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技術 モータ制御装置及びモータ制御プログラム

出願人 株式会社デンソー
発明者 夏目洋平
出願日 2016年3月30日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-068592
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-184463
状態 特許登録済
技術分野 直流電動機の制御 ワイパー、車両の清掃
主要キーワード サージ対策用 内部発電 現制御周期 停止区間 ピボットレバー モード選択位置 高速作動モード 逆接続保護回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

モータ出力軸トルク変動を抑制しつつサージを解消できるモータ制御装置及びモータ制御プログラムを提供する。

解決手段

マイクロコンピュータ58は、モータを駆動させる電圧駆動回路に生成させていない場合でかつ電圧検出回路60により検出された電圧が閾値電圧以上の場合に、駆動回路に対し、モータを正回転させるCW通電St1、電圧生成を停止させる通電停止st3、モータを逆回転させるCCW通電St5、電圧生成を停止させる通電停止st7、の順で1周期が構成された電圧降下制御を実行する。

概要

背景

ウィンドシールドガラスワイパブレード払拭するワイパ装置は、車両のバッテリから電力の供給を受けて回転するワイパモータにより、ワイパアームの先端に取り付けられたワイパブレードを動作させている。しかしながら、バッテリから供給される電力には、突発的に電圧が高くなるサージが発生する場合がある。サージは、ワイパ装置の回路を構成するコンデンサ及び集積回路等の素子の耐圧を超える電圧になることがあり、かかる場合には、回路を構成する素子が破損するおそれがある。

サージが発生した場合でも、モータが回転していれば、サージによる過電圧はモータの回転によって費やされ、回路を構成する素子が破損するリスクは少なくなる。しかしながら、ワイパモータは、ワイパブレードが反転する位置で一時的に回転を停止するので、サージをモータの回転で費やすことができない場合があり、回路を構成する素子が高電圧によって損傷するおそれがあった。

サージ対策用ツェナーダイオードを回路に付加することにより、サージを解消できる場合があるが、高電圧かつ大電流に対応可能なツェナーダイオードは一般に高価であり、製品製造コストが嵩むおそれがあった。

特許文献1には、ワイパモータ(以下、「モータ」と略記)をm秒単位の微小な間隔で正回転及び逆回転させるように、モータの巻線端子通電することにより、サージによる過電圧を解消する制御が開示されている。

概要

モータの出力軸トルク変動を抑制しつつサージを解消できるモータ制御装置及びモータ制御プログラムを提供する。マイクロコンピュータ58は、モータを駆動させる電圧を駆動回路に生成させていない場合でかつ電圧検出回路60により検出された電圧が閾値電圧以上の場合に、駆動回路に対し、モータを正回転させるCW通電St1、電圧生成を停止させる通電停止st3、モータを逆回転させるCCW通電St5、電圧生成を停止させる通電停止st7、の順で1周期が構成された電圧降下制御を実行する。

目的

本発明は上記に鑑みてなされたもので、モータの出力軸のトルク変動を抑制しつつサージを解消できるモータ制御装置及びモータ制御プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

モータ所定方向及び前記所定方向と反対方向に回転させる駆動電圧を前記モータに供給する駆動部と、前記駆動部を含む回路電圧を検出する電圧検出部と、前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、前記モータへの前記駆動電圧の供給及び該供給の停止を所定の様式で行うことにより前記回路の電圧を降下させる電圧降下制御を前記駆動部に対して実行する制御部と、を含むモータ制御装置

請求項2

前記駆動部は、複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオンオフ状態に応じて前記駆動電圧を生成し、前記制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御により、前記モータを所定方向に回転させる第1電圧供給区間、前記第1電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第1電圧停止区間、前記第1電圧停止区間後に前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる第2電圧供給区間、及び前記第2電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第2電圧停止区間を1周期とする前記電圧降下制御を少なくとも1周期分実行するように前記駆動部を制御する請求項1記載のモータ制御装置。

請求項3

前記スイッチング素子は、ソースドレイン間還流ダイオードが接続された電界効果トランジスタであり、前記制御部は、前記第1電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第1電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、前記第2電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第2電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、となるように前記電圧降下制御を実行する請求項2記載のモータ制御装置。

請求項4

前記第1電圧供給区間と前記第1電圧停止区間との間、前記第1電圧停止区間と前記第2電圧供給区間との間、及び前記第2電圧供給区間と前記第2電圧停止区間との間に、デッドタイム区間を設けた請求項2又は3記載のモータ制御装置。

請求項5

前記第1電圧停止区間の時間は、前記第1電圧供給区間後に、前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間であり、前記第2電圧停止区間の時間は、前記第2電圧供給区間後に前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間である請求項2〜4のいずれか1項記載のモータ制御装置。

請求項6

前記制御部は、所定制御周期で制御を行い、1の制御周期の開始と共に前記電圧降下制御の1周期の実行を開始し、該1の制御周期の終了と共に前記電圧降下制御の1周期の実行を完了する請求項2〜5のいずれか1項記載のモータ制御装置。

請求項7

前記制御部は、1の制御周期を4等分して設定した各時間帯で、前記第1電圧供給区間、前記第1電圧停止区間、前記第2電圧供給区間、及び前記第2電圧停止区間の各々の制御を前記駆動部に対し実行する請求項6記載のモータ制御装置。

請求項8

前記制御部は、前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、次の制御周期の開始と共に前記電圧降下制御を実行する請求項2〜7のいずれか1項記載のモータ制御装置。

請求項9

前記制御部は、前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、割り込み処理により前記電圧降下制御を即時実行する請求項2〜7のいずれか1項記載のモータ制御装置。

請求項10

コンピュータを、モータを所定方向及び前記所定方向と反対方向に回転させる駆動電圧を駆動部に生成させると共に、前記モータを駆動させていない状態でかつ電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、前記モータへの前記駆動電圧の供給及び該供給の停止を所定の様式で行うことにより前記駆動部を含む回路の電圧を降下させる電圧降下制御を前記駆動部に対して実行する制御部として機能させるモータ制御プログラム

