図面 (/)

技術 減圧弁ユニット

出願人 日立建機株式会社
発明者 岡村潤小林剛吉本光宏滝口和夫安藤真和瀧本佳史
出願日 2016年3月30日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-068038
公開日 2017年10月5日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-180641
状態 特許登録済
技術分野 流体駆動弁 安全弁II(平衡弁、過剰流出防止弁) 多方弁 流体圧力の制御 スライド弁
主要キーワード 拡径穴 予備組立て 中間ランド 減圧弁ユニット 波形ワッシャ フィードバック圧力 他側端面 閉塞栓
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (16)

課題

パイロット圧力に応じて変動する出力ポートの圧力を早期に安定させ、メインスプール自励振動を抑制することができるようにする。

解決手段

メインスプール24がメインスプール挿入穴13内を第1戻しばね27に抗して軸方向他側へ移動するときに、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とを連通させパイロット圧力室25から第1タンクポート15に排出される作動油の流量を制限する絞り流路30を有している。メインスプール24がメインスプール挿入穴13に沿って軸方向他側へ移動するときに、第1ポンプポート17と出力ポート16とが連通される状態、および出力ポート16と第1タンクポート15とが遮断される状態よりも先に、絞り流路30が、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とを連通する構成としている。

概要

背景

近年、油圧ショベルに代表される建設機械では、燃費低減および制御性向上を目的として、電子制御を行う機器が多く採用されている。建設機械のメインアクチュエータ(例えば、油圧シリンダ油圧モータ)を制御するためのコントロールバルブを、例えば、特許文献1に記載の電磁式減圧弁ユニットにより制御された作動油圧(即ち、パイロット圧力)で遠隔操作する方法が知られている。

このような従来技術による電磁式の減圧弁ユニットでは、供給電流に比例して圧力制御されたパイロット圧力(制御一次圧)をメインスプールが受圧することにより軸方向に移動される。これによって、一次圧ポート出力ポートとが連通,遮断され、出力ポートとメインドレイン通路タンクポート)とが連通,遮断を繰り返す。この結果、前記制御一次圧(パイロット圧力)による荷重(例えば、一方向にスプール押圧する力)と、出力ポートの圧力による荷重(例えば、他方向にスプールを押圧する力)およびスプリング戻しばね等の弾性体)の付勢力とが釣合うように、出力ポートの圧力が前記制御一次圧に対する制御二次圧として制御される。

概要

パイロット圧力に応じて変動する出力ポートの圧力を早期に安定させ、メインスプールの自励振動を抑制することができるようにする。 メインスプール24がメインスプール挿入穴13内を第1戻しばね27に抗して軸方向他側へ移動するときに、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とを連通させパイロット圧力室25から第1タンクポート15に排出される作動油の流量を制限する絞り流路30を有している。メインスプール24がメインスプール挿入穴13に沿って軸方向他側へ移動するときに、第1ポンプポート17と出力ポート16とが連通される状態、および出力ポート16と第1タンクポート15とが遮断される状態よりも先に、絞り流路30が、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とを連通する構成としている。

目的

本発明は、このような従来技術の問題に鑑みなされたもので、その目的は、パイロット圧力に応じて変動する出力ポートの圧力を早期に安定させ、スプールの自励振動を抑制することができるようにした減圧弁ユニットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

一次圧ポートタンクポートおよび出力ポートを有し、これらの各ポートに連通するようにスプール穴が設けられたハウジングと、該ハウジングのスプール穴に挿入され、前記スプール穴の軸方向に移動することにより前記一次圧ポートとタンクポートのうちいずれか一方のポートを前記出力ポートに連通させ、他方のポートを前記出力ポートに対して遮断するスプールと、前記スプールの軸方向一側に位置して前記ハウジング内に形成されたパイロット圧力室と、前記スプールの軸方向他側に位置して前記ハウジング内に設けられ、前記スプールを軸方向一側に向けて付勢する弾性体と、前記パイロット圧力室内の圧力に応じた力で前記スプールを前記弾性体に抗して軸方向他側に移動させるために前記スプールに設けられ、前記パイロット圧力室内の圧力を受圧する第1受圧部と、前記出力ポートの圧力に応じた力で前記弾性体と共に前記スプールを軸方向一側に移動させるために前記スプールに設けられ、前記出力ポートの圧力を受圧する第2受圧部と、を備えた減圧弁ユニットであって、前記スプールが前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することにより、前記パイロット圧力室と前記タンクポートとを連通し前記パイロット圧力室から前記タンクポートに排出される作動油の流量を制限する絞り流路を有し、前記スプールが前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することにより、前記一次圧ポートと前記出力ポートとが連通される状態、および前記出力ポートと前記タンクポートとが遮断される状態よりも先に、前記絞り流路が、前記パイロット圧力室と前記タンクポートとを連通するように構成されたことを特徴とする減圧弁ユニット。

請求項2

前記スプールは前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することで、前記一次圧ポートと前記出力ポートとを連通することよりも後に、前記出力ポートと前記タンクポートとを遮断することを特徴とする請求項1に記載の減圧弁ユニット。

請求項3

前記スプールは前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することで、前記一次圧ポートと前記出力ポートとを連通することよりも先に、前記出力ポートと前記タンクポートとを遮断することを特徴とする請求項1に記載の減圧弁ユニット。

請求項4

電気式操作装置操作量に応じて増減される制御一次圧を前記圧力として前記パイロット圧力室に発生させる電磁弁装置を備え、前記スプールは、前記第1の受圧部が前記パイロット圧力室内の制御一次圧を受圧することにより前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動し、前記出力ポートからは、制御二次圧としての圧力が出力されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減圧弁ユニット。

技術分野

0001

本発明は、例えば建設機械油圧回路内において圧力制御を行うのに好適に用いられる減圧弁ユニットに関し、特に、供給電流に対応して圧力を制御する構成とした電磁式の減圧弁ユニットに関する。

背景技術

0002

近年、油圧ショベルに代表される建設機械では、燃費低減および制御性向上を目的として、電子制御を行う機器が多く採用されている。建設機械のメインアクチュエータ(例えば、油圧シリンダ油圧モータ)を制御するためのコントロールバルブを、例えば、特許文献1に記載の電磁式の減圧弁ユニットにより制御された作動油圧(即ち、パイロット圧力)で遠隔操作する方法が知られている。

0003

このような従来技術による電磁式の減圧弁ユニットでは、供給電流に比例して圧力制御されたパイロット圧力(制御一次圧)をメインスプールが受圧することにより軸方向に移動される。これによって、一次圧ポート出力ポートとが連通,遮断され、出力ポートとメインドレイン通路タンクポート)とが連通,遮断を繰り返す。この結果、前記制御一次圧(パイロット圧力)による荷重(例えば、一方向にスプール押圧する力)と、出力ポートの圧力による荷重(例えば、他方向にスプールを押圧する力)およびスプリング戻しばね等の弾性体)の付勢力とが釣合うように、出力ポートの圧力が前記制御一次圧に対する制御二次圧として制御される。

先行技術

0004

実開平3−68684号公報(実用新案登録第2538764号公報)

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、油圧ショベルに代表される建設機械においては、車体の大きさにより、メインのアクチュエータを制御するためのコントロールバルブや配管の大きさが異なる。即ち、搭載対象の車体によっては、パイロット圧力の連通流路およびパイロット圧力室内の容積に対し非常に大きな容積を持つ要素や、ゴムホース等の壁面剛性の低い要素が出力ポートに接続されることがある。このような接続対象(前記要素)が出力ポートに対して接続された場合には、前記制御一次圧(パイロット圧力)の変化に対し出力ポートの制御二次圧は応答遅れが生じることがある。このため、制御一次圧による荷重と、出力ポート圧力(制御二次圧)による荷重およびスプリングの付勢力とを早期に釣合わせることが難しくなり、出力ポートから安定した圧力(制御二次圧)を取り出すことができない。

0006

即ち、従来技術の減圧弁ユニットでは、供給電流に比例してパイロット圧力を圧力制御するように変化させたときに、出力ポートの圧力がパイロット圧力およびスプリングの付勢力と釣合いを保つように追従することができず、メインスプールに振動が生じることがある。また、メインスプールの振動により、パイロット圧力室内の容積変動が生じ、これによりパイロット圧力が変動する。しかも、前記出力ポート圧力はパイロット圧力に対し遅れを生じるため、パイロット圧力に変動が生じた場合、パイロット圧力による荷重、出力ポート圧力による荷重およびスプリングの付勢力は依然釣合いを保つことができず、メインスプールは振動し続ける。つまり、メインスプールには自励振動が生じ、その結果、出力ポート圧力が不安定となる。

0007

このように、従来技術による電磁式の減圧弁ユニットは、出力ポートに大きな負荷容積を持つ要素や壁面剛性の低い要素を接続した場合に、出力ポートの圧力が応答遅れを生じることがあり、メインスプールに自励振動が発生するという問題を有している。

0008

本発明は、このような従来技術の問題に鑑みなされたもので、その目的は、パイロット圧力に応じて変動する出力ポートの圧力を早期に安定させ、スプールの自励振動を抑制することができるようにした減圧弁ユニットを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を解決するため、本発明は、一次圧ポート、タンクポートおよび出力ポートを有し、これらの各ポートに連通するようにスプール穴が設けられたハウジングと、該ハウジングのスプール穴に挿入され、前記スプール穴の軸方向に移動することにより前記一次圧ポートとタンクポートのうちいずれか一方のポートを前記出力ポートに連通させ、他方のポートを前記出力ポートに対して遮断するスプールと、前記スプールの軸方向一側に位置して前記ハウジング内に形成されたパイロット圧力室と、前記スプールの軸方向他側に位置して前記ハウジング内に設けられ、前記スプールを軸方向一側に向けて付勢する弾性体と、前記パイロット圧力室内の圧力に応じた力で前記スプールを前記弾性体に抗して軸方向他側に移動させるために前記スプールに設けられ、前記パイロット圧力室内の圧力を受圧する第1受圧部と、前記出力ポートの圧力に応じた力で前記弾性体と共に前記スプールを軸方向一側に移動させるために前記スプールに設けられ、前記出力ポートの圧力を受圧する第2受圧部と、を備えた減圧弁ユニットに適用される。

