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技術 圧電ワイヤー及びその製造方法、並びにその圧電ワイヤーを備えた圧電装置

出願人 東邦化成株式会社ダイキン工業株式会社
発明者 小笠原健清水聡川戸進金村崇小谷哲浩
出願日 2016年3月31日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-070220
公開日 2017年10月5日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-183570
状態 特許登録済
技術分野 力の測定一般 圧電、電歪、磁歪装置
主要キーワード 樹脂ワイヤ 曲率センサ ワイヤー端 アルミニウム導電層 正圧電効果 圧電出力 感圧センサー 振動発電装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

延伸等の後処理を行わなくても強誘電性発現する高分子圧電体を用いて被覆した極細高感度圧電ワイヤーを提供する。

解決手段

本発明の圧電ワイヤーは、導電性ワイヤー11と、導電性ワイヤー11を被覆する高分子圧電体層12とを備え、高分子圧電体層12は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を含み、導電性ワイヤー11の線径が、1.0mm以下であることを特徴とする。また、上記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体は、フッ化ビニリデントリフルオロエチレン共重合体及びフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。

概要

背景

圧電素子は、電気的エネルギー機械的エネルギーに、又は機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する物質である圧電体を利用した素子であり、その電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する逆圧電効果を利用して各種アクチュエータ等に利用され、また、その機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する正圧電効果を利用して各種センサー、振動型発電素子等に利用されている。

近年、圧電素子を利用する装置の小型化等に伴い、装置への取り付けの自由度が高いケーブル状の圧電素子が注目されている。例えば、特許文献1では、内部導体、可撓性絶縁体圧電体層金属層とを含む外部導体、及び可撓性のシースからなり、上記圧電体層にポリフッ化ビニリデンのような高分子圧電体を用いたケーブル状の圧電センサーが提案されている。

概要

延伸等の後処理を行わなくても強誘電性発現する高分子圧電体を用いて被覆した極細高感度圧電ワイヤーを提供する。本発明の圧電ワイヤーは、導電性ワイヤー11と、導電性ワイヤー11を被覆する高分子圧電体層12とを備え、高分子圧電体層12は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を含み、導電性ワイヤー11の線径が、1.0mm以下であることを特徴とする。また、上記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体は、フッ化ビニリデントリフルオロエチレン共重合体及びフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。

目的

本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、延伸等の後処理を行わなくても強誘電性を発現する高分子圧電体を用いて被覆した極細の圧電ワイヤーを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

導電性ワイヤーと、前記導電性ワイヤーを被覆する高分子圧電体層とを含む圧電ワイヤーであって、前記高分子圧電体層は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を含み、前記導電性ワイヤーの線径が、1.0mm以下であることを特徴とする圧電ワイヤー。

請求項2

前記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体は、フッ化ビニリデントリフルオロエチレン共重合体及びフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の圧電ワイヤー。

請求項3

前記高分子圧電体層の厚さが、2μm以上200μm以下である請求項1又は2に記載の圧電ワイヤー。

請求項4

前記導電性ワイヤーの線径が、0.5mm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電ワイヤー。

請求項5

前記導電性ワイヤーの線径が、0.008mm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電ワイヤー。

請求項6

前記導電性ワイヤーが、金属ワイヤーである請求項1〜5いずれか1項に記載の圧電ワイヤー。

請求項7

前記高分子圧電体層の外側の表面に導電層を更に含む請求項1〜6いずれか1項に記載の圧電ワイヤー。

請求項8

前記導電層の外側の表面に絶縁層を更に含む請求項7に記載の圧電ワイヤー。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電ワイヤーを含むことを特徴とする圧電装置

請求項10

請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電ワイヤーの製造方法であって、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を溶剤に溶解させて樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、前記樹脂液を導電性ワイヤーに塗布する塗布工程と、前記樹脂液を塗布した前記導電性ワイヤーを加熱して、前記導電性ワイヤーの表面に高分子圧電体層を形成する圧電体層形成工程と、前記高分子圧電体層を延伸することなく、前記高分子圧電体層を分極処理する分極工程とを含むことを特徴とする圧電ワイヤーの製造方法。

