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技術 溶解方法、および無アルカリガラス板の製造方法

出願人 AGC株式会社
発明者 広瀬元之内田一樹
出願日 2016年4月8日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-078125
公開日 2017年10月12日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-186217
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの溶融、製造
主要キーワード 総加熱量 清澄装置 減圧脱泡装置 メディアン粒径 アルカリ含有ガラス 吸収波数 溶融スズ 溶融ガラス表面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

泡層を介して溶融ガラスを効率的に加熱でき、且つ、溶融ガラス中のB2O3の揮発を抑制できる、溶解方法の提供。

解決手段

ガラス原料投入される第1室21と、第1室バーナ26と、溶融ガラス14が第1室21から供給される第2室31と、第2室バーナ36と、スロート41とを備えた溶解に、原料を溶融させる溶解方法であって、原料は、SiO2含有量が54〜73質量%、B2O3含有量が0.1〜12質量%の無アルカリガラスの原料であり、各第1室バーナ26および各第2室バーナ36には、酸素燃焼バーナおよび空気燃焼バーナのいずれかが用いられ、全ての第1室バーナ26の1時間当たりの総燃焼熱量の50〜100%は、酸素燃焼バーナによって発生させ、全ての第2室バーナ36の1時間当たりの総燃焼熱量の30〜75%は、酸素燃焼バーナによって発生させることを特徴とする、溶解方法。

概要

背景

溶解は、無アルカリガラス原料溶融させるものである。溶解窯は、原料が投入される第1室、第1室の上部空間に火炎を形成する第1室バーナ、原料を溶融させてなる溶融ガラスが第1室から供給される第2室、第2室の上部空間に火炎を形成する第2室バーナ、および第1室の下部と第2室の下部とをつなぐスロートとを備える。

第1室バーナや第2室バーナは、天然ガス重油などの燃料ガスと混合して燃焼することで火炎を形成する。ガスとして主に空気を用いるバーナを空気燃焼バーナ、ガスとして主に酸素を用いるバーナを酸素燃焼バーナという。

空気燃焼バーナの場合、空気の大部分を占める窒素ガスが燃焼に寄与することなく溶解窯の外に排気される。一方、酸素燃焼バーナの場合、空気燃焼バーナの場合よりも、排気量が少ないので、熱効率が高く、CO2排出量NOx排出量が少ない。

空気と酸素ガスとを混合した混合ガスを用いるバーナも使用可能である(例えば、特許文献1参照)。この場合、酸素燃焼バーナの場合は勿論、空気燃焼バーナの場合と比較しても、NOx排出量が多くなることがある(例えば、非特許文献1参照)。詳細には、混合ガス中の酸素濃度が93体積%未満であって25体積%を超える場合に、空気燃焼バーナの場合と比較して、NOx排出量が多くなる。

概要

泡層を介して溶融ガラスを効率的に加熱でき、且つ、溶融ガラス中のB2O3の揮発を抑制できる、溶解方法の提供。ガラスの原料が投入される第1室21と、第1室バーナ26と、溶融ガラス14が第1室21から供給される第2室31と、第2室バーナ36と、スロート41とを備えた溶解窯に、原料を溶融させる溶解方法であって、原料は、SiO2含有量が54〜73質量%、B2O3含有量が0.1〜12質量%の無アルカリガラスの原料であり、各第1室バーナ26および各第2室バーナ36には、酸素燃焼バーナおよび空気燃焼バーナのいずれかが用いられ、全ての第1室バーナ26の1時間当たりの総燃焼熱量の50〜100%は、酸素燃焼バーナによって発生させ、全ての第2室バーナ36の1時間当たりの総燃焼熱量の30〜75%は、酸素燃焼バーナによって発生させることを特徴とする、溶解方法。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、泡層を介して溶融ガラスを効率的に加熱でき、且つ、溶融ガラス中のB2O3および水分の揮発を抑制できる、溶解方法などの提供を主な目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ガラス原料投入される第1室と、前記第1室の上部空間に火炎を形成する第1室バーナと、前記原料を溶融させてなる溶融ガラスが前記第1室から供給される第2室と、前記第2室の上部空間に火炎を形成する第2室バーナと、前記第1室の下部と前記第2室の下部とをつなぐスロートとを備えた溶解に、前記原料を溶融させる溶解方法であって、前記原料は、SiO2含有量が54〜73質量%、B2O3含有量が0.1〜12質量%の無アルカリガラスの原料であり、各前記第1室バーナおよび各前記第2室バーナには、酸素燃焼バーナおよび空気燃焼バーナのいずれかが用いられ、全ての前記第1室バーナの1時間当たりの総燃焼熱量の50〜100%は、前記酸素燃焼バーナによって発生させ、全ての前記第2室バーナの1時間当たりの総燃焼熱量の30〜75%は、前記酸素燃焼バーナによって発生させることを特徴とする、溶解方法。

