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技術 液状生物学的活性成分の固形製剤を含む非静脈内剤型およびその使用

出願人 パラディンラブスインコーポレーテッドパラディンラブス(バルバドス)インコーポレーテッドパラディンラブスヨーロッパリミテッド
発明者 ラヴネールフランソワル・ギャレックドロテーレサールダビッドゴリサンドラスミスデーモンラームニミルーサンヴィナヤック
出願日 2017年5月10日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2017-094186
公開日 2017年10月12日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-186346
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 非環式または炭素環式化合物含有医薬
主要キーワード 分間遂行 移行レベル 本試験用 追加的要素 流入率 修飾コポリマー マトリクスシステム ODT
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重要な関連分野

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図面 (9)

課題

液状生物学的活性成分を含有し、非静脈内的様態患者に対して簡便に投与できる固形製剤の提供。

解決手段

少なくとも1つの安定化剤と密に会合する液状生物学的活性成分を含み、水和の直後に、前記液状生物学的活性成分が装填されたナノ分散又はミセルを形成でき、前記安定化剤が少なくとも1つの両親媒性コポリマー又は少なくとも1つの界面活性剤を含み、両親媒性コポリマーがPVP−PDLLAである固形製剤。安定化剤が、ラウリル硫酸塩化ヘキサデシルピリジニウムポリソルベートソルビタンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)エステル及びその組み合せから選択される界面活性剤を含む固形成剤。

概要

背景

疎水性および両親媒性生物学的活性成分の身体内の所望の位置への効果的な送達を目的として安定した製剤を調製することを目的とした先行技術において、多様な方法および手順が記載されている。これらの多くの方法は、補助溶媒界面活性剤;たとえば塩および溶媒和物などの薬剤の可溶形態;プロドラッグなどの薬剤の化学的修飾形態可溶性ポリマー薬剤複合体リポソームおよびミセルなどの特殊な薬剤担体などの使用に基づいている。これらの方法および手順は、一般に静脈内投与を意図した製剤をもたらす。さらに、上記の方法および手順の多くは、毒性、乏しい捕捉性、比較的大きな粒子径、または材料または調製の方法に付随する時間と費用などの要因に関する欠点を有する。

たとえば経口剤型のための選択肢を提供することを目的として、水溶性プロドラッグの使用の研究も試みられている。しかし、プロドラッグはしばしば同じ反応のためにより高い用量を必要とし、また通常はより遅い作用の開始およびより遅いクリアランスを示し、これは迅速な薬剤の作用が必要とされる場合に欠点となることがある。プロドラッグはしばしば不安定であり、短い有効期間またはその安定性を維持するための低い保存温度をもたらす。

ポリマーおよび界面活性剤ベースのミセルおよびナノ分散は、水溶性の乏しい分子担体として大いに研究されている。ミセルは、標的部位への輸送の間に有効成分が保護されることを可能とするコアシェル構造を示す。疎水性内部コアは、一般に活性成分可溶化を目的とした微小環境として作用し、その一方で親水性外部シェルはミセルの安定性および水性安定性を担う。

ポリマーミセルは、たとえばJonesおよびLeroux, Eur. J. Pharm. Biopharm. (1999) 48, 101 111; KwonおよびOkano, Adv. Drug Deliv. Rev. (1996) 21, 107-116およびAllen他ColloidsSurf. B: Biointerf. (1999) 16, 3-27などにおいて論じられる。ポリマーミセルに関する薬剤学的研究は、それぞれAが親水性シェル部分を表しかつBが疎水性コアポリマーを表すABジブロック構造を有するコポリマーに主として集中している。ポリエチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PPO−PEO)(A−B−A)などのマルチブロックコポリマー自己組織化されてミセルとなり、かつたとえばKabanov他FEBSLett. (1989) 258, 343-345のように可能な薬剤担体として記載されている。

一般にポリ(アスパラギン酸β−ベンジル)(PBLA)、ポリ(D,L−酪酸)またはポリ(ε−カプロラクトン)などの生体分解性ポリマーからなる疎水性コアは、水溶性の乏しい薬剤のための容器として作用し、水性環境との接触からこれを保護する。コアは、疎水性薬剤の化学的コンジュゲーションによって疎水性となるポリ(アスパラギン酸)(P(Asp))、または反対に荷電した2つのポリイオン会合によって形成される(PICM)水溶性ポリマーからも構成されうる。いくつかの研究は、ポリスチレン(PSI)またはポリ(メタクリン酸メチル)(PMMA)などの生体分解性が乏しいかまたは非生体分解性のポリマーも、内部コアの構成要素として報告する。たとえばZhao他Langmuir (1990) 6, 514-516;Zhang他Science (1995) 268, 1728-1731;Inoue他J. Controlled Release (1998) 51, 221- 229およびKataoka J. Macromol. Sci. Pure Appl. Chem. (1994) A31, 1759-1769などを参照されたい。疎水性内部コアは、アルキル鎖またはジアシル脂質(例:ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンなど)といった高度に疎水性の短鎖によって構成することもできる。疎水鎖はポリマーの一方の端に結合することも、またはポリマー構造内に不規則分布することもできる。シェルは、通常はポリ(エチレンオキシド)PEO(Allen他ColloidsSurf. B: Biointerf. (1999) 16, 3-27およびKataoka他J. Controlled Release (2000) 64, 143-153を参照)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(PVP)(Benahmed A他Pharm Res (2001) 18, 323-328を参照)またはポリ(2−エチル−215オキサゾリン)(Lee他Macromolecules (1999) 32, 1847-1852を参照)などの疎水性、非生体分解性、生体適合性ポリマーからなる。

一般に、ポリマーミセルは生物学的活性成分の静脈内送達を目的として研究され、かつ一般に非静脈内投与経路を目的として意図されない。さらに、一般にポリマーミセルは固形である生物学的活性成分の送達に用いられる。しかし、たとえばプロポフォールなどの数多くの重要な生物学的活性成分が液状である。

プロポフォール(2,6−bis−(1−メチルエチルフェノールまたは2,6−ジイソプロピルフェノール)は世界で最も使用される麻酔剤の1つである。ヒトまたは動物に対する静脈内(i.v.)投与時の麻酔または鎮静の導入および維持に最も多く用いられる。

プロポフォールは水に不混和性(水溶性約0.154mg/mL)の油である;多くは1%または2%(w/w)の濃度の乳剤の形態で提供され、長時間の鎮静には2%が用いられる。現在市販されているプロポフォール水中油型乳剤ディプリバン登録商標)(アストラゼネカ製薬株式会社製)、BAXTER(登録商標)IPP(ジェンシアサイコー(Gensia Sicor)社)およびベッドフォードラボラトリー(Bedford Laboratories)より製造されるプロポフォール注である。これらはすべて静脈内投与用に製剤化される。

国際公開第06/056064号(Ravenelle他)は、ポリマーを安定化剤として含む、静脈内投与前に水に溶いて透明で安定したナノ分散または装填ミセルを形成するプロポフォールの固形製剤を報告する。しかし、非静脈内投与の言及はない。

プロポフォールは、均一な液状懸濁液として経口投与される場合、対応するプロポフォールの静脈内用量の約5%の経口バイオアベイラビリティを示すと報告されている。プロポフォールが現在静脈内点滴用注射のみによって投与されているのは、その低い経口バイオアベイラビリティおよび強い初回通過代謝のためである。プロポフォールの経口投与は治療的に有効であると考えられず、また現在入手できる製剤では不可能であった。このことは、外来治療によって利益を得る疾患または状態のように静脈内点滴が適切でないか、または静脈内点滴が可能または適切でない疾患または状態の治療を目的としたプロポフォールの有効性についての研究を妨げてきた。したがって、プロポフォールの広範な使用にもかかわらず、現在これらの状況においてはほとんど価値がない。

プロポフォールの主要な臨床的使用が麻酔である一方で、プロポフォールが頭痛(例:片頭痛または群発頭痛など)、悪心および嘔吐の治療および予防において有用であるという新たに出現したエビデンスがある。現行薬物療法が有用でない難治性の片頭痛、悪心および嘔吐を患う患者が数多くいる。しかし、プロポフォールは麻酔用静脈内注射としてのみ入手できるので、これらの条件には適さない。

プロポフォールを用いた片頭痛に対する治療の例は、以下の参照文献に開示されている:Propofol: A New Treatment Strategy for Refractory Migraine Headache, Jacqueline Drummond-LewisおよびCorey Scher, Pain Medicine, Volume 3, Number 4, 2002, 366-369;Intravenous Propofol: Unique Effectiveness in Treating Intractable Migraine, John Claude Krusc 他Headache, 2000; 40: 224-230;Intravenous Propofol in the Treatment of Refractory Headache, Headache, 2002; 41-638-641。Krusz J.C.他(Headache 2000; 40: 224-230)は、難治性片頭痛における静脈内プロポフォールの有効性について報告する。これらの治療はすべて静脈内であることが注目されるであろう。

最近の研究は、半鎮静、半催眠用量で静脈内投与する場合の嘔吐および難治性の片頭痛の治療におけるプロポフォールの有効性を証明している。嘔吐の治療においては、プロポフォールは大半の場合化学療法を受ける癌患者に対して用いられ、また通常の治療は静脈内経路によることが多い(A. Borgeat, O. H. G. Wilder-SmithおよびM. Forni, Canadian journal of anaesthesia, 40(69), 1993)。これは、通常は症状を予防することを目的とした化学療法前のプロポフォールの前投与により達成される。プロポフォールは、たとえば化学療法誘発性嘔吐(Borgeat他Oncology 1993; 50: 456-459;Scher C S他Canad. J. Anaesth. 1992; 39: 170-2)および術後嘔吐(Borgeat A.他Anaesthesia and Analgesia 1992; 74: 539-41,およびSchulman S他Anaesthesia and Analgesia 1995; 80: 636-37)の予防および治療を目的として半催眠用量(0.5〜1mg/kg/時間)で用いられている。

プロポフォールは患者の癌性疼痛の抑制に用いられており(Hooke他J Ped Oncology Nursing 2007, 24(1), 29-34)、また前臨床研究では、炎症性疼痛動物モデルにおいて局所注射したプロポフォールが抗侵害受容性効果を引き起こしている(Guindon他Anesth Analg 2007, 104, 1563-1569)。プロポフォールは、三叉神経痛(Kubota他Exp Brain Res. 2007, 179(2), 181-190;およびMizuno他Neurol Med Chir (Tokyo) 2000, 40(7), 347-50)、脊髄損傷(SCI疼痛(CanaveroおよびBonicaizi, Neurol Sci 2001, 22, 271-273;およびCanaveroおよびBonicaizi, Clin Neuropharmacol 2004, 27(4), 182-186)、および中枢性卒中後痛(CPSP)(Canavero他J Neurol 1995, 242(9), 561-567;およびCanaveroおよびBonicalzi, Pain 1998, 74(2-3), 109-114)などの中枢性疼痛の治療において有効であることも示されている。

有効性にとって十分なバイオアベイラビリティのレベルを達成することのできる疎水性または両親媒性液状生物学的活性成分の代替的な製剤に対するニーズがある。具体的には、病院内または外来環境における使用に適した経口、下、鼻腔内、肺内直腸尿道、眼、、または局所剤型などの、非静脈内剤型に対する満たされないニーズがある。重要な疎水性液状生物学的活性成分の1例はプロポフォールである。プロポフォールが難治性片頭痛、頭痛、悪心、嘔吐および疼痛を治療する上で有効であるというエビデンスがある一方で、現行の剤型は静脈内投与用のみであり、したがって外来使用には適していない。したがって、非静脈内的様態で患者に対して簡便に投与することのできる新たなプロポフォール剤型に対する満たされないニーズが残っている。

概要

液状生物学的活性成分を含有し、非静脈内的様態で患者に対して簡便に投与できる固形製剤の提供。少なくとも1つの安定化剤と密に会合する液状生物学的活性成分を含み、水和の直後に、前記液状生物学的活性成分が装填されたナノ分散又はミセルを形成でき、前記安定化剤が少なくとも1つの両親媒性コポリマー又は少なくとも1つの界面活性剤を含み、両親媒性コポリマーがPVP−PDLLAである固形製剤。安定化剤が、ラウリル硫酸塩化ヘキサデシルピリジニウムポリソルベートソルビタン、ポリ(オキシエチレンアルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)エステル及びその組み合せから選択される界面活性剤を含む固形成剤。

目的

疎水性および両親媒性生物学的活性成分の身体内の所望の位置への効果的な送達を目的として安定した製剤を調製することを目的とした

効果

実績

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請求項1

液状生物学的活性成分の非静脈内投与を目的とし、少なくとも1つの安定化剤と密に会合する前記液状生物学的活性成分を含む固形製剤であって、水和の直後に、前記液状生物学的活性成分が装填されたナノ分散またはミセルを形成することができ、前記安定化剤が少なくとも1つの両親媒性コポリマーまたは少なくとも1つの界面活性剤を含み、両親媒性コポリマーがPVP−PDLLAであることを特徴とする固形製剤。

請求項2

前記安定化剤がラウリル硫酸塩化ヘキサデシルピリジニウムポリソルベートソルビタンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)アルキルエステルおよびその組み合わせを含む群から選択される前記界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の固形製剤。

請求項3

前記液状生物学的活性成分と前記安定化剤の密な混合物が形成されるような様態で、前記安定化剤と、前記液状生物学的活性成分、そのための少なくとも1つの溶媒との混合物を乾燥することにより得られることを特徴とする、請求項1又は2に記載の固形製剤。

請求項4

最高5%、10%、15%、20%、25%、50%、60%、70%、80%若しくはそれ以上、又は、1%から80%、10%から80%、または20%から60%の薬剤装填レベル(DLL)を有することを特徴とする、請求項1から3のうちいずれか1つに記載の固形製剤。

請求項5

前記ミセルが、5nmから500nm、10nmから500nm、10nmから400nm、20nmから300nm、または20nmから200nmの直径を有することを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか1つに記載の固形製剤。

請求項6

前記ミセルが、500nm未満の直径を有することを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか1つに記載の固形製剤。

請求項7

前記液状生物学的活性成分が疎水性または両親媒性であることを特徴とする、請求項1から6のうちいずれか1つに記載の固形製剤。

請求項8

前記液状生物学的活性成分がプロポフォールキナルジンメトキシフルランニコチンフィトナジオン、メトキシフルラン、ジノプロストトロメタミンおよびメソロストール、またはそのプロドラッグまたは誘導体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の固形製剤。

