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技術 コンクリート構造物の腐食抑制構造

出願人 株式会社ピーエス三菱
発明者 鴨谷知繁石井浩司鳥居和之
出願日 2016年3月31日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-070666
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-179526
状態 特許登録済
技術分野 建築環境 電気防食 橋または陸橋
主要キーワード ジャッキ作用 手前側開口 取り換え作業 凍結防止材 密閉体 薄板円盤状 カットアンカー 設置穴
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

流電陽極方式による腐食抑制法において、床版下面側からの施工が可能であって、鉄筋に対する陽極の適量配置ができ、且つ、流電陽極の取付け交換が容易なコンクリート構造物の腐食抑制構造の提供。

解決手段

コンクリート部1の被腐食抑制鋼材2から離れた側の表面1aに開口した陽極設置穴3,3...と、陽極設置穴3に嵌合される充填体4と、充填体4内に埋設された流電陽極5とを備え、流電陽極5が陽極設置穴3の奥側まで差し込まれるようにし、流電陽極5と被腐食抑制鋼材2との電位差を利用して被腐食抑制鋼材2に電流を供給して鉄筋コンクリート床版1の腐食を抑制するものである。

概要

背景

例えば、高架道路橋梁等を構成する鉄筋コンクリート床版コンクリート箱桁ウェブ部、地中構造物を構成するボックスカルバート等のように、鉄筋等の鋼材埋設された厚みのあるコンクリート部を有するコンクリート構造物では、コンクリートの中性化、コンクリートの材料に含まれる塩分、外部からの飛来塩分凍結防止材等の影響(塩害)によって内部鋼材が腐食し、コンクリート構造物の劣化を招く場合がある。

従来、このような鉄筋等の鋼材の腐食対策には、鋼材に電流を供給することにより鉄筋等の鋼材(以下、被腐食抑制鋼材という)の腐食を抑制する方法が知られており、電流の供給方式によって外部電源方式流電陽極方式とに大別されている。

外部電源方式は、コンクリート表面又はコンクリート内部にチタン等からなる不溶性陽極を設置し、この不溶性陽極と陰極を成す鉄筋との間に直流電源装置を接続し、鉄筋に不溶性陽極から電流を供給するものであって、電流量を調節でき、長期の防食性にも優れていることから、従来、鉄筋コンクリート造構造物防食工法に多く用いられている。

しかし、この種の外部電源方式による防食工法は、外部電源装置やその制御装置等を必要とする為、設備費が高価であるとともに、その維持管理費も嵩むという問題があった。

それに対し、流電陽極方式のものは、被腐食抑制鋼材に比べて酸化還元電位の低い亜鉛アルミニウム等からなる流電陽極をコンクリート表面部に設置し、この流電陽極と鉄筋との電位差を利用して鉄筋に電流を供給するものであって、発生する電流量は小さいが、十分な腐食抑制効果が期待でき、且つ、外部電源等が不要で導入費用維持管理費用が安価であることから、この方式による腐食抑制工法コンクリート床版、コンクリート箱桁、ボックスカルバート等の各種コンクリート構造物への適用が望まれている。

一方、コンクリート構造物の腐食抑制構造では、被腐食抑制鋼材が埋設されたコンクリート部に対する陽極の配置によって、面状陽極方式、線状陽極方式及び点状陽極方式に分類されている。

面状陽極方式は、シート状又は網状に形成された陽極材をコンクリート部の表面に敷設するものであり、線状陽極方式では、コンクリート部表面に複数の溝を形成し、その溝に線状の陽極材が埋め込まれている。

また、点状陽極方式は、鉄筋量に応じてコンクリートに複数の穴を設け、そこに陽極を挿入した後、当該穴をセメント系のモルタル等によって埋め戻し、陽極をコンクリート内に設置するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。

概要

流電陽極方式による腐食抑制法において、床版下面側からの施工が可能であって、鉄筋に対する陽極の適量配置ができ、且つ、流電陽極の取付け交換が容易なコンクリート構造物の腐食抑制構造の提供。コンクリート部1の被腐食抑制鋼材2から離れた側の表面1aに開口した陽極設置穴3,3...と、陽極設置穴3に嵌合される充填体4と、充填体4内に埋設された流電陽極5とを備え、流電陽極5が陽極設置穴3の奥側まで差し込まれるようにし、流電陽極5と被腐食抑制鋼材2との電位差を利用して被腐食抑制鋼材2に電流を供給して鉄筋コンクリート床版1の腐食を抑制するものである。