0010

そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記スプールが前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することにより、前記パイロット圧力室と前記タンクポートとを連通し前記パイロット圧力室から前記タンクポートに排出される作動油の流量を制限する絞り流路を有し、前記スプールが前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することにより、前記一次圧ポートと前記出力ポートとが連通される状態、および前記出力ポートと前記タンクポートとが遮断される状態よりも先に、前記絞り流路が、前記パイロット圧力室と前記タンクポートとを連通するように構成されたことにある。

発明の効果

0011

上述の如く、本発明によれば、スプールがスプール穴に沿って軸方向一側から他側へと移動するときに、出力ポートをタンクポートから遮断し一次圧ポートに連通させるよりも先に、パイロット圧力室とタンクポートとが絞り流路により連通される。これにより、一次圧ポートと出力ポートとが連通して前記出力ポートの圧力が上昇し始める前に、パイロット圧力室内の圧力が急に上昇するのを抑えることができ、パイロット圧力室の圧力上昇を緩やかにすることができる。このため、前記出力ポートの圧力が上昇し始める時点でのパイロット圧力による荷重と出力ポート圧力による荷重との差が大きくなるのを抑えることができる。

0012

従って、前記出力ポート圧力の応答を遅らせるような大きな容積を持つ要素または壁面剛性の低い要素等を、前記出力ポートに接続した場合であっても、前記出力ポートの圧力は前記パイロット圧力室内の圧力の変化に対し釣合いを保つように追従することができ、前記メインスプールの自励振動を抑制できる。従って、本発明による減圧弁ユニットによれば、前記出力ポートに大きな容積を持つ要素や、壁面剛性の低い要素を接続した場合であっても、安定した圧力を出力ポートから取り出すことができる。

図面の簡単な説明

0013

第1の実施形態による減圧弁ユニットが適用された油圧シリンダ駆動用油圧回路図である。
図1中の減圧弁ユニットを拡大して示す非作動状態での縦断面図である。
図2中のスプール弁装置を拡大して示す非作動状態での縦断面図である。
図2中の電磁弁装置を拡大して示す非作動時の縦断面図である。
図3のスプール弁装置が作動した状態を示す縦断面図である。
第1の実施形態によるパイロット圧力室の圧力(制御一次圧)と出力ポートの圧力(制御二次圧)との関係を示す特性線図である。
比較例によるパイロット圧力室の圧力(制御一次圧)と出力ポートの圧力(制御二次圧)との関係を示す特性線図である。
第2の実施形態による減圧弁ユニットのスプール弁装置を示す非作動時の縦断面図である。
第3の実施形態による減圧弁ユニットのスプール弁装置を示す非作動時の縦断面図である。
図9のスプール弁装置が作動した状態を示す縦断面図である。
第3の実施形態によるスプール弁装置の開口特性を示す特性線図である。
第4の実施形態による減圧弁ユニットのスプール弁装置を示す非作動時の縦断面図である。
図12のスプール弁装置が作動した状態を示す縦断面図である。
第4の実施形態によるスプール弁装置の開口特性を示す特性線図である。
変形例による減圧弁ユニットのスプール弁装置を示す非作動時の縦断面図である。

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態による減圧弁ユニットを、標準機中型機)よりも大型の油圧ショベルに搭載される油圧シリンダの駆動用油圧回路に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。

0015

ここで、図1ないし図6は本発明の第1の実施形態を示している。図1において、油圧ポンプ1はタンク2と共にメインの油圧源を構成している。メインの油圧ポンプ1は、例えば大型油圧ショベル原動機(図示せず)によって回転駆動され、タンク2内から吸込んだ作動油を高圧圧油として吐出する。

0016

作業用の油圧シリンダ3は油圧アクチュエータの代表例を示している。この油圧シリンダ3は、例えば油圧ショベルの作業装置に設けられるブームシリンダアームシリンダまたはバケットシリンダ(いずれも図示せず)等を構成する。油圧シリンダ3は、チューブ3A、ピストン3Bおよびロッド3C等により構成されている。特に、大型の油圧ショベルに用いる油圧シリンダ3は、そのシリンダ径が大きく、油圧ポンプ1から油圧シリンダ3に給排される圧油量(作動油量)も大流量となっている。

0017

油圧シリンダ3は、チューブ3A内がピストン3Bにより2つの油室3D,3Eに画成され、ピストン3Bには、ロッド3Cの基端側が固着されている。ロッド3Cの先端側は、チューブ3A外に突出し、油圧ポンプ1からチューブ3A内の油室3D,3Eに給排される圧油により伸長縮小される。なお、油圧アクチュエータは、油圧シリンダ3に限らず、例えば油圧ショベルの旋回用または走行用の油圧モータであってもよい。

0018

方向制御弁4は油圧シリンダ3用のコントロールバルブで、油圧ポンプ1、タンク2と油圧シリンダ3との間に設けられている。この方向制御弁4は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁からなり、左,右両側には油圧パイロット部4A,4Bが設けられている。方向制御弁4の油圧パイロット部4A,4Bは、後述の減圧弁ユニット11A,11Bにパイロット管路5A,5Bを介して接続されている。

0019

特に、大型の油圧ショベルに用いる方向制御弁4は、シリンダ径の大きい油圧シリンダ3に対応して大型のコントロールバルブ(方向制御弁)により構成されている。このため、方向制御弁4は、後述の如く減圧弁ユニット11A,11Bから油圧パイロット部4A,4Bに供給すべきパイロット圧(即ち、後述の制御二次圧)の流量を増大させることが要求される。

0020

方向制御弁4は、減圧弁ユニット11A,11Bから油圧パイロット部4A,4Bにパイロット圧が供給されることにより、中立位置(I)から切換位置(II),(III)のいずれかに切換えられる。これにより、油圧シリンダ3の油室3D,3Eには、油圧ポンプ1からの圧油が一対の主管路6A,6Bを介して給排され、油圧シリンダ3のロッド3Cは、チューブ3Aから伸縮(駆動)される。このとき、油圧シリンダ3の油室3D,3Eに給排される圧油の流量は、方向制御弁4のストローク量(即ち、後述する操作レバー10Aの傾転操作量)に対応して可変に制御される。

0021

パイロットポンプ7はタンク2と共にパイロット油圧源を構成している。このパイロットポンプ7は、前記原動機によりメインの油圧ポンプ1と一緒に回転駆動される。パイロットポンプ7の吐出側には、タンク2との間に低圧リリーフ弁8が設けられている。この低圧リリーフ弁8は、パイロットポンプ7の吐出圧力を予め決められたリリーフ設定圧以下に抑えるものである。パイロットポンプ7により発生されるパイロット圧は、後述の制御圧管路42を介して減圧弁ユニット11A,11Bの第1,第2ポンプポート17,18に供給される。

0022

メインの油圧ポンプ1には、その吐出管路1Aとタンク2との間に高圧リリーフ弁9が設けられている。この高圧リリーフ弁9は、油圧ポンプ1に過剰圧が発生するのを防ぐため、油圧ポンプ1の吐出圧力を予め決められたリリーフ設定圧以下に抑える。このリリーフ設定圧は、低圧リリーフ弁8よりも十分に高い圧力に設定されている。

0023

操作レバー装置10は電気式操作装置であり、油圧シリンダ3の動きを遠隔操作する電気レバー装置として構成されている。この操作レバー装置10は、油圧ショベルのオペレータにより手動で傾転操作される操作レバー10Aを有している。操作レバー装置10は、操作レバー10Aの操作方向と操作量とに対応した操作信号を電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bに出力する。

0024

ここで、操作レバー装置10は、油圧ショベルの運転室を構成するキャブ(図示せず)内に設けられている。一方、電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bは、前記キャブから大きく離間した位置(例えば、方向制御弁4に近い位置)に配置される。即ち、操作レバー装置10は電気式操作装置であるため、減圧弁ユニット11A,11Bとの間を電気配線信号線)で接続すればよく、両者間の距離は、必要に応じて数メートル以上に延ばすことができる。なお、パイロット油圧配管を用いる場合(即ち、電気レバー装置ではなく、減圧弁型のパイロット操作弁を用いる場合)は、例えば1メートル以内の配管長さに制約するのが一般的である。

0025

電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bは、操作レバー装置10からの操作信号(即ち、制御電流)に対応(比例)したパイロット圧をパイロット管路5A,5Bに供給する。方向制御弁4は、このときのパイロット圧(後述の制御二次圧)が油圧パイロット部4A,4Bに供給されることにより、中立位置(I)から切換位置(II),(III)のいずれかに切換えられる。このため、油圧シリンダ3の油室3D,3Eには、油圧ポンプ1からの圧油が一対の主管路6A,6Bを介して給排され、油圧シリンダ3のロッド3Cは伸縮動作(駆動)される。このように、油圧シリンダ3の伸縮動作は、操作レバー装置10により電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bと方向制御弁4を介して遠隔操作される。

0026

次に、電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bの具体的構成について、図2図4を参照して説明する。なお、減圧弁ユニット11A,11Bは、実質的に同様な構成を有しているので、以下の説明では、減圧弁ユニット11Bを例に挙げて説明し、減圧弁ユニット11Aの説明を省略するものとする。

0027

図2に示すように、減圧弁ユニット11Bは、その外殻をなすハウジング12と、該ハウジング12に設けられたスプール弁装置21および電磁弁装置31とにより構成されている。スプール弁装置21は、操作レバー装置10からの操作信号(即ち、制御電流)に対応して電磁弁装置31により発生される制御一次圧(パイロット圧力)の流量を増速させる流量増速装置(即ち、ブースタ)を構成している。

0028

スプール弁装置21は、電磁弁装置31による制御一次圧の流量を増速させた制御二次圧(出力ポート圧力)を、方向制御弁4の油圧パイロット部4B(4A)にパイロット圧として供給するものである。即ち、大型の油圧ショベルに搭載される方向制御弁4は、シリンダ径の大きい油圧シリンダ3に対応して大型のコントロールバルブにより構成されている。このため、方向制御弁4は、減圧弁ユニット11A,11Bから油圧パイロット部4A,4Bに供給すべきパイロット圧(即ち、制御二次圧)の流量を増大させる必要がある。このような流量増速装置として、スプール弁装置21は用いられている。

0029

電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bは、後述の制御一次圧流通路19およびパイロット圧力室25内の圧力(即ち、制御一次圧としてのパイロット圧力)が電磁弁装置31により可変に制御される。スプール弁装置21は、この制御一次圧によってメインスプール24が軸方向他側へと摺動変位(駆動)され、これによって、出力ポート16の圧力(制御二次圧)が可変に制御される。

