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技術 樹脂部品、及びその樹脂部品の製造方法

出願人 トヨタ車体株式会社
発明者 鈴木里奈
出願日 2016年11月1日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-214144
公開日 2017年10月5日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-177801
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の延伸成形、応力解放成形 プラスチック等の射出成形 プラスチック等の押出成形
主要キーワード 螺旋半径 樹脂ワイヤ 螺旋成形 配線穴 スパイラルチューブ 軟化樹脂 寸法変更 送風冷却
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (16)

課題

本発明は、帯板状の樹脂部品を熱により螺旋状に変形させられるようにして、樹脂部品の用途拡大を図れるようにすることである。

解決手段

本発明は、幅寸法に対して長さ寸法が十分に大きい帯板状に成形されている樹脂部品10であって、板厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位Xが板厚方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位Yが板厚方向における他端寄りの位置に配置されており、また、幅方向において非対称に形成されることで、内部温度上昇が早い部位Xが幅方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位Yが幅方向における他端寄りの位置に配置されており、樹脂軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている。

概要

背景

例えば、帯板状の樹脂螺旋状に成形したスパイラル形状収縮チューブが特許文献1に記載されている。前記収縮チューブは、電線束巻き付けた状態で加熱することで収縮するように構成されている。このため、前記スパイラル形状のチューブを電線束に対して密着状態で巻き付けられるようになる。

概要

本発明は、帯板状の樹脂部品を熱により螺旋状に変形させられるようにして、樹脂部品の用途拡大をれるようにすることである。本発明は、幅寸法に対して長さ寸法が十分に大きい帯板状に成形されている樹脂部品10であって、板厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位Xが板厚方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位Yが板厚方向における他端寄りの位置に配置されており、また、幅方向において非対称に形成されることで、内部温度上昇が早い部位Xが幅方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位Yが幅方向における他端寄りの位置に配置されており、樹脂の軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている。

目的

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、幅寸法に対して長さ寸法が大きな樹脂部品を熱により螺旋状に変形させられるようにして、樹脂部品の用途拡大を図れるようにすることである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

幅寸法に対して長さ寸法が大きくなるように成形されている樹脂部品であって、肉厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位が前記肉厚方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記肉厚方向における他端寄りの位置に配置されており、また、幅方向において非対称に形成されることで、内部温度上昇が早い部位が前記幅方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記幅方向における他端寄りの位置に配置されており、樹脂軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている樹脂部品。

請求項2

請求項1に記載された樹脂部品であって、長さ方向における一端側を別部品に固定できるように構成されている樹脂部品。

請求項3

請求項1又は請求項2のいずれかに記載された樹脂部品であって、所定厚み寸法の第1帯板と、所定厚み寸法の第2帯板とを備えており、前記第1帯板と前記第2帯板とが重ねられて接合されることで、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称となるように構成されている樹脂部品。

請求項4

請求項1又は請求項2のいずれかに記載された樹脂部品であって、射出成形されることにより、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称となるように構成されている樹脂部品。

請求項5

請求項1又は請求項2のいずれかに記載された樹脂部品であって、押出成形されることにより、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称となるように構成されている樹脂部品。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれかに記載された樹脂部品であって、幅方向における断面形状が略L字形に成形されている樹脂部品。

請求項7

幅寸法に対して長さ寸法が大きくなるように成形されて、肉厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位が前記肉厚方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記肉厚方向における他端寄りの位置に配置されており、また、幅方向において非対称に形成されることで、内部温度上昇が早い部位が前記幅方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記幅方向における他端寄りの位置に配置されており、前記樹脂の軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている樹脂部品の製造方法であって、長さ方向において収縮する方向に応力残留するように、前記樹脂部品を成形する樹脂部品の製造方法。

請求項8

請求項7に記載された樹脂部品の製造方法であって、前記樹脂部品を軟化させた状態で長さ方向に張力を加え、張力が加えられた状態で固化させることで、長さ方向において収縮する方向に応力を残留させる樹脂部品の製造方法。

