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技術 ロボットおよびその制御方法

出願人 本田技研工業株式会社
発明者 樋口弘普美
出願日 2016年3月29日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2016-066936
公開日 2017年10月5日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-177269
状態 特許登録済
技術分野 マニプレータ
主要キーワード 相互作用状態 外力センサ ブレーキ付きモータ 感知しうる ロール軸回り 引き動作 各関節機構 アクティブセンサ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年10月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタ外界との相互作用を伴うように動作させる際に、当該相互作用状態に鑑みて適当に動作が制御されうるロボットおよびその制御方法を提供する。

解決手段

基体10から延設されている複数の肢体12、14のうち「指定肢体」に該当する腕体12の動作が指定軌道にしたがって制御される。この過程で、エンドエフェクタである手部126がはしごLの横木L(j)と第1態様で相互作用している「第1相互作用状態」が実現された場合、手部126を駆動するアクチュエータ41に対して制御指令が付与されることにより、この手部126を把持動作させ、手部126が横木L(j)と第2態様で相互作用している「第2相作用状態」の実現が図られる。第2相互作用状態が実現された場合、ブレーキ42に対して制御指令が付与されることにより、手部126の動作停止状態の維持が図られる。

概要

背景

ロボットに用いられているブレーキ付きモータに異常が発見された際に、制動トルクの低下進行を案して、モータ励磁遮断およびブレーキ解除をすることなく当該異常を報知する技術が提案されている(特許文献1参照)。

概要

肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタ外界との相互作用を伴うように動作させる際に、当該相互作用状態に鑑みて適当に動作が制御されうるロボットおよびその制御方法を提供する。基体10から延設されている複数の肢体12、14のうち「指定肢体」に該当する腕体12の動作が指定軌道にしたがって制御される。この過程で、エンドエフェクタである手部126がはしごLの横木L(j)と第1態様で相互作用している「第1相互作用状態」が実現された場合、手部126を駆動するアクチュエータ41に対して制御指令が付与されることにより、この手部126を把持動作させ、手部126が横木L(j)と第2態様で相互作用している「第2相作用状態」の実現がられる。第2相互作用状態が実現された場合、ブレーキ42に対して制御指令が付与されることにより、手部126の動作停止状態の維持がられる。 A

目的

本発明は、肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタを外界との相互作用を伴うように動作させる際に、当該相互作用状態に鑑みて適当に動作が制御されうるロボットおよびその制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基体と、前記基体から延設されている複数の肢体と、前記複数の肢体のうち少なくとも1つの肢体である指定肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタを駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの出力軸に連結されているブレーキと、前記複数の肢体、前記アクチュエータおよび前記ブレーキのそれぞれの動作を制御する制御装置と、を備えているロボットであって、前記制御装置が、前記指定肢体の動作を指定軌道にしたがって制御する主制御要素と、前記主制御要素により前記指定肢体の動作が前記指定軌道にしたがって制御されている際に、前記エンドエフェクタがその外界と第1態様で相互作用する第1相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタがその外界と前記第1態様とは異なる第2態様で相互作用する第2相作用状態を実現するための指定動作を前記エンドエフェクタにさせるように、前記アクチュエータに対して制御指令を付与する第1副制御要素と、前記第1副制御要素により前記アクチュエータに対して前記制御指令が付与された後、前記第2相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタの動作停止状態が維持されるように、前記ブレーキに対して制御指令を付与する第2副制御要素と、を備えていることを特徴とするロボット。

請求項2

請求項1記載のロボットにおいて、前記主制御要素が、前記指定肢体の動作が前記指定軌道にしたがって制御している際に、前記第1相互作用状態が実現されなかった場合、前記指定軌道が時系列的反転された逆指定軌道にしたがって前記指定肢体の動作を制御することを特徴とするロボット。

請求項3

請求項1または2記載のロボットにおいて、前記第1副制御要素が、前記第2副制御要素により前記ブレーキに対して前記制御指令が付与された後、前記エンドエフェクタの動作停止状態が維持されている場合、前記アクチュエータの出力機能無効化することを特徴とするロボット。

請求項4

請求項3記載のロボットにおいて、前記第1副制御要素が、前記第2副制御要素により前記ブレーキに対して前記制御指令が付与された後、前記エンドエフェクタの動作停止状態が第1指定期間以上にわたり連続して維持されていなかった場合、少なくとも前記指定肢体の動作を停止させることを特徴とするロボット。

