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技術 貼付剤

出願人 東洋インキSCホールディングス株式会社
発明者 薦田俊一小端久美河盛唯夫
出願日 2016年3月28日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-064718
公開日 2017年10月5日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2017-178799
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤
主要キーワード 離型ライナー 平面正方形状 耐コールドフロー性 貼付面積 アゾビス系重合開始剤 日石ネオポリマー 相加平均値 剥離方向
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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課題

本発明は、膏体層中に薬物を高濃度に安定的に含有させることができると共に、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有している貼付剤を提供する。

解決手段

本発明の貼付剤は、支持体と、上記支持体の一面に積層一体化され且つ薬物、架橋剤の含有量が0.1質量%以下であるアクリル系粘着剤、及び、軟化点が80℃以上である樹脂を含有する膏体層とを含むことを特徴とするので、膏体層中に薬物を高濃度に安定的に含有させることができると共に、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有している。

概要

背景

薬物を経皮にて投与する貼付剤について種々の開発が行われている。主に実用化されている貼付剤は、皮膚上に貼付した膏体中薬物濃度皮膚中の薬物濃度との間の濃度差を利用して薬物を膏体から皮膚中に移行させるものである。

貼付剤の貼付面積は、全身循環血流に所望の薬物量が吸収されればよいため、小さいほうが良く、単位面積当たり経皮吸収量を高めるために薬物を膏体中に高濃度で配合した設計が試みられている。

薬物を膏体層中に高濃度で配合し、膏体中に溶解している薬物濃度と皮膚中の薬物濃度との差を大きくすることで高い薬物経皮吸収速度が期待でき、更に、膏体層中に薬物が析出している場合は薬物が膏体層から放出されると同時に析出している薬物が膏体層に溶解していくので膏体層中に溶解している薬物濃度を高く維持することができ高い薬物経皮吸収速度の維持も期待できる。

しかしながら、膏体層中に薬物を高濃度で配合すると、膏体層を構成している粘着剤弾性凝集性が大きく変化し、所望する粘着性を得られなくなるだけでなく、貼付剤の保存中に膏体層のコールドフローなどの問題が生じる虞れがあり、この問題を解決するために様々な方法が提供されている。

特許文献1には、アクリル系粘着剤凝集力改善のために、金属アルコラート金属キレート化合物、及び/またはイソシアネート化合物を使って、アクリルポリマー架橋させる方法が開示されている。

特許文献2には、粘着基剤と、テルペンと、セバシン酸エステルと、アルキルグリセリルエーテルと、非ステロイド系鎮痛消炎薬とを含む貼付剤が開示されている。

特許文献3には、支持体の片面に膏体層を設けてなり、該膏体層に有効成分であるフェンタニルと粘着基剤を含有する貼付剤において、該粘着基剤中ゴム成分としてスチレンイソプレンスチレンブロック共重合体およびポリイソプレンと、粘着付与剤としてテルペン樹脂とを含有し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の含有量がポリイソプレンの含有量の0.2質量倍〜10質量倍である外用貼付剤が提案されている。

特許文献4には、支持体上に粘着剤組成物層が形成された皮膚貼付剤において、該粘着剤組成物層が少なくとも2種類以上の高分子材料を混合してなり、かつその少なくともひとつがシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料であって、該粘着剤組成物層の少なくとも1層が生理活性物質を含有する経皮吸収製剤が開示されている。

概要

本発明は、膏体層中に薬物を高濃度に安定的に含有させることができると共に、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有している貼付剤を提供する。 本発明の貼付剤は、支持体と、上記支持体の一面に積層一体化され且つ薬物、架橋剤の含有量が0.1質量%以下であるアクリル系粘着剤、及び、軟化点が80℃以上である樹脂を含有する膏体層とを含むことを特徴とするので、膏体層中に薬物を高濃度に安定的に含有させることができると共に、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有している。 なし

目的

本発明は、膏体層中に薬物を高濃度に含有していながら、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有していると共に、薬物の保存安定性に優れた貼付剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

支持体と、上記支持体の一面に積層一体化され且つ薬物、架橋剤の含有量が0.1質量%以下であるアクリル系粘着剤、及び、軟化点が80℃以上である樹脂を含有する膏体層とを含むことを特徴とする貼付剤

請求項2

軟化点が80℃以上である樹脂の重量平均分子量が400〜10000であることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。