請求項9

請求項8に記載された樹脂部品の製造方法であって、押出機口金ノズルから溶融樹脂を押し出し、断面形状を幅方向と肉厚方向とにおいて非対称な形状に成形する成形工程と、前記口金のノズルから押し出された溶融樹脂に張力を加えながら冷却する冷却工程と、を有する樹脂部品の製造方法。

請求項10

請求項9に記載された樹脂部品の製造方法であって、前記口金のノズルの樹脂吐出口を略L字形に形成し、前記ノズルの樹脂吐出口から溶融樹脂を押し出すことで、断面形状を略L字形に成形する樹脂部品の製造方法。

請求項11

請求項10に記載された樹脂部品の製造方法であって、前記ノズルにおける略L字形の樹脂吐出口は、複数の内壁面に囲まれることにより形成されており、互いに対向する前記内壁面には、前記樹脂吐出口の開口面積を狭めるように隆起した隆起部が設けられている樹脂部品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、幅寸法に対して長さ寸法が十分に大きくなるように成形されている樹脂部品、及びその樹脂部品の製造方法に関する。

背景技術

0002

例えば、帯板状の樹脂螺旋状に成形したスパイラル形状収縮チューブが特許文献1に記載されている。前記収縮チューブは、電線束巻き付けた状態で加熱することで収縮するように構成されている。このため、前記スパイラル形状のチューブを電線束に対して密着状態で巻き付けられるようになる。

先行技術

0003

特開2002−330517号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記した収縮チューブは予め螺旋状に成形されているため、収縮チューブの径寸法(螺旋の径寸法)は決められている。このため、束ね電線の本数や電線サイズに応じて異なる径寸法の収縮チューブを複数種類準備する必要がある。例えば、電線束の外径寸法が所定の収縮チューブの径寸法よりも小さくなる場合には、別の小径の収縮チューブを使用する必要がある。さらに、電線束が壁部の配線穴に通されている場合に、後から電線束と配線穴との隙間に収縮チューブを通すことも難しい。

0005

本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、幅寸法に対して長さ寸法が大きな樹脂部品を熱により螺旋状に変形させられるようにして、樹脂部品の用途拡大を図れるようにすることである。

課題を解決するための手段

0006

上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。請求項1の発明は、幅寸法に対して長さ寸法が大きくなるように成形されている樹脂部品であって、肉厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位が前記肉厚方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記肉厚方向における他端寄りの位置に配置されており、また、幅方向において非対称に形成されることで、内部温度上昇が早い部位が前記幅方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記幅方向における他端寄りの位置に配置されており、前記樹脂の軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている。

0007

本発明によると、樹脂部品は、樹脂の軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている。また、樹脂部品は、肉厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位が前記肉厚方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記肉厚方向における他端寄りの位置に配置されている。このため、肉厚方向において最も早く熱が内部に伝わる部分が早く収縮して、肉厚方向における一端側が内側になるように、樹脂部品は環状に湾曲する。さらに、樹脂部品は、幅方向において非対称に形成されることで、内部温度上昇が早い部位が前記幅方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記幅方向における他端寄りの位置に配置されている。このため、幅方向において最も早く熱が内部に伝わる部分(薄肉部分)が早く環状に湾曲し、遅れて熱が内部に伝わるのが遅い部分(厚肉部分)が環状に湾曲する。このため、幅寸法に対して長さ寸法が大きい樹脂部品は環状の中心に対して軸方向にずれた状態で螺旋状に湾曲するようになる。このように、幅寸法に対して長さ寸法が大きい樹脂部品を加熱することで螺旋状に変形させることができる。このため、例えば、電線束が壁部の配線穴に通されている状態で、後から電線束と配線穴との隙間に前記樹脂部品を通し、熱により螺旋状に変形させて電線束に巻き付けてスパイラルチューブ状にすることが可能になる。

0008

請求項2の発明によると、長さ方向における一端側を別部品に固定できるように構成されている。このため、樹脂部品の一端側を別部品に固定した状態で、その樹脂部品を加熱できるようになる。これにより、樹脂部品を良好な螺旋形状に成形できる。