請求項11

前記電圧降下制御は、前記駆動部の複数のスイッチング素子のオンオフ制御により、前記モータを所定方向に回転させる第1電圧供給区間、前記第1電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第1電圧停止区間、前記第1電圧停止区間後に前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる第2電圧供給区間、及び前記第2電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第2電圧停止区間を1周期とし、前記電圧降下制御を少なくとも1周期分実行するように前記駆動部を制御する請求項10記載のモータ制御プログラム。

請求項12

前記スイッチング素子は、ソースドレイン間に還流ダイオードが接続された電界効果トランジスタであり、前記電圧降下制御は、前記第1電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第1電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、前記第2電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第2電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、となる請求項11記載のモータ制御プログラム。

請求項13

前記第1電圧供給区間と前記第1電圧停止区間との間、前記第1電圧停止区間と前記第2電圧供給区間との間、及び前記第2電圧供給区間と前記第2電圧停止区間との間に、デッドタイム区間を設けた請求項11又は12記載のモータ制御プログラム。

請求項14

前記第1電圧停止区間の時間は、前記第1電圧供給区間後に、前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間であり、前記第2電圧停止区間の時間は、前記第2電圧供給区間後に前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間である請求項11〜13のいずれか1項記載のモータ制御プログラム。

請求項15

前記電圧降下制御の1周期は、前記コンピュータの1の制御周期の開始と共に実行が開始され、該1の制御周期の終了と共に実行が完了する請求項11〜14のいずれか1項記載のモータ制御プログラム。

請求項16

前記電圧降下制御は、1の制御周期を4等分して設定した各時間帯で、前記第1電圧供給区間、前記第1電圧停止区間、前記第2電圧供給区間、及び前記第2電圧停止区間の各々の制御が実行される請求項15記載のモータ制御プログラム。

請求項17

現制御周期中に前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、次の制御周期の開始と共に前記電圧降下制御が実行される請求項11〜16のいずれか1項記載のモータ制御プログラム。

請求項18

前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、割り込み処理により前記電圧降下制御が即時実行される請求項11〜16のいずれか1項記載のモータ制御プログラム。

技術分野

0001

本発明は、モータ制御装置及びモータ制御プログラムに関する。

背景技術

0002

ウィンドシールドガラスワイパブレード払拭するワイパ装置は、車両のバッテリから電力の供給を受けて回転するワイパモータにより、ワイパアームの先端に取り付けられたワイパブレードを動作させている。しかしながら、バッテリから供給される電力には、突発的に電圧が高くなるサージが発生する場合がある。サージは、ワイパ装置の回路を構成するコンデンサ及び集積回路等の素子の耐圧を超える電圧になることがあり、かかる場合には、回路を構成する素子が破損するおそれがある。

0003

サージが発生した場合でも、モータが回転していれば、サージによる過電圧はモータの回転によって費やされ、回路を構成する素子が破損するリスクは少なくなる。しかしながら、ワイパモータは、ワイパブレードが反転する位置で一時的に回転を停止するので、サージをモータの回転で費やすことができない場合があり、回路を構成する素子が高電圧によって損傷するおそれがあった。

0004

サージ対策用ツェナーダイオードを回路に付加することにより、サージを解消できる場合があるが、高電圧かつ大電流に対応可能なツェナーダイオードは一般に高価であり、製品製造コストが嵩むおそれがあった。

0005

特許文献1には、ワイパモータ(以下、「モータ」と略記)をm秒単位の微小な間隔で正回転及び逆回転させるように、モータの巻線端子通電することにより、サージによる過電圧を解消する制御が開示されている。

先行技術

0006

特開2015−205574号公報

発明が解決しようとする課題

0007

図9は、モータを微小な間隔で正回転及び逆回転させるための通電の一態様を示している。図9は、制御回路の1制御周期で行われるサージ解消通電の一態様を示している。図9では、モータを正回転させるCW通電St11が行われた後に、通電をオフにするデッドタイムSt12を経て、ワイパモータを逆回転させるCCW通電St13が行われた後、通電をオフにするデッドタイムSt14が設けられている。デッドタイムSt12、St14は、バッテリの正極(B端子)側と接地領域との間に、直列に接続されたスイッチング素子が同時にオンになることを防止して、当該スイッチング素子を保護するためのものである。

0008

しかしながら、デッドタイムSt12、St14は、m秒単位以下の極短時間であるため、CW通電St11、CCW通電St13による影響を完全に排除することが困難である。図10は、(A)はCW通電St11、(B)はデッドタイムSt12、(C)はCCW通電St13、(D)デッドタイムSt14、の各々の場合でスイッチング素子とモータMとに生じる電流の一例を示している。

0009

図10(A)に示したように、CW通電St11では、スイッチング素子であるトランジスタT1及びトランジスタT4が各々オンになることで、モータMの第1端子M1から第2端子M2に通電される。デッドタイムSt12では、図10(B)に示したようにモータMの内部発電作用で第1端子M1から第2端子M2に通じる電流が観測される。図10(B)に示した電流は、トランジスタT2及びトランジスタT3の各々の還流ダイオードを介して接地領域からバッテリの正極側に流れる。

0010

また、図10(C)に示したように、CCW通電St13では、スイッチング素子であるトランジスタT2及びトランジスタT3が各々オンになることで、モータMの第2端子M2から第1端子M1に通電される。デッドタイムSt14では、図10(D)に示したようにモータMの内部発電作用で第2端子M2から第1端子M1に通じる電流が観測される。図10(B)に示した電流は、トランジスタT1及びトランジスタT4の各々の還流ダイオードを介して接地領域からバッテリの正極側に流れる。

