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技術 ガラス板の製造方法

出願人 AvanStrate株式会社アヴァンストレートコリアインコーポレイテッド
発明者 水野真至
出願日 2016年3月31日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-071212
公開日 2017年10月5日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-178733
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの溶融、製造
主要キーワード 処理装置ユニット 保温機構 保温部材 保温構造 徐冷装置 流量規制 液面レベル計 カーブド
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

操業初期溶解炉から処理装置への溶融ガラスの導入において、昇温異常を招くことなく効率的に温度制御する方法の提供。

解決手段

操業開始時に、溶解炉からの溶融ガラスを処理装置へ導入し、処理装置を昇温するのに、処理装置を操業温度T1よりも低い待機温度T2で維持し、溶融ガラスが処理装置へ持ち込む熱量(A)および処理装置の放熱量(B)が(A)<(B)となる溶融ガラスの導入速度導入基準流量X0(kg/s)とすると、熔融ガラスを導入するとき、所定時間ごと、導入基準流量X0に基づいて溶融ガラスの流量を規制して、処理装置を操業温度T1まで加熱する。

概要

背景

ガラス板の製造では、溶解炉ガラス原料を溶解して熔融ガラスがつくられ、ガラス供給管を通し、清澄管、攪拌槽などの溶融ガラス処理装置へ送られる。溶融ガラス処理装置へ送られた溶融ガラスは、清澄管で清澄され、攪拌槽でスターラにより攪拌されてガラス成分の均質化を行った後、成形体へ送られてシートガラスへと成形される。

溶解炉、処理装置および成形体を備えたガラス板の製造装置操業初期においては、高温の溶融ガラスを、ガラス供給管を通して、溶解炉から処理装置、成形対へと順に導入しながらガラス供給管や処理装置が加熱され昇温制御される。

操業開始時に高温の溶融ガラスを供給管、処理装置へ導入しながらこれらの装置を加熱するには、装置の昇温異常を招かないように、溶融ガラスの導入速度コントロールする必要がある。溶解炉から供給管へ高温の溶融ガラスを流出したとき、装置温度急上昇して装置の昇温機能異状を示した場合には、一時的に冷却機能で装置温度を調整するなど対処が必要となる。
しかし、このような対処は、安定した操業を得るまでに長時間を要するだけでなく、処理装置の温度を管理して目的とする溶融ガラスの温度履歴を形成するという点において不利となり、製品品質に影響を及ぼす。

溶融ガラスの供給管や清澄管に関して、白金又は白金合金で構成された供給管及び清澄管が知られている(特許文献1)。また、白金又は白金合金で構成された溶融ガラス処理装置に必要な温度管理と溶融ガラスの温度制御について開示されている(特許文献2)。

概要

操業初期の溶解炉から処理装置への溶融ガラスの導入において、昇温異常を招くことなく効率的に温度制御する方法の提供。操業開始時に、溶解炉からの溶融ガラスを処理装置へ導入し、処理装置を昇温するのに、処理装置を操業温度T1よりも低い待機温度T2で維持し、溶融ガラスが処理装置へ持ち込む熱量(A)および処理装置の放熱量(B)が(A)<(B)となる溶融ガラスの導入速度を導入基準流量X0(kg/s)とすると、熔融ガラスを導入するとき、所定時間ごと、導入基準流量X0に基づいて溶融ガラスの流量を規制して、処理装置を操業温度T1まで加熱する。

目的

しかし、このような対処は、安定した操業を得るまでに長時間を要するだけでなく、処理装置の温度を管理して目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

熔解炉ガラス原料熔解して熔融ガラスを生成する溶解工程と、前記熔解炉でつくられた熔融ガラスを処理する処理装置を用いて溶融ガラスを処理する熔融ガラス処理工程と、前記熔融ガラス処理工程で処理された熔融ガラスを成形してシートガラスを形成する成形工程とを含むガラス板の製造方法であって、操業開始時に、前記溶解炉からの溶融ガラスを前記処理装置へ導入し、前記処理装置を加熱するのに、前記処理装置を操業温度T2よりも低い待機温度T1で維持し、溶融ガラスが前記処理装置へ持ち込む熱量(A)および前記処理装置の放熱量(B)が(A)<(B)となる溶融ガラスの導入速度導入基準流量X0(kg/s)とすると、熔融ガラスを導入するとき、所定時間ごと、前記導入基準流量X0に基づいて前記溶融ガラスの流量を規制して、前記処理装置が操業温度T2まで加熱される、ことを特徴とするガラス板の製造方法。

請求項2

前記処理装置は、前記熔解炉から熔融ガラスに含まれるO2を脱泡して前記熔融ガラスを清澄する清澄管と、前記熔融ガラスを均質化する攪拌槽と、前記熔解炉から前記清澄管へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管1と、前記清澄管から攪拌槽へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管2と、前記攪拌槽から前記成形体へ所定の温度で熔融ガラスを移送するガラス供給管3と、を備え、操業開始時に、前記溶解炉から溶融ガラスを流出させ、前記ガラス供給管1、前記清澄管、前記ガラス供給管2、前記攪拌槽、前記ガラス供給管3へ、順に、前記熔融ガラスを所定の基準位置まで導入するとき、前記処理装置の各々において、それぞれの前記導入基準流量X0に基づいて前記熔融ガラスの流量が規制され、それぞれの操業温度T2まで加熱される、請求項1に記載のガラス板の製造方法。