請求項11

請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧電ワイヤーの製造方法であって、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を加熱して溶融させて溶融樹脂を作製する樹脂溶融工程と、前記溶融樹脂により導電性ワイヤーを被覆して、前記導電性ワイヤーの表面に高分子圧電体層を形成する押出被覆工程と、前記高分子圧電体層を延伸することなく、前記高分子圧電体層を分極処理する分極工程とを含むことを特徴とする圧電ワイヤーの製造方法。

請求項12

前記高分子圧電体層の表面に導電層を形成する工程を更に含む請求項10又は11に記載の圧電ワイヤーの製造方法。

請求項13

前記導電層の表面に絶縁層を形成する工程を更に含む請求項12に記載の圧電ワイヤーの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、極細圧電ワイヤー及びその製造方法、並びにその圧電ワイヤーを備えた圧電装置に関する。

背景技術

0002

圧電素子は、電気的エネルギー機械的エネルギーに、又は機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換する物質である圧電体を利用した素子であり、その電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する逆圧電効果を利用して各種アクチュエータ等に利用され、また、その機械的エネルギーを電気エネルギーに変換する正圧電効果を利用して各種センサー、振動型発電素子等に利用されている。

0003

近年、圧電素子を利用する装置の小型化等に伴い、装置への取り付けの自由度が高いケーブル状の圧電素子が注目されている。例えば、特許文献1では、内部導体、可撓性絶縁体圧電体層金属層とを含む外部導体、及び可撓性のシースからなり、上記圧電体層にポリフッ化ビニリデンのような高分子圧電体を用いたケーブル状の圧電センサーが提案されている。

先行技術

0004

特開2005−351664号公報
特開2005−200623号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1で圧電体として使用できるとあるポリフッ化ビニリデンは、強誘電性発現するのに延伸等の複雑な後処理が必要であり、細い金属ワイヤー等に被覆して使用する場合、ポリフッ化ビニリデンを被覆後に延伸等の後処理を施すことは困難である。一方、ポリフッ化ビニリデンをフィルム状に形成し、延伸を行った後に金属ワイヤーに貼り付けて被覆する方法もあるが、金層ワイヤーが細くなるとその方法も実施が困難となる。

0006

本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、延伸等の後処理を行わなくても強誘電性を発現する高分子圧電体を用いて被覆した極細の圧電ワイヤーを提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の圧電ワイヤーは、導電性ワイヤーと、前記導電性ワイヤーを被覆する高分子圧電体層とを含む圧電ワイヤーであって、前記高分子圧電体層は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を含み、前記導電性ワイヤーの線径が、1.0mm以下であることを特徴とする。

0008

また、本発明の圧電装置は、上記本発明の圧電ワイヤーを含むことを特徴とする。

0009

また、本発明の圧電ワイヤーの第1の製造方法は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を溶剤に溶解させて樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、前記樹脂液を導電性ワイヤーに塗布する塗布工程と、前記樹脂液を塗布した前記導電性ワイヤーを加熱して、前記導電性ワイヤーの表面に高分子圧電体層を形成する圧電体層形成工程と、前記高分子圧電体層を延伸することなく、前記高分子圧電体層を分極処理する分極工程とを含むことを特徴とする。

