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技術 制御装置および流体供給装置の制御方法

出願人 株式会社ジェイテクト
発明者 東山佳路仲正美坂崎司
出願日 2016年3月30日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2016-068211
公開日 2017年10月5日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-180647
状態 特許登録済
技術分野 潤滑 往復動ポンプ(3) ころがり軸受
主要キーワード 変化具合 給油ユニット 径時変化 ダイヤフラム式ポンプ 給油制御 マイコンピュータ 周辺空気 給油動作
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

圧電素子を利用して流体を供給する装置の制御装置であって、安定して流体を供給できる制御を行う制御装置を提供する。

解決手段

給油ユニットの駆動は、制御装置によって制御される。給油ユニットには電圧印加されることに応じて変形す圧電体65が含まれ、潤滑油貯留部の容積が圧電体の変形に伴って変化することによって潤滑油が給油ユニットから吐出される。制御装置は、圧電体に電圧を印加する、圧電体に並列に接続されたN(Nは2以上の整数)個の駆動回路71a〜71nを含む。制御装置は、給油の際に、N個の駆動回路のうちのN個よりも少ない数の駆動回路を用いる。

概要

背景

圧電素子アクチュエータとして利用するポンプが知られている。このようなポンプはダイヤフラム式ポンプとも呼ばれる。このポンプは、たとえば転がり軸受潤滑油を供給するための給油装置に採用されている。

たとえば特表2007−533902号公報(特許文献1)は、ポンプの駆動回路流体を供給する対象である装置の状態に応じた駆動信号を生成する技術を開示している。

概要

圧電素子を利用して流体を供給する装置の制御装置であって、安定して流体を供給できる制御を行う制御装置を提供する。給油ユニットの駆動は、制御装置によって制御される。給油ユニットには電圧印加されることに応じて変形す圧電体65が含まれ、潤滑油の貯留部の容積が圧電体の変形に伴って変化することによって潤滑油が給油ユニットから吐出される。制御装置は、圧電体に電圧を印加する、圧電体に並列に接続されたN(Nは2以上の整数)個の駆動回路71a〜71nを含む。制御装置は、給油の際に、N個の駆動回路のうちのN個よりも少ない数の駆動回路を用いる。

目的

第2の駆動は、第1の駆動と逆の駆動であって、たとえば圧電体65が図3の矢印と逆向きに変形することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

流体供給装置の駆動を制御する制御装置であって、前記流体供給装置は電圧印加されることに応じて変形す圧電素子を有し、前記流体供給装置は、供給する流体貯留する貯留部の容積が前記圧電素子の第1の変形に伴って変化することによって前記流体を前記貯留部から吐出し、前記圧電素子に電圧を印加する駆動回路と、前記駆動回路による前記圧電素子に対する電圧の印加を制御する制御回路と、を備え、前記圧電素子に対して、N(Nは2以上の整数)個の前記駆動回路が並列に接続されており、前記流体供給装置から前記流体を供給する際に、前記制御回路は、前記N個の駆動回路のうちの前記N個よりも少ない数の駆動回路を用いる、制御装置。

請求項2

前記流体供給装置は、前記圧電素子の第2の変形に伴って前記貯留部の容積が変化することによって、前記流体を前記貯留部に吸引し、前記駆動回路は、前記圧電素子に前記第1の変形を生じさせるよう前記圧電素子へ電圧の印加する第1の回路と、前記圧電素子に前記第2の変形を生じさせるよう前記圧電素子へ電圧を印加する第2の回路と、を含み、前記制御回路は、前記流体供給装置から前記流体を供給する際に前記N個の駆動回路のうちのM個の駆動回路の前記第1の回路を用い、前記貯留部に前記流体を吸引する際に前記N個の駆動回路のうちのL個の駆動回路の前記第2の回路を用いる、請求項2に記載の制御装置。

請求項3

前記制御回路は、前記圧電素子に印加する電圧に応じて、前記N個の駆動回路のうちから用いる駆動回路を決定する、請求項1または2に記載の制御装置。

請求項4

前記制御回路は供給する前記流体の粘性指標値を取得し、前記指標値に基づいて前記圧電素子に印加する電圧を決定する、請求項3に記載の制御装置。

請求項5

前記制御回路は、前記電圧素子に印加する電圧の単位時間あたりの変化量に応じて、前記用いる駆動回路それぞれによって前記圧電素子に電圧を印加するタイミングを決定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置。

請求項6

前記制御回路は供給する前記流体の粘性の指標値を取得し、前記指標値に基づいて前記電圧素子に印加する電圧の単位時間あたりの変化量を決定する、請求項5に記載の制御装置。

請求項7

前記流体の粘性の指標値は、前記流体の温度を含む、請求項4または6に記載の制御装置。

請求項8

前記制御回路は、前記駆動回路からの信号に基づいて故障が発生した駆動回路を判別し、前記N個の駆動回路のうちの故障の発生していない駆動回路の中から用いる駆動回路を決定する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の制御装置。

請求項9

前記制御回路は、前記N個の駆動回路のうちの故障の発生している駆動回路の数が予め記憶している閾値に達すると報知する、請求項8に記載の制御装置。

請求項10

流体を供給する流体供給装置の制御方法であって、前記流体供給装置は電圧が印加されることに応じて変形する圧電素子を有し、前記流体供給装置は、供給する流体を貯留する貯留部の容積が前記圧電素子の変形に伴って変化することによって前記流体を前記貯留部から吐出し、前記圧電素子に電圧を印加可能な駆動回路が、前記圧電素子に対して、複数、並列に接続されており、前記複数の駆動回路のうち、前記圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路を決定するステップと、前記圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路に対して、前記圧電素子に対する電圧の印加を実行させるステップと、を備え、前記圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路を決定するステップでは、前記圧電素子に対して並列に接続されて前記複数の駆動回路の総数よりも少ない数の駆動回路が、前記圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路として決定される、制御方法。

