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技術 制御システム

出願人 シンフォニアテクノロジー株式会社
発明者 増井陽二
出願日 2016年3月28日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-064148
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-182179
状態 特許登録済
技術分野 フィードバック制御一般
主要キーワード サーボ機器 有理関数 共振抑制制御 振動抑制制御装置 減衰比ζ 帰還値 両振動モード ブロック線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

2以上の共振モードを有する制御対象システム同定誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たな制御システムを実現する。

解決手段

制御対象1の出力を負帰還させるフィードバックループ6と、制御対象1をモデル化した際の入出力特性P^の逆特性1/P^を一部に有するフィードフォワード制御部4とを備え、この2自由度制御系の制御システムにおいて、制御対象1の出力側と入力側を内フィードバックループ5で接続し、この内フィードバックループ5中に、制御対象1の一部の振動モードを抽出するフィルタ52と、その振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部51とを設けることにより共振抑制制御装置Bを構成して、この共振抑制制御装置Bを含んだ新たな制御対象1dをモデル化した際の入出力特性Pd^の逆特性1/Pd^をフィードフォワード制御部4の逆特性とした。

概要

背景

サーボ機器の制御システムとして、フィードバック制御部とフィードフォワード制御部を備えた2自由度制御系のものが知られている(例えば特許文献1)。

この種の制御系システムは図8のように構成される。制御対象1は、例えば電動機によって駆動される機械装置である。この制御対象1の出力y(例えば機械系の検出位置)はフィードバックループ6を介して負帰還される。このフィードバック値と、前置補償器2が入力r(例えば位置指令)に基づいて生成する応答目標値との差分がフィードバック制御部3を介してフィードバック指令とされる。また、入力r(位置指令)からは、フィードフォワード制御部4を通じて制御系全体の目標特性が生成され、このフィードフォワード指令と前記フィードバック指令とが加算器aで加算されて制御対象1への指令となる。

制御対象1の伝達関数をP、そのモデルの伝達関数をP^、前置補償器2の目標特性をFとすると、フィードフォワード制御器4の伝達関数は、F/P^で与えられる。フィードバック制御部3の伝達関数はKである。

概要

2以上の共振モードを有する制御対象のシステム同定誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たな制御システムを実現する。制御対象1の出力を負帰還させるフィードバックループ6と、制御対象1をモデル化した際の入出力特性P^の逆特性1/P^を一部に有するフィードフォワード制御部4とを備え、この2自由度制御系の制御システムにおいて、制御対象1の出力側と入力側を内フィードバックループ5で接続し、この内フィードバックループ5中に、制御対象1の一部の振動モードを抽出するフィルタ52と、その振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部51とを設けることにより共振抑制制御装置Bを構成して、この共振抑制制御装置Bを含んだ新たな制御対象1dをモデル化した際の入出力特性Pd^の逆特性1/Pd^をフィードフォワード制御部4の逆特性とした。

目的

本発明によれば、2以上の共振モードを有する制御対象のシステム同定に誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たなモデル化誤差抑制対策を施した制御システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

2以上の振動モードを有する制御対象の出力を負帰還させるフィードバックループと、前記制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を一部に有するフィードフォワード制御部とを備え、これらフィードバックループ及びフィードフォワード制御部を通じて前記制御対象への入力を生成する2自由度制御系の制御システムにおいて、前記制御対象の出力側と入力側を内フィードバックループで接続し、この内フィードバックループ中に、前記制御対象の一部の振動モードを抽出するフィルタと、当該振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部とを設けることにより共振抑制制御装置を構成して、この共振抑制制御装置を含んだ新たな制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を前記フィードフォワード制御部の逆特性としたことを特徴とする制御システム。

請求項2

制御システムが、入力から目標応答特性に基づいて目標値を生成する前置補償器と、この前置補償器の目標値と制御対象の出力部から前記フィードバックループを介して負帰還させた出力値との差分に基づいてフィードバック指令を生成するフィードバック制御部とを備え、前記フィードフォワード制御部が制御対象をモデル化した際の逆特性と前置補償器の目標応答特性とに基づいてフィードフォワード指令を生成し、このフィードフォワード指令を前記フィードバック指令に加算して制御対象への指令となす請求項1に記載の制御システム。