0011

問題は、デッドタイムSt12、St14で各々観測されるモータMの内部発電作用による電流である。図11は、図9に示したサージ解消通電時の通電の波形の一例を示したものである。図11に示したように、デッドタイムSt12、St14で、モータMへの通電とは逆極性の電流が生じる逆起電力現象が観測される。デッドタイムSt12での逆起電力により、モータMの出力軸にはCW通電St11時とは逆のトルクが生じ、モータの出力軸の回転が意に反して振動するようなトルクリップルが生じる。かかる状態でCW通電St11とは逆方向のCCW通電St13を行うと、モータMの出力軸のトルクリップルはさらに顕著になり、ユーザに当該トルクリップルに起因する音及び振動を覚知されるおそれがあった。

0012

本発明は上記に鑑みてなされたもので、モータの出力軸のトルク変動を抑制しつつサージを解消できるモータ制御装置及びモータ制御プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

前記課題を解決するために、請求項1記載のモータ制御装置は、モータを所定方向及び前記所定方向と反対方向に回転させる駆動電圧を前記モータに供給する駆動部と、前記駆動部を含む回路の電圧を検出する電圧検出部と、前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、前記モータへの前記駆動電圧の供給及び該供給の停止を所定の様式で行うことにより前記回路の電圧を降下させる電圧降下制御を前記駆動部に対して実行する制御部と、を含んでいる。

0014

このモータ制御装置によれば、モータを所定方向及び当該所定方向と反対方向に回転させる駆動電圧の供給及び該供給の停止を所定の様式で行うことによりモータの出力軸のトルク変動を抑制しつつ回路の電圧を降下させてサージを解消できる。

0015

請求項2記載のモータ制御装置は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記駆動部は、複数のスイッチング素子を備え、前記複数のスイッチング素子のオンオフ状態に応じて前記駆動電圧を生成し、前記制御部は、前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御により、前記モータを所定方向に回転させる第1電圧供給区間、前記第1電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第1電圧停止区間、前記第1電圧停止区間後に前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる第2電圧供給区間、及び前記第2電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第2電圧停止区間を1周期とする前記電圧降下制御を少なくとも1周期分実行するように前記駆動部を制御する。

0016

このモータ制御装置によれば、モータを所定方向に回転させる電圧生成後に、モータには逆起電力の現象が発生するが、当該電圧生成に後続して全スイッチング素子をオフにして電圧生成の停止を行うことにより逆起電力で生じた電流を解消している。逆起電力で生じた電流を解消した後に、モータを所定方向の逆方向に回転させる電圧を生成してモータの巻線の端子に印加するので、モータの出力軸のトルク変動を抑制しつつサージを解消できる。

0017

また、モータを所定方向の逆方向に回転させる電圧生成後は、再び全スイッチング素子をオフにして電圧生成の停止を行うことにより逆起電力で生じた電流を解消するので、モータの出力軸のトルク変動を抑制しつつサージを解消できる。

0018

請求項3記載のモータ制御装置は、請求項2記載のモータ制御装置において、前記スイッチング素子は、ソースドレイン間に還流ダイオードが接続された電界効果トランジスタであり、前記制御部は、前記第1電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第1電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、前記第2電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第2電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、となるように前記電圧降下制御を実行する。

0019

このモータ制御装置によれば、スイッチング素子にオンオフ状態の制御が容易な電界効果トランジスタを用いることにより、第1電圧供給区間、第1電圧停止区間、第2電圧供給区間、及び第2電圧停止区間の各々の制御を容易に実行できる。

0020

請求項4記載のモータ制御装置は、請求項2又は3記載のモータ制御装置において、前記第1電圧供給区間と前記第1電圧停止区間との間、前記第1電圧停止区間と前記第2電圧供給区間との間、及び前記第2電圧供給区間と前記第2電圧停止区間との間に、デッドタイム区間を設けている。

0021

このモータ制御装置によれば、電圧をモータに供給する区間後に全スイッチング素子をオフにするデッドタイムを設定することにより、駆動部が生成する電圧の極性切り換わる際に直列で接続されたスイッチング素子が同時にオンになることを防止できる。

0022

請求項5記載のモータ制御装置は、請求項2〜4のいずれか1項記載のモータ制御装置において、前記第1電圧停止区間の時間は、前記第1電圧供給区間後に、前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間であり、前記第2電圧停止区間の時間は、前記第2電圧供給区間後に前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間である。

0023

このモータ制御装置によれば、逆起電力による電流が解消し得る時間でモータへの電圧供給を停止することにより、モータの出力軸のトルク変動を抑制できる。

0024

請求項6記載のモータ制御装置は、請求項2〜5のいずれか1項記載のモータ制御装置において、前記制御部は、所定制御周期で制御を行い、1の制御周期の開始と共に前記電圧降下制御の1周期の実行を開始し、該1の制御周期の終了と共に前記電圧降下制御の1周期の実行を完了する。

0025

このモータ制御装置によれば、1の制御周期の開始と終了に合わせて電圧降下制御の1周期を実行するので、電圧降下制御を制御周期に同期させて実行することができる。

0026

請求項7記載のモータ制御装置は、請求項6記載のモータ制御装置において、前記制御部は、1の制御周期を4等分して設定した各時間帯で、前記第1電圧供給区間、前記第1電圧停止区間、前記第2電圧供給区間、及び前記第2電圧停止区間の各々の制御を前記駆動部に対し実行する。

0027

このモータ制御装置によれば、制御周期を等分に分割して電圧降下制御の各々の段階を割り振ることにより、電圧降下制御の各々の段階の時間配分を容易に設定することができる。

0028

請求項8記載のモータ制御装置は、請求項2〜7のいずれか1項記載のモータ制御装置において、前記制御部は、前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、次の制御周期の開始と共に前記電圧降下制御を実行する。