請求項3

前記処理装置における前記熔融ガラスの導入は、前記導入基準流量X0を超えないように流量が規制されて、前記操業温度T2まで加熱される、請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。

請求項4

前記処理装置は冷却を伴わずに法熱量(B)を放熱する、請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス板の製造方法。

請求項5

ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する溶解炉と、加熱手段が備えられ、前記熔融ガラスを導入して処理する処理装置と、前記処理装置で処理された溶融ガラスを成形してシートガラスを形成する成形装置と、を備え、操業開始時に、前記溶解炉からの溶融ガラスを前記処理装置へ導入し、前記処理装置を加熱するのに、前記処理装置を操業温度T2よりも低い待機温度T1で維持し、前記溶融ガラスが前記処理装置へ持ち込む熱量(A)および前記処理装置の放熱量(B)が(A)<(B)となる前記溶融ガラスの導入速度を導入基準流量X0(kg/s)とすると、前記熔融ガラスを導入するとき、所定時間ごと、前記導入基準流量X0に基づいて前記溶融ガラスの流量を規制して、前記処理装置が前記加熱手段により操業温度T2まで加熱される、ことを特徴とするガラス板の製造装置

請求項6

前記処理装置は、熔融ガラスに含まれるO2を脱泡して熔融ガラスを清澄する清澄管と、熔融ガラスを均質化する攪拌槽と、前記熔解炉から前記清澄管へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管1と、前記清澄管から攪拌槽へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管2と、前記攪拌槽から前記成形体へ所定の温度で熔融ガラスを移送するガラス供給管3と、を備え、操業開始時に、前記溶解炉から前記溶融ガラスを流出させ、前記ガラス供給管1、前記清澄管、前記ガラス供給管2、前記攪拌槽、前記ガラス供給管3に、順に、前記熔融ガラスを所定の基準位置まで導入するとき、処理装置の各々は、それぞれの前記導入基準流量X0に基づいて前記熔融ガラスの流量が規制され、それぞれの操業温度T2まで加熱される、請求項5に記載のガラス板の製造装置。

請求項7

前記処理装置は、前記熔融ガラスを導入するとき、前記導入基準流量X0を超えないように、前記熔融ガラスの流量が規制される規制手段を備え、前期操業温度T2まで加熱される、請求項5又は6に記載のガラス板の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、ガラス板の製造方法および製造装置に関する。

背景技術

0002

ガラス板の製造では、溶解炉ガラス原料を溶解して熔融ガラスがつくられ、ガラス供給管を通し、清澄管、攪拌槽などの溶融ガラス処理装置へ送られる。溶融ガラス処理装置へ送られた溶融ガラスは、清澄管で清澄され、攪拌槽でスターラにより攪拌されてガラス成分の均質化を行った後、成形体へ送られてシートガラスへと成形される。

0003

溶解炉、処理装置および成形体を備えたガラス板の製造装置の操業初期においては、高温の溶融ガラスを、ガラス供給管を通して、溶解炉から処理装置、成形対へと順に導入しながらガラス供給管や処理装置が加熱され昇温制御される。

0004

操業開始時に高温の溶融ガラスを供給管、処理装置へ導入しながらこれらの装置を加熱するには、装置の昇温異常を招かないように、溶融ガラスの導入速度コントロールする必要がある。溶解炉から供給管へ高温の溶融ガラスを流出したとき、装置温度急上昇して装置の昇温機能異状を示した場合には、一時的に冷却機能で装置温度を調整するなど対処が必要となる。
しかし、このような対処は、安定した操業を得るまでに長時間を要するだけでなく、処理装置の温度を管理して目的とする溶融ガラスの温度履歴を形成するという点において不利となり、製品品質に影響を及ぼす。

0005

溶融ガラスの供給管や清澄管に関して、白金又は白金合金で構成された供給管及び清澄管が知られている(特許文献1)。また、白金又は白金合金で構成された溶融ガラス処理装置に必要な温度管理と溶融ガラスの温度制御について開示されている(特許文献2)。

先行技術

0006

特表2008−539162号公報
特開2015−199642号公報

発明が解決しようとする課題

0007

上述のとおり、ガラス板の製造装置の操業開始においては、高温の溶融ガラスを、ガラス供給管を通して清澄管、攪拌槽へと順に導入するには、溶融ガラスの導入量(導入速度)を制御しながら装置各々の昇温管理を行う必要がある。

0008

しかし、供給管、清澄管、攪拌槽を含む、熔融ガラス処理装置それぞれについて、装置の構造や材料、溶融ガラスの温度、装置各々の設置条件踏まえ、溶融ガラスの導入量(導入速度)を適切にコントロールしながら装置それぞれを加熱制御するのは容易ではない。