請求項3

アクリル系粘着剤100質量部に対して軟化点が80℃以上である樹脂20〜80質量部を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼付剤。

請求項4

アクリル系粘着剤の保持力が60分以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の貼付剤。

請求項5

アクリル系粘着剤100質量部に対して薬物10〜50質量部を含有していることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の貼付剤。

請求項6

膏体層の保持力が55分以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の貼付剤。

技術分野

0001

本発明は、薬物を経皮投与するための貼付剤に関する。

背景技術

0002

薬物を経皮にて投与する貼付剤について種々の開発が行われている。主に実用化されている貼付剤は、皮膚上に貼付した膏体中薬物濃度皮膚中の薬物濃度との間の濃度差を利用して薬物を膏体から皮膚中に移行させるものである。

0003

貼付剤の貼付面積は、全身循環血流に所望の薬物量が吸収されればよいため、小さいほうが良く、単位面積当たり経皮吸収量を高めるために薬物を膏体中に高濃度で配合した設計が試みられている。

0004

薬物を膏体層中に高濃度で配合し、膏体中に溶解している薬物濃度と皮膚中の薬物濃度との差を大きくすることで高い薬物経皮吸収速度が期待でき、更に、膏体層中に薬物が析出している場合は薬物が膏体層から放出されると同時に析出している薬物が膏体層に溶解していくので膏体層中に溶解している薬物濃度を高く維持することができ高い薬物経皮吸収速度の維持も期待できる。

0005

しかしながら、膏体層中に薬物を高濃度で配合すると、膏体層を構成している粘着剤弾性凝集性が大きく変化し、所望する粘着性を得られなくなるだけでなく、貼付剤の保存中に膏体層のコールドフローなどの問題が生じる虞れがあり、この問題を解決するために様々な方法が提供されている。

0006

特許文献1には、アクリル系粘着剤凝集力改善のために、金属アルコラート金属キレート化合物、及び/またはイソシアネート化合物を使って、アクリルポリマー架橋させる方法が開示されている。

0007

特許文献2には、粘着基剤と、テルペンと、セバシン酸エステルと、アルキルグリセリルエーテルと、非ステロイド系鎮痛消炎薬とを含む貼付剤が開示されている。

0008

特許文献3には、支持体の片面に膏体層を設けてなり、該膏体層に有効成分であるフェンタニルと粘着基剤を含有する貼付剤において、該粘着基剤中ゴム成分としてスチレンイソプレンスチレンブロック共重合体およびポリイソプレンと、粘着付与剤としてテルペン樹脂とを含有し、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の含有量がポリイソプレンの含有量の0.2質量倍〜10質量倍である外用貼付剤が提案されている。

0009

特許文献4には、支持体上に粘着剤組成物層が形成された皮膚貼付剤において、該粘着剤組成物層が少なくとも2種類以上の高分子材料を混合してなり、かつその少なくともひとつがシロキサン結合を含有するポリエーテル系高分子材料であって、該粘着剤組成物層の少なくとも1層が生理活性物質を含有する経皮吸収製剤が開示されている。

先行技術

0010

特開平3−220120号公報
特開2008−013494号公報
特開2008−273865号公報
特開2008−214312号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1において、架橋剤を使用すると、架橋剤によって保存中に薬物が分解する虞れがあると共に、薬物を高濃度に配合すると、架橋剤による粘着剤の架橋反応が不十分となり粘着剤に必要な凝集力を付与することができず、膏体層のコールドフローが生じるという問題を有している。

0012

特許文献2の貼付剤において、非ステロイド系鎮痛消炎剤を10%以上の高濃度に含有させると膏体層の粘着性が低下する問題点を有する。

0013

特許文献3の外用貼付剤において、フェンタニルを6質量%以上の高濃度にすると、膏体層の粘着性が低下する問題点を有する。

0014

特許文献4の経皮吸収製剤において、薬物を膏体層に高濃度に含有することについて一切の開示はない。更に、粘着剤組成物層の架橋時に薬物が反応して薬物の含有量が減少すると共に、保存中においても薬物の含有量が減少するという問題も有している。

0015

本発明は、膏体層中に薬物を高濃度に含有していながら、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有していると共に、薬物の保存安定性に優れた貼付剤を提供する。

