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技術 ガラス板の製造方法及び熔解槽

出願人 AvanStrate株式会社
発明者 鈴木諒
出願日 2016年3月31日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-070655
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-178724
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの溶融、製造
主要キーワード 温度境界条件 設置用孔 貯留部分 放射熱伝達 参照温度 ピッチズレ 保温構造 抑制構造
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

ガラス板を製造するとき、熔解槽の敷き部に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質に好ましくない脈理発生原因となる熔解槽の側壁周辺下降流を抑える。

解決手段

ガラス板を製造ときに、熔融ガラス通電加熱によりつくる熔解槽の底部には第1保温抑制構造及び第2保温抑制構造が備えられ、前記第1保温抑制構造の放熱量が前記第2保温抑制構造の放熱量より大きい。前記第1保温抑制構造が前記熔解槽の熔融ガラスと接する床壁の前記熔解槽の長手方向の中心位置から前記床壁の前記長手方向の中心長さの5%の範囲内の位置に1つ設けられ、前記第1保温抑制構造の位置を基準にして前記床壁の領域を前記長手方向の前記原料投入口の側の第1床壁領域と、前記流出口の側の第2床壁領域とにわけたとき、前記第1床壁領域及び前記第2床壁領域のそれぞれに、少なくとも1つずつ第2保温抑制構造が設けられる。

概要

背景

近年、液晶ディスプレイプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、FPDと言う)の分野では、画像表示高精細化進展に伴って、FPD用ガラス基板に対する品質要求は益々厳しくなってきている。特に、画素ピッチズレの原因となるディスプレイパネル製造時に生じるガラス基板熱収縮を抑制するために、ガラス基板を従来よりさらに高温成形し、熔融ガラスがより高温になる傾向にある。

ダウンドロー法で熱収縮に対する品質要求に答えガラス板を製造するためには、例えば、従来のガラス組成に比べて歪点の高いガラス組成のガラスを利用する。つまり、高温粘性の高いガラス組成のガラスを利用する。例えば、FPDのガラス基板として使用されるものなどの、高熔融温度のガラスまたは高歪み点ガラスにおいてガス状包有物を減少させるためのガラス製造システムおよび方法が知られている(特許文献1)。このシステム及び方法では、溶融容器内バッチ材料を加熱して、溶融温度TMで、多価酸化物材料を含む熔融ガラスを形成し、その後、耐火性管内で熔融ガラスをTM未満の冷却温度TCに冷却し、熔融ガラスを該耐火性管内に所定の滞留時間に亘り滞留させる。この後、冷却された熔融ガラスを清澄温度TF≧TMまで加熱する。

概要

ガラス板を製造するとき、熔解槽の敷き部に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質に好ましくない脈理発生原因となる熔解槽の側壁周辺下降流を抑える。ガラス板を製造ときに、熔融ガラスを通電加熱によりつくる熔解槽の底部には第1保温抑制構造及び第2保温抑制構造が備えられ、前記第1保温抑制構造の放熱量が前記第2保温抑制構造の放熱量より大きい。前記第1保温抑制構造が前記熔解槽の熔融ガラスと接する床壁の前記熔解槽の長手方向の中心位置から前記床壁の前記長手方向の中心長さの5%の範囲内の位置に1つ設けられ、前記第1保温抑制構造の位置を基準にして前記床壁の領域を前記長手方向の前記原料投入口の側の第1床壁領域と、前記流出口の側の第2床壁領域とにわけたとき、前記第1床壁領域及び前記第2床壁領域のそれぞれに、少なくとも1つずつ第2保温抑制構造が設けられる。

目的

本発明の目的は、熔解槽の敷き部に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質に好ましくない脈理の発生原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えるガラス板の製造方法及び溶解槽を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熔解槽において熔融ガラス通電加熱によりつくる工程と、前記熔融ガラスを成形してガラス板をつくる工程と、を有し、前記熔解槽の底部には第1保温抑制構造及び第2保温抑制構造が備えられ、前記第1保温抑制構造の放熱量が前記第2保温抑制構造の放熱量より大きく、前記熔解槽の、原料投入口から前記熔融ガラスの流出口に向かう方向を長手方向としたとき、前記第1保温抑制構造が前記熔解槽の熔融ガラスと接する床壁の前記長手方向の中心位置から前記床壁の前記長手方向の中心長さの5%の範囲内の位置に1つ設けられ、前記第1保温抑制構造の位置を基準にして前記床壁の領域を前記長手方向の前記原料投入口の側の第1床壁領域と、前記流出口の側の第2床壁領域とにわけたとき、前記第1床壁領域及び前記第2床壁領域のそれぞれに、少なくとも1つずつ第2保温抑制構造が設けられる、ことを特徴とするガラス板の製造方法。

