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技術 FRP製形材及び橋梁

出願人 株式会社IHI東レ株式会社
発明者 岩崎初美松井孝洋近藤富士夫
出願日 2016年3月29日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-066830
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-179815
状態 特許登録済
技術分野 橋または陸橋
主要キーワード 山形材 許容せん断応力 炭素繊維強化プラスチック層 溝形材 許容引張応力度 高張力ボルト 繊維強化プラスチック層 トラス橋
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

FRPとは異質鋼材等の金属材に対してボルトリベット等の接合部材を用いて接合可能なFRP製形材及び該FRP製形材を用いた橋梁を提供する。

解決手段

ガラス繊維強化プラスチックGFRP)によって形成された本体部2と、本体部2の表面に炭素繊維強化プラスチック層31,32が配置された接合部3と、を備え、炭素繊維強化プラスチック層31,32は、本体部2の長手方向に対して平行な方向(0°)及び垂直な方向(90°)に加えて、平行な方向(0°)に対して±55〜65°の角度を有する方向に炭素繊維配向されている。

概要

背景

例えば、H形鋼山形鋼等の形鋼は、橋梁水門建築物海洋構造物プラント等の種々の鋼構造物に使用されている。これらの鋼構造物は、腐食によるメンテナンス耐震補強工事を行うことがある。例えば、橋梁の耐震補強工事を行う場合、河川に跨がる橋梁のように軟弱な地盤架設されている橋梁では、橋脚を太くすることが好ましいが、河川の阻害率の関係上、橋脚を太くすることができない場合がある。このような場合、橋脚の上に配置されている上物構造物の軽量化を図りたいというニーズがある。また、メンテナンスによる部品交換を行う場合に、重量物である形鋼を高所運搬接合することは、その準備及び作業に多大な工数を要することから、形鋼の軽量化を図りたいというニーズもある。

例えば、特許文献1に記載されたように、橋梁の主桁FRP製とすることが既に提案されている。FRP(繊維強化プラスチック:Fiber Reinforced Plastics)は、軽量で耐食性に優れており、FRPを用いた橋梁等は、施工が容易であるとともに、耐久性に優れていることは既に公知である。

概要

FRPとは異質鋼材等の金属材に対してボルトリベット等の接合部材を用いて接合可能なFRP製形材及び該FRP製形材を用いた橋梁を提供する。ガラス繊維強化プラスチックGFRP)によって形成された本体部2と、本体部2の表面に炭素繊維強化プラスチック層31,32が配置された接合部3と、を備え、炭素繊維強化プラスチック層31,32は、本体部2の長手方向に対して平行な方向(0°)及び垂直な方向(90°)に加えて、平行な方向(0°)に対して±55〜65°の角度を有する方向に炭素繊維配向されている。

目的

本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、FRPとは異質の鋼材等の金属材に対してボルトやリベット等の接合部材を用いて接合可能なFRP製形材及び該FRP製形材を用いた橋梁を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

金属材接合部材を用いて接続され得るFRP形材において、ガラス繊維強化プラスチックによって形成された本体部と、前記本体部の表面に炭素繊維強化プラスチック層が配置された接合部と、を備え、前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記本体部の長手方向に対して平行な方向及び垂直な方向に加えて、前記平行な方向に対して±55〜65°の角度を有する方向に繊維が配向されている、ことを特徴とするFRP製形材。

請求項2

前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記本体部の長手方向に対して平行な方向及び垂直な方向に炭素繊維を編んだシートを含む第一繊維層と、前記平行な方向に対して±55〜65°の角度を有する方向に炭素繊維を編んだシートを含む第二繊維層と、を有することを特徴とする請求項1に記載のFRP製形材。

請求項3

前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記平行な方向に配向される炭素繊維の重量比率が、他の方向に配向される炭素繊維の重量比率よりも大きく設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のFRP製形材。

請求項4

前記炭素繊維強化プラスチック層は、マトリックス内に骨材が含有されている、ことを特徴とする請求項1に記載のFRP製形材。

請求項5

前記骨材は、前記マトリックスを構成する樹脂よりも高圧縮強度の素材により形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載のFRP製形材。

請求項6

前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記本体部を構成するガラス繊維強化プラスチックと一体に形成されている又は別体に形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のFRP製形材。

