、
前記流路切換機構は、前記取込流路への試験液流入を制御する取込バルブと前記バイパス流路への試験液流入を制御するバイパスバルブから構成されたバルブ対、もしくはバルブ部構造に1個の入口と2個の出口を有し、前記取込流路と前記バイパス流路への試験液流入を同時に制御する3方バルブから構成されており、
前記取込バルブと前記バイパスバルブから構成された前記バルブ対の場合、前記取込バルブと前記バイパスバルブがそれぞれ「閉」と「開」の状態から、それぞれが「開」と「閉」の状態へ両方のバルブを同時に切り換え、前記取込流路を通して試験液を前記秤量容器の中へ取り込み、試験液の取込が終了したら、同時にそれぞれのバルブを逆方向に切り換え、前記バイパス流路を通して試験液を前記排液槽に排出することで、前記秤量容器への試験液の取込を制御するものであり、
前記3方バルブから構成されている場合、前記取込流路への出口と前記バイパス流路への出口がそれぞれ「閉」と「開」の状態から、それぞれが「開」と「閉」の状態へ両方の出口を同時に切り換え、前記取込流路を通して試験液を前記秤量容器の中へ取り込み、試験液の取込が終了したら、同時にそれぞれの出口を逆方向に切り換え、前記バイパス流路を通して試験液を前記排液槽に排出することで、前記秤量容器への試験液の取込を制御するものであることを特徴とする。
従って、上記構成によれば、ダイバータによる流路切換機構を2個の開閉バルブもしくは1個の3方バルブに置き換え、さらに取込流路と注入ノズルを通して試験液を秤量容器まで導くことによって、閉じた流路内で試験液の流れを切り換え、空気に触れることなく試験液を秤量容器まで到達させることができる。このように、微小流量域での校正において顕著化した構造物壁面への液付着量や落下中の液蒸発量による誤差を低減し、微小流量域での高精度な校正を可能にする液体用流量計校正装置である。

