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技術 色補正テーブル作成方法、色補正テーブル作成装置、プログラム

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 伊藤隆志松坂健治深沢賢二藤野真世古将幸鎌田崇廣田中克幸奥村嘉夫
出願日 2016年3月28日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-063036
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-183765
状態 特許登録済
技術分野 FAX画像信号回路 画像処理 カラー・階調 カラー画像通信方式
主要キーワード 微分パラメータ 補正関係 補正効率 等色線 ピュアブラック 対比結果 ディスクリート回路 混色領域
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (16)

課題

色補正テーブルによる色補正を高精度にすること。

解決手段

印刷装置に入力される印刷データとしてのデバイス依存値補正する色補正テーブルを作成する色補正テーブル作成方法であって、デバイス非依存値から基準印刷装置におけるデバイス依存値に変換する変換手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を前記印刷装置に入力することによって作成された印刷物の測色結果を、出力値として取得する出力値取得手順と、前記取得された出力値が前記基準印刷装置によって作成された印刷物によって実現されるためのデバイス依存値を、前記色補正における入力値として取得する入力値取得手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を、前記入力値に対応する補正値として取得する補正値取得手順と、前記入力値と前記補正値との関係を利用して前記色補正テーブルを作成する作成手順と、を含む色補正テーブル作成方法。

概要

背景

特許文献1には、次の手順によって色補正テーブルを作成する手法が開示されている。まず、第1の手順として、印刷装置で使用するインク色ごとに階調値を変化させた複数のパッチ印刷するためのパッチ画像データに基づいて所定のカラーパッチを印刷する。

第2の手順として、上記印刷されたカラーパッチを測色して同カラーパッチの色彩値を取得する。第3の手順として、上記取得した色彩値を参照し所定の関数を用いて色補正テーブルの全階調値に対応する色彩値を内挿して取得する。

第4の手順として、上記内挿により取得した全階調値に対応する色彩値と標準印刷結果の色彩値である標準値とを対比すると共に同対比結果に基づいて、任意の階調値のカラー画像データに対応する標準印刷結果と同等の印刷結果を上記印刷装置によって得られるように同カラー画像データを補正する色補正テーブルを作成する。

概要

色補正テーブルによる色補正を高精度にすること。印刷装置に入力される印刷データとしてのデバイス依存値を補正する色補正テーブルを作成する色補正テーブル作成方法であって、デバイス非依存値から基準印刷装置におけるデバイス依存値に変換する変換手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を前記印刷装置に入力することによって作成された印刷物の測色結果を、出力値として取得する出力値取得手順と、前記取得された出力値が前記基準印刷装置によって作成された印刷物によって実現されるためのデバイス依存値を、前記色補正における入力値として取得する入力値取得手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を、前記入力値に対応する補正値として取得する補正値取得手順と、前記入力値と前記補正値との関係を利用して前記色補正テーブルを作成する作成手順と、を含む色補正テーブル作成方法。

目的

本願発明は、上記を踏まえ、測色数が少なくても、特定色を高精度に補正できる、色補正テーブルを生成することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

印刷装置に入力される印刷データとしてのデバイス依存値補正する色補正テーブルを作成する色補正テーブル作成方法であって、デバイス非依存値から基準印刷装置におけるデバイス依存値に変換する変換手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を前記印刷装置に入力することによって作成された印刷物の測色結果を、出力値として取得する出力値取得手順と、前記取得された出力値が前記基準印刷装置によって作成された印刷物によって実現されるためのデバイス依存値を、前記色補正における入力値として取得する入力値取得手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を、前記入力値に対応する補正値として取得する補正値取得手順と、前記入力値と前記補正値との関係を利用して前記色補正テーブルを作成する作成手順と、を含む色補正テーブル作成方法。

請求項2

前記入力値と前記補正値との関係を補完する補完手順を更に含み、前記作成手順では、前記色補正テーブルの格納対象となる前記入力値の少なくとも一部に対し、前記補完した結果を利用して前記補正値を決定する請求項1に記載の色補正テーブル作成方法。