0009

請求項3の発明によると、所定厚み寸法の第1帯板と、所定厚み寸法の第2帯板とを備えており、前記第1帯板と前記第2帯板とが重ねられて接合されることで、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称となるように構成されている。このため、樹脂部品を幅方向と肉厚方向とにおいて簡単に非対称にできる。

0010

請求項4の発明によると、射出成形されることにより、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称となるように構成されている。このため、樹脂部品を様々な形状に成形して、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称にできる。

0011

請求項5の発明によると、押出成形されることにより、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称となるように構成されている。このため、幅方向と肉厚方向とにおいて非対称な樹脂部品を経済的にワイヤー状、あるいは紐状に成形できるようになる。

0012

請求項6の発明によると、幅方向における断面形状が略L字形に成形されている。このため、樹脂部品の断面形状が最も簡単な形状で、幅方向と板厚方向とにおいて非対称となる。

0013

請求項7の発明は、幅寸法に対して長さ寸法が大きくなるように成形されて、肉厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位が前記肉厚方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記肉厚方向における他端寄りの位置に配置されており、また、幅方向において非対称に形成されることで、内部温度上昇が早い部位が前記幅方向における一端寄りの位置に、また内部温度上昇が遅い部位が前記幅方向における他端寄りの位置に配置されており、前記樹脂の軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている樹脂部品の製造方法であって、長さ方向において収縮する方向に応力残留するように、前記樹脂部品を成形する。このため、樹脂部品は、樹脂の軟化温度まで加熱される過程で長さ方向において収縮するようになる。

0014

請求項8の発明によると、樹脂部品を軟化させた状態で長さ方向に張力を加え、張力が加えられた状態で固化させることで、長さ方向において収縮する方向に応力を残留させる。このため、収縮方向に大きな応力を残留させることができる。

0015

請求項9の発明によると、押出機口金ノズルから溶融樹脂を押し出し、断面形状を幅方向と肉厚方向とにおいて非対称な形状に成形する成形工程と、前記口金のノズルから押し出された溶融樹脂に張力を加えながら冷却する冷却工程とを有する。このため、例えば、ワイヤー状の樹脂部品を効率的に成形できる。また、ワイヤー状の樹脂部品の長手方向に大きな応力を残留させることができる。

0016

請求項10の発明によると、口金のノズルの樹脂吐出口を略L字形に形成し、前記ノズルの樹脂吐出口から溶融樹脂を押し出すことで、断面形状を略L字形に成形する。このため、断面略L字形のワイヤー状の樹脂部品を効率的に成形できる。

0017

請求項11の発明によると、ノズルにおける略L字形の樹脂吐出口は、複数の内壁面に囲まれることにより形成されており、互いに対向する前記内壁面には、前記樹脂吐出口の開口面積を狭めるように隆起した隆起部が設けられている。

発明の効果

0018

本発明によると、幅寸法に対して長さ寸法が大きい樹脂部品を熱により螺旋状に変形させられるようになり、樹脂部品の用途拡大を図ることができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態1に係る樹脂部品を表わす斜視図である。
前記樹脂部品の分解斜視図である。
前記樹脂部品を加熱することで、樹脂部品が螺旋状に変形した様子を表す斜視図である。
前記樹脂部品の幅方向における断面図である。
図4において、樹脂部品の各部の寸法を変えたときの螺旋成形が可能か否かを示す表である。
前記樹脂部品の使用形態1を表わす斜視図(加熱前)である。
前記樹脂部品の使用形態1を表わす斜視図(加熱後)である。
前記樹脂部品の使用形態2を表わす斜視図である。
前記樹脂部品の使用形態3を表わす斜視図である。
変更例1に係る樹脂部品を表わす斜視図である。
変更例2に係る樹脂部品を表わす斜視図である。
本発明の実施形態2に係る樹脂部品を表わす斜視図である。
本発明の実施形態2に係る樹脂部品を製造する際に使用される溶融紡糸装置紡糸口金のノズルの正面図である。
前記樹脂部品を製造する際に使用される溶融紡糸装置の全体模式図である。
図14のXV矢視部の拡大斜視図である。