0008

また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記秤量容器の中に試験液を取り込むための注入穴と、前記秤量容器から試験液を排出するための吸引穴とを前記秤量容器に備え、さらに前記秤量容器の中に小容器を備え、前記小容器が前記秤量容器の注入穴の直下に位置し、前記秤量容器の天井壁から固定支持され、前記小容器の底辺が前記秤量容器の底まで届かずに前記秤量容器の天井壁からぶら下がる構造とし、さらに試験液を前記小容器から溢れさせて前記秤量容器の中へ流入させるために、前記小容器にオーバーフロー側壁を備えることを特徴とする。
従って、上記構成によれば、秤量容器の中の小容器を常に満液状態にし、小容器の液面下で試験液を注入ノズルから流出させることによって、試験液流量が微小化しても液滴状態にならず、常に連続流の状態で小容器に取り込むことができる。このように、連続流の状態を保っている試験液流量が非常に安定するとともに、蒸発しやすい液滴状態で空気中に秤量容器まで落下することを避けることができ、微小流量域での高精度な試験液取込を可能にする。また、注入穴と小容器との位置関係を固定させることで、注入ノズルの挿入動作に備えることができ、さらに上記構造によって、小容器に必要最低限の容積を持たせ、秤量容器の中で小容器の占有体積をなるべく小さくすることで、秤量容器に少しでも多くの試験液を取り込むことができる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記小容器のオーバーフロー側壁を前記秤量容器の内壁に隙間を残して接近させる配置とし、さらに前記秤量容器の内壁と最も接近する位置において前記小容器のオーバーフロー側壁に切り欠きを備えるとともに、前記秤量容器の内壁に向かって下向くような勾配を前記小容器の外側底面に備えることを特徴とする。
従って、上記構成によれば、小容器から溢れた試験液を秤量容器の内壁に沿わせて流れ落ちさせることによって、秤量容器内の液面の波打ち揺れを最小限に抑えることができ、試験液取込時の秤量値の変動を監視しやすくなるとともに、液面乱れによる液蒸発も軽減させることができる。さらに、小容器の切り欠きと外側底面の傾斜によって、小容器からの滴下を少なくし、より確実に秤量容器の内壁に試験液を誘導することができる。また、小容器の側壁が秤量容器の内壁と接触した場合、試験液の取込終了後も、表面張力の影響により、少量でありながら試験液が小容器から秤量容器の内壁に流れ落ち、小容器の液面が下がってしまうことがある。小容器のオーバーフロー側壁と秤量容器の内壁との間に僅かで適度な隙間を設けることによって、これを防ぐことができる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記秤量計の秤量皿の上に前記秤量容器を保持するための秤量容器ホルダーを備え、さらに前記秤量容器ホルダーに前記秤量容器の出し入れが可能な構造を備えることを特徴とする。
従って、上記構成によれば、軽量で動かされやすい秤量容器が秤量皿からずれ落ちることを防ぐことができる。また、秤量容器の出し入れが可能な構造にすることで、メンテナンスや秤量容器交換分銅による秤量計校正に備えることができる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記秤量容器と前記秤量容器ホルダーとの装着の際、前記秤量容器の注入穴の位置決めのための位置決め構造部を前記秤量容器と前記秤量容器ホルダーのそれぞれに備えることを特徴とする。
従って、上記構成によれば、秤量容器ホルダーから秤量容器の出し入れを行う度に、注入ノズルの挿入動作に備えるために、秤量容器の注入穴の位置決めを確実に再現することができる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記秤量容器を囲むような秤量容器チャンバーボックスを備え、さらに前記注入ノズルと前記吸引ノズルの挿入に備えるための注入口シャッタ吸引口シャッタを前記秤量容器チャンバーボックスに備え、さらに前記秤量容器チャンバーボックスと前記秤量計とは非接触な構造とし、さらに前記秤量容器チャンバーボックスに液位センサーを備え、さらに前記秤量容器チャンバーボックスから前記秤量容器の出し入れが可能な構造を備え、さらに前記注入ノズルと前記吸引ノズルからの液垂れの受け皿を前記秤量容器チャンバーボックスに備えることを特徴とする。
従って、上記構成によれば、秤量容器チャンバーボックスは、秤量計の計測精度を考慮した風防機能と非接触性を有するとともに、注入ノズルと吸引ノズルの操作に備える構造設計であり、さらに液位センサーによる秤量容器のオーバーフロー検知機能、秤量容器の出し入れの利便性、ノズルからの液垂れの受皿も兼ね備えて、機能性と安全性と使い勝手の良さを併せ持ったものになる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記秤量容器チャンバーボックスの中に試験液溜めプールを備え、さらに前記秤量容器チャンバーボックスから前記試験液溜めプールの出し入れが可能な構造を備えることを特徴とする。
従って、上記構成によれば、試験液溜めプールからの蒸発により秤量容器チャンバーボックス内の試験液蒸気濃度が高まる効果を利用して、秤量容器からの試験液蒸発をより効果的に低減させることができる。また、秤量容器チャンバーボックスから試験液溜めプールの出し入れが可能な構造にすることで、試験液溜めプールのメンテナンスや液交換に備える利便性が得られる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記流路切換機構から前記排液槽まで導かれた前記バイパス流路と、前記流路切換機構から前記秤量容器まで導かれた前記取込流路とは、対称的な流路構成になるように、同じ流路要素と同じ流路要素の配置で構成することを特徴とする。
従って、上記構成によれば、取込流路とバイパス流路は同じ流路抵抗を有し、両流路に流れる流量を統一させることができ、通液式静的秤量法による校正方法を実施する際、バルブによる流路切換に基づいた流入時間の計測タイミングエラーを低減させることができる。
また、本発明は、上記液体用流量計校正装置において、前記排液槽にエアブローノズルを備え、前記排液槽の中から前記注入ノズルと前記吸引ノズルを上昇させながら、エアブロー両ノズルの外周表面に吹き付けるような動作を行うことを特徴とする。
従って、上記構成によれば、注入ノズルと吸引ノズルに付着した液滴や液膜を取り除くことができ、試験液取込量の秤量値への誤差影響を低減させるとともに、ノズルからの液垂れを少なくし、測定環境の悪化を防ぐことができる。