技術分野

0001

この発明は制御装置および流体供給装置制御方法に関し、特に、圧電素子を利用した流体供給装置の駆動を制御する制御装置および該流体供給装置の制御方法に関する。

背景技術

0002

圧電素子をアクチュエータとして利用するポンプが知られている。このようなポンプはダイヤフラム式ポンプとも呼ばれる。このポンプは、たとえば転がり軸受潤滑油を供給するための給油装置に採用されている。

0003

たとえば特表2007−533902号公報(特許文献1)は、ポンプの駆動回路流体を供給する対象である装置の状態に応じた駆動信号を生成する技術を開示している。

先行技術

0004

特表2007−533902号公報

発明が解決しようとする課題

0005

このようなポンプを駆動させるための駆動回路が故障すると、潤滑油などの流体の供給が停止してしまう。このようなポンプを利用した給油ユニットが、転がり軸受への給油に用いられる場合、該ポンプの駆動回路が故障すると潤滑油の供給が停止し、軸受が焼き付くおそれがある。

課題を解決するための手段

0006

ある実施の形態に従うと、制御装置は流体供給装置の駆動を制御する制御装置であって、流体供給装置は電圧印加されることに応じて変形する圧電素子を有し、流体供給装置は、供給する流体を貯留する貯留部の容積が圧電素子の第1の変形に伴って変化することによって流体を前記貯留部から吐出し、圧電素子に電圧を印加する駆動回路と、駆動回路による前記圧電素子に対する電圧の印加を制御する制御回路と、を備え、圧電素子に対して、N(Nは2以上の整数)個の駆動回路が並列に接続されており、流体供給装置から前記流体を供給する際に、制御回路は、N個の駆動回路のうちのN個よりも少ない数の駆動回路を用いる。
この構成によって、N個の駆動回路のうちのいずれかの駆動回路に故障が発生した場合であっても、故障が発生していない駆動回路を用いて流体供給装置の圧電素子に電圧を印加することができる。そのため、流体供給装置からの流体の安定した供給を実現することができる。

0007

好ましくは、流体供給装置は、圧電素子の第2の変形に伴って貯留部の容積が変化することによって、流体を前記貯留部に吸引し、駆動回路は、圧電素子に第1の変形を生じさせるよう圧電素子へ電圧の印加する第1の回路と、圧電素子に第2の変形を生じさせるよう圧電素子へ電圧を印加する第2の回路と、を含み、制御回路は、流体供給装置から流体を供給する際にN個の駆動回路のうちのM個の駆動回路の第1の回路を用い、貯留部に流体を吸引する際にN個の駆動回路のうちのL個の駆動回路の第2の回路を用いる。
この構成によって、駆動回路に含まれる回路を切り替えて用いることにより流体の貯留部への吸引、貯留部からの吐出を行わせることができる。そのため、容易な制御によって流体供給装置からの流体の安定した供給を実現することができる。

0008

好ましくは、制御回路は、圧電素子に印加する電圧に応じて、N個の駆動回路のうちから用いる駆動回路を決定する。
この構成によって、圧電素子に印加する電圧を用いる駆動回路の数によって調整できる。そのため、容易に圧電素子への印加電圧を制御できる。

0009

より好ましくは、制御回路は供給する流体の粘性指標値を取得し、該指標値に基づいて圧電素子に印加する電圧を決定する。
この構成によって、温度等の変化によって流体の粘性が変化した場合に、流体供給装置に粘性に応じた供給動作を行わせることができる。そのため、流体の粘性の変化に関わらずに安定して流体供給装置から流体を供給することができる。

0010

好ましくは、制御回路は、電圧素子に印加する電圧の単位時間あたりの変化量に応じて、用いる駆動回路それぞれによって圧電素子に電圧を印加するタイミングを決定する。
この構成によって、電圧素子に印加する電圧の単位時間あたりの変化量を駆動回路に電圧を印加させるタイミングによって調整できる。そのため、容易に電圧素子に印加する電圧の単位時間あたりの変化量を制御できる。

0011

より好ましくは、制御回路は供給する流体の粘性の指標値を取得し、該指標値に基づいて電圧素子に印加する電圧の単位時間あたりの変化量を決定する。
この構成によって、温度等の変化によって流体の粘性が変化した場合に、流体供給装置に粘性に応じた供給動作を行わせることができる。そのため、流体の粘性の変化に関わらずに安定して流体供給装置から流体を供給することができる。

0012

より好ましくは、流体の粘性の指標値は、流体の温度を含む。
この構成によって、流体が温度変化によって粘性に変化が生じた場合に、流体供給装置に粘性に応じた供給動作を行わせることができる。そのため、流体の温度変化に関わらずに安定して流体供給装置から流体を供給することができる。

0013

好ましくは、制御回路は、駆動回路からの信号に基づいて故障が発生した駆動回路を判別し、N個の駆動回路のうちの故障の発生していない駆動回路の中から用いる駆動回路を決定する。
この構成によって、N個の駆動回路のうちに故障の発生した駆動回路が含まれていても、流体供給装置からの流体の安定した供給を実現することができる。そのため、流体供給装置からの流体の安定した供給を実現することができる。

0014

より好ましくは、制御回路は、N個の駆動回路のうちの故障の発生している駆動回路の数が予め記憶している閾値に達すると報知する。
この構成によって、閾値の設定によっては流体供給装置が駆動できなくなる前に故障した駆動回路を交換等することができる。そのため、流体供給装置からの流体の供給が停止する可能性を抑えることができる。

0015

他の実施の形態に従うと、制御方法は流体を供給する流体供給装置の制御方法であって、流体供給装置は電圧が印加されることに応じて変形する圧電素子を有し、流体供給装置は、供給する流体を貯留する貯留部の容積が圧電素子の変形に伴って変化することによって流体を前記貯留部から吐出し、圧電素子に電圧を印加可能な駆動回路が、圧電素子に対して、複数、並列に接続されており、複数の駆動回路のうち、圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路を決定するステップと、圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路に対して、圧電素子に対する電圧の印加を実行させるステップと、を備え、圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路を決定するステップでは、圧電素子に対して並列に接続されて複数の駆動回路の総数よりも少ない数の駆動回路が、圧電素子に対する電圧の印加に用いる駆動回路として決定される。
この構成によって、N個の駆動回路のうちのいずれかの駆動回路に故障が発生した場合であっても、故障が発生していない駆動回路を用いて流体供給装置の圧電素子に電圧を印加することができる。そのため、流体供給装置からの流体の安定した供給を実現することができる。