0030

減圧弁ユニット11Bのハウジング12には、メインスプール挿入穴13と電磁弁カートリッジ挿入穴14とが互いに平行に延びて設けられている。メインスプール挿入穴13は、スプール弁装置21の一部をなすスプール穴を構成している。電磁弁カートリッジ挿入穴14は、電磁弁装置31の一部を構成している。電磁弁カートリッジ挿入穴14は、軸方向の一側がハウジング12の端面に開口し、軸方向の他側が閉塞された有底の段付穴として形成されている。

0031

メインスプール挿入穴13は、ハウジング12の軸方向一側と他側との間を貫通して延びる段付穴として形成されている。メインスプール挿入穴13は、その周壁面側に拡径穴として形成された環状溝13A,13B,13C,13D,13Eを有している。これらの環状溝13A〜13Eは、メインスプール挿入穴13の軸方向で互いに離間して配置されている。メインスプール挿入穴13は、環状溝13A〜13Eのうち軸方向両側に位置する環状溝13A,13Eの開口端側が後述の閉塞栓22,23により着脱可能に閉塞されている。

0032

また、ハウジング12には、メインスプール挿入穴13の軸方向に互いに離間して第1タンクポート15、出力ポート16および一次圧ポート(以下、第1ポンプポート17という)とが設けられている。これらのポート15,16,17は、メインスプール挿入穴13を介して互いに連通する。出力ポート16は、環状溝13A〜13Eのうち中間に位置する環状溝13Cの周面から径方向外向きに延びる油孔として形成されている。出力ポート16は、方向制御弁4の油圧パイロット部4A,4Bにパイロット管路5A,5Bを介して接続される。

0033

第1タンクポート15は、環状溝13Aと環状溝13Cとの間に位置する環状溝13Bの周面から径方向外向きに延びる油孔として形成されている。第1タンクポート15は、後述のタンク管路43(図1参照)を介してタンク2に接続される。第1ポンプポート17は、環状溝13Cと環状溝13Eとの間に位置する環状溝13Dの周面から径方向外向きに延びる油孔として形成されている。第1ポンプポート17は、後述の制御圧管路42(図1参照)を介してパイロットポンプ7に接続され、一次圧ポートを構成している。

0034

さらに、ハウジング12には、電磁弁カートリッジ挿入穴14の軸方向に互いに離間して第2ポンプポート18、制御一次圧流通路19および第2タンクポート20が設けられている。これらのポート18,20および制御一次圧流通路19は、電磁弁カートリッジ挿入穴14の径方向にそれぞれ延びる油孔からなり、電磁弁カートリッジ挿入穴14を介して互いに連通する。

0035

ここで、制御一次圧流通路19は、メインスプール挿入穴13の環状溝13Aの周面から径方向外向きに延びる油孔として形成されている。制御一次圧流通路19は、電磁弁カートリッジ挿入穴14を挟んで径方向の反対側に延びる孔部19Aを有している。しかし、この孔部19Aは、制御一次圧流通路19を加工する際に形成された捨て穴であり、プラグ(図示せず)等を用いて外部に対し閉鎖されている。なお、孔部19Aには、例えばパイロット圧力室25内の圧力を検出する圧力センサ(図示せず)等を設けることができる。この場合、前記圧力センサでパイロット圧力室25内の圧力を検出することにより、出力ポート16の圧力をフィードバック制御することが可能となる。

0036

スプール弁装置21は、メインスプール挿入穴13の両端側を閉塞する閉塞栓22,23と、これらの閉塞栓22,23間に位置してメインスプール挿入穴13内に摺動可能に挿入されたスプールとしてのメインスプール24と、メインスプール24の軸方向一側(後述のランド24A)と閉塞栓22との間に位置してハウジング12(メインスプール挿入穴13の環状溝13A)内に形成されたパイロット圧力室25と、メインスプール24の軸方向他側と閉塞栓23との間に位置してハウジング12(メインスプール挿入穴13の環状溝13E)内に形成されたフィードバック圧力室26と、該フィードバック圧力室26内に位置してメインスプール24の軸方向他側(後述のランド24B)と閉塞栓23との間に設けられ、メインスプール24を軸方向一側に向けて常時付勢する弾性体としての第1戻しばね27とを含んで構成されている。

0037

図2図3に示すように、パイロット圧力室25内の圧力(制御一次圧)が低い初期状態(即ち、非作動状態)では、メインスプール24が第1戻しばね27により軸方向一側に向けて付勢され、待機位置に戻されている。このため、メインスプール24は、軸方向一側(即ち、第1受圧部28)の端面が閉塞栓22に当接し、この状態で次なる操作レバー装置10の操作時まで待機する。

0038

メインスプール24は、その外周側に2つのランド24A,24B(即ち、一側ランド24Aと他側ランド24B)を有し、これらの一側ランド24Aと他側ランド24Bとは、メインスプール24の軸方向に互いに離間して配置されている。一側ランド24Aは、メインスプール挿入穴13の環状溝13A,13B間を遮断(閉鎖)し、環状溝13B,13C間を連通または遮断する位置に配設されている。

0039

他側ランド24Bは、メインスプール挿入穴13の環状溝13C,13D間を遮断または連通し、環状溝13D,13E間を常時遮断する位置に配設されている。これにより、ハウジング12の第1タンクポート15と出力ポート16との間は、メインスプール24の一側ランド24Aによって連通または遮断される。出力ポート16と第1ポンプポート17との間は、メインスプール24の他側ランド24Bによって遮断または連通される。

0040

メインスプール24の一側ランド24Aには、環状溝13B内に臨む軸方向他側の端面に1個または複数個切欠き24A1が設けられている。この切欠き24A1は、例えばUノッチ、VノッチまたはKノッチからなるノッチ形状に形成されている。切欠き24A1は、第1タンクポート15と出力ポート16との間を一側ランド24Aによって連通または遮断するときの流路面積が急に変わるのを抑え、流路面積の変化を緩やかにする機能を有している。

0041

また、他側ランド24Bには、環状溝13C側に位置する軸方向一側の端面に1個または複数個の切欠き24B1が設けられている。この切欠き24B1は、前記切欠き24A1と同様なノッチ形状に形成され、出力ポート16と第1ポンプポート17との間を他側ランド24Bによって連通または遮断するときの流路面積が急に変わるのを抑え、緩やかに変化させる機能を有している。

0042

メインスプール24の軸方向中間部には、環状溝13Cを介して出力ポート16と常時連通する位置に径方向の貫通孔24Cが形成されている。メインスプール24の軸方向他側には、フィードバック圧力室26(環状溝13E)と常時連通する位置に径方向の貫通孔24Dが形成されている。また、メインスプール24には、貫通孔24C,24D間を連通させる連通穴24Eが設けられ、この連通穴24Eは、メインスプール24の軸方向他側端面に開口し、フィードバック圧力室26と常時連通している。これにより、フィードバック圧力室26は、連通穴24Eおよび貫通孔24C,24Dを介して出力ポート16に常時連通し、出力ポート16内と常に等しい圧力状態に保たれる。

0043

第1受圧部28は、一側ランド24Aの軸方向端面を含んでメインスプール24の軸方向一側に設けられている。第1受圧部28は、パイロット圧力室25内の圧力を受圧径D(図3参照)で受圧し、メインスプール24を第1戻しばね27に抗して軸方向他側へと移動させるための受圧面となっている。これにより、メインスプール24には、パイロット圧力室25内の圧力(即ち、制御一次圧)に応じた油圧力F1(図5参照)の荷重が、軸方向他側のフィードバック圧力室26側に向けて付加される。

0044

第2受圧部29は、出力ポート16の圧力を受圧することにより、出力ポート16の圧力に応じた荷重で、第1戻しばね27と共にメインスプール24を軸方向一側に移動させるものである。ここで、第2受圧部29は、他側ランド24Bの軸方向端面を含んでメインスプール24の軸方向他側に設けられている。第2受圧部29は、フィードバック圧力室26(即ち、連通穴24E等を介した出力ポート16)内の圧力を受圧径D(図3参照)で受圧する受圧面となっている。これにより、メインスプール24には、出力ポート16の圧力に応じた油圧力F2(図5参照)で、メインスプール24を第1戻しばね27と一緒に軸方向一側に押し戻すための荷重が付加される。

0045

換言すると、メインスプール24は、第1受圧部28がパイロット圧力室25内の制御一次圧を受圧径Dで受圧し、軸方向他側に向けた油圧力F1(制御一次圧による荷重)を受ける。また、第2受圧部29は、第1受圧部28と等しい受圧径Dで、フィードバック圧力室26内の制御二次圧(出力ポート圧力)を受圧し、軸方向一側に向けた油圧力F2(制御二次圧による荷重)を生じさせる。さらに、メインスプール24は、第1戻しばね27により軸方向一側に向けた付勢力f(図5参照)を常に受けている。

0046

絞り流路30は、ハウジング12のメインスプール挿入穴13とメインスプール24の一側ランド24Aとの間に設けられている。絞り流路30は、例えばメインスプール24の一側ランド24Aのうち軸方向一側寄りの部位に複数の切欠き溝(即ち、軸方向に延び、周方向に離間した切欠き溝)を形成することにより構成されている。絞り流路30は、メインスプール24がメインスプール挿入穴13に沿って軸方向他側へと移動することにより、パイロット圧力室25と環状溝13B(第1タンクポート15)とを連通させる。この状態で、絞り流路30は、パイロット圧力室25から環状溝13B内を介して第1タンクポート15に排出される作動油の流量を制限するものである。

0047

図3に示すように、絞り流路30は、軸方向一側がパイロット圧力室25内に開口し、軸方向他側は一側ランド24Aの軸方向途中位置で閉塞された端縁30Aとなっている。メインスプール24が待機位置(初期状態)にあるとき、絞り流路30の端縁30Aは、環状溝13Bの軸方向一側端面から寸法L1だけ離間した位置に配置されている。このとき、他側ランド24Bの軸方向一側端面(より詳細には切欠き24B1の底面)は、環状溝13Dの軸方向一側端面から寸法L2だけ離間した位置に配置されている。一側ランド24Aの軸方向他側端面(より詳細には切欠き24A1の底面)は、環状溝13Bの軸方向他側端面から寸法L3だけ離間した位置に配置されている。