発明の効果

0009

本発明によれば、ダイバータによる流路切換機構を2個の開閉バルブもしくは1個の3方バルブに置き換え、さらに取込流路と注入ノズルを通して試験液を秤量容器まで導くことによって、閉じた流路内で試験液の流れを切り換え、空気に触れることなく試験液を秤量容器まで到達させることができる。このように、微小流量域での校正において顕著化した構造物壁面への液付着量や落下中の液蒸発量による誤差を低減し、微小流量域での高精度な校正を可能にする。
また、本発明によれば、秤量容器の中に小容器を備え、その小容器を常に満液状態にし、小容器の液面下で試験液を注入ノズルから流出させることによって、試験液流量が微小化しても液滴状態にならず、常に連続流の状態で小容器に取り込むことができる。このように、連続流の状態を保っている試験液流量が非常に安定するとともに、蒸発しやすい液滴状態で空気中に秤量容器まで落下することを避けることができ、微小流量域での高精度な試験液取込を可能にする。また、注入穴と小容器との位置関係を固定させることで、注入ノズルの挿入に備えることができ、さらに小容器に必要最低限の容積を持たせ、秤量容器の中で小容器の占有体積をなるべく小さくすることで、秤量容器に少しでも多くの試験液を取り込むことができる。
また、本発明によれば、小容器から溢れた試験液を秤量容器の内壁に沿わせて流れ落ちさせることによって、秤量容器内の液面の波打ちや揺れを最小限に抑えることができ、試験液取込時の秤量値の変動を監視しやすくなるとともに、液面乱れによる液蒸発も軽減させることができる。さらに、小容器の切り欠きと外側底面の傾斜によって、小容器からの滴下を少なくし、より確実に秤量容器の内壁に試験液を誘導することができる。また、小容器のオーバーフロー側壁と秤量容器の内壁との間に僅かで適度な隙間を設けることによって、試験液取込後も、小容器内の液面を安定化させることができる。
また、本発明によれば、秤量容器ホルダーを備えることで、軽量で動かされやすい秤量容器が秤量皿からずれ落ちることを防ぐことができる。また、秤量容器ホルダーを秤量容器の出し入れが可能な構造にすることで、メンテナンスや秤量容器交換、分銅による秤量計校正に備えることができる。
また、本発明によれば、秤量容器ホルダーと秤量容器との間で位置決めができるような構造を備えることで、秤量容器ホルダーから秤量容器の出し入れを行う度に、注入ノズルの挿入動作に備えるために、秤量容器の注入穴の位置決めを確実に再現することができる。
また、本発明によれば、秤量容器チャンバーボックスは、秤量計の計測精度を考慮した風防機能と非接触性を有するとともに、注入ノズルと吸引ノズルの操作に備える構造設計であり、さらに液位センサーによる秤量容器のオーバーフロー検知機能、秤量容器の出し入れの利便性、ノズルからの液垂れの受皿も兼ね備えて、機能性と安全性と使い勝手の良さを併せ持ったものになる。
また、本発明によれば、秤量容器チャンバーボックスの中に試験液溜めプールを備えることで、試験液溜めプールからの蒸発により秤量容器チャンバーボックス内の試験液蒸気濃度が高まる効果を利用して、秤量容器からの試験液蒸発をより効果的に低減させることができる。また、秤量容器チャンバーボックスから試験液溜めプールの出し入れが可能な構造にすることで、試験液溜めプールのメンテナンスや液交換に備える利便性が得られる。
また、本発明によれば、取込流路とバイパス流路は同じ流路抵抗を有し、両流路に流れる流量を統一させることができ、通液式静的秤量法による校正方法を実施する際、バルブによる流路切換に基づいた流入時間の計測タイミングエラーを低減させることができる。
また、本発明によれば、排液槽の中にエアブローノズルを備え、注入ノズルと吸引ノズルにエアブローを吹き付けることで、注入ノズルと吸引ノズルに付着した液滴や液膜を取り除くことができ、試験液取込量の秤量値への誤差影響を低減させるとともに、ノズルからの液垂れを少なくし、測定環境の悪化を防ぐことができる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、従来の通液式静的秤量法を校正方法として実施する校正装置を示したものである。
図2は、従来の校正装置で用いられてきた1枚羽根式ダイバータの流路切換機構を示したものである。
図3は、従来の校正装置で用いられてきた2枚羽根式直進型ダイバータの流路切換機構を示したものである。
図4は、従来の校正装置で用いられてきた2枚羽根式回転型ダイバータの流路切換機構を示したものである。
図5は、従来の校正装置で用いられてきた傾斜円板式回転型ダイバータの流路切換機構を示したものである。
図6は、本出願人が先に出願した校正装置で用いられている2枚羽根式円錐状回転型ダイバータの流路切換機構を示したものである。
図7は、従来の校正装置で用いられてきた液体サンプル容器を示したものである。
図8は、本発明の実施形態の一例である液体用流量計校正装置の概要を示したものである。
図9は、本発明の液体用流量計校正装置の秤量システムを示したものである。
図10は、本発明の液体用流量計校正装置の秤量容器を示したものである。
図11は、本発明の液体用流量計校正装置の秤量容器ホルダーを示したものである。
図12は、本発明の液体用流量計校正装置の秤量容器チャンバーボックスの構成(正面ビュー)を示したものである。
図13は、本発明の液体用流量計校正装置の秤量容器チャンバーボックスのシャッタ、液垂れ受皿を示したものである。
図14は、本発明の液体用流量計校正装置の秤量容器チャンバーボックスの試験液溜めプールを示したものである。
図15は、本発明の液体用流量計校正装置の排液槽への流路構成と流路配置を示したものである。
図16は、本発明の液体用流量計校正装置の排液槽のエアブローを示したものである。
図17は、本発明の液体用流量計校正装置における、試験液取込と排液一連の動作を説明した図であり、(a)試験液取込前の状態、(b)試験液取込中の状態、(c)試験液が秤量容器から排液槽へ排出されている状態。
図18は、本発明の液体用流量計校正装置における校正開始から終了までの手順を示したフローチャートである。
図19は、図18のフローチャートの続きである。
図20は、本発明の液体用流量計校正装置におけるバルブ切換によるタイミングエラーの評価結果例をプロットしたグラフである。
図21は、秤量容器からの蒸発量を評価した結果である。

