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技術 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 中山和彦乾浩彰北野紘史
出願日 2016年3月30日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-068586
公開日 2017年10月5日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2017-178677
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの接着 積層体(2)
主要キーワード ブラスト剤 真空脱気法 交差角θ 保護層用樹脂組成物 各保護層 紫外線遮蔽ガラス 減圧機 先端角度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (6)

課題

真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスを製造可能な合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供する。

解決手段

少なくとも一方の表面に多数の凹部を有し、前記凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記底部が連続した溝形状の凹部が規則的に並列している合わせガラス用中間膜であって、前記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが45μm以下であり、一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きい合わせガラス用中間膜。

概要

背景

2枚のガラス板の間に、可塑化ポリビニルブチラール等の熱可塑性樹脂を含有する合わせガラス用中間膜を挟み、互いに接着させて得られる合わせガラスは、自動車用フロントガラスとして広く使用されている。

このような自動車用フロントガラスの製造方法の1つとして、真空脱気法が行われている。
真空脱気法では、少なくとも2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が積層された積層体ゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧着し、次いで、例えばオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行うことにより自動車用フロントガラスを得る。

真空脱気法による合わせガラスの製造工程においては、ガラスと合わせガラス用中間膜とを積層する際の脱気性が重要である。このため、合わせガラス用中間膜の少なくとも一方の表面には、合わせガラス製造時の脱気性を確保する目的で、微細凹凸が形成される。とりわけ、該凹凸における凹部を、底部が連続した溝形状を有し、隣接する該溝形状の凹部が平行して規則的に形成される構造とすることにより、極めて優れた脱気性を発揮することができる(例えば、特許文献1)。
しかしながら、このような表面に連続した溝形状の凹部を有する合わせガラス用中間膜を用いて真空脱気法により合わせガラスを製造しても、脱気が不充分となって、中間膜中に残存する空気が発泡を起こし、合わせガラスの透明性が低下してしまうことがあるという問題があった。

概要

真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスを製造可能な合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供する。少なくとも一方の表面に多数の凹部を有し、前記凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記底部が連続した溝形状の凹部が規則的に並列している合わせガラス用中間膜であって、前記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが45μm以下であり、一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きい合わせガラス用中間膜。

目的

本発明は、真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスを製造可能な合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも一方の表面に多数の凹部を有し、前記凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記底部が連続した溝形状の凹部が規則的に並列している合わせガラス用中間膜であって、前記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが45μm以下であり、一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きいことを特徴とする合わせガラス用中間膜。

請求項2

底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが0.1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の合わせガラス用中間膜。

請求項3

隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線の方向に、JISB0601(1994)に準拠して粗さ曲線を作成したときに、高さが最大となる点が前記最底部間の最短距離を結んだ線の中心に位置していないことを特徴とする請求項1又は2記載の合わせガラス用中間膜。

請求項4

底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smが400μm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の合わせガラス用中間膜。

請求項5

底部が連続した溝形状の凹部の粗さRzが60μm以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の合わせガラス用中間膜。

請求項6

多数の凹部を有する表面は、更に多数の凸部を有し、かつ、前記凸部の頭頂部平坦ではないことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の合わせガラス用中間膜。

請求項7

アルカリ金属アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含み、前記アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属の含有量が1ppm以上、500ppm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項8

一方の表面及び該一方の表面とは反対側の表面の両方に多数の凹部を有し、前記凹部は、底部が連続した溝形状を有し、前記一方の表面が有する前記底部が連続した溝形状の凹部と前記反対側の表面が有する前記底部が連続した溝形状の凹部との交差角θが0°を超えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項9

厚み方向に第1の樹脂層と第2の樹脂層と第3の樹脂層とをこの順に有する積層構造を有し、前記第1の樹脂層の厚みと、前記第3の樹脂層の厚みとが異なることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の合わせガラス用中間膜。

請求項10

請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されていることを特徴とする合わせガラス

技術分野

0001

本発明は、真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスを製造可能な合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。

背景技術

0002

2枚のガラス板の間に、可塑化ポリビニルブチラール等の熱可塑性樹脂を含有する合わせガラス用中間膜を挟み、互いに接着させて得られる合わせガラスは、自動車用フロントガラスとして広く使用されている。

0003

このような自動車用フロントガラスの製造方法の1つとして、真空脱気法が行われている。
真空脱気法では、少なくとも2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が積層された積層体ゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧着し、次いで、例えばオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行うことにより自動車用フロントガラスを得る。

0004

真空脱気法による合わせガラスの製造工程においては、ガラスと合わせガラス用中間膜とを積層する際の脱気性が重要である。このため、合わせガラス用中間膜の少なくとも一方の表面には、合わせガラス製造時の脱気性を確保する目的で、微細凹凸が形成される。とりわけ、該凹凸における凹部を、底部が連続した溝形状を有し、隣接する該溝形状の凹部が平行して規則的に形成される構造とすることにより、極めて優れた脱気性を発揮することができる(例えば、特許文献1)。
しかしながら、このような表面に連続した溝形状の凹部を有する合わせガラス用中間膜を用いて真空脱気法により合わせガラスを製造しても、脱気が不充分となって、中間膜中に残存する空気が発泡を起こし、合わせガラスの透明性が低下してしまうことがあるという問題があった。

先行技術

0005

特開2001−48599号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスを製造可能な合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することを目的とする。なお、本発明の合わせガラス用中間膜は、真空脱気法以外に用いてもよい。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、少なくとも一方の表面に多数の凹部を有し、前記凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記底部が連続した溝形状の凹部が規則的に並列している合わせガラス用中間膜であって、前記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが45μm以下であり、一端と、前記一端の反対側に他端とを有し、前記他端の厚みが、前記一端の厚みよりも大きい合わせガラス用中間膜である。
以下に本発明を詳述する。