発明の効果

0016

この発明によると、圧電素子を利用した流体供給装置が安定して流体を供給することができる。

図面の簡単な説明

0017

実施の形態にかかる軸受装置を、軸の中心線を含む平面によって切断した断面図である。
図1のA−A位置における軸受装置の断面図である。
軸受装置に含まれるポンプの構成を説明するための概略図である。
ポンプの駆動部の回路構成の一例を表した概略図である。
軸受装置に含まれる制御部の装置構成の一例を表したブロック図である。
ポンプに含まれる圧電体への印加電圧の径時変化の一例を模式的に表した図である。
第1の実施の形態にかかる軸受装置において給油動作が行われる際の制御部での制御の流れを表したフローチャートである。
第2の実施の形態にかかる軸受装置での、潤滑油の温度が設定温度時の圧電体への印加電圧の径時変化を模式的に表した図である。
第2の実施の形態にかかる軸受装置での、潤滑油の温度が設定温度よりも低温時の圧電体への印加電圧の径時変化を模式的に表した図である。
第2の実施の形態にかかる軸受装置において給油動作が行われる際の制御部での制御の流れを表したフローチャートである。

実施例

0018

以下に、図面を参照しつつ、好ましい実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。

0019

[第1の実施の形態]
<全体構成>
図1は、本実施の形態にかかる軸受装置100を、軸の中心線を含む平面によって切断した断面図である。図2は、軸受装置100の図1のA−A位置における矢視図であって、軸方向に見た断面図である。図1および図2を参照して、軸受装置100は、軸受本体20と、給油ユニット40と、センサ60と、駆動部70と、制御部80とを備えている。本実施の形態にかかる軸受装置100は、工作機械主軸(軸7)を回転可能に支持するために、軸受ハウジング8内に収容された状態にある。

0020

軸受本体20は、内輪21、外輪22、複数の転動体23、および環状の保持器24を有している。保持器24は複数の転動体23を保持する。内輪21は、軸7に外嵌する円筒状の部材である。内輪21の外周に、軌道溝(以下、内輪軌道溝25という。)が形成されている。外輪22は、軸受ハウジング8の内周面に固定される円筒状の部材である。
外輪22の内周に軌道溝(以下、外輪軌道溝26という。)が形成されている。内輪21と外輪22とは同心状に配置されている。同心状に配置された内輪21と外輪22との間には環状空間28が形成されている。本実施の形態では、外輪22に対して内輪21が軸7と共に回転する。

0021

複数の転動体23は、内輪21と外輪22との間の環状空間28に介在しており、内輪軌道溝25および外輪軌道溝26を転動する。

0022

保持器24は、環状空間28に設けられている。保持器24は、環状の部材からなり、複数の転動体23それぞれを保持する複数のポケット27が周方向に沿って一定間隔ごとに形成されている。保持器24は、各転動体23の軸方向両側に設けられている一対の環状部31,32と、これら環状部31,32を連結している複数の柱部33とを有している。複数の柱部33は、周方向に間隔をあけて設けられている。これら環状部31,32と周方向で隣り合う2つの柱部33とによって囲まれる領域がポケット27となる。各ポケット27に一つの転動体23が収容され、これにより、保持器24は、複数の転動体23を周方向に並べて保持することができる。

0023

軸受本体20の環状空間28の軸方向一方側の隣に給油ユニット40が設けられている。給油ユニット40は、流体供給装置の一例である。給油ユニット40は、環状空間28に対して、流体の一例である潤滑油を供給可能である。給油ユニット40は、ケース41と、当該ケース41から軸方向に延びて設けられている延在部42とを有している。

0024

給油ユニット40に含まれるケース41内部の空間には、さらに、潤滑油(オイル)を貯留するためのタンク62およびポンプ61が設けられている。ポンプ61は、潤滑油を溜める貯留部63と、ダイヤフラム振動板)64(図3)と、ダイヤフラム64に接して配置された、電圧の印加によって駆動(変形)する圧電体65とを有する。ポンプ61の貯留部63の容積は、圧電体65の駆動に伴って変形するダイヤフラム64の変形にしたがって変化する。

0025

圧電体65の第1の駆動に伴って、ダイヤフラム64に第1の変形が生じる。ダイヤフラム64の第1の変形にしたがって貯留部63の容積が減少する。これによって、当該貯留部63内の微量の潤滑油が延在部42を経て環状空間28へ吐出される。貯留部63から吐出されて環状空間28に供給される潤滑油の量は、たとえばピコリットル単位の流量よりも少ない超微小な流量である。また、圧電体65の変形に伴って貯留部63の容積が増加することによってポンプ61はタンク62から潤滑油を吸引し、貯留部63に潤滑油が補充される。

0026

図2を参照して、ケース41内部の空間には、駆動部70と制御部80とが設けられている。さらに、図2に表されたように、潤滑油の粘性の指標値を得るためのセンサ60が設けられていてもよい。潤滑油は、潤滑油自身の温度、周辺空気の温度、湿度気圧などの影響を受けて粘性が変化する。したがって、潤滑油の粘性の指標値としてこれらの値やこれらの値の組み合わせを用いることができる。センサ60は、たとえば潤滑油の温度を検知するための温度計である。

0027

駆動部70は、圧電体65に電圧を印加する。制御部80は駆動部70に接続されて、駆動部70による圧電体65に対する電圧の印加を制御する。具体的には、制御部80は制御信号として、圧電体65に印加する電圧や印加する時間を指示する信号を出力するための制御回路を含む。したがって、ポンプ61では制御部80の制御にしたがって給油動作が行われる。