0009

本発明の目的は、操業開始から安定した操業へ到達するまでの操業初期において、溶解炉から熔融ガラスを処理装置へ順次、導入するのに、処置装置の昇温異常を起こすことなく、導入量(導入速度)を最適に維持しながら装置を昇温制御でき、処理装置を安定した操業へ効率的に到達できる、ガラス板の製造方法及びガラス板の製造装置の提供にある。

課題を解決するための手段

0010

〔1〕熔解炉でガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する溶解工程と、前記熔解炉でつくられた熔融ガラスを処理する処理装置を用いて溶融ガラスを処理する熔融ガラス処理工程と、前記処理工程で処理された熔融ガラスを成形してシートガラスを形成する成形工程とを含むガラス板の製造方法であって、
操業開始時に、前記溶解炉からの溶融ガラスを前記処理装置へ導入し、前記処理装置を加熱するのに、前記処理装置を操業温度T1よりも低い待機温度T2で維持し、溶融ガラスが前記処理装置へ持ち込む熱量(A)および前記処理装置の放熱量(B)が(A)<(B)となる溶融ガラスの導入速度を導入基準流量X0(kg/s)とすると、熔融ガラスを導入するとき、所定時間ごと、前記導入基準流量X0に基づいて前記溶融ガラスの流量を規制して、前記処理装置が操業温度T1まで加熱される、ことを特徴とするガラス板の製造方法。

0011

〔2〕前記処理装置は、熔融ガラスに含まれるO2を脱泡して熔融ガラスを清澄する清澄管と、熔融ガラスを均質化する攪拌槽と、前記熔解炉から前記清澄管へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管1と、前記清澄管から攪拌槽へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管2と、前記攪拌槽から前記成形体へ所定の温度で熔融ガラスを移送するガラス供給管3と、を備え、
操業開始時に、前記溶解炉から溶融ガラスを流出させ、前記ガラス供給管1、前記清澄管、前記ガラス供給管2、前記攪拌槽、前記ガラス供給管3に、順に熔融ガラスを導入するとき、処理装置の各々が、熔融ガラスの流量がそれぞれの前記導入基準流量X0で規制され、それぞれの操業温度T1まで加熱される、〔1〕に記載のガラス板の製造方法。

0012

〔3〕前記処理装置は、熔融ガラスを導入するとき、前記導入基準流量X0を超えないように、熔融ガラスの流量が規制され、操業温度T1まで加熱される、請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。

0013

〔4〕前記処理装置の放熱量(B)は自然放熱によるものである、〔1〕から〔3〕のいずれか1つに記載の製造方法。

0014

〔5〕ガラス原料を熔解して熔融ガラスを生成する溶解炉と、加熱手段が備えられ、前記熔解炉でつくられた熔融ガラスを処理する処理装置と、前記処理装置で処理された溶融ガラスを成形してシートガラスを形成する成形装置と、
を備え、
操業開始時に、前記溶解炉からの溶融ガラスを前記処理装置へ導入し、前記処理装置を加熱するのに、前記処理装置を操業温度T1よりも低い待機温度T2で維持し、溶融ガラスが前記処理装置へ持ち込む熱量(A)および前記処理装置の放熱量(B)が(A)<(B)となる溶融ガラスの導入速度を導入基準流量X0(kg/s)とすると、熔融ガラスを導入するとき、所定時間ごと、前記導入基準流量X0に基づいて前記溶融ガラスの流量を規制して、前記処理装置が前記加熱手段により操業温度T1まで加熱される、ことを特徴とするガラス板の製造装置。

0015

〔6〕前記処理装置は、熔融ガラスに含まれるO2を脱泡して熔融ガラスを清澄する清澄管と、熔融ガラスを均質化する攪拌槽と、前記熔解炉から前記清澄管へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管1と、前記清澄管から攪拌槽へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管2と、前記攪拌槽から前記成形体へ所定の温度で熔融ガラスを移送するガラス供給管3と、を備え、
操業開始時に、前記溶解炉から溶融ガラスを流出させ、前記ガラス供給管1、前記清澄管、前記ガラス供給管2、前記攪拌槽、前記ガラス供給管3に、順に熔融ガラスを導入するとき、処理装置の各々は、熔融ガラスの流量がそれぞれの前記導入基準流量X0で規制され、それぞれの操業温度T1まで加熱される、〔5〕に記載のガラス板の製造装置。

0016

〔7〕前記処理装置は、熔融ガラスを導入するとき、前記導入基準流量X0を超えないように、熔融ガラスの流量が規制され、操業温度T1まで加熱される、〔1〕又は〔2〕に記載のガラス板の製造装置。

発明の効果

0017

本発明によれば、操業初期の溶解炉からの処理装置への溶融ガラスの導入は、導入基準流量X0に基づいて、導入速度が最適に維持される。溶融ガラスの導入速度が最適にコントロールされているため、操業初期の処理装置の昇温制御は、昇温異常を招くことなく効率的に温度制御できる。

