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技術 加飾シート及び加飾樹脂成形品

出願人 大日本印刷株式会社
発明者 鷹野陽子名木義幸片岡咲恵高山健太
出願日 2016年3月30日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-068232
公開日 2017年10月5日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-177539
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の射出成形 積層体(2) 転写による装飾
主要キーワード 真空圧着法 立体形 アクリル系接着剤層 真空成形用型 真空室間 光輝性層 成形樹脂層 射出成形型内
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

三次元成形用途に使用することができ、さらに、意匠性に優れ、光輝性を備える加飾シートを提供する。

解決手段

少なくとも、透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層とをこの順に備えており、 前記光輝性層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、 前記着色層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性塩化ビニル酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる、加飾シート。

概要

背景

従来、自動車内外装品電化製品等に、光輝度顔料を含む塗料を用いて塗装及び焼き付けを行い、高級感のある意匠を付与する技術が知られている。しかしながら、このような技術は、工程が煩雑となる上、溶剤等による環境負荷が大きいという問題がある。

塗装に替わる加飾手段としては、加飾シートを用いたインサート成形法射出成形同時加飾法が広く行われている。特に、高級感が求められる用途においては、金属または金属酸化物により被覆されたガラスフレークを用いた層を備えた加飾シートが提案されている。

例えば特許文献1には、金属銀で被覆されたガラスフレークをアクリル樹脂混練してシート化し、当該シート表面層として備えた加飾シートを真空成形及び射出成形に供することで、輝度感を有する樹脂成形品を得たことが記載されている。しかしながら、特許文献1の構成では、意匠ごとに専用のシートを用意する必要があり、生産効率や意匠の自由度が低い。そこで、一般的な加飾シートと同様に、印刷等によって設けられる装飾層にガラスフレークを用いることが望まれる。

一方、例えば特許文献2には、金属または金属酸化物により被覆されたガラスフレークと透明樹脂を含む組成物コーティングすることで形成された光輝性層を備える転写箔が開示されている。ここで上記透明樹脂としては、尿素樹脂メラミン樹脂等のアミノ系硬化樹脂等が好適とされている。しかしながら、特許文献2に記載の転写箔は主としてホットスタンプ箔として用いられることが想定されており、インサート成形法や射出成形同時加飾法のように、真空成形や射出成形によって三次元形状に成形される用途を想定したものではない。

また、特許文献1、2のように、加飾シートにおいては、光輝性層の裏面に着色層を設けることにより、装飾性の向上や隠蔽性の確保を図ることがある。しかしながら、ガラスフレークは、一般的な顔料に比べてサイズが大きく、形状のばらつきも大きい。このため、ガラスフレークを含む光輝性層の上にさらに着色層を印刷等によって設ける場合、凹凸の大きい光輝性層上に着色層をムラなく積層することが難しく、装飾性を損なうという問題もある。

概要

三次元成形用途に使用することができ、さらに、意匠性に優れ、光輝性を備える加飾シートを提供する。 少なくとも、透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層とをこの順に備えており、 前記光輝性層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、 前記着色層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性塩化ビニル酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる、加飾シート。なし

目的

本発明は、三次元成形用途に使用することができ、さらに、意匠性に優れ、光輝性を備える加飾シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも、透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層とをこの順に備えており、前記光輝性層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、前記着色層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性塩化ビニル酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる、加飾シート

請求項2

前記透明熱可塑性樹脂フィルムが、熱可塑性アクリル樹脂により構成されている、請求項1に記載の加飾シート。

請求項3

前記透明熱可塑性樹脂フィルムの厚みが、50μm以上200μm以下である、請求項1または2に記載の加飾シート。

請求項4

前記着色層のバインダー樹脂における前記熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と熱可塑性アクリル樹脂の質量比が、3:7〜7:3の範囲にある、請求項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。

請求項5

前記光輝性層及び着色層の厚みが、それぞれ、0.1μm以上10μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。

請求項6

少なくとも、前記透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、前記光輝性層と、前記着色層と、接着層をこの順に備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。

請求項7

少なくとも、前記透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、前記光輝性層と、前記着色層と、支持体シートと、接着層をこの順に備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。

請求項8

少なくとも、成形樹脂層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層と、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、透明熱可塑性樹脂フィルムとをこの順に備えており、前記光輝性層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、前記着色層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる、加飾樹脂成形品