0029

このモータ制御装置によれば、メインタイマに従って、電圧降下制御を実行することができる。

0030

請求項9記載のモータ制御装置は、請求項2〜7のいずれか1項記載のモータ制御装置において、前記制御部は、前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、割り込み処理により前記電圧降下制御を即時実行する。

0031

このモータ制御装置によれば、サージが発生した場合には、割り込み処理により電圧降下制御をただちに実行できるので、回路を迅速に保護することができる。

0032

前記課題を解決するために、請求項10記載のモータ制御プログラムは、コンピュータを、モータを所定方向及び前記所定方向と反対方向に回転させる駆動電圧を駆動部に生成させると共に、前記モータを駆動させていない状態でかつ電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、前記モータへの前記駆動電圧の供給及び該供給の停止を所定の様式で行うことにより前記駆動部を含む回路の電圧を降下させる電圧降下制御を前記駆動部に対して実行する制御部として機能させる。

0033

このモータ制御プログラムによれば、モータを所定方向及び当該所定方向と反対方向に回転させる駆動電圧の供給及び該供給の停止を所定の様式で行うことによりモータの出力軸のトルク変動を抑制しつつ回路の電圧を降下させてサージを解消できる。

0034

請求項11記載のモータ制御プログラムは、請求項10記載のモータ制御プログラムにおいて、前記電圧降下制御は、前記駆動部の複数のスイッチング素子のオンオフ制御により、前記モータを所定方向に回転させる第1電圧供給区間、前記第1電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第1電圧停止区間、前記第1電圧停止区間後に前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる第2電圧供給区間、及び前記第2電圧供給区間後に前記モータに供給する電圧を停止する第2電圧停止区間を1周期とし、前記電圧降下制御を少なくとも1周期分実行するように前記駆動部を制御する。

0035

このモータ制御プログラムによれば、モータを所定方向に回転させる電圧生成後に、モータには逆起電力の現象が発生するが、当該電圧生成に後続して全スイッチング素子をオフにして電圧生成の停止を行うことにより逆起電力で生じた電流を解消している。逆起電力で生じた電流を解消した後に、モータを所定方向の逆方向に回転させる電圧を生成してモータの巻線の端子に印加するので、モータの出力軸のトルク変動を抑制しつつサージを解消できる。

0036

また、モータを所定方向の逆方向に回転させる電圧生成後は、再び全スイッチング素子をオフにして電圧生成の停止を行うことにより逆起電力で生じた電流を解消するので、その後、モータを所定方向に回転させる電圧を生成してモータの巻線の端子に印加した場合に、モータの出力軸のトルク変動を抑制しつつサージを解消できる。

0037

請求項12記載のモータ制御プログラムは、請求項11記載のモータ制御プログラムにおいて、前記スイッチング素子は、ソースドレイン間に還流ダイオードが接続された電界効果トランジスタであり、前記電圧降下制御は、前記第1電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第1電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、前記第2電圧供給区間で前記複数のスイッチング素子の中の前記モータを前記所定方向と反対方向に回転させる電圧を生成させる複数のスイッチング素子がオン、前記第2電圧停止区間で前記複数のスイッチング素子が全てオフ、となる。

0038

このモータ制御プログラムによれば、スイッチング素子にオンオフ状態の制御が容易な電界効果トランジスタを用いることにより、第1電圧供給区間、第1電圧停止区間、第2電圧供給区間、及び第2電圧停止区間の各々の制御を容易に実行できる。

0039

請求項13記載のモータ制御プログラムは、請求項11又は12記載のモータ制御プログラムにおいて、前記第1電圧供給区間と前記第1電圧停止区間との間、前記第1電圧停止区間と前記第2電圧供給区間との間、及び前記第2電圧供給区間と前記第2電圧停止区間との間に、デッドタイム区間を設けている。

0040

このモータ制御プログラムによれば、電圧をモータに供給する区間後に全スイッチング素子をオフにするデッドタイムを設定することにより、駆動部が生成する電圧の極性が切り換わる際に直列で接続されたスイッチング素子が同時にオンになることを防止できる。

0041

請求項14記載のモータ制御プログラムは、請求項11〜13のいずれか1項記載のモータ制御プログラムにおいて、前記第1電圧停止区間の時間は、前記第1電圧供給区間後に、前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間であり、前記第2電圧停止区間の時間は、前記第2電圧供給区間後に前記モータの内部に発生し、前記複数のスイッチング素子の還流ダイオードを介して、前記モータと前記駆動部とに流れる電流を解消し得る時間である。

0042

このモータ制御プログラムによれば、逆起電力による電流が解消し得る時間でモータへの電圧供給を停止することにより、モータの出力軸のトルク変動を抑制できる。

0043

請求項15記載のモータ制御プログラムは、請求項11〜14のいずれか1項記載のモータ制御プログラムにおいて、前記電圧降下制御の1周期は、前記コンピュータの1の制御周期の開始と共に実行が開始され、該1の制御周期の終了と共に実行が完了する。

0044

このモータ制御プログラムによれば、1の制御周期の開始と終了に合わせて電圧降下制御の1周期を実行するので、電圧降下制御を制御周期に同期させて実行することができる。

0045

請求項16記載のモータ制御プログラムは、請求項15記載のモータ制御プログラムにおいて、前記電圧降下制御は、1の制御周期を4等分して設定した各時間帯で、前記第1電圧供給区間、前記第1電圧停止区間、前記第2電圧供給区間、及び前記第2電圧停止区間の各々の制御が実行される。

0046

制御周期を略等分に分割して電圧降下制御の各々の段階を割り振ることにより、電圧降下制御の各々の段階の時間配分を容易に設定することができる。

0047

請求項17記載のモータ制御プログラムは、請求項11〜16のいずれか1項記載のモータ制御プログラムにおいて、現制御周期中に前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、次の制御周期の開始と共に前記電圧降下制御が実行される。

