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技術 鋼管杭の継手構造及び連結鋼管杭

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 北濱雅司松宮弘信石濱吉郎
出願日 2016年4月6日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-076253
公開日 2017年10月12日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-186795
状態 特許登録済
技術分野 杭・地中アンカー
主要キーワード 深層側 補助治具 断面略円形状 圧縮面 鋼管強度 圧縮耐力 式継手 張耐力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月12日)のものです。
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図面 (17)

課題

機械式継手としての経済性を向上させながら、複数の鋼管杭打設作業を効率的に実施することのできる鋼管杭の継手構造及び連結鋼管杭を提供する。

解決手段

本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、複数の鋼管杭2を軸芯方向Yに連結させるためのものであり、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部3と内嵌端部5とを備える。外嵌端部3は、軸芯直交方向Xで内側に突出させて形成された外嵌山部31と、外嵌山部31より基端側Bに形成された外嵌谷部33とを有し、内嵌端部5は、軸芯直交方向Xで外側に突出させて形成された内嵌山部51と、内嵌山部51より基端側Bに形成された内嵌谷部53とを有する。外嵌谷部33は、先端側Aから基端側Bまで複数の段数の外嵌段部4が設けられる。内嵌谷部53は、先端側Aから基端側Bまで1又は複数の段数の内嵌段部6が設けられて、外嵌段部4の段数よりも内嵌段部6の段数を少ないものとする。

概要

背景

従来から、狭隘地等で複数の鋼管杭軸芯方向に連結させて打設するときに用いられて、複数の鋼管杭の連結作業を容易にして工期短縮を実現することのできる無溶接機械式継手として、例えば、特許文献1、2に開示される鋼管杭の継手構造が提案されている。

特許文献1に開示された鋼管杭の継手構造は、軸芯方向に隣接する第1と第2杭とに、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とが各別に形成される。特許文献1に開示された鋼管杭の継手構造は、外嵌端部と内嵌端部とを嵌合させた状態で、軸芯周り相対回転によって互いに係合し合う係合部と被係合部とが形成される。

特許文献2に開示された鋼管杭の継手構造は、軸芯周りの相対回転によって互いに係合し合う外嵌端部の係合凸部と内嵌端部の被係合凸部とが軸芯方向で複数箇所に形成される。外嵌端部は、先端部側に設けた係合凸部の形成箇所基端部側に設けた係合凸部の形成箇所よりも大径に形成されるとともに、内嵌端部は、先端部側に設けた被係合凸部の形成箇所で基端部側に設けた被係合凸部の形成箇所よりも小径に形成される。

概要

機械式継手としての経済性を向上させながら、複数の鋼管杭の打設作業を効率的に実施することのできる鋼管杭の継手構造及び連結鋼管杭を提供する。本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、複数の鋼管杭2を軸芯方向Yに連結させるためのものであり、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部3と内嵌端部5とを備える。外嵌端部3は、軸芯直交方向Xで内側に突出させて形成された外嵌山部31と、外嵌山部31より基端側Bに形成された外嵌谷部33とを有し、内嵌端部5は、軸芯直交方向Xで外側に突出させて形成された内嵌山部51と、内嵌山部51より基端側Bに形成された内嵌谷部53とを有する。外嵌谷部33は、先端側Aから基端側Bまで複数の段数の外嵌段部4が設けられる。内嵌谷部53は、先端側Aから基端側Bまで1又は複数の段数の内嵌段部6が設けられて、外嵌段部4の段数よりも内嵌段部6の段数を少ないものとする。

目的

本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

複数の鋼管杭軸芯方向に連結させるための鋼管杭の継手構造であって、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とを備え、前記外嵌端部は、軸芯直交方向で内側に突出させて形成された外嵌山部と、軸芯方向で前記外嵌山部より基端側に形成された外嵌谷部とを有し、前記内嵌端部は、軸芯直交方向で外側に突出させて形成された内嵌山部と、軸芯方向で前記内嵌山部より基端側に形成された内嵌谷部とを有し、前記外嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで複数の段数の外嵌段部が設けられて、前記内嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで1又は複数の段数の内嵌段部が設けられて、前記外嵌段部の段数よりも前記内嵌段部の段数を少ないものとして、前記外嵌山部及び前記内嵌山部は、前記外嵌端部に挿入された前記内嵌端部を周方向相対回転させた状態で、前記外嵌段部及び前記内嵌段部で互いに係止されることを特徴とする鋼管杭の継手構造。

請求項2

前記内嵌谷部は、前記外嵌段部の段数よりも前記内嵌段部の段数を2段以上少ないものとして、前記外嵌段部の段数と前記内嵌段部の段数との差をn段としたときに、前記外嵌谷部は、軸芯方向で最も先端側の前記外嵌段部となる第1外嵌段部での板厚が、前記第1外嵌段部で前記内嵌山部と互いに係止される前記外嵌山部の基端側での引張面の突出高さの(n−1)/2倍以上の大きさとなることを特徴とする請求項1記載の鋼管杭の継手構造。

請求項3

複数の鋼管杭が軸芯方向に連結された連結鋼管杭であって、地盤深層側から浅層側まで互いに連結されて埋め込まれる3本以上の鋼管杭と、地盤の深層側及び浅層側の各々で前記鋼管杭の連結箇所に配置される複数の継手構造とを備え、各々の前記継手構造は、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とを有して、前記外嵌端部は、軸芯直交方向で内側に突出させて形成された外嵌山部と、軸芯方向で前記外嵌山部より基端側に形成された外嵌谷部とを有し、前記内嵌端部は、軸芯直交方向で外側に突出させて形成された内嵌山部と、軸芯方向で前記内嵌山部より基端側に形成された内嵌谷部とを有し、前記外嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで複数の段数の外嵌段部が設けられて、深層側に配置される前記継手構造と浅層側に配置される前記継手構造とで、各々の前記外嵌段部の段数を互いに同一として、前記内嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで1又は複数の段数の内嵌段部が設けられて、深層側に配置される前記継手構造では、前記外嵌段部の段数よりも前記内嵌段部の段数を少ないものとして、浅層側に配置される前記継手構造では、深層側に配置される前記継手構造よりも前記内嵌段部の段数を多いものとして、前記外嵌山部及び前記内嵌山部は、前記外嵌端部に挿入された前記内嵌端部を周方向に相対回転させた状態で、各々の前記外嵌段部及び前記内嵌段部で互いに係止されることを特徴とする連結鋼管杭。