請求項2

前記原料に含まれる珪砂メディアン粒径D50は90μm以上、250μm以下である、請求項1に記載の溶解方法。

請求項3

前記無アルカリガラスは、酸化物基準の質量%表示で、SiO2:54〜73%Al2O3:10〜23%B2O3:0.1〜12%MgO:0〜12%CaO:0〜15%SrO:0〜16%BaO:0〜15%MgO+CaO+SrO+BaO:8〜26%を含有する、請求項1または2に記載の溶解方法。

請求項4

請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶解方法を含む溶解工程と、前記溶解工程で溶融された溶融ガラスを板状に成形する成形工程とを有する、無アルカリガラス板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、溶解方法、および無アルカリガラス板の製造方法に関する。

背景技術

0002

溶解は、無アルカリガラス原料溶融させるものである。溶解窯は、原料が投入される第1室、第1室の上部空間に火炎を形成する第1室バーナ、原料を溶融させてなる溶融ガラスが第1室から供給される第2室、第2室の上部空間に火炎を形成する第2室バーナ、および第1室の下部と第2室の下部とをつなぐスロートとを備える。

0003

第1室バーナや第2室バーナは、天然ガス重油などの燃料ガスと混合して燃焼することで火炎を形成する。ガスとして主に空気を用いるバーナを空気燃焼バーナ、ガスとして主に酸素を用いるバーナを酸素燃焼バーナという。

0004

空気燃焼バーナの場合、空気の大部分を占める窒素ガスが燃焼に寄与することなく溶解窯の外に排気される。一方、酸素燃焼バーナの場合、空気燃焼バーナの場合よりも、排気量が少ないので、熱効率が高く、CO2排出量NOx排出量が少ない。

0005

空気と酸素ガスとを混合した混合ガスを用いるバーナも使用可能である(例えば、特許文献1参照)。この場合、酸素燃焼バーナの場合は勿論、空気燃焼バーナの場合と比較しても、NOx排出量が多くなることがある(例えば、非特許文献1参照)。詳細には、混合ガス中の酸素濃度が93体積%未満であって25体積%を超える場合に、空気燃焼バーナの場合と比較して、NOx排出量が多くなる。

0006

特開2000−128549号公報

先行技術

0007

R&D神戸製鋼技報、Vol.51、No.2(Sep.2001)、p.8〜12、「酸素富化空気による省エネルギと低NOx燃焼に関する研究」

発明が解決しようとする課題

0008

無アルカリガラスの場合、一般的なソーダライムガラスの場合に比べて、原料の溶解温度が高く、第1室内の溶融ガラスの液面に泡層張りやすい。泡層は小さな気泡集合体であり、気泡は原料の熱分解によるガスの生成などに起因する。泡層は、無アルカリガラスのSiO2含有量が54〜73質量%の場合に特に形成されやすい。

0009

泡層があると、溶融ガラス表面が上部空間の雰囲気に直接曝されにくくなる。そのためバーナの火炎から溶融ガラスへの熱輻射が遮られ、溶融ガラスの加熱効率が低かった。

0010

一般的なアルカリ成分を含有するガラスの場合、溶融ガラス中アルカリ含有量が多いほど、溶融ガラス中のB2O3が揮発しやすい。B2O3は、例えばナトリウム化合物として揮発する。

0011

これに対し、溶融ガラス中にNa等のアルカリ成分がほとんど含まれていない無アルカリガラスの場合、溶融ガラス中の水分濃度、または上部空間の雰囲気中の水分濃度が高いほど溶融ガラス中のB2O3が揮発しやすい。