0048

このモータ制御プログラムによれば、メインのタイマに従って、電圧降下制御を実行することができる。

0049

請求項18記載のモータ制御プログラムは、請求項11〜16のいずれか1項記載のモータ制御プログラムにおいて、前記モータを駆動させていない状態でかつ前記電圧検出部により閾値電圧以上の電圧が検出された場合に、割り込み処理により前記電圧降下制御が即時実行される。

0050

このモータ制御プログラムによれば、サージが発生した場合には、割り込み処理により電圧降下制御をただちに実行できるので、回路を迅速に保護することができる。

図面の簡単な説明

0051

本発明の実施の形態に係るモータ制御装置を含むワイパ装置の構成の一例を示す概略図である。
本発明の実施の形態に係るモータ制御装置の構成の概略の一例を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係るモータ制御装置のマイクロコンピュータの1制御周期で行われるサージ解消通電の一態様を示している。
(A)はCW通電、(B)はデッドタイム、(C)は通電停止、(D)はデッドタイム、の各々の場合でスイッチング素子とモータ18とに生じる電流の一例を示している。
(A)はCCW通電、(B)はデッドタイム、(C)は通電停止、(D)はデッドタイム、の各々の場合でスイッチング素子とモータとに生じる電流の一例を示している。
図3に示したサージ解消通電時の通電の波形の一例を示したものである。
本発明の実施の形態に係るモータ制御装置のサージ解消通電制御の一例を示したフローチャートである。
図7のステップ602におけるサージ解消処理の一例を示したフローチャートである。
制御回路の1制御周期で行われるサージ解消通電の一態様を示している。
(A)はCW通電、(B)はデッドタイム、(C)はCCW通電、(D)デッドタイム、の各々の場合でスイッチング素子とモータとに生じる電流の一例を示している。
図9に示したサージ解消通電時の通電の波形の一例を示したものである。

実施例

0052

図1は、本実施の形態に係るモータ制御装置10を含むワイパ装置100の構成の一例を示す概略図である。ワイパ装置100は、例えば、乗用自動車等の車両に備えられたウィンドシールドガラス12を払拭するためのものであり、一対のワイパ14、16と、モータ18と、リンク機構20と、モータ制御装置10とを備えている。

0053

ワイパ14、16は、それぞれワイパアーム24、26とワイパブレード28、30とにより構成されている。ワイパアーム24、26の基端部は、後述するピボット軸42、44に各々固定されており、ワイパブレード28、30は、ワイパアーム24、26の先端部に各々固定されている。

0054

ワイパ14、16は、ワイパアーム24、26の動作に伴ってワイパブレード28、30がウィンドシールドガラス12上を往復動作し、ワイパブレード28、30がウィンドシールドガラス12を払拭する。

0055

モータ18は、主にウォームギアで構成された減速機構52を介して、正逆回転可能な出力軸32を有している。リンク機構20は、クランクアーム34と、第1リンクロッド36と、一対のピボットレバー38、40と、一対のピボット軸42、44と、第2リンクロッド46とを備えている。

0056

クランクアーム34の一端側は、出力軸32に固定されており、クランクアーム34の他端側は、第1リンクロッド36の一端側に動作可能に連結されている。また、第1リンクロッド36の他端側は、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端寄りの箇所に動作可能に連結されており、ピボットレバー38のピボット軸42を有する端とは異なる端及びピボットレバー40におけるピボットレバー38の当該端に対応する端には、第2リンクロッド46の両端がそれぞれ動作可能に連結されている。

0057

また、ピボット軸42、44は、車体に設けられた図示しないピボットホルダによって動作可能に支持されており、ピボットレバー38、40におけるピボット軸42、44を有する端は、ピボット軸42、44を介してワイパアーム24、26が各々固定されている。

0058

本実施の形態に係るモータ制御装置10を含むワイパ装置100では、出力軸32が所定の範囲の回転角θ1で正逆回転されると、この出力軸32の回転力がリンク機構20を介してワイパアーム24、26に伝達され、このワイパアーム24、26の往復動作に伴ってワイパブレード28、30がウィンドシールドガラス12上における下反転位置P2と上反転位置P1との間で往復動作をする。θ1の値は、ワイパ装置100のリンク機構の構成等によって様々な値をとり得るが、本実施の形態では、一例として140°である。

0059

本実施の形態に係るモータ制御装置10を含むワイパ装置100では、図1に示されるように、ワイパブレード28、30が格納位置P3に位置された場合には、クランクアーム34と第1リンクロッド36とが直線状をなす構成とされている。

0060

格納位置P3は、下反転位置P2の下方に設けられている。ワイパブレード28、30が下反転位置P2にある状態から、出力軸32がθ2回転することにより、ワイパブレード28、30は格納位置P3に動作する。θ2の値は、ワイパ装置のリンク機構の構成等によって様々な値をとり得るが、本実施の形態では、一例として10°とする。

0061

なお、θ2が「0」の場合は、下反転位置P2と格納位置P3は一致し、ワイパブレード28、30は、下反転位置P2で停止し、格納される。

0062

モータ18には、モータ18の回転を制御するためのモータ制御装置10が接続されている。本実施の形態に係るモータ制御装置10は、モータ18の出力軸32の回転速度及び回転角を検知する回転角度センサ54の検知結果に基づいてモータ18の回転速度を制御する。回転角度センサ54は、モータ18の減速機構52内に設けられ、出力軸32に連動して回転するセンサマグネット磁界磁力)を電流に変換して検出する。

0063

本実施の形態に係るモータ18は、前述のように減速機構52を有しているので、出力軸32の回転速度及び回転角は、ワイパモータ本体の回転速度及び回転角と同一ではない。しかしながら、本実施の形態では、ワイパモータ本体と減速機構52は一体不可分に構成されているので、以下、出力軸32の回転速度及び回転角を、モータ18の回転速度及び回転角とみなすものとする。