請求項5

請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のロボットにおいて、前記第2副制御要素が、前記第2相互作用状態が第2指定期間以上にわたり連続して実現されなかった場合、少なくとも前記指定肢体の動作を停止させることを特徴とするロボット。

請求項6

基体と、前記基体から延設されている複数の肢体と、前記複数の肢体のうち少なくとも1つの肢体である指定肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタを駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの出力軸に連結されているブレーキと、前記複数の肢体、前記アクチュエータおよび前記ブレーキのそれぞれの動作を制御する制御装置と、を備えているロボットの制御方法であって、前記指定肢体の動作を指定軌道にしたがって制御する主制御過程と、前記主制御過程において、前記エンドエフェクタがその外界と第1態様で相互作用する第1相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタがその外界と前記第1態様とは異なる第2態様で相互作用する第2相互作用状態を実現するための指定動作を前記エンドエフェクタにさせるように、前記アクチュエータに対して制御指令を付与する第1副制御過程と、前記第1副制御過程において前記アクチュエータに対して前記制御指令が付与された後、前記第2相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタの動作停止状態が維持されるように、前記ブレーキに対して制御指令を付与する第2副制御過程と、を含んでいることを特徴とするロボットの制御方法。

技術分野

0001

本発明は、基体と、当該基体から延設されている複数の肢体と、を備えているロボットに関する。

背景技術

0002

ロボットに用いられているブレーキ付きモータに異常が発見された際に、制動トルクの低下進行を案して、モータ励磁遮断およびブレーキ解除をすることなく当該異常を報知する技術が提案されている(特許文献1参照)。

先行技術

0003

特許第5444421号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタ物体との相互作用を伴うように動作させながら移動するロボットにおいて、エンドエフェクタを駆動するためにブレーキ付きモータが採用されただけでは、当該相互作用状態に鑑みて当該ロボットの動作が不適当になる場合がある。

0005

そこで、本発明は、肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタを外界との相互作用を伴うように動作させる際に、当該相互作用状態に鑑みて適当に動作が制御されうるロボットおよびその制御方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、基体と、前記基体から延設されている複数の肢体と、前記複数の肢体のうち少なくとも1つの肢体である指定肢体の先端部に取り付けられているエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタを駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの出力軸に連結されているブレーキと、前記複数の肢体、前記アクチュエータおよび前記ブレーキのそれぞれの動作を制御する制御装置と、を備えているロボットおよびその制御方法に関する。

0007

本発明のロボットは、前記制御装置が、前記指定肢体の動作を指定軌道にしたがって制御する主制御要素と、前記主制御要素により前記指定肢体の動作が前記指定軌道にしたがって制御されている際に、前記エンドエフェクタがその外界と第1態様で相互作用する第1相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタがその外界と前記第1態様とは異なる第2態様で相互作用する第2相作用状態を実現するための指定動作を前記エンドエフェクタにさせるように、前記アクチュエータに対して制御指令を付与する第1副制御要素と、前記第1副制御要素により前記アクチュエータに対して前記制御指令が付与された後、前記第2相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタの動作停止状態が維持されるように、前記ブレーキに対して制御指令を付与する第2副制御要素と、を備えていることを特徴とする。

0008

本発明のロボットの制御方法は、前記指定肢体の動作を指定軌道にしたがって制御する主制御過程と、前記主制御過程において、前記エンドエフェクタがその外界と第1態様で相互作用する第1相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタがその外界と前記第1態様とは異なる第2態様で相互作用する第2相互作用状態を実現するための指定動作を前記エンドエフェクタにさせるように、前記アクチュエータに対して制御指令を付与する第1副制御過程と、前記第1副制御過程において前記アクチュエータに対して前記制御指令が付与された後、前記第2相互作用状態が実現された場合、前記エンドエフェクタの動作停止状態が維持されるように、前記ブレーキに対して制御指令を付与する第2副制御過程と、を含んでいることを特徴とする。

0009

前記主制御要素が、前記指定肢体の動作が前記指定軌道にしたがって制御している際に、前記第1相互作用状態が実現されなかった場合、前記指定軌道が時系列的反転された逆指定軌道にしたがって前記指定肢体の動作を制御することが好ましい。