請求項9

請求項1〜7のいずれかに記載の加飾シートを、真空成形型により真空成形して成形シートを得る工程と、前記成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、前記着色層側から流動状態樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物外表面に前記成形シートを一体化させる工程と、を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、加飾シート及びこれを用いた加飾樹脂成形品に関する。

背景技術

0002

従来、自動車内外装品電化製品等に、光輝度顔料を含む塗料を用いて塗装及び焼き付けを行い、高級感のある意匠を付与する技術が知られている。しかしながら、このような技術は、工程が煩雑となる上、溶剤等による環境負荷が大きいという問題がある。

0003

塗装に替わる加飾手段としては、加飾シートを用いたインサート成形法射出成形同時加飾法が広く行われている。特に、高級感が求められる用途においては、金属または金属酸化物により被覆されたガラスフレークを用いた層を備えた加飾シートが提案されている。

0004

例えば特許文献1には、金属銀で被覆されたガラスフレークをアクリル樹脂混練してシート化し、当該シート表面層として備えた加飾シートを真空成形及び射出成形に供することで、輝度感を有する樹脂成形品を得たことが記載されている。しかしながら、特許文献1の構成では、意匠ごとに専用のシートを用意する必要があり、生産効率や意匠の自由度が低い。そこで、一般的な加飾シートと同様に、印刷等によって設けられる装飾層にガラスフレークを用いることが望まれる。

0005

一方、例えば特許文献2には、金属または金属酸化物により被覆されたガラスフレークと透明樹脂を含む組成物コーティングすることで形成された光輝性層を備える転写箔が開示されている。ここで上記透明樹脂としては、尿素樹脂メラミン樹脂等のアミノ系硬化樹脂等が好適とされている。しかしながら、特許文献2に記載の転写箔は主としてホットスタンプ箔として用いられることが想定されており、インサート成形法や射出成形同時加飾法のように、真空成形や射出成形によって三次元形状に成形される用途を想定したものではない。

0006

また、特許文献1、2のように、加飾シートにおいては、光輝性層の裏面に着色層を設けることにより、装飾性の向上や隠蔽性の確保を図ることがある。しかしながら、ガラスフレークは、一般的な顔料に比べてサイズが大きく、形状のばらつきも大きい。このため、ガラスフレークを含む光輝性層の上にさらに着色層を印刷等によって設ける場合、凹凸の大きい光輝性層上に着色層をムラなく積層することが難しく、装飾性を損なうという問題もある。

先行技術

0007

特開2004−284019号公報
特開2007−175942号公報

発明が解決しようとする課題

0008

このような状況下、本発明は、三次元成形用途に使用することができ、さらに、意匠性に優れ、光輝性を備える加飾シートを提供することを主な目的とする。また、本発明は、当該加飾シートを用いた加飾樹脂成形品、及びその製造方法を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層とをこの順に備えており、光輝性層のバインダー樹脂が、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、さらに、着色層のバインダー樹脂が、実質的に熱可塑性塩化ビニル酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる加飾シートは、三次元成形用途に使用することができ、さらに、意匠性に優れ、光輝性を備えることを見出した。

0010

本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。

0011

すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層とをこの順に備えており、
前記光輝性層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、
前記着色層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる、
加飾シート。
項2. 前記透明熱可塑性樹脂フィルムが、熱可塑性アクリル樹脂により構成されている、項1に記載の加飾シート。
項3. 前記透明熱可塑性樹脂フィルムの厚みが、50μm以上200μm以下である、項1または2に記載の加飾シート。
項4. 前記着色層のバインダー樹脂における前記熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と熱可塑性アクリル樹脂の質量比が、3:7〜7:3の範囲にある、項1〜3のいずれかに記載の加飾シート。
項5. 前記光輝性層及び着色層の厚みが、それぞれ、0.1μm以上10μm以下である、項1〜4のいずれかに記載の加飾シート。
項6. 少なくとも、前記透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、前記光輝性層と、前記着色層と、接着層をこの順に備えている、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項7. 少なくとも、前記透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、前記光輝性層と、前記着色層と、支持体シートと、接着層をこの順に備えている、項1〜5のいずれかに記載の加飾シート。
項8. 少なくとも、成形樹脂層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層と、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、透明熱可塑性樹脂フィルムとをこの順に備えており、
前記光輝性層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、
前記着色層のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる、
加飾樹脂成形品。
項9. 項1〜7のいずれかに記載の加飾シートを、真空成形型により真空成形して成形シートを得る工程と、
前記成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、前記着色層側から流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物外表面に前記成形シートを一体化させる工程と、
を備える、加飾樹脂成形品の製造方法。