図面の簡単な説明

0018

本発明のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。
本発明のガラス基板の製造方法における熔解工程〜切断工程を行う装置の一例を模式的に示す図である。
本発明に係る操業開始時の熔融ガラスの導入制御方法における温度管理(待機温度、操業温度)の関係を示すイメージ図である。
本発明に係る操業開始時の熔融ガラスの導入制御方法における処理装置への持ち込み熱量(A)および前記処理装置の放熱量(B)の関係(A)<(B)を示すイメージ図である。
本発明に係る熔融ガラスの処理装置1から5の一例を模式的に示す図である。
本発明に係る熔融ガラスの処理装置(1から5)の昇温制御の温度管理(待機温度、操業温度)の関係を示すイメージ図である全体を模式的に示す図である。

実施例

0019

以下、本実施形態のガラス基板の製造方法及び製造装置、及び攪拌槽について説明する。図1は、本発明のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。

0020

(1)ガラス基板の製造方法の全体概要
ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、切断研削工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積槽された複数のガラス基板は、納入先業者に搬送される。

0021

熔解工程(ST1)は熔解槽で行われる。熔解工程では、熔解槽に蓄えられた熔融ガラスの液面にガラス原料を投入することにより熔融ガラスを作る。さらに、熔解槽の底部に設けられた流出口から後工程に向けて熔融ガラスを流す。

0022

熔解工程(ST1)は熔解炉で行われる。熔解炉では、ガラス原料を、熔解炉に蓄えられた熔融ガラスの液面に投入し、加熱することにより熔融ガラスを作る。さらに、熔解炉の内側側壁の1つの底部に設けられた流出口から下流工程に向けて熔融ガラスを流す。
熔解炉の熔融ガラスの加熱は、熔融ガラス自身に電気が流れて自ら発熱して加熱する方法に加えて、バーナーによる火焔補助的に与えてガラス原料を熔解することもできる。なお、ガラス原料には清澄剤が添加される。清澄剤として、SnO2,As2O3,Sb2O3,Fe2O3等、高温で還元反応により酸素を放出するタイプの金属酸化物が知られているが、特に制限されない。しかし、環境負荷低減の点から、清澄剤としてAs2O3の使用は望ましくない。

0023

清澄工程(ST2)は、少なくとも清澄槽において行われる。清澄工程では、最初に、清澄槽内の熔融ガラスを昇温することで、溶融ガラス中に含まれる清澄剤に還元反応を起こさせ、O2を発生させる。このO2が、ガラス原料の分解反応やガラス原料中の不純物、溶解時の雰囲気の巻き込み等により、熔融ガラス中に含まれる、CO2、SO2あるいはN2等を含んだ気泡に吸収されることで、熔融ガラス中の気泡の泡径が拡大し、気泡の浮上速度が高まる。この気泡の浮上速度の向上により熔融ガラスの液面に気泡を浮上させて脱泡が促進される。すなわち、熔融ガラスの液面まで浮上した気泡は、液面で破泡し、気泡に含まれていたガスが清澄槽内の気相空間に放出される。
その後、溶融ガラスの温度を下げていき、清澄剤に酸化反応を起こさせ、溶融ガラス中のO2を再吸収させる。このO2の再吸収により、脱泡しきれなかった溶融ガラス中の小泡は、泡内のO2が脱泡とガラス温度の低下とが相まって、小泡内のガス圧が低下し、縮小消滅する。なお、清澄管は、熔融ガラスから気相空間に放出されたガスを大気に放出するために、大気に連通した通気管を備える。

0024

均質化工程(ST3)では、清澄管から延びる配管を通って供給された攪拌槽内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。
供給工程(ST4)では、攪拌槽から延びる配管を通して熔融ガラスが成形装置に供給される。

0025

成形装置では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形は、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置において、成形装置から供給されたシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。この後、ガラス基板の端面の研削、研磨が行われ、ガラス基板の洗浄が行われ、さらに、気泡等の異常欠陥の有無が検査された後、検査合格品のガラス基板が最終製品として梱包される。

0026

図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板の製造装置の一例を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解炉101と、清澄管102と、攪拌槽103と、ガラス供給管104,105,106と、を有する。

0027

図2に示す熔解装置101では、ガラス原料の投入がバケット101dを用いて行われるが、原料投入方法制約は無く、スクリューフィーダー方式や、ブッシュプレート方式の投入機を用いてもよい。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスMGの清澄が行われる。さらに、攪拌槽103では、スターラ103aによって熔融ガラスMGが攪拌されて均質化される。成形装置200では、成形体210を用いたオーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスMGからシートガラスSGが成形される。
なお、図2に示す熔解炉101から成形装置200にいたる熔融ガラスMGの流路、具体的には、ガラス供給管104、清澄管102、ガラス供給管105、攪拌槽103、およびガラス供給管106の熔融ガラスMGの流路を形成する流路内表面は、少なくてもその一部が、白金あるいは白金合金で構成されている。