実施例

0020

[実施形態1]
<樹脂部品10の構成について>
以下、図1から図11に基づいて本発明の実施形態1に係る樹脂部品、及びその製造方法について説明する。本実施形態に係る樹脂部品10は、幅寸法Wに対して長さ寸法Lが十分に大きい帯板状の部品である。樹脂部品10は、図1図2に示すように、第1帯板12と第2帯板14とから構成されている。第1帯板12は、幅寸法がW1、長さ寸法がL、厚み寸法がt1に設定されたポリスチレン(PS)の板である。また、第2帯板14は、幅寸法がW2(W2<W1)、長さ寸法がL、厚み寸法がt2に設定されたポリスチレン(PS)の板である。

0021

前記第1帯板12と第2帯板14とは、共に二軸延伸加工により成形されている。即ち、第1帯板12と第2帯板14とは、図2に示すように、熱により軟化している状態で長さ方向に張力Ftが加えられ、さらに張力Ftが加えられている状態で固化することで板状に成形されている。このため、第1帯板12と第2帯板14とには、長さ方向において収縮する方向(張力Ftと逆方向)に応力が残留している。そして、第1帯板12と第2帯板14とは、図1に示すように、幅方向における一端側(下端)と、長さ方向における両端とを揃えた状態で、重ねられて接合されている。即ち、第1帯板12の表面12fと第2帯板14の裏面14bとが接合されている。

0022

即ち、樹脂部品10は、図1に示すように、幅方向における断面形状が略L字形に形成されており、幅方向において非対称、かつ板厚方向において非対称となっている。このように、樹脂部品10は幅方向において板厚寸法が異なっているため、板厚寸法が小さい部位である第1帯板12の単体部分Xで加熱による内部温度上昇が早くなる。また、樹脂部品10の板厚寸法が大きい部位である第1帯板12と第2帯板14との重なり部分Yで加熱による内部温度上昇が遅くなる。即ち、樹脂部品10において加熱による内部温度上昇が早い部位Xが幅方向における一端(上面)寄りに配置されており、内部温度上昇が遅くなる部位Yが幅方向における他端(下面)寄りに配置されている。また、樹脂部品10において加熱による内部温度上昇が早い部位Xは、第1帯板12の裏面12b寄りの位置に配置されており、内部温度上昇が遅い部位Yは、第2帯板14の表面14f寄りの位置に配置されている。即ち、第1帯板12の裏面12bが本発明における板厚方向における一端に相当し、第2帯板14の表面14fが本発明における板厚方向における他端に相当する。

0023

前述のように、樹脂部品10を構成する第1帯板12と第2帯板14とは共に二軸延伸加工により成形されているため、前記第1帯板12と第2帯板14とには長さ方向において収縮する方向に応力が残留している。さらに、樹脂部品10において加熱による内部温度上昇が早い部位Xは、第1帯板12の裏面12b寄りの位置に配置されており、内部温度上昇が遅い部位Yは、第2帯板14の表面14f寄りの位置に配置されている。このため、樹脂部品10は、軟化温度近くまで加熱される過程で、内部温度上昇が早い部位Xが早く収縮し、第1帯板12の裏面12bが内側になるように環状に湾曲する。さらに、樹脂部品10において加熱による内部温度上昇が早い部位Xは、幅方向における一端(上面)寄りに配置されており、内部温度上昇が遅くなる部位Yが幅方向における他端(下面)寄りに配置されている。そして、幅方向において最も早く熱が伝わる部位X(薄肉部分)が早く環状に湾曲し、遅れて部位Y(厚肉部分)が環状に湾曲する。このため、帯板状の樹脂部品10は、図3に示すように、環状の中心に対して軸方向にずれた状態で螺旋状に湾曲するようになる。