技術分野

0001

本発明は、複数の鋼管杭軸芯方向に連結させるための鋼管杭の継手構造、及び、複数の鋼管杭が軸芯方向に連結された連結鋼管杭に関する。

背景技術

0002

従来から、狭隘地等で複数の鋼管杭を軸芯方向に連結させて打設するときに用いられて、複数の鋼管杭の連結作業を容易にして工期短縮を実現することのできる無溶接機械式継手として、例えば、特許文献1、2に開示される鋼管杭の継手構造が提案されている。

0003

特許文献1に開示された鋼管杭の継手構造は、軸芯方向に隣接する第1と第2杭とに、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とが各別に形成される。特許文献1に開示された鋼管杭の継手構造は、外嵌端部と内嵌端部とを嵌合させた状態で、軸芯周り相対回転によって互いに係合し合う係合部と被係合部とが形成される。

0004

特許文献2に開示された鋼管杭の継手構造は、軸芯周りの相対回転によって互いに係合し合う外嵌端部の係合凸部と内嵌端部の被係合凸部とが軸芯方向で複数箇所に形成される。外嵌端部は、先端部側に設けた係合凸部の形成箇所基端部側に設けた係合凸部の形成箇所よりも大径に形成されるとともに、内嵌端部は、先端部側に設けた被係合凸部の形成箇所で基端部側に設けた被係合凸部の形成箇所よりも小径に形成される。

先行技術

0005

特開平11−43937号公報
特開平11−43936号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ここで、鋼管杭の継手構造は、複数の鋼管杭が連結されて打設されることで、狭隘地等の地盤内圧縮力引張力及び曲げ力が継手構造に作用する。そして、地盤内の浅層側では、鋼管杭の継手構造に大きい曲げモーメントが発生するものの、特に、地盤内の深層側では、鋼管杭の継手構造に大きい曲げモーメントが発生しないものとなる。

0007

特許文献1、2に開示された鋼管杭の継手構造は、外嵌端部での係合凸部の軸芯方向の段数が4段となるとともに、内嵌端部での被係合凸部の軸芯方向の段数が4段となるため、外嵌端部の係合凸部と内嵌端部の被係合凸部とが、互いに同一の段数で形成される。

0008

また、特許文献1、2に開示された鋼管杭の継手構造は、地盤内での深層側か浅層側かにかかわらず、係合凸部及び被係合凸部の段数が4段となることで、地盤内の深層側及び浅層側に配置される全ての継手構造で、係合凸部及び被係合凸部の段数が同一となる。

0009

このとき、特許文献1、2に開示された鋼管杭の継手構造は、地盤内の深層側で大きい曲げモーメントが発生しないにもかかわらず、全ての継手構造で係合凸部及び被係合凸部の段数が同一となる。このため、特許文献1、2に開示された鋼管杭の継手構造は、特に、地盤内で大きい曲げモーメントが発生しない深層側に配置される継手構造に無駄な部分が多くなり、機械式継手としての経済性が低下するという問題点があった。

0010

そして、仮に、機械式継手としての経済性が低下させないために、浅層側に配置される継手構造よりも深層側に配置される継手構造で、各々の係合凸部及び被係合凸部の段数をともに少なくすることが考えられる。しかし、従来の鋼管杭の継手構造は、係合凸部及び被係合凸部の段数をともに少なくした場合には、深層側に配置される継手構造と、浅層側に配置される継手構造とで、互いの形状が異なるものとなる。

0011

このとき、従来の鋼管杭の継手構造は、深層側及び浅層側の各々で互いの形状が異なることで、地盤内の浅層側と深層側とで、鋼管杭の打設時に継手構造に取り付けられる打設補助治具の形状を異ならせる必要が生じる。このため、従来の鋼管杭の継手構造は、複数種類の打設補助治具を地盤内の深度に応じて使い分ける必要が生じることから、鋼管杭の打設作業に煩雑さが伴うという問題点があった。

0012

そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、機械式継手としての経済性を向上させるとともに、複数の鋼管杭の打設作業を効率的に実施することのできる鋼管杭の継手構造及び連結鋼管杭を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

第1発明に係る鋼管杭の継手構造は、複数の鋼管杭を軸芯方向に連結させるための鋼管杭の継手構造であって、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とを備え、前記外嵌端部は、軸芯直交方向で内側に突出させて形成された外嵌山部と、軸芯方向で前記外嵌山部より基端側に形成された外嵌谷部とを有し、前記内嵌端部は、軸芯直交方向で外側に突出させて形成された内嵌山部と、軸芯方向で前記内嵌山部より基端側に形成された内嵌谷部とを有し、前記外嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで複数の段数の外嵌段部が設けられて、前記内嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで1又は複数の段数の内嵌段部が設けられて、前記外嵌段部の段数よりも前記内嵌段部の段数を少ないものとして、前記外嵌山部及び前記内嵌山部は、前記外嵌端部に挿入された前記内嵌端部を周方向に相対回転させた状態で、前記外嵌段部及び前記内嵌段部で互いに係止されることを特徴とする。

0014

第2発明に係る鋼管杭の継手構造は、第1発明において、前記内嵌谷部は、前記外嵌段部の段数よりも前記内嵌段部の段数を2段以上少ないものとして、前記外嵌段部の段数と前記内嵌段部の段数との差をn段としたときに、前記外嵌谷部は、軸芯方向で最も先端側の前記外嵌段部となる第1外嵌段部での板厚が、前記第1外嵌段部で前記内嵌山部と互いに係止される前記外嵌山部の基端側での引張面の突出高さの(n−1)/2倍以上の大きさとなることを特徴とする。