請求項3

前記フィルタが、抽出する振動モード以外の振動モードに係る伝達関数逆関数を用いて構成されている請求項1に記載の共振抑制制御装置。

請求項4

記入力部と前記出力部の間を、抽出する振動モードごとに前記内フィードバックループで並列的に接続している請求項1〜3の何れかに記載の共振抑制制御装置。

請求項5

複数の振動モードからなる制御対象の総ゲインを各振動モードのゲインとしたときの各々の伝達関数の逆関数を用いて各振動モードの内フィードバックループ中のフィルタを構成している請求項4に記載の共振抑制制御装置。

技術分野

0001

本発明は、自動車試験装置サーボモータを始め、サーボ機器全般に適用される制御システムに関するものである。

背景技術

0002

サーボ機器の制御システムとして、フィードバック制御部とフィードフォワード制御部を備えた2自由度制御系のものが知られている(例えば特許文献1)。

0003

この種の制御系システム図8のように構成される。制御対象1は、例えば電動機によって駆動される機械装置である。この制御対象1の出力y(例えば機械系の検出位置)はフィードバックループ6を介して負帰還される。このフィードバック値と、前置補償器2が入力r(例えば位置指令)に基づいて生成する応答目標値との差分がフィードバック制御部3を介してフィードバック指令とされる。また、入力r(位置指令)からは、フィードフォワード制御部4を通じて制御系全体の目標特性が生成され、このフィードフォワード指令と前記フィードバック指令とが加算器aで加算されて制御対象1への指令となる。

0004

制御対象1の伝達関数をP、そのモデルの伝達関数をP^、前置補償器2の目標特性をFとすると、フィードフォワード制御器4の伝達関数は、F/P^で与えられる。フィードバック制御部3の伝達関数はKである。

先行技術

0005

特開2008−310651号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、このような2自由度制御系の場合は、制御対象の同定誤差がより大きく効いてくる。

0007

例えば、フィードフォワード制御に利用される制御対象に関し、それが図9に示す3質点系であった場合、入出力特性は次の式で表わされる。

0008

0009

つぎに実験結果からパラメータを求めるシステム同定概要について説明する。入出力周波数特性を測定した結果が図10測定値の線であったとする。システム同定とは、システムPの実際の周波数特性から、同システムPを推定した数式P^を求める作業のことである。この数式P^による周波数特性が図10推定値の線である。図11に拡大図を示すが、P≒P^であり誤差を有するものの、システム同定としては十分な同定結果を示している。

0010

しかしながら、かかる同定誤差は、図8に示したフィードフォワード制御の一つである2自由度制御系に適用したときに問題となる。2自由度制御系を用いた制御システム全体の入出力y/rの周波数特性を図12に、その拡大したグラフ図13に示す。2自由度制御系において、P=P^のとき即ち測定値と推定値が一致したときの入出力特性を示す線と、PとP^に誤差があるときの入出力特性を示す線とを比較すると、周波数特性に誤差がある範囲でゲインの落ち込みを確認できる。つまり、システム同定の誤差に起因して、制御システム全体の周波数特性が目標の周波数特性からより大きく上下することが解析より明らかとなった。

0011

本発明は、以上のような課題に着目し、2以上の共振モードを有する制御対象のシステム同定に誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たなモデル化誤差抑制対策を施した制御システムを実現することを目的としている。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。

0013

すなわち、本発明の制御システムは、2以上の振動モードを有する制御対象の出力を負帰還させるフィードバックループと、前記制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を一部に有するフィードフォワード制御部とを備え、これらフィードバックループ及びフィードフォワード制御部を通じて前記制御対象への入力を生成する2自由度制御系の制御システムにおいて、前記制御対象の出力側と入力側を内フィードバックループで接続し、この内フィードバックループ中に、前記制御対象の一部の振動モードを抽出するフィルタと、当該振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部とを設けることにより共振抑制制御装置を構成して、この共振抑制制御装置を含んだ新たな制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を前記フィードフォワード制御部の逆特性としたことを特徴とする。