0048

ここで、前記寸法L1,L2,L3は、寸法L1が寸法L2より小さく(L1<L2)、かつ寸法L1が寸法L3より小さく(L1<L3)なる関係に設定されている。このため、メインスプール24の軸方向一側の端部(即ち、第1受圧部28の先端部)が閉塞栓22に当接した待機位置(初期状態)から、メインスプール24が軸方向他側(フィードバック圧力室26側)ヘと移動していくときに、まず、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とが絞り流路30を介して連通される。その後に、出力ポート16と第1ポンプポート17とが連通され、第1タンクポート15と出力ポート16とは遮断される。

0049

換言すると、前記待機位置からメインスプール24がメインスプール挿入穴13に沿って軸方向他側へと移動することにより、第1ポンプポート17(一次圧ポート)と出力ポート16とが連通される状態、および第1タンクポート15と出力ポート16とが遮断される状態よりも先に、絞り流路30は、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とを連通するように構成されている。

0050

次に、スプール弁装置21のパイロット圧力室25に供給(発生)すべき制御一次圧(パイロット圧力)を、操作レバー装置10からの操作信号(即ち、制御電流)に基づいて可変に制御する電磁弁装置31について、図4を参照して説明する。

0051

電磁弁装置31は、例えば電磁比例ソレノイドにより構成された電磁アクチュエータ32と、該電磁アクチュエータ32によりプッシュロッド32Cを介して切換制御される電磁作動式圧力制御弁33とを含んで構成されている。電磁アクチュエータ32は、その外殻をなすアクチュエータケース32Aと、該アクチュエータケース32Aに一体に設けられ操作レバー装置10(図1参照)に信号線等を介して接続されるコネクタ部32Bと、前記アクチュエータケース32A内に変位可能に設けられたプッシュロッド32Cと、前記アクチュエータケース32A内に設けられプッシュロッド32Cを軸方向(図2図4中の矢示A方向または矢示B方向)に駆動するソレノイド(図示せず)とを含んで構成されている。

0052

図1に示すように、電磁アクチュエータ32には、操作レバー装置10からの操作信号(即ち、制御電流)がコネクタ部32Bを介して入力され、このときの電流値に対応(例えば、比例)してアクチュエータケース32Aからプッシュロッド32Cが図2図4中の矢示A方向に伸長するように駆動される。プッシュロッド32Cは、後述のパイロットスプール36から前記ソレノイドの電磁力を上回る負荷(矢示B方向の力)を受けると、前記矢示A方向とは逆向き(即ち、矢示B方向)に変位できる構成である。

0053

即ち、電磁アクチュエータ32のプッシュロッド32Cは、アクチュエータケース32A内に設けられたソレノイド側のスプリング(図示せず)により、後述の第2戻しばね38よりも小さな力でパイロットスプール36側(矢示A方向)に常に付勢されている。このため、前記ソレノイド側のスプリングが弾性的に撓み変形することにより、プッシュロッド32Cは前記負荷で矢示B方向に変位可能となっている。また、操作レバー10Aが中立に戻され、操作レバー装置10からの操作信号が電流値となったときには、電磁アクチュエータ32のプッシュロッド32Cは、図2図4に示す最縮小位置に戻される。

0054

電磁弁装置31の圧力制御弁33は、ハウジング12の電磁弁カートリッジ挿入穴14内に嵌合して設けられ、電磁アクチュエータ32のプッシュロッド32Cに対して同軸となるように配置されたスリーブ34と、該スリーブ34の内周側に形成された段付穴35内に挿嵌して設けられたパイロットスプール36とを含んで構成されている。

0055

圧力制御弁33のスリーブ34は、軸方向一側の外周に電磁アクチュエータ32のアクチュエータケース32Aの他側開口が螺合して取付けられている。これにより、電磁弁装置31は、電磁アクチュエータ32、圧力制御弁33のスリーブ34、パイロットスプール36および第2戻しばね38がサブアシー化された状態で予備組立てされるカートリッジ構造となっている。この状態で、スリーブ34は、パイロットスプール36および第2戻しばね38と一緒にハウジング12の電磁弁カートリッジ挿入穴14内に軸方向一側から他側に向けて押込むように取付けられる。これにより、スリーブ34は、軸方向他側の端面が電磁弁カートリッジ挿入穴14の底部側に後述の仕切板39およびばね部材40を介して当接されている。

0056

換言すると、電磁アクチュエータ32のアクチュエータケース32Aは、ハウジング12の電磁弁カートリッジ挿入穴14およびスリーブ34のばね収容穴部35Aを軸方向一側から閉塞するようにハウジング12に固定して設けられている。

0057

スリーブ34には、段付穴35内と連通する径方向の油穴34A,34B,34Cが軸方向に互いに離間して設けられている。このうち、スリーブ34の軸方向一側寄りに位置する油穴34Aは、ハウジング12の第2ポンプポート18に常時連通し、軸方向中間に位置する油穴34Bは、制御一次圧流通路19と常時連通している。スリーブ34の軸方向他側寄りに位置する油穴34Cは、第2タンクポート20に常時連通し、これらの油穴34A,34B,34C間は、スリーブ34の外周側でOリング等により互いにシールされている。

0058

スリーブ34の内周側に形成された段付穴35は、その軸方向一側(開口端側)に位置するばね収容穴部35Aと、該ばね収容穴部35Aよりも小径に形成された摺動穴部35B〜35Eとを含んで構成されている。段付穴35のばね収容穴部35Aは、段付穴35の摺動穴部35B〜35Eのうち最も軸方向一側寄りに位置する摺動穴部35Bよりも大きな内径を有する拡径穴として形成されている。ばね収容穴部35Aの端部(軸方向一側の端部)は、ハウジング12の一側でアクチュエータケース32Aの他側開口内に連通(開口)する開口端となっている。

0059

段付穴35は、スリーブ34の内周側に形成されたスプール摺動穴であり、パイロットスプール36が挿嵌される複数の摺動穴部35B,35C,35D,35Eを有している。これらの摺動穴部35B,35C,35D,35Eは、スリーブ34の軸方向一側から他側に向けて内径寸法が段階的に小さくなるように形成される。このうち、摺動穴部35B,35Cは、互いに同一の径で形成してもよく、摺動穴部35D,35Eよりも大径であればよい。摺動穴部35D,35Eは、摺動穴部35B,35Cよりも小径であれば互いに同一径に形成してもよい。

0060

パイロットスプール36は、スリーブ34の段付穴35内へと軸方向に挿嵌されている。この状態で、パイロットスプール36は、軸方向一側の閉塞端となるボス部36Aが電磁アクチュエータ32のプッシュロッド32Cと常時当接するように取付けられている。パイロットスプール36は、プッシュロッド32Cがアクチュエータケース32Aから図4中の矢示A方向に伸長または矢示B方向へと縮小するに伴って、段付穴35内を軸方向に移動(摺動変位)する。

0061

パイロットスプール36には、その外周側に4つのランド36B、36C、36D、36Eが軸方向に互いに離間して設けられている。このうち、ボス部36A側(最も軸方向一側寄り)に位置する一側のランド36Bは、パイロットスプール36の先端側(最も軸方向他側)に位置する他側のランド36Eよりも大径に形成されている。一側のランド36Bと他側のランド36Eとの間に位置する中間ランド36C,36Dは、環状の鍔部として形成され、その外径寸法は、一方の中間ランド36Cが他方の中間ランド36Dよりも大径に形成されている。一側のランド36Bと大径側の中間ランド36Cとは、互いに同一径に形成してもよく、小径側の中間ランド36Dと他側のランド36Eも同一径に形成してもよい。

0062

パイロットスプール36をスリーブ34(段付穴35)内に挿嵌した状態で、一側のランド36Bは摺動穴部35B内を軸方向に摺動変位し、他側のランド36Eは摺動穴部35E内を摺動変位するように配置される。中間ランド36C,36Dのうち大径側の中間ランド36Cは、摺動穴部35C内を摺動変位するように配置され、このときに、小径側の中間ランド36Dは油穴34Bを摺動穴部35Dに連通させる位置に配置される。大径側の中間ランド36Cが摺動穴部35Cから油穴34Bの位置まで移動(進出)すると、摺動穴部35C(第2ポンプポート18)が油穴34Bを介して制御一次圧流通路19と連通される。このときに、小径側の中間ランド36Dは、摺動穴部35D内に摺動可能に挿嵌された状態となり、油穴34B(制御一次圧流通路19)を第2タンクポート20(摺動穴部35D)に対して遮断する。

0063

このように、大径側の中間ランド36Cは、第2ポンプポート18と制御一次圧流通路19との間を遮断,連通するためにパイロットスプール36に設けられたランドである。一方、小径側の中間ランド36Dは、制御一次圧流通路19と第2タンクポート20との間を連通,遮断するためにパイロットスプール36に設けられたランドである。

0064

即ち、パイロットスプール36は、大径側の中間ランド36Cがスリーブ34の摺動穴部35C内に配置(摺接)されている状態で、油穴34A,34B間(第2ポンプポート18と制御一次圧流通路19との間)を遮断している。しかし、パイロットスプール36が軸方向他側(図4中の矢示A方向)に移動して、大径側の中間ランド36Cが摺動穴部35Cから油穴34Bの位置に進出したときには、油穴34A,34B間(第2ポンプポート18と制御一次圧流通路19との間)が連通される。このため、図1に示す制御圧管路42(第2ポンプポート18)から供給される作動油は、スリーブ34とパイロットスプール36との間の空間を流れて、油穴34Bから制御一次圧流通路19を介してパイロット圧力室25へと導入される。

0065

このとき、小径側の中間ランド36Dは、スリーブ34の摺動穴部35D内に挿入(摺接)され、油穴34B,34C間(制御一次圧流通路19と第2タンクポート20との間)を遮断する。このため、制御一次圧流通路19から第2タンクポート20に向けて作動油が流通することはない。しかし、パイロットスプール36が軸方向一側(図4中の矢示B方向)に戻されて、小径側の中間ランド36Dが摺動穴部35Dから油穴34Bの位置に達したとき(即ち、図4に示す状態)では、油穴34B,34C間(制御一次圧流通路19と第2タンクポート20との間)が連通される。このため、パイロット圧力室25に供給されていた作動油は、制御一次圧流通路19を介して油穴34Bに流通し、スリーブ34とパイロットスプール36との間の空間を流れて、第2タンクポート20からタンク管路43(図1参照)へと戻っていく。