0024

<樹脂部品10の寸法変更例>
次に、図4図5に基づいて、樹脂部品10の寸法を変更して加熱(ポリスチレンの場合80℃〜100℃程度に加熱)した場合の螺旋変形の有無について説明する。上記したように、第1帯板12の板厚寸法をt1とし、第2帯板14の板厚寸法をt2とし、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分の板厚寸法をt0とする。また、第1帯板12の幅寸法をW1(W1=10mm)とし、第2帯板14の幅寸法をW2とする。例えば、図5におけるパターン1(No.1)は、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分の板厚寸法t0=0.5mm、前記重なり部分の板厚と第1帯板12との板厚差(t0−t1)=0.3mm、第1帯板12と第2帯板14との幅差(W1−W2)=5mmに設定した場合の樹脂部品10の螺旋変形状態を表わしている。同様に、パターン2(No.2)〜パターン7(No.7)は、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分の板厚寸法t0、板厚差(t0−t1)、及び幅差(W1−W2)のいずれかを変化させた場合の樹脂部品10の螺旋変形状態を表わしている。

0025

また、螺旋(らせん)変形の欄に示す二重丸は、螺旋変形が良好に行なわれたパターンである。即ち、加熱による螺旋変形の径寸法が最も小さかったパターン(パターン2)と、最も早く螺旋変形したパターン(パターン5)とを表わしている。パターン2(No.2)の場合は、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分の板厚寸法t0=0.6mm、板厚差(t0−t1)=0.4mm、幅差(W1−W2)=5mmに設定されている。パターン2(No.2)の場合が螺旋変形の径寸法が最も小さくなった。パターン5(No.5)の場合は、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分の板厚寸法t0=0.6mm、板厚差(t0−t1)=0.4mm、幅差(W1−W2)=7mmに設定されている。パターン5(No.5)の場合が螺旋変形の径寸法がパターン2(No.2)に次いで小さくなった。しかし、螺旋変形が最も早く行なわれたのは、パターン5(No.5)であり、次いでパターン2(No.2)で螺旋変形が行なわれた。

0026

パターン2(No.2)、パターン5(No.5)に示すように、樹脂部品10は、第1帯板12の単体部分と、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分との板厚差(t0−t1)が大きく、さらに、第1帯板12と第2帯板14との幅差(W1(=10mm)−W2)が5mm以上の場合に螺旋変形し易くなる。また、第1帯板12と第2帯板14との幅差(W1(=10mm)−W2)を5mm以上にして、第1帯板12の単体部分を多くすることで、樹脂部品10の温度上昇が早くなり、早く螺旋変形が行なわれるようになる。

0027

これに対し、螺旋(らせん)変形の欄に示す×は、加熱による螺旋変形が行なわれなかったパターンを表わしている(パターン7)。パターン7(No.7)の場合は、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分の板厚寸法t0=0.6mm、板厚差(t0−t1)=0.4mm、幅差(W1−W2)=0mmに設定されている。パターン7(No.7)の場合、第1帯板12と第2帯板14とは板厚寸法が異なるだけで、等しい寸法に設定されている。即ち、樹脂部品10は、幅方向、及び板厚方向において対称に形成されている。したがって、加熱による内部温度上昇が早い部位Xと遅い部位Yとが幅方向において位置ずれしていない。さらに、内部温度上昇が早い部位Xと遅い部位Yとが板厚方向において対称に配置されている。このため、樹脂部品10は、環状に湾曲し難く、さらに螺旋状に湾曲することもない。

0028

また、螺旋(らせん)変形の欄に示す三角は、螺旋変形は行なわれたが、螺旋変形した場合の径寸法が大きく実用的でないパターンを表わしている(パターン6)。パターン6の場合、第1帯板12と第2帯板14との重なり部分の板厚寸法t0=0.6mm、板厚差(t0−t1)=0.4mm、幅差(W1−W2)=3mmに設定されている。即ち、第1帯板12の幅寸法W1が10mmに対して、第2帯板14の幅寸法W2が7mmに設定されている。このため、樹脂部品10の内部温度上昇が早い部位X(薄肉部分)に対して内部温度上昇が遅い部位Y(厚肉部分)の割合が多くなり、螺旋変形し難くなる。また、螺旋(らせん)変形の欄に示す丸印は、普通に螺旋変形が行なわれたパターンであり、二重丸のパターンと三角のパターンとのほぼ中間のパターン(パターン1、3、4)を表わしている。