請求項3

前記補完手順では、スプライン関数を用いる請求項2に記載の色補正テーブル作成方法。

請求項4

前記補完手順において用いる、3次スプライン関数各格子点における2次微分パラメーターの2乗和が最小になるように、前記入力値を決定する請求項3に記載の色補正テーブル作成方法。

請求項5

前記入力値取得手順において前記印刷物の測色に用いる測色装置の特性と、基準測色装置の特性とのずれを補正する測色装置補正手順を更に含み、前記入力値取得手順では、前記測色装置補正手順において取得されたデバイス依存値と出力値との対応関係を用いて、前記入力値を取得する請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の色補正テーブル作成方法。

請求項6

前記変換手順で用いるデバイス非依存値の色は、無彩色と肌色との少なくとも何れかである請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の色補正テーブル作成方法。

請求項7

印刷装置に入力される印刷データとしてのデバイス依存値を補正する色補正テーブルを作成する色補正テーブル作成装置であって、デバイス非依存値から基準印刷装置におけるデバイス依存値に変換する変換手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を前記印刷装置に入力することによって作成された印刷物の測色結果を、出力値として取得する出力値取得手順と、前記取得された出力値が前記基準印刷装置によって作成された印刷物によって実現されるためのデバイス依存値を、前記色補正における入力値として取得する入力値取得手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を、前記入力値に対応する補正値として取得する補正値取得手順と、前記入力値と前記補正値との関係を利用して前記色補正テーブルを作成する作成手順と、を実行する色補正テーブル作成装置。

請求項8

印刷装置に入力される印刷データとしてのデバイス依存値を補正する色補正テーブルを作成するためのプログラムであって、デバイス非依存値から基準印刷装置におけるデバイス依存値に変換する変換手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を前記印刷装置に入力することによって作成された印刷物の測色結果を、出力値として取得する出力値取得手順と、前記取得された出力値が前記基準印刷装置によって作成された印刷物によって実現されるためのデバイス依存値を、前記色補正における入力値として取得する入力値取得手順と、前記変換手順によって得られたデバイス依存値を、前記入力値に対応する補正値として取得する補正値取得手順と、前記入力値と前記補正値との関係を利用して前記色補正テーブルを作成する作成手順と、をコンピューターに実行させるためのプログラム。

技術分野

0001

本発明は、色画像データ補正に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、次の手順によって色補正テーブルを作成する手法が開示されている。まず、第1の手順として、印刷装置で使用するインク色ごとに階調値を変化させた複数のパッチ印刷するためのパッチ画像データに基づいて所定のカラーパッチを印刷する。

0003

第2の手順として、上記印刷されたカラーパッチを測色して同カラーパッチの色彩値を取得する。第3の手順として、上記取得した色彩値を参照し所定の関数を用いて色補正テーブルの全階調値に対応する色彩値を内挿して取得する。

0004

第4の手順として、上記内挿により取得した全階調値に対応する色彩値と標準印刷結果の色彩値である標準値とを対比すると共に同対比結果に基づいて、任意の階調値のカラー画像データに対応する標準印刷結果と同等の印刷結果を上記印刷装置によって得られるように同カラー画像データを補正する色補正テーブルを作成する。

先行技術

0005

特開2005−178180号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記先行技術の場合、使用するインク色ごと独立に色補正テーブルを作成する。この場合、混色領域における誤差の補正が十分でない場合がある。また、混色領域においても、上記先行技術のように、測色結果を内挿しようとする場合、単色で測色する場合の測色数に対して、指数関数的に測色数を増加させなければ、同程度の内挿精度を期待することができない。そして、高い色精度が要求されるなどの特定の事情がある色(以下、特定色とも呼ぶ)については、色補正の精度の低下は特に問題になる。

0007

本願発明は、上記を踏まえ、測色数が少なくても、特定色を高精度に補正できる、色補正テーブルを生成することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、上記課題を解決するためのものであり、以下の形態として実現できる。