0010

また、本発明の第2の圧電ワイヤーの製造方法は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を加熱して溶融させて溶融樹脂を作製する樹脂溶融工程と、前記溶融樹脂により導電性ワイヤーを被覆して、前記導電性ワイヤーの表面に高分子圧電体層を形成する押出被覆工程と、前記高分子圧電体層を延伸することなく、前記高分子圧電体層を分極処理する分極工程とを含むことを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明により、延伸等の後処理を行わなくても強誘電性を発現する高分子圧電体を用いて被覆した極細の高感度の圧電ワイヤーを提供できる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、本発明の圧電ワイヤーの一例を示す拡大正面図である。
図2は、図1に示した圧電ワイヤーの斜視図である。
図3は、本発明の圧電ワイヤーの他の例を示す拡大正面図である。
図4は、図3に示した圧電ワイヤーの斜視図である。
図5は、本発明の圧電ワイヤーの他の例を示す拡大正面図である。
図6は、図5に示した圧電ワイヤーの斜視図である。
図7は、本発明の圧電ワイヤーの逆圧電効果を測定している状態の模式図である。
図8は、本発明の圧電ワイヤーの正圧電効果を測定している状態の模式図である。
図9は、実施例1〜4のワイヤーの線径と振幅p-pとの関係を示す図である。
図10は、実施例1〜4のワイヤーの線径と樹脂層の単位厚さ当たりの出力電圧との関係を示す図である。

0013

(本発明の圧電ワイヤー)
先ず、本発明の圧電ワイヤーについて説明する。本発明の圧電ワイヤーは、導電性ワイヤーと、上記導電性ワイヤーを被覆する高分子圧電体層とを備えている。また、上記高分子圧電体層は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を含み、上記導電性ワイヤーの線径(直径)は、1.0mm以下であることを特徴とする。

0014

本発明の圧電ワイヤーは、圧電体としてβ型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を用いているため、延伸等の後処理を行わなくても強誘電性を発現できる。このため、上記導電性ワイヤーの線径が1.0mm以下であっても、上記導電性ワイヤーの表面を上記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体で被覆するのみで分極が可能となり高分子圧電体層を形成でき、装置への取り付けの自由度が高い圧電ワイヤーを提供できる。

0015

また、本発明の圧電ワイヤーでは、上記導電性ワイヤーの線径が1.0mm以下に設定されているので、柔軟性に富み、逆圧電効果及び正圧電効果を発揮する感度が高い。即ち、本発明の圧電ワイヤーは、柔軟性圧電素子として、小さな電気的エネルギーでも確実に機械的エネルギーに変換可能であり、また、小さな機械的エネルギーでも確実に電気的エネルギーに変換することができる。

0016

上記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体は、フッ化ビニリデントリフルオロエチレン共重合体及びフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの共重合体は、強誘電性を有し、耐熱性が高いからである。ここで、上記「強誘電性」とは、外部に電場がなくても分極を維持できる特性を意味し、上記「耐熱性」とは、温度が85℃となっても分極を維持できる特性を意味する。

0017

上記「フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体」は、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を50モル%以上(好ましくは60モル%以上)含有する。
また、上記「フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体」における(トリフルオロエチレンに由来する繰り返し単位)/(フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位)のモル比は、好ましくは5/95〜36/64の範囲内、より好ましくは15/85〜25/75の範囲内、更に好ましくは18/82〜22/78の範囲内である。

0018

上記「フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体」は、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を50モル%以上(好ましくは60モル%以上)含有する。
また、上記「フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体」における(テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位)/(フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位)のモル比は、好ましくは5/95〜36/64の範囲内、より好ましくは15/85〜25/75の範囲内、更に好ましくは18/82〜22/78の範囲内である。

0019

上記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体の分子量は特に限定されないが、例えば、数平均分子量として1万〜100万ポリマーが使用できる。

0020

上記高分子圧電体層は、上記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体以外に、添加剤を含んでいてもよい。上記添加剤としては、例えば圧電セラミックスである、チタン酸鉛焼結紛体チタン酸ジルコン酸鉛の焼結紛体、又はニオブ酸ナトリウム等の非鉛系圧電セラミック焼結紛体、窒化アルミニウム等が挙げられる。

0021

上記高分子圧電体層の厚さは特に限定されないが、通常2μm以上200μm以下に設定される。上記高分子圧電体層の厚さが厚すぎると、上記圧電ワイヤーの柔軟性及び感度が低下する傾向にあるからである。