発明の効果

0012

本発明によれば、三次元成形用途に使用することができ、さらに、意匠性に優れ、光輝性を備える加飾シートを提供することができる。さらに、本発明によれば、当該加飾シートを用いた加飾樹脂成形品、及びその製造方法を提供することもできる。

図面の簡単な説明

0013

本発明の加飾シートの一例の略図的断面図である。
本発明の加飾シートの一例の略図的断面図である。
本発明の加飾シートの一例の略図的断面図である。
本発明の加飾シートを用いて製造される加飾樹脂成形品の一例の略図的断面図である。
本発明の加飾シートを用いて製造される加飾樹脂成形品の一例の略図的断面図である。

0014

1.加飾シート
本発明の加飾シートは、少なくとも、透明熱可塑性樹脂フィルムの一方の面に、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層とをこの順に備えており、光輝性層のバインダー樹脂が、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、さらに、着色層のバインダー樹脂が、実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなることを特徴とする。本発明の加飾シートは、このような構成を備えていることにより、三次元成形用途に使用することができ、さらに、意匠性に優れ、光輝性を備える。具体的には、本発明の加飾シートにおいては、表面に位置する透明熱可塑性樹脂フィルムを通して光輝性層が視認可能であるため、表面に位置する層に光輝性ガラスフレークを含まなくても、光輝性を発揮することができる。また、本発明の加飾シートは、透明熱可塑性樹脂フィルム、光輝性層、及び着色層が熱可塑性の樹脂を含んでいることから、三次元成形性を備えている。さらに、本発明の加飾シートにおいては、光輝性層のバインダー樹脂が実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、さらに、着色層のバインダー樹脂が実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなることから、光輝性層の表面上に着色層がムラなく印刷され、光輝性層と着色層の組み合わせによって表現される意匠性に優れている。以下、本発明の加飾シートについて詳述する。

0015

加飾シートの積層構造
本発明の加飾シートは、例えば、図1図3に示されるように、少なくとも、透明熱可塑性樹脂フィルム1と、光輝性層2と、着色層3とがこの順に積層された積層構造を有する。また、例えば図2または図3に示されるように、本発明の加飾シートにおいては、本発明の加飾シートと成形樹脂層6との接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて、透明熱可塑性樹脂フィルム1とは反対側の表面に接着層4を設けてもよい。また、図3に示されるように、本発明の加飾シートの剛性を高める観点から、加飾シートの着色層3側に支持体シート5を設けてもよい。本発明の加飾シートには、加飾シートまたは加飾樹脂成形品に付与する機能に応じて、その他の層を1層以上積層してもよい。

0016

本発明の加飾シートの積層構造として、透明熱可塑性樹脂フィルム/光輝性層/着色層が積層された積層構造;透明熱可塑性樹脂フィルム/光輝性層/着色層/接着層が積層された積層構造;透明熱可塑性樹脂フィルム/光輝性層/着色層/支持体シート/接着層が積層された積層構造などが挙げられる。図1に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、透明熱可塑性樹脂フィルム/光輝性層/着色層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。図2に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、透明熱可塑性樹脂フィルム/光輝性層/着色層/接着層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。図3に、本発明の加飾シートの積層構造の一態様として、透明熱可塑性樹脂フィルム/光輝性層/着色層/支持体シート/接着層がこの順に積層された加飾シートの一例の略図的断面図を示す。

0017

加飾シートを形成する各層の組成と構成

0018

[透明熱可塑性樹脂フィルム1]
透明熱可塑性樹脂フィルム1は、透明熱可塑性樹脂フィルム1を通して光輝性層2を視認可能としつつ、加飾シートに三次元成形性や耐傷性などを付与することなどを目的として設けられる層である。