0012

溶融ガラス中の水分量、または上部空間の雰囲気中の水分量は、バーナの種類に依存する。酸素燃焼バーナの場合、空気燃焼バーナの場合よりも、燃焼後のガスに含まれる水分濃度が高く、溶融ガラス中のB2O3が揮発しやすい。B2O3は、水素化合物として揮発すると考えられる。

0013

また、溶融ガラス中の水分濃度が高いと、溶融ガラス中のB2O3に加え、水分が揮発しやすくなるため、溶融ガラスが不均質となり、最終的に得られる無アルカリガラス板に脈理リームが発生しやすくなる。

0014

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、泡層を介して溶融ガラスを効率的に加熱でき、且つ、溶融ガラス中のB2O3および水分の揮発を抑制できる、溶解方法などの提供を主な目的とする。

課題を解決するための手段

0015

上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
ガラスの原料が投入される第1室と、前記第1室の上部空間に火炎を形成する第1室バーナと、前記原料を溶融させてなる溶融ガラスが前記第1室から供給される第2室と、前記第2室の上部空間に火炎を形成する第2室バーナと、前記第1室の下部と前記第2室の下部とをつなぐスロートとを備えた溶解窯に、前記原料を溶融させる溶解方法であって、
前記原料は、SiO2含有量が54〜73質量%、B2O3含有量が0.1〜12質量%の無アルカリガラスの原料であり、
各前記第1室バーナおよび各前記第2室バーナには、酸素燃焼バーナおよび空気燃焼バーナのいずれかが用いられ、
全ての前記第1室バーナの1時間当たりの総燃焼熱量の50〜100%が前記酸素燃焼バーナによって発生させ、
全ての前記第2室バーナの1時間当たりの総燃焼熱量の30〜75%が前記酸素燃焼バーナによって発生させることを特徴とする、溶解方法が提供される。

発明の効果

0016

本発明の一態様によれば、泡層を介して溶融ガラスを効率的に加熱でき、且つ、溶融ガラス中のB2O3および水分の揮発を抑制できる、溶解方法が提供される。

図面の簡単な説明

0017

本発明の一実施形態による無アルカリガラス板の製造方法を示すフローチャートである。
図1の溶解工程において用いられる溶解窯を示す断面図である。
第1変形例による溶解窯を示す断面図である。
第2変形例による溶解窯を示す断面図である。
第3変形例による溶解窯を示す断面図である。

0018

以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。本明細書において、数値範囲を表す「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味する。

0019

図1は、本発明の一実施形態による無アルカリガラス板の製造方法を示すフローチャートである。無アルカリガラス板の製造方法は、溶解工程S12と、成形工程S14とを有する。

0020

無アルカリガラスは、Na2O、K2O、Li2Oなどのアルカリ金属酸化物を実質的に含有しないガラスである。本発明に係る無アルカリガラスは、アルカリ金属酸化物の含有量の合量が0.2質量%以下である。

0021

無アルカリガラスは、例えば酸化物基準質量百分率表示で、
SiO2:54〜73%
Al2O3:10〜23%
B2O3:0.1〜12%
MgO:0〜12%
CaO:0〜15%
SrO:0〜16%
BaO:0〜15%
MgO+CaO+SrO+BaO:8〜26%
を含有する。

0022

無アルカリガラスは、高い歪点と高い溶解性とを両立する場合、好ましくは、酸化物基準の質量%表示で、
SiO2:58〜66%
Al2O3:15〜22%
B2O3:5〜12%
MgO:0〜8%
CaO:0〜9%
SrO:3〜12.5%
BaO:0〜2%
MgO+CaO+SrO+BaO:9〜18%
を含有する。

0023

無アルカリガラスは、特に高い歪点を得たい場合、好ましくは、酸化物基準の質量%表示で、
SiO2:54〜73%
Al2O3:10.5〜22.5%
B2O3:0.1〜5.5%
MgO:0〜10%
CaO:0〜9%
SrO:0〜16%
BaO:0〜2.5%
MgO+CaO+SrO+BaO:8〜26%
を含有する。

0024

無アルカリガラスのB2O3含有量は、高い歪点を得る場合、好ましくは9質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。

0025

また、無アルカリガラスのB2O3含有量は、高い溶解性を得る場合、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。

