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技術 工作機械システム

出願人 ファナック株式会社
発明者 槇晋
出願日 2016年4月5日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-076034
公開日 2017年10月12日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-185584
状態 特許登録済
技術分野 工作機械の補助装置 工作物の供給
主要キーワード 折返し位置 最大開口幅 開閉端 ワーク交換装置 ドア閉位置 ドア開位置 工作機械システム 待機領域
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月12日)のものです。
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図面 (13)

課題

ワークの交換時のドア開閉時間の短縮化を図る工作機械システムを提供する。

解決手段

工作機械システム10は、工作機械を囲むカバー20の開口部20aを塞ぐ開閉可能なドア22と、ドア22を開閉するドア駆動部36とを備える工作機械12と、カバー20内に設置されたワークWの交換を行うワーク交換装置14とを備える。さらに、工作機械システム10は、ドア22のドア開口幅を設定する第1開口幅設定部52と、ドア開口幅より長い折返し開口幅を設定する第2開口幅設定部54と、ワーク交換装置14によるワークWの交換時に、ドア駆動部36を制御することで、ドア22の全閉位置から折返し開口幅の位置までドア22を開方向に移動させた後、ドア22を閉方向に移動させてドア開口幅の位置で停止させるドア制御部60と、を備える。

概要

背景

より安価に製品を製造するために、製造の自動化、高速化が求められている。その一環として、工作機械を用いた加工の自動化システムが存在する。この自動化システムにおいては、加工だけでなく、ワークの交換(未加工のワークの取付けおよび加工済みワークの払い出し)なども自動的に行う。このワークの交換は、ワーク交換装置によって行われる。また、加工時には、切粉切削液飛散を防止するため工作機械をカバーで覆うとともにドアを閉じ、ワークの交換時にはワーク交換装置がカバーの内部に移動できるようにドアを開く動作が必要となり、このドアの開閉も自動的に行う。ドアの開閉には、油圧や空気を用いた流体圧シリンダ駆動源として用いる場合があるが、位置や速度の制御が難しいため、ドアの停止位置直前で速度を下げることおよび任意の位置にドアを正確に停止させることが困難である。

下記に示す特許文献1には、サーボモータボールネジとを用いてドアを高速に開閉することが開示されている。これは、サーボモータによって、高速にドアを移動させても開閉端付近でドアを減速させることができ、且つ、任意の位置に停止させることができるため、開閉端でのショックを低減し、且つ、必要な幅だけドアを開くことで、ドアの開閉の高速化が図れる。これにより、ドアの開閉にかかる時間を短縮し、サイクルタイムの短縮化が図れる。

また、下記に示す特許文献2は、工作機械の内部と外部とを仕切るためのドア(開閉扉)ではなく、工作機械内部の加工領域と工具待機領域との間に設けられたドアに関するものではあるが、ドアを開く幅を変化させることで、工具交換の際の開閉扉の開閉時間の無駄をなくして、加工時間を短縮するというものである。

概要

ワークの交換時のドアの開閉時間の短縮化をる工作機械システムを提供する。工作機械システム10は、工作機械を囲むカバー20の開口部20aを塞ぐ開閉可能なドア22と、ドア22を開閉するドア駆動部36とを備える工作機械12と、カバー20内に設置されたワークWの交換を行うワーク交換装置14とを備える。さらに、工作機械システム10は、ドア22のドア開口幅を設定する第1開口幅設定部52と、ドア開口幅より長い折返し開口幅を設定する第2開口幅設定部54と、ワーク交換装置14によるワークWの交換時に、ドア駆動部36を制御することで、ドア22の全閉位置から折返し開口幅の位置までドア22を開方向に移動させた後、ドア22を閉方向に移動させてドア開口幅の位置で停止させるドア制御部60と、を備える。

目的

本発明は、ワークの交換時のドアの開閉時間の短縮化を図る工作機械システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

工作機械を囲むカバーの開口部を塞ぐ開閉可能なドアと、前記ドアを開閉する電動機とを備える前記工作機械と、前記カバー内に設置されたワークの交換を行うワーク交換装置と、を備える工作機械システムであって、前記ワークの交換に必要な前記ドアのドア開口幅を設定する第1開口幅設定部と、前記ドア開口幅より長く、且つ、前記ドアの折返し開口幅を設定する第2開口幅設定部と、前記ワーク交換装置による前記ワークの交換時に、前記電動機を制御することで、前記ドアの全閉位置から前記折返し開口幅の位置まで前記ドアを開方向に移動させた後、前記ドアを閉方向に移動させて前記ドア開口幅の位置で停止させるドア制御部と、を備えることを特徴とする工作機械システム。

請求項2

請求項1に記載の工作機械システムであって、前記第1開口幅設定部、前記第2開口幅設定部、および、前記ドア制御部のうち少なくとも1つは、前記工作機械の制御装置に設けられていることを特徴とする工作機械システム。

請求項3

請求項1または2に記載の工作機械システムであって、前記第1開口幅設定部、前記第2開口幅設定部、および、前記ドア制御部のうち少なくとも1つは、前記工作機械の制御装置とは異なる制御装置に設けられていることを特徴とする工作機械システム。

請求項4

請求項3に記載の工作機械システムであって、前記工作機械の制御装置とは異なる制御装置は、前記ワーク交換装置の制御装置であることを特徴とする工作機械システム。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の工作機械システムであって、前記ワーク交換装置は、前記ワークを把持する把持部と、前記把持部を移動させる移動部材とを有することを特徴とする工作機械システム。