請求項2

前記第1床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第1床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となり、前記第2床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記流出口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第2床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となるように、前記第1保温抑制構造及び前記第2保温抑制構造が設けられる、請求項1に記載のガラス板の製造方法。

請求項3

前記第1床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Aとし、前記第2床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Bとしたとき、前記第1床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Aの位置と前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置し、前記第2床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Bの位置と、前記流出口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置するように、前記第1保温抑制構造、前記第2保温抑制構造A、及び前記第2保温抑制構造Bが設けられる、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。

請求項4

前記第2保温抑制構造が、前記第1保温抑制構造の位置を中心にして、前記長手方向に沿って前記中心長さの3分の1の長さの範囲内に設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。

請求項5

溶解ガラスをつくる熔解槽であって、熔融ガラスを貯留する前記熔解槽の底部には、第1保温抑制構造及び第2保温抑制構造が備えられ、前記第1保温抑制構造の放熱量は、前記第2保温抑制構造の放熱量より大きく、前記熔解槽の、原料投入口から前記熔融ガラスの流出口に向かう方向を長手方向としたとき、前記第1保温抑制構造が前記熔解槽の熔融ガラスと接する床壁の前記長手方向の中心位置から前記床壁の前記長さ方向の中心長さの5%の範囲内の位置に1つ設けられ、前記第1保温抑制構造の位置を基準にして前記床壁の領域を前記長手方向の前記原料投入口の側の第1床壁領域と、前記流出口の側の第2床壁領域とにわけたとき、前記第1床壁領域及び前記第2床壁領域のそれぞれに、少なくとも1つずつ第2保温抑制構造が設けられる、ことを特徴とする熔解槽。

請求項6

前記第1床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第1床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となり、前記第2床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記流出口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第2床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となるように、前記第1保温抑制構造及び前記第2保温抑制構造が設けられる、請求項5に記載の熔解槽。

請求項7

前記第1床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Aとし、前記第2床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Bとしたとき、前記第1床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Aの位置と前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置し、前記第2床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Bの位置と、前記流出口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置するように、前記第1保温抑制構造、前記第2保温抑制構造A、及び前記第2保温抑制構造Bが設けられる、請求項5または6に記載の熔解槽。

技術分野

0001

本発明は、ガラス板の製造方法及び熔解槽に関する。

背景技術

0002

近年、液晶ディスプレイプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、FPDと言う)の分野では、画像表示高精細化進展に伴って、FPD用ガラス基板に対する品質要求は益々厳しくなってきている。特に、画素ピッチズレの原因となるディスプレイパネル製造時に生じるガラス基板熱収縮を抑制するために、ガラス基板を従来よりさらに高温成形し、熔融ガラスがより高温になる傾向にある。

0003

ダウンドロー法で熱収縮に対する品質要求に答えるガラス板を製造するためには、例えば、従来のガラス組成に比べて歪点の高いガラス組成のガラスを利用する。つまり、高温粘性の高いガラス組成のガラスを利用する。例えば、FPDのガラス基板として使用されるものなどの、高熔融温度のガラスまたは高歪み点ガラスにおいてガス状包有物を減少させるためのガラス製造システムおよび方法が知られている(特許文献1)。このシステム及び方法では、溶融容器内バッチ材料を加熱して、溶融温度TMで、多価酸化物材料を含む熔融ガラスを形成し、その後、耐火性管内で熔融ガラスをTM未満の冷却温度TCに冷却し、熔融ガラスを該耐火性管内に所定の滞留時間に亘り滞留させる。この後、冷却された熔融ガラスを清澄温度TF≧TMまで加熱する。

先行技術

0004

特開2012−517398号公報

発明が解決しようとする課題

0005

一般に、高温粘性が高い、あるいは歪点が高いガラスとなるようにガラス組成を調整したガラスは、熔融ガラス時の電気抵抗率も大きくなる傾向にある。熔融ガラスを通電加熱する熔解工程においては、例えば、1550℃における電気抵抗率が160Ω・cm以上である熔融ガラスの場合、熔融ガラスの加熱のために熔融ガラスに通電させようとする電流の一部が熔解槽を形成する耐火レンガに流れて加熱されるため、その熱が熔解槽の底部を構成する敷き部の耐火レンガに蓄積されて温度がその周囲に比べて局所的に高くなる熱ごもりが無視できなくなる。局所的な熱ごもりにより、耐火レンガの強度は低下して変形し易くなり、場合によっては、耐火レンガが熔損する可能性がある。