0011

図8は、本発明の液体用流量計校正装置の実施形態の一例を示したものであり、本発明の液体用流量計校正装置は、主に貯蔵タンク1b、ポンプ2b、液温を調節する熱交換器40と温調装置41、流量を安定化させるヘッダー4b、流量調節バルブ7b、取込バルブ50aとバイパスバルブ51aから構成された流路切換機構52a、秤量容器20cと秤量計21cと秤量容器チャンバーボックス60aと排液槽62aから構成された秤量システムにより、構成されている。
以下は、試験液の流れに沿って、液体用流量計校正装置の実施例について説明する。図8が示す実施例では、ポンプ2bが流量の駆動源であり、試験液は貯蔵タンク1bからヘッダー4bへ送液され、その一部の流量が被試験流量計6bを設置した試験管路へ供給され、残りの流量が貯蔵タンク1bへ循環される。微小流量域での流量計校正を高精度で行う場合、試験液の温度安定性が非常に重要であり、この実施例ではポンプ2bの下流に熱交換器40と温調装置41が設置され、液温の調節が行われる。より効果的に液温を安定化させるために、ヘッダー4b、被試験流量計6bを設置した試験管路、秤量システムが恒温チャンバー110の中に設置される。試験管路を流れる流量の調節は、流量調節バルブ7bで行われる。被試験流量計6bを通過した流量は、流路切換機構52aにより、最終的に秤量容器20cまたは排液槽62aのどちらかに導かれる。被試験流量計6bの校正時、温度センサー(43a,43b)と圧力センサー(42a,42b)の測定値が制御PC84へ送信され、記録される。この実施例では、高精度の流量計校正を行う場合、流量計の上流と下流に温度センサー(43a,43b)と圧力センサー(42a,42b)が設置される。
図8図9に示すように、この実施例の流路切換機構(52a,b)は、取込バルブ(50a,b)とバイパスバルブ(51a,b)の2個の開閉バルブから構成されている。微小流量の場合、電磁バルブのようにバルブの内部発熱により、ゆっくりとバルブを通過した試験液の温度が上昇し、試験液の体積が膨張して試験液の取込に悪影響を与えるため、この実施例では内部発熱のないエア駆動バルブが用いられている。秤量容器20cに試験液を取り込まない時、図8が示すように、バイパスバルブ51aが「開」、取込バルブ50aが「閉」の状態であり、試験液がバイパス流路54aを通して、排液槽62aに排出され、さらに排液槽62aの出口からバイパスライン13bを通して貯蔵タンク1bへ戻される。秤量容器20cに試験液を取り込む時、取込流路53aの先に接続された注入ノズル55aが秤量容器20cの中に挿入される。続いて、取込バルブ50aとバイパスバルブ51aがそれぞれ「閉」と「開」の状態から、それぞれが「開」と「閉」の状態へ同時に切り換えて、取込流路53aを通して試験液が秤量容器20cの中へ取り込まれる。秤量容器20cが満液になったら、取込バルブ50aとバイパスバルブ51aがそれぞれ逆方向に同時に切り換えて、試験液の取込を終了させる。秤量容器20cの計量が終わったら、吸引ノズル56aにより秤量容器20cから試験液が排出される。

0012

図9に示す実施例では、注入ノズル55bと吸引ノズル56bが、垂直駆動機構により秤量容器20dと排液槽62bに対して昇降し、水平駆動機構により秤量容器20dと排液槽62bとの間で行き来する。具体的には、排液槽62bの中に下降して待機していた注入ノズル55bと吸引ノズル56bは、試験液の取込前に、排液槽62bから上昇し、秤量容器チャンバーボックス側60bへ移動する。注入ノズル55bが注入口シャッタ61bの位置に到着したら、注入口シャッタ61bが開いて、注入ノズル55bが秤量容器20dの中へ下降する。試験液の取込中、吸引ノズル56bが秤量容器20dの中へ下降しないで上昇した状態で待機する。試験液の取込が終了したら、注入ノズル55bが上昇して、注入口シャッタ61bが閉じる。次に、秤量容器20dから試験液を排出するために、吸引ノズル56bが吸引口シャッタ61cの位置に移動して、開いた吸引口シャッタ61cから吸引ノズル56bが秤量容器20dの中へ下降する。液吸引による試験液の排出が終了したら、吸引ノズル56bが上昇して、吸引口シャッタ61cが閉じる。最後に、注入ノズル55bと吸引ノズル56bは排液槽62bに戻り、下降して待機する。