請求項9

請求項1から8のうちいずれか1つに記載の固形製剤、および1つまたはそれ以上の添加剤を含む、液状生物学的活性成分の非静脈内投与を目的とした剤型

請求項10

i)前記液状生物学的活性成分が前記固形製剤中に1wt%と80wt%の間、1wt%と60wt%の間、5wt%と40wt%の間、5wt%と30wt%の間、10wt%と30wt%の間、10wt%と20wt%の間、0.1wt%と5wt%の間、1wt%と5wt%の量で存在すること; ii)前記固形製剤が前記剤型中に1wt%から99wt%、5wt%から85wt%、5wt%から60wt%、5wt%から40wt%、5wt%から30wt%、10wt%から30wt%、10wt%から20wt%の間、0.1%から5%の間、1wt%から5wt%の間、20wt%から60wt%の間の量で存在すること;及び/又は、iii)前記生物学的活性成分が前記剤型中に0.01wt%から80wt%、0.01wt%から50wt%、1wt%から20%、1wt%から15wt%、2wt%から10wt%の間、1wt%から5wt%の間、5wt%から10wt%の間、または10wt%から20wt%の間の量で存在すること、を特徴とする請求項9に記載の剤型。

請求項11

患者への投与の直後に、前記剤型が治療的効果を達成するために十分なバイオアベイラビリティを提供することを特徴とし、i)前記活性成分のバイオアベイラビリティが少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、またはそれ以上であること;ii)前記剤型が前記安定化剤の非存在下における前記生物学的活性成分の同じ投与経路と比較して少なくとも10%のバイオアベイラビリティの増加を示すこと;iii)前記剤型が少なくとも100%、110%、120%、150%、200%、500%、700%、または1000%の相対バイオアベイラビリティを示すこと;iv)前記剤型が少なくとも10%の絶対バイオアベイラビリティを示すこと;v)前記安定化剤の存在下で、前記活性成分のバイオアベイラビリティが少なくとも1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、75倍、100倍、またはそれ以上増加すること;又は、vi)前記安定化剤の存在下で、前記活性成分のバイオアベイラビリティが少なくとも1.5倍から40倍、2倍から35倍、5倍から30倍増加すること、を特徴とする請求項9又は10に記載の剤型。

請求項12

経口、下、鼻腔内、肺内直腸尿道、眼、または局所投与に適している、請求項9から11のうちいずれか1つに記載の剤型。

請求項13

経口投与又は舌下投与に適している、請求項12に記載の剤型。

請求項14

固形製剤を含む剤型が錠剤の形態にあることを特徴とする、請求項9から13のうちいずれか1つに記載の剤型。

請求項15

前記錠剤が剤型からの前記固形製剤の迅速な放出を促進する崩壊剤または崩壊マトリクスを含む速崩壊性錠剤(RDT)であることを特徴とする、請求項14に記載の剤型。

請求項16

前記崩壊マトリクスがデンプンまたはハイドロゲルであることを特徴とする、請求項15に記載の剤型。

請求項17

前記デンプンが、コントラミド(登録商標)を含む架橋高アミロースデンプンであることを特徴とする、請求項16に記載の剤型。

請求項18

前記液状生物学的活性成分を45分から24時間の時間にわたって放出する制御放出剤型である、請求項9から17のうちいずれか1つに記載の剤型。

請求項19

前記液状生物学的活性成分を少なくとも4時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間、少なくとも20時間、または少なくとも24時間の時間にわたって放出することを特徴とする、請求項18に記載の剤型。

請求項20

医薬品の製剤を目的とした、請求項9から19のうちいずれか1つに記載の剤型。

請求項21

安定化剤がPVP−PDLLAを含む、請求項1から20のうちいずれか1つに記載の剤型。

請求項22

PVP−PDLLAが、%PDLLA:34.4%、Mw=4961、Mn=4177及びPI=1.2;又は、%PDLLA:29.4%、Mw=4685、Mn=3872及びPI=1.2を有する、請求項21記載の剤型。

技術分野

0001

(関連出願の相互参照
本明細書は、その全文を参照文献として本明細書に援用する、2010年4月23日に出願された米国特許仮出願第61/327,348号明細書の優先権特典を主張する。

0002

本開示は、固形製剤が少なくとも1つの安定化剤と密に会合する液状生物学的活性成分を含むことを特徴とする、液状生物学的活性成分の固形製剤を含む非静脈剤型に関する。本開示は、さらに非静脈内剤型に属する製剤、方法、使用、キットおよび市販パッケージに関する。

背景技術

0003

疎水性および両親媒性生物学的活性成分の身体内の所望の位置への効果的な送達を目的として安定した製剤を調製することを目的とした先行技術において、多様な方法および手順が記載されている。これらの多くの方法は、補助溶媒界面活性剤;たとえば塩および溶媒和物などの薬剤の可溶形態;プロドラッグなどの薬剤の化学的修飾形態可溶性ポリマー薬剤複合体リポソームおよびミセルなどの特殊な薬剤担体などの使用に基づいている。これらの方法および手順は、一般に静脈内投与を意図した製剤をもたらす。さらに、上記の方法および手順の多くは、毒性、乏しい捕捉性、比較的大きな粒子径、または材料または調製の方法に付随する時間と費用などの要因に関する欠点を有する。

0004

たとえば経口剤型のための選択肢を提供することを目的として、水溶性プロドラッグの使用の研究も試みられている。しかし、プロドラッグはしばしば同じ反応のためにより高い用量を必要とし、また通常はより遅い作用の開始およびより遅いクリアランスを示し、これは迅速な薬剤の作用が必要とされる場合に欠点となることがある。プロドラッグはしばしば不安定であり、短い有効期間またはその安定性を維持するための低い保存温度をもたらす。

0005

ポリマーおよび界面活性剤ベースのミセルおよびナノ分散は、水溶性の乏しい分子担体として大いに研究されている。ミセルは、標的部位への輸送の間に有効成分が保護されることを可能とするコアシェル構造を示す。疎水性内部コアは、一般に活性成分可溶化を目的とした微小環境として作用し、その一方で親水性外部シェルはミセルの安定性および水性安定性を担う。

0006

ポリマーミセルは、たとえばJonesおよびLeroux, Eur. J. Pharm. Biopharm. (1999) 48, 101 111; KwonおよびOkano, Adv. Drug Deliv. Rev. (1996) 21, 107-116およびAllen他ColloidsSurf. B: Biointerf. (1999) 16, 3-27などにおいて論じられる。ポリマーミセルに関する薬剤学的研究は、それぞれAが親水性シェル部分を表しかつBが疎水性コアポリマーを表すABジブロック構造を有するコポリマーに主として集中している。ポリエチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PPO−PEO)(A−B−A)などのマルチブロックコポリマー自己組織化されてミセルとなり、かつたとえばKabanov他FEBSLett. (1989) 258, 343-345のように可能な薬剤担体として記載されている。

0007

一般にポリ(アスパラギン酸β−ベンジル)(PBLA)、ポリ(D,L−酪酸)またはポリ(ε−カプロラクトン)などの生体分解性ポリマーからなる疎水性コアは、水溶性の乏しい薬剤のための容器として作用し、水性環境との接触からこれを保護する。コアは、疎水性薬剤の化学的コンジュゲーションによって疎水性となるポリ(アスパラギン酸)(P(Asp))、または反対に荷電した2つのポリイオンの会合によって形成される(PICM)水溶性ポリマーからも構成されうる。いくつかの研究は、ポリスチレン(PSI)またはポリ(メタクリン酸メチル)(PMMA)などの生体分解性が乏しいかまたは非生体分解性のポリマーも、内部コアの構成要素として報告する。たとえばZhao他Langmuir (1990) 6, 514-516;Zhang他Science (1995) 268, 1728-1731;Inoue他J. Controlled Release (1998) 51, 221- 229およびKataoka J. Macromol. Sci. Pure Appl. Chem. (1994) A31, 1759-1769などを参照されたい。疎水性内部コアは、アルキル鎖またはジアシル脂質(例:ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンなど)といった高度に疎水性の短鎖によって構成することもできる。疎水鎖はポリマーの一方の端に結合することも、またはポリマー構造内に不規則分布することもできる。シェルは、通常はポリ(エチレンオキシド)PEO(Allen他ColloidsSurf. B: Biointerf. (1999) 16, 3-27およびKataoka他J. Controlled Release (2000) 64, 143-153を参照)、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(PVP)(Benahmed A他Pharm Res (2001) 18, 323-328を参照)またはポリ(2−エチル−215オキサゾリン)(Lee他Macromolecules (1999) 32, 1847-1852を参照)などの疎水性、非生体分解性、生体適合性ポリマーからなる。

0008

一般に、ポリマーミセルは生物学的活性成分の静脈内送達を目的として研究され、かつ一般に非静脈内投与経路を目的として意図されない。さらに、一般にポリマーミセルは固形である生物学的活性成分の送達に用いられる。しかし、たとえばプロポフォールなどの数多くの重要な生物学的活性成分が液状である。

0009

プロポフォール(2,6−bis−(1−メチルエチルフェノールまたは2,6−ジイソプロピルフェノール)は世界で最も使用される麻酔剤の1つである。ヒトまたは動物に対する静脈内(i.v.)投与時の麻酔または鎮静の導入および維持に最も多く用いられる。

0010

プロポフォールは水に不混和性(水溶性約0.154mg/mL)の油である;多くは1%または2%(w/w)の濃度の乳剤の形態で提供され、長時間の鎮静には2%が用いられる。現在市販されているプロポフォール水中油型乳剤ディプリバン登録商標)(アストラゼネカ製薬株式会社製)、BAXTER(登録商標)IPP(ジェンシアサイコー(Gensia Sicor)社)およびベッドフォードラボラトリー(Bedford Laboratories)より製造されるプロポフォール注である。これらはすべて静脈内投与用に製剤化される。

0011

国際公開第06/056064号(Ravenelle他)は、ポリマーを安定化剤として含む、静脈内投与前に水に溶いて透明で安定したナノ分散または装填ミセルを形成するプロポフォールの固形製剤を報告する。しかし、非静脈内投与の言及はない。

0012

プロポフォールは、均一な液状懸濁液として経口投与される場合、対応するプロポフォールの静脈内用量の約5%の経口バイオアベイラビリティを示すと報告されている。プロポフォールが現在静脈内点滴用注射のみによって投与されているのは、その低い経口バイオアベイラビリティおよび強い初回通過代謝のためである。プロポフォールの経口投与は治療的に有効であると考えられず、また現在入手できる製剤では不可能であった。このことは、外来治療によって利益を得る疾患または状態のように静脈内点滴が適切でないか、または静脈内点滴が可能または適切でない疾患または状態の治療を目的としたプロポフォールの有効性についての研究を妨げてきた。したがって、プロポフォールの広範な使用にもかかわらず、現在これらの状況においてはほとんど価値がない。

0013

プロポフォールの主要な臨床的使用が麻酔である一方で、プロポフォールが頭痛(例:片頭痛または群発頭痛など)、悪心および嘔吐の治療および予防において有用であるという新たに出現したエビデンスがある。現行薬物療法が有用でない難治性の片頭痛、悪心および嘔吐を患う患者が数多くいる。しかし、プロポフォールは麻酔用静脈内注射としてのみ入手できるので、これらの条件には適さない。

0014

プロポフォールを用いた片頭痛に対する治療の例は、以下の参照文献に開示されている:Propofol: A New Treatment Strategy for Refractory Migraine Headache, Jacqueline Drummond-LewisおよびCorey Scher, Pain Medicine, Volume 3, Number 4, 2002, 366-369;Intravenous Propofol: Unique Effectiveness in Treating Intractable Migraine, John Claude Krusc 他Headache, 2000; 40: 224-230;Intravenous Propofol in the Treatment of Refractory Headache, Headache, 2002; 41-638-641。Krusz J.C.他(Headache 2000; 40: 224-230)は、難治性片頭痛における静脈内プロポフォールの有効性について報告する。これらの治療はすべて静脈内であることが注目されるであろう。

0015

最近の研究は、半鎮静、半催眠用量で静脈内投与する場合の嘔吐および難治性の片頭痛の治療におけるプロポフォールの有効性を証明している。嘔吐の治療においては、プロポフォールは大半の場合化学療法を受ける癌患者に対して用いられ、また通常の治療は静脈内経路によることが多い(A. Borgeat, O. H. G. Wilder-SmithおよびM. Forni, Canadian journal of anaesthesia, 40(69), 1993)。これは、通常は症状を予防することを目的とした化学療法前のプロポフォールの前投与により達成される。プロポフォールは、たとえば化学療法誘発性嘔吐(Borgeat他Oncology 1993; 50: 456-459;Scher C S他Canad. J. Anaesth. 1992; 39: 170-2)および術後嘔吐(Borgeat A.他Anaesthesia and Analgesia 1992; 74: 539-41,およびSchulman S他Anaesthesia and Analgesia 1995; 80: 636-37)の予防および治療を目的として半催眠用量(0.5〜1mg/kg/時間)で用いられている。

0016

プロポフォールは患者の癌性疼痛の抑制に用いられており(Hooke他J Ped Oncology Nursing 2007, 24(1), 29-34)、また前臨床研究では、炎症性疼痛動物モデルにおいて局所注射したプロポフォールが抗侵害受容性効果を引き起こしている(Guindon他Anesth Analg 2007, 104, 1563-1569)。プロポフォールは、三叉神経痛(Kubota他Exp Brain Res. 2007, 179(2), 181-190;およびMizuno他Neurol Med Chir (Tokyo) 2000, 40(7), 347-50)、脊髄損傷(SCI疼痛(CanaveroおよびBonicaizi, Neurol Sci 2001, 22, 271-273;およびCanaveroおよびBonicaizi, Clin Neuropharmacol 2004, 27(4), 182-186)、および中枢性卒中後痛(CPSP)(Canavero他J Neurol 1995, 242(9), 561-567;およびCanaveroおよびBonicalzi, Pain 1998, 74(2-3), 109-114)などの中枢性疼痛の治療において有効であることも示されている。

0017

有効性にとって十分なバイオアベイラビリティのレベルを達成することのできる疎水性または両親媒性液状生物学的活性成分の代替的な製剤に対するニーズがある。具体的には、病院内または外来環境における使用に適した経口、下、鼻腔内、肺内直腸尿道、眼、、または局所剤型などの、非静脈内剤型に対する満たされないニーズがある。重要な疎水性液状生物学的活性成分の1例はプロポフォールである。プロポフォールが難治性片頭痛、頭痛、悪心、嘔吐および疼痛を治療する上で有効であるというエビデンスがある一方で、現行の剤型は静脈内投与用のみであり、したがって外来使用には適していない。したがって、非静脈内的様態で患者に対して簡便に投与することのできる新たなプロポフォール剤型に対する満たされないニーズが残っている。

発明が解決しようとする課題

0018

本開示の目的の1つは、液状生物学的活性成分を含む先行製剤の欠点の少なくとも1つを除去あるいは緩和することである。

課題を解決するための手段

0019

第1の態様においては、液状生物学的活性成分の非静脈内投与を目的とした剤型が提供される。剤型は少なくとも1つの安定化剤と密に会合する液状生物学的活性成分を含む固形製剤を含む。剤型はさらに1つまたはそれ以上の添加剤を含みうる。