請求項6

請求項5に記載の工作機械システムであって、前記ワーク交換装置は、開方向に移動した前記ドアが前記ドア開口幅の位置まで移動すると、停止位置にある前記移動部材および前記把持部を駆動させて前記ワークの交換を行い、その後、前記把持部を前記停止位置まで退避させ、前記ドア制御部は、前記ワークの交換後、前記ドアを前記全閉位置に移動させても前記ドアと前記移動部材および前記把持部とが干渉しない位置まで前記把持部が退避すると、前記電動機を制御して、前記ドア開口幅の位置で停止している前記ドアを閉方向に移動させて前記ドアを閉じることを特徴とする工作機械システム。

技術分野

0001

本発明は、工作機械のワークの交換のためにドア開閉させる工作機械システムに関する。

背景技術

0002

より安価に製品を製造するために、製造の自動化、高速化が求められている。その一環として、工作機械を用いた加工の自動化システムが存在する。この自動化システムにおいては、加工だけでなく、ワークの交換(未加工のワークの取付けおよび加工済みワークの払い出し)なども自動的に行う。このワークの交換は、ワーク交換装置によって行われる。また、加工時には、切粉切削液飛散を防止するため工作機械をカバーで覆うとともにドアを閉じ、ワークの交換時にはワーク交換装置がカバーの内部に移動できるようにドアを開く動作が必要となり、このドアの開閉も自動的に行う。ドアの開閉には、油圧や空気を用いた流体圧シリンダ駆動源として用いる場合があるが、位置や速度の制御が難しいため、ドアの停止位置直前で速度を下げることおよび任意の位置にドアを正確に停止させることが困難である。

0003

下記に示す特許文献1には、サーボモータボールネジとを用いてドアを高速に開閉することが開示されている。これは、サーボモータによって、高速にドアを移動させても開閉端付近でドアを減速させることができ、且つ、任意の位置に停止させることができるため、開閉端でのショックを低減し、且つ、必要な幅だけドアを開くことで、ドアの開閉の高速化が図れる。これにより、ドアの開閉にかかる時間を短縮し、サイクルタイムの短縮化が図れる。

0004

また、下記に示す特許文献2は、工作機械の内部と外部とを仕切るためのドア(開閉扉)ではなく、工作機械内部の加工領域と工具待機領域との間に設けられたドアに関するものではあるが、ドアを開く幅を変化させることで、工具交換の際の開閉扉の開閉時間の無駄をなくして、加工時間を短縮するというものである。

先行技術

0005

特許第4629392号公報
特開2010−228063号公報

発明が解決しようとする課題

0006

このように、上記特許文献1、2には、必要な幅だけドアを開く技術が開示されている。しかしながら、ドアの移動を停止させる際には、ドアの移動速度を徐々に低減させてからドアを停止させる必要があるため、図12Aに示すように、必要な幅(必要幅)だけドアを開く場合は、必要幅だけドアが開く前にドアが減速してしまうため、ドアを開く時間が長くなってしまう。そのため、図12Bに示すように、ドアが開く幅を、必要幅より長くすることで、ドアを必要幅だけ開く前にドアが減速することを防止することができ、ドアを必要な幅だけ開く時間を短縮することができる。しかしながら、ドアを開いて停止したときのドアの開口幅と必要幅との差分(余分幅)だけドアを余分に開いているので、ドアを開いて停止した位置(ドア開位置)からドアの全閉位置(ドア閉位置)までの距離が長くなってしまう。これにより、ドアを閉じる動作に時間がかかり、ワークの交換時のドアの開閉時間が長くなってしまう。

0007

そこで、本発明は、ワークの交換時のドアの開閉時間の短縮化を図る工作機械システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、工作機械を囲むカバーの開口部を塞ぐ開閉可能なドアと、前記ドアを開閉する電動機とを備える前記工作機械と、前記カバー内に設置されたワークの交換を行うワーク交換装置と、を備える工作機械システムであって、前記ワークの交換に必要な前記ドアのドア開口幅を設定する第1開口幅設定部と、前記ドア開口幅より長く、且つ、前記ドアの折返し開口幅を設定する第2開口幅設定部と、前記ワーク交換装置による前記ワークの交換時に、前記電動機を制御することで、前記ドアの全閉位置から前記折返し開口幅の位置まで前記ドアを開方向に移動させた後、前記ドアを閉方向に移動させて前記ドア開口幅の位置で停止させるドア制御部と、を備える。

0009

この構成により、ドアとワーク交換装置との干渉を防止しつつ、ワーク交換時のドアの開閉時間を短くすることができる。したがって、サイクルタイムを短縮させることができる。

0010

前記第1開口幅設定部、前記第2開口幅設定部、および、前記ドア制御部のうち少なくとも1つは、前記工作機械の制御装置に設けられていてもよい。

0011

前記第1開口幅設定部、前記第2開口幅設定部、および、前記ドア制御部のうち少なくとも1つは、前記工作機械の制御装置とは異なる制御装置に設けられていてもよい。

0012

前記工作機械の制御装置とは異なる制御装置は、前記ワーク交換装置の制御装置であってもよい。

0013

前記ワーク交換装置は、前記ワークを把持する把持部と、前記把持部を移動させる移動部材とを有する。これにより、ワーク交換装置によってワークの交換を行うことができる。

0014

前記ワーク交換装置は、開方向に移動した前記ドアが前記ドア開口幅の位置まで移動すると、停止位置にある前記移動部材および前記把持部を駆動させて前記ワークの交換を行い、その後、前記把持部を前記停止位置まで退避させ、前記ドア制御部は、前記ワークの交換後、前記ドアを前記全閉位置に移動させても前記ドアと前記移動部材および前記把持部とが干渉しない位置まで前記把持部が退避すると、前記電動機を制御して、前記ドア開口幅の位置で停止している前記ドアを閉方向に移動させて前記ドアを閉じる。これにより、ドアとワーク交換装置との干渉を防止しつつ、サイクルタイムを短縮させることができる。