0006

さらに、上述のような熔解槽では、熔解槽の側壁周辺、あるいは熔解槽の側壁下部に設けられる熔融ガラスの流出口の周辺では、熔解槽の外部への放熱により、熔融ガラスが側壁周辺で下降流をつくる傾向にある。特に、熔解槽の側壁下部に設けられる流出口周辺に発生する熔融ガラスの下降流は、熔融ガラスの表面(液面)に浮遊する未熔解の原料成分を含む異質素地を巻き込んで、ガラス品質にとって好ましくない脈理を引き起こす原因となる可能性がある。

0007

このような状況から、電気抵抗率が大きくなる傾向にある熔融ガラスを熔解槽で通電加熱するとき、熔解槽の敷き部の局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質における脈理の原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えるように、熔解槽における熔融ガラスの温度分布コントロールすることが好ましい。

0008

本発明の目的は、熔解槽の敷き部に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質に好ましくない脈理の発生原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えるガラス板の製造方法及び溶解槽を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様は、ガラス板の製造方法である。当該製造方法は、
熔解槽において熔融ガラスを通電加熱によりつくる工程と、
前記熔融ガラスを成形してガラス板をつくる工程と、を有する。
前記熔解槽の底部には第1保温抑制構造及び第2保温抑制構造が備えられ、
前記第1保温抑制構造の放熱量が前記第2保温抑制構造の放熱量より大きい。
前記熔解槽の、原料投入口から前記熔融ガラスの流出口に向かう方向を長手方向としたとき、
前記第1保温抑制構造が前記熔解槽の熔融ガラスと接する床壁の前記長手方向の中心位置から前記床壁の前記長手方向の中心長さの5%の範囲内の位置に1つ設けられ、
前記第1保温抑制構造の位置を基準にして前記床壁の領域を前記長手方向の前記原料投入口の側の第1床壁領域と、前記流出口の側の第2床壁領域とにわけたとき、前記第1床壁領域及び前記第2床壁領域のそれぞれに、少なくとも1つずつ第2保温抑制構造が設けられる。

0010

前記第1床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第1床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となり、前記第2床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記流出口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第2床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となるように、前記第1保温抑制構造及び前記第2保温抑制構造が設けられる、ことが好ましい。

0011

前記第1床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Aとし、前記第2床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Bとしたとき、
前記第1床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Aの位置と前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置し、前記第2床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Bの位置と、前記流出口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置するように、前記第1保温抑制構造、前記第2保温抑制構造A、及び前記第2保温抑制構造Bが設けられる、ことが好ましい。

0012

前記第2保温抑制構造が、前記第1保温抑制構造の位置を中心にして、前記長手方向に沿って前記中心長さの3分の1の長さの範囲内に設けられる、ことが好ましい。

0013

本発明の他の一態様は、溶解ガラスをつくる熔解槽である。当該熔解槽の熔融ガラスを貯留する前記熔解槽の底部には、第1保温抑制構造及び第2保温抑制構造が備えられ、
前記第1保温抑制構造の放熱量は、前記第2保温抑制構造の放熱量より大きい。
前記熔解槽の、原料投入口から前記熔融ガラスの流出口に向かう方向を長手方向としたとき、
前記第1保温抑制構造が前記熔解槽の熔融ガラスと接する床壁の前記長手方向の中心位置から前記床壁の前記長さ方向の中心長さの5%の範囲内の位置に1つ設けられ、
前記第1保温抑制構造の位置を基準にして前記床壁の領域を前記長手方向の前記原料投入口の側の第1床壁領域と、前記流出口の側の第2床壁領域とにわけたとき、前記第1床壁領域及び前記第2床壁領域のそれぞれに、少なくとも1つずつ第2保温抑制構造が設けられる。

0014

前記第1床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第1床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となり、前記第2床壁領域のうち、前記長手方向の中心位置に比べて、前記長手方向において前記流出口の側の前記熔解槽の側壁に近い位置で前記第2床壁領域における前記熔融ガラスの温度が最高となるように、前記第1保温抑制構造及び前記第2保温抑制構造が設けられる、ことが好ましい。

0015

前記第1床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Aとし、前記第2床壁領域に位置する前記第2保温抑制構造の1つを第2保温抑制構造Bとしたとき、
前記第1床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Aの位置と前記原料投入口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置し、前記第2床壁領域において前記熔融ガラスの温度が最高となる位置は、前記長手方向において、前記第2保温抑制構造Bの位置と、前記流出口の側の前記熔解槽の側壁との間に位置するように、前記第1保温抑制構造、前記第2保温抑制構造A、及び前記第2保温抑制構造Bが設けられる、ことが好ましい。