0026

無アルカリガラスの歪点は、好ましくは650℃以上、より好ましくは670℃以上、さらに好ましくは700℃以上である。

0027

無アルカリガラスのT2(溶解の目安となる温度であって、粘度102dPa・sに相当する温度)は、一般的なソーダライムガラスのT2よりも100℃以上高い。無アルカリガラスのT2は、好ましくは1600〜1820℃、より好ましくは1610〜1770℃、さらに好ましくは1620〜1720℃である。

0028

無アルカリガラス板の水分量を示すβ−OHは、好ましくは0.2〜0.4mm−1、より好ましくは0.2〜0.35mm−1である。β−OHの値が高いほど、水分量が多いことを意味する。水分濃度の高い雰囲気で溶解されるとこの値が高くなる。β−OHの値Bは、無アルカリガラス板の板厚Cおよび透過率Tを測定し、該測定結果を下記式に代入して算出される。無アルカリガラス板の透過率の測定には、一般的なフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)が用いられる。
B=(1/C)log10(T1/T2)
T1:参照波数4000/cmにおける無アルカリガラス板の透過率(単位:%)
T2:水酸基吸収波数3570/cm付近における無アルカリガラス板の最小透過率(単位:%)

0029

無アルカリガラス板は、液晶ディスプレイ有機ELディスプレイなどのディスプレイ用の基板磁気ディスク用の基板などとして用いられる。無アルカリガラス板の用途は、多種多様であってよい。詳しくは後述するが本実施形態によれば泡等の欠点の少ない、均質な無アルカリガラス板が得られるため、特に高い品質が求められる液晶ディスプレイ用の基板に好適である。

0030

図1に示す溶解工程S12では、無アルカリガラスの原料を溶解窯に投入し、原料を溶融して溶融ガラスを得る。

0031

無アルカリガラスの原料の溶融性は、泡層の形成に影響する。原料のうち、SiO2源である珪砂が最も溶融し難い。珪砂のメディアン粒径D50は、好ましくは250μm以下、より好ましくは240μm以下、さらに好ましくは230μm以下である。珪砂のメディアン粒径D50が250μm以下だと、原料の溶融性が良好となり、シリカ未融異物が発生するのを抑制できる。

0032

また、珪砂のメディアン粒径D50は、好ましくは90μm以上、より好ましくは120μm、さらに好ましくは150μm以上である。珪砂のメディアン粒径D50が90μm以上だと、溶融ガラス中の水分濃度が高くなるのを抑制し、溶融ガラス中のB2O3および水分が揮発するのを抑制することができる。なお、珪砂のメディアン粒径D50が90μm未満だと、粒子表面積が大きくなり水分が多く付着するので、溶融ガラス中の水分濃度が高くなる。

0033

ここで、メディアン粒径D50とは、レーザー回折法によって計測された粉体粒度分布において、累積頻度が50%のときの粒子径をいう。

0034

図1に示す成形工程S14では、溶融ガラスを板状に成形する。成形方法は一般的なものであってよく、例えばフロート法フュージョン法などが挙げられる。

0035

フロート法は、溶融金属(例えば溶融スズ)の上に溶融ガラスを連続的に供給し、溶融金属の上で溶融ガラスを水平方向に流動させることにより帯板状に成形する。

0036

フュージョン法は、オーバーフローダウンドロー法とも呼ばれ、から左右両側に溢れ出した溶融ガラスを樋の左右両側面に沿って流下させ、樋の下端において合流させた溶融ガラスをさらに下方向に流動させることにより帯板状に成形する。

0037

尚、溶解工程S12と成形工程S14との間に、清澄装置(例えば減圧脱泡装置)や撹拌装置(例えば撹拌スターラ−)が設けられていてもよい。

0038

図2は、図1の溶解工程において用いられる溶解窯を示す断面図である。溶解窯は、第1室21、第1室バーナ26、第2室31、第2室バーナ36、およびスロート41などを有する。

0039

第1室21は、無アルカリガラスの原料12が投入されるものである。第1室21は、原料12を溶融し、溶融ガラス14を蓄える。第1室21は、水平な底壁22と、底壁22に対して垂直な上流側壁23、上流側壁23に対して平行な下流側壁24、天井25(例えばアーチ状の天井)などで囲まれる。下流側壁24は、図2に示すように天井25まで達しているが、泡層16よりも高ければよく、図3に示すように天井25まで達していなくてもよい。上流側壁23には、原料12の投入口23aが形成される。