発明の効果

0015

本発明によれば、ドアとワーク交換装置との干渉を防止しつつ、ワーク交換時のドアの開閉時間を短くすることができる。したがって、サイクルタイムを短縮させることができる。

図面の簡単な説明

0016

実施の形態の工作機械システムの構成を示す構成図である。
図2Aは、ドアの位置がドア干渉領域内にあるときのドアの状態の一例を示す図、図2Bは、ドアの位置がドア干渉境界位置にあるときのドアの状態を示す図、図2Cは、ドアの位置がドア干渉外領域内にあるときのドアの状態の一例を示す図である。
図3Aは、工作機械の動作位置がワーク交換装置干渉外領域内にあるときの工作機械の状態の一例を示す図、図3Bは、工作機械の動作位置がワーク交換装置干渉境界位置にあるときの工作機械の状態を示す図、図3Cは、工作機械の動作位置がワーク交換装置干渉領域内にあるときの状態の一例を示す図である。
実施の形態のドアの開閉動作を説明するための図である。
図1に示す工作機械システム(工作機械およびワーク交換装置)の全体的な動作を示すフローチャートである。
数値制御装置の構成を示す構成図である。
図6に示す数値制御装置の動作を示すフローチャートである。
図6に示すデータ入力部によるドア開口幅および折返し開口幅の入力例を示す図である。
加工プログラムの一例を示す図である。
変形例1における加工プログラムの一例を示す図である。
変形例3における工作機械システムの構成を示す構成図である。
図12Aおよび図12Bは、本発明の課題を説明するための図である。

実施例

0017

本発明に係る工作機械システムについて、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。

0018

図1は、実施の形態の工作機械システム10の構成を示す構成図(機能ブロック図)である。工作機械システム10は、工作機械12とワーク交換装置14とを備える。工作機械12は、ワークW(図3A〜図3C参照)に対して加工を行うものである。工作機械12は、テーブルTa(図3A〜図3C参照)に設置されたワークWに対して加工を行う。ワーク交換装置14は、工作機械12によって加工が終了したワーク(加工済みのワーク)Wを取り出し、未加工のワークWをテーブルTa上に設置(載置)する。つまり、ワーク交換装置14は、工作機械12によって加工が施されるワークWの交換を行う。

0019

図2A〜図2Cに示すように、工作機械12は、開口部20aを有するカバー20によって囲まれており、カバー20には、カバー20の開口部20aを塞ぐための開閉可能なドア22が設けられている。このカバー20は、ワークWの加工に使用される切削液およびワークの加工によって切粉(切削屑)が、工作機械12によるワークWの加工中に周囲に飛散するのを防止するためのカバーである。工作機械12は、加工中は、図2Aに示すように、カバー20の開口部20aを塞ぐためにドア22を閉めた状態にする。ワークWの交換時には、カバー20内に設置された加工済みのワークWを取りだし、未加工のワークWをカバー20内に設置する必要があるため、図2Bまたは図2Cに示すように、ドア22を所望する開口幅まで開いた後、ワーク交換装置14によってワークWの交換が行われる。また、図3A〜図3Cに示すように、このワークWの交換は、ワーク交換装置14のアーム24aおよびワークWを把持する把持部24bによって行われる。つまり、このアーム24aが、ドア22によって空いた開口部20aを通ってカバー20内にまで延びた後、把持部24bがワークWを把持することで、ワークWの交換が行われる。このアーム24aは、把持部24bを移動させるための移動部材である。この把持部24bは、テーブルTa上に載置されている加工済みのワークWを把持するとともに、未加工のワークWの把持を解除することで未加工のワークWをテーブルTa上に載置する。

0020

ここで、ドア22が完全に閉じている状態(図2Aに示す状態)のドア22の位置、つまり、ドア22の開口幅が最小(0)のドア22の位置を全閉位置とする。また、ドア22が完全に開いている状態(図2Cに示す状態)のドア22の位置、つまり、ドア22の開口幅が最大のときのドア22の位置を全開位置とする。そして、ドア22が開いて停止した位置をドア開停止位置とする。このドア開停止位置は、全閉位置から全開位置の範囲内の位置である。なお、ドア開停止位置=全開位置、ドア開停止位置=全閉位置、となる場合はないものとする。

0021

また、ワーク交換装置14がワーク交換の動作範囲内で動作した場合に、ドア22とワーク交換装置14(具体的にはアーム24aおよび把持部24bの少なくとも一方)とが干渉してしまうドア22の位置の範囲(領域)をドア干渉領域と呼ぶ(例えば、図2Aに示す状態)。また、ワーク交換装置14がワーク交換の動作範囲内でどのように動作した場合であっても、ドア22とワーク交換装置14(具体的にはアーム24aおよび把持部24b)とが干渉しないドア22の位置の範囲(領域)をドア干渉外領域と呼ぶ(例えば、図2Cに示す状態)。そして、ドア干渉領域とドア干渉外領域との境界のドア22の位置をドア干渉境界位置とする(図2Bに示す状態)。つまり、ドア22の位置が図2Bに示すドア干渉境界位置より右方向(閉方向)に移動するとドア干渉領域となり、ドア22の位置が図2Bに示すドア干渉境界位置より左方向(開方向)に移動するとドア干渉外領域となる。このドア干渉境界位置までドア22が開いていればワークWの交換を行うことができ、このドア干渉境界位置はオペレータ(ユーザ)によって設定される。