発明の効果

0016

本発明のガラス板の製造方法及び熔解槽によれば、電気抵抗率が大きくなる傾向にある熔融ガラスを熔解槽で通電加熱した場合でも、熔解槽の敷き部に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質に好ましくない脈理の発生原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えるように、熔解槽における熔融ガラスの温度分布をコントロールすることができる。

図面の簡単な説明

0017

本実施形態に係る熔解槽の床壁における、第1保温抑制構造及び第2保温抑制構造の配置を説明する概念図である。
本実施形態のガラス板の製造方法の工程の一例を示す図である。
本実施形態における熔解工程〜切断工程を行うガラス板製造装置の一例を模式的に示す図である。
本実施形態の熔解槽の熔解槽本体とその周辺の構造の概略を説明する斜視図である。
本実施形態の熔解槽の断面を簡略化して説明する図である。
本実施形態の熔解槽における熔解槽本体の長手方向に沿った断面図である。
本実施形態の熔解槽の、シミュレーション計算に用いる熔解槽モデルを示す図である。
本実施形態の熱伝導のシミュレーション計算の結果である熔融ガラスの温度分布を説明する図である。

実施例

0018

以下、本実施形態のガラス板の製造方法について説明する。
(本実施形態の概要説明
図1は、本実施形態に係る熔解槽の床壁10における、後述する第1保温抑制構造12及び第2保温抑制構造14の配置を説明する概念図である。床壁10は、原料投入口側の端(床壁10が側壁と接する部分)16と、熔融ガラスの流出口側の端(床壁10が側壁と接する部分)18を有する。熔解槽の床壁10の長手方向は、端16から端18に向かう図中のX方向である。
本実施形態では、熔解槽の床壁10を含む底部には第1保温抑制構造12及び第2保温抑制構造14(第1保温抑制構造の放熱量>第2の保温抑制構造の放熱量)が備えられる。この第1保温抑制構造12が熔解槽の床壁10の長手方向(原料投入口側の端16から熔融ガラスの流出口側の端18に向かうX方向)の中心位置Cから床壁10の長手方向の中心長さLの5%の範囲内の位置に1つ設けられる。さらに、第1床壁領域20(第1保温抑制構造の位置を基準にして熔解槽の長手方向の原料投入口の側の領域)及び第2床壁領域22(第1保温抑制構造の位置を基準にして熔解槽の長手方向の流出口の側の領域)のそれぞれに、少なくとも1つずつ第2保温抑制構造14が設けられる。

0019

ここで保温抑制構造は、熔解槽の底部に設けられる熔融ガラスのドレン孔温度センサ設置用孔、および泡形成用気体導入孔の少なくとも1つを含む。保温抑制構造は、床壁の下方に設けられる複数の耐火レンガの積層構造の敷き部が設けられるとき、敷き部の耐火レンガの少なくとも一層において、敷き部の耐火レンガの熱伝導率を部分的に周囲に対して高くした構造をいう。
これらの保温抑制構造は、例えば、基準とする熔解槽のシミュレーションモデルを用いて熔融ガラスをつくるシミュレーション計算を行い熔解槽の底部の温度分布を予測計算し、予測計算で得られた温度分布から確かめることができる。ドレン孔、温度センサの設置用孔、および泡形成用気体導入孔の孔空間には、断熱性の高い耐火レンガないので、これらの孔は、孔空間に沿って放熱が生じ易い。このため、これらの孔を備えた領域の構造は、保温抑制構造といえる。
保温抑制構造における放熱量の大小は、例えば、保温抑制構造があるシミュレーションモデルと保温抑制構造のないシミュレーションモデルを用いて上記シミュレーション計算を行って、保温抑制構造の位置における熔融ガラスの温度の差分の大小により定めることができる。例えば、大きな孔は小さな孔に比べて、孔空間は大きいので、放熱量は多い。

0020

このように、熔解槽の底部に第1保温構造12及び第2保温構造14が設けられることにより、熔解槽の敷き部に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質に好ましくない脈理の発生原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えることができる。以下、本実施形態の詳細を説明する。

0021

(ガラス板の製造方法の全体概要
図2は、本実施形態のガラス板の製造方法の工程の一例を示す図である。
ガラス板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス板は、納入先業者に搬送される。