0009

本発明の一形態は、印刷装置に入力される印刷データとしてのデバイス依存値を補正する色補正テーブルを作成する色補正テーブル作成方法であって;デバイス非依存値から基準印刷装置におけるデバイス依存値に変換する変換手順と;前記変換手順によって得られたデバイス依存値を前記印刷装置に入力することによって作成された印刷物の測色結果を、出力値として取得する出力値取得手順と;前記取得された出力値が前記基準印刷装置によって作成された印刷物によって実現されるためのデバイス依存値を、前記色補正における入力値として取得する入力値取得手順と;前記変換手順によって得られたデバイス依存値を、前記入力値に対応する補正値として取得する補正値取得手順と、;前記入力値と前記補正値との関係を利用して前記色補正テーブルを作成する作成手順と、を含む色補正テーブル作成方法である。この形態によれば、測色数が少なくても、色補正テーブルによる色補正は精度が高いものになり、特に特定色について、高精度が期待できる。上記先行技術のような色補正方法を混色領域の色補正にも適用しようとする場合、通常は、デバイス非依存値全域に対する補正を実施することになるが、ICCプロファイルによるカラーマネージメントでは、B2Aテーブルで変換されうるデバイス非依存値以外の領域は実印刷には用いられないため、前記、デバイス非依存値全域に対して補正を行うことは、使用しない領域に対する補正を含むことになり、非効率である。当該補正を実施する場合の測色数をそれほど多くすることができない場合、その弊害が顕在化するケースが多発するため、本実施形態によれば、効率的な色補正を実現できる。また、使用する色彩値領域全体で、同程度に高精度な補正をしなければいけないことはなく、例えば、使用頻度が高い色や重要な特定色を高精度に、それ以外の色はそれほど精度を求めないケースも多い。本実施形態によれば、特定色を指定することにより、所望の色の精度を高めることができる。さらに、入力値と補正値との関係も、精度が高いものになる。なぜなら、入力値と補正値とのそれぞれについて、あまり誤差を含まない値を取得できるからである。補正値については、出力値取得手順において入力される値であるので、誤差は生じない。入力値があまり誤差を含まないのは、入力値取得手順において、基準印刷装置の特性を利用しているからである。基準印刷装置の特性は、多数の組み合わせについて予め決定しておくことができる。よって、内挿等を実施するにしても、高精度で実施できるので、誤差が小さくなる。

0010

上記形態において、前記入力値と前記補正値との関係を補完する補完手順を更に含み;前記作成手順では、前記色補正テーブルの格納対象となる前記入力値の少なくとも一部に対し、前記補完した結果を利用して前記補正値を決定してもよい。この形態によれば、少ない測色数であっても、色補正テーブルを高精度に作成できる。

0011

上記形態において、前記補完手順では、スプライン関数を用いてもよい。この形態によれば、スプライン関数を用いることで、色補正テーブルを更に高精度に作成できる。

0012

上記形態において、前記補完手順において用いる、3次スプライン関数の各格子点における2次微分パラメーターの2乗和が最小になるように、前記入力値を決定してもよい。この形態によれば、決定する入力値が滑らかになるため、補正精度が向上する。

0013

上記形態において、前記入力値取得手順において前記印刷物の測色に用いる測色装置の特性と、基準測色装置の特性とのずれを補正する測色装置補正手順を更に含み;前記入力値取得手順では、前記測色装置補正手順において取得されたデバイス依存値と出力値との対応関係を用いて、前記入力値を取得してもよい。この形態によれば、測色装置の誤差も補正できる。

0014

上記形態において、前記変換手順で用いる特定色のデバイス非依存値の色は、無彩色と肌色との少なくとも何れかであってもよい。この形態によれば、特に色精度を高くしたい色を対象に、入力値と補正値との関係を高精度にできる。

0015

本発明は、上記以外の種々の形態で実現できる。例えば、上記方法を実現する装置や、そのためのプログラム、このプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現できる。