請求項7

前記接合部は、前記本体部を構成するガラス繊維強化プラスチックと一体に形成された第一炭素繊維強化プラスチック層と、前記本体部を構成するガラス繊維強化プラスチックと別体に形成された第二炭素繊維強化プラスチック層と、を有することを特徴とする請求項1に記載のFRP製形材。

請求項8

請求項1〜7の何れか一項に記載のFRP製形材を含む、ことを特徴とする橋梁

技術分野

0001

本発明は、FRP形材及び橋梁に関し、特に、ボルトリベット等の接合部材を用いた接合に適したFRP製形材及び該FRP製形材を用いた橋梁に関する。

背景技術

0002

例えば、H形鋼山形鋼等の形鋼は、橋梁、水門建築物海洋構造物プラント等の種々の鋼構造物に使用されている。これらの鋼構造物は、腐食によるメンテナンス耐震補強工事を行うことがある。例えば、橋梁の耐震補強工事を行う場合、河川に跨がる橋梁のように軟弱な地盤架設されている橋梁では、橋脚を太くすることが好ましいが、河川の阻害率の関係上、橋脚を太くすることができない場合がある。このような場合、橋脚の上に配置されている上物構造物の軽量化を図りたいというニーズがある。また、メンテナンスによる部品交換を行う場合に、重量物である形鋼を高所運搬し接合することは、その準備及び作業に多大な工数を要することから、形鋼の軽量化を図りたいというニーズもある。

0003

例えば、特許文献1に記載されたように、橋梁の主桁をFRP製とすることが既に提案されている。FRP(繊維強化プラスチック:Fiber Reinforced Plastics)は、軽量で耐食性に優れており、FRPを用いた橋梁等は、施工が容易であるとともに、耐久性に優れていることは既に公知である。

先行技術

0004

特開2013−194421号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載された発明は、FRP製の主桁(ビーム)は、成形上及び運搬上の観点から所定の長さに制限され、大型の構造物ではFRP製ビームを接合して使用する必要があることから、その接合部の力学特性の低下を抑制するために創案されたものである。

0006

かかる発明は同質のFRP製ビームを接合することに着目しているが、橋梁等の大型構造物では全ての部品をFRP製とすることは現実的でない場合や部品交換の際には部分的にFRP製の形材を使用する必要がある。この場合、鋼材とFRP製形材とは異質の部品であることから、特許文献1に記載された発明をそのまま使用することができない。

0007

本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、FRPとは異質の鋼材等の金属材に対してボルトやリベット等の接合部材を用いて接合可能なFRP製形材及び該FRP製形材を用いた橋梁を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明によれば、金属材に接合部材を用いて接続され得るFRP製形材において、ガラス繊維強化プラスチックによって形成された本体部と、前記本体部の表面に炭素繊維強化プラスチック層が配置された接合部と、を備え、前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記本体部の長手方向に対して平行な方向及び垂直な方向に加えて、前記平行な方向に対して±55〜65°の角度を有する方向に炭素繊維配向されている、ことを特徴とするFRP製形材が提供される。

0009

前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記本体部の長手方向に対して平行な方向及び垂直な方向に炭素繊維を編んだシートを含む第一繊維層と、前記平行な方向に対して±55〜65°の角度を有する方向に炭素繊維を編んだシートを含む第二繊維層と、を有していてもよい。

0010

前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記平行な方向に配向される炭素繊維の重量比率が、他の方向に配向される炭素繊維の重量比率よりも大きく設定されていてもよい。

0011

前記炭素繊維強化プラスチック層は、マトリックス内に骨材が含有されていてもよい。さらに、前記骨材は、前記マトリックスを構成する樹脂よりも高圧縮強度の素材により形成されていてもよい。

0012

前記炭素繊維強化プラスチック層は、前記本体部を構成するガラス繊維強化プラスチックと一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。

0013

前記接合部は、前記本体部を構成するガラス繊維強化プラスチックと一体に形成された第一炭素繊維強化プラスチック層と、前記本体部を構成するガラス繊維強化プラスチックと別体に形成された第二炭素繊維強化プラスチック層と、を有していてもよい。