0022

熔解工程(ST1)は熔解槽で行われる。熔解槽では、ガラス原料を、熔解槽に蓄えられた熔融ガラスの液面に投入し、加熱することにより熔融ガラスを作る。さらに、熔解槽の内側側壁の1つに設けられた流出口から下流工程に向けて熔融ガラスを流す。
熔解槽の熔融ガラスの加熱は、熔融ガラス自身に電気が流れて自ら発熱し加熱するとともに、バーナーによる火焔補助的に与えてガラス原料を熔解する。具体的には、投入されたガラス原料は、熔解槽の気相空間の壁面あるいはバーナーの火炎からの熱輻射伝熱で加熱され、熱分解して熔解される。こうしてできた熔融ガラスは、より高温に通電加熱される。なお、ガラス原料には清澄剤が添加される。清澄剤として、SnO2,As2O3,Sb2O3等が知られているが、特に制限されない。しかし、環境負荷低減の点から、清澄剤としてSnO2(酸化錫)を用いることが好ましい。熔解槽では、脈理が発生しないようにガラス原料が完全に熔解されるとともに、後工程が適切に行われるように所定の粘度の熔融ガラスが通電加熱によりつくられる。

0023

清澄工程(ST2)は、少なくとも清澄槽において行われる。清澄工程では、清澄槽内の熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれるO2、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じたO2を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に泡は浮上して放出される。さらに、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中のO2等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。なお、清澄工程では、酸化錫を清澄剤として用いた清澄方法を用いることができる。

0024

均質化工程(ST3)では、清澄槽から延びる配管を通って供給された攪拌槽内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。
供給工程(ST4)では、攪拌槽から延びる配管を通して熔融ガラスが成形装置に供給される。

0025

成形装置では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスを帯状のガラス板に成形して、ガラス板の流れを作る。成形は、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されたガラス板が所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置において、成形装置から供給された帯状のガラス板を所定の長さに切断することで、一枚のガラス板を得る。切断されたガラス板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス板が作られる。この後、ガラス板の端面の研削、研磨が行われ、ガラス板の洗浄が行われ、さらに、気泡や脈理等の異常欠陥の有無が検査された後、検査合格品のガラス板が最終製品として梱包される。

0026

図3は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス板製造装置の一例を模式的に示す図である。当該装置は、図3に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄槽102と、攪拌槽103と、ガラス供給管104,105,106と、を有する。
図3に示す熔解装置101では、ガラス原料の投入がバケット101dを用いて行われ、このガラス原料の熔解により得られる熔融ガラスMGが所定の粘度になるように熔融ガラスMGは加熱される。清澄槽102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスMGの清澄が行われる。さらに、攪拌槽103では、スターラ103aによって熔融ガラスMGが攪拌されて均質化される。成形装置200では、成形体210を用いたオーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスMGからシートガラスSGが成形される。本実施形態は、バケット101dをガラス原料の投入手段として用いるが、これに制限されない。例えば、スクリューフィーダを用いることもできる。

0027

このようなガラス板の製造方法及びガラス板製造装置において、熱収縮の小さいガラス板をつくるために、高温粘性の高いガラス組成のガラスを利用する場合、熔解槽101では、高温粘性の高くないガラスに比べて多量の電流を流して通電加熱をしなければならない。しかし、高温粘性の高いガラスでは、熔融状態の電気抵抗率は大きくなる傾向にあり、熔融ガラスの電気抵抗率は、熔解槽101の側壁及び床壁に用いる耐火レンガの電気抵抗率と同等になる。このため、熔解槽101の側壁に設けられた電極対に電流を流して熔融ガラスに電流を流そうとすると、本来熔融ガラスに流れるべき電流の一部は、熔解槽101の側壁及び床壁に流れ、側壁および床壁が加熱される。特に、熔解槽101の床壁の下方の、複数層断熱特性に優れた耐火レンガを敷き詰めた層構成の敷き部には、断熱特性によって熱が逃げず、部分的に熱が蓄積されて高温になった熱ごもりが発生する。このような熱ごもりは、床壁や敷き部の耐火レンガの機械的強度を低下させ、熱クリープが生じる他、耐火レンガの一部が熔損して貯留すべき熔融ガラスが外部に流出する虞もある。
このため、本実施形態では、熔解槽101の底部に設ける第1保温構造12及び第2保温構造14の配置位置を適切に定めることにより、熔解槽の敷き部に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、ガラス品質に好ましくない脈理の発生原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えることができる。以下、熔解槽の構成をより詳細に説明する。

0028

(熔解槽)
図4は、熔解槽101の熔解槽本体とその周辺の構造の概略を説明する斜視図であり、図5は、熔解槽101の断面を簡略化して説明する図である。図5に示す断面は、図4に示す電極114が設けられた長手方向の位置における断面である。図6は、熔解槽本体の長手方向に沿った断面図である。