0022

さらに、ドア22が動作範囲内でどのように動作(移動)した場合であっても、ドア22とワーク交換装置14(具体的にはアーム24aおよび把持部24b)とが干渉しないワーク交換装置14の動作位置の範囲(領域)をワーク交換装置干渉外領域と呼ぶ(例えば、図3Aに示す状態)。なお、図3Aに示すワーク交換装置14(具体的にはアーム24aおよび把持部24b)の動作位置を停止位置(退避位置)とする。ドア22が動作範囲内で動作した場合に、ドア22とワーク交換装置14(具体的にはアーム24aおよび把持部24bの少なくとも一方)とが干渉してしまうワーク交換装置14の動作位置の範囲(領域)をワーク交換装置干渉領域と呼ぶ(例えば、図3Cに示す状態)。そして、ワーク交換装置干渉領域とワーク交換装置干渉外領域との境界のワーク交換装置14の動作位置をワーク交換装置干渉境界位置とする(図3Bに示す状態)。つまり、図3Bに示すワーク交換装置干渉境界位置から停止位置までのワーク交換装置14の動作は、ワーク交換装置干渉外領域となり、図3Bに示すワーク交換装置干渉境界位置からワークを交換するまでのワーク交換装置14の動作は、ワーク交換装置干渉領域となる。なお、図3A〜図3Cは、図2A〜図2Cに示すカバー20の側面断面図である。

0023

図1の説明に戻り、工作機械12は、数値制御装置(制御装置)30と駆動機構32とを有する。駆動機構32は、工作機械12の図示しない複数の加工軸を駆動させる複数の加工軸駆動部34と、ドア22を開閉させるドア駆動部36とを有する。この複数の加工軸駆動部34およびドア駆動部36は、サーボモータなどの電動機によって構成される。数値制御装置30は、複数の加工軸駆動部34を制御することで、ワーク(加工対象物)Wに対して加工を行う。また、数値制御装置30は、ドア駆動部36を制御することで、ドア22の開閉を行う(図2A〜図2C参照)。なお、数値制御装置30は、図示しない記憶媒体に記憶された加工プログラムにしたがって複数の加工軸駆動部34およびドア駆動部36を駆動させる。

0024

ワーク交換装置14は、制御装置40と駆動機構42とを有する。駆動機構42は、ワーク交換装置14の図示しない複数の駆動軸(例えば、アーム24aおよび把持部24bの駆動軸)を駆動させる複数の駆動部44を有する。この複数の駆動部44は、サーボモータなどの電動機によって構成される。制御装置40は、複数の駆動部44を制御することで、アーム24aおよび把持部24bを動かして、ワークWの交換を行う。つまり、工作機械12によって加工が終了したワークW(加工済みのワークW)の取り出しと、未加工のワークWのテーブルTa上への設置を行う。この数値制御装置30と制御装置40とは互いに通信可能となっている。この通信は、有線であってもよし、無線であってもよい。なお、制御装置40は、図示しない記憶媒体に記憶されたプログラムにしたがって複数の駆動部44を駆動させる。

0025

ドア22の開閉時間を短くし、サイクルタイムを短縮するためには、ドア22が全閉位置からドア干渉境界位置まで移動する時間と、ドア22が開いて停止したドア開停止位置から全閉位置まで移動する時間との合計時間を短くする必要がある。なお、工作機械12は、ワークWの交換時にドア22を開方向に移動させてドア22を開き、ワーク交換装置14は、ドア22がドア干渉境界位置まで移動すると、ワークWの交換動作を開始する。そして、工作機械12は、ワークWの交換後にワーク交換装置14の動作位置がワーク交換装置干渉境界位置に達すると、ドア22を全閉位置まで移動させてドア22を閉じる。したがって、少なくとも開方向に移動しているドア22がドア干渉境界位置を通過してから停止するまでの時間は、ワーク交換装置14によってワークWの交換が行われているので、この時間は、ドア22の開閉時間に含まれないものとする。つまり、本実施の形態のドア22の開閉時間とは、ワークWの交換のためにドア22だけが移動している時間である。

0026

既に述べたように、ドア22をワーク交換に必要なドア開口幅(全閉位置からドア干渉境界位置までの距離)だけ開く場合は、ドア開口幅だけ開く前にドア22が減速してしまうため、ワークWの交換時のドア22の開閉時間が長くなってしまう(図12A参照)。また、ドア22を開く幅をドア開口幅より長くすることで、ドア開口幅だけ開く前にドア22が減速することを抑制することができる。しかしながら、ドア22を開いて停止したときのドア22の開口幅とドア開口幅との差分(余分幅)だけドア22を余分に開いているので、今度は、ドア22を全閉位置まで閉めるのに時間がかかってしまう(図12B参照)。

0027

したがって、図4に示すように、ワークWの交換のためにドア22を開方向に開くときは、ドア開口幅より長い折返し開口幅までドア22を開いた後、ワーク交換装置14によるワークWの交換中にドア22を閉方向に移動させてドア開口幅の位置で停止させておく。これにより、ワークWの交換後にドア22を全閉位置まで閉める時間を短くすることができる。したがって、ドア開口幅の位置(ドア22がドア開口幅だけ開いたときのドア22の位置)が、ドア開停止位置となり、ドア開停止位置=ドア干渉境界位置となる。なお、この折返し開口幅の位置(ドア22が折返し開口幅だけ開いたときのドア22の位置)をドア開折返し位置と呼ぶ。この折返し開口幅は、ドア22の最大開口幅以下の距離とする。したがって、ドア開折返し位置は、全開位置または全開位置より全閉位置側の位置となる。なお、ドア22は、原則として、所定の移動速度(一定の移動速度)で移動するが、移動開始時においてはドア22の移動速度は徐々に加速し、停止時には徐々に減速する。