0040

第1室バーナ26は、天然ガスや重油などの燃料をガスと混合して燃焼させることで火炎を形成する。第1室バーナ26は、第1室21の上部空間に火炎を形成し、投入口23aから投入された原料12などを加熱する。原料12は、第1室バーナ26が形成する火炎の輻射熱などによって溶融され、溶融ガラス14に徐々に溶け込む。

0041

第1室バーナ26は、上流側壁23と下流側壁24とをつなぐ左右両側壁の開口部から第1室21に火炎を噴出する。第1室バーナ26は、火炎を連続的に噴出してもよいし、火炎を断続的に噴出してもよい。

0042

第1室バーナ26は、前記左右両側壁のそれぞれに配設される。第1室バーナ26は、第1室21を挟んで左右対称に配置されてもよいし、第1室21を挟んで千鳥配置されてもよいし、一部が左右対称に配置され一部が千鳥配置されてもよい。

0043

各第1室バーナ26には、空気燃焼バーナ、酸素燃焼バーナのいずれかを用いる。複数の第1室バーナ26のうち、全てが酸素燃焼バーナでもよいし、一部が酸素燃焼バーナであり残部が空気燃焼バーナでもよい。

0044

本明細書において、空気燃焼バーナとは、燃料に混合するガスとして主に空気を用いるものをいい、ガスの酸素濃度が25体積%以下のものをいう。ガスの酸素濃度が25体積%以下であれば、空気と酸素ガスとの混合ガスを用いるものでもよいし、空気のみを用いるものでもよい。

0045

また、本明細書において、酸素燃焼バーナとは、燃料に混合するガスとして主に酸素ガスを用いるものをいい、ガスの酸素濃度が93体積%以上のものをいう。ガスの酸素濃度が93体積%以上であれば、酸素ガスと空気との混合ガスを用いるものでもよいし、酸素ガスのみを用いるものでもよい。

0046

各第1室バーナ26には空気燃焼バーナ、酸素燃焼バーナのいずれかが用いられるため、NOx排出量が低減できる。

0047

第1室バーナ26による溶融ガラス14の加熱を補助する目的で、溶融ガラス14を通電加熱する電極が第1室21の溶融ガラス14内に設けられてもよい。

0048

第1室21の上部空間には、窒素ガスなどの乾燥気体を導入しないことが好ましい。熱効率の低下や、排ガス量の増加が防止できる。

0049

第2室31は、原料12を溶融させてなる溶融ガラス14が第1室21から供給されるものである。第2室31は、溶融ガラス14を清澄したり、温度調節したりする。第2室31は、水平な底壁32と、底壁32に対して垂直な上流側壁33、上流側壁33に対して平行な下流側壁34、天井35などで囲まれる。下流側壁34の下部には、溶融ガラス14の取出口34aが形成される。

0050

第2室31の底壁32と、第1室21の底壁22とは、図2に示すように一体化されているが、図4に示すように一体化されていなくてもよい。また、図4に示すように第2室31の底壁32と、第1室21の底壁22に段差Dがあってもよい。尚、第2室31の底壁32と、第1室21の底壁22とはどちらが高くてもよい。

0051

第2室31の上流側壁33と、第1室21の下流側壁24とが一体化されているが、図5に示すように一体化されていなくてもよい。

0052

第2室の天井35と、第1室21の天井25とが一体化されているが、一体化されていなくてもよい。第2室の天井35と、第1室21の天井25とが一体化されない場合としては、例えば、図5に示すように第1室21の下流側壁24と第2室31の上流側壁33が一体化されていない場合が挙げられる。

0053

第2室バーナ36は、天然ガスや重油などの燃料をガスと混合して燃焼させることで火炎を形成する。第2室バーナ36は、第2室31の上部空間に火炎を形成し、第1室21から供給される溶融ガラス14を加熱する。

0054

第2室バーナ36は、上流側壁33と下流側壁34とをつなぐ左右両側壁の開口部から第2室31に火炎を噴出する。第2室バーナ36は、火炎を連続的に噴出してもよいし、火炎を断続的に噴出してもよい。

0055

第2室バーナ36は、上流側壁33と下流側壁34とをつなぐ左右両側壁のそれぞれに配設される。第2室バーナ36は、第2室31を挟んで左右対称に配置されてもよいし、第2室31を挟んで千鳥配置されてもよいし、一部が左右対称に配置され一部が千鳥配置されてもよい。