0020

剤型は、水和の直後に、液状生物学的活性成分が装填されたナノ分散またはミセルを形成することができる。

0021

安定化剤は少なくとも1つの両親媒性コポリマーまたは少なくとも1つの界面活性剤を含みうる。両親媒性コポリマーは線形分岐または星形ブロックポリマーを含みうる。

0022

一部の実施形態においては、両親媒性ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(N−2−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(グリシドール)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリメタクリル酸誘導体、ポリ(ビニルピリジニウム)、ポリ(メタクリル酸(アンモニウムアルキル))、ポリ(メタクリル酸(アミノアルキル))およびその組み合わせおよび誘導体から選択される親水性セグメント;及び、ポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(アミド)、ポリ(エステルアミド)ポリ(酸無水物)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステルポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸およびその組み合わせおよび誘導体を含む群から選択される疎水性セグメントを含む。

0023

一部の実施形態においては、疎水性セグメントはポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒロドキシル−アルカン酸エステル)、ポリ(β−マレイン酸)、およびその組み合わせおよび誘導体からなる群から選択されるポリ(エステル)を含む。

0024

一部の実施形態においては、両親媒性コポリマーはPVP−PDLLAまたはPEG−PMAコポリマーである。両親媒性コポリマーは、たとえばジブロックまたはトリブロックPEG−PMAコポリマーなどを含みうる。一部の実施形態においては、PEG−PMAコポリマーは:以下の組成を有するポリマーを含みうる組成EG(20−500)−MAA(5−500)−BMA(5−500)を有するEG−MAA−BMAである:EG(45)−MAA(63)−BMA(28);EG(45)−MAA(64)−BMA(34);またはEG(45)−MAA(54)−BMA(26)。

0025

一部の実施形態においては、両親媒性コポリマーはPVP−PDLLAコポリマーである。

0026

一部の実施形態においては、安定化剤は、ラウリル硫酸塩化ヘキサデシルピリジニウム、ポリソルベートソルビタン、ポリ(オキシエチレンアルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)アルキルエステルおよびその組み合わせなどを含む界面活性剤を含む。

0027

一部の実施形態においては、剤型は、少なくとも1つの安定化剤と密接に会合した液状生物学的活性成分を含む固形製剤、および1つまたはそれ以上の添加剤より調製される。一部の実施形態においては、固形製剤は、液状生物学的活性成分および安定化剤の密な混合物が形成されるような様態で、安定化剤、液状生物学的活性成分、およびそのための少なくとも1つの溶媒の混合物を乾燥させることによって得られる。乾燥は瞬間凍結減圧乾燥(lyophilization)または凍結乾燥(freeze-drying)でありうる。一部の実施形態においては、乾燥によって粉末がもたらされ、これは噴霧乾燥または液体ベッド乾燥を包含しうる。

0028

液状生物学的活性成分が治療的に有効な量で固形製剤中にあることを特徴とする。

0029

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分は固形製剤中に約1wt%と約80wt%の間、約1wt%と約60wt%の間、約5wt%と約40wt%の間、約5wt%と約30wt%の間、約10wt%と約30wt%の間、約10wt%と約20wt%の間、約0.1wt%と5wt%の間、約1wt%と約5wt%の間の量で存在する。

0030

一部の実施形態においては、固形製剤は剤型中に約1wt%から約99wt%、約5wt%から約85wt%、約5wt%から約60wt%、5wt%から約40wt%、約5wt%から約30wt%の間、約10wt%から約30wt%の間、約10wt%から約20wt%の間、約0.1%から5%の間、約1wt%から約5wt%の間、約20wt%から約60wt%の間で存在する。

0031

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分は剤型中に約0.01wt%から約80wt%、0.01wt%から約50wt%、約1wt%から約20%、約1wt%から約15wt%、約2wt%から約10wt%の間、1wt%から約5wt%の間、約5wt%から約10wt%の間、または約10wt%から約20wt%の間の量で存在する。

0032

一部の実施形態においては、剤型は治療的有効性を達成するために十分なバイオアベイラビリティを提供する。一部の実施形態においては、活性成分のバイオアベイラビリティは少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、またはそれ以上である。一部の実施形態においては、剤型は安定化剤の非存在下における生物学的活性成分の同じ投与経路と比較して少なくとも約10%のバイオアベイラビリティの増加を示す。一部の実施形態においては、剤型は少なくとも100%、110%、120%、150%、200%、500%、700%または1000%の相対バイオアベイラビリティを示す。一部の実施形態においては、剤型は少なくとも約10%の絶対バイオアベイラビリティを示す。一部の実施形態においては、活性成分のバイオアベイラビリティは、安定化剤の存在下で少なくとも約1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、75倍、100倍、またはそれ以上増加する。一部の実施形態においては、活性成分のバイオアベイラビリティは、安定化剤の存在下で少なくとも約1.5倍から約40倍、約2倍から約35倍、約5倍から約30倍増加する。

0033

一部の実施形態においては、固形製剤は最高で約5%、10%、15%、20%、25%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上の薬剤装填レベル(DLL)を有する。一部の実施形態においては、固形製剤は約1%から約80%、約10%から約80%、または約20%から約60%の薬剤装填レベル(DLL)を有する。

0034

一部の実施形態においては、固形製剤は約5nmから500nmの間、10nmから500nm、10nmから400nm、20nmから300nm、または20nmから200nmなどの、約500nm未満の直径を有するミセルを形成する。

0035

一部の実施形態においては、安定化剤は約100mg/L未満、約50mg/L未満、約25mg/L未満、約10mg/L、または約5mg/L未満のCACを有する。一部の実施形態においては、安定化剤は約0.1mg/Lから約1000mg/L、約0.1mg/Lから約100mg/L、約0.1mg/Lから約50mg/L、約0.1から約25mg/L、約0.1から約10mg/L、または約0.1から約5mg/Lの範囲のCACを有する。

0036

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分は疎水性または両親媒性である。一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分はプロポフォール、キナルジンメトキシフルランニコチンフィトナジオン、メトキシフルラン、ジノプロストトロメタミンおよびメソロストール、またはそのプロドラッグまたは誘導体からなる群から選択される。

0037

一部の実施形態においては、剤型は経口、舌下、鼻腔内、肺内、直腸、尿道、膣、眼、耳または局所投与に適している。

0038

一部の実施形態においては、経口投与に適しており、かつ少なくとも約10%の絶対バイオアベイラビリティを示しうる。一部の実施形態においては、舌下投与に適している。

0039

一部の実施形態においては、剤型は錠剤カプレット剤、カプセル剤サッシェ剤、液剤懸濁剤、乳剤、クリーム剤ゲル剤フィルム剤ロゼンジ剤チューインガム剤、ペースト剤軟膏剤滴剤スプレー剤エアロゾル吸入剤乾燥粉末吸入剤、坐剤ペッサリー剤または浣腸剤の形態にある。

0040

一部の実施形態においては、添加剤は1つまたはそれ以上の担体、バル形成剤不凍剤凍結乾燥保護剤結合剤香味料矯味剤着色料着臭剤緩衝剤保存料希釈剤分散剤、界面活性剤、崩壊剤、または追加的な安定化剤である。

0041

一部の実施形態においては、錠剤は速崩壊性錠剤(RDT)である。一部の実施形態においては、RDTは剤型からの固形製剤の迅速な放出を促進する崩壊剤または崩壊マトリクスを含む。一部の実施形態においては、崩壊マトリクスはデンプンまたはハイドロゲルである。一部の実施形態においては、デンプンはコントラミドなどの架橋ハイアミロースデンプンである。一部の実施形態においては、RDTはさらにマンニトールトレハロースマルトデキストランなどの糖を含む。

0042

剤型は即時放出剤型、迅速放出剤型または制御放出剤型でありうる。一部の実施形態においては、剤型は制御放出剤型でありかつ制御放出持続放出であり、かつ剤型が液状生物学的活性成分を約45分から約24時間にわたって放出することを特徴とする。

0043

一部の実施形態においては、剤型は液状生物学的活性成分を少なくとも約4時間、少なくとも約8時間時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、少なくとも約20時間、または少なくとも約24時間の時間にわたって放出する。

0044

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分はプロポフォールまたはその誘導体またはプロドラッグである。一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分はプロポフォールである。一部の実施形態においては、固形製剤は約10wt%と約30wt%の間のプロポフォールを含む。一部の実施形態においては、経口投与直後のプロポフォールの絶対バイオアベイラビリティは少なくとも約10%、約15%と約165%の間、約15%と約100%の間、約15%と約80%の間、または約20%と約80%の間である。

0045

一部の実施形態においては、剤型は中枢神経系の疾患または状態の治療または予防における使用を目的としている。一部の実施形態においては、中枢神経系の状態は頭痛、嘔吐、悪心、または疼痛である。

0046

一部の実施形態においては、剤型はそれを必要とする対象において麻酔または鎮静を導入することを目的としている。一部の実施形態においては、剤型は医薬品の製造における使用を目的としている。

0047

他の態様においては、中枢神経系の疾患または状態の治療または予防を目的とした医薬品の製造における本明細書に記載される剤型の使用が提供される。

0048

他の態様においては、中枢神経系の疾患または状態の治療または予防における本明細書に記載される剤型の使用が提供される。

0049

他の態様においては、中枢神経系の疾患または状態の治療または予防を目的とした非静脈内剤型の製造における本明細書に記載される剤型の使用が提供される。

0050

他の態様においては、中枢神経系の疾患または状態の治療または予防を目的とした非静脈内剤型の製造におけるプロポフォールと少なくとも1つの両親媒性コポリマーの密な混合物を含む固形製剤の使用が提供される。

0051

他の態様においては、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛の治療または予防を目的とした非静脈内剤型の製造における使用を目的とした、プロポフォールと少なくとも1つの安定化剤の密な混合物を含む固形剤型が提供される。

0052

他の態様においては、それを必要とする対象に対し、本明細書に記載される非静脈内剤型の治療的に有効な量を投与することを含む、疾患または状態を治療する方法が提供される。一部の実施形態においては、投与経路は経口、舌下、鼻腔内、肺内、直腸、尿道、膣、眼、耳または局所投与である。一部の実施形態においては、投与経路は経口投与である。一部の実施形態においては、投与経路は舌下投与である。

0053

一部の実施形態においては、治療すべき疾患または状態は中枢神経の疾患または状態である。一部の実施形態においては、中枢神経系の疾患または状態は頭痛、悪心、嘔吐または疼痛である。一部の実施形態においては、頭痛は難治性片頭痛である。一部の実施形態においては、疼痛は神経因性疼痛である。一部の実施形態においては、神経因性疼痛は帯状疱疹後神経痛末梢ニューロパチー、三叉神経痛、腰痛疼痛性糖尿病性ニューロパチーHIV関連神経因性疼痛、癌関連疼痛、または線維筋痛症である。

0054

他の態様においては、固形製剤、および、任意に1つまたはそれ以上の添加剤を含む非静脈内剤型の治療的に有効な量をそれを必要とする対象に投与することを含む、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛を治療または予防する方法であって、固形製剤がプロポフォールと少なくとも1つの両親媒性コポリマーの密な混合物を含み、水和の直後にプロポフォールを装填したミセルが形成されることを特徴とする方法が提供される。

0055

他の態様においては、本明細書に記載される非静脈内剤型を、疾患または状態の治療または予防における使用のための1つまたはそれ以上の指示とともに含む市販パッケージまたはキットが提供される。

0056

他の態様においては、プロポフォールを含む本明細書に記載される非静脈内剤型を、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛の治療または予防における使用のための1つまたはそれ以上の指示とともに含む市販パッケージまたはキットが提供される。

0057

他の態様においては、液状生物学的活性成分の非静脈内投与を目的とした剤型の調製を目的とした方法であって:ミセルまたはナノ分散形成を達成する条件下で、少なくとも1つの溶媒内にある少なくとも1つの安定化剤の第1の混合物を提供すること、前記第1の混合物と少なくとも1つの液状生物学的活性成分を混合して前記ミセルまたはナノ分散に前記液状生物学的活性成分を装填することにより第2の混合物を提供すること、前記第2の混合物より溶媒を除去して固形製剤を形成すること;および任意に、非静脈内剤型の調製に適した1つまたはそれ以上の添加剤を加えることを含む方法が提供される。

0058

一部の実施形態においては、溶媒は乾燥によって除去される。一部の実施形態においては、乾燥は噴霧乾燥または液体ベッドにおける乾燥を包含する。一部の実施形態においては、乾燥凍結乾燥である。

0059

本開示の他の態様および特徴は、以下の具体的な実施形態の記載を付属の図面とともに検討するとき当業者に明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0060

本開示の実施形態は、これより付属の図面を参照しながら例示によってのみ記載されるであろう。

0061

図1インビトロでのミセル製剤からCaco−2単層を経たプロポフォールの移行を図示する。
ディプリバン(登録商標)IV(3.5mg/kg)、PM1a、PM1b(7mg/kg、PO)およびPM3FD(35mg/kg、PO)の雌性スプラーグドーリーラットへの投与後の薬物動態プロフィールを図示する。
ディプリバン(登録商標)IV(3.5mg/kg)、PM1a、PM1b(7mg/kg、PO)およびPM3 FD(35mg/kg、PO)の雌性スプラーグドーリーラットへの投与後の総曝露量(AUC)を図示する。
ディプリバン(登録商標)IV(7mg/kg)、PM1c(7mgkg)およびPM1c(3.5、7および14mg/kg、PO)の雌性スプラーグドーリーラットへの投与後の薬物動態プロフィールを図示する。
PM1c(3.5、7および14mg/kg、PO)の雌性スプラーグドーリーラットへの投与後の総曝露量(AUC)を図示する。
ディプリバン(登録商標)IV(7mg/kg)、およびPM2(3.5、7および14mg/kg、PO)の雌性スプラーグドーリーラットへの投与後の薬物動態プロフィールを図示する。
PM2(3.5、7および14mg/kg、PO)の雌性スプラーグドーリーラットへの投与後の総曝露量(AUC)を図示する。
ラピノベット(登録商標)IV(mg/kg)、PM3 FD(5mg/kg、PO)、およびPM5 SD(3、5および15mg/kg、PO)の雄性ゲッティゲンミニブタへの投与後の薬物動態プロフィールを図示する。

0062

本開示は、全般的に対象への非静脈内投与に適した液状生物学的活性成分の固形製剤を提供する。固形製剤は、液状生物学的活性成分と,たとえば両親媒性コポリマーまたは界面活性剤などの少なくとも1つの安定化剤の密な混合物を含む。製剤は液状生物学的活性成分のバイオアベイラビリティを改善するために用いうる。好都合なことに、固形製剤は、ヒトまたは動物に対する非静脈内投与に適した数種類の異なる剤型への液状生物学的活性成分の組み込みを可能とする。固形製剤を含む様々な剤型、方法、使用、キットおよび市販パッケージが、明細書全般にわたって用いられる以下の略語および用語の定義にしたがって本明細書に記載される。