0014

前述のように、制御対象をモデル化した際の誤差は、フィードフォワード制御にも影響するため、制御システム全体の入出力特性が目標の周波数特性から上下により大きくずれる。その原因は、二次遅れ系の減衰比が低い値のときほどモデル化誤差に起因してシステム全体の入出力特性のゲイン変動が大きくなることにある。

0015

一方、前記制御対象に対しフィルタ及び減衰比調整部を有する内フィードバックループを形成して共振抑制制御装置を構成し、減衰比を大きくすると、ゲイン変動が抑えられるため、モデル化誤差があってもシステム全体の入出力特性に及ぼす影響を低減することができる。

0016

具体的な適用対象としては、制御システムが、入力から目標応答特性に基づいて目標値を生成する前置補償器と、この前置補償器の目標値と制御対象の出力部から前記フィードバックループを介して負帰還させた出力値との差分に基づいてフィードバック指令を生成するフィードバック制御部とを備え、前記フィードフォワード制御部が制御対象をモデル化した際の逆特性と前置補償器の目標応答特性とに基づいてフィードフォワード指令を生成し、このフィードフォワード指令を前記フィードバック指令に加算して制御対象への指令となしているものが好適である。

0017

簡単な手法によって、抽出する振動モード以外の振動モードを的確に取り除くためには、前記フィルタが、抽出する振動モード以外の振動モードに係る伝達関数の逆関数を用いて構成されていることが望ましい。

0018

複数の振動モードに対して、各々適切な共振抑制制御を行うためには、前記入力部と前記出力部の間に、抽出する振動モードごとに前記内フィードバックループを並列的に設けていることが有効となる。

0019

この場合、個々の振動モードのゲインが不明な場合には、複数の振動モードの総ゲインを各振動モードのゲインとしたときの逆関数を用いて各振動モードの内フィードバックループ中のフィルタを構成することが好適である。

発明の効果

0020

以上説明した本発明によれば、2以上の共振モードを有する制御対象のシステム同定に誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たなモデル化誤差抑制対策を施した制御システムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の一実施形態に係る制御システムを示すブロック線図。
2次遅れ標準系におけるζと周波数特性の関係を示すグラフ。
同システムで用いる共振抑制制御装置を示すブロック線図。
一般的なフィードフォワード制御系の制御システムに対して、本装置を適用しない場合、本装置を適用した場合であって誤差がある場合と無い場合について、それぞれの入出力周波数特性を比較したグラフ。
図4部分拡大図
フィードフォワード制御の一つである2自由度制御系の制御システムに対して、本装置を適用しない場合、本装置を適用した場合であって誤差がある場合と無い場合について、それぞれの入出力周波数特性を比較したグラフ。
図6の部分拡大図。
フィードフォワード制御の一つである2自由度制御系の一般的な制御システムを示すブロック線図。
3質点系のモデルを示す図。
同モデルの周波数特性を測定値と推定値で対比して示すグラフ。
図10の部分拡大図。
図8の制御システムに対して、測定値と推定値が一致する場合、測定値と推定値が異なる場合について、それぞれの入出力周波数特性を示すグラフ。
図3の部分拡大図。

実施例

0022

以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。

0023

図1図8と同様、2自由度制御系のシステム構成である。制御対象1は、例えば電動機によって駆動される機械装置である。この制御対象1の出力y(例えば機械系の検出位置)はフィードバックループ6を介して負帰還される。このフィードバック値と、前置補償器2が入力r(例えば位置指令)に基づいて生成する応答目標値との差分がフィードバック制御部3を介してフィードバック指令とされる。また、入力r(位置指令)からは、フィードフォワード制御部4を通じて制御系全体の目標特性が生成され、このフィードフォワード指令と前記フィードバック指令とが加算器aで加算されて制御対象1への指令となる。