0066

ここで、大径側の中間ランド36Cと小径側の中間ランド36Dとは、油穴34Bを介して制御一次圧流通路19内の圧力を受圧するときに受圧面積差が生じる。即ち、中間ランド36C,36D間には、スリーブ34内でのパイロット圧力(制御一次圧)に対する受圧面積差が生じる。これにより、パイロットスプール36は、大径側の中間ランド36Cと小径側の中間ランド36Dの受圧面積差分の油圧力(押圧力)を、プッシュロッド32Cに対抗する向き(矢示B方向)の荷重として受ける。

0067

また、パイロットスプール36には、その軸方向他側の端面からボス部36Aに向けて軸方向に延びる有底の軸穴36Fが設けられている。この軸穴36Fの開口端(後述のダンピング室41側の端部)側には、筒状のオリフィス37が設けられ、軸穴36Fは、オリフィス37を介してダンピング室41と常時連通している。さらに、パイロットスプール36には、軸穴36Fの径方向外側に延びる油路36G,36Hが形成され、これらの油路36G,36Hは、軸穴36F内をスリーブ34のばね収容穴部35A内と油穴34C内とに常時連通させる。

0068

スリーブ34のばね収容穴部35A内には、第2タンクポート20から油路36H、軸穴36Fおよび油路36Gを介して低圧状態の作動油が導かれる。この作動油は、パイロットスプール36のボス部36A外周側からプッシュロッド32Cの周囲に沿って電磁アクチュエータ32のアクチュエータケース32A内へと導かれ、アクチュエータケース32Aの内部を潤滑状態に保ち、前記ソレノイド等を冷却する機能を有している。

0069

第2戻しばね38は、パイロットスプール36を軸方向一側に向けて常時付勢する付勢部材である。第2戻しばね38は、スリーブ34(段付穴35)のばね収容穴部35Aとパイロットスプール36のボス部36Aとの間に縮装状態で配設されている。図2図4に示すように、パイロットスプール36は、第2戻しばね38の付勢力によって、電磁アクチュエータ32のプッシュロッド32C側に常に押圧された状態で、スリーブ34(ばね収容穴部35A)内に収容されている。なお、電磁アクチュエータ32のプッシュロッド32Cは、アクチュエータケース32A内に設けられた前記スプリングによって、第2戻しばね38よりも小さな力でパイロットスプール36側に付勢されている。

0070

仕切板39は、電磁弁カートリッジ挿入穴14の底部側でスリーブ34の軸方向他側端面を閉塞している。電磁弁カートリッジ挿入穴14の底部と仕切板39との間には、例えば波形ワッシャ等からなるばね部材40が設けられ、このばね部材40は、仕切板39をスリーブ34の他側端面押付けた状態に保持している。仕切板39は、パイロットスプール36の軸方向他側にダンピング室41を形成している。

0071

ダンピング室41は、パイロットスプール36を挟んで電磁アクチュエータ32とは反対側に配置され、スリーブ34の内壁面(摺動穴部35E)と仕切板39とにより囲まれた円形の空間である。ダンピング室41は、パイロットスプール36の軸穴36Fにオリフィス37を介して常時連通している。このため、パイロットスプール36がスリーブ34内を軸方向他側(図4中の矢示A方向)に移動するときには、ダンピング室41内の作動油がオリフィス37を介して軸穴36F内に排出される。オリフィス37は、このときの排出油の流れを絞ることにより、パイロットスプール36の急な動きを抑えて移動速度が緩やかになるように調整する。即ち、パイロットスプール36の動き(移動速度)は、オリフィス37の絞り径に応じて調整される。

0072

図4に示すように、パイロットスプール36は、例えばランド36D,36E側の外径が直径dに形成されている。ここで、パイロットスプール36の直径dは、メインスプール24の受圧径D(図3参照)よりも小さく形成されている。スプール弁装置21の出力ポート16からは、流量が増速された制御二次圧(出力ポート圧力)が、方向制御弁4の油圧パイロット部4B(4A)にパイロット圧として供給される。

0073

制御圧管路42は、その基端側がパイロットポンプ7の吐出側に接続され、先端側は、減圧弁ユニット11A,11Bの第1,第2ポンプポート17,18に接続されている。これにより、第1,第2ポンプポート17,18には、パイロットポンプ7から吐出されるパイロット圧力が減圧弁ユニット11A,11B用の制御圧として供給される。タンク管路43は、減圧弁ユニット11A,11Bの第1,第2タンクポート15,20をタンク2に常時接続している。なお、第1,第2ポンプポート17,18に接続されるポンプは、必ずしもパイロットポンプ7である必要はなく、互いに別系統のポンプであってもよい。

0074

本実施の形態による電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bは、上述の如き構成を有するもので、次に、大型の油圧ショベルに搭載される油圧シリンダ3の駆動用油圧回路に対して、減圧弁ユニット11A,11Bを適用した場合の作動について説明する。

0075

まず、減圧弁ユニット11A,11Bの電磁弁装置31を作動させるにあたって、電磁アクチュエータ32のコネクタ部32Bは、図1に示す操作レバー装置10に電源(図示せず)を介して接続される。前記電源は、直流または交流電源のいずれであってもよく、例えば直流電源としてはDC12VまたはDC24Vが用いられ、交流電源としてはAC100V(50/60Hz)またはAC200Vを使用することができる。

0076

油圧ショベルのオペレータが、図1に示す操作レバー10Aを傾転操作するまでは、操作レバー10Aが中立位置にあり、電磁アクチュエータ32に操作信号(制御電流)が出力されることはない。このように電流が供給されない初期状態では、パイロットスプール36は、第2戻しばね38により電磁アクチュエータ32のプッシュロッド32C側に付勢されている。このため、パイロットスプール36の中間ランド36Cは、第2ポンプポート18を制御一次圧流通路19から遮断し、制御一次圧流通路19(即ち、パイロット圧力室25)は、第2タンクポート20に対して連通した状態にある。

0077

次に、オペレータが操作レバー10Aを傾転操作して操作レバー装置10からコネクタ部32Bを介して電磁アクチュエータ32に制御電流が供給されると、電磁アクチュエータ32はアクチュエータケース32A内の前記ソレノイドが励磁され、可動鉄心ソレノイドコイル(いずれも図示せず)を流れる電流値に応じた電磁力を受ける。この電磁力は、前記可動鉄心からプッシュロッド32Cを介してパイロットスプール36を矢示A方向に押圧する力として伝達される。この押圧力(電磁力)が第2戻しばね38による付勢力を上回ると、パイロットスプール36はダンピング室41側へ移動(摺動変位)する。

0078

これにより、パイロットスプール36は、大径側の中間ランド36Cが摺動穴部35Cから油穴34Bの位置に進出し、油穴34A,34B間(第2ポンプポート18と制御一次圧流通路19との間)を連通させる。このとき、小径側の中間ランド36Dは、スリーブ34の摺動穴部35D内へと摺動変位(進出)し、油穴34B,34C間(制御一次圧流通路19と第2タンクポート20との間)を遮断する。

0079

このため、制御圧管路42から第2ポンプポート18に供給される作動油(制御圧)は、油穴34Aを介してスリーブ34とパイロットスプール36との間の空間へと流れ、油穴34Bから制御一次圧流通路19を介してパイロット圧力室25内へと導入される。これにより、スプール弁装置21のパイロット圧力室25には、電磁弁装置31から制御一次圧流通路19を介して制御一次圧(作動油)が供給され、パイロット圧力室25内の制御一次圧(パイロット圧力)が上昇する。

0080

ここで、パイロットスプール36の中間ランド36Cは、中間ランド36Dよりも大径に形成されているため、中間ランド36C,36D間にはスリーブ34内でパイロット圧力(制御一次圧)に対する受圧面積差が生じる。これにより、パイロットスプール36は、大径側の中間ランド36Cと小径側の中間ランド36Dの受圧面積差分の油圧力(押圧力)を、プッシュロッド32Cに対抗する向き(矢示B方向)の荷重として受ける。

0081

このとき、前記受圧面積差による矢示B方向の荷重(油圧力)と第2戻しばね38の付勢力との和が、プッシュロッド32Cによる矢示A方向の押圧力(電磁力)よりも小さい間は、パイロットスプール36はダンピング室41側へと矢示A方向に更に移動する。これにより、第2ポンプポート18と制御一次圧流通路19との間の開口量が増加し、制御一次圧流通路19には第2ポンプポート18から作動油が更に供給され、パイロット圧力(制御一次圧)が上昇する。

0082

一方、前記受圧面積差による矢示B方向の荷重と第2戻しばね38の付勢力との和が、プッシュロッド32Cによる矢示A方向の押圧力よりも大きくなると、パイロットスプール36は電磁アクチュエータ32側へと矢示B方向に押戻される。これにより、パイロットスプール36は、大径側の中間ランド36Cが摺動穴部35C内へと摺動し、第2ポンプポート18と制御一次圧流通路19とを遮断する。小径側の中間ランド36Dは、スリーブ34の摺動穴部35D内から油穴34Bの位置まで戻り、制御一次圧流通路19を第2タンクポート20に連通させる。このため、パイロット圧力室25内の作動油は制御一次圧流通路19を介して第2タンクポート20へと排出され、制御一次圧(パイロット圧力)は低下される。

0083

このように、パイロットスプール36は、スリーブ34内を軸方向(矢示A,B方向)に往復動するような動作を繰返し、パイロット圧力室25内には作動油の流入,排出が繰り返される。この結果、パイロットスプール36に付加されるプッシュロッド32Cの押圧力(電磁力)、第2戻しばね38の付勢力および前記受圧面積差による矢示B方向の荷重(油圧力)が釣合うように、パイロット圧力室25内のパイロット圧力(制御一次圧)が調整される。換言すれば、プッシュロッド32Cによる矢示A方向の押圧力は、電磁アクチュエータ32への供給電流の値によって調整されるので、パイロット圧力室25内のパイロット圧力(制御一次圧)は、結果として電磁アクチュエータ32への供給電流の値によって可変に制御されることになる。