0015

第3発明に係る連結鋼管杭は、複数の鋼管杭が軸芯方向に連結された連結鋼管杭であって、地盤の深層側から浅層側まで互いに連結されて埋め込まれる3本以上の鋼管杭と、地盤の深層側及び浅層側の各々で前記鋼管杭の連結箇所に配置される複数の継手構造とを備え、各々の前記継手構造は、互いに嵌合自在な一対の外嵌端部と内嵌端部とを有して、前記外嵌端部は、軸芯直交方向で内側に突出させて形成された外嵌山部と、軸芯方向で前記外嵌山部より基端側に形成された外嵌谷部とを有し、前記内嵌端部は、軸芯直交方向で外側に突出させて形成された内嵌山部と、軸芯方向で前記内嵌山部より基端側に形成された内嵌谷部とを有し、前記外嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで複数の段数の外嵌段部が設けられて、深層側に配置される前記継手構造と浅層側に配置される前記継手構造とで、各々の前記外嵌段部の段数を互いに同一として、前記内嵌谷部は、軸芯方向の先端側から基端側まで1又は複数の段数の内嵌段部が設けられて、深層側に配置される前記継手構造では、前記外嵌段部の段数よりも前記内嵌段部の段数を少ないものとして、浅層側に配置される前記継手構造では、深層側に配置される前記継手構造よりも前記内嵌段部の段数を多いものとして、前記外嵌山部及び前記内嵌山部は、前記外嵌端部に挿入された前記内嵌端部を周方向に相対回転させた状態で、各々の前記外嵌段部及び前記内嵌段部で互いに係止されることを特徴とする。

発明の効果

0016

第1発明〜第3発明によれば、浅層側と比較して深層側では引張力が大きく作用しないため、外嵌段部の段数よりも内嵌段部の段数を少なくして、内嵌端部の鋼材重量及び加工費を低減させることで、機械式継手としての経済性を向上させることが可能となる。

0017

第1発明〜第3発明によれば、内嵌端部の内嵌段部については、地盤の深度に応じて段数を少なくするものの、外嵌端部の外嵌段部については、深層側か浅層側かにかかわらず同一の段数とすることで、外嵌段部と同一の段数の継手部が設けられた単一種類の打設補助治具を外嵌端部に嵌合させることができる。

0018

第1発明〜第3発明によれば、深層側に打設される鋼管杭か浅層側に打設される鋼管杭かにかかわらず、単一種類の打設補助治具を用いて各々の鋼管杭を打設できるため、複数の鋼管杭の打設作業を効率的に実施することが可能となる。また、第1発明〜第3発明によれば、地盤の深度に応じて打設補助治具を使い分ける必要がなくなり、鋼管杭の打設作業の煩雑性を解消することが可能となる。さらに、第1発明〜第3発明によれば、深層側に配置される継手構造か浅層側に配置される継手構造かで、内嵌段部の段数が外観上明らかに相違するため、地盤の深度に応じた内嵌端部の誤使用を防止することが可能となる。

0019

第1発明〜第3発明によれば、深層側か浅層側かにかかわらず圧縮力が大きく作用するものの、特に、外嵌段部の段数を少なくするものではなく、内嵌段部の段数を少なくするものであるため、内嵌端部の内嵌余長部に当接された外嵌端部の外嵌先端面を通じて圧縮力が伝達されることで、十分な圧縮耐力を確保することが可能となる。

0020

特に、第2発明によれば、外嵌段部の段数よりも内嵌段部の段数を2段以上少ないものとした場合(n≧2)に、第1外嵌段部での外嵌谷部の板厚が、外嵌山部の引張面の突出高さの(n−1)/2倍以上の大きさとなることで、深層側か浅層側かにかかわらず圧縮力が大きく作用するものの、内嵌段部の段数を2段以上少なくした「部分強」の継手構造であっても、十分な圧縮耐力を確保することが可能となる。

0021

特に、第3発明によれば、地盤の深層側では「部分強」の継手構造が用いられるものの、地盤の浅層側の継手構造では深層側の継手構造よりも内嵌段部の段数を多いものとして、「全強」等の継手構造を用いることができるため、浅層側では「全強」等の継手構造で十分な引張耐力を確保しながら、深層側では「部分強」の継手構造でも十分な引張耐力を確保して、複数の鋼管杭を経済的に連結させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0022

本発明を適用した連結鋼管杭を示す斜視図である。
本発明を適用した連結鋼管杭を示す正面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造を示す斜視図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造の外嵌端部を示す正面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造の外嵌段部を示す拡大正面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造の内嵌端部を示す正面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造の内嵌段部を示す拡大正面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造で2段の内嵌段部が形成された内嵌端部を示す拡大正面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造で3段の内嵌段部が形成された内嵌端部を示す拡大正面図である。
本発明を適用した連結鋼管杭の継手構造で4段の内嵌段部が形成された内嵌端部を示す拡大正面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造で外嵌端部に挿入される内嵌端部を示す斜視図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造で相対回転させた内嵌端部を示す斜視図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造で各々の外嵌段部及び内嵌段部の板厚を示す拡大正面図である。
(a)は、本発明を適用した鋼管杭の継手構造の外嵌先端面を示す平面図であり、(b)は、外嵌山部の圧縮面を示す平面図であり、(c)は、外嵌山部の引張面を示す平面図である。
本発明を適用した鋼管杭の継手構造で外嵌端部に嵌合される打設補助治具を示す斜視図である。
本発明を適用した連結鋼管杭で順次打設される鋼管杭を示す正面図である。

実施例

0023

以下、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7及び連結鋼管杭1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

0024

本発明を適用した連結鋼管杭1は、図1に示すように、複数の鋼管杭2が軸芯方向Yに連結されて、地滑り杭、支持杭又は摩擦杭等として地盤8内に埋め込まれる。

0025

本発明を適用した連結鋼管杭1は、地盤8の深層側αから浅層側βまで連続して互いに連結されて埋め込まれる3本以上の鋼管杭2と、地盤8の深層側α及び浅層側βの各々で鋼管杭2の連結箇所に配置される複数の継手構造7とを備える。

