図面 (/)
課題
解決手段
概要
背景
概要
四足動物に容易に着用させることができ、圧迫感を与えにくい動物用衣服を提供する。本発明の動物用衣服10は、四足動物12の背部14を覆う背部身頃16、四足動物12の胸部18を覆う胸部身頃20、四足動物12の臀部22を覆う尻当て部24、および背部身頃16のワイヤー26を備える。ワイヤー26は、背部身頃16における四足動物12の頸側38の端部に配置される。ワイヤー26は四足動物12の背部14から胸部18に向けて湾曲しており、略U字形状になっている。
目的
本発明の目的は、四足動物に容易に着用させることができ、圧迫感を与えにくい動物用衣服を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
技術分野
背景技術
0002
従来、犬や猫などの四足動物が着用する衣服が開発され、販売されている。たとえば下記の特許文献1の動物用衣服は、一枚仕立ての生地の端部を首および胴の下方から上方に回し、生地の端部同士を固定している。
0003
しかし、生地を四足動物の下方に配置した後、生地の端部を上方に回す必要があり、動物用衣服を着せるのが難しい。四足動物が動き回ると着せるのがさらに難しくなる。また、特許文献1の動物用衣服は一枚仕立てであるため、四足動物に圧迫感を与える恐れがある。
先行技術
0004
実用新案登録第3197919号
発明が解決しようとする課題
0005
本発明の目的は、四足動物に容易に着用させることができ、圧迫感を与えにくい動物用衣服を提供することにある。
課題を解決するための手段
0006
本発明の動物用衣服は、背部身頃、胸部身頃、背部身頃と胸部身頃との間に配置された尻当て部と、背部身頃のワイヤーとを備える。背部身頃は背部を覆い、胸部身頃は胸部を覆い、尻当て部は臀部を覆う。ワイヤーは背部身頃における四足動物の頸側に配置されている。
発明の効果
0007
本発明によると、背部身頃を背部に置いた状態で胸部身頃を胸部の下方に配置し、四足動物に動物用衣服を着せることができる。従来のように胸部から動物用衣服を着せることにはならず、動物用衣服を着せやすくなっている。動物用衣服は少なくともワイヤーによって背部身頃が四足動物の体に合わせた立体形状に維持しやすくなっており、四足動物の背部に背部身頃を置きやすくなり、四足動物に動物用衣服を着せやすくなっている。四足動物の体形に合わせた立体的形状になっており、四足動物への圧迫感を小さくでき、快適に着させることができる。
図面の簡単な説明
0008
本発明の動物用衣服を動物に着用し、側方から見た図である。
本発明の動物用衣服を展開したときの内側を示す図である。
本発明の動物用衣服を展開したときの外側を示す図である。
本発明の動物用衣服を構成する布ごとに分解した図である。
本発明の動物用衣服を上方から見た図である。
実施例
0009
本発明の動物用衣服について図面を使用して説明する。動物用衣服は犬や猫などの四足動物に着せる衣服である。
0010
図1、2、3に示す本発明の動物用衣服10は、四足動物12の背部14を覆う背部身頃16、四足動物12の胸部18を覆う胸部身頃20、四足動物12の臀部22を覆う尻当て部24、および背部身頃16に設けたワイヤー26を備える。
0011
背部身頃16、胸部身頃20、および尻当て部24は布によって構成される。布の種類としては、織物、編み物または不織布のいずれであっても良い。織物は、ブロード、モスリン、キャラコ、ちりめん、ジョーゼット、ギンガム、トロピカル、銘仙、羽二重、サージ、デニム、ギャバジン、カシミア、ツイル、サテン、ドスキンなどが挙げられる。編み物は、平編、ゴム編、パール編、トリコット、ラッセル、ミラニーズが挙げられる。
0012
布を構成する繊維は、綿、麻、毛、絹、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ビニロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリウレタンなどが挙げられる。
0013
背部身頃16、胸部身頃20および尻当て部24は、それぞれ複数の布によって構成される。複数の布を縫製または接着し、一着の動物用衣服10にすることができる。たとえば図4に示すように、背部身頃16を形成するために、3枚の背部身頃用の布17a、17b、17cを使用する。矢印a、b、cで示すように各布17a、17b、17cの端同士を縫製等することで背部身頃16になる。胸部身頃20を形成するために2枚の胸部身頃用の布21a、21bを使用する。矢印d、eで示すように布21a、21bの端同士を縫製等することで胸部身頃20になる。尻当て部24を形成するために1枚の布25を使用している。背部身頃16と尻当て部24の端同士、胸部身頃20と尻当て部24の端同士を縫製等することで一着の動物用衣服10になる。背部身頃16、胸部身頃20、および尻当て部24ごとに布の種類を異ならせても良い。