図面の簡単な説明

0016

印刷システムを示すブロック図。
A2Bテーブルを示す図。
色画像データ補正処理を示すフローチャート
色補正テーブル作成処理を示すフローチャート。
デバイス依存値入力処理を示すフローチャート。
B2Aテーブルを示す図。
無彩色の等色線図。
出力値とデバイス依存値との関係を示すグラフ
不足データの補完手順を説明するためのグラフ。
行列Bを表す式(6)。
色補正テーブルを示す図。
色画像データ補正処理を示すフローチャート(実施形態2)。
測色装置補正処理を示すフローチャート。
A2Bテーブルの測色装置補正を説明するための図。
出力値とデバイス依存値との関係を示すグラフ(実施形態2)。

実施例

0017

図1は、印刷システム50を示すブロック図である。印刷システム50は、色画像データ補正装置20(以下、補正装置20という)と、印刷装置30とを備える。

0018

印刷装置30は、入力されたカラー画像データとしての多階調のカラー画像データに従って、印刷を実行する。多階調のカラー画像データは、デバイス依存値によって表現されており、具体的にはC(シアン),Y(イエロー),M(マゼンタ),K(ブラック)の各値(0〜255)の組み合わせによって記述されている。これら4つの組み合わせによって表現される1つの色彩値が、1つのデバイス依存値を構成する。

0019

印刷装置30は、測色装置35を備える。測色装置35は、印刷装置30によって作成された印刷物、及び他の印刷装置によって作成された印刷物を測色できる。測色結果は、Lab色空間における色彩値である。印刷装置30は、測色結果を補正装置20に入力する。

0020

補正装置20は、演算装置(CPU)、記憶装置(ROM、RAM、HDDメモリー等)、入出力インターフェース等を備えるコンピューターである。補正装置20は、印刷対象となるカラー画像データを補正した上で、印刷装置30に入力する。多階調のカラー画像データは、デバイス依存値によって表現されており、具体的にはC(シアン),Y(イエロー),M(マゼンタ),K(ブラック)の各値(0〜255)の組み合わせによって記述されている。

0021

上記の補正には、色補正テーブル22を用いる。色補正テーブル22は、後述する処理を利用して、個々の印刷装置30に対して1つずつ作成されるLUTルックアップテーブル)である。このため、補正装置20は、色補正テーブル22を作成する装置(補正テーブル作成装置)でもある。

0022

補正装置20は、色補正テーブル22の作成のために、ICCプロファイルとして規定されデバイス特性を記述したA2Bテーブル25と、B2Aテーブル27とを記憶している。図2は、A2Bテーブル25を示す。A2Bテーブルにおける各デバイス依存値には、デバイス非依存の色空間によって表される色彩値(デバイス非依存値)が対応付けられている。デバイス非依存の色空間とは、本実施形態においては、Lab色空間である。

0023

A2Bテーブル25における対応関係は、基準印刷装置によって得られる関係である。基準印刷装置とは、印刷装置30とは異なる個体の印刷装置であり、基準となる特性を有する。つまり、基準印刷装置が、或るデバイス依存値によって印刷をしたパッチを、基準印刷装置が備える測色装置によって測色すると、そのデバイス依存値に対応付けられているL*,a*,b*の各値が測定される。

0024

A2Bテーブル25には、多数のデバイス依存値とデバイス非依存値との組み合わせについて記述されている。多数というのは、後述するS220で取得されるデバイス依存値とデバイス非依存値(測色値)との組み合わせの数に比べて、大幅に多いことを意味している。なお、B2Aテーブル27については、図6と共に後述する。

0025

図3は、色画像データ補正処理を示すフローチャートである。補正装置20は、記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、色画像データ補正処理を実現する。まず、色補正テーブル22を作成するために、色補正テーブル作成処理を実行する(S200)。

0026

図4は、色補正テーブル作成処理を示すフローチャートである。まず、デバイス依存値入力処理を実行する(S210)。

0027

図5は、デバイス依存値入力処理を示すフローチャートである。デバイス依存値入力処理では、まず、特定色のデバイス非依存値を、デバイス依存値に変換する(S215)(変換手順)。ここでいう特定色とは、色精度を高めたい色のことで、本実施形態では、例えば無彩色や肌色に分類される領域に属する色である。この変換には、B2Aテーブル27を用いる。