0013

図10に秤量容器20eの一実施例を示す。左図では、秤量容器20eの中の小容器70が注入穴72の下の位置において秤量容器蓋71から固定されている。注入穴72を通して小容器70の液面下まで挿入された注入ノズル55cから試験液が流出し、小容器70の側壁の切り欠き75から溢れ出し、秤量容器20eの内壁に沿って流れ落ち、液面乱れが少ない状態で液位が上昇していく。右図が示すように、この実施例で用いられる秤量容器20eは、くびれ77を持ったガラス秤量瓶であり、小容器70の側壁の切り欠き75をくびれ77に接近させるとともに、小容器70の外側底面に秤量容器20eの内壁に向かって下向くような勾配76をつけ、小容器70から溢れた試験液をより効果的に秤量容器20eの内壁に沿わせるものである。また、左右両図に示すように、注入ノズル55cと吸引ノズルの挿入に備える位置決めのために、秤量容器蓋71に位置決めネジ74aが設けられる。また、図示されていないが、吸引ノズルが秤量容器蓋の吸引穴73を通して、秤量容器20eの底まで下降し秤量容器20eから試験液を吸い出す

0014

図11に秤量容器ホルダーの一実施例を示す。左図は、秤量容器20fを秤量容器ホルダーに装着した状態を示す。この実施例の秤量容器ホルダーは、上下に秤量容器20fを挟む支え板(120,121)があり、4本の支柱122で上下の支え板(120,121)が連結し、下の支え板121が秤量皿29aに固定され、正面に開閉が可能なゲート125があり、ゲート125の開閉で秤量容器20fの出し入れが簡単な構造になっている。上の支え板120には、注入ノズルと吸引ノズルの挿入に備えるためのU字型の切込みがあり、さらに、秤量容器20fを秤量容器ホルダーに装着する際、位置決めのために、秤量容器蓋に付いている位置決めネジ74bを装入するための溝123が設けられている。右図が示すように、下の支え板121にも、秤量容器20fの位置決めのために、秤量容器20fの形状に合わせた湾曲段差124が設けられている。また、右図が示すように、秤量計21eを校正するために、下の支え板121には分銅200を積載するスペースが確保されている。

0015

図12図14は、秤量容器チャンバーボックスの詳細な構造を示す。図12に示すように、秤量容器チャンバーボックス60cの中に、秤量容器20gを装着した秤量容器ホルダー127が収納され、秤量容器ホルダー127と秤量皿29bは、周りの構造と非接触である。図12図14に示すように、秤量容器チャンバーボックス(60c,e)の正面に透明で開閉が可能な扉67bが設けられ、さらに、秤量容器チャンバーボックス(60c,e)の上部に試験液溜めプール(130a,b)が設置され、正面扉67bからスライド方式で出し入れが可能な構造になっている。秤量容器20gも正面扉67bから出し入れが可能になっている。図14に示すように、この実施例では、試験液溜めプール130bは、四角の堀形状になっており、中心には秤量容器チャンバーボックスの天井から注入ノズルと吸引ノズルの挿入に備えるための開口部が設けられている。図12図13に示すように、アクチュエータ69で駆動される注入口シャッタ61fと吸引口シャッタ61eが秤量容器チャンバーボックスの天井60dに備えられ、さらに、ノズル移動中の液垂れを受けるために、両シャッタからの延長線上に液垂れ受皿68bが敷かれている。実際は、細いノズルが使われ、ノズルの移動が十分にスムーズであれば、液垂れがほとんど起こらない。また、図12図14に示すように、この実施例では、秤量容器チャンバーボックス(60c,e)の両側壁に透明な窓65bが備えられ、窓の外側に秤量容器の液位を検知するための液位センサー(66b,c)が設置されている。

0016

図15は、排液槽62cへの流路構成と流路配置を示す。バイパスバルブからのバイパス流路54cと吸引ノズルからの排液ライン57bが排液槽62cに導かれ、この両ラインから排液槽62cに試験液が排出される。取込流路と同じような流路抵抗をバイパス流路54cに形成するために、管長管径継ぎ手類、ノズル形状を含めて取込流路と同一の流路要素をバイパス流路54cに構成する。図15に示す実施例では、排液槽62cまで導かれたバイパス流路54cの先に、注入ノズルと同長同径のノズル(図15のバイパス流路ノズル58)が接続され、さらにバイパス流路ノズル58が、秤量容器の中の小容器と同一形状の小容器(図15のバイパス流路小容器140)の液面下に挿入される。そうすることによって、秤量容器に試験液を取り込む時の取込流路の流量と同一の流量をバイパス流路54cに流すことができ、バルブによる流路切換に基づいた流入時間(試験液の取込時間)の誤差低減につながる。取込流路とバイパス流路との流量を統一させるために、それぞれの流路に流量調節バルブを備え、それぞれの流量調節バルブの調節で流量を統一させる方法がある。しかし、この方法では、バルブ調節による流量の統一が難しく、作業効率も悪いという問題がある。
また、取込流路の脱泡や液温安定化のために、大きめの流量を流したり、長時間に流量を流し続けたりする必要がある場合、図15の左図が示すように、取込流路の接続先である注入ノズル55eを排液槽62cの中に下降させ、取込流路からの試験液を排液槽62cの中に排出させ、貯蔵タンクに戻すという運用上の利便性が得られる。また、図15に示すように、排液槽62cの中に敷いたメッシュ150は、排液槽62cの底面に当たって跳ね返った試験液が排液槽62cの外側まで飛び散らないようにするためのものである。

