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技術 液体吐出装置

出願人 ブラザー工業株式会社
発明者 水野泰介林秀樹杉浦啓太
出願日 2016年3月31日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-070940
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-177661
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 繋ぎ目部分 組付誤差 種制御パラメータ 家庭用プリンタ 吐出頻度 混合領域 液滴速度 配置密度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
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図面 (16)

課題

2つのヘッドユニットの重なり範囲でノズル吐出不良が発生した場合でも、吐出不良に起因するスジの発生を防止可能な液体吐出装置を提供すること。

解決手段

プリンタは、2つのヘッドユニット11を備えたインクジェットヘッド4と、2つのヘッドユニット11が重なる重なり範囲Aの一部分に、2つのヘッドユニット11からそれぞれ吐出させる境界領域である、境界部16を設定する制御部を有する。制御部は、重なり範囲A内で、境界部16の範囲を、変更前の境界部16とは異なる領域を含む範囲に変更する。

概要

背景

従来から、液体吐出装置として、被記録媒体幅方向に並ぶ複数のヘッドユニットを有する、ラインタイプ吐出ヘッドが知られている。このヘッドにおいて、各ヘッドユニットは、前記幅方向に配列された複数のノズルを有する。また、前記幅方向に隣接する2つのヘッドユニットは、それぞれのノズル配置領域が部分的に重なるように配置される。

上記のヘッドにおいて、前記幅方向に隣接する2つのヘッドユニットの、ノズル配置領域の重なり範囲(以下、単に重なり範囲と呼ぶ)では、所定位置を境に2つのヘッドユニットのノズルを使い分けることになる。その際に、各ヘッドユニットの組付誤差や2つのヘッドユニットの間での吐出特性の違い等によって、2つのヘッドユニットから吐出された液滴の間で着弾ズレが発生する。この着弾ズレは、被記録媒体に記録される画像に濃度ムラを生じさせる原因となる。

これに関し、特許文献1のヘッドでは、2つのヘッドユニットの重なり範囲に、一方のヘッドユニットのみからインクを吐出させる部分と、他方のヘッドユニットのみからインクを吐出させる部分と、2つのヘッドユニットの両方からインクを吐出させる境界部(混合領域)が設定されている。境界部では、2つのヘッドユニットからそれぞれ吐出された液滴が分散して着弾するため、上記要因による濃度ムラを抑制できる。

概要

2つのヘッドユニットの重なり範囲でノズルの吐出不良が発生した場合でも、吐出不良に起因するスジの発生を防止可能な液体吐出装置を提供すること。プリンタは、2つのヘッドユニット11を備えたインクジェットヘッド4と、2つのヘッドユニット11が重なる重なり範囲Aの一部分に、2つのヘッドユニット11からそれぞれ吐出させる境界領域である、境界部16を設定する制御部を有する。制御部は、重なり範囲A内で、境界部16の範囲を、変更前の境界部16とは異なる領域を含む範囲に変更する。

目的

本発明の目的は、2つのヘッドユニットの重なり範囲でノズルの吐出不良が発生した場合でも、その吐出不良に起因するスジの発生を防止可能な液体吐出装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

それぞれが所定のノズル配列方向に配列された複数の第1ノズルを有し、且つ、前記ノズル列方向と交差する方向において前記第1ノズルの配置領域が部分的に重なるように配置された、2つの第1ヘッドユニットを備えた第1吐出ヘッドと、前記2つの第1ヘッドユニットが重なる第1重なり範囲の一部分に、前記2つの第1ヘッドユニットからそれぞれ吐出させる境界領域である、第1境界部を設定する制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1重なり範囲内で、前記第1境界部の範囲を、変更前の前記第1境界部とは異なる領域を含む範囲に変更することを特徴とする液体吐出装置

請求項2

前記制御部は、変更後の前記第1境界部の前記ノズル配列方向の幅を、変更前の前記第1境界部の幅以上にすることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。

請求項3

前記複数の第1ノズルのそれぞれについて、吐出不良が生じているか否かを検出する吐出不良検出部を有し、前記制御部は、前記吐出不良検出部によって、前記第1境界部の前記第1ノズルに吐出不良が生じていることが検出されたときに、前記第1境界部の範囲を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。

請求項4

前記制御部は、前記第1境界部の位置を、前記第1重なり範囲のうちの、不良ノズルのない正常部分に変更することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。

請求項5

前記制御部は、前記第1重なり範囲内に前記正常部分が存在しない場合には、前記第1境界部の位置を、前記第1重なり範囲内の不良ノズルの配置密度が最も小さい部分に変更することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。

請求項6

それぞれが前記ノズル配列方向に配列された複数の第2ノズルを有し、且つ、前記交差する方向において前記第2ノズルの配置領域が部分的に重なるように配置された2つの第2ヘッドユニットを備え、前記第1吐出ヘッドと前記交差する方向に並んで配置された第2吐出ヘッドを有し、前記制御部は、前記2つの第2ヘッドユニットが重なる第2重なり範囲の一部分に、前記2つの第2ヘッドユニットからそれぞれ吐出させる境界領域である、第2境界部を設定することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体吐出装置。