0028

(2)ガラス基板
以下、本発明にかかるガラス基板の製造方法の一実施形態について説明する。
本発明の実施形態において製造されるガラス基板は、例えば、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、またはカーブドパネルディスプレイ用ガラス基板で、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。また、このガラス基板は、その他、携帯端末機器などのディスプレイ筐体用のカバーガラスタッチパネル板、太陽電池のガラス基板やカバーガラスとしても用いることができる。特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。その中でも特に熱収縮率の小さいことが要求される、LTPS(低温ポリシリコン)・TFTや、酸化物半導体・TFT、IGZO(Indium-Gallium-Zinc-Oxide)・TFTディスプレイ用ガラス基板など、パネル製造工程において高温処理を必要とする製品に好適に用いることができる。

0029

本実施形態において製造されるガラス基板は、特に制限されないが、例えば縦寸法及び横寸法のそれぞれが、500mm〜3500mm、1500mm〜3500mm、1800〜3500mm、2000mm〜3500mmなどが挙げられ、2000mm〜3500mmであることが好ましい。
ガラス基板の厚さは、例えば0.01mm〜1.1mmである。より好ましくは0.75mm以下の極めて薄い矩形形状の板で、例えば、0.55mm以下、さらには0.45mm以下の厚さがより好ましい。ガラス基板の厚さの下限値としては、0.15mm以上が好ましく、0.25mm以上がより好ましい。

0030

本実施形態で製造されるガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。つまり、以下のガラス組成のガラス基板が製造されるように、熔融ガラスの原料調合される。
<ガラス組成>
本実施形態が適用するガラス組成として、例えば、次が挙げられる(質量%表示)。
SiO2:50〜70%(好ましくは、57〜64%)、Al2O3:5〜25%(好ましくは、12〜18%)、B2O3:0〜15%(好ましくは、6〜13%)を含み、さらに、次に示す組成を任意に含んでもよい。任意で含む成分として、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、3〜7%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0.5〜8%、より好ましくは3〜7%)、BaO:0〜10%(好ましくは、0〜3%、より好ましくは0〜1%)、ZrO2:0〜10%(好ましくは、0〜4%,より好ましくは0〜1%)が挙げられる。さらに、R’2O:0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
或いは、SiO2:50〜70%(好ましくは、55〜65%)、B2O3:0〜10%(好ましくは、0〜5%、1.3〜5%)、Al2O3:10〜25%(好ましくは、16〜22%)、MgO:0〜10%(好ましくは、0.5〜4%)、CaO:0〜20%(好ましくは、2〜10%、2〜6%)、SrO:0〜20%(好ましくは、0〜4%、0.4〜3%)、BaO:0〜15%(好ましくは、4〜11%)、RO:5〜20%(好ましくは、8〜20%、14〜19%),を含有することが好ましい(ただし、RはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種である)。さらに、R’2Oが0.10%を超え2.0%以下(ただし、R’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種である)を含むことがより好ましい。
さらに本実施形態のガラス基板の物性値として次が挙げられる。
ヤング率
本実施形態が適用されるガラス基板のヤング率として、例えば、72(Gpa)以上が好ましく、75(Gpa)以上がより好ましく、77(Gpa)以上がより更に好ましい。
歪点
本実施形態が適用されるガラス基板の歪率として、例えば、650℃以上が好ましく、680℃以上がより好ましく、700℃以上、720℃以上が更により好ましい。
また、例えば、ガラス基板の液相粘度は、104.3poise〜106.7poiseである。
もちろん、本発明においては、ガラス基板のガラス組成を限定するものではない。
<その他>
本実施形態における熔融ガラスからシートガラスを成形する方法として、フロート法フュージョン法等が用いられるが、本実施形態のガラス基板のオフラインにおける熱処理を含むガラス基板の製造方法は、フュージョン法(オーバーダウンドロー法)において製造ライン上の徐冷装置を長くすることが困難である点から、フュージョン法に適している。本実施形態の熱処理により熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率は、50ppm以下であり、好ましくは40ppm以下、より好ましくは30ppm以下、更により好ましくは20ppm以下である。熱収縮率を低減する前のガラス基板の熱収縮率の範囲としては、10ppm〜40ppmが好ましい。

0031

本実施形態における熔融ガラスからシートガラスを成形する方法として、フロート法やフュージョン法等が用いられるが、本実施形態のガラス基板のオフラインにおける熱処理を含むガラス基板の製造方法は、フュージョン法(オーバーダウンドロー法)において製造ライン上の徐冷装置を長くすることが困難である点から、フュージョン法に適している。

0032

(3)特徴「操業開始時の熔融ガラス処理装置の昇温制御」
図5は、ガラス板の製造において、本実施形態の昇温方法により昇温される溶融ガラスの処理装置の概略図で、処理装置として、ガラス供給管104(昇温制御1)、清澄管102(昇温制御2)、ガラス供給管105(昇温制御3)、攪拌槽103(昇温制御4)、およびガラス供給管106(昇温制御5)を含む処理装置が示されている。
以下、ガラス板製造における溶融ガラスの処理装置の昇温方法で、熔解炉101に接続されたガラス供給管104、清澄管102、ガラス供給管105、攪拌槽103、及びガラス供給管106を含む処理装置の昇温方法について説明する。