0028

図6は、B2Aテーブル27を示す。B2Aテーブル27も、A2Bテーブル25と同様、基準印刷装置の特性を記述している。図6に示すように、S215では、B2Aテーブル27を用いて、先述した特定色を表すデバイス非依存値に対応付けられたデバイス依存値を取得する。

0029

図7は、無彩色の等色線図を示す。無彩色の場合、明度だけで表現されるので、等色線は等明度線同義である。図の左下の格子点は、純粋な白色を示す。純粋な白色のデバイス非依存値(L* a* b*)は、(100 0 0)であり、対応するデバイス依存値(C M Y K)は、(0 0 0 0)である。

0030

上記のように、純粋な白色の場合、対応するデバイス依存値は1つしかない。これに対し、純粋な白色よりも明度が低くなると、同じ色(明度)が、複数のデバイス依存値によって表現され得る。つまり、同じ色が、CMYインクによるコンポジットブラックと、Kインクによるピュアブラックとの種々の割合によって、表現され得る。

0031

しかし、本実施形態において、同じ色を印刷するためのデバイス依存値として、複数のデバイス依存値を用いることはせず、原則、B2Aテーブルで規定された1つのデバイス依存値を用いる。このため、印刷に用いることのないデバイス依存値を、色補正テーブル22を作成するためのパッチ印刷および測色の対象にすることは、無駄が多い。言い換えると、図7における「抽出されたデバイス依存値」から外れる領域の測色を行っても、補正の意味がない。このため、実際に印刷に用いるデバイス依存値を対象として、色補正テーブル22を作成するためのパッチ印刷および測色を実施することが好ましい。

0032

S215で実施しているのは、上記のパッチ印刷および測色を実現するためのデバイス依存値の絞り込みであるといえる。つまり、特定色に該当するデバイス非依存値に対応するデバイス依存値を、B2Aテーブル27を用いて取得すれば、上記のような無駄な測色を回避でき、効率的である。

0033

図7に示された「抽出されたデバイス依存値」は、本実施形態において、上記のように取得されたデバイス依存値の軌跡を示している。この軌跡は、図6に示したコンポジットブラックと、ピュアブラックとの何れが多いのかに対応している。つまり、図7に示すように、明度が高い領域においては、明度の低下を主にコンポジットブラックの増大によって実現し、明度が低い領域においては、明度の低下を主にピュアブラックの増大によって実現している。

0034

上記は、無彩色の場合の説明であったが、肌色の場合についても同様にして、デバイス依存値を取得する。

0035

そして、上記のように取得したデバイス依存値を印刷装置30に入力する。また、変換手順において取得したデバイス依存値以外でも、精度を高めたい領域のデバイス依存値を予め定め、それらを加えて印刷装置30に入力することもできる。これらの予め定めたデバイス依存値は、例えば1次色や2次色などの利用頻度の高い色を選択できる。但し、特定色として取得したデバイス依存値と重複することは、補正効率を低下させるため、予め定められているデバイス依存値から除外されている。

0036

デバイス依存値入力処理を終えると、デバイス依存値と測色値との組み合わせを印刷装置30から取得する(S220)(出力値取得手順)。印刷装置30は、S217において入力されたデバイス依存値を用いて、各色のパッチを印刷する。そして、印刷装置30は、各パッチを測色装置35によって測色し、測色値を補正装置20に入力する。入力される測色値には、パッチの印刷の元になったデバイス依存値が対応付けられている。このようにして、S220が実行される。

0037

次に、入力値(後述)を取得し(S230)(入力値取得手順)、続いて、入力値と補正値(後述)との関係を取得する(S240)(補正値取得手順)。以下、S230及びS240について詳しく説明する。

0038

図8は、出力値(デバイス非依存値の色彩値)とデバイス依存値との関係を示すグラフである。図8では、3次元であるLab色空間と、4次元であるデバイス依存値とをそれぞれ1次元として取り扱う。

0039

図8に示された測定点(bi,Labi)は、S220において取得された対応関係の1つである。つまり、印刷装置30がデバイス依存値biに従って印刷した印刷物の色彩を、測色装置35が測定すると、その結果が出力値Labiであったということを示している。