0029

本実施形態において、熔解槽101は、熔解槽本体110と、バーナー112と、電極対114と、迫部118と、を主に有する。

0030

熔解槽本体110は、上部に気相空間を有し、下部において熔融ガラスを貯留する。
バーナー112は、熔解槽本体110の気相空間を囲う気相空間仕切り壁116上の長手方向の異なる位置に、互いに対向する両方の壁それぞれに3つ設けられている。このときバーナー112は、互いに対向する位置には設けられず、互い違いに設けられている。なお、バーナー112は、互いに対向する両壁の双方に設けられず、片方の壁に3つ設けてもよい。図4では、熔解槽本体110の奥側の壁に設けられるバーナー112のみが示されている。バーナー112は、燃料酸素等を混合した燃焼ガス燃焼して火炎を発する。図5では、2つのバーナー112が対向する壁の対向する位置に設けられるように示されるが、図5に示す2つバーナー112は、図4紙面に対して垂直方向の異なる位置に設けられている。

0031

電極対114は、熔融ガラスを通電加熱するために熔解槽本体110の側壁部の、長手方向の3つの異なる位置に、熔融ガラスを挟んで互いに対向するように3対設けられている。図4では、熔解槽本体110の手前側の側壁部に設けられる電極のみが示されている。電極対114は、例えば、酸化錫あるいはモリブデン等の耐熱性を有する導電性材料が用いられる。電極対114は、制御ユニット120に接続され、制御ユニット120から制御された電流の供給を受ける。

0032

気相空間仕切り壁116は、熔解槽本体110の一部であり、溶融ガラス貯留部分の上方に設けられた壁である。この壁にバーナー112が設けられている。また、気相空間仕切り壁116には、開閉自在な原料投入口101fが設けられ、この原料投入口101fを通してガラス原料を積んだバケット101d(図2参照)が出入りする。バケット101dにより、ガラス原料は熔解槽本体110に貯留する熔融ガラスの液面に投入される。熔解槽本体110の原料投入口101fと対向する側壁の床壁近傍には、流出口104aが設けられている。熔解槽101は、流出口104aから後工程に向けて熔融ガラスを流す。

0033

迫部118は、熔解槽101の気相空間を閉じる天井壁である。
熔解槽本体110、気相空間仕切り壁116及び迫部118は、いずれも熔融ガラスの温度に対して耐熱性を有するものが用いられる。

0034

熔解槽本体110の下方には、耐火レンガによって構成された積層構造の敷き部124が設けられている。敷き部124は、4層構造断熱層を有する。熔解槽101の底部126は、熔解槽本体110の槽の底に相当する床壁10と、敷き部124と、を備え、床壁10及び敷き部124は積層構造を構成している。熔融ガラスと接する熔解槽本体110の床壁10には、例えば、敷き部124に用いる耐火レンガに比べて気孔率の低い緻密な耐火レンガが用いられ、床壁110aに用いられる耐火レンガの熱伝導率は、敷き部124に用いられる耐火レンガに比べて高い。

0035

熔解槽本体部110の底部126には、図6に示すように、温度センサ設置用孔126aとドレン孔126bが設けられている。

0036

温度センサ設置用孔126aは、床壁10に位置する熔融ガラスMGの温度を計測する温度センサ、例えば熱電対を設置するために熔解槽本体110の床壁に設けられた孔である。したがって、温度センサ設置用孔126aは、熔融ガラスMGの粘度を高くして熔融ガラスMGが孔から漏出しないように、孔及び孔の周辺の保温は抑えられている。なお、温度センサ設置用孔126aは、床壁10及び敷き部124の耐火レンガに延びて途中で閉塞している。温度センサ設置用孔126aは、床壁10及び敷き部124の耐火レンガを貫通した孔でもよいし、途中で閉塞した孔でもよい。
ドレン孔126bは、熔融ガラスMGを後工程に流すことなく、ガラス板製造装置の外部に流出する、床壁10及び敷き部124の耐火レンガが貫通する排出口である。熔解槽本体110に貯留する熔融ガラスMGは、熔解槽101あるいは熔解装置100の補修のために、熔解槽本体110から完全に抜き出す場合がある。この場合、ドレン孔126bから熔融ガラスMGを排出させる。