0014
背部身頃16は四足動物12の背部14を覆うために、四足動物12の背部14の形状に合わせた立体的形状になっており、たとえば尻当て部24側を閉じたトンネル形状になっている。背部身頃16を立体形状にするために、図4に示すような3枚の背部身頃用の布17a、17b、17cによって構成している。2枚の布17a、17bの幅を布25に近くなるほど狭く、かつ布17a、17b同士を縫合(または接着)する部分を曲線状に形成することで、上述したような立体的形状になるように縫製等することができる。四足動物12の種類および大きさに応じて背部身頃16の形状や大きさを変更しても良い。複数の布を縫製することで立体的形状にすることができる。
0015
胸部身頃20は、四足動物12の胸部18を覆う。図4に示すように胸部身頃用の布21a、21bは2枚であり、縫製等される端21cは曲線的な凸になっている。矢印d、eで示すように布21a、21bの端21c同士を縫製等すると、胸部身頃20は四足動物12の下方に膨らませた立体的形状になる。雄の四足動物12の膨出部を圧迫させることが無い。四足動物12の膨出部の位置によって縫製等される端21cの凸の位置や形状を変更しても良い。雌の四足動物12の胸部身頃20は1枚の布で構成し、胸部身頃20を立体的形状にしないことも可能である。
0016
図2、3に示すように、胸部身頃20の側方に、四足動物12の背部14に巻きまわされる巻回し部28を備える。巻回し部28は四足動物12の前肢42と後肢40の間から背部14に巻きまわされる。巻回し部28は胸部身頃20と一体になっていても良く、胸部身頃20を形成する布21a、21bと一体的に構成されても良い。巻回し部28は略平面状になっており、四足動物12の背部14を覆うことができる。巻回し部28を巻きまわしたとき、巻回し部28の一部が背部身頃16の一部の上に重なっても良い。
0017
巻回し部28における胸部身頃20の反対側の端部に接続部30a、30bを備える。接続部30a、30bはホック、面ファスナーまたはボタンなどである。巻回し部28を背部14の上方に巻回し、接続部30a、30b同士を固定する(図5)。巻回し部28が背部14に取り付けられる。なお、図2、図3における接続部30a、30bはホックであり、符号30aが雄側ホック、符号30bが雌側ホックである。
0018
接続部30a、30bは巻回し部28による背部14および胸部18の締め付け調整構造を備えても良い。締め付け調整構造として、たとえば図3のように、巻回し部28の端から異なる距離に接続部(雌側ホック)30bを設ける。複数の接続部(雌側ホック)30bが有り、使用する接続部(雌側ホック)30bによって、巻回し部28が巻きまわされる長さが異なる。四足動物12の大きさに応じて使用する接続部(雌側ホック)30bを変更し、四足動物12の体形に合わせて巻回し部28を巻きまわす。四足動物12の大きさによって巻回し部28による締め付けがきつすぎたり、ゆるすぎたりすることを防止する。
0019
上記の締め付け調整構造は接続部30a、30bにホックを使用した場合であり、ボタンであれば複数のボタンを用いることで締め付け調整構造になる。また、面ファスナーの面積を広くし、面ファスナーを止める位置を異ならせることで締め付け調整構造になる。
0020
尻当て部24は背部身頃16と胸部身頃20の間の部分である。尻当て部24は四足動物12の臀部22の形状に合わせて立体的形状にしても良い。尻当て部24によって、動物用衣服10がマチありの立体的構造の衣類になっている。
0021
また尻当て部24は、図2のように四足動物12側に当て布36を設けても良い。当て布36によって四足動物12の排泄物を吸収したりできるようにする。当て布36はボタン等で尻当て部24に取り付けられるようにしても良い。レーヨンなどの繊維で作られた吸湿性の良い布を使用するのが好ましい。
0022
図3に示すように、四足動物12の尾32を通すための穴34が背部身頃16における尻当て部24の付近に開けられている。この穴34は、四足動物12の体形に応じて背部身頃16と尻当て部24の境界または尻当て部24のいずれかに開けられても良い。
0023
ワイヤー26は、背部身頃16における四足動物12の頸側38の端部に配置される。ワイヤー26は背部身頃16の中に収納されても良いし、外部に配置されても良い。ワイヤー26は1本でも良いし、複数本でもよい。ワイヤー26は金属または樹脂である。金属であればニッケルチタン合金に熱処理を施した形状記憶合金が挙げられる。樹脂であればポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