0008

本発明者らは、真空脱気法により合わせガラスを製造した場合に、得られる合わせガラスの透明性が低下する原因について検討を行った。
真空脱気法では、予備圧着において、少なくとも2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が積層された積層体をゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気した後、加熱により積層体端部の合わせガラス用中間膜とガラスとを密着させてシールすることが行われる。このようなシールにより、ゴムバックから取り出した後も内部を真空状態に保つことができ、本圧着までの間に空気が侵入するのを防止することができる。実際の生産では、製造時間の短縮のため、脱気と加熱とは同時に行われる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、予備圧着において脱気と加熱とを同時に行ったときに、脱気が充分に完了する前に、積層体端部において合わせガラス用中間膜とガラスとがシールされてしまうことにより、充分に脱気が行われず、積層体内部に多くの空気が残存してしまうことを見出した(以下、これを「先行シール」ともいう。)。先行シールが起こった積層体は、本圧着時にオートクレーブした後に、残存する空気が発泡をおこして、合わせガラスの透明性の低下の原因となる。

0009

先行シールを防止するためには、底部が連続した溝形状の粗さを大きくすることにより溝形状を潰れにくくして、シールされるまでの時間を延ばすことが考えられたが、該粗さを大きくした場合には、圧着後にも充分に底部が連続した溝形状が潰されずに、かえって脱気が不充分となった。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rを45μm以下とすることにより、真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスが製造可能となることを見出し、本発明を完成した。
なお、本発明の合わせガラス用中間膜は、真空脱気法以外に用いてもよい。

0010

本発明の合わせガラス用中間膜は、少なくとも一方の表面に多数の凹部を有し、該凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記底部が連続した溝形状の凹部が規則的に並列している。これにより、真空脱気法による合わせガラスの製造時における脱気性を確保することができる。上記凹部は、一方の表面にのみ形成されてもよいが、著しく脱気性が向上することから、合わせガラス用中間膜の両面に形成されていることが好ましい。

0011

本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記少なくとも一方の表面の凹部は、底部が連続した溝形状を有し(即ち、「刻線状の凹部」を有し)、隣接する凹部が規則的に並列している。一般に、2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が積層された積層体を圧着するときの空気の抜け易さは、上記凹部の底部の連通性及び平滑性と密接な関係がある。中間膜の少なくとも一方の面の凹部を刻線状の凹部が規則的に並列した形状とすることにより、上記の底部の連通性はより優れ、著しく脱気性が向上する。また、上記刻線上の凹部は、底部の全てが連続した溝形状である必要は無く、底部の一部に分断壁を有していてもよい。また、隣接する凹部が平行して規則的に並列していれば、底部が溝の形状は直線状でなくともよく、例えば、波形状やジグザグ状であってもよい。
図1及び図2に、刻線状の凹部が等間隔に平行して並列した合わせガラス用中間膜の一例を表す模式図を示した。
図3に、刻線状の凹部が等間隔ではないが平行して並列している合わせガラス用中間膜の一例を表す模式図を示した。図3において、凹部1と凹部2との間隔Aと、凹部1と凹部3との間隔Bとは異なる。

0012

本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが45μm以下である。これにより、先行シールを防止し、真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスが製造可能となる。これは、上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rを従来の合わせガラス用中間膜よりも小さくすることにより、該底部が連続した溝形状の粗さを大きくしなくとも、予備圧着において脱気と加熱とを同時に行ったときに、積層体端部における合わせガラス用中間膜とガラスとのシールを脱気が充分に完了するまで遅らせることができるためと考えられる。上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rは、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることが更に好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。一方、上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rの下限は特に限定されないが、実質的には0.001μmである。上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rは0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。底部の回転半径Rを上記以上にすることで、予備圧着時に凹部が完全に潰れない状態でシールしてしまうことを防ぐことができる。
なお、本発明の合わせガラス用中間膜が、両面に多数の凹部を有し、該凹部は、底部が連続した溝形状を有し、隣接する前記底部が連続した溝形状の凹部が規則的に並列している場合には、いずれか一方の表面における上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rが45μm以下であればよい。

0013

本発明の合わせガラス用中間膜は一方の表面及び該一方の表面とは反対側の表面の両方に多数の凹部を有し、上記凹部は、底部が連続した溝形状を有することが好ましい。上記凹部が、両面に存在することによって、著しく脱気性が向上する。
また、予備圧着において減圧吸引する際、排気される方向を分散させて脱気を円滑に行うことができるため、上記一方の表面が有する前記底部が連続した溝形状の凹部と前記反対側の表面が有する前記底部が連続した溝形状の凹部との交差角θが0°を超えることが好ましく、20°以上であることがより好ましく、90°であることが最も好ましい。なお、上記交差角θは上記一方の表面が有する上記底部が連続した溝形状の凹部と上記反対側の表面が有する上記底部が連続した溝形状の凹部とが成す角のうち、鋭角の方を指す。

0014

本明細書において上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rは、合わせガラス用中間膜を片刃カミソリ(例えば、フェザー安全カミソリ社製、FAS−10)を用いて底部が連続した溝形状の凹部の方向に対して垂直方向、かつ、膜厚み方向に対して平行に、切断面を変形させないように、カミソリを凹部と垂直方向に滑らせることなく、厚み方向に平行方向に押し出すことで切断し、その断面をマイクロスコープ(例えば、オリンパス社製「DSX−100」)を用いて観察し、測定倍率を277倍にて撮影し、更に撮影画像を50μm/20mmになるように拡大表示させた状態で、付属ソフト内の計測ソフトを用いて、底部が連続した溝形状の凹部の底部に内接する円を描いたときの該円の半径を該凹部の回転半径Rとする方法により求めることができる。また、測定時の環境は23℃及び30RH%下である。ここで、合わせガラス用中間膜中の任意の5点を採取し、1サンプル当たり3点計測し、計15点の平均値をRとする。
図4に底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径R及び凹部の間隔Smを説明する模式図を示した。図4(a)において合わせガラス用中間膜の表面20は、底部が連続した溝形状の凹部21を有している。Smは、該凹部21間の間隔を意味する。また、図4(b)において、凹部21の底部に接する形で円を描いたときに、該円の半径がRである。