0056

各第2室バーナ36には、空気燃焼バーナ、酸素燃焼バーナのいずれかを用いる。複数の第2室バーナ36のうち、一部が酸素燃焼バーナであり残部が空気燃焼バーナである。そのため、NOx排出量が低減できる。

0057

第2室バーナ36による溶融ガラス14の加熱を補助する目的で、溶融ガラス14を通電加熱する電極が第2室31の溶融ガラス14内に設けられてもよい。

0058

第2室31の上部空間に、窒素ガスなどの乾燥気体は導入しないことが好ましい。熱効率の低下や、排ガス量の増加が防止できる。

0059

スロート41は、第1室21の下部と、第2室31の下部とをつなぐものである。スロート41は、溶融ガラス14で満たされる。スロート41は複数設けられてもよい。第1室21の溶融ガラス14は、スロート41を介して第2室31に供給される。

0060

スロート41の入口は、図2では第1室21の下流側壁24に形成されるが、第1室21の底壁22に形成されてもよい。同様に、スロート41の出口は、図2では第2室31の上流側壁33に形成されるが、第2室31の底壁32に形成されてもよい。

0061

ところで、無アルカリガラスのT2は、一般的なソーダライムガラスのT2よりも100℃以上高い。そのため、本実施形態では、第1室バーナ26と第2室バーナ36の両方を用いて溶融ガラス14を加熱する。

0062

無アルカリガラスの場合、一般的なソーダライムガラスの場合に比べて、原料12の溶解温度が高く、第1室21内の溶融ガラス14の液面に泡層16が張りやすい。泡層16は小さな気泡の集合体であり、気泡は原料12の熱分解によるガスの生成などに起因する。泡層16は、無アルカリガラスのSiO2含有量が54〜73質量%の場合に特に形成されやすい。泡層16は、第1室バーナ26の火炎から溶融ガラス14への熱輻射を遮る。

0063

そこで、本実施形態では、全ての第1室バーナ26の1時間当たりの総燃焼熱量の50〜100%(好ましくは55〜100%、より好ましくは60〜100%)が酸素燃焼バーナによるものとする。

0064

空気燃焼バーナの場合、空気の大部分を占める窒素ガスが燃焼に寄与することなく溶解窯の外に排気される。一方、酸素燃焼バーナの場合、空気燃焼バーナの場合よりも、排気量が少ないので、熱効率が高く、CO2排出量やNOx排出量が少ない。

0065

全ての第1室バーナ26の1時間当たりの総燃焼熱量の50〜100%が酸素燃焼バーナによるものであれば、泡層16を介しても溶融ガラス14を効率的に加熱でき、少ない燃料で溶融ガラス14を所望の温度に加熱できる。総燃焼熱量は各バーナで使用する燃料が完全燃焼した場合に発生する熱量を合算する事で求められる。

0066

第1室21で溶融された溶融ガラス14が第2室31に供給される。第2室31にはスロート41を通って溶融ガラス14が供給されるため、第1室21の泡層16の影響をほとんど受けることなく第2室31に均質な溶融ガラス14が供給されるため、第2室31では第1室21と異なり泡層16がほとんど形成されない。

0067

第2室31では溶融ガラス14の液面が露出しており、溶融ガラス14が第2室31の上部空間の雰囲気に曝される。第2室31の上部空間の雰囲気中のガスが溶融ガラス14に溶け込む。

0068

ところで、一般的なアルカリ含有ガラスの場合、溶融ガラス中のアルカリ含有量が多いほど、溶融ガラス中のB2O3が揮発しやすい。B2O3は、例えばナトリウム化合物として揮発する。

0069

これに対し、溶融ガラス中にNa等のアルカリ成分がほとんど含まれていない無アルカリガラスの場合、溶融ガラス中の水分濃度、または上部空間の雰囲気中の水分濃度が高いほど溶融ガラス中のB2O3が揮発しやすい。

0070

溶融ガラス中の水分量、または上部空間の雰囲気中の水分量は、バーナの種類に依存する。酸素燃焼バーナの場合、空気燃焼バーナの場合よりも、燃焼後のガスに含まれる水分濃度が高く、溶融ガラス中のB2O3が揮発しやすい。

