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技術 船舶用舵及び船舶

出願人 三井E&S造船株式会社
発明者 澤田俊紀木村校優山本虎卓池田剛大藤田智
出願日 2016年3月31日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2016-070957
公開日 2017年10月5日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-178161
状態 特許登録済
技術分野 船舶の推進
主要キーワード 変化ライン 設計指標 凸曲線 凹曲線 二股形状 操舵機 プロペラ直径 流線型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (15)

課題

抗力の増加を抑えつつ、舵角を取ったときに発生する舵の横力を増大させることができる船舶用舵及び船舶を提供する。

解決手段

当該船舶用舵10の側面視で、プロペラ中心軸Pcの近傍より上側に舵形状変化ラインLaを設け、舵断面形状に関しては、前縁13と第1狭小幅部開始ラインLs1との間及び前縁13と第2狭小幅部開始ラインLs2との間を翼断面で形成して、後縁11と第1狭小幅部開始ラインLs1との間を、舵形状変化ラインLaにおける舵の最大幅Braの50%以下の幅を最大幅とする第1狭小幅部Rn1として形成し、かつ、後縁11と第2狭小幅部開始ラインLs2との間を、その高さにおける舵の最大幅Brの50%以下の幅を最大幅とする第2狭小幅部Rn2として形成する。

概要

背景

近年の船舶においては、エネルギー効率設計指標(EEDI)が導入され、荒天海象における船舶の操縦性維持に必要な推進出力を下回ってはならないとの最低推進出力決定に関するガイドラインも設定され、これに従う必要が生じている。そのため、主機馬力を小さくしつつ、荒天下の操縦性を満足する必要がある。この荒天下での操縦性の評価においては、操船のために船尾プロペラ後流中に取り付けられているの効きがより重要となってきている。

つまり、船舶においては、船尾にプロペラ等の推進器と舵を設けて、航行中に、操舵により舵角を取ることで生じる舵の横力により、船体前進方向に対して船体を傾斜させて旋回している。そのため、プロペラの直後の流速の早い後流中で舵が流れ方向に対して大きな角度を持つときには、舵に大きな揚力を発生させることが望ましいが、一方で、船体の直進時には舵の抗力が大きいと船舶全体としての抵抗も大きくなるので、抗力は小さくする必要がある。そこで、通常の舵よりも大きな揚力を発生させ、舵の効きが良くなる高揚力舵の開発が望まれている。

この高揚力舵としては、例えば、舵本体の後端部にフラットバーをその舵本体の後端部に対して幅方向に僅かに突出するように接続し、かつ、舵本体の水平断面形状を、前半部が舵外方に向かう凸曲線流線型で、後半部がその凸曲線から凹曲線反転したフォロー形状に形成した高揚力舵が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

また、高揚力舵としては、舵ブレード水平断面輪郭において前方へ半円形状に突出させた前縁部と前縁部に連続して流線型に幅を増大させた後に最小幅部に向けて徐々に幅を減少させた中間部と中間部に連続して所定幅後方端に向けて徐々に幅を増大させた後縁部からなる魚形水平断面形状をなす高揚力舵が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

しかしながら、後端部がその前方部より大きな幅を持つこれらの舵は、一般に抗力が大きく、船体の直進時には船舶全体としての抵抗が増大する傾向がある。

概要

舵の抗力の増加を抑えつつ、舵角を取ったときに発生する舵の横力を増大させることができる船舶用舵及び船舶を提供する。当該船舶用舵10の側面視で、プロペラ中心軸Pcの近傍より上側に舵形状変化ラインLaを設け、舵断面形状に関しては、前縁13と第1狭小幅部開始ラインLs1との間及び前縁13と第2狭小幅部開始ラインLs2との間を翼断面で形成して、後縁11と第1狭小幅部開始ラインLs1との間を、舵形状変化ラインLaにおける舵の最大幅Braの50%以下の幅を最大幅とする第1狭小幅部Rn1として形成し、かつ、後縁11と第2狭小幅部開始ラインLs2との間を、その高さにおける舵の最大幅Brの50%以下の幅を最大幅とする第2狭小幅部Rn2として形成する。