0028

<ポンプの構成>
図3は、ポンプ61の構成を説明するための概略図である。ポンプ61はダイヤフラム式ポンプである。詳しくは、図3を参照して、ポンプ61は、貯留部63からタンク62に向けて貫通する開口63aと、貯留部63から延在部42に向けて貫通する開口63bと、貯留部63を構成するダイヤフラム64とを有している。開口63aは潤滑油をタンク62から貯留部63に向けて通過させる。開口63bは潤滑油を貯留部63から延在部42に向けて通過させる。圧電体65はダイヤフラム64に隣接して設けられて、その駆動によってダイヤフラム64を変形させる。

0029

貯留部63から環状空間28に潤滑油を吐出して供給する際、駆動部70により圧電体65に第1の電圧が加えられる。第1の電圧はたとえば負の電圧である。第1の電圧が印加されることによって、つまり、圧電体65に加えられていた電圧が減少することによって、圧電体65が第1の駆動を行う。第1の駆動は、たとえば圧電体65が図3の矢印の向きに変形することである。これにより、ダイヤフラム64には下方へ凸となるように湾曲するという第1の変形が生じ、貯留部63の容積が減少する。その結果、貯留部63に貯留されている潤滑油が開口63bから環状空間28に吐出される。貯留部63から環状空間28に潤滑油を吐出する動作を、以降の説明では吐出動作とも称する。

0030

貯留部63にタンク62から潤滑油を補充する際、駆動部70により圧電体65に第2の電圧が加えられる。第2の電圧は第1の電圧の逆であって、たとえば正の電圧である。第2の電圧が印加されることによって、圧電体65が第2の駆動を行う。第2の駆動は、第1の駆動と逆の駆動であって、たとえば圧電体65が図3の矢印と逆向きに変形することである。これにより、ダイヤフラム64には上方へ凸となるように湾曲するという第2の変形が生じ、貯留部63の容積が増加する。その結果、開口63aからタンク62の潤滑油が吸引される。貯留部63に潤滑油を補充する動作を、以降の説明では補充動作とも称する。つまり、給油ユニット40から軸受本体20に潤滑油を供給する動作(給油動作)は、補充動作と吐出動作との繰り返しである。

0031

<駆動部の構成>
図4は、駆動部70の回路構成の一例を表した概略図である。図4を参照して、駆動部70は、複数(N個)の駆動回路71a,71b,…71nを含む。複数の駆動回路71a,71b,…71nを代表させて、駆動回路71と称する。複数の駆動回路71は、それぞれ、抵抗抵抗値Rとする)を挟んで直列に接続された第1の回路Tr1a〜Tr1nと、第2の回路Tr2a〜Tr2nとを含む。第1の回路Tr1a〜Tr1nを代表させて第1の回路Tr1、第2の回路Tr2a〜Tr2nを代表させて第2の回路Tr2とも称する。第1の回路Tr1および第2の回路Tr2は、制御部80によってON/OFFが制御されるスイッチング回路である。

0032

複数の駆動回路71は、圧電体65に対して並列に接続されている。圧電体65に対して並列に接続されたn個の駆動回路71がそれぞれ電圧Vを印加することによって、圧電体65に供給される電流IはI=V/(R/n)となる。したがって、圧電体65に電圧を印加する駆動回路71の数に基づいて圧電体65に供給される電流Iや、電流Iの変化具合が制御される。

0033

第1の回路Tr1は、圧電体65に対して電流を流す回路、つまり、圧電体65に正の電圧を印加する回路である。第2の回路Tr2は、圧電体65から電流を引き込む回路、つまり、圧電体65に負の電圧を印加する回路である。スイッチング回路は、たとえば、バイポーラトランジスタ電界効果トランジスタFET:Field Effect Transistor)である。第1の回路Tr1はたとえばPNP型トランジスタであり、第2の回路Tr2aはたとえばNPN型トランジスタである。

0034

スイッチング回路である第1の回路Tr1をONし、第2の回路Tr2をOFFすると、圧電体65に対して正の電圧が印加される。スイッチング回路である第1の回路Tr1をOFFし、第2の回路Tr2をONすると、圧電体65に対して負の電圧が印加される。

0035

<制御部の構成>
図5は、制御部80の装置構成の一例を表したブロック図である。制御部80は、たとえば、マイコンマイコンピュータ)などとも呼ばれる単一のLSI(Large Scale Integration)などである。図5を参照して、制御部80は、装置全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域となったり各種データを記憶するためのRAM(Random Access Memory)12と、センサ60との通信を行うためのインタフェース(I/F)であるセンサI/F13と、駆動部70との通信を行うためのインタフェースである駆動I/F14とを含む。

0036

給油制御
制御部80は駆動部70と通信を行うことで、給油ユニット40から軸受本体20への給油を制御する。したがって、駆動部70および制御部80は、流体供給装置の一例である給油ユニット40の駆動を制御する制御装置であると言える。

0037

図6は、圧電体65への印加電圧の径時変化の一例を模式的に表した図である。縦軸は、圧電体65に印加される電圧を表し、横軸は時間を表している。図6を参照して、時間T1において圧電体65には電圧が徐々に印加され、その後の時間T2において圧電体65に印加された電圧が徐々に減少する。

0038

詳しくは、制御部80は、予め記憶している時間T1において、補充動作のための制御を行う。具体的には、制御部80は、駆動部70により圧電体65に正の電圧(第2の電圧)を徐々に印加させる。すなわち、時間T1において制御部80は、駆動部70の駆動回路71のうちの第1の回路Tr1をONし(駆動させ)、第2の回路Tr2をOFFする(駆動しない)。これによって、圧電体65が図3の矢印と逆向きに変形し(第2の駆動)、ダイヤフラム64が上方へ湾曲する。この変形により、開口63aから貯留部63内に潤滑油が補充される。