0029

<樹脂部品10の使用形態>
次に、図6図9に基づいて、樹脂部品10の使用形態1〜3について説明する。ここで、図6図7は、電線束を保護するスパイラルチューブとして樹脂部品10を使用する例を表わしている。電線束は、例えば、図6に示すように、保護チューブ21に覆われた状態で、縦壁部22の配線穴22hに通されている。この状態で、電線束を保護チューブ21と共に樹脂部品10によってスパイラルチューブ状に覆うためには、先ず、樹脂部品10を、図6に示すように、保護チューブ21に覆われた電線束と縦壁部22の配線穴22hとの隙間(図番省略)に差し込む。そして、樹脂部品10を電線束に交差させた状態で、樹脂部品10を軟化温度近くまで加熱する。これにより、図7に示すように、樹脂部品10が螺旋状に変形し、保護チューブ21に覆われた電線束に巻き付けられる。即ち、保護チューブ21に覆われた電線束がスパイラル状の樹脂部品10によって保護されるようになる。

0030

図8は、フック31の固定部材として樹脂部品10を使用した例を表わしている。即ち、フック31の壁側固定部31wには、所定長さ寸法の樹脂部品10の一端が直角に固定されている。このため、フック31の樹脂部品10を縦壁部32の取付け穴32hに挿入して、樹脂部品10を軟化温度近くまで加熱することで、樹脂部品10が螺旋状に変形し、フック31を縦壁部32に取付けることができる。即ち、前記フック31が本発明における別部品に相当する。

0031

また、図9に示すように、樹脂部品10を一方の部材44と他方の部材45とに巻き付けて、両部材44,45を一体化することも可能である。即ち、樹脂部品10の一端を固定部材41により一方の部材44に固定し、一方の部材44に他方の部材45を合わせた状態で、樹脂部品10を軟化温度近くまで加熱する。これにより、樹脂部品10が螺旋状に変形して、一方の部材44と他方の部材45とに巻き付けられ、一方の部材44と他方の部材45とが一体化される。即ち、前記固定部材41、及び一方の部材44が本発明の別部品に相当する。

0032

<本実施形態に係る樹脂部品10の長所>
本実施形態に係る樹脂部品10は、樹脂の軟化温度まで加熱される過程で、長さ方向において収縮するように構成されている。また、樹脂部品10は、板厚方向において非対称に形成されることで、加熱されることによる内部温度上昇が早い部位Xが第1帯板12の裏面12b(板厚方向における一端)寄りの位置に配置されている。また、内部温度上昇が遅い部位Yが第2帯板14の表面14b(板厚方向における他端)寄りの位置に配置されている。このため、板厚方向において最も早く熱が内部に伝わる部分Xが早く収縮し、第1帯板12の裏面12bが内側になるように、樹脂部品10は環状に湾曲する。さらに、樹脂部品10において加熱による内部温度上昇が早い部位Xは、幅方向における一端(上面)寄りに配置されており、内部温度上昇が遅くなる部位Yが幅方向における他端(下面)寄りに配置されている。そして、幅方向において最も早く熱が内部に伝わる部分X(薄肉部分)が早く環状に湾曲し、遅れて熱が内部に伝わるのが遅い部分Y(厚肉部分)が環状に湾曲する。したがって、帯板状の樹脂部品10は環状の中心に対して軸方向にずれた状態で螺旋状に湾曲するようになる。このように、帯板状の樹脂部品10を加熱することで螺旋状に変形させることができる。このため、例えば、図6に示すように、電線束が縦壁部22の配線穴22hに通されている状態で、後から電線束と配線穴22hとの隙間に帯板状の樹脂部品10を通し、熱により螺旋状に変形させて電線束に巻き付けてスパイラルチューブ状にすることが可能になる。