0015

本発明の合わせガラス用中間膜においては、隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線の方向に、JIS B 0601(1994)に準拠して粗さ曲線を作成したときに、高さが最大となる点が該最底部間の最短距離を結んだ線の中心に位置していないことが好ましい。
図5に隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線の方向に、JIS B 0601(1994)に準拠して粗さ曲線を作成したときに、高さが最大となる点が該最底部間の最短距離を結んだ線の中心に位置していない合わせガラス用中間膜の模式図を示す。図5から判るように、高さが最大となる点が最底部間の最短距離を結んだ線の中心に位置していないとは、上記隣接する底部が連続した溝形状の凹部の形状が隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線の中心に、前記最底部間の最短距離を結んだ線に対して垂直な線を引いた際の、前記垂直な線を軸としたときに非対称であることを意味する。このように上記隣接する底部が連続した溝形状の凹部の形状を非対称とすることにより、上記底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径Rを容易に45μm以下とすることができる。

0016

本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smが400μm以下であることが好ましい。これにより、真空脱気法により合わせガラスを製造する場合において、予備圧着時により優れた脱気性を発揮し、かつ、その圧力により底部が連続した溝形状の凹部を潰すことがより容易となる。上記底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smは、300μm以下であることがより好ましい。
上記底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smの好ましい下限は100μm、より好ましい下限は150μmである。
なお、本明細書における上記底部が連続した溝形状の凹部の間隔Smは、JIS B 0601(1994)に規定される。測定条件は、例えば、基準長さ=2.5mm、評価長さ12.5mm、触針先端半径=2μm、先端角度=60°、測定速度=0.5mm/sの条件で測定を行うことができる。ここで、合わせガラス用中間膜中の任意の5点を測定し、その平均値をSmとする。

0017

本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記底部が連続した溝形状の凹部の粗さRzが60μm以下であることが好ましい。これにより、真空脱気法により合わせガラスを製造する場合において、予備圧着時により優れた脱気性を発揮し、かつ、その圧力により底部が連続した溝形状の凹部を潰すことがより容易となる。上記底部が連続した溝形状の凹部の粗さRzは、50μm以下であることがより好ましい。
上記底部が連続した溝形状の凹部の粗さRzの好ましい下限は10μm、より好ましい下限は20μmである。
なお、本明細書における上記底部が連続した溝形状の凹部の粗さRzは、JIS B 0601(1994)に規定される。

0018

本発明の合わせガラス用中間膜においては、上記多数の凹部を有する表面は、更に多数の凸部を有し、かつ、該凸部の頭頂部平坦ではないことが好ましい。これにより、予備圧着時に、より優れた脱気性を発揮することができる。

0019

本発明の合わせガラス用中間膜は、1層のみの樹脂膜からなる単層構造であってもよく、2層以上の樹脂層が積層されている多層構造であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜が多層構造である場合には、2層以上の樹脂層として、第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有し、かつ、第1の樹脂層と第2の樹脂層とが異なる性質を有することにより、1層だけでは実現が困難であった種々の性能を有する合わせガラス用中間膜を提供することができる。

0020

上記樹脂層は熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
上記熱可塑性樹脂として、例えば、ポリフッ化ビニリデンポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体ポリ三フッ化エチレンアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体ポリエステルポリエーテルポリアミドポリカーボネートポリアクリレートポリメタクリレートポリ塩化ビニルポリエチレンポリプロピレンポリスチレンポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、上記熱可塑性樹脂はポリビニルアセタール、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有することが好ましく、ポリビニルアセタールを含有することがより好ましい。

0021

上記ポリビニルアセタールは、例えば、ポリビニルアルコールPVA)をアルデヒドによりアセタール化することにより製造できる。上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールのアセタール化物であることが好ましい。PVAのけん化度は、一般に、70〜99.9モル%の範囲内である。

0022

上記ポリビニルアセタールを得るためのPVAの重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1700以上、特に好ましくは2000以上、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、より一層好ましくは3000以下、更に好ましくは3000未満、特に好ましくは2800以下である。上記ポリビニルアセタールは、重合度が上記下限以上及び上記上限以下であるPVAをアセタール化することにより得られるポリビニルアセタールであることが好ましい。上記重合度が上記下限以上であると、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記重合度が上記上限以下であると、中間膜の成形が容易になる。

0023

PVAの重合度は平均重合度を示す。該平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。上記アルデヒドとして、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒドアセトアルデヒドプロピオンアルデヒドn−ブチルアルデヒドイソブチルアルデヒドn−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒドn−デシルアルデヒド及びベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド又はn−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0024

上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールであることが好ましい。ポリビニルブチラールの使用により、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの耐候性等がより一層高くなる。

0025

上記樹脂層は、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含むことが好ましい。
上記可塑剤としては、合わせガラス用中間膜に一般的に用いられる可塑剤であれば特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル多塩基性有機酸エステル等の有機可塑剤や、有機リン酸化合物有機亜リン酸化合物等のリン酸可塑剤等が挙げられる。
上記有機可塑剤として、例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエートテトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート等が挙げられる。なかでも、上記有機可塑剤はトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、又は、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエートを含むことが好ましく、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。

0026

上記樹脂層は、接着力調整剤を含有することが好ましい。特に、合わせガラスを製造するときに、ガラスと接触する樹脂層は、上記接着力調整剤を含有することが好ましい。
上記接着力調整剤としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記接着力調整剤として、例えば、カリウムナトリウムマグネシウム等の塩が挙げられる。
上記塩を構成する酸としては、例えば、オクチル酸ヘキシル酸、2−エチル酪酸、酪酸、酢酸蟻酸等のカルボン酸有機酸、又は、塩酸硝酸等の無機酸が挙げられる。合わせガラスを製造するときに、ガラスと樹脂層との接着力を容易に調製できることから、ガラスと接触する樹脂層は、接着力調整剤として、マグネシウム塩を含むことが好ましい。

0027

上記樹脂層は、必要に応じて、酸化防止剤光安定剤、接着力調整剤として変成シリコーンオイル難燃剤帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤熱線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。