0039

また、制御部80は、時間T1の後の、予め記憶している時間T2において、吐出動作のための制御を行う。具体的には、制御部80は、駆動部70により圧電体65に負の電圧である第1の電圧を徐々に印加させる。すなわち、時間T2において制御部80は、駆動部70の駆動回路71のうちの第2の回路Tr2をONし、第1の回路Tr1をOFFする。これによって、圧電体65が図3の矢印の向きに変形し(第1の駆動)、ダイヤフラム64が下方へ湾曲する。この変形により、貯留部63に貯留されている潤滑油が開口63bから環状空間28に吐出される。

0040

補充動作の際(時間T1)、および吐出動作の際(時間T2)、制御部80は、駆動部70に含まれる複数(N個)の駆動回路71のうちのN個よりも少ない駆動回路71を用いる(ONする)。すなわち、駆動部70には、給油動作の際に圧電体65に電圧を印加するために必要な個数よりも多い個数の駆動回路71が含まれ、制御部80は、その中から用いる駆動回路71を決定する。そして、制御部80は、印加する電圧を徐々に増加させるために、ONする(印加させる)駆動回路71の数を、上記の用いる駆動回路71の数に達するまで徐々に増加させる。または、圧電体65のコンデンサ容量と第1の回路Tr1に付属している抵抗あるいは第2の回路Tr2の内部の抵抗の時定数とから放電時間が決まるので、制御部80は、上記の用いるすべての駆動回路71の第1の回路Tr1または第2の回路Tr2を同時にONしてもよい。

0041

このように、それぞれ第1の回路Tr1と第2の回路Tr2とを含む、複数の駆動回路71が圧電体65と並列に接続される構成であることによって、圧電体65への電圧の印加および印加された電圧の減少を、用いる駆動回路71を切り替えることによって実現できる。すなわち、圧電体65への電圧の印加および印加された電圧の減少を専用の回路やソフトウェア制御で実現するよりも容易な制御とすることができる。

0042

たとえば、補充動作にN個よりも少ないL個の駆動回路71それぞれの第1の回路Tr1を用いる場合、制御部80は、駆動回路71の数がL個に達するまで、時間T1の期間に、順番に圧電体65への電圧の印加を行わせる駆動回路71の第1の回路Tr1の数を増加させる。あるいは、上記のように制御部80は、L個の駆動回路71の第1の回路Tr1を同時にONしてもよい。これにより、補充動作の際、時間T1の期間に、圧電体65に電圧Eに達するまで徐々に電圧が印加される。

0043

このような構成によって、本実施の形態にかかる軸受装置100では、給油動作、特に補充動作の際の圧電体65への電圧の印加を、駆動回路71の数によって制御することができる。すなわち、圧電体65に印加する電圧Eや、印加する電圧の増加速度を、駆動回路71の数によって制御することができる。それ故、圧電体65への電圧の印加をソフトウェア等によって電気的に制御するよりも容易に制御することができる。また、圧電体65への電圧の印加に必要な個数よりも多い駆動回路71はバックアップ非常用)の駆動回路とも言える。それ故、いずれかの駆動回路71が圧電体65への電圧の印加に必要な機能が低下した場合であってもバックアップの駆動回路を用いることができるため、給油ユニット40からの潤滑油の安定した供給を実現できる。

0044

好ましくは、制御部80は、補充動作時に圧電体65に印加する電圧Eを予め記憶しておき、N個よりも少ない、電圧Eに基づく個数(L個)の駆動回路71を用いる(ONする)。たとえば、制御部80は、各駆動回路71が印加可能な電圧eを予め記憶しておくことで、補充動作時に圧電体65に電圧Eを印加するために必要な数(L=E/e)の駆動回路71を用いる(ONする)。制御部80は、電圧Eと圧電体65への印加に用いる駆動回路71の数Lとの対応を予め記憶しておいてもよいし、予め記憶している演算式に電圧Eを代入することで圧電体65への印加に用いる駆動回路71の数Lを得てもよい。このような構成にすることによって、圧電体65に印加可能な電圧が可変な駆動回路を用いて、その駆動回路に対してソフトウェア等による電気的な制御を行うことによって圧電体65に印加する電圧を制御するよりも、制御を容易にできる。

0045

より好ましくは、制御部80は、圧電体65に印加する電圧の増加速度(単位時間当たりの増加量)を予め記憶しておき、時間T1の期間、その増加速度に基づくタイミングで、つまり、ONする駆動回路71の数の増加速度で、L個に達するまでONする駆動回路71の数を増加させる。制御部80は、印加する電圧の増加速度とONする駆動回路71の数の増加速度との対応を予め記憶しておいてもよいし、予め記憶している演算式に印加する電圧の増加速度を代入することでONする駆動回路71の数の増加速度を得てもよい。なお、上記のように制御部80は、L個の駆動回路71を同時にONしてもよい。このような構成にすることによって、圧電体65に印加可能な電圧が可変な駆動回路を用いて、その駆動回路に対してソフトウェア等による電気的な制御を行うことによって圧電体65に印加する電圧を制御するよりも、制御を容易にできる。

0046

このような構成によって、本実施の形態にかかる軸受装置100では、給油動作、特に補充動作の際の圧電体65への電圧の印加を、駆動回路71の数によって制御することができる。すなわち、補充動作にN個よりも少ないL個の駆動回路71それぞれの第1の回路Tr1を用いる場合、制御部80は、駆動回路71の数がL個に達するまで、時間T1の期間に、順番に第1の回路Tr1をONする。これにより、補充動作の際、時間T1の期間に、圧電体65に電圧Eに達するまで徐々に電圧が印加される。なお、上記のように制御部80は、L個の駆動回路71の第1の回路Tr1を同時にONしてもよい。

0047

なお、給油動作のうちの吐出動作においても、同様の制御がなされてもよい。たとえば、吐出動作にN個よりも少ないM個の駆動回路71の駆動回路71それぞれの第2の回路Tr2を用いる場合、制御部80は、駆動回路71の数がM個に達するまで、時間T2の期間に、順番に第2の回路Tr2をONする。これにより、吐出動作の際、時間T2の期間に、圧電体65に印加されている電圧が徐々に減少する。なお、上記のように制御部80は、M個の駆動回路71の第2の回路Tr2を同時にONしてもよい。