課題を解決するための手段

0016

本発明の貼付剤は、支持体と、
上記支持体の一面に積層一体化され且つ薬物、架橋剤の含有量が0.1質量%以下であるアクリル系粘着剤、及び、軟化点が80℃以上である樹脂を含有する膏体層とを含むことを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明の貼付剤は、膏体層中に薬物を高濃度に安定的に含有させることができると共に、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有している。

0018

本発明の貼付剤は、支持体と、上記支持体の一面に積層一体化された膏体層とを含む。

0019

[膏体層]
膏体層は、薬物、架橋剤の含有量が0.1質量%以下であるアクリル系粘着剤、及び、軟化点が80℃以上である樹脂(以下「樹脂(A)」ということがある)を含有している。

0020

(薬物)
膏体層には薬物が含有されている。薬物としては、経皮吸収能があるものであればよく、例えば、リドカインインドメタシンジクロフェナクカプサイシンクロニジンセレギリンロチゴチンドネペジルリバスチグミン、フェンタニル、ブプレノルフィンなどの遊離塩基、並びに、これら遊離塩基の塩及びエステル体などが挙げられる。

0021

膏体層中における薬物の含有量は、アクリル系粘着剤100質量部に対して10〜50質量部が好ましく、15〜40質量部がより好ましく、20〜35質量部が特に好ましい。薬物の含有量が10質量部以上であると、貼付剤の貼付面積を小さくすることができ、貼付剤が皮膚から剥がれにくくすることができると共に、貼付剤の使用期間を長期化させることができ、貼付剤の張り替えに伴う患者の負担を軽減することができる。薬物の含有量が50質量部以下であると、膏体層の粘着性及び耐コールドフロー性が向上する。なお、本発明において、アクリル系粘着剤の含有量は、架橋剤が含まれている場合、架橋剤を含めたアクリル系粘着剤の量をいう。

0022

(アクリル系粘着剤)
膏体層にはアクリル系粘着剤が含有されている。このアクリル系粘着剤は、(メタアクリレートを主なモノマー成分とする共重合体を含有している。アクリル系粘着剤は、薬物及び樹脂(A)を安定的に配合できるものから選択されればよい。主なモノマー成分とは、共重合体を構成しているモノマー成分のうち最も含有量の多いモノマー成分をいう。なお、上記共重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートをいう

0023

(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロシキプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0024

上記共重合体を構成しているモノマー成分として(メタ)アクリレートと共重合可能共重合性モノマーを含んでいてもよい。このような共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸イタコン酸マレイン酸無水マレイン酸アクリルアミドジメチルアクリルアミドアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、酢酸ビニルプロピオン酸ビニルビニルピロリドンなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。

0025

膏体層中に薬物をより多く含有させると、アクリル系粘着剤の粘着性が低下すると共に、アクリル系粘着剤の凝集力が低下して膏体層にコールドフローが発生するため、アクリル系粘着剤は、通常、架橋剤を用いて架橋されている。

0026

本発明者らが鋭意検討したところ、アクリル系粘着剤中に残存する架橋剤が薬物の保存安定性を低下させるという別の問題点を生じさせていることを見出したものであり、本発明においては、アクリル系粘着剤中に含有されている架橋剤の含有量は0.1質量%以下としている。

0027

アクリル系粘着剤は、該アクリル系粘着剤に含有されている架橋剤の量が0.1質量%以下とされている。アクリル系粘着剤に含まれている架橋剤の含有量を0.1質量%以下とすることによって、貼付剤の保存中に架橋剤と反応することに起因する薬物の分解を防止することができ、薬物の保存安定性を向上させることができる。アクリル系粘着剤中に含まれている架橋剤の含有量は、0.05質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい(架橋剤が含有されていないことが特に好ましい)。

0028

架橋剤としては、貼付剤を構成するアクリル系粘着剤の架橋に従来から用いられている架橋剤が挙げられ、例えば、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(iso−ブトキシメチレン)アクリルアミドやメチルアクリルアミドグリコレートメチルエーテルなどのアクリルアミド化合物グリシジルメタクリレートなどのエポキシ化合物ジシクロヘキシルメタン4,4′−ジイソシアナート、2,4−ジイソシアトルエントリメチルヘキサメチレンジイソシアナートイソホロンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物アルミニウムアセチルアセトネートクロニウムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネートコバルトアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート亜鉛アセチルアセトネートやジルコニウムアセチルアセトネートなどの金属キレート化合物、テトライソプロピルチタネートテトラn−ブチルチタネート、テトラエチルチタネートやテトライソブチルチタネートなどの金属アルコキシド化合物などが挙げられる。