0028

本発明の合わせガラス用中間膜は、アルカリ金属アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含有することにより、合わせガラス用中間膜のガラスに対する接着力を調整することができ、高い耐貫通性を有する合わせガラスを得ることができる。
合わせガラスの耐貫通性をより一層向上させる観点からは、上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属の含有量の好ましい下限は1ppm、より好ましい下限は5ppm、更に好ましい下限は20ppm、特に好ましい下限は50ppmである。合わせガラス用中間膜とガラスとの接着力を調節し剥離を防止することで、予備圧着時のシール不良をより一層防止することができることから、上記アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属の含有量の好ましい上限は500ppm、より好ましい上限は300ppm、更に好ましい上限は150ppm、特に好ましい上限は100ppmである。

0029

本発明の合わせガラス用中間膜は、一端と、上記一端の反対側に他端とを有する。上記一端と上記他端とは、中間膜において対向し合う両側の端部である。本発明の合わせガラス用中間膜では、上記他端の厚みが、上記一端の厚みよりも大きい。このような一端と他端の厚みが異なる形状を有することで、本発明の合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスをヘッドアップディスプレイとして利用した際に、二重像を効果的に抑制できる。

0030

本発明の合わせガラス用中間膜では、2層以上の樹脂層として、少なくとも第1の樹脂層と第2の樹脂層とを有し、上記第1の樹脂層に含まれるポリビニルアセタール(以下、ポリビニルアセタールAという。)の水酸基量が、上記第2の樹脂層に含まれるポリビニルアセタール(以下、ポリビニルアセタールBという。)の水酸基量と異なることが好ましい。
ポリビニルアセタールAとポリビニルアセタールBとの性質が異なるため、1層だけでは実現が困難であった種々の性能を有する合わせガラス用中間膜を提供することができる。例えば、2層の上記第2の樹脂層の間に、上記第1の樹脂層が積層されており、かつ、ポリビニルアセタールAの水酸基量がポリビニルアセタールBの水酸基量より低い場合、上記第1の樹脂層は上記第2の樹脂層と比較してガラス転移温度が低くなる傾向にある。結果として、上記第1の樹脂層が上記第2の樹脂層より軟らかくなり、合わせガラス用中間膜の遮音性が高くなる。また、2層の上記第2の樹脂層の間に、上記第1の樹脂層が積層されており、かつ、ポリビニルアセタールAの水酸基量がポリビニルアセタールBの水酸基量より高い場合、上記第1の樹脂層は上記第2の樹脂層と比較してガラス転移温度が高くなる傾向にある。結果として、上記第1の樹脂層が上記第2の樹脂層より硬くなり、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が高くなる。

0031

更に、上記第1の樹脂層及び上記第2の樹脂層が可塑剤を含む場合、上記第1の樹脂層におけるポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量(以下、含有量Aという。)が、上記第2の樹脂層におけるポリビニルアセタール100質量部に対する可塑剤の含有量(以下、含有量Bという。)と異なることが好ましい。例えば、2層の上記第2の樹脂層の間に、上記第1の樹脂層が積層されており、かつ、上記含有量Aが上記含有量Bより多い場合、上記第1の樹脂層は上記第2の樹脂層と比較してガラス転移温度が低くなる傾向にある。結果として、上記第1の樹脂層が上記第2の樹脂層より軟らかくなり、合わせガラス用中間膜の遮音性が高くなる。また、2層の上記第2の樹脂層の間に、上記第1の樹脂層が積層されており、かつ、上記含有量Aが上記含有量Bより少ない場合、上記第1の樹脂層は上記第2の樹脂層と比較してガラス転移温度が高くなる傾向にある。結果として、上記第1の樹脂層が上記第2の樹脂層より硬くなり、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が高くなる。

0032

本発明の合わせガラス用中間膜を構成する2層以上の樹脂層の組み合わせとしては、例えば、合わせガラスの遮音性を向上させるために、上記第1の樹脂層として遮音層と、上記第2の樹脂層として保護層との組み合わせが挙げられる。合わせガラスの遮音性が向上することから、上記遮音層はポリビニルアセタールXと可塑剤とを含み、上記保護層はポリビニルアセタールYと可塑剤とを含むことが好ましい。更に、2層の上記保護層の間に、上記遮音層が積層されている場合、優れた遮音性を有する合わせガラス用中間膜(以下、遮音中間膜ともいう。)を得ることができる。例えば、高い耐衝撃性を発揮させる等の種々の機能を付与する観点から、上記保護層を2層以上有する場合には、各保護層の厚みが異なることが好ましい。以下、遮音中間膜について、より具体的に説明する。

0033

上記遮音中間膜において、上記遮音層は遮音性を付与する役割を有する。上記遮音層は、ポリビニルアセタールXと可塑剤とを含有することが好ましい。
上記ポリビニルアセタールXは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限5000である。上記ポリビニルアルコールの平均重合度を200以上とすることにより、得られる遮音中間膜の耐貫通性を向上させることができ、5000以下とすることにより、遮音層の成形性を確保することができる。上記ポリビニルアルコールの平均重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
なお、上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。

0034

上記ポリビニルアルコールをアセタール化するためのアルデヒドの炭素数の好ましい下限は4、好ましい上限は6である。アルデヒドの炭素数を4以上とすることにより、充分な量の可塑剤を安定して含有させることができ、優れた遮音性能を発揮することができる。また、可塑剤のブリードアウトを防止することができる。アルデヒドの炭素数を6以下とすることにより、ポリビニルアセタールXの合成を容易にし、生産性を確保できる。上記炭素数が4〜6のアルデヒドとしては、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド等が挙げられる。

0035

上記ポリビニルアセタールXの水酸基量の好ましい上限は30モル%である。上記ポリビニルアセタールXの水酸基量を30モル%以下とすることにより、遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができ、可塑剤のブリードアウトを防止することができる。上記ポリビニルアセタールXの水酸基量のより好ましい上限は28モル%、更に好ましい上限は26モル%、特に好ましい上限は24モル%、好ましい下限は10モル%、より好ましい下限は15モル%、更に好ましい下限は20モル%である。上記ポリビニルアセタールXの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、上記ポリビニルアセタールXの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。