0033

[ガラス供給管104の昇温制御]
ガラス供給管104の昇温制御について説明する。
熔解炉101には、図示されないバーナーおよび電極が設けられている。溶解炉を含むガラス板製造装置の操業を開始する準備が完了したところで、溶解槽101内へ清澄剤を含むガラス原料を所定量投入し、投入されたガラス原料をバーナー火焔によるバーナー加熱および通電加熱して、ガラス供給管104へ最初(操業開始時)に導入される溶融ガラスMGがつくられる。

0034

溶解炉101でつくられる溶融ガラスMGがガラス供給管104へ導入される前に、ガラス供給管104は、ガラス供給管104の操業温度(例えば約1650℃)よりも低い温度、例えば約100℃〜200℃低い温度、の待機温度T1で維持される。待機温度T1で維持されているガラス供給管104へ、溶解炉101でつくられた溶融ガラスMGを所定の流量速度(kg/s)で導入しつつ、ガラス供給管を操業温度T2まで昇温する(昇温制御1)(図3)。熔融ガラスの処理装置の待機温度T1は、熔解炉101でつられる熔融ガラス温度、処理装置の供給管104におけるガラスの温度条件、操業温度T2、これらに基づいて設定することができる。

0035

溶解炉101からガラス供給管104への溶融ガラスMG導入については、溶融ガラスMGからガラス供給管104へ持ち込まれる熱量(A)と、ガラス供給管104を含む供給管ユニット全体から放熱される放熱量(B)との関係が(A)<(B)となる溶融ガラスMGの導入速度(kg/s)を導入基準流量X0(kg/s)とし、導入速度は導入基準流量X0に基づいて設定され、導入基準流量X0(kg/s)を超えないように導入速度が決定され、溶融ガラスMGを少しずつ導入する。このように溶融ガラスMGの導入流量を規制することで、ガラス供給管104を待機温度T1から操業温度T2まで昇温するのに最適な装置の昇温幅を確保することができる(図3及び図4)。

0036

溶解炉101からガラス供給管104へ溶融ガラスMGを導入するのに、上述のような溶融ガラスMGの導入速度を規制せず、溶融ガラスMGからガラス供給管104へ持ち込まれる熱量が、ガラス供給管104を含む供給管ユニット全体(保温部材を含む)から放熱される放熱量(B)を超える導入速度で溶融ガラスが導入されると、ガラス供給管104は待機温度T1から急速な勢いで操業温度T2を超えて上昇し、ガラス供給管104を昇温コントロールすることが不可能となる場合がある。また、急速な勢いで装置温度が上昇し、操業温度T2を超えた想定以上の高い装置温度となった処理装置を冷却機能などで冷却しても、装置の温度を制御可能な状態とするまでに時間を要する、あるいは、操業の定常状態に入るための温度制御を得るのは困難となる場合がある。

0037

(導入基準流量X0の算出)
ガラス供給管104へ熔融ガラスを導入する際、導入基準流量X0に基づいて導入速度(kg/s)を決定し、ガラス供給管104の所定の液面位置(例えば、図5のL1)まで、少しずつ熔融ガラスMGを導入する。待機温度T1で維持されていたガラス供給管に熔融ガラスMGを導入して、ガラス供給管104の所定の液面位置まで熔融ガラスで満たし、操業温度T2まで加熱して操業温度が安定したら、操業温度T2を維持しながら次工程への熔融ガラスの導入を待機する。

0038

導入基準流量X0の設定のために、まず、放熱量(B)を算出する。ガラス供給管104への溶融ガラスMG導入の際の放熱量(導入開始から所定の液面位置まで導入する導入時間における放熱量あるいは単位時間あたりの放熱量)を算出するために、流体および構造解析シミュレーションを用いて予測算出することができる。
通常、ガラス供給管104は耐火物材料などで覆われ、保温構造が備えられる。待機温度T1まで加熱された供給管104に所定の温度の熔融ガラスMGを導入するときの放熱量として、供給管104および保温構造に使用されている材料の熱伝導度[W/m/K]、さらに、ガラス供給管ユニット周囲の温度等、環境条件を考慮することで、ガラス供給管ユニット全体が外部空間へ放熱する放熱量(B)をシミュレーションにより算出することができる。あるいは、設備仕様と同等の構成を備えたスケール小規模な装置で得られた放熱量データを元に、放熱量(B)を算出してもよい。

0039

待機温度T1まで加熱されている供給管104に所定の温度の熔融ガラスMGを導入する間の放熱量(B)よりも、導入される熔融ガラスMGからガラス供給管104へ持ち込まれる持ち込み熱量(A)が小さい熱量となるように、導入基準流量X0(kg/s)が設定される。すなわち、熔融ガラス処理装置であるガラス供給管104への熔融ガラスMGの持ち込み熱量(A)と、ガラス供給管104を含む供給管ユニット全体から放熱される放熱量(B)との関係が、(A)<(B)となる溶融ガラスMGの導入速度として(kg/s)導入基準流量X0が設定される。熔融ガラス処理装置への熔融ガラスMGの持ち込み熱量(A)は、ガラスの密度[kg/m3]、粘度[Pa・s]、比熱[J/kg・K]から計算される。