0063

(略語)
本明細書で用いられる略語n−BMAはメタクリル酸n−ブチルを指す。

0064

本明細書で用いられる略語t−BMAはメタクリル酸t−ブチルを指す。

0065

本明細書で用いられる略語PEGMEはポリ(エチレングリコールメチルエーテルを指す。

0066

本明細書で用いられる略語THFはテトラヒドロフランを指す。

0067

本明細書で用いられる略語PPFはプロポフォールを指す。

0068

本明細書で用いられる略語PVP−PDLLAはポリビニルピロリドンポリラクチドブロックコポリマーを指す。

0069

本明細書で用いられる略語PEG−PMAはポリ(エチレングリコール)−ポリ(メタクリレート−co−メタクリル酸)ブロックコポリマーを指す。

0070

本明細書で用いられる略語DDLは薬剤装填レベルを指す。

0071

本明細書で用いられる略語SLSは静的光散乱を指す。

0072

本明細書で用いられる略語NMR核磁気共鳴を指す。

0073

本明細書で用いられる略語Mnは数平均分子量を指す。

0074

本明細書で用いられる略語Mwは重量平均分子量を指す。

0075

本明細書で用いられる略語POは経口投与を指す。

0076

本明細書で用いられる略語PIは多分散性指数を指す。

0077

本明細書で用いられる略語AUCは曲線下面積を指す。

0078

本明細書で用いられる略語TGAは熱重量測定を指す。

0079

本明細書で用いられる略語ODT口腔内崩壊錠を指す。

0080

本明細書で用いられる略語PPF−PNDSはプロポフォールポリマーナノ送達システムを指す。

0081

本明細書で用いられる略語PEGはポリエチレングリコールを指す。

0082

本明細書で用いられる略語CMC臨界ミセル濃度を指す。

0083

本明細書で用いられる略語IVは静脈内を指す。

0084

(定義)
以下の節は、本明細書全体を通じて用いられる様々な用語および表現を定義する。

0085

本明細書で用いられる用語「固形製剤」は、液状生物学的活性成分と少なくとも1つの安定化剤、さらに任意に1つまたはそれ以上の添加剤との密な混合物を形成するような様態で、液状生物学的活性成分と少なくとも1つの安定化剤の混合物を乾燥すること(例:溶媒を取り除くこと)より調製されるほぼ乾燥した固形状態の製剤を指す。

0086

本明細書で用いられる用語「安定化剤」は、たとえば両親媒性コポリマーまたは界面活性剤などの、液状生物学的活性成分を装填されたナノ分散またはミセルを適切な条件下で形成することのできる、液状生物学的活性成分の水性製剤を可能とする任意の担体または材料を指す。

0087

本明細書で用いられる用語「液状生物学的活性成分」は、約0℃から約100℃の間の温度で液状であるか(例:油など)、または液状化することのできる疎水性または両親媒性治療成分を指す。液状生物学的活性成分は、好ましくはたとえば約16℃から約25℃の間の室温で液状である。

0088

本明細書で用いられる用語「治療成分」は、たとえば疾患または状態を治療または予防することのできる成分などの、ヒトまたは動物に投与するとき治療的または健康増進的効果を有する成分を指す。治療成分の例は薬剤、プロドラッグ、ビタミンおよびサプリメントを含むが、これに限定されない。

0089

本明細書で用いられる用語「添加剤」は、ほとんど薬理学的作用を持たない賦形剤、担体、希釈剤などを指す。添加剤は、好ましくは、治療的効果を提供するのに十分な量で患者に投与されるとき無毒性でありかつ活性成分の生物学的活性破壊しない添加剤を指し、「医薬品として許容できる」。

0090

本明細書で用いられる用語「ハイドロゲル」は、たとえばポリ親炭素酸(polycarbophilic acid)などの、主として親水性ホモポリマーまたはコポリマーから構成される三次元水膨潤性構造を指す。天然ハイドロゲルと合成ハイドロゲルがある。天然ハイドロゲルの典型的な例は、アルギン酸エステルまたは多糖類を含むものである。合成ハイドロゲルの典型的な例は、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリアクリル酸(PAA)、またはポリビニルメチルエーテル(PVME)を含むものである。ヒドロキシプロピルリン酸架橋デンプンはハイドロゲルのもう1つの例である。

0091

本明細書で用いられる用語「密な混合物」または「密に会合している」は、液状生物学的活性成分の少なくとも一部が、たとえば液状生物学的活性成分を装填されたナノ分散またはミセルの形態で、安定化剤のコア(例:疎水性セグメントなど)と密に接触していることを意味する。

0092

本明細書で用いられる用語「ナノ分散」は、液状生物学的活性成分を封鎖することのできるナノ粒子の系を指す。例は、たとえばミセル、リポソーム、ナノカプセル、ナノ粒子、脂質複合体シクロデキストリン複合体ポリマーソームデンドリマーナノエマルジョンラテックスなどを含む。

0093

本明細書で用いられる用語「ミセル」は、たとえば水性環境における液状生物学的活性成分の混和性を改善することなどを目的として、生物学的成分を封鎖することのできる超分子自己集合を指す。

0094

本明細書で用いられる用語「疎水性」は、水性媒体とほぼ不混和性という意味である。

0095

本明細書で用いられる用語「親水性」は、水性媒体とほぼ混和性という意味である。

0096

本明細書で用いられる用語「両親媒性」は、少なくとも1つの疎水性セグメントおよび少なくとも1つの親水性セグメントを有することを意味する。

0097

本明細書で用いられる用語「水和」は、たとえば生体液、水、または水溶液などの水性媒体に固形製剤を部分的または完全に溶くことを指す。

0098

用語「粉末」は、高いバルク密度を有するほぼ乾燥した易流動性粒子材料を指す。噴霧乾燥粉末は、典型的には約0.05〜1.00g/cc、より典型的には約0.2〜0.5g/ccの範囲のバルク密度を有する。粉末は、好都合なことに、速崩壊性錠剤を含む錠剤、カプレット剤、カプセル剤、サッシェ剤、液剤、懸濁剤、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤、ペッサリー剤、坐剤、浣腸剤、滴剤、エアロゾルまたは乾燥粉末吸入剤などを含むがこれに限定されない多様な非静脈内剤型への組み入れに適している。

0099

用語「ケーク」は、粉末と比べて、典型的には約0.0001〜0.05g/ccの範囲の低いバルク密度を有する非流動性、非粒子材料を指す。本明細書に開示の方法によると、ケークは、たとえば瞬間凍結減圧乾燥または凍結乾燥の結果として形成されうる。

0100

本明細書で用いられる用語「ほぼ乾燥した」は、乾燥プロセスにおいて少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%の溶媒が除去されていることを示す。

0101

表現「ナノ分散またはミセル形成を達成する条件下で」は、1つまたはそれ以上の適切な溶媒に溶解すること、および任意に、加熱、冷却、加圧、混合、振盪攪拌ボルテックス、配合、ホモジナイズ超音波処理などのうちのいずれか1つまたはそれ以上を含む。

0102

本明細書で用いられる用語「剤型」は、患者に対する非経口投与に適した形態または装置において、本明細書に記載される固形製剤を、1つまたはそれ以上の添加剤とともに含む医薬組成物を指す。例は、速崩壊性錠剤を含む錠剤、カプレット剤、カプセル剤、サッシェ製剤、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ハイドロゲル剤、フィルム剤、ロゼンジ剤、チューインガム剤、ペースト剤、軟膏剤、スプレー剤、エアロゾル吸入剤、乾燥粉末吸入剤、坐剤、ペッサリー剤または浣腸剤などを含むが、これに限定されない。

0103

本明細書で用いられる用語「非静脈内」または「非静脈内投与」は、注射または点滴以外の任意の適切な投与経路を指し、具体的には、経口、舌下、鼻腔内、肺内、眼、局所、直腸、尿道および膣などの粘膜との接触を包含する投与経路を含む。投与経路は「非腸管外」であって、それゆえすべての形態の腸管外投与形態を除外しうる。

0104

用語「腸管内」は、少なくとも経口、舌下、および直腸を含む、本明細書で用いられる消化管、消化管または腸を包含する投与経路を指す。

0105

本明細書で用いられる用語「即時放出」は、固形製剤を約1秒から約30秒以内に放出する剤型を指す。固形製剤が、たとえば水和のように水性環境中に放出されると、固形製剤は生物学的活性成分が装填されたナノ分散またはミセルを形成することができる。

0106

本明細書で用いられる用語「迅速放出」は、固形製剤を約30秒から約45分以内に放出する剤型を指す。

0107

本明細書で用いられる用語「制御放出」は、たとえば時限放出、遅延放出、持続放出、pH依存性放出などの、生物学的活性成分の放出を制御することのできる数多くの剤型のうちいずれかを指す。

0108

本明細書で用いられる用語「持続放出」は、固形製剤を約45分から約24時間以内に放出する剤型を指す。

0109

本明細書で用いられる用語「治療的有効性」は、たとえば、指定の疾患または状態の症状を一時的または恒久的に緩和または消失させるか、または症状の出現を予防または遅延させる際の有効性といった、指定の疾患または状態の治療または予防における所望の治療的転帰を達成することを指す。

0110

本明細書で用いられる用語「治療」または「治療する」は、指定の疾患または状態の症状を一時的または恒久的に緩和または消失させること、もしくは症状の出現を予防または遅延させることを意味する。治療する行為は、症状を完全に消失させることを意味しないこともありうるが、治療される対象に対して軽減または改善を提供するであろう。

0111

本明細書で用いられる用語「疾患または状態」は疾患、障害、状態、病態または前述のいずれかの症状を指す。

0112

用語「対象」は、本明細書においては「患者」と互換的に用いられ、ヒトおよび動物を含む哺乳類を含む。

0113

本明細書で用いられる用語「治療的に有効な量」は、患者に投与されるとき、所望の治療的有効性を達成するのに十分な生物学的活性成分の量を指す。治療的に有効な量は、たとえば活性成分、疾患、障害、および/または疾患または障害の症状、疾患、障害、および/または疾患または障害の症状の重症度、治療すべき患者の年齢、体重、および/または健康状態、および処方する医師の判断によって異なることがある。任意の所与の例における適切な治療的に有効な量は、当業者または通常の実験法による判断のできる者が確認しうる。

0114

「用量」は、剤型の所与の単位で患者に投与される生物学的活性成分の量を指す。治療的有効性を達成するために必要な用量は、たとえば治療すべき疾患または障害、剤型および投与経路によって異なることがある。

0115

本明細書で用いられる用語「AUC」は、生物学的活性成分を患者に投与した後の、規定の時間内における患者の生体液中の生物学的活性成分の濃度を表す曲線下の面積である。生体液の例は血漿、血液、リンパ液および脳脊髄液を含む。AUCは、多様なクロマトグラフィ法などの既知の方法を用い、所与の時間にわたる血漿または血液などの生体液中の生物学的活性成分の濃度を測定し、さらにその後血漿濃度時間曲線下面積を算出することにより決定しうる。生物学的活性成分濃度−時間曲線からの適切なAUC算出方法は技術上周知である。本明細書の開示に関連した、プロポフォールについてのAUCは、プロポフォールを含む剤型の投与後に患者の生体液中のプロポフォールの濃度を測定することによって決定することができる。

0116

本明細書で用いられる「バイオアベイラビリティ」は、患者に生物学的活性成分を投与した後の、投与した生物学的活性成分の量に対する百分率としての、その患者の特定の身体コンパートメント全身循環の血液など)内の生物学的活性成分の量を指す。バイオアベイラビリティ値は、絶対バイオアベイラビリティまたは相対バイオアベイラビリティのいずれに換算しても表現しうる。静脈内投与を目的として開発された製剤を、非静脈内投与を目的として開発された製剤と比較する場合に問題となるのは、身体コンパートメント中の生物学的活性成分の絶対バイオアベイラビリティである。

0117

絶対バイオアベイラビリティは、非静脈内投与後(たとえば経口、直腸内、経皮、皮下、または舌下投与後)の全身循環中の生物学的活性成分のバイオアベイラビリティを、静脈内投与された同じ生物学的活性成分のバイオアベイラビリティと比較、すなわち;非静脈内投与後の全身循環中の生物学的活性成分によって生成されたAUCの、同じ生物学的活性成分の静脈投与によって生成された対応するAUCとの比較である。比較は、異なる用量または多様な患者の体重を考慮に入れるために用量正規化しなければならない。したがって、絶対バイオアベイラビリティは、静脈内用量によって生成された曲線下面積(AUC)で割った、非静脈内用量についての用量補正AUCである。たとえば、経口投与経路(PO)で投与された生物学的活性成分についての絶対バイオアベイラビリティFを算出するための式は:

0118

したがって、静脈内投与経路で与えられる生物学的活性成分は絶対バイオアベイラビリティ1(F=1)を有するであろうし、一方他の投与経路で与えられる生物学的活性成分は、通常1未満の絶対バイオアベイラビリティを有する。百分率で表示すれば、静脈内投与経路で与えられた生物学的活性成分は、絶対バイオアベイラビリティ100%を有し、一方他の投与経路で与えられたものは100%未満の値を有するであろう。

0119

本明細書で用いられる用語「頂端側」は、内腔に面する有極細胞形質膜の面を指す。

0120

本明細書で用いられる用語「基底外側」は基底および外面を形成する有極細胞の形質膜の面を指す。間質に面し、内腔より遠い。

0121

本明細書に開示される要素を導入する際、詞「1つの」、「1つの」、「その」および「前記」は、1つまたはそれ以上の要素があることを意味することを意図している。用語「含む」、「有する」、「含む」は制限のないことを意図し、かつ列挙された要素以外に追加的要素がありうることを意味する。

0122

本明細書に用いられる、数値または範囲とともに用いられる用語「約」は±10%の変動を指す。

0123

これより本開示の実施形態についての詳細な引用がなされる。開示された実施形態は請求項を制限することを意図していない。反対に、請求項は代替物、変更および同等物を含むことを意図している。

0124

(固形製剤)
本明細書に記載される、液状生物学的活性成分の固形製剤は、非静脈内剤型で投与するとき、インビボで治療的効果を有するために十分な血漿レベルを達成することができることが現在認められている。これまで、そのような固形製剤は、水に溶いて静脈内剤型で投与することに適しているとのみ考えられた(国際公開第2006/05064号を参照)。

0125

したがって本開示は、院内および外来環境における使用に適した有効な非静脈内剤型を提供する。重要なことに、本開示は、たとえばプロポフォールなどの、現在静脈内でのみ投与される一部のものを含む液状生物学的活性成分を、非静脈内剤型での投与に適した固形製剤に変換する手段を提供する。さらに、本明細書に記載される固形製剤は、非静脈内剤型で投与されるとき、同成分の単独での投与と比較した液状生物学的活性成分のバイオアベイラビリティを改善しうる。

0126

したがって本開示は、非静脈内剤型における使用に適した液状生物学的活性成分の固形製剤を提供する。

0127

固形製剤は、少なくとも1つの安定化剤と密に会合した液状生物学的活性成分を含む。固形製剤は、水和の直後に、液状生物学的活性成分が装填されたナノ分散またはミセルを形成することができる。

0128

固形製剤は、液状生物学的活性成分と少なくとも1つの安定化剤、さらに任意に1つまたはそれ以上の添加剤の混合物を、液状生物学的活性成分と安定化剤の密な混合物を形成するような形態で乾燥すること(例:1つまたは複数の溶媒を除去すること)によって得ることができる。