目的

そこで、通常の舵よりも大きな揚力を発生させ、舵の効きが良くなる高揚力舵の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

当該船舶用舵の側面視で、プロペラ中心軸よりプロペラ直径の10%下の第1高さと、前記プロペラ中心軸より前記プロペラ直径の60%上の第2高さとの間に、舵形状変化ラインを設けると共に、この舵形状変化ラインより下では、後縁からコード長さの10%前方の第1位置と後縁から舵のコード長さの50%前方の第2位置との間に第1狭小幅部開始ラインを設けると共に、前記舵形状変化ラインより上では、前記第1狭小幅部開始ラインと前記舵形状変化ラインとの交点と、当該舵の上端部の後縁とを結ぶ第2狭小幅部開始ラインを設けて、舵断面形状に関しては、前縁と前記第1狭小幅部開始ラインとの間及び前縁と第2狭小幅部開始ラインとの間を翼断面で形成していると共に、前記第1狭小幅部開始ラインと後縁の間を、前記舵形状変化ラインにおける舵の最大幅の50%以下の幅を最大幅とする第1狭小幅部として形成しており、かつ、前記第2狭小幅部開始ラインと後縁の間を、その高さにおける舵の最大幅の50%以下の幅を最大幅とする第2狭小幅部として形成していることを特徴とする船舶用舵。

請求項2

当該船舶用舵の側面視で、前記第1狭小幅部開始ラインを直線としていると共に、前記第2狭小幅部開始ラインを直線としていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用舵。

請求項3

当該船舶用舵の側面視で、上方が前方に行く角度をプラスとして、前記第1狭小幅部開始ラインの鉛直方向からの傾斜角度を、マイナス60度からプラス55度の範囲内としていると共に、前記第2狭小幅部開始ラインの鉛直方向からの傾斜角度をマイナス60度からマイナス5度の範囲内としていることを特徴とする請求項2に記載の船舶用舵。

請求項4

舵断面形状に関して、前記第1狭小幅部または前記第2狭小幅部のいずれか一方又は両方を前方から後方にかけて幅を狭くしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶用舵。

請求項5

当該船舶用舵の側面視で、前記舵形状変化ラインを2つ設けて、下側の舵形状変化ラインと上側の舵形状変化ラインとすると共に、前記下側の舵形状変化ラインより下に前記第1狭小幅部開始ラインを、前記上側の舵形状変化ラインより上に前記第2狭小幅部開始ラインをそれぞれ設け、かつ、前記下側の舵形状変化ラインと前記上側の舵形状変化ラインとの間に第3狭小幅部開始ラインを前記第1狭小幅部開始ラインと前記第2狭小幅部開始ラインとにそれぞれ連続させて設け、前記第3狭小幅部開始ラインと後縁の間を、その高さにおける舵の最大幅の50%以下の幅を最大幅とする第3狭小幅部として形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の船舶用舵。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の船舶用舵を備えていることを特徴とする船舶

技術分野

0001

本発明は、抗力の増加を抑えつつ、舵を切って舵角を取ったときに発生する舵の横力を増大させることができる船舶用舵及び船舶に関する。

背景技術

0002

近年の船舶においては、エネルギー効率設計指標(EEDI)が導入され、荒天海象における船舶の操縦性維持に必要な推進出力を下回ってはならないとの最低推進出力決定に関するガイドラインも設定され、これに従う必要が生じている。そのため、主機馬力を小さくしつつ、荒天下の操縦性を満足する必要がある。この荒天下での操縦性の評価においては、操船のために船尾プロペラ後流中に取り付けられている舵の効きがより重要となってきている。

0003

つまり、船舶においては、船尾にプロペラ等の推進器と舵を設けて、航行中に、操舵により舵角を取ることで生じる舵の横力により、船体前進方向に対して船体を傾斜させて旋回している。そのため、プロペラの直後の流速の早い後流中で舵が流れ方向に対して大きな角度を持つときには、舵に大きな揚力を発生させることが望ましいが、一方で、船体の直進時には舵の抗力が大きいと船舶全体としての抵抗も大きくなるので、抗力は小さくする必要がある。そこで、通常の舵よりも大きな揚力を発生させ、舵の効きが良くなる高揚力舵の開発が望まれている。