0026

本発明を適用した連結鋼管杭1は、例えば、4本の鋼管杭2が軸芯方向Yで互いに連結されて用いられる。各々の鋼管杭2は、断面略円形状等に形成されて、例えば、軸芯方向Yの延長Lを3m〜10m程度、軸芯直交方向Xの外径Dpを318.5mm〜1625.6mm程度、板厚tを6mm〜30mm程度とする。

0027

本発明を適用した連結鋼管杭1は、図2に示すように、地盤8の深層側αから浅層側βまで連続して、順次、第1鋼管杭21、第2鋼管杭22、第3鋼管杭23及び第4鋼管杭24が埋め込まれることで、4本の鋼管杭2が連結されて用いられる。本発明を適用した連結鋼管杭1は、地盤8の深層側αに配置される複数の鋼管杭2の連結箇所で、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7が用いられる。

0028

鋼管杭の継手構造7は、主に、狭隘地等で複数の鋼管杭2を連結させて打設するときに、複数の鋼管杭2を軸芯方向Yに連結させるための無溶接の機械式継手として用いられる。本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、例えば、図3に示すように、第1鋼管杭21と第2鋼管杭22とを互いに連結させるものとなる。

0029

鋼管杭の継手構造7は、互いに嵌合自在な外嵌端部3と内嵌端部5とを備える。鋼管杭の継手構造7は、下方の鋼管杭2の上端部に外嵌端部3が溶接等で取り付けられるとともに、上方の鋼管杭2の下端部に内嵌端部5が溶接等で取り付けられて、外嵌端部3と内嵌端部5とが軸芯方向Yで互いに対向して一対となる。

0030

ここで、鋼管杭の継手構造7は、主に、外嵌溝部32が外嵌端部3に形成されるとともに、内嵌溝部52が内嵌端部5に形成されることで、複数の外嵌山部31及び複数の内嵌山部51が、周方向Wで略同一円周上に形成されたギア式継手となる。

0031

外嵌端部3は、軸芯直交方向Xで内側に向けて突出させて形成された複数の外嵌山部31と、周方向Wで外嵌山部31に隣り合って形成された複数の外嵌溝部32と、軸芯方向Yで外嵌山部31より基端側Bに形成された複数の外嵌谷部33とを有する。外嵌端部3は、外嵌山部31と外嵌谷部33とが、軸芯方向Yで交互に隣り合って形成される。

0032

外嵌端部3は、外嵌山部31と外嵌溝部32とが周方向Wで交互に形成されて、複数の外嵌山部31が軸芯方向Y及び周方向Wで略一列に配置されるとともに、複数の外嵌溝部32が軸芯方向Y及び周方向Wで略一列に配置される。外嵌端部3は、軸芯方向Yで最も先端側Aに外嵌先端面34が形成されるとともに、下方の鋼管杭2の端部に溶接等で取り付けられる部位として、軸芯方向Yで最も基端側Bに外嵌余長部38が設けられる。

0033

内嵌端部5は、軸芯直交方向Xで外側に向けて突出させて形成された複数の内嵌山部51と、周方向Wで内嵌山部51に隣り合って形成された複数の内嵌溝部52と、軸芯方向Yで内嵌山部51より基端側Bに形成された複数の内嵌谷部53とを有する。内嵌端部5は、内嵌山部51と内嵌谷部53とが、軸芯方向Yで交互に隣り合って形成される。

0034

内嵌端部5は、内嵌山部51と内嵌溝部52とが周方向Wで交互に形成されて、複数の内嵌山部51が軸芯方向Y及び周方向Wで略一列に配置されるとともに、複数の内嵌溝部52が軸芯方向Y及び周方向Wで略一列に配置される。内嵌端部5は、軸芯方向Yで最も先端側Aに内嵌先端面54が形成されるとともに、上方の鋼管杭2の端部に溶接等で取り付けられる部位として、軸芯方向Yで最も基端側Bに内嵌余長部58が設けられる。

0035

外嵌山部31は、図4に示すように、周方向Wに隣り合った外嵌溝部32、及び、軸芯方向Yに隣り合った外嵌谷部33よりも、外嵌端部3が取り付けられた下方の鋼管杭2の軸芯方向Yの中心軸に向けて、略矩形状等に突出させて形成される。

0036

外嵌山部31は、図5に示すように、軸芯方向Yの先端側Aに隣り合った外嵌谷部33から、軸芯直交方向Xに所定の突出高さHcで突出させる。また、外嵌山部31は、軸芯方向Yの基端側Bに隣り合った外嵌谷部33から、軸芯直交方向Xに所定の突出高さHtで突出させる。そして、軸芯方向Yで最も先端側Aの外嵌山部31には、軸芯直交方向Xで所定の突出高さHlの外嵌先端面34が形成される。

0037

外嵌谷部33は、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで、例えば、軸芯方向Yで4段に亘って外嵌段部4が設けられる。外嵌谷部33は、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで複数の段数の外嵌段部4が設けられて、各々の外嵌段部4において、軸芯直交方向Xに所定の板厚で形成される。外嵌谷部33は、軸芯方向Yで最も基端側Bの外嵌段部4が、軸芯直交方向Xで所定の板厚Dの外嵌余長部38に連続させて設けられる。

0038

外嵌谷部33は、軸芯方向Yで4段に亘って外嵌段部4が設けられる場合に、軸芯方向Yで先端側Aから基端側Bまで、順次、第1外嵌段部41、第2外嵌段部42、第3外嵌段部43及び第4外嵌段部44が設けられる。このとき、外嵌谷部33は、軸芯方向Yで最も先端側Aの外嵌段部4が、第1外嵌段部41となる。

0039

内嵌山部51は、図6に示すように、周方向Wに隣り合った内嵌溝部52、及び、軸芯方向Yに隣り合った内嵌谷部53よりも、内嵌端部5が取り付けられた上方の鋼管杭2の軸芯方向Yの中心軸と反対側に向けて、略矩形状等に突出させて形成される。