0071

そこで、本実施形態では、全ての第2室バーナ36の1時間当たりの総燃焼熱量の30〜75%(好ましくは35〜75%、より好ましくは45〜75%、さらに好ましくは50〜75%)が酸素燃焼バーナによるものとする。また、本実施形態では、全ての第1室バーナ26の1時間当たりの総燃焼熱量に対する第1室21の酸素燃焼バーナの1時間当たりの燃焼熱量の割合(以下、第1室21の酸素燃焼比率という)が、全ての第2室バーナ36の1時間当たりの総燃焼熱量に対する第2室31の酸素燃焼バーナの1時間当たりの燃焼熱量の割合(以下、第2室31の酸素燃焼比率という)より大きくてもよい。

0072

第1室21の酸素燃焼比率は、複数の第1室バーナ26について、空気燃焼バーナと酸素燃焼バーナの設置個数、または燃料とガスの流量を変更することにより調整する。同様に、第2室31の酸素燃焼比率は、複数の第2室バーナ36について、空気燃焼バーナと酸素燃焼バーナの設置個数、または燃料とガスの流量を変更することにより調整する。

0073

ここで、第1室21では、泡層16が形成されて溶融ガラス14中のB2O3が上部空間に揮発しにくくなるため、酸素燃焼比率が大きくても、B2O3の揮発はそれほど問題にならない。しかし、第2室31では、泡層16がほとんど形成されないため、B2O3の揮発を抑制するには、酸素燃焼比率を小さくする必要がある。

0074

本実施形態では、第2室31の酸素燃焼比率を75%以下にすることで、B2O3の揮発を抑制することができる。また、第2室31の酸素燃焼比率を30%以上にすることで、NOx排出量が低減できる。

0075

第1室21の上流端と下流端との流れ方向(図2中左右方向)における距離L1は、好ましくは基準距離L0の50〜75%、より好ましくは基準距離L0の55〜70%である。また、第2室31の上流端と下流端との流れ方向(図2中左右方向)における距離L2は、好ましくは基準距離L0の10〜40%、より好ましくは基準距離L0の15〜35%である。基準距離L0は、第1室21の上流端と第2室31の下流端との流れ方向における距離である。

0076

距離L1が基準距離L0の50〜75%であり、且つ、距離L2が基準距離L0の10〜40%であれば、第1室21および第2室31において溶融ガラス14をバランス良く加熱することができる。

0077

本発明の一実施形態では、第1室バーナ26のうち、第1室21の上流端からの距離が0.5L1以上離れた領域に設けられる第1室バーナ26の1時間当たりの総燃焼熱量の60%以上(好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上)が酸素燃焼バーナによるものとする。

0078

前記領域に設けられる第1室バーナ26の1時間当たりの総燃焼熱量の60%以上が酸素燃焼バーナによるものであれば、排ガス量が少なくなるため、溶融ガラス14を効率的に加熱でき、少ないガス使用量で無アルカリガラス板を製造することができる。また、ガラスの溶解や均質性を促進させるために、第1室21および/または第2室31の底壁22,32に、例えばバブラーなどが設けられていてもよい。

0079

バブラーは、溶解窯の幅方向図2紙面垂直方向)にわたって所定の間隔(ピッチ)を空けて配設され、第1室21内および/または第2室31での溶融ガラス14の循環流を形成する。幅方向(図2紙面垂直方向)にわたって1列に配設されるバブラーの個数は、好ましくは5個〜30個であり、より好ましくは7個〜25個である。複数のバブラーは、幅方向(図2紙面垂直方向)にわたって等間隔に配設されてもよいし、等間隔に配設されなくてもよい。また、複数のバブラーは、2列以上であってもよい。

0080

各バブラーの内径は、好ましくは10mm〜300mmであり、より好ましくは20mm〜200mmである。各バブラーの内径が10mm以上だと、バブラーの溶融ガラス14による閉塞を抑制できる。各バブラーの内径が300mm以下だと、溶融ガラス14の循環流の滞留時間が所定の時間確保されるため、溶融ガラス14の均質化が促進される。