0064

モータ制御装置10は、回転角度センサ54が検出した出力軸32の回転角からワイパブレード28、30のウィンドシールドガラス12上での位置を算出可能で当該位置に応じて出力軸32の回転速度が変化するようにモータ18の回転速度を制御する。

0065

また、モータ制御装置10には、電源である車両のバッテリからモータ18に供給される電力をオン又はオフするワイパスイッチ50が接続されている。ワイパスイッチ50は、ワイパブレード28、30を、低速で動作させる低速作動モード選択位置高速で動作させる高速作動モード選択位置、一定周期で間欠的に動作させる間欠作動モード選択位置、格納(停止)モード選択位置切替可能である。また、各モードの選択位置に応じた回転速度の指令の信号をモータ制御装置10に出力する。

0066

ワイパスイッチ50から各モードの選択位置に応じて出力された信号がモータ制御装置10に入力されると、モータ制御装置10がワイパスイッチ50からの出力信号に対応する制御を用いて行う。

0067

図2は、本実施の形態に係るモータ制御装置10の構成の概略の一例を示すブロック図である。また、図2示したモータ18は、一例として、ブラシ付きDCモータである。

0068

図2に示したモータ制御装置10は、モータ18の巻線の端子に印加する電圧を生成する駆動回路56と、駆動回路56を構成するスイッチング素子のオン及びオフを制御するマイクロコンピュータ58とを含んでいる。マイクロコンピュータ58には、ダイオード68を介してバッテリ80の電力が供給されると共に、供給される電力の電圧は、ダイオード68とマイクロコンピュータ58との間に設けられた電圧検出回路60によって検知され、検知結果はマイクロコンピュータ58に出力される。また、ダイオード68とマイクロコンピュータ58との間に一端が接続され、他端(−)が接地された電解コンデンサC1が設けられている。電解コンデンサC1は、マイクロコンピュータ58の電源を安定化するためのコンデンサである。電解コンデンサC1は、例えば、サージ等の突発的な高電圧を蓄え、接地領域にバイパスすることにより、マイクロコンピュータ58を保護する。

0069

マイクロコンピュータ58には信号入力回路62を介してワイパスイッチ50からモータ18の回転速度を指示するための信号が入力される。ワイパスイッチ50から出力された信号はアナログ信号なので、当該信号は信号入力回路62においてデジタル化されてマイクロコンピュータ58に入力される。

0070

また、マイクロコンピュータ58には、出力軸32の回転に応じて変化するセンサマグネット70の磁界を検知する回転角度センサ54が接続されている。マイクロコンピュータ58は、回転角度センサ54が出力した信号に基づいて、出力軸の回転角度を算出することにより、ワイパブレード28、30のウィンドシールドガラス12上での位置を特定する。

0071

さらに、マイクロコンピュータ58は、メモリ48に記憶されているワイパブレード28、30の位置に応じて規定されたモータ18の回転速度のデータを参照して、モータ18の回転が、特定したワイパブレード28、30の位置に応じた回転数になるように駆動回路56を制御する。

0072

駆動回路56は、図2に示すように、スイッチング素子にN型FET(電界効果トランジスタ)であるトランジスタT1、T2、T3、T4を用いている。トランジスタT1及びトランジスタT2は、ドレインノイズ防止コイル66を介してバッテリ80に各々接続されており、ソースがトランジスタT3及びトランジスタT4のドレインに各々接続されている。また、トランジスタT3及びトランジスタT4のソースは接地されている。

0073

また、トランジスタT1のソース及びトランジスタT3のドレインは、モータ18の巻線の一端に接続されており、トランジスタT2のソース及びトランジスタT4のドレインは、モータ18の巻線の他端に接続されている。

0074

トランジスタT1及びトランジスタT4の各々のゲートハイレベル信号が入力されることにより、トランジスタT1及びトランジスタT4がオンになり、モータ18には例えばワイパブレード28、30を車室側から見て時計回りに動作させるCW電流72が流れる。さらに、トランジスタT1及びトランジスタT4の一方をオン制御しているとき、他方をPWM(Pulse Width Modulation)制御により、小刻みにオンオフ制御することにより、CW電流72の電圧を変調できる。

0075

また、トランジスタT2及びトランジスタT3の各々のゲートにハイレベル信号が入力されることにより、トランジスタT2及びトランジスタT3がオンになり、モータ18には例えばワイパブレード28、30を車室側から見て反時計回りに動作させるCCW電流74が流れる。さらに、トランジスタT2及びトランジスタT3の一方をオン制御しているとき、他方をPWM制御により、小刻みにオンオフ制御することにより、CCW電流74の電圧を変調できる。

0076

本実施の形態では、電源であるバッテリ80と駆動回路56との間には逆接続保護回路64及びノイズ防止コイル66が設けられると共に、駆動回路56に対して並列になるように電解コンデンサC2が設けられている。ノイズ防止コイル66は、駆動回路56のスイッチングによって発生するノイズを抑制するための素子である。

0077

電解コンデンサC2は、駆動回路56から生じるノイズを緩和すると共に、サージ等の突発的な高電圧を蓄え、接地領域にバイパスすることにより、当該高電圧の駆動回路56に過大な電流が入力されるのを防止するための素子である。

0078

逆接続保護回路64は、バッテリ80の正極と負極が図2に示した場合とは逆に接続された場合に、モータ制御装置10を構成する素子を保護するための回路である。逆接続保護回路64は、一例として、自身のドレインとゲートを接続した、いわゆるダイオード接続されたFET等で構成される。