0028

次に、工作機械システム10(工作機械12およびワーク交換装置14)の全体的な動作を、図5に示すフローチャートにしたがって説明する。まず、ステップS1で、工作機械12の数値制御装置30は、ワークWの加工が完了したか否かを判断する。具体的には、数値制御装置30は、加工プログラムに基づいて加工が完了したか否かを判断する。

0029

ステップS1で、ワークWの加工が完了したと判断すると、ステップS2に進み、数値制御装置30は、ドア駆動部36を制御することでドア開動作を開始する。具体的には、数値制御装置30は、全閉位置からドア開折返し位置までドア22を開方向に移動させた後、ドア22を閉方向に移動させてドア開停止位置で停止させるというドア開動作を開始する。

0030

次いで、ステップS3で、数値制御装置30は、ドア22の位置が、ドア干渉外領域に入ったか否かまたはドア干渉境界位置に到達したか否かを判断する。具体的には、数値制御装置30は、ドア駆動部36に設けられた図示しないエンコーダからの検出信号(ドア22の移動量を示す検出信号)に基づいてこの判断を行う。このドア干渉境界位置は、オペレータによって設定されたドア開口幅に基づいて一義的に決定される。ワークWの交換時には、ドア22とワーク交換装置14との干渉を防ぐため、ドア22をドア干渉境界位置以上開いた後、ワーク交換装置14による交換動作を開始する必要がある。このドア干渉境界位置は、ワークWの種類、ワークWの大きさ、または、ワーク交換装置14の動作領域によって変動する。また、サイクルタイムを短縮するためには、ドア開口幅はなるべく狭い方がよい。したがって、オペレータは、ドア22の全閉位置からドア干渉境界位置までの幅(距離)をドア開口幅として設定する。つまり、ドア開口幅とは、ドア22の全閉位置からドア干渉境界位置までの距離(幅)を示す情報であり、ワークWの交換に必要なドア22の開口幅(必要幅)である。なお、ドア22とワーク交換装置14(アーム24aおよび把持部24b)との干渉のリスクを下げるために、オペレータは、実際のドア干渉境界位置より若干長くしてドア開口幅を設定してもよい。

0031

ステップS3で、ドア22の位置がドア干渉外領域に入っていないまたはドア干渉境界位置に到達していないと判断すると、ドア22の位置がドア干渉外領域に入ったまたはドア干渉境界位置に到達したと判断するまでステップS3に留まる。そして、ステップS3で、ドア22の位置がドア干渉外領域に入ったまたはドア干渉境界位置に到達したと判断すると、ステップS4に進み、数値制御装置30は、ドア干渉外領域信号(ワーク交換開始信号)をワーク交換装置14の制御装置40に送信する。

0032

次いで、ステップS5で、数値制御装置30は、ドア22がドア開折返し位置まで移動したか否かを判断する。具体的には、数値制御装置30は、ドア駆動部36に設けられた図示しないエンコーダからの検出信号(ドア22の移動量を示す検出信号)に基づいてこの判断を行う。このドア開折返し位置は、オペレータによって設定された折返し開口幅に基づいて一義的に決定される。この折返し開口幅は、ドア22の全閉位置からドア開折返し位置までの幅(距離)を示す情報である。この折返し開口幅は、ドア開口幅より長い幅である。オペレータによるドア開口幅および折返し開口幅の設定については後で詳しく説明する。

0033

ステップS5で、ドア22がドア開折返し位置まで移動していないと判断すると、ドア22がドア開折返し位置まで移動したと判断するまでステップS5に留まる。一方、ステップS5で、ドア22がドア開折返し位置まで移動したと判断すると、ステップS6に進み、数値制御装置30は、ドア駆動部36を制御することでドア22のドア開停止位置への移動を開始する。ドア開停止位置は、ドア開折返し位置より全閉位置側にあるので、ステップS6の動作によってドア22は、ドア開折返し位置で一旦停止した後、閉方向に移動することになる。

0034

次いで、ステップS7で、数値制御装置30は、ドア22がドア開停止位置(ドア干渉境界位置)まで移動したか否かを判断する。具体的には、数値制御装置30は、ドア駆動部36に設けられた前記エンコーダからの検出信号(ドア22の移動量を示す検出信号)に基づいてこの判断を行う。ステップS7で、ドア開停止位置まで移動していないと判断するとステップS7に留まり、ドア22がドア開停止位置まで移動したと判断すると、ステップS8に進む。ステップS8に進むと、数値制御装置30は、ドア駆動部36を制御することでドア22の移動を停止させる。これにより、ドア22は、ドア開停止位置(ドア干渉境界位置)で停止する。

0035

ワーク交換装置14の制御装置40は、ステップS4で、工作機械12の数値制御装置30から送信されたドア干渉外領域信号(ワーク交換開始信号)を受信すると、ステップS9で、ワークWの交換動作を開始する。制御装置40は、複数の駆動部44を制御することでワークWの交換動作を開始する。この交換動作の開始により、停止位置(退避位置)にあるアーム24aおよび把持部24b(図3Aに示す状態)は、カバー20内に設置されたワークWに向けて移動し、ワークWの交換を行った後、停止位置まで戻る(退避する)という動作を行う。