0040

(導入基準流量X0による導入における液面位置の管理)
溶解炉101からガラス供給管104へ導入される溶解ガラスMGの流量制御(導入速度の制御)については、ガラス供給管104の入口付近から出口までに複数の温度計液面レベル計流速計、などを備えることにより、導入基準流量X0に対する変化(差分)をモニタリングして、溶解炉101からの溶融ガラスMGの導入量(導入速度)をコントロールすることができる。溶融ガラスMGの導入流量(kg/s)が導入基準流量X0付近に近づいたときには、溶解炉101へ投入するガラス原料の量を抑えることで、ガラス供給管へ流出する溶融ガラスMGの液位をコントロールして、溶融ガラスMGの導入流量を調節してもよい。このような溶融ガラスMGの導入速度の導入コントロールを、所定の時間ごとに適切に管理することで、より安定的に溶融ガラスの導入とガラス供給管104の昇温制御を実施することができる。
ガラス供給管104(昇温制御1)には次工程への導入を待機させる基準位置L(図5のL1)が設定される。上述のとおり導入基準流量X0に基づいてガラス供給管への導入を規制しつつ供給管104を加熱し、基準位置L1の液面位置まで導入されたところで熔融ガラスMGの導入を待機させ供給管104の加熱を続ける。

0041

上述のように、導入基準流量X0に基づいて溶融ガラスを供給管104へ導入する際、ガラス供給管104は、流量規制(流量制御)を行いながら待機温度T1から操業温度T2まで少しずつ段階的に昇温される。溶融ガラスMGの液位が、ガラス供給管104の所定の液面位置L1に達したところで、ガラス供給管104の操業温度T2が一定となる温度制御を確保し、ガラス供給管104から清澄管102へ溶融ガラスMGを導入するのを待機する。
ガラス供給管104の液面位置L1と同じ液面高さ位置を、直前の前工程の熔解炉において特定することで、溶解炉から供給管104への熔融ガラスMGの導入プロセス(昇温制御1)の終了位置を正確に制御できる。また、このような基準位置(L1)を直前の工程で特定しておくことで、熔融ガラスの導入速度の導入コントロール手段としても使用することができる(図5)。

0042

ガラス供給管104は、白金あるいは白金合金を用いて構成する、あるいは、白金または白金合金に金属酸化物粒子を分散させた材料で構成することができる。すなわち、ガラス供給管には、白金あるいは白金合金に金属酸化物粒子が分散した強化白金あるいは強化白金合金を用いることができる。

0043

ガラス供給管104は、アルミナセメント114aで被覆され、その外側には、耐火物レンガ等の断熱部材114bが積み重ねられて移送管ユニット114が形成されている。すなわち、ガラス供給管104の周りには、保温構造114bが設けられている。また、ガラス供給管104の両端部104a,104bは、フランジ形状を成し、保温構造114bの外に突出している。本実施形態の両端部104a,104bはフランジ形状を成しているが、両端部104a,104bが管外部から冷却される限りにおいて、フランジ形状でなくてもよい。

0044

[昇温制御2から昇温制御5]
本実施形態における処理装置は、上述の熔解炉から清澄管へ熔融ガラスMGを所定の温度で移送するガラス供給管104のほかに、さらに、熔解炉から熔融ガラスMGに含まれるO2を脱泡して熔融ガラスを清澄する清澄管と、熔融ガラスMGを均質化する攪拌槽と、清澄管から攪拌槽へ熔融ガラスを所定の温度で移送するガラス供給管2と、攪拌槽から成形体へ所定の温度で熔融ガラスMGを移送するガラス供給管3と、を備え;
さらに、操業開始時に、前記溶解炉から溶融ガラスを流出させて、上述のガラス供給管1から、清澄管、ガラス供給管2、攪拌槽、ガラス供給管3へと、順に、熔融ガラスMGを所定の基準位置まで導入するとき、これらの処理装置の各々において、それぞれの導入基準流量X0に基づいて熔融ガラスの流量が規制され、それぞれの操業温度T2まで加熱される(図6)。

0045

ガラス供給管104から清澄管102への溶融ガラスMGの導入(昇温制御2)、清澄管102からガラス供給管105への溶融ガラスMGの導入(昇温制御3)、ガラス供給管105から攪拌槽103への溶融ガラスMGの導入(昇温制御4)、攪拌槽103からガラス供給管106への溶融ガラスMGの導入(昇温制御5)についても(図5)、上述の昇温制御1と同様に、処理装置へ持ち込む熔融ガラスMGの熱量(A)<放熱量(B)となる溶融ガラスの導入速度である導入基準流量X0(kg/s)を特定し、導入基準流量X0に基づいて溶融ガラスの導入量を規制しながら溶融ガラスの処理装置を昇温する。
このように、昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5においても、溶融ガラスMGの導入流量を規制することで、待機温度T1から操業温度T2まで昇温するのに最適な処理装置の昇温幅を確保することができる(図3及び図4)。