0024

制御対象1の伝達関数をP、そのモデルの伝達関数をP^、前置補償器2の目標特性をFとすると、フィードフォワード制御器4の伝達関数は、F/P^で与えられる。フィードバック制御部3の伝達関数はKである。

0025

このような構成において、本実施形態はさらに、前記制御対象1に共振抑制制御装置Bを組み込んでいる。

0026

この共振抑制制御装置Bは、前記制御対象1の出力側と入力側を内フィードバックループ5で接続し、その内フィードバックループ5中に、前記制御対象1の一部の振動モードを抽出するフィルタ52と、当該振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部51とを設けることにより構成されている。そして、この共振抑制制御装置Bによって図8の制御対象1(入出力特性P)は図1の制御対象1d(入出力特性Pd)となる。また、2自由度制御系に用いる図8の制御対象1の推定モデル入出力特性P^に対して、共振抑制制御装置Bを適用した図1の制御対象1dの推定モデル入出力特性をPd^とする。

0027

このような制御対象1dとすることで、共振抑制制御装置Bを用いないときの図8のモデル化誤差と、共振抑制制御装置Bを用いたときの図1のモデル化誤差は、



とすることができる。これは減衰比ζをモデル化誤差が表れにくい領域に変更することにより可能となるものであり、以下に具体的に説明する。

0028

先ず、図2に減衰比ζの違いによる二次遅れ標準形の周波数特性の違いを示す。図2(a)のようにζが0.05〜0.15と低い値のとき、ζが微小に変動すると周波数特性の変動は大きく表れる。かたや、図2(b)のようにζが0.65〜0.75と大きい値になると、ζが微小に変動しても周波数特性はほとんど変動しない。

0029

これを、図8の制御対象1と図1の制御対象1dを比較しつつ説明する。先ず制御対象1、1dの入出力特性P、Pdに関して、



とし、また、制御対象1、1dの推定モデル入出力特性P^、Pd^に関して、



とする。

0030

そして、ω=250としたときのゲインを表1に示す。因みに、減衰比はζ=0.08(真値)に対してζ^=0.1(推定値)の誤差があり、共振抑制制御装置Bを組み込んだ状態での減衰比の計算は、ζ=0.7175(真値)に対してζ^=0.725(推定値)の誤差がある。

0031

これによる実際の入出力特性P、P^、Pd、Pd^の計算結果を表1に示す。

0032

この表より、

0033

|P−P^|=2.37dB

0034

|Pd−Pd^|=0.27dB
となって、(2)式が成立していることがわかる。このように、減衰比(減衰係数)が大きくなることで、入出力特性はモデル化誤差(減衰比ζの誤差)の影響を受け難くなることがわかる。

0035

次に、3質点系に適用する場合の振動抑制制御装置Bの具体的な構成例を示す。
<実施例1>

0036

1次、2次の振動モードの各々についてゲインK1、K2を求めることができる場合、両振動モード共振を抑える共振抑制制御装置Bのブロック線図を図3に示す。図示の内フィードバックループ5x、5yはそれぞれ微分フィードバック系であり、各ループ5x、5yにおける減衰比調整部51は微分要素sと微分係数KD1(KD2)によって構成され、一部の振動モードを抽出するフィルタ52(Fd1、Fd2)を各内フィードバックループ5x、5yにそれぞれ設けている。但し、

0037

である。この場合、Fd1は単純なP2の逆関数であるが、Fd2については逆関数P1の振動抑制を適用した後の伝達関数を考慮して設計しているため、単純なP1の逆関数ではないが、P1の逆関数を用いていることに変わりはない。

0038

これにより、入出力特性は、

0039

0040

これにより、それぞれの振動モードに対して、KD1やKD2によって減衰比を調整することができる。

0041

このような調整を行った制御対象PまたはPdの周波数特性を図4に示す。本実施形態適用なしとは図8の構成を指し、本実施形態(誤差なし)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制制御設計時に理想的であるPdを用いたもの(つまりモデル化誤差がなくPd=Pd^の場合)、本実施形態(誤差あり)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時にP^を用いたもの(つまりモデル化誤差を含みPd≒Pd^の場合)である。図4に見られるように、本実施形態適用なしに比べて、本実施形態を適用した場合は周波数特性が改善し、モデル化誤差の有無に拘らずほぼ周波数特性が一致している。この部分拡大図である図5を見ても明らかである。