0014

上述したFRP製形材は、例えば、橋梁に使用される。

発明の効果

0015

本発明に係るFRP製形材によれば、FRPとは異質の鋼材等の金属材に対してボルトやリベット等の接合部材を用いて接合する場合であっても、亀裂を生じ難くすることができ、耐久性の高いFRP製形材を提供することができる。また、かかるFRP製形材を橋梁に使用することにより、橋梁の軽量化を図ることができ、メンテナンスや耐震補強工事の工数の低減を図ることができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施形態に係るFRP製形材を示す断面図であり、(a)は第一実施形態、(b)は第二実施形態、(c)は第三実施形態、(d)は第四実施形態、を示している。
本発明の実施形態に係るFRP製形材を示す側面図であり、(a)は第二実施形態、(b)は第四実施形態、を示している。
炭素繊維強化プラスチック層における炭素繊維の配向性を示す説明図であり、(a)は接合部に生じる応力を示す概念図、(b)は炭素繊維が配向された方向を示す平面図、である。
炭素繊維強化プラスチック層の断面図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例、を示している。
FRP製形材を使用した橋梁を示す図であり、(a)は側面図、(b)は図5(a)におけるB−B矢視断面図、である。

実施例

0017

以下、本発明の実施形態について図1(a)〜図5(b)を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態に係るFRP製形材を示す断面図であり、(a)は第一実施形態、(b)は第二実施形態、(c)は第三実施形態、(d)は第四実施形態、を示している。図2は、本発明の実施形態に係るFRP製形材を示す側面図であり、(a)は第二実施形態、(b)は第四実施形態、を示している。図3は、炭素繊維強化プラスチック層における炭素繊維の配向性を示す説明図であり、(a)は接合部に生じる応力を示す概念図、(b)は炭素繊維が配向された方向を示す平面図、である。図4は、炭素繊維強化プラスチック層の断面図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例、を示している。

0018

図1(a)〜図1(d)に示した実施形態に係るFRP製形材1は、金属材Sに接合部材Bを用いて接続され得るFRP製形材であって、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)によって形成された本体部2と、本体部2の表面に炭素繊維強化プラスチック層31,32が配置された接合部3と、を備え、炭素繊維強化プラスチック層31,32は、本体部2の長手方向に対して平行な方向(0°)及び垂直な方向(90°)に加えて、平行な方向(0°)に対して±55〜65°の角度を有する方向に炭素繊維が配向されている。

0019

図1(a)〜図1(d)に示したFRP製形材1は、何れもH形材の場合を図示しているが、本実施形態に係るFRP製形材1は、H形材に限定されるものではない。例えば、FRP製形材1は、I形材T形材山形材溝形材Z形材平材等の形材であってもよい。また、これらの実施形態に係るFRP製形材1は、鋼材等の金属材Sとの接合に適したFRP製形材を提供するものであるが、FRP製形材1同士を接合する場合に使用してもよい。

0020

本体部2は、例えば、図1(a)に示したように、一本のウェブ21と、その両端に配置された一対のフランジ22と、を有している。第一実施形態に係るFRP製形材1は、フランジ22に接合部3が形成される。フランジ22の各表面には、炭素繊維強化プラスチック層31が、本体部2を構成するガラス繊維強化プラスチックと一体に形成されている。炭素繊維強化プラスチックは、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)と呼ばれることもある。

0021

かかる炭素繊維強化プラスチック層31は、例えば、本体部2を成形する際に、所望の炭素繊維シートを積層してマトリックス材含浸させることによって形成される。このように、炭素繊維強化プラスチック層31を本体部2と一体に形成することにより、FRP製形材1の製造工程の簡略化を図ることができる。

0022

図1(b)に示した第二実施形態に係るFRP製形材1は、図1(a)に示したFRP製形材1に加えて、ウェブ21にも接合部3が形成されたものである。ウェブ21の接合部3は、炭素繊維強化プラスチック層32により構成される。図2(a)に示したように、ウェブ21の接合部3は、例えば、FRP製形材1の長手方向の両端部に配置されることから、長手方向の一部分にのみ炭素繊維強化プラスチック層32が形成される。なお、図2(a)及び図2(b)において、説明の便宜上、金属材S及び接合部材Bの図を省略してある。

0023

フランジ22に一体に形成された炭素繊維強化プラスチック層31は、例えば、図2(a)に示したように、長手方向の全域に渡って形成してもよい。また、図示しないが、接合部3の位置が予め定まっている場合には、フランジ22の長手方向の一部分にのみ炭素繊維強化プラスチック層31を形成するようにしてもよい。