0019

透明熱可塑性樹脂フィルム1を構成する素材としては、特に制限されないが、インサート成形法や射出成形同時加飾法などによって加飾シートを好適に三次元成形する観点からは、好ましくは、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂ABS樹脂アクリロニトリル−スチレンブタジエン共重合体)、スチレン樹脂ポリカーボネート樹脂ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、成形性ポリエステル樹脂等)、ポリオレフィン系樹脂ポリエチレンポリプロピレンポリメチルペンテンポリブテンエチレン−プロピレン共重合体プロピレンブテン共重合体オレフィン系熱可塑性エラストマー等)などが挙げられる。これらの中でも、透明性と成形性に優れる観点から、熱可塑性アクリル樹脂が特に好ましい。透明感や表面のが高い熱可塑性アクリル樹脂を用いることにより、後述の光輝性層2が発揮する光輝性との相乗効果により、本発明の加飾シートを用いた加飾樹脂成形品は、塗装感及び輝度感のある高級な意匠性を奏することができる。

0020

熱可塑性アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタアクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が挙げられる。熱可塑性アクリル樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。

0021

透明熱可塑性樹脂フィルム1は、単層であってもよいし、複数の層により構成されていてもよい。また、透明熱可塑性樹脂フィルム1は、光輝性層2を視認可能な程度に着色されていてもよい。さらに、透明熱可塑性樹脂フィルム1には、必要に応じて、安定剤、可塑剤紫外線吸収剤ヒンダードアミン光安定剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。

0022

透明熱可塑性樹脂フィルム1の厚みとしては、特に制限されないが、インサート成形法や射出成形同時加飾法などによる加飾シートの優れた三次元成形性を担保しつつ、高い光輝性と意匠性を奏する観点からは、好ましくは50μm以上200μm以下、より好ましくは75μm以上150μm以下が挙げられる。厚みが50μm以上であれば、加飾シート表面に求められる耐傷性等を確保できるとともに、深みのある、塗装のような意匠感を得られる。また、加飾シートの剛性が十分となり、加飾シートがたわみにくく、光輝性層2を印刷等により形成した際にガラスフレークの配向性が良好となり、加飾シートが光輝性を発揮しやすくなる。一方、厚みが200μm以下であれば、光輝性層2の輝度感を視認しやすくなり、また光輝性層を印刷等により形成する際の生産性が良くなる。なお、当該厚みは、透明熱可塑性樹脂フィルム1が複数の層により構成されている場合には、複数の層の総厚である。

0023

透明熱可塑性樹脂フィルム1の表面、裏面、又は表裏両面には、透明熱可塑性樹脂フィルム1に接する他層との密着性向上や、濡れ性の調整などの表面改質等を目的として、必要に応じて、コロナ放電処理プラズマ処理等が施されていてもよい。

0024

[光輝性層2]
光輝性層2は、本発明の加飾シートに光輝性の意匠を付与するために設けられる層である。光輝性層2は、光輝性の意匠(例えば、金属調)を発現するために、光輝性ガラスフレークとバインダー樹脂を含んでおり、さらに、当該バインダー樹脂が実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなる。なお、本発明において、「バインダー樹脂が実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなる」とは、バインダー樹脂中の熱可塑性アクリル樹脂の含有量が、例えば80質量%以上程度であることを意味する。

0025

光輝性層2は、通常、光輝性ガラスフレーク、熱可塑性アクリル樹脂、及び溶剤を含み、必要に応じて、体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒硬化剤等を適宜混合した光輝性組成物を透明熱可塑性樹脂フィルム1の上に印刷することにより形成することができる。

0026

光輝性層2に含まれる光輝性ガラスフレークとしては、光輝性の意匠を発現するものあれば特に制限されないが、好ましくは金属及び金属酸化物の少なくとも一方により被覆されたガラスフレークが挙げられる。ガラスフレークを被覆する金属としては、特に制限されないが、例えば、金、銀、プラチナパラジウムニッケル、銅、アルミニウムクロム真鍮、錫等の金属や、ハステロイ銀錫合金等の金属合金などが挙げられる。これらの中でも、高い光輝性を発揮する観点からは、銀が好ましい。また、金属酸化物としては、高い光輝性を発揮する観点からは、好ましくは酸化チタンなどが挙げられる。また、ガラスフレークの基材となるガラスとしては、特に制限されないが、好ましくは珪酸ガラス珪酸アクリルガラスソーダ石灰ガラス鉛ガラス等が挙げられる。光輝性ガラスフレークは、例えば、無電解メッキスパッタリング等の方法により、金属及び金属酸化物の少なくとも一方をガラス基材の表面を被覆して得られる。このような光輝性ガラスフレークは、市販品を入手することもできる。光輝性ガラスフレークは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0027