目的

それに対し、流電陽極方式のものは、被腐食抑制鋼材に比べて酸化還元電位の低い亜鉛、アルミニウム等からなる流電陽極をコンクリート表面部に設置し、この流電陽極と鉄筋との電位差を利用して鉄筋に電流を供給するものであって、発生する電流量は小さいが、十分な腐食抑制効果が期待でき、且つ、外部電源等が不要で導入費用や維持管理費用が安価であることから、この方式による腐食抑制工法のコンクリート床版、コンクリート箱桁、ボックスカルバート等の各種コンクリート構造物への適用が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

腐食抑制鋼材埋設されている厚みのあるコンクリート部を有するコンクリート構造物にあって、前記コンクリート部内に設置される流電陽極と前記被腐食抑制鋼材との電位差を利用して被腐食抑制鋼材に電流を供給するようにしてなるコンクリート構造物の腐食抑制構造において、前記コンクリート部の前記被腐食抑制鋼材から離れた側の表面に開口し、前記被腐食抑制鋼材の近傍にまで至る陽極設置穴と、該陽極設置穴に嵌合される充填体と、該充填体内に埋設された前記流電陽極とを備え、該流電陽極が前記陽極設置穴の奥側まで差し込まれていることを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の腐食抑制構造。

請求項2

前記流電陽極を支持する陽極用芯材と、前記陽極設置穴の奥側底部に埋設されたアンカー部材とを備え、前記陽極用芯材に前記アンカー部材と螺合するネジ部を備え、前記コンクリート部に前記流電陽極及び前記充填体が着脱可能に固定されるようにした請求項1に記載のコンクリート構造物の腐食抑制構造。

請求項3

前記陽極設置穴内、且つ、前記流電陽極の外側に絶縁体からなる絶縁被覆体を備えている請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の腐食抑制構造。

請求項4

前記陽極設置穴の手前側開口部に嵌合され、該手前側開口部を密閉する密閉体を備えている請求項1〜3の何れか1に記載のコンクリート構造物の腐食抑制構造。

技術分野

0001

本発明は、高架道路橋梁等を構成する鉄筋コンクリート床版箱桁地中埋設されたボックスカルバート等の鉄筋等の鋼材が埋設されたコンクリート構造物腐食抑制構造に関する。

背景技術

0002

例えば、高架道路や橋梁等を構成する鉄筋コンクリート床版やコンクリート箱桁のウェブ部、地中構造物を構成するボックスカルバート等のように、鉄筋等の鋼材が埋設された厚みのあるコンクリート部を有するコンクリート構造物では、コンクリートの中性化、コンクリートの材料に含まれる塩分、外部からの飛来塩分凍結防止材等の影響(塩害)によって内部鋼材が腐食し、コンクリート構造物の劣化を招く場合がある。

0003

従来、このような鉄筋等の鋼材の腐食対策には、鋼材に電流を供給することにより鉄筋等の鋼材(以下、被腐食抑制鋼材という)の腐食を抑制する方法が知られており、電流の供給方式によって外部電源方式流電陽極方式とに大別されている。

0004

外部電源方式は、コンクリート表面又はコンクリート内部にチタン等からなる不溶性陽極を設置し、この不溶性陽極と陰極を成す鉄筋との間に直流電源装置を接続し、鉄筋に不溶性陽極から電流を供給するものであって、電流量を調節でき、長期の防食性にも優れていることから、従来、鉄筋コンクリート造構造物防食工法に多く用いられている。

0005

しかし、この種の外部電源方式による防食工法は、外部電源装置やその制御装置等を必要とする為、設備費が高価であるとともに、その維持管理費も嵩むという問題があった。

0006

それに対し、流電陽極方式のものは、被腐食抑制鋼材に比べて酸化還元電位の低い亜鉛アルミニウム等からなる流電陽極をコンクリート表面部に設置し、この流電陽極と鉄筋との電位差を利用して鉄筋に電流を供給するものであって、発生する電流量は小さいが、十分な腐食抑制効果が期待でき、且つ、外部電源等が不要で導入費用維持管理費用が安価であることから、この方式による腐食抑制工法コンクリート床版、コンクリート箱桁、ボックスカルバート等の各種コンクリート構造物への適用が望まれている。