0010

前記第1副制御要素が、前記第2副制御要素により前記ブレーキに対して前記制御指令が付与された後、前記エンドエフェクタの動作停止状態が維持されている場合、前記アクチュエータの出力機能無効化することが好ましい。

0011

前記第1副制御要素が、前記第2副制御要素により前記ブレーキに対して前記制御指令が付与された後、前記エンドエフェクタの動作停止状態が第1指定期間以上にわたり連続して維持されていなかった場合、少なくとも前記指定肢体の動作を停止させることが好ましい。

0012

前記第2副制御要素が、前記第2相互作用状態が第2指定期間以上にわたり連続して実現されなかった場合、少なくとも前記指定肢体の動作を停止させることが好ましい。

発明の効果

0013

本発明のロボットおよびその制御方法によれば、基体から延設されている複数の肢体のうち、指定肢体の動作が指定軌道にしたがって制御される。「指定軌道」は、指定肢体の動作状態を表わす一または複数の状態量の時系列によって定義されている。この過程で、エンドエフェクタがその外界にある物体と第1態様で相互作用している「第1相互作用状態」が実現された場合、エンドエフェクタの指定動作によって、当該物体との相互作用態様を第1態様とは異なる第2態様に変化させうる蓋然性があるまたは高い。

0014

そこで、この場合、エンドエフェクタを駆動するアクチュエータに対して制御指令が付与されることにより、エンドエフェクタを指定動作させ、エンドエフェクタがその外界にある物体と第2態様で相互作用している「第2相互作用状態」の実現が図られる。第2相互作用状態が実現された場合、ブレーキに対して制御指令が付与されることにより、エンドエフェクタの動作停止状態の維持が図られる。

0015

これにより、エンドエフェクタに対して作用する外力が指定肢体を介して基体に伝達され、当該外力を推進力として基体、ひいてはロボットが全体的に移動することができる。このように、エンドエフェクタと外界(正確には外界に存在する何らかの物体)との相互作用状態に鑑みて、エンドエフェクタの動作が適当に制御される。

図面の簡単な説明

0016

本発明の一実施形態としてのロボットの構成説明図。
本発明の一実施形態としてのロボットの制御装置の構成説明図。
本発明の一実施形態としてのロボットのエンドエフェクタの構成説明図。
本発明の一実施形態としてのロボットの制御方法に関する説明図。
エンドエフェクタ(手部)の第1相互作用状態に関する説明図。
エンドエフェクタ(手部)の第2相互作用状態に関する説明図。
ロボットの動作例に関する説明図。
ロボットの動作例に関する説明図。

実施例

0017

(ロボットの構成)
図1に示されている本発明の機能装置の一実施形態であるロボット1は脚式移動ロボットであり、人間と同様に、基体10と、基体10の上方に配置された頭部11と、基体10の基体上部102に上部両側から延設された左右の腕体12と、左右の腕体12のそれぞれの先端に設けられている手部126と、基体10の基体下部104から下方に延設された左右の脚体14とを備えている。

0018

左右の腕体12および左右の脚体14が「複数の肢体」に相当し、左右の腕体12が「指定肢体」に相当し、左右の手部126が「エンドエフェクタ」に相当する。すなわち、本実施形態においては、ロボット1は、2つの指定肢体を含む4つの肢体と、当該2つの指定肢体のそれぞれの先端部に取り付けられている2つのエンドエフェクタと、を備えている。ロボットを構成する肢体の数は2以上の任意の数であってもよく、複数の肢体の中に含まれている指定肢体の数は1以上の任意の数であってもよく、複数の肢体の一部ではなく全部が指定肢体に該当していてもよい。

0019

基体10は体幹関節機構103においてヨー軸回りに相対的に回動しうるように上下に連結された基体上部102および基体下部104により構成されている。頭部11は首関節機構101において基体10に対してヨー軸回りに回動する等、動くことができる。