光輝性ガラスフレークの粒径としては、特に制限されず、光輝性層2及び着色層3の厚みなどに応じて、適宜設定すればよい。光輝性ガラスフレークの粒径の具体例としては、100μm以下、より好ましくは1μm以上90μm以下が挙げられる。

0028

光輝性層2中のガラスフレークの含有量としては、特に制限されないが、光輝性層2中のバインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上50質量部以下、より好ましくは10質量部以上30質量部以下が挙げられる。

0029

光輝性層2のバインダー樹脂として用いられる熱可塑性アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が挙げられる。熱可塑性アクリル樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0030

光輝性層2のバインダー樹脂は実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなるが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、塩素系樹脂ポリウレタンポリエステルポリアミドブチラール樹脂ポリスチレンニトロセルロース樹脂酢酸セルロース樹脂等が挙げられ、好ましくは塩素系樹脂が挙げられる。これらの他の熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0031

光輝性層2のバインダー樹脂に含まれる熱可塑性アクリル樹脂の含有量としては、本発明の効果を損なわない範囲において特に制限されないが、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、100質量%であることが特に好ましい。

0032

光輝性組成物に含まれる溶剤としては、光輝性組成物中で光輝性ガラスフレーク及びバインダー樹脂などの成分を均一に分散させ、印刷に適したものであれば特に制限されないが、好ましくはメチルエチルケトン酢酸エチルトルエンなどが挙げられる。溶剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0033

光輝性層2の厚みとしては、特に制限されないが、三次元成形性、光輝性、及び意匠性の観点からは、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下程度が挙げられる。なお、光輝性層2の厚みは、加飾シートの断面を光学顕微鏡で観察し、光輝性ガラスフレークが存在しておらず、光輝性ガラスフレークによって光輝性層2の表面が隆起していない位置で測定した値である。

0034

光輝性層2は、例えば、光輝性組成物を用いて印刷することにより形成される。光輝性層2を形成するための印刷方法については、特に制限されないが、例えば、グラビア印刷オフセット印刷シルクスクリーン印刷転写シートからの転写による印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。

0035

[着色層3]
着色層3は、光輝性層2と共に形成されることにより、加飾樹脂成形品に意匠性を付与することなどを目的として設けられる層である。本発明において、着色層3は、着色剤とバインダー樹脂を含み、さらに、当該バインダー樹脂が実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる。本発明において、着色層3は、バインダー樹脂にアクリル樹脂を用いた前述の光輝性層2に隣接して設けられ、光輝性層2の表面上に着色層3がムラなく印刷できることから、光輝性層2と着色層3の組み合わせによって優れた意匠を発揮することができる。なお、本発明において、「バインダー樹脂が実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなる」とは、バインダー樹脂中の熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂の合計含有量が、例えば80質量%以上程度であることを意味する。

0036

着色層3は、着色層形成用インキを、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の印刷方法で光輝性層2の表面に印刷することにより形成することができる。

0037

着色層形成用のインキは、顔料や染料等の着色剤、熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂を含むバインダー樹脂、さらにこれらに適宜加える各種添加剤、溶剤などからなる。

0038

着色層3のバインダー樹脂において、熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と熱可塑性アクリル樹脂の質量比としては、特に制限されないが、光輝性層2の表面上に着色層3がムラなく印刷され、優れた意匠を発揮する観点からは、好ましくは3:7〜7:3の範囲、より好ましくは40:60〜65:35の範囲が挙げられる。

0039

着色層3のバインダー樹脂は実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなるが、本発明の効果を損なわない範囲において、他の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、他の熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂塩素化ポリプロピレンウレタン樹脂ポリアミド樹脂などが挙げられる。これらの他の熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0040

着色層3のバインダー樹脂に含まれる熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体と熱可塑性アクリル樹脂の合計含有量としては、本発明の効果を損なわない範囲において特に制限されないが、着色層3の印刷ムラを好適に抑制し、優れた意匠を発揮させる観点からは、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、100質量%であることが特に好ましい。