0040

内嵌山部51は、図7に示すように、軸芯方向Yの先端側Aに隣り合った内嵌谷部53から、軸芯直交方向Xに所定の突出高さHcで突出させる。また、内嵌山部51は、軸芯方向Yの基端側Bに隣り合った内嵌谷部53から、軸芯直交方向Xに所定の突出高さHtで突出させる。そして、軸芯方向Yで最も先端側Aの内嵌山部51には、軸芯直交方向Xで所定の突出高さHlの内嵌先端面54が形成される。

0041

内嵌谷部53は、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで、例えば、軸芯方向Yで2段に亘って内嵌段部6が設けられる。内嵌谷部53は、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで1又は複数の段数の内嵌段部6が設けられて、各々の内嵌段部6において、軸芯直交方向Xに所定の板厚で形成される。内嵌谷部53は、軸芯方向Yで最も基端側Bの内嵌段部6が、軸芯直交方向Xで所定の板厚Dの内嵌余長部58に連続させて設けられる。

0042

内嵌谷部53は、地盤8の深層側αでは、図8図9に示すように、外嵌段部4の段数よりも内嵌段部6の段数を少ないものとする。このとき、内嵌谷部53は、外嵌段部4の段数が4段となる場合に、内嵌段部6の段数が1段〜3段となる。また、内嵌谷部53は、地盤8の浅層側βでは、必要に応じて、図10に示すように、外嵌段部4の段数と内嵌段部6の段数とを同一とすることができる。

0043

内嵌谷部53は、図8に示すように、例えば、内嵌段部6の段数が2段となる場合には、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで、順次、第1内嵌段部61及び第2内嵌段部62が設けられる。また、内嵌谷部53は、図9に示すように、例えば、内嵌段部6の段数が3段となる場合には、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで、順次、第1内嵌段部61、第2内嵌段部62及び第3内嵌段部63が設けられる。

0044

さらに、内嵌谷部53は、図10に示すように、内嵌段部6の段数が4段となる場合には、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで、順次、第1内嵌段部61、第2内嵌段部62、第3内嵌段部63及び第4内嵌段部64が設けられる。なお、内嵌谷部53は、内嵌余長部58と外嵌余長部38とで、互いの板厚が必ずしも一致しなくてもよい。

0045

鋼管杭の継手構造7では、図11図12に示すように、外嵌端部3と内嵌端部5とを互いに嵌合させることで、複数の鋼管杭2が互いに連結される。このとき、鋼管杭の継手構造7は、例えば、第2鋼管杭22と第3鋼管杭23とを、地盤8の深層側αで軸芯方向Yに連結させるものとなる。

0046

鋼管杭の継手構造7は、最初に、図11に示すように、上方の鋼管杭2の下端部に取り付けられた内嵌端部5が、下方の鋼管杭2の上端部に取り付けられた外嵌端部3に挿入される。このとき、鋼管杭の継手構造7は、外嵌山部31及び内嵌山部51の突出高さが、内嵌溝部52及び外嵌溝部32の軸芯直交方向Xの深さ以下となることで、外嵌山部31及び内嵌山部51が内嵌溝部52及び外嵌溝部32を通過する。

0047

鋼管杭の継手構造7は、次に、図12に示すように、内嵌端部5が外嵌端部3に挿入された状態で、下方の鋼管杭2と上方の鋼管杭2とを軸芯周りの周方向Wに相対回転させる。このとき、鋼管杭の継手構造7は、外嵌山部31及び内嵌山部51の突出高さが、内嵌谷部53及び外嵌谷部33の軸芯直交方向Xの深さ以下となることで、外嵌山部31及び内嵌山部51が内嵌谷部53及び外嵌谷部33に嵌め込まれるものとなる。

0048

鋼管杭の継手構造7は、外嵌山部31の軸芯方向Yの長さを、内嵌谷部53の軸芯方向Yの長さ以下とするとともに、内嵌山部51の軸芯方向Yの長さを、外嵌谷部33の軸芯方向Yの長さ以下とする。このとき、鋼管杭の継手構造7は、内嵌端部5を外嵌端部3に挿入して周方向Wに相対回転させた状態で、外嵌山部31と内嵌山部51とが軸芯方向Yで互いに係止されるものとなる。

0049

本発明を適用した連結鋼管杭1は、図8図10に示すように、地盤8の浅層側βでは、複数の鋼管杭2の連結箇所に大きい曲げモーメントが作用する。これに対して、本発明を適用した連結鋼管杭1は、地盤8の深層側αでは、複数の鋼管杭2の連結箇所に大きい曲げモーメントが作用しないものとなる。

0050

鋼管杭の継手構造7は、地盤8の深層側α及び浅層側βの各々で、外嵌山部31と内嵌山部51とが互いに係止された状態で、複数の鋼管杭2を軸芯方向Yで互いに接近させる方向に圧縮力Pcが作用する。そして、外嵌山部31及び内嵌山部51は、各々の外嵌段部4及び内嵌段部6で互いに係止されることで、各々の外嵌山部31の先端側Aが圧縮面31bとなるとともに、各々の内嵌山部51の先端側Aが圧縮面51bとなる。

0051

外嵌端部3は、内嵌山部51に係止された外嵌山部31の圧縮面31bを通じて、内嵌端部5から圧縮力Pcが伝達されると同時に、内嵌端部5は、外嵌山部31に係止された内嵌山部51の圧縮面51bを通じて、外嵌端部3から圧縮力Pcが伝達される。そして、外嵌端部3は、外嵌山部31の圧縮面31bだけでなく、内嵌余長部58に当接された外嵌先端面34を通じても、内嵌端部5から圧縮力Pcが伝達されるものとなる。

0052

鋼管杭の継手構造7は、地盤8の浅層側βで作用する大きい曲げモーメントに起因して、地盤8の深層側αよりも浅層側βで、複数の鋼管杭2を軸芯方向Yで互いに離間させる方向に大きい引張力Ptが作用する。そして、外嵌山部31及び内嵌山部51は、各々の外嵌段部4及び内嵌段部6で互いに係止されることで、各々の外嵌山部31の基端側Bが引張面31aとなるとともに、各々の内嵌山部51の基端側Bが引張面51aとなる。