請求項7

前記制御部は、前記第1境界部を、前記交差する方向において前記第2境界部と重ならない範囲に変更することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。

請求項8

前記制御部は、前記第1境界部を、前記第2境界部と前記交差する方向において重なる範囲に変更するとともに、前記第2境界部の範囲を変更することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。

請求項9

前記複数の第1ノズルのそれぞれについて、吐出不良が生じているか否かを検出する吐出不良検出部を有し、前記制御部は、前記吐出不良検出部によって、前記第1境界部の前記第1ノズルに吐出不良が生じていることが検出されたときに、前記第1境界部を変更し、さらに前記制御部は、前記第1境界部の位置を変更する際に、前記第1重なり範囲内に、前記交差する方向において前記第2境界部と重なる部分の他には、不良ノズルのない正常部分が存在しない場合には、前記第1境界部を、前記第2境界部と重なる範囲に変更することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。

請求項10

前記吐出不良検出部は、前記複数の第2ノズルのそれぞれについても、吐出不良が生じているか否かを検出し、前記制御部は、前記第1境界部を、前記交差する方向において前記第2境界部と重なる範囲に変更する際に、前記第2重なり範囲内に、前記第2境界部が設定されている部分の他に前記正常部分が存在しない場合には、前記第2境界部の範囲を現在の範囲から変更しないことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。

請求項11

前記制御部は、前記第1境界部を、前記第1重なり範囲内の、変更前の範囲から最も離れた部分に変更することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の液体吐出装置。

請求項12

前記制御部は、前記複数の第1ノズルのそれぞれについて、吐出回数が多いほど値が大きくなる、吐出回数に関連するパラメータを取得し、前記第1境界部の前記第1ノズルについて、前記パラメータが所定値を超えた場合に、前記第1境界部の範囲を変更することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の液体吐出装置。

技術分野

0001

本発明は、液体吐出装置に関する。

背景技術

0002

従来から、液体吐出装置として、被記録媒体幅方向に並ぶ複数のヘッドユニットを有する、ラインタイプ吐出ヘッドが知られている。このヘッドにおいて、各ヘッドユニットは、前記幅方向に配列された複数のノズルを有する。また、前記幅方向に隣接する2つのヘッドユニットは、それぞれのノズル配置領域が部分的に重なるように配置される。

0003

上記のヘッドにおいて、前記幅方向に隣接する2つのヘッドユニットの、ノズル配置領域の重なり範囲(以下、単に重なり範囲と呼ぶ)では、所定位置を境に2つのヘッドユニットのノズルを使い分けることになる。その際に、各ヘッドユニットの組付誤差や2つのヘッドユニットの間での吐出特性の違い等によって、2つのヘッドユニットから吐出された液滴の間で着弾ズレが発生する。この着弾ズレは、被記録媒体に記録される画像に濃度ムラを生じさせる原因となる。

0004

これに関し、特許文献1のヘッドでは、2つのヘッドユニットの重なり範囲に、一方のヘッドユニットのみからインクを吐出させる部分と、他方のヘッドユニットのみからインクを吐出させる部分と、2つのヘッドユニットの両方からインクを吐出させる境界部(混合領域)が設定されている。境界部では、2つのヘッドユニットからそれぞれ吐出された液滴が分散して着弾するため、上記要因による濃度ムラを抑制できる。

先行技術

0005

特開2015−150824号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、ノズル内への異物混入や、ノズルから液滴を吐出させるための駆動素子劣化等の要因によって、一部のノズルに、液滴を吐出できない、あるいは、吐出できても吐出量が少ないといった、吐出不良が生じる場合がある。ここで、特許文献1の構成において、2つのヘッドユニットの重なり範囲内での境界部の位置が固定されていると、その境界部の一部のノズルにおいて吐出不良が生じた場合には、そのノズルに対応するドットを形成することができず、スジが生じてしまう。

0007

本発明の目的は、2つのヘッドユニットの重なり範囲でノズルの吐出不良が発生した場合でも、その吐出不良に起因するスジの発生を防止可能な液体吐出装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の液体吐出装置は、それぞれが所定のノズル配列方向に配列された複数の第1ノズルを有し、且つ、前記ノズル列方向と交差する方向において前記第1ノズルの配置領域が部分的に重なるように配置された、2つの第1ヘッドユニットを備えた第1吐出ヘッドと、前記2つの第1ヘッドユニットが重なる第1重なり範囲の一部分に、前記2つの第1ヘッドユニットからそれぞれ吐出させる境界領域である、第1境界部を設定する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記第1重なり範囲内で、前記第1境界部の範囲を、変更前の前記第1境界部とは異なる領域を含む範囲に変更することを特徴とするものである。