0022

上記導電性ワイヤーの線径は、1.0mm以下に設定されるが、0.5mm以下の極細であることが好ましい。これにより、より柔軟性に富み、逆圧電効果及び正圧電効果を発揮する感度がより高い圧電ワイヤーを実現できる。また、上記導電性ワイヤーの線径の下限値は特に限定されず、導電性ワイヤーが製造できる線径であればよく、例えば、ワイヤーの取り扱い及び製造が容易となる0.008mm以上に設定される。

0023

上記導電性ワイヤーの種類は、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、金属ワイヤー、樹脂ワイヤーの表面を導電層で被覆した導電性被覆ワイヤー、導電性高分子ワイヤー等を用いることができるが、引っ張り強度が大きい金属ワイヤーが好ましい。上記導電性ワイヤーに金属ワイヤーを用いる場合、用いる金属の種類は特に限定されず、例えば、銅、ニッケルアルミニウムステンレス鋼等を使用できる。

0024

上記導電性ワイヤーの形態も特に限定されず、例えば、単線撚り線等を用いることができる。

0025

本発明の圧電ワイヤーは、上記高分子圧電体層の外側の表面に導電層を更に備えていてもよい。上記導電層を形成する材料は特に限定されず、例えば、金属、導電性高分子等を使用できる。

0026

また、本発明の圧電ワイヤーは、上記導電層の外側の表面に絶縁層を更に備えていてもよい。これにより、本発明の圧電ワイヤーを装置等へ取り付ける際の配置の自由度が向上する。上記絶縁層を形成する材料は特に限定されず、例えば、有機材料無機材料等を用いることができるが、柔軟性を有する樹脂材料が好ましい。

0027

以下、本発明の圧電ワイヤーを図面に基づき説明する。図1は、本発明の圧電ワイヤーの一例を示す拡大正面図であり、図2は、図1に示した圧電ワイヤーの斜視図である。図1及び図2において、本発明の圧電ワイヤー10は、導電性ワイヤー11と、導電性ワイヤー11を被覆する高分子圧電体層12とを備えている。導電性ワイヤー11のワイヤー端部11aには、高分子圧電体層は形成されていない。高分子圧電体層12は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を含み、導電性ワイヤー11の線径は、1.0mm以下に設定されている。

0028

上記圧電ワイヤーは、延伸等の後処理せずに分極処理されており、圧電性を有し、逆圧電効果及び正圧電効果を発揮する。また、上記金属ワイヤーの線径が1.0mm以下に設定されているので、柔軟性に富み、感度が高い。

0029

図3は、本発明の圧電ワイヤーの他の例を示す拡大正面図であり、図4は、図3に示した圧電ワイヤーの斜視図である。図3及び図4に示した圧電ワイヤー20は、図1及び図2に示した圧電ワイヤー10の高分子圧電体層12の外側の表面に更に導電層13を形成したものである。導電層13を形成することにより、分極処理が容易となる。

0030

図5は、本発明の圧電ワイヤーの更に他の例を示す拡大正面図であり、図6は、図5に示した圧電ワイヤーの斜視図である。図5及び図6に示した圧電ワイヤー30は、図3及び図4に示した圧電ワイヤー20の導電層13の外側の表面に更に絶縁層14を形成したものである。絶縁層14を形成することにより、圧電ワイヤー30を装置等へ取り付ける際の配置の自由度が向上する。

0031

(本発明の圧電ワイヤーの製造方法)
次に、本発明の圧電ワイヤーを製造する第1と第2の製造方法について説明する。

0032

本発明の圧電ワイヤーの第1の製造方法は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を溶剤に溶解させて樹脂液を調製する樹脂液調製工程と、上記樹脂液を導電性ワイヤーに塗布する塗布工程と、上記樹脂液を塗布した上記導電性ワイヤーを加熱して、上記導電性ワイヤーの表面に高分子圧電体層を形成する圧電体層形成工程と、上記高分子圧電体層を延伸することなく、上記高分子圧電体層を分極処理する分極工程とを備えることを特徴とする。