0029

アクリル系粘着剤は架橋されていてもよいが、架橋されていないことが好ましい。アクリル系粘着剤のゲル分率は、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0質量%が特に好ましい(架橋されていないことが特に好ましい)。

0030

アクリル系粘着剤のゲル分率は下記の要領で測定された値をいう。アクリル系粘着剤をW0g量し、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬して不溶解分を200メッシュ金網濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(W1g)、下記式により算出した。
ゲル分率(質量%)=(W1/W0)×100

0031

アクリル系粘着剤の保持力は、60分以上が好ましく、65分以上がより好ましく、80分以上が特に好ましい。アクリル系粘着剤の保持力が60分以上であると、アクリル系粘着剤中に薬物を高濃度で保持させることができる。アクリル系粘着剤の保持力は高ければ高いほどよいが、5000分以下が好ましく、4000分以下がより好ましく、3000分以下が特に好ましい。

0032

本発明において、保持力は下記の要領で測定された値をいう。縦20mm、横30mm、厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、厚み100μmのアクリル系膏体層を形成して試験片を作製する。

0033

縦50mm、横125mm、厚み2mmの清浄ステンレス板を用意し、このステンレス板上に上記試験片を横方向の端部5mmがステンレス板からはみ出した状態に貼着し、試験片上に2kgのゴムローラーを10mm/秒の速度で二往復させて試験体を作製する。試験体を40℃で20分間静置する。

0034

しかる後、試験体のステンレス板が垂直となり且つステンレス板からはみ出している試験片の端部が下側となるように試験体を固定した。次に、試験体のステンレス板からはみ出している試験片の端部にフックを介して50gのをつけて40℃の雰囲気下にて試験を開始する。

0035

試験を開始してから試験片がステンレス板から完全に剥離して落下するまでの時間を測定し、この時間を保持力とする。試験開始から60分を経過しても試験片がステンレス板から完全に剥離して落下しない場合は、試験開始から60分を経過した時点において、垂直方向における試験片の変位量L(mm)を測定し、下記式に基づいて得られた値を保持力とする。
保持力(分)=60+(25−L)×60/L

0036

アクリル系粘着剤の重合方法としては、従来公知の方法にて行なえばよい。例えば、重合開始剤の存在下で、上述したモノマーを重合する方法が挙げられる。具体的には、所定量のモノマー、重合開始剤及び重合溶媒などを反応器に供給し、60〜80℃の温度で4〜48時間に亘って加熱して、モノマーをラジカル重合させる。

0037

重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルAIBN)、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス系重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイドLPO)、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。重合溶媒としては、例えば、酢酸エチルやトルエンなどが挙げられる。更に、重合反応は、窒素ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。

0038

(軟化点が80℃以上である樹脂)
膏体層は、軟化点が80℃以上である樹脂〔樹脂(A)〕を含有している。膏体層中に、アクリル系粘着剤及び樹脂(A)が組み合わせて含有されていることによって、膏体層中に高濃度で薬物を含有している場合においても膏体層は優れた粘着性を有している。

0039

更に、膏体層中に樹脂(A)が含有されていることによって、膏体層のコールドフローを抑制することができる。従って、膏体層の架橋度合いを極めて低く又は膏体層を架橋させることなく、膏体層中に薬物を高濃度に含有させることができる。

0040

そして、膏体層の架橋度合いを極めて低く又は膏体層を架橋させる必要がないため、架橋剤の使用量を極めて低く又は架橋剤を使用する必要がなく、膏体層の製造工程において薬物が分解し又は貼付剤の保存中に架橋剤によって薬物が分解するという事態を抑制することができ、膏体層中に高濃度に薬物を含有させ、且つ、膏体層中に薬物を長期間に亘って安定的に保持することができる。

0041

樹脂(A)としては、アクリル系樹脂に対して混和性を有しておれば、特に限定されず、例えば、脂環族飽和炭化水素樹脂(例えば、荒川化学工業社製の「アルコン」)、テルペン樹脂(例えば、ヤスハラケミカル社製の「YSレジン」)、テルペンフェノール樹脂(例えば、ヤスハラケミカル社製の「YSポリスター」)、水添芳香族変性テルペン樹脂(例えば、ヤスハラケミカル社製の「クリアロン」)、脂肪族炭化水素(例えば、ExxonMobil社製の「Escorez」)、芳香族系石油樹脂(例えば、JX日鉱日石エネルギー社製の「日石ネオポリマー」)などが挙げられ、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂、芳香族系石油樹脂が好ましく、テルペン樹脂、芳香族系石油樹脂がより好ましく、芳香族系石油樹脂が特に好ましい。なお、樹脂(A)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。