0007

一方、コンクリート構造物の腐食抑制構造では、被腐食抑制鋼材が埋設されたコンクリート部に対する陽極の配置によって、面状陽極方式、線状陽極方式及び点状陽極方式に分類されている。

0008

面状陽極方式は、シート状又は網状に形成された陽極材をコンクリート部の表面に敷設するものであり、線状陽極方式では、コンクリート部表面に複数の溝を形成し、その溝に線状の陽極材が埋め込まれている。

0009

また、点状陽極方式は、鉄筋量に応じてコンクリートに複数の穴を設け、そこに陽極を挿入した後、当該穴をセメント系のモルタル等によって埋め戻し、陽極をコンクリート内に設置するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。

先行技術

0010

特表平8−511581号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、この種のコンクリート構造物の腐食抑制構造の施工にあっては、コンクリート構造物の構造上或いは使用状況等によって、鉄筋等の被腐食抑制鋼材が埋設されたコンクリート部に対して流電陽極の設置作業を行える方向が制限される場合がある。

0012

例えば、コンクリート床版にあっては、高架道路や橋梁等の施設共用中の場合、床版上面からの施工が困難であることから、陽極の設置作業が床版下面側からに制限される。

0013

また、コンクリート箱桁にあっては、箱部、特に、ウェブ部の外側から作業する場合、足場を設ける必要があり、その場合には、足場の設置に費用が嵩む、箱桁位置が高所であると風雨の影響が大きい、足場設置のためのアンカー材等を新たに設けなければならない等の諸問題が生じ、また、場所によっては足場の設置自体が困難な場合があることから、陽極の設置作業が足場を用いずに施工可能な箱部内側からに制限される場合がある。

0014

また、地中に埋設されたボックスカルバート等にあっては、当然のことながら、陽極の設置作業が内面側からに制限される。

0015

このような場合、従来の流電陽極方式の腐食抑制構造では、流電陽極をコンクリート部の施工可能側表面部に設置又はその表面より近い位置に埋設せざるを得ないため、被腐食抑制鋼材がコンクリー部の流電陽極とは逆側に配置されている場合、流電陽極と被腐食抑制鋼材との距離が大きいため、被腐食抑制鋼材に対する十分な防食効果が得られないおそれがあった。

0016

一方、流電陽極方式において点状陽極方式を採用する場合には、必要な電流量を確保する為に数多くの陽極を設置する必要があり、その分、陽極を埋め込むための削孔作業や埋め戻しに多大な労力を要するという問題があった。

0017

また、従来の点状陽極方式による腐食抑制構造では、コンクリート部に被腐食抑制鋼材とは異なる鉄筋等の金属材が埋設されている場合、陽極から流れる電流が当該その他の金属材に優先的に供給され、対象となる被腐食抑制鋼材へ十分に供給されないおそれがあった。

0018

更に、従来の構造では、陽極埋設用の溝や穴をセメント系のモルタル等によって埋め戻すため、流電陽極が消耗した際、流電陽極を取り出す為にコンクリートを切削しなければならず、流電陽極の取り換え作業が困難であるという問題もあった。

0019

そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、流電陽極方式による腐食抑制工法において、被腐食抑制鋼材から離れた側の面側からの施工が可能であって、被腐食抑制鋼材に対する陽極の適量配置ができ、且つ、流電陽極の取付け交換が容易なコンクリート構造物の腐食抑制構造の提供を目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0020

上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、被腐食抑制鋼材が埋設されている厚みのあるコンクリート部を有するコンクリート構造物にあって、前記コンクリート部内に設置される流電陽極と前記被腐食抑制鋼材との電位差を利用して被腐食抑制鋼材に電流を供給するようにしてなるコンクリート構造物の腐食抑制構造において、前記コンクリート部の前記被腐食抑制鋼材から離れた側の表面に開口し、前記被腐食抑制鋼材の近傍にまで至る陽極設置穴と、該陽極設置穴に嵌合される充填体と、該充填体内に埋設された前記流電陽極とを備え、該流電陽極が前記陽極設置穴の奥側まで差し込まれているコンクリート構造物の腐食抑制構造にある。

0021

請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記流電陽極を支持する陽極用芯材と、前記陽極設置穴の奥側底部に埋設されたアンカー部材とを備え、前記陽極用芯材に前記アンカー部材と螺合するネジ部を備え、前記コンクリート部に前記流電陽極及び前記充填体が着脱可能に固定されるようにしたことにある。