0036

上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量の好ましい下限は60モル%、好ましい上限は85モル%である。上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量を60モル%以上とすることにより、遮音層の疎水性を高くして、遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができ、可塑剤のブリードアウトや白化を防止することができる。上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量を85モル%以下とすることにより、ポリビニルアセタールXの合成を容易にし、生産性を確保することができる。上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量の下限は65モル%がより好ましく、68モル%以上が更に好ましい。
上記アセタール基量は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、上記ポリビニルアセタールXのアセタール基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。

0037

上記ポリビニルアセタールXのアセチル基量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記ポリビニルアセタールXのアセチル基量を0.1モル%以上とすることにより、遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができ、ブリードアウトを防止することができる。また、上記ポリビニルアセタールXのアセチル基量を30モル%以下とすることにより、遮音層の疎水性を高くして、白化を防止することができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は1モル%、更に好ましい下限は5モル%、特に好ましい下限は8モル%、より好ましい上限は25モル%、更に好ましい上限は20モル%である。上記アセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。

0038

特に、上記遮音層に遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を容易に含有させることができることから、上記ポリビニルアセタールXは、上記アセチル基量が8モル%以上のポリビニルアセタール、又は、上記アセチル基量が8モル%未満、かつ、アセタール基量が65モル%以上のポリビニルアセタールであることが好ましい。また、上記ポリビニルアセタールXは、上記アセチル基量が8モル%以上のポリビニルアセタール、又は、上記アセチル基量が8モル%未満、かつ、アセタール基量が68モル%以上のポリビニルアセタールであることが、より好ましい。

0039

上記遮音層における可塑剤の含有量は、上記ポリビニルアセタールX100質量部に対する好ましい下限が45質量部、好ましい上限が100質量部である。上記可塑剤の含有量を45質量部以上とすることにより、高い遮音性を発揮することができ、100質量部以下とすることにより、可塑剤のブリードアウトが生じて、合わせガラス用中間膜の透明性や接着性の低下を防止することができる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は50質量部、更に好ましい下限は55質量部、より好ましい上限は80質量部、更に好ましい上限は75質量部、特に好ましい上限は70質量部である。
なお、上記遮音層における可塑剤の含有量は、合わせガラス作製前の可塑剤含有量であってもよく、合わせガラス作製後の可塑剤含有量であってもよい。
上記合わせガラス作製後の可塑剤の含有量は、以下の手順に従って測定できる。即ち、まず合わせガラスを作製した後、温度25℃、湿度30%の環境下で4週間静置する。その後、合わせガラスを液体窒素により冷却することでガラスと合わせガラス用中間膜を引き剥がす。得られた合わせガラス用中間膜を、厚さ方向に切断し、温度25℃、湿度30%の環境下に2時間静置した後、保護層と遮音層との間に指又は機械を入れ、温度25℃、湿度30%の環境下で剥離し、遮音層について10gの長方形状測定試料を得る。得られた測定試料を、ソックスレー抽出器を用いて12時間、ジエチルエーテルで可塑剤を抽出した後、測定試料中の可塑剤の定量を行い、遮音層中の可塑剤の含有量を求める。

0040

本発明の合わせガラス用中間膜は、合わせガラス全体として一端と、上記一端の反対側に他端とを有し、上記他端の厚みが、上記一端の厚みよりも大きい形状を有すればよく、上記遮音層の厚みは遮音層全体で均一であってもよく、異なっていても良い。上記遮音層は一端と、上記一端の反対側に他端とを有し、上記他端の厚みが、上記一端の厚みよりも大きい形状を有していても良い。上記遮音層は、厚み方向の断面形状が楔形状である部分を有することが好ましい。上記遮音層の最小厚みの好ましい下限は50μmである。上記遮音層の最小厚みを50μm以上とすることにより、充分な遮音性を発揮することができる。上記遮音層の最小厚みのより好ましい下限は80μmであり、更に好ましい下限は100μmである。なお、上記遮音層の最大厚みの上限は特に限定されないが、合わせガラス用中間膜としての厚さを考慮すると、好ましい上限は300μmである。上記遮音層の最大厚みのより好ましい上限は220μmである。

0041

上記保護層は、遮音層に含まれる大量の可塑剤がブリードアウトして、合わせガラス用中間膜とガラスとの接着性が低下するのを防止し、また、合わせガラス用中間膜に耐貫通性を付与する役割を有する。
上記保護層は、例えば、ポリビニルアセタールYと可塑剤とを含有することが好ましく、ポリビニルアセタールXより水酸基量が大きいポリビニルアセタールYと可塑剤とを含有することがより好ましい。

0042

上記ポリビニルアセタールYは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。
また、上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの平均重合度を200以上とすることにより、合わせガラス用中間膜の耐貫通性を向上させることができ、5000以下とすることにより、保護層の成形性を確保することができる。上記ポリビニルアルコールの平均重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。

0043

上記ポリビニルアルコールをアセタール化するためのアルデヒドの炭素数の好ましい下限は3、好ましい上限は4である。アルデヒドの炭素数を3以上とすることにより、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が高くなる。アルデヒドの炭素数を4以下とすることにより、ポリビニルアセタールYの生産性が向上する。
上記炭素数が3〜4のアルデヒドとしては、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド等が挙げられる。

0044

上記ポリビニルアセタールYの水酸基量の好ましい上限は33モル%、好ましい下限は28モル%である。上記ポリビニルアセタールYの水酸基量を33モル%以下とすることにより、合わせガラス用中間膜の白化を防止することができる。上記ポリビニルアセタールYの水酸基量を28モル%以上とすることにより、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が高くなる。

0045

上記ポリビニルアセタールYは、アセタール基量の好ましい下限が60モル%、好ましい上限が80モル%である。上記アセタール基量を60モル%以上とすることにより、充分な耐貫通性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができる。上記アセタール基量を80モル%以下とすることにより、上記保護層とガラスとの接着力を確保することができる。上記アセタール基量のより好ましい下限は65モル%、より好ましい上限は69モル%である。