0020

腕体12は第1腕体リンク122と、第2腕体リンク124とを備えている。基体10と第1腕体リンク122とは肩関節機構(第1腕関節機構)121を介して連結され、第1腕体リンク122と第2腕体リンク124とは肘関節機構(第2腕関節機構)123を介して連結され、第2腕体リンク124と手部126とは手首関節機構(第3腕関節機構)125を介して連結されている。肩関節機構121はロールピッチおよびヨー軸回りの回動自由度を有し、肘関節機構123はピッチ軸回りの回動自由度を有し、手首関節機構125はロール、ピッチ、ヨー軸回りの回動自由度を有している。

0021

脚体14は第1脚体リンク142と、第2脚体リンク144と、足部146とを備えている。基体10と第1脚体リンク142とは股関節機構(第1脚関節機構)141を介して連結され、第1脚体リンク142と第2脚体リンク144とは膝関節機構(第2脚関節機構)143を介して連結され、第2脚体リンク144と足部146とは足関節機構(第3脚関節機構)145を介して連結されている。股関節機構141はロール、ピッチおよびロール軸回りの回動自由度を有し、膝関節機構143はピッチ軸回りの回動自由度を有し、足関節機構145はロールおよびピッチ軸回りの回動自由度を有している。股関節機構141、膝関節機構143および足関節機構145は「脚関節機構群」を構成する。

0022

なお、脚関節機構群に含まれる各関節機構並進および回転自由度は適宜変更されてもよい。また、股関節機構141、膝関節機構143および足関節機構145のうち任意の1つの関節機構が省略された上で、残りの2つの関節機構の組み合わせにより脚関節機構群が構成されていてもよい。さらに、脚体14が膝関節とは別の第2脚関節機構を有する場合、当該第2脚関節機構が含まれるように脚関節機構群が構成されてもよい。足部146の底には着床時の衝撃緩和のため、特開2001−129774号公報に開示されているような弾性素材が設けられている。

0023

基体上部102および基体下部104、頭部11、腕体12のリンク122および124、手部126(正確にはその構成要素である手の平部および各指機構のリンク)、脚体14のリンク142および144、ならびに足部146は、アクチュエータ41により相対的な位置・姿勢が変更可能な「複数の部位」に該当する。

0024

ロボット1には、その世界座標系における位置および姿勢などの内部状態を測定するための複数の内部状態センサS1が搭載されている(図2参照)。ロボット1の各関節機構の屈曲角度関節角度)に応じた信号を出力するエンコーダ(図示略)、基体10の姿勢(方位角および仰角により特定される。)に応じた信号を出力する傾斜センサ、および、足部146および着床および離床の別を判定するための圧力センサなどが内部状態センサS1に該当する。手部126(エンドエフェクタ)の外界または外界に存在する物体との相互作用状態を検知するため、当該手部126の指定箇所に設けられている接触センサのほか、アクチュエータ41に対する供給電流を検知するためのセンサなども内部状態センサS1に該当する。

0025

ロボット1には、その周辺における物体の位置などの外部状態を測定するための、撮像装置などの外部状態センサS2が搭載されている(図2参照)。例えば、頭部11に搭載され、ロボット1の前方を撮像範囲とするCCDカメラ赤外線カメラ等、種々の周波数帯域における光を感知しうる左右一対の頭カメラが撮像装置として採用されうる。また、基体10の前側下部に搭載され、ロボット1の前方下方に向けて発せられた近赤外レーザー光の物体による反射光を検知することによりこの物体の位置や方位等を測定するためのカメラ(アクティブセンサ)が撮像装置として採用されうる。

0026

ロボット1は、制御装置2と、前記複数の関節機構のそれぞれを駆動することにより、前記複数の部位のそれぞれを駆動する複数の駆動機構4と、をさらに備えている(図2参照)。

0027

(制御装置の構成)
図2に示されている制御装置2は、ハードウェアとしてのECU(電子制御ユニット)と、ソフトウェアとしてのアプリケーションプログラムと、により構成されている。ECUまたはコンピュータは、CPUまたはマルチコアプロセッサ演算処理装置)、ROMまたはRAMなどのメモリ記憶装置)および入力・出力用インターフェース回路等により構成されている。