0084

なお、このようにパイロット圧力室25内の圧力(制御一次圧)を調整する過程で、ダンピング室41にはパイロットスプール36の移動(軸方向変位)により容積変動が生じる。このとき、ダンピング室41の容積変動に伴って、オリフィス37内を作動油が流れるので、オリフィス37は流動抵抗を発生させ、急な容積変動を抑えるようにダンピング作用を発揮する。このように、オリフィス37およびダンピング室41を設けることにより、パイロットスプール36の急激な軸方向変位を抑制でき、振動を緩和することができるので、パイロット圧力(制御一次圧)を安定させることができる。

0085

一方、オペレータが操作レバー10A(図1参照)を中立位置に戻し、電磁アクチュエータ32への制御電流の供給を停止した場合に、電磁アクチュエータ32は前記ソレノイドが消磁され、プッシュロッド32Cが矢示B方向へと初期状態(待機位置)まで戻される。このため、パイロットスプール36は、第2戻しばね38の付勢力により電磁アクチュエータ32側へと押し戻される。これにより、第2ポンプポート18は、制御一次圧流通路19に対して遮断され、制御一次圧流通路19は、第2タンクポート20に連通した状態となる。このため、パイロット圧力室25内の作動油は、制御一次圧流通路19を介して第2タンクポート20へと排出され、制御一次圧(パイロット圧力)は、制御電流の停止に伴ってタンク圧まで低下する。

0086

次に、電磁弁装置31と共に減圧弁ユニット11B(11A)を構成するスプール弁装置21の作動について説明する。スプール弁装置21は、操作レバー装置10からの操作信号(即ち、制御電流)に対応して電磁弁装置31により発生される制御一次圧(パイロット圧力)の流量を増速させる流量増速装置(即ち、ブースタ)を構成している。

0087

電磁アクチュエータ32に制御電流を供給していない初期状態(待機位置)では、パイロット圧力室25が制御一次圧流通路19を介して第2タンクポート20に連通し、圧力が最も低い状態となっている。このため、メインスプール24は第1戻しばね27により軸方向一側に付勢され、閉塞栓22に当接した状態となる。このとき、出力ポート16は、第1ポンプポート17に対して遮断され、第1タンクポート15に対しては連通した状態となっている。

0088

ここで、前述の如く、電磁弁装置31の電磁アクチュエータ32に制御電流を供給すると、図6中に一点鎖線で示す特性線44のように、時間t1でパイロット圧力室25内の制御一次圧(パイロット圧力)が上昇し始める。メインスプール24は、パイロット圧力室25側に設けられた第1受圧部28で制御一次圧(パイロット圧力)を受圧する。

0089

この制御一次圧が図6中の時間t2で圧力Pf(即ち、第1戻しばね27の付勢力fに対応した圧力)以上まで上昇すると、メインスプール24が受圧径Dで受ける軸方向他側に向けた油圧力F1(荷重)は、第1戻しばね27の付勢力fを上回るようになる。このため、メインスプール24は、前記油圧力F1によってフィードバック圧力室26側へと更に移動する。

0090

メインスプール24がフィードバック圧力室26側へ移動していくと、絞り流路30の端縁30Aが環状溝13Bの軸方向一側端面まで進出(移動)し、図6中の時間t3でパイロット圧力室25と第1タンクポート15とが絞り流路30を介して連通する。これによって、パイロット圧力室25内の作動油(制御一次圧)の一部は、絞り流路30を介して第1タンクポート15へと排出され、パイロット圧力室25内の圧力上昇は、一点鎖線で示す特性線部44Aのように緩やかとなる。

0091

メインスプール24が更にフィードバック圧力室26側へ移動すると、出力ポート16と第1ポンプポート17とが連通すると共に、第1タンクポート15と出力ポート16とが遮断される。このため、出力ポート16には、制御圧管路42から第1ポンプポート17を介して作動油が供給され、図6中に実線で示す特性線45のように、時間t4以降において出力ポート16の圧力(即ち、制御二次圧)が上昇する。

0092

このとき、出力ポート16は、メインスプール24の貫通孔24C,24Dおよび連通穴24Eを介してフィードバック圧力室26と連通しているので、フィードバック圧力室26には制御二次圧が導かれる。このため、出力ポート16の圧力(制御二次圧)は、フィードバック圧力室26内においてメインスプール24の第2受圧部29側に受圧径Dで受圧され、メインスプール24をパイロット圧力室25側へと押し返す油圧力F2(荷重)を発生させる。

0093

しかし、図6中の時間t4〜t5では、前記油圧力F1が前記油圧力F2と付勢力fの和(F2+f)よりも大きいので、メインスプール24は、制御一次圧による荷重(油圧力F1)によって、メインスプール24はフィードバック圧力室26(軸方向他側)に向けて更に移動する。これにより、パイロット圧力室25と第1タンクポート15との間の絞り流路30を介した開口量(流路面積)が増加し、パイロット圧力室25から絞り流路30を介して作動油(制御維持次圧の一部)が第1タンクポート15へと排出される。

0094

このため、図6中の時間t4〜t5では、パイロット圧力室25内の圧力上昇は、一点鎖線で示す特性線部44Aのように更に緩やかになるか、あるいは降下に転じる。そして、時間t5以降では、特性線部44Aの制御一次圧から前記圧力Pfを差し引いた値が特性線45の制御二次圧にほぼ一致するようになり、制御一次圧は制御二次圧と同様に時間t6まで上昇を続ける。

0095

図6中の時間t5〜t6では、出力ポート16と第1ポンプポート17との間の開口量(流路面積)が増加し、出力ポート16には第1ポンプポート17から作動油が更に供給されるため、出力ポート16の圧力(制御二次圧)が特性線45のように上昇する。これにより、制御一次圧は制御二次圧と共に、目標圧力Pt(即ち、操作レバー装置10からの操作信号に対応して電磁弁装置31により設定される制御一次圧の目標値)を超える圧力まで上昇する。

0096

前記油圧力F2と付勢力fの和(F2+f)が前記油圧力F1よりも大きくなったときには、メインスプール24の移動方向が反転され、メインスプール24は、フィードバック圧力室26側の油圧力F2と第1戻しばね27の付勢力fとによってパイロット圧力室25側へと軸方向一側に押し戻される。これにより、パイロット圧力室25と第1タンクポート15との間の絞り流路30を介した開口量(即ち、絞り流路30の流路面積)は減少する。

0097

このため、絞り流路30は、パイロット圧力室25から第1タンクポート15へと排出される作動油量を小さく抑えるので、パイロット圧力室25内の圧力(制御一次圧)は再び上昇し始める。また、出力ポート16と第1ポンプポート17とが遮断されると共に、第1タンクポート15と出力ポート16とが連通されたときには、図6中の時間t6以降のように、出力ポート16から第1タンクポート15へと作動油が排出され、出力ポート16の圧力は降下する。

0098

以上のような動作により、出力ポート16内の作動油の流入,排出が繰り返され、前記油圧力F2と付勢力fの和(F2+f)と、前記油圧力F1とが釣合うように、出力ポート16の圧力(制御二次圧)が調整される。出力ポート16の圧力(制御二次圧)は、図6中に示す特性線45の如く前記目標圧力Ptに収束するように調整される。即ち、出力ポート16の圧力(制御二次圧)は、パイロット圧力室25内の制御一次圧から第1戻しばね27による付勢力f相当の圧力Pfを差し引いた値となる。

0099

このとき、メインスプール24は、図3に示す寸法L3が実質的に零となる位置まで移動し、図5に示すように、一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)が環状溝13Bの軸方向他側端面にほぼ一致した位置となる。また、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)は、図3に示す寸法L2が実質的に零となる位置まで移動し、図5に示すように、環状溝13Dの軸方向一側端面とほぼ一致する位置となって、メインスプール24は静止する。

0100

パイロット圧力室25内の圧力(制御一次圧)は、電磁アクチュエータ32への供給電流の値によって調整することができるので、本実施の形態による電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bでは、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)も電磁アクチュエータ32への供給電流の値により結果として調整される。これにより、スプール弁装置21は、電磁弁装置31による制御一次圧の流量を増速させた制御二次圧(出力ポート圧力)を、方向制御弁4の油圧パイロット部4B(4A)にパイロット圧として供給することができる。

0101

即ち、大型の油圧ショベルに搭載される方向制御弁4は、シリンダ径の大きい油圧シリンダ3に対応して大型のコントロールバルブにより構成されている。このため、方向制御弁4は、減圧弁ユニット11A,11Bから油圧パイロット部4A,4Bに供給すべきパイロット圧(即ち、制御二次圧)の流量を増大させる必要があり、このための流量増速装置としてスプール弁装置21を用いることができる。

0102

電磁アクチュエータ32への電流供給を停止した場合には、パイロット圧力室25内の作動油が制御一次圧流通路19を介して第2タンクポート20へと排出される。このため、メインスプール24は、フィードバック圧力室26において受圧径Dで受ける出力ポート16の圧力による油圧力F2(荷重)と第1戻しばね27による付勢力fによりパイロット圧力室25側へと押し戻される。これにより、出力ポート16は、第1ポンプポート17から遮断され、第1タンクポート15に対して連通する。この結果、出力ポート16から第1タンクポート15へと作動油が排出され、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)は降下する。また、パイロット圧力室25は、絞り流路30が閉鎖され、第1タンクポート15に対して遮断される。

0103

ところで、図7中に一点鎖線で示す特性線46は、比較例によるパイロット圧力室25内の圧力(制御一次圧)の特性である。この比較例による特性線46は、メインスプール24の軸方向一側に絞り流路30を設けない場合の特性を示している。このため、特性線46の制御一次圧は、時間t2以降も上昇を続け、目標圧力Ptを上,下するように変動を繰返す。

0104

図7中に実線で示す特性線47は、比較例による出力ポート16の圧力(制御二次圧)の特性である。この比較例では、メインスプール24に絞り流路30を設けていないため、特性線47の制御二次圧は、時間t4以降で上昇した後に、制御一次圧(特性線46)に対して応答遅れが生じ、特性線46と相反するように目標圧力Ptを上,下する変動を繰返す。