0048

このような構成によって、本実施の形態にかかる軸受装置100では、給油動作の吐出動作の際にも、圧電体65への電圧の印加を駆動回路71の数によって制御することができる。制御部80は、圧電体65に印加する負の電圧と圧電体65への印加に用いる駆動回路71の数Mとの対応を予め記憶しておいてもよいし、予め記憶している演算式に電圧Eを代入することで圧電体65への印加に用いる駆動回路71の数Mを得てもよい。

0049

好ましくは、制御部80は、駆動部70に含まれる複数(N個)の駆動回路71それぞれと通信することによって、それぞれでの故障の発生を判断する。たとえば、制御部80は、駆動回路71ごとにONさせる制御信号を出力する。制御部80は、各駆動回路71からの当該指示に対する応答を示す信号に基づいて、各駆動回路71の故障の発生を判断することができる。このような構成にすることによって、N個の駆動回路71のうちの故障の発生している駆動回路を判別することができる。それによって、給油ユニット40を駆動させるための駆動部70の故障を早期に検出することができて給油の停止を回避することが可能になる。これは、軸受本体20の焼き付きなどの故障を防止することを可能とする。

0050

より好ましくは、制御部80は、圧電体65に印加する電圧の減少速度を予め記憶しておき、時間T2の期間、その減少速度に基づくタイミングで、つまり、ONする駆動回路71の数の増加速度で、M個に達するまでにONする駆動回路71の数を増加させる。制御部80は、印加する電圧の減少速度とONする駆動回路71の数の増加速度との対応を予め記憶しておいてもよいし、予め記憶している演算式に印加する電圧の減少速度を代入することでONする駆動回路71の数の増加速度を得てもよい。なお、上記のように制御部80は、M個の駆動回路71を同時にONしてもよい。

0051

より好ましくは、制御部80は、圧電体65に印加する電圧Eに基づいて、複数(N個)の駆動回路71のうちの故障が発生していない駆動回路71の中から、N個よりも少ない駆動回路71を用いる。このような構成にすることによって、駆動部70に含まれる複数(N個)の駆動回路71に故障が発生した場合であっても、故障した駆動回路71の数が圧電体65への印加に必要個数より少ない数と給油動作が可能となり、安定した給油を実現することができる。

0052

また、好ましくは、制御部80は、故障している駆動回路71の数が予め記憶している閾値以上となった場合に、図示しない表示装置に表示するなどしてエラーを報知してもよい。閾値は、たとえば、圧電体65への印加に必要個数よりも少ない数である。より好ましくは、制御部80は、駆動回路71の故障の発生の判断を、給油動作を実行していないタイミングで行う。このような構成にすることによって、給油ユニット40を駆動させるための駆動部70の故障を早期に検出することができ、給油の停止を回避することが可能になり、軸受本体20の焼き付きなどの故障を防止することが可能になる。

0053

動作フロー
図7は、第1の実施の形態にかかる軸受装置100における給油ユニット40の制御方法、つまり、第1の実施の形態にかかる軸受装置100において給油動作が行われる際の制御部80での制御の流れを表したフローチャートである。図7のフローチャートに表された動作は、制御部80のCPU10がROM11に記憶されているプログラムをRAM12上に読み出して実行することによって実現される。図7のフローチャートに表された動作は、制御部80のCPU10が、予め規定されている、給油動作を行うタイミング、または当該タイミングから所定時間前のタイミングに達したことを検知すると開始される。給油動作を行うタイミングは、たとえば、直近の給油動作から予め規定された期間が経過したタイミングである。なお、給油動作とは、上記したように、補充動作と吐出動作との両動作を含む。

0054

すなわち、図7を参照して、給油動作を行うタイミング、または当該タイミングから所定時間前のタイミングに達すると、CPU10は、駆動部70に含まれる複数(N個)の駆動回路71それぞれからの信号に基づいて故障の発生を判断する。具体的には、補充動作を実行するタイミング、または当該タイミングから所定時間前のタイミングに達すると、CPU10は、各駆動回路71の故障の発生を判断する。また、吐出動作を実行するタイミング、または当該タイミングから所定時間前のタイミングに達すると、CPU10は、各駆動回路71の故障の発生を判断する。ここでの判断方法は、特定の方法に限定されない。そして、故障している駆動回路71が存在する場合(ステップS101でYES)、CPU10は、さらに、故障している駆動回路71の数が、規定数である予め記憶している閾値を超えているか否かを判断する。

0055

駆動部70に含まれるすべての駆動回路71に故障が発生していない場合(ステップS101でNO)、または、故障している駆動回路71の数が上記の閾値を超えていない場合(ステップS103でYES)、CPU10は、圧電体65への電圧の印加に用いる駆動回路71を決定する(ステップS105)。すなわち、駆動部70に含まれるすべての駆動回路71に故障が発生していない場合(ステップS101でNO)、ステップS105でCPU10は、駆動部70に含まれるN個の駆動回路71のうちから、N個よりも少ない数の、圧電体65への電圧の印加に用いる駆動回路71を決定する。故障している駆動回路71の数が閾値を超えていない場合(ステップS103でYES)、ステップS105でCPU10は、駆動部70に含まれるN個の駆動回路71のうちの故障していない駆動回路71の中から、N個よりも少ない数の、圧電体65への電圧の印加に用いる駆動回路71を決定する。

0056

補充動作の場合、ステップS105でCPU10は、圧電体65に電圧Eを印加するために必要なL個の駆動回路71を決定する。吐出動作の場合、ステップS105でCPU10は、圧電体65に印加された電圧Eを減じるために、すなわち負の電圧Eを印加するために必要なM個の駆動回路71を決定する。

0057

そして、CPU10は、決定した駆動回路71に対して、圧電体65への電圧の印加を行わせるための制御を実行する(ステップS107)。具体的には、補充動作の場合、ステップS107でCPU10は、ステップS105で決定された駆動回路71それぞれの第1の回路Tr1を、時間T1の間、L個に達するまで順にONしていく。または、CPU10は、L個の駆動回路71の第1の回路Tr1を同時にONしてもよい。吐出動作の場合、ステップS107でCPU10は、ステップS105で決定された駆動回路71それぞれの第2の回路Tr2を、時間T2の間、M個に達するまで順にONしていく。または、CPU10は、M個の駆動回路71の第2の回路Tr2を同時にONしてもよい。