図面の簡単な説明

0009

本実施形態に係るプリンタ1の概略的な平面図である。
プリンタ1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
1つのインクジェットヘッド4の平面図である。
2つのヘッドユニット11の重なり範囲での吐出制御を説明する図である。
プリンタ1の初期状態における、4つのインクジェットヘッド4の境界部16の位置を示す図である。
吐出不良検出処理フローチャートである。
境界変更処理のフローチャートである。
当該ヘッド4の境界部16のみを変更する場合を説明する図である。
当該ヘッド4の境界部16と他色ヘッド4の境界部16の両方を変更する場合を説明する図である。
当該ヘッド4の境界部16を変更することによって他色ヘッドの境界部16と重なる場合を説明する図である。
変更形態の境界変更処理を説明する図である。
別の変更形態の境界変更処理を説明する図である。
別の変更形態の境界変更処理を説明する図である。
別の変更形態の、境界部16のノズル12の吐出回数に応じて行う境界変更処理のフローチャートである。
別の変更形態のシリアルタイプのインクジェットヘッド24の平面図である。

実施例

0010

次に、本発明の実施の形態について説明する。尚、図1において記録用紙100が搬送される方向を、プリンタ1の前後方向と定義する。また、記録用紙100の搬送方向と直交する幅方向をプリンタ1の左右方向と定義する。さらに、前後方向及び左右方向と直交する、図1紙面垂直方向をプリンタ1の上下方向と定義する。

0011

<プリンタの概略構成
図1に示すように、プリンタ1は、筐体2内に収容されたプラテン3、4つのインクジェットヘッド4、2つの搬送ローラ5,6、及び、制御部7等を備えている。

0012

プラテン3の上面には、記録用紙100が載置される。4つのインクジェットヘッド4は、プラテン3の上方において、搬送方向に並べて配置されている。各インクジェットヘッド4には、図示しないインクタンクからインクが供給される。尚、4つのインクジェットヘッド4には、4色(ブラックイエローシアンマゼンタ)のインクの何れかが供給される。つまり、4つのインクジェットヘッド4は、互いに異なる色のインクを吐出するものである。

0013

尚、以下の説明において、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の4色のインクにそれぞれ対応する構成については、符号の後に、ブラックを示す“k”、イエローを示す“y”、シアンを示す“c”、マゼンタを示す“m”を付して説明する場合がある。例えば、インクジェットヘッド4kとは、ブラックインクを吐出するインクジェットヘッド4を示す。

0014

図1に示すように、2つの搬送ローラ5,6は、プラテン3に対して後側と前側にそれぞれ配置されている。2つの搬送ローラ5,6は、搬送モータ8(図2参照)によってそれぞれ駆動され、プラテン3上の記録用紙100を前方へ搬送する。

0015

図2の制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific IntegratedCircuit)を備える。さらに、制御部7は、各種制御パラメータ書き換え可能に記憶する、不揮発性メモリ17を備えている。また、制御部7は、PC等の外部装置9とデータ通信可能に接続されており、外部装置9から送られた画像データに基づいて、4つのインクジェットヘッド4や搬送モータ8等の、プリンタ1の各部を制御する。

0016

より具体的には、制御部7は、搬送ローラ5,6を駆動する搬送モータ8を制御して、2つの搬送ローラ5,6に記録用紙100を搬送方向に搬送させる。また、この用紙搬送とともに、制御部7は、4つのインクジェットヘッド4を制御して記録用紙100に向けてインクを吐出させる。これにより、記録用紙100に画像が印刷される。

0017

<インクジェットヘッドの詳細構成>
次に、インクジェットヘッド4について詳細に説明する。図3に示すように、各インクジェットヘッド4は、左右方向に並んで配置された4つのヘッドユニット11を備えている。4つのヘッドユニット11は、ユニット保持板10に取り付けられている。

0018

4つのヘッドユニット11は、搬送方向において前側と後側に交互にずれて配置されている。即ち、4つのヘッドユニット11は、左右方向に沿って、前後に千鳥状に分かれて配置されている。各ヘッドユニット11は、左右方向に配列された複数のノズル12と、複数のノズル12からそれぞれインクを吐出させる複数の駆動素子を備えたアクチュエータ13(図2参照)を有する。

0019

左右方向に隣接する2つのヘッドユニット11は、ノズル12の配置領域が部分的に重なるように配置されている。尚、2つのヘッドユニット11の、ノズル12の配置領域が重なった範囲を「重なり範囲A」と称する。重なり範囲Aにおいては、一方のヘッドユニット11のノズル12と他方のヘッドユニット11のノズル12の、左右方向の位置が一致している。4つのヘッドユニット11が、隣接するヘッドユニット11の間で一部重なった状態で左右方向に並べられることにより、4つのヘッドユニット11のノズル12が左右方向に等間隔で配列された、1つのラインヘッドが構成されている。

0020

アクチュエータ13は、特定の構成のものには限られないが、例えば、前記駆動素子として、圧電層逆圧電効果による変形を利用してインクを加圧する圧電素子を有する、圧電アクチュエータを好適に採用できる。