0042

樹脂(A)の軟化点は、膏体層の凝集力を向上させて膏体層の耐コールドフロー性及び膏体層の保持力を向上させることができるので、80℃以上であり、110℃以上が好ましく、118℃以上がより好ましく、125℃以上が更に好ましく、130℃以上が特に好ましい。樹脂(A)の軟化点は、膏体層のタックを向上させ、貼付剤を皮膚に容易に且つ安定的に貼着させることができるので、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましく、170℃以下が特に好ましい。なお、樹脂(A)の軟化点は、JIS K6863:1994に準拠して測定された温度をいう。

0043

樹脂(A)の重量平均分子量は、400〜10000が好ましく、450〜7000がより好ましく、500〜4000が特に好ましい。樹脂(A)の重量平均分子量が400以上であると、貼付剤を使用中に皮膚上に不測に剥離させることなく安定的に貼着させておくことができる。樹脂(A)の重量平均分子量が10000以下であると、アクリル系粘着剤と良好に混和し、膏体層の粘着性及び耐コールドフロー性を向上させることができると共に、膏体層中に高濃度に薬物を含有させることができる。

0044

膏体層中における樹脂(A)の含有量は、アクリル系樹脂100質量部に対して20〜80質量部が好ましく、25〜75質量部がより好ましく、30〜70質量部が更に好ましく、35〜70質量部が特に好ましい。樹脂(A)の含有量が20質量部以上であると、膏体層内部のズリ粘性を向上させて膏体層の粘着性を向上させることができ好ましい。樹脂(A)の含有量が80質量部以下であると、膏体層の高い粘着性を保持しつつ、膏体層の耐コールドフロー性を向上させることができる。

0045

添加剤
膏体層には、その物性を損なわない範囲内において、可塑剤充填剤などの添加剤が含有されていてもよい。

0046

可塑剤は、膏体層の粘着物性を向上させる目的で添加される。可塑剤としては、アクリル系粘着剤に相溶するものであれば、特に限定されず、例えば、ミリスチン酸イソプロピルオレイン酸デシル、アジピン酸イソプロピルなどのエステル類ミリスチルアルコールセタノールオクチルドデカノールイソステアリルアルコールステアリルアルコールなどの1価アルコール類、オクタンジオールなどの2価アルコル類、オレイン酸、ステアリン酸などの酸類流動パラフィンなどが挙げられ、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノールが好ましい。

0047

膏体層中における可塑剤の含有量は、アクリル系粘着剤100質量部に対して5〜50質量部が好ましく、5〜45質量部がより好ましく、5〜15質量部が更に好ましく、9〜15質量部が特に好ましい。可塑剤の含有量が5質量部以上であると、貼付剤を皮膚に貼着するときに必要なタックを膏体層に付与することができ好ましい。可塑剤の含有量が50質量部以下であると、貼付剤を皮膚上においてずれを生じさせることなく安定的に貼着させた状態を維持することができると共に、貼付剤を皮膚から剥離する際に膏体層の一部が残存するような事態を抑制することができ好ましい。

0048

充填剤は、膏体層の均一性を高める目的で添加される。充填剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸架橋型ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。

0049

膏体層の厚みは、30〜300μmが好ましく、40〜250μmがより好ましく、50〜200μmが特に好ましい。膏体層の厚みが30μm以上であると、所望する薬効を得るために必要な量の薬物を膏体層中に含有させることができる。膏体層の厚みが300μm以下であると、膏体層中の残存溶剤を低減するために製造時に強い乾燥条件を必要としないため、膏体層中の薬物の揮散又は分解を抑制することができる。

0050

膏体層の保持力は、55分以下が好ましく、5〜50分がより好ましく、10〜48分が更に好ましく、10〜45分が特に好ましい。膏体層の保持力が55分以下であると、皮膚上に貼付されている貼付剤に剥離方向外力が加わったとしても、膏体層が外力を円滑に吸収し、貼付剤が皮膚上から不測に剥離することを防止することできる。膏体層の保持力が5分以上であると、膏体層の耐コールドフロー性が向上する。