0024
ワイヤー26は四足動物12の背部14から胸部18に向けて湾曲しており、略U字形状になっている。ワイヤー26がその形状を維持することによって、ワイヤー26によって背部身頃16の形状を維持しやすく、四足動物12の背部14に背部身頃16を置きやすくなっている。
0025
またワイヤー26は弾力性を備えており、ワイヤー26の形状よりも四足動物12の背部14が大きければ、ワイヤー26が外側に開くことができる。四足動物12の背部14の形状に合わせてワイヤー26の形状を決定し、四足動物12の背部14を締め付けすぎないようにする。
0026
ワイヤー26の両端部の近傍は折り曲げられても良い。図2のように外側に向けて折り曲げられれば、四足動物12の胸部18などにワイヤー26が引っかからず、四足動物12に対する着心地を良くできる。また、ワイヤー26を内側に向けて折り曲げれば、ワイヤー26が四足動物12の背部14から外れにくくなり、背部身頃16が四足動物12の背部14から外れにくくなる。ワイヤー26をいずれの方向に曲げるかは、使用する四足動物12によって適宜変更しても良い。
0027
次に、動物用衣服10の着用方法を説明する。(1)尻当て部24の穴34に四足動物12の尾32を通し、背部身頃16を四足動物12の背部14にのせる。
0028
(2)胸部身頃20を四足動物12の後肢40の間から胸部18の下方に持っていき、さらに巻回し部28の端を前肢42と後肢40の間に持っていく。
0029
(3)巻回し部28の端を四足動物12の背部14の上方に持っていき、巻回し部28の端にある接続部30a、30bで巻回し部28の端同士を取り付ける。
0030
上記(1)〜(3)の手順によって四足動物12に動物用衣服10を着用させることができる。
0031
また、動物用衣服10を脱がせる手順は、(4)接続部30a、30bを外し、胸部身頃20を胸部18から脱落させる。
0032
(5)胸部身頃20を後肢40の間から四足動物12の後方に持っていき、背部身頃16を背部14から取り外すと、自然に穴34から尾32が抜ける。
0033
上記(4)〜(5)の手順によって四足動物12から動物用衣服10を脱がせることができる。
0034
以上のように、本発明は四足動物12の背部14に背部身頃16を置いた後、胸部身頃20を着せるため、四足動物12が動いても背部身頃16が四足動物12の背部14に置かれたままになる。四足動物12の体形に合わせて容易に動物用衣服10を四足動物12に着せることができる。前肢42と後肢40に動物用衣服10を通す必要は無く、動物用衣服10を着せやすくなっている。ワイヤー26によって背部身頃16の形状が維持しやすく、四足動物12の背部14に背部身頃16を置きやすくなっている。四足動物12に形状に合わせた立体的形状になった動物用衣服10であるため、四足動物12は動物用衣服10を圧迫感が少なく、快適な衣服になっている。
0035
本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。たとえば、接続部30a、30bは巻回し部28の端部同士を固定するものに限定されない。巻回し部28の長さを短くし、巻回し部28の端部と背部身頃16とを固定する接続部であっても良い。背部身頃16における巻回し部28の端部が配置される位置に接続部を設ける。また、巻回し部28の端にも接続部を設ける。巻回し部28の接続部と背部身頃16の接続部とが固定される。
0036
巻回し部28は胸部身頃20と一体となった平面状の布に限定されず、紐状になっていても良い。紐状になった巻回し部28を四足動物12の背部14に巻回し、その端部を結ぶ。
0037
少なくとも背部身頃16に他の生地を取り付けるための取り付け部を備えても良い。背部身頃16の上から他の生地を取り付けることで、外観を異ならせることも可能である。取り付け部は面ファスナーやボタンなどであり、生地にもそれに対応する面ファスナーやボタンを備える。取り付け部の位置は、背部身頃16の端部などである。
0040
10:動物用衣服
12:四足動物
14:背部
16:背部身頃
17a、17b、17c:背部身頃用の布
18:胸部
20:胸部身頃
21a、21b:胸部身頃用の布
21c:胸部身頃用の布の縫製等される端
22:臀部
24:尻当て部
25:尻当て部用の布
26:ワイヤー
28:巻回し部
30a、30b:接続部
32:尾
34:穴
36:当て布
38:頸
40:後肢
42:前肢