0017

図16は、一実施例として排液槽のエアブロー動作を示す。排液槽の両側壁に備えられたエアブローノズル64bは、注入ノズル55fと吸引ノズル56dを排液槽から上昇させながら、エアブローを両ノズルの外周面に吹き付け、両ノズルに付着した液滴や液膜を吹き飛ばすものである。

0018

以下は、図8図17図18−19(フローチャート)を参照しながら、校正開始から終了までの手順について、図8が示す実施例に基づいて説明を行う。図18−19のフローチャートにおいて、各ステップにSが付いた番号を振っており、以降このステップ番号を参照しながら説明を行う。始めに、S11で秤量システムを試験液取込前の待機状態にセットまたは確認する。待機状態の秤量システムでは、注入ノズルと吸入ノズルが排液槽の中へ下降、取込バルブが「閉」、バイパスバルブが「開」の状態、注入口シャッタと吸引口シャッタがともに「閉」の状態になっている。次に、S12でポンプと温調装置を起動させる。そして、S13に進んで校正流量計の許容流量範囲を確認してから、試験ラインを流れる流量を、流量計に流せる最大流量値に調節する。これは、試験ラインや流量計に残留するおそれのある気泡を排除するための作業である。S14では、校正装置操作者が十分に脱泡できたかどうかを判断して次のステップに進む。S15では、校正条件目標流量値目標温度値)を自動または手動設定入力、調節する。S16とS17で流量と温度データのトレンドを確認しながら、流量値温度値の安定を待つ。安定と判断したら、次のS18に進んで、図8に図示している各タイマー(81,82)と流量計パルスカウンター83のリセットを行い、計測開始待ちの状態にする。試験ラインに流量が流れている間、被試験流量計から流量パルス信号常時出力され、流量計パルスカウンター83へ送信されている。ここまで、試験液取込前までの準備が整い、図17の(a)に示されるような取込前の待機状態まで進んだことになる。
S19で排液槽から注入ノズルと吸引ノズルを上昇させながら、エアブローをノズルに吹き付ける。そして、上昇した注入ノズルと吸引ノズルを排液槽側から秤量容器チャンバーボックス側へ移動させ、開いた注入口シャッタから注入ノズルを秤量容器の小容器の中へ下降させる。この時、吸引ノズルが上昇した状態で待機する。次にS20へ進んで、試験液取込前に、空の秤量容器を秤量計で計量して、その秤量値を制御PC84に収録される。次にS21へ進んで、取込バルブが「閉」から「開」へ、バイパスバルブが「開」から「閉」へ、それぞれのバルブが同時に切り換える。図8に示す実施例では、切換バルブとしてエア駆動の高速開閉バルブが用いられ、バルブの開閉応答速度が同じになるように、空気の操作圧力が調節されている。取込バルブが「閉」から「開」へ、バイパスバルブが「開」から「閉」へ、両者のバルブが同時に切り換えた瞬間に、バルブの操作信号と同期をとったスタートトリガー信号(パルス信号)を図8に図示されているゲート信号発生器80に送られ、それを基にゲート信号が発生され、流入時間タイマー81に送られる。S22において、ゲート信号発生器80からのゲート信号を基に、流入時間タイマー81が計測を開始する。流量計から出力される流量パルスは、スタートトリガー信号直後のパルスからカウントされる。ゲート信号発生器80は、流入時間タイマー81用のゲート信号とは別に、スタートトリガー信号直後の流量計パルスの立ち上がりと同時に、別のゲート信号を発生させ、流量計パルスカウンター83とパルス計数時間タイマー82に送信し、それぞれの計測を開始させる。この処理は、S23である。試験液取込中の状態を示すのは、図17の(b)である。