0079

以下、本実施の形態に係るモータ制御装置10の作用及び効果について説明する。図3は、本実施の形態に係るモータ制御装置10のマイクロコンピュータ58の1制御周期で行われるサージ解消通電の一態様を示している。図3に示したように、本実施形態に係るサージ解消通電では、モータ18を所定方向及び当該所定方向と反対方向に回転させる駆動電圧のモータ18への供給及び当該供給の停止を所定の様式で行う。具体的には、モータ18を正回転させるCW通電St1が行われた後に、通電をオフにするデッドタイムSt2を経て、通電オフを所定時間継続する通電停止St3が行われる。

0080

通電停止St3後は、通電をオフにするデッドタイムSt4を経て、モータ18を逆回転させるCCW通電St5が行われた後、通電をオフにするデッドタイムSt6が設けられている。デッドタイムSt6に続いて、通電オフを所定時間継続する通電停止St7が行われた後、デッドタイムSt8が実行される。

0081

デッドタイムSt2、St4、St6、St8の各々は、制御回路であるマイクロコンピュータ58の制御に一般的に付随するもので、m秒単位以下の極短時間で通電をオフにする処理である。

0082

なお、図3に示したサージ解消通電は、モータ18がワイパ装置100のワイパブレード28、30を払拭動作させていない場合、すなわちモータ制御装置10がモータ18を駆動させる電圧を駆動回路56に生成させていない場合に行われる。サージが発生した場合でも、モータ18が回転していれば、サージによる過電圧は回転するモータ18の回転によって費やされ、回路を構成する素子が破損するリスクは少なくなるからである。

0083

モータ制御装置10がモータ18を駆動させる電圧を駆動回路56に生成させていない場合は、ワイパスイッチ50がオフになっている状態が代表的であるが、これに限定されない。ワイパスイッチ50がオンになっていても、モータ18は、ワイパブレード28、30が反転する位置で一時的に回転を停止するので、かかる場合も、短時間ではあるものの、モータ制御装置10がモータ18を駆動させる電圧を駆動回路56に生成させていない場合に含まれる。

0084

図4は、(A)はCW通電St1、(B)はデッドタイムSt2、(C)は通電停止St3、(D)はデッドタイムSt4、の各々の場合でスイッチング素子とモータ18とに生じる電流の一例を示している。

0085

図4(A)に示したように、CW通電St1では、スイッチング素子であるトランジスタT1及びトランジスタT4が各々オンになることで、モータ18の第1端子M1から第2端子M2に通電される。デッドタイムSt2では、図4(B)に示したようにモータ18の内部発電作用で第1端子M1から第2端子M2に通じる電流が観測される。図4(B)に示した電流は、トランジスタT2及びトランジスタT3の各々の還流ダイオードを介して接地領域からバッテリの正極側に流れる。

0086

しかしながら、図4(C)に示したように、通電停止St3では、モータ18の内部発電作用による電流が解消されるのに十分な時間で全スイッチング素子がオフになるので、デッドタイムSt2で観測された電流は解消される。図4(D)はデッドタイムSt4における状態を示しているが、通電停止St3でモータ18の内部発電作用による電流が解消されているので、デッドタイムSt4においても当該電流は観測されない。

0087

図5は、(A)はCCW通電St5、(B)はデッドタイムSt6、(C)は通電停止St7、(D)はデッドタイムSt8、の各々の場合でスイッチング素子とモータ18とに生じる電流の一例を示している。

0088

図5(A)に示したように、CCW通電St5では、スイッチング素子であるトランジスタT2及びトランジスタT3が各々オンになることで、モータ18の第2端子M2から第1端子M1に通電される。デッドタイムSt6では、図5(B)に示したようにモータ18の内部発電作用で第2端子M2から第1端子M1に通じる電流が観測される。図5(B)に示した電流は、トランジスタT1及びトランジスタT4の各々の還流ダイオードを介して接地領域からバッテリの正極側に流れる。

0089

しかしながら、図5(C)に示したように、通電停止St7では、モータ18の内部発電作用による電流が解消されるのに十分な時間で全スイッチング素子がオフになるので、デッドタイムSt6で観測された電流は解消される。図5(D)はデッドタイムSt8における状態を示しているが、通電停止St7でモータ18の内部発電作用による電流が解消されているので、デッドタイムSt8においても当該電流は観測されない。

0090

CW通電St1及びCCW通電St5は、サージを解消するための通電なので、ある程度の時間で通電を各々継続することを要する。しかしながら、ユーザにモータ18が作動していることを覚知されないようにすることも要するので、通電時間を無闇に長くすることは推奨されない。本実施の形態では、CW通電St1及びCCW通電St5は各々m秒単位の短時間であることが望ましい。また、通電停止St3、St7は、モータ18の内部発電作用による電流を解消し得る時間であることが望ましいが、CW通電St1及びCCW通電St5に比して無闇に長くすると、サージの解消がおぼつかない。一例として、CW通電St1及びCCW通電St5の各々と同じ時間で通電停止St3、St7を実行することで、モータ18の内部発電作用による電流を解消する。

0091

本実施の形態では、一例として、マイクロコンピュータ58の1制御周期をデッドタイムSt2、St4、St6を挟んで4等分にして設定した各時間帯に、CW通電St1、通電停止St3、CCW通電St5、通電停止St7を振り分けている。

0092

マイクロコンピュータ58の1制御周期内にCW通電St1、通電停止St3、CCW通電St5、通電停止St7を含んで1周期を構成するサージ解消処理を格納することで、サージ解消処理の各単位をマイクロコンピュータ58の制御周期に同期させて実行できる。例えば、1の制御周期の開始と共にサージ解消処理の1周期の実行を開始し、当該1の制御周期の終了と共にサージ解消処理の当該1周期の実行を完了する制御が可能になる。そして、以後、新たな制御周期の開始に同期させて、サージ解消処理を実行することができる。本実施の形態では、サージ解消処理を少なくとも1周期分実行することにより、サージによる高電圧を解消する。