0129

一部の実施形態においては、固形製剤は混合物の凍結乾燥(例:瞬間凍結減圧乾燥)によって得られる。

0130

一部の実施形態においては、固形製剤は混合物を噴霧乾燥することまたは流動化ベッドにおいて混合物を乾燥すること(例:液体ベッド乾燥)によって得られる。固形製剤を得るこの方法は、プロセスの間は混合物の成分が液状物状態にとどまり、それゆえ液状生物学的活性成分が溶媒と混合する機会に、乾燥プロセス中の活性成分の損失の可能性が提供されるので、凍結乾燥と比較してさらなる困難を有する。しかし、本明細書に開示の方法によれば、活性成分はほとんど損失しないことが確認されている。

0131

その他の技術上周知の乾燥の形態も用いうる。

0132

一部の実施形態においては、製剤はほぼ乾燥した粉末またはケークの形態にある。

0133

粉末は、たとえば、生物学的活性成分と、少なくとも1つの安定化剤、これに適した溶媒の混合物を噴霧乾燥または液体ベッド乾燥することの結果として形成しうる。ケークは、たとえば、生物学的活性成分と、少なくとも1つの安定化剤、これに適した溶媒の混合物を瞬間凍結減圧乾燥または凍結乾燥することの結果として形成しうる。

0134

一部の実施形態においては、粉末は噴霧乾燥された粉末である。一部の実施形態においては、粉末は液体ベッド乾燥された粉末である。一部の実施形態においては、粉末は約0.05〜約1.00g/ccの範囲のバルク密度を有する。一部の実施形態においては、粉末は約0.2〜約0.5g/ccの範囲のバルク密度を有する。好都合なことに、粉末は多様な非静脈内剤型への組み入れに適している。

0135

一部の実施形態においては、製剤は「ケーク」の形態にある。一部の実施形態においては、ケークは約0.0001〜約0.05g/ccの範囲のバルク密度を有する。

0136

固形製剤は、数多くの異なる非静脈内剤型、具体的にはケークと比べてその易流動性、微粒子性性質により散剤における使用に適している。

0137

固形製剤は、生物学的活性成分単独の(例:安定化剤の非存在下の)投与と比較して、生物学的活性成分のバイオアベイラビリティを改善することができる。たとえば、実施例に示すように、水に溶いたプロポフォールを含む固形製剤の経口投与は、報告された約5〜8%の経口バイオアベイラビリティレベルと比較して、プロポフォールのバイオアベイラビリティレベルを増加させた。本明細書の実施例に示したプロポフォールの経口バイオアベイラビリティレベルは、使用した安定化剤に応じて約14%から約165%の範囲であった。14%のバイオアベイラビリティであっても、報告された数値と比較して上昇を示している。

0138

一部の実施形態においては、活性成分のバイオアベイラビリティは少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%またはそれ以上である。バイオアベイラビリティは、典型的には絶対バイオアベイラビリティとして測定される。

0139

1つの実施形態においては、液状生物学的活性成分はプロポフォールであり、かつプロポフォールのバイオアベイラビリティは、対応するプロポフォールの静脈内用量と比較して少なくとも約10%、好ましくは約15%と約165%の間、約15%と約100%の間、約15%と約80%の間、または約20%と約80%の間である。

0140

一部の実施形態においては、バイオアベイラビリティは、安定化剤の非存在下において活性成分の同じ投与経路と比較して改善または増加する。

0141

一部の実施形態においては、活性成分のバイオアベイラビリティは、少なくとも約1.5倍、2倍、3倍、5倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、75倍、100倍、250倍、500倍、1000倍、1500倍、3000倍、5000倍、7500倍、10000倍、またはそれ以上増加する。本明細書に提供する実施例においては、プロポフォールの経口バイオアベイラビリティは、報告された約5%の経口バイオアベイラビリティレベルに対し、約3倍から約33倍増加した。したがって、一部の実施形態においては、活性成分のバイオアベイラビリティは、少なくとも約1.5倍から約40倍、約2倍から約35倍、約5倍から約30倍増加する。

0142

所与の用途を目的とした所望の基準に合致する固形製剤は、当業者が容易に選択することができる。

0143

(液状生物学的活性成分)
液状生物学的活性成分は、固形製剤の形成に用いられる安定化剤と適合し、かつ適切な条件下で生物学的活性成分が装填されたナノ分散またはミセルを形成することのできる任意の液状治療成分でありうる。液状生物学的活性成分は、本明細書に開示された調製の方法と適合することが理解されるであろう。

0144

生物学的活性成分は、疎水性または両親媒性薬剤、プロドラッグ、ビタミンまたはサプリメントなどの疎水性または両親媒性分子を含む。

0145

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分はプロポフォール、キナルジン、メトキシフルラン、ニコチン、フィトナジオン、メトキシフルラン、ジノプロストトロメタミンおよびメソプロストールなどの液状薬剤である。

0146

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分はα−リノレン酸ビタミンE魚油精油、またはエキスなどの液状ビタミンまたはサプリメントである。

0147

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分は治療的に有効な量で固形製剤中に存在する。治療的に有効な量は、当業者が決定することができる。

0148

一部の実施形態においては、治療的に有効な量は、対象に投与されるとき、疾患または状態を治療または予防することのできる量である。

0149

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分は固形製剤中に約1wt%と約80wt%、約1wt%と約60wt%、約5wt%と約40wt%の間、約5wt%と約30wt%の間、約10wt%と約30wt%の間、約10wt%と約20wt%の間、約0.1wt%と5wt%の間、約1wt%と約5wt%の量で存在する。この範囲は、当業者が評価するにつれて大きく変わることがある。

0150

一部の実施形態においては、液状生物学的活性成分はプロポフォールまたはその誘導体またはプロドラッグである。プロポフォールの多様なプロドラッグ形態が技術上周知である。当業者は、本開示に適合するそれらのプロドラッグ形態を選択することができるであろう。

0151

一部の実施形態においては、治療的に有効な量は、対象に投与されるとき、疾患または状態を治療または予防することのできるプロポフォールの量である。疾患または状態は、たとえば、頭痛(例:片頭痛および/または難治性片頭痛など)、嘔吐および/または悪心(例:化学療法または手術と関連するなど)、または疼痛(例:癌、中枢性疼痛、手術痛、神経因性疼痛など)でありうる。そのような状態の治療を目的として、プロポフォールは、好ましくは中等度の鎮静または麻酔を達成するために必要とされるものよりも低い用量で投与される。

0152

神経因性疼痛が帯状疱疹後神経痛、末梢ニューロパチー、三叉神経痛、腰痛、疼痛性糖尿病性ニューロパチー、HIV関連神経因性疼痛、癌関連疼痛、または線維筋痛症から選択されることを特徴とする。

0153

一部の実施形態においては、治療的に有効なプロポフォールの量は、対象に投与されるとき、中等度の鎮静または麻酔を導入する量である。

0154

プロポフォールのその他の使用も意図される。

0155

液状生物学的活性成分は液状物として言及されているものの、当業者は、一旦乾燥固形製剤に組み入れられればもはや真の液状形態でないことを認識するであろう。

0156

(ミセル)
本明細書に記載の固形製剤は、たとえば唾液粘液または胃液といった水性体液でありうる水性液状物と接触した直後などの水和の直後にミセルまたはナノ分散を形成する特性を有する。ミセルは水和直後に迅速かつ自然に形成することが確認されており、また選択した安定化剤に応じて、たとえばpH1から12などの幅広いpHレベルの範囲にわたって形成するであろう。

0157

ミセルまたはナノ分散は、安定性への影響をほとんど伴わずに、プロポフォールまたは他の液状生物学的活性成分の高い装填レベルを達成することを可能とする。一部の実施形態においては、薬剤装填レベル(DLL)は最高約5%、10%、15%、20%、25%、50%、60%、70%、80%またはそれ以上である。一部の実施形態においては、DLLは約1%から約80%、約10%から約80%、または約20%から約60%である。

0158

ミセル形成は2つの力の結果として起こる。1つは分子の会合に至る引力であり、一方もう1つはミセルの明確な肉眼的段階への無制限な成長を妨げる斥力である。両親媒性コポリマーは、親水性または疎水性ポリマーのいずれかに対して選択的である溶媒中に配置されると自己会合する。両親媒性コポリマーのミセル形成プロセスは、低分子量界面活性剤についてのそれと類似している。非常に低い濃度においては、ポリマーは単鎖としてのみ存在する。濃度が上昇して臨界会合濃度(「CAC」)と呼ばれる臨界値に達すると、ポリマー鎖は会合を開始し、コポリマーの疎水性部分がその中でポリマーが希釈される水性媒体との接触を避けるような様態で、ミセルを形成する。

0159

通常、両親媒性コポリマーは低分子量界面活性剤のそれよりもさらに低いCACを示す。たとえば、PEO PBLAおよびPNIPA−PStのCACは5〜20mg/Lの間である。しかし、一部の両親媒性コポリマーはさらにより高いCACを示し、ポロキサマーの場合のように最高で100mg/Lから100,000mg/Lに達する。高いCACを有する両親媒性コポリマーは、水性環境中で不安定でありかつ希釈時に容易に解離するので、薬物標的デバイスとして適切となりえない。好ましいポリマーは、たとえば約1000mg/Lなどの比較的低いCACを有するものである。

0160

両親媒性コポリマーのミセル形成は、疎水鎖が親水性ポリマーと不規則に結合しているか、または親水鎖の一方の末端移植されているかによって、2つの異なる種類のミセルをもたらすことができる。不規則に修飾されたポリマーに由来するミセルは、末端修飾ポリマーよりも全般的に小さい。ミセルのサイズは、主として疎水鎖をコアに隔離する疎水力、およびそのサイズを制限する、鎖の間で排除される体積の反発によって決定される。不規則および末端修飾コポリマーにおけるこれら2つの力のバランスの違いは、そのサイズの違いを説明しうる。

0161

光散乱は、ミセルの分子量およびミセルの凝集数の測定に幅広く用いられる。

0162

CACを測定する好ましい方法は、その中でピレンが広範に用いられる蛍光プローブの使用を包含する。ピレンは、高度に疎水性かつ周囲環境極性に対して鋭敏縮合芳香族炭化水素である。CAC未満では、ピレンは極性の高い媒体である水に可溶化する。ミセルが形成されると、ピレンはミセルのコアが提供する疎水性ドメインに選択的に分配されるので、非極性環境を経験する。結果として、蛍光強度の上昇、発光スペクトル振動微細構造の変化、および励起スペクトルにおける(0,0)バンドの赤色シフトといった数多くの変化が観察される。この見かけ上のCACは、濃度に対するピレンの蛍光プロット、発光スペクトルからの比率11/13、または励起スペクトルからの比率1338/1333より得ることができる。勾配の大きな変化は、ミセル形成の開始を示す。蛍光プローブの異方性の変化も、ミセル形成の開始25と関連している。たとえば、JonesおよびLeroux Eur. J. Pharm. Biopharm. I (1999) 48, 101-111を参照されたい。

0163

一部の実施形態においては、「ナノ分散」は固形製剤の水和直後に形成される。一部の実施形態においては、ナノ分散はミセル、リポソーム、ナノカプセル、ナノ粒子、脂質複合体、シクロデキストリン複合体、ポリマーソーム、デンドリマー、ナノエマルジョン、ラテックスなどを含むか、またはこれより構成される。

0164

本明細書に記載するようなポリマーミセルは、典型的には約500nm未満のその小さなサイズによって特徴付けられる。一部の実施形態においては、形成されるミセルは約5nmから500nm、10nmから500nm、10nmから400nm、20nmから300nm、または20nmから200nmの間で形成される。

0165

ミセルのサイズは、コポリマーの分子量、親水鎖と疎水鎖の相対的な割合および凝集数などのいくつかの因子に依存する。ミセルの直径およびサイズの多分散性は動的光散乱(DLS)または当業者に周知である他の方法によって直接得ることができる。

0166

1つあるいはそれ以上の生物学的活性成分のミセルへの装填は、当業者に周知である技法に従って実現することができる。

0167

(安定化剤)
安定化剤は、適切な条件下で液状生物学的活性成分を装填されたナノ分散またはミセルを形成することができる任意の材料または担体でありうる。

0168

一部の実施形態においては、安定化剤は少なくとも1つの両親媒性コポリマーまたは少なくとも1つの界面活性剤を含む。

0169

一部の実施形態においては、安定化剤は少なくとも1つの両親媒性コポリマーを含む。両親媒性コポリマーは線形、分岐または星形ポリマーでありうる。

0170

適切なポリマーは、以下本明細書に、およびたとえば国際公開第2006/056064号、国際公開第02/100439号、国際公開第03/077882号、米国特許第6,939,564号明細書、国際公開第02/00194号、国際公開第01/87227号、米国特許第6,939,564号明細書、国際公開第02/100529号、国際公開第03/078489号、国際公開第2005/054319号、国際公開第2007/073596、および国際公開第2008/035229号などに記載されている。

0171

両親媒性コポリマーは、少なくとも1つの親水性セグメントおよび少なくとも1つの疎水性セグメントを有する。

0172

一部の実施形態においては、親水性セグメントはポリ(エチレンオキシド)、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(N−2−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(グリシドール)、ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリメタクリル酸誘導体、ポリ(ビニルピリジニウム)、ポリ(メタクリル酸(アンモニウムアルキル))、ポリ(メタクリル酸(アミノアルキル))およびその組み合わせおよび誘導体から選択され;かつ疎水性セグメントはポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(アミド)、ポリ(エステルアミド)ポリ(酸無水物)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸およびその組み合わせおよび誘導体を含む群から選択される。

0173

疎水性セグメントは、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒロドキシル−アルカン酸エステル)、ポリ(β−マレイン酸)、およびその組み合わせおよび誘導体から選択されるポリ(エステル)を含みうる。

0174

一部の実施形態においては、両親媒性コポリマーはPVP−PDLLAまたはPEG−PMAを含む。一部の実施形態においては、両親媒性コポリマーはPVP−PDLLAからなる。その他の両親媒性コポリマーまたはその組み合わせを用いることも可能である。

0175

一部の実施形態においては、コポリマーはジブロックまたはトリブロックコポリマーである。

0176

一部の実施形態においては、両親媒性コポリマーはPEG−PMAコポリマーである。

0177

一部の実施形態においては、PEG−PMAコポリマーはEG−MAA−BMAブロックコポリマーである。適切なEG−MAA−BMAブロックコポリマーは、たとえば、以下の組成を有する:EG(20−500)−MAA(5−500)−BMA(5−500)。一部の実施形態においては、EG−MAA−BMAコポリマーは以下の組成を有する:EG(35−50)−MAA(50−70)−BMA(20−40)。

0178

一部の実施形態においては、EG−MAA−BMAコポリマーは以下の構造のうち1つを有する:EG(45)−MAA(63)−BMA(28);EG(45)−MAA(64)−BMA(34);またはEG(45)−MAA(54)−BMA(26)。