0019

試験液を取り込んでいる間、試験液の温度と圧力データが取得され、制御PC84へ収録される。これはS24で行われる。試験液の取込中、秤量容器内の液面が上昇し、満液するかどうかを判断するのは、S25である。試験液の取込を終了させるかどうかを判断する方法として、以下の3つの条件が用意される。
一つ目は、秤量計の計量値を監視しながら、試験液の取込秤量値が目標値に達するかどうかを判断する。
二つ目は、測定された試験液の流入時間から取込量を推定できることから、流入時間が目標の取込時間に達するかどうかを判断する。
三つ目は、被試験流量計の流量パルス信号に基づいて取込開始からの流量積算値を算出し、目標の試験液取込総量に達するかどうかを判断する。
これらの3つの条件の内に、どれか一つが満たされたら、取込バルブが「開」から「閉」へ、バイパスバルブが「閉」から「開」へ、両者のバルブが同時に切り換え、試験液の取込を終了させる。これはS26である。これによって、試験液の流れは取込流路からバイパス流路へ転流される。この2回目のバルブ切換と同時に、ストップトリガー信号(パルス信号)が発生される。S27において、ストップトリガー信号を基に、ゲート信号発生器80がゲート信号をOFF立下り)にして、流入時間タイマー81の計測を停止させる。S28では、ストップトリガー直後の流量計パルスの立ち上がりに合わせて、流量計パルスカウンター83とパルス計数時間タイマー82へのゲート信号がOFFになり、それらの計測を停止させる。次に、S29へ進んで試験液を取り込んだ後の秤量容器を計量し、その秤量値を制御PC84に収録する。S30の時点では、全ての計測データが揃って、それらの計測データを基に、流量計校正値演算する。最終的に、流量計校正値として、流量計を通過する単位質量もしくは単位体積の液量について、いくつのパルスを出力するかを表すKファクタを算出する。もしくは、Kファクタの逆数であるメーターファクタ、即ち1パルス当たりいくつの質量もしくは体積の液量が流れるかを示す校正値を算出する。
次は、S31に移って試験液の排出を始める。排液の動作順序として、まず注入ノズルを秤量容器の小容器から上昇させ、注入口シャッタを閉じる。続いて、吸引口シャッタを開いて、吸引ノズルを秤量容器の中へ下降させる。次に、排液ポンプを起動させ、秤量容器から試験液を排出する。S32では、秤量計の計量値を監視しながら、秤量容器の中の全ての試験液が排出されるかどうかを判断する。この段階の状態を示すのは、図17の(c)である。全ての試験液が排出されたら、排液ポンプを停止させ、吸引ノズルを上昇させて、吸引口シャッタを閉じるのは、S33である。これで排液作業が終了する。S34では、注入ノズルと吸引ノズルを秤量容器チャンバーボックス側から排液槽側へ移動させ、排液槽の中へ下降させる。これで、図17の(a)に示す試験液取込前の状態に戻る。S35において、校正を継続する場合、S15に戻って、再びS15〜S34までのステップを実施する。全ての校正試験が終了した場合に、S36へ進み、最後にポンプと温調装置を停止させる。

0020

上記の校正試験の手順において、計測された試験液の流入時間の不確かさは、バルブ切換のタイミングエラーに依存する。本発明では、ダイバータ機能をバルブの切換機能に置き換えて、そのバルブの切換タイミングに合わせて試験液の流入時間の計測開始と計測終了を行う。従って、ダイバータと同じように、バルブタイミングエラーの確認は、ISO4185で推奨されている評価試験により行われる。試験方法についてISO4185の中で詳述されている。
本発明で提唱する切換バルブの動作原理は、ダイバータに例えると、1枚羽根式ダイバータに当たる。1枚羽根式ダイバータについて前述したように、ダイバータタイミングエラーを小さくするには、ノズルからの流速分布の対称性が重要になってくる。これと同様に、図8の実施例では、切換バルブから取込流路とバイパス流路のそれぞれに流れる流量の対称性(同一性)は、流入時間の計測誤差を小さくするために、必要不可欠な条件である。両流路で同一流量を得るには、両流路の流れ抵抗を統一する方法と両流路に流量調節バルブを用いる方法とがある。図8の実施例では、前者を採用する。また、小さいタイミングエラーを得るには、バルブの開閉速度が均一で、速いことも重要である。本実施例では、開閉の応答速度がmsオーダーのエア駆動バルブを使用し、開閉速度が同じになるように、空気の操作圧力が調節され、固定されている。さらに、バルブの内部デッドボリュームが小さく、残存気泡が抜けやすい内部構造も重要な選定条件である。実際は、切換バルブの場合、ダイバータのように、タイミングエラーの評価試験を繰り返しながら、エラー時間が小さくなるまで調整するのが難しく、取込流路とバイパス流路の流量の対称性、バルブの開閉速度の均一性、バルブの内部構造という条件の組み合わせで、バルブのタイミングエラーが決定されてしまう。