0058

なお、故障している駆動回路71の数が閾値を超えている場合(ステップS103でNO)、CPU10は、図示されない表示装置などを用いてエラーを報知してもよい(ステップS109)。

0059

<実施の形態の効果>
たとえば給油ユニット40である流体供給装置の制御装置として機能する駆動部70および制御部80がこのように構成されることによって、駆動部70に含まれる複数の駆動回路のうちの一部に故障が生じた場合であっても、給油動作を可能にすることができる場合がある。そのため、安定した給油を実現することができる。

0060

また、圧電体65に印加する電圧や印加する電圧の変化速度(増加速度、減少速度)をONする駆動回路の数によって制御可能であるため、ソフトウェア等によって電気的に制御するよりも制御が容易となる。

0061

[第2の実施の形態]
制御部80は、センサ60からの検知信号によって得られる潤滑油の粘性の指標値に応じて圧電体65に印加する電圧Eや変化速度(増加速度、減少速度)すなわち印加する時間T1,T2を決定してもよい。なぜなら、潤滑油の吐出量や吐出速度は粘性の影響を受けるためである。具体的には、粘性の指標値が潤滑油の温度である場合、温度が低くなるほど潤滑油の粘性が高くなり、貯留部63に吸引される際の抵抗や貯留部63から吐出される際の抵抗が大きくなる。それ故、設計上の設定温度よりも低くなると、貯留部63に吸引される潤滑油の量や貯留部63から吐出される潤滑油の量が設定温度時に想定されている量よりも少なくなるおそれがある。つまり、潤滑油の温度が設定温度よりも低くなると、安定して潤滑油が供給されなくなるおそれがある。

0062

そこで、第2の実施の形態にかかる軸受装置100においては、制御部80は、一例として潤滑油の指標値として潤滑油の温度を取得し、その温度に基づいて給油動作を制御する。具体的には、制御部80は、補充動作および吐出動作の際、貯留部63の容積の単位時間あたりの変化量を潤滑油の温度に応じた変化量とさせるように圧電体65への印加電圧を制御する。すなわち、圧電体65への印加電圧Eを一定として、圧電体65に印加される電圧の単位時間あたりの変化量、つまり、電圧Eを印加する時間である印加時間を潤滑油の温度に応じた変化量とさせるように制御する。潤滑油の温度は、センサ60からの検知信号に基づいて得られる。

0063

図8および図9は、第2の実施の形態にかかる軸受装置100での、潤滑油の温度の異なる場合の圧電体65への印加電圧の径時変化を模式的に表した図である。図8は設定温度(低温よりも高い温度)時の圧電体65への印加電圧の径時変化を表し、図9は設定温度よりも低温時の圧電体65への印加電圧の径時変化を表している。

0064

詳しくは、図8および図9を比較して、補充動作の際、第2の実施の形態にかかる軸受装置100の制御部80は、潤滑油の温度が設定温度よりも低下すると(図9)、圧電体65に予め規定された電圧Eを印加する際の電圧の増加速度を、設定温度のとき(図8)の増加速度よりも遅くする。言い換えると、制御部80は、圧電体65への電圧の印加時間(T21)を設定温度のときの印加時間(T11)よりも長くする(T21>T11)。

0065

制御部80は、補充動作の際、N個よりも少ない数であるM個の駆動回路71を決定する。さらに、第2の実施の形態において制御部80は、圧電体65へ印加する電圧の増加速度を潤滑油の温度に応じた増加速度とするために、センサ60からのセンサ信号に基づいて潤滑油の温度を得、M個の駆動回路71それぞれをONするタイミングを潤滑油の温度に基づいて決定する。たとえば、圧電体65に印加する電圧を線形に変化させる場合、制御部80は、潤滑油の温度に基づいて、M個の駆動回路71をONにする速度、つまり、M個に達するまでONにする駆動回路71の増加速度を決定する。そして、制御部80は、補充動作の際、決定した増加速度でM個に達するまで順に駆動回路71の第1の回路Tr1をONする。制御部80は、潤滑油の温度とONする駆動回路71の数の増加速度との対応を予め記憶しておいてもよいし、予め記憶している演算式に潤滑油の温度を代入することでONする駆動回路71の数の増加速度を得てもよい。なお、上記のように制御部80は、M個の駆動回路71の第1の回路Tr1を同時にONしてもよい。

0066

補充動作が上記のように制御されることによって、潤滑油の温度が設定温度よりも低下した場合に貯留部63の容積の増加速度が設定温度のときの速度よりも遅くなり、貯留部63が潤滑油を吸引する期間が長く、つまり吸引速度が遅くなる。それ故、潤滑油の粘性が設定温度時よりも高くなり貯留部63に吸引される際の抵抗が高まっても、必要量の潤滑油が貯留部63に補充される。これによって、設計された量の潤滑油が安定して貯留部63から吐出される。

0067

好ましくは、第2の実施の形態にかかる軸受装置100の制御部80は、吐出動作の際にも、潤滑油の温度に応じた制御を行う。すなわち、第2の実施の形態において制御部80は、吐出動作の際、潤滑油の温度が設定温度よりも低下すると、圧電体65に印加された電圧を減少する際の電圧の減少速度を、設定温度のときの減少速度よりも速くする。言い換えると、制御部80は、圧電体65の印加電圧が予め規定された電圧まで減少するのに要する時間(T22)を設定温度のときの時間(T12)よりも短くする(T22<T12)。