0024

一方、炭素繊維強化プラスチック層32は、例えば、本体部2を構成するガラス繊維強化プラスチックと別体に形成される。具体的には、炭素繊維強化プラスチック層32は、炭素繊維強化プラスチックシートにより構成され、接着剤によってウェブ21の表面に配置される。このように、炭素繊維強化プラスチック層32を本体部2と別体に形成することにより、接合強度を向上させたい部分にのみ炭素繊維強化プラスチック層32を形成することができ、利便性の向上及びコストダウンを容易に図ることができる。なお、図中の開口部33は、ボルト等の接合部材を挿通する孔である。

0025

図1(c)に示した第三実施形態に係るFRP製形材1は、図1(b)に示したフランジ22の炭素繊維強化プラスチック層31を、ウェブ21の炭素繊維強化プラスチック層32と同様に、本体部2を構成するガラス繊維強化プラスチックと別体に形成したものである。このように、フランジ22と別体に炭素繊維強化プラスチック層32を形成したことにより、接合部3の必要な箇所にのみ炭素繊維強化プラスチック層32を配置することができる。

0026

図1(d)に示した第四実施形態に係るFRP製形材1は、図1(b)に示したフランジ22の炭素繊維強化プラスチック層31に加えて、本体部2を構成するガラス繊維強化プラスチックと別体に形成した炭素繊維強化プラスチック層32を二重に配置したものである。すなわち、フランジ22の接合部3は、本体部2を構成するガラス繊維強化プラスチックと一体に形成された第一炭素繊維強化プラスチック層(炭素繊維強化プラスチック層31)と、本体部2を構成するガラス繊維強化プラスチックと別体に形成された第二炭素繊維強化プラスチック層(炭素繊維強化プラスチック層32)と、を有している。

0027

本実施形態では、例えば、図2(b)に示したように、第一炭素繊維強化プラスチック層(炭素繊維強化プラスチック層31)はFRP製形材1の長手方向の全域に渡って形成され、第二炭素繊維強化プラスチック層(炭素繊維強化プラスチック層32)はFRP製形材1の長手方向の一部分(接合部3に必要な箇所)に形成される。このように、二重に炭素繊維強化プラスチック層31,32を配置することにより、接合部3の強度を容易に向上させることができる。

0028

なお、図示しないが、本体部2を構成するガラス繊維強化プラスチックと別体に形成された炭素繊維強化プラスチック層32を複数に重ねて配置してもよいし、ウェブ21の接合部3に炭素繊維強化プラスチック層32を複数に重ねて配置してもよい。

0029

次に、炭素繊維強化プラスチック層31,32における炭素繊維の配向性について、図3(a)及び図3(b)を参照しつつ説明する。ここで、図3(a)は、試験片4として平材の鋼材を使用し、長手方向を図中の0°方向(水平方向)に配置し、横幅方向を図中の90°方向(鉛直方向)に配置したものである。また、試験片4の略中央部にはボルトを挿通するための開口部41が形成されている。

0030

かかる試験片4は、自重により中央部が下方に撓むことから、試験片4の上部には圧縮応力ρcが作用し、試験片4の下部には引張応力ρtが作用することとなり、試験片4には曲げモーメントが生じることとなる。また、試験片4にはせん断応力τも生じる。また、開口部41に高張力ボルトを接合した場合には、開口部41の周辺支圧域(図中の斜線で示した領域)が生じる。

0031

本発明者らは、これらの力の作用によって、開口部41の周辺には0°方向を基準として±30°方向に亀裂Kが生じやすいことを突き止めた。かかる事象は、試験片4(本体部2のウェブ22に相当)に接合されるボルト(接合部材Bに相当)に作用するボルト力による影響が大きいものと推察される。ここで、試験片4の開口部41にボルトが接合された場合、ボルトには、上述した曲げモーメントによる水平方向のボルト力と上述したせん断応力τによる鉛直方向のボルト力との二種類のボルト力が作用し、これらの合力方向に合成ボルト力が作用することとなる。そして、この合成ボルト力方向に亀裂Kが生じるものと考えられる。

0032

例えば、試験片4が鋼材(SS400)により形成されている場合、水平方向のボルト力に対する許容引張応力度σaは140N/mm2、鉛直方向のボルト力に対する許容せん断応力度τaは80N/mm2である。この値から亀裂Kが生じる方向を計算すれば、tan−1(τa/σa)=tan−1(80/140)=29.7°と求められる。すなわち、合成ボルト力は、水平方向(0°方向)に対して約30°方向に作用するものと推定される。