0033

また、本発明の圧電ワイヤーの第2の製造方法は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を加熱して溶融させて溶融樹脂を作製する樹脂溶融工程と、上記溶融樹脂により導電性ワイヤーを被覆して、上記導電性ワイヤーの表面に高分子圧電体層を形成する押出被覆工程と、上記高分子圧電体層を延伸することなく、上記高分子圧電体層を分極処理する分極工程とを含むことを特徴とする。

0034

本発明の圧電ワイヤーの第1及び第2の製造方法は、圧電体としてβ型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を用いているため、延伸等の後処理を行わなくても強誘電性を発現でき、上記導電性ワイヤーの線径が1.0mm以下の極細であっても、上記導電性ワイヤーの表面を上記β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体で被覆するのみで強誘電性を有する高分子圧電体層を形成でき、装置への取り付けの自由度が高い極細の圧電ワイヤーを製造できる。

0035

ここで、上記「高分子圧電体層を延伸することなく」とは、上記高分子圧電体層が、分極処理前にも延伸されず、且つ分極処理時にも延伸されないことを意味する。

0036

上記第1の製造方法において使用する溶剤は、β型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を溶解でき、上記樹脂液の塗布後に加熱により除去できるものであれば特に制限されず、ケトン系溶媒(例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトンMIBK)、アセトンジエチルケトンジプロピルケトン)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル酢酸メチル酢酸プロピル酢酸ブチル乳酸エチル)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフランメチルテトラヒドロフランジオキサン)、及びアミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドDMF)、ジメチルアセトアミド)等を使用できる。

0037

上記第2の製造方法において、上記溶融樹脂を作製するには、例えば、ぺレット状のβ型ポリフッ化ビニリデン系共重合体を加熱溶融すればよい。

0038

上記第1及び第2の製造方法では、上記高分子圧電体層の表面に導電層を形成する工程を更に備えることができる。上記導電層の形成方法は特に限定されないが、例えば、蒸着法又はスパッタリング法コーティング法を採用できる。

0039

また、上記第1及び第2の製造方法では、上記導電層の表面に絶縁層を形成する工程を更に備えることができる。上記絶縁層の形成方法も特に限定されないが、上記高分子圧電層の形成と同様に塗布工程又は押出被覆工程により形成できる。

0040

上記第1及び第2の製造方法における分極処理は、例えば、前述の図1及び図2の形態の導電層がない圧電ワイヤーであれば、既知コロナ放電により分極処理を行うことができる。また、図3及び図4の導電層を形成した圧電ワイヤーであれば、導電性ワイヤー11と導電層13との間に直流電圧又は交流電圧印加する方法で行うことができる。高分子圧電体層12を均一に分極するには、導電層13を形成して分極処理することが好ましい。

0041

(本発明の圧電装置)
本発明の圧電装置は、上記本発明の圧電ワイヤーを備えている。本発明の圧電装置は、圧電素子として機能する極細の圧電ワイヤーを備えているので、感度が高い。また、本発明の圧電装置は、装置内への取り付けの自由度が高い極細の圧電ワイヤーを備えているため、圧電装置の小型化を図ることができる。

0043

以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は、下記の実施例により限定されない。

0044

(実施例1)
先ず、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体(モル比/フッ化ビニリデン:トリフルオロエチレン=75:25)30gをメチルエチルケトン70gに70℃に加温しながら溶解し、日本エマソン社製の超音波ホモジナイザー“BRANSON Digital Sonifire”で30分間攪拌して樹脂液を調製した。

0045

次に、ニラコ社製の線径0.02mm、長さ50mmのステンレス鋼製の単線ワイヤーに、上記樹脂液をディップコーティング法で塗工し、150℃で2分間加熱して、メチルエチルケトンを気化させて除去して、上記ワイヤーの表面に厚さ20μmの樹脂層を形成して塗工ワイヤーを作製した。但し、上記塗工ワイヤーの一端部には、未塗工のワイヤー端部を残した。