0068

制御部80は、吐出動作の際、N個よりも少ない数であるL個の駆動回路71を決定する。さらに、第2の実施の形態において制御部80は、圧電体65へ印加する電圧の減少速度を潤滑油の温度に応じた減少速度とするために、センサ60からの検知信号に基づいて潤滑油の温度を得、L個の駆動回路71をONにする速度、つまり、L個に達するまでONにする駆動回路71の増加速度を、潤滑油の温度に基づいて決定する。そして、制御部80は、吐出動作の際、決定した増加速度でL個に達するまで順に駆動回路71の第2の回路Tr2をONする。または、上記のように制御部80は、L個の駆動回路71の第2の回路Tr2を同時にONしてもよい。

0069

吐出動作が上記のように制御されることによって、貯留部63の容積の減少速度が設定温度のときの速度よりも速くなり、貯留部63から潤滑油が吐出される時間が短く、つまり吐出速度が速くなる。それ故、潤滑油の粘性が設定温度時よりも高くなり貯留部63から吐出される際の抵抗が高まっても、設計された量の潤滑油が安定して貯留部63から吐出される。

0070

図10は、第2の実施の形態にかかる軸受装置100における給油ユニット40の制御方法、つまり、第2の実施の形態にかかる軸受装置100において給油動作が行われる際の制御部80での制御の流れを表したフローチャートである。図10のフローチャートに表された動作もまた、図7と同様に、制御部80のCPU10がROM11に記憶されているプログラムをRAM12上に読み出して実行することによって実現される。なお、図10において、図7のフローチャートと同じステップ番号が付されている動作は、図7のフローチャートにおいて示された動作と同じである。

0071

図10を参照して、給油動作を行うタイミング、または当該タイミングから所定時間前のタイミングに達すると、CPU10は、センサ60からの検知信号に基づいて潤滑油の温度を検知する(ステップS201)。ステップS201で潤滑油の温度が検知されると、CPU10は、当該温度に基づいて圧電体65の印加時間を決定する(ステップS203)。すなわち、補充動作を行う場合、ステップS203でCPU10は、貯留部63の容積の増加速度を潤滑油の温度に応じた速度とするように、圧電体65の印加電圧を予め規定された電圧Eまで増加させる時間、すなわち、電圧Eを印加する数に達するまでONする駆動回路71を増加させる速度を決定する。吐出動作の際にも同様の制御を行う場合、ステップS203でCPU10は、貯留部63の容積の減少速度を潤滑油の温度に応じた速度とするように、圧電体65に印加された電圧を減少させる時間、すなわち、負の電圧を印加する数に達するまでONする駆動回路71を増加させる速度を決定する。

0072

ステップS203で印加時間、つまりONする駆動回路71の増加速度を決定すると、CPU10は、図7のステップS101以降の動作を実行する。すなわち、各駆動回路71の故障の発生を判断した上で、故障している駆動回路71の数が閾値を超えていない場合に、故障していない駆動回路71の中から、N個よりも少ない数の、圧電体65への電圧の印加に用いる駆動回路71を決定する。そして、CPU10は、決定した駆動回路71に対して、圧電体65への電圧の印加を行わせるための制御を実行する。なお、上記のようにCPU10は、決定した駆動回路71を同時にONしてもよい。この場合、CPU10は、上記ステップS203でのONする駆動回路71を増加させる速度を決定する動作をスキップする。

0073

第2の実施の形態の他の例として、制御部80は、圧電体65に印加される電圧の単位時間あたりの変化量、つまり印加時間を一定として、潤滑油の温度などの環境情報に応じて圧電体65に印加する電圧Eを決定してもよい。具体的には、補充動作の際、第2の実施の形態にかかる軸受装置100の制御部80は、圧電体65に印加する電圧Eを、潤滑油の温度が設定温度よりも低下した場合には設定温度の場合の電圧よりも高くする。このため、補充動作の際、制御部80は、N個よりも少ない数であって、潤滑油の温度に応じた数の駆動回路71を圧電体65に電圧を印加するために用いる駆動回路に決定する。制御部80は、潤滑油の温度と用いる駆動回路71との対応を予め記憶しておいてもよいし、予め記憶している演算式に潤滑油の温度を代入することで用いる駆動回路71の数を得てもよい。

0074

補充動作が上記のように制御されることによって、潤滑油の温度が設定温度よりも低下した場合に貯留部63の容積が設定温度のときの速度よりも増加し、貯留部63が潤滑油を吸引する力(吸引力)が大きくなる。それ故、潤滑油の粘性が設定温度時よりも高くなり貯留部63に吸引される際の抵抗が高まっても、必要量の潤滑油が貯留部63に補充される。これによって、設計された量の潤滑油が安定して貯留部63から吐出される。

0075

この場合も、制御部80のCPU10は、図10のフローチャートに表された動作と概ね同様の動作を行う。すなわち、この場合、上記ステップS203でCPU10は、検知された潤滑油の温度に基づいて、印加時間に替えて印加する電圧を決定する。

0076

さらに、第2の実施の形態の他の例として、上記した2つの例を組み合わせて、制御部80は、圧電体65に印加される電圧の単位時間あたりの変化量、つまり印加時間と、圧電体65に印加する電圧Eとの両方を、潤滑油の温度などの環境情報に応じて決定してもよい。

0077

<実施の形態の効果>
たとえば給油ユニット40である流体供給装置の制御装置として機能する駆動部70および制御部80がこのように構成されることによって、給油ユニット40から軸受本体20に対する潤滑油の供給量の、潤滑油の粘性の変化に伴う変動が抑制され、安定した給油を実現することができる。

0078

なお、以上の説明では、圧電体65の印加電圧を増加すると貯留部63の容積が増加し、圧電体65の印加電圧を減少と貯留部63の容積が減少するものとしているが、この関係は一例に過ぎない。たとえば、圧電体65の印加電圧が増加されることによって貯留部63の容積が減少し、印加電圧が減少することによって貯留部63の容積が増加する関係であってもよい。この場合、上の例で説明された圧電体65の印加電圧の増加/減少の制御は逆となる。

0079

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0080

40給油ユニット、 60センサ、 70 駆動部、 80 制御部、 65圧電体、 71,71a〜71n駆動回路、Tr1,Tr1a〜Tr1n 第1の回路、Tr2,Tr2a〜Tr2n 第2の回路

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