0053

外嵌端部3は、内嵌山部51に係止された外嵌山部31の引張面31aを通じて、内嵌端部5から引張力Ptが伝達されると同時に、内嵌端部5は、外嵌山部31に係止された内嵌山部51の引張面51aを通じて、外嵌端部3から引張力Ptが伝達される。

0054

鋼管杭の継手構造7は、図13に示すように、外嵌谷部33及び内嵌谷部53が、各々の外嵌段部4及び内嵌段部6で、軸芯直交方向Xで所定の板厚を有するように形成される。鋼管杭の継手構造7は、第1外嵌段部41の外嵌谷部33が板厚tb1、第2外嵌段部42の外嵌谷部33が板厚tb2、第3外嵌段部43の外嵌谷部33が板厚tb3、第4外嵌段部44の外嵌谷部33が板厚tb4となる。鋼管杭の継手構造7は、軸芯方向Yに隣り合う外嵌段部4で、軸芯方向Yで基端側Bの外嵌段部4での外嵌谷部33の板厚が、軸芯方向Yで先端側Aの外嵌段部4での外嵌谷部33の板厚よりも大きいものとなる。

0055

鋼管杭の継手構造7は、例えば、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで2段に亘って内嵌段部6が設けられる場合には、第1内嵌段部61の内嵌谷部53が板厚tp1、第2内嵌段部62の内嵌谷部53が板厚tp2となる。鋼管杭の継手構造7は、軸芯方向Yに隣り合う内嵌段部6で、軸芯方向Yで基端側Bの内嵌段部6での内嵌谷部53の板厚が、軸芯方向Yで先端側Aの内嵌段部6での内嵌谷部53の板厚よりも大きいものとなる。

0056

このとき、外嵌谷部33は、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで4段に亘って外嵌段部4が設けられる場合に、第2外嵌段部42での板厚tb2が、第1外嵌段部41での板厚tb1よりも大きいものとなる。また、外嵌谷部33は、第3外嵌段部43での板厚tb3が、第2外嵌段部42での板厚tb2よりも大きくなって、第4外嵌段部44での板厚tb4が、第3外嵌段部43での板厚tb3よりも大きいものとなる。さらに、内嵌谷部53は、軸芯方向Yの先端側Aから基端側Bまで2段に亘って内嵌段部6が設けられる場合に、第2内嵌段部62での板厚tp2が、第1内嵌段部61での板厚tp1よりも大きいものとなる。

0057

鋼管杭の継手構造7は、軸芯方向Yに隣り合う外嵌段部4で、基端側Bの外嵌段部4での外嵌谷部33の板厚が、先端側Aの外嵌段部4での外嵌谷部33の板厚よりも大きくなり、また、軸芯方向Yに隣り合う内嵌段部6で、基端側Bの内嵌段部6での内嵌谷部53の板厚が、先端側Aの内嵌段部6での内嵌谷部53の板厚よりも大きくなることで、軸芯方向Yで略テーパ状のギア式継手となる(Hc>Ht、tb1<tb2<tb3<tb4)。鋼管杭の継手構造7は、これに限らず、軸芯方向Yに隣り合う外嵌段部4での外嵌谷部33の板厚が互いに略同一となり、また、軸芯方向Yに隣り合う内嵌段部6での内嵌谷部53の板厚が互いに略同一となることで、軸芯方向Yで略ストレート状のギア式継手となってもよい(Hc=Ht、tb1=tb2=tb3=tb4)。

0058

ここで、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、特に、外嵌段部4の段数N1よりも内嵌段部6の段数N2を少ないものとする。そして、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌段部4の段数N1と内嵌段部6の段数N2との差をn段として、外嵌段部4の段数N1を4段とした場合には、n=1のときに、内嵌段部6の段数N2が3段となる。

0059

また、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌段部4の段数N1よりも内嵌段部6の段数N2を2段以上少ないものとしてもよい(n≧2)。本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌段部4の段数N1を4段とした場合には、n=2のときに、内嵌段部6の段数N2が2段となって、n=3のときに、内嵌段部6の段数N2が1段となる。

0060

本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、特に、軸芯方向Yで最も先端側Aの第1外嵌段部41での外嵌谷部33の板厚tb1が、この第1外嵌段部41で内嵌山部51と互いに係止される外嵌山部31の基端側Bでの引張面31aの突出高さHtとの関係で、所定の大きさとなるものとする。そして、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、n≧2とした場合に、第1外嵌段部41での外嵌谷部33の板厚tb1が、外嵌山部31の引張面31aの突出高さHtの(n−1)/2倍以上の大きさとなることが望ましい。

0061

このとき、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、tb1≧(n−1)/2×Htとなるため、n=2とした場合には、第1外嵌段部41での外嵌谷部33の板厚tb1が、外嵌山部31の引張面31aの突出高さHtの0.5倍以上の大きさとなる。また、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、n=3とした場合に、第1外嵌段部41での外嵌谷部33の板厚tb1が、外嵌山部31の引張面31aの突出高さHtの1倍以上の大きさとなる。

0062

本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌先端面34の突出高さHlと、外嵌山部31の圧縮面31bの突出高さHcと、外嵌山部31の引張面31aの突出高さHtとの関係が、下記(1)式を満たす。また、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、各々の外嵌段部4での外嵌谷部33の板厚の関係が、下記(2)式を満たす。そして、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌先端面34の突出高さHlと、第1外嵌段部41での外嵌谷部33の板厚tb1と、外嵌山部31の引張面31aの突出高さHtとの関係が、下記(3)式を満たす。

0063

Hl>Hc≧Ht・・・(1)

0064

tb1≦tb2≦tb3≦tb4 ・・・(2)

0065

Hl=Ht+tb1 ・・・(3)