0051

なお、膏体層の保持力は、上述したアクリル系粘着剤の保持力の測定方法において、アクリル系膏体層の代わりに厚み100μmの膏体層を厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に形成して試験片を作製し、この試験片を用いたこと以外は同様の要領で測定することができる。

0052

(支持体)
本発明の貼付剤では、上述した膏体層は支持体の一面に積層一体化される。支持体は、膏体層中の薬物の損失を防ぎ、貼付剤に自己保持性を付与するための強度を有することが求められる。このような支持体としては、樹脂フィルム、不織布、織布、編布アルミニウムシートなどが挙げられる。

0053

樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、酢酸セルロースレーヨンポリエチレンテレフタレート可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体ナイロンエチレン酢酸ビニル共重合体可塑化ポリ塩化ビニルポリウレタンポリエチレンポリプロピレンポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。なかでも、揮散性のある薬物であっても膏体層からの薬物の損失を防げることから、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。

0054

不織布を構成する素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ナイロン、ポリエステルビニロン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、レーヨン、綿などが挙げられ、ポリエステルが好ましい。なお、これらの素材は、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。

0055

支持体は、単層であっても、複数層が積層一体化された積層シートであってもよい。積層シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートシートと、不織布や柔軟な樹脂シートとが積層一体化された積層シートが挙げられる。

0056

支持体の厚みは、特に制限されないが、2〜200μmが好ましく、2〜100μmがより好ましい。

0057

剥離ライナー
本発明の貼付剤では、膏体層の一面に、剥離ライナーが剥離可能に積層一体化されていてもよい。剥離ライナーは、膏体層中の薬物の損失防止や膏体層を保護するために用いられる。

0058

剥離ライナーとしては、例えば、紙及び樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。剥離ライナーの膏体層と対向させる面には離型処理が施されていることが好ましい。

0059

(貼付剤の製造方法)
本発明の貼付剤の製造方法としては、例えば、(1)アクリル系粘着剤、樹脂(A)、薬物及び溶剤を含む膏体層溶液を、支持体の一面に塗工した後に乾燥させることにより、支持体の一面に膏体層を積層一体化し、必要に応じて、膏体層に剥離ライナーを、剥離ライナーの離型処理が施された面が膏体層に対向した状態となるように積層する方法、(2)上記膏体層溶液を剥離ライナーの離型処理が施された面上に塗工し、乾燥させることにより、剥離ライナー上に膏体層を形成し、この膏体層に支持体を積層一体化させる方法などが挙げられる。

0060

膏体層溶液は、アクリル系粘着剤、樹脂(A)、薬物及び溶剤を均一に撹拌することにより得られる。溶剤としては、アクリル系粘着剤及び樹脂(A)を溶解できるものであれば限定されないが、例えば、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、及び酢酸エチルが好ましい。

0061

以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。

0062

アクリル粘着剤Aの調製)
ドデシルメタクリレート13重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート78重量部及び2−エチルヘキシルアクリレート9重量部を含むモノマー、並びに、酢酸エチル50重量部からなる反応液セパラブルフラスコに供給し、セパラブルフラスコ内を80℃の窒素雰囲気とした。そして、上記反応液にラウロイルパーオキサイド1重量部をシクロヘキサン50重量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を24時間かけて加えながら上記モノマーを共重合させ、重合完了後に上記反応液に更に酢酸エチルを加えて、アクリル粘着剤Aの含有量が35質量%であるアクリル粘着剤溶液Aを得た。

0063

(アクリル粘着剤Bの調製)
エチルアクリレート100重量部、n−オクチルアクリレート80重量部及び1−ビニル2−ピロリドン20重量部を含むモノマー、並びに、酢酸エチル200重量部からなる反応液をセパラブルフラスコに供給した後、このセパラブルフラスコ内を80℃の窒素雰囲気とした。そして、この反応液にラウロイルパーオキサイド1重量部をシクロヘキサン50重量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を27時間かけて加えながら上記モノマーを重合させ、重合完了後に上記反応液に更に酢酸エチルを加えて、アクリル粘着剤Bの含有量が32質量%のアクリル粘着剤溶液Bを得た。