0028

制御装置2は、主制御要素20と、第1副制御要素21と、第2副制御要素22と、を備えている。制御装置2およびその各要素20、21および22は、プロセッサがメモリの所定の領域から必要なデータおよびプログラム読み出し、当該プログラムにしたがって当該データを対象として担当演算処理を実行するように構成または設計されている。各要素20、21および22は、共通のプロセッサにより構成されていてもよく、一部の要素およびその他の要素が複数の個別のプロセッサにより構成されていてもよい。例えば、主制御要素20がメインプロセッサにより構成され、手部126(エンドエフェクタ)を構成する駆動機構4ごとにドライバユニットが設けられ、第1副制御要素21および第2副制御要素22がドライバユニットを構成するサブプロセッサにより構成されていてもよい。駆動機構4は、後述するようにアクチュエータ41と、ブレーキ42と、減速機43とを備えている。

0029

主制御要素20は、各腕体12の動作および各脚体14の動作を含む、ロボット1の全体的な動作を指定軌道にしたがって制御する。第1副制御要素21は、主制御要素20により各腕体12(指定肢体)の動作が指定軌道にしたがって制御されている際に、手部126がその外界と第1態様で相互作用する「第1相互作用状態」が実現された場合、この手部126がその外界と第1態様とは異なる第2態様で相互作用する「第2相互作用状態」を実現するための指定動作を手部126にさせるように、アクチュエータ41に対して制御指令を付与する。第2副制御要素22は、第1副制御要素21によりアクチュエータ41に対して制御指令が付与された後、第2相互作用状態が実現された場合、手部126の動作停止状態が維持されるように、ブレーキ42に対して制御指令を付与する。

0030

(エンドエフェクタの構成)
図3に示されている右側の手部126は、基準姿勢時においてロボット1の右側に位置し、右手を構成するものである。手部126は、人間の手の平及び手のに対応するハンド基部1261と、人間の人差し指中指薬指及び小指に対応する単一の部材である第1指部1262と、人間の親指に対応する第2指部1264と、を備えている。

0031

第1指部1262は、ハンド基部1261の長手方向の先端部から、ハンド基部1261に対して屈曲して延びている。第1指部1262は、ハンド基部1261と一体的に構成され、ハンド基部1261に固定されている。このように構成された第1指部1262を備える手部126では、押し動作の際には、第1指部1262は、そのハンド基部1261とは反対側の面を介して対象物荷重を加える。一方、引き動作の際には、第1指部1262のハンド基部1261側の面を介して対象物に荷重を加える。

0032

第1指部1262は、ハンド基部1261の長手方向及び第1指部1262の延びる方向に対し直交する方向(Y軸方向)で、第2指部1264よりも長く形成されるとともに、第2指部1264の先端部と対向する位置に、ハンド基部1261から離れる方向(X軸方向)に突出する突起部1263を有している。このような突起部1263を有しているので、手部126は、第1指部1262の先端部でもボタン等を押すという動作ができる。突起部1263は、第1指部1262の幅等に応じて、省略されてもよい。

0033

第2指部1264は、第1指部1262の先端部のハンド基部1261側の面と対向するように、ハンド基部1261に取り付けられている。第2指部1264は、ハンド基部1261の内部に設けられた駆動機構4によって、第2指部1264の先端部を第1指部1262に接近または離間するように第2指部が回動させられる。このように第2指部1264が構成されているので、手部126は、第1指部1262と第2指部1264とによって対象物を摘まむまたは把持するといった動作等の精密な動きが要求される動作も容易に行うことができる。

0034

第2指部1264は、第2指部1264の先端部を第1指部1262に接近させた状態(以下「閉状態」という。)で突起部1263と当接する爪部1265を有している。ハンド基部1261の長手方向及び第1指部1262の延びる方向に対し直交する方向(Y軸方向)における爪部1265の長さは、第1指部1262の突起部1263の長さに対応している。

0035

このような爪部1265を有しているので、手部126は、第1指部1262と第2指部1264とで摘まむことが難しい小さな対象物も、突起部1263と爪部1265とで、容易に摘まむことができる。また、この爪部1265を利用することによって、突起部1263では押すことが難しい小さなボタンを押すといった動作も可能となる。第2指部1264において、爪部1265が省略されてもよい。

0036

駆動機構4は、第2指部1264の先端部を第1指部1262に対して接近または離間するように、ハンド基部1261の内部に位置する軸線40の回りに、第2指部1264を回動させる。