0021

図2に示すように、各ヘッドユニット11は、アクチュエータ13の複数の駆動素子を個別に駆動する駆動装置14を備えている。まず、制御部7は、外部装置9(図1参照)から入力された画像データに基づいて、駆動装置14に対し、どのノズル12からインクを吐出させるかを指示する制御信号を送信する。そして、駆動装置14は、制御部7からの制御信号に基づき、アクチュエータ13の複数の駆動素子に対して駆動信号を個別に出力する。

0022

尚、ヘッドユニット11の各ノズル12においては、インクを吐出できない(不吐出)、吐出しても吐出量が少ない、吐出速度が遅い、あるいは、吐出方向が真っ直ぐでない、といった吐出不良が生じる場合がある。吐出不良が生じる要因としては、例えば、乾燥によるノズル12内のインクの粘度上昇(増粘ともいう)、紙粉などの異物混入インク流路内へのエアの混入、駆動素子の劣化等が挙げられる。

0023

これについて、図2に示すように、各ヘッドユニット11には、複数のノズル12のそれぞれについて吐出不良が生じているか否かを検出する吐出不良検出部15を有する。吐出不良検出部15の構成は特に限定されないが、例えば、次のような構成を採用できる。アクチュエータ13の駆動素子が圧電素子の場合、駆動後しばらくの間、圧電素子に残留振動が残る。この残留振動の大きさや周期は、ノズル12からインクが正常に吐出された場合と、不吐出などの吐出不良が生じている場合とで異なる。そこで、個々の圧電素子を駆動した後の残留振動を電圧信号の形で受信し、その振動の状態から各ノズル12の吐出不良を検出することができる(例えば、特開2012−045957号、特開2013−000958号公報参照)。

0024

(重なり範囲における吐出制御)
ところで、組付誤差によるヘッドユニット11の位置ズレや、ヘッドユニット11間でのノズル12の吐出特性の違い等によって、左右方向に隣接する2つのヘッドユニット11の間では、それぞれのノズル12から吐出されたインクの着弾ズレが生じる。この要因により、2つのヘッドユニット11の繋ぎ目部分には濃度ムラが生じやすい。

0025

そこで、本実施形態では、まず、左右方向に隣接する2つのヘッドユニット11は、ノズル12の配置領域が部分的に重なるように配置されている。その上で、上記の重なり範囲A内の一部分に、2つのヘッドユニット11の吐出ノズル12の境界領域となる、境界部16が設定される。境界部16においては、2つのヘッドユニット11のノズル12からそれぞれインクを吐出させる。これにより、2つのヘッドユニット11の間に生じる濃度ムラを目立たなくさせる。

0026

重なり範囲Aにおける吐出制御について、図4を参照してより詳細に説明する。図4に示すように、2つのヘッドユニット11の間の重なり範囲A内は、左右方向に並ぶ6つの範囲(a〜f)に区分されている。6つの範囲a〜fの左右方向における幅、即ち、各範囲内に存在するノズル12の数は、全て同じである。そして、制御部7によって、2つのヘッドユニット11からそれぞれ吐出させる境界部16が、上記6つの範囲a〜fのうちの何れか1つの部分に設定される。

0027

尚、6つの範囲a〜fの各々においては、2つのヘッドユニット11の間でノズル12の使用比率を変化させる必要があることから、各範囲内のノズル12の数は3つ以上とする。また、濃度ムラをより目立たなくさせるには、1つの範囲内のノズル12の数はもっと多い方がよく、例えば、20個程度である。その場合、図4の重なり範囲Aにおけるノズル12の数は、20個×6=120個となる。

0028

図4では、一例として、重なり範囲Aのうちの右端に位置する範囲aに境界部16が設定された状態が示されている。尚、図4下図では、左側のヘッドユニット11と右側のヘッドユニット11の、ノズル12の使用比率の変化を示している。

0029

境界部16に設定された範囲aよりも左側では、左側のヘッドユニット11のノズル使用比率が100%となり、範囲aよりも右側では、右側のヘッドユニット11のノズル使用比率が100%となる。また、境界部16となる範囲a内では、ノズル使用比率は線形的に変化している。即ち、左側のヘッドユニット11のノズル使用比率は、左から右に向かうにつれて連続的に減少している。

0030

「ノズル使用比率」は、記録用紙100の所定領域に形成するドットのうち、一方のヘッドユニット11のノズル12によって、どれだけの割合でドットを形成するか、を示す比率である。例えば、RGBの画像データを画像処理して得られる各色インクの濃度データに基づき、ある領域において10ドットを形成する必要がある場合に、この領域における左側のヘッドユニット11のノズル使用比率が70%であったとする。この場合、上記領域内の10ドットのうちの7ドットを左側のヘッドユニット11のノズル12で形成し、残りの3ドットを右側のヘッドユニット11のノズル12で形成することになる。