0004

この高揚力舵としては、例えば、舵本体の後端部にフラットバーをその舵本体の後端部に対して幅方向に僅かに突出するように接続し、かつ、舵本体の水平断面形状を、前半部が舵外方に向かう凸曲線流線型で、後半部がその凸曲線から凹曲線反転したフォロー形状に形成した高揚力舵が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0005

また、高揚力舵としては、舵ブレード水平断面輪郭において前方へ半円形状に突出させた前縁部と前縁部に連続して流線型に幅を増大させた後に最小幅部に向けて徐々に幅を減少させた中間部と中間部に連続して所定幅後方端に向けて徐々に幅を増大させた後縁部からなる魚形水平断面形状をなす高揚力舵が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

0006

しかしながら、後端部がその前方部より大きな幅を持つこれらの舵は、一般に抗力が大きく、船体の直進時には船舶全体としての抵抗が増大する傾向がある。

先行技術

0007

特開2003−276689号公報
特開2013−220697号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、舵の抗力の増加を抑えつつ、舵を切って舵角を取ったときに発生する舵の横力を増大させることができる船舶用舵及び船舶を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記のような目的を達成するための本発明の船舶用舵は、当該船舶用舵の側面視で、プロペラ中心軸よりプロペラ直径の10%下の第1高さと、前記プロペラ中心軸より前記プロペラ直径の60%上の第2高さとの間に、舵形状変化ラインを設けると共に、この舵形状変化ラインより下では、後縁から舵のコード長さの10%前方の第1位置と後縁から舵のコード長さの50%前方の第2位置との間に第1狭小幅部開始ラインを設けると共に、前記舵形状変化ラインより上では、前記第1狭小幅部開始ラインと前記舵形状変化ラインとの交点と、当該舵の上端部の後縁とを結ぶ第2狭小幅部開始ラインを設けて、舵断面形状に関しては、前縁と前記第1狭小幅部開始ラインとの間及び前縁と第2狭小幅部開始ラインとの間を翼断面で形成していると共に、前記第1狭小幅部開始ラインと後縁の間を、前記舵形状変化ラインにおける舵の最大幅の50%以下の幅を最大幅とする第1狭小幅部として形成しており、かつ、前記第2狭小幅部開始ラインと後縁の間を、その高さにおける舵の最大幅の50%以下の幅を最大幅とする第2狭小幅部として形成していることを特徴とする。

0010

この構成によれば、舵を切ったときに、プロペラ後流が当たる舵面においては、プロペラ後流が当たることにより、第1狭小幅部開始ラインをほぼ中心とした部分に大きな力が発生するので、大きな横力を発生することができる。また、船舶用舵に当たる水流を第2狭小幅部開始ラインに沿って船舶用舵の後流側に、剥離を生じることなく円滑に流すことができるので、抗力の増加を抑えることができる。また、舵断面形状が翼断面の後方に第1狭小幅部又は第2狭小幅部を有する形状になることにより、高揚力舵としての効果も発揮できる。

0011

さらに、舵形状変化ラインより上の舵断面形状は、舵形状変化ラインより下の舵断面形状に比べて、全体的に幅が大きくなるので、舵の上側で舵全体を支持する構造において、構造的な強度を維持し易い形状となる。

0012

上記の船舶用舵において、当該船舶用舵の側面視で、前記第1狭小幅部開始ラインを直線としていると共に、前記2狭小幅部開始ラインを直線としていると、構造的に単純となり、工作し易くなり製造コストを低減できる。つまり、第1狭小幅部開始ラインと第2狭小幅部開始ラインは必ずしも直線状である必要は無く、曲線であってもよいが、直線とすると単純な形状となり製造し易くなる。

0013

上記の船舶用舵において、当該船舶用舵の側面視で、上方が前方に行く角度をプラスとして、前記第1狭小幅部開始ラインの鉛直方向からの傾斜角度を、マイナス60度からプラス55度の範囲内としていると共に、前記第2狭小幅部開始ラインの鉛直方向からの傾斜角度をマイナス60度からマイナス5度の範囲内としていると、抗力の増加を抑制しつつ大きな横力を発生するのにより適した形状となる。