0040

図8には、A2Bテーブル25に規定された関係T1が示されている。図8に示された測定点は、A2Bテーブル25に規定された関係からずれている。つまり、印刷装置30による印刷は、色ずれを起こしている。

0041

一方で、出力値Labiと関係T1との交点における横軸の値は、デバイス依存値b'iである。つまり、A2Bテーブルには、デバイス依存値b'iと出力値Labiとが対応付けられて格納されている。よって、印刷装置30を用いて出力値Labiによる印刷結果を得たい場合、デバイス依存値b'iの代わりに、デバイス依存値biを、印刷装置30に入力すればよいことになる。

0042

以下、上記のように測色結果と関係T1とから得られるデバイス依存値を、入力値と呼ぶ。つまり、S220において取得された出力値が基準印刷装置によって作成された印刷物によって実現されるためのデバイス依存値を、色補正テーブル22における入力値として取得する。

0043

なお、A2Bテーブル25に出力値Labiそのものが格納されていない場合は、内挿を用いて入力値を求める。この内挿は、高精度で実施できる。なぜなら、A2Bテーブル25における出力値の数は、S220によって得られる測色数よりも多く、格子点同士の距離が短いからである。S230においては、このようにして入力値を求める。

0044

そして、取得された入力値に対応する値としてS217において入力されたデバイス依存値を、補正値と呼ぶ。入力値b'iに対応する補正値は、補正値biということになる。

0045

上記先行技術のような従来の色補正テーブルの生成方法では、図8のデバイス依存値ai,a'iによって示すように、狙いとなる色彩値を規定したA2Bテーブルに相当するテーブルの入力値aiに対応する補正値ai'を決定する手法である。この手法では、S217で入力した値とS220で取得した測色値との関係を用いた内挿により補正値を決定するが、現実的な少数の測色点の数では、上記混色に対応した色補正を行うための高精度な内挿は難しい。

0046

S240では、S220において取得した関係全てを対象に実施し、入力値と補正値との関係を取得する。ただし、ここで取得した入力値と補正値との関係は、色補正テーブル22の全てのデータが揃っていなくても構わない。不足したデータは後述するS250によって決定する。

0047

次に、不足しているデータ(入力値と補正値との関係)を決定する(S250)(補完手順)。不足しているデータとは、色補正テーブル22の格納対象の中で、S240(補正値取得手順)において取得できなかった入力値と補正値との対応関係のことである。

0048

図9は、不足データを決定する補完手順を説明するためのグラフである。図9縦軸は入力値、横軸は補正値である。先述したように、測定点としての補正値biと入力値b'iとの組み合わせは既知であるので、初期値として与えられている。本実施形態では、色補正テーブルのデータ数をnとして、端点である入力値b'0と入力値b'n-1とに対して、補正値b0と補正値bn-1とを与える。補正値b0は入力値b'0に等しく、補正値bn-1は入力値b'n-1に等しい。

0049

上記補完手順は3次スプライン関数(以下、単に「スプライン関数」という)を用いて、不足データを決定する。

0050

ここで、スプライン関数の独立変数xは上記補正値であり、従属変数yは上記入力値である。また、スプライン関数を構成するデータは、次の2つの条件を満たすように決定することで、不足データを補完する。1つ目は、既に決定された点を通ることである。つまり、(b0,b'0)と(bi,b'i)と(bn-1,b'n-1)とを通ることである。2つ目の条件は、各補正値(独立変数)における入力値(従属変数)の2次微分パラメーターy"の2乗の合計が最小になることである。2つ目の条件は、スプライン関数を滑らかにするための条件である。また、端点x=b0, bn-1における2次微分パラメーターy"をゼロにすることを補足条件とする。この補足条件は、必ずしも2次微分パラメーターy"がゼロである必要はないため任意の値を指定することも可能であるが、ゼロとすることが最も一般的である。これらの条件により不足データが決定されれば、全ての入力値と補正値との対応関係が定まる。