0036

次いで、ステップS10に進み、制御装置40は、ワークWの交換を行った後、ワーク交換装置14(アーム24aおよび把持部24b)の動作位置が、ワーク交換装置干渉外領域に入ったか否かまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達したか否かを判断する。具体的には、制御装置40は、複数の駆動部44の各々に設けられた図示しないエンコーダからの検出信号に基づいて、アーム24aおよび把持部24bの動作位置を算出する。そして、制御装置40は、算出したアーム24aおよび把持部24bの動作位置が、ワーク交換装置干渉外領域に入ったか否かまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達したか否かを判断する。なお、制御装置40の図示しない記憶媒体には、このワーク交換装置干渉境界位置の位置情報が記憶されており、この位置情報に基づいてこの判断を行う。ステップS10で、NOと判断した場合は、YESと判断するまでステップS10に留まる。そして、ステップS10で、YESと判断した場合は(つまり、ワークWの交換を行った後、ワーク交換装置14(アーム24aおよび把持部24b)の動作位置が、ワーク交換装置干渉外領域に入ったまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達したと判断した場合は)、ステップS11に進み、制御装置40は、ワーク交換装置干渉外領域信号(ドア閉開始信号)を工作機械12の数値制御装置30に送信する。

0037

次いで、ステップS12で、制御装置40は、ワーク交換装置14(アーム24aおよび把持部24b)が停止位置まで移動(動作)したか否かを判断する。具体的には、制御装置40は、複数の駆動部44の各々に設けられた前記エンコーダからの検出信号に基づいてこの判断を行う。ステップS12で、ワーク交換装置14(アーム24aおよび把持部24b)が停止位置まで移動(動作)していないと判断するとステップS12に留まり、停止位置まで動作したと判断すると、ステップS13に進む。ステップS13に進むと、制御装置40は、複数の駆動部44を制御することで、ワーク交換装置14(アーム24aおよび把持部24b)の動作を停止させる。

0038

工作機械12の数値制御装置30は、ステップS11で、ワーク交換装置14の制御装置40から送信されたワーク交換装置干渉外領域信号(ドア閉開始信号)を受信すると、ステップS14で、ドア22を閉じるドア閉動作を開始する。数値制御装置30は、ドア駆動部36を制御することでドア閉動作を開始する。これにより、ドア22は、ドア開停止位置から全閉位置まで移動する。

0039

次いで、ステップS15で、数値制御装置30は、ドア22が全閉位置まで移動したか否かを判断する。具体的には、数値制御装置30は、ドア駆動部36に設けられた前記エンコーダからの検出信号(ドア22の移動量を示す検出信号)に基づいてこの判断を行う。ステップS15で、ドア22が全閉位置まで移動していないと判断するとステップS15に留まり、ドア22が全閉位置まで移動したと判断すると、ステップS16に進む。ステップS16に進むと、数値制御装置30は、ドア22の移動を停止させる。そして、ステップS17で、数値制御装置30は、複数の加工軸駆動部34を制御して、ワーク交換装置14によって交換された未加工のワークWへの加工を開始する。

0040

図6は、数値制御装置30の構成を示す構成図(機能ブロック図)である。数値制御装置30は、データ入力部50、第1開口幅設定部52、第2開口幅設定部54、開口幅記憶部56、加工プログラム解析部58、および、ドア制御部60を備える。また、図7は、数値制御装置30の動作を示すフローチャートである。図6および図7を用いて、数値制御装置30の各部の構成の機能、動作を説明する。

0041

ステップS31で、データ入力部50は、オペレータ(ユーザ)の操作に応じて、ドア開口幅および折返し開口幅を入力する。データ入力部50は、オペレータがドア開口幅および折返し開口幅などのデータを入力するためのインターフェースであり、タッチパネル付き液晶パネルであってもよい。この場合は、オペレータ(ユーザ)は、表示画面を指でタッチすることで、データを入力することができる。また、データ入力部50は、液晶パネル、マウス、および、キーボードであってもよい。これにより、オペレータは、液晶パネルの表示画面を見ながら、マウスおよびキーボードを操作することでデータを入力することができる。

0042

ステップS32で、第1開口幅設定部52は、データ入力部50によって入力されたドア開口幅を設定し、第2開口幅設定部54は、データ入力部50によって入力された折返し開口幅を設定する。この第1開口幅設定部52が設定したドア開口幅および第2開口幅設定部54が設定した折返し開口幅は、開口幅記憶部56に記憶される。つまり、第1開口幅設定部52および第2開口幅設定部54は、設定したドア開口幅および折返し開口幅を開口幅記憶部56に記憶する。

0043

図8は、データ入力部50によるドア開口幅および折返し開口幅の入力例を示す図である。データ入力部50の表示画面には、複数の対応コードD(D1〜D3)に対応してドア開口幅および折返し開口幅の各々を入力することができる複数(本実施の形態では3つ)の第1入力欄IDa(IDa1〜IDa3)および第2入力欄IDb(IDb1〜IDb3)が表示されている。データ入力部50は、オペレータの操作(例えば、タッチパネルの操作、または、キーボード、マウスなどの操作)に応じて、3つの第1入力欄IDa(IDa1〜IDa3)の各々にドア開口幅を、3つの第2入力欄IDb(IDb1〜IDb3)の各々に折返し開口幅を入力する(ステップS31)。