0041

着色剤としては、特に制限されないが、例えば、カーボンブラック)、鉄黒チタン白アンチモン白、黄鉛チタン黄弁柄カドミウム赤群青コバルトブルー等の無機顔料キナクリドンレッドイソインドリノンイエローフタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料等が挙げられる。

0042

着色層形成用のインキに含まれる溶剤としては、着色剤とバインダー樹脂などの成分を均一に分散させ、印刷に適したものであれば特に制限されないが、好ましくはメチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエンなどが挙げられる。溶剤は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0043

着色層3の厚みとしては、特に制限されないが、三次元成形性、光輝性、及び意匠性の観点からは、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.6μm以上7μm以下程度が挙げられる。なお、着色層3の厚みは、加飾シートの断面を光学顕微鏡で観察し、着色剤(例えば顔料)などによって着色層3の表面が隆起していない位置で測定した値である。

0044

[接着層4]
接着層4は、加飾シートと成形樹脂層6との密着性を高めることなどを目的として、必要に応じて設けられる層である。接着層4は、通常、加飾シートの透明熱可塑性樹脂フィルム1とは反対側の表面(すなわち、裏面)に設けられる。

0045

接着層4を形成する樹脂としては、加飾シートと成形樹脂層6との密着性、接着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0046

接着層4は必ずしも必要な層ではないが、本発明の加飾シートを、後述する真空圧着法など、予め用意された樹脂成形体上へ貼着による加飾方法に適用することを想定した場合は、加飾シートの樹脂成形体と接する側の面に設けられていることが好ましい。真空圧着法に用いる場合、上記した各種の樹脂のうち、加圧又は加熱により接着性を発現する樹脂として慣用のものを使用して接着層4を形成することが好ましい。

0047

接着層4の厚みは、特に制限されず、接着層4を設ける位置及び隣接する層に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.1μm以上30μm以下程度、好ましくは0.5μm以上20μm以下程度、さらに好ましくは1μm以上8μm以下程度が挙げられる。

0048

[支持体シート5]
支持体シート5は、加飾シートに剛性を付与して形状を保持し、インサート成形法などによる真空成形などに適した加飾シートとするために、必要に応じて設けられる層である。支持体シート5は、加飾シートの着色層3側に設けられ、例えば加飾シートの透明熱可塑性樹脂フィルム1とは反対側の表面(すなわち、裏面)に設けられたり、接着層4を設ける場合であれば、着色層3と接着層4との間に設けられる。

0049

支持体シート5は、加飾シートをインサート成形法や射出成形同時加飾法などに適したものとする観点から、熱可塑性樹脂により形成されていることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、特に制限されないが、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」と表記することもある)、アクリル樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;塩化ビニル系樹脂ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂;アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。支持体シート5は、後述の成形樹脂層6と同じ樹脂により形成されていることが好ましく、例えば成形樹脂層6がABS樹脂により形成されている場合には、支持体シート5もABS樹脂により形成されていることが好ましく、成形樹脂層6がポリプロピレンにより形成されている場合には、支持体シート5もポリプロピレンにより形成されていることが好ましい。支持体シート5を形成している樹脂は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。

0050

支持体シート5の厚みとしては、特に制限されないが、加飾シートをインサート成形法や射出成形同時加飾法などに適したものとする観点から、好ましくは50μm以上1000μm以下程度、より好ましくは100μm以上700μm以下程度が挙げられる。

0051

支持体シート5は、隣接する層との密着性を向上させるために、必要に応じて、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理が施されていてもよい。支持体シート5の表面処理として行われる酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理熱風処理、オゾン紫外線処理法等が挙げられる。また、支持体シート5の表面処理として行われる凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、支持体シート5を構成する樹脂の種類に応じて適宜選択されるが、効果及び操作性等の観点から、好ましくはコロナ放電処理法が挙げられる。

0052

また、支持体シート5には、着色剤などを配合した着色、色彩を整えるための塗装、デザイン性を付与するための模様の形成などがなされていてもよい。

0053

2.加飾樹脂成形品
本発明の加飾樹脂成形品は、本発明の加飾シートと成形樹脂とを一体化させることにより成形されてなるものである。すなわち、図4または図5に示されるように、本発明の加飾樹脂成形品は、少なくとも、成形樹脂層6と、着色剤及びバインダー樹脂を含む着色層3と、光輝性ガラスレーク及びバインダー樹脂を含む光輝性層2と、透明熱可塑性樹脂フィルム1とをこの順に備えており、光輝性層2のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性アクリル樹脂からなり、着色層3のバインダー樹脂は、実質的に熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂からなることを特徴とする。加飾樹脂成形品には、前述の通り、接着層4、支持体シート5をさらに設けてもよい。