0066

本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、図14に示すように、外嵌山部31の周方向Wの幅寸法と外嵌溝部32の周方向Wの幅寸法とが、互いに略同一となる。そして、外嵌先端面34の箇所では、図14(a)に示すように、外嵌先端面34での外嵌山部31が形成された山部分34aと外嵌溝部32が形成された溝部分34bとで圧縮力Pcを負担する。また、外嵌先端面34以外の箇所では、図14(b)に示すように、外嵌山部31の圧縮面31bのみで圧縮力Pcを負担する。このため、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、圧縮力Pcに対する圧縮耐力が、外嵌先端面34の山部分34aでの突出高さHl、外嵌先端面34の溝部分34bでの板厚tb1、及び、外嵌先端面34以外の箇所での各々の外嵌山部31の圧縮面31bの突出高さHcの合計に比例して、下記(4)式に示す関係となり、下記(4)式に上記(3)式を代入すると、下記(5)式に示す関係となる。

0067

また、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌先端面34では引張力Ptを負担しないことから、図14(c)に示すように、引張力Ptに対する引張耐力が、各々の外嵌山部31の引張面31aの突出高さHtの合計に比例して、下記(6)式に示す関係となる。そして、図10に示す浅層側βで外嵌段部4の段数N1と内嵌段部6の段数N2とを同一とした場合には、引張耐力を鋼管杭2の鋼管強度以上とする必要があるため、下記(7)式に示す関係を満たすものとなる。

0068

圧縮耐力∝{Hl+tb1+Hc×(N1−n)} ・・・(4)

0069

圧縮耐力∝{Ht+2×tb1+Hc×(N1−n)} ・・・(5)

0070

引張耐力∝{Ht×(N1−n)} ・・・(6)

0071

鋼管強度∝(Ht×N1) ・・・(7)

0072

本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、地盤8の深層側αか浅層側βかにかかわらず、圧縮力Pcが大きく作用するのに対して、特に、図8図9に示す地盤8の深層側αでは、引張力Ptが大きく作用しないものとなる。このため、地盤8の深層側αでは、圧縮耐力が鋼管強度以上であれば、引張耐力が鋼管強度以下であっても問題ないものとなる。このとき、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、上記(7)式により鋼管杭2の鋼管強度∝(Ht×N1)であって、上記(1)式によりHc≧Htであることから、少なくともtb1≧(n−1)/2×Htとなることで、上記(5)式にtb1=(n−1)/2×Htを代入すると、下記(8)式に示す関係を満足して、圧縮耐力が鋼管強度以上となるため、地盤8の深層側αでも十分な圧縮耐力を確保できる。

0073

(Ht×N1)≦{Ht+(n−1)×Ht+Hc×(N1−n)} ・・・(8)

0074

本発明を適用した連結鋼管杭1は、図2に示すように、地盤8の深層側αに配置される継手構造7では、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7が用いられて、外嵌段部4の段数よりも内嵌段部6の段数を少ないものとする。また、本発明を適用した連結鋼管杭1は、地盤8の浅層側βに配置される継手構造7では、深層側αに配置される継手構造7よりも内嵌段部6の段数を多いものとする。

0075

このとき、本発明を適用した連結鋼管杭1は、例えば、深層側αでの第1鋼管杭21と第2鋼管杭22との連結箇所では、図8に示すように、外嵌段部4が4段で内嵌段部6が2段となる継手構造7が用いられる。また、本発明を適用した連結鋼管杭1は、第2鋼管杭22と第3鋼管杭23との連結箇所では、図9に示すように、外嵌段部4が4段で内嵌段部6が3段となる継手構造7が用いられる。さらに、本発明を適用した連結鋼管杭1は、浅層側βでの第3鋼管杭23と第4鋼管杭24との連結箇所では、図10に示すように、外嵌段部4が4段で内嵌段部6が4段となる継手構造7が用いられる。

0076

本発明を適用した連結鋼管杭1は、図2に示すように、地盤8の深層側αか浅層側βかにかかわらず、全ての継手構造7で外嵌段部4の段数を同一とすることで、地盤8の深層側αに配置される継手構造7と浅層側βに配置される継手構造7とで、各々の外嵌段部4の段数が互いに同一となる。このとき、浅層側βに配置される継手構造7では、外嵌段部4の段数と内嵌段部6の段数とを同一とするだけでなく、深層側αに配置される継手構造7よりも内嵌段部6の段数を多いものとしながら、外嵌段部4の段数よりも内嵌段部6の段数を少なくすることもできる。

0077

本発明を適用した連結鋼管杭1は、地盤8の深層側αから浅層側βまで複数の鋼管杭2を順次打設するときに、図15に示すように、ヤットコ等の打設補助治具80が、下方の鋼管杭2の上端部に取り付けられた外嵌端部3に嵌合される。打設補助治具80は、主に、図3に示す内嵌端部5と略同一の形状で、外嵌段部4の段数と同一の4段に亘った継手形状の継手部81が設けられて、打設補助治具80の頭部82がハンマ等で打撃される。

0078

本発明を適用した連結鋼管杭1は、各々の鋼管杭2に取り付けられた外嵌端部3の外嵌段部4に、打設補助治具80の継手部81を嵌合させてから、ハンマ等で頭部82を打撃することで、地盤8の深層側αから浅層側βまで、順次、複数の鋼管杭2が埋め込まれる。本発明を適用した連結鋼管杭1は、最初に、図16(a)に示すように、第1鋼管杭21の外嵌端部3に打設補助治具80を嵌合させて、第1鋼管杭21を地盤8に打設する。

0079

本発明を適用した連結鋼管杭1は、次に、図16(b)に示すように、第1鋼管杭21の外嵌端部3から打設補助治具80を取り外すとともに、第1鋼管杭21の外嵌端部3に第2鋼管杭22の内嵌端部5を嵌合させる。そして、第2鋼管杭22の外嵌端部3に打設補助治具80を嵌合させてから、第2鋼管杭22を地盤8に打設する。

0080

本発明を適用した連結鋼管杭1は、次に、図16(c)に示すように、第2鋼管杭22の外嵌端部3から打設補助治具80を取り外すとともに、第2鋼管杭22の外嵌端部3に第3鋼管杭23の内嵌端部5を嵌合させる。そして、第3鋼管杭23の外嵌端部3に打設補助治具80を嵌合させてから、第3鋼管杭23を地盤8に打設する。