0014

上記の船舶用舵において、舵断面形状に関して、前記第1狭小幅部または前記第2狭小幅部のいずれか一方又は両方を前方から後方にかけて幅を狭くしていると、船舶用舵に当たった水流を船舶用舵の後側により円滑に流すことができるので、抗力の増加を抑えることができる。

0015

上記の船舶用舵において、当該船舶用舵の側面視で、前記舵形状変化ラインを2つ設けて、下側の舵形状変化ラインと上側の舵形状変化ラインとすると共に、前記下側の舵形状変化ラインより下に前記第1狭小幅部開始ラインを、前記上側の舵形状変化ラインより上に前記第2狭小幅部開始ラインをそれぞれ設け、かつ、前記下側の舵形状変化ラインと前記上側の舵形状変化ラインとの間に第3狭小幅部開始ラインを前記第1狭小幅部開始ラインと前記第2狭小幅部開始ラインとにそれぞれ連続させて設け、前記第3狭小幅部開始ラインと後縁の間を、その高さにおける舵の最大幅の50%以下の幅を最大幅とする第3狭小幅部として形成していると、より多様なプロペラ後流に効率的に対応することができるようになる。

0016

上記のような目的を達成するための本発明の船舶は、上記の船舶用舵を備えていることを特徴とし、上記の船舶用舵の作用効果と同じ作用効果を発揮できる。

発明の効果

0017

本発明の船舶用舵及び船舶によれば、舵の抗力の増加を抑えつつ、舵を切って舵角を取ったときに発生する舵の横力を増大させることができる。これにより、舵の効きがよくなるので、荒天海象における船舶の操縦性維持に必要な推進出力を小さくすることができ、主機馬力を小さくしつつ、荒天下の操縦性を満足することができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の第1の実施の形態の船舶用舵の構成を模式的に示す、舵断面図を含む側面図である。
図1の船舶用舵の側面図である。
図1の船舶用舵の後方より見た背面図である。
図1の船舶用舵の上端部における舵の水平断面図である。
図1の船舶用舵の舵形状変化ラインにおける舵の水平断面図である。
図1の船舶用舵のプロペラ中心軸の高さにおける舵の水平断面図である。
図1の船舶用舵の下端部における舵の水平断面図である。
本発明の第2の実施の形態の船舶用舵の構成を模式的に示す側面図である。
本発明の第3の実施の形態の船舶用舵の構成を模式的に示す側面図である。
本発明の第4の実施の形態の船舶用舵の構成を模式的に示す側面図である。
別の構成の船舶用舵の背面図である。
さらに別の構成の船舶用舵の背面図である。
従来技術の船舶用舵の構成を模式的に示す、舵断面図を含む側面図である。
図13の船舶用舵の背面図である。

実施例

0019

以下、本発明に係る船舶用舵及び船舶について、図面を参照しながら説明する。なお、船舶の前方向をX方向とし、左舷方向をY方向とし、上方向をZ方向とする。また、図面は模式的に示すもので、図面における寸法の比率は必ずしも実機とは同じでは無い。

0020

図1図7に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の船舶1と船舶用舵(以下、舵という)10は、プロペラ2の後側に配置され、船舶1の船尾内に配置される操舵機(図示しない)に接続された舵柱14によりこの舵柱14周り回動される。図13及び図14に示すように、従来技術の舵10Xは、上下方向に翼断面形状をして下方に行くにつれてその幅が徐々に狭くなるように構成されている。

0021

それに対して、この実施の形態の舵10では、この舵の側面視で、プロペラ中心軸Pcよりプロペラ直径Dpの10%下の第1高さH1と、プロペラ中心軸Pcよりプロペラ直径Dpの60%上の第2高さH2との間の高さHaに、舵形状変化ラインLaを設けて構成される。なお、この第1高さH1と第2高さH2は、より好ましくは、それぞれ、プロペラ中心軸Pcよりプロペラ直径Dpの10%上と、プロペラ中心軸Pcよりプロペラ直径Dpの40%上とする。