0037

駆動機構4は、電動モータなどのアクチュエータ41と、アクチュエータ41からの駆動力の伝達を制御する電磁ブレーキなどのブレーキ42と、ブレーキ42を介して伝達されたアクチュエータ41からの駆動力を減速して第2指部1264に伝達する減速機43とにより構成されている。また、駆動機構4は、駆動時には図5Aに示されているように第2指部1264が開状態となり、非駆動時には図5Bに示されているように第2指部1264が閉状態となるように構成されている。閉状態では、手部126は、第1指部1262のハンド基部1261側の面と、第2指部1264のハンド基部1261側の面と、ハンド基部1261の第1指部1262が延びている側の面とで、対象物Obを3点接触によって把持することができる。

0038

このため、手部126は、動作中に駆動力の供給が停止したとしても、対象物を把持した状態が解除されないので、対象物を落下させてしまうことがない。また、ロボット1が梯子を上っている場合等には、ロボット1の落下が防止される。

0039

電動モータ等のアクチュエータ41は、一般的に、瞬時的に大きなトルク(以下、その最大のトルクを「瞬時最大トルク」という。)を発生させることができるが、定格トルク保持トルク)は、瞬時最大トルクよりも低くなるという特徴がある。

0040

そのため、従来のロボットの手部で対象物を掴み続ける動作を行うためには、十分に大きな定格トルク(保持トルク)を持つモータ(すなわち、サイズの大きなモータ)を使用しなくてはならず、手部全体の大型化を招いていた。しかるに、駆動機構4が、第2指部1264と第2指部1264を回動させる駆動力を発生するアクチュエータ41との間に、ブレーキ42を有する構成となっている。ブレーキ42は、駆動時(通電時)に第2指部1264の作動を可能にし、非駆動時に第2指部1264の作動を停止させるように構成されている。

0041

この手部126で対象物を掴み続ける動作を行う場合、まず、ブレーキ42に通電してアクチュエータ41からの駆動力を第2指部1264に伝達可能な状態とし、次に、アクチュエータ41で発生した瞬時最大トルクで第2指部1264を回動させて対象物を掴み(第2指部1264を開状態とした後に閉状態とし)、その後、ブレーキ42の通電を遮断して第2指部1264を固定する。

0042

すなわち、手部126は、アクチュエータ41において生じる駆動力がゼロの状態で、対象物を掴んだ状態(アクチュエータ41が定格トルクを発生し続けているのと同じ状態)を保持することができる。

0043

そのため、手部126に用いられるアクチュエータ41は、対象物を掴む際に第2指部1264を回動させるために十分な瞬時最大トルクを発生させることができるものであればよく、従来のロボットよりも小型のアクチュエータを採用することができる。その結果、駆動機構4は、ブレーキ42を備えていても、全体として従来の駆動機構よりも小型・軽量なものとすることができる。手部126とは異なる関節機構のうち一部または全部を構成する駆動機構4においてはブレーキ42が省略されてもよい。

0044

(ロボットの制御方法)
主制御要素20が、内部状態センサS1および外部状態センサ2のそれぞれの出力信号に基づき、ロボット1の内部状態および外部状態を検知する(図4STEP02)。例えば、図6Aおよび図6Bに示されているように、ロボット1がはしごLを昇る場合、その一対の縦木L1(奥側の縦木L1のみが図示されている。)およびこれらの間に架け渡されている複数の横木L2(j)(j=1,2,‥)の位置が外部状態として検知され、ロボット1の全体重心位置のほか、ロボット1が手部126および足部146のそれぞれにおいて横木L2(j)から受ける外力または反力が内部状態として検知される。

0045

主制御要素20が、検知したロボット1の内部状態および外部状態に基づき、腕体12および脚体14の指定軌道を含むロボット1の全体的な行動計画または歩容を生成する(図4/STEP04)。例えば、図6Aに示されているように、左側の足部146を横木L2(k)(k=1,2,‥)に載せ、左側の手部126で横木L2(k+3)を把持し、かつ、右側の足部146を横木L2(k+1)に載せるために右側の脚体14を動かしている状態で、右側の手部126をはしごLから離間した状態(t=t1)から、横木L2(k+4)を把持した状態(t=t2)に遷移させるような歩容が生成される。さらに、図6Bに示されているように、右側の足部146を横木L2(k+1)に載せ、右側の手部126で横木L2(k+4)を把持し、かつ、左側の足部146を横木L2(k+2)に載せるために左側の脚体14を動かしている状態で、左側の手部126をはしごLから離間した状態(t=t3)から、横木L2(k+5)を把持した状態(t=t4)に遷移させるような歩容が生成される。