0051

上記2つ目の条件について説明を補足する。2次微分パラメーターy"について、行列A及び行列Bを用いると、次の式(1)が成立する。
Ay"=By・・・(1)
従って、2次微分パラメーターy"は、下記の式で求めることができる。
y"=A-1By・・・(2)

0052

上記y及びy"は、次の式で表される。
y=[y0 … yi … yn-1]T・・・(3)
y"=[y"1 … y"i … y"n-2]T・・・(4)

0053

上記のように、ベクトルyは、スプライン関数の要素数をn個とした場合、その従属変数を要素としたベクトルである。ベクトルy"は、それらに対応した2次微分値を要素とし、要素数はn−2個である。要素数がベクトルyより2個少ないのは、上記補足条件により、最初と最後との要素においては値をゼロに固定する(y"0=y"n-1=0)からである。

0054

行列Aは下記の通りである。行列Bは、図10に示す。行列Aはn−2行×n−2列の3重対角行列である。行列Bは、n−2行×n列であり正方行列ではないが、3重対角と類似の構造をもつ行列である。

0055

0056

ベクトルyの要素のうち、入力値と補正値との関係が既知の要素を集めたベクトルをyk、補正関係未知の要素を集めたベクトルをyuとする。行列Bのうち、ベクトルykに対応する列要素をまとめた行列をBk、ベクトルyuに対応する列要素をまとめた行列をBuとする。この場合、式(2)は、式(7)のように書き換えることができる。
y"=A-1Buyu+A-1Bkyk・・・(7)

0057

ここで、2次微分パラメーターy"の要素の2乗和が最小になる場合におけるyuを決定すればスプライン関数で定義するところの最も滑らかなデータ列yを得ることができる。つまり、滑らかに補完された入力値と補正値との対応関係によって、色補正テーブル22を作成できる。上記より、不足データを求めるための目的関数は、次の式(8)で表され、Eが最小になるようにyuを決定する。なお、式(8)のTはベクトル(または行列)の転置を表す。
E=y"Ty"・・・(8)

0058

なお、上記は、スプライン関数が定義される方向が1方向のみ、つまり1次元の場合の説明であった。しかし、実際には、入力値および補正値は、CMYKの4次元である。このように多次元の場合、各方向について式(8)を定義して足し合わせることで目的関数を生成できる。また、4次元の格子点構造を取る場合、CMYKそれぞれの方向に対して、複数のスプライン関数を規定することができるが、上記目的関数には、それらに対応して定義される式(8)も加える。

0059

このように補完した色補正テーブル22のデータは、図9における(b1,b'1),・・・,(bi-1,b'i-1), (bi+1,b'i+1),・・・,(bn-2,b'n-2)に該当する。

0060

S250の後、S250の結果を用いて、色補正テーブル22を作成する(S260)(作成手順)。図11は、色補正テーブル22を示す。

0061

最後に、作成した色補正テーブル22を用いて、カラー画像データを補正する(S500)。つまり、補正装置20に入力されたカラー画像データとしてのCMYK値を入力値とし、入力値に対応する補正値としてのCYMK値を取得することによって、入力値を補正値に補正する。そして、補正したカラー画像データを印刷装置30に入力すると、補正された色彩値による印刷が実現される。

0062

実施形態1によれば、図8と共に説明したように、入力値と補正値との関係を高い精度で求めることができる。さらに、図9と共に説明したように、スプライン関数における2次微分パラメーターを考慮することで、滑らかにつながるよう不足データを補完でき、色彩値の補正として好適である。

0063

さらに、本実施形態においては、パッチの作成および測色を、補正精度を高めたい特定色について多数、実施する。このため、特定色について高い補正精度を得ることができる。

0064

実施形態2を説明する。実施形態2の説明は、実施形態1と異なる内容を主な対象とする。図12は、実施形態2における色補正テーブル作成処理を示すフローチャートである。実施形態2においては、まず、測色装置補正処理を実行する(S100)(測色装置補正手順)。

0065

図13は、測色装置補正処理を示すフローチャートである。まず、デバイス依存値を、基準印刷装置に入力する(S110)。S110で入力されるデバイス依存値は、S210で入力される値と同じである。基準印刷装置は、デバイス依存値が入力されると、入力された値に従って、パッチを印刷する。