0037

ドレン孔126bの孔径は、温度センサ設置用孔126aの孔径に比べて大きく、しかも底部126を貫通するので、ドレン孔126bを囲む層構造の放熱量は、温度センサ設置用孔126aを囲む層構造の放熱量に比べて大きい。したがって、ドレン孔126bを囲む層構造は、第1保温抑制構造であり、温度センサ設置用孔126aを囲む層構造は、第2保温抑制構造である。
ここで、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)が床壁10の長手方向の中心位置Cから床壁10の長手方向の中心長さLの5%の範囲内の位置に1つ設けられている。ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)の位置は、ドレン孔126bの中心位置をいう。さらに、ドレン孔126bを囲む層構造の位置を基準にして床壁10の領域を長手方向(X方向)の原料投入口101fの側の第1床壁領域20と、流出口104aの側の第2床壁領域22にわけたとき、第1床壁領域20及び第2床壁領域22のそれぞれに、少なくとも1つずつ温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造)が設けられている。ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)及び温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造)の、X方向と直交する床壁10の幅方向の位置は特に制限されない。

0038

本実施形態では、保温抑制構造として、温度センサ設置用孔126aを囲む層構造とドレン孔126bを囲む層構造を挙げたが、これ以外の構造を含んでもよく、例えば、泡形成用気体導入孔を囲む層構造であってもよい。熔解槽本体110には、熔融ガラスMG中の泡を成長させて後工程の清澄工程で清澄しやすくするために、熔融ガラスMGに泡を導入する場合がある。この場合、熔融ガラスMGに泡を導入するための泡形成用気体導入孔が熔解槽本体110の床壁10に設けられる。泡形成用気体導入孔も、熔融ガラスMGの粘度を高くして熔融ガラスMGが孔から漏出しないように、孔及び孔の周辺の保温は抑えられている。また、敷き部124の下方から耐火レンガの積層の途中まで延びる孔を囲む層構造も保温抑制構造の一例として挙げることができる。このような孔を設けることで、孔を囲む層構造は外気に触れる面積が広くなるため熱放射をし易い。このため、孔の周辺の耐火レンガの保温は抑制される。

0039

本実施形態では、第1床壁領域20のうち、長手方向の中心位置Cに比べて、長手方向において原料投入口101fの側の熔解槽101の側壁に近い位置で第1床壁領域20における熔融ガラスの温度が最高となり、第2床壁領域22のうち、長手方向の中心位置Cと、流出口104aの側の熔解槽101の側壁とを長手方向において比べた時、長手方向において熔解槽101の側壁に近い位置で第2床壁領域22における熔融ガラスの温度が最高となるように、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)及び温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造)が設けられることが好ましい。第1床壁領域20及び第2床壁領域22を上記のように設けることにより、熔融ガラスのそれぞれの領域における最高温度が原料投入口101fの側及び流出口104aの側の側壁近くに位置するので、側壁に沿って熔融ガラスが下降する下降流を抑えることができる。熔解槽101内の熔融ガラスの表面(液面)には、投入されたガラス原料のうち未熔解のガラス成分の異質素地が浮遊している。特に、原料投入口101f及び流出口104aの側の側壁近傍には、未熔解のガラス成分の異質素地が多く浮遊しているので、熔融ガラスの大きな下降流があると、未熔解のガラス成分の異質素地は側壁に沿って下降し、流出口104aから流出して、清澄工程ST2に流れ易い。このような異質素地は、脈理の原因となり好ましくない。このため、熔融ガラスの下降流が生じ難いように、熔融ガラスの第1床壁領域20及び第2溝底領域22それぞれにおける最高温度が原料投入口101fの側及び流出口104aの側の側壁近くに位置するように、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)及び温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造)が設けられることが好ましい。すなわち、ガラス品質における脈理の原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えるように、熔解槽101における熔融ガラスの温度分布をコントロールすることができる。

0040

第1床壁領域20において熔融ガラスの温度が最高となる長手方向の位置は、長手方向において、第1床壁領域20に設けられる温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造A)の位置(温度センサ設置用孔126aの中心位置)と原料投入口101fの側の熔解槽101の側壁との間に位置し、第2床壁領域22において熔融ガラスの温度が最高となる長手方向の位置は、長手方向において、第2床壁領域22に設けられる温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造B)の位置(温度センサ設置用孔126aの中心位置)と、流出口104aの側の熔解槽101の側壁との間に位置するように、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)及び温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造A、B)が設けられることが好ましい。より具体的には、温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造A及び第2保温抑制構造B)が、それぞれ、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)の位置を中心にして、熔解槽101の長手方向に沿って中心長さLの3分の1の長さの範囲内に設けられることが好ましい。これにより、上述したように、側壁に沿って熔融ガラスが下降する下降流を抑えることができ、未熔解のガラス成分の異質素地が下降流に乗って流出口104aから流出することを抑制することができる。すなわち、ガラス品質に好ましくない脈理の発生原因となる熔解槽の側壁周辺の下降流を抑えるように、熔解槽101における熔融ガラスの温度分布をコントロールすることができる。
温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造A、B)をドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)に近づけると、側壁に沿って熔融ガラスが下降する下降流を抑えることができず、底部126の熱を分散して放射できないため熱ごもりも抑制できない。このため、温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造A、B)の長手方向の位置は、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)の位置を中心から遠ざけて設けることが好ましい。