0054

本発明の加飾樹脂成形品は、例えば、本発明の加飾シートを用いて、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法により作製される。これらの射出成形法の中でも、好ましくはインサート成形法及び射出成形同時加飾法が挙げられる。また、本発明の加飾樹脂成形品は、真空圧着法等の、予め用意された立体的な樹脂成形体(成形樹脂層6)上に、本発明の加飾シートを貼着する加飾方法によっても作製することができる。

0055

インサート成形法では、まず、真空成形工程において、本発明の加飾シートを真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、着色層3側から流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。

0056

より具体的には、下記の工程を含むインサート成形法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形する真空成形工程、
真空成形された加飾シートの余分な部分をトリミングして成形シートを得るトリミング工程、及び
成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を閉じ、着色層3側から流動状態の樹脂を射出成形型内に射出して樹脂と成形シートを一体化する一体化工程。

0057

インサート成形法における真空成形工程では、加飾シートを加熱して成形してもよい。この時の加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、例えば基材層としてABS樹脂フィルムを用いる場合であれば、通常100〜250℃程度、好ましくは130〜200℃程度とすることができる。また、一体化工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度、好ましくは220〜280℃程度とすることができる。

0058

また、射出成形同時加飾法では、本発明の加飾シートを射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、着色層3側から流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に本発明の加飾シートを一体化させることにより、加飾樹脂成形品が製造される。

0059

より具体的には、下記の工程を含む射出成形同時加飾法によって、本発明の加飾樹脂成形品が製造される。
本発明の加飾シートを、所定形状の成形面を有する可動金型の当該成形面に対し、加飾シートの基材層の表面が対面するように設置した後、当該加飾シートを加熱、軟化させると共に、可動金型側から真空吸引して、軟化した加飾シートを当該可動金型の成形面に沿って密着させることにより、加飾シートを予備成形する予備成形工程、
成形面に沿って密着された加飾シートを有する可動金型と固定金型とを型締めした後、両金型で形成されるキャビティ内に、着色層3側から流動状態の樹脂を射出、充填して固化させることにより樹脂成形体を形成し、樹脂成形体と加飾シートを積層一体化させる一体化工程、及び
可動金型を固定金型から離間させて、加飾シート全層が積層されてなる樹脂成形体を取り出す取出工程。

0060

射出成形同時加飾法の予備成形工程において、加飾シートの加熱温度は、特に限定されず、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常70〜130℃程度とすることができる。また、射出成形工程において、流動状態の樹脂の温度は、特に限定されないが、通常180〜320℃程度、好ましくは220〜280℃程度とすることができる。

0061

真空圧着法では、まず、上側に位置する第1真空室及び下側に位置する第2真空室からなる真空圧着機内に、本発明の加飾シート及び樹脂成形体を、加飾シートが第1真空室側、樹脂成形体が第2真空室側となるように、且つ加飾シートの着色層3側が樹脂成形体側に向くように真空圧着機内に設置し、2つの真空室を真空状態とする。樹脂成形体は、第2真空室側に備えられた、上下に昇降可能な昇降台上に設置される。次いで、第1の真空室を加圧すると共に、昇降台を用いて成形体を加飾シートに押し当て、2つの真空室間圧力差を利用して、加飾シートを延伸しながら樹脂成形体の表面に貼着する。最後に2つの真空室を大気圧開放し、必要に応じて加飾シートの余分な部分をトリミングすることにより、本発明の加飾樹脂成形品を得ることができる。

0062

真空圧着法においては、上記の成形体を加飾シートに押し当てる工程の前に、加飾シートを軟化させて成形性を高めるため、加飾シートを加熱する工程を備えることが好ましい。当該工程を備える真空圧着法は、特に真空加熱圧着法と呼ばれることがある。当該工程における加熱温度は、加飾シートを構成する樹脂の種類や、加飾シートの厚みなどによって適宜選択すればよいが、基材層としてポリエステル樹脂フィルムやアクリル樹脂フィルムを使用する場合であれば、通常60〜200℃程度とすることができる。