0093

サージ解消処理の開始のタイミング制御は、一例として、マイクロコンピュータ58のメインのタイマを使用して行う。メインのタイマを使用するのであれば、現制御周期内でサージが発生した場合には、次の制御周期の開始と共にサージ解消処理の1周期の実行を開始する。

0094

また、マイクロコンピュータ58がメインのタイマ以外に別途タイマを有し、いわゆる割り込み処理が可能であれば、サージが検出された場合に当該割り込み処理により、サージ解消処理を即時実行でき、回路を迅速に保護することが可能となる。割り込み処理を実行する場合も、割り込み処理に係るタイマの1制御周期にサージ解消処理の1周期を格納することで、割り込み処理に係るタイマに同期させてサージ解消処理の各単位を実行することが可能となる。

0095

図6は、図3に示したサージ解消通電時の通電の波形の一例を示したものである。図6に示したように、CW通電St1後のデッドタイムSt2で、モータ18への通電とは逆極性の電流が生じる逆起電力の現象が観測される。しかしながら、通電停止St3により逆起電力の現象は解消され、デッドタイムSt4ではデッドタイムSt2のようなモータ18への通電とは逆極性の電流は観測されない。

0096

また、CCW通電St5後のデッドタイムSt6で、モータ18への通電とは逆極性の電流が生じる逆起電力の現象が観測される。しかしながら、通電停止St7により逆起電力の現象は解消され、デッドタイムSt8ではデッドタイムSt6のようなモータ18への通電とは逆極性の電流は観測されない。

0097

本実施に形態では、CW通電St1後のデッドタイムSt2でモータ18の内部発電作用による電流が観測されるが、当該電流は通電停止St3により解消される。かかる状態でCW通電St1とは逆方向のCCW通電St5を行うのであれば、モータMの出力軸にトルクリップルが生じるおそれは少なくなる。

0098

また、CCW通電St5後のデッドタイムSt6でモータ18の内部発電作用による電流が観測されるが、当該電流は通電停止St7により解消される。かかる状態でCCW通電St5とは逆方向のCW通電St1を行うのであれば、モータMの出力軸にトルクリップルが生じるおそれは少なくなる。

0099

図7は、本実施の形態に係るモータ制御装置10のサージ解消通電制御の一例を示したフローチャートである。ステップ600では、サージが発生したか否かを判定する。本実施の形態では、図2に示した電圧検出回路60により、電圧の変化を検知している。電圧検出回路60が検知した電圧が閾値電圧以上の場合には、サージが発生したとして、ステップ600で肯定判定をする。なお、閾値電圧は、回路保護優先するのであれば、低めに設定するべきであるが、過度に低めに設定すると、頻繁にサージ解消通電制御が実行されるおそれがあるので、ワイパ装置100の仕様等に応じた最適な値を具体的に決定する。

0100

ステップ600で肯定判定の場合には、ステップ602でサージ解消処理を実行する。ステップ604では、電圧検出回路60が検知した電圧が閾値電圧未満になった場合には肯定判定を行い、処理を終了する。ステップ604で否定判定の場合には、手順をステップ602に戻し、ステップ602のサージ解消処理を継続する。

0101

図8は、図7のステップ602におけるサージ解消処理の一例を示したフローチャートである。ステップ700ではCW通電St1を行い、ステップ702ではデッドタイムSt2により全スイッチング素子をオフにする。ステップ704では所定時間全スイッチング素子をオフにする通電停止St3を実行する。

0102

ステップ706のデッドタイムSt4に後続してステップ708ではCCW通電St5を行い、ステップ710ではデッドタイムSt6により全スイッチング素子をオフにする。ステップ712では所定時間全スイッチング素子をオフにする通電停止St7を実行し、ステップ714のデッドタイムSt8後に処理をリターンする。

0103

以上説明したように、本実施の形態では、CW通電St1後に全スイッチング素子をオフする通電停止St3と、CCW通電St5後に全スイッチング素子をオフする通電停止St7と、を各々実行することにより逆起電力の現象を解消している。モータ18及び駆動回路56に逆起電力に係る電流が残存していない状態であれば、CW通電St1後にCW通電St1とは逆極性のCCW通電St5を行っても、モータ18の出力軸にはトルク変動が生じにくくなる。また、CCW通電St5後にCCW通電St5とは逆極性のCW通電St1を行う場合も、モータ18の出力軸にトルク変動が生じにくくなる。その結果、モータの出力軸のトルク変動を抑制しつつサージを解消できる。

0104

また、本実施の形態では、一連の制御はマイクロコンピュータ58の制御プログラム書き換えることで可能なので、サージ解消のために別部品実装することを要しない。その結果、サージによる素子の損傷を回避できるモータ制御装置10を低コストで製造できる。

0105

10…モータ制御装置
12…ウィンドシールドガラス、14,16…ワイパ、18…モータ、20…リンク機構、24,26…ワイパアーム、28,30…ワイパブレード、32…出力軸、34…クランクアーム、36…リンクロッド、38,40…ピボットレバー、42,44…ピボット軸、46…リンクロッド、48…メモリ、50…ワイパスイッチ、52…減速機構、54…回転角度センサ、56…駆動回路、58…マイクロコンピュータ、60…電圧検出回路、62…信号入力回路、64…逆接続保護回路、66…ノイズ防止コイル、68…ダイオード、70…センサマグネット、72…CW電流、74…CCW電流、80…バッテリ、100…ワイパ装置、θ1…回転角、C1,C2…電解コンデンサ、M…モータ、M1…第1端子、M2…第2端子、P1…上反転位置、P2…下反転位置、P3…格納位置、St1…CW通電、St2…デッドタイム、St3…通電停止、St4…デッドタイム、St5…CCW通電、St6…デッドタイム、St7…通電停止、St8…デッドタイム、St11…CW通電、St12…デッドタイム、St13…CCW通電、St14…デッドタイム、T1,T2,T3,T4…トランジスタ

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