0022

図1図2及び図4図7に示すように、この舵形状変化ラインLaより下では、後縁11から舵のコード長さLcの10%前方の第1位置P1と後縁11から舵のコード長さLcの50%前方の第2位置P2との間に第1狭小幅部開始ラインLs1を設ける。なお、この第1位置P1と第2位置P2は、より好ましくは、後縁11から舵のコード長さLcの20%前方と、後縁11から舵のコード長さLcの40%前方とする。

0023

なお、この第1の実施の形態の舵10では、舵形状変化ラインLaより下では、上下方向(Z方向)には舵のコード長さLcは同じままとなっている。また、第1狭小幅部開始ラインLs1は鉛直方向となっている。言い換えれば、舵の側面視で、上方が前方に行く角度をプラスとして、第1狭小幅部開始ラインLs1の鉛直方向Lvからの傾斜角度α1はゼロとなっている。

0024

また、図1図2及び図3図4に示すように、舵形状変化ラインLaより上では、第1狭小幅部開始ラインLs1と舵形状変化ラインLaとの交点P3と、この舵の上端部12の後縁11aとを結ぶ第2狭小幅部開始ラインLs2を設ける。この第2狭小幅部開始ラインLs2の鉛直方向Lvからの傾斜角度α2をマイナス60度からマイナス5度、好ましくはマイナス30度からマイナス10度の範囲内とする。

0025

ここで、第1狭小幅部開始ラインLs1及び第2狭小幅部開始ラインLs2は、ナックル線若しくはフィレット接続の仮想ナックル線で形成される。

0026

そして、図3及び図4に示すように、舵形状変化ラインLaより上の舵断面形状に関しては、前縁13と第2狭小幅部開始ラインLs2との間を翼断面で形成していると共に、第2狭小幅部開始ラインLs2と後縁11の間を、その高さHzにおける舵10の最大幅Br(Hz)の50%以下、より好ましくは25%以下の幅Ba(Hz)を最大幅とする第2狭小幅部Rn2として形成している。なお、この実施の形態の舵10では、図1図4に示すように、舵10の前縁13は、上方に行くにつれて前方に延びている。また、舵断面の幅に関しては、図3に示すように、その断面における最大幅Br(Hz)を含めて、各前後位置における幅は上方に行くにつれて徐々に、広くなっている。

0027

また、図4図7に示すように、舵形状変化ラインLaより下の舵断面形状に関しては、前縁13と第1狭小幅部開始ラインLs1との間を翼断面で形成していると共に、第1狭小幅部開始ラインLsと後縁11の間を、舵形状変化ラインLaの高さHaにおける舵10の最大幅Bra(=Br(Ha))の50%以下、より好ましくは25%以下の幅Ba(Hz)を最大幅とする第1狭小幅部Rn1として形成している。

0028

この第1狭小幅部開始ラインLs1と第2狭小幅部開始ラインLs2は必ずしも直線状である必要は無く、曲線であってもよいが、直線とすると単純な形状となり製造し易くなる。そのため、図1図2及び図4図7に示すように、舵の側面視で、第1狭小幅部開始ラインLs1を直線とし、第2狭小幅部開始ラインLs2を直線としていると、構造的に単純となり、工作し易くなり製造コストを低減できる。

0029

また、この舵断面形状によれば、翼断面の後方に第1狭小幅部Rn1又は第2狭小幅部Rn2を有する形状になることにより、高揚力舵としての効果も発揮できる。なお、魚尾形状では、後端部分の幅(厚み)がそれより前方よりも広く(厚く)なっているのに対して、この第1狭小幅部Rn1と第2狭小幅部Rn2では、後端部分の幅はそれより前方よりも広くならない。つまり同じ幅か、あるいは、狭くなっている。