0033

また、樹脂部品10を軟化させた状態で長さ方向に張力を加え、張力が加えられた状態で固化させることで、長さ方向において収縮する方向に応力を残留させる。このため、収縮方向に大きな応力を残留させることができる。さらに、図8図9に示すように、樹脂部品10の長さ方向における一端側を別部品に固定できるように構成されている。このため、樹脂部品10の一端側を別部品に固定した状態で、その樹脂部品10を加熱できるようになる。これにより、樹脂部品10を良好な螺旋形状に成形できる。

0034

また、図1図2に示すように、樹脂部品10は、所定厚み寸法の第1帯板12と、所定厚み寸法の第2帯板14とを備えており、第1帯板12と第2帯板14とが重ねられて接合されることで、幅方向と板厚方向とにおいて非対称となるように構成されている。このため、樹脂部品10を幅方向と板厚方向とにおいて簡単に非対称にできる。

0035

<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、樹脂部品10を、図1等に示すように、ポリスチレン製の第1帯板12と第2帯板14とを重ねて接合させることにより成形する例を示した。しかし、図10に示すように、ポリスチレン以外の樹脂を使用して射出成形により樹脂部品50を断面略L字形に成形することも可能である。即ち、射出成形により樹脂部品50を成形することで、樹脂部品50には長さ方向において収縮するように応力が残留する。このため、樹脂部品50を軟化温度近くまで加熱する過程で、樹脂部品50は螺旋状に変形するようになる。また、射出成形により樹脂部品50を成形することで、図11に示すように、薄肉部57と厚肉部58との断面形状を容易に変更することが可能になる。また、本実施形態では、ポリスチレン(PS)製の第1帯板12と第2帯板14とを使用する例を示したが、例えば、ポリエチレン(PE)製の第1帯板12と第2帯板14とを使用しても良いし、ポリプロピレン(PP)製の第1帯板12と第2帯板14とを使用しても良い。また、第1帯板12と第2帯板14とを異なる樹脂により成形することも可能である。

0036

[実施形態2]
<樹脂部品60について>
以下、図12から図15に基づいて本発明の実施形態2に係る樹脂部品60、及びその製造方法について説明する。本実施形態に係る樹脂部品60は、図12の拡大斜視図に示すように、断面略L字形をしたワイヤー状に形成されている。即ち、ワイヤー状の樹脂部品60(以下、樹脂ワイヤー60という)は、比較的肉厚の縦壁部61と比較的薄肉の横壁部62とにより断面略L字形に形成されている。このため、樹脂ワイヤー60の断面は縦方向(肉厚方向)と横方向(幅方向)とにおいて非対称な形状となる。ここで、樹脂ワイヤー60の材料としては、例えば、ナイロン6ナイロン66との共重合ナイロンが使用されている。

0037

<樹脂ワイヤー60の製造方法について>
樹脂ワイヤー60の製造には溶融紡糸装置70が使用される。溶融紡糸装置70は、図14の模式図に示すように、押出機71と、冷却装置72と、延伸装置73と、乾燥装置74と、巻取り装置75とを備えている。押出機71は、図15に示すように、共重合ナイロンのペレット加熱溶融させて口金71kのノズル71nから押し出す装置である。口金71kのノズル71nにおける樹脂吐出口710は、図13に示すように、樹脂ワイヤー60の縦壁部61を成形する縦壁成形部712と、樹脂部品60の横壁部62を成形すると横壁成形部714とによりL字形に形成されている。