0041

図7は、熔解槽の熱伝導のシミュレーション計算に用いる熔解槽モデル101Mを示す図である(温度センサ設置用孔126a及びドレン孔126bの図示は省略されている)。図8は、熱伝導のシミュレーション計算の結果である熔融ガラスの温度分布の一例を示す図である。
図7は、熔解槽モデル101Mを、長手方向と直交する幅方向の中心位置を通り、長手方向に沿った垂直平面で切断した図を示している。熔解槽モデル101Mは、熔解槽本体モデル110Mと敷き部モデル124Mを含む。敷き部モデル124Mは、4層のレンガ層モデルで構成されている。
図7に示すモデルでは、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)が床壁10の長手方向の中心位置Cから床壁10の長手方向の中心長さLの5%の範囲内の位置に1つ設けられ、温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造A及び第2保温抑制構造B)が、それぞれ、ドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)の位置を中心にして、熔解槽101の長手方向に沿って中心長さLの3分の1の長さの範囲内に設けられる構成を採用している。

0042

熔解槽本体モデル110Mと敷き部モデル124Mの熱伝導率は、基準とする実際の熔解槽101の熔解槽本体110と敷き部124の熱伝導率の値を用いた。熔解槽本体モデル110Mの壁に対応する部分の熱伝導率は(3.18799×10-12T4 − 1.8239798×10-8T3 + 4.0884149 × 10-5T2 −0.0384005T+13.677581)[W/(m・K)](T:温度[K])とし、4層の敷き部モデル124Mの熱伝導率は、上層から順番にそれぞれ、
・(3.18799×10-12T4 −1.8239798×10-8T3 + 4.0884149 × 10-5T2 −0.0384005T+13.677581)[W/(m・K)](T:温度[K])、
・3.605[W/(m・K)]、
・2.093[W/(m・K)]、
・(3.05869×10-4T−0.159519)[W/(m・K)](T:温度[K])、
とした。

0043

熱伝導のシミュレーション計算として、熔融ガラスMGを模擬する流体要素を熔解槽本体モデル110Mに満たして、流体要素の液面に放射熱伝達境界条件放射率0.7、参照温度1580℃)の温度境界条件を与え、流体要素に(流量6トン/日、流入温度1500℃、3つの電極について、原料投入口101fの側から順に114アンペア,125アンペア,138アンペア)の条件で加熱を与えて通電加熱をシミュレーションして熔融ガラスMG及び熔解槽101の熱伝導による温度分布のシミュレーション計算を行った。

0044

図8に示すシミュレーション結果である熔融ガラスの温度分布では、原料投入口101f側の熔解槽本体モデル110Mの側壁と温度センサ設置用孔モデル126Maを囲む層構造モデル(第2保温抑制構造Aのモデル)との間で第1床壁領域20における熔融ガラスの温度は最高温度Taとなり、流出口モデル104Ma側の熔解槽本体モデル110Mの側壁と温度センサ設置用孔モデル126Maを囲む層構造モデル(第2保温抑制構造Bのモデル)との間で第2床壁領域22における熔融ガラスの温度は最高温度Tbとなっている。

0045

このように、本実施形態の熔解槽101では、底部126にドレン孔126bを囲む層構造(第1保温抑制構造)及び温度センサ設置用孔126aを囲む層構造(第2保温抑制構造A,B)を上述した範囲に設けることにより、底部126における放熱が分散されるので、敷き部124に生じる局所的な熱ごもりを抑制し、かつ、脈理の発生原因となる熔解槽101の側壁周辺の下降流を抑えることができる。

0046

以上、本発明のガラス板の製造方法及び熔解槽について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。

0047

10床壁
12 第1保温抑制構造
14 第2保温抑制構造
16,18 端
20 第1床壁領域
22 第2床壁領域
100熔解装置
101熔解槽
101dバケット
101f原料投入口
102清澄槽
103攪拌槽
103aスターラ
104,105,106ガラス供給管
104a 流出口
110 熔解槽本体
112バーナー
114電極対
116気相空間仕切り壁
118 迫部
120制御ユニット
124 敷き部
126 底部
126a温度センサ設置用孔
126bドレン孔
200成形装置
210成形体
300切断装置
101M 熔解槽モデル
104Ma 流出口モデル
110M 熔解槽本体モデル
124M 敷き部モデル
126M 底部モデル
126Ma 温度センサ設置用孔モデル
126Mb ドレン孔モデル

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