0105

このため、比較例の場合は、供給電流に比例してパイロット圧力を圧力制御するように変化させたときに、出力ポート16の圧力(特性線47)が制御一次圧(特性線46)に対して釣合いを保つように追従することができず、メインスプール24は軸方向に振動を繰返すように自励振動する。しかも、メインスプール24の自励振動は、電磁弁装置31(圧力制御弁33)のパイロットスプール36にも影響を与え、パイロットスプール36もスリーブ34内で振動を繰返すことになる。この結果、図7に示す特性線46(制御一次圧)と特性線47(制御二次圧)とは、目標圧力Ptを上,下するように変動を繰返し、出力ポート16から安定した圧力(制御二次圧)を取り出すことが難しくなる。

0106

そこで、このような問題を解消するために、第1の実施の形態は、メインスプール24の軸方向一側に、常時はパイロット圧力室25を第1タンクポート15から遮断し、メインスプール24がメインスプール挿入穴13に沿って軸方向他側へ移動したときに、パイロット圧力室25を第1タンクポート15に連通させる絞り流路30を設けている。この絞り流路30は、パイロット圧力室25を第1タンクポート15に連通させたときに、パイロット圧力室25から第1タンクポート15に排出される作動油の流量を制限する絞り通路である。

0107

しかも、絞り流路30は、メインスプール24がメインスプール挿入穴13に沿って軸方向他側へ移動したときに、第1ポンプポート17(一次圧ポート)と出力ポート16とが連通されること、および出力ポート16と第1タンクポート15とが遮断されることよりも先に、パイロット圧力室25を第1タンクポート15に連通させる構成としている。

0108

これにより、初期状態(図6中の時間t1)から制御一次圧を上昇させ、メインスプール24をフィードバック圧力室26側へと移動させた際、時間t3で絞り流路30が開口して、パイロット圧力室25内から作動油の一部を第1タンクポート15へと排出できる。この時間t3は、第1ポンプポート17と出力ポート16とが連通し、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)が上昇し始めるよりも前の時間である。このように時間t3で絞り流路30を開口させ、パイロット圧力室25内から作動油の一部を第1タンクポート15へと排出させることにより、図6中の特性線部44Aのように、制御一次圧(パイロット圧力)の上昇が緩やかな特性となる。

0109

ここで、出力ポート16と第1ポンプポート17とが連通し、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)が直ちに上昇した場合は、メインスプール24に作用するパイロット圧力による荷重(油圧力F1)、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)による荷重(油圧力F2)および第1戻しばね27による付勢力fは直ちに釣合いの状態に転じ、メインスプール24はこれらの力が釣合う位置で安定する。

0110

また、出力ポート16と第1ポンプポート17とが連通したものの、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)の上昇がパイロット圧力室25の圧力(制御一次圧)の上昇に対して遅れた場合であっても、図6中の特性線部44Aのように制御一次圧の上昇が緩やかな特性となっており、パイロット圧力による荷重(油圧力F1)と出力ポート16内の圧力(制御二次圧)による荷重(油圧力F2)の乖離が低減されている。このため、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)はパイロット圧力に対し、釣合いを保つように追従することができる。

0111

そして、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)の上昇が制御一次圧(パイロット圧力)の上昇に対して大きく遅れた場合は、メインスプール24は更にフィードバック圧力室26側へと移動する。このとき、パイロット圧力室25と第1タンクポート15との間の開口量(流路面積)は更に増加し、出力ポート16と第1ポンプポート17との間の開口量も更に増加する。即ち、パイロット圧力室25内の作動油は第1タンクポート15へと更に排出され、パイロット圧力は降下に転じる。一方、出力ポ一ト16へはパイロットポンプ7から制御圧管路42、第1ポンプポート17を介して更に作動油が供給され、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)は更に上昇を続ける。

0112

このため、図6中に示す特性線45の時間t7以降のように、メインスプール24には、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)をパイロット圧力室25内の圧力と釣合うように追従させる作用が生じる。これにより、メインスプール24に作用する制御一次圧(パイロット圧力)による荷重(油圧力F1)、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)による荷重(油圧力F2)および第1戻しばね27による付勢力fを釣合わせ、メインスプール24の動きを安定させることができる。

0113

従って、第1の実施の形態による電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bは、出力ポート16にパイロット管路5A,5Bのような壁面剛性の低い要素等を接続した場合、圧力の応答を遅らせるような大きな負荷容積を持つ要素(例えば、大型な方向制御弁4の油圧パイロット部4A,4B)を接続した場合でも、パイロット圧力室25内の圧力(制御一次圧)に対して出力ポート16内の圧力(制御二次圧)を、釣合いを保つように追従させることができ、メインスプール24の自励振動を抑制することができる。このため、本実施の形態による電磁式の減圧弁ユニット11A,11Bは、出力ポート16から安定した圧力(制御二次圧)を出力することができる。

0114

次に、図8は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、第2の実施の形態の特徴は、絞り流路51をメインスプール24の外周側ではなく、その内部を軸方向と径方向とに延びる油孔により構成したことにある。

0115

ここで、絞り流路51は、一側ランド24Aよりも軸方向一側に位置するメインスプール24の一側端部に形成されパイロット圧力室25に常時連通する径方向の貫通孔51Aと、一側ランド24Aの外周面に開口するようにメインスプール24の径方向に穿設された1個または複数個の貫通孔51Bと、メインスプール24の軸方向に延び貫通孔51A,51B間を連通させる連通穴51Cとにより構成されている。この連通穴51Cは、メインスプール24の軸方向一側端面に開口し、パイロット圧力室25と常時連通している。

0116

図8に示すように、メインスプール24が待機位置(初期状態)にあるとき、絞り流路51の貫通孔51Bは、環状溝13Bの軸方向一側端面から寸法L1だけ離間した位置に配置されている。このため、メインスプール24が待機位置から寸法L1分だけ軸方向他側に移動したときに、貫通孔51Bは環状溝13B内と連通し始め、パイロット圧力室25から貫通孔51A、連通穴51Cおよび貫通孔51Bを介して第1タンクポート15に排出される作動油の流量を制限する絞り流路51を構成する。

0117

メインスプール24が待機位置にあるとき、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)は、環状溝13Dの軸方向一側端面から寸法L2だけ離間した位置に配置されている。一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)は、環状溝13Bの軸方向他側端面から寸法L3だけ離間した位置に配置されている。

0118

ここで、前記寸法L1,L2,L3は、寸法L1が寸法L2より小さく(L1<L2)、かつ寸法L1が寸法L3より小さく(L1<L3)なる関係に設定されている。このため、メインスプール24の軸方向一側の端部(即ち、第1受圧部28の先端部)が閉塞栓22に当接した待機位置から、メインスプール24が軸方向他側(フィードバック圧力室26側)ヘと移動していくときに、まず、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とが絞り流路51を介して連通される。その後に、出力ポート16と第1ポンプポート17とが連通され、第1タンクポート15と出力ポート16とは遮断される。

0119

換言すると、絞り流路51の貫通孔51Bは、前記待機位置からメインスプール24がメインスプール挿入穴13に沿って軸方向他側へと移動するときに、第1ポンプポート17(一次圧ポート)と出力ポート16とが連通される状態、および第1タンクポート15と出力ポート16とが遮断される状態よりも先に、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とを連通させるように構成されている。

0120

かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、パイロット圧力室25内の圧力(制御一次圧)に対して出力ポート16内の圧力(制御二次圧)を、釣合いを保つように追従させ、メインスプール24の自励振動を抑制することができ、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。

0121

次に、図9ないし図11は本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、前記スプールが前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することで、前記一次圧ポートと前記出力ポートとを連通することよりも後に、前記出力ポートと前記タンクポートとを遮断する構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。

0122

ここで、減圧弁ユニット11Bのハウジング12には、前記第1の実施の形態で述べたメインスプール挿入穴13と同様に、スプール穴を構成するメインスプール挿入穴61が設けられている。このメインスプール挿入穴61は、その周壁面側に拡径穴として形成された環状溝61A,61B,61C,61D,61Eを有している。これらの環状溝61A〜61Eは、メインスプール挿入穴61の軸方向で互いに離間している。メインスプール挿入穴61は、環状溝61A〜61Eのうち軸方向両端側に位置する環状溝61A,61Eの開口端側が閉塞栓22,23により着脱可能に閉塞されている。

0123

図9に示すように、メインスプール24が待機位置にあるとき、絞り流路30の端縁30Aは、環状溝61Bの軸方向一側端面から寸法L1だけ離間した位置に配置される。このとき、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)は、環状溝61Dの軸方向一側端面から寸法L2だけ離間した位置に配置される。一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)は、環状溝61Bの軸方向他側端面から寸法L3だけ離間した位置に配置される。

0124

ここで、前記寸法L1,L2,L3は、寸法L1が寸法L2より小さく(L1<L2)、かつ寸法L1が寸法L3より小さく(L1<L3)なる関係に設定されている。しかも、メインスプール挿入穴61の環状溝61Bは、その軸方向他側端面から一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)までの距離である寸法L3が、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)から環状溝61Dの軸方向一側端面までの距離である寸法L2よりも大きくなる関係(L3>L2>L1)に設定されている。

0125

このため、メインスプール24が図9に示す初期状態(待機位置)からフィードバック圧力室26側ヘと軸方向に移動するときに、図11中に実線で示す特性線62のように、絞り流路30がメインスプール24の移動量(寸法L1以上の移動)に応じた開口量で開口され、パイロット圧力室25は第1タンクポート15に対し絞り流路30を介して連通される。次に、メインスプール24の移動量が寸法L2以上となると、他側ランド24Bが切欠き24B1を介して環状溝61D内に連通し、点線で示す特性線63に沿った開口量で出力ポート16が第1ポンプポート17(即ち、一次圧ポート)に対して連通される。

0126

この間、メインスプール24の一側ランド24Aは、軸方向他側の切欠き24A1が環状溝61Bの他側端面に漸次接近し、両者間の開口量は、一点鎖線で示す特性線64のように減少されるが、第1タンクポート15は出力ポート16に対して連通している。しかし、メインスプール24の移動量が寸法L3以上になると、一側ランド24Aは切欠き24A1が環状溝61B内に進入して開口量が零となり、第1タンクポート15は出力ポート16に対して遮断される。

0127

即ち、メインスプール24は、第1受圧部28の先端部が閉塞栓22に当接した待機位置(初期状態)から、軸方向他側(フィードバック圧力室26側)ヘと移動してゆくときに、まず、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とが絞り流路30を介して連通される。その後に、出力ポート16と第1ポンプポート17とが連通され、最後に、出力ポート16は第1タンクポート15から遮断される。