0033

FRPは、脆弱性を有する方向に対して垂直な方向に繊維を配向することによって、強度を向上させることができる。そこで、上述した実施形態に示した炭素繊維強化プラスチック層31,32において、図3(b)に示したように、炭素繊維を0°方向を基準として±60°方向に配向させている。また、FRP製形材1の強度を向上させるために、一般的なFRPと同様に、炭素繊維を0°方向(長手方向に対して平行な方向)及び90°方向(長手方向に対して垂直な方向)にも炭素繊維を配向することが好ましい。なお、図3(b)において、炭素繊維強化プラスチック層31,32に配向された炭素繊維を点線で図示している。

0034

ここで、図3(b)に示した実施形態では、炭素繊維を配向させる方向を+60°及び−60°に設定しているが、±5°程度の差異は亀裂の進展を抑制する効果及び製造誤差等を考慮すれば許容することができる。したがって、炭素繊維を配向させる方向は、実質的に、+55〜+65°の範囲及び−65°〜−55°の範囲に設定される。

0035

かかるFRP製形材1によれば、FRPとは異質の鋼材等の金属材Sに対してボルトやリベット等の接合部材Bを用いて接合する場合であっても、亀裂Kを生じ難くすることができ、耐久性の高いFRP製形材1を提供することができる。

0036

また、炭素繊維強化プラスチック層31,32において、0°方向(長手方向に対して平行な方向)、90°方向(長手方向に対して垂直な方向)、±60°方向(平行な方向に対して±60°の角度を有する方向)に配向された炭素繊維の重量比率は、例えば、それぞれ50%、25%、25%である。FRP製形材1は、長手方向を水平に配置して使用されることが多く、FRP製形材1は下方に撓みやすい。

0037

したがって、FRP製形材1は長手方向(0°方向)に亀裂を生じやすいことから、長手方向(0°方向)に配向される炭素繊維の重量比率は、他の方向に配向される炭素繊維の重量比率よりも大きく設定することが好ましい。なお、上述した重量比率の数値は単なる一例であり、かかる配分に限定されるものではない。

0038

次に、炭素繊維強化プラスチック層31,32の内部構造について、図4(a)〜図4(c)を参照しつつ説明する。ここで、図4(a)〜図4(c)は、炭素繊維強化プラスチック層31,32の断面図を図示したものである。各図において、灰色に塗り潰した部分はマトリックス3m(母材)を示している。マトリックス3mには、例えば、不飽和ポリエステル樹脂エポキシ樹脂メチルメタアクリレート樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂ナイロンポリエチレン等の熱可塑性樹脂等が用いられる。また、マトリックス3mとして、ガラス繊維強化プラスチックを用いるようにしてもよい。なお、マトリックス3mの素材は、用途等に応じて任意に選択することができる。

0039

炭素繊維強化プラスチック層31,32は、例えば、図4(a)に示した第一例のように、本体部2の長手方向に対して平行な方向(0°方向)及び垂直な方向(90°方向)に炭素繊維を編んだシートを含む第一繊維層3aと、本体部2の長手方向に対して平行な方向(0°方向)に対して±60°の角度を有する方向に炭素繊維を編んだシートを含む第二繊維層3bと、を有している。図中、第一繊維層3aを点線で示し、第二繊維層3bを一点鎖線で示している。

0040

このように、0°方向及び90°方向に編んだシートと±60°方向に編んだシートとに分けることによって、各シートを容易に製造することができ、炭素繊維強化プラスチック層31,32の成形時に各シートを交互にマトリックス3m中に含浸させるだけでよく、炭素繊維強化プラスチック層31,32を効率よく成形することができる。

0041

また、第一繊維層3a及び第二繊維層3bは、例えば、マトリックス3m中に交互に配置される。また、炭素繊維強化プラスチック層31,32は、長手方向(0°方向)の強度を高くする必要があることから、第一繊維層3aの積層数を第二繊維層3bの積層数よりも多くすることが好ましい。図4(a)では、第一繊維層3aを三層、第二繊維層3b二層に積層しているが、かかる積層数に限定されるものではない。