0030

また、舵断面形状に関して、第1狭小幅部Rn1と第2狭小幅部Rn2の幅は一定とすることもできるが、第1狭小幅部Rn1、または、第2狭小幅部Rn2のいずれか一方又は両方を前方から後方にかけて幅が狭くなるように形成することにより、舵10を切ったときも、舵角をゼロにしているときでも、舵10に当たる水流を剥離を生じることなく舵10の後側により円滑に流すことができるようになるので、舵10の抗力の増加を抑えることができる。この舵断面形状における、この幅の狭まり方は直線状でもよいが曲線状であってもよい。なお、曲線状とするよりは直線状とした方が工作性は良くなる。

0031

また、舵断面の幅に関しては、図3に示すように、その断面における最大幅Br(Hz)を含めて、各前後位置における幅は下方に行くにつれて徐々に、狭くなっている。この図3では、舵の上端部12から舵形状変化ラインLaまでは比較的緩やかに狭くなり、舵形状変化ラインLaから舵の下端部15までは比較的急速に狭くなっている。この幅に関しては、図11に示すように、舵の上端部12から舵形状変化ラインLaまでは同じ幅とし、舵形状変化ラインLaから舵の下端部15までを狭くなるよう構成してもよい。さらには、小さい舵等では、図12に示すように、舵の上端部12から舵の下端部15まで同じ幅としてもよい。

0032

また、図8及び図9に示すように、第2の実施の形態の舵10Aと第3の実施の形態の舵10Bでは、舵の側面視で、上方が前方に行く角度をプラスとして、第1狭小幅部開始ラインLs1の鉛直方向Lvからの傾斜角度α1を、マイナス60度からプラス55度、好ましくはマイナス40度からプラス35度の範囲内とする。図8では、傾斜角度α1はプラスであり、図9では、傾斜角度α1はマイナスになっている。

0033

また、第2狭小幅部開始ラインLs2の鉛直方向Lvからの傾斜角度α2をマイナス60度からマイナス5度、好ましくはマイナス30度からマイナス10度の範囲内とする。これにより、舵10の形状を抗力の増加を抑制しつつ大きな横力を発生するのにより適した形状とすることができる。

0034

また、図10に示すように、第4の実施の形態の舵10Cにおいては、舵の側面視で、舵形状変化ラインLaを2つ設けて、下側の舵形状変化ラインLa1と上側の舵形状変化ラインLa2とする。それと共に、下側の舵形状変化ラインLa1より下に第1狭小幅部開始ラインLs1を、上側の舵形状変化ラインLa2より上に第2狭小幅部開始ラインLs2をそれぞれ設ける。

0035

さらに、下側の舵形状変化ラインLa1と上側の舵形状変化ラインLa2との間に第3狭小幅部開始ラインLs3を第1狭小幅部開始ラインLs1と第2狭小幅部開始ラインLs2とにそれぞれ連続させて設ける。なお、図10では、この第3狭小幅部開始ラインLs3は垂直な直線となっているが、必ずしも垂直な直線に限定されず、直線で鉛直方向から傾斜していても良く、また、曲線であっても良い。

0036

また、この第3狭小幅部開始ラインLs3と後縁11の間を、その高さHzにおける舵の最大幅Br(Hz)の50%以下、より好ましくは25%以下の幅Ba(Hz)を最大幅とする第3狭小幅部Rn3として形成する。この第3狭小幅部Rn3は、第1狭小幅部Rn1と第2狭小幅部Rn2と同様に形成される。つまり、この第3狭小幅部Rn3の幅は一定とすることもできるが、第3狭小幅部Rn3を前方から後方にかけて幅が狭くなるように形成しても良い。

0037

言い換えると、この図10の第4の実施の形態の舵10Cは、図1図7の第1の実施の形態の舵10、図8に示す第2の実施の形態の舵10A、図9に示す第3の実施の形態の舵10Bに対して、舵形状変化ラインLaの舵断面形状の部分を上下に拡張した形状とする。ただし、この下側の舵形状変化ラインLa1と上側の舵形状変化ラインLa2の間の舵断面形状は上下方向に同じ形状であっても良いが、第3狭小幅部開始ラインLs3の形状に応じて連続的に変化しても良い。