0179

一部の実施形態においては、コポリマーは(PEG45−b−P(MAA50−co−nBMA25))、PEG−b−P(DMAEMA70−co−EMA30);またはPEG−b−P(EA50−co−MAA50)である。

0180

一部の実施形態においては、両親媒性コポリマーはPVP−PDLLAコポリマーである。

0181

1つの実施形態においては、コポリマーは以下の特性を有するPVP−PDLLAコポリマーである:%PDLLA:34.4%(TGAによる);Mw=4961;Mn=4177;PI=1.2(P1)。

0182

1つの実施形態においては、コポリマーは以下の特性を有するPEG−PMAコポリマーである:PEG−MAA−nBMA:45−54−26;Mw=13600(SLSによる);Mn=10709(NMRによる);PI −1.28(P3)。

0183

安定化剤は、ラウリル硫酸、塩化ヘキサデシルピリジニウム、ポリソルベート、ソルビタン、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル、ポリ(オキシエチレン)アルキルエステルおよびその組み合わせといった界面活性剤でもありうる。

0184

安定化剤は、さらに標的化部分を含みうる。標的化部分とのコンジュゲートを目的として官能基をその表面に提示するミセルは、たとえばScholz, C.他、Macromolecules (1995) 28, 7295-7297)などにすべて報告されている。

0185

一部の実施形態においては、コポリマーのCACは約0.1mg/Lから約1000mg/L、約0.1mg/Lから約100mg/L、約0.1mg/Lから約50mg/L、約0.1から約25mg/L、約0.1から約10mg/L、または約0.1から約5mg/Lの範囲にある。具体的な好ましいポリマーは、たとえば約100mg/L未満、約50mg/L未満、約25mg/L未満、約10mg/L未満、または約5mg/L未満などの低いCACを有する。CACは、たとえばバリアン蛍光光度計上でのピレン蛍光の励起シフトに対するポリマー濃度の影響を測定することなどによって測定しうる。

0186

理論に縛られることなく、本明細書に記載の製剤は、哺乳類に投与されるとき、たとえば治療的効果を達成するなどの、医学的使用の目的にとって十分なバイオアベイラビリティをもたらす装填ミセルまたはナノ分散を生成することができると考えられる。

0187

(剤型)
固形製剤は、たとえば経口、舌下、鼻腔内、肺内、直腸、尿道、膣、眼、耳または局所投与用剤型などの、非静脈内投与に適した剤型に製剤化することができる。そのような剤型は、全般的に院内または外来環境のいずれかにおける使用に適している。

0188

一部の実施形態においては、剤型は腸内投与用である。

0189

一部の実施形態においては、剤型は経口投与用である。

0190

一部の実施形態においては、剤型は舌下投与用である。

0191

一部の実施形態においては、剤型は丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤、サッシェ製剤、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、フィルム剤、ロゼンジ剤、チューインガム剤、ペースト剤、滴剤、軟膏剤、スプレー剤、エアロゾル吸入剤、乾燥粉末吸入剤、坐剤、ペッサリー剤または浣腸剤などからなる群から選択される。

0192

1つの実施形態においては、剤型は速崩壊性錠剤である。速崩壊性錠剤とは、剤型からの固形製剤の迅速な放出を促進する崩壊剤または崩壊マトリクスを含むものである。一部の実施形態においては、崩壊マトリクスはデンプンまたはハイドロゲルによって提供される。一部の実施形態においては、デンプンはコントラミド(登録商標)(ラボファーム(Labopharm)社、カナダ、ケベック)などの架橋ハイアミロースデンプンである。

0193

一部の実施形態においては、固形製剤は剤型中に約1wt%から約99wt%、約5wt%から約85wt%、約5wt%から約60wt%、5wt%から約40wt%、約5wt%から約30wt%、約10wt%から約30wt%、約10wt%から約20wt%、約0.1%から5%、約1wt%から約5wt%、約20wt%から約60wt%の量で存在する。この範囲は、当業者が評価するにつれて大きく変わることがある。

0194

一部の実施形態においては、生物学的活性成分は剤型中に約0.01wt%から約80wt%、0.01wt%から約50wt%、約1wt%から約20%、約1wt%から約15wt%、約2wt%から約10wt%の間、1wt%から約5wt%の間、約5wt%から約10wt%の間、または約10wt%から約20wt%の間の量で存在する。当業者が評価するように、この範囲は大きな程度で変わることがある。

0195

(添加剤)
剤型は、カプセルまたはサッシェなどの適切な担体内の固形製剤から構成されうる。剤型は、任意に固形製剤および1つまたはそれ以上の添加剤を含みうる。添加剤は好ましくは医薬品等級であり、かつ、たとえば担体、バルク形成剤、不凍剤、凍結乾燥保護剤、結合剤、香味料、矯味剤、着色料、着臭剤、緩衝剤、保存料、希釈剤、分散剤、界面活性剤、崩壊剤、または追加的なスタビライザーなどを含みうる。

0196

一部の実施形態においては、錠剤は剤型からの生物学的活性成分の迅速な放出を促進する崩壊剤または崩壊マトリクスを含む速崩壊性錠剤(RDT)である。一部の実施形態においては、崩壊マトリクスはデンプンまたはハイドロゲルである。一部の実施形態においては、デンプンは架橋ハイアミロースデンプンである。一部の実施形態においては、添加剤は架橋ハイアミロースデンプンなどの架橋デンプンである。一部の実施形態においては、架橋ハイアミロースデンプンはコントラミド(登録商標)(ラボファーム(Labopharm)、カナダ、ケベック)である。一部の実施形態においては、RDTはさらにマンニトール、トレハロース、マルトデキストランなどの糖を含む。

0197

他の適切な添加剤はポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、糖(乳糖、トレハロース)、多価アルコール(マンニトール)、糖質およびアミノ酸を含むが、これに限定されない。

0198

香味料は、たとえば人工甘味料などの甘味料を含みうる。人工甘味料は、たとえばアスパルテームまたはスクラロースでありうる。

0199

バルク形成剤は、たとえば、コリドン(登録商標)12PFまたは17PF(BASF)といった市販のポリ(ビニルピロリドン)などでありうる。

0200

錠剤の場合、一般的に用いられる担体は乳糖、クエン酸ナトリウム、およびリン酸塩を含む。デンプンなどの多様な崩壊剤、およびステアリン酸マグネシウムおよびタルクなどの滑沢剤も錠剤において一般的に用いられる。

0201

カプセル形態での経口投与にとって有用な希釈剤は、乳糖および高分子量ポリエチレングリコールである。所望の場合、一定の甘味料および/または香味料を添加する。

0202

眼投与を目的として、軟膏または点眼液を、アプリケーターまたは点眼瓶などの技術上周知である送達システムによって送達しうる。そのような組成物は、ヒアルロン酸コンドロイチン硫酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリビニルアルコールなどの粘液模倣物質(mucomimetics)、ソルビン酸EDTAまたは塩化ベンジルクロミウムなどの保存料、および通常の量の希釈剤および/または担体を含むことができる。それらは緩衝剤および抗酸化剤も含みうる。

0203

肺内投与を目的として、希釈剤および/または担体はエアロゾルまたは乾燥粉末吸入剤の形成を可能とするのに適しているとして選択されるであろう。

0204

坐薬剤型は、膣、尿道および直腸投与にとって有用である。そのような坐剤は、一般に室温で固形であるが体温で誘拐する物質の混合物より構成されるであろう。そのような担体を作成するために一般的に用いられる物質は、カカオ脂グリセロゼラチン硬化植物油、多様な分子量のポリエチレングリコールの混合物、およびポリエチレングリコールの脂肪酸エステルである。坐薬剤型のさらなる議論については、レミントン(Remington)の『薬剤学』第16版、マック出版(Mack Publishing)(ペンシルニアイーストン:1980年)、1530〜1533ページを参照されたい。

0205

ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤およびペースト剤は、膣、尿道、および直腸および局所投与を目的として用いることができる。

0206

一部の実施形態においては、剤型は、舌下崩壊錠剤または鼻腔または肺内吸入剤などの、生物学的活性成分の脳への送達を促進するものである。

0207

剤型は即時放出剤型、迅速放出剤型または制御放出剤型でありうる。一部の実施形態においては、剤型は制御放出剤型であり、かつ制御放出は、たとえば剤型が液状生物学的活性成分を約45分から約24時間にわたって放出することを特徴とするなどの持続放出である。一部の実施形態においては、剤型は液状生物学的活性成分を少なくとも約4時間、少なくとも約8時間時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、少なくとも約20時間、または少なくとも約24時間に渡って放出する。

0208

剤型は即時放出、迅速放出、または制御放出特性を有しうる。迅速放出型経口剤型は、摂取後約30分以内に剤型よりプロポフォールを放出する。一定の実施形態においては、本開示によって提供される経口剤型は制御放出剤型でありうる。制御送達技術は、消化管の1つまたは複数の特定領域における薬剤の吸収を改善しうる。制御薬剤送達システムは、システムが薬剤を特定の速度で送達し続けるかぎり、薬剤レベルが治療的に有効な血中濃度範囲内に一定の時間維持されるような様態で薬剤を送達するよう設計されうる。制御薬剤送達は、迅速放出剤型で認められる変動と比べて、ほぼ一定した薬剤の血中レベルを生成しうる。一部の疾患については、治療クールを通じて制御される血中または組織中のプロポフォール濃度を維持することが望ましい。迅速放出剤型は、血中レベルを所望の反応を惹起するために必要とされるレベルを上回って増加させ、これは副作用を引き起こすかまたは悪化させうる。制御薬剤送達は、最適な治療をもたらし、投与頻度を減少し、かつ副作用の発生、頻度、および/または重症度を減少しうる。制御放出剤型の例は、溶解制御システム、拡散制御システム、イオン交換樹脂浸透圧制御システム、腐食マトリクスシステム、pH非依存製剤、胃内滞留システムなどを含む。

0209

制御放出経口剤型は、たとえば酸保護、嚥下の促進、香味識別などを提供する外部コーティングをさらに含みうる。

0210

多様な制御放出型製剤が、たとえば国際公開第2004/038428号、国際公開2010/028489号、国際公開02/02084号、国際公開94/02121号、国際公開98/35992号、国際公開9/43305号などに記載されている。ほぼ同じ活性成分の放出プロフィールを維持しながら二分することのできる制御放出錠剤は、たとえば国際公開第2007/048219などに記載されている。誤用防止製剤は、たとえば国際公開第2009/076764号および国際公開第2010/069050に記載されている。

0211

使用する具体的な剤型にかかわらず、プロポフォールは、患者の血液において長時間の治療的プロポフォール濃度を提供するために十分な時間にわたり、投与された剤型より放出されうる。投与後、プロポフォールを含む剤型は、患者に剤型を投与した後少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、少なくとも約16時間、および一定の実施形態においては、少なくとも約20時間の連続した時間、患者の血液において治療的に有効な濃度のプロポフォールを提供しうる。その間プロポフォールの治療的に有効な血中濃度が維持される連続した時間は、経口投与の直後、または時間的間隔をおいて開始しうる。

0212

鼻腔内または肺内吸入または吹送による投与を目的として、製剤を水性または部分的水性液剤に製剤化することもあり、これはその後エアロゾルの形態で利用することができる。乾燥粉末吸入剤も用いうる。

0213

(方法)
1つの態様においては、本明細書に定義される固形生成物を調製するための方法であって、ミセルまたはナノ分散形成を達成するための条件下で、少なくとも1つの安定化剤および少なくとも1つの溶媒の溶液を含む第1の混合物を形成すること、前記ミセルまたはナノ分散にそれを装填するための様態で少なくとも1つの液状生物学的活性成分を前記第1の混合物に添加しかつ第2の混合物を形成すること、前記第2の混合物を処理してそれより前記溶媒を除去し、同時に前記安定化剤と密に会合した前記液状生物学的活性成分を含有するほぼ固形の生成物を形成することを含み、前記固形の生成物が水和の直後に前記の少なくとも1つの生物学的活性成分を装填されたナノ分散またはミセルを形成することができる方法が提供される。

0214

他の態様においては、液状生物学的活性成分の非静脈内投与を目的とした剤型の調製を目的とした方法であって:ミセルまたはナノ分散形成を達成する条件下で、少なくとも1つの溶媒内にある少なくとも1つの安定化剤の第1の混合物を提供すること、前記第1の混合物と少なくとも1つの液状生物学的活性成分を混合して前記ミセルまたはナノ分散に前記液状生物学的活性成分を装填することにより第2の混合物を提供すること、前記第2の混合物より溶媒を除去して固形製剤を形成すること;および任意に、非静脈内剤型の調製に適した1つまたはそれ以上の添加剤を加えることを含む方法が提供される。

0215

一部の実施形態においては、溶媒は乾燥によって除去される。一部の実施形態においては、乾燥は噴霧乾燥または液体ベッドにおける乾燥を包含する。一部の実施形態においては、乾燥凍結乾燥である。

0216

一部の実施形態においては、生物学的活性成分は、安定化剤と混合する前に、たとえば適切な液状物状態を達成するために加熱または冷却することなどによって前処理しうる。

0217

本発明による固形製剤は、たとえば、その全文を本明細書に参照文献として援用する2005年11月25日出願の米国同時特許出願第11/286,301号明細書、および米国特許第6,939,564号明細書に開示された手順のうちいずれかによって調製することができる。

0218

方法は、第1の溶液を提供するための条件下で水、または水溶液、または非水性溶液、またはその組み合わせから選択される溶媒を少なくとも1つの安定化剤と混合し、これに、プロポフォールなどの少なくとも1つの液状生物学的活性成分を添加して第2の溶液を得ることによって得られる、当業者に周知である瞬間凍結減圧乾燥、噴霧乾燥、液体ベッド乾燥などの処理に依拠する。後者は、そこで液状生物学的活性成分が密に会合し、それより1つまたは複数の溶媒がほぼすべて除去されている、固形生成物を得る条件下で、瞬間凍結減圧乾燥されるか、噴霧乾燥されるか、液体ベッドにおける溶媒の除去に付されるなどする。好ましくは、処理中は溶媒除去プロセスによって薬剤の損失がほとんどもたらされない。任意に、処理中の任意の段階で1つまたはそれ以上の添加剤を添加しうる。

0219

液状物状態にあるとき、混合物は乾燥して粉末、ケークなどを形成することを包含する上記の処理の前に濾過滅菌段階に付されることも可能である。上記の処理でもたらされる固形生成物は、保存し、容易に輸送し、かつ経口、舌下、鼻腔内、肺内、直腸、尿道、膣、眼、耳または局所投与用剤型などの、非静脈内投与用の剤型に組み入れることができる材料である。任意に、固形製剤を、非静脈内投与を目的として、液剤、懸濁剤、シロップエリキシル剤、または滴剤といった液状剤型に分散しうる。