0044

データ入力部50は、このドア開口幅および折返し開口幅として座標を入力してもよいし、その幅(距離)を入力してもよい。図8に示す例では、対応コードD1に対応した第1入力欄IDa1には「300.0」と入力され、第2入力欄IDb1には「400.0」と入力されている。また、対応コードD2に対応した第1入力欄IDa2には「400.0」と入力され、第2入力欄IDb2には「500.0」と入力され、対応コードD3に対応した第1入力欄IDa3には「500.0」と入力され、第2入力欄IDb3には「600.0」と入力されている。

0045

そして、オペレータがドア開口幅および折返し開口幅を入力した後、図示しない画面上に表示された設定ボタンを押すと、第1開口幅設定部52および第2開口幅設定部54は、入力された複数のドア開口幅および折返し開口幅を設定する(ステップS32)。具体的には、第1開口幅設定部52は、第1入力欄IDa(IDa1〜IDa3)に入力された3つのドア開口幅を設定し、第2開口幅設定部54は、第2入力欄IDb(IDb1〜IDb3)に入力された3つの折返し開口幅を設定する。このとき、第1開口幅設定部52および第2開口幅設定部54は、複数の対応コードD(D1〜D3)の各々に対応付けて、設定した複数のドア開口幅(第1入力欄IDaに入力された複数のドア開口幅)および複数の折返し開口幅(複数の第2入力欄IDbに入力された複数の折返し開口幅)を開口幅記憶部56に記憶する。

0046

ここで、設定したドア開口幅および折返し開口幅との差(距離)が、つまり、ドア開停止位置とドア開折返し位置との差(距離)が長すぎると、ワークWの交換を行った後のワーク交換装置14の動作位置が、ワーク交換装置干渉外領域に入ったまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達した時点で、未だドア22がドア開停止位置に到達していない可能性がある。したがって、ワーク交換装置14の動作位置がワーク交換装置干渉外領域に入ったまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達した時点までに、ドア22がドア開停止位置に到達するように、オペレータは折返し開口幅を設定する。なお、オペレータによって設定されたドア開口幅および折返し開口幅との差(距離)が長すぎて、ワークWの交換を行った後のワーク交換装置14の動作位置が、ワーク交換装置干渉外領域に入ったまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達した時点で、未だドア22がドア開停止位置に到達していない場合は、数値制御装置30は、ドア開停止位置で停止させることなく、そのままドア22を全閉位置まで移動させてもよい。

0047

加工プログラム解析部58は、加工プログラムを読み込んで解析するものである。加工プログラム解析部58は、加工プログラムを解析することで、ドア開指令コード(例えば、M100)を検出したか否かを判断する(ステップS33)。加工プログラム解析部58は、ドア開指令コードを検出するとドア開指令をドア制御部60に出力する。加工プログラム中には、ドア開指令コードとともに、設定した複数のドア開口幅および折返し開口幅のうちどの開口幅を使用するかを示す対応コードDも併記されている。したがって、加工プログラム解析部58は、ドア開指令とともに対応コードDもドア制御部60に出力する。図9は、加工プログラムの一例を示す図である。図9を見るとわかるように、加工プログラムには、「M100 D1」と記載されていることから、加工プログラム解析部58は、ドア開指令コードである「M100」を検出すると、ドア開指令とともに対応コードD1をドア制御部60に出力する。

0048

ドア制御部60は、加工プログラム解析部58からドア開指令が送られてくると(ステップS33でYESに分岐)、ドア22の開動作を行う(ステップS34)。ドア制御部60は、ドア駆動部36を制御してドア22を開く。このとき、ドア制御部60には、加工プログラム解析部58からドア開指令と一緒に送られてきた対応コードDに対応するドア開口幅および折返し開口幅を開口幅記憶部56から読出し読み出したドア開口幅および折返し開口幅に基づいて、ドア駆動部36を制御する。つまり、ドア制御部60は、ドア駆動部36を制御して、ドア22の全閉位置から折返し開口幅の位置までドア22を開方向に移動させた後、ドア22を閉方向に移動させてドア開口幅の位置で停止させる。図9に示す例では、ドア開指令コード「M100」とともに併記された対応コードDはD1となっており、図8に示す例では、対応コードD1に対応するドア開口幅および折返し開口幅は「300.0」および「400.0」となっている。したがって、ドア制御部60は、ドア開口幅「300.0」および折返し開口幅「400.0」に基づいてドア駆動部36を制御する。なお、このドア制御部60によって、図5のステップS2およびステップS5〜ステップS8の動作が行なわれるとともに、ステップS14〜ステップS16の動作も行なわれる。

0049

[上記実施の形態の変形例]
上記実施の形態は、以下のように変形してもよい。

0050

(変形例1)変形例1では、第1開口幅設定部52および第2開口幅設定部54は、加工プログラム中にデータ入力部50によって入力されたドア開口幅および折返し開口幅を組み込むことで、ドア開口幅および折返し開口幅を設定する。図10は、ドア開口幅および折返し開口幅が組み込まれた加工プログラムの一例を示す図である。図10に示すように、加工プログラムには、ドア開指令コードである「M100」とともに、ドア開口幅指令コードである「D300.0」および折返し開口幅指令コードである「E500.0」が併記されている。このドア開口幅指令コードの「300.0」は、第1開口幅設定部52で設定されたドア開口幅であり、折返し開口幅指令コードの「500.0」は、第2開口幅設定部54で設定された折返し開口幅である。そして、加工プログラム解析部58は、ドア開指令コード「M100」を検出すると、ドア開指令をドア制御部60に出力するとともに、検出したドア開口幅および折返し開口幅をドア制御部60に出力する。ドア制御部60は、加工プログラム解析部58からドア開指令、ドア開口幅、および、折返し開口幅が送られてくると、ドア開口幅および折返し開口幅に基づいてドア駆動部36を制御する。したがって、本変形例1では、開口幅記憶部56は不要となる。