0042

なお、炭素繊維強化プラスチック層31,32を形成するシートは、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、0°方向、90°方向及び±60°方向の炭素繊維を全て一枚のシートに編み込むようにしてもよい。また、+60°方向とそれに垂直な方向(−30°方向)とに編み込んだシートと、−60°方向とそれに垂直な方向(+30°方向)とに編み込んだシートと、を用いて、+60°方向と−60°方向とを別々のシートにより構成するようにしてもよい。

0043

また、炭素繊維強化プラスチック層31,32は、例えば、図4(b)に示した第二例のように、マトリックス3m内に骨材3cが含有されていてもよい。骨材3cは、例えば、金属粒石粒であり、マトリックス3mを構成する樹脂よりも高圧縮強度の素材により形成される。かかる骨材3cをマトリックス3mに含有させることにより、炭素繊維強化プラスチック層31,32の接合強度を向上させることができる。なお、骨材3cは、複数種類の骨材3cを混合させて含有させるようにしてもよい。

0044

骨材3cの粒径は、例えば、1.0mm以下、好ましくは、0.2mm以下に設定される。また、骨材3cのマトリックス3mに対する重量比率は、例えば、0〜10%の範囲内、好ましくは、0〜5%の範囲内に設定される。また、骨材3cは、例えば、マトリックス3mを構成する樹脂よりも高圧縮強度の素材を破砕又は粉砕することによって形成される。

0045

また、骨材3cは、例えば、図4(b)に図示したように、マトリックス3m内に分散させるようにしてもよいし、図4(c)に図示したように、マトリックス3m内に層状に配置するようにしてもよい。図4(c)に示した第三例のように、骨材3cを層状に配置するには、第一繊維層3a及び第二繊維層3bを構成するシートをマトリックス3m内に含浸させた後、各シート上に骨材3cを散布するようにすればよい。

0046

次に、上述したFRP製形材1を使用した橋梁5について説明する。ここで、図5は、FRP製形材を使用した橋梁を示す図であり、(a)は側面図、(b)は図5(a)におけるB−B矢視断面図、である。

0047

図示した橋梁5は、いわゆるトラス橋である。かかるトラス橋は、橋脚51上に支承52を介してトラス構造物が載置されている。トラス構造物は、図5(a)に示したように、下弦材53、上弦材54、斜材55等の構造材によって左右一対トラス構造が形成され、横桁56、上横構57、支材(図示せず)、下横構(図示せず)等の構造材によって左右のトラス構造が連結される。また、横桁56には、長手方向に縦桁58が配置されており、その上に床版59が配置される。

0048

図5(b)に示したように、上横構57は、上弦材54の側面に固定された接続金具ボルト接合されることが多い。上述したトラス構造物は一般に鋼材によって形成されているが、橋梁5は河川域に建造されることが多く、鋼材が腐食しやすい。したがって、上横構57等の鋼材はメンテナンス時に交換する必要がある。また、近年、橋梁の分野においても耐震補強工事の必要性が求められており、河川の阻害率等の観点からトラス構造物の軽量化が求められる場合もある。

0049

そこで、例えば、上横構57に上述したFRP製形材1を使用することにより、橋梁5(トラス構造物)の軽量化を図ることができ、メンテナンスや耐震補強工事の工数の低減を図ることができる。特に、高所に配置される構造材にFRP製形材1を使用することにより、構造材を高所に運搬する工数を低減したり、作業性の向上を図ったりすることができる。また、トラス構造物の軽量化を図ることにより、耐震補強工事の際に橋脚51を太くする必要がなく、トラス構造物の軽量化そのものが耐震補強工事の一部を担うことができる。

0050

なお、FRP製形材1は、上横構57への使用に限定されるものではなく、下弦材53、上弦材54、斜材55、横桁56、支材、下横構、縦桁58等、トラス構造物を構成する全ての構造材に使用することができる。

0051

本発明は上述した実施形態に限定されず、FRP製形材1は、トラス橋以外の橋梁、水門、建築物、海洋構造物、プラント等の形材を使用した様々な構造物に使用することができる等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。

0052

1FRP製形材
2 本体部
3接合部
3a 第一繊維層
3b 第二繊維層
3c骨材
3mマトリックス
4試験片
5橋梁
21ウェブ
22フランジ
31,32炭素繊維強化プラスチック層
33,41 開口部
51橋脚
52 支承
53下弦材
54上弦材
55斜材
56横桁
57上横構
58縦桁
59 床版

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