0064

〔軟化点が80℃以上である樹脂〕
・テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製商品名「YSレジンPX1150N」、軟化
点:115℃、重量平均分子量:3400)
・テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製 商品名「YSポリスターT115」
軟化点:115℃、重量平均分子量:500〜1050)
・水添芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製 商品名「クリアロンM115」
軟化点:115℃、重量平均分子量:600〜700)
・芳香族系石油樹脂(JX日鉱日石エネルギー社製 商品名「日石ネオポリマー120」
軟化点:120℃、重量平均分子量:1500)
・芳香族系石油樹脂(JX日鉱日石エネルギー社製 商品名「日石ネオポリマー170S」、軟化点:160℃、重量平均分子量:3000)

0065

(実施例1〜13、比較例1〜3)
薬物、アクリル系粘着剤A(架橋剤:0質量%、ゲル分率:0質量%)、アクリル系樹脂B(架橋剤:0質量%、ゲル分率:0質量%)、アクリル系粘着剤C(ヘンケル社製商品名「Duro−tack」、架橋剤の含有量:0.1質量%を超える、ゲル分率:70質量%)、軟化点が80℃以上である樹脂、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル及びオクチルドデカノールを表1に示した所定量ずつ配合し、固形分の濃度が25重量%になるように酢酸エチルを加えた後、均一になるまで混合して、膏体層溶液を作製した。

0066

次に、シリコーン離型処理が施された厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを離型ライナーとして用意し、このポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン離型処理面に、上記各膏体層溶液を塗布し、80℃で20分間乾燥させることにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン離型処理面に表1に示す厚さの膏体層が形成された積層体を作製した。

0067

そして、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを支持体として用意し、この支持体の一面と、上記積層体の膏体層とが対向するように重ね合わせて、積層体の膏体層を支持体に転写させて積層一体化させることによって貼付剤を製造した。

0068

得られた貼付剤について、粘着力、保存安定性(コールドフロー)及び保存安定性(薬物濃度)を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。

0069

得られた貼付剤について、膏体層の保持力を上述の要領で測定し、その結果を表1に示した。膏体層を構成しているアクリル系粘着剤について保持力を上述の要領で測定し、その結果を表1に示した。

0070

〔粘着力〕
貼付剤から3枚の試験片(幅25mm×長さ15mm)を切り出した。各試験片について、JIS Z0237(2009年)に規定された180°引き剥がし試験に準じて、引き剥がし粘着力(g/25mm)を測定し、3枚の試験片の引き剥がし粘着力の相加平均値を貼付剤の粘着力とした。

0071

〔保存安定性(コールドフロー)〕
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(面積3cm2)を1枚得た。試験片を一辺が5cmの平面正方形状の透明な貼付剤用包材封入し、60℃にて1週間保存した後、目視でコールドフローを下記基準に基づいて評価した。
− :膏体層のはみ出しはなかった。
+/−:膏体層の一部に僅かなはみ出しがあった。
+ :試験片の全周において、膏体層のはみ出しがあった。
++ :0.5mm以上の膏体層のはみ出しがあった。

0072

〔保存安定性(薬物濃度)〕
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、6枚の試験片(面積3cm2)を得た。試験片を一辺が5cmの平面正方形状の遮光した貼付剤用包材に封入し、3片を4℃にて、残り3片を60℃にて2週間保存した。保存後、試験片それぞれの重量Wtを測定し、剥離ライナーを除去してから、抽出液(酢酸エチル:メタノール=3:2)を用いて膏体層中の薬物を抽出し、HPLCを用いて貼付剤中の薬物重量Wrを定量した。支持体を酢酸エチルまたはトルエンを用いて洗浄し乾燥後、剥離ライナーと支持体を合わせた重量Wpを測定した。下記式(1)を用いて膏体層中の薬物濃度を算出した。
薬物濃度(%)=100×Wr/(Wt−Wp)・・・式(1)

0073

4℃にて保存した試験片3片の膏体層中における薬物濃度の相加平均値をC4、60℃にて保存した試験片3片の膏体層中における薬物濃度の相加平均値をC60とし、下記式(2)を用いて薬物の残存率を算出した。
薬物の残存率(%)=100×C60/C4・・・式(2)

実施例

0074

0075

本発明の貼付剤は、膏体層中に薬物を高濃度に安定的に含有させることができると共に、膏体層が優れた粘着性及び耐コールドフロー性を有している。

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