0031

但し、上記のような制御を行っても、境界部16のノズル12によって形成された画像部分は、単一のヘッドユニット11のノズル12のみによって形成された画像部分と比べると、濃度ムラが多少は残る。そのため、4つのインクジェットヘッド4の間で、境界部16の位置が一致していると、4つのヘッド4のそれぞれの境界部16で生じる濃度ムラが重なり合って、濃度ムラが目立ってしまう虞がある。

0032

そこで、本実施形態では、制御部7は、4つのインクジェットヘッド4の間で境界部16の位置を異ならせる。例えば、図5では、ブラック(K)のインクジェットヘッド4kでは、境界部16kが右端の範囲aに設定される。イエロー(Y)のインクジェットヘッド4yの境界部16yはその左側の範囲bに、シアン(C)のインクジェットヘッド4cの境界部16cはさらに左側の範囲cに、マゼンタ(M)のインクジェットヘッド4mの境界部16mはさらに左側の範囲dに、それぞれ設定される。

0033

尚、各インクジェットヘッド4における境界部16の位置情報、即ち、範囲a〜fのうちのどの範囲に設定されるかの情報は、制御部7内の書き換え可能なメモリ17に記憶される。制御部7は、記録用紙100への画像印刷時に、4つのインクジェットヘッド4のそれぞれについてメモリ17から境界部16の位置情報を読み出し、その情報に基づいて重なり範囲Aにおける吐出制御を行う。

0034

(不良ノズル検出時の境界変更)
ところで、上記の重なり範囲A内に設定された境界部16において、一部のノズル12に吐出不良が生じた場合には、不良ノズルによってドットが正常に形成されないために、境界部16で形成された画像にはスジが生じる。そこで、境界部16に不良ノズルが発生した場合には、スジの発生を防止するために、制御部7は、境界部16の範囲を重なり範囲A内の他の範囲に変更する。

0035

以下、図6図7のフローチャート、及び、図8図10の説明図を参照して、吐出不良検出処理と、吐出不良検出時に実行する境界変更処理を説明する。尚、以下の説明において、Si(i=1,2,3・・・)は、各ステップの番号を示す。

0036

(吐出不良検出処理)
図6の吐出不良検出処理は、記録用紙100への画像印刷時に制御部7によって実行される。駆動装置14により駆動素子を駆動して各ノズル12からインクを吐出させる際に、吐出不良検出部15は、4つのインクジェットヘッド4の各ノズル12について、吐出不良が生じているか否かを検出する(S1)。

0037

吐出不良検出部15によって、ある色のインクジェットヘッド4のノズル12に吐出不良が生じていることが検出されたときには(S1:Yes)、制御部7は、インクジェットヘッド4にメンテナンスを実行させる(S2)。メンテナンスとしては、ノズル12からインクを吐出させる「フラッシング」や、ポンプ等の加圧手段又は吸引手段を用いてノズル12から強制的にインクを排出させる「パージ」などがある。

0038

メンテナンスの実行によって、ノズル12の吐出不良が解消された場合には(S3:Yes)、S1に戻る。一方、ノズル12の吐出不良が解消されない場合には(S3:No)、そのノズル12を「不良ノズル」としてメモリ17に記憶する(S4)。尚、一旦、不良ノズルと判定されたノズル12については、その後は、吐出不良検出部15による吐出不良検出は行わないようにし、図6の処理が無駄に繰り返されることを防ぐ。

0039

また、上記の不良ノズルが、4つのインクジェットヘッド4の何れかの境界部16に位置するノズル12である場合には(S5:Yes)、次に説明する境界変更処理を実行する(S6)。一方、不良ノズルが、境界部16に位置するノズル12でない場合には(S5:No)、処理を終了する。

0040

(境界変更処理)
次に、境界変更処理について図7を参照して説明する。まず、境界部16に不良ノズルが生じたインクジェットヘッド4において、メモリ17に記憶されている不良ノズルの情報に基づき、重なり範囲A内の境界部16以外の範囲の中に、不良ノズルが存在しない正常部分があるかどうかを判定する(S11)。尚、説明の便宜上、以下の説明や図7において、境界部16に不良ノズルが生じたインクジェットヘッド4を「当該ヘッド」と呼び、それ以外の他色のヘッドを「他色ヘッド」と呼ぶ。

0041

当該ヘッド4の重なり範囲Aに正常部分がない場合には、境界部16を変更することなくリターンする(S11:No)。当該ヘッド4の重なり範囲Aに正常部分があり(S11:Yes)、且つ、その正常部分が他色ヘッド4の境界部16と搬送方向に重ならない場合は(S12:Yes)、当該ヘッド4の境界部16を、他色ヘッド4の境界部16と重ならない正常部分に変更する(S13)。

0042

上記のS11〜S13の処理について、図8を用いて具体的に説明する。図8は、ブラックのインクジェットヘッド4kの境界部16kに不良ノズルが生じた場合の例である。また、現在の境界部16kの位置は範囲aであり、この範囲aに不良ノズルが発生したとする。尚、図8において、×が不良ノズルである。