0046

上記ポリビニルアセタールYのアセチル基量の好ましい上限は7モル%である。上記ポリビニルアセタールYのアセチル基量を7モル%以下とすることにより、保護層の疎水性を高くして、白化を防止することができる。上記アセチル基量のより好ましい上限は2モル%であり、好ましい下限は0.1モル%である。なお、ポリビニルアセタールA、B、及び、Yの水酸基量、アセタール基量、及び、アセチル基量は、ポリビニルアセタールXと同様の方法で測定できる。

0047

上記保護層における可塑剤の含有量は、上記ポリビニルアセタールY100質量部に対する好ましい下限が20質量部、好ましい上限が45質量部である。上記可塑剤の含有量を20質量部以上とすることにより、耐貫通性を確保することができ、45質量部以下とすることにより、可塑剤のブリードアウトを防止して、合わせガラス用中間膜の透明性や接着性の低下を防止することができる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は30質量部、更に好ましい下限は35質量部、より好ましい上限は43質量部、更に好ましい上限は41質量部である。合わせガラスの遮音性がよりいっそう向上することから、上記保護層における可塑剤の含有量は、上記遮音層における可塑剤の含有量よりも少ないことが好ましい。
なお、上記保護層における可塑剤の含有量は、合わせガラス作製前の可塑剤含有量であってもよく、合わせガラス作製後の可塑剤含有量であってもよい。合わせガラス作製後の可塑剤の含有量は、上記遮音層と同様の手順によって測定することができる。

0048

合わせガラスの遮音性がより一層向上することから、ポリビニルアセタールYの水酸基量はポリビニルアセタールXの水酸基量より大きいことが好ましく、1モル%以上大きいことがより好ましく、5モル%以上大きいことが更に好ましく、8モル%以上大きいことが特に好ましい。ポリビニルアセタールX及びポリビニルアセタールYの水酸基量を調整することにより、上記遮音層及び上記保護層における可塑剤の含有量を制御することができ、上記遮音層のガラス転移温度が低くなる。結果として、合わせガラスの遮音性がより一層向上する。
また、合わせガラスの遮音性がより一層向上することから、上記遮音層におけるポリビニルアセタールX100質量部に対する、可塑剤の含有量(以下、含有量Xともいう。)は、上記保護層におけるポリビニルアセタールY100質量部に対する、可塑剤の含有量(以下、含有量Yともいう。)より多いことが好ましく、5質量部以上多いことがより好ましく、15質量部以上多いことが更に好ましく、20質量部以上多いことが特に好ましい。含有量X及び含有量Yを調整することにより、上記遮音層のガラス転移温度が低くなる。結果として、合わせガラスの遮音性がより一層向上する。

0049

本発明の合わせガラス用中間膜は、合わせガラス全体として一端と、上記一端の反対側に他端とを有し、上記他端の厚みが、上記一端の厚みよりも大きい形状を有すればよく、上記保護層の厚みは保護層全体で均一であってもよく、異なっていても良い。上記保護層は一端と、上記一端の反対側に他端とを有し、上記他端の厚みが、上記一端の厚みよりも大きい形状を有していても良い。上記保護層は、厚み方向の断面形状が楔形状である部分を有することが好ましい。
上記保護層の厚さは、上記保護層の役割を果たし得る範囲に調整すればよく、特に限定されない。ただし、上記保護層上に凹凸を有する場合には、直接接する上記遮音層との界面への凹凸の転写を抑えられるように、可能な範囲で厚くすることが好ましい。具体的には、上記保護層の最小厚みの好ましい下限は100μm、より好ましい下限は300μm、更に好ましい下限は400μm、特に好ましい下限は450μmである。上記保護層の最大厚みの上限については特に限定されないが、充分な遮音性を達成できる程度に遮音層の厚さを確保するためには、実質的には1000μm程度が上限であり、800μmが好ましい。

0050

本発明の合わせガラス用中間膜は、合わせガラス用中間膜全体として、厚み方向の断面形状が楔形状である部分を有することが好ましい。合わせガラス用中間膜全体の厚み方向の断面形状が楔形状であることにより、本発明の合わせガラス用中間膜を用いる合わせガラスをヘッドアップディスプレイとして用いた場合に、二重像の発生を効果的に防止することができる。厚み方向の断面形状が楔形状である部分を有する場合、上記合わせガラス用中間膜全体の角θは、二重像の発生を効果的に防止することができることから、0.01mrad以上が好ましく、0.2mrad以上がより好ましく、2mrad以下が好ましく、0.7mrad以下がより好ましい。

0051

本発明の合わせガラス用中間膜全体の厚みは特に限定されない。本発明の合わせガラス用中間膜全体の最小厚みは、合わせガラスの耐貫通性が十分に向上することから、250μm以上であることが好ましく、800μm以上であることがより好ましい。また、合わせガラス用中間膜の取扱性が十分に向上することから、本発明の合わせガラス用中間膜全体の最大厚みは、2800μm以下であることが好ましく、1800μm以下であることがより好ましく、1200μm以下であることが更に好ましい。

0052

一端と他端との間の距離をXとしたときに、中間膜は、一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最小厚みを有し、他端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域に最大厚みを有することが好ましく、中間膜は、一端から内側に向かって0X〜0.1Xの距離の領域に最小厚みを有し、他端から内側に向かって0X〜0.1Xの距離の領域に最大厚みを有することがより好ましい。中間膜は一端に最小厚みを有し、中間膜は他端に最大厚みを有することが好ましい。

0053

上記遮音中間膜を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記遮音層と保護層とを、押し出し法カレンダー法プレス法等の通常の製膜法によりシート状に製膜した後、積層する方法等が挙げられる。

0054

本発明の合わせガラス用中間膜の製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法を用いることができる。
本発明において合わせガラス用中間膜の少なくとも一方の表面に多数の凹部を形成する方法としては、例えば、エンボスロール法、カレンダーロール法、異形押出法、メルトフラクチャーを利用した押出リップエンボス法等が挙げられる。なかでも、隣接する底部が連続した溝形状の凹部が規則的に並列している形状が容易に得られることから、エンボスロール法が好適である。