0022

請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記陽極設置穴内、且つ、前記流電陽極の外側に絶縁体からなる絶縁被覆体を備えていることにある。

0023

請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか1の構成に加え、前記陽極設置穴の手前側開口部に嵌合され、該手前側開口部を密閉する密閉体を備えていることにある。

発明の効果

0024

本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造は、上述したように、被腐食抑制鋼材が埋設されている厚みのあるコンクリート部を有するコンクリート構造物にあって、前記コンクリート部内に設置される流電陽極と前記被腐食抑制鋼材との電位差を利用して被腐食抑制鋼材に電流を供給するようにしてなるコンクリート構造物の腐食抑制構造において、前記コンクリート部の前記被腐食抑制鋼材から離れた側の表面に開口し、前記被腐食抑制鋼材の近傍にまで至る陽極設置穴と、該陽極設置穴に嵌合される充填体と、該充填体内に埋設された前記流電陽極とを備え、該流電陽極が前記陽極設置穴の奥側まで差し込まれていることにより、コンクリート部に対する陽極設置作業方向が制限される場合にあっても、流電陽極を点状配置することができる。

0025

また、本発明において、前記流電陽極を支持する陽極用芯材と、前記陽極設置穴の奥側底部に埋設されたアンカー部材とを備え、前記陽極用芯材に前記アンカー部材と螺合するネジ部を備え、前記コンクリート部に前記流電陽極及び前記充填体が着脱可能に固定されるようにしたことにより、流電陽極及び充填体の鉄筋コンクリート床版に対する着脱を容易に行え、設置・交換作業を効率良く行うことができる。

0026

更に、本発明において、前記陽極設置穴内、且つ、前記流電陽極の外側に絶縁体からなる絶縁被覆体を備えていることにより、コンクリート部内に被腐食抑制鋼材よりも陽極設置穴の開口側に被腐食抑制鋼材とは別のその他の金属材が埋設されている場合であっても、その他の金属材の影響を排除し、被腐食抑制鋼材に電流を供給することができる。

0027

また、本発明において、前記充填体には、電解質溶液含浸されていることにより、流電陽極に均一に電解質溶液を供給でき、電極電位を安定化させることができるとともに、流電陽極の局部的溶解を防止し、長寿命を保つことができる。

0028

更に、本発明において、前記陽極設置穴の手前側開口部に嵌合され、該手前側開口部を密閉する密閉体を備えていることにより、充填体を支持できるとともに、液漏れも防止することができる。

図面の簡単な説明

0029

本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造の一例を示す断面図である。
図1中の流電陽極設置部分の拡大縦断面図である。
図2中の流電陽極を示す斜視図である。
本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造の他の一例を示す断面図である。
本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造のさらに他の一例を示す断面図である。
本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造のさらに一例を示す断面図である。
(a)〜(e)は流電陽極の設置手順を示す断面図である。

実施例

0030

次に、本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造の第1の実施態様を図1図3に示した実施例に基づいて説明する。

0031

本実施例は、コンクリート構造物である鉄筋コンクリート床版1を例に説明し、鉄筋コンクリート床版1は、コンクリート構造物自体が上下に厚みを有するコンクリート部を構成し、床版の下面から距離を置いた位置、即ち、床版上面側に被腐食抑制鋼材である鉄筋2,2が配設されている。

0032

このコンクリート構造物の腐食抑制構造は、図1図2に示すように、上下に厚みのあるコンクリート部を成す鉄筋コンクリート床版1の下面、即ち、コンクリート部の被腐食抑制鋼材2,2から離れた側の表面1aに開口した複数の陽極設置穴3,3...と、陽極設置穴3,3...に嵌合される充填体4と、充填体4内に埋設された流電陽極5とを備え、流電陽極5が陽極設置穴3の奥側まで差し込まれ、その状態で流電陽極5がリード線7を介して被腐食抑制鋼材2,2...と接続され、流電陽極5と被腐食抑制鋼材2,2...との電位差を利用して手防食鋼材2,2...に電流を供給することにより被腐食抑制鋼材2,2...の腐食を抑制するようになっている。

0033

また、このコンクリート構造物の腐食抑制構造では、流電陽極5、充填体4及び固定具6が一体化して陽極ユニット8を成し、陽極ユニット8が陽極設置穴3,3...に対し着脱できるようになっている。