0042

共振抑制制御Bを用いることで、誤差ありと誤差なしの線が図10図11に比べて一致しており、(2)式が奏効していることを確認できる。さらに、2自由度制御系を適用したシステム全体の入出力周波数特性(y/r)を図6に、その拡大図を図7に示す。ここでも、本実施形態適用なしとは図8の構成を指し、本実施形態(誤差なし)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時に理想的であるPdを用いたもの(つまりモデル化誤差がない場合のPd)、本実施形態(誤差あり)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時に理想的であるPdを用いたもの(つまりモデル化誤差がなくPd=Pd^の場合)、本実施形態(誤差あり)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時にP^を用いたもの(つまりモデル化誤差を含みPd≒Pd^の場合)である。従来の2自由度制御系の入出力特性を示した図12図13よりも周波数特性の変動を抑えられている。
<実施例2>

0043

次に、2次の振動モードの共振を抑える共振抑制制御装置Bを構築するにあたり、各振動モードのゲインK1、K2を求めることができない場合について説明する。

0044

先に示した数式(5a)〜(5e)、(6)は各振動モードのゲインを個別に求めることができる前提である。しかし、実験機の周波数特性から各振動モードのゲインを個別に切り分けて求めることが難しい場合がある。そこでPをP=KP1P2と考える。Kは先で示すところのK=K1K2で、まとめて求められるゲインである。このときのFdの簡易設計を示す。図3のブロック線図において、

0045

とすると、入出力特性は下記のようになる。

0046

これにより、それぞれの振動モードに対して、KD1やKD2によって減衰比を調整することが可能となる。
<実施例3>

0047

さらに、複数の振動モードのうちの1つに起因して同定誤差による影響が大きく現われている場合には、その1つの振動モードの共振抑制を図ることでも効果が得られる。

0048

例えば、図1において制御対象P=P1P2に対し、P1で生じる1次モードの振動を抑えたい場合、P・Fd=P1となるように、Fdを制御対象P2で生じる2次モードの振動の逆関数として、

0049

のフィルタを用いる。このフィルタFdを用いることで、減衰比調整部51に入力される帰還値はP1・P2/P2=P1となってP1のみが抽出された形になり、入出力部間の周波数特性は、

0050

となる。これを見ると、1次の振動モードの周波数特性を表わす有理関数と2の次振動モードの周波数特性を表わす有理関数との積の形に分離され、1次振動モードのみに減衰係数ζ1の調整項が入っている。

0051

つまり、フィルタFdによって共振を抑制したい1次の振動モード以外の振動モード(2次の振動モード)を除去したうえで減衰比調整部51の微分器を通過することで、複数の振動モードが存在するプラントP(=P1P2)に対しても、フィルタFdによって所定の共振モード(1次モード)のみを抽出し、当該1次モードの振動に係る減衰比を係数KDを通じ調整することで、当該1次モードの振動に対し一般的な微分フィードバックによって共振抑制の効果を得ることができる。
<実施例4>

0052

なお、上述した複数の振動モードに対してそれぞれ共振抑制を図る際、各振動モードのゲインがわかっているときも、各振動モードのゲインがわからないときも、それぞれ次のように簡易設計して共振抑制の効果を得ることができる。