0051

(変形例2)上記実施の形態および変形例1では、数値制御装置30がドア駆動部36を制御したが、ワーク交換装置14の制御装置40がドア駆動部36を制御してもよい。この場合は、ドア22の位置がドア干渉外領域に入ったか否かまたはドア干渉境界位置に達したか否かの判断(ステップS3の動作)を、制御装置40が行なってもよい。また、ワーク交換装置14の動作位置がワーク交換装置干渉外領域に入ったか否かまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達したかの判断(ステップS10の動作)を、数値制御装置30が行なってもよい。この場合は、ワーク交換装置14は、ワーク交換装置14の動作情報を数値制御装置30に出力するとともに、数値制御装置30の図示しない記憶媒体には、このワーク交換装置干渉境界位置の位置情報が記憶されている。

0052

(変形例3)上記実施の形態および変形例1では、数値制御装置30がドア駆動部36を制御したが、図11に示すように、集中制御装置70がドア駆動部36を制御してもよい。この集中制御装置70は、数値制御装置30および制御装置40の制御を統括する上位制御装置である。この場合は、ドア22の位置がドア干渉外領域に入ったか否かまたはドア干渉境界位置に達したか否かの判断(ステップS3の動作)を、集中制御装置70が行なってもよい。また、ワーク交換装置14の動作位置がワーク交換装置干渉外領域に入ったか否かまたはワーク交換装置干渉境界位置に到達したかの判断(ステップS10の動作)を、集中制御装置70が行なってもよい。この場合は、ワーク交換装置14は、ワーク交換装置14の動作情報を集中制御装置70に出力するとともに、集中制御装置70の図示しない記憶媒体には、このワーク交換装置干渉境界位置の位置情報が記憶されている。この集中制御装置70は、複数の工作機械12の数値制御装置30および複数のワーク交換装置14の制御装置40を制御してもよい。つまり、図11に示すように、工作機械12とワーク交換装置14とを有する複数の生産設備72を、集中制御装置70が一括して制御してもよい。

0053

(変形例4)データ入力部50、第1開口幅設定部52、第2開口幅設定部54、開口幅記憶部56、加工プログラム解析部58、および、ドア制御部60のうち、少なくとも1つを数値制御装置30以外の制御装置(例えば、ワーク交換装置14の制御装置40または集中制御装置70)に設けてもよい。

0054

(変形例5)上記実施の形態および変形例1〜4では、ワーク交換装置14としてロボットを例に挙げて説明したが、ローダであってもよい。ローダも、ワークWを把持する把持部と、この把持部を移動させる移動部材とを有する。

0055

以上のように、上記実施の形態および変形例1〜5の少なくとも1つの形態で説明した工作機械システム10は、工作機械12を囲むカバー20の開口部20aを塞ぐ開閉可能なドア22と、ドア22を開閉するドア駆動部36とを備える工作機械12と、カバー20内に設置されたワークWの交換を行うワーク交換装置14とを備える。そして、工作機械システム10は、ワークWの交換に必要なドア22のドア開口幅を設定する第1開口幅設定部52と、ドア開口幅より長く、且つ、ドア22の折返し開口幅を設定する第2開口幅設定部54と、ワーク交換装置14によるワークWの交換時に、ドア駆動部36を制御することで、ドア22の全閉位置から折返し開口幅の位置までドア22を開方向に移動させた後、ドア22を閉方向に移動させてドア開口幅の位置で停止させるドア制御部60とを備える。

0056

これにより、ドア22とワーク交換装置14との干渉を防止しつつ、ワークW交換時のドア22の開閉時間を短くすることができる。したがって、サイクルタイムを短縮させることができる。

0057

第1開口幅設定部52、第2開口幅設定部54、および、ドア制御部60のうち少なくとも1つを、工作機械12の数値制御装置30に設けてもよい。また、第1開口幅設定部52、第2開口幅設定部54、および、ドア制御部60のうち少なくとも1つを、工作機械12の数値制御装置30とは異なる制御装置に設けてもよい。工作機械12の数値制御装置30とは異なる制御装置は、ワーク交換装置14の制御装置40であってもよく、集中制御装置70であってもよい。

0058

ワーク交換装置14は、ワークWを把持する把持部(例えば、把持部24b)と、把持部を移動させる移動部材(例えば、アーム24aなど)とを有する。したがって、ワーク交換装置14によってワークWの交換を行うことができる。

0059

ワーク交換装置14は、開方向に移動したドア22がドア開口幅の位置まで移動すると、停止位置にある移動部材および把持部を駆動させてワークWの交換を行い、その後、把持部を停止位置まで退避させる。ドア制御部60は、ワークWの交換後、ドア22を全閉位置に移動させてもドア22と移動部材および把持部とが干渉しない位置まで把持部が退避すると、ドア駆動部36を制御して、ドア開口幅の位置で停止しているドア22を閉方向に移動させてドア22を閉じる。これにより、ドア22とワーク交換装置14との干渉を防止しつつ、サイクルタイムを短縮させることができる。

0060

10…工作機械システム12…工作機械
14…ワーク交換装置20…カバー
20a…開口部 22…ドア
24a…アーム24b…把持部
30…数値制御装置32、42…駆動機構
34…加工軸駆動部 36…ドア駆動部
40…制御装置44…駆動部
50…データ入力部 52…第1開口幅設定部
54…第2開口幅設定部 56…開口幅記憶部
58…加工プログラム解析部 60…ドア制御部
70…集中制御装置

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