0034

陽極設置穴3,3...は、鉄筋コンクリート床版1の下面1aに開口し、上端閉鎖された上下に向けた円筒穴状に形成され、各陽極設置穴3,3...は、腐食抑制の対象となる被腐食抑制鋼材2,2...の量及び配置に基づいて互いに所望の間隔を置いて配置され、且つ、その深さは被防食抑制鋼材2,2の近傍に至る深さに形成されている。

0035

この陽極設置穴3,3...の上底部、即ち、奥側底部には、アンカー穴9が同心連通配置に穿孔され、アンカー穴9にカットアンカー等のアンカー部材10が埋設されている。

0036

アンカー部材10には、陽極設置穴3,3...側に開口した雌ネジ部(図示せず)を備え、後述する陽極用芯材11先端の雄ネジ11bが螺合され、流電陽極5を着脱可能に固定できるようになっている。

0037

また、この陽極設置穴3,3...には、その下面開口部に密閉体12が嵌合され、下面開口部を密閉できるようになっている。

0038

この密閉体12は、ゴム材等の不透水性弾性材をもって一定の厚みを有する薄板状に形成され、その外周面が陽極設置穴3,3...の下面開口の内縁に嵌り込み、当該開口を密閉するようになっている。

0039

尚、密閉体12には、中央に貫通孔12aを備え、この貫通孔12aを後述する陽極用芯材11が貫通し、流電陽極5とともに固定具6によって鉄筋コンクリート床版1に固定できるようになっている。

0040

流電陽極5は、図3に示すように、複数の板状の陽極用部材13,13...と、板厚方向で対向する各陽極用部材13,13...が間隔を置いて支持される陽極用芯材11とを備え、各陽極用部材13,13...が陽極用芯材11を介して導通されている。

0041

陽極用部材13,13...は、被腐食抑制鋼材2,2...に対して酸化還元電位が低い亜鉛等の金属によって、一定の厚みを有する薄板円盤状に形成され、その中央に雌ネジ(図示せず)を内周に形成された連結孔13aを有している。

0042

そして、各陽極用部材13,13...の連結孔13aに形成された雌ネジと陽極用芯材11外周に形成された雄ネジ11bとを螺合させ、陽極用芯材11を各陽極用部材13,13...に電気的に導通した状態で貫通させることにより、各陽極用部材13,13...は、それぞれ陽極用芯材11の所望の位置に互いに間隔を置いて対向した状態で固定されている。尚、本実施例では、陽極用芯材11と各陽極用部材13,13とを螺合させた例について説明したが、溶接等によって電気的に導通した状態に固定してもよい。

0043

陽極用芯材11は、導電性を有する金属材をもって形成され、棒状の本体部11aと、本体部11aの外周に形成された雄ネジ11bと、本体部11aの他端に支持された外向きに張り出したボルト頭部11cとを備えたボルト状を成し、雄ネジ11bの先端部がアンカー係合部を構成している。

0044

そして、陽極用芯材11先端の雄ネジ11bをアンカー部材10に螺合させることにより、流電陽極5全体が陽極設置穴3の奥側まで差し込まれ、鉄筋コンクリート床版1に固定されるとともに、ボルト頭部11cが密閉体12の下面に定着され、陽極ユニット8も固定されるようになっている。

0045

尚、図中符号14は、金属製の座金、符号15はリード線7に接続された接続端子であって、接続端子15を座金14とボルト頭部11cとの間に介在させ、陽極用芯材11を締付け、座金14とボルト頭部11cとの間に接続端子15を挟持するようになっている。

0046

リード線7は、他端が接続ボックス16に接続され、この接続ボックス16を介して被腐食抑制鋼材2,2...に接続されるようになっている。

0047

充填体4は、フェノール樹脂連続発泡体等の保水性を有する多孔質部材により形成され、内部に電解質溶液が含浸保持されている。尚、充填体4を構成する多孔質部材は、コンクリートに対する付着性が低いものを用いることにより、陽極設置穴3に対する着脱が容易となる。

0048

この充填体4は、流電陽極5を構成する各陽極用部材13,13...間に積層配置された板状の板型充填部17,17...と、流電陽極5の外側を覆う被覆充填部18とを備え、各板型充填部17,17...と被覆充填部18とを組み付けることにより構成されている。

0049

被覆充填部18は、外径が陽極設置穴3,3...の内径と略同じ又はやや大きい有底筒状に形成され、内部穴18aに陽極用部材13,13...間に板型充填部17,17...を積層配置させた状態の流電陽極5が嵌合されるようになっている。