0046

昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5それぞれにおいても、溶融ガラスMGを導入するのに、上述のような溶融ガラスMGの導入速度を規制せず、溶融ガラスMGから処理装置それぞれに持ち込まれる熱量が、処理装置に備えられる保温機構を含むユニット全体から放熱される放熱量(B)を超える導入速度で溶融ガラスが導入されると、処理装置は待機温度T1から急速な勢いで操業温度T2を超えて上昇し、昇温コントロールすることが不可能となる場合がある。急速な勢いで装置温度が上昇し、操業温度T2を超えた、想定以上の高い装置温度の状況にある処理装置を冷却機能などで冷却しても、装置の温度を制御可能な状態とするまでに時間を要する、あるいは、操業の定常状態に入るための温度制御を得るのは困難となる場合がある。

0047

昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5それぞれにおいても、処理装置へ熔融ガラスを導入する際、導入基準流量X0に基づいて導入速度(kg/s)を決定して、待機温度T1にある処理装置の定の液面位置まで、少しずつ熔融ガラスMGを導入する。所定の液面位置まで熔融ガラスで満たし、操業温度T2まで加熱して操業温度が安定したら、操業温度T2を維持しながら次工程への熔融ガラスの導入を待機する。

0048

昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5それぞれにおいても、導入基準流量X0の設定のために、まず、放熱量(B)を算出する。供給管104と同様にして、溶融ガラスMG導入の際の放熱量(導入開始から所定の液面位置まで導入する導入時間における放熱量あるいは単位時間あたりの放熱量)の算出も、流体および構造解析シミュレーションなどにより算出することができる。熔融ガラス処理装置への熔融ガラスMGの持ち込み熱量(A)は、ガラスの密度[kg/m3]、粘度[Pa・s]、比熱[J/kg・K]から計算される。

0049

昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5それぞれにおいても、待機温度T1まで加熱されている供給管104に所定の温度の熔融ガラスMGを導入する間の放熱量(B)よりも、導入される熔融ガラスMGからガラス供給管104へ持ち込まれる持ち込み熱量(A)が小さい熱量となるように、導入基準流量X0(kg/s)が設定される。

0050

昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5それぞれにおいても、上述と同様、導入基準流量X0に対する変化(差分)をモニタリングする方法及び手段を備えることができ、溶解炉101からの溶融ガラスMGの導入量(導入速度)をコントロールすることができる。溶融ガラスMGの導入速度の導入コントロールを、所定の時間ごとに適切に管理することで、より安定的に溶融ガラスの導入と処理装置の昇温制御を実施することができる。

0051

上述のように、導入基準流量X0に基づいて溶融ガラスを供給管104へ導入する際、ガラス供給管104は、流量規制(流量制御)を行いながら待機温度T1から操業温度T2まで少しずつ段階的に昇温される。溶融ガラスMGの液位が、ガラス供給管104の所定の液面位置L1に達したところで、ガラス供給管104の操業温度T2が一定となる温度制御を確保し、ガラス供給管104から清澄管102へ溶融ガラスMGを導入するのを待機する。
昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5の処理装置それぞれにおいても、供給管104と同様に、次工程へのガラス導入開始を待機するための基準位置を特定するのが好ましい。

0052

昇温制御2、昇温制御3、昇温制御4、昇温制御5における処理装置も、ガラス供給管104と同様に、白金あるいは白金合金を用いて構成する、あるいは、白金または白金合金に金属酸化物粒子を分散させた材料で構成することができる。

0053

以上、本発明を実施の形態により説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。

0054

以上のとおり、熔融ガラスを処理する処理装置への溶融ガラスMG導入については、それぞれの処理装置において、溶融ガラスMGから処理装置へ持ち込まれる熱量(A)と、処理装置ユニット全体から放熱される放熱量(B)との関係が(A)<(B)となる溶融ガラスMGの導入速度(kg/s)を導入基準流量X0(kg/s)として、それぞれの導入速度が導入基準流量X0に基づいて設定され、導入基準流量X0(kg/s)に基づいて溶融ガラスMGを少しずつ導入する。このように溶融ガラスMGの導入流量を規制することで、処理装置それぞれが待機温度T1から操業温度T2まで昇温するのに最適な装置の昇温幅を確保することができる(図6)。
処理装置それぞれにおいて、操業開始時に導入基準流量X0(kg/s)に基づいて熔融ガラスの導入速度が最適にコントロールされているため、操業初期の処理装置の昇温制御は、昇温異常を招くことなく、また、冷却機能で装置温度を調整するなどの対処する必要がなく、効率的に安定した定常状態に到達できる。さらに、定常状態に異状なくスムーズに到達できるため、処理装置それぞれで目的とする溶融ガラスの温度履歴を形成するという点において有利となり、良い品質のガラス基板を量産できる。

0055

101熔解炉(熔解装置)
102清澄管
103撹拌槽攪拌装置
104ガラス供給管1
105 ガラス供給管2
106 ガラス供給管3
200成形装置
210成形体
300 切断装置

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