0081

バブラーから供給するガスには、空気、窒素、酸素、ヘリウムアルゴン等が用いられる。バブラーの材料として、白金または白金合金が用いられる場合、バブラーから供給するガスには、窒素、ヘリウム、またはアルゴンといった酸素を含まないガスを用いることが好ましい。ガスの流量は、好ましくは0.3〜20L/min、より好ましくは0.5〜10L/minである。ガスの流量が0.3L/min以上だと、バブラーの溶融ガラス14による閉塞を抑制できる。ガスの流量が20L/min以下だと、ガスの使用によるガラス物品製造コストを抑制できる。

0082

以上、溶解窯、溶解方法、無アルカリガラス板の製造方法、無アルカリガラスの実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。

0083

例えば、上記実施形態の溶解窯は、第1室21および第2室31を有するが、第2室31から溶融ガラス14が供給される第3室をさらに有してもよい。溶解窯の部屋の数は4つ以上でもよい。

0084

以下、本発明の実施例および比較例について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。

0085

上記の溶解窯について、第1室21および/または第2室31の酸素燃焼比率を変更して、第1室21および第2室31における上部空間の雰囲気中の水分濃度を調整した。水分濃度は、第1室バーナ26および第2室バーナ36によって燃焼される燃料およびガスの組成などに基づいて、燃焼後のガスに含まれる水分濃度を算出し、燃焼後のガスが溶解窯の外に向かって流れることを考慮して算出した。また、溶解窯の空気燃焼バーナに用いる燃焼空気総流量を算出した。結果を表1に示す。例1〜例3は実施例、例4〜例6は比較例である。

0086

溶解窯における各部の寸法は下記の通りとした。
基準距離L0: 15m
距離L1: 10m
距離L2: 5m
溶融ガラス表面から第1室の天井25および第2室の天井35までの距離: 8m

0087

第1室バーナ26および第2室バーナ36は、一部が酸素燃焼バーナであり残部が空気燃焼バーナである。第1室バーナ26および第2室バーナ36の燃料は、天然ガスである。例1〜例6は、溶解窯の総加熱量が同一になるように、第1室21および/または第2室31の酸素燃焼比率を変更した。ここで、溶解窯の総加熱量とは、第1室バーナ26の総燃焼熱量と第2室バーナ36の総燃焼熱量との和から、排気ガスの熱量を差し引いて算出した値である。

0088

0089

例1〜3は、第1室21の酸素燃焼比率が50〜100%であり、第2室31の酸素燃焼比率が30〜75%であり、第2室31における上部空間の雰囲気中の平均水分濃度が19〜22%であった。

0090

一方、例4は、第1室21の酸素燃焼比率が50〜100%であるが、第2室31の酸素燃焼比率が75%超であり、第2室31における上部空間の雰囲気中の平均水分濃度が40%であった。

0091

上述した通り、第2室31における上部空間の雰囲気中の水分濃度が高いと、B2O3が揮発しやすくなるので、第1室21の酸素燃焼比率が50〜100%、かつ、第2室31の酸素燃焼比率が30〜75%である溶解方法は、B2O3の揮発を抑制できることが分かった。

0092

また、例1〜3は、溶解窯の燃焼空気総流量が例1を100とした相対値で、100〜180であった。

0093

一方、例5は、第1室21の酸素燃焼比率が50〜100%であるが、第2室31の酸素燃焼比率が30%未満であり、溶解窯の燃焼空気総流量が229であった。また、例6は、第2室31の酸素燃焼比率が30〜75%であるが、第1室21の酸素燃焼比率が50%未満であり、溶解窯の燃焼空気総流量が250であった。

0094

第1室21の酸素燃焼比率が50〜100%、かつ、第2室31の酸素燃焼比率が30〜75%である溶解方法は、溶解窯の燃焼空気総流量が低減でき、NOx排出量が低減できることが分かった。

実施例

0095

上より、第1室21の酸素燃焼比率が50〜100%、かつ、第2室31の酸素燃焼比率が30〜75%である溶解方法は、B2O3の揮発を抑制できることに加え、NOx排出量が低減できることが分かった。

0096

12無アルカリガラスの原料
14溶融ガラス
16泡層
21 第1室
22 第1室の底壁
23 第1室の上流側壁
23a 原料の投入口
24 第1室の下流側壁
25 第1室の天井
26 第1室バーナ
31 第2室
32 第2室の底壁
33 第2室の上流側壁
34 第2室の下流側壁
35 第2室の天井
36 第2室バーナ
41 スロート

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