0053

0054

以上のように、本実施形態の制御システムは、2以上の振動モードを有する制御対象1の出力を負帰還させるフィードバックループ6と、制御対象1をモデル化した際の入出力特性P^の逆特性1/P^を一部に有するフィードフォワード制御部4とを備え、これらフィードバックループ6及びフィードフォワード制御部4を通じて制御対象1への入力を生成する2自由度制御系の制御システムにおいて、制御対象1の出力側と入力側を内フィードバックループ5で接続し、この内フィードバックループ5中に、制御対象1の一部の振動モードを抽出するフィルタ52と、その振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部51とを設けることにより共振抑制制御装置Bを構成して、この共振抑制制御装置Bを含んだ新たな制御対象1dをモデル化した際の入出力特性Pd^の逆特性1/Pd^をフィードフォワード制御部4の逆特性としたものである。

0055

制御対象1をモデル化した際の減衰比ζの誤差は、フィードフォワード制御にも影響するため、制御システム全体の入出力特性が目標の周波数特性から上下により大きくずれ易い。その原因は、二次遅れ系の減衰比が低い値のときほどモデル化誤差に起因してシステム全体の入出力特性のゲイン変動が大きくなることに起因している。

0056

これに対し、制御対象1に対しフィルタ52及び減衰比調整部51を有する内フィードバックループ5を形成して共振抑制制御装置Bを構成し、減衰比を大きくすると、減衰比ζに誤差があってもゲイン変動が抑えられるため、モデル化誤差がシステム全体の入出力特性に及ぼす影響を低減することができる。

0057

具体的には、制御システムが、入力から目標応答特性に基づいて目標値を生成する前置補償器2と、この前置補償器2の目標値と制御対象1dの出力部から前記フィードバックループ5を介して負帰還させた出力値との差分に基づいてフィードバック指令を生成するフィードバック制御部3とを備え、フィードフォワード制御部4が制御対象1dをモデル化した際の逆特性と前置補償器2の目標応答特性とに基づいてフィードフォワード指令を生成し、このフィードフォワード指令を加算器aにおいてフィードバック指令に加算して制御対象1dへの指令となすものであり、前置補償器2の目標応答特性を忠実再現でき、フィードバック制御部3における外乱設計も的確に反映させることのできるシステムを構築することができる。

0058

特に、フィルタ52の特性Fdが、抽出する振動モード(例えば1次振動モード)以外の振動モード(例えば2次振動モード)に係る伝達関数の逆関数を用いて構成されているので、簡単な手法で、抽出する振動モード以外の振動モードを的確に取り除くことができる。

0059

さらに、入力部と前記出力部の間を、抽出する振動モードごとに内フィードバックループ5x、5yで並列的に接続した構成によれば、複数の振動モードに対して、各々適切な共振抑制制御を行うことが可能となる。

0060

特に、複数の振動モードからなる制御対象Pの総ゲインKを各振動モードのゲインKとしたときの逆関数を用いて各振動モードの内フィードバックループ中のフィルタを構成すれば、各振動モードのゲインK1、K2が明確でないときにも、共振抑制制御装置Bを簡易設計することができる。

0061

以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。

0062

例えば、上記実施形態では機械系が直線系の多質点系である場合について説明したが、回転系の多質点系についても同様に適用することができる。

0063

また、減衰係数調整部は、微分要素(=KDs)でなく、(12)式

0064

ローパスフィルタと組み合わせてもよい。

0065

さらにまた、フィルタFの数式がノンプロパの場合は、以下のようにプロパにするための補助関数FPを用いてもよい。例えば、P2の逆関数に補助関数を乗じて、

0066

0067

とすることができる。この場合、入出力関係は、

0068

となる。FPのωdがP1に対して十分に高い周波数であれば、

0069

とできる。そして、このように、フィルタを、前記逆関数に補助関数を用いることでプロパな関数にできる。

0070

その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、フィルタ52においてFd=1とし、実質的に減衰係数調整部51を有する内フィードバックループ(微分フィードバックループ)5のみとしても、本発明の準じた効果を期待することができる。

0071

1…制御対象
1d…新たな制御対象
2…前置補償器
3…フィードバック制御部
4…フィードフォワード制御部
5(5x、5y)…内フィードバックループ
6…フィードバックループ
51…減衰比調整部
52…フィルタ
P、Pd…入出力特性(真値)
P^、Pd^…入出力特性(推定値)

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