0220

当該プロセスは、不溶性液状薬剤と安定化剤の密な会合を含有する液状物から固形製剤を形成するための単純で洗練された手順を例示する。溶媒と不溶性液状薬剤、安定化剤の密な会合を含む液状物は、プロセス中にほとんどすべての薬剤が保持されるよう、それにより不溶性液状薬剤が安定化剤と密な会合を維持するプロセスによって乾燥されうる。生成物は、上述のほぼ乾燥した固形物である。乾燥固形物は、水和直後に、液状生物学的活性成分が装填されたナノ分散またはミセルを自然に形成する。

0221

適切な溶媒またはその混合物は、液状生物学的成分の変性または分解を伴わずに適切な量の安定化剤を可溶化する能力を有するであろう。適切な溶媒(または複数の溶媒の混合物)は、たとえば瞬間凍結減圧乾燥、噴霧乾燥、液体ベッドなどの乾燥プロセス中に除去することのできるものである。本明細書に開示されたプロセスにしたがって数多くの溶媒が機能することができるが、そのような溶媒の非限定的な例示的な例は、単独または組み合わせにおいて有用であり、かつさらにたとえば水などと混合して二元混合物を形成しうる、水、pHを調節しうる水溶液、デキストロース水溶液、食塩水DMSO、DMFジオキサンピリジンピリミジン、およびピペリジンメタノールエタノールn−ブタノール、およびt−ブタノールなどのアルコール、およびアセトンを含む。他の溶媒は、薬剤の溶解を促進するために少量を添加しうる。

0222

一部の実施形態によると、たとえば適切なポリマー、コポリマーまたは界面活性剤などの所定の量の安定化剤、および任意に、たとえば緩衝剤、不凍剤、凍結乾燥保護剤、バルク形成剤などの添加剤、および/または追加的な安定化剤を、たとえば水、水溶液、少なくとも1つの非水性有機溶媒、または水または水溶液と前記の少なくとも1つの非水性有機溶媒の組み合わせなどの溶媒に溶解して、ミセル溶液の形態にある第1の混合物を形成する。適切な混合は、第1の混合物におけるミセルまたはナノ分散形成を支援できることが認識されている。

0223

一旦第1の混合物が良好に形成されたならば、当業者に認識されるように他の任意の液状生物学的活性成分を用いうるものの、ここではプロポフォールを当業者に周知の条件下で第1の混合物に添加し、これにより薬剤ミセル清澄溶液の形態にある第2の混合物においてミセルまたはナノ分散に液状薬物が装填されるであろう。

0224

上記の混合段階のいずれかまたは両者において、当業者に周知の目的のために適切な「添加剤」を添加することも可能である。非限定的な添加剤の例は緩衝剤、不凍剤、凍結乾燥保護剤、およびバルク形成剤を含むが、これに限定されない。その他の適切な添加剤は、溶媒または溶媒混合物に可溶性のポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、糖(乳糖、トレハロース)、多価アルコール(マンニトール)、糖質およびアミノ酸を含むが、これに限定されない。本明細書に広範に列挙される用語「溶媒」は、水単独、少なくとも1つの非水性有機溶媒を伴う水、または水と前記の少なくとも1つの非水性有機溶媒の組み合わせを意味すると理解される。

0225

1つの例示的な実施形態においては、追加的な溶解促進手段、ここでは攪拌は、固形生成物を形成するための処理の前の生物学的活性成分、安定化剤および溶媒を含む液状物の形成において補助するために用いうる。前記溶解促進手段の例示的であるが非限定的な例は、たとえば混合物が必要に応じて攪拌、ボルテックス、または超音波処理されうることを特徴とするプロセスを含みうる。一部のポリマーについては、溶液は溶解を加速するために加熱を必要とすることもある。

0226

溶液は、任意にたとえば0.2μmフィルターなどの滅菌フィルター濾過しうる。続いて、溶液を凍結乾燥して無菌乾燥ケークまたは粉末などを形成する。

0227

固形製剤を始めに形成し、その後、非静脈内投与に適した剤型に組み入れてもよい。代替的に、固形剤型の成分を非静脈内剤型を作成する際に必要とされる追加的添加剤と組み合わせ、さらに生成した混合物を乾燥して固形製剤を含む剤型を形成してもよい。

0228

治療方法
他の態様においては、本開示は、それを必要とする対象、典型的にはヒトまたは動物から選択される哺乳類に対し、本明細書に記載される非静脈内剤型の治療的に有効な量を投与することを含む、疾患または状態を治療する方法が提供される。

0229

剤型は、当業者が決定しうるように任意の適切な非静脈内経路によって投与しうる。一部の実施形態においては、投与経路は経口、舌下、鼻腔内、肺内、直腸、尿道、膣、眼、耳または局所投与に適している。一部の実施形態においては、剤型は腸内投与用である。

0230

一部の実施形態においては、投与経路は経口投与である。

0231

一部の実施形態においては、投与経路は舌下投与である。

0232

一部の実施形態においては、治療すべき疾患または状態は、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛などの中枢神経の疾患または状態である。

0233

一部の実施形態においては、頭痛は難治性片頭痛などの片頭痛である。一部の実施形態においては、悪心または嘔吐は癌化学療法または手術に起因する。一部の実施形態においては、疼痛は癌性疼痛、中枢性疼痛、神経因性疼痛または手術疼痛である。一部の実施形態においては、神経因性疼痛は帯状疱疹後神経痛、末梢ニューロパチー、三叉神経痛、腰痛、疼痛性糖尿病性ニューロパチー、HIV関連神経因性疼痛、癌関連疼痛、および線維筋痛症である。

0234

一部の実施形態においては、それを必要とする対象に対し、プロポフォールを活性成分として含む本明細書に記載される剤型の治療的に有効な量を投与することを含む、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛を治療または予防する方法が提供される。必要とする対象とは、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛のうち1つまたはそれ以上を患うか、これに罹りやすいか、またはこれを患うことが予想される対象である。

0235

一部の実施形態においては、難治性片頭痛を治療または予防する方法が提供される。

0236

他の態様においては、それを必要とする対象に対し、固形製剤、および、任意に1つまたはそれ以上の添加剤を含む非静脈内剤型の治療的に有効な量を投与することを含む頭痛、悪心、嘔吐または疼痛を治療または予防する方法であって、固形製剤がプロポフォールと少なくとも1つの両親媒性コポリマーの密な混合物を含み、水和直後にプロポフォールを装填したミセルが形成されることを特徴とする方法が提供される。

0237

剤型は、重大な毒性または副作用を伴わずに治療的有効性を達成するために適した量で投与しうる。一部の実施形態においては、剤型は、剤型によって治療される対象の血液または血漿における生物学的活性成分の治療的に有効な量を達成するために十分な量で投与される。

0238

投与必要量は、具体的な製剤および用いる剤型、投与経路、呈している症状の重症度および治療される個別の患者によって異なる。治療は、一般に化合物至適用量を下回る小用量で開始される。その後、環境下の至適効果に達するまで用量を増量する。直腸、尿道、膣、眼または局所投与のための正確な用量は、投与する医師が治療する個々の患者についての経験に基づいて決定するであろう。一般に、活性成分は最も望ましくは有害または有毒な副作用を引き起こすことなく全般的に有効な結果をもたらす濃度で投与し、かつ単一単位用量として投与することができ、あるいは所望の場合は、用量を1日の適切な回数での簡便なサブユニットに分割してもよい。

0239

さらに、適切な用量範囲の特定を補助するために、インビトロまたはインビボ分析を任意に用うる。たとえば、用量は動物モデルにおいて製剤化して有益な循環組成濃度範囲を達成しうる。初回用量は、たとえば動物モデルなどのインビボデータより技術上周知の技法を用いて推定しうる。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために用いうる。当業者は、動物データに基づいてヒトに対する投与を至適化しうる。

0240

投与する活性成分の量は、他の因子の中でもとりわけ治療される患者、患者の体重、患者の健康、治療する疾患、苦痛の重症度、投与経路、化合物の効力、および処方する医師の判断に依存することがある。

0241

本明細書に開示された特定の疾患、障害、または状態の治療において有効となる活性成分の量は、疾患、障害、または状態の性質に依存するであろうし、また技術上周知である標準的な臨床的技法によって決定することができる。

0242

用量は単一の剤型または複数の剤型で投与しうる。複数の剤型が用いられる場合、複数の剤型のそれぞれに含有される活性成分の量は同じであることも、または異なることもありうる。

0243

一定の実施形態においては、投与する用量は毒性用量未満である。本明細書に記載する組成物の毒性は、たとえばLD50(母集団の50%に対して致死的な用量)またはLD100(母集団の100%に対して致死的な用量)を判定することなどの、細胞培養または実験動物における標準的な薬剤学的手順によって判定しうる。毒性と治療的効果の間の用量比治療係数である。一部の実施形態においては、医薬組成物は高い治療係数を示しうる。これらの細胞培養分析および動物試験から得られたデータは、ヒトにおける使用対して毒性でない用量範囲を製剤化する際に用いうる。

0244

プロポフォールについては、バイオアベイラビリティの高い成分の用量は、治療的に有効、鎮静用量未満、かつほとんど毒性を示さない、たとえば血液、血漿、または中枢神経系などにおける循環濃度の範囲内でありえる。用量は、用いる剤型に応じてこの範囲内で変動しうる。

0245

治療中、用量および投与スケジュールは、疾患を治療するために治療的に有効なプロポフォールの量の十分または定常状態全身循環を提供しうる。一定の実施形態においては、漸増用量を投与しうる。

0246

活性成分は、意図するまたは所望の治療的効果を得るために必要である限り間隔をおいて投与しうる。

0247

(使用)
本明細書に記載の固形製剤および剤型は、数多くの異なる治療的用途において用いうる。したがって、本開示の他の態様は、本明細書に記載の固形製剤および剤型の使用を含む。

0248

1つの実施形態においては、本明細書に記載される非静脈内剤型の医薬品の製造における使用が提供される。1つの実施形態においては、医薬品の製造における使用を目的とした本明細書に記載される非静脈内剤型が提供される。

0249

1つの実施形態においては、疾患または状態を治療または予防することを目的とした、非静脈内剤型の製造における本明細書に記載される固形製剤の使用が提供される。1つの実施形態においては、疾患または状態を治療または予防することを目的とした非静脈内剤型の製造における使用を目的とした本明細書に記載される固形製剤が提供される。

0250

一部の実施形態においては、生物学的活性成分はプロポフォールである。したがって、1つの実施形態においては、中枢神経系の疾患または状態の治療または予防を目的とした非静脈内剤型の製造における、プロポフォールと少なくとも1つの安定化剤の密な混合物を含む固形製剤の使用が提供される。他の態様においては、中枢神経系の疾患または状態の治療または予防を目的とした、本明細書に記載される剤型の使用が提供される。一部の実施形態においては、中枢神経系の状態は頭痛、嘔吐、悪心、または疼痛である。

0251

他の態様においては、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛の治療または予防を目的とした非静脈内剤型の製造における使用を目的とした、プロポフォールと少なくとも1つの安定化剤の密な混合物を含む固形製剤が提供される。

0252

一部の実施形態においては、剤型はそれを必要とする対象において麻酔または鎮静を導入することを目的としている。一部の実施形態においては、剤型は、それを必要とする対象において麻酔または鎮静を導入することを目的とした医薬品の製造における使用を目的としている。

0253

他の態様においては、中枢神経系の疾患または状態の治療または予防を目的とした非静脈内剤型の製造における、プロポフォールと少なくとも1つの両親媒性コポリマーの密な混合物を含む固形製剤の使用が提供される。

0254

他の態様においては、頭痛、悪心、嘔吐または疼痛の治療または予防を目的とした非静脈内剤型の製造における使用を目的とした、プロポフォールと少なくとも1つの安定化剤の密な混合物を含む固形製剤が提供される。

0255

(キットおよび市販パッケージ)
本開示の他の態様においては、本明細書に記載される非静脈内剤型を、疾患または状態の治療または予防における使用のための1つまたはそれ以上の指示とともに含む市販パッケージおよびキットが提供される。

0256

剤型、および任意にキットまたは市販パッケージの他の構成要素は適切な容器に包装してもよく、かつ、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売規制する政府機関によって指示された書式での通知であって、当該通知が機関によるヒトまたは動物への投与を目的とした製造、使用または販売の承認を反映する通知が、そのような容器に付属してもよい。

0257

キットまたは市販パッケージの構成要素が1つまたはそれ以上の液状溶液で提供されうる場合、液状溶液は、たとえば無菌水溶液または水性懸濁液などの水溶液または水性懸濁液とすることができる。この場合、容器手段それ自体が、そこから製剤を患者に投与しうる吸入器シリンジピペット、点眼瓶、点鼻瓶、点耳瓶、または他のそのような器具でありうる。容器は乾燥粉末吸入器でもありうる。

0258

容器の種類の数にかかわらず、キットまたは市販パッケージは患者への組成物の投与を補助する器具を含みうる。そのような器具は吸入器、シリンジ、ピペット、ピンセット計量スプーン、点眼瓶または任意の医療用に承認されたそのような送達媒体でありうる。

0259

以下の実施例は、読者を補助するために提供される。実施例は本開示の範囲を制限することを意図していない。例示された液状生物学的活性成分がプロポフォールである一方で、当業者が認識するように他の液状生物学的活性成分も同様の結果とともに用いることが可能であることが理解される。

0260

ポリマー式については、下付文字ポリマーセグメント反復回数を示す。文字bはポリマーおよび/またはポリマーアームジブロックコポリマー構造に基づくことを特徴とする。用語「co」は、反復単位がポリマーセグメントに沿って不規則に排置されていることを意味する。

0261

(ジブロックPEG−PMAの合成)
ポリ(エチレングリコール)(分子量2,000、40.0mmol)80gを、トルエン250mLとの共沸蒸留により乾燥させる(水浴を140℃に設定)。ポリマーを室温に冷却した後、KH 2400mg(60.00mmol、4000mg(4.0mL)鉱油中にKH30%で分散)をアルゴン雰囲気下で添加する。用時蒸留したTHF850mLをポリマーに添加して溶解させる。強く攪拌しながらKHとPEGの反応を120分間遂行する。その後、蒸留せずにt−BMA 256mL(d 0.875、224g、Mw142.2かつ1575.2mmol)およびn−BMA 130mL(d 0.894、116.2g、Mw142.2、817.3mmol)を反応混合物に添加した後、ブロックコポリマー化を発生させるために溶液を20℃でさらに120分攪拌する。溶媒を蒸発させることによりポリマーを捕集した。精製および特性分析を行わずに、粗ポリマーを濃HClジオキサン溶液320mLで加水分解した。混合物を一晩還流する。以下の経験的構造を有するPEG−PMが得られる:(PEG45−b−P(MMA50−co−nBMA25))。

0262

得られた生成物をロトバップにより600mLまで濃縮する。濃縮した溶液に水600mLを強く攪拌しながら加える。新たな溶液100mLを回収し、透析膜に加え(30cmが必要、分子量カットオフ(MWCO)3500、内径47nm)、さらに透析膜を蒸留水内に留置する(水5Lにつき膜5枚を使用)。得られるpHが6と7の間になるまで、特に開始時には水をできるだけ頻繁に交換する。各溶液をケークプレートに移し、−80℃で一晩凍結させる。所望であれば、溶液を凍結乾燥させてもよい。得られる生成物は白色の粉末である。