0038

この第4の実施の形態の舵10Cの構成とすることで、より多様なプロペラ後流に効率的に対応することができるようになる。

0039

なお、ここでは、舵10の前縁13は、舵の上端部12から舵形状変化ラインLaまでは下方に行くにつれて徐々に後退して、舵形状変化ラインLaから舵の下端部15までは、同じ前後位置となっており特に下方に行くにつれて後退していないが、本発明では、舵形状変化ラインLaから舵の下端部15までにおいても、前縁13は下方に行くにつれて後退していてもよく、舵の側面視での前縁13の形状は特に限定しない。

0040

また、舵10の後縁11は、舵の上端部12から舵の下端部15までは、同じ前後位置となっており、特に下方に行くにつれて後退していないが、本発明では、舵形状変化ラインLaから舵の下端部15までにおいても、後縁11は下方に行くにつれて後退又は前進していてもよく、舵の側面視での後縁11の形状は特に限定しない。

0041

また、舵の下端部15に水平方向の面を持つ端板(図示しない)を設けてもよく、プロペラ中心軸Pcの位置にプロペラ後流を整流するためのバルブを舵10に設けてもよい。

0042

さらには、特に図示はしないが、リアクション舵フィンラダーフィン)が付いた舵や下部が二股に分かれる舵に適用しても良い。この下部が二股に分かれる舵としては、例えば、舵軸に接続する垂直舵の下端に船尾方向から見た場合に垂直舵と交差する副舵の合体で構成された舵や、舵軸に接続する垂直舵の下端に船尾方向から見て二股形状になるように2つの副舵を接続して、この副舵に折れ曲がり部を1箇所又は複数箇所設けて形成した舵等がある。

0043

そして、本発明に係る実施の形態の船舶1は、上記の舵10、10A、10B、10Cを備えて構成される。

0044

上記の舵(船舶用舵)10、10A、10B、10C及びこの舵10、10A、10B、10Cを備えた船舶1によれば、舵10、10A、10B、10Cを切ったときに、プロペラ後流が当たる舵面においては、プロペラ後流が当たることにより、第1狭小幅部開始ラインLs1をほぼ中心とした部分に大きな力が発生するので、大きな横力を発生することができる。

0045

また、この舵10、10A、10B、10Cに当たる水流を第2狭小幅部開始ラインLs2に沿って舵10、10A、10B、10Cの後側に剥離を生じることなく円滑に流すことができるので、抗力の増加を抑えることができる。また、舵断面形状が翼断面の後方に第1狭小幅部Rn1と第2狭小幅部Rn2、あるいは、さらに、第3狭小幅部Rn3を有する形状になることにより、高揚力舵としての効果も発揮できる。

0046

さらに、舵形状変化ラインLaより上の舵断面形状は、舵形状変化ラインLaより下の舵断面形状に比べて、全体的に幅が大きくなるので、舵10、10A、10B、10Cの上側で舵全体を支持する構造において、構造的な強度を維持し易い形状となる。

0047

1、1X船舶
10、10A、10B、10C、10X舵(船舶用舵)
11後縁
11a 舵の上端部の後縁
12 舵の上端部
13前縁
14舵柱
15 舵の下端部
Ba 舵の各高さにおける第1、第2、第3狭小幅部の最大幅
Br 舵の各高さにおける最大幅
Bra舵形状変化ラインにおける舵の最大幅
Brcプロペラ中心軸における舵の最大幅
Dpプロペラ直径
H1 第1高さ
H2 第2高さ
Ha 舵形状変化ラインの高さ
La 舵形状変化ライン
La1 下側の舵形状変化ライン
La2 上側の舵形状変化ライン
Lc 舵のコード長さ
Ls1 第1狭小幅部開始ライン
Ls2 第2狭小幅部開始ライン
Ls3 第3狭小幅部開始ライン
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第1狭小幅部開始ラインと舵形状変化ラインとの交点
Pc プロペラ中心軸
Rn1 第1狭小幅部
Rn2 第2狭小幅部
Rn3 第3狭小幅部
α1 第1狭小幅部開始ラインの鉛直方向からの傾斜角度
α2 第2狭小幅部開始ラインの鉛直方向からの傾斜角度

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