0050

板型充填部17,17...は、多孔質部材により陽極用部材13,13...と略同形の薄板円盤状に形成され、その表面が陽極用部材13,13...の表面と重ね合わされ、外周面が被覆充填部18の内部穴18aに嵌合されて被覆充填部18と一体化するようになっている。

0051

充填体4に含浸させる電解質溶液には、例えば、pH8〜10に調整された亜硝酸リチウム水溶液やpH12〜14に調整された水酸化リチウム水溶液等を用いることができ、充填体4は、この種の電解質溶液に対し不溶解性を有するものとなっている。

0052

尚、本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造の態様は、上述の鉄筋コンクリート床版1の例に限定されず、例えば、コンクリート箱桁20や地中に埋設されたボックスカルバート30、その他の等のコンクリート構造物にも適用することができる。尚、上述の実施例と同様の構成には同様の構成を付して説明し、適宜その説明を省略する。

0053

コンクリート箱桁20は、図4に示すように、平板状の上床版21と、上床版21と上下に距離を置いて配置された下床版22と、上下床版21,22を繋ぐ一対のウェブ23,23とを備え、上床版21、下床版22及びウェブ23,23により囲まれた箱部が形成されている。

0054

上床版21、下床版22及びウェブ23は、それぞれ厚みのあるコンクリート部であって、その箱部の外側部分には、鉄筋又はPC鋼材等の被腐食抑制鋼材2,2...が配設されている。

0055

このコンクリート箱桁20の腐食抑制構造では、コンクリート部である下床版22及びウェブ23,23部分の腐食を抑制する場合、その箱部の内側面、即ち、コンクリート部の被腐食抑制鋼材2,2...から離れた側の表面22a,23aに開口し、被腐食抑制鋼材2の近傍にまで至る複数の陽極設置穴3,3...と、陽極設置穴3,3...に嵌合される充填体4と、充填体4内に埋設された流電陽極5とを備え、箱部の内側から流電陽極5を陽極設置穴3の奥側まで差し込めるようになっている。

0056

この種のコンクリート箱桁20は、主に大規模な構造物に用いられ、腐食が生じてもコンクリート橋桁更新することが困難であることから、補修後の長期使用が求められるとともに、その間に再補修が必要とされる場合がある。

0057

そのような場合、本願発明では、箱部の内側から陽極の設置作業を行えるので、足場を設置する必要がなく、安価に作業を行うことができる。

0058

また、ボックスカルバート30は、図5に示すように、天板部31、底板部32及び両側壁部33,33によって矩形筒状に形成され、天板部、底板部及び両側壁部がそれぞれ厚みのあるコンクリート部を成している。

0059

そして、各コンクリート部の外側には、鉄筋、PC鋼材等の被腐食抑制鋼材2,2...が配設されている。

0060

このボックスカルバート30の腐食抑制構造では、コンクリート部である天板部31、底板部32及び両側壁部33,33の腐食を抑制する場合、その内側面、即ち、コンクリート部の被腐食抑制鋼材2,2から離れた側の表面31a,32a,33aに開口し、被腐食抑制鋼材2の近傍に至る複数の陽極設置穴3,3...と、陽極設置穴3,3...に嵌合される充填体4と、充填体4内に埋設された流電陽極5とを備えていることにより、地中に埋設された状態でも適用することができる。

0061

尚、本発明に係るコンクリート構造物の腐食抑制構造は、図6に示すように、陽極設置穴3内、且つ、流電陽極4の外側に絶縁体からなる絶縁被覆体40を備えているものであってもよい。

0062

このように流電陽極4の外側に絶縁体からなる絶縁被覆体40を備えることで、コンクリート部1内に被腐食抑制鋼材2,2...よりも陽極設置穴3の開口側にその他の金属材41,41が埋設されている場合であっても、当該その他の金属材41、41の影響を受けず、被腐食抑制鋼材2,2に確実に電流を供給することができ、高い腐食抑制効果を確保することができる。

0063

次に、このコンクリート構造物の腐食抑制構造の施工手順について図7を基に説明する。尚、本実施例では、鉄筋コンクリート床版1を例に説明するが、上述のコンクリート箱桁20、ボックスカルバート30等の施工についても同様である。

0064

まず、腐食抑制の対象となるコンクリート部(ここでは、鉄筋コンクリート床版1)の設計図等を参照し、コンクリート部(鉄筋コンクリート床版1)内の被腐食抑制鋼材2,2...の量及び配置を把握し、その被腐食抑制鋼材2,2...量に基づき陽極設置穴3,3...の間隔を決定する。