0046

続いて、上記塗工ワイヤーの樹脂層の全面にアルミニウムを蒸着させて、アルミニウム導電層を形成した。次に、上記アルミニウム導電層をグランド電極として、未塗工のワイヤー端部を対極として、対極からグランド電極へ、トレック社製の高圧電源“610D”により直流電圧6kVを1分間印加することにより、樹脂層の分極処理を行い、実施例1の圧電ワイヤーを得た。

0047

(実施例2)
ステンレス鋼製の単線ワイヤーの線径を0.10mmとし、樹脂層の厚さを15μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の圧電ワイヤーを作製した。

0048

(実施例3)
ステンレス鋼製の単線ワイヤーの線径を0.50mmとし、樹脂層の厚さを80μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の圧電ワイヤーを作製した。

0049

(実施例4)
ステンレス鋼製の単線ワイヤーの線径を1.0mmとし、樹脂層の厚さを80μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の圧電ワイヤーを作製した。

0050

(実施例5)
圧電樹脂として、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(モル比/フッ化ビニリデン:テトラフルオロエチレン=80:20)を用い、ワイヤーとして、線径0.08mmの銅単線を20本撚った長さ50mmの銅撚り線(線径:0.52mm)を用い、樹脂層の厚さを18μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の圧電ワイヤーを作製した。

0051

上記実施例1〜5の圧電ワイヤーについて下記のようにして、逆圧電効果と正圧電効果とを評価した。

0052

<逆圧電効果>
図7に示すように、nF回路ブロック社製のファンクションジェネレータ“WF1973”(41)とTrek社製のアンプ“Model610D”(42)とを接続し、更にアンプ42と、圧電ワイヤー20のワイヤー端部11aと導電層13とを電気接続した。次に、ファンクションジェネレータ41から周波数5Hz、電圧10Vp-pの交流を出力し、アンプ42で1000Vp-pまで増幅して、圧電ワイヤー20に印加した。その際、KEYENCE社製のレーザー顕微鏡“VK−X150”(43)で圧電ワイヤーの振幅p-p(全振幅)を測定した。

0053

<正圧電効果>
図8に示すように、圧電ワイヤー20の両端を島津製作所製の引張り試験機“AGS−500X”(53)にセットした。また、オシロスコープ51と、タートル工業社製のチャージアンプ52とを接続し、更にチャージアンプ52と圧電ワイヤー20の両端とを電極52a、52bを介して電気接続した。次に、0.5Nの張力になるまで圧電ワイヤー20の両端を引張り、その後、張力を0まで高速解放し、その際の圧電出力を測定し、圧電ワイヤー20の高分子圧電体層の単位厚さ当たりの出力電圧を算出した。

0054

以上の結果を表1、図9図10に示す。表1では、逆圧電効果と正圧電効果と合わせて、圧電ワイヤーの線径と樹脂層の厚さも示した。図9は、実施例1〜4のワイヤーの線径と振幅p-pとの関係を示す図であり、図10は、実施例1〜4のワイヤーの線径と樹脂層の単位厚さ当たりの出力電圧との関係を示す図である。

0055

0056

表1及び図9より、実施例1〜3及び実施例5では、振幅p-pが観察でき、逆圧電効果が発揮できることが確認できた。また、表1及び図10より、実施例1〜5では、正圧電効果が発揮できることが確認できた。

実施例

0057

また、上記結果から、ワイヤーの線径が小さいほど、逆圧電効果及び正圧電効果ともに大きいことが分かる。

0058

本発明は、延伸等の後処理を行わなくても強誘電性を発現する高分子圧電体を用いて被覆した極細の圧電ワイヤーを提供でき、各種センサーやアクチュエータ等の圧電装置に適用できる。

0059

10、20、30圧電ワイヤー
11導電性ワイヤー
11aワイヤー端部
12高分子圧電体層
13導電層
14絶縁層
41ファンクションジェネレータ
42アンプ
43レーザー顕微鏡
51オシロスコープ
52チャージアンプ
52a、52b電極
53 引張り試験機

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