0038

ノズル71nの樹脂吐出口710における縦壁成形部712は、図13に示すように、高さ寸法Hy、幅寸法h2の縦長の長方形状に形成されている。また、樹脂吐出口710の横壁成形部714は、横幅寸法Hx、高さ寸法h1の横長の長方形状に形成されている。そして、縦壁成形部712の幅寸法h2が横壁成形部714の高さ寸法h1よりも大きな値に設定されている。さらに、樹脂吐出口710の縦壁成形部712を構成する内壁面のうちで、互いに対向する内壁面には偏平円弧状に緩やかに隆起する隆起部712eが形成されている。また、樹脂吐出口710の横壁成形部714を構成する内壁面のうちで、互いに対向する内壁面には同じく偏平円弧状に緩やかに隆起する隆起部714eが形成されている。これにより、押出機71のノズル71nの樹脂吐出口710から押し出された軟化樹脂はL字形断面の角部が取れて丸みを帯びた形状となる。

0039

溶融紡糸装置70の押出機71から押し出されるワイヤー状の軟化樹脂には、図14に示すように、延伸装置73によって所定の張力が加えられるようになっている。また、押出機71と延伸装置73との間には、押出機71から押し出されたワイヤー状の軟化樹脂を送風冷却して固化させる冷却装置72が設けられている。延伸装置73は、冷却装置72を通過して固化した状態の樹脂ワイヤー60を一対の支持ローラ73sとテンションローラ73tとにより引っ張れるように構成されている。これにより、延伸装置73は、押出機71から押し出されるワイヤー状の軟化樹脂に対して所定の張力を加えられるようになる。これにより、ワイヤー状の軟化樹脂は、延伸装置73により所定の張力を加えられた状態で冷却装置72により冷却されて固化するようになる。延伸装置73を通過した樹脂ワイヤー60は、乾燥装置74で送風乾燥された後、巻取り装置75によって巻き取られる。

0040

このように、押出機71を使用することで、断面略L字形の樹脂ワイヤー60を連続的に製造できるようになる。また、押出機71のノズル71nから押し出されたワイヤー状の軟化樹脂が冷却装置72よって固化させられる際、延伸装置73によって所定の張力が加えられる。このため、樹脂ワイヤー60に対して長さ方向に収縮するような応力を残留させることができる。さらに樹脂ワイヤー60の前記残留応力の値をテンションローラ73t等により調整できるようになる。したがって、樹脂ワイヤー60を希望する長さ寸法に切断し、前記樹脂ワイヤー60を共重合ナイロンの軟化温度まで加熱することで、樹脂ワイヤー60を螺旋状に変形させることができる。ここで、樹脂ワイヤー60の縦壁部61、横壁部62の肉厚寸法、縦壁部61の高さ寸法、横壁部62の幅寸法、及び樹脂ワイヤー60の残留応力を調整することで、樹脂ワイヤー60が変形する際の螺旋半径寸法を調整することができる。

0041

<変更例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。本実施形態では、例えば、樹脂ワイヤー60の縦壁部61を比較的肉厚に形成し、横壁部62を比較的薄肉に形成する例を示した。しかし、樹脂ワイヤー60の縦壁部61を比較的薄肉に形成し、横壁部62を比較的肉厚に形成することも可能である。また、本実施形態では、溶融紡糸装置70を使用して断面略L字形の樹脂ワイヤー60を製造する方法を例示した。しかし、例えば、押出成形機を使用して断面略L字形の棒状の樹脂部品を製造することも可能である。また、本実施形態では、樹脂材料として共重合ナイロンを使用する例を示した。しかし、実施形態1で説明したように、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等を使用することも可能である。

0042

10・・・・樹脂部品
12・・・・第1帯板
12b・・・裏面(板厚方向における一端)
14・・・・第2帯板
14f・・・表面(板厚方向における他端)
X・・・・・内部温度上昇が早い部位
Y・・・・・内部温度上昇が遅い部位
31・・・・フック(別部品)
41・・・・固定部材(別部品)
44・・・・一方の部材(別部品)
50・・・・樹脂部品
60・・・・樹脂ワイヤー(樹脂部品)
71・・・・押出機
71k・・・口金
71n・・・ノズル
710・・・樹脂吐出口
712e・・隆起部
714e・・隆起部
72・・・・冷却装置

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