0043

図8では、ブラックの重なり範囲A内の他の範囲b〜fは、全て不良ノズルが存在しない正常部分である。つまり、境界部16kの変更先の候補は範囲b〜fとなる。但し、範囲b,c,dは、他色ヘッド4y,4c,4mの境界部16y,16c,16mと重なる範囲であるため、まず、範囲b,c,dは、変更先から除外する。

0044

さらに、残る2つの範囲、範囲eと範囲fに関しては、変更前の境界部16kが位置していた範囲aから最も離れた位置にある、範囲fを選択するのが好ましい。図8における右側のヘッドユニット11の、境界部16kよりも先端側に位置するノズル12は、それまで使用されていなかった休止ノズルである。そのため、境界部16kの範囲を変更する際に、上記の休止ノズルをできるだけ多く使用するようにすれば、特定のノズル12の使用頻度が高くなるのを抑えることができる。即ち、境界部16kを、現在位置から最も離れた範囲へ、大きく位置を変更することで、重なり範囲A内の多くの休止ノズルを新たに使用することができるようになる。また、左側のヘッドユニットについては、今まで使用してきた多くのノズル12を休止させることができるようになる。

0045

尚、上述したように、重なり範囲A内の6つの範囲a〜fの、左右方向における幅は全て同じであることから、6つの範囲の間で、当該ヘッド4の境界部16の位置を変更した場合に、変更前の境界部16の幅と変更後の境界部16の幅は同じである。

0046

図7戻り、当該ヘッド4の重なり範囲Aに正常部分があるものの、他色ヘッド4の境界部16と重ならない正常部分がない場合には(S12:No)、まず、当該ヘッド4の境界部16を、他色ヘッドの境界部16と重なる正常部分に変更する(S14)。一方で、当該ヘッド4の境界部16と重なることになる、他色ヘッド4の境界部16を変更できるかを検討する。即ち、他色ヘッド4の重なり範囲Aにおいて、不良ノズルがない正常部分が存在する場合は(S15:Yes)、他色ヘッド4の境界部16を上記正常部分に変更する(S16)。一方、他色ヘッド4の重なり範囲Aにおいて、現在、境界部16が設定されている範囲の他に、不良ノズルがない正常部分が存在しない場合は(S15:No)、他色ヘッド4の境界部16については現在位置から変更せずにリターンする。

0047

尚、図7では、当該ヘッド4の境界部16を他色ヘッド4の境界部16と重なる範囲に変更してから(S14)、他色ヘッド4の境界部16を変更できるかどうかを判定しているが(S15)、先に他色ヘッド4の境界部16を変更できるかを判定してから、当該ヘッド4の境界部16の変更と、他色ヘッド4の境界部16の変更を行うようにしてもよい。

0048

上記の図12〜図16の処理について、図9図10を用いて具体的に説明する。図9では、現在のブラックの境界部16kが範囲aであり、この範囲aに不良ノズルが発生したとする。ここで、ブラックの重なり範囲A内の他の範囲b〜fのうち、範囲b,c,dについては不良ノズルが存在しない正常部分であるが、範囲e,fは不良ノズルが存在する不良部分である。

0049

そこで、ブラックの境界部16kを、範囲b,c,dの何れかに変更することになるが、範囲bはイエローの境界部16yと重なり、範囲cはシアンの境界部16cと重なり、範囲dはマゼンタの境界部16mと重なる。つまり、ブラックの境界部16kを範囲b,c,dの何れに変更しても、他色の境界部16と重なることになる。ここでは、先にも述べたように、できるだけ多くの休止ノズルを使用できるようにするという観点から、ブラックの境界部16kを、現在の位置である範囲aから最も離れた範囲dに変更する。

0050

ブラックの境界部16kを範囲dに変更すると、マゼンタの境界部16mと重なることになる。しかし、図9の例では、マゼンタの重なり範囲A内には、他色の境界部16と重ならない正常部分が存在する(範囲a,e,f)。そこで、ブラックの境界部16kを範囲dに変更するとともに、マゼンタの境界部16mを範囲aに変更し、両者が重ならないようにする。

0051

図10の例では、ブラックの境界部16kを、マゼンタの境界部16mと重なる範囲dに変更する点は、図9と同じである。しかし、図10では、マゼンタの重なり範囲A内においては、現在の境界部16が位置する範囲d以外の、範囲a,b,c,e,fにはそれぞれ不良ノズルが存在しており、重なり範囲A内に正常部分が存在しない。この場合には、マゼンタの境界部16mは、現在の範囲dから変更せず、ブラックの境界部16kとマゼンタの境界部16mとが重なった状態で使用する。

0052

以上説明したように、本実施形態では、制御部7が、インクジェットヘッド4の2つのヘッドユニット11の重なり範囲A内において、境界部16の位置を変更する。具体的には、1つのヘッドユニット11において、境界部16に位置するノズル12に吐出不良が生じた場合には、境界部16の位置を変更する。変更前の境界部16があった位置については正常なヘッドユニット11のノズル12から吐出させるようにすることで、ドット抜けによるスジの発生を防止できる。