0065

また、事前準備として、充填体4、流電陽極5、固定具6及び密閉体12を組み付けて陽極ユニット8を組み立てておく。

0066

次に、上記決定に基づき鉄筋コンクリート床版1の下面側、即ち、コンクリート部の被腐食抑制鋼材から離れた側の表面より所定の位置に陽極設置穴3,3...を形成する。この陽極設置穴3,3...の形成は、削孔機を用いた既存の工法により被腐食抑制鋼材2,2の近傍に至る深さまで穿孔し、しかる後、陽極設置穴3,3...の上底面小径のアンカー設置穴を穿孔し、このアンカー穴9にカットアンカー等のアンカー部材10を挿入して固定する。

0067

次に、陽極設置穴3,3...が形成された後、この陽極設置穴3,3...に既に組み立てられた陽極ユニット8を差し込み、被覆充填部18を陽極設置穴3,3...内に嵌め込みつつ、陽極用芯材11を締付け、陽極用芯材11先端の雄ネジ11bをアンカー部材10に螺合させる。

0068

これにより、アンカー部材10に対する陽極用芯材11の螺進に伴って、当該ネジ構造ジャッキ作用によって陽極ユニット8全体が陽極設置穴3,3...に嵌め込まれ、陽極設置穴3の奥側に差し込まれた位置で流電陽極5がコンクリート部に固定されるとともに、密閉体12の下面にボルト頭部11cが定着され、密閉体12を陽極設置穴3,3...の下面開口に嵌合した状態に固定する。

0069

また、ボルト締め付けにより座金14とボルト頭部11cとの間に接続端子15が挟持されることにより流電陽極5がリード線7に接続され、接続端子15に接続されたリード線7の他端を接続ボックス16に接続する。

0070

以上の工程を各陽極設置穴3,3...毎に繰り返し、設置が完了する。

0071

一方、消耗した流電陽極5を交換するには、陽極用芯材11のボルトを緩める方向に回転させると、ネジ構造によるジャッキ作用によって陽極用芯材11が下向きに移動し、それに伴って、陽極用芯材11と一体の各陽極用部材13,13...及び陽極用部材13,13...間に挟まれた板型充填部17,17...が下向きに移動し、陽極ユニット8が陽極設置穴3,3...より押し出される。

0072

その際、被覆充填部18が陽極設置穴3,3...内に残存する場合があるが、その場合には、残存した被覆充填部18を抜き出し又は掻き出すことによって陽極設置穴3,3...より除去する。

0073

その際、被覆型充填部18から流電陽極5及び板型充填部17,17...が既に取り除かれ、内部が空洞となっているので、容易に除去することができる。

0074

そして、陽極設置穴3,3...内を清掃した後、図4に示す上述の手順に従って陽極ユニット8を陽極設置穴3,3...に設置することによって交換が完了する。

0075

このように構成されたコンクリート構造物の腐食抑制構造では、流電陽極方式において流電陽極5を点状に配置する構造とすることができ、また、腐食抑制対象である被腐食抑制鋼材2,2と距離を置いた側のコンクリート部表面から流電陽極5の着脱を容易に行うことができる。

0076

また、このような場合であっても、流電陽極5が鉄筋コンクリート床版1の上面側の鉄筋等の被腐食抑制鋼材2,2...に近い位置に至るように配置されるので効率良く被腐食抑制鋼材2,2の腐食を抑制することができる。

0077

尚、上述の実施例では、流電陽極5を充填体4に埋設させた陽極ユニット8を用い、当該陽極ユニット8を陽極設置穴3に挿入するようにした例について説明したが、本発明においては、陽極設置穴3,3...内に流電陽極5を設置した後、その隙間に充填体4を充填するようにしてもよい。その場合であってもアンカー部材10と陽極用芯材11とのネジ構造によるジャッキ機能によって流電陽極5及び充填体4を陽極設置穴3,3...より容易に取り外すことができる。

0078

1鉄筋コンクリート床版
2 被腐食抑制鋼材
3陽極設置穴
4充填体
5流電陽極
6固定具
7リード線
8陽極ユニット
9アンカー穴
10アンカー部材
11 陽極用芯材
12密閉体
13 陽極用部材
14座金
15接続端子
16接続ボックス
17 板型充填部
18被覆充填部

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