0046

主制御要素20が、少なくとも一方(本実施形態では一方のみ)の腕体12を指定軌道にしたがって作動させるため、少なくとも当該腕体12の肩関節機構121、肘関節機構123および手首関節機構125のそれぞれを構成するアクチュエータ41に対して制御指令を出力する(図4/STEP06)。一方の腕体12の動作が指定軌道にしたがって制御されている間、他の腕体12および左右の脚体14のうち少なくとも一部の動作も指定軌道にしたがって同時に制御されていてもよい。

0047

その後、指定軌道にしたがって腕体12が作動している過程で、第1副制御要素21が、エンドエフェクタである手部126がその外界と第1態様で相互作用する「第1相互作用状態」が実現されたか否かを判定する(図4/STEP10)。第1態様としては、例えば、図5Aに示されているように開状態の手部126の第1指部1262に対してその内側(基部1261側)から外側に向かう方向成分を有する外力が、対象物Ob(はしごLの横木L2(k))から作用している態様があげられる。

0048

当該判定は、例えば、内部状態センサS1を構成する、第1指部1262の内側に配置されている外力センサもしく接触センサにより外力が検知されたか否かに応じて実行される。当該判定は、基部1261などに配置された加速度センサにより検知される手部126の加速度断続的にまたは大きく変化したか否かに応じて実行されてもよい。

0049

そのほか、後述するように手部126の指定動作によって第2相互作用状態を実現可能なあらゆる状態が第1相互作用状態として定義されていてもよい。具体的には、開状態の手部126の第1指部1262のほか、基部1261および第2指部1264などに対してその内側から外側に向かう方向成分を有する外力が、対象物Obから作用している態様が第1態様として定義されていてもよい。

0050

第1副制御要素21が、第1相互作用状態が実現されたと判定した場合(図4/STEP10‥YES)、手部126に指定動作をさせるため、当該手部126のアクチュエータ41に対して制御指令を付与または出力する(図4/STEP12)。指定動作としては、例えば、図5Aに示されている開状態から、図5Bに示されている閉状態に遷移するように、第2指部1264を軸線40回りに回動させる動作があげられる。

0051

その一方、第1副制御要素21が、指定軌道にしたがって腕体12を作動させたにもかかわらず第1相互作用状態が実現されなかったと判定した場合(図4/STEP10‥NO)、主制御要素20が当該判定結果に応じて腕体12を「逆指定軌道」にしたがって作動させるように該当するアクチュエータ41に対して制御指令を付与する(図4/STEP22)。これにより、例えば図6Aに示されているように、t=t1(破線参照)からt=t2(実線参照)かけて手部126を横木L(k+4)に接近させるような右腕体12の位置・姿勢軌道とは時系列的に逆の位置・姿勢軌道、すなわち手部126を横木L(k+4)から離間させるような位置・姿勢軌道にしたがって右腕体12が動かされる。その後、ロボット1の内部状態および外部状態の検知処理図4/STEP02)以降の処理が繰り返される。

0052

第1副制御要素21により制御指令がアクチュエータ41に付与された後、第2副制御要素22が、エンドエフェクタである手部126がその外界と第2態様で相互作用する「第2相互作用状態」が実現されたか否かを判定する(図4/STEP14)。第2態様としては、例えば、図5Bに示されているように閉状態の手部126の第1指部1262および第2指部1264のそれぞれに対してその内側(基部1261側)から外側に向かう方向成分を有する外力が、対象物Ob(はしごLの横木L2(k))から作用している態様があげられる。

0053

当該判定は、例えば、アクチュエータ41の制御指令に含まれる第2指部1264の回動角度指令値と、角度センサにより検知される実際値との偏差所定値以上であるか否かに応じて実行される。当該判定は、アクチュエータ41(正確にはその駆動回路)への制御指令に含まれる電流指令値と、電流センサにより検知される実際値との偏差が所定値以上であるか否かに応じて実行されてもよい。