0053

また、重なり範囲A内で境界部16の範囲を変更する際に、変更後における境界部16の幅が、変更前と比べて小さくなると、境界部16におけるノズル使用比率(図4下図)の勾配が急になる。この勾配が急になるほど、境界部16のノズル12によって形成された画像部分に濃度ムラが目立ちやすくなる。

0054

例えば、特開2011−255594号公報のヘッドでは、2つのヘッドユニットの重なり範囲の全域で、両方のヘッドユニットからそれぞれインクを吐出させている。つまり、重なり領域の全域が境界部となっている。また、この文献では、一方のヘッドユニットにおいて、重なり範囲に位置する一部のノズルに不吐出が発生したときには、その不良ノズルを、他のヘッドユニットのノズルで補完させている。つまり、重なり範囲の全域に設定されていた境界部が、不良ノズルが発生した箇所を除くことで狭い領域に変更される。このように、不吐出が発生したときに、境界部が実質的に狭められることになるため、境界部内のノズル使用比率の勾配が急になる。

0055

これに対して、本実施形態では、境界部内に不良ノズルが生じたときに、その不良ノズルを、他のヘッドユニット11の正常なノズル12で補完するのではなく、境界部16そのものの範囲を変更する。また、その変更前と変更後とで、境界部16の左右方向の幅は同じである。つまり、変更の前後で境界部16におけるノズル使用比率の勾配が同じであるため、変更前と比べて重なり範囲内での濃度ムラが目立つことはない。

0056

当該ヘッド4の境界部16を変更する場合は、図8図10に示すように、重なり範囲Aのうちの、吐出不良が検出されていない正常部分に移動させる。これにより、境界部16を変更した先で、不良ノズルによる濃度ムラが発生することはない。特に図8のように、他色ヘッド4の境界部16と重ならない範囲があるなら、その範囲に境界部16を変更する。これにより、当該ヘッド4の境界部16と他色ヘッド4の境界部16とが重ならないため、境界部16で形成される画像部分の濃度ムラが目立ちにくくなる。

0057

当該ヘッド4の境界部16を変更する際に、図9のように、重なり範囲A内に、他色ヘッド4の境界部16と重なる範囲A以外に正常部分がない場合は、他色ヘッド4の境界部16と重なる範囲に変更することになる。その際に、他色ヘッド4の境界部16の範囲も変更することにより、最終的に境界部16同士を重ならないようにすることができる。但し、図10のように、他色ヘッド4の重なり範囲Aに、現在の境界部16以外には正常部分が存在しないときにまで、無理に境界部16の位置変更を行うことは好ましくない。この場合には、他色ヘッド4の境界部16の位置は変更せず、当該ヘッド4の境界部16と他色ヘッド4の境界部16とが重なる状態で使用する。

0058

以上説明した実施形態において、プリンタ1が、本発明の「液体吐出装置」に相当する。用紙幅方向が本発明の「ノズル配列方向」に相当し、搬送方向が本発明の「ノズル配列方向と交差する方向」に相当する。境界部16において不良ノズルが生じた当該ヘッド4が、本発明の「第1吐出ヘッド」に相当する。当該ヘッド4のヘッドユニット11が本発明の「第1ヘッドユニット」であり、そのノズルが本発明の「第1ノズル」である。さらに、当該ヘッド4の重なり範囲Aが本発明の「第1重なり範囲」であり、当該ヘッド4の境界部16が本発明の「第1境界部16」である。一方、他色ヘッド4が、本発明の「第2吐出ヘッド」に相当する。他色ヘッド4のヘッドユニット11が本発明の「第2ヘッドユニット」であり、そのノズルが本発明の「第2ノズル」である。さらに、他色ヘッド4の重なり範囲Aが本発明の「第2重なり範囲」であり、他色ヘッド4の境界部16が本発明の「第2境界部16」である。

0059

次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。

0060

1]前記実施形態では、不良ノズルが生じた当該ヘッド4の境界部16の範囲を変更することによって、他色ヘッド4の境界部16と重なるときにのみ、他色ヘッド4の境界部16を変更している。これに対して、当該ヘッド4の境界部16の範囲を変更する際に、他色ヘッド4の境界部16も同時に変更してもよい。

0061

例えば、図11では、範囲aのブラックの境界部16kに不良ノズルが発生したために、境界部16kを範囲aから範囲cに変更する。これに伴い、イエローの境界部16yを範囲bから範囲dへ、シアンの境界部16cを範囲cから範囲eへ、マゼンタの境界部16mを範囲dから範囲fへ、それぞれ変更する。