0055

上記エンボスロール法で用いられるエンボスロールとしては、例えば、金属ロール表面に酸化アルミニウム酸化珪素等の研削材を用いてブラスト処理を行い、次いで表面の過大ピークを減少させるためにバーチカル研削などを用いてラッピングを行うことにより、ロール表面エンボス模様凹凸模様)を有するエンボスロールが挙げられる。他にも、彫刻ミルを用い、エンボス模様(凹凸模様)を金属ロール表面に転写することにより、ロール表面にエンボス模様(凹凸模様)を有するエンボスロールが挙げられる。更に、エッチング蝕刻)によりロール表面にエンボス模様(凹凸模様)を有するエンボスロール等が挙げられる。

0056

本発明の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス磨き板ガラス型板ガラス網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス熱線反射ガラスグリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができる。更に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜を積層した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。

0057

本発明の合わせガラスは、真空脱気法により好適に製造することができる。
真空脱気法では、少なくとも2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が積層された積層体を、ゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラス板と中間膜との間に残留する空気を脱気しながら予備圧着し、次いで、例えばオートクレーブ内で加熱加圧して本圧着を行う。ここで予備圧着時に、脱気と加熱とを同時に行うことにより、大幅に製造時間を短縮して生産効率を上げることが可能となる。本発明の合わせガラス用中間膜を用いることにより、予備圧着時に脱気と加熱とを同時に行っても先行シールが起こることを防止することができ、高い脱気性を発揮して、透明性の高い合わせガラスを得ることができる。

発明の効果

0058

本発明によれば、真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスを製造可能な合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することができる。

図面の簡単な説明

0059

表面に底部が連続した溝形状である凹部が等間隔、かつ、隣接する凹部が平行して並列している合わせガラス用中間膜の一例を表す模式図である。
表面に底部が連続した溝形状である凹部が等間隔、かつ、隣接する凹部が平行して並列している合わせガラス用中間膜の一例を表す模式図である。
表面に底部が連続した溝形状である凹部が等間隔ではないが、隣接する凹部が平行して並列している合わせガラス用中間膜の一例を表す模式図である。
底部が連続した溝形状の凹部の底部の回転半径R及び凹部の間隔Smを説明する模式図である。
隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線の方向に、JIS B 0601(1994)に準拠して粗さ曲線を作成したときに、高さが最大となる点が該最底部間の最短距離を結んだ線の中心に位置していない合わせガラス用中間膜の模式図である。

実施例

0060

以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。

0061

(実施例1)
保護層用樹脂組成物の調製)
平均重合度が1700のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化することにより得られたポリビニルブチラール(アセチル基量1モル%、ブチラール基量69モル%、水酸基量30モル%)100質量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)36質量部を添加した。更に、接着力調整剤として、2−エチル酪酸マグネシウムと酢酸マグネシウムとの混合物質量比で1:1)を、マグネシウムの含有量が50ppmとなるように添加した。ミキシングロールで充分に混練し、保護層用樹脂組成物を得た。

0062

中間層用樹脂組成物の調製)
平均重合度が2300のポリビニルアルコールをn−ブチルアルデヒドでアセタール化することにより得られたポリビニルブチラール(アセチル基量12.5モル%、ブチラール基量64モル%、水酸基量23.5モル%)100質量部に対して、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)76.5質量部を添加し、ミキシングロールで充分に混練し、中間層用樹脂組成物を得た。

0063

(合わせガラス用中間膜の作製)
得られた中間層用樹脂組成物と保護層用樹脂組成物を、共押出機を用いて共押出することにより、保護層用樹脂組成物からなる第1の保護層、中間層用樹脂組成物からなる中間層及び保護層用樹脂組成物からなる第2の保護層がこの順に積層された3層構造の合わせガラス用中間膜を得た。
なお、凹凸付与後に得られる合わせガラス用中間膜において、第1の保護層の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが525μm、最小厚みが350μm、中間層の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが150μm、最小厚みが100μm、第2の保護層の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが525μm、最小厚みが350μm、中間膜全体の厚み方向の断面形状が楔形、最大厚みが1200μm、最小厚みが800μmとなるように押出条件を設定した。

0064

(凹凸の付与)
第1の工程として、下記の手順により合わせガラス用中間膜の両面にランダムな凹凸形状を転写した。まず、鉄ロール表面に、ブラスト剤を用いてランダムな凹凸を施した後、該鉄ロールをバーチカル研削し、更に、より微細なブラスト剤を用いて研削後の平坦部に微細な凹凸を施すことにより、粗大なメインエンボスと微細なサブエンボスをもつ同形状の1対のロールを得た。該1対のロールを凹凸形状転写装置として用い、得られた合わせガラス用中間膜の両面にランダムな凹凸形状を転写した。この時の転写条件として、合わせガラス用中間膜の温度を80℃、上記ロールの温度を145℃、線速を10m/min、線幅を1.5m、プレス線圧を0〜200kN/mとした。

0065

第2の工程として、下記の手順により合わせガラス用中間膜の表面に底部が連続した溝形状(刻線状)の凹凸を付与した。三角形斜線型ミルを用いて表面にミル加工を施した金属ロールと45〜75のJIS硬度を有するゴムロールとからなる一対のロールを凹凸形状転写装置として用い、第1の工程でランダムな凹凸形状を転写した合わせガラス用中間膜をこの凹凸形状転写装置に通し、合わせガラス用中間膜の第1の保護層の表面に底部が連続した溝形状(刻線状)である凹部が平行して等間隔に形成された凹凸を付与した。このときの転写条件として、合わせガラス用中間膜の温度を80℃、ロール温度を140℃、線速を10m/min、線幅を1.5m、プレス圧を0〜500kPaとした。
次いで、合わせガラス用中間膜の第2の保護層の表面にも同様の操作を施し、底部が連続した溝形状(刻線状)の凹部を付与した。以下、第1の保護層の表面を第1の表面、第2の保護層の表面を第2の表面と、呼ぶことが有る。また、第1の表面が有する底部が連続した溝形状の凹部と、第2の表面が有する底部が連続した溝形状の凹部との交差角θが20°となるようにした。