0066

次に、S110で印刷されたパッチ(以下、基準パッチという)を、印刷装置30の測色装置35で測色する(S120)。つまり、ユーザーが基準パッチを基準印刷装置から印刷装置30に運んで、印刷装置30の測色装置35を起動し測色する。

0067

そして、S120での測色結果に基づき、入力値を取得する(S130)。S130は、S230と同様にして実行する。ここで得られる入力値は、基準測色装置に入力したデバイス依存値に該当する。

0068

次に、基準パッチの場合における入力値と補正値との関係を取得する(S140)。S140での補正値は測色装置35に入力したデバイス依存値に該当する。また、S140は実施形態1におけるS240と同様の処理を実行する。

0069

その後、不足データの決定を実施する(S150)。S150は、実施形態1で説明したS250と同様に実行する。

0070

ここまでに作成した色補正テーブルを用いて、測色装置補正を行う(S160)。測色装置補正は、S150で作成した対応関係と、図14に示される変換とを用いて、上記A2Bテーブルを測色装置補正A2Bテーブルとして生成する。図14からも分かるように、測色装置補正A2Bテーブルは、S150で得られた補正値(測色装置35に対応するデバイス依存値)及び入力値(基準測色装置に対応するデバイス依存値)の対応関係、並びに、上記A2Bテーブルにより、補正値(測色装置35に対応するデバイス依存値)及び色彩値の対応関係として得ることができる。このように作成した測色装置補正A2Bテーブルは、色補正テーブル作成処理(S200)で利用する。

0071

実施形態2の色補正テーブル作成処理は、S230が実施形態1と異なる。この点について図15を用いて説明する。

0072

図15は、出力値とデバイス依存値との関係を示すグラフである。図15に示すように、実施形態2では、補正値biに対し、デバイス依存値b'iではなく、デバイス依存値b"iを入力値b"iとして取得する(S230)。入力値b"iは、関係T1'と、出力値Labiとの交点における横軸の値である。

0073

関係T1'は、S100によって得られた測色装置補正A2Bテーブルである。関係T1'と関係T1とのずれは、基準測色装置と測色装置35とによって生じたずれである。なぜなら、基準パッチは基準印刷装置によって印刷されているので、出力値のずれは無いからである。よって、関係T1'と関係T1とのずれが生じているのであれば、そのずれは、印刷装置30の測色装置35による測定誤差が原因であることになる。

0074

また、本実施形態においてS220(出力値取得手順)で取得される色彩値は、基準測色装置ではなく測色装置35を用いて測色されるため、S230では、関係T1の代わりに、測色装置35を用いて取得したことを想定して補正した、関係T1'(測色装置補正A2Bテーブル)を用いて入力値を取得する。

0075

以上の実施形態2によれば、測色装置35の基準測色装置との誤差を加味した、カラー画像データの補正ができる。

0076

本発明は、本明細書の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、先述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、先述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせができる。その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。例えば、以下のものが例示される。

0077

不足データの決定を実施する場合は、2次微分パラメーター以外のパラメーターを考慮してもよい。例えば、1次微分パラメーターの2乗和を最小化するように決定してもよい。

0078

デバイス依存値を構成する色は、変更してもよい。例えば、CMY(またはRGB)やCMYKにレッドグリーンなどの特色を加えたデバイス依存値を構成してもよい。

0079

また、測色装置を印刷装置に内蔵しないで、単独の測色装置を用いる構成も採用することができる。

0080

上記実施形態において、ソフトウエアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウエアによって実現されてもよい。また、ハードウエアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウエアによって実現されてもよい。ハードウエアとしては、例えば、集積回路ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いてもよい。

0081

特定色は、任意の色でもよい。例えば、肌色以外の記憶色(例えば、草原の色や、青空の色)などを含んでもよい。

0082

20…色画像データ補正装置、22…色補正テーブル、25…A2Bテーブル、27…B2Aテーブル、30…印刷装置、35…測色装置、50…印刷システム

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