0062

2]前記実施形態では、図8に示すように、変更前の境界部16の幅と変更後の境界部16の幅とが同じになっているが、変更後の境界部16の幅を変更前の境界部16の幅よりも大きくしてもよい。例えば、図12(a)では、境界部16が、範囲aから、範囲eと範囲fとを合わせた領域に変更され、変更後の幅は変更前の幅の2倍になっている。変更後の境界部16の幅を大きくすることで、ノズル使用比率の勾配がなだらかになり、境界部16によって形成される画像部分において濃度ムラが目立ちにくくなる。

0063

また、変更後の境界部16は、変更前の境界部16とは異なる領域を含んでいればよく、変更後の境界部16が変更前の境界部16と一部重なっていてもよい。図12(b)では、境界部16を範囲aから範囲bに変更しているが、変更後の境界部16には、範囲bだけでなく、範囲aのうちの不良ノズルがない領域も含まれている。この場合は、不良ノズルを避けつつ、2つの範囲a,bの限られた領域内で、境界部16の幅を広げることができる。

0064

2]境界部16を変更する際に、重なり範囲A内の他の範囲に不良ノズルのない正常部分が存在しない場合は、不良ノズルの配置密度が最も小さい範囲に境界部16を変更してもよい。これにより、不良ノズルによるスジ状の濃度ムラの発生を最小限に抑えることができる。図13では、現在の境界部16は範囲aであり、他の範囲b〜fには全て不良ノズルが存在するが、その中でも、範囲fの不良ノズルの数が最も少ない、即ち、不良ノズルの配置密度が最も小さい。そこで、境界部16を範囲fに変更する。尚、現在の境界部16において不良ノズルが生じた場合でも、その不良ノズルの配置密度が他の範囲よりも小さいのであれば、無理に他の範囲へ境界部16を変更する必要はない。

0065

3]前記実施形態では、境界部16に不良ノズルが検出されたときに、境界部16を他の範囲に変更する処理を行っているが、不良ノズルの検出とは別の条件によって境界部16の変更を行ってもよい。

0066

例えば、ノズル12の吐出回数が増えるにつれて、駆動素子の劣化が進む。圧電素子であれば、何回も電界印加することにより圧電層にへたりが生じて、圧電歪の量が低下する。そこで、ノズル12の吐出回数が一定以上に達したときに、このノズル12に対応する駆動素子の劣化が進んでいる可能性が高いとして、境界部16を変更してもよい。この場合は、駆動素子の劣化に起因する吐出不良が生じる前に、境界部16を変更し、ノズル12の吐出不良を未然に防ぐことができる。

0067

上記の処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。この処理は、記録用紙100への画像印刷時に制御部7によって実行される。図14に示すように、まず、各ノズル12について吐出回数を積算する(S21)。この積算は、プリンタ1の使用開始時からの累計の値である。即ち、前回画像印刷終了時における積算値がメモリ17に記憶され、次の画像印刷時に、メモリ17に記憶された値に対してさらに吐出回数を加えていくことになる。

0068

次に、各ノズル12について吐出回数の積算値を所定値と比較する(S22)。吐出回数の積算値nが所定の閾値n0を超えるノズル12があり(S22:Yes)、且つ、そのノズル12が境界部16に位置する場合には(S23:Yes)、境界部16を変更する(S24)。

0069

上記所定の閾値n0については、駆動素子(例えば、圧電素子)の劣化によって液滴速度がどのくらい低下するかによる。例えば、プリンタが、液滴速度について10±1m/sの範囲で保証する場合、液滴速度が9m/sを下回るときの吐出回数の積算値nが、上記の閾値n0となる。吐出回数の閾値n0の具体的な数値は、例えば、家庭用プリンタであれば6億回、オフィス用プリンタであれば10億回、さらに、産業用プリンタであれば1000億回とする。

0070

尚、各ノズル12について吐出回数の積算値を記憶するのでは、ノズル12の数が多い場合には記憶すべき情報の数が増えてしまう。そこで、各ノズル12の吐出回数そのものではなく、ノズル12の吐出回数が多いほど値が大きくなる、吐出回数に関連する別のパラメータによって、吐出頻度の高さを判定してもよい。例えば、図5の重なり範囲Aの6つの範囲a〜fごとに、印刷枚数や、記録用紙に記録したドットの総数などのパラメータを積算し、境界部16のノズル12について上記パラメータの値が所定値を超えたときに、境界部16を変更するようにしてもよい。上記パラメータが印刷枚数の場合であれば、例えば6万枚を超えたときに境界部16を変更する。尚、印刷枚数が所定の閾値を超えた場合でも、境界部16のノズル12の使用頻度が低い場合には、その境界部16の位置は変更しないことも可能である。

0071

4]前記実施形態では、本発明を、ラインタイプのインクジェットヘッドに適用した例であるが、図15に示すように、用紙幅方向に移動しながら、各ノズル12からインクを吐出させる、シリアルタイプのインクジェットヘッド24に適用することも可能である。

0072

1プリンタ
4インクジェットヘッド
7 制御部
11ヘッドユニット
12ノズル
15吐出不良検出部
16境界部

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