0066

第1の表面及び第2の表面の凹凸の測定
JIS B 0601(1994)に準じる方法により、得られた合わせガラス用中間膜の第1の表面及び第2の表面における底部が連続した溝形状の凹部の間隔Sm、粗さRzを測定した。なお、測定方向は底部が連続した溝形状に対して垂直方向とし、カットオフ値=2.5mm、基準長さ=2.5mm、評価長さ=12.5mm、触針の先端半径=2μm、先端角度=60°、測定速度=0.5mm/sの条件で測定を行った。合わせガラス用中間膜表面の形状のばらつきがあるため、面内を5点測定し、その平均値を評価結果とした。
また、合わせガラス用中間膜を片刃カミソリ(フェザー安全カミソリ社製、FAS−10)を用いて底部が連続した溝形状の方向に対して垂直方向、かつ、膜厚み方向に平行に、切断面を変形させないように、カミソリを凹部と垂直方向に滑らせることなく、厚み方向に平行方向に押し出すことで切断し、その断面をマイクロスコープ(オリンパス社製「DSX−100」)を用いて観察し、測定倍率を277倍にて撮影し、更に撮影画像を50μm/20mmになるように拡大表示させた状態で、付属ソフト内の計測ソフトを用いて、底部が連続した溝形状の底部に内接する円を描いたときの該円の半径(即ち、回転半径R)を求めた。また、測定時の環境は23℃及び30RH%下とした。
また、得られた合わせガラス用中間膜の隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線の方向に、JIS B 0601(1994)に準拠して粗さ曲線を作成したところ、得られた粗さ曲線の高さが最大となる点が、該最底部間の最短距離を結んだ線の中心に位置していた。即ち、得られた合わせガラス用中間膜の隣接する底部が連続した溝形状の凹部は、最底部間の最短距離を結んだ線に対して垂直な線を軸にしたときに、対称の形状であった。

0067

(積層体及び合わせガラスの製造)
得られた合わせガラス用中間膜の厚みが厚い方の端部から、30cmの位置にガラスの中心が来るように、得られた合わせガラス用中間膜を二枚のクリアガラス板(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm)の間に挟み、はみ出た部分を切り取り、積層体を得た。得られた積層体をガラスの表面温度が50℃になるまでオーブン内で予備加熱した後、ゴムバッグ内に移し、ゴムバッグを吸引減圧機に接続し、加熱すると同時に−600mmHgの減圧下で10分間保持しながら、積層体の温度(予備圧着温度)が90℃となるように加熱した後、大気圧に戻して予備圧着を終了した。
予備圧着された積層体をオートクレーブ中に入れ、温度140℃、圧力1300kPaの条件下で10分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気圧に戻すことにより本圧着を終了して、合わせガラスを得た。

0068

(可塑剤の含有量の測定)
合わせガラスを作製した後、温度25℃、湿度30%の環境下で4週間静置した。その後、合わせガラスを液体窒素により冷却することでガラスと合わせガラス用中間膜を引き剥がした。得られた合わせガラス用中間膜を、厚さ方向に切断し、温度25℃、湿度30%の環境下に2時間静置した後、保護層と中間層との間に指又は機械を入れ、温度25℃、湿度30%の環境下で剥離し、保護層及び中間層のそれぞれについて10gの長方形状の測定試料を得た。得られた測定試料について、ソックスレー抽出器を用いて12時間、ジエチルエーテルで可塑剤を抽出した後、測定試料中の可塑剤の定量を行い、保護層及び中間層中の可塑剤の含有量を求めた。

0069

(実施例2〜9、比較例1〜3)
用いるポリビニルブチラールのアセチル基量、ブチラール基量及び水酸基量、可塑剤の含有量を表1、2に示すように変更し、三角形斜線型ミルを用いて表面にミル加工を施した金属ロールの形状を変更することにより、第1の保護層、中間層及び第2の保護層の最大厚み、最小厚み、楔角及び断面形状を表1、2に示すように変更し、第1の表面及び第2の表面の底部が連続した溝形状の凹部の回転半径R、間隔Sm、粗さRzを表1、2に示したようにした以外は、実施例1と同様の方法により合わせガラス用中間膜及び積層体を作製した。

0070

(評価)
実施例及び比較例で得られた合わせガラス用中間膜及び合わせガラスについて、以下の方法により予備圧着後の積層体の平行光線透過率を評価した。
即ち、JIS K 7105に準拠して、合わせガラス製造時における予備圧着後の積層体の平行光線透過率Tp(%)を、ヘーズメーター色彩研究所社製、HM−150)を用いて測定した。
定位置は積層体の2つの対角線が交差する中央部、積層体の各頂点から対角線方向に10cm離れた4点を合わせた5点として、その平均値をTpとした。
測定前に上記測定点を中心に5cm×5cmで積層体から切り出し、測定用サンプルとする。
なお、合わせガラスの透明性の低下は、予備圧着時における脱気不良に起因する。従って、合わせガラス用中間膜の脱気性は、合わせガラスの発泡性等を評価するよりも、予備圧着後の積層体の平行光線透過率を測定することにより、より精密に評価することができる。
結果を表1、2に示した。

0071

0072

0073

本発明によれば、真空脱気法において高い脱気性を発揮することができ、透明性の高い合わせガラスを製造可能な合わせガラス用中間膜、該合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することができる。

0074

1 任意に選択した一の凹部
2 任意に選択した一の凹部に隣接する凹部
3 任意に選択した一の凹部に隣接する凹部
A 凹部1と凹部2との間隔
B 凹部1と凹部3との間隔
20合わせガラス用中間膜の表面
21 底部が連続した溝形状の凹部
22 凸部
30 合わせガラス用中間膜の表面
31 底部が連続した溝形状の凹部
32 凸部
33 隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線
34 隣接する底部が連続した溝形状の凹部の最底部間の最短距離を結んだ線の中心に引いた該最底部間の最短距離を結んだ線に対して垂直な線

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