0128

かくして、このように構成される第3の実施の形態でも、メインスプール24の自励振動を抑制して、出力ポート16から安定した制御二次圧を出力することができ、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によると、メインスプール挿入穴61の環状溝61Bは、その軸方向他側端面から一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)までの寸法L3が、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)から環状溝61Dの軸方向一側端面までの寸法L2よりも大きくなる関係(L3>L2>L1)に設定している。

0129

これにより、メインスプール24に作用する制御一次圧(パイロット圧力)による油圧力F1、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)による油圧力F2および第1戻しばね27による付勢力fを釣合わせ、メインスプール24の動きを安定させた状態(例えば、メインスプール24が実質的に静止した状態)では、図10に示すように、第1ポンプポート17と出力ポート16とが連通し、これと同時に出力ポート16と第1タンクポート15とが連通するようになる。

0130

このため、図10に示す釣合い状態から、次にパイロット圧力(制御一次圧)を変化させ、出力ポート圧力(制御二次圧)を変化させるときに、既に第1ポンプポート17と出力ポート16、および出力ポート16と第1タンクポート15が連通して開口している分、出力ポート16内の制御二次圧(作動油)の流入または排出が速くなり、制御二次圧の応答速度が上昇するという効果が得られる。

0131

なお、前記第3の実施の形態では、メインスプール挿入穴61の環状溝61A〜61Eのうち、例えば環状溝61B,61Dの形状(位置)を変えることにより、図9中に示す寸法L1〜L3を関係(L3>L2>L1)に設定する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばメインスプール24のランド24A,24Bの形状(軸方向長さ)を変えることにより、寸法L1〜L3を関係(L3>L2>L1)に設定する構成としてもよい。

0132

次に、図12ないし図14は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、前記スプールが前記スプール穴に沿って軸方向他側へ移動することで、前記一次圧ポートと前記出力ポートとを連通することよりも先に、前記出力ポートと前記タンクポートとを遮断する構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。

0133

ここで、減圧弁ユニット11Bのハウジング12には、前記第1の実施の形態で述べたメインスプール挿入穴13と同様に、スプール穴を構成するメインスプール挿入穴71が設けられている。このメインスプール挿入穴71は、その周壁面側に拡径穴として形成された環状溝71A,71B,71C,71D,71Eを有している。これらの環状溝71A〜71Eは、メインスプール挿入穴71の軸方向で互いに離間している。メインスプール挿入穴71は、環状溝71A〜71Eのうち軸方向両端側に位置する環状溝71A,71Eの開口端側が閉塞栓22,23により着脱可能に閉塞されている。

0134

図12に示すように、メインスプール24が待機位置にあるとき、絞り流路30の端縁30Aは、環状溝71Bの軸方向一側端面から寸法L1だけ離間した位置に配置される。このとき、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)は、環状溝71Dの軸方向一側端面から寸法L2だけ離間した位置に配置される。さらに、一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)は、環状溝71Bの軸方向他側端面から寸法L3だけ離間した位置に配置される。

0135

ここで、前記寸法L1,L2,L3は、寸法L1が寸法L2より小さく(L1<L2)、かつ寸法L1が寸法L3より小さく(L1<L3)なる関係に設定されている。しかも、メインスプール挿入穴71の環状溝71Bは、その軸方向他側端面から一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)までの距離である寸法L3が、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)から環状溝71Dの軸方向一側端面までの距離である寸法L2よりも小さくなる関係(L2>L3>L1)に設定されている。

0136

このため、メインスプール24が図12に示す初期状態(待機位置)からフィードバック圧力室26側ヘと軸方向に移動するときに、図14中に実線で示す特性線72のように、絞り流路30がメインスプール24の移動量(寸法L1以上の移動)に応じた開口量で開口され、パイロット圧力室25は第1タンクポート15に対し絞り流路30を介して連通される。

0137

この間、メインスプール24の一側ランド24Aは、軸方向他側の切欠き24A1が環状溝71Bの他側端面に漸次接近し、両者間の開口量は、一点鎖線で示す特性線73のように減少されるが、第1タンクポート15は出力ポート16に対して連通している。しかし、メインスプール24の移動量が寸法L3以上になると、一側ランド24Aは切欠き24A1が環状溝71B内に進入して開口量が零となり、第1タンクポート15は出力ポート16に対して遮断される。

0138

さらに、メインスプール24の移動量が寸法L2(L2>L3)以上になったときには、他側ランド24Bが切欠き24B1を介して環状溝71D内に連通するようになり、点線で示す特性線74に沿った開口量で出力ポート16が第1ポンプポート17(即ち、一次圧ポート)に対して連通される。

0139

即ち、メインスプール24は、第1受圧部28の先端部が閉塞栓22に当接した待機位置(初期状態)から、軸方向他側(フィードバック圧力室26側)ヘと移動していくときに、まず、パイロット圧力室25と第1タンクポート15とが絞り流路30を介して連通される。その後に、出力ポート16が第1タンクポート15から遮断され、最後に、出力ポート16と第1ポンプポート17とが連通される。

0140

かくして、このように構成される第4の実施の形態でも、メインスプール24の自励振動を抑制して、出力ポート16から安定した制御二次圧を出力することができ、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態によると、メインスプール挿入穴71の環状溝71Bは、その軸方向他側端面から一側ランド24Aの軸方向他側端面(即ち、切欠き24A1の底面)までの寸法L3が、他側ランド24Bの軸方向一側端面(即ち、切欠き24B1の底面)から環状溝71Dの軸方向一側端面までの寸法L2よりも小さくなる関係(L2>L3>L1)に設定している。

0141

これにより、メインスプール24に作用する制御一次圧(パイロット圧力)による油圧力F1、出力ポート16内の圧力(制御二次圧)による油圧力F2および第1戻しばね27による付勢力fを釣合わせ、メインスプール24の動きを安定させた状態(例えば、メインスプール24が実質的に静止した状態)では、図13に示すように、出力ポート16と第1タンクポート15とが遮断され、これと同時に第1ポンプポート17と出力ポート16とが遮断されるようになる。このため、出力ポート圧力(制御二次圧)を制御する際に、第1ポンプポート17から第1タンクポート15へ漏れ出す流量を低減することができる。

0142

なお、前記第4の実施の形態では、メインスプール挿入穴71の環状溝71A〜71Eのうち、例えば環状溝71B,71Dの形状(位置)を変えることにより、図12中に示す寸法L1〜L3を関係(L2>L3>L1)に設定する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばメインスプール24のランド24A,24Bの形状(軸方向長さ)を変えることにより、寸法L1〜L3を関係(L2>L3>L1)に設定する構成としてもよい。

0143

また、前記第1の実施の形態では、メインスプール24の一側ランド24Aに切欠き24A1を設け、他側ランド24Bには切欠き24B1を設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図15に示す変形例のように、メインスプール24の一側ランド24Aと他側ランド24Bとを切欠き(ノッチ)のない形状としてもよい。この場合、メインスプール24が図15に示す初期状態(待機位置)にあるときに、他側ランド24Bは、軸方向一側の端面が環状溝13Dの軸方向一側端面から寸法L2だけ離間した位置に配置される。一側ランド24Aは、軸方向他側の端面が環状溝13Bの軸方向他側端面から寸法L3だけ離間した位置に配置される構成とすればよい。このような変形例の構成は、第2〜第4の実施の形態でも同様に適用可能である。

0144

一方、前記各実施の形態では、パイロット圧力室25に制御一次圧を発生させる電磁弁装置31の電磁アクチュエータ32を電磁比例ソレノイドにより構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、電磁弁装置は、電気式操作装置(例えば、操作レバー装置10)の操作量に応じて増減される制御一次圧をパイロット圧力室25に発生できる構成であればよいものである。

0145

また、前記各実施の形態による減圧弁ユニット11A,11Bは、電磁弁装置31によりパイロット圧力室25内の制御一次圧を可変に制御する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば減圧弁型の油圧パイロット弁からなる遠隔操作装置を用いて、パイロット圧力室25内の制御一次圧を可変に制御する構成とすることも可能である。

0146

さらに、前記各実施の形態では、減圧弁ユニット11A,11Bを、大型の油圧ショベルに搭載される油圧シリンダ3の駆動用油圧回路に適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧モータ駆動用油圧回路に適用してもよい。また、可変容量型液圧回転機(油圧ポンプまたは油圧モータ)の傾転角制御を行う容量制御弁等にも適用できるものである。

0147

1油圧ポンプ
2タンク
3油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
4方向制御弁(コントロールバルブ)
4A,4B油圧パイロット部
5A,5Bパイロット管路
7パイロットポンプ
10操作レバー装置(電気式操作装置)
11A,11B減圧弁ユニット
12ハウジング
13,61,71メインスプール挿入穴(スプール穴)
13A〜13E,61A〜61E,71A〜71E環状溝
14電磁弁カートリッジ挿入穴
15 第1タンクポート(タンクポート)
16出力ポート
17 第1ポンプポート(一次圧ポート)
21スプール弁装置
24 メインスプール(スプール)
24A 一側ランド
24B 他側ランド
25パイロット圧力室
26フィードバック圧力室
27 第1戻しばね(弾性体)
28 第1受圧部
29 第2受圧部
30,51絞り流路
31電磁弁装置
32電磁アクチュエータ
33圧力制御弁
42制御圧管路
43 タンク管路

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社ブイテックスの「 ゲートバルブの制御方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】本発明は、ゲートバルブの状態を上位装置に伝達し、上位装置に対してゲートバルブを開閉させるための指令を調整させることを目的とする。【解決手段】ゲートバルブの制御方法は、上位装置からの開閉指令に基... 詳細

  • 京都機械工具株式会社の「 圧力調整システム及び圧力調整システム用プログラム」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】調整完了後の圧力値等の作業記録として必要な圧力値を自動的に記憶し、必要のない圧力値が記憶されることを抑制する。【解決手段】 ワークと着脱可能に接続される接続部と、前記接続部と連通する空間へ流... 詳細

  • ハーヴェーハイドローリックエスイーの「 比例油圧バルブ」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】低い背圧が高い公称圧力で達成され、同時に、十分な体積流量が、圧力接続部と、接続ポートまたはタンク接続部との間をそれぞれ流れることが可能な比例油圧バルブを提供する。【解決手段】バルブピストン5は... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