0081

本発明を適用した連結鋼管杭1は、最後に、第3鋼管杭23の外嵌端部3から打設補助治具80を取り外すとともに、図16(d)に示すように、第3鋼管杭23の外嵌端部3に第4鋼管杭24の内嵌端部5を嵌合させる。そして、本発明を適用した連結鋼管杭1は、第4鋼管杭24を地盤8に打設して、複数の鋼管杭2が継手構造7で互いに連結された状態で、地盤8の深層側αから浅層側βまで、各々の鋼管杭2が打設されるものとなる。

0082

本発明を適用した連結鋼管杭1は、図10に示す浅層側βでは、地盤8で大きい引張力Ptが作用することから、外嵌段部4の段数と内嵌段部6の段数とを同一とした「全強」の継手構造7で十分な引張耐力を確保する必要がある。これに対して、本発明を適用した連結鋼管杭1は、特に、図8図9に示す深層側αでは、引張力Ptが大きく作用しないため、内嵌段部6の段数を少なくした「部分強」の継手構造7の引張耐力で十分となる。

0083

このとき、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、図8図10に示すように、地盤8の深度に応じて、外嵌段部4の段数よりも内嵌段部6の段数を少なくした「部分強」の継手構造7を用いることができる。これにより、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、図8図9に示す深層側αでは、図10に示す浅層側βと比較して、内嵌段部6の段数を少なくして、内嵌端部5の鋼材重量及び加工費を低減させることで、機械式継手としての経済性を向上させることが可能となる。

0084

本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、内嵌端部5の内嵌段部6については、地盤8の深度に応じて段数を少なくするものの、外嵌端部3の外嵌段部4については、深層側αか浅層側βかにかかわらず同一の段数とする。このとき、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、図16に示すように、深層側αに打設される鋼管杭2か浅層側βに打設される鋼管杭2かにかかわらず、外嵌段部4と同一の段数の継手部81が設けられた単一種類の打設補助治具80を外嵌端部3に嵌合させることができる。

0085

これにより、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、深層側αに打設される鋼管杭2か浅層側βに打設される鋼管杭2かにかかわらず、単一種類の打設補助治具80を用いて各々の鋼管杭2を打設できるため、複数の鋼管杭2の打設作業を効率的に実施することが可能となる。また、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、地盤8の深度に応じて打設補助治具80を使い分ける必要がなくなり、鋼管杭2の打設作業の煩雑性を解消することが可能となる。さらに、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、深層側αに配置される継手構造7か浅層側βに配置される継手構造7かで、内嵌段部6の段数が外観上明らかに相違するため、地盤8の深度に応じた内嵌端部5の誤使用を防止することが可能となる。

0086

本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、図13に示すように、外嵌段部4の段数よりも内嵌段部6の段数を2段以上少ないものとした場合に、第1外嵌段部41での外嵌谷部33の板厚tb1が、外嵌山部31の引張面31aの突出高さHtの(n−1)/2倍以上の大きさとなることが望ましい。このとき、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、図8図10に示すように、深層側αか浅層側βかにかかわらず圧縮力Pcが大きく作用するものの、鋼管強度以上の圧縮耐力が確保されるため、内嵌段部6の段数を2段以上少なくした「部分強」の継手構造7であっても、十分な圧縮耐力を確保することが可能となる。

0087

また、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌段部4の段数を少なくするものではなく、内嵌段部6の段数を少なくするものである。このとき、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、外嵌端部3の先端側Aの外嵌先端面34が内嵌端部5の基端側Bの内嵌余長部58に当接されるため、外嵌山部31の圧縮面31bだけでなく、内嵌余長部58に当接された外嵌先端面34を通じても、圧縮力Pcの伝達がなされるものとなる。

0088

これにより、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、地盤8の深層側αか浅層側βかにかかわらず圧縮力Pcが大きく作用するものの、特に、内嵌段部6の段数のみを少なくすることで、内嵌余長部58に当接された外嵌先端面34を通じて圧縮力Pcを伝達することができるため、十分な圧縮耐力を確保することが可能となる。

0089

本発明を適用した連結鋼管杭1は、図2に示すように、地盤8の深層側αでは「部分強」の継手構造7が用いられるものの、地盤8の浅層側βの継手構造7では深層側αの継手構造7よりも内嵌段部6の段数を多いものとして、「全強」の継手構造7を用いることもできる。これにより、本発明を適用した連結鋼管杭1は、浅層側βでは「全強」等の継手構造7で十分な引張耐力を確保しながら、深層側αでは「部分強」の継手構造7でも十分な引張耐力が確保されて、複数の鋼管杭2を経済的に連結させることが可能となる。

0090

以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。

0091

例えば、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7では、各々の鋼管杭2の端部を切削することで、各々の鋼管杭2の端部そのものに外嵌端部3又は内嵌端部5が設けられてもよい。また、本発明を適用した鋼管杭の継手構造7は、下方の鋼管杭2の上端部に内嵌端部5が取り付けられて、上方の鋼管杭2の下端部に外嵌端部3が取り付けられてもよい。

0092

1 :連結鋼管杭
2 :鋼管杭
21 :第1鋼管杭
22 :第2鋼管杭
23 :第3鋼管杭
24 :第4鋼管杭
3 :外嵌端部
31 :外嵌山部
31a :引張面
31b :圧縮面
32 :外嵌溝部
33 :外嵌谷部
34 :外嵌先端面
34a :山部分
34b :溝部分
38 :外嵌余長部
4 :外嵌段部
41 :第1外嵌段部
42 :第2外嵌段部
43 :第3外嵌段部
44 :第4外嵌段部
5 :内嵌端部
51 :内嵌山部
51a :引張面
51b :圧縮面
52 :内嵌溝部
53 :内嵌谷部
54 :内嵌先端面
58 :内嵌余長部
6 :内嵌段部
61 :第1内嵌段部
62 :第2内嵌段部
63 :第3内嵌段部
64 :第4内嵌段部
7 :鋼管杭の継手構造
A :先端側
B :基端側
8 :地盤
α :深層側
β :浅層側
80 :打設補助治具
81 :継手部
82 :頭部
W :周方向
X :軸芯直交方向
Y :軸芯方向

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