0263

(トリブロックPEG−PMA(P4およびP5)の合成)
ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(PEGMe)(Mw2,000、30.0mmol)を、110℃で攪拌しながら16時間真空乾燥させる。ポリマーを室温まで冷却した後、用時蒸留したTHFを900mL加える。ポリマーが完全に溶解し、さらに溶液が室温となったとき、KH 1800mg(45.00mmol、6000mg(6.0mL)鉱油中にKH30%で分散)をアルゴン雰囲気下で添加する。強く攪拌しながらKHとPEGMeの反応を120分間遂行する。その後、t−BMA 192mL(d 0.875、168g、Mw142.2、1.181mol)を反応容器に加える。溶液をさらに20℃で120分間攪拌してジブロックコポリマー化を発生させる。一旦t−BMAとの反応が完了したならば、添加用フラスコを用いてn−BMA 108mL(d 0.894、96.55g、分子量142.2、678.98mmol)を反応容器に加える。溶液をさらに20℃で120分間攪拌してトリブロックコポリマー化を発生させる。反応が完了したならば、溶媒を蒸発させることによりポリマーを捕集した。精製および特性分析を行わずに、粗ポリマーを濃HCl 320mL[HCl>1.5eq(約HCl3.75mol約濃HCl320mL)]で加水分解し、さらにジオキサン780mLをポリマー溶液に添加する。この新たな混合物を110℃で一晩還流下に保つ。加水分解が完了した後、溶液を約600mLまで濃縮し、ポリマーを冷水(約2000mL)で沈殿化させた。その後ポリマーを10000rpmで10分間遠心分離した。残りの不純物を除去するために、前段階で得られた粗ポリマーをTHF(できるだけ少量)に溶解し、さらに再度冷水(約2000mL)で沈殿させる。その後ポリマーを10000rpmで10分間遠心分離した。

0264

得られたポリマーをTHFに再度溶解し、沈殿および遠心分離のプロセスを繰り返す。最終ポリマーを乾燥させる。

0265

PGE−PMAジブロック(P3)およびトリブロック(P4およびP5)の特性分析は、異なる手法によって実施した。ブロックコポリマーの組成とその分子量(Mn)は1H NMRで分析し、また臨界ミセル濃度(CMC)はバリアン蛍光光度計上のピレン蛍光の励起シフトに対するポリマー濃度の影響を測定することにより測定した(M. Francis他J. Control. Release, 93:59 (2003))。酸含有量およびpKaは、自動滴定計(マルバーン)を用いて滴定により判定し、また分子量(Mw)は光散乱法(マルバーンゼータサイザー)により判定した。特性は表1に提示する。

0266

(表1:ジブロックコポリマー(P3)と比較したPEG−PMAトリブロックポリマー(P4およびP5)の物理化学的特性

0267

(噴霧乾燥によるPEG−PMA製剤の調製)
0.1N NaOHでPEG−PMAの50mg/mL溶液を調製する。ポリマーの完全な溶解を得るために超音波処理を用いる。最終pH=8を得るまで適切な量の固形NaOHを添加する。所望の薬剤装填レベル(薬剤/(ポリマー+薬剤)の重量比)(例:10%w/w)を得るよう、電磁攪拌機激しく攪拌しながらプロポフォールをポリマー溶液に添加する。溶液を一晩還流する。PPFが最終濃度5mg/mLとなる量の脱イオン水を加える。

0268

実験室スケール噴霧乾燥機Buchi B−290を以下の条件で用いて製剤を噴霧乾燥した:

0269

噴霧乾燥機の収率は86%である。

0270

製剤の特性を表2に示す。

0271

(表2:実施例3の方法による噴霧乾燥製剤の特性)

0272

(液体ベッド乾燥機を用いたPEG−PMA製剤の調製)
この実施例においては、ヒュトリン(Huettlin)液体ベッド装置を用いて、50gの高速流動乳糖上にプロポフォールを10%装填したPEG−PMAミセルの水溶液20mLを噴霧した。本試験用実験条件を表3に要約する。

0273

(表3:乳糖−PEG−PMA顆粒化の実験条件)

0274

次に、乾燥顆粒を脱イオン水中で可溶化し、ミセルのサイズを測定した。プロポフォール含有量もHPLC法で測定した。

0275

結果を以下の表4に示す。

0276

(表4:顆粒化した乳糖−PEG−PMA−プロポフォールの分析値およびミセルサイズ

0277

(凍結乾燥によるPEG−PMA製剤の調製)
0.1N NaOHでPEG−PMAの50mg/mL溶液を調製する。ポリマーの完全な溶解を得るために超音波処理を用いる。たとえば10%w/wなどの所望の薬剤装填レベル(薬剤/(ポリマー+薬剤)重量比)を得るよう、電磁攪拌機で激しく攪拌しながら薬剤溶液をポリマー溶液に添加する。溶液を一晩還流する。最終濃度5mg/mLのPPFを得るよう脱イオン水を加える。溶液を小分けにし、各製剤を凍結乾燥する。

0278

得られたケークは白色であり、かつそのいずれも融解しなかった。製剤の調製のためのプロトコルを以下の表5に要約する。

0279

上記のPPF製剤の特性を以下の表5に示す。

0280

(表5:実施例5に記載の凍結乾燥製剤の特性)

0281

同様のプロポフォール製剤は、同じ性質のポリマーを用い、かつ上記の手順または米国特許出願第11/286,301号明細書に記載の手順によって調製することができる。

0282

インビトロおよびインビボ試験において用いられるプロポフォール製剤の凡例を表6に示す。

0283

(表6:プロポフォール製剤)



*薬剤装填レベルは、製剤化プロセスにおいて用いた薬剤およびポリマーの量より算出する。
DLL%=100%×(薬剤量/(薬剤量+ポリマー量))

0284

(インビトロ浸透性試験)
浸透性試験は、十分に確立した薬物バイオアベイラビリティモデルにおいてインビトロで実施した。Caco−2細胞を、12ウェルポリエステルフィルター膜細胞密度60,000/フィルターで播種し、21日間培養した。37℃でのPPFの頂端側から基底外側への移行は120分後に評価した。製剤はpH6.8のハンクバッファー培地に溶解した。

0285

Caco−2単層を経たPPFの流入率図1に示す。結果より、各ミセル製剤がPPFを放出して吸収されたことが示された。移行レベルはいずれも同様であった。したがって製剤は、インビボバイオアベイラビリティを示す、プロポフォールをヒト内皮細胞単層を経て移行させる能力を示した。

0286

インビボ薬物動態試験)
げっ歯類薬物動態試験)
本明細書において報告された試験に用いられるプロポフォールベースの製剤の特性を表7に示す。

0287

(表7:製剤特性)



DLL:薬物装填レベル
水に溶いて1%プロポフォール(10mg/mL)とした。

0288

上記の表7において、PM1aは薬物装填レベル(DLL)10%で装填されたプロポフォール(これ以降PPFと呼ぶ)を含む固形製剤を意味し、以下の特性を有するPVP−PDLLAであるP1と呼ぶ:
%PDLLA:34.4%(TGAで測定)
Mw=4961
Mn=4177
PI=1.2

0289

同様に、PPF−PM2は、プロポフォールが薬物装填レベル20%で装填されている以外は同一の性質である生成物を意味する。

0290

PM3FDは、以下の特性を有するPEG−PMAのポリマーに薬物装填レベル10%で装填されたPPFを含む固形生成物を意味する:
PEG−MAA−nBMA:45−58−26
Mw=13600(SLSで測定)
Mn=10709(NMRで測定)
PI−1.28

0291

PM1bはPM1aと同じポリマー組成を有するがロットが異なる固形生成物を意味する。

0292

PM2は、以下の特性を有するPVP−PDLLAであるP2と呼ばれるポリマーに、薬物装填レベル10%で装填されたPPFを含む固形生成物を意味する:
%PDLLA:29.4%(TGAで測定)
Mw=4685
Mn=3872
PI=1.2

0293

薬物動態試験は以下のように実施した。10〜12週齢雌性スプラーグドーリーラット(体重約170〜190g)に対し、化合物を第1日目に単回静脈内(IV、尾静脈ボーラス注射または経口(PO、強制経口投与)で1回投与した。連続血液サンプルは、IV投与前と投与の1、5、10、20、30および60分後および1.5、2、4および8時間後、およびPO投与前と投与の5、10、15、20、30および60分および2、3、4、8および12時間後に採取した。血液は、抗凝血剤としてヘパリンを収容する試験管に速やかに移し、数回倒立させ、さらなる分析まで4℃で静置して保存した。血液中のプロポフォール濃度は、LC−ESI/MS/MS分析法を用いて測定した(Beaudry他; J. Pharm. Biomed. Anal., 39: 411-417, 2005)。簡潔に述べると、ラット全血中のPPFの測定のための分析手順は、抽出およびユージノール内部標準として用いるHPLC−MS/MSによるレベル測定より構成された。分析感度は20〜10,000ng/mLであった。

0294

2件の薬物動態試験を実施した。初回は、DLL%の影響を評価した。PM1a、PM2およびPM3FDの単回IVおよびPO投与後の血中PPFの平均濃度時間プロフィール図2に提示する。PM1a、PM1bおよびPM3 FD製剤の薬物動態プロフィールを市販製剤:IV投与したディプリバン(登録商標)と比較した。データはPPF目標用量標準化した。

0295

異なる3つの経口プロポフォール製剤(すなわちPM1a、PM1bおよびPM3)のスプラーグドーリーラットへの経口投与は、静脈投与した市販製剤(ディプリバン)と比較して38%と165%の間の絶対バイオアベイラビリティ値を生成した。F値は、投与した経口用量によって相当変動した(図3)。表8は、試験より得られた薬物動態パラメータの要約を示す。

0296

(表8:ラットにおける薬物動態パラメータの要約)

0297

見て取れるように、F値は、経口投与された市販の静脈投与用製剤について報告されるものよりも常に相当高かったものの、製剤間で著明な差があった。また、すべての製剤について明確な用量/反応効果もあった。驚くべきことに、製剤を濃度35mg/kgで経口投与すると、絶対バイオアベイラビリティはその対応する7mg/kg用量と比較して増加した。

0298

この「飽和」効果は、最大14mg/kgまでの低用量の第3の経口ミセル製剤が投与された第2の試験(すなわちPM1c−表9;図5および7)においては見られなかった。F値は、経口投与した市販の静脈内製剤について報告されたものよりも高かった一方で、表8に示す製剤で生成されるものよりも低く、また用量の上昇に伴う全般的なバイオアベイラビリティの増加はなかった。

0299

表9は試験より得られた薬物動態パラメータの要約を示す。

0300

(表9:ラットにおける薬物動態パラメータの要約)

0301

(ミニブタ薬物動態試験)
ミニブタ薬物動態試験は、8〜12kg、月齢3〜6ヶ月の雄性ゲッティンゲンミニブタにおいて以下のように実施した:

0302

被験製剤は、経口(ミセル製剤の強制経口投与)または静脈内ボーラス注射(ラピノベット(登録商標)—市販の動物用プロポフォール製剤)のいずれかで試験第1日目に投与した。連続血液サンプルは、
i)静脈内投与前と投与の1、5、10、20、30、60,120,240および480分後、および
ii)経口投与前と投与の5、10、15、20、30および60、120、240、480および720分後に採取した。

0303

プロポフォール濃度は、ボードリー(Beaudry)らによって報告された方法を用いて測定した(J. Pharm. Biomed. Anal., 39: 411-417, 2005)。単回IVまたはPO投与後のPPFの平均濃度−時間プロフィールを図8に提示する。経口製剤についての絶対バイオアベイラビリティ値は、静脈内投与(ラピノベット(登録商標))によって生成されたAUCとの比較により生成した。このモデルにおいては、やはりこの経路によって投与された静脈内製剤について報告されたものよりも相当高い値である14〜18%の絶対バイオアベイラビリティ値が得られた:表10は、生成された薬物動態データを要約する。

0304

(表10:ミニブタにおける薬物動態パラメータの要約)

0305

(速崩壊性錠剤)
プロポフォールの舌下投与に適した速崩壊性錠剤(RDT)または「ウェハー」は、以下の表11において製剤を定義して調製した。

0306

(表11:口中崩壊錠(ウェハー)の組成)

0307

(プロポフォールミセルの調製)
ブロックコポリマーを0.1N NaOH溶液に溶解し、さらに溶液にプロポフォールを加えた。混合物を一晩攪拌し、さらに溶液のpHを7.5に調節した。ミセルのZ平均直径は、単峰性サイズ分布で158nmであった(多分散性=0.04)。ミセルの最終理論プロポフォール濃度は5mg/mLであろう。

0308

(RDTの調製)
アスパルテームおよびマンニトールを上記のミセル溶液に溶解し、その後コントラミド(登録商標)(ラボファーム(Labopharm))を室温で分散させた。

0309

上記の懸濁液をブリスターのウェルに移し(0.5mLはプロポフォール2.5mgに相当)、さらに−80℃で凍結した。

0310

次にブリスターを瞬間凍結減圧乾燥して固形生成物を形成した。

0311

(PEG−PMAポリマーを用いたプロポフォールウェハー)
(プロポフォールミセルの調製)
PEG−PMAポリマーを0.1N NaOH溶液に溶解し、さらに溶液にプロポフォールを加えた。混合物を一晩攪拌し、さらに溶液のpHを7.5に調節した。ミセル中の最終理論プロポフォール濃度は5mg/mLであろう。

0312

(ウェハーの調製)
1.アスパルテームおよびマンニトールを上記のミセル溶液に溶解し、その後コントラミドを室温で分散させた。
2.上記の懸濁液をブリスターのウェルに移し(0.5mLはプロポフォール2.5mgに相当)、さらに−80℃で凍結した。
3.その後ブリスターを瞬間凍結減圧乾燥した。

0313

結果を以下の表12に要約する。

0314

0315

(PVP−PLAポリマーを用いたプロポフォールウェハー)
(プロポフォールミセルの調製)
PEG−PLAポリマーをpH6.8のリン酸バッファーに溶解し、さらに溶液にプロポフォールを加えた。混合物を一晩還流した。ミセル中の最終理論プロポフォール濃度は10mg/mLであろう。

0316

(ウェハーの調製)
1.アスパルテームおよびマンニトールを上記のミセル溶液に溶解し、その後コントラミドを室温で分散させた。
2.上記の懸濁液をブリスターのウェルに移し(0.5mLはプロポフォール5 mgに相当)、さらに−80℃で凍結した。
3.その後ブリスターを瞬間凍結減圧乾燥した。

0317

結果を以下の表13に要約する。

0318

0319

すべての参照文献はその全文を本明細書に援用する。

実施例

0320

上記の実施形態は、例とすることのみを意図している。代替法、変更および変法は、当業者によって、本明細書に添付された請求項によってのみ定義される本開示の範囲を逸脱することなく、特定の実施形態に対して達成されることができる。

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