0054

第2副制御要素22が、第2相互作用状態が実現されたと判定した場合(図4/STEP14‥YES)、手部126を動作停止状態に維持するため、当該手部126のブレーキ42に対して制御指令を付与または出力する(図4/STEP16)。これにより、手部126が図5Bに示されている閉状態に維持されうる。

0055

その一方、第2副制御要素22が、第2相互作用状態が実現されなかったと判定した場合(図4/STEP14‥NO)、当該否定的な判定結果が第2指定期間または第2指定回数以上にわたり継続したか否かを判定する(図4/STEP24)。当該判定結果が否定的である場合(図4/STEP24‥NO)、第2相互作用状態の実現有無が引き続き判定される(図4/STEP14)。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(図4/STEP24‥YES)、主制御要素20が当該判定結果に応じて、ロボット1の動作を停止させるように該当するアクチュエータ41に対して制御指令を付与する(図4/STEP28)。

0056

第2副制御要素22が、手部126のブレーキ42に対して制御指令を付与した後、手部126の動作停止状態または制動状態が維持されているか否かを判定する(図4/STEP18)。当該判定は、例えば、第2相互作用状態の実現有無の判定と同様に実行される。

0057

第2副制御要素22が、手部126の動作停止状態が維持されていると判定した場合(図4/STEP18‥YES)、当該手部126のアクチュエータ41を無効化する(図4/STEP20)。例えば、アクチュエータ41の位置または角度の制御ループゲインを「0」に設定するなど、アクチュエータ41それ自体が動作しないようにされる。

0058

その後、ロボット1の内部状態および外部状態の検知以降の処理(図4/STEP02)が繰り返される。これにより、例えば図6Aおよび図6Bに示されているような形態でロボット1がはしごLを昇ることができる。なお、前記のように手部126のアクチュエータ41が無効化され、かつ、ブレーキ42が制動状態にある腕体12の動作が制御される場合、アクチュエータ41が有効化され、かつ、ブレーキ42の制動状態が解除される。

0059

第2副制御要素22が、手部126の動作停止状態が実現されなかったと判定した場合(図4/STEP18‥NO)、当該否定的な判定結果が第1指定期間または第1指定回数以上にわたり継続したか否かを判定する(図4/STEP26)。当該判定結果が否定的である場合(図4/STEP26‥NO)、手部126の動作停止状態の実現有無が引き続き判定される(図4/STEP18)。その一方、当該判定結果が肯定的である場合(図4/STEP26‥YES)、主制御要素20が当該判定結果に応じて、ロボット1の動作を停止させるように該当するアクチュエータ41に対して制御指令を付与する(図4/STEP28)。

0060

作用効果
本発明のロボット1およびその制御方法によれば、基体10から延設されている複数の肢体12、14のうち「指定肢体」に該当する腕体12の動作が指定軌道にしたがって制御される。この過程で、エンドエフェクタである手部126がはしごLの横木L2(j)と第1態様で相互作用している「第1相互作用状態」が実現された場合、手部126を閉状態から開状態に遷移させる指定動作によって、手部126に当該横木L2(j)を把持させうる蓋然性があるまたは高い(図5A参照)。

0061

そこで、この場合、手部126を駆動するアクチュエータ41に対して制御指令が付与されることにより、この手部126を把持動作させ、手部126が横木L2(j)と第2態様で相互作用している「第2相互作用状態」の実現が図られる(図4/STEP10‥YES→STEP12、図5B参照)。第2相互作用状態が実現された場合、ブレーキ42に対して制御指令が付与されることにより、手部126の動作停止状態の維持が図られる(図4/STEP14‥YES→STEP16参照)。

0062

これにより、手部126に対して横木L2(j)作用する外力または反力が腕体12を介して基体10に伝達され、当該外力を推進力として基体10、ひいてはロボット1が全体的に移動することができる(図6A図6B参照)。このように、手部126と外界(正確には外界に存在する何らかの物体)との相互作用状態に鑑みて、当該手部126の動作が適当に制御される。

0063

1‥ロボット、2‥制御装置、4‥駆動機構、10‥基体、12‥腕体(指定肢体)、14‥脚体(肢体)、20‥主制御要素、21‥第1副制御要素、22‥第2副制御要素、126‥手部(エンドエフェクタ)、41‥アクチュエータ(アクチュエータ)、42‥ブレーキ、43‥減速機。

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