0021

実際に、図8の実施例に対するバルブ切換によるタイミングエラーの評価結果の一例は、図20である。図20横軸は流量、縦軸はタイミングエラーを表す。評価試験のタイミングエラーは、全体的に約9ms以下である。実際は、試験液の取込時間(流入時間)に対するタイミングエラーの相対誤差は、流量が大きくなるほど、取込時間が短くなるため、より顕著になり、逆に、流量が小さくなるにつれて、取込時間が長くなるため、相対的に目立たなくなる。図20の評価例では、一番大きい流量条件(1L/h)の場合、タイミングエラーが約8ms以下であり、流量が小さくなるに連れて、取込時間も長くなるので、例えば、約5分以上の取込時間に対して、タイミングエラーの相対誤差が全体的に0.003%以下となる。最終的な校正不確かさが0.1%以下の流量計校正を目指す場合、その寄与分が十分に小さいと言える。
また、図8の実施例において秤量容器からの蒸発量を評価した結果の一例は、図21の表に示す。評価方法として、秤量容器の最大容量に近い液量(この場合100mL)を秤量容器に取り込み、排液した後の秤量値変動を約1時間で監視する。排液後、秤量容器の中の空気が入れ替わり、試験液の蒸発が最も活発に発生すると考えられる。試験条件として、灯油軽油の2液種のそれぞれについて、液温を15℃、20℃、35℃の3条件下で、蒸発量が評価された。この中で、最も蒸発しやすい条件は、35℃の灯油の場合であり、1時間でその蒸発量が0.0015g発生するとの計測結果を得た。各試験条件について蒸発量の評価試験を3回繰り返して行った結果は再現性が高く、その3回繰り返し計測の平均値図20の表に示される値である。取込量10gに対して、蒸発量による相対誤差は、最も厳しい条件である灯油35℃の場合、0.015%であり、例えば、0.1%以下の流量計校正不確かさにとっては、この寄与分は無視できないが、0.1%の流量計校正不確かさを達成するには、十分に可能である。このように、図9に示されるような秤量システムは、厳しい試験条件でも、試験液の蒸発量を十分に抑制できて、微小流量条件で必要な長時間の取込校正も可能である。

実施例

0022

以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、上述した本発明の実施形態による効果は、一実施例による良好的な効果に過ぎず、本発明による効果は、上記に記載された実施形態の効果に限定されるものではない。

0023

本発明の液体用流量計校正装置によれば、従来のダイバータによる流路切換機構を2個の開閉バルブもしくは1個の3方バルブに置き換え、さらに取込流路と注入ノズルを通して試験液を秤量容器まで導くことによって、閉じた流路内で試験液の流れを切り換え、空気に触れることなく試験液を秤量容器まで到達させるので、微小流量域での校正において問題が顕著化した構造物壁面への液付着量や落下中の液蒸発量による誤差を低減し、微小流量条件で必要な長時間の取込校正も実現できるので微小流量域での高精度な校正に利用することができ、例えば、石油微小流量を測定する流量計など微小流量域流量計の校正装置として利用することができる。

0024

1貯蔵タンク
2揚水ポンプ
3オーバーフローヘッドタンク
4ヘッダー
5試験管路
6被試験流量計
7流量調節バルブ
8ノズル
10ダイバータ、転流器
11バイパス流路
12秤量タンク流路
13バイパスライン
14転流羽根、1枚目転流羽根、2枚目転流羽根
15回転軸
20 秤量タンク、秤量容器
21秤量計
22 秤量容器の取込口
23排液口
24液垂れの受け皿(排液口)
25吸引ノズル(排液用
26 流路切換機構(円錐状回転体ダイバータ)
27円錐面の開口部
28 円錐面のバイパス流路
29秤量皿
30円板状の面
31 秤量容器への開口部
32遮蔽板
33 筒状部
34当て板
35容器部
36 底とのすきま
40熱交換器
41温調装置
42圧力センサー
43温度センサー
50 取込バルブ
51バイパスバルブ
52 流路切換機構(切換バルブ)
53 取込流路
54 バイパス流路(切換バルブ)
55注入ノズル
56 吸引ノズル
57排液ライン
58 バイパス流路ノズル
59 排液ラインノズル
60 秤量容器チャンバーボックス
61シャッタ
62排液槽
63排液ポンプ
64エアブローノズル
65側壁窓
66液位センサー
67 秤量容器チャンバーボックス扉
68 液垂れ受け皿(秤量容器チャンバーボックス)
69駆動アクチュエータ
70 小容器(秤量容器内)
71 秤量容器蓋
72注入穴
73吸引穴
74位置決めネジ
75切欠
76勾配をつけた底面
77くびれ(秤量容器)
80ゲート信号発生器
81流入時間タイマー
82パルス計数時間タイマー
83流量計パルスカウンター
84 制御PC
90ガイドレール
100排出バルブ(排液用)
110恒温チャンバー
111秤量システムチャンバー
120 上の支え板
121 下の支え板
122支柱
123位置決め溝
124位置決め段差
125ゲート
126留め具
127 秤量容器ホルダー
130試験液溜めプール
140 バイパス流路小容器
150メッシュ
200 分銅

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