0063

本発明の加飾樹脂成形品において、成形樹脂層6は、用途に応じた樹脂を選択して形成すればよい。成形樹脂層6を形成する樹脂としては、熱可塑性樹脂であってもよく、また熱硬化性樹脂であってもよい。

0064

熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0065

また、熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0066

本発明の加飾樹脂成形品は、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材窓枠扉枠等の建具;壁、床、天井等の建築物の内装材;テレビ受像機空調機等の家電製品筐体容器等として利用することができる。

0067

以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。

0068

<実施例1>
熱可塑性の透明アクリルフィルム(厚み125μm)の片面に、熱可塑性アクリル樹脂(100質量部)及び銀被覆されたガラスフレーク(平均径25μm、12質量部)を含むインキを用い、グラビア印刷により光輝性層(ガラスフレークのない位置の厚み1μm)を全面に形成した。次いで光輝性層上に、熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂(各50質量部、合計100質量部)と、白色顔料(酸化チタン、平均径0.4μm、30質量部)を含むインキを用い、グラビア印刷により着色層(顔料のない位置の厚み1μm)を全面に形成した。さらにアクリル系接着剤層(1μm)を形成して、加飾シートを得た。

0069

<比較例1>
実施例1の光輝性層において、熱可塑性アクリル樹脂(100質量部)の代わりに、熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂(各50質量部質量部、合計100質量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを得た。

0070

<比較例2>
実施例1の着色層において、熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂(各50質量部、合計100質量部)の代わりに、熱可塑性アクリル樹脂(100質量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを得た。

0071

<比較例3>
実施例1の光輝性層において、熱可塑性アクリル樹脂(100質量部)の代わりに、熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂(各50質量部質量部、合計100質量部)を用いたこと、及び、実施例1の着色層において、熱可塑性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及び熱可塑性アクリル樹脂(各50質量部、合計100質量部)の代わりに、熱可塑性アクリル樹脂(100質量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾シートを得た。

0072

(印刷適性と意匠性の評価)
上記で得られた各加飾シートの表面を目視で観察し、以下の基準に従って、着色層の印刷適性と、加飾シートの意匠性を評価した。結果を表1に示す。
A:着色層を形成するインキのムラが認められず、意匠性が極めて良好である。
B:着色層を形成するインキのムラが若干認められるが、全体として意匠性は良好である。
C:着色層を形成するインキのムラが認められ、意匠性が悪い。
D:着色層を形成するインキに顕著なムラが認められ、意匠性が著しく悪い。

0073

(三次元成形性評価)
上記で得られた各加飾シートを赤外線ヒーターで160℃に加熱し、軟化させた。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率100%)、型の内部形状に成形した。成形後の加飾シートを冷却後、真空成形用型から加飾シートを離型した。得られた加飾シートを目視で観察し、以下の基準に従って、成形性を評価した。結果を表1に示す。
A:塗膜割れ又は白化が全く認められず、三次元成形性に優れている。
B:三次元形状部又は最大延伸部の一部に微細な塗膜割れ又は白化が認められたが実用上は問題がない。
C:三次元形状部又は最大延伸部の一部に軽微な塗膜割れ又は白化が発生し、実用上やや問題がある。
D:型の形状に追従できずに表面保護層に塗膜割れや白化が見られ、実用上問題がある。
E:加飾シートが硬すぎて、真空成形できなかった。

0074

(光輝性評価)
目視で確認し、以下の基準に従って、加飾シートの光輝性を評価した。結果を表1に示す。
A:光輝性意匠が発現している。
B:光輝性意匠が若干発現している。
C:光輝性意匠が発現していない。

0075

実施例

0076

表1に示されるように、実施例1及び比較例1〜5の加飾シートは、三次元成形性にはいずれも優れていた。また、実施例1の加飾シートは、着色層がムラなく設けられており、意匠性及び光輝性に優れていた。また、実施例1の加飾シートは、成形後においても、意匠性及び光輝性に優れていた。一方、比較例1〜5の加飾シートでは、着色層の印刷状態が悪く、成形前においても、着色層に版の斜線目やスジが生じて、インキのムラが認められた。

0077

1…透明熱可塑性樹脂フィルム
2…光輝性層
3…着色層
4…接着層
5…支持体シート
6…成形樹脂層

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